JP2023065667A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子が有するガラス基板の割れを抑制する。【解決手段】発光素子は、可撓性の板状部100を備えている。板状部100は、ガラス基板110と、ガラス基板110の一方の面側に形成された有機機能層と、を含んでいる。有機機能層は、発光層を含んでいる。板状部100を規定の湾曲方向に湾曲させて、板状部100の一方の面102を凹曲面、他方の面101を凸曲面とした際に、ガラス基板110の両面のうち凹曲面側に位置する面を第1面111と称する。ガラス基板110の厚さをTとする。板状部100を規定の湾曲方向に湾曲させて、板状部100の一方の面102を凹曲面、他方の面101を凸曲面とした際に、ガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分(圧縮応力発生部112)に圧縮応力が加わる。【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子に関する。
発光素子の1つとして、有機発光層を有する発光素子、すなわち有機EL(Electro Luminescence)素子がある。有機EL素子には、フレキシブルなタイプのもの、すなわち可撓性を持ち、屈曲(湾曲)が可能なタイプのものがある(特許文献1~5)。このようなフレキシブルな有機EL素子には、基材がガラス基板を含むタイプのものがある(特許文献1、2)。ガラス基板は、樹脂層と比べて、水分や酸素の透過を抑制することができる。
なお、特許文献3には、無機防湿層を有機EL素子の厚み方向の略中央部に配置することにより無機防湿層内に生じる応力を低減することが記載されている。同様に、特許文献4には、酸化ケイ素や酸窒化ケイ素からなるガスバリア層を、有機EL素子を反らせたときに中立面となる位置近傍に配置することにより、ガスバリア層における応力の発生を低減する旨の記載がある。同様に、特許文献5には、シリコン窒化酸化膜などからなる無機絶縁膜を有機EL素子に曲げ応力を加えたときの中立軸の近傍に配置することが記載されている。
特開2003-337549号公報 特開2007-10834号公報 特開2003-168556号公報 特開2005-251671号公報 国際公開第2005/027582号
ガラス基板は、その性質上、屈曲時に割れやすい。このため、ガラス基板の割れを抑制することが望まれている。
本発明が解決しようとする課題としては、発光素子が有するガラス基板の割れを抑制することが一例として挙げられる。
第1の発明は、ガラス基板と、
発光層を含み、前記ガラス基板の一方の面側に形成された有機機能層と、
を含む可撓性の板状部を備え、
前記板状部を規定の湾曲方向に湾曲させて、前記板状部の一方の面を凹曲面、他方の面を凸曲面とした際に、前記ガラス基板の両面のうち前記凹曲面側に位置する面を第1面と称し、
前記ガラス基板の厚さをTとすると、
前記板状部を前記湾曲させた際に、前記ガラス基板において前記第1面からの距離がL(L>T/2)以下の部分に圧縮応力が加わる発光素子である。
第2の発明は、ガラス基板と、
発光層を含み、前記ガラス基板の一方の面側に形成された有機機能層と、
を含む可撓性の板状部を備え、
前記ガラス基板の全体が、前記板状部の厚さ方向の中心よりも前記板状部の一方の面側に位置している発光素子である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実施形態に係る発光素子の模式的な側断面図である。 実施例1に係る発光素子の模式的な側断面図である。 実施例1に係る発光素子の模式的な側断面図である。 実施例1に係る発光素子の模式的な側断面図である。 有機機能層の層構造の第1例を示す側断面図である。 有機機能層の層構造の第2例を示す側断面図である。 板状部を湾曲させた際に板状部内に生じる応力を説明するための図である。 実施例3に係る発光素子の模式的な側断面図である。 実施例4に係る発光素子の模式的な側断面図である。 実施例5に係る発光素子の模式的な側断面図である。 実施例6に係る発光素子の模式的な分解斜視図である。 図12(a)は実施例6に係る発光素子の模式的な断面図(非湾曲時)、図12(b)は実施例6に係る発光素子の模式的な断面図(湾曲時)、図12(c)は実施例6に係る発光素子の模式的な側断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は実施形態に係る発光素子の側断面図である。この発光素子は、可撓性の板状部100を備えている。板状部100は、ガラス基板110と、ガラス基板110の一方の面側に形成された有機機能層と、を含んでいる。有機機能層は、発光層を含んでいる。有機機能層の構成については実施例において後述する。板状部100を規定の湾曲方向に湾曲させて、板状部100の一方の面102を凹曲面、他方の面101を凸曲面とした際に、ガラス基板110の両面のうち凹曲面側に位置する面を第1面111と称する。また、ガラス基板110の厚さをTとする。板状部100を規定の湾曲方向に湾曲させて、板状部100の一方の面102を凹曲面、他方の面101を凸曲面とした際に、ガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分(図1の圧縮応力発生部112)に圧縮応力が加わる。
なお、以下においては、説明を簡単にするため、発光素子の各構成要素の位置関係(上下関係等)が各図に示す関係であるものとして説明を行う。ただし、この説明における位置関係は、発光素子の使用時並びに製造時の位置関係とは無関係である。
また、以下の説明においては、板状部100を規定の湾曲方向に湾曲させて、板状部100の一方の面102を凹曲面、他方の面101を凸曲面とすることを、単に、板状部100を湾曲させる、という。
ガラス基板110は、透光性のガラスからなる。ガラス基板110の厚さは、可撓性を有する程度の厚さに形成されている。ガラス基板110の厚さは、例えば、10μm以上200μm以下程度であることが好ましい。
ガラス基板110は、ある程度以下の厚さに形成すると、ある程度の可撓性を持たせることができる。しかしながら、ガラス基板110は、十分に薄く形成されていても、限度を超える大きな曲率で(小さな曲率半径で)屈曲させると小さな傷を起点として割れてしまう。
本発明者が、ガラス基板110の破壊(割れ)について調べた結果、引っ張り応力によるクラックの進展が支配的であり、ガラス基板110は圧縮応力では破壊されにくいことが分かった。従って、板状部100の曲げ(湾曲)の方向を規定し、且つ、板状部100を湾曲させた状態でガラス基板110の厚み方向においてガラス基板110の厚さTの半分よりも大きい領域に圧縮応力が発生するように、板状部100の厚み方向におけるガラス基板110の配置を設定することにより、ガラス基板110の破壊(割れ)を抑制できる。
板状部100を湾曲させると、板状部100における凸曲面側(他方の面101側)の部分には引っ張り応力が、凹曲面側(一方の面102側)の部分には圧縮応力が、それぞれ生じる。図1に示す中心面C1は、板状部100を湾曲させた状態で、引っ張り応力と圧縮応力とが均衡する面である。
上記のように、板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110の両面のうち板状部100の凹曲面側となる面を、第1面111と称する。板状部100を湾曲させた状態では、ガラス基板110において第1面111からの距離がL以下の部分である圧縮応力発生部112に圧縮応力が加わる。Lは、ガラス基板の厚さTの半分よりも大きい。すなわちL>T/2である。
換言すれば、ガラス基板110の厚み方向において、ガラス基板110の厚さTの半分よりも大きい領域が、中心面C1よりも他方の面101側に位置している。よって、板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110の厚み方向において、ガラス基板110の厚さTの半分よりも大きい領域に、圧縮応力が発生する。
また、本実施形態に係る発光素子においては、ガラス基板110の厚さ方向の中心C2(ガラス基板110の厚さ方向におけるガラス基板110の中心C2)は、板状部100の厚さ方向の中心(板状部100の厚さ方向における板状部100の中心:図示略)よりも板状部100の一方の面102側に位置している。なお、板状部100の厚さ方向の中心は、上記の中心面C1に一致する場合と、一致しない場合とがある。
本実施形態に係る発光素子は、少なくとも、ガラス基板110よりも他方の面101側には、ガラス基板(ガラス基板110以外のガラス基板)を有していない。発光素子が有するガラス基板は、ガラス基板110のみであることが好ましい。
以上、本実施形態によれば、発光素子は、ガラス基板110と、発光層を含みガラス基板110の一方の面側に形成された有機機能層と、を含む可撓性の板状部100を備える。板状部100を規定の湾曲方向に湾曲させて、板状部100の一方の面102を凹曲面、他方の面101を凸曲面とした際に、ガラス基板110の両面のうち凹曲面側に位置する面を第1面111と称する。また、ガラス基板110の厚さをTとする。板状部100を湾曲させた際に、ガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分に圧縮応力が加わる。つまり、ガラス基板110において第1面111からの距離がL以下の部分である圧縮応力発生部112に圧縮応力が加わるように、発光素子の厚み方向におけるガラス基板110の配置が設定されている。これにより、ガラス基板110の破壊(割れ)を抑制することができるので、発光素子の板状部100の可撓性および信頼性を向上することができる。
ここで、上記のように、特許文献3~5には、無機防湿層等を発光素子の厚み方向における略中央部に配置することなどにより、無機防湿層等の内部に生じる応力を低減することが記載されている。このため、発光素子をどちらの方向に湾曲させた場合でも、同等の応力が無機防湿層等の内部に発生する。無機防湿膜は通常1μm以下の極めて薄い膜であるため、特許文献3~5のような構成により、無機防湿膜内に発生する応力を極めて小さくすることが可能である。しかしながら、ガラス基板110は、薄くても例えば10μm以上の厚さがあり、中心面C1とガラス基板110の厚さ方向の中心C2とを一致させた場合、板状部100をどちらの方向に湾曲させた場合にも、ガラス基板110の内部に引張り応力が発生する。ガラス基板110にはマイクロクラックや端面のチッピング等が発生することが多く、ガラス基板110は無機防湿膜よりも引張り応力に弱いために、ガラス基板110を特許文献3~5における無機防湿層等と同様の位置に配置した構成では実用上十分な曲率半径と破壊耐性を得ることが困難である。
これに対して、本実施形態では、発光素子の湾曲の方向を一方向に規定し、且つ、板状部100を湾曲させた際にガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分に圧縮応力が加わるように、発光素子の厚み方向におけるガラス基板110の配置が設定されている。これにより、ガラス基板110内に発生する引っ張り応力を大幅に低減することができる。或いは、ガラス基板110内には圧縮応力のみが発生する状態にすることができる。その結果、板状部100をより小さい曲率半径で湾曲させることが可能となるとともに、ガラス基板110の破壊耐性を向上することができる。
同様に、ガラス基板110の厚さ方向の中心C2が、板状部100の厚さ方向の中心よりも板状部100の一方の面102側に位置していることにより、ガラス基板110において第1面111からの距離がL以下の部分である圧縮応力発生部112に圧縮応力が加わる構成を容易に実現し、ガラス基板110の破壊(割れ)を抑制することができる。
(実施例1)
本実施例に係る発光素子は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る発光素子と相違し、その他の点では、上記の実施形態に係る発光素子と同様に構成されている。
図2~図4の各図は、本実施例に係る発光素子の模式的な側断面図である。このうち図2は板状部100の概略的な構成を示している。図3は図2よりも詳細な層構造を示している。図4は板状部100が固定部材300に固定された状態を示している。
本実施例では、発光素子がボトムエミッションタイプであり、且つ、他方の面101(凸曲面)側から光を放射する例を説明する。
図2に示すように、本実施例の場合、ガラス基板110の全体が、板状部100の厚さ方向の中心C3よりも、板状部100の一方の面102側に位置している。
すなわち、本実施例に係る発光素子は、ガラス基板110と、発光層を含みガラス基板110の一方の面側に形成された有機機能層140(後述)と、を含む可撓性の板状部100を備え、ガラス基板110の全体が、板状部100の厚さ方向の中心C3よりも板状部100の一方の面102側に位置している。
これにより、図2のように板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110の全体に圧縮応力が発生することを期待できる。
なお、ガラス基板110の全体が、上記の中心面C1(図1参照)よりも、板状部100の一方の面102側に位置していることが好ましい。このようにすることによって、図2のように板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110の全体に圧縮応力が発生するようにできる。
図3に示すように、発光素子は、ガラス基板110と、第1電極130と、有機機能層140と、第2電極150と、を備えている。有機機能層140は、第1電極130と第2電極150との間に配置されている。第1電極130は、有機機能層140とガラス基板110との間に配置されている。
第1電極130は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの金属酸化物導電体からなる透明電極である。ただし、第1電極130は、光が透過する程度に薄い金属薄膜であっても良い。
第2電極150は、例えば、Ag、Au、Alなどの金属層からなる反射電極である。第2電極150は、有機機能層140から第2電極150側に向かう光を反射する。ただし、第2電極150をITOやIZOなどの金属酸化物導電体からなる透明電極とし、第2電極150よりも下層に光反射層(図示略)を設けても良い。あるいは第2電極150を構成する金属層の膜厚を薄くして第2電極150に透光性を持たせ、非発光時は透明な発光素子としても良い。
第1電極130と第2電極150とのうちの何れか一方が陽極で、何れか他方が陰極である。陰極を構成する材料と陽極を構成する材料とは、仕事関数が互いに異なっている。
例えば、ガラス基板110の一方の面(図4における下面)と第1電極130の一方の面(図1における上面)とが相互に接している。また、第1電極130の他方の面(図1における下面)と有機機能層140の一方の面(図1における上面)とが相互に接している。また、有機機能層140の他方の面(図1における下面)と第2電極150の一方の面(図1における上面)とが相互に接している。ただし、ガラス基板110と第1電極130との間には他の層が存在していても良い。同様に、第1電極130と有機機能層140との間には他の層が存在していても良い。同様に、有機機能層140と第2電極150との間には他の層が存在していても良い。
板状部100は、ガラス基板110よりも板状部100の他方の面101側に配置された樹脂層210を更に備えている。樹脂層210の層厚はガラス基板110の厚さTよりも厚い。
樹脂層210は、例えば、透光性の樹脂である。樹脂層210は、例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリアミドのうちの何れか1つからなる。
なお、樹脂層210は、有機無機ハイブリッド構造体であっても良い。有機無機ハイブリッド構造体としては、ガラスファイバークロスに樹脂を含浸させることにより構成されたものが挙げられる。この場合も、樹脂層210(樹脂含有層と称することもできる)は、透光性である。
樹脂層210は、例えば、ガラス基板110の第1面111とは反対側の面に接している。ただし、ガラス基板110と樹脂層210との間には他の層が存在していても良い。
板状部100は、樹脂層210におけるガラス基板110側とは反対側に設けられた光取り出しフィルム220を更に備えている。光取り出しフィルム220は、例えば、マイクロレンズアレイシート又は散乱シートからなる。光取り出しフィルム220は、例えば、樹脂層210におけるガラス基板110側とは反対側の面に接している。ただし、樹脂層210と光取り出しフィルム220との間には他の層が存在していても良い。
有機機能層140はガラス基板110よりも板状部100の他方の面101側に配置されている。
板状部100は、更に、封止層160を有している。封止層160は、第2電極150の下面を覆っている。封止層160は、例えば、無機固体(SiON膜、Al膜など)からなる層を膜封止することにより形成されている。封止層160は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)又はALD(Atomic Layer Deposition)により形成することができる。なお、無機固体層の下に、更に、有機材料からなる保護膜を形成しても良い。更に、固体封止(例えば、アルミ箔を熱硬化形エポキシ接着剤により貼り付けるなど)を行っても良い。
図4に示すように、本実施例に係る発光素子は、更に、曲面(例えば凹曲面301)を有する固定部材300を更に備えている。板状部100は、固定部材300の凹曲に沿って固定部材300に固定され、板状部100の一方の面102が凹曲面、他方の面101が凸曲面となるように湾曲している。
本実施例の場合、固定部材300は、透光性のものである。固定部材300は、例えば、透明なアクリル板からなる。
なお、固定部材300における凹曲面301とは反対側の面(図4における上面)は、例えば、凸曲面となっている。ただし、固定部材300における凹曲面301とは反対側の面は、平坦面であっても良いし、その他の形状の面であっても良い。
第1電極130と第2電極150との間に電圧が印加されることにより、有機機能層140の発光層が発光する。有機機能層140、第1電極130、ガラス基板110、樹脂層210および光取り出しフィルム220、及び固定部材300は、いずれも、有機機能層140の発光層が発光した光の少なくとも一部を透過する。発光層が発光した光の一部は、固定部材300の上面から、発光素子の外部に放射される。
次に、有機機能層140の層構造の例について説明する。
図5は有機機能層140の層構造の第1例を示す側断面図である。この有機機能層140は、正孔注入層141、正孔輸送層142、発光層143、電子輸送層144、及び電子注入層145をこの順に積層した構造を有している。すなわち有機機能層140は、有機エレクトロルミネッセンス発光層である。なお、正孔注入層141及び正孔輸送層142の代わりに、これら2つの層の機能を有する一つの層を設けてもよい。同様に、電子輸送層144及び電子注入層145の代わりに、これら2つの層の機能を有する一つの層を設けてもよい。
この例において、発光層143は、例えば赤色の光を発光する層、青色の光を発光する層又は緑色の光を発光する層である。この場合、平面視において、赤色の光を発光する発光層143を有する領域、緑色の光を発光する発光層143を有する領域、及び青色の光を発光する発光層143を有する領域が繰り返し設けられていても良い。この場合、各領域を同時に発光させると、発光素子は白色等の単一の発光色で発光する。
なお、発光層143は、複数の色を発光するための材料を混ぜることにより、白色等の単一の発光色で発光するように構成されていても良い。
図6は有機機能層140の層構造の第2例を示す側断面図である。この有機機能層140の発光層143は、発光層143a、143b、143cをこの順に積層した構成を有している。発光層143a、143b、143cは、互いに異なる色の光(例えば赤、緑、及び青)を発光する。そして発光層143a、143b、143cが同時に発光することにより、発光素子は白色等の単一の発光色で発光する。
次に、本実施形態に係る発光素子を製造する方法の一例を説明する。
先ず、ガラス基板110の下面(第1面111)に、スパッタ法などによりITOやIZOなどの金属酸化物導電体からなる透光性の導電膜を成膜し、エッチングによりこれをパターニングして第1電極130を形成する。
次に、第1電極130の下面に有機材料を成膜することにより有機機能層140を形成する。
次に、有機機能層140の下面に、マスクを用いた蒸着法などによりAg、Au、Al等の金属材料を所望のパターンに堆積させて、第2電極150を形成する。
次に、第2電極150の下面に封止層160を形成する。
なお、必要に応じてバスラインや隔壁部をそれぞれ適切なタイミングで形成しても良い。バスラインは、第1電極130よりも低抵抗な材料により構成され、第1電極130に接触するように設けられる。隔壁部は、有機機能層140を平面視において複数の領域に仕切るものであり絶縁膜により構成される。
本実施例によれば、上記の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
ガラス基板110の全体が板状部100の厚さ方向の中心C3よりも板状部100の一方の面102側に位置しているので、板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110の全体に圧縮応力が発生することを期待できる。よって、ガラス基板110の破壊を更に抑制することができる。
板状部100は、ガラス基板110よりも板状部100の他方の面101側に配置された樹脂層210を更に備え、樹脂層210の層厚はガラス基板110の厚さTよりも厚い。よって、ガラス基板110の全体が板状部100の厚さ方向の中心C3よりも一方の面102側に位置する構成を容易に実現することができる。
発光素子は、曲面(例えば凹曲面301)を有する固定部材300を更に備え、板状部100は、固定部材300の曲面に沿って固定部材300に固定され、板状部100の一方の面102が凹曲面となり、他方の面101が凸曲面となるように湾曲している。これにより、板状部100の湾曲の向きを一定に維持することができる。なお、板状部100の湾曲の向きは、ガラス基板110の破壊が抑制される向きとなっている。
また、固定部材300の曲面は凹曲面301であるので、板状部100がフラットに復元しようとする弾性力によって、板状部100が固定部材300の凹曲面301に対して押し付けられる。よって、板状部100を固定部材300に対して強固に固定しなくても、板状部100が固定部材300に貼り付いた状態を維持しやすい。また、ユーザ側に露出する光取り出しフィルム220側の面(発光面)が固定部材300によって覆われているため、発光素子を外部からの衝撃に強い構造とすることができる。
なお、上記の実施例1では、板状部100の他方の面101側にのみ固定部材300を配置する例を説明したが、凹曲面を有する第1の固定部材の凹曲面と、凸曲面を有する第2の固定部材の凸曲面とによって、板状部100を挟み込んで固定するようにしても良い。この場合、板状部100の両面を第1の固定部材と第2の固定部材とによってそれぞれ保護することができる。
(実施例2)
本実施例に係る発光素子の板状部100の構成は、上記の実施例1と同様である。本実施例では、板状部100の具体的な構造について、ガラス基板110内の応力の分布のモデルについて説明する。
図7は板状部100を湾曲させた際に板状部100内に生じる応力を説明するための図である。図7において、領域R1では板状部100内の応力の分布を示し、領域R2では板状部100内の各層の厚さ方向に直交する方向の幅(幅b)を示し、領域R3では板状部100内の各層のヤング率(縦弾性係数)Eを示している。各領域R1~R3において、縦軸は厚さ方向位置yである。領域R1の横軸は応力の大きさ、領域R2の横軸は幅b、領域R3の横軸はヤング率Eである。
ここで、図2に示す中心面C1は、板状部100を湾曲させた状態で、引っ張り応力と圧縮応力とが均衡する面である。
幅bおよびヤング率Eが発光素子の厚み方向における位置yの関数であり、発光素子がy=0からy=hの位置まであるとき(つまり、発光素子の厚さがhのとき)、発光素子の厚み方向における中心面C1の位置λは以下の式1で計算することができる。
Figure 2023065667000002
有機機能層140および封止層160の幅bは、ガラス基板110の幅bよりも若干小さい程度であるがほぼ無視でき、実際の発光素子ではほぼ一定とすることができる。
板状部100を一定の曲率で曲げた状態で、板状部100内に発生する応力σは、以下の式2で計算することができる。式2において、ρは板状部100の曲率半径である。
Figure 2023065667000003
上記の式2に示すように、応力σは、中心面C1からの距離とヤング率に比例し、曲率半径ρに反比例する。
ここで、図7の領域R1に示すように、板状部100において中心面C1よりも凸面側には引張り応力TLが発生し、凹面側には圧縮応力CSが発生する。
発光素子が3層で構成される場合の中心面C1の位置λは、以下の式3で計算することができる。
Figure 2023065667000004
ここで、板状部100における各層の厚さは、一例として、以下の通りとする。
第1電極130、有機機能層140、第2電極150および封止層160を含む部分の厚さt=5μm
ガラス基板110の厚さt=50μm
樹脂層210の厚さt=200μm
光取り出しフィルム220の厚さt=100μm
また、板状部100における各層のヤング率は、一例として、以下の通りとする。
第1電極130、有機機能層140、第2電極150および封止層160を含む部分のヤング率E=3GPa
ガラス基板110のヤング率E=70GPa
樹脂層210のヤング率E=6GPa
光取り出しフィルム220のヤング率E=3GPa
なお、樹脂層210はPENからなる基板である。第1電極130はITOからなる。封止層160は、SiONのCVD膜と、紫外線硬化樹脂からなる保護膜と、を含む。
これらの条件の場合、上記式(3)より、中心面C1の位置λ=76μmとなる。また、ガラス基板110の厚さ方向の中心C2(図1参照)の位置は46μmであり、中心C2は、中心面C1の位置λから他方の面101(凹曲面)側にずれた位置に配置されている。また、ガラス基板110の上面も、中心面C1の位置λから21μmだけ他方の面101(凹曲面)側にずれた位置に配置されている。つまり、板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110の全体が圧縮応力を受ける。
ここで、本発明者の検討から分かったように、ガラス基板110の破壊(割れ)は引っ張り応力によるクラックの進展が支配的であり、ガラス基板110は圧縮応力では破壊されにくい。
本実施例の発光素子の板状部100を図2とは逆の方向(封止層160側が凸曲面となる方向)に湾曲させた場合、φ80mm(曲率半径を40mm)とした段階でガラス基板110にクラックが発生した。一方、本実施例の発光素子の板状部100を図2の方向すなわち規定の湾曲方向に湾曲させた場合は、φ10mm(曲率半径を5mm)としても、ガラス基板110におけるクラックの発生が確認できなかった。
このように、板状部100の曲げ方向を一方向に限定し、且つ、ガラス基板110を中心面C1から他方の面101(凹曲面)側にずらして配置することにより、ガラス基板110における半分以上の部分が圧縮応力を受けるようにすることができる。その結果、板状部100を高い曲率で曲げた場合でも、ガラス基板110の破壊を抑制することが可能となる。
本実施例によっても、上記の実施例1と同様の効果が得られる。
なお、本実施例および上記の実施例1のように発光面側を凸に曲げる場合には、中心面C1をガラス基板110よりも発光面側に近づける必要がある。そのために比較的ヤング率の高い樹脂層210をガラス基板110よりも発光面側に配置した構造とし、さらにある程度厚さのある光取り出しフィルム220を設けている。また、封止層160としては、厚さが小さい膜封止を用いている。
また、本実施例では、ガラス基板110の全体が中心面C1から凹曲面側にずれた位置に配置されており、ガラス基板110の全体が圧縮応力を受ける例を説明した。ただし、ガラス基板110の厚さ方向の中心C2(図1参照)が中心面C1より凹面側にずれていれば、ある程度の効果が期待できる。例えばガラス基板110(t1=50μm、E1= 70GPa)に樹脂層210(t2=100μm、E2=6GPa)が積層されている例では、中心面はλ=36μmとなりガラス基板110の内部に位置する。この条件では、板状部100を図2とは逆方向に湾曲させた場合と比べて、図2の方向に湾曲させた場合は、1/3の曲率までガラス基板110が破壊することなく板状部100を湾曲可能であった。これは、どちらの方向に板状部100を湾曲させた場合もガラス基板110における凸曲面側には引張り応力がかかるものの、式2に示すとおり、中心面C1からの距離が近いほど応力が小さくなるため、図2とは逆方向に湾曲させた場合と比べて、図2の方向に湾曲させた場合の方が、同じ曲率での引張り応力が小さくなったためと考えられる。
(実施例3)
図8は実施例3に係る発光素子の模式的な側断面図である。上記の実施例1および2(図3)では、発光素子がボトムエミッションタイプであり、且つ、他方の面101(凸曲面)側から光を放射する例を説明した。これに対し、本実施例では、発光素子がボトムエミッションタイプであり、且つ、一方の面102(凹曲面)側から光を放射する例を説明する。
上記の実施例1および2では、樹脂層210を基準として一方の面102側に、ガラス基板110、第1電極130、有機機能層140、第2電極150および封止層160がこの順に配置されている。これに対して、本実施例では、樹脂層210を基準として一方の面102側に、封止層160、第2電極150、有機機能層140、第1電極130、ガラス基板110および光取り出しフィルム220がこの順に配置されている。また、樹脂層210の上面が他方の面101であり、光取り出しフィルム220の下面が一方の面102である。
ただし、板状部100を湾曲させた際に、ガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分に圧縮応力が加わる点は、上記の実施例1、2と同様である。また、中心面C1に対するガラス基板110の配置や、板状部100の厚さ方向の中心C3に対するガラス基板110の配置についても、上記の実施例1および2と同様である。また、発光素子は、上記の固定部材300を備えていても良い。
なお、本実施例の場合、樹脂層210は、透光性である必要は無い。
第1電極130と第2電極150との間に電圧が印加されることにより有機機能層140の発光層が発光する。発光層からの光は、第1電極130、ガラス基板110および光取り出しフィルム220をこの順に透過して、光取り出しフィルム220の下面から、発光素子の外部に放射される。
本実施例によっても、上記の実施例1および2と同様の効果が得られる。
なお、本実施例の場合、光取り出しフィルム220はなるべく薄く形成することが好ましい。或いは、光取り出しフィルム220を省略することも好ましい。また、封止層160としては、膜封止よりも厚さが大きい固体封止を用いることも好ましい。
(実施例4)
図9は実施例4に係る発光素子の模式的な側断面図である。上記の実施例1および2(図3)では、発光素子がボトムエミッションタイプである例を説明した。これに対し、本実施例では、発光素子がトップエミッションタイプである例を説明する。また、本実施例では、他方の面101(凸曲面)側から光を放射する例を説明する。
上記の実施例1および2では、樹脂層210を基準として一方の面102側に、ガラス基板110、第1電極130、有機機能層140、第2電極150および封止層160がこの順に配置されている。これに対して、本実施例では、樹脂層210を基準として一方の面102側に、封止層160、第1電極130、有機機能層140、第2電極150およびガラス基板110がこの順に配置されている。また、樹脂層210の上面が他方の面101であり、ガラス基板110の下面が一方の面102である。
ただし、板状部100を湾曲させた際に、ガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分に圧縮応力が加わる点は、上記の実施例1、2と同様である。また、中心面C1に対するガラス基板110の配置や、板状部100の厚さ方向の中心C3に対するガラス基板110の配置についても、上記の実施例1および2と同様である。また、発光素子は、上記の固定部材300を備えていても良い。
なお、封止層160は、透光性である。
第1電極130と第2電極150との間に電圧が印加されることにより有機機能層140の発光層が発光する。発光層からの光は、第1電極130、封止層160、樹脂層210および光取り出しフィルム220をこの順に透過して、光取り出しフィルム220の上面から、発光素子の外部に放射される。
本実施例によっても、上記の実施例1および2と同様の効果が得られる。
(実施例5)
図10は実施例5に係る発光素子の模式的な側断面図である。上記の実施例1および2(図3)では、発光素子がボトムエミッションタイプである例を説明した。これに対し、本実施例では、発光素子がトップエミッションタイプである例を説明する。また、本実施例では、他方の面101(凹曲面)側から光を放射する例を説明する。
上記の実施例1および2では、樹脂層210を基準として一方の面102側に、ガラス基板110、第1電極130、有機機能層140、第2電極150および封止層160がこの順に配置されている。これに対して、本実施例では、樹脂層210を基準として一方の面102側に、ガラス基板110、第2電極150、有機機能層140、第1電極130、封止層160および光取り出しフィルム220がこの順に配置されている。また、樹脂層210の上面が他方の面101であり、光取り出しフィルム220の下面が一方の面102である。
ただし、板状部100を湾曲させた際に、ガラス基板110において第1面111からの距離がL(L>T/2)以下の部分に圧縮応力が加わる点は、上記の実施例1、2と同様である。また、中心面C1に対するガラス基板110の配置や、板状部100の厚さ方向の中心C3に対するガラス基板110の配置についても、上記の実施例1および2と同様である。また、発光素子は、上記の固定部材300を備えていても良い。
なお、本実施例の場合、樹脂層210は、透光性である必要は無い。一方、封止層160は、透光性である。
第1電極130と第2電極150との間に電圧が印加されることにより有機機能層140の発光層が発光する。発光層からの光は、第1電極130、封止層160および光取り出しフィルム220をこの順に透過して、光取り出しフィルム220の下面から、発光素子の外部に放射される。
本実施例によっても、上記の実施例1および2と同様の効果が得られる。
なお、本実施例の場合、光取り出しフィルム220はなるべく薄く形成することが好ましい。或いは、光取り出しフィルム220を省略することも好ましい。また、封止層160としては、厚さが小さい膜封止を用いることが好ましい。
(実施例6)
図11は実施例6に係る発光素子の模式的な分解斜視図である。図12(a)は実施例6に係る発光素子の模式的な断面図(非湾曲時)、図12(b)は実施例6に係る発光素子の模式的な断面図(湾曲時)、図12(c)は実施例6に係る発光素子の模式的な側断面図である。本実施例に係る発光素子は、以下に説明する点で、上記の実施例1に係る発光素子と相違し、その他の点で、上記の実施例1に係る発光素子と同様に構成されている。
本実施例に係る発光素子の板状部100は、上記の実施例1~5の何れかの板状部100と同様に構成されている。
本実施例に係る発光素子は、上記の固定部材300(図4)の代わりに、固定部材400を備えている。固定部材400は、塑性変形可能なものであり、板状部100の他方の面101側に固定されている(図12(a))。そして、固定部材400とともに板状部100を湾曲させて、板状部100の他方の面101を凸曲面とし、他方の面101を凹曲面とすることにより、固定部材400によって板状部100が湾曲状態に保持される(図12(b)、図12(c))。
つまり、固定部材400を塑性変形させることによって、固定部材400は塑性変形後の形状に保持される。また、可撓性の板状部100は、固定部材400によって拘束されているため、固定部材400によって板状部100が湾曲状体に保持される。
このように、本実施例では、板状部100とともに固定部材400を湾曲させることにより、固定部材400が曲面を有する形状へと塑性変形している。
より具体的には、例えば、板状部100は矩形状である。一方、固定部材400は、板状部100の矩形枠状に形成されている。
固定部材400は、板状部100の各辺に沿って伸びる4つの直線状の板状部401~404を有している。このうち板状部401と板状部403とが互いに平行に対向し、板状部402と板状部404とが互いに平行に対向している。また、板状部401および403に対して、板状部402および403が直交している。固定部材400の中央部には、矩形状の開口部400aが形成されている。
例えば、図12(b)および(c)に示すように、板状部401および403を弧状に湾曲させるとともに板状部100を湾曲させることによって、板状部401および403が塑性変形し、板状部100が湾曲状態に保持されている。
すなわち、固定部材400は、板状部100の第1の辺に沿って伸びる第1部分(板状部401)と、板状部100の第1の辺に対向する第2の辺に沿って伸びる第2部分(板状部402)と、を有する。そして、第1部分と第2部分とがそれぞれ弧状に湾曲している。
板状部100の他方の面101側から光を放射するタイプの場合(板状部100が上記の実施例1、2又は4の場合)には、固定部材400の開口部400aを介して好適に光を放射することができる。
また、板状部100が上記の実施例1~5の何れの構成の場合でも、固定部材400の開口部400aを介して好適に放熱を行うことができる。
固定部材400は、例えば、金属により構成することができる。板状部100を固定部材400に固定する方法は限定されないが、例えば、接着剤を用いて固定することができる。
本実施例によれば、上記の実施例1と同様の効果(固定部材300により得られる効果を除く)が得られる他、以下の効果が得られる。
板状部100とともに固定部材400を湾曲させることにより、固定部材400が曲面を有する形状へ塑性変形している。よって、固定部材400によって、板状部100の一方の面102が凹曲面、他方の面101が凸曲面となる湾曲状態に保持される。つまり、固定部材400によって板状部100の湾曲の向きを一定に維持することができる。なお、板状部100の湾曲の向きは、ガラス基板110の破壊が抑制される向きとなっている。
また、本実施例の場合、固定部材400と板状部100とを合わせた発光素子の全体を湾曲させるため、実施例1と比べて、上記の中心面C1が固定部材400側(図12(b)、(c)における上側)に移動するのと同様の効果が得られる。その結果、板状部100を湾曲させた状態で、ガラス基板110内に発生する圧縮応力を増大させることができる。換言すれば、実施例1において樹脂層210の層厚を大きくするのと同様の効果が得られる。
ここで、発光素子の凸面側に配置される材料のヤング率が高いほど、中心面C1を発光素子の凸面側に移動させる効果がある。上記の式1に示すように、固定部材400の厚み(幅b)が小さくても、固定部材400のヤング率が高ければ十分に効果が得られる。
また、板状部100は矩形状であり、固定部材400は、板状部100の第1の辺に沿って伸びる第1部分(板状部401)と、板状部100の第1の辺に対向する第2の辺に沿って伸びる第2部分(板状部402)と、を有する。そして、第1部分と第2部分とがそれぞれ弧状に湾曲している。したがって、固定部材400によって、板状部100の一方の面102が凹曲面、他方の面101が凸曲面となる湾曲状態に保持される。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、上記においては、板状部100に外力を加えて板状部100を湾曲させることによってガラス基板110に圧縮応力を発生させる例を説明したが、ガラス基板110に化学処理を施すことによって、ガラス基板110内に圧縮応力を発生させるようにしても良い。

Claims (1)

  1. 可撓性の板状部と、
    前記可撓性の板状部を固定する固定部材と、を備え、
    前記可撓性の板状部は、
    ガラス基板と、
    発光層を含み、前記ガラス基板の一方の面側に形成された有機機能層と、
    前記ガラス基板の膜厚よりも厚い樹脂層と、を含み、
    前記固定部材は、前記ガラス基板に対して前記樹脂層が形成されている面側が凸曲面となるように前記可撓性の板状部を固定し、
    前記ガラス基板の厚さ方向の中心は、前記可撓性の板状部の厚さ方向の中心よりも凹曲面側に位置する発光素子。
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