JP2023069216A - 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、細線部を含む画像データを補正する技術に関する。
印刷対象の画像データには細線や小ポイント文字などの細線部が含まれることがある。このような細線部をプリンタが印刷して印刷物上に再現できるように、印刷対象の画像データを補正する技術がある。
特許文献1には、白の細線部の周辺の画素の濃度値を補正することで、印刷物上での白の細線の視認性を向上させる方法が記載されている。
特許文献1の方法で白の細線部を補正する場合、プリンタの特性に応じて決定された補正量に基づき補正を行う方法が考えらえる。例えば、線幅が指定された白の細線を当該プリンタが印刷し、その結果得られた印刷物上の白の細線を測定することでプリンタの特性を取得する方法が考えられる。
しかしながら、用紙の色が白の場合、白以外の色材が付与された複数のオブジェクトを、隙間を空けて印刷することで、色材が付与されない隙間の部分を白の細線として表現することになるが、周辺の色材で白の細線が潰れてしまうことがある。このため、補正量を決定するために得られた印刷物から白の細線を検出することができないことがある。また、印刷物から白の細線を検出できたとしても、細線が潰れているとプリンタの特性を適切に取得することができないことがある。この場合、補正量を適切に決定することができない虞がある。
本開示の画像処理装置は、印刷対象の画像内に含まれる細線を補正するための画像処理装置であって、印刷装置によって得られたチャート画像の印刷物の読取画像を取得する取得手段と、前記読取画像における、前記印刷装置によって色材が付与されていない余白部と前記余白部以外との境界に発生したボケの幅を測定する測定手段と、測定された前記ボケの幅に基づき、前記印刷対象の画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線を補正するための補正量を決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
本開示の技術によれば、色材を付与しないことで表現される色の細線を補正するための補正量を適切に決定することができる。
以下、添付図面を参照して、本開示の技術を実施形態に従って詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例にすぎず、本開示の技術は図示された構成に限定されるものではない。
<実施形態1>
[システム構成について]
図1は、本実施形態における画像形成システムの構成の一例を示す図である。画像形成システム100は、PC101および画像形成装置であるプリンタ104を含む。プリンタ104は、PC(パーソナルコンピュータ)101とネットワーク103で接続されている。ネットワーク103は、例えば、LANやWAN等である。
[システム構成について]
図1は、本実施形態における画像形成システムの構成の一例を示す図である。画像形成システム100は、PC101および画像形成装置であるプリンタ104を含む。プリンタ104は、PC(パーソナルコンピュータ)101とネットワーク103で接続されている。ネットワーク103は、例えば、LANやWAN等である。
PC101は、アプリケーションで生成されたデジタルデータに基づきPDL(Page Description Language)データをプリンタドライバで生成する。PC101は、生成したPDLデータをプリンタ104にネットワーク103経由で送信することで、プリンタ104に生成したデータが示す画像をプリントさせる。モニター114は、PC101に接続されている。モニター114にアプリケーションで生成されたデジタルデータに基づく画像を表示させることで、ユーザは、生成したデータが表現する色や形を確認することができる。
プリンタ104は、後述する画像内の白細線の補正を行う画像処理装置の機能を含む印刷装置である。プリンタ104は、CPU105、メモリ106、HDD部107、UI表示部108、画像処理部109、プリント部110、スキャナ部111、ネットワークI/F112、およびバス113を有する。
CPU105は、プリンタ104全体の制御を行う。例えば、CPU105は、所定のプログラムを実行することで、プリンタ104が受信したPDLデータをPDLインタプリタで解釈し、レンダリングによりプリント用のビットマップデータに変換する。レンダリングは、ソフトウェアで行われるのではなくハードウェアで行われてもよい。
ネットワークI/F112は、ネットワーク103を介してPC101または不図示の他の装置にプリンタ104を繋げるためのインターフェースである。ネットワークI/F112を介して、プリンタ104はPC101または他の装置と各種データをやり取りすることができる。
メモリ106は、CPU105のワークエリアとしてのRAM、および各種プログラムを記憶するROMで構成される。HDD部107は、例えばハードディスクドライブまたはフラッシュメモリで構成され、OS、プログラム、PC101から受信したPDLデータ、スキャンして得られた読取画像の画像データ等を記憶するために使用される。
UI表示部108は、各種表示を行うためのディスプレイ(表示部)を有する。UI表示部108は操作部の機能も有しており、例えば、タッチパネルで構成されていてもよいし、操作部としてボタンを有していてもよい。例えば、UI表示部108には、自動白細線補正を実行するための一連の操作画面(図6参照)、および自動白細線補正結果(図16参照)が表示される。CPU105は、それらの画面を表示する表示制御部としても機能する。
画像処理部109は、PDLデータを解釈して得られたビットマップデータを、印刷するためのプリントデータに変換する処理などの画像処理を行う。
プリント部110は、画像処理部109によって画像処理されたプリントデータに基づき用紙等の記録媒体にプリント出力(印刷)を行う。スキャナ部111は、原稿を読み取り、原稿の読取画像のデータを生成するための読取装置である。
プリンタ104内の各部は、バス113を介して相互に接続されている。プリンタ104において各種の動作または処理を実現するプログラムは、例えば、HDD部107を含むコンピュータ可読媒体に格納される。プログラムはコンピュータ可読媒体からRAMにロードされ、CPU105がそのプログラムを実行することで、プリンタ104における各種の動作または処理が実現される。
[白細線の線幅補正の概要について]
図2は、白細線チャート201の画像データの一例を示す図である。白細線チャートの画像データは、予め決められた線幅の白色の細線(白細線)が指定された画像データである。細線とは、図2に示すように、0.12pt、すなわち600dpi1dot幅のような所定の幅の線を指す。白細線チャート201は、白細線が複数並んで印刷されるように指定された画像データである。白細線チャート201は、用紙が白色の場合、2つの黒の矩形205、206を600dpi1dot分の間隔をあけて配置されるように印刷し、トナーやインクなどの色材が付与されない隙間を設けることで白細線が表現された画像データとなっている。色材が付与しない領域を設けることで表現される色は白色であるものとして本実施形態の説明を行う。
図2は、白細線チャート201の画像データの一例を示す図である。白細線チャートの画像データは、予め決められた線幅の白色の細線(白細線)が指定された画像データである。細線とは、図2に示すように、0.12pt、すなわち600dpi1dot幅のような所定の幅の線を指す。白細線チャート201は、白細線が複数並んで印刷されるように指定された画像データである。白細線チャート201は、用紙が白色の場合、2つの黒の矩形205、206を600dpi1dot分の間隔をあけて配置されるように印刷し、トナーやインクなどの色材が付与されない隙間を設けることで白細線が表現された画像データとなっている。色材が付与しない領域を設けることで表現される色は白色であるものとして本実施形態の説明を行う。
プリンタは、画像データが指定した線幅どおりの細線を再現できないことがある。このためプリンタが元の画像データで指定されていた線幅を再現して印刷できるように、印刷対象の画像データを補正する方法がある。
例えば、白細線チャート201の画像データに基づきプリント部110が印刷をして、その結果得られた印刷物を原稿としてスキャナ部111が読み取ることで印刷物の読取画像を得る。そして、読取画像を解析してプリント部110が印刷した白細線の幅を測定して、測定された白細線の幅に基づき、印刷対象の画像データの白細線を補正するための補正量を決定する方法が考えられる。しかしながら、プリント部110が印刷した白細線の幅が適切に測定できないことがある。
図3は、図2の白細線チャート201の画像データに基づき印刷した結果得られた印刷物300の一例である。前述したとおり、プリント部110は、白細線以外の領域を黒色などで印刷して色材が付与されない領域を白細線として再現することになる。しかしながら、本来色材が付与されない領域である余白部と、色材が付与された領域である余白部以外との境界ではボケが発生することがある。ボケの幅が広いと白細線を画像データどおりに印刷物上に再現できないことがある。
図3の印刷物300の領域305、306は、白細線チャート201の黒の矩形205、206に対応する領域であるが、領域305、306の端部にはボケが発生してしまい印刷物300上に白細線が形成できていない。図3の印刷物300をスキャナ部111が読み取って得られた読取画像からは、プリンタが印刷した細線の幅を適切に測定することができない。このため、本実施形態では、図3のように読取画像から白細線が検出できない場合でも、細線を補正するための補正量を決定する方法を説明する。
[機能構成について]
図4は、本実施形態の白細線補正に係るプリンタ104の機能の構成を示すブロック図である。プリンタ104は、画像出力制御部401、画像読取制御部402、ボケ幅測定部403、白細線幅測定部404、補正量決定部405、補正量設定部406、および補正部407を有する。
図4は、本実施形態の白細線補正に係るプリンタ104の機能の構成を示すブロック図である。プリンタ104は、画像出力制御部401、画像読取制御部402、ボケ幅測定部403、白細線幅測定部404、補正量決定部405、補正量設定部406、および補正部407を有する。
画像出力制御部401は、印刷対象の画像データに基づき、プリント部110に画像を印刷させるための制御を行う。画像出力制御部401は、例えば、図2の白細線チャート201の画像データに基づき、補正量を決定するための白細線を印刷するための制御を行う。
画像読取制御部402は、原稿をスキャナ部111で読み取らせて、原稿の読取画像を取得するための制御を行う。画像読取制御部402は、例えば、画像出力制御部401が制御を行うことで得られた白細線チャート201の印刷物をスキャナ部111に読み取らせて、印刷された白細線が含まれる読取画像を生成する。
ボケ幅測定部403は、白細線チャート201のプリント時において端部の余白部と余白部以外の境界に発生したボケの幅(ボケ幅)を読取画像から測定する。ボケ幅の測定方法は後述する。
白細線幅測定部404は、プリント部110が白細線チャート201の画像データに基づき印刷した白細線の線幅を読取画像から測定する。線幅の測定方法は後述する。
補正量決定部405は、ボケ幅測定部403が測定したボケ幅または白細線幅測定部404が測定した白細線の線幅の何れかに基づき、印刷対象の画像データにおける白細線を補正するための補正量を決定する。補正量の決定方法は後述する。
補正量設定部406は、補正量決定部405が決定した補正量を補正部407に設定する。
補正部407は、設定された補正量を用いて白細線を補正する。補正方法は後述する。
画像出力制御部401、画像読取制御部402、ボケ幅測定部403、白細線幅測定部404、補正量決定部405、補正量設定部406は、CPU105がROM等に記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより実現される。また、補正部407の機能は、画像処理部109の機能に含まれる。図4の各部は、プリンタ104とは異なる装置である画像処理装置によって実現されていてもよい。
または、図4の各部の一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよいし、補正部407は、CPU105がROMに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより実現されてもよい。
[白細線補正処理のための補正量の決定処理]
図5は、白細線補正処理のための補正量を決定して補正量を設定する一連の処理を説明するためのフローチャートである。図5のフローチャートで示される一連の処理は、CPU105がメモリ106のROMまたはHDD部107に保存されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。また、図5におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。
図5は、白細線補正処理のための補正量を決定して補正量を設定する一連の処理を説明するためのフローチャートである。図5のフローチャートで示される一連の処理は、CPU105がメモリ106のROMまたはHDD部107に保存されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。また、図5におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。
S501において画像出力制御部401は、ユーザが白細線チャート201の印刷を指示したことに応じて、白細線チャート201の画像データに基づく印刷をプリント部110に実行させる。
図6は、ユーザの指示を受け付けるためにUI画面の一例を示す図である。図6のUI画面はUI表示部108に表示される。CPU105は、本フローチャートの開始前に、UI表示部108に図6(a)に示すUI画面を表示する表示制御を行う。図6(a)に示す調整/メンテナンスのUI画面で、ユーザが自動細線補正のボタン601を選択すると、図6(b)の自動細線補正のUI画面に遷移する。図6(b)の自動細線補正のUI画面で、白線補正のボタン602をユーザが選択すると、図6(c)の自動白細線補正のUI画面に遷移する。図6(c)の自動白細線補正のUI画面における白細線チャートの印刷のボタン603がユーザによって選択されると、画像出力制御部401は、S501の処理を実行する。
S502において画像読取制御部402は、スキャナ部111に、S501の処理の結果、プリント部110が印刷することによって得られた印刷物を読み取らせて、印刷物の読取画像を取得する。
白細線チャートの印刷が終わると、CPU105は、UI表示部108に表示する画面を、図6(c)の自動白細線補正のUI画面から図6(d)の自動白細線補正のUI画面に遷移させる。S501の処理の結果得られた印刷物をユーザがスキャナ部111に設置し、図6(d)の自動白細線補正のUI画面の白細線チャートの読取のボタン604をユーザが選択したことに応じて、S502の処理が実行される。
所定の白細線が指定された画像である白細線チャート201を印刷して得られた印刷物を読み取ることで、プリント部110が白細線を印刷した白細線が含まれる読取画像が得られる。この読取画像から実際にプリント部110が印刷した白細線の線幅を測定することで、プリント部110が印刷した白細線が、画像データ上の白細線に比べてどの程度変化したかを示すプリント部110の特性が得られる。
図2に示す600dpi1dotの白細線が指定された白細線チャート201は、白細線の線幅を測定するためのチャート画像の一例であり、チャート画像における白細線の線幅は600dpi1dotに限られない。600dpi1dotの線を印刷すると、潰れやすく、太さが変わりやすく、補正する必要があることが多い場合は、図2の白細線チャートのような白細線の線幅が600dpi1dotに指定された画像が用いられる。
他にも、S501で印刷する対象となる画像データは、ユーザが補正したい白細線の太さ(入力線幅)を指定して、その指定された線幅の細線を含む画像データでもよい。図6(b)に示す補正対象となる解像度と線幅を、UI画面を介してユーザが指定できるようにしてもよい。そして、S501では指定された解像度と線幅の細線を有するチャート画像が印刷されて、S502ではその印刷物の読取画像が取得されてもよい。この場合、本実施形態では、600dpi1dotの線幅が指定されたことになる。
S503においてボケ幅測定部403は、S502の結果得られた読取画像から、プリント部110が印刷した白細線チャート画像における一方の端部と他方の端部に発生したボケの幅の測定を行う。本ステップの詳細は後述する。
S504において白細線幅測定部404は、S502の結果得られた読取画像から、プリント部110が印刷したチャート画像における白細線の線幅(出力線幅)を測定する。本ステップの詳細は後述する。
S505において補正量決定部405は、S504で測定された白細線の線幅が、S503で測定された2つの端部のボケ幅の合計よりも小さいかを判定する。白細線の線幅がボケ幅合計よりも小さい場合(S505がYES)、S506に進み、S506において補正量決定部405は、ボケ幅から補正量を決定する。補正量の決定の詳細は後述する。
このように本実施形態では、印刷物300のようにプリンタが白細線を形成できなかった場合は、白細線の線幅がボケ幅合計よりも小さいと判定されるため、ボケ幅から補正量が決定されることになる。
一方、白細線の線幅が2つの端部のボケ幅以上の場合(S505がNO)、S507に進み、S507において補正量決定部405は、読取画像から測定された白細線の線幅から補正量を決定する。補正量の決定の詳細は後述する。
S508において補正量設定部406は、S506またはS507で決定された補正量を補正部407に設定する。補正部407に補正量を設定することで、印刷対象の画像をプリント部110がプリントする際に、補正部407は印刷対象の画像を自動的に適切な白細線に補正することが可能となる。
[端部のボケ幅の測定処理について]
図7は、ボケ幅の測定処理を説明するためのフローチャートである。図7を用いてS503の処理の詳細を説明する。
図7は、ボケ幅の測定処理を説明するためのフローチャートである。図7を用いてS503の処理の詳細を説明する。
図8は、印刷物300の読取画像から切り出された画像であり、左側の端部302に対応する領域を切り取って得られた端部画像801である。白細線チャート201には、白細線以外にも色材が付与されない余白部が設けられており、端部画像801は、隣接する余白部が含まれるように切り出されて得られた画像である。図7のフローチャートは、S502で得られた読取画像から切り出された、図8のような左側の端部302の画像である端部画像と、右側の端部303の画像である端部画像とに対しそれぞれ行われる。
S701においてボケ幅測定部403は、読取画像の各画素(x,y)の画素値を、反射率を表す値に変換する。例えば、入力された画像がsRGBの場合、読取画像の各画素(x,y)の画素値をCIE色空間のY成分の値(CIEY値)に式(1)に基づき変換する。
CIEY(x,y)=0,2126R(x,y)+0,7152G(x,y)+0,0722B(x,y) 式(1)
CIEY(x,y)=0,2126R(x,y)+0,7152G(x,y)+0,0722B(x,y) 式(1)
CIEY(x,y)は、反射率で明度を示す値となる。すなわち一番明るい白は、反射率100%で明度100として得られる。なお、本実施形態では、画素値を式(1)でCIEY値へ変換するものとして説明するが、本ステップでの色変換は、反射率を表す値に画素値を変換すればよくCIEY値への変換に限られない。
S702においてボケ幅測定部403は、S701で得られた読取画像内の反射率から値が最も大きい反射率である、最大反射率Rmaxを決定する。
S703においてボケ幅測定部403は、S701で得られた画像内の反射率から値が最も小さい反射率である、最小反射率Rminを決定する。
S704においてボケ幅測定部403は、最大反射率Rmaxと最小反射率Rminとから、式(2)に基づき、nの場合の反射率であるRnを算出する。
Rn=Rmin+(n/100)×(Rmax-Rmin) 式(2)
Rn=Rmin+(n/100)×(Rmax-Rmin) 式(2)
目視実験の結果、ボケのある領域の反射率は、式(2)のn=10のときの反射率R10から、式(2)のn=40のときの反射率R40の間の反射率であると決められたとする。この場合、本ステップでは、式(2)に基づき、反射率R40および反射率R10を算出する。そして、後続のステップで反射率R40および反射率R10を用いてボケ幅が測定される。このように、本実施形態では、反射率R10および反射率R40を用いてボケ幅を測定するものとして説明するが、目視実験の結果、主観と一致する値であれば本ステップで算出される反射率は反射率R40および反射率R10に限られない。
S705においてボケ幅測定部403は、内部カウンタKをK=1で初期化する。
次のS706~S708はループ処理であり、S706においてボケ幅測定部403は、処理対象の端部画像における水平方向のラインのうちK番目のライン(Kライン)のボケ幅を測定する。このラインことのボケ幅を測定する処理を端部画像内の全ライン分終えるまで繰り返す。
例えば、処理対象の端部画像が図8の端部画像801である場合であってK=1の場合は、最初のライン802のボケ幅が測定される。Kラインのボケ幅は、反射率の主観と一致する、反射率R10の位置から反射率R40の位置までの距離を決定することで測定される。
図9は、図8の端部画像801のライン上の位置に対応する反射率を示す図である。縦軸は反射率を示し、横軸はライン上の位置を示す。曲線は反射率のプロファイル901、点線904は、n=10の場合の反射率R10の値のある位置を示し、点線905はn=40の場合の反射率R40の値のある位置を示している。
反射率R10の値を示す点線904上で、プロファイル901と交差する点906が示す位置をボケの始まりの位置とする。反射率R40の値を示す点線905上で、プロファイル901と交差する点907が示す位置をボケの終わりの位置とする。点906が示す位置から点907が示す位置までの幅908が、印刷物の左端のボケ幅として決定される。例えば、図9では、点906の位置の座標が63、点907の位置の座標が60であるため幅908の画素数は3となる。端部画像の解像度を2400dpiとしたとき1画素は10μmなので、3画素のボケ幅を示す幅908は、30μmと決定される。
プロファイル901が反射率R40に達する位置をボケの終わりの位置としたのは、黒と認識する部分をボケと定義し、反射率R40までは黒、反射率R40以上の反射率は白に近いとしたためである。前述したようにボケ幅を決定するための反射率R10、反射率R40は一例であり、ボケ幅を測定できればこの値でなくともよい。
S707においてボケ幅測定部403は、端部画像の全ラインのボケ幅を測定したか判定を行う。図8の端部画像801の場合、最初のライン802から最終のライン803まで全てのラインのボケ幅の測定が完了したかの判定が行われる。
端部画像内の全てのラインのボケ幅の測定が完了していない場合(S707がNO)、S708に進み、次のラインのボケ幅を測定対象とするために、ボケ幅測定部403は、K+1をすることでKをカウントアップしてKを更新する。そして更新後のKラインのボケ幅を測定するためにS706に戻る。
端部画像内の全てのラインのボケ幅の測定が完了した場合(S707がYES)、S709に進む。
S709においてボケ幅測定部403は、端部画像内の全てのラインのボケ幅の測定値の平均を求め、その結果得られた値を処理対象の端部画像のボケ幅と決定する。
ボケ幅測定部403は、図7のフローチャートを、S502で得られた読取画像から切り出された、左側の端部302の端部画像に対して行うことで、左側の端部のボケ幅を決定する。また、ボケ幅測定部403は、図7のフローチャートを、S502で得られた読取画像から切り出された、右側の端部303の端部画像に対して行うことで、右側の端部のボケ幅を決定する。そして、ボケ幅測定部403は、左側のボケ幅と右側のボケ幅を足し合わせてボケ幅合計に決定する。
このように、左側の端部と右側の端部のボケの特性が異なることもあるので、両側の端部の夫々のボケ幅を決定し、左側の端部のボケ幅と右側の端部のボケ幅を合わせて最終的な端部のボケ幅合計としている。他にも、左側の端部と右側の端部の特性が似ている場合は、ボケ幅測定部403は、片側の端部のボケ幅だけを決定して、そのボケ幅を2倍することでボケ幅合計として決定してもよい。即ち、白細線は色材が付与された領域の2つの端部に挟まれるように構成されていることから、2つの端部のボケ幅の合計が求められれば問題ない。
[白細線の線幅の測定処理の詳細フローについての説明]
図10は、白細線の線幅の測定処理を説明するためのフローチャートである。図10を用いてS504の処理の詳細を説明する。
図10は、白細線の線幅の測定処理を説明するためのフローチャートである。図10を用いてS504の処理の詳細を説明する。
図11は、白細線チャート201の印刷物の読取画像における白細線がある部分を切り出して得られた部分画像を示す図であり、例えば、白細線チャート201の白細線が含まれる領域202に対応する部分を切り取って得られた部分画像である。図10のフローチャートの処理は、S502で得られた読取画像から切り出された、図11(a)または(b)のような1本分の白細線が含まれる領域を切り出して得られた処理対象の部分画像に対して行われる。
図11(a)は図3のように白細線が潰れてしまった印刷物300の読取画像から、白細線が含まれる領域202に対応する領域301を切り出して得られた部分画像1101である。図11(b)は、白細線が再現された印刷物の読取画像から切り出された部分画像1104である。
図10のフローチャートの処理は、白細線チャート201に含まれる夫々の白細線が含まれる領域が切り出すことで得られた夫々の部分画像に対して行われる。図2の白細線チャート201には、8本の白細線が含まれるため、8本の白細線に対応する8つ部分画像に対して、図10のフローチャートの処理がそれぞれ行われる。
S1001~S1003の処理は、S701~S703と同様の処理であるため説明を省略する。
S1004において白細線幅測定部404は、最大反射率Rmaxと最小反射率Rminとから、上述した式(2)に基づき、nの場合の反射率であるRnを算出する。反射率の主観と一致する値として、白を示す反射率は式(2)のn=40のときの反射率R40と決められたとする。この場合、本ステップでは、式(2)に基づき、反射率R40を算出する。そして、後続のステップで反射率R40以上の反射率の領域を白細線の領域とみなして線幅を決定する。
S1005において白細線幅測定部404は、内部カウンタKをK=1で初期化する。
次のS1006~S1008はループ処理であり、S1006において白細線幅測定部404は、処理対象の部分画像における水平方向のラインであるK番目のラインの白細線の線幅を測定する。ラインごとに白細線の線幅を測定する処理を処理対象の部分画像内の全ライン分終えるまで繰り返す。
例えば、処理対象の部分画像が図11(a)の部分画像1101である場合であってK=1のときは、最初のライン1102の線幅が測定される。または、処理対象の端部画像が図11(b)の部分画像1104である場合であってK=1のときは、最初のライン1105における白細線の線幅が測定される。
図12は、白細線を含む部分画像のライン上の位置に対応する反射率を示す図である。
図12(b)は、図11(b)に示す部分画像1104のライン1105上の位置に対応する反射率を示す図である。曲線は反射率のプロファイル1205であり、部分画像内に視認可能な白細線が存在する場合の反射率の例を示している。図12(b)では、線幅と判定するための反射率R40を示す点線1202と反射率のプロファイル1205とが交差する点は、点1203および点1204となっている。点1203が示す位置から点1204が示す位置までの幅1206に基づき白細線の線幅が測定される。例えば、点1203の位置の座標と点1204の座標の間の幅1206が7画素の場合であって読取画像の解像度が2400dpiであった場合、1画素は10μmなので、7画素分に対応する70μmが白細線の線幅として決定される。このように白細線の線幅は、線幅を示す反射率R40と交わる両端の2点間距離に基づき決定される。
図12(a)は、図11(a)に示す部分画像1101のライン1102上の位置に対応する反射率を示す図である。曲線は反射率のプロファイル1201であり、部分画像内の白細線が潰れて見えない場合の反射率の例を示している。図12(a)では、線幅と判定するための反射率R40を示す点線1202と反射率のプロファイル1201が交差する点はない。このように反射率R40を超える部分が無い場合、白細線がないとものとして線幅は0μmと測定される。なお、本実施形態では、細線の線幅を測定するために反射率R40を用いているが、白細線の主観と合う値であれば測定に用いる反射率はR40に限られない。
S1007において白細線幅測定部404は、処理対象の部分画像の全ライン分の線幅を測定したかの判定を行う。図11(a)の部分画像1101の場合、最初のライン1102から最終のライン1103まで全てのラインにおいて線幅の測定が完了したかの判定が行われる。図11(b)の部分画像1104の場合、最初のライン1105から最終のライン1106まで全てのラインにおいて線幅の測定が完了したかの判定が行われる。
処理対象の部分画像内の全てのラインにおける線幅の測定が完了していない場合(S1007がNO)、S1008に進み、次のラインにおける細線を測定対象とするために、白細線幅測定部404は、K+1をすることでKをカウントアップしてKを更新する。そして更新後のKラインにおける細線の線幅を測定するためにS1006に戻る。
処理対象の部分画像内の全てのラインにおける線幅の測定が完了した場合(S1007がYES)、S1009に進む。
S1009において白細線幅測定部404は、部分画像内の全てのラインから得られた線幅の測定値の平均を算出し、その結果を、処理対象の部分画像に含まれる白細線の線幅に決定する。
白細線幅測定部404は、図10のフローチャートを、白細線チャート201の夫々の白細線が含まれるように切り出された部分画像に対しそれぞれ行うことで、白細線チャート201に含まれる全て(8本)の白細線の線幅を決定する。そして、白細線幅測定部404は、決定された全ての白細線の線幅の値の平均を、プリント部110が実際に印刷した白細線の線幅として決定する。または、決定された線幅のうち、最大と最小は除いて平均を求めて、プリント部110が印刷した白細線の線幅として決定してもよい。
[白細線の線幅から補正量を決定する処理]
S504の処理の結果得られた白細線の線幅の測定結果に基づき補正量を決定する方法を説明する。即ち、図5のS507の処理の詳細を説明する
白細線チャート201のデータ上で指定された白細線の線幅は600dpi1dotであるものとする。この場合、補正の最小単位を600dpiの1/4画素とすると、補正の最小単位は約10μmとなる。また、ボケ幅または白細線の線幅も10μm単位で測定するものとして説明した。このため、600dpi1dotの線幅も10μm単位で設定されたものとして説明する。このため、600dpi1dotの線幅は40μmであるものとして本実施形態の説明を行う。
S504の処理の結果得られた白細線の線幅の測定結果に基づき補正量を決定する方法を説明する。即ち、図5のS507の処理の詳細を説明する
白細線チャート201のデータ上で指定された白細線の線幅は600dpi1dotであるものとする。この場合、補正の最小単位を600dpiの1/4画素とすると、補正の最小単位は約10μmとなる。また、ボケ幅または白細線の線幅も10μm単位で測定するものとして説明した。このため、600dpi1dotの線幅も10μm単位で設定されたものとして説明する。このため、600dpi1dotの線幅は40μmであるものとして本実施形態の説明を行う。
S504の処理の結果、白細線チャート201の印刷物の読取画像から測定された線幅が20μmであったものとする。この場合、
データ上の線幅40μm-実際の線幅20μm=20μm
から、画像データ上の白細線の線幅を20μmだけ広げる必要があるため、白細線の線幅を、両端を10μmずつ広げるように補正すればよい。補正部407が1/4画素単位で補正制御できる場合は、600dpiで0.25dot(1/4画素)分の白画素を白細線の左右に追加すればよいため、補正量は、1/4画素として決定される。
データ上の線幅40μm-実際の線幅20μm=20μm
から、画像データ上の白細線の線幅を20μmだけ広げる必要があるため、白細線の線幅を、両端を10μmずつ広げるように補正すればよい。補正部407が1/4画素単位で補正制御できる場合は、600dpiで0.25dot(1/4画素)分の白画素を白細線の左右に追加すればよいため、補正量は、1/4画素として決定される。
[ボケ幅から補正量を決定する方法]
プリント部110が印刷した白細線が潰れてしまった場合など、白細線の線幅の測定値が補正量の決定に適さない場合、本実施形態ではS503の結果得られたボケ幅合計に基づき補正量が決定される。本実施形態のボケ幅合計から補正量を決定する処理である図5の506の処理の詳細について説明する。
プリント部110が印刷した白細線が潰れてしまった場合など、白細線の線幅の測定値が補正量の決定に適さない場合、本実施形態ではS503の結果得られたボケ幅合計に基づき補正量が決定される。本実施形態のボケ幅合計から補正量を決定する処理である図5の506の処理の詳細について説明する。
図13は、図2の領域202に対応する印刷物上の領域の水平ラインの反射率を示している。領域202内には、白細線を構成する黒の矩形205、206を印刷した際に発生したボケがあり、そのボケの反射率を示すプロファイルが含まれている。
図13(a)は、白細線が潰れて印刷された場合の反射率のプロファイルを示す図である。即ち、図3の印刷物300における領域301の水平ラインの反射率を示す図である。白細線の右側で発生したボケの反射率はプロファイル901で表し、幅908は右側のボケの幅である。白細線の左側で発生したボケの反射率はプロファイル1301で表し、幅1302は左側のボケの幅である。距離1303は、白細線チャート201上で指定された白細線の線幅である600dpi1dot(40μm)を表している。
このように、印刷物上で白細線が潰れて白細線が形成できていない場合、白細線の左右で発生したボケが重なっている状態である。図13(a)における点線の曲線は潰れた白細線部の反射率のプロファイル1201を示しており、図12のプロファイル1201を示す曲線と同様の曲線となる。
白細線を含む部分画像の反射率が図13(a)の状態であった場合の、ボケ幅から補正量を決定する方法の説明を行う。図5のS503において、左側端部のボケ幅は30μmと決定され、右側端部のボケ幅も同じように30μmと決定されたとすると、最終的なボケ幅合計は、右側のボケ幅+左側のボケ幅=60μmと決定される。また、白細線が印刷された領域の反射率のプロファイル1201から、S504において白細線幅は0μmと決定される。この場合、白細線幅<ボケ幅合計であることから、S506に進むことになる。
S506において、ボケ幅を考慮した線幅にするための補正量が決定される。例えば、白細線が見えるように、画像データ上の白細線の線幅を広げて、白細線を印刷した際に白細線部の左右に発生するボケが重ならないようにすればよい。即ち、右側のボケの幅908の左端の位置から、左側のボケの幅1302の右端の位置までの間の距離が、再現したい線幅である600dpi1dot(40μm)の距離1303となるように、画像データ上の白細線の線幅を広げるように補正が行われればよい。つまり、画像データ上の白細線の線幅を、幅方向の一方と他方にそれぞれのボケ幅30μm分だけ広げるように補正を行えばよい。
図13(b)は、画像データ上の白細線を補正して、補正後の画像データに基づき印刷された白細線の反射率を示す図である。白細線の線幅を広げるように画像データの補正を行った結果、白細線を構成する左右の矩形から発生したボケが離れ、白細線が見える状態を示している。
ボケ幅から補正量を決定する具体例としては、画像データ上の線幅40μmの白細線を補正する場合、補正後のあるべき白細線の線幅は、再現したい線幅40μm+ボケ幅合計60μmから、100μmとなる。特許文献1に記載の方法で白細線の補正を行う場合で、補正部407が1/4画素単位で補正制御できる場合、30μmは、600dpiで0.75dot(3/4画素)分であることから、この3/4画素が補正量として決定される。
[補正量を用いた入力画像の補正処理]
図14は、本実施形態に係る、画像処理部109によって実現される補正部407の機能の一例を示すブロック図である。補正部407は、輝度濃度変換部1402、白細線太さ判定部1403、白細線補正部1404、白細線補正量設定部1405、中間調処理部1406を有する。
図14は、本実施形態に係る、画像処理部109によって実現される補正部407の機能の一例を示すブロック図である。補正部407は、輝度濃度変換部1402、白細線太さ判定部1403、白細線補正部1404、白細線補正量設定部1405、中間調処理部1406を有する。
輝度濃度変換部1402は、ビットマップデータ1401が通常表示用の輝度データの場合、プリント用の8ビットの濃度データに変換する。
白細線太さ判定部1403は、ビットマップデータ1401に、補正条件を満たす細線があるか否かを判定する。線幅が小さいほど、白細線が印刷の際に潰れてしまうことが多い。このため、白細線太さ判定部1403は、例えば、600dpi1dotの線幅の白細線があるかを判定する。この補正条件は一例であり、この補正条件を600dpi1dotの線幅とする場合とは、プリント部110が600dpi1dotの線幅の白細線を印刷すると白細線が潰れてしまう場合である。
白細線補正量設定部1405は、補正量設定部406が設定した白細線の補正量を取得して白細線補正のために補正量を設定する。
白細線補正部1404は、白細線太さ判定部1403が補正対象と判定した細線に対して、白細線補正量設定部1405が設定した補正量を用いて、入力画像内の白細線の線幅の補正を行う。
中間調処理部1406は、8ビットの濃度データを、プリント部110が対応可能な階調数のデータであるプリントデータ1407に変換する。
図15は、印刷対象の画像(入力画像)のデータに含まれる白細線の線幅を補正する処理の一例を示す図である。図15における夫々の矩形は、輝度濃度変換部1402が出力した濃度データが示す画像内の画素を表す。1つの矩形は、600dpi1画素を表し、それぞれの画素の画素値は、多値の8ビットデータで指定され、最大で255(黒)、最小で0(白)である。補正処理の具体例を、図15を用いて説明する。
図15(a)は、補正前の画像データの一部を表す図であり、画素1501の画素値は255(黒)、画素1502の画素値は0(白)、1503の画素値は255(黒)を表し、画素1502は600dpi1画素の線幅の白細線の一部を示している。即ち、図15において左右の方向が線の幅方向(細線が伸びる方向と交差する方向)である。ここでは説明を簡単にするため白細線に隣接する画素の画素値は黒の値であるものとして説明する。
図15(a)の画素1502は、白細線太さ判定部1403によって補正条件である600dpi1dotの線幅の白細線と判定されて、補正の対象と判定される。補正量は、図13(b)を用いて説明したように、3/4画素と設定されているものとする。
補正量が3/4画素の場合、白細線補正部1404は、画素1502の幅方向における両側に画素値が白(0)の3/4画素をそれぞれ追加する補正を行う。
図15(b)は、図15(a)の補正前の画像データに対して、補正量である3/4画素に基づき補正された後の画像データを示す図である。白細線を示す画素1502の幅方向の両側に隣接する3/4画素1504、1506が示すように、画素値が白(0)の3/4画素が追加される。この補正の結果、白細線は100μmの線幅で印刷されるので、印刷物上で再現される白細線の線幅が40μmとなり、印刷物上の白細線を所望の線幅とすることが可能となる。
なお、白細線の幅方向における一方の側の補正量と他方の側の補正量は、同じ補正量として設定されたものとして上記の説明を行ったが、一方の側の補正量と他方の側の補正量は異なるように補正量が設定されてもよい。例えば、ボケ幅から補正量を決定する場合、左側の端部で発生したボケ幅と右側の端部発生したボケ幅が異なるような場合は、それに合わせて、白細線の幅方向における一方の側の補正量と他方の側の補正量を決定して補正量が設定されてもよい。
図16は、白細線の補正結果をユーザに通知する場合のUI画面の表示例を示す図である。図16に示すような画面をUI表示部108に表示することにより、例えば、図16に示すように、白細線の補正結果の情報として、入力画像の白細線の線幅、測定された端部ボケ幅および白細線幅、補正後白細線幅等が表示される。ユーザは、図16の補正結果を確認することにより、プリンタの特性をより詳細に把握することが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、色材を付与しないことで再現される色の細線が色材で潰れ、その色の細線が印刷物上に再現できない場合であっても、色材を付与しないことで再現される色の細線を補正するための補正量を適切に決定することができる。このため、色材を付与しないことで再現される色の細線を正確に補正することが可能となる。
なお、本実施形態では、測定されたボケ幅または白細線の線幅のいずれかに基づき補正量を決定する方法を説明したが、測定されたボケ幅に基づき補正量を決定してもよい。即ち、図5のフローチャートにおいてS504の後は、S505をスキップしてS506に進むようにして補正量が決定されてもよい。
<実施形態2>
実施形態1では、画像データ上の白細線の補正方法として、設定された補正量に基づき、1画素未満の白画素を追加することで白細線の線幅を大きくするように補正する方法を説明した。本実施形態では、白細線の補正方法として、画像データ上の白細線に隣接する1画素の多値の画素値を補正量に基づき変更することで、白細線を補正する方法を説明する。本実施形態については、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
実施形態1では、画像データ上の白細線の補正方法として、設定された補正量に基づき、1画素未満の白画素を追加することで白細線の線幅を大きくするように補正する方法を説明した。本実施形態では、白細線の補正方法として、画像データ上の白細線に隣接する1画素の多値の画素値を補正量に基づき変更することで、白細線を補正する方法を説明する。本実施形態については、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
図17は、補正量が3/4画素に設定されていた場合、図15(a)の補正前の画像データに対して本実施形態の補正方法によって補正部407が補正した後の画像データを示す図である。図17における白細線を構成する画素1502の幅方向の両側にそれぞれ隣接する画素1701、1702は、図15(a)の画素1501、1503に対応する画素である。画素1701、1702は、補正部407による本実施形態の補正の結果、画素値が変更されたことを示している。図15(a)における白画素の両側の画素1501、1502の画素値は255であったものが、画素1701、1702では画素値が64に変更されている。この変更後の画素値を補正画素値とよぶ。補正画素値は、補正量に基づき決定される。
図18は、補正量から補正画素値を決定するために用いられるテーブルを示す図である。図18に示すように、補正量が3/4画素である場合、補正画素値は8ビットで64と決定されているもとする。このため、図17に示すように、白細線を構成する画素1502に隣接する画素1701、1702の画素値が255から64に変更され、線幅が広がるように画像データ上の白細線を補正することができる。このため、印刷物上では白細線が潰れることがないように、プリント部110は所望の白細線を再現することが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、1画素を分割することなく、600dpi1画素のような元の解像度の1画素に対して補正をすることができる。
<実施形態3>
上述した実施形態では、画像処理部109によって実現された補正部407によって、ビットマップデータに対して補正を行う方法を説明した。本実施形態では、プリンタ104が受信したPDLデータをPDLインタプリタで解釈する際に補正を行う例を説明する。本実施形態については、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。また、レンダリング解像度が1200dpi、または2400dpiであるものとして説明する。また、本実施形態の補正はビットマップデータに対する処理ではないため、本実施形態の補正部407は、CPU105がROMに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより実現されるものとして説明する。
上述した実施形態では、画像処理部109によって実現された補正部407によって、ビットマップデータに対して補正を行う方法を説明した。本実施形態では、プリンタ104が受信したPDLデータをPDLインタプリタで解釈する際に補正を行う例を説明する。本実施形態については、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。また、レンダリング解像度が1200dpi、または2400dpiであるものとして説明する。また、本実施形態の補正はビットマップデータに対する処理ではないため、本実施形態の補正部407は、CPU105がROMに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより実現されるものとして説明する。
図19は、本実施形態の白細線の線幅を補正する処理の一例を説明するための図である。図19(a)は、補正前のPDLデータで指定された細線を表す図である。PDLデータでは線の線幅はポイント数で指定されている。
補正条件を600dpi1dotの線幅とする場合、補正部407は、600dpi1画素に対応する0.12ptの線幅の白細線があるかを判定する。そして、補正部407は、補正対象の線幅の白細線については、PDLデータをPDLインタプリタで解釈する際に、補正量に基づき線幅を大きく変更することで補正を行う。具体的には、補正量に基づくポイント数を幅方向の両側に追加するようにして、線幅を広げる補正を行う。
図19(b)は、補正量が3/4画素に設定されていた場合の、図19(a)の補正前のPDLデータに対して補正された後の画像を示す図である。補正部407は、例えば、補正量が3/4画素の場合は0.09ptに、補正量をポイント数に変換する。そして、図19(b)に示すように、補正後の白細線の線幅を、PDLデータで指定された線幅0.12pt+補正量0.09pt+補正量0.09pt=0.30ptに変換する。このため、画像データ上の線幅が40μmから100μmに補正されることになる。本実施形態の補正の結果、白細線が線幅100μmで印刷されるので、印刷物上の白細線の線幅は40μmとなり、印刷物上の白細線を所望の線幅とすることが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、画像処理部109によらず、CPU105がプログラムコードを実行することで補正処理を行うことが可能となる。このため、画像処理部109によって補正する場合よりも容易に処理を追加することが可能となる。
<その他の実施形態>
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
104 プリンタ
402 画像読取制御部
403 ボケ幅測定部
405 補正量決定部
402 画像読取制御部
403 ボケ幅測定部
405 補正量決定部
Claims (18)
- 印刷対象の画像内に含まれる細線を補正するための画像処理装置であって、
印刷装置によって得られたチャート画像の印刷物の読取画像を取得する取得手段と、
前記読取画像における、前記印刷装置によって色材が付与されない余白部と前記余白部以外との境界に発生したボケの幅を測定する測定手段と、
測定された前記ボケの幅に基づき、前記印刷対象の画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線を補正するための補正量を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記チャート画像には、前記色材を付与しないことによって表現される色の細線が含まれ、
前記読取画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線の線幅を測定する線幅測定手段をさらに有し、
前記決定手段は、
測定された前記細線の線幅または前記ボケの幅に基づき、前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、
前記読取画像から前記色材を付与しないことによって表現される色の細線が検出されなかった場合、測定された前記ボケの幅に基づき前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、
測定された前記細線の線幅が、測定された前記ボケの幅よりも小さい場合、測定された前記ボケの幅に基づき前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、
測定された前記細線の線幅が、測定された前記ボケの幅以上の場合は、測定された前記細線の線幅に基づき前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記チャート画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線の線幅は、ユーザによって設定が可能である
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 測定された前記ボケの幅は、前記読取画像における2つの前記境界から発生したボケの幅の合計を示す値である
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記印刷対象の画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線を、前記補正量に基づき補正する補正手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、測定された前記ボケの幅に基づき前記補正量を決定する場合、
測定された前記ボケの幅が大きいほど前記印刷対象の画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線の線幅を前記補正手段が広く補正できるように、前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記補正量に基づき、前記色材を付与しないことによって表現される色の細線の幅方向の両側に前記色材を付与しないことによって表現される色の画素を追加することで補正を行う
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記補正量に基づき、前記色材を付与しないことによって表現される色の細線の幅方向の両側に隣接する画素の画素値を変えることで補正を行う
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記補正量に基づき、PDLデータで指定された前記色材を付与しないことによって表現される色の細線の線幅を変更することで補正を行う
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。 - 前記色材を付与しないことによって表現される色の細線は、白の細線である
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記チャート画像は、前記色材を表す色の矩形が所定の間隔を設けて、複数、配置された画像であり、前記印刷装置が前記矩形を印刷することで、前記色材を付与しないことによって表現される色の細線であって前記所定の間隔に対応する線幅の細線が前記印刷物に形成されるように生成された画像である
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記測定手段は、前記読取画像における前記矩形の端部のボケ幅を測定し、
前記決定手段は、測定された2つの前記端部のボケの幅に基づき前記補正量を決定する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段を有し、前記チャート画像の前記印刷物を得るための印刷装置であって、
前記印刷物を読み取る読取手段を有することを特徴とする印刷装置。 - 印刷対象の画像内に含まれる細線を補正するための画像処理方法であって、
印刷装置によって得られたチャート画像の印刷物の読取画像を取得する取得ステップと、
前記読取画像における、前記印刷装置によって色材が付与されていない余白部と前記余白部以外との境界に発生したボケの幅を測定する測定ステップと、
測定された前記ボケの幅に基づき、前記印刷対象の画像における前記色材を付与しないことによって表現される色の細線を補正するための補正量を決定する決定ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1から15のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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