JP2023063380A - 乗物用シートの補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】横スライドレールにおける固定レールと可動レールとの剥離をより確実に防ぐことである。【解決手段】シート支持部5が、前後の横スライドレール50,51と、前後の横スライドレール50,51のそれぞれにおける左右に設けられた複数のフットブラケット52~55と、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット52,54同士を連結する連結部材56と、を有しており、剥離防止構造6が、クッションフレーム2側に固定された上側剥離防止部60と、連結部材56によって連結された前後のフットブラケット52,54における後側のフットブラケット54に固定された下側剥離防止部61と、を有しており、上側剥離防止部60と下側剥離防止部61とが、クッションフレーム2のスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っている。【選択図】図15

Description

本発明は、乗物用シートの補強構造に関する。
従来、多様なシート配置を実現するために、スライドレールの採用によって、乗物用シートが乗物の前後方向だけでなく幅方向にも移動可能とされている場合があるが、衝突等の際に大きな荷重がかかると、横スライドレールにおける可動レールと固定レールの間に剥離が生じてしまうことがある。
そこで、特許文献1のように、シートクッションフレームに連結された連結部材に固定される第一剥離防止部材と、横スライドレールを支持するフットブラケットに固定される第二剥離防止部材と、を係合させて、横スライドレールにおける固定レールと可動レールとの剥離を防止する技術が知られている。
特開2013-112041号公報
ところで、第一剥離防止部材と第二剥離防止部材とを係合させる技術を採用するにあたって、第一剥離防止部材の固定強度と第二剥離防止部材の固定強度をより向上させて、横スライドレールにおける固定レールと可動レールとの剥離をより確実に防ぐことが可能な補強構造が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、横スライドレールにおける固定レールと可動レールとの剥離をより確実に防ぐことが可能な乗物用シートの補強構造を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレームと、前記クッションフレームを乗物の床上に支持するシート支持部と、前記クッションフレームと前記シート支持部との間に設けられた剥離防止構造と、を備えた乗物用シートの補強構造であって、
前記シート支持部は、
前記乗物の床に設置され、かつ固定レールと可動レールとを備えて、前記クッションフレームを前記乗物の前後方向にスライド移動させるための左右一対の前後スライドレールと、
前記クッションフレームの下面に設けられ、かつ固定レールと可動レールと備えて前記クッションフレームを左右方向にスライド移動させる前後の横スライドレールと、
前記前後の横スライドレールのそれぞれにおける左右に設けられるとともに、下端部が前記左右一対の前後スライドレールに対して取り付けられて前記クッションフレームを支持する複数のフットブラケットと、
前記複数のフットブラケットのうち、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット同士を連結する連結部材と、を有しており、
前記剥離防止構造は、
前記クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、
前記シート支持部のうち前記連結部材によって連結された前後の前記フットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部と、を有しており、
前記上側剥離防止部と前記下側剥離防止部とが、前記前後の横スライドレールによる前記クッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っており、
前記上側剥離防止部は、前記クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されており、
チャイルドシートが装着される被装着部が、前記バックパイプフレームに溶接されており、
前記上側剥離防止部は、前記被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗物用シートの補強構造において、前記下側剥離防止部は、前記後側のフットブラケットのうち前記連結部材を挟み込むような位置に固定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の乗物用シートの補強構造において、前記上側剥離防止部は、前記バックパイプフレームに固定される固定部と、前記固定部における左右方向両端部の位置よりも下方に形成されたフランジ形状と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の乗物用シートの補強構造において、前記固定部には、当該固定部の左右方向中央に、前記バックパイプフレーム側に凹んだ状態の凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の乗物用シートの補強構造において、前記上側剥離防止部は、前記固定部における中央の前記凹部と、前記固定部における左右方向両端部の位置で前記バックパイプフレームに溶接されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3~5のいずれか一項に記載の乗物用シートの補強構造において、前記バックパイプフレームに対する前記被装着部の溶接箇所と、前記上側剥離防止部の前記固定部における左右方向側端部の位置での溶接箇所と、が左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の乗物用シートの補強構造において、前記上側剥離防止部のうち前記下側剥離防止部と係合し合う部位は、前記固定部よりも左右方向に長く幅広に形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の乗物用シートの補強構造において、前記上側剥離防止部は、当該上側剥離防止部の表面に、上下方向に伸びて形成されたビードを備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレームと、下端部が前記シートクッションに支持され、かつ背凭れとなるシートバックの骨格を形成するシートバックフレームと、前記クッションフレームを乗物の床上に支持するシート支持部と、前記クッションフレームと前記シート支持部との間に設けられた剥離防止構造と、前記クッションフレーム及び前記シートバックフレームに設けられたクッションパッドと、前記クッションパッドを覆う表皮と、を備えた乗物用シートの補強構造であって、
前記シート支持部は、
前記乗物の床に設置され、かつ固定レールと可動レールとを備えて、前記クッションフレームを前記乗物の前後方向にスライド移動させるための左右一対の前後スライドレールと、
前記クッションフレームの下面に設けられ、かつ固定レールと可動レールと備えて前記クッションフレームを左右方向にスライド移動させる前後の横スライドレールと、
前記前後の横スライドレールのそれぞれにおける左右に設けられるとともに、下端部が前記左右一対の前後スライドレールに対して取り付けられて前記クッションフレームを支持する複数のフットブラケットと、
前記複数のフットブラケットのうち、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット同士を連結する連結部材と、を有しており、
前記剥離防止構造は、
前記クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、
前記シート支持部のうち前記連結部材によって連結された前後の前記フットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部と、を有しており、
前記上側剥離防止部と前記下側剥離防止部とが、前記前後の横スライドレールによる前記クッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っており、
前記上側剥離防止部は、前記クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されており、
チャイルドシートが装着される被装着部が、前記バックパイプフレームに溶接されており、
前記上側剥離防止部は、前記被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
請求項1,9に記載の発明によれば、下側剥離防止部が固定されるフットブラケットが、その前側のフットブラケットと連結部材によって連結されているので、例えば前後のフットブラケットが連結部材によって連結されない場合に比して、下側剥離防止部の固定状態が強固なものとなる。その上で、クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、連結部材によって連結された前後のフットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部とが、前後の横スライドレールによるクッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っているので、横スライドレールにおける固定レールと可動レールとの剥離をより防ぎやすくなる。
また、上側剥離防止部は、クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されているので、例えば上側剥離防止部を横スライドレールに固定する場合に比して、上側剥離防止部の固定強度を強固にしやすい。
また、上側剥離防止部は、チャイルドシートが装着される被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されているので、バックパイプフレームにおいて上側剥離防止部と被装着部とが設けられる付近の剛性を向上させることができる。これにより、被装着部に装着されるチャイルドシートの取付状態を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、下側剥離防止部は、後側のフットブラケットのうち連結部材を挟み込むような位置に固定されているので、下側剥離防止部の固定箇所と連結部材とを近づけることができ、下側剥離防止部の固定状態を強固にしやすい。
請求項3に記載の発明によれば、上側剥離防止部は、バックパイプフレームに固定される固定部と、固定部における左右方向両端部の位置よりも下方に形成されたフランジ形状と、を有するので、固定部よりも下方の部位における剛性を向上させることができる。これにより、上側剥離防止部が変形しにくくなるので、上側剥離防止部と下側剥離防止部との係合が外れにくくなる。
さらに、例えばシートベルトが引っ張られ、上側剥離防止部が斜め前方向に変位しようとした場合に、フランジ形状の部位を、下側剥離防止部やその周囲に接触させて、変位量を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、固定部には、当該固定部の左右方向中央に、バックパイプフレーム側に凹んだ状態の凹部が形成されているので、凹部によって固定部の断面を大きくすることができ、剛性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、上側剥離防止部は、固定部における中央の凹部と、固定部における左右方向両端部の位置で前記バックパイプフレームに溶接されているので、複数の位置で溶接されていることとなり、バックパイプフレームに対する固定強度を向上できる。
請求項6に記載の発明によれば、バックパイプフレームに対する被装着部の溶接箇所と、上側剥離防止部の固定部における左右方向両端部の位置での溶接箇所と、が左右方向において略等しい位置に配置されているので、バックパイプフレームにおいて上側剥離防止部と被装着部とが溶接される付近の剛性を向上できるとともに、上側剥離防止部の固定強度を向上できる。
請求項7に記載の発明によれば、上側剥離防止部のうち下側剥離防止部と係合し合う部位は、固定部よりも左右方向に長く幅広に形成されているので、横スライドレールによってクッションフレームを左右にスライド移動させた場合であっても、上側剥離防止部と下側剥離防止部との係合が外れにくくなる。
請求項8に記載の発明によれば、上側剥離防止部は、当該上側剥離防止部の表面に、上下方向に伸びて形成されたビードを備えるので、上側剥離防止部の剛性を向上させることができる。これにより、上側剥離防止部が変形しにくくなるので、上側剥離防止部と下側剥離防止部との係合が外れにくくなる。
乗物用シートを構成するシートフレームを示す前方斜視図である。 乗物用シートを構成するシートフレームを示す後方斜視図である。 リクライニング機構付近を示す斜視図である。 クッションフレーム前端部側付近を示す斜視図である。 リクライニング機構付近を示す左側面図である。 閉断面構造とされたクッションサイドフレームのアンカーポイント付近を示す正面側から見た場合の断面図である。 左側のクッションサイドフレームにおけるリクライニング機構付近を示す斜視図である。 左右のクッションサイドフレームが閉断面構造とされた場合の例を示す斜視図である。 左側のバックサイドフレーム下端部及びリクライニング機構の付近を示す斜視図である。 左側のバックサイドフレームの下端部を正面側から見た場合の断面図である。 左側のバックサイドフレームの下端部を上側から見た場合の断面図である。 (a)は左側のバックサイドフレーム下端部及びリクライニング機構の付近を示す正面図であり、(b)は背面図である。 第二ブラケットを示す斜視図である。 (a)は第二ブラケットを示す正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は平面図である。 剥離防止構造の付近を示す背面図である。 剥離防止構造の付近を示す左側面図である。 剥離防止構造の付近を示す後方斜視図である。 複数の連結部材によって前後のフットブラケットを連結する場合の例を示す背面図である。 アームレストが設けられたシートフレームを示す右側面図である。 シートバックフレームをリクライニングさせた状態の、アームレストが設けられたシートフレームを示す右側面図である。 アームレストを収納状態にしたシートフレームを示す右側面図である。 右側に設けられるアームレストを左側から見た場合の斜視図である。 アームレストの分解斜視図である。 左右のバックサイドフレームが閉断面構造とされたシートバックフレームの変形例を示す斜視図である。 補強フレームが設けられたシートバックフレームの変形例を示す斜視図である。 板状のバックフレーム及び連結フレームが設けられたシートバックフレームの変形例を示す斜視図である。 クッションフレーム前端部側付近の変形例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
なお、以下において、溶接により接合された箇所は、溶接部Wとして説明する。各図面においては、符号Wを付して説明する。
<第1実施形態>
図1,図2において符号1は、人が着座する乗物用シートのシートフレームを示す。このシートフレーム1は、人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレーム2と、下端部がシートクッションに支持され、かつ背凭れとなるシートバックの骨格を形成するシートバックフレーム3と、クッションフレーム2に対してシートバックフレーム3を傾動させるためのリクライニング機構4と、乗物用シートを床上に支持するシート支持部5と、クッションフレーム2のシート支持部5からの剥離を防止する剥離防止構造6と、を備える。
なお、本実施形態における乗物用シートは、乗用車のシートとされている。ただし、これに限られるものではなく、バスやトラック等の他の自動車におけるシートでもよいし、鉄道や船舶、航空機等の自動車以外の乗り物におけるシートでもよい。
シートフレーム1は、図示はしないが、クッションフレーム2とシートバックフレーム3にクッションパッドが設けられ、当該クッションパッドが表皮によって覆われることで乗物用シートを構成している。
また、シートフレーム1は、図示はしないが、当該シートフレーム1を車体の前後方向にスライド移動(位置調整)させるための左右一対の前後スライドレールを介して、車体のフロアに設置されている。
[クッションフレームについて]
クッションフレーム2は、図1~図7に示すように、互いに間隔を空けて配置された左右のクッションサイドフレーム20,21と、左右のクッションサイドフレーム20,21における後側端部間を連結するバックパイプフレーム22と、左右のクッションサイドフレーム20,21における前側端部間を連結するフロントパイプフレーム23と、を有する。
左右のクッションサイドフレーム20,21のうち一方(本実施形態では左側)のクッションサイドフレーム20は、図5,図6に示すように、左側分割体20aと右側分割体20bとを結合した閉断面構造(モナカ構造ともいう。)の中空体として一体的に形成されている。
左側分割体20aは、内側(右側)に向かって開放された断面コ字型構造に形成されている。すなわち、ウェブ200と、ウェブ200の上下に一体形成されたフランジ201,202と、からなる。
上側のフランジ201の先端部は、下方に向かって折り曲げられた折曲部201aとなっている。
ウェブ200の長さ方向中央部には、内側に向かって膨出し、かつ外側面(左側面)から見た場合に凹んだ状態となる補強凹部200aが形成されている。この補強凹部200aは、図5に示すように、図示しないシートベルトのアンカーポイント24(後述する)の近傍に配置された状態となっている。
右側分割体20bは、外側(左側)に向かって開放された断面コ字型構造に形成されている。すなわち、ウェブ203と、ウェブ203の上下に一体形成されたフランジ204,205と、からなる。
左側分割体20aにおけるウェブ200と、右側分割体20bにおけるウェブ203は互いに対向して離間した状態となっている。
左側分割体20aにおける上側のフランジ201と、右側分割体20bにおける上側のフランジ204は、当該右側分割体20bにおける上側のフランジ204が上側となるように重なり合っている。折曲部201aは、上述のように下方に向かって折り曲げられているため、右側分割体20bにおける上側のフランジ204から離間している。
左側分割体20aにおける下側のフランジ202と、右側分割体20bにおける下側のフランジ205は、当該右側分割体20bにおける下側のフランジ205が上側となるように重なり合っている。
互いに重なり合う、左側分割体20aにおける上下のフランジ201,202と、右側分割体20bにおける上下のフランジ204,205は、複数のポイント(すなわち、溶接部W)で溶接によって接合されている。
なお、左側分割体20aにおける上側のフランジ201と、右側分割体20bにおける上側のフランジ204とを溶接によって接合する際に、重なり合うフランジ201,204同士の隙間に、溶接材料(母材)の流れ込みが発生する場合がある。このような場合に、互いに離間するフランジ204と折曲部201aとの間の隙間において、流れ込んだ溶接材料を受けることができるようになっている。
左側のクッションサイドフレーム20の前端部は、後述するフロントパイプフレーム23の左側端部23aが差し込めるように前方に向かって開口している。
また、左側のクッションサイドフレーム20の後端部は、後述する第一ブラケット41の下部が差し込めるように上方に向かって開口している。
左側のクッションサイドフレーム20における長さ方向中央部後方寄りの位置には、図5に示すように、図示しないシートベルトのアンカーポイント24(固定点)が設けられている。なお、シートベルトは、いわゆる3点式のシートベルトであり、当該アンカーポイント24は、シートベルトの下端部が固定される箇所となっている。
より具体的には、アンカーポイント24は、図示しないシートベルトの下端部を保持する保持具を留め付けるための箇所である。保持具はボルト等の留付具によってアンカーポイント24に留め付けられるようになっている。そのため、アンカーポイント24は、図6に示すように、左側のクッションサイドフレーム20を左右方向に貫通する貫通孔とされている。すなわち、貫通孔であるアンカーポイント24は、左側分割体20aと、右側分割体20bと、後述する第一ブラケット41とを貫通するようにして形成されている。保持具を留め付けるボルトは、貫通孔であるアンカーポイント24に通されて、先端にナット(図示せず)が設けられるようになっている。このナットは、クッションサイドフレーム20の内部の、アンカーポイント24に対応する箇所に設けられるものとしてもよい。
左右のクッションサイドフレーム20,21のうち他方(本実施形態では右側)のクッションサイドフレーム21は、内側(左側)に向かって開放された断面コ字型構造に形成されている。すなわち、ウェブ210と、ウェブ210の上下に一体形成されたフランジ211,212と、からなる。なお、本実施形態においては、右側のクッションサイドフレーム21を断面コ字型構造としたが、図8に示すように、左側のクッションサイドフレーム20と同様の閉断面構造としてもよい(説明の便宜上、図8においては符号21Aを付する。)。左右のクッションサイドフレーム20,21Aを閉断面構造とすることにより、片方だけを閉断面構造とした場合に比して、クッションフレーム2の剛性をより高くすることができる。
当該他方のクッションサイドフレーム21における後部側には、コ字型断面の内側面に沿って、断面コ字型構造の補強板21aが溶接等により一体的に取り付けられている。これにより、クッションサイドフレーム21の後部における十分な板厚を確保できるので、荷重のかかりやすいクッションサイドフレーム21の後部における剛性を向上できる。
なお、図示はしないが、右側のクッションサイドフレーム21には、3点式シートベルトのタングが装着されるバックルが設けられるものとする。バックルの固定位置には、図3に示すように、固定用のボルトがねじ込まれるナット25が設けられている。
バックパイプフレーム22は、図1~図3に示すように、左右のクッションサイドフレーム20,21における後側端部間を連結している。
バックパイプフレーム22の両端部は、左右のクッションサイドフレーム20,21をそれぞれ貫通するようにして設けられ、溶接により接合されている(溶接部W)。
バックパイプフレーム22には、図1~図3,図7に示すように、チャイルドシートを装着する方式の国際標準規格であるISOFIXに対応したISOFIXタイプのチャイルドシート(図示せず)が装着される左右の被装着部(ロアアンカレッジともいう。)22a,22bが設けられている。
左側に位置する被装着部22aは、全体的に略コ字型又は略亀甲括弧型に形成されており、後面が、バックパイプフレーム22の外周面に沿うようにして湾曲しており、底部が、後述する横スライドレール50の可動レール50bに対してボルト510によって固定されている。また、バックパイプフレーム22よりも上方に位置する上面部に、前方に向かって突出するようにして略U字型のワイヤー220が設けられている。また、底部及び上面部にはフランジが形成され、剛性の向上が図られている。
そして、図7,図15等に示すように、被装着部22aの後面における右側端部及び上端における左右の端部がバックパイプフレーム22に対して溶接により接合され、後面における左側端部が、左側のクッションサイドフレーム20における右側面(すなわち、右側分割体20b)に対して溶接により接合されている(溶接部W)。換言すれば、この被装着部22aは、左側のクッションサイドフレーム20と、バックパイプフレーム22と、横スライドレール50における可動レール50bと、を連結している。
右側に位置する被装着部22bは、図1~図3に示すように、上面部と左右のフランジ部とからなるブラケットとして形成されており、上面部に対してワイヤー221が一体的に設けられている。このワイヤー221は、略U字型に折曲加工され、前方に向かって突出している。その突出方向及び突出長さは、左側に位置する被装着部22aにおけるワイヤー220と等しく設定されている。
そして、左右の被装着部22a,22bにおけるワイヤー220,221には、チャイルドシートの後部に設けられた左右のコネクタが引っ掛けられるようになっている。
フロントパイプフレーム23は、図1,図4に示すように、略コ字型に折曲加工され、その左側端部23aが、左側のクッションサイドフレーム20の前端部に接合されている。また、右側端部23bが、右側のクッションサイドフレーム21の前端部に接合されている。
より詳細には、フロントパイプフレーム23の左側端部23aは、左側のクッションサイドフレーム20における左側分割体20aのウェブ200と上下のフランジ201,202のそれぞれに対して溶接されている。また、フロントパイプフレーム23の右側端部23bは、右側のクッションサイドフレーム21におけるウェブ210と上下のフランジ211,212のそれぞれに対して溶接されている。
また、フロントパイプフレーム23は、左右の端部23a,23bから前方に向かうにつれて上向きに傾斜するようにして折曲加工されている。
[シートバックフレームについて]
続いて、シートバックフレーム3は、図1,図9~図14等に示すように、互いに間隔を空けて配置された左右のバックサイドフレーム30,31と、左右のバックサイドフレーム30,31における上端部間を連結するアッパーパイプフレーム32(コ字型に形成されたバックフレーム)と、左右のバックサイドフレーム30,31の下端部間を連結するロアパイプフレーム33(バックフレーム)と、を有する。
左右のバックサイドフレーム30,31のうち一方(本実施形態では左側)のバックサイドフレーム30は、図9~図11に示すように、左側分割体30aと右側分割体30bとを結合した閉断面構造(モナカ構造ともいう。)の中空体として一体的に形成されている。
左側分割体30aは、内側(右側)に向かって開放された断面コ字型構造に形成されている。すなわち、ウェブ300と、ウェブ300の前後に一体形成されたフランジ301,302と、からなる。
前側のフランジ301の先端部は、後方に向かって折り曲げられた折曲部301aとなっている。
ウェブ300は、図1,図9,図11に示すように、凹部300aと、膨出部300b,300cと、を有する。
凹部300aは、ウェブ300の下端部から上端部近傍にかけて、内側に向かって膨出し、かつ外側面(左側面)から見た場合に凹んだ状態となるように形成されている。
凹部300aが形成されるのに伴って、ウェブ300の前側縁部及び後側縁部には、凹部300aに対して外側(左側)に膨出した状態となる膨出部300b,300cが形成されている。
なお、前側の膨出部300bは、前側のフランジ301と一体形成されており、後側の膨出部300cは、後側のフランジ302と一体形成されている。
右側分割体30bは、外側(左側)に向かって開放された断面コ字型構造に形成されている。すなわち、ウェブ303と、ウェブ303の前後に一体形成されたフランジ304,305と、からなる。
ウェブ303は、図1,図9,図11に示すように、凹部303aと、膨出部303b,303cと、を有する。
凹部303aは、ウェブ303の下端部近傍から上端部近傍にかけて、内側に向かって膨出し、かつ外側面(右側面)から見た場合に凹んだ状態となるように形成されている。
凹部303aが形成されるのに伴って、ウェブ303の前側縁部及び後側縁部には、凹部303aに対して外側(右側)に膨出した状態となる膨出部303b,303cとが形成されている。
なお、前側の膨出部303bは、前側のフランジ304と一体形成されており、後側の膨出部303cは、後側のフランジ305と一体形成されている。
左側分割体30aにおけるウェブ300と、右側分割体30bにおけるウェブ303は互いに対向して離間した状態となっている。
左側分割体30aにおける前側のフランジ301と、右側分割体30bにおける前側のフランジ304は、当該右側分割体30bにおける前側のフランジ304が前側となるように重なり合っている。折曲部301aは、上述のように後方に向かって折り曲げられているため、右側分割体30bにおける前側のフランジ304から離間している。なお、この折曲部301aは、後述する第二ブラケット42における前側のフランジ42a表面に沿うようにして折曲加工されている(図11参照。)。
左側分割体30aにおける後側のフランジ302と、右側分割体30bにおける後側のフランジ305は、当該右側分割体30bにおける後側のフランジ305が後側となるように重なり合っている。
互いに重なり合う、左側分割体30aにおける前後のフランジ301,302と、右側分割体30bにおける前後のフランジ304,305は、複数のポイントで溶接によって接合されている(溶接部W)。
なお、左側分割体30aにおける前側のフランジ301と、右側分割体30bにおける前側のフランジ304とを溶接によって接合する際に、重なり合うフランジ301,304同士の隙間に、溶接材料(母材)の流れ込みが発生する場合がある。このような場合に、互いに離間するフランジ304と折曲部301aとの間の隙間において、流れ込んだ溶接材料を受けることができるようになっている。
左側のバックサイドフレーム30の下端部は、後述する第二ブラケット42の上部が差し込めるように下方に向かって開口している。
なお、左側のバックサイドフレーム30は、側面視において、下方に向かって徐々に太くなるように形成されている。そのため、上述の下端部における開口は、内部の中空部よりも広く形成され、第二ブラケット42の上部が差し込みやすくなっている。
左右のバックサイドフレーム30,31のうち他方(本実施形態では右側)のバックサイドフレーム31は、内側(左側)に向かって開放された断面コ字型構造に形成されている。すなわち、ウェブ310と、ウェブ310の前後に一体形成されたフランジ311,312と、からなる。
また、右側のバックサイドフレーム31は、左側のバックサイドフレーム30よりも短く形成されている。さらに、右側のバックサイドフレーム31の下端部と、左側のバックサイドフレーム30の下端部は等しい高さ位置に配置されている。すなわち、左側のバックサイドフレーム30の上端部が、右側のバックサイドフレーム31の上端部よりも上方に突出した状態となっている。なお、左側のバックサイドフレーム30の上端部には、シートベルト(図示せず)のガイドに用いられるガイドブラケット34が設けられている。すなわち、ガイドブラケット34は、3点式シートベルトの上端側に位置している。
そして、右側のバックサイドフレーム31の上端部は、中央部や下端部よりも窄んで形成されており、後述するアッパーパイプフレーム32の中間パイプ32bを挟み込めるような状態となっている。
なお、ガイドブラケット34は、左側のバックサイドフレーム30の上端部前面を被覆する前側部34aとセットで用いられる。
アッパーパイプフレーム32は、図1,図2に示すように、左右のバックサイドフレーム30,31における上端部間を連結している。
このアッパーパイプフレーム32は、略コ字型に折曲加工されており、左右方向に伸びる上側パイプ32aと、上下方向に伸びる中間パイプ32bと、左右方向に伸びる下側パイプ32cと、を備える。なお、上側パイプ32aと中間パイプ32bとの間、中間パイプ32bと下側パイプ32cとの間は屈曲部とされている。
上側パイプ32aには、図示はしないが、ヘッドレストのピラーを保持するためのピラー保持部が取り付けられる角パイプ32d,32dが接合されている。
上側パイプ32a及び下側パイプ32cの左側端部は、左側のバックサイドフレーム30に対して溶接により接合されている(溶接部W)。また、上側パイプ32a及び下側パイプ32cの左側端部は、左側のバックサイドフレーム31を構成する左側分割体30aのウェブ300を貫通するようにして設けられている。そして、ウェブ300を貫通する上側パイプ32aの左側端部は、ガイドブラケット34の一片により覆われた状態となっている。また、ウェブ300を貫通する下側パイプ32cの左側端部は、ウェブ300の前後に形成された膨出部300b,300cよりも外側(左側)に突出しない状態となっている。
中間パイプ32bは、右側のバックサイドフレーム31の上端部において、ウェブ310と前後のフランジ311,312の内側に設けられ、挟み込まれたような状態となっており、さらに、ウェブ310と前後のフランジ311,312に対して溶接により接合されている(溶接部W)。
ロアパイプフレーム33は、横方向に伸びる一本のパイプフレームであり、左右のバックサイドフレーム30,31の下端部(下端部よりも、やや上方)間を連結している。このロアパイプフレーム33の長さ方向両端部は、左右のバックサイドフレーム30,31をそれぞれ貫通するようにして設けられ、溶接により接合されている(溶接部W)。
ロアパイプフレーム33の左側端部は、左側のバックサイドフレーム30を構成する左側分割体30aのウェブ300を貫通しているが、ウェブ300の前後に形成された膨出部300b,300cよりも外側(左側)に突出しない状態となっている。すなわち、ロアパイプフレーム33の左側端部は、左側分割体30aのウェブ300における凹部300aを貫通している。
[リクライニング機構について]
続いて、リクライニング機構4は、図1~図14等に示すように、回転止め機能を備えた略円盤状のラウンドリクライナー40と、当該ラウンドリクライナー40を介して連結されたシート左側用の第一ブラケット41及び第二ブラケット42と、シート右側用の第三ブラケット43と、を有する。
ラウンドリクライナー40は、シートフレーム1の左右両側にそれぞれ設けられており、シート左側において、このラウンドリクライナー40は、第一ブラケット41に対して第二ブラケット42を回転可能な状態に連結している。シート右側においては、第三ブラケット43に対して右側のバックサイドフレーム31を回転可能な状態に連結している。
なお、リクライニング機構4には、ラウンドリクライナー40の中心を通り、シートバックフレーム3の回転中心となる回転軸4aが設けられている。また、回転軸4aは、第一ブラケット41と第二ブラケット42を貫通するようにして設けられている。
第一ブラケット41は、本体板部を備えて板状に形成されており、図3,図5等に示すように、ラウンドリクライナー40が上部に設けられ、下部が、左側のクッションサイドフレーム20に固定された状態となっている。なお、ラウンドリクライナー40は、第一ブラケット41の上部における内側面(右側面)に対して溶接により接合されている(溶接部W)。
第一ブラケット41の前側縁部と後側縁部のそれぞれには、第一ブラケット41における剛性の向上を図るために、フランジ41a,41bが一体形成されている。
また、第一ブラケット41の本体板部における上下方向の中間部41cは、第一ブラケット41の上部が下部に対して外側に位置するように段状に形成されている。
第一ブラケット41の下部は、閉断面構造のクッションサイドフレーム20における後端部側の、上方に向かって開口した箇所から差し込まれるようにして設けられている。そして、この第一ブラケット41の下部は、クッションサイドフレーム20の外側面から、前後二箇所においてボルト410,411によって固定されている。
ボルト410,411は、クッションサイドフレーム20を左右に貫通しており、図7に示すように、クッションサイドフレーム20の内側面においてナット412,413が締め付けられている。
なお、ボルト410,411の位置は、バックパイプフレーム22よりも前方の1箇所と、後方の1箇所とされている。
第一ブラケット41の下部のうち、ボルト410,411による固定箇所よりも更に下方には、図5に示すように、斜め前方下側に突出する突出片41dが一体形成されている。当該突出片41dは、上述した貫通孔であるアンカーポイント24が形成される箇所となっている。換言すれば、当該突出片41dには、アンカーポイント24となる貫通孔が形成されている。
第二ブラケット42は、本体板部を備えて板状に形成されており、図9~図14等に示すように、ラウンドリクライナー40が下部に設けられ、上部が、左側のバックサイドフレーム30に固定された状態となっている。なお、ラウンドリクライナー40は、第二ブラケット42の下部における外側面(左側面)に対して溶接により接合されている。
第二ブラケット42の前側縁部と後側縁部のそれぞれには、第二ブラケット42における剛性の向上を図るために、フランジ42a,42bが一体形成されている。
また、第二ブラケット42における本体板部の上端部には、クランク状に折曲形成された屈曲板部42cが一体形成されている。
屈曲板部42cは、本体板部の上側縁部に一体形成されて上方に突出する第一片420と、第一片420の上端部から本体板部から離間する方向(本実施形態では左側)に突出する第二片421と、第二片421の突出方向先端部から上方に突出する第三片422と、を備える。
屈曲板部42cを含む第二ブラケット42の上部は、閉断面構造のバックサイドフレーム30における下端部の、下方に向かって開口した箇所から差し込まれるようにして設けられている。
そして、第二ブラケット42の本体板部が、バックサイドフレーム30における右側分割体30bのウェブ303に接し、溶接により接合されている。また、屈曲板部42cの第三片422が、バックサイドフレーム30における左側分割体30aのウェブ300に接し、溶接により接合されている(溶接部W)。
左側分割体30aのウェブ300と、右側分割体30bのウェブ303のうち、第二ブラケット42が当接する箇所には、当該ウェブ300,303を貫通する溶接用の孔300d,303dが形成されており、当該孔300d,303dを利用して第二ブラケット42の本体板部と第三片422とが溶接固定されている。つまり、孔300d,303dの縁部と、第二ブラケット42の本体板部と第三片422とが溶接された状態となっている。これにより、第二ブラケット42の本体板部と第三片422は、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の外側面側から溶接できるようになっている。
なお、本実施形態においては、第三片422が、左側分割体30aのウェブ300に接し、溶接により接合されているものとしたが、接合されずに接しているだけの状態であってもよい。
また、第二ブラケット42の本体板部は、孔303dの位置だけでなく、孔303dよりも下方の複数の位置で、右側分割体30bに溶接されている。
より詳細に説明すると、第二ブラケット42は、本体板部が右側分割体30bのウェブ303に接して固定され、本体板部よりも上方の屈曲板部42cにおける第三片422が左側分割体30aのウェブ300に接して固定されている。つまり、第二ブラケット42は、自身が差し込まれた左側のバックサイドフレーム30の内部において、斜め方向に離間した二つの箇所で、バックサイドフレーム30に固定された状態となっている。より具体的には、一方の固定箇所(屈曲板部42cにおける第三片422が固定された箇所:孔300dの位置)は、上方であって、かつ外側に位置しており、他方の固定箇所(本体板部が固定された箇所:孔303dの位置及び他の溶接箇所)は、下方であって、かつ内側に位置している。
第二ブラケット42は、このように上下の斜め方向に離間した二つの箇所でバックサイドフレーム30の内部に固定されているため、袈裟懸けされる3点式シートベルトに加わる荷重に対して補強効果を発揮する。
第三ブラケット43は、本体板部を備えて板状に形成されており、図1,図3等に示すように、ラウンドリクライナー40が上部に設けられ、下部が、右側のクッションサイドフレーム21の外側面に固定された状態となっている。なお、ラウンドリクライナー40は、第三ブラケット43の上部における内側面(左側面)に対して溶接により接合されている。また、ラウンドリクライナー40は、右側のバックサイドフレーム31の下端部における外側面(右側面)に対して溶接により接合されている。
第三ブラケット43の前側縁部と下縁部と後側縁部には、これら各縁部に連続して、第三ブラケット43における剛性の向上を図るためのフランジ43a,43bが一体形成されているものとする(図19等参照。)。
また、この第三ブラケット43の下端部は、右側のクッションサイドフレーム21に対して前後二箇所のボルト430,431によって固定されている。
ボルト430,431は、第三ブラケット43とクッションサイドフレーム21を左右に貫通しており、図3に示すように、クッションサイドフレーム21の内側面においてナット432,433が締め付けられている。
なお、ボルト430,431の位置は、バックパイプフレーム22よりも前方の1箇所と、後方の1箇所とされている。すなわち、左側に設けられた上述のボルト410,411と正反対の位置関係となっている。
[シート支持部について]
続いて、シート支持部5は、図1~図4,図7,図15,図16に示すように、クッションフレーム2の前側と後側にそれぞれ設けられた横スライドレール50,51と、前側の横スライドレール50の左右側端部に設けられたフットブラケット52,53と、後側の横スライドレール51の左右側端部に設けられたフットブラケット54,55と、左側に設けられた前後のフットブラケット52,54同士を連結する連結部材56と、を有する。
なお、各フットブラケット52~55は、その下端部が、上述した左右一対の前後スライドレールにおける可動レールに対して取り付けられている。すなわち、本実施形態におけるシート支持部5は、前後スライドレールを介して乗物用シートを床上に支持することができるようになっている。
横スライドレール50,51は、シートフレーム1を左右方向にスライド移動させるためのものであり、左右方向に長尺に形成されている。
横スライドレール50,51は、図4,図16に示すように、固定レール50a,51aと、固定レール50a,51aに対して長さ方向にスライド可能に設けられた可動レール50b,51bと、を備えており、これにより、シートフレーム1を左右方向に位置調整できるようになっている。
前側に設けられた横スライドレール50における固定レール50aは、前側に位置するフットブラケット52,53の上端部間に架け渡されて設けられている。
前側に設けられた横スライドレール50における可動レール50bは、クッションフレーム2のフロントパイプフレーム23における左右側端部23a,23bの近傍において、左右のクッションサイドフレーム20,21の下面に架け渡されて設けられている。
より詳細には、左側のクッションサイドフレーム20における前端部の内側面(すなわち、右側分割体20b)には、図4に示すように、横スライドレール50の延在方向に沿って内側に突出する接続部材206が溶接等により一体的に設けられており、可動レール50bは、この接続部材206に対して固定されている。すなわち、可動レール50bの左側端部は、接続部材206を介して左側のクッションサイドフレーム20の下面に設けられている。
また、可動レール50bの右側端部は、右側のクッションサイドフレーム21の前端部における下側のフランジ212に対して固定されている。
なお、横スライドレール50における可動レール50bの固定は、ボルト500,501とナット502,503によって行われている。
可動レール50bと接続部材206とを連結するボルト500は、図示はしないが、クッションフレーム2におけるフロントパイプフレーム23の左側端部23aの端末部よりも前方に位置している。
また、可動レール50bと右側のクッションサイドフレーム21の前端部における下側のフランジ212とを連結するボルト501は、図4に示すように、クッションフレーム2におけるフロントパイプフレーム23の右側端部23bの端末部よりも前方に位置している。
換言すれば、フロントパイプフレーム23の左右側端部23a,23bは、可動レール50bをクッションサイドフレーム20,21に固定したポイントよりも後方に伸びた状態となっている。
後側に設けられた横スライドレール51における固定レール51aは、後側に位置するフットブラケット54,55の上端部間に架け渡されて設けられている。
後側に設けられた横スライドレール51における可動レール51bは、クッションフレーム2のバックパイプフレーム22における左右側端部の近傍において、左右のクッションサイドフレーム20,21の下面に架け渡されて設けられている。
より詳細には、左側のクッションサイドフレーム20における後端部の内側面(すなわち、右側分割体20b)には、上述の被装着部22aが一体的に設けられており、可動レール51bは、この被装着部22aにおける底部に対してボルト510及びナット512によって固定されている。すなわち、被装着部22aは、上述のように、左側のクッションサイドフレーム20とバックパイプフレーム22に対して溶接されているため、可動レール51bの左側端部も、被装着部22aを介して左側のクッションサイドフレーム20とバックパイプフレーム22に対して連結された状態となっている。
また、可動レール51bの右側端部は、右側のクッションサイドフレーム21の後端部における下側のフランジ212に対して固定されている。可動レール51bの右側端部の固定は、ボルト511とナット513によって行われている。
各フットブラケット52~55は、前後に対向する板部と、左右に対向する板部、上面を構成する板部と、によって略ボックス状に形成されている。各板部同士は溶接により接合されている。なお、各フットブラケット52~55の形状は、図示しない前後スライドレールや車体のフロアに応じて適宜変更されるものとする。
横スライドレール50,51における固定レール50a,51aは、各フットブラケット52~55における上面を構成する板部に対してボルト固定又は溶接により接合されている。
連結部材56は、左側に設けられた前後のフットブラケット52,54同士を連結するパイプフレームである。連結部材56は、前側に位置するフットブラケット52の前後の板部と、後側に位置するフットブラケット54の前後の板部とを貫通するようにして設けられている。すなわち、連結部材56の前端部は、前側に位置するフットブラケット52の前側の板部から前方に突出し、後端部は、後側に位置するフットブラケット54の後側の板部から後方に突出している。そして、連結部材56は、前後のフットブラケット52,54における各板部に対して溶接により接合されている(溶接部W)。
これにより、シート支持部5における左側部分の一体性が高まるだけでなく、シート支持部5に固定されたクッションフレーム2における左側部分を含む広い範囲の補強効果が高まるようになっている。
[剥離防止構造について]
続いて、剥離防止構造6は、クッションフレーム2のシート支持部5からの剥離を防止するものであり、図2,図15~図17に示すように、シートフレーム1の後方左側に設けられている。
このような剥離防止構造6は、クッションフレーム2におけるバックパイプフレーム22と、シート支持部5における左側前方のフットブラケット52及び左側後方のフットブラケット54と、シート左側において前後に配置されたフットブラケット52,54同士を連結する連結部材56と、バックパイプフレーム22の後面に固定された上側剥離防止部60と、フットブラケット54の後面に固定されて上側剥離防止部60と係合する下側剥離防止部61と、を有する。なお、本実施形態においては前方のフットブラケット52と後方のフットブラケット54とを連結する連結部材56は一本となっているが、図18に示すように、複数の連結部材56によって前後のフットブラケット52,54を連結するようにしてもよい。これによって、下側剥離防止部61の固定状態がより強固なものとなり、剥離防止構造6による横スライドレール50,51の剥離防止効果を高めることができる。連結部材56を複数とする場合、前後のフットブラケット52,54のサイズは、複数の連結部材56を取り付けるのに十分なサイズに適宜変更されるものとする(説明の便宜上、図18に示されている幅広に形成された後方のフットブラケットには符号54Aを付し、図18において示されていない前方のフットブラケット52は、後方のフットブラケット54Aと略等しいサイズに設定されているものとする。)。
なお、バックパイプフレーム22、フットブラケット52、フットブラケット54、連結部材56については、上述のとおりに構成されている。
上側剥離防止部60は、図15,図17に示すように、図示しないチャイルドシートが装着される左側の被装着部22aの後方に配置されている。なお、上側剥離防止部60だけでなく、剥離防止構造6自体が、左側の被装着部22aの後方に配置されており、剥離防止構造6を後方から真っ直ぐ見た場合に、当該剥離防止構造6と左側の被装着部22aとが、シートフレーム1の左右方向において略等しい位置に配置されている。
このような上側剥離防止部60は、当該上側剥離防止部60の上端部に位置し、バックパイプフレーム22の後面に固定される固定部600と、固定部600の下方に一体に設けられた本体部601と、本体部601の下端部に一体に設けられた上側係合部602と、を備える。
固定部600は、左右方向の中央部がバックパイプフレーム22側に凹むように形成された中央凹部600aと、左右の側縁部にバックパイプフレーム22側に突出するように形成された左右のフランジ600b,600cと、を有する。
そして、中央凹部600aの形成された位置と、左右のフランジ600b,600cの形成された位置で、固定部600がバックパイプフレーム22に対して溶接により接合されている(溶接部W)。なお、バックパイプフレーム22に対する左右のフランジ600b,600cの溶接位置は、バックパイプフレーム22に対する被装着部22aの後面上端における左右の端部の溶接位置と、シートフレーム1の左右方向において略等しい位置関係となっている。
本体部601は、固定部600よりも左右に幅広に形成されている。また、本体部601の後面には、本体部601の剛性を向上させるための複数のビード601aが並んで形成されている。これら複数のビード601aは、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
このような本体部601の固定部600側における左右の側縁部には、左右の側縁部にバックパイプフレーム22側に突出するように形成された左右のフランジ(フランジ形状)601b,601cが一体に設けられている。そして、当該本体部601における左右のフランジ601b,601cと、固定部600における左右のフランジ600b,600cは一体形成されている。
上側係合部602は、図16,図17に示すように、本体部601の下端部から、後側の横スライドレール51に向かって断面鉤型となるように湾曲形成されている。換言すれば、上側係合部602は、断面視において略J字型に形成されている。
下側剥離防止部61は、図15~図17に示すように、フットブラケット54の後面にボルト611によって固定される固定部610と、固定部610の上端部に一体に設けられた下側係合部612と、を備える。
固定部610は、シート左側後方に配置されたフットブラケット54を構成する後側の板部(上述)に対し、ボルト611によって固定されている。なお、固定部610の下縁部は、後方に突出した連結部材56を避けるようにして湾曲形成されており、ボルト611の固定位置は、連結部材56の左右両側とされている。
下側係合部612は、図16に示すように、固定部610の上端部から、上側剥離防止部60における上側係合部602に向かって断面鉤型となるように湾曲形成されている。換言すれば、下側係合部612は、断面視において略逆J字型に形成されている。
上側剥離防止部60における上側係合部602と、下側剥離防止部61における下側係合部612は、図16に示すように、互いに係合し合うような位置関係となっており、しかも、下側剥離防止部61が設けられたフットブラケット54は、連結部材56によって、前側のフットブラケット52と連結された状態となっている。そのため、例えば乗物が何かに衝突して大きな荷重がかかった場合に、クッションフレーム2のシート支持部5からの剥離を防止する効果を発揮する。
また、上側係合部602及び下側係合部612は、その左右側端部にフランジや壁がない状態となっているので、これら上側係合部602及び下側係合部612が係合し合った状態でも、横スライドレール50,51によるシートフレーム1のスライド移動を妨げないようになっている。
さらに、上側係合部602と下側係合部612とが係合し合う左右方向の長さは、横スライドレール50,51によるスライド移動長さよりも広く設定されている。
[本実施形態の効果]
以上のような本実施の形態によれば、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の開口に、板状の第一ブラケット41が差し込まれており、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41とがラップする位置に、シートベルトのアンカーポイント24が配置されているので、シートベルトのアンカーポイント24を、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41の双方に設定でき、シートベルトのアンカーポイント24を設けるのに必要な剛性を確保できる。
さらに、板状の第一ブラケット41が、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の開口から差し込まれて固定されているので、例えば閉断面構造とされた部材同士を差し込んだ状態で重ね合わせる場合に比して製造がしやすく、軽量化を図ることができる。
また、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41は、これらクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41とがラップする位置の前後二箇所でボルト410,411によって連結されているので、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20と第一ブラケット41との連結強度を向上できるとともに、クッションフレーム2自体の剛性も向上させることができる。
また、第一ブラケット41における前後のフランジ41a,41bは、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の内側面のうち前側と後側に位置する内側面に接しているので、互いに接する前後のフランジ41a,41bと前側及び後側の内側面との間で、クッションフレーム2にかかる荷重を分散することができる。
また、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の側面には、内側に向かって凹んだ状態の凹部200aが形成されているので、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の断面を大きくすることができ、剛性を向上させることができる。
また、凹部200aは、アンカーポイント24の近傍に形成されているので、アンカーポイント24近傍におけるクッションサイドフレーム20の剛性を向上させることができる。
また、バックパイプフレーム22における長さ方向両端部のうち少なくとも閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20側の端部は、閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20を左右に貫通しているので、少なくとも閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20に対するバックパイプフレーム22の取付強度を向上させることができるとともに、クッションフレーム2自体の剛性も向上させることができる。
また、チャイルドシートが装着される被装着部22aが、バックパイプフレーム22と閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20の双方に溶接されているので、バックパイプフレーム22に対する被装着部22aの取付強度を向上させることができるとともに、バックパイプフレーム22と閉断面構造とされたクッションサイドフレーム20とが連結される箇所の剛性を向上させることができる。
また、フロントパイプフレーム23における左右の側端部23a,23bは、左右のクッションサイドフレーム20,21における前端部が有するウェブ200,210と上下のフランジ201・211,202・212のそれぞれに溶接されているので、フロントパイプフレーム23における左右の側端部23a,23bを挟み込むようにして保持することができる。
また、フロントパイプフレーム23における左右の側端部23a,23bは、クッションフレーム2に対する前側の横スライドレール50における固定箇所(ボルト500,501の箇所)よりも後方に伸びているので、クッションフレーム2に対する前側の横スライドレール50における固定箇所は剛性が高まった箇所となっており、フロントパイプフレーム23における左右の側端部23a,23bは、このように剛性の高まった箇所よりも奥に差し込まれたような状態となる。これにより、フロントパイプフレーム23にかかる荷重を分散しやすくなり、フロントパイプフレーム23による荷重の支持がしやすくなる。
また、フロントパイプフレーム23における左右の側端部23a,23bと、左右のクッションサイドフレーム20,21における前端部とがラップする部分は、前側の横スライドレール50における固定箇所(ボルト500,501の箇所)の前後に伸びているので、フロントパイプフレーム23における左右の側端部23a,23bを、左右のクッションサイドフレーム20,21における前端部によって広い範囲で保持できる。
また、左右のバックサイドフレーム30,31のうち少なくとも一方は閉断面構造とされているので、左右のバックサイドフレーム30,31のうち少なくとも一方において必要な剛性を確保できる。
さらに、本体板部と、この本体板部から離間する方向に屈曲形成された屈曲板部42cを有してクッションフレーム2側から上方に突出する板状の第二ブラケット42が、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の開口から差し込まれて当該バックサイドフレーム30に接合されているので、例えば閉断面構造とされた部材同士を差し込んだ状態で重ね合わせる場合に比して製造がしやすく、軽量化を図ることができる。
しかも、屈曲板部42cは、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の内側面に接しているので、この屈曲板部42cが接する位置において、シートバックフレーム3にかかる荷重を分散することができる。
また、第二ブラケット42における本体板部は、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の内側面に接しており、本体板部から離間する方向に屈曲形成された屈曲板部42cは、本体板部の上端部に一体形成されているので、第二ブラケット42は、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の内側面のうちシート内側に位置する内側面とシート外側に位置する内側面のそれぞれに対し、上下方向にずれて接することとなる。これにより、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の内側面のうちシート内側に位置する内側面とシート外側に位置する内側面のいずれか一方だけに接する場合よりも、シートバックフレーム3にかかる荷重を効果的に分散することができる。
さらに、例えば閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の上端部にシートベルトのガイドに用いられるガイドブラケット34が取り付けられた場合に、シートベルトの使用時に斜め方向に荷重がかかることが想定されるが、そのように斜め方向にかかる荷重も分散しやすい。
また、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30には、第二ブラケット42が接する箇所に孔300d,303dが形成され、当該孔300d,303dを利用して閉断面構造とされたバックサイドフレーム30と第二ブラケット42とが溶接されているので、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の外側面から第二ブラケット42を溶接しやすい。
また、第二ブラケット42は、本体板部の前側縁部と後側縁部のそれぞれに一体形成されたフランジ42a,42bを有しており、前後のフランジ42a,42bは、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の内側面のうち前側と後側に位置する内側面に接しているので、互いに接する前後のフランジ42a,42bと前側及び後側の内側面との間で、シートバックフレーム3にかかる荷重を分散することができる。
また、前後のフランジ42a,42bと、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30とが溶接されているので、第二ブラケット42に対するバックサイドフレーム30の取付状態を強固にすることができ、バックサイドフレーム30を支持しやすくなる。
また、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30のうち少なくともシート外側方向の外側面には、シート内側方向に凹んだ状態の凹部300aが形成されているので、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30の断面を大きくすることができ、剛性を向上させることができる。
また、左右のバックサイドフレーム30,31間に架け渡されるロアパイプフレーム33の長さ方向両端部が、左右のバックサイドフレーム30,31のそれぞれを左右に貫通しているので、左右のバックサイドフレーム30,31に対するロアパイプフレーム33の取付強度を向上させることができるとともに、シートバックフレーム3自体の剛性も向上させることができる。
また、ロアパイプフレーム33における長さ方向両端部のうち少なくとも閉断面構造とされたバックサイドフレーム30側の端部は、凹部300aを貫通するとともに、当該凹部300aよりも外側に突出しない状態となっているので、シートバックフレーム3にクッションパッドを設けてクッションパッドによって閉断面構造とされたバックサイドフレーム30を被覆した際に、クッションパッドとロアパイプフレーム33の端部とが干渉しにくくなる。
また、シートバックフレーム3は、左右のバックサイドフレーム30,31間に架け渡され、かつ両端部が側方に向かって伸びるコ字型に形成されたアッパーパイプフレーム32を有するので、例えば直線状のフレームを三本使用すると、各フレーム間に境目(切れ目:エッジ)が生じることになるが、コ字型のアッパーパイプフレーム32であれば、そのような境目を無くすことができる。これにより、例えばシートバックに対して物体が衝突した際に、その物体が、各フレーム間の境目に当たるような事態が生じることを防ぐことができるので、安全性を向上できる。また、例えば直線状のフレームを三本使用するよりも、コ字型に形成されたアッパーパイプフレーム32の方が荷重を分散しやすい。
さらに、直線状のフレームを三本使用するよりも、コ字型に形成されたアッパーパイプフレーム32の方が部品点数を軽減させることができる。
また、コ字型のアッパーパイプフレーム32における両端部は、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30を左右に貫通しているので、コ字型のアッパーパイプフレーム32の、閉断面構造とされたバックサイドフレーム30への取付強度を向上させることができるとともに、シートバックフレーム3自体の剛性も向上させることができる。
また、下側剥離防止部61が固定されるフットブラケット54が、その前側のフットブラケット52と連結部材56によって連結されているので、例えば前後のフットブラケット52,54が連結部材56によって連結されない場合に比して、下側剥離防止部61の固定状態が強固なものとなる。その上で、クッションフレーム2側に固定された上側剥離防止部60と、連結部材56によって連結された前後のフットブラケット52.54における後側のフットブラケット54に固定された下側剥離防止部61とが、前後の横スライドレール50,51によるクッションフレーム2のスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っているので、横スライドレール50,51における固定レール50a,51aと可動レール50b,51bとの剥離をより防ぎやすくなる。
また、下側剥離防止部61は、後側のフットブラケット54のうち連結部材56を挟み込むような位置(ボルト611の位置)に固定されているので、下側剥離防止部61の固定箇所と連結部材56とを近づけることができ、下側剥離防止部61の固定状態を強固にしやすい。
また、上側剥離防止部60は、クッションフレーム2の後端部に設けられたバックパイプフレーム22に固定されているので、例えば上側剥離防止部60を横スライドレール51に固定する場合に比して、上側剥離防止部60の固定強度を強固にしやすい。
また、上側剥離防止部60における固定部600は、当該固定部600の左右方向中央に、バックパイプフレーム22側に凹んだ状態の中央凹部600aが形成されているので、中央凹部600aによって固定部600の断面を大きくすることができ、剛性を向上させることができる。
また、上側剥離防止部60は、固定部600における中央の凹部600aと、固定部600における左右方向両端部(フランジ600b,600c)の位置でバックパイプフレーム22に溶接されているので、複数の位置で溶接されていることとなり、バックパイプフレーム22に対する固定強度を向上できる。
また、上側剥離防止部60は、バックパイプフレーム22に溶接された固定部600の左右方向両端部の位置よりも下方にフランジ形状601b,601cを備えるので、固定部600よりも下方の部位における剛性を向上させることができる。これにより、上側剥離防止部60が変形しにくくなるので、上側剥離防止部60と下側剥離防止部61との係合が外れにくくなる。
さらに、例えばシートベルトが引っ張られ、上側剥離防止部60が斜め前方向に変形しようとした場合に、フランジ形状601b,601cの部位を、下側剥離防止部61やその周囲に接触させて、変位量を抑制することができる。
また、上側剥離防止部60は、チャイルドシートが装着される被装着部22aの後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されているので、バックパイプフレーム22において上側剥離防止部60と被装着部22aとが設けられる付近の剛性を向上させることができる。これにより、被装着部22aに装着されるチャイルドシートの取付状態を向上させることができる。
また、バックパイプフレーム22に対する被装着部22aの溶接箇所と、上側剥離防止部60の固定部600における左右方向両端部(フランジ600b,600c)の位置での溶接箇所と、が左右方向において略等しい位置に配置されているので、バックパイプフレーム22において上側剥離防止部60と被装着部22aとが溶接される付近の剛性を向上できるとともに、上側剥離防止部60の固定強度を向上できる。
また、上側剥離防止部60のうち下側剥離防止部61と係合し合う部位は、固定部600よりも左右方向に長く幅広に形成されているので、横スライドレール50,51によってクッションフレーム2を左右にスライド移動させた場合であっても、上側剥離防止部60と下側剥離防止部61との係合が外れにくくなる。
また、上側剥離防止部60は、当該上側剥離防止部60の表面に、上下方向に伸びて形成されたビード601aを備えるので、上側剥離防止部60の剛性を向上させることができる。これにより、上側剥離防止部60が変形しにくくなるので、上側剥離防止部60と下側剥離防止部61との係合が外れにくくなる。
<第2実施形態>
次に、図面を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1実施形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
図19~図21に示すシートフレーム1には、乗物用シートに着座した人の腕部を支持するアームレスト7が設けられている。
アームレスト7は、シートフレーム1の側面に対して前後方向に回転自在に取り付けられるものであり、図示はしないが、クッションパッドが設けられるとともに表皮に覆われるようになっている。
そして、本実施形態におけるアームレスト7は、図19,図20に示すような、人の腕部を支持する使用状態においては、シートバックフレーム3をリクライニングさせても、水平状態(略水平な状態、水平に近い状態等を含む。)を角度変化がないまま保つことができるように構成されている。一方、図21に示すような、人の腕部を支持しない収納状態においては、その収納状態を保持できるように構成されている。
なお、本実施形態におけるアームレスト7は、乗物用シートの左右両側に設けられるものとするが、以下においては、乗物用シートの右側に設けられる場合について説明する。また、本実施形態においては、このように乗物用シートの左右両側にアームレスト7が設けられるものとするが、左右のいずれかのみに設けられるものとしてもよい。
このようなアームレスト7は、図22,図23に示すように、取付ブラケット70と、メインフレーム71と、リンク機構72と、付勢部材73と、角度規制手段74と、を有し、リンク機構72は、上述のリクライニング機構4を含んで構成されている。
なお、本実施形態における付勢部材73は、引っ張りバネとされており、当該引っ張りバネの一端が引っ掛けられた部分と、他端が引っ掛けられた部分とを引き寄せる方向に付勢力が働くように構成されている。
取付ブラケット70は、シートバックフレーム3における右側のバックサイドフレーム31の外側面(右側面)に取り付けられている。そして、この取付ブラケット70には、リンク機構72、付勢部材73、角度規制手段74を介してメインフレーム71が取り付けられている。
また、この取付ブラケット70は、バックサイドフレーム31に取り付けられる箱部70aと、箱部70aの開口を閉塞する蓋部70bとを備えて中空箱状に形成されており、これにより、剛性が高められている。蓋部70bの中央には、取付ブラケット70の外側面を左右に貫通する貫通孔700が形成されており、後述するピボットピン727の先端部が差し込まれて固定される。
メインフレーム71は、バックサイドフレーム31に対向するように垂直に配置された本体板部710と、本体板部710の周縁部に連続して一体形成されたフランジ711と、メインフレーム71の後端部上寄りにフランジ711に一体形成された第一引掛部712と、を備える。
本体板部710は、取付ブラケット70に取り付けられる基端部から先端部に向かって徐々に上下寸法が短くなるように形成されている。
また、基端部の中央には、アームレスト7の回転中心(ジョイントCとする。)を構成する貫通孔710aが形成されており、基端部における貫通孔710aの上側には、後述するストッパーピン741が差し込まれるスロット孔710bが半円状に湾曲形成されている。
フランジ711は、本体板部710の周縁部から外側(本実施形態では右側)に突出して形成されている。
第一引掛部712は、付勢部材73である引っ張りバネの一端が引っ掛けられる部位であり、フランジ711の突端から更に外側に突出するように形成されている。なお、この第一引掛部712には、付勢部材73である引っ張りバネの一端を通すための孔が形成されていてもよい。
リンク機構72は、図19,図20に示すように、シートバックフレーム3のリクライニング動作を行った場合に、当該リンク機構72の構成要素が平行な位置関係を維持する平行リンク機構とされている。
このようなリンク機構72は、図18~図23に示すように、第一リンク720と、第二リンク721と、固定ブラケット722と、軸受け部材723と、第一回転軸部材724と、第二回転軸部材725と、ワッシャー部材726と、ピボットピン727と、リクライニング機構4における回転軸4a(ジョイントDとする。)と、リクライニング機構4における第三ブラケット43(左側の場合は第二ブラケット42)と、を含んで構成されている。
第一リンク720は、リンク機構72における上側リンクを構成する板状のリンクであり、前後方向に長尺に形成されている。
また、この第一リンク720には、前端部に、アームレスト7の回転中心(ジョイントC)を構成する第一貫通孔720aが形成され、中央に、ストッパーピン741が差し込まれる第二貫通孔720bと、第二リンク721との接続部(ジョイントAとする。)となる第三貫通孔720cと、が形成されている。
第二リンク721は、リンク機構72における後側リンクを構成する板状のリンクであり、上下方向に長尺に形成されている。
また、この第二リンク721には、上端部に、第一リンク721との接続部となる第一貫通孔721aと、下端部に、固定ブラケット722との接続部(ジョイントBとする。)となる第二貫通孔721bと、が形成されている。
固定ブラケット722は、第三ブラケット43の上端部における後側縁部のフランジ43bに固定されている。固定ブラケット722には、第二リンク721との接続部(ジョイントB)となる貫通孔(図示せず)が形成されている。
なお、本実施形態において、固定ブラケット722は第三ブラケット43に対して固定されて一体的な状態となっているが、これに限られるものではなく、固定ブラケット722と第三ブラケット43とを一体形成してもよい。固定ブラケット722と第三ブラケット43を一体形成することにより、部品点数を増やすことなくリンク機構72を構成できる。なお、本実施形態のように、別体の固定ブラケット722と第三ブラケット43を一体的な状態に固定する場合は、固定ブラケット722の固定位置を適宜調節することができ、リンク機構72を含むアームレスト7の設計がしやすい。
軸受け部材723(ブッシュともいう。)は、筒孔部723aを備えて円筒状に形成されており、筒孔部723aには、ピボットピン727が通されるようになっている。
筒孔部723aを構成する筒壁部723bの外郭は、三段階に径寸法の異なる状態に形成されており、最も径寸法の長い部分は取付ブラケット70に固定されている。最も径寸法の短い部分には、メインフレーム71、第一リンク720、後述するワッシャー部材726、後述するピボットブラケット740における各貫通孔に通される部分となっている。
第一回転軸部材724は、第一リンク720における第三貫通孔720cと、第二リンク721における第一貫通孔721aに通されて、第一リンク720と第二リンク721とを回転自在に接続するものである。
本実施形態においては、第一回転軸部材724としてリベットが用いられており、第一リンク720における第三貫通孔720cと、第二リンク721における第一貫通孔721aに通された後に、図22に示すように、先端が潰されて、これにより、第一リンク720と第二リンク721とを接続できるようになっている。
第二回転軸部材725は、第二リンク721における第二貫通孔721bと、固定ブラケット722における貫通孔に通されて、第二リンク721と固定ブラケット722とを回転自在に接続するものである。
本実施形態においては、第一回転軸部材724と同様にリベットが用いられており、図22に示すように、先端が潰されることにより、第二リンク721と固定ブラケット722とを接続できるようになっている。
ワッシャー部材726は、中央に貫通孔のある円環板状の部材であり、ピボットピン727と後述するピボットブラケット740との間に挟まれる状態に設けられる。
ピボットピン727は、取付ブラケット70における貫通孔700に向かって通される軸部材である。
このようなピボットピン727は、先端に形成された径寸法の短い第一軸部727aと、第一軸部727aよりも径寸法の長い第二軸部727bと、ワッシャー部材726の貫通孔の内径よりも外径寸法の長いフランジ部727cと、を備える。
第一軸部727a及び第二軸部727bは、軸受け部材723の筒孔部723aに通され、第一軸部727aは、取付ブラケット70の貫通孔700に通される。そして、第一軸部727aは、取付ブラケット70における蓋部70bの内面側において固定されている。
フランジ部727cは、ワッシャー部材726の外側面に接した状態となっている。
角度規制手段74は、リンク機構72及び付勢部材73と共に用いられることでメインフレーム71を一定の角度を保った状態にするための手段であり、使用状態においてはメインフレーム71の水平状態を保ち、収納状態においては、その収納状態を保つように構成されている。
このような角度規制手段74は、ピボットブラケット740と、ストッパーピン741と、を備える。
ピボットブラケット740は、略楕円形に形成された板状体であり、前端部には、付勢部材73である引っ張りバネの他端が引っ掛けられる第二引掛部740aが一体形成されている。第二引掛部740aは、第一引掛部712と同一の方向(外側)に突出しており、その突出方向先端の位置は、第一引掛部712における突出方向先端の位置と略等しく設定されている。
また、ピボットブラケット740の中央には、軸受け部材723の筒壁部723bが通される第一貫通孔740bが形成され、ピボットブラケット740の後端部には、ストッパーピン741が通される第二貫通孔740cが形成されている。
ストッパーピン741は、メインフレーム71の水平状態を保つ際に機能するものであり、ピボットブラケット740における第二貫通孔740cと、メインフレーム71におけるスロット孔710bに通される。
本実施形態においては、ストッパーピン741としてリベットが用いられており、ピボットブラケット740における第二貫通孔740cと、メインフレーム71におけるスロット孔710bに通された後に先端が潰されて、これにより、メインフレーム71とピボットブラケット740とを接続できるようになっている。
リンク機構72は、図19,図20に示すように、ジョイントAと、ジョイントBと、アームレスト7の回転中心によるジョイントCと、シートバックフレーム3の回転中心となる回転軸4aによるジョイントDとを軸にして、シートバックフレーム3と、第一リンク720と、第二リンク721と、が回転できる構成となっている。
シートバックフレーム3をリクライニングさせてリンク機構72が動作する際に、ジョイントBの位置と、ジョイントDの位置は、それぞれリクライニング機構4を含んで構成されるため、位置の変動がない。一方、ジョイントAの位置と、ジョイントCの位置はシートバックフレーム3の位置に応じて変動があるため、第一リンク720及び第二リンク721は回転動作を行う。
そして、付勢部材73である引っ張りバネは、ピボットピン727よりも上方の位置で、メインフレーム71の第一引掛部712とピボットブラケット740の第二引掛部740aとを引き寄せる方向に付勢している。この時、メインフレーム71には、矢印Y1の方向に回転しようとする付勢力が働くが、ストッパーピン741は、スロット孔710bの後端部に接触しているため、メインフレーム71(すなわち、アームレスト7)の水平状態を維持できるようになっている。しかも、このようなメインフレーム71の水平状態は、シートバックフレーム3のリクライニング角度が変更されても維持できるようになっている。
アームレスト7の収納状態とは、図20に示すように、アームレスト7の長さ方向とシートバックフレーム3の長さ方向とが沿うようにアームレスト7を回転させた状態を指している。
アームレスト7を収納状態にするには、メインフレーム71を、上方に持ち上げるようにして回転させる。この時、ストッパーピン741は、スロット孔710bの後端部から離れた状態となり、付勢部材73は、ピボットピン727よりも上方にあった状態から下方にある状態へと変位する。この付勢部材73は、第一引掛部712と第二引掛部740aとを引き寄せようとするため、メインフレーム71には、矢印Y2の方向に回転しようとする付勢力が働く。そして、付勢部材73による付勢力の減退(付勢部材73である引っ張りバネが縮み切る状態)と、アームレスト7の長さ方向とシートバックフレーム3の長さ方向とが沿う位置とを揃えておくことで、メインフレーム71(アームレスト7)の収納状態を維持できるようになっている。
メインフレーム71を収納状態から水平状態に移動させる場合、当初のうちは付勢部材73による付勢力が矢印Y2の方向へと働くが、その付勢力に逆らってメインフレーム71を下方へと回転させて移動させると、ストッパーピン741とスロット孔710bの後端部とが徐々に近づいていき、付勢部材73の位置も徐々に上方へと変位する。
付勢部材73の位置がピボットピン727よりも上方に変位し、ストッパーピン741とスロット孔710bの後端部とが更に近づいた状態になると、メインフレーム71には矢印Y1の方向へと付勢力が働く。
そして、ストッパーピン741がスロット孔710bの後端部に当接した時点で、メインフレーム71は水平状態となり、かつ、付勢部材73による付勢力によってその水平状態を維持できるようになっている。
なお、図示例において、メインフレーム71は外側(本実施形態では右側)に向かって開放されているが、このメインフレーム71には、開放されている部分を覆うカバーフレーム(図示せず。)が設けられるものとする。その上で、メインフレーム71及びカバーフレームの周囲にクッションパッドが設けられ、さらに表皮が被せられることになる。
本実施形態によれば、シートバックフレーム3がリクライニング機構4によってクッションフレーム2に対して傾動してリンク機構72が変位した場合に、角度規制手段74によってメインフレーム71が水平状態を保持し、付勢部材73によってメインフレーム71が回転方向の前側に付勢されているので、シートバックフレーム3がリクライニング機構4によってクッションフレーム2に対してどのような角度に傾動しても、リンク機構72が変位できる範囲で、メインフレーム71の水平状態を保持することができる。これにより、従来に比して、アームレスト7を、より簡単な構造で水平な状態を保つことが可能となる。
また、付勢部材73は、一端部がメインフレーム71が有する第一引掛部712に引っ掛けられ、他端部が角度規制手段74が有する第二引掛部740aに引っ掛けられる引っ張りバネであるため、メインフレーム71が有する第一引掛部712を、角度規制手段74が有する第二引掛部740aに引き寄せることができ、メインフレーム71を付勢しやすい。
また、メインフレーム71の長さ方向とシートバックフレーム3の側面の長さ方向とが沿うようにメインフレーム71を後方に回転させた収納状態において、付勢部材73は、メインフレーム71を回転方向の後側に付勢しているので、シートバックフレーム3がリクライニング機構4によってクッションフレーム2に対してどのような角度に傾動しても、リンク機構72が変位できる範囲で、メインフレーム71の収納状態を保持することができる。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
また、以下の各変形例において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
〔変形例1〕
本変形例におけるシートフレーム1は、図24に示すように、シートバックフレーム3を構成する左右のバックサイドフレーム30,31Aが、双方とも閉断面構造となっている。
すなわち、本変形例においては、上記の実施形態とは異なり、右側のバックサイドフレーム31Aが、右側分割体31aと左側分割体31bとを結合した閉断面構造の中空体として一体的に形成されている。
右側分割体31aは、上記の実施形態における左側分割体30aと対称に形成されており、左側分割体31bは、上記の実施形態における右側分割体30bと対称に形成されている。
また、右側のバックサイドフレーム31Aが閉断面構造とされたことで、上記の実施形態におけるコ字型のアッパーパイプフレーム32に替えて、横方向に伸びる一本のアッパーパイプフレーム32Aと、横方向に伸びる一本のミドルパイプフレーム32Bと、が用いられている。
さらに、リクライニング機構4においても、上記の実施形態における第三ブラケット43の替わりに、第二ブラケット42と対称に構成された第二ブラケット42を用いてもよい。この場合、クッションフレーム2における右側のクッションサイドフレーム21も、左側のクッションサイドフレーム20と同様に閉断面構造としてもよい。
本変形例によれば、シートバックフレーム3を構成する左右のバックサイドフレーム30,31Aが閉断面構造とされているので、片方だけを閉断面構造とする場合に比して、シートバックフレーム3の剛性を向上させることができる。
また、シートベルト用のガイドブラケット34を、片方のバックサイドフレーム30だけでなく、双方のバックサイドフレーム30,31Aに取り付けることができる。例えば三つのシートが横一列に並べて設けられた後部座席のうち、幅狭に形成されたシートにはガイドブラケット34を設けることができない場合がある。そのような場合には、幅狭なシートに隣接する一つのシートの、左右のバックサイドフレーム30,31Aを閉断面構造とし、それらの上端部に、幅狭なシート用のガイドブラケット34と、その隣接するシート用のガイドブラケット34と、をそれぞれ取り付ける。これにより、幅狭に形成されたシートにガイドブラケット34を設けることができない場合に対応することが可能となっている。
〔変形例2〕
本変形例におけるシートバックフレーム3のアッパーパイプフレーム32には、図24に示すように、補強フレーム35が設けられている。
補強フレーム35は、アッパーパイプフレーム32における下側パイプ32cと、この下側パイプ32cの左右にある中間パイプ32b、左側のバックサイドフレーム30との間にそれぞれ斜めに架け渡されて固定された斜材である。
すなわち、一方の補強フレーム35は、下側パイプ32cと中間パイプ32bとの間の屈曲部を跨ぐようにして斜めに設けられ、他方の補強フレーム35は、下側パイプ32cと左側のバックサイドフレーム30とが接する部分を跨ぐようにして斜めに設けられている。
本変形例によれば、アッパーパイプフレーム32が設けられた位置に、左側のバックサイドフレーム30とアッパーパイプフレーム32と補強フレーム35によって構成されるトラス構造を形成することができるので、補強フレーム35が設けられた箇所、ひいてはシートバックフレーム3の剛性を向上させることができる。
〔変形例3〕
本変形例におけるシートバックフレーム3には、上記の実施形態におけるコ字型のアッパーパイプフレーム32に替えて、図26に示すように、上側パイプ32aと中間パイプ32bからなるアッパーパイプフレーム32Cと、板状のミドルフレーム32Dと、が用いられている。
ミドルフレーム32Dは、板状に形成されており、左右のバックサイドフレーム30,31間に架け渡されて設けられている。本実施形態においては、このミドルフレーム32Dは、左右のバックサイドフレーム30,31の後面同士の間に架け渡されているが、これに限られるものではなく、前面同士の間に架け渡されてもよいし、前後方向の中間部分同士の間に架け渡されてもよい。
また、ミドルフレーム32Dと、ロアパイプフレーム33との間には、左右の連結フレーム36が架け渡されて取り付けられている。
連結フレーム36は、ウェブと、左右のフランジと、を有しており、ミドルフレーム32Dとロアパイプフレーム33とを連結するだけでなく、シートバックフレーム3全体の剛性向上を図るために設けられている。
本変形例によれば、ミドルフレーム32Dが板状に形成されているので、ミドルフレーム32Dに対して、例えば制振用のダイナミックダンパーや、シートバックフレームを被覆するカバー等の他部材を取り付けやすくなる。
また、連結フレーム36によって、ミドルフレーム32Dとロアパイプフレーム33とを連結することができるので、この連結フレーム36も、ミドルフレーム32Dと同様に他部材を取り付けるために用いることができる。しかも、ミドルフレーム32Dとロアパイプフレーム33とを連結することによって、シートバックフレーム3の剛性を向上させることができる。
〔変形例4〕
本変形例におけるクッションフレーム2には、上記の実施形態におけるフロントパイプフレーム23に替えて、図27に示すように、中央部230が、左右側端部231,232に対して、後方に切り返すように、かつ上方に向かって折り曲げられたフロントパイプフレーム23Aが用いられている。
より詳細に説明すると、フロントパイプフレーム23Aは、左右のクッションサイドフレーム20,21に保持される左右の側端部231,232と、これら左右の側端部231,232間に設けられる中央部230と、を備える。
中央部230は、左右側端部231,232が前方に向かって伸びるのに対し、後方に向かって、かつ上方に向かって折り曲げられている。
中央部230と、左右側端部231,232との間は屈曲部230a,230bとされており、当該屈曲部230a,230bの部位において、中央部230は折り曲げられる方向が決定づけられている。
また、フロントパイプフレーム23Aの中央部230と、バックパイプフレーム22との間には、乗物用シートに着座する人の荷重を受ける受圧部材26a,26bが架け渡されて設けられている。
受圧部材26a,26bはワイヤーであり、シート前側部分は、フロントパイプフレーム23Aの中央部230に対応して上向きに折り曲げられている。また、一方の受圧部材26aは、前端部がコ字状に折り曲げられており、中央部230よりも前方に突出した状態となっている。他方の受圧部材26bは、前端部が中央部230に引っ掛けられている。
受圧部材26a,26bのシート後側部分は、バックパイプフレーム22に対して引っ掛けられているものとする。
受圧部材26a,26bの中間部は、フロントパイプフレーム23Aにおける左右側端部231,232と略等しい高さ位置に設定されている。
また、これら受圧部材26a,26bによって、クッションフレームにおける形状出しを行うことができる。
このようなクッションフレーム2には、図示しないクッションパッドが設けられるとともに表皮が被せられる。クッションパッドは、フロントパイプフレーム23Aにおける中央部230の突出状態に応じて、前端部の中央が膨らむようにして形成されているものとする。
本変形例によれば、クッションフレーム2における前端部の中央を上方に向かって盛り上げるように形成することができるので、乗物用シートに着座する人が、シートよりも前方に移動しにくくなる。これにより、例えば車両衝突時の身体の沈み込みを防ぐことができる。
1 シートフレーム
2 クッションフレーム
20 クッションサイドフレーム
20a 左側分割体
20b 右側分割体
21 クッションサイドフレーム
22 バックパイプフレーム
22a 被装着部
23 フロントパイプフレーム
24 アンカーポイント
3 シートバックフレーム
30 バックサイドフレーム
30a 左側分割体
30b 右側分割体
31 バックサイドフレーム
32 アッパーパイプフレーム
33 ロアパイプフレーム
34 ガイドブラケット
4 リクライニング機構
4a 回転軸
40 ラウンドリクライナー
41 第一ブラケット
42 第二ブラケット
42a フランジ
42b フランジ
42c 屈曲板部
43 第三ブラケット
5 シート支持部
50 横スライドレール
50a 固定レール
50b 可動レール
51 横スライドレール
51a 固定レール
51b 可動レール
52 フットブラケット
53 フットブラケット
54 フットブラケット
55 フットブラケット
56 連結部材
6 剥離防止構造
60 上側剥離防止部
602 上側係合部
61 下側剥離防止部
612 下側係合部
7 アームレスト
70 取付ブラケット
71 メインフレーム
710b スロット孔
712 第一引掛部
72 リンク機構
720 第一リンク
721 第二リンク
722 固定ブラケット
723 軸受け部材
724 第一回転軸部材
725 第二回転軸部材
726 ワッシャー部材
727 ピボットピン
73 付勢部材
74 角度規制手段
740 ピボットブラケット
740a 第二引掛部
741 ストッパーピン
A ジョイント
B ジョイント
C ジョイント
D ジョイント
W 溶接部

Claims (1)

  1. 人の大腿部及び臀部を支持するシートクッションの骨格を形成するクッションフレームと、前記クッションフレームを乗物の床上に支持するシート支持部と、前記クッションフレームと前記シート支持部との間に設けられた剥離防止構造と、を備えた乗物用シートの補強構造であって、
    前記シート支持部は、
    前記乗物の床に設置され、かつ固定レールと可動レールとを備えて、前記クッションフレームを前記乗物の前後方向にスライド移動させるための左右一対の前後スライドレールと、
    前記クッションフレームの下面に設けられ、かつ固定レールと可動レールと備えて前記クッションフレームを左右方向にスライド移動させる前後の横スライドレールと、
    前記前後の横スライドレールのそれぞれにおける左右に設けられるとともに、下端部が前記左右一対の前後スライドレールに対して取り付けられて前記クッションフレームを支持する複数のフットブラケットと、
    前記複数のフットブラケットのうち、シート左側とシート右側の少なくとも一方側において前後方向に間隔を空けて配置されたフットブラケット同士を連結する連結部材と、を有しており、
    前記剥離防止構造は、
    前記クッションフレーム側に固定された上側剥離防止部と、
    前記シート支持部のうち前記連結部材によって連結された前後の前記フットブラケットにおける後側のフットブラケットに固定された下側剥離防止部と、を有しており、
    前記上側剥離防止部と前記下側剥離防止部とが、前記前後の横スライドレールによる前記クッションフレームのスライド移動が可能な状態で互いに係合し合っており、
    前記上側剥離防止部は、前記クッションフレームの後端部に設けられたバックパイプフレームに固定されており、
    チャイルドシートが装着される被装着部が、前記バックパイプフレームに溶接されており、
    前記上側剥離防止部は、前記被装着部の後方であって、かつ左右方向において略等しい位置に配置されていることを特徴とする乗物用シートの補強構造。
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