以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
(システムの全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、場内システム10、情報端末20、サーバー30、ETC車載器40、および決済システム50から構成される。場内システム10、情報端末20、サーバー30、および決済システム50はネットワークを介して接続され、各構成は有線または無線の各種通信方式によって通信可能である。ETC車載器40は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の所定の通信規格によって場内システム10の取得装置110と無線通信可能である。
場内システム10は、たとえば有料の駐車場内において各車両を駐車するための駐車エリアごとに設けられる。場内システム10には、取得装置110、検知装置120、および車両規制装置130が含まれる。
取得装置110は、ETCアンテナを備え、駐車エリアに入場する車両に搭載されたETC車載器40と、DSRC等の通信規格によって無線通信を行う。また、取得装置110は、カメラを備え、駐車エリアに入場する車両の画像を撮影する。
検知装置120は、各種のセンサーを備え、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことを検知する。
車両規制装置130は、車両の移動を規制する規制部を備え、駐車エリアへの車両の入場が検知された場合に、駐車エリアからの車両の出場を規制する。
情報端末20は、ユーザーが支払情報等の登録を行うための端末である。情報端末20は、たとえば、車両の運転者が使用するスマートフォン等の端末である。情報端末20は、ネットワークを介してサーバー30等と通信を行う。
サーバー30は、場内システム10の各構成、情報端末20、決済システム50等との間で各種情報を送受信する。
ETC車載器40は、車両に取り付けられ、所定の距離に近接した取得装置110との間で無線通信を行う。ETC車載器40は、挿入されたETCカードから各種情報を取得して取得装置110に送信する。
決済システム50は、銀行やクレジットカード会社等の決済機関(金融機関)または、それらの決済機関において決済を行うための各種業務を代行する決済代行業者に設置されるシステムである。
本実施形態では、サーバー30が入出場管理システムを構成する例について説明する。なお、サーバー30によって実行される処理は、取得装置110や検知装置120等の他の構成によって実行されてもよい。この場合、当該構成が入出場管理システムを構成する。また、サーバー30と他の構成が協働して動作し、サーバー30および当該他の構成が入出場管理システムを構成してもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
(取得装置110)
図2Aは、取得装置の概略構成を示すブロック図である。
図2Aに示すように、取得装置110は、制御部111、記憶部112、通信部113、ETCアンテナ114、およびカメラ115を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、各構成要素は、バスを介さずに直接ネットワークを介してサーバー30と接続されてもよい。
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御のほか、場内システム10の各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
記憶部112は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等を備える。
通信部113は、ネットワークを介して、他の端末や装置と通信するためのインターフェースを備える。通信部113は、たとえば、サーバー30と各種データ等の送受信を行う。
ETCアンテナ114は、所定の通信規格によってETC車載器40との間で無線通信を行うための構成である。取得装置110は、ETCアンテナ114を介して、ETC車載器40から、ETC車載器40を識別するための固有情報であるWCN(Wireless Call Number)に代表される車載器IDを取得する。また、取得装置110は、ETCアンテナ114を介して、ETC車載器40から、ETC車載器40に挿入されたETCカードを識別するための固有情報であるETCカード番号を取得する。ETCカード番号は暗号化された状態で取得され、たとえば上位のサーバー30に送信される前に復号化されうる。
カメラ115は、駐車エリアに入場する車両を撮影する。カメラ115によって撮影された画像を解析することによって、車両の車両番号(車両のナンバー)を示す情報が取得される。
(検知装置120)
図2Bは、検知装置の概略構成を示すブロック図である。
図2Bに示すように、検知装置120は、制御部121、記憶部122、通信部123、および検知部124を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、検知装置120が制御部121や記憶部122等を備えていない装置である場合には、検知部124は取得装置110の制御部111に接続する構成をとってもよい。
検知装置120の制御部121、記憶部122、通信部123は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
検知部124は、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことを検知するための構成であり、たとえば、ループコイル、レーザーライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)、カメラ等の各種センサーによって構成され得る。上記のような各種センサーは、それぞれ単体で使用されてもよく、あるいは複数のセンサーが組み合わせられて使用されてもよい。
たとえば、検知部124として車両の近接を電磁的に検知するループコイルが使用される場合、ループコイルは、たとえば車両が駐車エリアに入場する際、または車両が駐車エリアから出場する際に通行する車路の下部等に配置される。たとえば複数のループコイルを上記の車路に沿って配置して、それぞれのループコイルが車両の通過を検知したタイミングや順番を確認することによって、車両が駐車エリアに入場したか車両が駐車エリアから出場したかが判断される。たとえば駐車エリアに近い第1の位置と、第1の位置より駐車エリアから遠い第2の位置に1つずつループコイルを配置する場合、2つのループコイルが車両の通過を検知したタイミングに基づいて、第2の位置のループコイルが先に検知していれば車両が入場したと判断でき、第1の位置のループコイルが先に検知していれば車両が出場したと判断できる。
また、検知部124としてレーザーライダーが使用される場合、レーザーライダーは駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両を検知範囲に含む位置に設けられる。レーザーライダーによって取得された画像情報を解析することによって、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことが検知される。
また、検知部124としてカメラが使用される場合、カメラは駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両を撮影範囲に含む位置に設けられる。カメラによって連続的に撮影された画像(映像)を解析することによって、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことが検知される。画像(映像)の認識は、たとえば背景差分法や、機械学習を用いる方法等の公知の技術を用いて実施され得る。
なお、検知部124として使用され得るセンサーは、上記の例に限定されず、たとえば駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両に接触して車両の通過および通過方向を検知する接触式センサーや、通過する車両の重量によって車両の通過および通過方向を検知する重量センサー等が使用されてもよい。あるいは、駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両を検出可能な位置に設けられた赤外線センサーや音波センサー、地磁気センサー等が使用されてもよい。
(車両規制装置130)
図2Cは、車両規制装置の概略構成を示すブロック図である。
図2Cに示すように、車両規制装置130は、制御部131、通信部132、および規制部133を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、車両規制装置130が制御部131や通信部132を備えていない場合には、規制部133は取得装置110の制御装置と接続される構成をとってもよい。
車両規制装置130の制御部131、通信部132は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
規制部133は、車両の移動を規制するための構成である。規制部133は、たとえば駐車エリアの地面(床面)に配置され、駐車される車両の底部に向けて突出して車両の移動を規制するロック板によって構成される。規制部133は、たとえば駐車エリアへの車両の入場が検知された場合に、駐車エリアからの車両の出場を規制する。なお、規制部133の実現方法は上記の例に限定されず、車両の移動を規制可能な構成であれば、いかなる構成によって実現されてもよい。
(情報端末20)
図3は、情報端末の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24および操作受付部25を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。情報端末20の制御部21、記憶部22および通信部23は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
表示部24は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ等を備え、各種情報を表示する。操作受付部25は、タッチセンサーや、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を備え、ユーザーの各種操作を受け付ける。表示部24および操作受付部25は、表示部24としての表示面に、操作受付部25としてのタッチセンサーを重畳することによって、タッチパネルを構成してもよい。
(サーバー30)
図4は、サーバーの概略構成を示すブロック図である。図5は、サーバーの制御部の機能構成を示すブロック図である。図6は、サーバーにおいて記憶される情報の一例を示す図である。
図4に示すように、サーバー30は、制御部31、記憶部32および通信部33を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。サーバー30の制御部31、記憶部32および通信部33は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
図5に示すように、サーバー30の制御部31は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、検知部311、取得部312、登録部313、受付部314、および車両規制部315として機能する。また、制御部31は、場内システム10の各構成要素にある制御部に機能の一部を分散する構成としてもよい。
検知部311は、検知装置120の検知結果に基づいて、車両が駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する。
取得部312は、駐車エリアに入場する車両に設置されたETC車載器40の固有情報(車載器ID)、当該ETC車載器40に挿入されたETCカードの固有情報(ETCカード番号)、および当該車両の車両番号のうちの少なくとも一つを含む識別情報を、取得装置110から取得する。
登録部313は、検知部311によって車両の入場が検知された駐車エリアを識別するための駐車エリア情報と、取得部312によって取得された識別情報と、を関連付けて登録する。
受付部314は、車両のユーザーから、車両が駐車されている駐車エリアの駐車エリア情報の入力を受け付ける。また、受付部314は、ユーザーから、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報を含む顧客情報の入力を受け付ける。
車両規制部315は、検知部311において駐車エリアへの車両の入場が検知された場合に、駐車エリアからの車両の出場を規制するように車両規制装置130を制御する。
サーバー30は、受付部314として、ユーザーからの指示に基づいて上記の各情報を関連付けて登録するために、ユーザーが情報端末20を用いてアクセス可能な専用のウェブページを提供する。専用のウェブページは、たとえば駐車場ごとに異なるURLを用いて提供される。たとえば駐車場に設けられた無線LANネットワークにユーザーの情報端末20が接続すると、当該URLのウェブページが情報端末20に表示されるように設定される。これにより、駐車場を使用するユーザーは、容易にウェブページにアクセスして必要な情報を登録することができる。
次に、サーバー30の記憶部32に記憶される情報について説明する。
図6に示すように、サーバー30の記憶部32には、識別情報、支払情報、およびユーザー情報が関連付けられて記憶される。識別情報は、車両や車両のユーザー等を識別するための情報である。支払情報およびユーザー情報は、車両のユーザーおよび代金の支払方法に関する情報である。支払情報およびユーザー情報は、顧客情報を構成する。
識別情報には、車載器ID、ETCカード番号、および車両番号が含まれる。
支払情報には、クレジットカード情報、銀行口座情報、およびその他の決済スキームを利用するための各種情報が含まれる。支払情報は、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報として使用される。なお、支払情報には、車両が出場する際に、上記の代金を所定の方法で自動的に支払うことを許可することを示す情報も含まれる。
ユーザー情報には、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報、連絡先情報、および認証情報等が含まれる。ユーザー識別情報には、たとえば、氏名、住所、生年月日、性別、ニックネーム、免許証番号等が含まれる。連絡先情報には、たとえば、電話番号、メールアドレス、SNSや各種メッセージサービスのID等が含まれる。認証情報には、会員専用のウェブサイト等にアクセスするためのID、パスワード等が記憶される。
また、サーバー30の記憶部32には、各駐車場の各駐車エリアを識別するための駐車エリア番号(駐車区画番号)等の駐車エリア情報と、各駐車エリアに設けられている検知装置120を識別するための装置識別情報が関連付けられて記憶される。本実施形態において、取得装置110は、車両1台1台を駐車する駐車エリアごとに設けるか、複数の駐車エリアを受け持つ取得装置110が取得した情報と検知装置120が取得した情報を分析することで、車両が駐車された駐車エリアを識別することができる。
なお、記憶部32に記憶されるものとして説明した上記の情報は、サーバー30からネットワークを介して接続可能な外部ストレージに記憶され、必要に応じてサーバー30からアクセスして取得するように構成されてもよい。
(ETC車載器40)
図7は、ETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、ETC車載器40は、制御部41、記憶部42、通信部43、カード受付部44および出力部45を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。ETC車載器40の制御部41、記憶部42および通信部43は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
カード受付部44は、ETCカードの挿入を受け付ける。カード受付部44は、挿入されたETCカードから、ETCカード番号を含む各種情報を取得する。制御部41は、カード受付部44において取得された情報を、通信部43を介して取得装置110に送信する。
出力部45は、光や音声を出力する構成であり、たとえばETCカードの読み取り状態を表すインジケーターランプや音声案内を出力するスピーカー等によって構成される。
記憶部42には、無線の基地局としてETC車載器40を識別するための固有情報であるWCN(Wireless Call Number)に代表される車載器IDが記憶されている。したがって、取得装置110は、ETCアンテナ114を介してETC車載器40と無線通信を行う際に、ETC車載器40の車載器IDを取得することができる。
(決済システム50)
図8は、決済システムの概略構成を示すブロック図である。図9は、決済システムにおいて記憶されるETCカード番号に関連する情報の一例を示す図である。
図8に示すように、決済システム50は、制御部51、記憶部52および通信部53を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。決済システム50の制御部51、記憶部52および通信部53は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
決済システム50は、たとえば、銀行やクレジットカード会社等の決済機関(金融機関)、各種コード決済サービスを提供する決済機関、あるいは、それらの決済機関において決済を行うための各種業務を代行する決済代行業者に設置されるシステムである。サーバー30は、決済システム50との間で情報を送受信することによって、クレジットカード決済や銀行口座振込等によって駐車場の利用料の決済を実行することができる。
また、決済システム50は、ユーザーのETCカードに対応付けられたクレジットカードに関する情報と、ユーザーのETCカードが、ETCカードの発行者によって拒絶(無効設定)されているか否かを示す情報とを保有していてもよい。上記の情報は、決済システム50の記憶部52に記憶される。なお、決済システム50は、ETCカード番号に対応付けて拒絶情報を保有しなくてもよい。この場合、たとえばETCカード番号をクレジットカード情報に変換して、当該クレジットカードが拒絶されているか否かをクレジットカード会社に都度確認してもよい。
なお、システム1は、上記の構成以外の構成を含んでもよい。また、上記の各構成は、上述した構成要素以外の構成要素を含んでもよく、上述した構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。また、上記の各構成は、複数の装置によって構成されてもよく、一体的に構成されてもよい。また、ある構成が実施するものとして説明した機能を、他の構成が代わりに実施するようにしてもよい。
システムにおける処理の概要を説明する。
(処理概要)
図9および図10は、サーバーによって実行される入出場管理処理の手順を示すフローチャートである。図11は、図9のステップS102に示される駐車エリア情報と識別情報とを関連付けて登録する処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。図12は、図9のステップS106に示される駐車エリア情報を関連付けのキーとして顧客情報と識別情報とを関連付けて登録する処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。図9~12のフローチャートに示される処理は、サーバー30の記憶部32にプログラムとして記憶されており、制御部31が各部を制御することにより実行される。
図9および図10に示すように、サーバー30は、駐車エリアへの車両の入場を検知する(ステップS101)。具体的には、サーバー30は、検知装置120から送信される検知結果に関する情報に基づいて、駐車エリアへの車両の入場を検知する。
サーバー30は、ステップS101の処理において検知された車両について、当該車両が駐車された駐車エリアの駐車エリア情報を取得するとともに、取得装置110から識別情報を取得し、取得した駐車エリア情報と識別情報とを関連付けて登録する(ステップS102)。ステップS102の駐車エリア情報と識別情報とを関連付けて登録する処理について、図11を参照して詳細に説明する。
図11に示すように、サーバー30は、ステップS101で車両の入場が検知された駐車エリアの駐車エリア情報を取得する(ステップS201)。たとえば、サーバー30は、車両の入場を検知した検知装置120の装置識別情報を取得して、当該装置識別情報を用いて記憶部32に記憶されている情報を検索することによって、装置識別情報に予め関連付けられて記憶された駐車エリア情報を取得することができる。
サーバー30は、ステップS101で入場が検知された車両について、識別情報を取得する(ステップS202)。具体的には、サーバー30は、取得装置110を介して、車両のETC車載器40から取得した車載器ID、ETCカード番号、および車両の車両番号のうちの少なくとも一つを含む識別情報を取得する。取得装置110が、1つの駐車エリアに対して1つ設けられている場合には、検知装置120と同様に、取得装置110が設けられている駐車エリアを予めサーバー30に記憶しておくこと等によって、取得された識別情報がどの駐車エリアに駐車された車両から取得されたものであるかを判断することができる。一方、取得装置110が、複数の駐車エリアに対して1つ設けられている場合には、検知装置120によって入場が検知されたタイミングと、取得装置110によって識別情報が取得されたタイミングを比較することによって、取得された識別情報がどの駐車エリアに駐車された車両から取得されたものであるかを判断することができる。
サーバー30は、ステップS201において取得された駐車エリア情報と、ステップS202の処理において取得された識別情報とを関連付けて記憶部32に記憶し(ステップS203)、ステップS102の処理を終了する。
サーバー30は、ステップS102の処理において取得された識別情報に、顧客情報が関連付けられて登録されているか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、サーバー30は、記憶部32のデータベースを参照し、ステップS102の処理において取得された識別情報に、クレジットカード情報、銀行口座情報等の支払情報とユーザー情報とを含む顧客情報が関連付けられて記憶されているか否かを判断する。
顧客情報が登録されていない場合(ステップS103:NO)、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制するように制御する(ステップS104)。これにより、車両が駐車エリアに駐車され、車両の駐車エリアからの出場が規制されている状態となる。その後、ユーザーが駐車を終えて、車両を駐車エリアから出場させる際には、サーバー30は、以下のステップS105~S108の処理を実行する。
サーバー30は、ユーザーから専用のウェブページへのアクセスがあったか否かを判断する(ステップS105)。
アクセスがない場合(ステップS105:NO)、サーバー30は、ユーザーからのアクセスがあるまで待機する。
アクセスがあった場合(ステップS105:YES)、サーバー30は、ユーザーからの入力に基づいて、駐車エリア情報を関連付けのキーとして顧客情報と識別情報とを関連付けて登録する処理を実行する(ステップS106)。ステップS106の駐車エリア情報を関連付けのキーとして顧客情報と識別情報とを関連付けて登録する処理について、図12を参照して詳細に説明する。
図12に示すように、サーバー30は、ユーザーから、ユーザーが車両を駐車した駐車エリアを示す駐車エリア情報(駐車区画番号等)の入力を受け付ける(ステップS301)。たとえば、サーバー30は、車両を駐車した駐車エリアの駐車エリア情報をユーザーが入力するための画面示す情報を情報端末20に送信して、当該画面を情報端末20の表示部24に表示させる。ユーザーは、当該画面を見ながら操作受付部25を操作して駐車エリア情報を入力し、サーバー30に送信する。これにより、サーバー30は、駐車エリア情報の入力を受け付ける。
サーバー30は、ステップS301の処理において入力された駐車エリア情報に基づいて、当該駐車エリアの駐車料金を算出し、ユーザーの情報端末20に送信して表示させるとともに、ユーザーから顧客情報の入力を受け付ける(ステップS302)。たとえば、サーバー30は、ユーザーが支払情報やユーザー情報等の顧客情報を入力するための画面を示す情報を情報端末20に送信して、当該画面を情報端末20の表示部24に表示させる。ユーザーは、当該画面を見ながら操作受付部25を操作して顧客情報を入力し、サーバー30に送信する。これにより、サーバー30は、顧客情報の入力を受け付ける。
サーバー30は、ステップS301の処理において受け付けた駐車エリア情報と、ステップS203の処理において記憶部32に記憶されている駐車エリア情報とが一致する場合に、当該一致した駐車エリア情報に関連付けられて記憶部32に登録されている識別情報と、ステップS302の処理において受け付けられた顧客情報とを、関連付けて記憶部32に記憶する(ステップS303)。さらに、サーバー30は、登録された支払情報を用いて駐車料金を支払うための指示(支払指示)やその後の自動支払いを許可する指示を、ウェブページに表示される支払ボタンや自動支払い許可ボタンの押下等によって、ユーザーから受け付ける。サーバー30は、ユーザーから受け付けた支払指示や自動支払いを許可する指示の内容を、支払情報として記憶部32に記憶する。サーバー30は、ステップS106の処理を終了する。
サーバー30は、ユーザーによって記憶部32に支払情報の登録および支払指示の受け付けが完了しているか否かを判断する(ステップS107)。
完了していない場合(ステップS107:NO)、サーバー30は、ステップS106の処理に戻り、ユーザーからの入力を受け付ける。
完了している場合(ステップS107:YES)、サーバー30は、記憶部32に記憶されている支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行する(ステップS108)。支払処理が完了後、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制しないように制御する(ステップS109)。これにより、車両の駐車エリアからの出場が規制されていない状態となり、ユーザーは車両を駐車エリアから出場させることができる。
一方、ステップS103の処理において、支払情報が登録されていると判断された場合(ステップS103:YES)、サーバー30は、支払情報を用いた自動支払いに関する情報(自動支払いを許可することを示す情報)がユーザーによって記憶部32に登録されているか否かをさらに判断する(ステップS110)。
自動支払いに関する情報が登録されている場合(ステップS110:YES)、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制しないように制御する(ステップS111)。なお、予め車両規制装置130が車両の出場を規制しない状態となっている場合には、サーバー30は、車両規制装置130に制御指示を送信しなくてもよい。これにより、車両が駐車エリアに駐車されているが、車両の駐車エリアからの出場が規制されていない状態となる。本実施形態では、ユーザーによって支払情報および自動支払いに関する情報が登録されており、任意のタイミングでユーザーに駐車料金を請求できる状態を構築できているため、駐車料金が支払われないこと等を懸念して車両の出場を規制する必要がない。このとき、サーバー30は、たとえばユーザーの情報端末20に対して、出場時に自動支払いが行われるため支払処理を実行する必要はない旨や、自動支払いに使用される支払手段に関する情報を通知してもよい。また、当該通知により、出場時に登録された支払手段により自動支払いを行うかどうかを確認してもよい。
サーバー30は、検知装置120から送信される検知結果に関する情報に基づいて、駐車エリアからの車両の出場が検知されたか否かを判断する(ステップS112)。
車両の出場が検知されない場合(ステップS112:NO)、サーバー30は、車両の出場が検知されるまで待機する。
車両の出場が検知された場合(ステップS112:YES)、サーバー30は、記憶部32に記憶されている支払情報や、計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行する(ステップS113)。このとき、サーバー30は、たとえばユーザーの情報端末20に対して、駐車場名、駐車エリア、入庫日時、出庫日時、駐車料金、使用した支払手段等を示す情報を、利用証明情報として通知してもよい。
一方、ステップS110の処理において、自動支払いに関する情報が登録されていないと判断された場合(ステップS110:NO)、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制する制御する(ステップS114)。
サーバー30は、ユーザーから専用のウェブページへのアクセスがあったか否かを判断する(ステップS115)。
アクセスがない場合(ステップS115:NO)、サーバー30は、ユーザーからのアクセスがあるまで待機する。
アクセスがあった場合(ステップS115:YES)、サーバー30は、ユーザーから支払手段の選択および支払指示を受け付けるための画面を表示する(ステップS116)。
具体的には、サーバー30は、ユーザーが車両を駐車した駐車エリアを識別するための駐車エリア番号(駐車区画番号)の入力を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの入力を受け付ける。また、サーバー30は、ユーザーが使用する支払手段の選択を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの選択を受け付ける。支払手段の選択は、ユーザーが予め支払情報を登録している支払手段の中から受け付けてもよく、新たな支払手段としてユーザーから支払情報の入力を受け付けてもよい。新たな支払手段の支払情報が入力された場合は、サーバー30は、図9のステップS102の処理において取得されている識別情報と、ユーザーによって入力された支払情報とを関連付けて記憶部32のデータベースに登録する。さらに、サーバー30は、選択された支払情報を用いて駐車料金を支払うための指示(支払指示)を、ウェブページに表示される支払ボタンの押下等によって、ユーザーから受け付ける。
サーバー30は、ユーザーによる支払手段の選択および支払指示の受け付けが完了しているか否かを判断する(ステップS117)。
完了していない場合(ステップS117:NO)、サーバー30は、ステップS116の処理に戻り、ユーザーからの入力を受け付けるまで待機する。
完了している場合(ステップS117:YES)、サーバー30は、記憶部32に記憶されている支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行する(ステップS118)。支払処理が完了後、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制しないように制御する(ステップS119)。これにより、車両の駐車エリアからの出場が規制されていない状態となり、ユーザーは車両を駐車エリアから出場させることができる。
上記の実施形態によれば、以下のような効果が奏される。
サーバー30は、車両が所定の駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する検知部と、駐車エリアに入場する車両に設置された車載器の固有情報、車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号のうちの少なくとも一つを含む識別情報を取得する取得部と、検知部によって車両の入場が検知された駐車エリアを識別するための駐車エリア情報と、取得部によって取得された識別情報と、を関連付けて登録する登録部と、を有する。これにより、サーバー30は、駐車エリアに入場した車両に設置されたETC車載器40の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号のうちの少なくとも一つの情報を、車両が入場した駐車エリアの駐車エリア情報に関連付けて登録しておくことができる。したがって、車両が入場した駐車エリアの駐車エリア情報というユーザーが把握しやすい情報に基づいて、ETC車載器40の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号といった識別情報を容易に参照したり使用したりすることができるため、駐車場における駐車料金のキャッシュレス精算を簡易かつ確実に実行することができる。
また、サーバー30は、車両のユーザーから、当該駐車エリアの駐車エリア情報の入力を受け付ける受付部をさらに有し、受付部は、ユーザーから、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報を含む顧客情報の入力を受け付け、登録部は、受付部によって受け付けられた駐車エリア情報と登録部に登録されている駐車エリア情報とが一致する場合に、当該駐車エリア情報に関連付けて登録されている識別情報と、受付部によって受け付けられた顧客情報とを関連付けて登録する。これにより、ユーザーが容易に認識可能でありサーバーへの入力も容易な情報である駐車エリア情報をキーとして、ユーザーが認識したりサーバーに入力したりすることが困難な情報である識別情報を、サーバー30の記憶部から検索・抽出することができ、当該識別情報に対して、ユーザーの顧客情報を関連付けて登録することが容易となる。車両または車両のユーザーを識別するための識別情報に対して、ユーザーの支払情報を含む顧客情報を容易に関連付けて登録できることによって、車両または車両のユーザーに対して駐車料金等を自動的に課金する処理や、車両または車両のユーザーとの間で各種情報を送受信する処理等を容易に実行することが可能となる。
また、サーバー30は、駐車エリアへの車両の入場および駐車エリアからの車両の出場を規制可能な車両規制部315をさらに有する。これにより、たとえばユーザーの顧客情報(支払情報)や自動支払いの設定が登録されてない場合に、車両の出場を規制することができ、入出場管理を適切に行うことができる。
また、車両規制部は、検知部が駐車エリアへの車両の入場を検知した場合において、取得部によって取得された識別情報が登録部に登録されており、支払手段に関する情報として車両または車両のユーザーに課される代金を出場時に自動的に支払うことが登録されているときは、車両の駐車エリアからの出場を規制しない。これにより、ユーザーは、支払処理の実行や完了、車両規制装置130の規制解除動作の完了等を待つことなく、駐車エリアから即座に車両を出場させることができる。したがって、急いでいるユーザーを待たせたり、ユーザーに煩雑な操作を実行させたりすることをなくすことができ、駐車場のユーザー利便性を飛躍的に向上させることができる。
また、請求処理部は、車両規制部が駐車エリアに入場した車両に対して出場を規制しない場合において、検知部により車両が駐車エリアから出場したことが検知されたときは、登録された支払手段により代金を自動的に請求する。これにより、登録された支払手段によって代金が自動的に請求されるため、ユーザーにとっても手間がなく便利であり、駐車場の提供者にとっても請求漏れや誤請求をなくし、適切なユーザーに対して正しく自動的に請求することができるため、安心かつ便利である。
また、車両規制部は、検知部が駐車エリアへの車両の入場を検知した場合において、取得部によって取得された識別情報が登録部に登録されていないときは、車両の駐車エリアからの出場を規制する。これにより、識別情報が登録されていない場合は、車両の駐車エリアからの出場を規制することができるため、適切に駐車場の入出場管理を実行することができる。
また、車両規制部は、検知部が駐車エリアへの車両の入場を検知した場合において、取得部によって取得された識別情報が登録部に登録されており、支払手段に関する情報として車両または車両のユーザーに課される代金を自動的に支払うことが登録されていないときは、車両の駐車エリアからの出場を規制する。これにより、代金を自動的に支払うことが登録されていない場合は、車両の駐車エリアからの出場を規制することができるため、より適切に駐車場の入出場管理を実行することができる。
また、サーバー30は、車両の近接を電磁的に検知する複数のループコイルによる検知結果に基づいて車両の入場または出場を検知する。これにより、簡単な構成によって車両の入場または出場を正確に検知できる。
また、サーバー30は、所定の位置を撮影範囲に含むカメラによって撮影された画像の解析結果に基づいて車両の入場または出場を検知する。これにより、簡単な構成によって車両の入場または出場を正確に検知できる。
また、サーバー30は、所定の位置を検知範囲に含む光学センサーによる検知結果に基づいて車両の入場または出場を検知する。これにより、簡単な構成によって車両の入場または出場を正確に検知できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲内において、種々の変更や改良等が可能である。
たとえば、上記の実施形態においては、情報端末20は、ユーザーが所持する端末であるものとして説明した。しかしながら、情報端末20は、駐車場等に設置された共用の端末であってもよい。この場合、ユーザーが情報端末を所持していなくても、必要な情報の登録等の操作を実行することができる。
また、上述した実施形態に係るシステムの処理は、上述したフローチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。たとえば、図9のフローチャートでは、ステップS101の検知処理が行われてからステップS102(ステップS202)の識別情報取得処理が行われる例について説明したが、これに限定されず、S102(ステップS202)の処理が先に行われるようにしてもよい。
また、上述した実施形態に係るシステムの各装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記のプログラムは、たとえば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記のプログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの各装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。