JP2023063380A - 乗物用シートの補強構造 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、特許文献1のように、シートクッションフレームに連結された連結部材に固定される第一剥離防止部材と、横スライドレールを支持するフットブラケットに固定される第二剥離防止部材と、を係合させて、横スライドレールにおける固定レールと可動レールとの剥離を防止する技術が知られている。
前記シート支持部は、
前記乗物の床に設置され、かつ固定レールと可動レールとを備えて、前記クッションフレームを前記乗物の前後方向にスライド移動させるための左右一対の前後スライドレールと、
前記クッションフレームの下面に設けられ、かつ固定レールと可動レールと備えて前記クッションフレームを左右方向にスライド移動させる前後の横スライドレールと、
前記前後の横スライドレールのそれぞれにおける左右に設けられるとともに、下端部が前記左右一対の前後スライドレールに対して取り付けられて前記クッションフレームを支持する複数のフットブラケットと、
前記複数のフットブラケットのうち、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット同士を連結する連結部材と、を有しており、
前記剥離防止構造は、
前記クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、
前記シート支持部のうち前記連結部材によって連結された前後の前記フットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部と、を有しており、
前記上側剥離防止部と前記下側剥離防止部とが、前記前後の横スライドレールによる前記クッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っており、
前記上側剥離防止部は、前記クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されており、
チャイルドシートが装着される被装着部が、前記バックパイプフレームに溶接されており、
前記上側剥離防止部は、前記被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレームと、下端部が前記シートクッションに支持され、かつ背凭れとなるシートバックの骨格を形成するシートバックフレームと、前記クッションフレームを乗物の床上に支持するシート支持部と、前記クッションフレームと前記シート支持部との間に設けられた剥離防止構造と、前記クッションフレーム及び前記シートバックフレームに設けられたクッションパッドと、前記クッションパッドを覆う表皮と、を備えた乗物用シートの補強構造であって、
前記シート支持部は、
前記乗物の床に設置され、かつ固定レールと可動レールとを備えて、前記クッションフレームを前記乗物の前後方向にスライド移動させるための左右一対の前後スライドレールと、
前記クッションフレームの下面に設けられ、かつ固定レールと可動レールと備えて前記クッションフレームを左右方向にスライド移動させる前後の横スライドレールと、
前記前後の横スライドレールのそれぞれにおける左右に設けられるとともに、下端部が前記左右一対の前後スライドレールに対して取り付けられて前記クッションフレームを支持する複数のフットブラケットと、
前記複数のフットブラケットのうち、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット同士を連結する連結部材と、を有しており、
前記剥離防止構造は、
前記クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、
前記シート支持部のうち前記連結部材によって連結された前後の前記フットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部と、を有しており、
前記上側剥離防止部と前記下側剥離防止部とが、前記前後の横スライドレールによる前記クッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っており、
前記上側剥離防止部は、前記クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されており、
チャイルドシートが装着される被装着部が、前記バックパイプフレームに溶接されており、
前記上側剥離防止部は、前記被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
また、上側剥離防止部は、クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されているので、例えば上側剥離防止部を横スライドレールに固定する場合に比して、上側剥離防止部の固定強度を強固にしやすい。
また、上側剥離防止部は、チャイルドシートが装着される被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されているので、バックパイプフレームにおいて上側剥離防止部と被装着部とが設けられる付近の剛性を向上させることができる。これにより、被装着部に装着されるチャイルドシートの取付状態を向上させることができる。
さらに、例えばシートベルトが引っ張られ、上側剥離防止部が斜め前方向に変位しようとした場合に、フランジ形状の部位を、下側剥離防止部やその周囲に接触させて、変位量を抑制することができる。
なお、以下において、溶接により接合された箇所は、溶接部Wとして説明する。各図面においては、符号Wを付して説明する。
図1,図2において符号1は、人が着座する乗物用シートのシートフレームを示す。このシートフレーム1は、人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレーム2と、下端部がシートクッションに支持され、かつ背凭れとなるシートバックの骨格を形成するシートバックフレーム3と、クッションフレーム2に対してシートバックフレーム3を傾動させるためのリクライニング機構4と、乗物用シートを床上に支持するシート支持部5と、クッションフレーム2のシート支持部5からの剥離を防止する剥離防止構造6と、を備える。
なお、本実施形態における乗物用シートは、乗用車のシートとされている。ただし、これに限られるものではなく、バスやトラック等の他の自動車におけるシートでもよいし、鉄道や船舶、航空機等の自動車以外の乗り物におけるシートでもよい。
また、シートフレーム1は、図示はしないが、当該シートフレーム1を車体の前後方向にスライド移動(位置調整)させるための左右一対の前後スライドレールを介して、車体のフロアに設置されている。
クッションフレーム2は、図1~図7に示すように、互いに間隔を空けて配置された左右のクッションサイドフレーム20,21と、左右のクッションサイドフレーム20,21における後側端部間を連結するバックパイプフレーム22と、左右のクッションサイドフレーム20,21における前側端部間を連結するフロントパイプフレーム23と、を有する。
上側のフランジ201の先端部は、下方に向かって折り曲げられた折曲部201aとなっている。
ウェブ200の長さ方向中央部には、内側に向かって膨出し、かつ外側面(左側面)から見た場合に凹んだ状態となる補強凹部200aが形成されている。この補強凹部200aは、図5に示すように、図示しないシートベルトのアンカーポイント24(後述する)の近傍に配置された状態となっている。
左側分割体20aにおける上側のフランジ201と、右側分割体20bにおける上側のフランジ204は、当該右側分割体20bにおける上側のフランジ204が上側となるように重なり合っている。折曲部201aは、上述のように下方に向かって折り曲げられているため、右側分割体20bにおける上側のフランジ204から離間している。
左側分割体20aにおける下側のフランジ202と、右側分割体20bにおける下側のフランジ205は、当該右側分割体20bにおける下側のフランジ205が上側となるように重なり合っている。
なお、左側分割体20aにおける上側のフランジ201と、右側分割体20bにおける上側のフランジ204とを溶接によって接合する際に、重なり合うフランジ201,204同士の隙間に、溶接材料(母材)の流れ込みが発生する場合がある。このような場合に、互いに離間するフランジ204と折曲部201aとの間の隙間において、流れ込んだ溶接材料を受けることができるようになっている。
また、左側のクッションサイドフレーム20の後端部は、後述する第一ブラケット41の下部が差し込めるように上方に向かって開口している。
より具体的には、アンカーポイント24は、図示しないシートベルトの下端部を保持する保持具を留め付けるための箇所である。保持具はボルト等の留付具によってアンカーポイント24に留め付けられるようになっている。そのため、アンカーポイント24は、図6に示すように、左側のクッションサイドフレーム20を左右方向に貫通する貫通孔とされている。すなわち、貫通孔であるアンカーポイント24は、左側分割体20aと、右側分割体20bと、後述する第一ブラケット41とを貫通するようにして形成されている。保持具を留め付けるボルトは、貫通孔であるアンカーポイント24に通されて、先端にナット(図示せず)が設けられるようになっている。このナットは、クッションサイドフレーム20の内部の、アンカーポイント24に対応する箇所に設けられるものとしてもよい。
当該他方のクッションサイドフレーム21における後部側には、コ字型断面の内側面に沿って、断面コ字型構造の補強板21aが溶接等により一体的に取り付けられている。これにより、クッションサイドフレーム21の後部における十分な板厚を確保できるので、荷重のかかりやすいクッションサイドフレーム21の後部における剛性を向上できる。
なお、図示はしないが、右側のクッションサイドフレーム21には、3点式シートベルトのタングが装着されるバックルが設けられるものとする。バックルの固定位置には、図3に示すように、固定用のボルトがねじ込まれるナット25が設けられている。
バックパイプフレーム22の両端部は、左右のクッションサイドフレーム20,21をそれぞれ貫通するようにして設けられ、溶接により接合されている(溶接部W)。
そして、図7,図15等に示すように、被装着部22aの後面における右側端部及び上端における左右の端部がバックパイプフレーム22に対して溶接により接合され、後面における左側端部が、左側のクッションサイドフレーム20における右側面(すなわち、右側分割体20b)に対して溶接により接合されている(溶接部W)。換言すれば、この被装着部22aは、左側のクッションサイドフレーム20と、バックパイプフレーム22と、横スライドレール50における可動レール50bと、を連結している。
右側に位置する被装着部22bは、図1~図3に示すように、上面部と左右のフランジ部とからなるブラケットとして形成されており、上面部に対してワイヤー221が一体的に設けられている。このワイヤー221は、略U字型に折曲加工され、前方に向かって突出している。その突出方向及び突出長さは、左側に位置する被装着部22aにおけるワイヤー220と等しく設定されている。
そして、左右の被装着部22a,22bにおけるワイヤー220,221には、チャイルドシートの後部に設けられた左右のコネクタが引っ掛けられるようになっている。
より詳細には、フロントパイプフレーム23の左側端部23aは、左側のクッションサイドフレーム20における左側分割体20aのウェブ200と上下のフランジ201,202のそれぞれに対して溶接されている。また、フロントパイプフレーム23の右側端部23bは、右側のクッションサイドフレーム21におけるウェブ210と上下のフランジ211,212のそれぞれに対して溶接されている。
また、フロントパイプフレーム23は、左右の端部23a,23bから前方に向かうにつれて上向きに傾斜するようにして折曲加工されている。
続いて、シートバックフレーム3は、図1,図9~図14等に示すように、互いに間隔を空けて配置された左右のバックサイドフレーム30,31と、左右のバックサイドフレーム30,31における上端部間を連結するアッパーパイプフレーム32(コ字型に形成されたバックフレーム)と、左右のバックサイドフレーム30,31の下端部間を連結するロアパイプフレーム33(バックフレーム)と、を有する。
前側のフランジ301の先端部は、後方に向かって折り曲げられた折曲部301aとなっている。
凹部300aは、ウェブ300の下端部から上端部近傍にかけて、内側に向かって膨出し、かつ外側面(左側面)から見た場合に凹んだ状態となるように形成されている。
凹部300aが形成されるのに伴って、ウェブ300の前側縁部及び後側縁部には、凹部300aに対して外側(左側)に膨出した状態となる膨出部300b,300cが形成されている。
なお、前側の膨出部300bは、前側のフランジ301と一体形成されており、後側の膨出部300cは、後側のフランジ302と一体形成されている。
ウェブ303は、図1,図9,図11に示すように、凹部303aと、膨出部303b,303cと、を有する。
凹部303aは、ウェブ303の下端部近傍から上端部近傍にかけて、内側に向かって膨出し、かつ外側面(右側面)から見た場合に凹んだ状態となるように形成されている。
凹部303aが形成されるのに伴って、ウェブ303の前側縁部及び後側縁部には、凹部303aに対して外側(右側)に膨出した状態となる膨出部303b,303cとが形成されている。
なお、前側の膨出部303bは、前側のフランジ304と一体形成されており、後側の膨出部303cは、後側のフランジ305と一体形成されている。
左側分割体30aにおける前側のフランジ301と、右側分割体30bにおける前側のフランジ304は、当該右側分割体30bにおける前側のフランジ304が前側となるように重なり合っている。折曲部301aは、上述のように後方に向かって折り曲げられているため、右側分割体30bにおける前側のフランジ304から離間している。なお、この折曲部301aは、後述する第二ブラケット42における前側のフランジ42a表面に沿うようにして折曲加工されている(図11参照。)。
左側分割体30aにおける後側のフランジ302と、右側分割体30bにおける後側のフランジ305は、当該右側分割体30bにおける後側のフランジ305が後側となるように重なり合っている。
なお、左側分割体30aにおける前側のフランジ301と、右側分割体30bにおける前側のフランジ304とを溶接によって接合する際に、重なり合うフランジ301,304同士の隙間に、溶接材料(母材)の流れ込みが発生する場合がある。このような場合に、互いに離間するフランジ304と折曲部301aとの間の隙間において、流れ込んだ溶接材料を受けることができるようになっている。
なお、左側のバックサイドフレーム30は、側面視において、下方に向かって徐々に太くなるように形成されている。そのため、上述の下端部における開口は、内部の中空部よりも広く形成され、第二ブラケット42の上部が差し込みやすくなっている。
また、右側のバックサイドフレーム31は、左側のバックサイドフレーム30よりも短く形成されている。さらに、右側のバックサイドフレーム31の下端部と、左側のバックサイドフレーム30の下端部は等しい高さ位置に配置されている。すなわち、左側のバックサイドフレーム30の上端部が、右側のバックサイドフレーム31の上端部よりも上方に突出した状態となっている。なお、左側のバックサイドフレーム30の上端部には、シートベルト(図示せず)のガイドに用いられるガイドブラケット34が設けられている。すなわち、ガイドブラケット34は、3点式シートベルトの上端側に位置している。
そして、右側のバックサイドフレーム31の上端部は、中央部や下端部よりも窄んで形成されており、後述するアッパーパイプフレーム32の中間パイプ32bを挟み込めるような状態となっている。
なお、ガイドブラケット34は、左側のバックサイドフレーム30の上端部前面を被覆する前側部34aとセットで用いられる。
このアッパーパイプフレーム32は、略コ字型に折曲加工されており、左右方向に伸びる上側パイプ32aと、上下方向に伸びる中間パイプ32bと、左右方向に伸びる下側パイプ32cと、を備える。なお、上側パイプ32aと中間パイプ32bとの間、中間パイプ32bと下側パイプ32cとの間は屈曲部とされている。
上側パイプ32aには、図示はしないが、ヘッドレストのピラーを保持するためのピラー保持部が取り付けられる角パイプ32d,32dが接合されている。
上側パイプ32a及び下側パイプ32cの左側端部は、左側のバックサイドフレーム30に対して溶接により接合されている(溶接部W)。また、上側パイプ32a及び下側パイプ32cの左側端部は、左側のバックサイドフレーム31を構成する左側分割体30aのウェブ300を貫通するようにして設けられている。そして、ウェブ300を貫通する上側パイプ32aの左側端部は、ガイドブラケット34の一片により覆われた状態となっている。また、ウェブ300を貫通する下側パイプ32cの左側端部は、ウェブ300の前後に形成された膨出部300b,300cよりも外側(左側)に突出しない状態となっている。
中間パイプ32bは、右側のバックサイドフレーム31の上端部において、ウェブ310と前後のフランジ311,312の内側に設けられ、挟み込まれたような状態となっており、さらに、ウェブ310と前後のフランジ311,312に対して溶接により接合されている(溶接部W)。
ロアパイプフレーム33の左側端部は、左側のバックサイドフレーム30を構成する左側分割体30aのウェブ300を貫通しているが、ウェブ300の前後に形成された膨出部300b,300cよりも外側(左側)に突出しない状態となっている。すなわち、ロアパイプフレーム33の左側端部は、左側分割体30aのウェブ300における凹部300aを貫通している。
続いて、リクライニング機構4は、図1~図14等に示すように、回転止め機能を備えた略円盤状のラウンドリクライナー40と、当該ラウンドリクライナー40を介して連結されたシート左側用の第一ブラケット41及び第二ブラケット42と、シート右側用の第三ブラケット43と、を有する。
なお、リクライニング機構4には、ラウンドリクライナー40の中心を通り、シートバックフレーム3の回転中心となる回転軸4aが設けられている。また、回転軸4aは、第一ブラケット41と第二ブラケット42を貫通するようにして設けられている。
第一ブラケット41の前側縁部と後側縁部のそれぞれには、第一ブラケット41における剛性の向上を図るために、フランジ41a,41bが一体形成されている。
また、第一ブラケット41の本体板部における上下方向の中間部41cは、第一ブラケット41の上部が下部に対して外側に位置するように段状に形成されている。
ボルト410,411は、クッションサイドフレーム20を左右に貫通しており、図7に示すように、クッションサイドフレーム20の内側面においてナット412,413が締め付けられている。
なお、ボルト410,411の位置は、バックパイプフレーム22よりも前方の1箇所と、後方の1箇所とされている。
第二ブラケット42の前側縁部と後側縁部のそれぞれには、第二ブラケット42における剛性の向上を図るために、フランジ42a,42bが一体形成されている。
また、第二ブラケット42における本体板部の上端部には、クランク状に折曲形成された屈曲板部42cが一体形成されている。
屈曲板部42cは、本体板部の上側縁部に一体形成されて上方に突出する第一片420と、第一片420の上端部から本体板部から離間する方向(本実施形態では左側)に突出する第二片421と、第二片421の突出方向先端部から上方に突出する第三片422と、を備える。
そして、第二ブラケット42の本体板部が、バックサイドフレーム30における右側分割体30bのウェブ303に接し、溶接により接合されている。また、屈曲板部42cの第三片422が、バックサイドフレーム30における左側分割体30aのウェブ300に接し、溶接により接合されている(溶接部W)。
左側分割体30aのウェブ300と、右側分割体30bのウェブ303のうち、第二ブラケット42が当接する箇所には、当該ウェブ300,303を貫通する溶接用の孔300d,303dが形成されており、当該孔300d,303dを利用して第二ブラケット42の本体板部と第三片422とが溶接固定されている。つまり、孔300d,303dの縁部と、第二ブラケット42の本体板部と第三片422とが溶接された状態となっている。これにより、第二ブラケット42の本体板部と第三片422は、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の外側面側から溶接できるようになっている。
なお、本実施形態においては、第三片422が、左側分割体30aのウェブ300に接し、溶接により接合されているものとしたが、接合されずに接しているだけの状態であってもよい。
また、第二ブラケット42の本体板部は、孔303dの位置だけでなく、孔303dよりも下方の複数の位置で、右側分割体30bに溶接されている。
第二ブラケット42は、このように上下の斜め方向に離間した二つの箇所でバックサイドフレーム30の内部に固定されているため、袈裟懸けされる3点式シートベルトに加わる荷重に対して補強効果を発揮する。
第三ブラケット43の前側縁部と下縁部と後側縁部には、これら各縁部に連続して、第三ブラケット43における剛性の向上を図るためのフランジ43a,43bが一体形成されているものとする(図19等参照。)。
また、この第三ブラケット43の下端部は、右側のクッションサイドフレーム21に対して前後二箇所のボルト430,431によって固定されている。
ボルト430,431は、第三ブラケット43とクッションサイドフレーム21を左右に貫通しており、図3に示すように、クッションサイドフレーム21の内側面においてナット432,433が締め付けられている。
なお、ボルト430,431の位置は、バックパイプフレーム22よりも前方の1箇所と、後方の1箇所とされている。すなわち、左側に設けられた上述のボルト410,411と正反対の位置関係となっている。
続いて、シート支持部5は、図1~図4,図7,図15,図16に示すように、クッションフレーム2の前側と後側にそれぞれ設けられた横スライドレール50,51と、前側の横スライドレール50の左右側端部に設けられたフットブラケット52,53と、後側の横スライドレール51の左右側端部に設けられたフットブラケット54,55と、左側に設けられた前後のフットブラケット52,54同士を連結する連結部材56と、を有する。
なお、各フットブラケット52~55は、その下端部が、上述した左右一対の前後スライドレールにおける可動レールに対して取り付けられている。すなわち、本実施形態におけるシート支持部5は、前後スライドレールを介して乗物用シートを床上に支持することができるようになっている。
横スライドレール50,51は、図4,図16に示すように、固定レール50a,51aと、固定レール50a,51aに対して長さ方向にスライド可能に設けられた可動レール50b,51bと、を備えており、これにより、シートフレーム1を左右方向に位置調整できるようになっている。
前側に設けられた横スライドレール50における可動レール50bは、クッションフレーム2のフロントパイプフレーム23における左右側端部23a,23bの近傍において、左右のクッションサイドフレーム20,21の下面に架け渡されて設けられている。
より詳細には、左側のクッションサイドフレーム20における前端部の内側面(すなわち、右側分割体20b)には、図4に示すように、横スライドレール50の延在方向に沿って内側に突出する接続部材206が溶接等により一体的に設けられており、可動レール50bは、この接続部材206に対して固定されている。すなわち、可動レール50bの左側端部は、接続部材206を介して左側のクッションサイドフレーム20の下面に設けられている。
また、可動レール50bの右側端部は、右側のクッションサイドフレーム21の前端部における下側のフランジ212に対して固定されている。
なお、横スライドレール50における可動レール50bの固定は、ボルト500,501とナット502,503によって行われている。
また、可動レール50bと右側のクッションサイドフレーム21の前端部における下側のフランジ212とを連結するボルト501は、図4に示すように、クッションフレーム2におけるフロントパイプフレーム23の右側端部23bの端末部よりも前方に位置している。
換言すれば、フロントパイプフレーム23の左右側端部23a,23bは、可動レール50bをクッションサイドフレーム20,21に固定したポイントよりも後方に伸びた状態となっている。
後側に設けられた横スライドレール51における可動レール51bは、クッションフレーム2のバックパイプフレーム22における左右側端部の近傍において、左右のクッションサイドフレーム20,21の下面に架け渡されて設けられている。
より詳細には、左側のクッションサイドフレーム20における後端部の内側面(すなわち、右側分割体20b)には、上述の被装着部22aが一体的に設けられており、可動レール51bは、この被装着部22aにおける底部に対してボルト510及びナット512によって固定されている。すなわち、被装着部22aは、上述のように、左側のクッションサイドフレーム20とバックパイプフレーム22に対して溶接されているため、可動レール51bの左側端部も、被装着部22aを介して左側のクッションサイドフレーム20とバックパイプフレーム22に対して連結された状態となっている。
また、可動レール51bの右側端部は、右側のクッションサイドフレーム21の後端部における下側のフランジ212に対して固定されている。可動レール51bの右側端部の固定は、ボルト511とナット513によって行われている。
横スライドレール50,51における固定レール50a,51aは、各フットブラケット52~55における上面を構成する板部に対してボルト固定又は溶接により接合されている。
これにより、シート支持部5における左側部分の一体性が高まるだけでなく、シート支持部5に固定されたクッションフレーム2における左側部分を含む広い範囲の補強効果が高まるようになっている。
続いて、剥離防止構造6は、クッションフレーム2のシート支持部5からの剥離を防止するものであり、図2,図15~図17に示すように、シートフレーム1の後方左側に設けられている。
このような剥離防止構造6は、クッションフレーム2におけるバックパイプフレーム22と、シート支持部5における左側前方のフットブラケット52及び左側後方のフットブラケット54と、シート左側において前後に配置されたフットブラケット52,54同士を連結する連結部材56と、バックパイプフレーム22の後面に固定された上側剥離防止部60と、フットブラケット54の後面に固定されて上側剥離防止部60と係合する下側剥離防止部61と、を有する。なお、本実施形態においては前方のフットブラケット52と後方のフットブラケット54とを連結する連結部材56は一本となっているが、図18に示すように、複数の連結部材56によって前後のフットブラケット52,54を連結するようにしてもよい。これによって、下側剥離防止部61の固定状態がより強固なものとなり、剥離防止構造6による横スライドレール50,51の剥離防止効果を高めることができる。連結部材56を複数とする場合、前後のフットブラケット52,54のサイズは、複数の連結部材56を取り付けるのに十分なサイズに適宜変更されるものとする(説明の便宜上、図18に示されている幅広に形成された後方のフットブラケットには符号54Aを付し、図18において示されていない前方のフットブラケット52は、後方のフットブラケット54Aと略等しいサイズに設定されているものとする。)。
なお、バックパイプフレーム22、フットブラケット52、フットブラケット54、連結部材56については、上述のとおりに構成されている。
このような上側剥離防止部60は、当該上側剥離防止部60の上端部に位置し、バックパイプフレーム22の後面に固定される固定部600と、固定部600の下方に一体に設けられた本体部601と、本体部601の下端部に一体に設けられた上側係合部602と、を備える。
そして、中央凹部600aの形成された位置と、左右のフランジ600b,600cの形成された位置で、固定部600がバックパイプフレーム22に対して溶接により接合されている(溶接部W)。なお、バックパイプフレーム22に対する左右のフランジ600b,600cの溶接位置は、バックパイプフレーム22に対する被装着部22aの後面上端における左右の端部の溶接位置と、シートフレーム1の左右方向において略等しい位置関係となっている。
このような本体部601の固定部600側における左右の側縁部には、左右の側縁部にバックパイプフレーム22側に突出するように形成された左右のフランジ(フランジ形状)601b,601cが一体に設けられている。そして、当該本体部601における左右のフランジ601b,601cと、固定部600における左右のフランジ600b,600cは一体形成されている。
さらに、上側係合部602と下側係合部612とが係合し合う左右方向の長さは、横スライドレール50,51によるスライド移動長さよりも広く設定されている。
以上のような本実施の形態によれば、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の開口に、板状の第一ブラケット41が差し込まれており、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41とがラップする位置に、シートベルトのアンカーポイント24が配置されているので、シートベルトのアンカーポイント24を、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41の双方に設定でき、シートベルトのアンカーポイント24を設けるのに必要な剛性を確保できる。
さらに、板状の第一ブラケット41が、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の開口から差し込まれて固定されているので、例えば閉断面構造とされた部材同士を差し込んだ状態で重ね合わせる場合に比して製造がしやすく、軽量化を図ることができる。
さらに、本体板部と、この本体板部から離間する方向に屈曲形成された屈曲板部42cを有してクッションフレーム2側から上方に突出する板状の第二ブラケット42が、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の開口から差し込まれて当該バックサイドフレーム30に接合されているので、例えば閉断面構造とされた部材同士を差し込んだ状態で重ね合わせる場合に比して製造がしやすく、軽量化を図ることができる。
しかも、屈曲板部42cは、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の内側面に接しているので、この屈曲板部42cが接する位置において、シートバックフレーム3にかかる荷重を分散することができる。
さらに、例えば閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の上端部にシートベルトのガイドに用いられるガイドブラケット34が取り付けられた場合に、シートベルトの使用時に斜め方向に荷重がかかることが想定されるが、そのように斜め方向にかかる荷重も分散しやすい。
さらに、直線状のフレームを三本使用するよりも、コ字型に形成されたアッパーパイプフレーム32の方が部品点数を軽減させることができる。
さらに、例えばシートベルトが引っ張られ、上側剥離防止部60が斜め前方向に変形しようとした場合に、フランジ形状601b,601cの部位を、下側剥離防止部61やその周囲に接触させて、変位量を抑制することができる。
次に、図面を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1実施形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
アームレスト7は、シートフレーム1の側面に対して前後方向に回転自在に取り付けられるものであり、図示はしないが、クッションパッドが設けられるとともに表皮に覆われるようになっている。
そして、本実施形態におけるアームレスト7は、図19,図20に示すような、人の腕部を支持する使用状態においては、シートバックフレーム3をリクライニングさせても、水平状態(略水平な状態、水平に近い状態等を含む。)を角度変化がないまま保つことができるように構成されている。一方、図21に示すような、人の腕部を支持しない収納状態においては、その収納状態を保持できるように構成されている。
なお、本実施形態におけるアームレスト7は、乗物用シートの左右両側に設けられるものとするが、以下においては、乗物用シートの右側に設けられる場合について説明する。また、本実施形態においては、このように乗物用シートの左右両側にアームレスト7が設けられるものとするが、左右のいずれかのみに設けられるものとしてもよい。
なお、本実施形態における付勢部材73は、引っ張りバネとされており、当該引っ張りバネの一端が引っ掛けられた部分と、他端が引っ掛けられた部分とを引き寄せる方向に付勢力が働くように構成されている。
また、この取付ブラケット70は、バックサイドフレーム31に取り付けられる箱部70aと、箱部70aの開口を閉塞する蓋部70bとを備えて中空箱状に形成されており、これにより、剛性が高められている。蓋部70bの中央には、取付ブラケット70の外側面を左右に貫通する貫通孔700が形成されており、後述するピボットピン727の先端部が差し込まれて固定される。
また、基端部の中央には、アームレスト7の回転中心(ジョイントCとする。)を構成する貫通孔710aが形成されており、基端部における貫通孔710aの上側には、後述するストッパーピン741が差し込まれるスロット孔710bが半円状に湾曲形成されている。
フランジ711は、本体板部710の周縁部から外側(本実施形態では右側)に突出して形成されている。
第一引掛部712は、付勢部材73である引っ張りバネの一端が引っ掛けられる部位であり、フランジ711の突端から更に外側に突出するように形成されている。なお、この第一引掛部712には、付勢部材73である引っ張りバネの一端を通すための孔が形成されていてもよい。
このようなリンク機構72は、図18~図23に示すように、第一リンク720と、第二リンク721と、固定ブラケット722と、軸受け部材723と、第一回転軸部材724と、第二回転軸部材725と、ワッシャー部材726と、ピボットピン727と、リクライニング機構4における回転軸4a(ジョイントDとする。)と、リクライニング機構4における第三ブラケット43(左側の場合は第二ブラケット42)と、を含んで構成されている。
また、この第一リンク720には、前端部に、アームレスト7の回転中心(ジョイントC)を構成する第一貫通孔720aが形成され、中央に、ストッパーピン741が差し込まれる第二貫通孔720bと、第二リンク721との接続部(ジョイントAとする。)となる第三貫通孔720cと、が形成されている。
また、この第二リンク721には、上端部に、第一リンク721との接続部となる第一貫通孔721aと、下端部に、固定ブラケット722との接続部(ジョイントBとする。)となる第二貫通孔721bと、が形成されている。
なお、本実施形態において、固定ブラケット722は第三ブラケット43に対して固定されて一体的な状態となっているが、これに限られるものではなく、固定ブラケット722と第三ブラケット43とを一体形成してもよい。固定ブラケット722と第三ブラケット43を一体形成することにより、部品点数を増やすことなくリンク機構72を構成できる。なお、本実施形態のように、別体の固定ブラケット722と第三ブラケット43を一体的な状態に固定する場合は、固定ブラケット722の固定位置を適宜調節することができ、リンク機構72を含むアームレスト7の設計がしやすい。
筒孔部723aを構成する筒壁部723bの外郭は、三段階に径寸法の異なる状態に形成されており、最も径寸法の長い部分は取付ブラケット70に固定されている。最も径寸法の短い部分には、メインフレーム71、第一リンク720、後述するワッシャー部材726、後述するピボットブラケット740における各貫通孔に通される部分となっている。
本実施形態においては、第一回転軸部材724としてリベットが用いられており、第一リンク720における第三貫通孔720cと、第二リンク721における第一貫通孔721aに通された後に、図22に示すように、先端が潰されて、これにより、第一リンク720と第二リンク721とを接続できるようになっている。
本実施形態においては、第一回転軸部材724と同様にリベットが用いられており、図22に示すように、先端が潰されることにより、第二リンク721と固定ブラケット722とを接続できるようになっている。
このようなピボットピン727は、先端に形成された径寸法の短い第一軸部727aと、第一軸部727aよりも径寸法の長い第二軸部727bと、ワッシャー部材726の貫通孔の内径よりも外径寸法の長いフランジ部727cと、を備える。
第一軸部727a及び第二軸部727bは、軸受け部材723の筒孔部723aに通され、第一軸部727aは、取付ブラケット70の貫通孔700に通される。そして、第一軸部727aは、取付ブラケット70における蓋部70bの内面側において固定されている。
フランジ部727cは、ワッシャー部材726の外側面に接した状態となっている。
このような角度規制手段74は、ピボットブラケット740と、ストッパーピン741と、を備える。
また、ピボットブラケット740の中央には、軸受け部材723の筒壁部723bが通される第一貫通孔740bが形成され、ピボットブラケット740の後端部には、ストッパーピン741が通される第二貫通孔740cが形成されている。
本実施形態においては、ストッパーピン741としてリベットが用いられており、ピボットブラケット740における第二貫通孔740cと、メインフレーム71におけるスロット孔710bに通された後に先端が潰されて、これにより、メインフレーム71とピボットブラケット740とを接続できるようになっている。
シートバックフレーム3をリクライニングさせてリンク機構72が動作する際に、ジョイントBの位置と、ジョイントDの位置は、それぞれリクライニング機構4を含んで構成されるため、位置の変動がない。一方、ジョイントAの位置と、ジョイントCの位置はシートバックフレーム3の位置に応じて変動があるため、第一リンク720及び第二リンク721は回転動作を行う。
そして、付勢部材73である引っ張りバネは、ピボットピン727よりも上方の位置で、メインフレーム71の第一引掛部712とピボットブラケット740の第二引掛部740aとを引き寄せる方向に付勢している。この時、メインフレーム71には、矢印Y1の方向に回転しようとする付勢力が働くが、ストッパーピン741は、スロット孔710bの後端部に接触しているため、メインフレーム71(すなわち、アームレスト7)の水平状態を維持できるようになっている。しかも、このようなメインフレーム71の水平状態は、シートバックフレーム3のリクライニング角度が変更されても維持できるようになっている。
アームレスト7を収納状態にするには、メインフレーム71を、上方に持ち上げるようにして回転させる。この時、ストッパーピン741は、スロット孔710bの後端部から離れた状態となり、付勢部材73は、ピボットピン727よりも上方にあった状態から下方にある状態へと変位する。この付勢部材73は、第一引掛部712と第二引掛部740aとを引き寄せようとするため、メインフレーム71には、矢印Y2の方向に回転しようとする付勢力が働く。そして、付勢部材73による付勢力の減退(付勢部材73である引っ張りバネが縮み切る状態)と、アームレスト7の長さ方向とシートバックフレーム3の長さ方向とが沿う位置とを揃えておくことで、メインフレーム71(アームレスト7)の収納状態を維持できるようになっている。
付勢部材73の位置がピボットピン727よりも上方に変位し、ストッパーピン741とスロット孔710bの後端部とが更に近づいた状態になると、メインフレーム71には矢印Y1の方向へと付勢力が働く。
そして、ストッパーピン741がスロット孔710bの後端部に当接した時点で、メインフレーム71は水平状態となり、かつ、付勢部材73による付勢力によってその水平状態を維持できるようになっている。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
また、以下の各変形例において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
本変形例におけるシートフレーム1は、図24に示すように、シートバックフレーム3を構成する左右のバックサイドフレーム30,31Aが、双方とも閉断面構造となっている。
すなわち、本変形例においては、上記の実施形態とは異なり、右側のバックサイドフレーム31Aが、右側分割体31aと左側分割体31bとを結合した閉断面構造の中空体として一体的に形成されている。
さらに、リクライニング機構4においても、上記の実施形態における第三ブラケット43の替わりに、第二ブラケット42と対称に構成された第二ブラケット42を用いてもよい。この場合、クッションフレーム2における右側のクッションサイドフレーム21も、左側のクッションサイドフレーム20と同様に閉断面構造としてもよい。
また、シートベルト用のガイドブラケット34を、片方のバックサイドフレーム30だけでなく、双方のバックサイドフレーム30,31Aに取り付けることができる。例えば三つのシートが横一列に並べて設けられた後部座席のうち、幅狭に形成されたシートにはガイドブラケット34を設けることができない場合がある。そのような場合には、幅狭なシートに隣接する一つのシートの、左右のバックサイドフレーム30,31Aを閉断面構造とし、それらの上端部に、幅狭なシート用のガイドブラケット34と、その隣接するシート用のガイドブラケット34と、をそれぞれ取り付ける。これにより、幅狭に形成されたシートにガイドブラケット34を設けることができない場合に対応することが可能となっている。
本変形例におけるシートバックフレーム3のアッパーパイプフレーム32には、図24に示すように、補強フレーム35が設けられている。
補強フレーム35は、アッパーパイプフレーム32における下側パイプ32cと、この下側パイプ32cの左右にある中間パイプ32b、左側のバックサイドフレーム30との間にそれぞれ斜めに架け渡されて固定された斜材である。
すなわち、一方の補強フレーム35は、下側パイプ32cと中間パイプ32bとの間の屈曲部を跨ぐようにして斜めに設けられ、他方の補強フレーム35は、下側パイプ32cと左側のバックサイドフレーム30とが接する部分を跨ぐようにして斜めに設けられている。
本変形例におけるシートバックフレーム3には、上記の実施形態におけるコ字型のアッパーパイプフレーム32に替えて、図26に示すように、上側パイプ32aと中間パイプ32bからなるアッパーパイプフレーム32Cと、板状のミドルフレーム32Dと、が用いられている。
連結フレーム36は、ウェブと、左右のフランジと、を有しており、ミドルフレーム32Dとロアパイプフレーム33とを連結するだけでなく、シートバックフレーム3全体の剛性向上を図るために設けられている。
また、連結フレーム36によって、ミドルフレーム32Dとロアパイプフレーム33とを連結することができるので、この連結フレーム36も、ミドルフレーム32Dと同様に他部材を取り付けるために用いることができる。しかも、ミドルフレーム32Dとロアパイプフレーム33とを連結することによって、シートバックフレーム3の剛性を向上させることができる。
本変形例におけるクッションフレーム2には、上記の実施形態におけるフロントパイプフレーム23に替えて、図27に示すように、中央部230が、左右側端部231,232に対して、後方に切り返すように、かつ上方に向かって折り曲げられたフロントパイプフレーム23Aが用いられている。
中央部230は、左右側端部231,232が前方に向かって伸びるのに対し、後方に向かって、かつ上方に向かって折り曲げられている。
中央部230と、左右側端部231,232との間は屈曲部230a,230bとされており、当該屈曲部230a,230bの部位において、中央部230は折り曲げられる方向が決定づけられている。
受圧部材26a,26bはワイヤーであり、シート前側部分は、フロントパイプフレーム23Aの中央部230に対応して上向きに折り曲げられている。また、一方の受圧部材26aは、前端部がコ字状に折り曲げられており、中央部230よりも前方に突出した状態となっている。他方の受圧部材26bは、前端部が中央部230に引っ掛けられている。
受圧部材26a,26bの中間部は、フロントパイプフレーム23Aにおける左右側端部231,232と略等しい高さ位置に設定されている。
また、これら受圧部材26a,26bによって、クッションフレームにおける形状出しを行うことができる。
2 クッションフレーム
20 クッションサイドフレーム
20a 左側分割体
20b 右側分割体
21 クッションサイドフレーム
22 バックパイプフレーム
22a 被装着部
23 フロントパイプフレーム
24 アンカーポイント
3 シートバックフレーム
30 バックサイドフレーム
30a 左側分割体
30b 右側分割体
31 バックサイドフレーム
32 アッパーパイプフレーム
33 ロアパイプフレーム
34 ガイドブラケット
4 リクライニング機構
4a 回転軸
40 ラウンドリクライナー
41 第一ブラケット
42 第二ブラケット
42a フランジ
42b フランジ
42c 屈曲板部
43 第三ブラケット
5 シート支持部
50 横スライドレール
50a 固定レール
50b 可動レール
51 横スライドレール
51a 固定レール
51b 可動レール
52 フットブラケット
53 フットブラケット
54 フットブラケット
55 フットブラケット
56 連結部材
6 剥離防止構造
60 上側剥離防止部
602 上側係合部
61 下側剥離防止部
612 下側係合部
7 アームレスト
70 取付ブラケット
71 メインフレーム
710b スロット孔
712 第一引掛部
72 リンク機構
720 第一リンク
721 第二リンク
722 固定ブラケット
723 軸受け部材
724 第一回転軸部材
725 第二回転軸部材
726 ワッシャー部材
727 ピボットピン
73 付勢部材
74 角度規制手段
740 ピボットブラケット
740a 第二引掛部
741 ストッパーピン
A ジョイント
B ジョイント
C ジョイント
D ジョイント
W 溶接部
Claims (1)
- 人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレームと、前記クッションフレームを乗物の床上に支持するシート支持部と、前記クッションフレームと前記シート支持部との間に設けられた剥離防止構造と、を備えた乗物用シートの補強構造であって、
前記シート支持部は、
前記乗物の床に設置され、かつ固定レールと可動レールとを備えて、前記クッションフレームを前記乗物の前後方向にスライド移動させるための左右一対の前後スライドレールと、
前記クッションフレームの下面に設けられ、かつ固定レールと可動レールと備えて前記クッションフレームを左右方向にスライド移動させる前後の横スライドレールと、
前記前後の横スライドレールのそれぞれにおける左右に設けられるとともに、下端部が前記左右一対の前後スライドレールに対して取り付けられて前記クッションフレームを支持する複数のフットブラケットと、
前記複数のフットブラケットのうち、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット同士を連結する連結部材と、を有しており、
前記剥離防止構造は、
前記クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、
前記シート支持部のうち前記連結部材によって連結された前後の前記フットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部と、を有しており、
前記上側剥離防止部と前記下側剥離防止部とが、前記前後の横スライドレールによる前記クッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っており、
前記上側剥離防止部は、前記クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されており、
チャイルドシートが装着される被装着部が、前記バックパイプフレームに溶接されており、
前記上側剥離防止部は、前記被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする乗物用シートの補強構造。
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