JP2023063871A - 画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の特性に合ったエッジ強調処理を行う。
【解決手段】プリンタ204で形成した白線画像チャート501を読み取ることで、プリンタ204における白画素の再現性を示す特性情報としてプリンタ補正値Pが取得される。入力された画像に対してエッジ強調処理が施される。プリンタ補正値Pに基づいてエッジ強調補正値テーブルが生成される。入力された画像から求められる白色度積算値ΣWとエッジ強調補正値テーブルとから、エッジ強調の程度を補正するためのエッジ強調補正値αが決定される。用いるエッジ強調補正値テーブルはプリンタ補正値Pに基づいて生成されるので、プリンタ補正値Pに基づいて、エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度が補正される。
【選択図】図9
【解決手段】プリンタ204で形成した白線画像チャート501を読み取ることで、プリンタ204における白画素の再現性を示す特性情報としてプリンタ補正値Pが取得される。入力された画像に対してエッジ強調処理が施される。プリンタ補正値Pに基づいてエッジ強調補正値テーブルが生成される。入力された画像から求められる白色度積算値ΣWとエッジ強調補正値テーブルとから、エッジ強調の程度を補正するためのエッジ強調補正値αが決定される。用いるエッジ強調補正値テーブルはプリンタ補正値Pに基づいて生成されるので、プリンタ補正値Pに基づいて、エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度が補正される。
【選択図】図9
Description
本発明は、画像形成装置およびその制御方法に関する。
スキャナやカメラで読み取とった画像は、スキャナやカメラの光学特性によってシャープさが失われぼけてしまうことがある。そこで、読み取られた画像にエッジ強調処理を行うことでシャープネス特性を向上させることが一般的である。例えば、エッジ強調処理においては、以下に示すような3×3のフィルタ処理を使ってエッジ強調を行うことができる。
-1 -1 -1
-1 9 -1
-1 -1 -1
-1 -1 -1
-1 9 -1
-1 -1 -1
しかし、エッジ強調処理による弊害として、画像のエッジ付近が不自然に縁どられる現象が発生することが知られている。そこで、特許文献1では、画像に対してエッジ強調を行った際、画像のエッジ付近が不自然に縁どられる弊害を抑える方法が開示されている。
特許文献1は、注目画素周辺の白色度を求め、白色度に応じてエッジ強調におけるエッジ補正値を決定する。累積白色度の値が大きければ大きいほど注目画素周囲が白い用紙下地になることが予想されるためエッジ強調量を弱めるように処理される。その結果、画素の周囲の白色度に応じた強さで適合的にエッジ強調が行われる。従って、エッジ強調により生じる不自然な輪郭を防止するとともに、エッジ強調による鮮鋭度の増強による画質の向上が実現される。
しかしながら、入力された画像は、最終的に画像形成装置(プリンタ)で印刷されるため、プリンタにおける画素の再現性の影響を受ける。例えば、エッジ付近の白画素は、標準的なプリンタでは目立たない。しかし、同じエッジ強調処理を施す場合において、コントラストが高く細かい部分の再現性が高いプリンタでは、エッジ付近の白画素が目立つ。逆にコントラストが低く細かい部分の再現性が低いプリンタでは、エッジ付近の白画素が目立たない。
すなわち、エッジ付近に発生する白画素の白色度はプリンタの特性や状態に影響されるため、この特性や状態に応じた強さでエッジ強調が行われなければ、それぞれのプリンタに合わせた最適な画質とならない。
本発明は、画像形成装置の特性に合ったエッジ強調処理を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、入力された画像を印刷する画像形成装置であって、前記画像形成装置における白画素の再現性を示す特性情報を取得する第1の取得手段と、前記画像形成装置に入力された前記画像に対してエッジ強調処理を施す処理手段と、前記画像における白色度を取得する第2の取得手段と、前記特性情報と前記白色度とに基づいて補正値を決定する決定手段と、を有し、前記処理手段は、前記補正値に基づいて前記エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度を補正することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置の特性に合ったエッジ強調処理を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置を含む印刷システムのブロック図である。この画像形成装置は、入力された画像を印刷するプリンタ204として構成され、印刷装置と呼称されてもよい。印刷システム1000は、プリンタ204と、PC(パーソナルコンピュータ)201と、モニタ200とを含む。プリンタ204とPC201とはネットワーク203で接続されている。ネットワーク203は、例えばLANやWAN等である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置を含む印刷システムのブロック図である。この画像形成装置は、入力された画像を印刷するプリンタ204として構成され、印刷装置と呼称されてもよい。印刷システム1000は、プリンタ204と、PC(パーソナルコンピュータ)201と、モニタ200とを含む。プリンタ204とPC201とはネットワーク203で接続されている。ネットワーク203は、例えばLANやWAN等である。
PC201は、アプリケーションで作成したデジタルデータからプリンタドライバでPDL(Page Description Language)データを作成し、作成したPDLデータをネットワーク203経由でプリンタ204に送信する。モニタ200はPC201に接続され、上記アプリケーションで作成されたデジタルデータを表示し、ユーザが色や形を確認するのに用いられる。
プリンタ204は、CPU205、メモリ206、HDD部207、UI表示部208、画像処理部209、印刷部210、読取部211およびネットワークI/F212を備える。これらの各部は、バス213を介して相互に接続されている。CPU205は、プリンタ204全体を制御する。CPU205は、受信したPDLデータをPDLインタプリタで解釈し、レンダリングによりプリント用のビットマップデータに変換する。ここでレンダリングは、CPU205を使用してソフトウェアにより行われるが、ハードウェアでレンダリングを行うようにしてもよい。
ネットワークI/F212は、ネットワーク203を介してプリンタ204をPC201や他の装置(不図示)に繋げ、それらと各種データをやり取りするためのインターフェースである。メモリ206は、CPU205のワークエリアとしてのRAMや、各種プログラムを格納するためのROMを含む。HDD部207は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリで構成され、OSやプログラムのほか、PC201から受信したPDLデータ、スキャンした画像データ等の格納に使用される。
UI表示部208は、各種表示を行うためのディスプレイを兼ねたタッチパネルやボタンで構成される。また、UI表示部208は、自動エッジ補正を実行するための一連の操作画面(図4)を表示する。画像処理部209は、上記ビットマップデータを印刷するためのプリントデータに変換する等の様々な画像処理を行う。この画像処理の中には、エッジ強調処理(図9で後述)も含まれる。
印刷部210は、画像処理部209で処理した印刷データに基づき紙等の記録媒体に印刷処理を行う。読取部211は、白線が印刷された画像(後述する白線画像チャート501;図5)を読み取る。
プリンタ204において各種の動作・処理を実現するソフトウェアは、例えばHDD部207やROMを含むコンピュータ可読媒体に格納される。このソフトウェアは、コンピュータ可読媒体からRAMにロードされ、CPU205がこれを実行することで各処理が実現される。
図2は、エッジ強調処理を実現する機能部のブロック図である。プリンタ204は、この機能部として、プリンタ補正値算出部101、エッジ強調補正値算出部102およびエッジ強調部103を有する。これらの機能部は、主にCPU205、画像処理部209、印刷部210、読取部211、メモリ206におけるRAMおよびROM等の協働により実現される。例えば、CPU205は、ROMに格納されたエッジ強調処理のプログラムを実行することで、プリンタ補正値算出部101、エッジ強調補正値算出部102、エッジ強調部103の各機能を実現する。
プリンタ補正値算出部101は、プリンタ補正値Pを取得(算出)する第1の取得手段の一例である。プリンタ補正値Pは、プリンタ204における印刷画質、特に白画素の再現性を示す「特性情報」である。エッジ強調補正値算出部102は、プリンタ補正値Pと、入力された画像から取得される白色度積算値ΣW(後述する)とに基づいて、エッジ強調の程度を補正する補正値であるエッジ強調補正値αを決定(算出)する決定手段の一例である。エッジ強調補正値αについては図12、図14(a)、(b)で後述する。エッジ強調部103は、入力された画像に対してエッジ強調処理を施す処理手段の一例である。また、エッジ強調部103は、エッジ強調補正値αに基づいて、エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度を補正する。エッジ強調処理を実現する機能部には、このほか白色度積算値ΣWを取得する第2の取得手段も含まれてもよい。
図3は、プリンタ補正値算出部101により実行されるプリンタ補正値算出処理を示すフローチャートである。図4(a)~(c)は、プリンタ補正値算出処理においてUI表示部208に表示されるUI画面の一例を示す図である。図4(a)は調整/メンテナンスのUI画面を示す。図4(b)、(c)はそれぞれ、自動エッジ補正におけるチャート印刷UI画面、チャート読取UI画面を示す。調整/メンテナンスのUI画面(図4(a))は、ユーザがUI表示部208で所定の指示をすると表示される。
プリンタ補正値算出処理は、CPU205が、メモリ206のROMに格納されたプログラムをメモリ206のRAMに展開して実行することで実現される。プリンタ補正値算出処理は、調整/メンテナンスのUI画面(図4(a))でユーザが自動エッジ補正401を選択したことに応じて開始される。
自動エッジ補正401が選択されると、UI画面はチャート印刷UI画面(図4(b))に遷移する。ステップS301では、CPU205は、チャート印刷UI画面(図4(b))でチャートの印刷402が選択されたことに応じて、プリンタ204の白画素の再現性を測定するためのチャート画像である白線画像チャート501(図5)を作成する。ここでは、白線部の再現が、白画素の再現性に相当する。
図5は、白線画像チャート501の一例を示す図である。白線画像チャート501は、チャート用画像のデータが印刷部210により記録媒体に印刷されることで作成される。チャート用画像のデータは、白線の幅が予め決められたデータである。白線画像チャート501において、0.12ptの線幅、すなわち600dpi-1dot幅の白線502が複数並んでいる。
白線502が複数並んでいるのは、プリンタやスキャナのばらつきを考慮し、複数測定して平均化することでばらつきを減らすためである。また、600dpi-1dotの線が指定された画像データを用いているのは、エッジ付近の白画素が600dpi-1dotであることが多いからである。しかしこれに限るものではなく、チャート用画像は、エッジ付近の白画素の再現性を測定できるものであればよい。
図6は、図5における一部503の拡大図である。図6に示すように、0.12ptの線幅601の白線502が黒ベタの間に描画されている。
CPU205は、白線画像チャート501の印刷を終えると、UI画面をチャート読取UI画面(図4(c))に遷移させ、ステップS302に進む。ステップS302では、CPU205は、チャート読取UI画面(図4(c))においてチャートの読取403が選択されたことに応じて、読取部211により白線画像チャート501の読み取りを実行する。
ステップS303では、CPU205は、白線画像チャート501を読み取って得た白線画像から白線502の濃度を測定する。
図7(a)~(c)は、白画素の再現性が異なる様々なプリンタエンジンで形成した白線画像チャート501を、解像度1200dpiで読み取った読み取り画像の例を示す図である。図7(a)、(b)、(c)はそれぞれ、コントラストが高い(コントラスト大)、標準的(コントラスト中)、低い(コントラスト小)のプリンタで形成した白線画像チャート501の読み取り画像である。なお、ここでは、説明を分かりやすくするように、読み取った画像をあえて2値化した画像を図示しているが、実際は多値画像のままで処理される。白線画像チャート501における白線502は600dpi-1dotであるので、各読み取り画像では白線部分の横方向の画素数が2画素となっている。
CPU205は、読み取り画像における白線部の一部領域の20画素の平均を求める。例えば、図7(a)の例でいえば、白線部の一部領域701の20画素の平均が求められる。図7(b)、(c)の例ではそれぞれ、白線部の一部領域702、703の20画素の平均が求められる。
図8は、図7(a)、(b)、(c)に対応する白線部の測定結果を示す図である。図7(a)の例(コントラスト大)では、一部領域701の読取輝度Gは64となる。図7(b)の例(コントラスト中)では、一部領域702の読取輝度Gは32となる。図7(c)の例(コントラスト小)では、一部領域703の読取輝度Gは16となる。次にCPU205は、読取輝度Gを以下の式1で濃度(Density)に変換する。
Density=-Log10(G/255)・・・式(1)
Density=-Log10(G/255)・・・式(1)
その結果、一部領域701の濃度は0.60、一部領域702の濃度は0.90、一部領域703の濃度は1.20となり、濃度測定が完了する。
白線の濃度が第1の濃度(0.90)の場合と、白線の濃度が第1の濃度より薄い第2の濃度(0.60)の場合とを比較すると、プリンタ補正値P(特性情報)が示す白画素の再現性については次のようになる。白線の濃度が第1の濃度(0.90)の場合のプリンタ補正値P(第1の特性情報=1.0)が示す再現性に比べて、第2の濃度(0.60)の場合のプリンタ補正値P(第2の特性情報=0.7)が示す再現性の方が高い。
次に、ステップ304では、CPU205は、以下の式2により、上記測定した濃度からプリンタ補正値Pを求めて出力し、図3に示す処理を終了する。
P=0.9966×Density+0.1017・・・式(2)
P=0.9966×Density+0.1017・・・式(2)
なお、式2のような演算式に限ることなく、濃度値に対応したプリンタ補正値Pを求めることができれば、テーブルやマップ等であってもよい。そして、算出されたプリンタ補正値Pに基づいて、エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度を補正するためのエッジ強調補正値テーブルが決定される。エッジ強調補正値テーブルについては、図12、図14(a)、(b)で後述する。
図9は、エッジ強調処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU205が、メモリ206のROMに格納されたプログラムをメモリ206のRAMに展開して実行することで実現される。この処理は、主にエッジ強調補正値算出部102およびエッジ強調部103により実行される。この処理は、プリンタ補正値Pが算出された後であって、ユーザがUI表示部208でエッジ強調処理の開始を指示すると開始される。なお、この処理は、プリンタ補正値算出処理(図3)が終了した後に自動的に開始されるようにしてもよい。
ステップS901では、CPU205は、入力されたRGB画像データに対して画像処理部209により色変換処理を行い、輝度と色差系の色空間、ここではRGB成分からYCbCrへの色変換を行う。これに用いる色変換式(式3)を以下に示す。
Y = 0.2990 * R + 0.5870 * G + 0.1140 * B
Cb = -0.1687 * R - 0.3313 * G + 0.5000 * B
Cr = 0.5000 * R - 0.4187 * G - 0.0813 * B・・・式(3)
Y = 0.2990 * R + 0.5870 * G + 0.1140 * B
Cb = -0.1687 * R - 0.3313 * G + 0.5000 * B
Cr = 0.5000 * R - 0.4187 * G - 0.0813 * B・・・式(3)
入力のRGB画像のRedの信号値(例えば8bitの信号であれば0~255の値)をR、同GreenをG、同BlueをBとして、Y(0~255)、Cb(-128~127)、Cr(-128~127)に変換される。この変換により入力のRGB画像は輝度Y(輝度情報)と色差Cb,Crとへ分離される。
次に、ステップS902において、CPU205は、前処理で求めた輝度情報および色差情報YCbCrの信号に対してあるきまったサイズのウィンドウを画像処理部209により切り出す。本実施の形態では、このサイズは5×5であるとする。
次に、ステップS903において、CPU205(エッジ強調部103)はエッジ強調を行う。すなわち、CPU205は、画像処理部209により、前処理で求めたウィンドウのうち輝度Yの信号に対してフィルタを畳み込むことでエッジ強調を行う。これの一般的な手法としては、ラプラシアンフィルタを用いて2次微分の成分を計算し、その値を原画像の信号値から減算するといった手法が用いられる。この処理を1回の畳みこみで実現しようとする場合、そのフィルタマトリクスとしては例えば以下のものが用いられる。
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.27 0.36 2.08 0.36 -0.27
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.27 0.36 2.08 0.36 -0.27
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
このフィルタマトリクスのサイズは、前処理の切り出しウィンドウサイズ以下にする必要がある。この処理は輝度Yに対してのみ行い色差CbCrに対しては行わない。こうすることで明るさのみ強調され、エッジ部の色変化をある程度抑えることが可能になる。以降、こうして得られたエッジ強調後の輝度信号をY'として扱う。
図10は、このエッジ強調処理の結果の輝度変化を2次元で表した図である。図10において、破線で示した曲線が入力Yの信号値を示し、実線で示した曲線が出力Y'の信号値を示す。輝度の変化が起っている場所で、暗いところはより暗く、明るい側はより明るくコントラストが付いた(強調された)様子が示されている。
次に、ステップS904において、CPU205(画像処理部209)は、ステップS902で切り出したウィンドウから注目画素周囲の白色度を累積(積算)する。ここで、白色度が大きい箇所は、彩度が低くまた輝度が高い箇所と定義される。CPU205は、そのような箇所の画素の値が高くなるよう設定し、その値を周囲画素で累積加算する。このときの彩度Sは色差CbCrの値を用いて算出される。前述したように色差CbCrは色成分を意味しており、(Cb,Cr)=(0,0)からの距離が鮮やかさを表現している。そのため彩度Sは式4で求められる。ここで演算子「^」はべき乗を示す。
S = √(Cb^2 + Cr^2) ・・・式(4)
CPU205は、入力Yおよび彩度Sから白色度Wを例えば式5により求める。
W= Y^2 + (255-S)^2 ・・・式(5)
S = √(Cb^2 + Cr^2) ・・・式(4)
CPU205は、入力Yおよび彩度Sから白色度Wを例えば式5により求める。
W= Y^2 + (255-S)^2 ・・・式(5)
ここで入力Yの値が大きいほど輝度が高く、彩度Sの値が大きいほど彩度が高いことを示し、(255-S)が大きいほど彩度が低いことを示している。従って、ある画素の白色度Wは、当該画素の輝度が高いほど、また彩度が低いほど大きい値となる。高輝度の無彩色が白であることを考慮すれば、白色度Wの値はまさに白色度を示している。CPU205は、このようにして求めた白色度Wをウィンドウの周囲で累積加算する。
図11は、注目画素周辺の16画素の累積を行う例を示す図である。ここで注目画素を「●」(黒丸)で示し、注目画素周辺の16画素を「×」で示した。こうして求めた白色度積算値をΣWとする。このΣW値は累積加算値であるので、例えば図11における4辺が白かった場合は1辺のみが白かった場合の4倍の値を持つことになる。このようにして注目画素周囲の画素群の白さの程度、すなわち白色度積算値ΣWが求められる。
次に、ステップS905において、エッジ強調補正値算出部102は、エッジ強調量を補正するエッジ強調補正値αを算出する。すなわち、CPU205(画像処理部209)は、前処理で得られた白色度積算値ΣWに応じて、エッジ強調補正値αを算出する。先に述べたように、用紙下地に隣接するエッジでの縁取りは画像的な問題を誘発する可能性が高いため、エッジ強調を抑制する必要がある。つまりΣW値が大きければ大きいほど注目画素周囲が白い用紙下地になることが予想されるので、エッジ強調量を弱める必要がある。エッジ強調補正値αは1.0を最大にした正の値とし、値が1.0であれば補正する必要がなく、値が小さいほど大きな補正を要すると定義する。
図12は、エッジ強調補正値テーブルの一例を示す図である。エッジ強調補正値テーブルは、白色度とエッジ強調補正値との関係を規定する関係情報の一例であり、横軸にΣW値、縦軸にα値をとっている。すなわち、エッジ強調補正値テーブルは、ΣW値を入力とし、α値を出力とする曲線(カーブ)を定義したLUT(Look Up Table)である。CPU205は、エッジ強調補正値テーブルを参照し、白色度積算値ΣWに対応するエッジ強調補正値αを求める。一例として、白色度積算値ΣWがΣxであるときのエッジ強調補正値αがαxとなる。このようにして、白色度積算値ΣWの関数としてエッジ強調補正値αが決定される。
エッジ強調補正値テーブルは図9のステップS905の処理中に生成される。なお、エッジ強調補正値テーブルの曲線形状は、図12に示すもののほか、図14(a)、(b)に示すものとなることもある。いずれの形状のエッジ強調補正値テーブルが生成されるかは、プリンタ補正値Pにより決定される。プリンタ補正値Pに基づくエッジ強調補正値テーブルの生成については後に詳述する。
本実施の形態では、ΣW値の変化に対してエッジ強調補正値αが連続的に変化するようなLUTを採用した。しかし、より簡単な方法としては、ΣW値がある値を超えたらα値を落とす等の閾値処理も考えられる。ただし、そうしてしまうと白から徐々に変化していく様なグラデーション画像においてある箇所を境にエッジ強調の程度(強度)が切り替わり、それが目視できてしまう点では好ましくない。
次に、ステップS906において、エッジ強調部103は、エッジ補正を行う。すなわち、CPU205(画像処理部209)は、前処理で得られたエッジ強調補正値αおよびステップS903で求めた強調後の輝度Y'と、ステップS301で求めた原画像の輝度Yとからエッジ補正を行い、最終輝度Y''を求める。最終輝度Y''は、下記の式6を用いた線形補間で求められる。
Y'' = (1.0 - α) * Y + α * Y' ・・・式(6)
Y'' = (1.0 - α) * Y + α * Y' ・・・式(6)
エッジ強調補正値αの最大値は1.0であるので、式6は、2つの信号をα値に応じて重み付けした出力を得る演算式となっている。
図13は、最終輝度Y''の出力曲線を示す図である。エッジ強調補正値αが0.5であるときの最終輝度Y''の出力は、太線で示すものとなる。図10に示す出力Y'(実線)と比べて、図13に示す最終輝度Y''の出力では、エッジ強調の程度が抑えられていることがわかる。
次に、ステップS907において、CPU205(画像処理部209)は、出力をRGBへ変換する。この変換は、ステップS901で行った色変換の逆行列演算にあたり、以下の式7により実現される。
R = Y'' + 1.4020 * Cr
G = Y'' - 0.3441 * Cb - 0.7141 * Cr
B = Y'' + 1.7720 * Cb ・・・式(7)
R = Y'' + 1.4020 * Cr
G = Y'' - 0.3441 * Cb - 0.7141 * Cr
B = Y'' + 1.7720 * Cb ・・・式(7)
このような処理により、エッジ端部が用紙下地に接するような画像のエッジ部での不自然な縁取りを抑制することで、良好なエッジ強調後のRGBカラー画像を得ることが可能になる。
CPU205は、ステップS901~S907の処理を、画像データを構成する全画素を注目画素値として実行することで、画像全体についてエッジ強調処理を行う。ステップS907の後、CPU205は図9に示す処理を終了する。
以上の構成及び手順により実現したエッジ強調処理では、一律にエッジ強調が施されず、画素の周囲の白色度に応じた程度の強さで適合的にエッジ強調が行われる。そのために、エッジ強調により生じる不自然な輪郭を防止するとともに、エッジ強調による先鋭度の増強による画質の向上を実現できる。
なお、エッジ強調を行う色空間として輝度色差色空間YCbCrを用いたが、輝度色差系の色空間であればL*a*b*等他の色空間でも同様のことが実現できる。同様にエッジ強調に関してここで示した方法以外にもアンシャープマスク等を用いてもよい。
次に、ステップS905で実行される、エッジ強調補正値テーブルの生成とエッジ強調補正値αの算出とについて説明する。
図14(a)、(b)は、エッジ強調補正値テーブルの例を示す図である。エッジ強調補正値α=0となる白色度積算値ΣWの最小値を最小値ΣWminとする。最小値ΣWminは、図12、図14(a)、(b)においては、それぞれΣW0、ΣW1、ΣW2である。CPU205は、プリンタ補正値Pを用いて、式8により最小値ΣWminを決定する。
ΣWmin=ΣW0×P・・・式(8)
ΣWmin=ΣW0×P・・・式(8)
白色度積算値ΣW=0の場合にエッジ強調補正値α=1となる。エッジ強調補正値テーブルを生成するためのデータΣW0の値は、予めメモリ206に各納されている。従って、最小値ΣWminが決まれば、エッジ強調補正値テーブルを生成することができる。プリンタ補正値Pが小さいほど最小値ΣWminが小さくなり、エッジ強調補正値テーブルにおける最小値ΣWminとΣW=0とを結ぶ直線の傾きが大きくなる。
上述したように、エッジ強調補正値α=1.0の場合はエッジ強調の補正をしないことを意味する。一方、エッジ強調補正値α=0の場合はエッジ強調の補正が最大となる。従って、エッジ強調補正値αが小さいほど、エッジ強調の程度を弱めることになり、縁取りを抑制することになる。ΣW1<ΣW0<ΣW2である。従って、3つのテーブルのうち、エッジ強調の程度は、図14(a)のテーブルを用いた場合が最も低く(補正が大きく)なり、図14(b)のテーブルを用いた場合が最も高く(補正が小さく)なる。例えば、白色度積算値ΣWが同じΣWx値であったとすると、図12、図14(a)、(b)の各テーブルから求まるエッジ強調補正値αの大きさ(αx)は、図14(a)<図12<図14(b)の順となる。
ここで図8を改めて参照する。白線画像チャート501における白線部の濃度が低いほどコントラストが高く、つまりプリンタにおける白画素の再現性が高い。図8からわかるように、白線部の濃度が低いほど(コントラストが高いほど)、白画素の再現性が高いので、プリンタ補正値Pは小さい値に設定される。プリンタ補正値Pが小さいほど、エッジ強調補正値テーブルにおける最小値ΣWminとΣW=0とを結ぶ直線の傾きは大きくなる。従って、エッジ強調補正値テーブルによれば、入力された画像における白色度積算値ΣWがΣWmin以下の範囲では、プリンタ補正値Pが小さいほど、エッジ強調の程度を弱める(縁取りを抑制する)方向に作用する。
例えば、図8に例示するように、コントラストが標準状態の場合(図7(b))、プリンタ補正値Pは1.0となる。一方、標準状態よりも濃度が薄く、黒ベタと白線部との濃度差が大きくコントラストが高い場合(図7(a))、プリンタ側でエッジ強調が大きくかかる。つまり、コントラストが大の状態では、エッジ部の縁取りをプリンタがより白く印刷してしまう。エッジ部の不自然な縁取りはプリンタの再現性に依存している。そこで、エッジ強調の程度を弱めるために、プリンタ補正値Pは1.0より小さい0.7となっている。
一方、コントラストが小の状態では、エッジ部の縁取りをプリンタがあまり白く印刷しない。すなわち、標準状態よりも濃度が濃く黒ベタと白線部との濃度差が小さくコントラストが低い場合(図7(c))、プリンタ側でエッジ強調があまりかからずぼけやすい。そこで、エッジ強調の程度を弱め過ぎないようにするため、プリンタ補正値Pは1.0より大きい1.3となっている。
プリンタ補正値Pに基づきエッジ強調補正値テーブルが生成される。まず、コントラストが中(標準)の場合(図7(b))、プリンタ補正値P=1.0となるので、式8からΣWmin=ΣW0となる。従って、図12に示すエッジ強調補正値テーブルが生成される。コントラストが大の場合(図7(a))、プリンタ補正値P=0.7となるので、式8からΣWmin=ΣW1となる。従って、図14(a)に示すエッジ強調補正値テーブルが生成される。コントラストが小の場合(図7(c))、プリンタ補正値P=1.3となるので、式8からΣWmin=ΣW2となる。従って、図14(b)に示すエッジ強調補正値テーブルが生成される。
特開2015-2443号公報では、エッジ強調の程度は手動でのみ調整可能であった。しかし、本実施の形態では、プリンタ毎のプリンタ補正値PによりΣWminが決定され、エッジ強調補正値テーブルが生成される。従って、白画素の再現性に応じてエッジ強調の程度を調整することが可能となる。例えば、プリンタに合わせたエッジ強調補正値テーブルを適用することで、エッジ付近の白画素が目立つことを防ぎ、最適な画質を得ることが可能となる。
次に、ステップS903で用いるフィルタマトリクスについて説明する。上述したように、ステップS903で用いる畳み込みの係数(強調係数)、すなわちフィルタマトリクスについては、エッジ強調補正値α=1.0で補正をしない場合の強調係数は以下の値である。
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.27 0.36 2.08 0.36 -0.27
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.27 0.36 2.08 0.36 -0.27
-0.18 0.09 0.36 0.09 -0.18
-0.09 -0.18 -0.27 -0.18 -0.09
エッジ部の縁取りの抑制のため、マイナス値、すなわち弱めのエッジ強調が採用された場合、CPU205は、この畳み込み係数に対して1以下の値を乗じる。例えば、エッジ強調補正値α=0.8の場合、0.8を乗じることで、次のようなフィルタマトリクスとなる。
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.216 0.288 1.664 0.288 -0.216
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.216 0.288 1.664 0.288 -0.216
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
しかし、このまま畳み込みを行ってしまうと、画像全体の値が低く暗くなってしまう。そこでCPU205は、中央の係数1.664を、マトリクスの合計が1.0となるようにオフセットさせる。具体的には0.2オフセットさせ1.864とすることで、次のようにマトリクス全体の合計が1.0になる。
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.216 0.288 1.864 0.288 -0.216
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.216 0.288 1.864 0.288 -0.216
-0.144 0.072 0.288 0.072 -0.144
-0.072 -0.144 -0.216 -0.144 -0.072
CPU205は、このようなフィルタを用いてエッジ強調処理を実行する。この演算により弱めの強調係数を求めることが可能になる。同様に、CPU205は、例えばエッジ強調補正値α=0.0の場合、0.0を乗じることで、次のようなフィルタマトリクスとすることができる。これはエッジ強調を行わないフィルタマトリクスとなる。
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 1 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 1 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
このように、エッジ強調補正値αを用いて強調係数を算出し、これらの係数を用いることにより、白色度積算値ΣWに応じてエッジ部の縁取りを連続的に抑制することが可能となる。
なお、エッジ強調補正値αを手動により変更可能に構成してもよい。ユーザは例えば、UI表示部208によりエッジ強調の程度を増減すると、それに応じて変更後のエッジ強調補正値αが決定される。
本実施の形態によれば、プリンタ204で形成した白線画像チャート501を読み取ることで、プリンタ204における白画素の再現性を示す特性情報としてプリンタ補正値Pが取得される(図3)。入力された画像に対してエッジ強調処理が施される(S903)。入力された画像から白色度積算値ΣWが求められる(S904)。プリンタ補正値Pに基づいてエッジ強調補正値テーブルが生成され、エッジ強調補正値テーブルから白色度積算値ΣWに対応するエッジ強調補正値αが決定される(S905)。エッジ強調補正値αが小さいほど、エッジ強調の程度を弱めることができる。用いるエッジ強調補正値テーブルはプリンタ補正値Pに基づいて生成されるので、プリンタ補正値Pに基づいて、エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度が補正される。よって、プリンタ(画像形成装置)の特性に合ったエッジ強調処理を行うことができる。
なお、図12、図14(a)、(b)に示すエッジ強調補正値テーブルにおいて、最小値ΣWminとΣW=0とを結ぶ線は直線であったが、これに限らず、曲線であってもよい。また、エッジ強調補正値テーブルに代えて、マップや演算式を用いて、ΣWx値に対応するα値を求めてもよい。その際でも、プリンタ補正値P=1.0に応じて決定される第1の補正値に比べて、プリンタ補正値P=0.7に応じて決定される第2の補正値に基づく場合の方が、エッジ強調の程度をより弱めるように補正される。ここで、第1の補正値には、図12でΣWxに対応するαxが相当し、第2の補正値には、図14(a)でΣWxに対応するαxが相当する。
なお、プリンタ補正値PからΣWminを求める方法は式8に限定されない。例えば、テーブルやマップを用いてもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、エッジ強調時にそれぞれのプリンタに合わせた最適な画質に補正する自動エッジ補正について説明した。本発明の第2の実施の形態では、自動エッジ補正だけでなく、他の自動補正も併せて行う場合について説明する。
第1の実施の形態では、エッジ強調時にそれぞれのプリンタに合わせた最適な画質に補正する自動エッジ補正について説明した。本発明の第2の実施の形態では、自動エッジ補正だけでなく、他の自動補正も併せて行う場合について説明する。
図15は、調整/メンテナンス処理を示すフローチャートである。図16は、調整/メンテナンス処理においてUI表示部208に表示されるUI画面の一例を示す図である。図16(a)は調整/メンテナンスのUI画面を示す。図16(b)、(c)はそれぞれ、調整/メンテナンス処理におけるチャート印刷UI画面、チャート読取UI画面を示す。図16(d)は、各種自動補正選択UI画面を示す。
調整/メンテナンス処理は、CPU205が、メモリ206のROMに格納されたプログラムをメモリ206のRAMに展開して実行することで実現される。この処理は、ユーザがUI表示部208で所定の指示をすると開始され、調整/メンテナンスのUI画面(図16(a))が表示される。本実施の形態では、プリンタ補正値算出処理(図3)は実行される必要はなく、プリンタ補正値Pは図16のステップ1508で取得される。
また、第1の実施の形態では、プリンタ204の白画素の再現性を測定するために、白線画像チャート501(図5)が作成された。これに対し本実施の形態では、白画素の再現性を測定するために、自動線幅補正用の線幅補正チャート1720(図17(b))が併用される。この他、言及しない部分の構成は第1の実施の形態と同様である。
まず、ステップS1501において、CPU205は、調整/メンテナンスUI画面(図16(a))でフル自動補正1601が選択されたか、それとも各種自動補正1602が選択されたかを判別する。そしてCPU205は、フル自動補正1601が選択された場合はステップS1502に進み、各種自動補正1602が選択された場合はステップS1509に進む。
ステップS1502では、CPU205は、フル自動補正UI画面(図16(b))を表示させると共に、当該画面でチャートの印刷1603が選択されたことに応じて、印刷部210により自動階調補正用の階調補正チャート1710を印刷する。図17(a)は、階調補正チャート1710の例を示す図である。階調補正チャート1710には、階調特性を測定するための階調画像1701が含まれている。
次に、ステップS1503において、CPU205は、印刷部210により自動線幅補正用の線幅補正チャート1720を印刷する。図17(b)は、線幅補正チャート1720の例を示す図である。線幅補正チャート1720には、それぞれ線幅を測定するため黒線画像1702と白線画像1703とが含まれている。黒線画像1702、白線画像1703において、0.12ptの線幅、すなわち600dpi-1dot幅の黒線、白線がそれぞれ複数並んでいる。白線画像1703における白線は、白線画像チャート501(図5)における白線502と同じである。従って、黒線画像1702を除けば、線幅補正チャート1720は白線画像チャート501と同じである。後述する自動エッジ補正もこの線幅補正チャート1720を用いて行われる。
CPU205は、すべてのチャートの印刷を終えると、UI画面をチャート読取UI画面(図16(c))に遷移させ、ステップS1504に進む。ステップS1504では、CPU205は、チャート読取UI画面(図16(c))においてチャートの読取1604が選択されたことに応じて、読取部211により、階調補正チャート1710および線幅補正チャート1720の読み取りを実行する。そしてCPU205は、全てのチャートの読み取りが終わるとステップS1505に進む。
ステップS1505において、CPU205は、階調補正チャート1710を読み取った階調画像1701のデータを、それぞれの階調の濃度に変換することで濃度を測定する。ステップS1506において、CPU205は、線幅補正チャート1720を読み取った線幅補正データを、黒線の幅と白線の幅とに変換することで線幅を測定する。
ステップS1507において、CPU205は、線幅補正チャート1720を読み取った線幅補正データを、白線の濃度に変換することで白線濃度を測定する。ステップS1508において、CPU205は、各種測定結果から各種補正値を求めて出力する。例えば、CPU205は、階調の濃度から階調補正テーブルを求めて出力し、これを階調補正に用いる。また、CPU205は、黒線の線幅から黒線の補正値を求め、白線の線幅から白線の補正値を求め、これらを出力して細線補正に用いる。
このほか、CPU205は、白線の濃度からプリンタ補正値Pを求めて出力する。プリンタ補正値Pは、エッジ強調処理(図9)においてエッジ強調補正値テーブルの生成(S905)に用いられる。第1の実施の形態では、エッジ補正専用の白線画像チャート501が出力されたが、本実施の形態では、線幅補正チャート1720が代用されるので、読み取りや出力されるデータ量が削減される。
ステップS1509において、CPU205は、各種自動補正選択UI画面(図16(d))を表示させ、ユーザ選択に応じて各種自動補正を行う。ここで選択可能な各種自動補正には、自動階調補正、自動線幅補正、自動エッジ補正がある。例えば、自動エッジ補正1605が選択されると、エッジ強調処理(図9)が実行される。ただし、ステップS1507を経由した場合は、プリンタ補正値Pは既に出力されているので、ステップS905でのエッジ強調補正値テーブルの生成には出力済みのプリンタ補正値Pが用いられる。
本実施の形態によれば、プリンタ補正値Pに基づいて、エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度が補正されるので、プリンタ(画像形成装置)の特性に合ったエッジ強調処理を行うことに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、線幅補正チャート1720における白線画像1703は、エッジ強調処理だけでなく線幅測定にも用いられるので、エッジ補正専用の白線画像チャート501を印刷する必要がない。従って、処理の簡素化およびデータ量の抑制を図ることができる。
図17では、階調補正チャート1710と線幅補正チャート1720とは別々に印刷された。しかし、図18に示すように1枚にまとめ、階調画像1701、黒線画像1702および白線画像1703を含んだ複合チャート1730を出力してもよい。これにより用紙を節約することが可能となる。
なお、本発明は、入力された画像に対し、エッジ強調処理などの画像のシャープネス調整や鮮鋭性の画像補正を施す画像形成装置に適しており、適用される装置はプリンタ、あるは画像処理装置と呼称されてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
(他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワークや非一過性の記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。以上のプログラムおよび以上のプログラムを記憶する記憶媒体は、本発明を構成する。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上記した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワークや非一過性の記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。以上のプログラムおよび以上のプログラムを記憶する記憶媒体は、本発明を構成する。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 プリンタ補正値算出部
102 エッジ強調補正値算出部
103 エッジ強調部
204 プリンタ
205 CPU
α エッジ強調補正値
P プリンタ補正値
102 エッジ強調補正値算出部
103 エッジ強調部
204 プリンタ
205 CPU
α エッジ強調補正値
P プリンタ補正値
Claims (9)
- 入力された画像を印刷する画像形成装置であって、
前記画像形成装置における白画素の再現性を示す特性情報を取得する第1の取得手段と、
前記画像形成装置に入力された前記画像に対してエッジ強調処理を施す処理手段と、
前記画像における白色度を取得する第2の取得手段と、
前記特性情報と前記白色度とに基づいて補正値を決定する決定手段と、を有し、
前記処理手段は、前記補正値に基づいて前記エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度を補正することを特徴とする画像形成装置。 - 前記決定手段は、白色度と補正値との関係を規定する関係情報を前記特性情報に基づいて決定し、決定した前記関係情報から、前記第2の取得手段により取得された白色度に対応する値を前記補正値として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1の取得手段は、前記画像形成装置により形成されたチャート画像における白線の濃度の読み取り結果に基づき前記特性情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記チャート画像における前記白線は、線幅測定にも用いられることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記特性情報が示す前記白画素の再現性については、前記白線の濃度が第1の濃度の場合の第1の特性情報が示す再現性に比べて、前記白線の濃度が前記第1の濃度より薄い第2の濃度の場合の第2の特性情報が示す再現性の方が高いことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
- 前記処理手段は、取得された前記白色度が同じ場合において、前記第1の特性情報に応じて決定される第1の補正値に基づく場合に比べて、前記第2の特性情報に応じて決定される第2の補正値に基づく場合の方が、前記エッジ強調の程度をより弱めるように補正することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記白画素の再現性は、コントラストが高いほど高いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第2の取得手段は、前記画像における注目画素周辺の画素の少なくとも輝度情報に基づいて前記白色度を取得することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 入力された画像を印刷する画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置における白画素の再現性を示す特性情報を取得する第1の取得ステップと、
前記画像形成装置に入力された前記画像に対してエッジ強調処理を施す処理ステップと、
前記画像における白色度を取得する第2の取得ステップと、
前記特性情報と前記白色度とに基づいて補正値を決定する決定ステップと、を有し、
前記処理ステップは、前記補正値に基づいて前記エッジ強調処理におけるエッジ強調の程度を補正することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
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