JP2023065018A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Ko Takagi
恵太 院田
Keita Inda
友晴 白木
Tomoharu Shiraki
勇夫 藤嶋
Isao Fujishima
武志 手塚
Takeshi Tezuka
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Abstract

【課題】ステータの内径位置に影響を受けない態様で回転電機の動力線に係る締結を可能とする。【解決手段】車両前部に設けられる内燃機関から車両の後輪までの動力伝達経路に配置され、内燃機関から伝達される回転を変速して変速出力部材に伝達する変速機と、動力伝達経路における変速機よりも後輪側に、変速出力部材に同軸に配置され、ステータ及びロータを備える回転電機と、変速機を収容する第1空間に対して軸方向第1側から軸方向に隣り合う態様で、回転電機を収容する第2空間を形成する収容部材と、ステータのコイルに一端が電気的に接続され、電力変換装置に他端が電気的に接続されるバスバーと、ステータに対して軸方向第1側において、コイルからの動力線とバスバーとを締結する締結部材と、を備え、締結部材は、その頭部が軸方向第1側に向く態様で、軸方向に延在する、車両用駆動装置が開示される。【選択図】図3

Description

本開示は、車両用駆動装置に関する。
FR車両用の駆動装置に関して、エンジンから車輪までの動力伝達経路における変速機よりも後輪側に回転電機を配置し、回転電機の動力線の端子を、端子台からの中継バスバーに、ステータの径方向内側で締結する技術が知られている。
特開2021-114828号公報
しかしながら、上記のような従来技術は、ロータの組み付け前に存在するステータの径方向内側の空間を利用して、動力線と中継バスバーとの間の締結を実現するものであり、ステータの内径の小径化に対応することが難しい。
そこで、1つの側面では、本開示は、ステータの内径位置に影響を受けない態様で回転電機の動力線に係る締結が可能となる車両用駆動装置の提供を目的とする。
1つの側面では、車両前部に設けられる内燃機関から車両の後輪までの動力伝達経路に配置され、前記内燃機関から伝達される回転を変速して変速出力部材に伝達する変速機と、
前記動力伝達経路における前記変速機よりも後輪側に、前記変速出力部材に同軸に配置され、ステータ及びロータを備える回転電機と、
前記変速機を収容する第1空間と、前記第1空間に対して軸方向第1側から軸方向に隣り合う態様で前記回転電機を収容する第2空間とを、形成する収容部材と、
前記ステータのコイルに一端が電気的に接続され、電力変換装置に他端が電気的に接続されるバスバーと、
前記ステータに対して前記軸方向第1側において、前記コイルからの動力線と前記バスバーとを締結する締結部材と、を備え、
前記締結部材は、その頭部が前記軸方向第1側に向く態様で、軸方向に延在する、車両用駆動装置が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、ステータの内径位置に影響を受けない態様で回転電機の動力線に係る締結が可能となる。
本実施例の車両用駆動装置の一例を示すスケルトン図である。 車両用駆動装置の一部を簡略化して示す断面図である。 車両用駆動装置の軸方向全体のうちの、回転電機を含む軸方向部分の拡大図である。 図3のQ1部の拡大図である。 図4のQ2部の拡大図である。 比較例による車両用駆動装置における変速出力部材及び出力部材の構成を示す図である。 回転電機の軸方向第1側L1の配線構造の説明図である。 比較例による車両用駆動装置における端子台の配置を示す図であり、伝達ユニット周辺の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張する場合がある。
図1は、本実施例の車両用駆動装置1の一例を示すスケルトン図である。図2は、車両用駆動装置1の一部を簡略化して示す断面図である。図3は、車両用駆動装置1の軸方向全体のうちの、回転電機6を含む軸方向部分の拡大図である。
本実施例の車両用駆動装置1は、図1のようなスケルトン図のレベルでは、ここでの参照によりその開示内容が本明細書に組み込まれる特開2021-114828号公報に開示される車両用駆動装置と同じであってよい。
本実施例の車両用駆動装置1は、上述したように本明細書に組み込まれる特開2021-114828号公報に開示される車両用駆動装置に対して、変速機4(ただし、変速出力部材23を除く)や、トルクコンバータ7、入力部材20、及びトランスファ84、のそれぞれの構成は同じであってよく、本明細書では概説するだけに留める。
以下の説明では、特に区別して明記する場合を除き、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向C」は、回転電機6の回転軸心A(図3)を基準として定義する。回転電機6が備えるロータ60や、回転電機6と同軸に配置される回転部材は、回転軸心A周りに回転する。そして、軸方向Lの一方側を「軸方向第1側L1」とし、軸方向Lの他方側(軸方向Lにおける軸方向第1側L1とは反対側)を「軸方向第2側L2」とする。また、径方向Rの外側を「径方向外側R1」とし、径方向Rの内側を「径方向内側R2」とする。以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。なお、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。
また、以下の説明では、鉛直方向Vは、車両用駆動装置1の使用状態での鉛直方向、すなわち、車両用駆動装置1をその使用状態での向きに配置した場合の鉛直方向を意味する。車両用駆動装置1は車両に搭載されて使用されるため、鉛直方向Vは、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態での鉛直方向、より具体的には、車両用駆動装置1が車両に搭載された状態であって、当該車両が平坦路(水平面に沿う道路)に停止する状態での鉛直方向と一致する。そして、上側V1及び下側V2は、この鉛直方向Vにおける上側及び下側を意味する。
本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。
また、本明細書では、「結合」とは、2つの要素が直接的に連結された状態を指す。この場合、2つの要素が回転要素である場合、2つの要素の間では駆動力の伝達が可能である。なお、2つの要素が回転要素である場合、2つの要素の間に回転方向の僅かな隙間(ガタ)が設定されてもよい。
また、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータジェネレータのいずれをも含む概念として用いる。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重なる」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
車両用駆動装置1は、内燃機関2から車輪3までの動力伝達経路を形成するように車両に設けられる。内燃機関2は、車両前部の収容空間(エンジンコンパートメント)に配置される。
車両用駆動装置1は、変速機4と、回転電機6と、ケース40と、伝達ユニット82と、トランスファ84とを備える。
変速機4は、内燃機関2に駆動連結される入力部材20に駆動連結される。変速機4は、ケース40の第1収容空間S1に収容される。
変速機4は、入力部材20の側から伝達される回転を変速して変速出力部材23に伝達する。具体的には、変速機4は、入力部材20の側からトルクコンバータ7を介して変速入力部材22に伝達される回転を変速して変速出力部材23に伝達する。変速入力部材22は、入力部材20の側から変速機4に回転を入力するための部材であり、変速出力部材23は、トランスファ入力部材27の側に変速機4から回転を出力するための部材である。
変速機4は、回転電機6に対して軸方向第2側L2に配置される。そして、変速出力部材23は、回転電機6と同軸に配置される。また、変速入力部材22は、変速出力部材23に対して軸方向第2側L2に、変速出力部材23と同軸に配置され、入力部材20は、変速入力部材22に対して軸方向第2側L2に、変速入力部材22と同軸に配置される。
本実施例では、変速出力部材23は、軸方向第2側L2の端部が変速機4に結合され、軸方向第1側L1の端部がトランスファ入力部材27に結合される。変速出力部材23は、回転電機6を軸方向第1側L1に超える態様で軸方向Lに延在する。この場合、変速出力部材23は、ロータシャフト25の内部を通って軸方向L外側でロータシャフト25から露出する両端部が、変速機4及びトランスファ入力部材27に結合される。なお、他の実施例では、変速出力部材23は、ロータシャフト25の内部を通って軸方向第1側L1でロータシャフト25から露出する軸方向第1側L1の端部が、軸方向Lに延びる筒状(具体的には、円筒状)の連結部材を介してトランスファ入力部材27に結合されてもよい。
より具体的には、変速出力部材23は、軸方向Lに沿って、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向かって順に、変速機4に結合される軸方向第2側L2の端部と、後述する遊星歯車機構10の径方向内側を通る部位と、回転電機6の径方向内側を通る部位(すなわちロータシャフト25の内部を通る部位)と、トランスファ入力部材27に結合される軸方向第1側L1の端部とを、1ピースの軸部材の形態で有する。このような変速出力部材23によれば、変速機4とトランスファ入力部材27とを2ピース以上の部材を介して連結する場合に比べて、部品点数を低減できるとともに、後述するように車両用駆動装置1の軸方向Lの長さの低減を図ることができる。
変速機4は、変速出力部材23の回転速度に対する変速入力部材22の回転速度の比である変速比を、段階的に或いは無段階に変更可能に構成され、変速入力部材22の回転を現時点での変速比で変速して、変速出力部材23に伝達する。本実施例では、変速機4は、油圧制御装置8(図2参照)から供給される油圧に応じて動作する、油圧駆動式の変速用係合装置を備えており、変速機4の変速比は変速用係合装置の係合の状態に応じて変更される。
回転電機6は、内燃機関2とともに、車輪3の駆動力源を形成する。回転電機6の出力トルクは、ロータシャフト25を介して車輪3に伝達される。従って、車両用駆動装置1は、内燃機関2及び回転電機6の一方又は双方の出力トルクを、ロータシャフト25を介して車輪3に伝達させて、車両を走行させることができる。回転電機6は、ケース40の第2収容空間S2に収容される。
回転電機6は、入力部材20、変速入力部材22、及び変速出力部材23と同軸に配置される。回転電機6は、ステータ61に対して径方向内側R2にロータ60を備える。ステータ61は、ケース40(ここでは、後述するモータケース部41)に固定され、ロータ60は、ステータ61に対して回転可能にケース40(ここでは、モータケース部41)に支持される。ロータ60は、ステータ61に対して径方向内側R2であって、径方向Rに沿う径方向視でステータ61と重なる位置に配置される。ロータ60は、ロータシャフト25と一体的に回転するようにロータシャフト25に連結される。図3に示すように、ロータシャフト25は、軸方向Lに延びる筒状(具体的には、円筒状)に形成される。ここでは、ロータシャフト25は、ロータ60の径方向内側R2を軸方向Lに貫通して配置されており、ロータ60は、ロータシャフト25の外周面に固定される。
ステータ61は、ステータコア62と、ステータコア62に巻装されたコイル63とを備える。ステータコア62は、軸方向Lに延びる円筒状に形成される。ステータ61は、ステータコア62から軸方向第1側L1に突出する第1コイルエンド部64Aと、ステータコア62から軸方向第2側L2に突出する第2コイルエンド部64Bと、を備える。コイル63におけるステータコア62から軸方向第1側L1に突出する部分が第1コイルエンド部64Aを形成し、コイル63におけるステータコア62から軸方向第2側L2に突出する部分が第2コイルエンド部64Bを形成する。なお、第1コイルエンド部64A及び第2コイルエンド部64Bは樹脂でモールドされてよい。
本実施例では、ロータシャフト25の内部には、変速出力部材23が軸方向Lに延在する態様で、挿通される。具体的には、図3に示すように、ロータシャフト25の内部を通る区間において、変速出力部材23の外周面は、ロータシャフト25の内周面よりも小径に形成されており、変速出力部材23は、ロータシャフト25に対して径方向内側R2であって、径方向視でロータシャフト25と重なる態様で軸方向Lに延在する。
伝達ユニット82は、ケース40の第2収容空間S2内に配置される。伝達ユニット82は、回転電機6と同軸に、軸方向Lにおける変速機4と回転電機6との間に配置される。本実施例では、伝達ユニット82は、回転電機6の側から伝達される回転を減速して変速出力部材23の側へ伝達する減速機83を備える。回転電機6の回転は、減速機83の減速比に応じて減速されて、変速出力部材23に伝達される。なお、本実施例では、一例として、伝達ユニット82は、回転電機6と変速出力部材23とを選択的に連結する係合装置を備えておらず、回転電機6は、変速出力部材23と常時連動して回転する。
本実施例では、減速機83は、遊星歯車機構10を含む。遊星歯車機構10は、サンギヤ11と、リングギヤ13と、サンギヤ11及びリングギヤ13の双方に噛み合うピニオンギヤ14を回転可能に支持するキャリヤ12と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であってよい。サンギヤ11は、ロータシャフト25と一体的に回転するようにロータシャフト25に連結される。本実施例では、図4及び図4Aに示すように、サンギヤ11とロータシャフト25の間の結合部33(以下、区別のため、「第1結合部33」と称する)において、サンギヤ11の内周面に形成されたスプライン歯110と、ロータシャフト25の外周面に形成されたスプライン歯250とが、スプライン係合する。また、キャリヤ12は、変速出力部材23と一体的に回転するように変速出力部材23に連結される。また、本実施例では、図4及び図4Aに示すように、キャリヤ12と変速出力部材23の間の結合部34(以下、区別のため、「第2結合部34」と称する)において、キャリヤ12の内周面に形成されたスプライン歯120と、変速出力部材23の外周面に形成されたスプライン歯230とが、スプライン係合する。また、リングギヤ13はケース40(ここでは、後述する支持部材45)に固定される。よって、回転電機6からサンギヤ11に入力された回転は、遊星歯車機構10のギヤ比に応じて減速されて、キャリヤ12から変速出力部材23に出力される。
トランスファ84は、ケース40の第3収容空間S3に収容される。回転電機6に対して軸方向第1側L1に配置される。すなわち、回転電機6は、変速機4とトランスファ84との軸方向Lの間に配置される。本実施例では、車両用駆動装置1は、軸方向Lが車体前後方向に沿い且つ軸方向第2側L2が車体の前側となる向きで、車両に搭載される。
トランスファ入力部材27は、変速出力部材23と一体的に回転するように変速出力部材23の軸方向第1側L1の端部に結合される。なお、図3に示す例では、変速出力部材23とトランスファ入力部材27とは、変速出力部材23における軸方向第1側L1の端部の外周面に形成されたスプライン歯と、トランスファ入力部材27における軸方向第2側L2の部分の内周面に形成されたスプライン歯とが噛み合うことで、スプライン嵌合される。
トランスファ84は、回転電機6の側から(言い換えれば、変速出力部材23の側から)トランスファ入力部材27に伝達される回転を第1連結部材21Aと第2連結部材21Bとに分配する。すなわち、トランスファ84は、トランスファ入力部材27に伝達される回転を第1連結部材21Aと第2連結部材21Bとに分配する分配部200を備える。第1連結部材21Aは、後輪用差動歯車機構5Aを介して左右一対の後輪3Aに駆動連結されてよい。また、第2連結部材21Bは、例えば、フレキシブルカップリングやプロペラシャフト等を介して前輪用差動歯車機構5Bに連結されてよい。分配部200が、図1には示されない機構(センタディファレンシャル機構や差動制限機構等)を備えていてもよい。
図1に示す例では、分配部200として、パートタイム式の分配部を採用する。すなわち、図1に示す分配部200は、後輪3A及び前輪3Bの一方のみ(ここでは、後輪3Aのみ)を駆動する2輪駆動状態と、後輪3A及び前輪3Bの双方を駆動する4輪駆動状態と、を切り替えるように構成される。具体的には、図1に示す分配部200は、軸方向Lに移動自在な第2スリーブ部材201と、巻掛伝動機構202と、を備える。巻掛伝動機構202は、第1回転体202A(例えば、スプロケット)と、第1回転体202Aとは別軸に配置される第2回転体202B(例えば、スプロケット)と、第1回転体202A及び第2回転体202Bに巻き掛けられる伝動部材202C(例えば、チェーン)と、を備える。なお、図1に示す例では、変速機構102を有する変速部100による変速後のトランスファ入力部材27の回転が、トランスファ中間部材28に伝達され、分配部200は、トランスファ中間部材28の回転を第1連結部材21Aと第2連結部材21Bとに分配する。図1に示す例では、トランスファ中間部材28は、第1連結部材21Aと一体的に回転するように連結される。
次に、図2及び図3とともに、図4を参照して、ケース40の構成について説明する。図4は、図3のQ1部の拡大図である。
ケース40は、軸方向Lで隣り合う態様で、軸方向第2側L2から軸方向第1側L1に向かって順に、上述した第1収容空間S1、第2収容空間S2、及び第3収容空間S3を形成する。本実施例では、ケース40は、モータケース部41と、ATケース部42と、トランスファケース部43と、カバー部材46と、支持部材45とを備える。
モータケース部41は、回転電機6及び変速出力部材23を支持するとともに、伝達ユニット82も支持する。モータケース部41は、周壁部50の全て或いは大部分を形成する。モータケース部41は、更に、側壁部51と筒状部52とからなる壁部を備える。側壁部51は、回転軸心Aまわりに周方向に沿って延在する。側壁部51は、回転軸心Aまわりの周方向全周にわたって延在する。筒状部52は、側壁部51の径方向内側から連続する態様で、形成される。なお、図2に模式的に示すように、モータケース部41の下方には、車体の骨格部材であるフレームFが配置される。すなわち、車両用駆動装置1は、モータケース部41がフレームFの上方に位置するように、車体に対して搭載される。
ATケース部42は、変速機4及び変速出力部材23を支持する。ATケース部42は、端壁部53を備える。モータケース部41は、ATケース部42の軸方向第1側L1に接合される。例えば、ATケース部42は、モータケース部41に固定部材42A(ここでは、締結ボルト)を用いて固定される。
トランスファケース部43は、トランスファ84を支持する。トランスファケース部43は、モータケース部41の軸方向第1側L1に接合される。例えば、トランスファケース部43は、モータケース部41に固定部材43A(ここでは、締結ボルト)を用いて固定される。
カバー部材46は、トランスファケース部43よりも径方向内側R2でモータケース部41の軸方向第1側L1に接合される。カバー部材46は、周壁部50或いは周壁部50に固定された部材に、固定部材44A(ここでは、締結ボルト)を用いて固定される。固定部材44Aは、その頭部が軸方向第1側L1を向く態様で、軸方向Lに延在する。この場合、カバー部材46は、モータケース部41に軸方向第1側L1から固定部材44Aにより締結できる。
カバー部材46は、側壁部461と筒状部462とを備える。側壁部461は、側壁部51に軸方向Lに対向する態様で、側壁部51の軸方向第1側L1に延在する。カバー部材46の側壁部461及び筒状部462は、軸方向Lで側壁部51及び筒状部52との間に、第2収容空間S2のうちの、軸方向第1側L1の空間部S11を形成する。空間部S11には、後述するように、回転センサ80等が配置される。筒状部462は、径方向内側R2において第2軸受92を支持する。
支持部材45は、回転電機6に対して軸方向第2側L2に配置される。支持部材45は、回転電機6と端壁部53との軸方向Lの間に配置される。本実施例では、支持部材45は、モータケース部41に設けられる。本実施例では、支持部材45は、周壁部50(ここでは、モータケース部41における第2収容空間S2の径方向外側R1を囲む部分)とは別部材とされており、周壁部50に対して径方向内側R2に配置されるとともに、周壁部50と一体的に連結される。支持部材45は、周壁部50或いは周壁部50に固定された部材に、固定部材44(ここでは、締結ボルト)を用いて固定される。
本実施例では、モータケース部41には、以下のような態様で回転電機6が支持される。ステータコア62は、ステータ固定部材67(ここでは、締結ボルト)を用いてモータケース部41に固定される。具体的には、ステータコア62は、円筒状の外周面を備える本体部に加えて、当該本体部から径方向外側R1に突出する突出部を周方向Cの複数箇所(例えば、3箇所)に備える。そして、当該突出部がステータ固定部材67を用いてモータケース部41に固定される。また、ロータ60が固定されたロータシャフト25は、ロータ60に対して軸方向第2側L2に配置された第3軸受93(ここでは、ボールベアリング)を介して、モータケース部41(具体的には、支持部材45)に支持される。支持部材45の径方向Rの中心部には、支持部材45を軸方向Lに貫通する貫通孔が形成されており、第3軸受93は、当該貫通孔の内周面とロータシャフト25の外周面との径方向Rの間に配置される。また、ロータシャフト25は、ロータ60に対して軸方向第1側L1に配置された第1軸受91(ここでは、ボールベアリング)を介して、モータケース部41(具体的には、筒状部52)に支持される。第1軸受91は、筒状部52の内周面とロータシャフト25の外周面との径方向Rの間に配置される。
このように、本実施例では、ロータシャフト25を支持する第1軸受91が、側壁部51に支持される。ここでは、第1軸受91は、筒状部52を介して側壁部51に支持される。また、トランスファ入力部材27の軸方向第2側L2の端部を支持する第2軸受92が、カバー部材46に支持される。ここでは、第2軸受92は、筒状部462を介して側壁部461に支持される。本実施例では、更に、第2収容空間S2と第3収容空間S3とを油密状に区画するためのシール部材95が、カバー部材46に支持される。ここでは、シール部材95は、筒状部462を介して側壁部461に支持される。第2軸受92とシール部材95とは、軸方向Lに並んで配置される。具体的には、シール部材95が、第2軸受92に対して軸方向第1側L1に配置される。
本実施例では、シール部材95は、筒状部462の内周面とトランスファ入力部材27の外周面との間に配置される。シール部材95は、筒状部462の内周面とトランスファ入力部材27の外周面との隙間を塞ぐように設けられる。これにより、第2収容空間S2と第3収容空間S3とが、油密状に区画される。このように第2収容空間S2と第3収容空間S3とを油密状に区画することで、例えば、ケース40内の油を変速機4と回転電機6との間で共有しつつ、トランスファ84については異なる種類の油を用いることが可能となる。
モータケース部41には、変速出力部材23が以下のような態様で支持される。上述したように、変速出力部材23は、ロータシャフト25に対して径方向内側R2であって、径方向視でロータシャフト25と重なる位置に配置される。そして、図示は省略するが、変速出力部材23の外周面とロータシャフト25の内周面との径方向Rの間に軸受(例えば、ブッシュ)が配置されてよい。よって、変速出力部材23は、ロータシャフト25を介してモータケース部41に支持される。
モータケース部41には、伝達ユニット82(具体的には、減速機83を構成する遊星歯車機構10)が、以下のような態様で支持される。図3に示すように、リングギヤ13は、支持部材45に固定される。また、サンギヤ11の内周面と変速出力部材23の外周面との径方向Rの間に軸受(ここでは、ブッシュ)が配置されてよい。また、キャリヤ12は、上述したように、変速出力部材23にスプライン嵌合される。すなわち、図4Aに示すように、キャリヤ12は、内周面に形成されたスプライン歯120が、変速出力部材23の外周面に形成されたスプライン歯230と噛み合う態様で、変速出力部材23にスプライン嵌合される。よって、キャリヤ12は、変速出力部材23及びロータシャフト25を介してモータケース部41に支持される。このように、本実施例では、ケース40(具体的には、モータケース部41)は、伝達ユニット82を支持する支持部材45を備える。ここでは、支持部材45が伝達ユニット82を支持するとは、伝達ユニット82の1つの回転部材(回転要素)が支持部材45に固定されること、言い換えれば、伝達ユニット82の1つの回転部材を支持部材45に固定することを意味する。
次に、前出の図4と、図4Bとを対比して、上述した変速出力部材23に関する効果について説明する。
図4Bは、比較例による車両用駆動装置1Aにおける変速出力部材23A及び出力部材24の構成を示す図であり、伝達ユニット82周辺の断面図である。
比較例は、特開2021-114828号公報に開示される車両用駆動装置と同様の構成であり、変速出力部材23A及び出力部材24が別部材(すなわち2ピース)である。この場合、変速出力部材23A及び出力部材24間の結合部においては、出力部材24における軸方向第2側L2の端部の内周面に形成されたスプライン歯と、変速出力部材23Aにおける軸方向第1側L1の端部の外周面に形成されたスプライン歯とが、スプライン係合する。このような比較例では、変速出力部材23Aと出力部材24との間のスプライン嵌合部は、変速出力部材23Aと出力部材24とが略同じ外径を有する場合に、図4Bに示すような径方向段差部241を有する。
ところで、減速機83の出力部材24は、変速出力部材23Aからの出力と回転電機6の出力を伝達できるような強度が必要である。このため、変速出力部材23Aと出力部材24との間のスプライン嵌合部の径方向段差部241における肉厚(軸方向Lの肉厚)を比較的大きくする必要が生じる。この結果、軸方向Lで変速機4と回転電機6との間の距離が増加しやすくなり、車両用駆動装置の軸方向Lの長さが増加しやすくなる。
これに対して、本実施例によれば、上述したように、減速機83の出力部材が変速出力部材23により1ピースの軸部材として実現されるので、比較例の径方向段差部241のような径方向段差部を低減又は無くすことができる。この結果、ロータシャフト25の軸方向第2側L2の端部位置を軸方向第2側L2へと移動させることで、車両用駆動装置1の軸方向Lの長さの低減を図り、車両への車両用駆動装置1の搭載性を高めることが可能となる。
例えば、本実施例では、図4Aに示すように、ロータ60とサンギヤ11との間の第1結合部33と、変速出力部材23とキャリヤ12との間の第2結合部34とは、軸方向Lで隣り合わせることができる。これにより、第1結合部33と第2結合部34との間の軸方向Lの距離の最小化(及びそれに伴い車両用駆動装置1の軸方向Lの長さの低減)を図ることができる。
特に、図4及び図4Aに示す例では、サンギヤ11側のスプライン歯110の軸方向第2側L2の端部と、変速出力部材23のスプライン歯230(第2結合部34に係るスプライン歯)の軸方向第1側L1の端部とは、径方向視で重なる。これにより、第1結合部33を最大限に軸方向第2側L2に配置でき、車両用駆動装置1の軸方向Lの長さの低減を図ることができる。ただし、変形例では、サンギヤ11のスプライン歯110の軸方向第2側L2の端部と、変速出力部材23のスプライン歯230の軸方向第1側L1の端部とは、径方向視で重ならない態様で、軸方向Lに隣り合ってもよい。
また、本実施例では、図4に示すように、変速出力部材23は、1ピースの軸部材として実現されるので、比較例の径方向段差部241のような径方向段差部における厚みの制約がなく、第2結合部34に係るスプライン嵌合部の強度は、スプライン幅を調整することで確保できる。具体的には、本実施例では、図4に示すように、変速出力部材23は、遊星歯車機構10の径方向内側R2を通る部位と、回転電機6の径方向内側R2を通る部位(ロータシャフト25を通過する部位)とが、略同じ外径を有することで、比較例と同様の強度を確保できる。なお、図4に示す例では、変速出力部材23は、遊星歯車機構10の径方向内側R2を通る部位において、変速出力部材23のスプライン歯230(第2結合部34に係るスプライン歯)を形成するための僅かな拡径があるだけである。このようにして、本実施例によれば、変速出力部材23の強度を確保しつつ、車両用駆動装置1の軸方向Lの長さの低減を図ることが可能となる。
また、比較例のように、遊星歯車機構10の径方向内側R2において、変速出力部材23Aと出力部材24との間のスプライン嵌合部を配置する構成では、スプライン嵌合部に起因して、遊星歯車機構10の径方向Rの配置スペースに制約が生じやすくなる。これに対して、本実施例では、遊星歯車機構10の径方向内側R2に配置される軸部材は、変速出力部材23だけとなり、遊星歯車機構10の径方向Rの配置スペースに係る制約を低減できる。従って、図4、図4A及び図4Bから分かるように、本実施例によれば、遊星歯車機構10のサンギヤ11を、比較例に比べて径方向内側R2に配置すること(例えば、サンギヤ11の内径の小径化)も可能であり、回転軸心Aまわりのレイアウトの自由度を高めることもできる。
次に、前出の図3を参照しつつ、図5を参照して、本実施例の更なる特徴的な構成について説明する。図5は、回転電機6の軸方向第1側L1側の配線構造の説明図であり、側壁部51及び筒状部52を軸方向第1側L1から視た概略的な平面図である。なお、図5では、カバー部材46が取り外された状態で、カバー部材46の図示は省略される。
本実施例では、車両用駆動装置1は、ケース40に支持されるインバータモジュールPMを更に備える。
インバータモジュールPMは、車載電源(図示せず)と回転電機6との間に電気的に接続される。インバータモジュールPMは、インバータケース48内に各種構成要素を収容したモジュールの形態である。各種構成要素は、一部だけ模式的に図示するが、パワー半導体素子としてのスイッチング素子を含むインバータ回路部77や、駆動回路や電源回路が実装される制御基板78、平滑コンデンサ、冷却水路部等を含んでよい。
インバータモジュールPMは、インバータ回路部77から回転電機6との接続用に引き出されるバスバー79を有する。バスバー79は、板状の導体の形態であってよく、相ごとに1つ以上割り当てられる態様で、複数設けられてもよい。各バスバー79は、一端がインバータ回路部77に接合され、他端が後述する端子台70に接合される。
本実施例では、インバータモジュールPMは、ケース40における第2収容空間S2を形成する周壁部50に支持される。インバータモジュールPMは、周壁部50の上方に配置される。本実施例では、モータケース部41は、周壁部50における上側に、上下方向に延在する締結部413を有する。締結部413の上側端面に、インバータモジュールPMがボルト等の固定部材41Aにより締結される。
なお、本実施例では、インバータケース48は、モータケース部41とは別体であるが、インバータケース48の一部又は前部は、モータケース部41と一体的に形成されてもよい。例えば、インバータケース48は、上下に分割された構造であってよく、この場合、インバータケース48の下側の部分は、モータケース部41により形成されてもよい。
インバータモジュールPMは、図3に示すように、径方向視で、回転電機6のみならず、遊星歯車機構10(減速機83)に重なる態様で、配置されてよい。
ところで、前出の図2から分かるように、ATケース部42は、モータケース部41よりも体格が大きい傾向があり、ATケース部42の径方向外側R1の外部には、搭載スペースが少ない傾向がある。また、モータケース部41は、ATケース部42よりも体格が小さいものの、車体のフレームF(図2参照)が下方に配置されるので、モータケース部41の径方向外側R1の外部のうちの、下方には搭載スペースが少ない傾向がある。
この点、本実施例によれば、インバータモジュールPMは、モータケース部41の径方向外側R1の外部のうちの、上側のデッドスペースとなりやすい空間に配置される。これにより、車体における限られた搭載スペースに対してスペースの利用効率が高い態様で、インバータモジュールPMを配置できる。
特に本実施例によれば、第1収容空間S1内には、回転電機6のみならず、回転電機6の軸方向第2側L2に遊星歯車機構10(減速機83)が配置されるので、回転電機6だけが収容される場合に比べて、モータケース部41の軸方向Lの長さが大きくなりやすい。このため、インバータケース48の軸方向Lの長さが比較的大きい場合でも、インバータケース48をモータケース部41の上方に支持することが容易となる。
なお、本実施例では、インバータケース48は、径方向視で、軸方向第2側L2の端部がATケース部42の軸方向第1側L1の端部に重なるだけであり、インバータケース48に起因して、ATケース部42まわり(径方向外側R1の外部)の搭載スペースが有意に制限されることも、ない。これは、軸方向第1側L1のトランスファケース部43との関係も同様である。なお、変形例では、インバータケース48の軸方向端部が、径方向視で、変速機4及び/又は変速機構102に重なる態様で設けられてもよい。
また、本実施例によれば、インバータモジュールPMが周壁部50に配置されるので、インバータモジュールPMと回転電機6との間の距離が近くなり、インバータモジュールPMと回転電機6との間を電気的に接続するための配線構造やその他の配線に係る配線構造を簡易化できる。
具体的には、本実施例では、図3に示すように、ステータ61の軸方向第1側L1側に、回転電機6とインバータモジュールPMとの間の配線構造が設けられる。
回転電機6とインバータモジュールPMとの間の配線構造は、回転電機6からの動力線が電気的に接続される端子台70と、インバータモジュールPMからのバスバー79とを含む。端子台70には、コイル63の第1コイルエンド部64Aからの動力線の端部(端子)が配置される。本実施例では、端子台70は、図3に示すビューで、L字状の形態であり、動力線を樹脂で封止した樹脂部を含んでよい。
端子台70は、ステータ61の軸方向第1側L1側に、かつ、回転軸心Aよりも上方に配置される。端子台70は、側壁部51を軸方向Lに通過する態様で設けられる。具体的には、側壁部51は、軸方向視で端子台70(及びそれに伴い第1コイルエンド部64Aからの動力線)に重なる領域に、軸方向Lの孔510を有する。端子台70は、第1コイルエンド部64Aから、孔510を介して、側壁部51よりも軸方向第1側L1側まで延在する。この場合、端子台70は、側壁部51よりも軸方向第1側L1側において、インバータモジュールPMからのバスバー79に接合できるので、組み付け性が良好となる。なお、他の実施例では、軸方向Lの孔510に代えて、側壁部51の切り欠きが利用されてもよい。
端子台70には、上述したインバータモジュールPMからの各バスバー79が接合される。本実施例では、バスバー79は、ボルトのような固定部材790により端子台70に締結されてよい。固定部材790は、頭部792が軸方向第1側L1を向く態様で軸方向Lに延在する。すなわち、固定部材790は、軸方向Lに延在する軸部791に対して、軸方向第1側L1に頭部792を有する。この場合、カバー部材46をモータケース部41に取り付ける前の状態において、固定部材790は軸方向第1側L1から容易に締結できる。固定部材790に係る締結位置は、軸方向視で、ステータ61に重なる。なお、本実施例では、固定部材790は、軸方向視で、孔510の外周縁よりも内側に位置する(すなわち、軸方向視で、孔510に重なる)。
なお、端子台70は、バスバー79と締結されることで、インバータモジュールPMを介してケース40に支持されてよい。この場合、端子台70を直接的にケース40(例えば側壁部51)に固定するための固定部材が不要となり、部品点数を低減できる。ただし、端子台70は、側壁部51等に締結されてもよい。
次に、図3を参照しつつ、図6を参照して、本実施例の端子台70の配置に関連した効果を説明する。
図6は、比較例による車両用駆動装置1Aにおける端子台70Aの配置を示す図であり、伝達ユニット82周辺の断面図である。
比較例では、端子台70Aは、周壁部50の外部に配置され、パワーケーブルの形態である電源線81を介して、周壁部50から離れた位置に配置されるインバータモジュールPMに電気的に接続される。また、比較例では、動力線65の端子66は、動力線固定部材69(ここでは、締結ボルト)を用いて端子台70Aからの中継バスバー71に締結される。動力線固定部材69は、その頭部が動力線65の端子66に対して軸方向第2側L2に配置される向きで、動力線65の端子66及び中継バスバー71を軸方向Lに貫通するように配置される。比較例では、動力線固定部材69は、軸方向視で、ステータ61に重ならず、ステータ61よりも径方向内側R2に配置される。
このような比較例では、ロータ60の組み付け前に動力線固定部材69を軸方向第2側L2から締結できるように、動力線固定部材69に係る締結位置が、軸方向視で、ステータ61に重ならず、ステータ61よりも径方向内側R2に配置される。このため、ステータ61の内径に対して、動力線固定部材69に係る締結が制約となる。すなわち、ステータ61の内径の小径化が進むと、筒状部52Aと動力線固定部材69が径方向Rで近接又は干渉し、動力線固定部材69に係る締結が成立しない。
これに対して、本実施例によれば、上述したように、固定部材790は、軸方向第1側L1から締結できるので、固定部材790に係る締結位置に関する径方向Rの配置自由度(設計自由度)を高めることができる。従って、本実施例のように、軸方向視で、ステータ61に重なるように固定部材790に係る締結位置を設定することも可能である。換言すると、本実施例によれば、固定部材790の締結に係る組み付け性を悪化させることなく、ステータ61の内径の小径化(及び、例えば、それに伴う回転電機6の小型化)が可能となる。
また、本実施例によれば、固定部材790の締結は、モータケース部41に対してステータ61及びロータ60を組み付けた後だけでなく、ロータ60を組み付ける前にも、実行できるので、組み付け手順の自由度を高めることができる。
また、本実施例によれば、固定部材790に係る締結位置は、軸方向視で、ステータ61に重なるように設定されるので、ステータ61よりも径方向内側R2に固定部材790に係る締結位置を設定する場合に比べて、バスバー79の径方向Rの延在長さを短くすることができる。この結果、バスバー79での送電ロスの最小化を図ることも可能となる。ただし、変形例では、ステータ61によりも径方向内側R2に固定部材790に係る締結位置が設定されてもよい。
次に、図3及び図5を参照しつつ、図4B及び図6を参照して、回転センサ80の配置及びそれに関連した効果を説明する。
車両用駆動装置1は、ロータ60の回転情報(ロータ60の回転に関する情報)を取得する回転センサ80を備える。回転センサ80は、例えばレゾルバであってよい。この場合、回転センサ80は、互いに軸方向Lに対向するセンサステータ800及びセンサロータ801を備える。センサステータ800は、基板810に実装される。この場合、センサステータ800は、基板810の軸方向第2側L2の表面に実装されてよい。基板810は、ケース40(具体的には、側壁部51)にボルトのような固定部材820により固定される。具体的には、基板810は、軸方向第2側L2の表面が側壁部51に軸方向Lに当接する態様で、側壁部51に固定されてよい。固定部材820は、その頭部が軸方向第1側L1に向く態様で、軸方向Lに延在する。センサロータ801は、ロータシャフト25に固定される。例えば、センサロータ801は、ロータシャフト25の軸方向第1側L1の端面に軸方向Lに当接する態様で、ロータシャフト25に嵌合されてよい。
本実施例では、回転センサ80は、回転電機6に対して軸方向第1側L1に配置される。具体的には、回転センサ80は、図3に示すように、軸方向Lで筒状部52とカバー部材46との間に配置される。すなわち、回転センサ80は、空間部S11内に配置される。
回転センサ80は、ハーネス850を介して、インバータモジュールPM内の制御基板78に電気的に接続される。ハーネス850は、一端がコネクタ860に接続され、他端が制御基板78に接続される。この場合、ハーネス850は、図3及び図5に示すように、空間部S11を利用して容易に配索できる。
コネクタ860は、基板810上に配置される。具体的には、コネクタ860は、基板810の軸方向第1側L1の表面に実装される。コネクタ860は、基板810に形成されるプリント配線(図示せず)を介して回転センサ80のセンサステータ800に電気的に接続される。
コネクタ860は、基板810上において、図5に示すように、軸方向視で、回転軸心Aまわりで固定部材790とは異なる周方向位置に、配置される。これにより、固定部材790の締結に係る組み付け性を悪化させることなく、固定部材790とともにコネクタ860を同一の空間部S11に配置できる。
ここで、図4B及び図6に示した比較例による車両用駆動装置1Aと対比しつつ、本実施例の更なる効果を説明する。
比較例では、図4Bに示すように、回転センサ80’が回転電機6の軸方向第2側L2に配置される。このような比較例では、回転センサ80’からの図示しないハーネス(ハーネス850のようなハーネス)の配索が困難である。すなわち、回転センサ80’からのハーネスとロータ60との干渉を確実に防止するために、比較的大きい配索スペースが必要となる。
この点、本実施例によれば、回転センサ80は、上述したように、回転電機6の軸方向第1側L1に配置されるので、比較例とは対照的に、ハーネス850の配索が容易となる。具体的には、上述したように、ロータ60に対して軸方向Lで側壁部51及び筒状部52により仕切られた空間部S11を利用して、ハーネス850を配索できるので、ロータ60との干渉を防止するための特別な対策(例えば過大なクリアランスの設定)が不要となる。
また、本実施例によれば、回転センサ80に係る基板810は、第1軸受91を支持する筒状部52に締結されるので、空間部S11におけるデッドスペースとなりやすい空間を有効活用した効率的な配置を実現できる。
具体的には、例えば比較例では、図6に示すように、筒状部52Aの下側の空間S33’がデッドスペースとなりやすい。これに対して、本実施例によれば、このようなデッドスペースを低減又は無くした効率的なレイアウトを実現できる。
また、本実施例によれば、回転センサ80は、上述したように、回転電機6の軸方向第1側L1に配置されるので、軸方向Lで支持部材45と回転電機6のロータ60及びステータ61との間の距離の最小化を図ることができる。これにより、車両用駆動装置1の軸方向Lの長さの低減を図り、車両への車両用駆動装置1の搭載性を高めることが可能となる。
また、本実施例によれば、回転センサ80に係る基板810を筒状部52に固定するための固定部材820と、バスバー79を端子台70に固定するための固定部材790とは、同じ空間部S11に位置するので、これらの締結作業を同時又は連続的に実行することも可能である。これにより、組み付け性が向上する。なお、本実施例では、筒状部52に基板810が固定されるが、これに代えて又は加えて、側壁部51に基板810が固定されてもよい。
また、本実施例によれば、カバー部材46は、モータケース部41に固定部材44Aにより取り付けられるので、カバー部材46をモータケース部41に取り付ける前の状態において、空間部S11内における各種組み付け(固定部材820や固定部材790の締結等)を容易に実現できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、各実施例の効果のうちの、従属項に係る効果は、上位概念(独立項)とは区別した付加的効果である。
例えば、上述した実施例では、変速出力部材23は、1ピースの部材であるが、軸方向Lに連結される2ピース以上の部材により実現されてもよい。
2・・・内燃機関、3A・・・後輪、4・・・変速機、23・・・変速出力部材、6・・・回転電機、27・・・トランスファ入力部材(回転軸部材)、60・・・ロータ、61・・・ステータ、63・・・コイル、10・・・遊星歯車機構、40・・・ケース(収容部材)、41・・・モータケース部(第1壁部を形成する部材)、46・・・カバー部材(別ピースの部材)、461・・・側壁部(第2壁部)、462・・・筒状部(第2壁部)、51・・・側壁部(第1壁部)、510・・・孔、52・・・筒状部(第1壁部)、79・・・バスバー、790・・・固定部材(締結部材)、792・・・頭部、80・・・回転センサ、800・・・センサステータ(固定側要素)、810・・・基板、860・・・コネクタ(配線コネクタ)、91・・・第1軸受、92・・・第2軸受、A・・・回転軸心(回転軸)、PM・・・インバータモジュール(電力変換装置)、S1・・・第1収容空間(第1空間)、S2・・・第2収容空間(第2空間)、L1・・・軸方向第1側、L2・・・軸方向第2側

Claims (5)

  1. 車両前部に設けられる内燃機関から車両の後輪までの動力伝達経路に配置され、前記内燃機関から伝達される回転を変速して変速出力部材に伝達する変速機と、
    前記動力伝達経路における前記変速機よりも後輪側に、前記変速出力部材に同軸に配置され、ステータ及びロータを備える回転電機と、
    前記変速機を収容する第1空間と、前記第1空間に対して軸方向第1側から軸方向に隣り合う態様で前記回転電機を収容する第2空間とを、形成する収容部材と、
    前記ステータのコイルに一端が電気的に接続され、電力変換装置に他端が電気的に接続されるバスバーと、
    前記ステータに対して前記軸方向第1側において、前記コイルからの動力線と前記バスバーとを締結する締結部材と、を備え、
    前記締結部材は、その頭部が前記軸方向第1側に向く態様で、軸方向に延在する、車両用駆動装置。
  2. 前記締結部材は、軸方向視で前記ステータに重なる、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記回転電機に対して前記軸方向第1側に、前記ロータの回転情報を取得する回転センサを更に備え、
    前記回転センサからの配線コネクタは、軸方向視で前記回転電機の回転軸まわりで前記締結部材とは異なる周方向位置に、配置される、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記収容部材は、前記ステータに対して前記軸方向第1側とは逆側の軸方向第2側から軸方向に対向する第1壁部を有し、
    前記第1壁部は、前記回転電機の回転軸まわりに周方向に沿って延在し、かつ、前記ロータを回転可能に支持する第1軸受を支持し、
    前記回転センサの固定側要素を支持する基板は、前記第1壁部に固定される、請求項3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記収容部材は、前記第1壁部に対して前記軸方向第2側から軸方向に対向し、前記第1壁部を形成する部材とは別ピースの部材により形成される第2壁部を更に有し、
    前記第2壁部は、前記変速出力部材又は前記変速出力部材に同軸に接続される回転軸部材を回転可能に支持する第2軸受を支持し、
    前記締結部材及び前記回転センサは、軸方向で前記第1壁部と前記第2壁部の間に配置され、
    前記第1壁部は、軸方向視で、前記コイルからの動力線に重なる領域に軸方向の孔又は切り欠きを有する、請求項4に記載の車両用駆動装置。
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