JP6898209B2 - 鍛造プレス装置 - Google Patents
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Description
熱間鍛造は、品質を確保するために、金型温度を適正な温度範囲に維持した状態で行う必要がある。
しかしながら、このスライドの速度制御は、騒音や振動の抑制には効果があるが、金型を熱間鍛造に必要となる十分な目標の高温度を維持し続けることには十分に寄与するものではなかった。
対をなす金型の一方の金型を保持するスライドと、
前記対をなす金型の他方の金型に対して前記一方の金型を前記スライドが接離動作を行うように前記スライドを進退可能に支持するフレーム部と、
前記スライドに進退移動を付与する駆動機構と、
前記駆動機構の駆動源を制御する制御装置と、
前記一方の金型と前記他方の金型との少なくとも一方の温度又は前記一方の金型と前記他方の金型との少なくとも一方から伝わる温度を検出する温度検出部とを備え、
前記制御装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記駆動機構を制御して、
前記温度検出部の検出温度が目標温度範囲よりも高い場合には、前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触時間を短くし又は前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触頻度を低減させ、
前記温度検出部の検出温度が目標温度範囲よりも低い場合には、前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触時間を長くし又は前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触頻度を増加させる
構成とした。
本発明の第一の実施形態の鍛造プレス装置1について図1〜図5に基づいて説明する。図1は鍛造プレス装置1を示す構成図である。
本実施形態では、予め鍛造に適した高温状態に加熱した被成形物の余熱を利用して鍛造を行ういわゆる熱間鍛造を実施する鍛造プレス装置1を例示する。
本実施形態のプレス装置1は、鍛造成形を行う鍛造プレス装置であり、ベッド23、複数のアップライト22、クラウン21、ボルスタ24、スライド18、対をなす金型3,4、駆動機構100、制御装置90及びトランスファフィーダと呼ばれる搬送装置40を備える。
ボルスタ24は、ハードプレート26を介してベッド23に固定される。ボルスタ24は、対をなす金型の他方である下金型4が固定される部品である。なお、複数の下金型4はエキセン軸16の長手方向に沿って一列に並んで配設されている(図1では二つのみ図示しているがもっと数を増やしても良い)。各上金型3と各下金型4は個別に対向するように配置され、スライド18が下降したときに互いに近接する。相対する上金型3と下金型4の間に被成形物が投入されている場合、スライド18が下降することで被成形物が上金型3と下金型4の型空間の中で加圧され、被成形物が鍛造成形される。
エキセン軸16は、その主軸部16aが軸受け41を介してクラウン21又はアップライト22などのフレーム部に回転可能に支持される。
クラッチブレーキ13と減速機15とは、フレーム部材を介して、クラウン21又はアップライト22などのフレーム部に支持される。
このような配置により、重量の大きなフライホイール12及びクラッチブレーキ13と、重量の大きな減速機15とを、エキセン軸16の軸方向の両側に分散して配置できる。これにより、鍛造プレス装置1の良好な重量バランスを図ることができる。
潤滑剤供給機構51,52は、各上金型3と各下金型4に対して、潤滑剤を噴霧するノズルと、潤滑剤をノズルに圧送する加圧装置と、ノズルの噴霧と停止を切り替える制御バルブ等からなる。潤滑剤の噴霧量は、噴霧時間又はノズルへの潤滑剤の供給量によって任意に調節することができる。潤滑油の噴霧量は、後述する制御装置90により制御される。
ノックアウト機構53,54は、上金型3、下金型4の内面部から金型内へ移動可能なノックアウトピンと、ノックアウトピンを駆動する油圧シリンダとを有する。ノックアウト機構53のノックアウトピンは下方に向かって進出し、ノックアウト機構54のノックアウトピンは上方に向かって進出する向きで配置されている。
そして、油圧シリンダは油圧により駆動して、ノックアウトピンを成形後の被成形物に突き当て、上金型3、下金型4から被形成物を分離させる。
ノックアウト機構53,54の油圧シリンダは、制御装置90により圧油の供給と停止を切り替える制御バルブによってその作動が制御される。
ヒータ55は、ボルスタ28に対して図1の紙面に垂直となる方向に沿って貫通形成された貫通孔に内蔵された棒状ヒータである。ヒータ55はボルスタ28に複数本内蔵されており、ボルスタ28を介して複数の上金型3を均一に加熱することができる。
ヒータ56は、ボルスタ24に対して図1の紙面に垂直となる方向に沿って貫通形成された貫通孔に内蔵された棒状ヒータである。ヒータ56も複数本内蔵されており、ボルスタ24を介して複数の下金型4を均一に加熱することができる。
また、ヒータ55,56は、上金型3、下金型4に直接設けてもよい。その場合、上金型3、下金型4に巻き付けて装備する等、ヒータ55,56の取り外しが容易な構造であることが望ましい。
また、ボルスタ24における下金型4の近傍には、下金型4から伝わる温度を検出する温度検出部58が設けられている。
温度検出部57,58は、いずれも測温抵抗体、サーミスタ、熱電対、IC温度センサ等の接触式の温度センサである。これらの温度検出部57,58は、上金型3からボルスタ28に、下金型4からボルスタ24に伝わる温度を検出することで、間接的に上金型3、下金型4の温度を検出する。
温度検出部57,58は、複数の上金型3、下金型4のそれぞれの近傍に個別に設けても良いが、ここでは、一つの上金型3、一つの下金型4の近傍のみに温度検出部57,58を設け、一つの上金型3と一つの下金型4の温度のみを代表的に検出する。
また、温度検出部57,58は、接触式のものに限らず、非接触式のものを使用しても良い。
前述したモータ11はモータ制御回路11aを介して制御装置90に接続され、クラッチブレーキ13は駆動回路13aを介して制御装置90に接続されている。
また、ノックアウト機構53,54は駆動回路53a,54aを介して制御装置90に接続され、潤滑剤供給機構51,52は駆動回路51a,52aを介して制御装置90に接続されている。
さらに、ヒータ55,56は電源回路55a,56aを介して制御装置90に接続され、温度検出部57,58はインターフェイス57a,58aを介して制御装置90に接続されている。
そして、上記構成により制御装置90は、鍛造プレス装置1の全体制御を行う。
図3は制御装置90によるモータ11の制御によって得られるスライド18のストローク曲線である。図中、実線C0はスライド18の進退移動の移動動作期間が標準の周期である場合を示し、太線C1は周期が短い場合を示し、点線C2は周期が長い場合を示す。なお、各曲線C0〜C2の縦軸はスライド18の上下ストローク、横軸は時間を示す。
プレス加工の際には、モータ11が規定の標準回転速度で駆動してエキセン軸16が一回転するとクラッチブレーキ13が一時的にトルク伝達を切断してエキセン軸16の回転を停止させる。
これによりスライド18は、退避位置としての上死点から進行位置としての下死点を通過して再び上死点に戻る往復上下動作(移動動作期間とする)と上死点位置で一定期間滞留する動作(停止期間とする)が行われる。そして、移動動作期間と停止期間の合計を一周期として、これが繰り返し行われる。なお、進行位置は、スライド18の進退移動において、上金型3を下金型4に最も近接又は接触させる位置であり、退避位置は上金型3を下金型4に最も離間させる位置である。
移動動作期間では、下金型4に対して上金型3が下降し、被成形物に対する鍛造プレスが行われる。
また、停止期間では、搬送装置40が作動して、上金型3及び下金型4に対する被成形物の搬出と搬入が行われる。
熱間鍛造における被成形物の加工温度まで上金型3及び下金型4をヒータ55,56で加熱することは困難であることから、制御装置90は、被成形物の余熱を利用して上金型3及び下金型4の温度調節を行う制御を実施する。
具体的には、温度検出部57,58の検出温度が規定の目標温度範囲内の場合には、モータ11を標準速度で駆動し、スライド18の移動動作期間が標準の周期となるストローク曲線C0でスライド18の昇降動作(進退動作)を行わせる。
そして、温度検出部57,58の検出温度が目標温度範囲よりも高い場合には、モータ11を標準速度よりも高速度で駆動し、スライド18の移動動作期間が標準より短い周期となるストローク曲線C1でスライド18の昇降動作(進退動作)を行わせる。
また、温度検出部57,58の検出温度が目標温度範囲よりも低い場合には、モータ11を標準速度よりも低速度で駆動し、スライド18の移動動作期間が標準よりも長い周期となるストローク曲線C2でスライド18の昇降動作(進退動作)を行わせる。
これに対して、高速度のストローク曲線C1でスライド18が昇降動作を行った場合、上金型3及び下金型4の接触時間はt1となる(t1<t0)。
また、低速度のストローク曲線C2でスライド18が昇降動作を行った場合、上金型3及び下金型4の接触時間はt2となる(t0<t2)。
これにより、上金型3及び下金型4の温度が高い場合には、被成形物との接触時間を短くすることで熱伝達量が低減し、上金型3及び下金型4の温度を下げることができる。
また、上金型3及び下金型4の温度が低い場合には、被成形物との接触時間を長くすることで熱伝達量が増加し、上金型3及び下金型4の温度を上げることができる。
従って、目標温度T0と接触時間t0は、被成形物の材質ごとに、実際的な加工条件による過去のデータやシミュレーションから決定される。
また、接触時間t1,t2は固定値としても良いが、目標温度T0と検出温度Tとの差分値の大きさに応じて接触時間t1,t2は変動する値としても良い。
例えば、接触時間t1,t2と(T0-T)の間に相関関係を定義し、(T0-T)を変数とする所定の関数に基づいて接触時間t1,t2を算出し、これらの接触時間t1,t2となるようにモータ11の速度を制御しても良い。
また、検出温度Tだけでなく、温度変化率(dT/dt)も変数とする所定の関数に基づいて接触時間t1,t2を算出しても良い。
上記構成からなる鍛造プレス装置1の鍛造プレス動作を図4及び図5に基づいて説明する。図4は制御装置90が実行する金型温度制御のフローチャート、図5は上金型3及び下金型4と被成形物の接触時間と金型温度との関係を示す線図である。
図5において、Tiはヒータ55,56による昇温可能な上限温度を示し、太線は検出温度の変化、細線は接触時間の変化を示す。
そして、温度検出部57,58による検出温度Tが上限温度Tiに達したか否かを判定し(ステップS3)、達していない場合にはその判定を繰り返し実行する。
そして、上金型3及び下金型4の検出温度Tが目標温度T0に達すると、制御装置90は、上金型3及び下金型4の検出温度Tが目標温度T0を中心とする±ΔTの温度範囲内になるか判定を行う(ステップS7)。
また、上金型3及び下金型4の検出温度Tが目標温度T0を中心とする±ΔTの温度範囲外となる場合には、プレスモーションを変更する(ステップS9)。
また、検出温度Tが目標温度T0−ΔT以下の場合には、制御装置90はモータ11を減速する制御を行い、上金型3及び下金型4の接触時間を延長する。これにより、図5に示すように、検出温度Tが上昇し、T0±ΔTの範囲内に戻される。
このようにして、上金型3及び下金型4の検出温度Tを目標温度T0を中心とする±ΔTの温度範囲に維持しつつ、順次、被成形物の鍛造プレス加工を実施することができる。
上記鍛造プレス装置1は、その制御装置90が、温度検出部57,58の検出温度Tに基づいて、駆動機構100のモータ11を制御して、上金型3及び下金型4が被成形物に圧接する接触時間を調節している。
このため、熱間鍛造において、被成形物との接触時間の調節により、上金型3及び下金型4を熱間鍛造に必要となる十分な目標の高温度に維持し続けることが可能となる。
また、上金型3及び下金型4の熱源となるヒータ55,56に拘わらず、上金型3及び下金型4を十分に昇温させることが可能となる。
さらに、ヒータ55,56として、昇温能力が高くない小型のものや構造の簡易なものを利用することができ、配線の断線を低減し、漏電防止対策も容易に行うことができる。
このため、上金型3及び下金型4の昇温等の温度制御を、例えば、インバーターモータのような回転速度の調節が可能なモータ11により、実現することが可能である。
なお、鍛造プレス装置1の駆動機構100のモータは、インバーターモータに限らず、回転速度の調節が可能なあらゆるモータを使用することが可能である。
上記金型温度制御では、スライド18の進退移動の移動動作期間の周期を変更して制御して上金型3及び下金型4が被成形物に圧接する接触時間を調節する例を示したがこれに限定されない。
例えば、図6に示すように、スライド18の進退移動の移動動作期間K1の周期は維持したまま、停止期間K2の長さを変えることで、スライド18の進退移動の下死点への移動開始から次の下死点への移動開始までの周期(K1+K2)を変えても良い。
この場合、スライド18の進退移動の下死点への移動開始から次の下死点への移動開始までの周期を変えることで、上金型3及び下金型4が被成形物に圧接する接触頻度を替えることができる。
そして、温度検出部57,58の検出温度が目標温度範囲よりも高い場合には、図6の点線で示したように、停止期間K2の長さが標準的な長さよりも長くとなるように、クラッチブレーキ13の制御を行う。これにより、上金型3及び下金型4が被成形物に圧接する接触頻度が低減して、上金型3及び下金型4の温度を徐々に低減させることができる。
また、温度検出部57,58の検出温度が目標温度範囲よりも低い場合には、図6の太線で示したように、停止期間K2の長さが標準的な長さよりも短くとなるように、クラッチブレーキ13の制御を行う。これにより、上金型3及び下金型4が被成形物に圧接する接触頻度が増加して、上金型3及び下金型4の温度を徐々に上昇させることができる。
なお、停止期間K2は、搬送装置40の動作期間でもあるので、必要最小限の時間を確保する必要があり、その範囲で停止期間K2の長さを調節する必要がある。
本発明の第二の実施形態の鍛造プレス装置1Aについて図7及び図8に基づいて説明する。図7は鍛造プレス装置1Aを示す構成図である。
この鍛造プレス装置1Aは、前述した鍛造プレス装置1の駆動機構100のモータ11をインバーターモータではなく、サーボモータ11Aに変更した点が異なっている。
従って、鍛造プレス装置1Aでは、駆動機構100Aにおいて、サーボモータ11Aの出力軸を伝動軸14に直接接続し、フライホイール12及びクラッチブレーキ13を不要としている。
なお、鍛造プレス装置1Aは、上記以外の構成については鍛造プレス装置1と同じであることから、同一の構成については同じ符号を付すると共に重複する説明は省略する。
しかし、この方法の場合、上金型3及び下金型4の接触時間を延長するためには、スライド18の進退移動の移動動作期間K1の周期が長くなるので、鍛造における1ストロークの期間が長くなり、鍛造プレス装置1の生産性の低下を生じていた。
この鍛造プレス装置1Aでは、駆動機構100Aの駆動源としてサーボモータ11Aを使用しているので、スライド18の進退移動の1ストロークの中で速度を変化させることが可能である。
これにより、鍛造プレス装置1Aの制御装置は、鍛造プレス装置1の生産性の低下を回避又は抑制することを可能としている
即ち、制御装置は、温度検出部57,58の検出温度が規定の目標温度範囲内の場合には、サーボモータ11Aを制御して標準動作を実行する。サーボモータ11Aによる標準動作では、図8の曲線C11に示すように、サーボモータ11Aを標準速度に維持してスライド18を上死点から下降させ、下死点が近づくと、サーボモータ11Aを減速し、低速で下死点に到達し、その後、標準速度に戻してスライド18を上死点まで上昇させる。
そして、制御装置は、温度検出部57,58の検出温度が目標温度範囲よりも低い場合には、サーボモータ11Aを制御して、図8の点線C12に示すように、スライド18の下死点の前後において上金型3及び下金型4が所定以上の加圧力で圧接する区間(圧接区間)を標準動作よりも低速とし、それ以外の区間を標準動作時と同じ速度で移動するようにスライド18の移動動作を実行する。
これにより、上金型3及び下金型4が被成形物に圧接する接触時間t3を標準動作よりも長くすることができる。従って、上金型3及び下金型4の検出温度を上昇させることができる。また、圧接区間以外の区間は標準動作時と同じ速度でスライド18が移動動作するため、鍛造における1ストロークの期間が大幅に長くなってしまうことを抑制でき、鍛造プレス装置1Aの生産性の低下を回避又は抑制することができる。
また、サーボモータ11Aの制御では、標準速度の場合も圧接区間の速度を変更する場合も、スライド18の進退移動の下死点への移動開始から次の下死点への移動開始までの周期については一定となるように制御が行われる。即ち、前述した進退移動の移動動作期間K1と停止期間K2の長さの合計が一定となるように制御される。これにより、圧接区間の長さを変えても鍛造プレス装置1Aの生産性を一定に維持することができる。
なお、進退移動の移動動作期間K1と停止期間K2の長さの合計を一定にいじしなくともよい。被成形物の供給が間に合わなくならないように、K1+K2を一定にする制御を行ってもよいが、被成形物の供給が間に合い、生産性の向上を望む場合には、停止期間K2を短縮してK1+K2をより短くしてもよい。前述したクラッチ・フライホイール方式の鍛造プレス装置1の場合も同様である。
但し、温度検出部57,58の検出温度が目標温度範囲よりも低い場合のスライド18の移動動作期間は、標準動作の移動動作期間と同じかそれより短くすることが望ましい。
これにより、鍛造プレス装置1の生産性の低下を回避又は抑制することができる。
上述した鍛造プレス装置1,1Aにおいて、制御装置は、温度検出部58の検出温度に基づいて、ノックアウト機構54を制御して、成形後の被成形物を押し出すタイミングを調節する金型温度制御を実行してもよい。
なお、ノックアウト機構53については、上金型3の上昇開始時に被成形物を押し出すことが必要なので、上金型3から被成形物を押し出すタイミングを変更することが困難である。従って、金型の温度制御は、下金型4のノックアウト機構54のみで実施することができる。
そして、温度検出部58による下金型4の検出温度Tが規定の目標温度範囲より高い場合には、制御装置90は、ノックアウト機構54を標準的なタイミングより早いタイミングで作動させて被成形物の押し出し動作を実行する。これにより、下金型4と被成形物の接触時間を短縮して温度低下を図ることができる。
また、温度検出部58による下金型4の検出温度Tが規定の目標温度範囲より低い場合には、制御装置90は、ノックアウト機構54を標準的なタイミングより遅いタイミングで作動させて被成形物の押し出し動作を実行する。これにより、下金型4と被成形物の接触時間を延長して温度上昇を図ることができる。
また、ノックアウト機構54による下金型4の温度制御は、上金型3の検出温度と下金型4の検出温度との間で一定以上の温度差が生じた場合に、温度差を低減するために実施しても良い。
上述した鍛造プレス装置1,1Aにおいて、制御装置は、温度検出部57,58の検出温度に基づいて、潤滑剤供給機構51,52を制御して、潤滑剤の供給量又は供給時間を調節する金型温度制御を実行してもよい。
例えば、温度検出部57,58による上金型3,下金型4の検出温度Tが規定の目標温度範囲内の場合には、制御装置90は、潤滑剤供給機構51,52が標準的な供給量又は標準的な供給時間で潤滑剤を供給するよう制御する。
そして、温度検出部57,58による上金型3,下金型4の検出温度Tが規定の目標温度範囲より高い場合には、制御装置90は、潤滑剤供給機構51,52が標準よりも多い供給量又は標準よりも長い供給時間で潤滑剤を供給するよう制御する。これにより、上金型3,下金型4の温度低下を図ることができる。
また、温度検出部57,58による上金型3,下金型4の検出温度Tが規定の目標温度範囲より低い場合には、制御装置90は、潤滑剤供給機構51,52が標準よりも少ない供給量又は標準よりも短い供給時間で潤滑剤を供給するよう制御する。これにより、上金型3,下金型4の温度上昇を図ることができる。
また、潤滑剤供給機構51,52による上金型3,下金型4の温度制御は、上金型3の検出温度と下金型4の検出温度との間で一定以上の温度差が生じた場合に、温度差を低減するように制御しても良い。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記各実施形態に限られない。各実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、鍛造プレス装置1,1Aでは、上金型3及び下金型4を加熱するヒータ55,56を設けているが、予め加熱する被成形物の余熱で上金型3及び下金型4を十分に加熱することができる場合には、ヒータ55,56を設けなくとも良い。これにより、配線の断線をさらに低減し、漏電防止対策もより容易に行うことができる。
3 上金型(金型)
4 下金型(金型)
11 モータ
11A サーボモータ
12 フライホイール
13 クラッチブレーキ
14 伝動軸
15 減速機
16 エキセン軸
17 コンロッド
18 スライド
19 ガイド
21 クラウン
22 アップライト
23 ベッド
24 ボルスタ
26 ハードプレート
27 ハードプレート
28 ボルスタ
40 搬送装置
51,52 潤滑剤供給機構
53,54 ノックアウト機構
55,56 ヒータ
57,58 温度検出部
90 制御装置
100,100A 駆動機構
K1 移動動作期間
K2 停止期間
T 検出温度
T0 目標温度
t0,t1,t2,t3 接触時間
Claims (10)
- 対をなす金型の一方の金型を保持するスライドと、
前記対をなす金型の他方の金型に対して前記一方の金型を前記スライドが接離動作を行うように前記スライドを進退可能に支持するフレーム部と、
前記スライドに進退移動を付与する駆動機構と、
前記駆動機構の駆動源を制御する制御装置と、
前記一方の金型と前記他方の金型との少なくとも一方の温度又は前記一方の金型と前記他方の金型との少なくとも一方から伝わる温度を検出する温度検出部とを備え、
前記制御装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記駆動機構を制御して、
前記温度検出部の検出温度が目標温度範囲よりも高い場合には、前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触時間を短くし又は前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触頻度を低減させ、
前記温度検出部の検出温度が目標温度範囲よりも低い場合には、前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触時間を長くし又は前記目標温度範囲の場合よりも前記対をなす金型の両方が被成形物に接する接触頻度を増加させる
鍛造プレス装置。 - 前記制御装置は、前記スライドの進退移動の移動速度を制御する
請求項1に記載の鍛造プレス装置。 - 前記制御装置は、前記スライドの進退移動の移動動作期間の周期を制御する
請求項1又は2に記載の鍛造プレス装置。 - 前記対をなす金型は、退避位置と進行位置との間で進退移動を行うと共に、前記スライドの進退移動の前記進行位置において最も近接又は接触し、
前記制御装置は、前記スライドの進退移動の前記進行位置への移動開始から次の前記進行位置への移動開始までの周期を制御する
請求項1から3のいずれか一項に記載の鍛造プレス装置。 - 前記対をなす金型は、退避位置と進行位置との間で進退移動を行うと共に、前記スライドの進退移動の前記進行位置において最も近接又は接触し、
前記駆動機構は、前記スライドに進退移動の伝達と切断を切り替えるクラッチを備え、
前記制御装置は、前記クラッチにより前記スライドの進退移動の進行位置への移動開始から次の進行位置への移動開始までの周期を制御する
請求項1から4のいずれか一項に記載の鍛造プレス装置。 - 前記駆動機構の駆動源をサーボモータとする
請求項1又は2に記載の鍛造プレス装置。 - 前記制御装置は、前記スライドの進退移動における前記一方の金型及び前記他方の金型が被成形物に圧接する圧接区間の移動速度を制御する
請求項6に記載の鍛造プレス装置。 - 前記制御装置は、前記スライドの進退移動における前記圧接区間以外の移動速度を一定に維持する
請求項7に記載の鍛造プレス装置。 - 前記対をなす金型のそれぞれに、成形後の被成形物を押し出すノックアウト機構を設け、
前記制御装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記ノックアウト機構を制御して、前記成形後の被成形物を押し出すタイミングを調節する
請求項1から8のいずれか一項に記載の鍛造プレス装置。 - 前記対をなす金型のそれぞれに、潤滑剤を供給する潤滑剤供給機構を設け、
前記制御装置は、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記潤滑剤供給機構を制御して、前記潤滑剤の供給時間又は供給量を調節する
請求項1から9のいずれか一項に記載の鍛造プレス装置。
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