JP2006163557A - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 画質低下を補正する処理に伴って生じる不都合を抑えることができなかった。また、少ないリソースで複数の処理を高速に実施することができなかった。
【解決手段】 画像を修整するにあたり、画像データを取得し、画像内の歪曲を示す歪曲データを取得し、同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う。また、周辺光量補正を行った画素を参照して補間処理を実施する。
【選択図】 図4

Description

本発明は画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
カメラなど、レンズを介して取得した光によって画像を形成する機器においては、レンズを介して画像を形成することに起因して画質の劣化が生じ得る。このような劣化としては、例えば、歪曲収差や周辺光量の低下が挙げられる。従来からこのような劣化を補正するための技術として各種の技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−156785号公報
従来の技術においては、画質低下を補正する処理に伴って生じる不都合を抑えることができなかった。すなわち、ある劣化補正処理を行うと、その処理が目的とする要素を補正することができるとしても他の要素については画質の劣化を招くことがあった。また、劣化した画質を逐一補償するために複数の画像処理を行うと、処理速度が非常に遅くなってしまう。
例えば、上述の従来技術では、レンズ性能に起因する画質低下を補正するためにシャープネスの強調処理や歪曲補正処理を行っているが、歪曲補正処理においては、補間処理(電子変倍処理)を利用しており、歪曲が大きくなるほど補間前後の画素数の変動が大きくなるので、歪曲が大きくなるに従って鮮鋭度の低下を招いてしまう。また、従来のシャープネス強調処理や歪曲補正処理はレンズ性能に起因する画質低下の補正を実施するものであり、レンズ種に応じてシャープネスの強調処理程度を変更しても歪曲補正に伴って生じる鮮鋭度の低下を抑えることはできなかった。すなわち、上記歪曲補正に伴って生じる鮮鋭度の低下の程度は一つの画像内で異なるが、レンズ種に応じてシャープネスを変更したとしても、このような鮮鋭度の低下に的確に対応した鮮鋭度の強調を行うことができなかった。さらに、複数の画像処理を個別に行うと、処理速度の低下を抑えることができなかった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画質低下を補正する処理に伴って生じる不都合を抑えることが可能な画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、歪曲の補正を行うに際してシャープネス修整も同時に行う画像処理を採用する。また、歪曲の程度に対応した修整程度になるようにシャープネス修整を行う。この結果、歪曲の補正とともにシャープネス修整を行うことができ、複数の処理を高速に行うことができる。さらに、歪曲率に対応した修整程度になるようにシャープネス修整を実施するので、歪曲の補正に伴って鮮鋭度が低下することを防止することができる。
ここで、画像データは画像の内容を示すデータであれば良く、例えば、複数の画素によって画像を構成するとともに画素毎に色成分毎の階調値を特定するデータ等を採用可能である。むろん、色成分として3色以上の色成分を採用することによって多色を表現可能な画像データであっても良いし、無彩色等の単色成分で色を表現する画像データであっても良い。
歪曲データは、歪曲していない場合の画素の位置を算出可能なデータであれば良く、歪曲した場合と歪曲していない場合との変動を示すデータであればよい。例えば、ある基準位置から歪曲している場合の画素までの距離と当該基準位置から歪曲していない場合の画素までの距離の差分を基準の距離(例えば、歪曲していない場合の画素と基準位置との距離)にて除することで歪曲率を定義したデータを採用可能である。
むろん、歪曲データは、画像を構成する画素の総てについて定義することは必須ではなく、代表的な画素について歪曲データを定義し、他の画素の歪曲データについては補間等によって算出する構成を採用しても良い。また、歪曲の程度は、画像データを作成する際の条件、すなわち、画像を生成する際に使用するレンズおよび撮影条件に影響されるので、レンズの種類毎に複数の歪曲データを用意しても良いし、レンズと絞りと焦点距離とのいずれかまたは組み合わせに対応させて複数の歪曲データを用意しても良く、種々の構成を採用可能である。
また、歪曲データ取得手段は、上記画像データに対応した歪曲データを取得することができれば良く、上記画像データに歪曲データを付随させる構成を採用しても良いし、予め所定の記憶媒体に歪曲データを記憶しておき、上記画像データを作成する際の条件に対応した歪曲データを選択しても良い。歪曲データを選択するための構成は種々の構成を採用可能であり、上記画像データに画像の作成条件を示すデータを付随させるとともにこのデータを参照して歪曲データを選択したり、利用者の選択入力を受け付けることによって歪曲データを選択するなどの構成を採用可能である。
歪曲補正手段においては、シャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行い、かつ歪曲に対応した修整程度でシャープネスを修整することができればよい。シャープネス修整においては、画像データに含まれる色成分のいずれかあるいは組み合わせを修整することによってシャープネスを調整することができれば良く、修整の対象としてはRGB(レッド、グリーン、ブルー)等の色成分であっても良いし、明度,彩度,色相等の色彩値であっても良い。
歪曲補正においては、歪曲によって変動している画素の位置を修正することができれば良く、元の画像データに基づいて修正後の画素データを生成することができればよい。以上のような歪曲補正を行うための構成として、補間処理と共にシャープネスを修整する画像処理を採用することができる。補間処理は、補間によって形成される画素(以下被補間画素という)の周りに存在する画素(以下参照画素という)の情報に基づいて被補間画素を形成する処理である。
上記歪曲データによれば、ある位置(以下真の位置という)に配置されるべき画素が、歪曲によって画像データ内のどの位置(以下歪曲位置という)にあるのかを把握することができる。この歪曲位置は画像データにおける画素に重なるとは限らず、歪曲位置が各画素の間に相当することも多い。そこで、この歪曲位置を被補間画素の位置とすれば、補間によって上記真の位置にあるべき画素のデータを算出することができる。
補間と同時にシャープネス修整を実施可能な処理としては、例えば、バイキュービック補間を採用可能である。バイキュービック補間は、補間関数の係数を調整することによって補間結果として得られる画素と周りの画素との差異を調整することができるので、上記係数によってシャープネスの修整程度を調整することができる。むろん、ここでは、補間処理とともにシャープネスを修整することができれば良く、他にも各種の補間を採用することができる。
さらに、補間処理によって歪曲を補正する際の好適な構成例として、補間処理における補間率が大きくなるほどシャープネスの強調程度を強くする構成を採用するのが好ましい。ここで、補間率は補間前後の画素の増減の程度を表す指標であり、画素の増加量あるいは画素の減少量が多いほど大きな値である。補間処理は画素毎に実施され、一つの画素のみを考えると補間前後の画素の増減を定義しづらいが、ある画素とその周辺の画素とを同じ条件で補間することを仮定すれば、補間前後の画素の増減程度や倍率を把握することができ、これに基づいて補間率を定義することができる。
補間には補間後に画素数を増加させる拡大と補間後に画素数を減少させる縮小との2種類が存在するが、補間率は補間前後の画素の増減程度を示すので、補間によって拡大処理を行う場合、その拡大倍率(補間後の画素数/補間前の画素数)を補間率とすることができる。また、補間によって縮小処理を行う場合、その縮小倍率(補間後の画素数/補間前の画素数)の逆数を補間率とすることができる。
以上の定義において、補間率が大きくなると補間前後での画像データの変動が大きくなるので、補間後の画像におけるシャープネスが低下する傾向にあり、この低下を補償するためにシャープネス強調程度を強くする。具体的には、補間処理によって拡大を行う場合、拡大倍率が大きくなると、少ない画素数からより多くの画素数の情報を生成する必要があり、シャープネスを強調することなく補間を行うと、補間後の画素間で差異が生じにくく、画像のシャープネスが低下してしまう。また、縮小倍率の逆数が大きくなると多くの画素の情報からより少ない画素数の情報を生成する必要があり、シャープネスを強調することなく補間を行うと、元の画素にて表現されていた微妙な画素間の変化が均一化されてしまう。そこで、補間率が大きくなるほどシャープネスの強調程度を強くすることにより、上記鮮鋭度の低下を防止することが可能になる。
尚、ここでは、補間率の増加に対応してシャープネスの強調程度を強くすることができれば良く、補間率とシャープネスの強調程度(例えば、上記バイキュービック補間の係数)とを対応づけたデータを予め作成しておき、このデータを参照するなどの構成を採用すればよい。尚、補間率が大きくなることは、歪曲の程度が大きくなることと等価であるので、歪曲率に応じてシャープネス修整程度を調整する構成を採用しても良い。
画像の歪曲は、上述のようにレンズ性能に起因する画質低下であり、このような画質低下として、いわゆる周辺光量の低下が生じている場合も多い。そこで、歪曲補正と周辺光量補正とを実施できるように構成することが好ましい。このためには、画像内の光量低下を示す光量低下データを取得し、このデータに基づいて画像の光量、すなわち、明度を補正すればよい。
光量低下データは、画像を形成する光がレンズを通ることによって低下する光量を補償可能なデータであれば良く、一様な画像についてあるレンズを通して画像データを形成した場合に、ある位置における明度の低下を示すデータであればよい。例えば、一様な画像についてあるレンズを通して画像データを形成し、この画像データにおける基準位置(例えば、画像の中央)の画素の明度と他の位置の画素の明度との差分を基準位置の画素の明度にて除することで減光率を定義したデータを採用可能である。
むろん、光量低下データは、画像を構成する画素の総てについて定義することは必須ではなく、代表的な画素について光量低下データを定義し、他の画素の光量低下データについては補間等によって算出する構成を採用しても良い。また、光量低下の程度は、画像データを作成する際の条件、すなわち、画像を生成する際に使用するレンズおよび撮影条件に影響されるので、レンズの種類毎に複数の光量低下データを用意しても良いし、レンズと絞りと焦点距離とのいずれかまたは組み合わせに対応させて複数の光量低下データを用意しても良く、種々の構成を採用可能である。
また、光量低下データ取得手段は、上記画像データに対応した光量低下データを取得することができれば良く、上記画像データに光量低下データを付随させる構成を採用しても良いし、予め所定の記憶媒体に光量低下データを記憶しておき、上記画像データを作成する際の条件に対応した光量低下データを選択しても良い。光量低下データを選択するための構成は種々の構成を採用可能であり、上記画像データに画像の作成条件を示すデータを付随させるとともにこのデータを参照して光量低下データを選択したり、利用者の選択入力を受け付けることによって光量低下データを選択するなどの構成を採用可能である。
尚、一般的には画像の中央から遠ざかるほど光量低下程度が大きくなり、いわゆる周辺光量の低下が生じるが、むろん、光量低下程度は位置毎に定義することができ、位置に応じて一様に低下する構成が必須というわけではない。また、周辺光量を補正する際には、光量低下データに基づいて光量低下を補償することができれば良く、γ補正やオフセット、光量低下比率の逆比による補正等種々の補正を採用可能である。
さらに、歪曲補正と光量低下補正とを双方とも実施する際に、歪曲補正と光量低下補正とのいずれか一方が他方の補正に際して悪影響を与えないように構成することが好ましい。このためには、光量低下補正を歪曲補正より先に行うのが好ましい。すなわち、光量低下データは歪曲データと別個に定義され、歪曲の有無にかかわらず画像内の光量低下を定義している。しかし、歪曲補正は、上記補間等によって画像データに修整を行い、また、画素の位置を変更する処理がなされるので、歪曲補正を行った後の画素について直接的に光量低下データを適用することはできない。
そこで、先に光量低下データに基づいて光量低下補正を行えば、正しい光量低下データに基づいて光量低下補正を実施することができる。より具体的には、例えば、補間処理に際して参照する画素について光量低下補正を実施し、上記歪曲補正手段は当該光量低下補正を実施した画素を参照して歪曲の補正を実施する構成を採用すればよい。すなわち、この構成によれば、補間処理に影響されることなく光量低下補正を実施することができるし、光量が補正され、適正な光量となった画素に基づいて歪曲補正がなされることになる。
また、一つの画素について光量低下補正と歪曲補正とを実施するには、補間に際して参照する画素のみについて処理を行えばよい。従って、前もって画像データの総てについて光量低下補正を実施することなく、光量低下補正と歪曲補正とを実施することが可能である。補間に際して参照する画素は、通常、数個〜数十個(バイキュービックであれば16個)程度であるので、予め画像データの総てについて光量低下補正を実施する構成と比較して、非常に少ないバッファ容量で処理を完結することができる。このため、大きな容量のメモリを搭載できない装置(例えば、印刷装置)にて本発明における画像処理を行うことも可能である。
さらに、本発明における光量低下補正を実施する際に好適な構成例として、光量低下の補正に伴って彩度強調処理を実施する構成を採用するのが好ましい。すなわち、光量の低下が生じている場合には、光量の低下に伴って彩度の低下も生じることが考えられる。そこで、光量低下補正に伴って彩度の強調処理を行えば、彩度の低下も同時に補正することが可能である。
尚、上述のようにして補正を行った画像データに基づいて印刷を実行する印刷制御装置としても発明が成立する。すなわち、画像を示す画像データを取得してこの画像を印刷するに際して、上述の処理と同様の処理により補正を行い、補正後の画像データに基づいて画像を印刷すれば、画質低下を補正する処理に伴って生じる不都合を抑えながら画像を印刷することができる。
ところで、上述した画像処理装置や印刷制御装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上述した画像処理や印刷制御の手法は、方法としても適用可能であり、請求項8,請求項11にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
本発明を実施しようとする際に、画像処理装置や印刷制御装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。そこで、そのプログラムとしても本発明を実施可能であり、請求項9,請求項12にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。むろん、請求項2〜請求項7に記載された構成を上記方法やプログラムに対応させることも可能である。また、いかなる記憶媒体もプログラムを提供するために使用可能である。例えば、磁気記録媒体や光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。さらに、一次複製品、二次複製品などの複製段階についても同等である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)画像処理装置および印刷制御装置の構成:
(2)印刷制御処理:
(3)画像修整処理:
(4)他の実施形態:
(1)画像処理装置および印刷制御装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像処理装置および印刷制御装置の概略構成を示している。本実施形態ではコンピュータ10の機能の一部によって画像処理装置と印刷制御装置とが実現される。コンピュータ10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス10aを介してコンピュータ10全体の制御を行う。同システムバス10aには、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ14やUSBI/F15,図示しないCRTI/Fや入力機器I/F等が接続されている。
ハードディスクドライブ14には、ソフトウェアとしてオペレーティングシステム(OS)、画像処理を行うための画像処理ユーティリティ30やプリンタドライバ(PRTDRV)31等が格納されており、これらのソフトウェアは、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送される。CPU11は、RAM13を一時的なワークエリアとして適宜アクセスしながらOSの制御下で種々のプログラムを実行する。
入力機器I/Fには、キーボード16aやマウス16bが操作用入力機器として接続される。また、CRTI/Fには、表示用のディスプレイ17aが接続されている。従って、コンピュータ10では、キーボード16aやマウス16bによる操作内容を受け付け、また、ディスプレイ17aに各種情報を表示することが可能である。さらに、USBI/F15には、プリンタ20が接続されており、コンピュータ10が出力するデータに基づいて画像を印刷することが可能である。むろん、プリンタ20との接続I/FはUSBI/Fに限られる必要もなく、パラレルI/F,シリアルI/F,SCSI接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
本実施形態で使用するプリンタ20は、インクジェットプリンタであってもよいし、レーザープリンタであっても良く、各種のプリンタを採用することができる。いずれにしても、コンピュータ10ではプリンタ20にて解釈可能な印刷データを作成し、USBI/F15を介して出力する。プリンタ20では当該印刷データに基づいて画像を構成する各画素について記録材を記録することによって画像を印刷する。
(2)印刷制御処理:
CPU11は、上記画像処理ユーティリティ30およびPRTDRV31を実行することによって印刷を実行する。画像処理ユーティリティ30は、印刷を実行する際に、本発明にかかる歪曲補正と光量低下補正とのいずれかまたは双方を実施する機能を備えている。PRTDRV31は、画像処理ユーティリティ30による処理後の画像データに基づいて印刷を実行する。
図1においては、画像処理ユーティリティ30の機能ブロックを図示しており、図2は当該画像処理ユーティリティ30とPRTDRV31とによって実行される処理のゼネラルフローチャートを示している。図1に示すように、画像処理ユーティリティ30は、画像データ取得部30aとUI表示部30bと画像修整処理部30cとを備えている。
画像データ取得部30aは、ハードディスクドライブ14に保存された各種形式の画像データ14aを読み出すことが可能であり、画像データ14aを取得して(ステップS100)上記ディスプレイ17a上に印刷候補として表示させる。本実施形態において、画像データ14aは画像を構成する複数の画素毎にYCbCrの各色成分を256階調で表現し、この組み合わせで各画素の色を表現している。また、この画像データ14aは、予めデジタルスチルカメラ等の画像入力機器によって生成された画像データである。
むろん、画像を取得する際の構成としてはこのほかにも種々の構成を採用可能であり、上記画像入力機器とコンピュータ10とを接続し、画像入力機器に挿入された記録メディアから画像データを取得しても良い。また、画像データが記録された記録メディアをコンピュータ10のインタフェースに挿入し、この記録メディアから画像データを取得しても良い。いずれにしても、上記ステップS100における処理が上記画像データ取得手段における処理に相当する。
UI表示部30bは、ディスプレイ17a上にGUIを表示し、キーボード16aやマウス16b等の操作入力装置による操作入力を受け付けることによって、画像処理に必要な情報を取得する。すなわち、上記操作入力装置によってなされる印刷画像の選択を受け付け(ステップS105)、選択した画像に対する補正内容の指示を受け付ける(ステップS110)。ここで、補正の種類としては、上記歪曲補正と光量低下補正とが存在し、本実施形態におけるGUIでは、こららのいずれかまたは双方を実施するように選択することができる。
また、歪曲補正を行う際には、GUIによって後述する歪曲データ14bの中から補正に適用すべきデータを選択し、光量低下補正を行う際には、光量低下データ14cの中から補正に適用すべきデータを選択するようになっている。すなわち、これらのデータにおいては、画像を撮影する際に利用した焦点距離毎に歪曲率と減光率とが定義されているので、上記GUIによって焦点距離を選択することで、各データの中から適用すべきデータを特定する。
次に画像修整処理部30cは、上記ステップS100にて取得した画像データに対して、上記ステップS110にて指示された補正を実施する(ステップS115)。この処理の詳細は後述する。このようにして補正がなされた画像データはPRTDRV31に受け渡される。PRTDRV31は、当該受け渡された画像データの各画素について色変換処理を実行し、ハーフトーン処理を行い、プリンタ20にて使用される順序に並び替えつつプリンタ20に対して出力する(ステップS120)。この結果、プリンタ20においては、上記印刷画像データが示す画像を形成するように記録媒体上に記録材を形成する。
(3)画像修整処理:
次に、ステップS115における画像修整処理を詳述する。本実施形態においては、上記UI表示部30bの処理によって選択された画像処理のいずれかまたは双方を実施し、また、いずれの処理をも選択されなかったときには、双方とも実施しない。この処理を実行するため、本実施形態では、ハードディスクドライブ14に予め歪曲データ14bと光量低下データ14cと補間係数データ14dとを記録しておく。
図3は、歪曲データ14bと光量低下データ14cとの構成例を示す図である。歪曲データ14bは、画像の位置と歪曲率とを対応づけたデータであり、本実施形態においては、画像の中心からの距離X1とX2とにおける歪曲率を記述している。尚、歪曲率Rdは、以下の式(1)によって定義される。
Figure 2006163557
ここで、Ddは中心から歪曲した画素(歪曲位置)までの距離であり、Dtは中心から歪曲していない画素(真の位置)までの距離である。従って、いわゆる糸巻型歪みが生じている場合に歪曲率Rdは負の数になり、樽型歪みが生じている場合に歪曲率Rdは正の数になる。
また、歪曲率は、画像データ14aを撮影する際に使用するレンズによって異なるため、本実施形態においては、歪曲率と焦点距離(mm)とを対応づけている。例えば、焦点距離28mmにおいて、距離X1に対応する歪曲率はRd1、距離X2に対応する歪曲率はRd2である。尚、本実施形態におけるレンズは総て単焦点レンズであり、焦点距離によってレンズの種類が特定できるとして、焦点距離と歪曲率とを対応づけている。
むろん、歪曲データ14bとしては、他にも種々の構成を採用可能であり、レンズの種類や名称に対して歪曲率を対応づけても良いし、ズームレンズであれば、単一のレンズについて複数の焦点距離と歪曲率とを対応づけても良い。また、本実施形態では2つの距離(X1,X2)における歪曲率を歪曲データ14bとしているが、むろん、より多くの距離について歪曲率を定義しても良い。また、本実施形態における歪曲率は中心からの距離のみに依存しているが、むろん、中心からの距離のみではなく、画像の位置毎に歪曲率を定義しても良い。さらに、歪曲データ14bにおける歪曲率を初期値とし、利用者の選択等によって歪曲率を変更可能に構成しても良い。
光量低下データ14cは、画像の位置と減光率とを対応づけたデータであり、本実施形態においては、画像の中心からの距離Y1,Y2,Y3,Y4における減光率を記述している。尚、減光率Rmは、以下の式(2)によって定義される。
Figure 2006163557
ここで、Lmは基準の画像を撮影した場合に得られる明度の実測値であり、画像の中心からの距離毎に得られる実測値である。Ltは基準の画像を撮影した場合に得られる基準の明度である。
基準の明度は、光量の低下を比較するための基準となる明度であれば良く、本実施形態においては、画像の中心における明度の実測値である。むろん、レンズに起因する光量低下が生じなかった場合の明度を基準の明度としても良く、種々の基準を採用可能である。また、減光率は、画像データ14aの撮影条件によって異なるため、本実施形態においては、絞りと焦点距離(mm)との組み合わせに対して減光率を対応づけている。例えば、絞り3.5,焦点距離28mmにおいて、距離Y1に対応する減光率はRm1、距離Y2に対応する減光率はRm2、距離Y3に対応する減光率はRm3、距離Y4に対応する減光率はRm4である。
むろん、光量低下データ14cとしては、他にも種々の構成を採用可能であり、レンズの種類や名称に対して減光率を対応づけても良いし、ズームレンズであれば、単一のレンズについて複数の焦点距離と絞りとの組み合わせに減光率を対応づけても良い。また、本実施形態では4つの距離(Y1〜Y4)における減光率を光量低下データ14cとしているが、むろん、より多くの距離について減光率を定義しても良い。また、本実施形態における減光率は中心からの距離のみに依存しているが、むろん、中心からの距離のみではなく、画像の位置毎に減光率を定義しても良い。さらに、光量低下データ14cにおける減光率を初期値とし、利用者の選択等によって減光率を変更可能に構成しても良い。
補間係数データ14dは、後述する補間処理における補間率と補間関数における補間係数とを対応づけたデータである。本実施形態においては補間関数の補間係数を調整することによって補間時のシャープネス強調程度を変更可能であり、上記補間率の絶対値が大きくなるほどシャープネスの強調程度が大きくなるように予め決められている。より具体的には、本実施形態においてはバイキュービック法によって補間演算を行うこととしており、その補間関数は以下の式(3)で表現される。
Figure 2006163557
ここで、aは上記補間係数であり、tは被補間画素と参照画素との距離である。また、式(3)に示す補間関数は1次元の補間を行う関数であり、画像データにおける横方向と縦方向との補間を重畳することによって被補間画素の値(本実施形態ではYCbCrの各値)を算出する。尚、この式において、画像データにおける横方向に隣接する画素の距離および縦方向に隣接する画素の距離を”1”に規格化している。
また、本実施形態において補間率は、ある画素とその周りの画素を同じ比率で増減させたと仮定した場合の画素数の増減程度を示す値であり、拡大を実施する場合には”1/(1+Rd/100)”,縮小を実施する場合には”(1+Rd/100)”で定義される。補間係数データ14dは、この補間係数aと補間処理における補間率とを対応づけておけば良く、例えば、補間率”1”において補間係数を”-0.5”、補間率”10/9”において補間係数を”-1.0”とし、他の補間係数は拡大率に伴って補間係数がリニアに変化するように定義する。
むろん、補間係数の変動範囲を一定の範囲に制限しても良い。尚、上述のように、補間処理における補間率と歪曲率とは一対一に対応するので、歪曲率に対して補間係数を対応づけておいても良い。但し、ここでは、補間率あるいは歪曲率に対応してシャープネスの強度が変動するように構成する。すなわち、本発明においては、歪曲の程度に応じてシャープネスの強調程度を変動させることで、補間に伴う不都合(シャープネスの低下)を低減しているため、レンズ種等ではなく、補間率あるいは歪曲率に応じてシャープネスの強調程度が変動する必要がある。この構成によれば、レンズ種以外の要因による補間率の変動(例えば、複数個の補間率から任意の補間率を求める際の求め方や利用者が補間率を変更した場合の補間率の変動)に追従してシャープネスの強調程度を変動させることができる。むろん、本実施形態においては、補間と同時にシャープネス強調を実施し、かつその強調程度を調整できる補間関数を採用すれば良く、上記バイキュービックの他にも種々の補間関数を採用することができる。
図4は当該画像修整処理のフローチャートである。上述のようにUI表示部30bの処理によって歪曲補正と光量低下補正との実行指示を受け付けた後には、まず、画像の位置毎に歪曲率をするため、中心からの距離と歪曲率との対応関係を示す歪曲テーブルを算出する(ステップS200)。すなわち、上述のように歪曲データ14bは2つの距離について歪曲率を示すのみであるので、画像内の任意の距離について歪曲率を決定するため、補間処理を行う。本実施形態においては、上記ステップS200において歪曲データ14bを取得する処理が上記歪曲データ取得手段における処理に相当する。
図5は、補間によって歪曲テーブルを算出する処理を説明する説明図である。同図のグラフにおいて横軸は画像の中心からの距離、縦軸は歪曲率(%)を示している。このグラフに上記歪曲データ14bをプロットすると白丸のようになる。中心からの距離”0”において歪曲率が0%であると考え、グラフの左上の角と白丸とを利用してスプライン補間等の補間を実施すれば、図5に破線で示す曲線のように、任意の距離に対する歪曲率を算出することができる。そこで、本実施形態においては、各距離に歪曲率を対応づけたテーブルデータを歪曲テーブルとする。
次に、画像の中心からの距離と光量低下を補正するためのγ値との対応関係を示すγテーブルを算出する(ステップS205)。すなわち、上述のように光量低下データ14cは4つの距離について減光率を示すのみであるので、画像内の任意の距離について減光率を算出し、各距離について光量低下を補正するためのγ値を決定する。本実施形態においては、上記ステップS205において光量低下データ14cを取得する処理が上記光量低下データ取得手段における処理に相当する。
図6は、γテーブルを算出する処理を説明する説明図である。同図の左に示すグラフにおいて横軸は画像の中心からの距離、縦軸は減光率(%)を示している。このグラフに上記光量低下データ14cをプロットすると白丸のようになる。中心からの距離”0”において減光率が0%であると考え、グラフの左上の角と白丸とを利用してスプライン補間等の補間を実施すれば、図6の左側のグラフにて破線で示す曲線のように、任意の距離に対する減光率を算出することができる。
本実施形態においては、この減光率が明度の階調値の中央値(128)に対する値であると想定する。この想定の下では、光量が低下していない場合に明度が”128”となるべき画像データが減光によって”128×減光率”になっていると推定することができる。そこで、画像データにおいて”128×減光率”という値が、γ補正によって”128”に補正されるようにγ値を決定する。図6の右側のグラフは、中心からの距離Y3についてのγ補正を説明する説明図である。
すなわち、光量が低下していない場合の明度が”128”である一様な画像では、中心からの距離Y3の画素の明度が”128×Rm3”になっていると推定される。そこで、入力値”128×Rm3”に対する出力値が”128”となるように以下の式(4)によってγ値を算出する。
Figure 2006163557
この式は、上述のようにして算出した距離毎の減光率(図6左側のグラフ)に対して適用することができ、本実施形態においては、中心からの距離毎にγ値を算出する。当該距離毎のγ値は、各距離において光量低下を補正するためのγ値であるので、各距離毎のデータが上記γテーブルとなる。尚、光量低下を補正するためのデータを算出する構成は上述の構成に限られず種々の構成を採用可能である。例えば、式(4)に代入する階調値が上記階調値の中央値であることは必須ではないし、γ補正以外にもオフセットや減光率の逆数を乗じる補正であっても良い。但し、オフセットや減光率の逆数を乗じる補正では、高階調域で階調値が飽和するおそれがあるので、階調値の飽和を防止するためにはγ補正であることが好ましい。
歪曲テーブルとγテーブルとを作成した後には、上記UI表示部30bによって受け付けた指示が光量低下補正のみであるか否かを判別する(ステップS210)。同ステップS210にて、補正指示が光量低下補正のみであると判別されないときには、さらに、上記UI表示部30bによって受け付けた指示が歪曲補正のみであるか否かを判別する(ステップS215)。同ステップS215にて、補正指示が歪曲補正のみであると判別されないときには、さらに、上記UI表示部30bによって受け付けた指示が光量低下補正と歪曲補正との双方であるか否かを判別する(ステップS220)。
同ステップS220にて、補正指示が光量低下補正と歪曲補正との双方であると判別されないときには、以降の処理をスキップする。ステップS220にて補正指示が光量低下補正と歪曲補正との双方であると判別されたときには、光量低下補正と歪曲補正とを同時に処理する。このために、まず、上記ステップS200で作成した歪曲テーブルを参照し、注目画素の歪曲位置を取得する(ステップS225)。尚、本実施形態においては、上記画像データ14aのうち、一つの画素に注目して画像修整処理を行い、画像修整処理が終了したら注目画素を移動して同様の処理を続ける。
図7は、補正の様子を説明するための模式図である。同図において、左側には、糸巻型の歪曲が生じている画像を示している。歪曲テーブルには画像の中心Oからの距離に対応した歪曲率が定義されているので、例えば、注目画素を画素Ptとしたとき、この画素の位置を真の位置とすると、歪曲を受けた歪曲位置の画素は画素Pdであると判定することができる。すなわち、注目画素Ptと中心Oとの距離がlであるとき、注目画素Ptと中心Oとを結ぶ直線上で中心Oから距離”l×(1+Rd/100)”にある画素が歪曲位置の画素Pdである。
上記ステップS225にて注目画素の歪曲位置を取得すると、補間処理を実施する前に光量低下補正を実施する。すなわち、本実施形態においては、上述のようにバイキュービック法によって補間処理を行うので、補間の際に参照する参照画素は歪曲位置の画素Pdの周りに存在する16個の画素である。これらの参照画素について光量低下補正を行い、光量低下補正後の画素に基づいて補間処理を行えば、光量低下補正と歪曲補正とを同時に実施することが可能になる。
そこで、まず、上記ステップS205にて作成したγテーブルを参照し、歪曲位置の画素を補間するために参照する参照画素のγ値を取得する(ステップS230)。すなわち、注目画素Ptに対応する歪曲画素Pdの位置は、上記ステップS225にて特定されているので、ステップS230にて歪曲画素Pdの周囲に存在する16個の参照画素を特定するのは容易である。参照画素を特定すれば、各参照画素と中心Oとの距離を容易に特定することができるので、上記γテーブルを参照することによって各参照画素のγ値を取得することができる。各参照画素のγ値を取得したら、各参照画素の明度値Yに対して各画素のγ値にてγ補正を行い、光量低下補正を実施する(ステップS235)。
各参照画素について光量低下補正を実施した後には、上記補間係数データ14dを参照して補間率に応じた補間係数aを決定し、補間処理を実行する(ステップS240)。この補間係数aは、上述のように補間率が大きくなるほどシャープネスの強調程度が大きくなるように決められているので、この補間処理に際して補間率が大きくなるとしても画像のシャープネスを低下させることなく補間処理を実施することができる。
図7の右側は、一般的な補間処理において補間率が大きくなるとシャープネスが低下する傾向があることを示す説明図である。この図において、歪曲率が負の数である場合には、注目画素Ptに対応する歪曲画素Pdが注目画素Ptと中心Oとの間に存在する。歪曲率が正の数である場合には、注目画素Ptに対応する歪曲画素Pdが中心Oから注目画素Ptまでの直線の延長上に存在する。
歪曲率の絶対値が大きくなると歪曲画素Pdの位置が注目画素Ptから遠ざかることになり、補間率が大きくなる。すなわち、注目画素Ptを一つの頂点とする微小矩形S内の画素を考えると、歪曲画素Pdを一つの頂点とする微小矩形S'内の画素が対応する歪曲位置となる(歪曲率は中心からの距離によって定義されるため、微小矩形S内の画素に対応する歪曲画素が微小矩形S'内に含まれると厳密には言えないが、概略含まれると考えることができる)。
微小矩形Sと微小矩形S'とを比較すると、歪曲率”−50%”の場合に補間率”1/(1+Rd/100)”が2倍となり、これは微小領域の面積比S'/Sが”2”になることに対応している。同様に、歪曲率”−66%”の場合に補間率が3倍、歪曲率”50%”の場合に補間率”(1+Rd/100)”が1.5倍、歪曲率”100%”の場合に補間率が2倍となる。従って、歪曲率と補間率とは一対一に対応するとともに、歪曲率の絶対値が大きくなると補間率が大きくなる。
拡大処理の場合、補間率が大きくなる程、微小矩形Sに対応する微小矩形S'は小さくなるので、微小領域の画素に基づいてより広い領域の画素情報を生成する必要が生じる。従って、補間に際して隣接する参照画素間の差異を強調できないような補間処理を実施すると、補間処理後に画素同士の差異が目立たなくなる。また、縮小処理の場合、補間率が大きくなる程、微小矩形Sに対応する微小矩形S'は大きくなるので、広い領域の画素に基づいてより狭い領域の画素情報を生成する必要が生じる。従って、隣接する参照画素間の差異を強調できないような補間処理を実施すると、広い領域の画素で微妙な変化が表現されていたとしても、補間に際してその差異が均一化され補間処理後に画素同士の差異が目立たなくなる。
以上のように、単に補間を行うと、歪曲補正に伴ってシャープネスが低下するという不都合が生じる。しかし、本実施形態においては、補間率が大きくなる(歪曲率の絶対値が大きくなる)ほどシャープネスの強調程度が大きくなるように補間係数aを決定しているので、この不都合を生じさせることなく歪曲補正を実施することができる。尚、図7においては、説明の容易のために歪曲率を強調しているが、実際の歪曲率の絶対値は10%程度であることが多い。。
以上のようにステップS240にて補間処理を実施すると、補間によって得られた画素のデータで注目画素のデータを更新する(ステップS245)。従って、上記ステップS200において歪曲テーブルを算出する処理と、ステップS225,S240,S245における処理が上記歪曲補正手段に相当する。また、上記ステップS205においてγテーブルを算出する処理と、ステップS230,S235における処理が上記光量補正手段に相当する。
以上の処理によって注目画素について光量低下補正と歪曲補正とを実施したことになるので、続いて画像データ14aの総てを注目画素として処理を終えたか否か判別し(ステップS250)、総ての画素について処理を終了したと判別されなければ、注目画素を未処理の画素に変更し(ステップS255)、ステップS225以降の処理を繰り返す。ステップS250にて総ての画素について処理を終了したと判別されたときには、画像修整処理を終了する。
一方、上記ステップS210にて補正指示が光量低下補正のみであると判別されたときには光量低下補正のみを実施すれば良く、上記ステップS205にて作成したγテーブルを参照し、注目画素のγ値を取得(ステップS260)して、このγ値によってγ補正を行うことにより光量低下補正を行う(ステップS265)。そして、画像データ14aの総てを注目画素として処理を終えたか否か判別し(ステップS270)、総ての画素について処理を終了したと判別されなければ、注目画素を未処理の画素に変更し(ステップS275)、ステップS260以降の処理を繰り返す。ステップS270にて総ての画素について処理を終了したと判別されたときには、画像修整処理を終了する。以上の処理において、ステップS260,S265における処理は上記光量補正手段に相当する。
また、上記ステップS215にて補正指示が歪曲補正のみであると判別されたときには歪曲補正のみを実施すれば良く、上記ステップS200にて作成した歪曲テーブルを参照し、注目画素の歪曲位置を取得する(ステップS280)。歪曲位置を取得したら、上記補間係数データ14dを参照して補間率に応じた補間係数aを決定し、補間処理を実行する(ステップS285)。そして、画像データ14aの総てを注目画素として処理を終えたか否か判別し(ステップS290)、総ての画素について処理を終了したと判別されなければ、注目画素を未処理の画素に変更し(ステップS295)、ステップS280以降の処理を繰り返す。ステップS290にて総ての画素について処理を終了したと判別されたときには、画像修整処理を終了する。以上の処理において、ステップS280,S285における処理は上記歪曲補正手段に相当する。
以上のように、本実施形態においては、光量低下補正と歪曲補正とをそれぞれ単独で実施することができるし、双方を実施することもできる。但し、双方を実施する場合には、ステップS225〜S255の処理を実施しており、補間時に参照する参照画素に対して光量低下補正を実施する。従って、前もって光量低下補正を行い、光量低下補正がなされた画素についてさらに歪曲補正を行うという逐次処理を実施する必要がない。このため、処理に必要なバッファを非常に少なくすることが可能である。
(4)他の実施形態:
上記実施形態は本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムを実現する一例であり、むろん他の構成を採用することも可能である。上述の例では、汎用的なコンピュータによって画像修整を行い、印刷制御を行っていたが、むろん、画像修整や印刷制御を一台のコンピュータで実施しなくても良いし、印刷装置に組み込まれたコンピュータでこれらの処理を行っても良い。
また、デジタルスチルカメラや携帯電話など、印刷対象の画像を印刷装置に提供するコンピュータにおいて画像修整を行ったり、印刷制御を実施しても良い。さらに、処理を担うプロセッサはCPUなどの汎用プロセッサに限定されず、カスタムICでも良い。プリンタとしても、印刷装置単体であることが必須ではなく、スキャナやfaxなど複数の機能が組み込まれた複合機や複写機等であってもよい。
さらに、上記実施形態においては、画像処理ユーティリティを単体のプログラムとして提供していたが、むろんPRTDRVの機能として提供することもできるし、画像レタッチソフトウェア等のアプリケーションプログラムの機能として提供することもできる。
さらに、上記実施形態においては、光量低下補正や歪曲補正に伴ってさらに他の画像修整処理を実施することも可能である。例えば、光量低下が発生している画像においては、光量の低下とともに彩度の低下が生じやすい。そこで、光量低下補正を実施するとともに彩度強調処理を実施するのが好ましい。彩度強調としては、各種の構成を採用可能であり、例えば、以下の式によって彩度強調を実施可能である。
Figure 2006163557
ここで、Cb'は彩度強調後のCb値、Cr'は彩度強調後のCr値、Coは補正係数である。補正係数Coは予め決めても良いし、光量低下補正の程度に応じて決めても良い。例えば、上記γ値は光量補正程度を示すので、Coがγ値に依存するように定義しても良い。いずれにしても、光量低下補正に伴って彩度強調処理を実施すれば、光量補正に伴って彩度を強調し、より自然な画像になるよう補正することができる。
さらに、上記図4に示す処理の順序を変更することも可能である。例えば、上記ステップS200において歪曲テーブルを算出する処理は、歪曲補正の実施が指示された場合にのみ行うようにしても良い。また、上記ステップS205においてγテーブルを算出する処理は、光量低下補正の実施が指示された場合にのみ行うようにしても良い。
画像処理装置および印刷制御装置の概略構成図である。 印刷制御処理のゼネラルフローチャートである。 歪曲データと光量低下データとの構成例を示す図である。 画像修整処理のフローチャートである。 歪曲テーブルを算出する処理を説明する説明図である。 γテーブルを算出する処理を説明する説明図である。 本実施形態における補正の様子を説明するための模式図である。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスクドライブ、14a…画像データ、14b…歪曲データ、14c…光量低下データ、14d…補間係数データ、20…プリンタ、30…画像処理ユーティリティ、30a…画像データ取得部、30b…UI表示部、30c…画像修整処理部

Claims (12)

  1. 画像データを取得する画像データ取得手段と、
    画像内の歪曲を示す歪曲データを取得する歪曲データ取得手段と、
    同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う歪曲補正手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記歪曲補正手段は、画像を構成する画素の補間処理と共にシャープネスを修整する画像処理によって、画像が歪曲していない場合の画素を生成することを特徴とする上記請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記歪曲補正手段は、上記補間処理における補間率が大きくなるほどシャープネスの強調程度を強くすることを特徴とする上記請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 画像内の光量低下を示す光量低下データを取得する光量低下データ取得手段と、
    同光量低下データを参照し、上記画像データに対して光量低下の補正を行う光量補正手段とを備えることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 上記光量補正手段は、上記歪曲補正手段による歪曲補正の前に光量低下補正を行うことを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 上記光量補正手段は上記補間処理に際して参照する画素について光量低下補正を実施し、上記歪曲補正手段は当該光量低下補正を実施した画素を参照して歪曲の補正を実施することを特徴とする上記請求項請求項2〜請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 上記光量補正手段は、光量低下の補正に伴って彩度強調処理を実施することを特徴とする上記請求項4〜請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 画像を修整する画像処理方法であって、
    画像データを取得する画像データ取得工程と、
    画像内の歪曲を示す歪曲データを取得する歪曲データ取得工程と、
    同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う歪曲補正工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。
  9. 画像を修整する画像処理プログラムであって、
    画像データを取得する画像データ取得機能と、
    画像内の歪曲を示す歪曲データを取得する歪曲データ取得機能と、
    同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う歪曲補正機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
  10. 印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    印刷対象の画像を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、
    画像内の歪曲を示す歪曲データを取得する歪曲データ取得手段と、
    同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う歪曲補正手段と、
    歪曲補正がなされた画像データに基づいて上記画像を印刷させる印刷手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。
  11. 印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
    印刷対象の画像を示す画像データを取得する画像データ取得工程と、
    画像内の歪曲を示す歪曲データを取得する歪曲データ取得工程と、
    同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う歪曲補正工程と、
    歪曲補正がなされた画像データに基づいて上記画像を印刷させる印刷工程とを備えることを特徴とする印刷制御方法。
  12. 印刷装置を制御する印刷制御プログラムであって、
    印刷対象の画像を示す画像データを取得する画像データ取得機能と、
    画像内の歪曲を示す歪曲データを取得する歪曲データ取得機能と、
    同歪曲データを参照し、上記画像データに対して歪曲に対応した修整程度のシャープネス修整を行うとともに歪曲の補正を行う歪曲補正機能と、
    歪曲補正がなされた画像データに基づいて上記画像を印刷させる印刷機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。

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JP2016063493A (ja) * 2014-09-19 2016-04-25 キヤノン株式会社 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム

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