JP4120928B2 - 画像処理装置、画像処理方法、およびそのプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、およびそのプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディジタル画像に対して、主観的に最適なシャープネス度合いを実現できる画像処理装置、画像処理方法、及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最終印刷物の品質は、ディジタル画像信号の特性と、カラー画像記録装置や画像記録材料の特性で決定される。同様に、該カラー画像処理装置は、入力されたディジタル画像信号(入力画像信号)に対して、カラー画像記録装置や画像記録材料の特性に合わせた補正または最適化を目的とする処理装置と、撮影条件や色空間が不明な入力画像信号の調整を目的とする処理装置とに分類できる。
【0003】
どちらの画像処理装置であっても、画像処理装置への入力画像信号は赤(R)緑(G)青(B)色信号、CIE L*a*b*(CIELAB)色信号、シアン(C)マゼンタ(M)イエロー(Y)黒(K)色信号などで扱われ、前記入力画像信号の強度は、単色で8bit、12bit等と多値である。また、画像処理装置の構成には色補正処理手段、シャープネス(空間補正を含む)処理手段等が含まれており、一連の画像信号処理を施すことで共通している。
【0004】
後者の入力画像信号を調整するための画像処理装置での色補正処理は、コントラスト調整や色味のバランス調整、ホワイトバランス調整、かぶり補正等の技術で構成され、シャープネス処理は、エッジ強調を含むシャープネス強調、解像度変換、ノイズ除去等の技術で構成されている。
【0005】
また、入力装置、表示装置及び出力装置等の機器の補正を目的とした空間補正処理は、画像信号が持つ不要な周期性や画像ノイズ特性、及び画像記録装置で生じる空間周波数特性の劣化抑制処理、更には特定の空間周波数帯域等の強調処理を備えている。
【0006】
前述の空間補正処理は、機器の特性を前もって入手可能な限られた情報で記述したシャープネス補正フィルタを利用して、画像処理を施す仕組みになっている。しかし、機器補正の情報は、ディジタル画像そのものの情報とは独立した情報であるため、ディジタル画像にとって最適な出力条件を考慮しておらず、バランスの崩れたディジタル画像が出力されることもある。これを解決するためには、ディジタル画像信号の調整を目的とする処理装置が必要となる。
【0007】
ディジタル画像信号の調整を行う最善の施策は、利用者が利用している表示・出力装置で、表示・出力画像の程度を確認しつつ好みにあった処理を施す方法である。しかし、この方法では、利用者に画像処理の経験及び作業時間を要求するといった問題が生じる。そのため、画像処理装置は、最小の手間、もしくは自動で画像そのものから情報を獲得する画像計測及び画質調整を施す方法(自動画質調整技術)を備えることが期待されている。
【0008】
前述の自動画質調整技術でのシャープネス処理は、ディジタル画像からシャープネス度合い(エッジ度合いや画像ノイズ等が複合した程度を表す)を測り、計測結果に応じてシャープネス処理を施す機能が必要である。
【0009】
シャープネス処理の問題は、単純に暈し処理を施した場合に、高精細な再現(キメ)がなくなり、シャープネス度合いが下がり、一方で、シャープネス強調処理によりシャープネスを強調しすぎた場合に、肌の荒れ(肌荒れ)、無彩色部でのノイズやエッジ部の境界の破綻(リンギング)が目立つようになり、不快に感じさせることである。この問題は、鮮鋭度(シャープネス度合い)と共にシャープネス阻害が変化するため、通常のシャープネス処理技術がそれぞれを独立に制御できないことに起因している。このため、ディジタル画像信号の情報だけでは上記問題を根本的に解決することが困難である。
【0010】
この問題に対応するには、測定量として、シャープネス度合いと共に、シャープネスの良好さを阻害する又は劣化した量(シャープネス阻害量)を反映させたシャープネスの好ましさの度合い(シャープネス嗜好度)が必要である。
【0011】
画像信号そのものから画像の特性を測る技術、特に、シャープネス計測の技術は、幾つかの方法が提案されている。例えば、鮮鋭度評価方法は、微分画像(エッジ画像)の信号強度の総和を鮮鋭度の評価値とする鮮鋭度評価手法(例えば以下に示す非特許文献1参照)が提案されている。また、前記手法と同じ原理を用いたディジタル画像の鮮鋭性評価装置、もしくは鮮鋭度を変換する画像処理装置が、以下に示す特許文献1から3で開示されている。
【0012】
上記において、例えば三宅は画素のエッジ強度値の総和を利用することを提案している。また、特許文献1及び特許文献2では、前記総和に相当する量をエッジ画素数(エッジ強度が0でない画素)で正規化する方法が開示されている。更に、特許文献3では、前記総和を正規化する方法において、正規する画素数算出工程にて閾値以上のエッジ強度を示す画素を求める工程を備えた画像処理方法が開示されている。
【0013】
特許文献2が開示するところの鮮鋭度測定装置は、前述の鮮鋭度評価手法と同様に、エッジ画像の信号強度の総和を求めた後、エッジ領域で正規化することで、単位エッジ部当たりの平均強度もしくは前記エッジ強度の2乗値の平均強度を求めており、エッジ度合いの強度値(強弱の程度)を鮮鋭度としている。また、前記鮮鋭度測定装置はカラー画像情報ではなく、輝度情報を用いることで処理工程を簡易化している。鮮鋭化並びに鮮鋭度の測定に利用する情報は、明暗情報よりカラー情報を利用し、処理コストに従い精度を高められることが期待できることは既知である。
【0014】
通常、精度が必要なら処理コストを掛け、程々の精度を所望する場合は、輝度、または明度情報を利用する。一方、特許文献1が開示するところの鮮鋭化装置は、前述の鮮鋭度評価手法や鮮鋭性評価装置と同様な原理を用いている。また、特許文献3が開示するところの処理装置は、前述の鮮鋭度評価手法や鮮鋭性評価装置の原理に加え、閾値処理方法に特徴を持たせたシャープネス判定手段を備えている。なお、前述の特許文献3での鮮鋭度評価方法は、以下に示す非特許文献2で、ガウス性雑音、インパルス性雑音が混在する混合雑音で劣化した画像信号の復元に利用される形式であることが知られている。
【0015】
これら従来技術での鮮鋭度は、シャープネスの強さ(シャープネス強度)の主観評価値と高い相関が得られる。
【0016】
【特許文献1】
特許第2692531号公報
【特許文献2】
特許第2611723号公報
【特許文献3】
特開平10−200756号公報
【非特許文献1】
三宅洋一:テレビジョン学会誌,43,11(1989)
【非特許文献2】
Y.H.Lee, S.A.Kassam, Generalized median altering and related non-linear altering techniques, IEEE Trans.Acoust., Speech & Signal Process.,vol.ASSP-33, no.3, pp.672-683, June 1987.
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した各従来技術は、シャープネスの強さ(シャープネス強度)の主観評価に対して相関が認められるもののシャープネスの自動調整において本来測定すべきシャープネス嗜好度に対して主観評価の相関が取れないという問題が存在する。つまり、上記した各従来技術では、シャープネス阻害量の計測手段がないため、シャープネス嗜好度が不定であるという問題を有している。このため、上記した従来技術では、シャープネスが強くかかり過ぎ、不快と感じる領域を解消できない。
【0018】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を得ることができ、シャープネスの自動調整を可能とする画像処理装置、画像処理方法、及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
[画像処理装置]
かかる目的を達成するために、本発明に係る第1の画像処理装置は、入力画像のシャープネスを補正する画像処理装置であって、注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正する補正手段と、前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定する部分阻害判定手段と、入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測する強度値計測手段と、前記部分阻害判定手段により判定された画質阻害と、前記強度値計測手段により計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する補正量調整手段と、前記部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するオーバシュート量又はアンダーシュート量を計測する部分オーバシュート量/アンダーシュート量計測手段とを有し、前記部分阻害判定手段は、前記オーバシュート量又はアンダーシュート量に基づいて、この部分画像の阻害量を計測する
【0020】
本発明に係る第2の画像処理装置は、入力画像のシャープネスを補正する画像処理装置であって、注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正する補正手段と、前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定する部分阻害判定手段と、入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測する強度値計測手段と、前記部分阻害判定手段により判定された画質阻害と、前記強度値計測手段により計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する補正量調整手段と、前記部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するクリッピングによるリンギング量を計測するリンギング計測手段とを有し、前記部分阻害判定手段は、前記リンギング量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測する。
【0025】
好適には、前記入力画像の中から、肌又は無彩色の画像領域を検出する特定画像領域検出手段と、検出された肌又は無彩色の画像領域が前記入力画像全体に占める割合が既定値以上である場合に、前記補正手段が肌又は無彩色の画像に適したシャープネスの補正処理を入力画像全体に施すよう制御する制御手段とをさらに有する。
【0026】
好適には、前記強度値計測手段により計測されたシャープネス強度値が既定値以下の場合に、前記補正手段による補正処理を禁止する制御手段
をさらに有する。
【0027】
好適には、前記補正量調整手段は、前記入力画像の画像サイズ又は解像度にさらに応じて、補正係数を調整する
【0028】
好適には、前記補正量調整手段は、出力される画像の画像サイズ又は解像度にさらに応じて、補正係数を調整する
【0030】
[画像処理方法]
また、本発明に係る第1の画像処理方法は、入力画像のシャープネスを補正する画像処理方法であって、注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正し、補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するオーバシュート量又はアンダーシュート量を計測し、計測された前記オーバシュート量又はアンダーシュート量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定し、入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測し、前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する。
また、本発明に係る第2の画像処理方法は、入力画像のシャープネスを補正する画像処理方法であって、注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正し、補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するクリッピングによるリンギング量を計測し、計測された前記リンギング量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定し、入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測し、前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する。
【0032】
[プログラム]
また、本発明に係る第1のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正するステップと、補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するオーバシュート量又はアンダーシュート量を計測するステップと、計測された前記オーバシュート量又はアンダーシュート量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定するステップと、入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測するステップと、前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整するステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
また、本発明に係る第2のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正するステップと、補補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するクリッピングによるリンギング量を計測するステップと、計測された前記リンギング量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定するステップと、入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測するステップと、
前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整するステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0034】
【発明の実施の形態】
[実施形態]
まず、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態は、画像処理装置での空間補正を含む、シャープネス調整処理に係わるものであり、システム系の線形性を仮定したシステム伝達関数(MTF)などで記述する処理手法に限定されないものである。
【0035】
本実施形態の基本概念は、画像の明度情報や輝度情報から微分画像を生成し、この微分画像に応じて処理内容を変更する点にある。より詳細には、生成した微分画像の強度分布形状を数値化し、これよりシャープネス強度の計測値と、シャープネス阻害量の計測値とを求め、更に、これら2種の計測量からシャープネス嗜好度を求め、このシャープネス嗜好度に応じて処理内容を変更することで、人間の視覚特性が考慮されたシャープネス補正を自動的に行う点にある。
【0036】
ここで、シャープネス強度とは、シャープネスの強さを表す値であり、特徴量として求めてもよい。また、シャープネス阻害量とは、シャープネス強調により発生する画質阻害要因の量である。すなわち、シャープネス阻害量は、シャープネスの良好さを阻害する量、又は、劣化した量を表す値であり、特徴量として求めてもよい。また、シャープネス嗜好度とは、シャープネスの好ましさを表す値であり、画質向上要因と画質阻害要因とを総合的に判断して求められる値である。このシャープネス嗜好度は、特徴量として求めてもよい。
【0037】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明にかかる画像処理方法が適応されるプリンタ装置8のハードウェア構成を、その制御装置82を中心に例示する図である。
図1に示すように、プリンタ装置8は、制御装置82およびプリンタ装置本体80から構成される。
制御装置82は、CPU822およびメモリ824などを含む制御装置本体820と、通信装置840と、HDD・CD装置などの記録装置860と、LCD表示装置あるいはCRT表示装置およびキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)880とから構成される。
プリンタ装置8は、ディジタルスチルカメラ等で撮影されたディジタル画像信号を、通信装置840または記録装置860を介して取得し、シャープネスの補正処理を行い、シート上に印刷する。また、プリンタ装置8は、コンピュータ端末上で画像処理されたディジタル画像信号を取得し、シャープネス補正処理した後に印刷してもよい。
【0038】
[画像処理プログラム]
図2は、制御装置8(図1)により実行され、本発明にかかる画像処理方法を実現する画像処理プログラム10の概略構成を示す図である。また、図3は、図2に示す各構成の動作を説明するフローチャートである。
図2に示すように、画像処理プログラム10は、画像信号取得手段100、シャープネス計測手段200、シャープネス処理係数決定手段300、シャープネス処理手段400、及び画像信号出力手段500を有して構成される。
【0039】
この構成において、画像信号取得手段100は、通信装置840又は記録装置860を介して、自然画を含んだディジタル画像をRGB色空間の画像信号として取得し、シャープネス計測手段200及びシャープネス処理手段400に対して出力する。
また、画像信号取得手段100は、画像信号と共に、これに添付された付加情報を取得してもよい。付加情報は、画像に関する付加的な情報であり、例えば、撮影条件や撮影状況等を示す情報である。本実施形態における画像信号取得手段100は、チャンク情報又はタグ情報(付加情報)として所定のフォーマット(例えば、EXIF)で画像信号に添付された状態で付加情報を取得し、シャープネス計測手段200及びシャープネス処理手段400に対して出力する。シャープネス計測手段200及びシャープネス処理手段400に対して出力された付加情報(以下、タグデータ)は、画像の解像度及び画像サイズなどを示す情報として利用される。なお、EXIF形式の付加情報は、ディジタルスチルカメラ画像形式に限らない。
【0040】
なお、本実施形態において、画像信号取得部100に入力される画像信号は、もとの状態の画像信号(入力画像)だけでなく、最適な出力条件を求める際に得られた途中経過のディジタル画像であってもよい。さらに、この他にも、少なくとも入力画像信号の計測結果と同程度以上の良好なディジタル画像であれば如何なるものも適用することが可能である。
【0041】
シャープネス計測手段200は、画像信号取得手段100から入力された画像信号に基づいて、画像のシャープネス嗜好度を計測し、シャープネス処理係数決定手段300に対して出力する。
シャープネス処理係数決定手段300は、シャープネス嗜好度に基づいて、シャープネス処理係数を決定し、シャープネス処理手段400に対して出力する。また、シャープネス処理係数決定手段300は、シャープネス嗜好度と、画像信号取得手段100から入力されたタグデータとに基づいて、シャープネス処理係数を決定してもよい。
シャープネス処理手段400は、シャープネス処理係数決定手段300から入力されたシャープネス処理係数に応じて、画像のシャープネス強度を変更する補正処理を行い、画像信号出力手段500に対して出力する。
画像信号出力手段500は、プリンタ本体80のプリンタエンジン(不図示)、UI装置880、又は通信装置840等を制御して、画像信号を出力させる。
【0042】
次に、画像処理プログラム10の全体の動作(S10)を説明する。
図3に示すように、画像処理プログラム10において、画像信号取得手段100は、通信装置840又は記録装置860を介して、入力画像の画像信号(RGB)と、タグデータとを取得し、シャープネス計測手段200及びシャープネス処理手段400に対して出力する(ステップS11)。
シャープネス計測手段200は、画像信号取得手段100から入力された画像信号(RGB)に基づいて、シャープネス強度値及びシャープネス阻害量を計測し、これらを数値結合したものをシャープネス嗜好度としてシャープネス処理係数決定手段300に対して出力する(ステップS12)。
シャープネス処理係数決定手段300は、シャープネス計測手段200から入力されたシャープネス嗜好度と、シャープネス計測手段200を介して画像信号取得手段100から入力されたタグデータとに応じて、シャープネス処理係数を決定し、シャープネス処理手段400に対して出力する(ステップS14)。
シャープネス処理手段400は、シャープネス処理係数決定手段300から入力されたシャープネス処理係数に応じたシャープネス補正量で、画像信号取得手段100から入力された画像信号(RGB)を補正して、補正後の画像信号(R’G’B’)を画像信号出力手段500に対して出力する(S16)。
【0043】
画像信号出力手段500は、シャープネスの補正処理が既定回数以上行われたか否かを判断し、補正処理が既定回数以上行われた場合に、S19の処理に移行し、これ以外の場合に、画像信号出力手段500は、画像信号(R’G’B’)を、記録装置860等を介して画像信号取得手段100に対して出力して、S12の処理に移行する。すなわち、補正処理が既定回数に満たない場合は、補正後の画像信号(R’G’B’)のシャープネス嗜好度を計測し(S12)、これに基づいてシャープネス処理係数を再度決定し(S14)、再度決定されたシャープネス処理係数に基づいてシャープネス補正処理を行う(S16)。
画像信号出力手段500は、保持された複数の画像信号の中からシャープネス嗜好度が最も高いものを選択し、プリンタ装置本体80のプリンタエンジンを制御して、選択された画像信号をシート上に印刷させる。
【0044】
次に、図2に示された各構成とその動作をより詳細に説明する。
図4は、シャープネス計測手段200のより詳細な構成を示す図である。
図4に示すように、シャープネス計測手段200は、シャープネス強度出力手段210、シャープネス阻害量出力手段220、及びシャープネス嗜好度計測手段260を有して構成される。
また、シャープネス阻害量出力手段220は、第1の阻害量計測手段230、第2の阻害量計測手段240、及び第3の阻害量計測手段250を含む。
【0045】
[シャープネス強度値の計測]
図5は、シャープネス強度出力手段210(図4)のより詳細な構成を示す図である。
図5に示すように、シャープネス強度出力手段210は、入力された画像信号を少なくとも知覚的に等歩的な明度または輝度の画像信号に変換する明度・輝度信号変換手段212、画像信号に対し微分操作を施して微分画像信号を出力する帯域処理手段214、及び、微分画像信号からシャープネス強度値を計測するシャープネス強度計測手段216を有して構成される。
【0046】
明度・輝度信号変換手段212は、例えば、シャープネス計測手段200(図4)に入力された画像信号を、RGB色空間からYCrCb色空間の輝度信号(=0.30R+0.59G+0.11B)に変換する。ここで輝度信号は、sYCC色空間に準拠した輝度信号、三刺激値CIE XYZ、又はG信号だけでもよい。ただし、高精度の処理を行う場合には、明度・輝度信号変換手段212は、入力された画像信号を、CIELAB信号のL*及び主成分分析又はK−L変換した信号に変換することが望ましい。なお、上記に限定されず、本実施形態における明度・輝度信号変換手段212は、入力された画像信号を、明るさを表す信号であれば、知覚量の均等性と処理速度に応じて適宜選択される信号に変更してもよい。
【0047】
帯域処理手段214は、明度・輝度信号変換手段212から入力された画像信号に対して、画像信号に含まれる明度・輝度情報からシーン情報が少ない中高周波数帯域だけの信号(以下、これを微分画像信号という)を生成するための帯域処理を実行して、微分画像信号を生成する。従って、帯域処理手段112を微分画像信号生成手段ともいう。この帯域処理において、処理速度を考慮する場合、1次微分を適用するとよいが、像が暈ける現象の基本要因の1つである拡散仮定と視覚特性とが2次微分画像と深く関わるため、本実施形態の帯域処理手段214は、2次微分画像を生成する場合を具体例とする。なお、2次微分画像は、輝度画像信号fにアンシャープマスク(USM)フィルタ900(図6)を作用させて暈した輝度画像信号fbを生成し、もとの輝度画像信号fからこの輝度画像信号fbを除いて得られる輝度画像信号の絶対値であり、中高周波数成分だけの輝度画像信号Fxとして以下の(式1)で表すことができる。また、USMフィルタ900の一例を図6に示す。
Fx=|f−Fb|・・・(式1)
【0048】
シャープネス強度計測手段216は、帯域処理手段214から入力された微分画像信号を用いて、シャープネス強度値を計測し、シャープネス嗜好度計測手段260(図4)に対して出力する。例えば、シャープネス強度計測手段216は、以下の(式2)のように、微分画像信号における評価対象領域の強度値の総和ΣFxを評価対象領域の画素数Pで正規化し、正規化された値に任意の係数Kを乗算することでシャープネス強度値Sdを求め、これを出力する。なお、本実施形態では、正規化された値であるシャープネス強度値Sdを正規強度ともいう。また、シャープネス強度計測手段216は、上記における評価対象領域として、例えば、全画像領域、画素を間引いた領域、又は、注目している領域等を採用する。
Sd=K×ΣFx/P・・・(式2)
【0049】
このように、シャープネス強度出力手段210は、入力された画像信号に基づいてシャープネス強度値Sdを算出し、シャープネス嗜好度計測手段260に出力する。
【0050】
[シャープネス阻害量の計測]
阻害量出力手段220(図4)は、シャープネス計測手段200に入力された画像信号に基づいて、シャープネス阻害量を計測し、シャープネス嗜好度計測手段260に対して出力する。すなわち、第1の阻害量計測手段230、第2の阻害量計測手段240、及び第3の阻害量計測手段250は、それぞれ互いに異なる画質阻害要因により発生するシャープネス阻害量(第1のシャープネス阻害量、第2のシャープネス阻害量、及び第3のシャープネス阻害量)を計測する。
本実施形態では、この画質阻害量として、肌荒れ等、波形歪みによるリンギング、及び、クリッピングによるリンギングの3種類の画質阻害について、シャープネス阻害量を計測する。以下の説明では、肌荒れ等に起因するシャープネス阻害量を第1のシャープネス阻害量といい、波形歪みのリンギングに起因するシャープネス阻害量を第2のシャープネス阻害量といい、クリッピングでのリンギングに起因するシャープネス阻害量を第3のシャープネス阻害量という。
なお、本実施形態では、上記3種類のシャープネス阻害量を計測する形態を具体例として説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、上記3種類のシャープネス阻害量の1つ又は2つのみを計測してもよい。
【0051】
[第1のシャープネス阻害量]
第1のシャープネス阻害量は、シャープネス強度値が大きくなることで不快と感じる度合いを示す値であり、特徴量として求められてもよい。したがって、第1のシャープネス阻害量が関係する画像領域には、肌等の比較的急激な濃淡変化の少ない画像領域や、無彩色(彩度=0)近傍で構成される画像領域や、主題を表している画像領域等が適用される。これは、例えば人肌等は、ある一定のシャープネス度合いを超えると、これが肌荒れやシワ等として知覚され、不快感が増すためである。また同様に、均一な領域での粒状度やモトル(周波数0.4cycles/mm以下の振幅)も強度が増すことで、不快感が増すためである。さらに、無彩色近傍とは、彩度の値が低い値のグレイ軸であることを意味し、彩度0とは限らない。なお、シャープネス度合いとは、エッジ度合いや画像ノイズ等が複合した程度を表す、すなわちシャープネスの程度を表す値であり、特徴量としても求められる。
【0052】
図7は、第1の阻害量計測手段230(図4)の構成を示す図である。また、図8は、図7に示された各構成の動作を説明するフローチャートである。
図7に示すように、第1の阻害量計測手段230は、画像領域記憶手段232、明度・輝度変換手段212、帯域処理手段214、及び第1のシャープネス阻害量計測手段234を有する。なお、図7に示す各構成のうち、図5に示したものと実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
【0053】
画像領域記憶手段232は、画像信号における肌等の比較的急激な濃淡変化の少ない画像領域、無彩色(彩度=0)近傍で構成される画像領域、又は、主題を表している画像領域等を検出し記録する。なお、画像領域記憶手段232は、画像信号取得手段100により取得されたタグデータに基づいて、被写体の種類等を特定し、肌等の特定の画像領域を検出してもよい。
明度・輝度信号変換手段212は、画像領域記憶手段232により記録された画像領域毎に、入力された画像信号を少なくても知覚的に等歩的な明度または輝度の画像信号に変換する。
帯域処理手段214は、明度・輝度信号変換手段212から入力された画像信号に対し、画像領域記憶手段232により記録された画像領域毎に、微分操作を施して微分画像信号を出力する。
第1のシャープネス阻害量計測手段234は、帯域処理手段214により生成された微分画像信号に基づいて、第1のシャープネス阻害量を計測する。
【0054】
次に、図7に示された各構成の動作を説明する。
図8に示すように、画像領域記憶手段232は、入力された画像信号のエッジ抽出を行うことで、画像信号における肌等の比較的急激な濃淡変化の少ない画像領域、無彩色(彩度=0)近傍で構成される画像領域、又は、主題を表している画像領域等の特定の画像領域を検出し、これを記憶する(ステップS22)。すなわち、画像領域記憶手段232は、特定の画像領域を検出する特定画像領域検出手段と、この画像領域を記憶する特定画像領域記憶手段とを含んで構成される。
【0055】
明度・輝度信号変換手段212は、入力された画像信号(RGB)をYCrCb色空間の輝度信号(=0.30R+0.59G+0.11B)に変換し、帯域処理手段214は、この輝度信号に基づいて、画像領域記憶手段232に記憶された領域毎の微分画像信号を生成する(ステップS24)。
【0056】
第1のシャープネス阻害量計測手段234は、帯域処理手段214で生成された領域毎の微分画像信号に対して、図5に示すシャープネス強度計測手段216と同様の処理を行うことで、第1のシャープネス阻害量を求めるための周波数波数帯域での振幅の大きさ、即ち中高周波数帯域でのシャープネス強度値を計測する(ステップS26)。
さらに、第1のシャープネス阻害量計測手段234は、計測した振幅(シャープネス強度値)の大きさが所定の閾値(これを第1の閾値とする)以上であるか否かを判定し、第1の閾値以上であるシャープネス強度値のみを第1のシャープネス阻害量Siとしてシャープネス嗜好度計測手段260に出力する(ステップS28)。
なお、ここでの第1の閾値は、経験的に求められる値であり、画像信号における肌等の比較的急激な濃淡変化の少ない画像領域、無彩色(彩度=0)近傍で構成される画像領域、又は、主題を表している画像領域等において、不快感となる画像を限定できる程度の値である。例えば、第1の閾値は、Lab色空間に換算して色差1程度である。
【0057】
[第2のシャープネス阻害量及び第3のシャープネス阻害量の計測]
第2のシャープネス阻害量及び第3のシャープネス阻害量は、ディジタル画像において画素の強度値(画素値)が有限の離散値で表現されるために、フィルタ特性に対応できずに飽和して他の画素に影響が及ぼされることで生じる現象の度合いを示す値であり、特徴量として求めてもよい。具体的にはエッジ部の再現性を示し、特に、波形歪みにより生じたリンギング、オーバシュート、及びアンダーシュート等に起因する。なお、リンギングとは、過度の強調で起こる現象の1つであり、エッジ周辺で波打っているように観測されるもの(第2のシャープネス阻害量の原因)と、ディジタル値が上限、下限でクリッピングされ、応答がなくなるために発生するもの(第3のシャープネス阻害量の原因)とがある。いずれも、リンギングの計測量は、大きな強度値を示す画素の周辺画素の強度値などの強度分布から計測することで得られる。
【0058】
図9は、シャープネス強度値の強度分布を例示する強度分布図である。
本図の強度分布図は、大きな強度値を示す画素と、その周辺画素とを含めた画素群に関するものである。図9の強度分布図から分かるように、本実施形態ではリンギングをオーバシュートと同じ現象として扱う。このため、リンギングの計測量は、オーバシュート量Vos(及び、負の値のシャープネス強度値がある場合はアンダーシュート量Vus)を求めることで得られる。すなわち、第2のシャープネス阻害量は、強度値及び/又はオーバシュートが、所定の閾値(これを第2の閾値という)以上を示す強度値を、この画素の周辺画素で正規化することで求められる。なお、ここでの第2の閾値は、経験的に求められる値であり、急激な濃淡の変化を含むエッジ領域等におけるリンギングの現象を限定できる程度の値である。
【0059】
図10は、クリッピングによるリンギングを説明する強度分布図である。
第3のシャープネス阻害量は、例えば8bitで量子化した場合に、0−255で上限及び下限の少なくとも一方がクリッピングされ、応答できなくなる画素で発生するものであり、図9に示されたオーバシュート量として現れる。そこで、本実施形態では、第3の阻害量計測手段250は、強度値及び/又はオーバシュートが所定の閾値(これを第3の閾値という)以上であるシャープネス強度値を、クリッピングによる第3のシャープネス阻害量として求める。ここでの第3の閾値は、経験的に求められる値であり、急激な濃淡の変化を含むエッジ領域等におけるクリッピングに起因するリンギングの現象を限定できる程度の値である。
なお、図10(A)に例示するように、微分した強度値の正負が非対称となる現象として現れ、クリッピングによるリンギングが発生しない場合は、図10(B)に例示するように、微分したシャープネス強度値の正負が略対称になる。そこで、第3の阻害量計測手段250は、微分した強度値の正負の差分に基づいて、第3のシャープネス阻害量を計測してもよい。
【0060】
図11は、第2の阻害量計測手段240(図4)の構成を示す図である。また、図12は、図11に示された各構成の動作を示すフローチャートである。
なお、図11に示された各構成のうち、図5に示されたものと実質的に同一なものには、同一の符号が付されている。
また、第3の阻害量計測手段250は、本図に示された第2の阻害量計測手段240と実質的に同一な構成を有する。
図11に示すように、第2の阻害量計測手段240は、画像信号を輝度信号に変換する明度・輝度信号変換手段212と、帯域処理を施して微分画像信号を生成する帯域処理手段214と、生成された微分画像信号におけるシャープネス強度値を計測するシャープネス強度計測手段216と、計測されたシャープネス強度値の分布を記憶する強度分布記憶手段242と、シャープネス強度値の分布に基づいて第2のシャープネス阻害量(又は第3のシャープネス阻害量)を計測するシャープネス阻害量計測手段244とを有する。
シャープネス阻害量計測手段244は、例えば、シャープネス強度値の分布を用いてシャープネス強度値及び/又はオーバシュート量が基準値(第2の閾値又は第3の閾値)以上である画素を特定し、特定された画素のシャープネス強度値をこの画素の周辺画素で正規化し、正規化されたシャープネス強度値を第2のシャープネス阻害量としてシャープネス嗜好度計測手段260に対して出力する。
【0061】
この構成において、図12に示すように、まず、明度・輝度信号変換手段212、帯域処理手段214及びシャープネス強度計測手段216が、協働して、入力された微分画像信号におけるシャープネス強度値の絶対値の総和を計測する。強度分布記憶手段242は、計測されたシャープネス強度値が周辺画素のシャープネス強度値(これを以下、第4の閾値とする)より大きな画素(負の値のシャープネス強度値であれば周辺画素のシャープネス強度(これを以下、第5の閾値とする)より小さな画素)を特定する(ステップS32)。
次に、強度分布記憶手段242は、ステップS32で特定された画素と、この画素の周辺画素とのシャープネス強度値の差分を求め、当該画素とその周辺画素とを含む矩形領域のオーバシュート量Vos(又はアンダーシュート量Vus)を算出し、これを強度分布として記憶する(ステップS34)。
【0062】
次に、シャープネス阻害量計測手段244は、ステップS34で記憶された矩形領域について、正規化されたシャープネス強度値を算出する(ステップS36)。
さらに、シャープネス阻害量計測手段244は、ステップS34で算出された矩形領域毎のオーバシュート量Vos(又はアンダーシュート量Vus)が第2の閾値以上であるか否かを判定し、第2の閾値以上である矩形領域に関してはステップS36において算出されたシャープネス強度値を第2のシャープネス阻害量Srとして出力し、第2の閾値未満である矩形領域に関しては第2のシャープネス阻害量Srとして0を出力する(ステップS38)。
なお、第3の阻害量計測手段250は、図12に示された第2の阻害量計測手段240の動作と実質的に同一な動作を行い、ステップS38の処理においては、第3の閾値以上であるか否かを判定し、第5の閾値以上である矩形領域に関してはステップS36において算出されたシャープネス強度値を第3のシャープネス阻害量Soとして出力し、第2の閾値未満である矩形領域に関しては第2のシャープネス阻害量Soとして0を出力する。なお、ここでの第5の閾値は、経験的に求められる値であり、クリッピングによるリンギングの現象を限定できる程度の値である。
【0063】
なお、第1、第2及び第3のシャープネス阻害量を計測する領域は、入力された画像信号の全画像領域でなく、第1、第2又は第3のシャープネス阻害量が発生し易い領域に限定することができる。すなわち、第1のシャープネス阻害量の対象領域は、肌等の比較的急激な濃淡変化の少ない画像領域や、無彩色(彩度=0)近傍で構成される画像領域や、主題を表している画像領域等に限定することができ、また、第2及び第3のシャープネス阻害量の対象領域は、強度値が高い領域(例えばエッジ部分)に限定することができる。
また、シャープネス阻害量出力手段220は、第1、第2、及び第3のシャープネス阻害量を、線形和等の評価関数により数値結合してシャープネス嗜好度計測手段260に対して出力してもよい。
【0064】
[シャープネス嗜好度の計測]
シャープネス嗜好度計測手段260(図4)は、シャープネス強度出力手段210から入力されたシャープネス強度値と、シャープネス阻害量出力手段220から入力された第1、第2及び第3のシャープネス阻害量とに基づいて、シャープネス嗜好度を算出し、シャープネス処理係数決定手段300(図2)に対して出力する。例えば、シャープネス嗜好度計測手段260は、シャープネス強度値から、第1、第2及び第3のシャープネス阻害量に既定の重み付け係数を掛けて合算したものを引いて、シャープネス嗜好度を算出する。
【0065】
図13は、シャープネス嗜好度のグラフを例示する図である。図13(A)は、シャープネス強度値、第1のシャープネス阻害量、第2のシャープネス阻害量、及び第3のシャープネス阻害量の組み合わせと、シャープネス嗜好度との関係を示し、図13(B)は、シャープネス嗜好度向上因子とシャープネス強度値との関係(グラフ1)、及び、シャープネス嗜好度低下因子(数値結合されたシャープネス阻害量)とシャープネス強度値との関係(グラフ2)を示す。
図13(A)に示すように、ある程度シャープネス強度値が低い領域では、シャープネス強度値が増加すると、これに比例してシャープネス嗜好度も上昇する。しかしながら、あるシャープネス強度値に達すると、シャープネス嗜好度の上昇が抑えられ、所定の位置でピークに達すると、シャープネス嗜好度が減少傾向に転ずる。
これは、図13(B)に示すように、シャープネス強度値が高い領域では、第1、第2及び第3のシャープネス阻害量が発生し増加していくため、シャープネス嗜好度は低下し、視覚に対する不快感が増す。したがって、シャープネス嗜好度計測手段260は、入力されたシャープネス強度値と、上記の第1の閾値以上で検出した第1のシャープネス阻害量Siと、上記の第2の閾値以上のシャープネス阻害量Srと、第3の閾値以上のシャープネス阻害量Soとに基づいてシャープネス嗜好度を算出することにより、シャープネス阻害量を加味した画質評価が可能になる。
なお、図13で示した第1、第2及び第3のシャープネス阻害量の出現位置は、シャープネス強度やシャープネス嗜好度に対して一定ではなく、入力された画像信号の品質に依存して変化する。そのため、本実施形態の画像処理プログラム10は、図3に示したように、シャープネス嗜好度測定とシャープネス補正処理とを複数回行って、最適なものを選択することとしている。
【0066】
[シャープネス処理係数の決定]
シャープネス処理係数決定手段300(図2)は、シャープネス計測手段200から入力されたシャープネス嗜好度に基づいて、シャープネス処理係数を決定し、シャープネス処理手段400に対して出力する。なお、シャープネス処理係数は、入力された画像信号と比較して同等以上のシャープネス嗜好度が得られるように決定される。図13を用いて説明すると、シャープネス処理係数決定手段300は、シャープネス嗜好度が曲線の上部ピーク値近辺になるようにシャープネス処理係数を決定する。
【0067】
ただし、全ての画像に対して良好なシャープネス処理係数を一意に決定することは困難であるため、本実施形態のシャープネス処理係数決定手段300は、まず任意の値(例えばシャープネス嗜好度を示す曲線のピーク値や予め与えられた所定値)をシャープネス処理係数として決定する。次に、このシャープネス処理係数に基づいてシャープネス処理手段400が画像信号を処理し、この処理結果の調整済みの画像信号(R’G’B’)をフィードバックして、再度、処理後の画像信号についてシャープネス嗜好度を計測し、最適なシャープネス嗜好度が得られるまで、又は、所定の回数繰り返し、この過程において最も良好なシャープネス嗜好度が得られたシャープネス処理係数を最終的に採用する。
【0068】
この他にも、例えば目標とするシャープネス嗜好度と求められたシャープネス嗜好度との差分に基づいてシャープネス処理係数を決定するように構成してもよい。
【0069】
[シャープネス補正処理]
図14は、シャープネス処理手段400のより詳細な構成を示す図である。
図14に示すように、シャープネス処理手段400は、補正量調整手段410、シャープネス補正手段420、及びシャープネス阻害判定手段430を有する。また、シャープネス阻害判定手段430は、第1の阻害量計測手段230、第2の阻害量計測手段240及び第3の阻害量計測手段250を有する。なお、図14に示された各構成のうち、図4に示されたものと実質的に同一なものには、同一の符号が付されている。
【0070】
補正量調整手段410は、シャープネス処理係数決定手段300から入力されたシャープネス処理係数に基づいて、コンボリューションカーネルの各補正係数を決定し、シャープネス補正手段420に対して出力する。また、補正量調整手段410は、シャープネス阻害量判定手段430から入力されるシャープネス阻害量に応じて、各補正係数を調整し、再度シャープネス補正手段420に対して出力する。
【0071】
シャープネス補正手段420は、補正量調整手段410から入力される補正係数に基づいて、画像信号取得手段100から入力された画像信号のシャープネスを補正する。例えば、シャープネス補正手段420は、補正量調整手段410から入力された各補正係数を、コンボリューションカーネル内の参照画素の画素値に掛け合わせ、掛け合わせた結果を用いて注目画素の画素値を変更して、画像のシャープネスを変更する。
【0072】
シャープネス阻害判定手段430は、第1の阻害量計測手段230、第2の阻害量計測手段240及び第3の阻害量計測手段250を有し、シャープネス補正手段420が補正処理の時に用いるコンボリューションカーネル内の画素群について、第1、第2及び第3のシャープネス阻害量を計測し、補正量調整手段410に対して出力する。
例えば、シャープネス補正手段420が7×7のコンボリューションカーネルを用いる場合は、シャープネス阻害判定手段430の第1の阻害量計測手段230、第2の阻害量計測手段240及び第3の阻害量計測手段250は、7×7の画像領域毎に第1、第2及び第3のシャープネス阻害量を計測する。
なお、本実施形態のシャープネス阻害判定手段430は、各シャープネス阻害量を数値計測しているが、これらのシャープネス阻害発生の有無のみを判定してもよく、この場合には、補正量調整手段410は、シャープネス阻害発生の有無に応じて、補正係数を調整する。
【0073】
次に図14に示された各構成の動作を説明すると、まず、補正量調整手段410が、シャープネス処理係数決定手段300(図2)から入力されたシャープネス処理係数に基づいてコンボリューションカーネルの補正係数を決定すると、シャープネス補正手段420は、補正量調整手段410により決定された補正係数に応じて、画像のシャープネスを補正する。
シャープネス阻害判定手段430は、シャープネス補正手段420により補正された画像信号について、コンボリューションカーネル内で各種のシャープネス阻害量を計測し、補正量調整手段410に対して出力する。
補正量調整手段410は、シャープネス阻害判定手段430から入力されたシャープネス阻害量に応じて、補正係数を調整し、シャープネス補正手段420に対して出力する。シャープネス補正手段420は、補正量調整手段410により調整された補正係数を用いて、再度シャープネスを補正し、画像信号出力手段500(図2)に対して出力する。
なお、本例では、シャープネス処理係数に応じてシャープネス補正処理を行った後の画像信号について、シャープネス阻害量を計測する形態を説明したが、シャープネス補正手段420によりシャープネス処理がなされる前の画像信号について、シャープネス阻害判定手段410がシャープネス阻害量を計測し、計測されたシャープネス阻害量に応じて調整された補正係数に基づいて、シャープネス補正手段420が、シャープネス補正処理を行ってもよい。
【0074】
以上の説明したように、本実施形態では、入力されたディジタル画像信号に対して得られたシャープネス嗜好度に応じてシャープネス処理係数を変更するため、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を自動的に生成することができる。
【0075】
また、上記した構成は、ハードウェアで実現してもソフトウェアで実現してもよい。なお、ソフトウェアで実現する場合、一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に、上記を実現するためのプログラムが組み込まれて実行されてもよい。
【0076】
[変形例]
次に、上記実施形態の第1の変形例について説明する。
例えば、同一のシャープネス強調処理を行った場合であっても、入力画像の解像度が異なれば、シャープネス強調効果が異なる。また、出力する画像の大きさによって、人間が好ましいと感じるシャープネス強度が異なる。そこで、本変形例の画像処理プログラム10は、入力画像の解像度又は画像サイズと、出力画像の画像サイズ又は解像度とに応じて、シャープネス補正の程度を変更する。
具体的には、シャープネス処理係数決定手段300が、入力画像及び/又は出力画像の画像サイズ又は解像度に対応するシャープネス処理係数を備え、入力画像及び/又は出力画像の画像サイズ又は解像度に応じて、シャープネス処理係数を選択する。これにより、本変形例のプリンタ装置8は、入力画像及び/又は出力画像の画像サイズ又は解像度に最適なシャープネス処理係数でシャープネス補正処理を行うことができ、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を自動的に生成することができる。
なお、シャープネス処理係数決定手段300は、画像信号取得手段100から入力画像の画像サイズ又は解像度を示す情報を取得し、画像信号出力手段500から出力画像の画像サイズ又は解像度を示す情報を取得する。また、シャープネス処理係数決定手段300は、画像信号取得手段100から入力されたタグデータに基づいて、入力画像の画像サイズ又は解像度を特定してもよい。
【0077】
次に、第2の変形例について説明する。
人物を近距離で撮影したバストアップなど人の露出が多い撮影シーンの場合には、人物の周囲の画像を暈して人物像を浮かび上がらせることが意図されている場合が多く、人物以外の画像に対してシャープネスが要求されることが少ない。そこで、画像全体を肌専用のシャープネス処理手段で処理することで、処理コストを下げることが望ましい。
また、撮影時のピンボケ又は手ぶれにより、画像が基準以上に暈けている場合には、シャープネス強調処理を行っても不自然な画像になるだけなので、シャープネス補正処理を禁止して処理コストを下げることが望ましい。
そこで、第2の変形例における画像処理プログラム10は、人物画像の大きさと、画像全体のシャープネス強度とに応じて、シャープネス補正処理を制御し、補正処理の処理負荷を低減させる。
例えば、図15に示すように、画像処理プログラム10は、図2に例示した各構成に加えて、制御手段350を有する。
制御手段350は、画像領域記憶手段232(図7)により検出された肌の画像領域の大きさが基準以上である場合に、シャープネス処理手段400に対して肌の画像に対するシャープネス補正処理をこの画像信号全体に施すよう制御する。この場合の基準は、例えば、ポートレート画像であると判断できる程度の大きさである。
また、制御手段350は、シャープネス強度出力手段210により計測されたシャープネス強度値が基準以下の場合に、シャープネス処理手段400によるシャープネス補正処理を禁止する。この場合の基準は、例えば、画像全体が暈けていると判断できる程度のシャープネス強度値である。
【0078】
以上のように構成することで、本変形例のプリンタ装置8は、入力されたディジタル画像信号の肌再現を重視してシャープネス処理係数を変更するため、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を自動的に生成することができる。また、主題でない画像に対するシャープネス補正処理の負荷を低減させることができる。
さらに、シャープネス強調による画質向上が期待できない画像に対しては、シャープネス補正処理を禁止することにより、シャープネス補正処理の負荷を低減させることができる。
【0079】
以上説明したように、画像処理プログラム10によれば、入力された画像信号に応じて求められたシャープネスの阻害量及び強度値に基づいて適宜シャープネス処理係数を変更するため、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を得ることができ、シャープネスの自動調整を可能とする。
【0080】
また、画像処理プログラム10によれば、入力された画像信号に応じて求められたシャープネスの阻害量に基づいて適宜シャープネス処理係数を調整するため、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を得ることができ、シャープネスの自動調整を可能とする。
【0081】
また、画像処理プログラム10によれば、シャープネスの阻害量を計測するための要素にリンギング等の強度値が大きな領域で発生する現象が加えられるため、より的確にシャープネスの阻害量を計測することができ、これに伴い、より的確なシャープネス処理係数が求められる。
【0082】
また、画像処理プログラム10によれば、肌や無彩色や主題を表す特定の画像領域を考慮して、より的確にシャープネスの阻害量を計測することができ、これに伴い、より的確なシャープネス処理係数が求められる。
【0083】
また、画像処理プログラム10によれば、肌や無彩色や主題を表す特定の画像領域を考慮して、より的確にシャープネスの阻害量を計測することができ、これに伴い、より的確なシャープネス処理係数が求められる。
【0084】
また、画像処理プログラム10によれば、入力される画像信号を、処理し易い明度及び輝度信号よりなる画像信号に変換することができ、より効率よく的確なシャープネス処理係数を求め、好ましいシャープネスを有する出力画像を得ることが可能となる。
【0085】
また、画像処理プログラム10によれば、処理を要するデータ量が削減され、より効率よく的確なシャープネス処理係数を求め、好ましいシャープネスを有する出力画像を得ることが可能となる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる画像処理装置によれば、人間の視覚特性を鑑みて、好ましいシャープネスを有するディジタル画像を得ることができ、シャープネスの自動調整を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像処理方法が適応されるプリンタ装置8のハードウェア構成を、その制御装置82を中心に例示する図である。
【図2】制御装置8(図1)により実行され、本発明にかかる画像処理方法を実現する画像処理プログラム10の概略構成を示す図である。
【図3】図2に示す各構成の動作を説明するフローチャートである。
【図4】シャープネス計測手段200のより詳細な構成を示す図である。
【図5】シャープネス強度出力手段210のより詳細な構成を示す図である。
【図6】アンシャープマスクフィルタ900の一例を示す図である。
【図7】第1の阻害量計測手段230の構成を示す図である。また、図8は、図7に示された各構成の動作を説明するフローチャートである。
【図8】図7に示された各構成の動作を説明するフローチャートである。
【図9】シャープネス強度値の強度分布を例示する強度分布図である。
【図10】(A)は、クリッピングによるリンギングが発生した場合の強度分布図であり、(B)は、クリッピングによるリンギングが発生していない場合の強度分布図である。
【図11】第2の阻害量計測手段240の構成を示す図である。
【図12】図11に示された各構成の動作を示すフローチャートである。
【図13】(A)は、シャープネス強度値、第1のシャープネス阻害量、第2のシャープネス阻害量、及び第3のシャープネス阻害量の組み合わせと、シャープネス嗜好度との関係を示すグラフを例示し、(B)は、シャープネス嗜好度向上因子及びシャープネス嗜好度低下因子のグラフを例示する図である。
【図14】シャープネス処理手段400のより詳細な構成を示す図である。
【図15】第2の変形例における画像処理プログラム10の構成を示す図である。
【符号の説明】
8・・・プリンタ装置
80・・・プリンタ装置本体
82・・・制御装置
820・・・制御装置本体
822・・・CPU
824・・・メモリ
840・・・通信装置
860・・・記録装置
862・・・記録媒体
880・・・UI装置
10・・・画像処理プログラム
100・・・画像信号取得手段
200・・・シャープネス計測手段
210・・・シャープネス強度出力手段
212・・・明度・輝度信号変換手段
214・・・帯域処理手段
216・・・シャープネス強度計測手段
220・・・シャープネス阻害量出力手段
230・・・第1の阻害量計測手段
232・・・画像領域記憶手段
234・・・第1のシャープネス阻害量計測手段
240・・・第2の阻害量計測手段
242・・・強度分布記憶手段
244・・・シャープネス阻害量計測手段
250・・・第3の阻害量計測手段
260・・・シャープネス嗜好度計測手段
300・・・シャープネス処理係数決定手段
350・・・制御手段
400・・・シャープネス処理手段
410・・・補正量調整手段
420・・・シャープネス補正手段
430・・・シャープネス阻害判定手段
500・・・画像信号出力手段

Claims (10)

  1. 入力画像のシャープネスを補正する画像処理装置であって、
    注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正する補正手段と、
    前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定する部分阻害判定手段と、
    入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測する強度値計測手段と、
    前記部分阻害判定手段により判定された画質阻害と、前記強度値計測手段により計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する補正量調整手段と
    前記部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するオーバシュート量又はアンダーシュート量を計測する部分オーバシュート量/アンダーシュート量計測手段と
    を有し、
    前記部分阻害判定手段は、前記オーバシュート量又はアンダーシュート量に基づいて、この部分画像の阻害量を計測する
    画像処理装置。
  2. 入力画像のシャープネスを補正する画像処理装置であって、
    注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正する補正手段と、
    前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定する部分阻害判定手段と、
    入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測する強度値計測手段と、
    前記部分阻害判定手段により判定された画質阻害と、前記強度値計測手段により計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する補正量調整手段と、
    前記部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するクリッピングによるリンギング量を計測するリンギング計測手段と
    を有し、
    前記部分阻害判定手段は、前記リンギング量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測する
    画像処理装置。
  3. 前記入力画像の中から、肌又は無彩色の画像領域を検出する特定画像領域検出手段と、
    検出された肌又は無彩色の画像領域の前記入力画像全体に占める割合が既定値以上である場合に、前記補正手段が肌又は無彩色の画像に適したシャープネスの補正処理を入力画像全体に施すよう制御する制御手段と
    をさらに有する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記強度値計測手段により計測されたシャープネス強度値が既定値以下の場合に、前記補正手段による補正処理を禁止する制御手段
    をさらに有する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  5. 前記補正量調整手段は、前記入力画像の画像サイズ又は解像度にさらに応じて、補正係数を調整する
    請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正量調整手段は、出力される画像の画像サイズ又は解像度にさらに応じて、補正係数を調整する
    請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  7. 入力画像のシャープネスを補正する画像処理方法であって、
    注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正し、
    補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するオーバシュート量又はアンダーシュート量を計測し、
    計測された前記オーバシュート量又はアンダーシュート量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定し、
    入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測し、
    前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する
    画像処理方法。
  8. 入力画像のシャープネスを補正する画像処理方法であって、
    注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正し、
    補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するクリッピングによるリンギング量を計測し、
    計測された前記リンギング量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定し、
    入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測し、
    前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整する
    画像処理方法。
  9. コンピュータを含む画像処理装置において、
    注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正するステップと、
    補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するオーバシュート量又はアンダーシュート量を計測するステップと、
    計測された前記オーバシュート量又はアンダーシュート量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定するステップと、
    入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測するステップと、
    前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整するステップと
    を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
  10. コンピュータを含む画像処理装置において、
    注目画素の周辺にある参照画素の画像信号と、補正係数とを掛け合わせた結果に基づいて、この注目画素の画像信号を補正するステップと、
    補補正された前記参照画素および前記注目画素からなる部分画像内で、周辺画素よりも大きなシャープネスの強度値を有する画素を含む領域のこの周辺画素に対するクリッピン グによるリンギング量を計測するステップと、
    計測された前記リンギング量に基づいて、前記部分画像の阻害量を計測することにより、シャープネスの強調により発生する画質阻害を、前記部分画像について判定するステップと、
    入力画像の画像信号に基づいて、シャープネスの強度値を計測するステップと、
    前記判定された画質阻害と、前記計測された強度値とに応じて、前記補正係数を調整するステップと
    を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
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