JP2023065726A - プレス装置及びプレス装置における金型潤滑方法 - Google Patents

プレス装置及びプレス装置における金型潤滑方法 Download PDF

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【課題】第1金型と第2金型に潤滑剤を効率よく吹き付けることが可能で、故障等を生じにくいプレス装置を提供する。【解決手段】プレス装置10は、第1金型16を取り付け可能な支持体11と、第2金型18を取り付け可能であり、第2金型18とともに第1金型16に向かって移動可能なスライド17と、スライド17を移動させるための駆動部20と、第2金型18及び第1金型16に潤滑剤Lを吹き付けるノズル31を備える潤滑剤吹付部30と、駆動部20にスライド17を移動させるとともに、潤滑剤吹付部30にノズル31から潤滑剤Lを噴射させる制御部40と、を備え、制御部40は、駆動部20に、スライド17の移動可能な最大幅よりも第1金型16と第2金型18とが近づくようにスライド17を移動させた状態で、潤滑剤吹付部30に、ノズル31から潤滑剤Lを噴射させる。【選択図】図1

Description

本発明は、プレス装置及びプレス装置における金型潤滑方法に関する。
熱間鍛造等を行うプレス装置では、例えば特許文献1等に記載されているように、従来から、鍛造と次の鍛造との間に第1金型及び第2金型の潤滑を行うプレス装置が知られている。
そして、離間した第1金型と第2金型の間にノズルを進出させ、ノズルから各金型に潤滑剤を吹き付けるようにして金型の潤滑を行うものがある。
しかし、このようなプレス装置では、ノズルと各金型との距離が遠くなり、金型の表面に十分な潤滑剤を吹き付けることができない場合がある。
そして、そのために潤滑剤を大量に噴射する場合があるが、それでは潤滑剤の量が必要以上に多くなってしまうとともに、潤滑剤が周囲に飛散してしまう等の問題が発生する。
そのため、例えば、特許文献2では、ノズルを上下方向に移動できるように構成し、ノズルを上方に移動させて第2金型に潤滑剤を吹き付け、下方に移動させて第1金型に潤滑剤を吹き付ける方法が開示されている。
また、例えば、特許文献3では、ノズルを上下に1本ずつ計2本とし、上側のノズルから第2金型に潤滑剤を吹き付け、下側のノズルから第1金型に潤滑剤を吹き付ける方法が開示されている。
特許第3663153号公報 特許第5039047号公報 特許第5112903号公報
しかしながら、特許文献2の記載を見ると、ノズルを上方に移動させて第2金型に潤滑剤を吹き付ける際にノズルの下側からも潤滑剤が噴射されており、また、ノズルを下方に移動させて第1金型に潤滑剤を吹き付ける際にノズルの上側からも潤滑剤が噴射されている。そのため、これらの無駄な噴射の分だけ潤滑剤の量が多くなってしまい、潤滑剤を効率よく噴射することができない。
また、特許文献2の方法では、鍛造の1サイクルごとにノズルを上下方向に移動させることになるが、このような構成では、ノズルを上下動させるための機構の耐久性等が問題になり、故障等が発生しやすくなると考えられる。
また、特許文献3の方法では、ノズルが2本必要になり、その分、部品点数が増えてプレス装置のコスト上昇につながる。
また、部品点数が増えることで、故障等の原因となる箇所が増えるとともに、メンテナンスが面倒になる等の問題が生じ得る。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、第1金型と第2金型に潤滑剤を効率よく吹き付けることが可能で、故障等を生じにくいプレス装置及びプレス装置における金型潤滑方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプレス装置の一観点によれば、
第1金型を取り付け可能な支持体と、
第2金型を取り付け可能であり、前記第2金型とともに前記第1金型に向かって移動可能なスライドと、
前記スライドを移動させるための駆動部と、
前記第2金型及び前記第1金型に潤滑剤を吹き付けるノズルを備える潤滑剤吹付部と、
前記駆動部に前記スライドを移動させるとともに、前記潤滑剤吹付部に前記ノズルから前記潤滑剤を噴射させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部に、前記スライドの移動可能な最大幅よりも前記第1金型と前記第2金型とが近づくように該スライドを移動させた状態で、前記潤滑剤吹付部に、前記ノズルから前記潤滑剤を噴射させる。
本発明に係るプレス装置における金型潤滑方法の一観点によれば、
スライドの移動可能な最大幅よりも前記第1金型と前記第2金型とが近づくように該スライドを移動させて、前記スライドに取り付けられた第2金型を前記第1金型に近接させる金型近接工程と、
前記ノズルから潤滑剤を噴射させて前記第2金型及び前記第1金型に前記潤滑剤を吹き付ける潤滑剤吹付工程と、
を有する。
本発明によれば、第1金型及び第2金型に潤滑剤を効率よく吹き付けることが可能で、故障等を生じにくいプレス装置及びプレス装置における金型潤滑方法を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係るプレス装置の構成例を表す正面図である。 潤滑剤吹付部の構成例を表す側面図である。 本発明に係るプレス装置における金型潤滑方法の各工程を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるスライドのプレスモーションを表す図である。 一般的なプレス装置におけるスライドのプレスモーションの例を表す図である。 第1金型と第2金型がノズルから離れた状態を表す図であり、金型に設けられた凹部の側面部分に潤滑剤が届きにくいことを表す図である。 第1の実施形態ではノズルと第1金型との距離及びノズルと第2金型との距離が近く、金型に設けられた凹部の側面部分に潤滑剤が届きやすいことを表す図である。 スライドのプレスモーションの変形例を表す図である。 第2の実施形態に係るプレス装置の構成例を表す正面図である。 第2の実施形態におけるスライドのプレスモーションの変形例を表す図である。 第3の実施形態におけるスライドのプレスモーションの例を表す図である。 第4の実施形態に係るプレス装置の構成例を表す正面図である。
以下、本発明に係るプレス装置及びプレス装置における金型潤滑方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、図中の上下方向及び左右方向に従って上下及び左右と言うが、本発明はその場合に限定されない。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプレス装置の構成例を表す正面図である。
プレス装置10は、ベッド11、アップライト12、クラウン13、ベッドハードプレート15、第1金型16、スライド17、第2金型18、駆動部20、潤滑剤吹付部30、制御部40等を備えている。
ベッド11、アップライト12及びクラウン13は、プレス装置10のフレームを構成している。そして、ベッド11、アップライト12及びクラウン13の内部にはタイロッド14aが挿入され、タイロッドナット14bにより締め付けられることで、互いに締結されている。
ベッド11は、その上面にベッドハードプレート15を介して第1金型16を取り付けることができるようになっている。すなわち、本実施形態では、ベッド11が、第1金型を取り付け可能な支持体に相当する。図1では、ベッドハードプレート15の上部に2個の第1金型16が取り付けられている場合が示されているが、第1金型16は単数でも複数でもよい。
スライド17は、その下部に第2金型18を取り付けることができるようになっている。そして、スライド17は、アップライト12に設けられたスライドガイド19により、第2金型18とともに第1金型16に向かって移動可能に支持されている。すなわち図1の場合は上下方向に移動可能に支持されている。
図1ではスライド17の下部に2個の第2金型18が取り付けられている場合が示されているが、第2金型18は単数でも複数でもよい。また、2個の第2金型18と2個の第1金型16は、互いに対応して組をなすととともに、それぞれ装置の左右方向に沿って配列されており、それぞれ組をなすものと上下に対向している。
そして、スライド17が下降することで、第1金型16と第2金型18とが近接し、これらの間で図示しない被成形物が鍛造成形されるようになっている。なお、スライド17が移動する方向すなわちプレス方向は上下方向に限定されず、特に制限されない。
また、第1金型16と第2金型18の近傍には図示しない搬送機器が設けられている。搬送機器は、第1金型16と第2金型18とが離間したときに、外部から第1金型16に被成形物を搬入したり、第1金型16から他の第1金型16に被成形物を順次搬送したり、被成形物を第1金型16から外部に搬送したりする。
駆動部20は、スライド17を移動させるための機構である。
そして、本実施形態では、駆動部20は、モータ21、フライホイール22、クラッチブレーキ23、伝動軸24、減速機25、エキセン軸26、サーボモータ27、コネクティングロッド28等を備えて構成されている。
モータ21は、クラウン13などのフレームの一端側に固定されている。モータ21は、ベルト21aを介してフライホイール22に連結されており、その動力によりフライホイール22を回転させる。
フライホイール22は、フレームに回転可能に支持されており、回転エネルギーを蓄積する。
クラッチブレーキ23は、フライホイール22の近傍に配置されており、伝動軸24の軸方向の一端側に固定されている。そして、クラッチブレーキ23は、フライホイール22と伝動軸24との連結及び連結解除の切り替えと、伝動軸24の制動とを行う。
すなわち、クラッチブレーキ23によりフライホイール22と伝動軸24が連結されると、フライホイール22の回転運動が伝動軸24に伝達される。また、クラッチブレーキ23によりフライホイール22と伝動軸24との連結が解除されると、伝動軸24が空回りする状態になり、クラッチブレーキ23により伝動軸24が制動されると、伝動軸24の回転が減速したり停止したりする。
伝動軸24は、回転中心軸Ax周りに回転して、フライホイール22の回転運動を、フレームの他端側に設けられた減速機25に伝達する。
減速機25は、伝動軸24の回転運動を減速してエキセン軸26に伝達してエキセン軸26を回転させる。
エキセン軸26は、軸受を介してクラウン13及びアップライト12等のフレームに対して伝動軸24と同軸の回転中心軸Axを中心に回転可能に支持されている。
また、エキセン軸26は、回転中心軸Axに沿って貫通する中空部を有しており、この中空部内に、エキセン軸26に対して回転自在に伝動軸24が配設されている。
サーボモータ27は、減速機25の部分に設けられるなどしてフレームの側面に固定されており、サーボモータ27の出力軸が伝動軸24の一端部に直結されている。
サーボモータ27は、一回転中で任意に回転速度を変化させたり任意の回転角度で停止させたりすることができるようになっている。そのため、伝動軸24の回転を制御して、減速機25とエキセン軸26等を介してスライド17の上下の昇降動作の移動速度を1ストローク中で変化させたりスライド17を任意の位置で停止させたりすることができる。
このように、本実施形態では、フライホイール22とサーボモータ27の両方を備えており、フライホイール22の回転エネルギーを利用した伝動軸24の回転駆動とサーボモータ27による伝動軸24の回転駆動とを切り替えることができるようになっている。そして、エキセン軸26は、伝動軸24及び減速機25を介してフライホイール22とサーボモータ27とのいずれかの回転駆動により回転される。
なお、フライホイール22による回転駆動では伝動軸24及びエキセン軸26は一定方向にしか回転しないが、サーボモータ27は、伝動軸24及びエキセン軸26を上記の一定方向と同方向だけでなく逆方向にも回転すなわち逆回転させることができるようになっている。
コネクティングロッド28は、エキセン軸26の偏心部に、回転中心軸Axに直交する向きに取り付けられており、下端にスライド17が取り付けられている。
そして、コネクティングロッド28は、エキセン軸26の回転運動を直線運動に変換してスライド17に伝達することで、スライド17を上下方向すなわち第1金型16に向かう方向に移動させるようになっている。
なお、図示を省略するが、プレス装置10は、エキセン軸26の回転角度θを検出するセンサ及びスライド17の位置、例えば下死点からのストロークを検出するセンサ等の必要なセンサを有している。
また、サーボモータ27に内蔵されているエンコーダで検出される情報に基づいてエキセン軸26の回転角度θを算出するように構成することも可能である。
潤滑剤吹付部30は、第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを吹き付けるノズル31を備えており、ノズル31は、第1金型16と第2金型18の間の空間に進出したり、その空間から退出したりするようになっている。
図2は、潤滑剤吹付部の構成例を表す側面図である。
潤滑剤吹付部30は、例えば、上方及び下方に潤滑剤Lを噴射可能なノズル31が先端に設けられたアーム32を備えている。
図示を省略するが、アーム32内には潤滑剤をノズル31まで流通させる管が設けられており、潤滑剤をタンクからノズル31に供給してノズル31から噴射させるようになっている。
アーム32は軸受33と進退用部材34とで略水平方向を向くように支持されている。
そして、進退用部材34に形成された雌ネジ部と螺合するネジ軸35をモータ36で軸周りに回転させることで、進退用部材34を略水平方向に移動させて、アーム32とノズル31を略水平方向に移動させることができるようになっている。
本実施形態では、潤滑剤吹付部30は、このようにして、ノズル31を、図1に示すように、第1金型16と第2金型18の間の空間に進出させたり、その空間から退出させたりすることができるようになっている。
なお、図2に示した潤滑剤吹付部30では、アーム32等を下側から支持する支持フレーム37の長さを変えることで、アーム32とノズル31の床面からの高さを調整することができるようになっている。
また、以下では、このようにノズル31を第1金型16と第2金型18の間の空間に進出させてノズル31から第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを吹き付ける場合について説明するが、第1金型16と第2金型18の間の空間の外側に配置したノズル31から第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを吹き付けるように構成することも可能であり、ノズル31を第1金型16と第2金型18の間の空間に進出させることは本発明の必須の要件ではない。
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)等を備える汎用コンピュータで構成されていてもよく、また、専用装置として構成することも可能である。
制御部40は、プログラムに従って、駆動部20にスライド17を移動させて第2金型18を移動させる。また、潤滑剤吹付部30にノズル31を進退させたりノズル31から潤滑剤Lを噴射させたりするように構成されている。
そして、制御部40は、第1金型16と第2金型18の潤滑を行う場合、駆動部20に、スライド17の移動可能な最大幅よりも第1金型16と第2金型18とが近づくようにスライド17を移動させた状態で、潤滑剤吹付部30に、ノズル31から潤滑剤Lを噴射させて、第1金型16と第2金型18の潤滑を行うようになっている。
ここで、スライド17の移動可能な最大幅とは、本実施形態ではスライド17の上死点と下死点との間の幅すなわち距離のことである。そして、以下では、「スライド17の移動可能な最大幅よりも第1金型16と第2金型18とが近づくようにスライド17を移動させる」ことを、簡単に「スライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させる」等の表現を用いる。
以下、プレス装置10の制御部40よる、駆動部20及び潤滑剤吹付部30に対する動作制御について説明する。また、本発明に係るプレス装置における金型潤滑方法の実施形態についても、図3を用いてあわせて説明する。
プレス装置10の実施形態、及びプレス装置10における金型潤滑方法の実施形態において、制御部40は、プレス装置10の第1金型16と第2金型18の潤滑を行う際、駆動部20にスライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させた状態で潤滑剤吹付部30にノズル31から潤滑剤Lを噴射させて、第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを吹き付けるように制御するように構成される。
ここで、前述した「スライド17の移動可能な最大幅よりも第1金型16と第2金型18とが近づくようにスライド17を移動」あるいは「上死点より第1金型16側に近づくように移動」とは、例えばスライド17を上死点で停止させようとしたが上死点より僅かに第1金型16に近い位置すなわち上死点より下方の位置に移動したような場合は含まず、スライド17を意図的に上死点より第1金型16に近づくように移動させることをいう。
なお、以下では、スライド17の下死点からの高さH及びエキセン軸26の回転角度θに基づいて説明するが、例えば、スライド17の動作制御をスライド17の速度等に基づいて構成することも可能である。
また、以下において、例えば、「スライド17が上死点で停止する」という場合又は「エキセン軸26の回転角度θが0度である」等という場合、スライド17が正確に上死点で停止すること又はエキセン軸26の回転角度θが正確に0度であることは必要なく、上死点又はθ=0度の近傍の許容範囲内であればよい。
そのため、以下においても「上死点で停止」、「θ=0度」等の表現を用いるが、その場合の「上死点」、「θ=0度」等はその近傍の所定の許容範囲を含む概念である。
また、以下では、搬送装置は、プレス装置10の制御部40と連携を取りながら制御部40によらずに独自に自らの制御を行うものとして説明するが、制御部40が搬送装置の制御も行うように構成することも可能である。
以下、図4に示すプレスモーションに従って、具体的に説明する。
制御部40は、スライド17が上死点から少し下がった位置に停止している状態で、すなわち図4にAで示されるようにエキセン軸26の回転角度θが例えば60度で停止している状態で、搬送装置に指示して、第1金型16等からワークを取り除かせる。
なお、図1に示したプレス装置10の例では、第1金型16と第2金型18の組が2組配置されており、一方の組でワークに対する1回目の鍛造を行い、ワークを他方の組に移して2回目の鍛造を行うようになっている。
そして、上記のように第1金型16等からワークを取り除く際、2回目の鍛造を終えたワークについては搬送装置が次の工程に搬送するように構成することができる。
また、1回目の鍛造を終えたワークについては、搬送装置で第1金型16等から当該ワークを取り出し、プレス装置10の近傍の所定の場所に搬送するように構成することができる。すなわち、全てのワークをプレス装置10から完全に取り除いて後述する第1金型16と第2金型18の潤滑を行うように構成することが可能である。
あるいは、1回目の鍛造を終えたワークを、搬送装置で第1金型16等から取り出し、後述するようにその後下降する第2金型18と干渉しない金型近傍の位置で搬送装置がワークを保持しておくように構成することも可能である。
続いて、制御部40は、駆動部20のクラッチブレーキ23のクラッチとブレーキを切った状態でサーボモータ27を駆動させて、サーボモータ27の回転駆動によりスライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させて、すなわちエキセン軸26の回転角度θが例えば120度の位置に移動させて、スライド17に取り付けられた第2金型18を第1金型16に近接させる(金型近接工程:図3のステップS1)。
そして、制御部40は、第1金型16と第2金型18が近接している間に、あるいは近接した後で、潤滑剤吹付部30に、図1に示すようにノズル31を上第1金型16と第2金型18の間の空間に進出させる(ノズル進出工程:ステップS2)。
続いて、制御部40は、スライド17を上死点より第1金型16側に近づけた位置に停止している状態で、すなわち図4にBで示されるようにエキセン軸26の回転角度θが例えば120度で停止している状態で、潤滑剤吹付部30に、ノズル31から潤滑剤Lを噴射させて第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを吹き付けさせる(潤滑剤吹付工程:ステップS3)。
本実施形態では、このようにしてプレス装置10の第1金型16と第2金型18の潤滑を行うようになっている。
続いて、制御部40は、第1金型16と第2金型18の潤滑が終了すると、駆動部20にサーボモータ27を逆回転させて、サーボモータ27の回転駆動によりスライド17を、上死点より第1金型16側に近づけた位置から一旦上死点に向かって移動させて、上死点から少し下がった元の位置、すなわち図4にCで示されるようにエキセン軸26の回転角度θが例えば60度の位置まで上昇させて停止させる。
そして、制御部40は、その状態で、搬送装置に指示して、第1金型16等にワークを搬送させてセットさせる。
すなわち、搬送装置で、取り除いておいた1回目の鍛造を終えたワークを、2回目の鍛造を行う側の第1金型16等に搬送させてセットさせる。また、それとともに、新たなワークを1回目の鍛造を行う側の第1金型16等に搬送してセットさせる。
続いて、制御部40は、駆動部20のクラッチブレーキ23を制御して、フライホイール22と伝動軸24を連結させ、フライホイール22の回転エネルギーを利用してスライド17を下降させる。
そして、制御部40は、スライド17を下死点すなわちθ=180度まで下降させてワークの鍛造を行った後、スライド17を一旦上死点すなわちθ=360度=0度まで上昇させる。
続いて、制御部40は、スライド17を上死点から少し下がった位置、すなわちエキセン軸26の回転角度θが例えば60度の位置まで下降させる。
なお、その際、フライホイール22の回転エネルギーを利用した回転駆動によってスライド17を下降させるように構成してもよく、あるいはスライド17が上死点に到達した時点で駆動部20のクラッチブレーキ23のクラッチとブレーキを切り、サーボモータ27を駆動させてスライド17を下降させるように構成してもよい。
本実施形態では、制御部40は、以上の各工程を繰り返し行って、第1金型16と第2金型18の潤滑を行いつつ、ワークの鍛造を順次行うようになっている。
なお、上記の例では、図4にAとCで示されるようにスライド17が上死点から少し下がった位置に停止している状態でワークの搬送を行う場合を示したが、スライド17を上死点に停止させた状態でワークの搬送を行うように構成することも可能である。
本実施形態では、サーボモータ27は、ワークの鍛造には用いられず、第1金型16と第2金型18の潤滑のためにスライド17と第2金型18を上下方向に移動させるためだけに用いられる。
また、前述したように、スライド17と第2金型18を図4においてBで表された状態からCで表された状態に移動させる場合、サーボモータ27を逆回転させて移動させる。
そのため、サーボモータ27に要求される発生最大トルクは、スライド17と第2金型18を上下方向に移動させることができる程度であればよく、ワークの鍛造を行うことができるほど大きなトルクは要求されない。
そのため、本実施形態では、サーボモータ27は、その発生最大トルクが、フライホイール22の回転エネルギーを利用した回転駆動における最大トルクの例えば1/3以下であればよく、本実施形態ではそのようなサーボモータが用いられている。
また、回転駆動のエネルギーの面から見た場合、サーボモータ27に要求される回転駆動の最大エネルギーは、スライド17と第2金型18を上下方向に移動させることができる程度であればよく、ワークの鍛造を行うことができるほど大きなエネルギーは要求されない。
そのため、本実施形態では、サーボモータ27は、その回転駆動の最大エネルギーが、フライホイール22に蓄積される回転エネルギーの例えば1/5以下であればよく、本実施形態ではそのようなサーボモータが用いられている。
このように、本実施形態では、発生最大トルクがさほど大きくなく、回転駆動の最大エネルギーもさほど大きくないサーボモータ27を用いることができる。
そのため、サーボモータ27の容量を小さくすることが可能となり、プレス装置10全体としての電力消費量を抑制することが可能となる。
次に、本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法の作用について説明する。
上記のように鍛造の次の鍛造との間に第1金型と第2金型の潤滑を行う場合、一般的には、図5に示すプレスモーションのように、スライドを上死点に移動させ、スライドを上死点で停止させた状態、すなわち図5にDで示されるようにエキセン軸の回転角度θが0度の状態で、ワークを搬送するとともに、第1金型と第2金型の間の空間にノズルを進出させ、ノズルから潤滑剤を噴射して潤滑剤を第1金型と第2金型に吹き付ける。
そして、このようにして第1金型と第2金型の潤滑を行った後、スライドを上死点から下死点に下降させてワークの鍛造を行う。
そして、再度、スライドを上死点に移動させて、ワークの搬送と第1金型と第2金型の潤滑を行うというサイクルが繰り返される。
このように、一般的なプレス装置では、スライドを上死点で停止させた状態で第1金型と第2金型の潤滑を行うため、図6に示すように、第1金型101と第2金型102がいずれもノズル103から離れた状態になる。
そのため、ノズル103から噴射される潤滑剤Lのうち周囲に飛散する潤滑剤Lの量が多くなり、その分、第1金型101と第2金型102に到達する潤滑剤Lの量が減る。そのため、潤滑剤Lをより多く噴射することが必要になるが、それでは潤滑剤Lの使用量が必要以上に多くなってしまい、第1金型101と第2金型102に潤滑剤Lを効率よく吹き付けることが難しい。
また、距離が遠い第1金型101と第2金型102に潤滑剤Lを確実に到達させるために、ノズル103から潤滑剤Lを噴射する際の噴射圧を上げる場合がある。
しかし、その場合、潤滑剤Lが第1金型101の表面若しくは第2金型102の表面又はそれら両方の各表面で跳ね返るようになり、第1金型101と第2金型102に吹き付けられる潤滑剤Lの量が減るため、潤滑剤Lをより多く噴射しなければならなくなる。そのため、やはり第1金型101と第2金型102に潤滑剤Lを効率よく吹き付けることが難しい。
また、金型に設けられた凹部が深い場合、図6に示すように金型とノズル103の距離が遠いと、例えば金型の凹部の垂直に近い側面部分Qに潤滑剤Lが届きにくくなる。
そのため、この点においても第1金型101と第2金型102に潤滑剤Lを効率よく吹き付けることが難しいという問題があった。
それに対し、本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法のように、スライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させて、第1金型16と第2金型18の距離が近い状態でノズル31から潤滑剤Lを噴射させて潤滑剤Lを吹き付けるように構成することで、上記の問題を全て解決することが可能となる。
すなわち、本実施形態では、上記の一般的なプレス装置の場合に比べて、図7に示すようにノズル31と第1金型16との距離及びノズルと第2金型18との距離が近い。
そのため、ノズル31から噴射される潤滑剤Lが周囲に飛散しなくなり、あるいは飛散する量が非常に少なくなり、第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lが確実に到達する。
そのため、潤滑剤Lを必要以上に噴射する必要がなく、適正量の潤滑剤Lを噴射すればよい。また、潤滑剤Lの噴射圧を必要以上に上げる必要がないため、第1金型16の表面若しくは第2金型18の表面又はそれら両方の各表面で跳ね返る潤滑剤Lの量も無視できる程度になる。
そのため、本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法では、第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを効率よく吹き付けることが可能となる。
また、金型に設けられた凹部が深い場合でも、ノズル31と第1金型16との距離及びノズルと第2金型18との距離が近いため、図7に示すように、第1金型16及び第2金型18の凹部の垂直に近い側面部分Qに潤滑剤Lが届きやすくなる。
そのため、この点においても、本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法では、第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを効率よく吹き付けることが可能となる。
また、上記の点について、前述した特許文献2に記載された方法では、ノズルを上下方向に移動できるように構成することで、ノズルを第1金型と第2金型に近づけた状態を作り出しているが、この方法では、金型の潤滑を行うごとにノズルを上下に移動させなければならず、ノズルを上下に動かすための機構の耐久性等が問題になり、故障等が発生しやすくなることが懸念される。
本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法では、ノズル31を上下方向に移動させることはないため、その点での耐久性、故障等の問題は生じない。
また、前述した特許文献3では、ノズルを上下に1本ずつ計2本設けるように構成することで、ノズルを第1金型と第2金型に近づけた状態を作り出しているが、この方法では、ノズルが2本必要になり、その分、部品点数が増えてプレス装置のコスト上昇につながったり、部品点数が増えることで故障等の原因となる箇所が増えたり、メンテナンスが面倒になる等の問題が生じ得る。
本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法では、ノズル31は1本であり、このような問題は生じない。
以上のように、本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法によれば、プレス装置10の第1金型16と第2金型18の潤滑を行う際、スライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させて第1金型16と第2金型18を潤滑剤吹付部30のノズル31に近づけた状態でノズル31から潤滑剤Lを噴射させて、第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを吹き付けるように構成した。
そのため、潤滑剤吹付部30のノズル31から第1金型16と第2金型18に潤滑剤Lを効率よく吹き付けることが可能となる。
また、本実施形態に係るプレス装置10及びプレス装置における金型潤滑方法では、1本のノズル31を用い、ノズル31を上下方向に動かすことなく潤滑剤Lを噴射させて潤滑剤Lの吹き付けを行うため、潤滑剤吹付部30とプレス装置10を故障等が生じにくいものとすることが可能となる。
なお、以下の各実施形態でも同様であるが、上記の第1の実施形態では、スライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させ、その位置で停止させて、第1金型16と第2金型18の潤滑を行う場合を示した。
しかし、スライド4を完全に停止させず、例えば図8のプレスモーションにおけるBに示すように、スライド4を僅かに動かしながら第1金型16と第2金型18の潤滑を行うように構成することも可能である。
この場合、ノズル31から潤滑剤Lを吹き付けて第1金型16と第2金型18の潤滑を行う間、サーボモータ27の回転状態を僅かに順回転する状態から僅かに逆回転する状態まで変化させるように構成される。
このように構成すれば、サーボモータ27を逆回転させてスライド17を上死点より第1金型16側に近づけた位置から一旦上死点に向かって移動させる際に、サーボモータ27の回転が停止した状態から逆回転を開始させるよりも、僅かに逆回転している状態から逆回転させる方が、より少ないエネルギーでサーボモータ27を逆回転させることができる。
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、プレス装置10がフライホイール22とサーボモータ27とを備えた、いわゆるハイブリッド型である場合を示した。
しかし、鍛造にさほど大きなトルクが必要とされない場合には、駆動部20にフライホイール22を備えずにサーボモータ27のみを備え、サーボモータ27の回転駆動によりスライド17を移動させるプレス装置でも、図4に示したプレスモーションと図3に示したプレス装置の金型潤滑方法を実現することができる。
この場合、プレス装置50は、例えば、図9に示すように、減速機25が設けられたフレームの側面とは反対側の側面にサーボモータ27が固定されており、サーボモータ27の出力軸が伝動軸24の一端部に直結されるように構成される。
そして、サーボモータ27の回転駆動により伝動軸24が回転中心軸Ax周りに回転すると、減速機25が伝動軸24の回転運動を減速してエキセン軸26に伝達してエキセン軸26を回転させる。そして、エキセン軸26の回転によりコネクティングロッド28を介してスライド17が上下方向すなわち第1金型16に向かう方向に移動する。
この場合、プレス装置50は、金型の潤滑時はもちろん、ワークに対する鍛造時もサーボモータ27の回転駆動によりスライド17を移動させて鍛造を行うように構成される。
そして、プレス装置50をこのように構成した場合でも、第1の実施形態と同様の有益な作用効果を奏することが可能である。
なお、図9に示した本実施形態のプレス装置50のように、駆動部20にサーボモータ27を備え、フライホイールを備えない場合、サーボモータ27を順回転させた状態だけでなく逆回転させた状態でもプレス動作を行わせることができる。
そのため、このようなプレス装置50の場合は、図4に示したプレスモーションのように行程ごとにスライド17を上死点すなわちθ=0度まで上昇させることは必要なく、例えば図10に示すように、サーボモータ27を順回転させてエキセン軸26の回転角度θが例えば300度の位置までスライド17を上昇させて停止させた後、サーボモータ27を逆回転させてスライド17を下降させるように構成することも可能である。
[第3の実施の形態]
一方、第1、第2の実施形態では、図4、図10にBで示すようにスライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させた状態で第1金型16と第2金型18の潤滑を行った後、サーボモータ27を逆回転させてスライド17を一旦上昇させる。そして、図4、図10にCで示すようにスライド17を停止させ、その状態でワークの搬送を行う場合を示した。
しかし、ワークの搬送を行うために、スライド17を上昇させて第1金型16と第2金型18との間隔を拡げなくてもよく、第1金型16と第2金型18の潤滑を行った際の第1金型16と第2金型18との間隔のままワークの搬送を行うことができる場合には、金型の潤滑後にサーボモータ27を逆回転させてスライド17を一旦上昇させる必要はない。
そして、この場合は、図11のプレスモーションのように、スライド17の高さHを変えずに、すなわちスライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させた状態で、図11にBで示すように第1金型16と第2金型18の潤滑を行うとともに図11にA、Cで示すようにワークの搬送を行うように構成することができる。
なお、このように第1金型16と第2金型18との間隔を拡げずに第1金型16と第2金型18の潤滑及びワークの搬送を行うことを、第2の実施形態のプレス装置10において図10に示したようにスライド17を移動させる場合に行うように構成することも可能である。
そして、この第3の実施形態のように構成する場合も、第1の実施形態と同様の有益な作用効果を奏することが可能である。
なお、この場合、図11に示すように、第1金型16と第2金型18の潤滑を行う前に、搬送装置が2回目の鍛造を終えたワークを次の工程に搬送するとともに、1回目の鍛造を終えたワークを第1金型16等から取り出してプレス装置10の近傍の所定の場所に搬送するように構成することが可能である。
そして、この場合は、第1金型16と第2金型18の潤滑が終了した後、搬送装置は、取り除いておいた1回目の鍛造を終えたワークを2回目の鍛造を行う側の第1金型16等に搬送させてセットさせるとともに、新たなワークを1回目の鍛造を行う側の第1金型16等に搬送してセットさせる。
また、本実施形態では、このように第1金型16と第2金型18の潤滑とワークの搬送とを別々に行うように構成する代わりに、ワークの搬送を行いながら第1金型16と第2金型18の潤滑を行うように構成することもできる。
すなわち、上記のようにスライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させた状態で、搬送装置が2回目の鍛造を終えたワークを第1金型16等から取り除いて次の工程に搬送するとともに、1回目の鍛造を終えたワークを下第1金型16等から取り出して、第1金型16と第2金型18の間の、潤滑の邪魔にならない位置、すなわち例えば図1における2つのノズル31の間の位置などでワークを保持する。
そして、ノズル31から潤滑剤Lを噴射して第1金型16と第2金型18の潤滑を行った後、搬送装置が、第1金型16と第2金型18の間で保持していた1回目の鍛造を終えたワークを2回目の鍛造を行う側の第1金型16等に搬送させてセットする。
また、それとともに、新たなワークを1回目の鍛造を行う側の第1金型16等に搬送してセットするように構成することも可能である。
[第4の実施の形態]
一方、上記の第3の実施形態では、第1金型16と第2金型18の潤滑を行った後、スライド17を一旦上昇させなくてもよいため、サーボモータ27を逆回転させる必要がなくなる。
すなわち、伝動軸24とエキセン軸26は一方向に回転するか停止しているかのいずれかであり、逆回転することはない。
そのため、逆回転が可能なサーボモータ27を備えず、伝動軸24とエキセン軸26を一方向にしか回転させることができないフライホイール22の回転エネルギーを利用してスライド17を移動させるプレス装置でも、図11に示したプレスモーションと図3に示したプレス装置の金型潤滑方法を実現することができる。
この場合、プレス装置60は、例えば、図12に示すように、フライホイール22が設けられたフレームの側面とは反対側の側面に減速機25を設けるように構成される。
そして、フライホイール22の回転エネルギーを利用した回転駆動により伝動軸24が回転中心軸Ax周りに回転すると、減速機25が伝動軸24の回転運動を減速してエキセン軸26に伝達してエキセン軸26を回転させる。そして、エキセン軸26の回転によりコネクティングロッド28を介してスライド17が上下方向すなわち第1金型16に向かう方向に移動する。
この場合、プレス装置60は、ワークの鍛造時はもちろん、スライド17を上死点より第1金型16側に近づくように移動させる際もフライホイール22の回転エネルギーを利用した回転駆動によりスライド17を移動させて第1金型16と第2金型18の潤滑を行うように構成される。
そして、プレス装置60をこのように構成した場合でも、第1の実施形態と同様の有益な作用効果を奏することが可能である。
なお、上記の各実施形態において、第1金型16と第2金型18の潤滑を行う際、潤滑剤Lの周囲への飛散をより確実に防止するために、例えば、第1金型16と第2金型18の間の空間を飛散防止用のカバーで覆うように構成することも可能である。
また、カバーで覆った内部空間を負圧にするように構成することも可能である、内部空間を負圧にすると、潤滑剤Lが周囲に飛散しにくくなる。
また、カバーの内部空間を負圧にすると、潤滑剤Lが第1金型16と第2金型18に付着しやすくなり、金型全体に均一に潤滑剤Lの膜が形成されやすくなるといった効果も得られる。
すなわち、例えばアルミニウム製の金型で熱間鍛造を行う場合、金型の温度を300℃等の高温にする場合があるが、その際、潤滑剤Lの粒径が大きいと金型表面でライデンフロスト現象が生じやすくなるため、ノズル31から噴射される潤滑剤Lの粒径の微小化が図られる場合がある。
そして、潤滑剤Lの粒が細かいと、すなわち潤滑剤Lがミスト状に噴射されると、カバー内の空気によって潤滑剤Lの粒の飛翔が妨げられやすくなるが、カバーの内部空間を負圧にすると、潤滑剤Lの飛翔がカバー内の空気によって妨げられる度合いが小さくなる。
そのため、潤滑剤Lが第1金型16と第2金型18に付着しやすくなり、潤滑剤Lが金型全体にムラなく到達するようになり、金型全体に均一に潤滑剤Lの膜が形成されやすくなる。
一方、上記のライデンフロスト現象を生じにくくするために、油性の潤滑剤Lが用いられる場合があるが、油性の潤滑剤Lが引火して火災、爆発等を生じる可能性がある。
そのため、上記のように第1金型16と第2金型18の間の空間を飛散防止用のカバーで覆うように構成する場合、カバーの内部空間に窒素ガス等の不活性ガスを入れるように構成することが可能である。
このように構成すれば、潤滑剤Lとして油性の潤滑剤を用いる場合でも、カバー内の酸素濃度が低下するため、油性の潤滑剤Lが引火して火災、爆発等を生じることを抑制することが可能となる。
なお、本発明が上記の各実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
10、50、60 プレス装置
11 ベッド(支持体)
16 第1金型
17 スライド
18 第2金型
20 駆動部
22 フライホイール
27 サーボモータ
30 潤滑剤吹付部
31 ノズル
40 制御部
L 潤滑剤

Claims (8)

  1. 第1金型を取り付け可能な支持体と、
    第2金型を取り付け可能であり、前記第2金型とともに前記第1金型に向かって移動可能なスライドと、
    前記スライドを移動させるための駆動部と、
    前記第2金型及び前記第1金型に潤滑剤を吹き付けるノズルを備える潤滑剤吹付部と、
    前記駆動部に前記スライドを移動させるとともに、前記潤滑剤吹付部に前記ノズルから前記潤滑剤を噴射させる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記駆動部に、前記スライドの移動可能な最大幅よりも前記第1金型と前記第2金型とが近づくように該スライドを移動させた状態で、前記潤滑剤吹付部に、前記ノズルから前記潤滑剤を噴射させる、
    プレス装置。
  2. 前記駆動部は、フライホイールを備えており。前記フライホイールの回転エネルギーを利用して前記スライドを移動させる、
    請求項1に記載のプレス装置。
  3. 前記駆動部は、サーボモータを備えており。前記サーボモータの回転駆動により前記スライドを移動させる、
    請求項1に記載のプレス装置。
  4. 前記駆動部は、フライホイールとサーボモータとを備えており、前記スライドの移動可能な最大幅よりも前記第1金型と前記第2金型とが近づくように該スライドを移動させる際には前記サーボモータの回転駆動により前記スライドを移動させ、それ以外の前記スライドの移動においては前記フライホイールの回転エネルギーを利用して前記スライドを移動させる、
    請求項1に記載のプレス装置。
  5. 前記サーボモータは、その発生最大トルクが、前記フライホイールの回転エネルギーを利用した回転駆動における最大トルクの1/3以下である、
    請求項4に記載のプレス装置。
  6. 前記サーボモータは、その回転駆動の最大エネルギーが、前記フライホイールに蓄積される回転エネルギーの1/5以下である、
    請求項4又は請求項5に記載のプレス装置。
  7. 前記駆動部は、前記第2金型及び前記第1金型の潤滑が終了した後、前記サーボモータを逆回転させて前記スライドの移動可能な最大幅よりも前記第1金型と前記第2金型とが近づくように該スライドを移動させた位置から一旦前記スライドの移動可能な最大幅となる位置に向かって移動させる、
    請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のプレス装置。
  8. スライドの移動可能な最大幅よりも前記第1金型と前記第2金型とが近づくように該スライドを移動させて、前記スライドに取り付けられた第2金型を前記第1金型に近接させる金型近接工程と、
    前記ノズルから潤滑剤を噴射させて前記第2金型及び前記第1金型に前記潤滑剤を吹き付ける潤滑剤吹付工程と、
    を有する、
    プレス装置における金型潤滑方法。
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