JP2023063892A - 静電容量型腐食センサ、および、その設置方法 - Google Patents

静電容量型腐食センサ、および、その設置方法 Download PDF

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正智 工藤
Masatomo Kudo
玲 江里口
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Abstract

【課題】コンクリート構造物内部に容易に設置でき、腐食の進展状況を高確度に把握することを可能にした静電容量型腐食センサ、および、その設置方法を提供する。【解決手段】鋼材の腐食環境を検出する静電容量型腐食センサ1であって、腐食性を有する金属で形成された筒状の検知部3と、耐腐食性を有する金属で形成され、前記検知部3の内側面と対向するように設けられた棒状の対向電極9と、前記検知部3および前記対向電極9との間に設けられた誘電体7と、を備え、腐食による前記検知部3の面積の減少に応じて、静電容量が変化することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、鋼材の腐食環境を検出する静電容量型腐食センサ、および、その設置方法に関する。
コンクリート構造物中の鋼材は、コンクリートがアルカリ性環境を保持していることで鋼材表面に不動態被膜を形成し、腐食から保護されている。しかしながら、例えば、空気中の二酸化炭素、下水道施設における硫酸、あるいは塩化物イオンなどの腐食因子がコンクリート中に侵入すると、この不動態被膜が破壊され、コンクリート中にある水と酸素によって鋼材の腐食が開始する。また、鉄橋やプラントなどの鋼材を用いた構造物では、鋼材に錆が生じないように保護塗料が用いられている。
コンクリート構造物の鋼材が腐食すると、鋼材の体積膨張が生じ、その膨張圧でコンクリートにひび割れが生じ、ひび割れを通じてさらに腐食因子の侵入と外部からの水と酸素の供給によって鋼材の腐食は加速的に進展し、ついにはコンクリート構造物としての機能が保持できなくなる。また、鋼材が腐食すると、鋼材の体積膨張により保護塗膜に浮きや剥離が生じ、防錆効果が失われる。
従って、鋼材の腐食が開始する前に腐食因子の侵入や鋼材の腐食開始を検知し、例えば、表面被覆などの対策で腐食因子や水と酸素のさらなる侵入を阻止して鋼材を腐食から守り、構造物の予防的な保全を図ることが重要となる。この問題に対し、従来から種々の腐食診断方法および腐食センサが提案されている。
例えば、特許文献1には、腐食性を有する金属から形成された検知部と、耐腐食性を有する金属から形成され、検知部と対向する位置に設けられた対向電極と、検知部および対向電極の間に設けられた誘電体と、を備えた平行平板の静電容量型腐食センサが記載されている。静電容量型腐食センサは、コンクリート構造物内部に埋設され、検知部である鉄箔材の腐食の度合いによって、コンクリート構造物内部における腐食の進展状況を把握することを可能にする。
特開2017-032516号公報
上記のような静電容量型腐食センサは、検知部の面積が大きいほど測定分解能が向上し、より正確に腐食の進展状況を把握できる。一方で、特に過密配筋部においては、腐食センサが大きくなるほど、コンクリート構造物の内部に設置することが困難となる。そのため、容易に設置可能でありながらも、腐食の進展状況を正確に把握できる腐食センサが求められている。
また、腐食の進展状況をより正確に把握するためには、実際の鋼材の腐食状況と、腐食センサによる検知結果との間に誤差が生じないように、腐食に影響を与える様々な要因について考慮する必要がある。例えば、腐食の侵入方法によって、鋼材の周方向における腐食の進展状況にバラつきが生じる。また、ブリーディングにより鋼材の下面に形成される空隙構造によって、腐食速度が加速するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コンクリート構造物内部に容易に設置でき、腐食の進展状況を高確度に把握することを可能にした静電容量型腐食センサ、および、その設置方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の静電容量型腐食センサは、鋼材の腐食環境を検出する静電容量型腐食センサであって、腐食性を有する金属で形成された筒状の検知部と、耐腐食性を有する金属で形成され、前記検知部の内側面と対向するように設けられた棒状の対向電極と、前記検知部および前記対向電極との間に設けられた誘電体と、を備え、腐食による前記検知部の面積の減少に応じて、静電容量が変化することを特徴としている。
このように、検知部が筒状であるから、センサ自体の大きさを抑えながら検知面積を確保することができるため、設置の容易性を損なわずに測定分解能を向上できる。また、鋼材の形状と近いから、実際の腐食状況と腐食センサによる検知結果との誤差を小さくでき、腐食の進展状況を高確度で把握することを可能にする。
(2)また、本発明の静電容量型腐食センサは、前記検知部は、一方の端部が半球状であることを特徴としている。これにより、検知部の一方の端部にアールがつくため、特に腐食センサを鋼材にぶら下げて設置した際に、ブリーディングによる影響を再現することができ、腐食の進展状況をより高確度で把握できる。
(3)また、本発明の静電容量型腐食センサの設置方法は、前記検知部は円筒状であり、前記検知部の外径が4mm以上であり、前記静電容量型腐食センサの直径が50mm以下であることを特徴としている。これにより、設置の容易性を損なわずに測定分解能を向上できる。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の静電容量型腐食センサの設置方法であって、互いに向かい合う鋼材の一方に前記静電容量型腐食センサを固定する工程と、前記鋼材を有するコンクリート構造物中に前記静電容量型腐食センサを埋設する工程と、を含み、前記静電容量型腐食センサは、前記向かい合う鋼材の間に位置することを特徴としている。これにより、コンクリート構造物内部における鋼材の腐食状況について、静電容量型腐食センサによりセンシングすることを可能にする。
(5)また、本発明の静電容量型腐食センサの設置方法は、前記静電容量型腐食センサの長手方向が、前記静電容量型腐食センサが固定された鋼材が延在する方向に沿うように、前記静電容量型腐食センサを設けることを特徴としている。これにより、腐食の進展状況を把握したい鋼材と、腐食センサが延在する方向を等しくすることができる。そのため、実際の腐食状況と腐食センサによる検知結果との誤差を小さくでき、腐食の進展状況を高確度で把握することを可能にする。
(6)また、本発明の静電容量型腐食センサの設置方法は、前記静電容量型腐食センサの長手方向が鉛直方向に沿うように、前記静電容量型腐食センサを設けることを特徴としている。これにより、腐食センサが固定された鋼材からぶら下げることで設置できるため、腐食センサの設置を容易にすることが可能である。
(7)また、本発明の静電容量型腐食センサの設置方法は、前記静電容量型腐食センサを含む前記コンクリート構造物の前記静電容量型腐食センサの中心軸に垂直な断面において、前記コンクリート構造物を構成するコンクリートの面積が、前記静電容量型腐食センサの面積よりも大きいことを特徴としている。これにより、腐食センサの設置によって、コンクリート構造物の耐久性が低下することを抑制できる。
(8)また、本発明の静電容量型の腐食センサの設置方法は、前記静電容量型腐食センサの両端位置における前記静電容量型腐食センサの中心軸に垂直な断面に挟まれた前記コンクリート構造物の領域において、前記コンクリート構造物を構成するコンクリートの体積が、前記静電容量型腐食センサの体積よりも大きいことを特徴としている。これにより、腐食センサの設置によって、コンクリート構造物の耐久性が低下することをより抑制できる。
(9)また、本発明の静電容量型の腐食センサの設置方法は、前記静電容量型腐食センサが、長手方向が周囲の同方向に伸びる4つの鋼材が延在する方向に沿うように位置し、前記4つの鋼材に囲まれ、前記4つの鋼材に垂直な断面領域において、前記コンクリート構造物を構成するコンクリートの面積が前記静電容量型腐食センサの面積よりも大きいことを特徴としている。これにより、腐食センサの設置によって、コンクリート構造物の耐久性が低下することをさらに抑制できる。
本発明によれば、コンクリート構造物内部に容易に設置でき、腐食の進展状況を高確度に把握することができる。
本実施形態に係る静電容量の測定原理の説明に用いられる斜視図である。 本実施形態に係る静電容量型腐食センサの概略構成を示す斜視図である。 図2に示す静電容量型腐食センサのA-A断面図である。 本実施形態に係る静電容量型腐食センサの変更例の概略構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る静電容量型腐食センサの変更例の概略構成を示す斜視図である。 本実施形態における静電容量型腐食センサの設置方法により、コンクリート構造物内部に静電容量型腐食センサが設置された様子を示す断面図である。 本実施形態における静電容量型腐食センサの設置方法の変更例により、コンクリート構造物内部に静電容量型腐食センサが設置された様子を示す断面図である。 図7に示す静電容量型腐食センサが設置されたコンクリート構造物のB-B断面図である。 検知部の腐食面積率と静電容量とについてシミュレーションした結果を示すグラフである。
[静電容量型腐食センサの測定原理]
静電容量型腐食センサは、センサの検知部が腐食因子により腐食していくと、導体の面積が減少し、それに伴って静電容量が減少する、という原理を利用して、測定した静電容量から腐食の進展状況を把握可能にする。
平行平板導体の場合、平行平板の面積をSとし、平行平板導電間の間隔をdとし、εを誘電率としたとき、以下の数式(1)から静電容量Cを算出できることが知られている。そのため、数式(1)を用いて、静電容量から検知部の腐食面積を容易に算出できる。
Figure 2023063892000002
これに対して、図1に示すような同心円筒導体の場合、以下の数式(2)により静電容量Cを算出できることが知られている。数式(2)では、aが円柱状の電極の半径であり、bが円筒状の電極の内半径であり、Lが同心円筒導体の高さであり、εが真空の誘電率であり、εが比誘電率である。しかしながら、同心円筒導体の場合には、静電容量Cを算出する数式(2)に導体の面積が含まれていない。そのため、数式(2)から静電容量から検知部の腐食面積を算出することが困難である。
Figure 2023063892000003
これに対し、同心円筒状の導体における静電容量と導体の面積との関係について、検知部の腐食部分が周方向全長にわたって存在すると仮定したとき、腐食部分が存在する高さを静電容量から算出することで、腐食面積を求められる。すなわち、円柱状の電極の半径をaとし、円筒状の電極の内半径をbとし、同心円筒導体の高さをLとし、真空の誘電率をεとし、比誘電率をεとしたとき、数式(3)により、周方向にわたって腐食された同心円筒導体の高さLxを算出する。これにより、検知部の腐食面積を算出できる。
Figure 2023063892000004
静電容量型腐食センサには、センサの検知部が腐食因子によって腐食していくと、対向する平行平板導体の面積が減少し、それに伴って静電容量が減少する、という原理がある。本実施形態に係る静電容量型腐食センサは、この原理を利用し、静電容量の減少度合いを捉えることによって、検知部の面積の減り具合、ひいては腐食環境の進行具合を把握することを可能にする。
[静電容量型腐食センサの構成]
図2は、本実施形態に係る静電容量型腐食センサの概略構成を示す斜視図である。図3は、図2に示す静電容量型腐食センサのA-A断面図である。図2、3に示すように、静電容量型腐食センサ1は、検知部3と、誘電体7と、対向電極9と、リード線10と、防水材13とを備える。
検知部3は、静電容量型腐食センサ1の露出する側面に設けられ、一方の端部が半球状とする円筒状である。検知部3は、腐食性を有する金属を材料とし、例えば、鉄や、ステンレス、アルミニウム等である。検知部3の材料は、腐食状態を把握したい測定対象と同じ材質にすることが好ましく、鉄筋などの鋼材を測定対象とする場合には、鉄にすることが好ましい。
また、検知部3の厚さは、0.001μm以上1mm以下が好ましい。厚さを1mm以下にすることで、腐食センサ1の感度を向上できる。また、検知部3の外径は、4mm以上であり、検知部3の面積は、20000mm以上であることが好ましい。これにより、腐食の進展状況を把握するために十分な測定分解能が得られる。
また、図4に示すように、検知部3の一方の端部は半球状ではなく、平面であってもよいが、ブリーディングによる影響を考慮すると、半球状が好ましい。検知部3の一方の端部が半球状である場合には、特に腐食センサ1を鋼材にぶら下げて設置したとき、ブリーディングによって形成される空隙構造の形成、および、腐食に与える影響を再現でき、腐食の進展状況を高確度で把握することを可能にする。
また、有底筒状ではなく、内側面が底部を貫通してもよいが、その場合、図5に示すように、浸水を防止するために防水材13により端部を覆う必要がある。また、検知部3の形状は、腐食状態を把握したい対象物と同じ形状にすることが好ましく、断面形状が矩形や三角形であってもよい。
対向電極9は、検知部3と中心軸を同じとする円柱状の電極である。対向電極9は、耐腐食性が高い性能を有した金属が好ましい。検知部3の腐食による減少を電気特性で捉えるためには、対向電極9の面積が変化しないことが前提である。対向電極9には、金または白金、パラジウム等に代表される貴金属をはじめ、対象である金属よりイオン化傾向の小さく導電性を有した金属を用いることができる。例えば、鉄が検知対象の場合はパラジウム、銅、ニッケル等を用いることができる。対向電極9の形状は、円柱でなくてもよく、四角柱や三角柱のような多角形であってもよい。また、対向電極9の直径は問わない。
また、リード線10は、検知部3に電気的に接続された第1の通電部と、対向電極9に電気的に接続された第2の通電部とを構成する。
誘電体7は、検知部3と対向電極9との間に充填されている。数式(3)から明らかなように、誘電率の大きさと検知部3面積の減少が、静電容量の減少に大きく関与するため、誘電体7は、誘電率が3以上であることが望ましい。誘電体7の厚さは1nm~5mmが望ましい。温度による変化が少ない材料を用いることが望ましい。これにより、センサの測定感度を向上させることが可能となる。誘電体7としては、誘電率3.3であるポリイミドフィルムが好ましい。
また、検知部3と誘電体7とは、ケミカルエッチング等により、複数の貫通孔が形成されてもよい。貫通孔が形成されることで、腐食が容易に進展し、一部が限定的に腐食して欠損した場合においても、検知部3が島状に取り残されることが少なく、電気的な導通が確保される。各貫通孔の形状は、特に限定されないが、形成精度や歩留まりの観点から円形であることが好ましい。また、複数の貫通孔は、メッシュ状であってもよいし、スリット状であってもよい。
防水材13は、腐食センサ1への浸水を防止するために設けられる。防水材13は、防水性を有する材料から構成され、例えば、エポキシ樹脂である。腐食センサ1は、防水材13を備えているから防水性が向上し、検知部3と対向電極9との間における絶縁性を確保できる。
また、腐食センサ1の直径は、50mm以下であることが好ましい。これは、格子状配筋20が過密配筋されているとき、後述する4つの主筋に囲まれ、4つの主筋に垂直な断面領域40の一辺の長さが、通常30mm~200mmであることから、腐食センサ1の直径を上記範囲とすることで、この領域40への配置が容易になるためである。ただし、当該センサの直径はこれに限定されず、領域40の大きさに合わせて、適宜設定することができる。なお、図2では、腐食センサ1の断面形状が円形であるが、これに限定されず、矩形や三角形のような多角形であってもよい。
[静電容量型腐食センサの設置方法]
次に、静電容量型腐食センサの設置方法について説明する。図6は、腐食センサが設置されたコンクリート構造物の断面図である。鉄筋を交差配置して組み立てられた格子状配筋20のうち、上側に位置する格子状配筋20にリード線10を巻きつけ、格子状配筋20と垂直に腐食センサ1をぶら下げる。このとき、腐食センサ1は、上側および下側に位置する格子状配筋20の間に位置するように、格子状配筋20に固定される。型枠の中に腐食センサ1が固定された格子状配筋20を設置し、コンクリートを打設する。
コンクリート構造物100中に埋設された腐食センサ1は、検知部3の腐食に応じた静電容量を測定することができ、測定された静電容量によって現時点における検知部3の腐食面積率を検知できる。検知部3の腐食面積率と静電容量との間に高い相関性が見られ、検知部3の腐食に応じて静電容量が段階的な変化を示すことから、腐食の進展度合いを評価することができる。
静電容量型腐食センサ1は、図7に示すように、格子状配筋20と平行になるように設置されてもよい。このとき、腐食センサ1は、格子状配筋20に接着剤や結束バンド等により固定してもよい。また、腐食センサ1の固定は、打設の途中に行なわれてもよく、打設途中のコンクリート30の上に腐食センサ1を寝かせて置くことで、格子状配筋20と平行に設置してもよい。
なお、腐食センサ1の直径は、格子状配筋20を構成する鉄筋間の距離よりも小さいことが好ましい。また、図8のように、腐食センサ1の中心軸に垂直な断面において、コンクリート構造物100を構成するコンクリート30の面積が、腐食センサ1の面積よりも大きくなるように設置されることが好ましく、より好ましくは、腐食センサ1の両端位置における腐食センサ1の中心軸に垂直な断面に挟まれたコンクリート構造物100の領域において、コンクリート構造物100を構成するコンクリート30の体積が、腐食センサ1の体積よりも大きくなるように設置されることである。
さらに、腐食センサ1は、4つの鋼材に囲まれ、4つの鋼材に垂直な断面領域40において、コンクリート構造物100を構成するコンクリートの面積が、腐食センサ1の面積よりも大きくなるように配置されることが好ましい。図8は、図7に示すコンクリート構造物の垂直断面図である。図8に示すコンクリート構造物では、格子状配筋20を構成する4つの主筋が設けられている。腐食センサ1は、4つの主筋により囲まれ、4つの主筋に垂直な断面領域40のなかに位置し、4つの主筋の延在方向に沿うように設けられている。4つの主筋により囲まれ、4つの主筋に垂直な断面領域40とは、長手方向が周囲の同方向に伸びる4つの主筋に垂直な断面のうち、4つの主筋の外表面までを含む矩形状の領域のことである。
特に、過密配筋された格子状配筋20の間に腐食センサ1を設置する場合には、鋼材の表面と腐食センサ1の外周面との間にコンクリート30が十分に充填されず、コンクリートが充填されなかった領域が空隙となるおそれがある。コンクリート構造物100の内部に空隙が形成されると強度ムラとなり、耐久性が低下する原因となり得る。そのため、4つの主筋に囲まれ、4つの主筋に垂直な断面領域40において、コンクリート構造物100を構成するコンクリートの面積が、腐食センサ1の面積よりも大きくなるように配置されることにより、空隙の形成を抑制することができ、空隙による強度ムラによって生じる耐久性の低下を抑制できる。
[鋼構造物への適用]
本実施形態に係る静電容量型腐食センサは、鋼構造物へ適用することも可能である。測定対象となる金属構造物、例えば、鋼橋やプラント設備、街路灯、土中埋設管、タンク、船舶などに保護塗料を塗布する場合、塗布前の金属材料の表面に、本実施形態に係るセンサを接着剤等で貼付する。貼付する際は、構造物の電気状態の影響を受ける場合があるので、樹脂のテープ、シール、あるいは接着剤自体で絶縁することが好ましい。その後、金属構造物と同様に保護塗料を塗布する。ケーブルは保護塗膜の外部に出しても出さなくても良い。ケーブルを出さない場合は、そのまま塗膜の下にセンサを埋設し、測定する際は、センサを被覆している塗膜を剥離し、直接計測器を接続して、腐食に伴う電気信号を計測する。また、無線方式を用いて、電磁的に測定を行なっても良い。これにより、ケーブルを引き出した場合に生じる塗膜の欠陥を生じることなく、センサを設置することができる。
[実施例]
次に、静電容量型腐食センサにより測定された静電容量と、検知部における腐食面積との関係性をシミュレーションした。シミュレーション条件として、静電容量Cの算出に要する各種条件と、各部材の材料について以下に示す。
(シミュレーション条件)
対向電極の半径a :12mm
検知部の内半径b :13mm
腐食センサの長さL:200mm
検知部の材料 :Fe
誘電体の材料 :アルミナ
対向電極の材料 :Cu
なお、静電容量型腐食センサの形状は、図4に示すものと同様として、シミュレーションを行なった。また、防水材は、シミュレーションに考慮しなかった。
図9にシミュレーション結果を示す。図9は、数式(3)を用いて、検知部における腐食面積率が0~100%における静電容量Cを示している。図8に示すように、腐食面積率と静電容量とは、比例関係にある。これにより、腐食センサにより測定された静電容量から、数式(3)によって腐食面積率を算出できる。
以上のことから、本実施形態に係る静電容量型腐食センサは、同心円状導体であっても、腐食による検知部の面積の減少に応じて静電容量が変化するので、検知部の面積で腐食進行状況を捉えることができる。また、コンクリート構造物内部に容易に設置でき、腐食の進展状況を高確度に把握することを可能にする。
1 静電容量型腐食センサ
3 検知部
7 誘電体
9 対向電極
10 リード線
13 防水材
20 格子状配筋
30 コンクリート
40 4つの主筋により囲まれ、4つの主筋に垂直な断面領域
100 コンクリート構造物

Claims (9)

  1. 鋼材の腐食環境を検出する静電容量型腐食センサであって、
    腐食性を有する金属で形成された筒状の検知部と、
    耐腐食性を有する金属で形成され、前記検知部の内側面と対向するように設けられた棒状の対向電極と、
    前記検知部および前記対向電極との間に設けられた誘電体と、を備え、
    腐食による前記検知部の面積の減少に応じて、静電容量が変化することを特徴とする静電容量型腐食センサ。
  2. 前記検知部は、一方の端部が半球状であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型腐食センサ。
  3. 前記検知部は円筒状であり、
    前記検知部の外径が4mm以上であり、
    前記静電容量型腐食センサの直径が50mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型腐食センサ。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の静電容量型腐食センサの設置方法であって、
    互いに向かい合う鋼材の一方に前記静電容量型腐食センサを固定する工程と、
    前記鋼材を有するコンクリート構造物中に前記静電容量型腐食センサを埋設する工程と、を含み、
    前記静電容量型腐食センサは、前記向かい合う鋼材の間に位置することを特徴とする静電容量型腐食センサの設置方法。
  5. 前記静電容量型腐食センサの長手方向が、前記静電容量型腐食センサが固定された鋼材が延在する方向に沿うように、前記静電容量型腐食センサを設けることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型腐食センサの設置方法。
  6. 前記静電容量型腐食センサの長手方向が鉛直方向に沿うように、前記静電容量型腐食センサを設けることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型腐食センサの設置方法。
  7. 前記静電容量型腐食センサを含む前記コンクリート構造物の前記静電容量型腐食センサの中心軸に垂直な断面において、前記コンクリート構造物を構成するコンクリートの面積が、前記静電容量型腐食センサの面積よりも大きいことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の静電容量型腐食センサの設置方法。
  8. 前記静電容量型腐食センサの両端位置における前記静電容量型腐食センサの中心軸に垂直な断面に挟まれた前記コンクリート構造物の領域において、前記コンクリート構造物を構成するコンクリートの体積が、前記静電容量型腐食センサの体積よりも大きいことを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の静電容量型腐食センサの設置方法。
  9. 前記静電容量型腐食センサは、長手方向が周囲の同方向に伸びる4つの鋼材が延在する方向に沿うように位置し、
    前記4つの鋼材に囲まれ、前記4つの鋼材に垂直な断面領域において、前記コンクリート構造物を構成するコンクリートの面積が前記静電容量型腐食センサの面積よりも大きいことを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載の静電容量型腐食センサの設置方法。
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