JP2023063232A - 化粧料 - Google Patents

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正人 吉岡
Masato Yoshioka
陽香 室屋
Haruka Muroya
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Abstract

【課題】 紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを含有しており、高い紫外線防御能(高SPF及びPA)を有し、かつ、保存中において凝集や沈殿が少ない化粧料を提供する。【解決手段】(A)シリル化ペプチド/シラン化合物共重合体、又は、シリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を壁膜とし紫外線吸収剤を内包する内包済み微小カプセル、(B)シリコーン界面活性剤、及び(C)親水性紫外線散乱剤を含有させて本発明の化粧料を構成する。【選択図】 なし

Description

本発明は、保存安定性に優れ、さらには高い紫外線防御能(高SPF及びPA)を有する紫外線吸収剤内包済み微小カプセル配合化粧料に関する。より詳しくは、(A)シリル化ペプチドとシラン化合物との共重合体、又はシリル化アミノ酸とシラン化合物との共重合体を壁材とし紫外線吸収剤を内包する微小カプセルと、(B)特定のシリコーン界面活性剤、及び(C)親水性紫外線散乱剤を組み合わせて配合することで、高い紫外線防御能を維持しつつ、保存中の経時的な粘度変化や微小カプセルの凝集、沈殿が抑制された化粧料に関する。
オルガノポリシロキサンは、熱的・機械的に安定である、耐光性を有する、生体不活性であるなどの優れた特性を有することから、広い分野で利用されている。マイクロカプセルやナノカプセルなどの微小カプセルの分野においても、オルガノポリシロキサンやそれに類する化合物を壁材として用いた微小カプセルが製造されており、本発明者らもシリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁材に用いた紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを、優れた紫外線防御剤として開発した(特許文献1)。
さらには、内包物の滲み出しが少なく、壁材に由来するにおいがほとんどなく、広いpH安定性を有し、化粧品に配合した際には共存物と会合することなく安定性に優れ、しかも内包物の活性が十分に発揮できる内包済み微小カプセルとして、シリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁材に用いた紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを開発し、当該微小カプセルを配合した化粧料についても開発している(特許文献2)。
しかしながら、これらの紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを化粧料に含有させた場合には、その剤形によっては保存中に経時的に微小カプセルが凝集しその凝集体が沈殿するといった、微小カプセルの分散性を保持することが困難な場合があった。一方、近年のサンスクリーン化粧料に求められる性能は高まってきており、これまでの紫外線吸収剤内包済み微小カプセル配合化粧料では安全性や使用感といった点で優れているものの、さらに優れた紫外線防御効果を示しつつ、微小カプセルの分散性に優れた化粧料の開発が期待されていた。
特開平11-221459号公報 特開2017-218392号公報
本発明は、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルが均一に分散した化粧料であって、保存中においても当該微小カプセルの凝集や沈殿が抑制され、沈殿が生じたとしても微小カプセルの再分散性に優れ、かつ、高い紫外線防御能(高SPF及びPA)を有する紫外線防御用化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸の1種以上と、加水分解によってケイ素原子に直結する水酸基が2個以上生じるシラン化合物の1種以上とを水溶液中で縮重合させて得られるシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体又はシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を壁膜とし紫外線吸収剤を内包した紫外線吸収剤内包済み微小カプセルと、特定のシリコーン界面活性剤及び特定の親水性紫外線散乱剤を組み合わせて配合することにより、保存中において微小カプセルの凝集や沈殿が抑制され、沈殿が生じたとしても微小カプセルの再分散性に優れ、かつ、高い紫外線防御能を有する化粧料となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、前記課題は、以下に示す構成の化粧料により解決される。
本発明は、その第1として、下記成分(A)、成分(B)を含有し、成分(A)に対する成分(B)の質量割合(B)/(A)が0.01以上、0.09以下であることを特徴とする化粧料。
(A)下記の一般式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で表される構造単位U:
Figure 2023063232000001
[式中、Rは、炭素数1~20のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。]、
及び下記の一般式(Id)又は(Ie)で表される構造単位W:
Figure 2023063232000002
[式中、Rは、炭素数1~3のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、AはSiとNを結合する2価の基であって、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、*-(CHOCHCH(OH)CH-及び*-(CHOCOCHCH-(*は、Siと結合する側を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を表し、Eは数平均分子量100~50000のポリペプチド又はαアミノ酸から1つの1級アミノ基を除いた残基を表す]を有する共重合体であるシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体、又はシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を壁膜とし紫外線吸収剤を内包する内包済み微小カプセル
(B)シリコーン界面活性剤
本発明の第2は、前記本発明の第1の化粧料であって、成分(B)のシリコーン界面活性剤がポリエーテル変性シリコーンから選ばれることを特徴とする化粧料である。シリコーン界面活性剤がポリエーテル変性シリコーンである場合には、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの分散性が向上し、高い紫外線防御能(高SPF及びPA)を発揮するという点で優れていることから、本発明の第2は、この好ましい様態に該当するものである。
本発明の第3は、前記本発明の第1又は第2の化粧料であって、さらに成分(C)として親水性紫外線散乱剤を含むことを特徴とする化粧料である。親水性紫外線散乱剤を含むことにより、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを含む化粧料中にてカプセルの沈降を抑制する効果があることから、本発明の第3は、この好ましい様態に該当するものである。
本発明の第4は、前記本発明の第3の化粧料であって、成分(C)の親水性紫外線散乱剤が表面を親水化処理された酸化チタンであることを特徴とする化粧料である。親水性紫外線散乱剤が表面を親水化処理された酸化チタンである場合には、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの再分散性が向上するという点で優れていることから、本発明の第4は、この好ましい様態に該当するものである。
本発明は、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを含有する紫外線防御用化粧料であり、当該カプセルが製剤中に均一に分散し、保存中においても凝集や沈殿が起きにくく、高い紫外線防御能(高SPF及びPA)を発揮できる。また、保存中に沈殿が起きたとしてもカプセルの再分散性に優れており、肌に適用した場合には、高い紫外線防御能を示しつつ、べたつきの低さ、肌なじみのよさといった好ましい使用感を発揮する。
本発明の化粧料を構成する成分(A)紫外線吸収剤内包済み微小カプセル、(B)シリコーン界面活性剤、(C)親水性紫外線散乱剤について、さらには、本発明の化粧料の形態について、以下具体的に説明する。
[紫外線吸収剤内包済み微小カプセル]
本発明の化粧料に配合される成分(A)である紫外線吸収剤内包済み微小カプセルとは、シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁材としたカプセル又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁材としたカプセルに紫外線吸収剤を内包した紫外線防止効果を有する微小カプセルであり、これらの微小カプセルは、前記特許文献1又は特許文献2に記載の方法で製造することができるが、具体的に示すと下記の通りである。
シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁材とした紫外線吸収剤内包済み微小カプセルは下記一般式(III)
Figure 2023063232000003
[式中、R11 は水酸基又は炭素数1~3のアルキル基を表し、A1は結合手で、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、*-(CHOCHCH(OH)CH-及び*-(CHOCOCHCH-(*は、Siと結合する側を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を表す。]で表されるシリル基が結合したシリル化ペプチドと、次の一般式(IV):
21mSi(OH)nY(4-n-m) (IV)
[式中、R21は炭素数1~20のアルキル基又はフェニル基を表し、mは0から3の整数で、m個のR21は全て同じでもよく、異なっていてもよい。nは0から4の整数で、m+n≦4であり、(4-n-m)個のYは炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン基又は水素原子を表す。]で表されるシラン化合物を、水性物質からなる連続相中に内包物となる紫外線吸収剤が分散している分散液中で共縮重合することで製造することができる。
シリル化ペプチドは、例えば、特開平8-59424又は特開平8-67608号公報に記載の製造方法により製造できる。具体的には、先ず、ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシランカップリング剤を生成する。生成したケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシランカップリング剤を、pH9~11の塩基性下、加温攪拌しているペプチド水溶液に滴下し、両者を接触させることでペプチドのアミノ基にシランカップリング剤が結合し、前記一般式(III)に表したようなケイ素原子に水酸基が2個以上有するシリル官能基が結合したペプチドが得られる。
ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシランカップリング剤は、例えばケイ素原子に直結するアルコキシ基を有するシランカップリング剤を、酸性又は塩基性の水溶液中で、30~50℃で5~20分程度攪拌して、ケイ素原子に直結するアルコキシ基を水酸基に変換して生成することができる。しかし、シランカップリング剤とペプチドを反応させるpH9~11の範囲の溶液にケイ素原子に直結するアルコキシ基を有するシランカップリング剤を滴下すると、アルコキシ基は加水分解されて水酸基に変わる。すなわち、アルコキシ基を有するシランカップリング剤を予め加水分解しておく必要はなく、溶液のpHを9~11にしたペプチド水溶液にアルコキシ基を有するシランカップリング剤を直接添加することで行うことができる。
シリル化ペプチドとしては、具体的には、N-〔2-ヒドロキシ-3-(3’-トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパク、N-〔2-ヒドロキシ-3-(3’-ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパク、N-(3-トリヒドロキシシリル)プロピル加水分解タンパク、N-(3-ジヒドロキシメチルシリル)プロピル加水分解タンパクなどが挙げられる。シリル化ペプチドの製造に用いるペプチドとしては化粧品に用いられるものなら特に制限はないが、加水分解タンパクが好ましい。加水分解タンパクは、タンパク質を酸、アルカリ、酵素、又はそれらの併用によって部分加水分解することで得られるペプチドであり、このタンパク源としては、動物性タンパク質、植物性タンパク質、及び微生物由来のタンパク質などが挙げられるが、動物性タンパク質としては、コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、シルク(フィブロインもしくはセリシン)、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、プロタミン、鶏などの卵黄タンパク質や卵白タンパク質などを挙げることができ、植物性タンパク質としては、大豆、小麦、米、ゴマ、エンドウ、トウモロコシ、イモ類などに含まれるタンパク質を挙げることができる。また、微生物由来のタンパク質としては、サッカロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵母菌、ビール酵母や清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク質、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離したタンパク質、海藻由来のスピルリナタンパク質などを挙げることができるが、これに限られるものではない。さらに、加水分解タンパクの数平均分子量は、100~50000、特に200~5000が好ましい。
工業的に入手しやすいといった観点からは、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの壁材を構成するシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体のシリル化ペプチドとしては、シリル化加水分解シルクタンパクが好ましい。
シリル化アミノ酸は、特開2017-132713号公報や特開2017-218392号公報に記載の製造方法により製造できる。具体的には、先ず、ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシランカップリング剤を生成する。生成したケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシランカップリング剤を、pH9~11の塩基性下、加温攪拌しているαアミノ酸水溶液に滴下し、両者を接触させることでαアミノ酸のアミノ基にシランカップリング剤が結合し、前記一般式(III)に表したようなケイ素原子に水酸基が2個以上有するシリル官能基が結合したアミノ酸が得られる。αアミノ基以外の他のアミノ基も有するαアミノ酸(塩基性アミノ酸、例えばリジン)の場合、シランカップリング剤と反応するアミノ基は、αアミノ基又は前記他のアミノ基のいずれでもよい。
ケイ素原子に直結する水酸基を2個以上有するシランカップリング剤は、例えばケイ素原子に直結するアルコキシ基を有するシランカップリング剤を、酸性又は塩基性の水溶液中で、30~50℃で5~20分程度攪拌して、ケイ素原子に直結するアルコキシ基を水酸基に変換して生成することができる。しかし、シランカップリング剤とアミノ酸を反応させるpH9~11の範囲の溶液にケイ素原子に直結するアルコキシ基を有するシランカップリング剤を滴下すると、アルコキシ基は加水分解されて水酸基に変わる。すなわち、アルコキシ基を有するシランカップリング剤を予め加水分解しておく必要はなく、溶液のpHを9~11にしたアミノ酸水溶液にアルコキシ基を有するシランカップリング剤を直接添加することで行うことができる。
シリル化アミノ酸としては、具体的には、N-〔2-ヒドロキシ-3-(3’-トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピルアミノ酸、N-〔2-ヒドロキシ-3-(3’-ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピルアミノ酸、N-(3-トリヒドロキシシリル)プロピルアミノ酸、N-(3-ジヒドロキシメチルシリル)プロピルアミノ酸などが挙げられる。シリル化アミノ酸の製造に用いるαアミノ酸は、化粧品に用いられるものなら特に制限はない。例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミンなどの中性アミノ酸、アルギニン、リシン、ヒスチジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸のいずれも用いることができる。
シリル化アミノ酸を構成するαアミノ酸としては、親水性のアミノ酸が好ましく、従って、シリル化アミノ酸としては疎水性部と親水性部の両方を有しているものが好ましい。ここで親水性アミノ酸とは、25℃での水に対する溶解度が10%以上のものをいい、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、セリン、プロリンなどが挙げられる。親水性のアミノ酸の中でも、電荷を有しない中性アミノ酸を用いると、分散相への取り込みがよく、安定性により優れたより強固なカプセルが得られるためより好ましい。すなわち、中性アミノ酸のセリン、グリシン、アラニン、プロリンなどがより好ましい。
反応に用いるαアミノ酸は、1種類のアミノ酸でも2種類以上のアミノ酸の混合物でもよい。ただし、アミノ酸によりシランカップリング剤との反応性が相違する場合があるため、アミノ酸混合物の場合、カプセル壁膜となるシリル化アミノ酸生成の反応率の低下につながる。そのため、シリル化アミノ酸の製造にあたっては、1種類のアミノ酸を用いてシリル化し、微小カプセルを調製する際に混合するのが望ましい。
工業的に入手しやすいといった観点からは、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの壁材を構成するシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体のシリル化アミノ酸としては、シリル化セリンが好ましい。
シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸と共重合させるシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどが挙げられる。
シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁材とした紫外線吸収剤内包済み微小カプセルは特許文献1や特許文献2に記載されている方法により製造することができる。具体的には、シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸の水溶液をpH1~5、好ましくはpH2~4に調整し、-5℃~90℃、好ましくは5℃~75℃、より好ましくは40~60℃の範囲で、100~400rpm、好ましくは200~300rpmで攪拌しながら、一般式(IV)で表されるシラン化合物を添加し、その添加終了後、さらに40~60℃で攪拌を続けて反応させた後、pHを約5~7に調整することによりプレポリマーを得る。なお、pH調整に用いられる酸剤としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸が、アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。
次に、上記で調製したプレポリマーを含む分散液を、500~700rpm、好ましくは約550~650rpmで攪拌しながら、30~70℃、好ましくは45~55℃で、内包する芯物質となる紫外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を液状の油性物質に溶解した溶液を30分~3時間かけて添加する。添加終了後、この分散液をホモミキサーで、5,000~15,000rpm、好ましく8,000~12,000rpmでさらに2~5時間攪拌を続けて乳化を十分に行い、壁膜を形成させることができる。
上記のようにして内包済み微小カプセルを得ることができるが、壁膜となっているシラン化合物縮合体には水酸基が残っている可能性があり、水酸基が残っている場合、カプセル表面にある水酸基同士が結合してカプセルが凝集し、沈殿を生じる恐れがある。そのため、上記のようにして得られた内包済み微小カプセルは、凝集防止のためのカプセルの表面処理を行うのが好ましい。
カプセルの壁膜硬化処理や凝集防止処理などの表面処理は、あらかじめ加水分解して水酸基を生じさせた表面処理用シラン化合物をカプセルが含まれる分散液に添加するか、カプセルを含む分散液を、表面処理に用いるシラン化合物が加水分解するpHに調整し、その中に当該シラン化合物を添加することで行うことが出来る。すなわち、カプセルを含む分散溶液をpH2~4に調整し、好ましくは40℃~75℃の範囲で、300~800rpmで攪拌しながら、当該シラン化合物を添加することで行われる。添加終了後、さらに2~5時間攪拌を続けて充分に反応させる。
表面処理用シラン化合物としては 、例えば、トリメチルシリルクロライド(トリメチルクロロシラン)、トリエチルシリルクロライド(トリエチルクロロシラン)、t-ブチルジメチルシリルクロライド(t-ブチルジメチルクロロシラン)、トリイソプロピルシリルクロライド(トリイソプロピルクロロシラン)、トリメチルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどを用いることができる。
上記のシラン化合物の構成モノマーと、シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸を共重合させてシリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁材とする紫外線吸収剤内包微小カプセルを製造する場合、紫外線吸収剤としては1種又は2種以上を混合したものを用いてもよい。紫外線吸収剤は微小カプセル全質量に対して0.01~99質量%の範囲で内包させることができるが、微小カプセルの調製のしやすさや、調製した微小カプセルの紫外線防御効果を考慮すると、紫外線吸収剤の内包率は微小カプセル全質量の80~95質量%が好ましい。すなわち、内包させる紫外線吸収剤の量が少ない場合は微小カプセルに内包された紫外線防御剤の紫外線防御効果が低くなるため、紫外線防御目的で化粧料に配合する場合には多量に配合しなければならず、化粧料として使用感を損なわせるおそれがある。一方、紫外線吸収剤の内包率を極端に上げると、微小カプセル全量に占める壁材部分の割合が減少し、微小カプセルの安定性が減少する恐れがある。
前記微小カプセルに内包される紫外線吸収剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸-2-エチルヘキシル(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシケイヒ酸誘導体、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、オクトクリレン(2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸-2-エチルヘキシル)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びオクチルトリアゾン等が挙げられる。その中でも、パラメトキシケイヒ酸-2-エチルヘキシル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン及び2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルが好ましく用いられる。ただし、上記例示のものに限られることはない。また、内包される物質には、本発明の目的を損なわない範囲で紫外線吸収剤以外の他の成分を含めてもよい。
このような紫外線吸収剤内包微小カプセルの市販品としては、株式会社成和化成製のSilasoma ME(N)(ポリシリコーン-14、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、水)、Silasoma MEA(L)(ポリシリコーン-14、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、水)、Silasoma REA(E)(ポリシリコーン-14、オクトクリレン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、水)、Silasoma EP(S)(ポリシリコーン-14、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、水)、Silasoma SP(ポリシリコーン-35、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、水)等を用いることができる。
シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセルに内包される紫外線吸収剤は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の化粧料における成分(A)の紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの含有量は、化粧料の全質量に対して0.5~30質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましい。成分(A)の含有量がこれより少ない場合には、紫外線防御成分としての十分な効果を発揮できない場合があり、含有量がこれより多い場合には、カプセルの凝集や沈殿が生じるおそれがある。
[シリコーン界面活性剤]
本発明の化粧料に含有される成分(B)のシリコーン界面活性剤としては、通常化粧料に用いられるものであればよく、特に限定されないが、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンなどが挙げられる。
前記シリコーン界面活性剤としては、例えば、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等のポリエーテル変性シリコーン;
ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のポリグリセリン変性シリコーン;
(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン;
(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン;
等が挙げられる。
前記成分(B)の中でも、グリフィン法を用いて算出したHLB(Hydrophile-Lipohile Balance)値が10以上のシリコーン界面活性剤であることが好ましく、12以上であることがさらに好ましい。
さらに紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの分散性が向上し、高い紫外線防御能(高SPF及びPA)を発揮するという点から、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、中でも、PEG-10ジメチコン(HLB14.5)、PEG-11メチルエーテルジメチコン(HLB14.5)、PEG-9ジメチコン(HLB10.0)が好ましく、PEG-10ジメチコンが特に好ましい。
前記成分(B)のシリコーン界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
このようなシリコーン界面活性剤の市販品としては、信越化学工業社製のKF-6011(PEG-11メチルエーテルジメチコン)、KF-6043(PEG-10ジメチコン)、KF-6013(PEG-9ジメチコン)等が挙げられる。
本発明の化粧料における成分(B)の含有量は、化粧料全量に対して0.05~2質量%であることが好ましく、0.1~1質量%であることがより好ましい。成分(B)の含有量がこれより少ない場合には、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの化粧料中での分散性が不十分となるおそれがあり、これより多い場合には、べたつきや肌なじみの悪さなど使用感が損なわれるおそれがある。
前記成分(A)に対する成分(B)の質量比「成分(B)/成分(A)」は、本発明の化粧料の保存安定性の観点から0.09以下であり、0.07以下がより好ましい。成分(A)に対する成分(B)の質量比がこれより大きい場合には、肌に適用した場合の使用感が損なわれたり、十分な保存安定性が得られなくなったりする場合がある。一方、質量比「成分(B)/成分(A)」は、0.01以上であり、0.03以上がより好ましい。質量比がこの範囲未満の場合は、成分(B)配合の効果が十分得られない場合が多い。
[親水性紫外線散乱剤]
本発明の化粧料では、成分(C)として紫外線散乱剤の表面が親水処理された親水性紫外線散乱剤を配合することができる。
本発明に用いられる紫外線散乱剤としては、通常化粧料に用いられるものであればよく、特に限定されないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられる。中でも紫外線吸収剤内包済み微小カプセルの再分散性が向上するという点で酸化チタンや酸化亜鉛であることが好ましく、酸化チタンであることが特に好ましい。紫外線散乱剤の粒径は、内包済み微小カプセルの分散性を向上させ、高い紫外線防御効果を発揮することから、平均一次粒子径は1~1000nmであることが好ましい。
また、紫外線散乱剤の表面処理剤としては、水に分散可能な処理剤であれば特に限定されないが、微小カプセルの再分散性に優れることから、含水ケイ酸、無水ケイ酸により処理したものが好ましく、含水ケイ酸で処理したものが特に好ましい。また、これらケイ酸処理の前に、例えばアルミナ、酸化ジルコニウム等であらかじめ表面処理してもよい。
このような親水性紫外線散乱剤の水分散体の市販品としては、テイカ株式会社製のWT-01、WT-PF01、WT-PF02、PXWT-01、MICRO TITANIUM DIOXIDE SMT-100WR(以上、含水ケイ酸処理タイプ)、日揮触媒化成株式会社製のネオサンベールPW-6010A-20、ネオサンベールPW-6030A-20、ネオサンベールZPW-6010(S-25)(以上、無水ケイ酸処理タイプ)等を用いることができる。
本発明の化粧料における成分(C)の含有量は、化粧料全量に対して0.05~2質量%であることが好ましく、0.1~1質量%であることがより好ましい。成分(C)の含有量がこれより少ない場合には、紫外線吸収剤内包済み微小カプセルが沈降した場合の再分散性が不十分となるおそれがあり、これより多い場合には配合量の増加に見合う効果が得られないおそれがある。
本発明の化粧料には、前記の成分(A)~(C)に加えて、水を含有することができる。さらに、化粧料としての効果や安定性等を損なわない限りにおいて、その用途に応じて、通常化粧料に使用される他の成分を広く配合することができる。
前記成分(A)~(C)や水の他に通常化粧料に使用される成分として、例えば、成分(B)以外の界面活性剤、油性成分、保湿剤、増粘剤等の高分子化合物、美白剤、感触改良剤、薬剤、成分(A)の微小カプセルに内包されていない紫外線吸収剤、タンパク質、タンパク質加水分解物又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、防腐剤、顔料、着色料、香料等を適宜配合することができる。
成分(B)以外の界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N-アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、ラウロイルカラスムギアミノ酸及びその塩、ココイルリンゴアミノ酸及びその塩等のアニオン性界面活性剤、
モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩等のアルキルアミン塩、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等の脂肪酸アミドアルキルアミン、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性界面活性剤、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシ-N-ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩、アルキルヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤、
ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸ポリグリセリル-2等のポリグリセリン脂肪酸エステル、デシルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、セテアリルグルコシド、アラキジルグルコシド、(C12-20)アルキルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘプチルグルコシド、ラウリルグルコシド等のアルキルグルコシド、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
油性成分としては、25℃において液状、固形状、半固形状であり通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定はなく、いずれのものも使用することができる。揮発性、非揮発性や、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、油脂類、エステル油、脂肪酸グリセリル、アミノ酸系油剤、高級アルコール及びそのエーテル、シリコーン油、フッ素系油、ラノリン誘導体類、ロウ等の油剤が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、(C13-15)アルカン、(C15-19)アルカン、(C18-21)アルカン、(C21-28)アルカン、ミネラルオイル、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、水添ポリイソブテン、水添(テトラデセニル/メチルペンタデセン)、イソドデカン、ポリブテン、ポリイソブテン、イソヘキサデカン、(C13,14)イソパラフィン、ワセリン等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、マカデミアナッツ油、ユーカリ油、ヤシ油、アボカド油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ククイナッツ油、シア脂(シアバター)、カカオバター、アーモンド油、ヒマワリ油、ローズヒップ油、オリーブスクワラン、カメリアオイル、キウイフルーツシード油、ツバキ油、杏仁油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、ヒマシ油、ヘーゼルナッツ油、メドウフォーム油、ハッカ油、アルガンオイル、カロットオイル、ラベンダー油、シュガースクワラン、ダマスクバラ花ロウ、センチフォリアバラ花ロウ、ソケイ花ワックス、椿油、これらの水素添加物(例えば、水素添加ヒマシ油、水素添加ホホバ油、水素添加パーム油、水素添加アボカド油、水素添加大豆油等)等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエチスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、安息香酸アルキル(C12-15)、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、(ジイソステアリン酸/水添ロジン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル/2-オクチルドデシル)等が挙げられる。
脂肪酸グリセリルとしては、例えば、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
アミノ酸系油剤としては、例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2-オクチルドデシル)等が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、イソステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコール及びそのエーテルとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セテアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オクタノール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、アラキジルアルコール、(C14-22)アルコール、(C20-22)アルコール、ヤシアルコール、グリセリルモノセチルエーテル、デシルテトラデカノール、バチルアルコール等が挙げられる。
シリコーン油としては、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、高重合メチルポリシロキサン等のジメチルシリコーン油、メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン油、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノール等が挙げられる。
その他の油性成分として、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ、鯨ロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール、ヒマワリ種子ロウ等のロウ類が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エトキシジグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
増粘剤等の高分子化合物としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限はなく、アクリル酸系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム等のセルロース系増粘剤、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、カエサルピニアスピノサガム、デキストラン等の天然由来増粘剤、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、カチオンポリマー等の増粘剤やその他の高分子化合物が挙げられる。
前記アクリル酸系増粘剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、ポリアクリレート-13、ポリアクリレートクロスポリマー-6、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレーツ)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸べへネス-25)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25)クロスポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸べへネス-25)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレーツコポリマー、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
美白剤としては、例えば、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ルシノール、ローズマリーエキス、アルブチン、トラネキサム酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウムなどのアスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
感触改良剤としては、アミロペクチン(アミロース)、アシル化アミノ酸、ポリメタクリル酸メチル、窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属石鹸、シリコーン粉体、ポリメチルメタクリル酸メチル、ジメチルシリル化シリカなどが挙げられる。
薬剤としては、肌荒れ防止剤又は抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤又は抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤等も薬剤として挙げることができる。
成分(A)の微小カプセルに内包されていない紫外線吸収剤としては、該微小カプセルに内包された紫外線吸収剤を用いてもよく、前記成分(A)の微小カプセルに内包された紫外線吸収剤として例示したものが、具体例として挙げられる。
タンパク質、タンパク加水分解物又はその誘導体としては、例えば、乳清、カゼイン、シルク、小麦、米、エンドウマメ、コラーゲン、ケラチン、大豆、ゴマ、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク質、これらの加水分解物又はタンパク加水分解物のアシル化、シリル化、カチオン化、アルキルエステル誘導体等が挙げられる。
アミノ酸又はそれらの誘導体としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン、タウリン等のアミノ酸、及びこれらのアシル化、アルキル化、グリセリル化、エステル化誘導体等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ビタミンE又はその誘導体、タンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、リン酸、クエン酸、フィチン酸、エチドロン酸、グルタミン酸ジ酢酸ナトリウム塩等を挙げることができる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール等の1,2-アルカンジオール、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、レブリン酸、ベンジルアルコール等が挙げられる。
上記通常化粧料に使用される成分は、1種単独で又は2種以上併用して用いることができる。
本発明の化粧料は、乳液状、クリーム状、ジェル状、ローション、液状、スプレー(エアゾール型、ノンエアゾール型)、フォーム型(エアゾール型、ノンエアゾール型)等の様々な剤型で好適に用いられる。
また、製品形態としては特に制限はなく、具体的には、サンスクリーン化粧料、化粧水、美容液、乳液、ジェル、ローション、ミストなどを挙げることができる。中でも本発明の化粧料は、肌表面に紫外線吸収剤内包済み微小カプセルを均一に保持することができ、また、容器に充填しても目詰まりや微小カプセルの沈降を抑制できることからスプレー状のサンスクリーン化粧料として用いることが特に有用である。
なお、本発明の化粧料の容器としては、エアゾール型の場合は通常耐圧容器であり、その他の形態の場合では例えば、ジャー容器、ボトル容器、スクイーズ容器、ポンプディスペンサー容器、ポンプミスト容器、トリガーミスト容器等が挙げられる。
中でもスプレー状のサンスクリーン化粧料では、ポンプディスペンサー容器を用いることが好ましく、中でもスプレーの吐出性が良好であることから、ボトルとしてPEP-20、ポンプディスペンサーとしてマークVI(K410-24)スプレー(いずれも竹本容器株式会社製)を用いることが特に好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例の表中に記載されている数値は、いずれも化粧料の全質量に対する質量%である。
実施例1~6及び比較例1~3:サンスクリーンミスト
表1に記載の(a)及び(b)をそれぞれ混合し、(a)を(b)へ添加し、ディスパー(1500rpm)で撹拌することで、サンスクリーンミストを調製した。
調製したサンスクリーンミストについて、以下の評価方法で紫外線防御効果、再分散性を評価した結果を表2に示す。
Figure 2023063232000004
表1中、
*1:Silasoma MEA(L)(商品名、ポリシリコーン―14を壁材とし、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンを内包した微小カプセルを60質量%含有)、
*2:Silasoma SP(商品名、ポリシリコーン―35を壁材とし、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルを内包した微小カプセルを60質量%含有)(以上、株式会社成和化成製)、
*3:KF-6043(HLB14.5)、
*4:KF-6011(HLB14.5)、
*5:KF-6013(HLB10.0)(以上、いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)、
*6:NIKKOL HCO-20(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、
*7:WT-PF01(商品名、テイカ株式会社製)
*8:euxyl PE 9010(商品名、Ashland製)
である。
[紫外線防御効果]
ブレンダームサージカルテープに各サンスクリーンミストを14mg(2mg/cm2)塗布し、1分間塗り伸ばし、15分間乾燥させた後、SPFアナライザー(Labsphere社製UV-2000Sを用いてSPF値を測定した。
[再分散性の評価]
調製したサンスクリーンミストを25℃の恒温槽に1週間保存し、上下逆さまに10回ひっくり返した後、以下の基準により再分散性を評価した。
再分散性:
〇: 微小カプセルが均一に分散され、沈降した層がない。
△: 一部の微小カプセルが分散しているが、沈降した層がわずかに存在する。
×: 微小カプセルが分散せず、ボトルの底に固着している。
Figure 2023063232000005
表2に示す結果から、成分(A)紫外線吸収剤内包微小カプセルと成分(B)HLBが10以上のシリコーン界面活性剤を配合した実施例1~6では成分(B)が含まれていない比較例1~3と比較して紫外線防御効果(SPF値)が大きく向上していることが明らかである。また、再分散性についても、成分(B)を配合することにより向上していることが表2の結果から示されている。
一方で再分散性に関しては成分(A)と(B)の組み合わせでは十分ではなかったが、さらに成分(C)を配合した実施例4、6では再分散性が向上していることが明らかとなった。
実施例7、8及び比較例4:サンスクリーンジェル
表3に記載の(c)及び(d)をそれぞれ混合する。そして(d)を(c)へ添加し、ディスパー(2000rpm)で撹拌した。その後(e)を添加し、混合することでサンスクリーンジェルを調製した。
調製したサンスクリーンジェルについて、実施例1~6、比較例1~3と同様の方法で紫外線防御効果を評価した結果を表3に示す。
Figure 2023063232000006
表3中、*1,3,4,8は表1と同様で、
*9:SEPIPLUS S(商品名、SEPPIC社製)、
*10:Amitose R(商品名、株式会社成和化成製)、
である。
表3に示す結果から、成分(A)紫外線吸収剤内包微小カプセルと成分(B)シリコーン界面活性剤を配合した実施例7,8では、成分(B)が含まれていない比較例4よりも紫外線防御効果(SPF値)が大きく向上していることが明らかである。
実施例9、10及び比較例5:サンスクリーンローション
表4に記載の(g)を混合した。(g)を(f)へ添加し、ディスパー(2000rpm)で撹拌した。その後(h)を添加し、混合することでサンスクリーンローションを調製した。
調製したサンスクリーンローションについて、実施例1~8、比較例1~4と同様の方法で紫外線防御効果を評価した結果を表4に示す。
Figure 2023063232000007
表4中、*1~3,8は表1と同様で、
*11:SIMULGEL NS(商品名、SEPPIC社製)、
である。
表4に示す結果から、成分(A)紫外線吸収剤内包微小カプセルと成分(B)シリコーン界面活性剤を配合した実施例9,10では、成分(B)が含まれていない比較例5よりも紫外線防御効果(SPF値)が大きく向上していることが明らかである。

Claims (4)

  1. 下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、成分(A)に対する成分(B)の質量割合(B)/(A)が0.01以上、0.09以下であることを特徴とする化粧料。
    (A)下記の一般式(Ia)、(Ib)又は(Ic)で表される構造単位U:
    Figure 2023063232000008
    [式中、Rは、炭素数1~20のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。]、
    及び下記の一般式(Id)又は(Ie)で表される構造単位W:
    Figure 2023063232000009
    [式中、Rは、炭素数1~3のアルキル基を表し、各Rはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、AはSiとNを結合する2価の基であって、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、*-(CHOCHCH(OH)CH-及び*-(CHOCOCHCH-(*は、Siと結合する側を表す)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を表し、Eは数平均分子量100~50000のポリペプチド又はαアミノ酸から1つの1級アミノ基を除いた残基を表す]を有する共重合体であるシリル化ペプチド/シラン化合物共重合体又はシリル化アミノ酸/シラン化合物共重合体を壁膜とし、紫外線吸収剤を内包する内包済み微小カプセル
    (B)シリコーン界面活性剤
  2. 前記成分(B)がポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. さらに成分(C)として親水性紫外線散乱剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. 前記成分(C)が表面を親水化処理された酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の化粧料。

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