JP2023062805A - 振動素子の製造方法 - Google Patents

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Shigeru Shiraishi
日和 坂田
Hiyori Sakata
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Keiichi Yamaguchi
竜太 西澤
Ryuta Nishizawa
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Abstract

【課題】外形と溝とを一括形成することができる振動素子の製造方法を提供すること。【解決手段】振動素子1の製造方法は、水晶基板20の第1基板面20Aのうち第1および第2振動腕形成領域Q2,Q3に第1下地膜51を形成する第1下地膜形成工程S2と、第1下地膜51のうち第1土手部形成領域Qd1に第1保護膜53を形成する第1保護膜形成工程S3と、第1下地膜51および第1保護膜53を介して水晶基板20をドライエッチングする第1ドライエッチング工程S4と、水晶基板20の第2基板面20Bのうち第1および第2振動腕形成領域Q2,Q3に第2下地膜61を形成する第2下地膜形成工程S6と、第2下地膜61のうち第2土手部形成領域Qd2に第2保護膜63を形成する第2保護膜形成工程S7と、第2下地膜61および第2保護膜63を介して水晶基板20をドライエッチングする第2ドライエッチング工程S8と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、振動素子の製造方法に関する。
特許文献1には、振動腕に有底の溝を有する音叉型振動子をウエットエッチングおよびドライエッチングにより形成する方法が記載されている。この製造方法では、水晶基板をウエットエッチングすることにより音叉型振動子の外形を形成し、然る後、ドライエッチングにより溝を形成している。
特許文献2には、振動腕に有底の溝を有する音叉型振動子をドライエッチングにより形成する方法が記載されている。この製造方法では、圧電材料からなる基板をドライエッチングする際に、一対の振動腕の間の幅に対して溝の幅を狭くすることによりマイクロローディング効果を用いて、一対の振動腕の間のエッチング深さに対して溝のエッチング深さを浅くし、振動子の溝と外形形状とを一括して形成している。
特開2013-175933号公報 特開2007-013382号公報
特許文献1の製造方法は、外形を形成するウエットエッチングと溝を形成するドライエッチングとがそれぞれ別工程であるため、製造工程が複雑であり、外形に対する溝の位置ずれなどが生じ易い。そのため、この製造方法による振動素子は、不要振動などが発生し易い、という問題があった。
一方、特許文献2の製造方法は、外形と溝とを同一工程で一括して形成するので、上述の問題は生じない。しかしながら、この製造方法では、ドライエッチングにおけるマイクロローディング効果を用いて外形と溝とを一括して形成しているので、振動腕の幅や溝の幅および深さなどの寸法の設定に制約が生じ、設計自由度が低い、という課題があった。
そこで、外形と溝とを一括して形成することができ、かつ設計自由度の高い振動素子の製造方法が求められていた。
本発明の振動素子の製造方法は、第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ第1振動腕および第2振動腕を備え、前記第1振動腕および前記第2振動腕は、それぞれ、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に並んで配置され、表裏関係にある第1面および第2面と、前記第1面に開口する有底の第1溝と、前記第2面に開口する有底の第2溝と、を有する振動素子の製造方法であって、表裏関係にある第1基板面および第2基板面を有する水晶基板を準備する準備工程と、前記第1基板面のうち、前記第1振動腕が形成される第1振動腕形成領域および前記第2振動腕が形成される第2振動腕形成領域に第1下地膜を形成する第1下地膜形成工程と、前記第1下地膜のうち、前記第1溝が形成される第1溝形成領域を除いた領域に第1保護膜を形成する第1保護膜形成工程と、前記第1下地膜および前記第1保護膜を介して前記水晶基板を前記第1基板面側からドライエッチングし、前記第1面と、前記第1溝と、前記第1振動腕および前記第2振動腕の外形とを形成する第1ドライエッチング工程と、前記第2基板面のうち、前記第1振動腕形成領域および前記第2振動腕形成領域に第2下地膜を形成する第2下地膜形成工程と、前記第2下地膜のうち、前記第2溝が形成される第2溝形成領域を除いた領域に第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、前記第2下地膜および前記第2保護膜を介して前記水晶基板を前記第2基板面側からドライエッチングし、前記第2面と、前記第2溝と、前記第1振動腕および前記第2振動腕の外形とを形成する第2ドライエッチング工程と、を含む。
実施形態1に係る振動素子を示す平面図。 図1中のA1-A1線断面図。 実施形態1に係る振動素子の製造工程を示す図。 実施形態1に係る振動素子の製造工程を示す図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 実施形態2に係る振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 実施形態3に係る振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図26中のA3-A3線断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図28中のA4-A4線断面図。 図28中のA5-A5線断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図31中のA6-A6線断面図。 図31中のA7-A7線断面図。
1.実施形態1
実施形態1に係る振動素子1の製造方法について説明する。
まず、振動素子1の構成について、図1および図2を参照して説明し、次に、振動素子1の製造方法について、図3~図20を参照して説明する。
なお、説明の便宜上、図3および図4を除く各図には互いに直交する3軸であるX軸、Y軸およびZ軸を示す。また、X軸に沿う方向をX方向(第2方向)とも言い、Y軸に沿う方向をY方向(第1方向)とも言い、Z軸に沿う方向をZ方向(第3方向)とも言う。また、各軸の矢印側をプラス側とも言い、反対側をマイナス側とも言う。また、Z方向のプラス側を「上」とも言い、マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向からの平面視を、単に「平面視」とも言う。また、X軸、Y軸およびZ軸は、後述するように、水晶の結晶軸に相当する。
図1および図2に示すように、振動素子1は、音叉型の振動素子であり、振動基板2と、振動基板2の表面に形成された電極3と、を有する。
振動基板2は、Zカットの水晶基板(Zカット水晶板)を所望形状にパターニングすることにより形成され、水晶の結晶軸であるX軸およびY軸で規定されるX-Y平面に広がりを有し、Z方向に沿った厚みを有する。X軸は、電気軸とも言い、Y軸は、機械軸とも言い、Z軸は、光軸とも言う。また、Z方向に沿った厚みを、単に「厚み」とも言う。
振動基板2は、板状をなし、互いに表裏関係にありZ方向に並んで配置された第1面2Aおよび第2面2Bを有する。また、振動基板2は、基部21と、基部21からY方向に沿って延出し、X方向に沿って並ぶ第1振動腕22および第2振動腕23と、を有する。
第1振動腕22は、第1面2Aに開口する有底の第1溝221と、第1溝221を画定する第1土手部225と、第2面2Bに開口する有底の第2溝222と、第2溝222を画定する第2土手部226と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面101と、を有する。第1土手部225は、平面視で第1面2Aにおいて、X方向に沿って第1溝221を挟んで並んでいる部分である。第2土手部226は、平面視で第2面2Bにおいて、X方向に沿って第2溝222を挟んで並んでいる部分である。
同様に、第2振動腕23は、第1面2Aに開口する有底の第1溝231と、第1溝231を画定する第1土手部235と、第2面2Bに開口する有底の第2溝232と、第2溝232を画定する第2土手部236と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面103と、を有する。第1土手部235は、平面視で第1面2Aにおいて、X方向に沿って第1溝231を挟んで並んでいる部分である。第2土手部236は、平面視で第2面2Bにおいて、X方向に沿って第2溝232を挟んで並んでいる部分である。
第1溝221,231および第2溝222,232は、それぞれY方向に沿って延在している。また、第1土手部225,235は、それぞれ第1溝221,231のX方向両側に形成され、Y方向に沿って延在している。第2土手部226,236は、それぞれ第2溝222,232のX方向両側に形成され、Y方向に沿って延在している。したがって、第1振動腕22および第2振動腕23は、それぞれ、略H状の横断面形状を有する。これにより、熱弾性損失が低減され、優れた振動特性を有する振動素子1となる。
電極3は、信号電極31と、接地電極32と、を有する。信号電極31は、第1振動腕22の第1面2Aおよび第2面2Bと第2振動腕23の側面103とに配置されている。一方、接地電極32は、第1振動腕22の側面101と第2振動腕23の第1面2Aおよび第2面2Bとに配置されている。接地電極32を接地した状態で信号電極31に駆動信号を印加すると、図1中の矢印で示すように、第1振動腕22および第2振動腕23が接近、離間を繰り返すようにしてX方向に屈曲振動する。
以上、振動素子1について簡単に説明した。
次に、振動素子1の製造方法について説明する。図3および図4に示すように、振動素子1の製造方法は、振動基板2の母材である水晶基板20を準備する準備工程S1と、水晶基板20の第1基板面20Aのうち所定の領域に第1下地膜51を形成する第1下地膜形成工程S2と、第1下地膜51のうち所定の領域に第1保護膜53を形成する第1保護膜形成工程S3と、第1下地膜51および第1保護膜53を介して水晶基板20を第1基板面20A側からドライエッチングする第1ドライエッチング工程S4と、水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第1下地膜51を除去する第1下地膜除去工程S5と、水晶基板20の第2基板面20Bのうち所定の領域に第2下地膜61を形成する第2下地膜形成工程S6と、第2下地膜61のうち所定の領域に第2保護膜63を形成する第2保護膜形成工程S7と、第2下地膜61および第2保護膜63を介して水晶基板20を第2基板面20B側からドライエッチングする第2ドライエッチング工程S8と、水晶基板20の第2基板面20Bに残存する第2下地膜61を除去する第2下地膜除去工程S9と、以上の工程により得られた振動基板2の表面に電極3を形成する電極形成工程S10と、を含む。
また、第1下地膜形成工程S2は、水晶基板20の第1基板面20Aを第1下地膜51により被覆する第1下地膜コーティング工程S21と、第1下地膜51をパターニングする第1下地膜パターニング工程S22と、を含む。また、第1保護膜形成工程S3は、第1下地膜51を第1保護膜53により被覆する第1保護膜コーティング工程S31と、第1保護膜53をパターニングする第1保護膜パターニング工程S32と、を含む。
また、第2下地膜形成工程S6は、水晶基板20の第2基板面20Bを第2下地膜61により被覆する第2下地膜コーティング工程S61と、第2下地膜61をパターニングする第2下地膜パターニング工程S62と、を含む。また、第2保護膜形成工程S7は、第2下地膜61を第2保護膜63により被覆する第2保護膜コーティング工程S71と、第2保護膜63をパターニングする第2保護膜パターニング工程S72と、を含む。
以下、これら各工程について順に説明する。
≪準備工程S1≫
図5に示すように、振動基板2の母材である水晶基板20を準備する。水晶基板20からは、複数の振動素子1が一括形成される。水晶基板20は、板状をなし、互いに表裏関係にありZ方向に並んで配置された第1基板面20Aおよび第2基板面20Bを有する。ラッピングやポリッシングなどの研磨処理により、水晶基板20は所望の厚みに調整されており、第1基板面20Aおよび第2基板面20Bは十分に平滑化されている。また、必要に応じて、水晶基板20にウエットエッチングによる表面処理を行っても構わない。
なお、以下では、後述する第1ドライエッチング工程S4および第2ドライエッチング工程S8によって第1振動腕22が形成される領域を第1振動腕形成領域Q2とも言う。同様に、第1ドライエッチング工程S4および第2ドライエッチング工程S8によって第2振動腕23が形成される領域を第2振動腕形成領域Q3とも言う。また、第1振動腕形成領域Q2と第2振動腕形成領域Q3との間に位置する領域を腕間領域Q4とも言う。また、隣り合う振動基板2同士の間に位置する領域を素子間領域Q5とも言う。
第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3は、第1溝221,231が形成される第1溝形成領域Q1と、第1土手部225,235が形成される第1土手部形成領域Qd1と、を有する。換言すると、第1土手部形成領域Qd1は、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第1溝形成領域Q1を除いた領域に相当する。第1溝221,231および第1土手部225,235は、第1ドライエッチング工程S4によって形成される。
また、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3は、第2ドライエッチング工程S8によって第2溝222,232が形成される第2溝形成領域Q6と、第2土手部226,236が形成される第2土手部形成領域Qd2と、を有する。換言すると、第2土手部形成領域Qd2は、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第2溝形成領域Q6を除いた領域に相当する。第2溝222,232および第2土手部226,236は、第2ドライエッチング工程S8によって形成される。
≪第1下地膜コーティング工程S21≫
図6に示すように、水晶基板20の第1基板面20Aを第1下地膜51により被覆する。第1下地膜51は、後述する第1ドライエッチング工程S4において所定のエッチングレートでエッチングされる材料により形成される。
本実施形態では、第1下地膜51は、金属により形成される金属膜である。具体的には、第1下地膜51は、第1金属膜512と、第2金属膜513と、を積層することにより形成される。第1金属膜512は、水晶基板20の第1基板面20Aに形成される。第2金属膜513は、第1金属膜512における水晶基板20とは反対側の面に形成される。第1金属膜512における水晶基板20とは反対側の面は、第1金属膜512のZ方向プラス側の面である。第1金属膜512はクロム(Cr)により形成される。第2金属膜513は銅(Cu)により形成される。
なお、本実施形態では、第1下地膜51は、第1金属膜512と、第2金属膜513と、を積層することにより形成されているが、これに限らず、1つの膜で形成されていても構わないし、3つ以上の膜を積層することにより形成されていても構わない。
また、第1下地膜51は、金属以外の材料で形成されていても構わない。例えば、第1下地膜51は、レジスト材により形成されるレジスト膜であっても構わない。
≪第1保護膜コーティング工程S31≫
図7に示すように、第1下地膜51を第1保護膜53により被覆する。第1保護膜53は、第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面に形成される。第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面は、第1下地膜51のZ方向プラス側の面である。第1保護膜53は、後述する第1ドライエッチング工程S4において所定のエッチングレートでエッチングされる材料により形成される。
本実施形態では、第1保護膜53は、金属により形成される金属膜である。第1保護膜53を形成する金属は、例えば、ニッケル(Ni)などを用いることができる。なお、第1保護膜53は、金属以外の材料で形成されていても構わない。例えば、第1保護膜53は、レジスト材により形成されるレジスト膜であっても構わない。
≪第1保護膜パターニング工程S32≫
まず、図8に示すように、第1保護膜53における水晶基板20とは反対側の面に、第1レジスト膜R1を形成する。第1保護膜53における水晶基板20とは反対側の面は、第1保護膜53のZ方向プラス側の面である。第1レジスト膜R1は、フォトリソグラフィー技法を用いて、第1土手部形成領域Qd1に形成される。つまり、第1レジスト膜R1は、平面視で、第1土手部形成領域Qd1と重なる。
次に、第1保護膜53における第1レジスト膜R1が形成されている面側から第1保護膜53をエッチングする。つまり、第1レジスト膜R1をマスクとして、第1保護膜53のZ方向プラス側の面側から、第1保護膜53をエッチングする。これにより、第1レジスト膜R1が形成されていない第1溝形成領域Q1、腕間領域Q4および素子間領域Q5の第1保護膜53は、除去される。
このようにして、図9に示すように、第1下地膜51のうち所定の領域である第1土手部形成領域Qd1に第1保護膜53を形成することができる。
次に、図10に示すように、第1レジスト膜R1を除去し、第1下地膜パターニング工程S22に移る。
≪第1下地膜パターニング工程S22≫
第1下地膜パターニング工程S22は、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第2レジスト膜R2を形成する工程と、第2レジスト膜R2をマスクとして第1下地膜51をエッチングする工程と、を有する。
まず、図11に示すように、フォトリソグラフィー技法を用いて、第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面のうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第2レジスト膜R2を形成する。
本実施形態では、第1下地膜パターニング工程S22に先立ち、第1保護膜コーティング工程S31および第1保護膜パターニング工程S32が行われており、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第1土手部形成領域Qd1には第1保護膜53が形成されている。そのため、第2レジスト膜R2は、第1土手部形成領域Qd1では、第1保護膜53を介して第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面に形成される。また、第2レジスト膜R2は、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第1溝形成領域Q1では、第1保護膜53を介さずに第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面に形成される。
次に、第1下地膜51における第2レジスト膜R2が形成されている面側から第1下地膜51をエッチングする。つまり、第2レジスト膜R2をマスクとして、第1下地膜51のZ方向プラス側の面側から、第1下地膜51をエッチングする。
本実施形態では、第2レジスト膜R2をマスクとして第1下地膜51をエッチングする工程は、第1下地膜51の第1金属膜512をエッチングする工程と、第1下地膜51の第2金属膜513をエッチングする工程とを有する。第1下地膜パターニング工程S22では、まず、第1金属膜512における水晶基板20とは反対側の面に形成されている第2金属膜513をエッチングし、次に、第1金属膜512をエッチングする。このようにして、第1金属膜512と第2金属膜513とを積層して形成される第1下地膜51をエッチングすることができる。
第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2レジスト膜R2が形成されているため、第1下地膜パターニング工程S22では、第2レジスト膜R2が形成されていない腕間領域Q4および素子間領域Q5の第1下地膜51は、除去される。
このようにして、図12に示すように、水晶基板20の第1基板面20Aのうち所定の領域である第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第1下地膜51が形成される。
つまり、第1下地膜コーティング工程S21と第1下地膜パターニング工程S22とを含む第1下地膜形成工程S2により、水晶基板20の第1基板面20Aのうち、第1振動腕22が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕23が形成される第2振動腕形成領域Q3に第1下地膜51が形成される。
また、第1保護膜コーティング工程S31と第1保護膜パターニング工程S32とを含む第1保護膜形成工程S3により、第1下地膜51が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち、第1溝形成領域Q1を除いた領域である第1土手部形成領域Qd1に第1保護膜53が形成される。
本実施形態では、第1下地膜コーティング工程S21、第1下地膜パターニング工程S22、第1保護膜コーティング工程S31および第1保護膜パターニング工程S32は、第1下地膜コーティング工程S21、第1保護膜コーティング工程S31、第1保護膜パターニング工程S32、第1下地膜パターニング工程S22、の順で行われる。ただし、第1下地膜コーティング工程S21、第1下地膜パターニング工程S22、第1保護膜コーティング工程S31および第1保護膜パターニング工程S32を行う順番は、これに限らない。例えば、第1下地膜コーティング工程S21、第1下地膜パターニング工程S22、第1保護膜コーティング工程S31、第1保護膜パターニング工程S32、の順で行われても構わないし、第1下地膜コーティング工程S21、第1保護膜コーティング工程S31、第1下地膜パターニング工程S22、第1保護膜パターニング工程S32、の順で行われても構わない。
次に、図13に示すように、第2レジスト膜R2を除去し、第1ドライエッチング工程S4に移る。
≪第1ドライエッチング工程S4≫
図14に示すように、第1下地膜51および第1保護膜53を介して水晶基板20を第1基板面20A側からドライエッチングし、第1面2Aと、第1溝221,231と、振動基板2の外形と、を同時に形成する。なお、「同時に形成」とは、1工程において両者を一括して形成することを言う。より詳細には、本工程は、反応性イオンエッチングであり、RIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用いて行われる。また、RIE装置に導入される反応ガスとしては、特に限定されないが、例えば、SF6、CF4、C24、C26、C36、C48等を用いることができる。
第1ドライエッチング工程S4において、水晶基板20の第1基板面20Aに形成されている第1下地膜51および第1保護膜53は、それぞれ所定のエッチングレートでエッチングされる。そのため、第1下地膜51および第1保護膜53が形成されずに第1基板面20Aが露出している領域と、第1下地膜51が形成されている領域と、第1下地膜51および第1保護膜53が形成されている領域と、のそれぞれの領域における水晶基板20のエッチング深さを第1下地膜51および第1保護膜53によって制御することができる。
本実施形態では、水晶基板20の第1基板面20Aのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5には、第1下地膜51および第1保護膜53は形成されていない。つまり、腕間領域Q4および素子間領域Q5では、水晶基板20の第1基板面20Aは露出している。このため、第1ドライエッチング工程S4が開始されるとともに、腕間領域Q4および素子間領域Q5では、水晶基板20のエッチングが開始される。第1基板面20Aの腕間領域Q4および素子間領域Q5がエッチングされることにより、振動基板2の外形が形成される。
水晶基板20の第1基板面20Aのうち第1溝形成領域Q1には、第1下地膜51が形成されている。このため、第1ドライエッチング工程S4が開始されると、まず、第1下地膜51のエッチングが開始される。そして、第1下地膜51が除去されることにより、水晶基板20の第1基板面20Aが露出し、水晶基板20のエッチングが開始される。第1基板面20Aの第1溝形成領域Q1がエッチングされることにより、第1溝221,231が形成される。第1溝形成領域Q1では、水晶基板20のエッチングの開始が、腕間領域Q4および素子間領域Q5よりも遅くなるため、第1溝形成領域Q1における水晶基板20のエッチング深さは、腕間領域Q4および素子間領域Q5における水晶基板20のエッチング深さよりも浅くなる。
水晶基板20の第1基板面20Aのうち第1土手部形成領域Qd1には、第1下地膜51および第1保護膜53が形成されている。このため、第1ドライエッチング工程S4が開始されると、まず、第1保護膜53のエッチングが開始される。次に、第1保護膜53が除去されることにより、第1下地膜51のエッチングが開始される。そして、第1下地膜51が除去されることにより、水晶基板20の第1基板面20Aが露出し、水晶基板20のエッチングが開始される。そのため、第1土手部形成領域Qd1では、水晶基板20の第1基板面20Aにおけるエッチングの開始が、第1溝形成領域Q1よりも遅くなる。つまり、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20のエッチング深さは、第1溝形成領域Q1における水晶基板20のエッチング深さよりも浅くなる。
なお、本実施形態では、第1保護膜53の厚みを十分に厚くすることにより、第1基板面20Aの第1土手部形成領域Qd1に第1下地膜51が残存した状態で第1ドライエッチング工程S4を終了させている。つまり、第1基板面20Aの第1土手部形成領域Qd1は、第1下地膜51により保護されている。そのため、本実施形態では、第1基板面20Aの第1土手部形成領域Qdはエッチングされない。
また、本実施形態では、第1ドライエッチング工程S4が終了したとき、第1保護膜53は除去されているが、除去されていなくても構わない。
第1ドライエッチング工程S4は、第1溝221,231が所望の深さとなった時点で終了する。第1溝形成領域Q1における水晶基板20のエッチング深さが、第1溝221,231の深さWaである。腕間領域Q4における水晶基板20のエッチング深さが、振動基板2の外形の深さAaである。素子間領域Q5における水晶基板20のエッチング深さが、振動基板2の外形の深さBaである。
上述したように、第1溝形成領域Q1における水晶基板20のエッチング深さは、腕間領域Q4および素子間領域Q5における水晶基板20のエッチング深さよりも浅くなる。そのため、振動基板2の外形の深さAa,Baは、第1溝221,231の深さWaよりも深くなる。つまり、Wa<Aa、Wa<Baである。なお、本実施形態では、深さAa,Baは、それぞれ水晶基板20の厚みTaの半分以上である。
このように、第1下地膜形成工程S2において、水晶基板20の第1基板面20Aのうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第1下地膜51を形成し、さらに、第1保護膜形成工程S3において、第1下地膜51が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第1溝形成領域Q1を除いた領域である第1土手部形成領域Qd1に第1保護膜53を形成することにより、第1ドライエッチング工程S4において、マイクロローディング効果を利用せずに、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができる。第1下地膜51および第1保護膜53の厚みや幅を調整することにより、第1および第2振動腕22,23や第1溝221,231などの寸法を制御することができるので、腕間領域Q4におけるX方向の幅A、素子間領域Q5におけるX方向の幅B、および第1溝221,231におけるX方向の幅Wなどの寸法の設定に制約がなく、振動素子1の設計自由度を向上させることができる。
また、マイクロローディング効果を利用しないため、ドライエッチングに用いる反応ガスの選択などのドライエッチング条件の制約が緩和されるので、マイクロローディング効果を利用する場合と比べ、振動素子1を容易に製造することができる。
また、上述したように、本実施形態では、第1ドライエッチング工程S4において、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに第1下地膜51が残存した状態でドライエッチングを終了させている。つまり、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aは、第1ドライエッチング工程S4においてエッチングされていない。第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aは、後述する第1下地膜除去工程S5において、第1および第2振動腕22,23の第1面2Aとなる。なお、「第1下地膜51が残存した状態」とは、「第1下地膜51の少なくとも一部が残存した状態」を意味する。例えば、本実施形態では、第1ドライエッチング工程S4においてドライエッチングが終了したときに、第1下地膜51を構成する第1金属膜512および第2金属膜513が水晶基板20に残存しているが、第2金属膜513は除去されていても構わない。
また、本実施形態では、第1ドライエッチング工程S4において、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに第1下地膜51が残存した状態でドライエッチングを終了させているが、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに第1下地膜51が残存しない状態でドライエッチングを終了させても構わない。つまり、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aが、第1ドライエッチング工程S4においてエッチングされるようにしても構わない。この場合は、第1ドライエッチング工程S4において水晶基板20がエッチングされた面が、第1および第2振動腕22,23の第1面2Aとなる。
このように、第1基板面20Aの第1土手部形成領域Qd1がエッチングされることにより、あるいはエッチングされないことにより、第1面2Aが形成される。
また、上述したように、本実施形態では、腕間領域Q4および素子間領域Q5には第1下地膜51および第1保護膜53が形成されていない。そのため、第1ドライエッチング工程S4におけるドライエッチングの開始ととともに、腕間領域Q4および素子間領域Q5における水晶基板20のエッチングが開始される。そのため、第1ドライエッチング工程S4を短時間で行うことができる。
また、上述したように、本実施形態では、第1下地膜51は、金属により形成される金属膜である。一般的に、金属のエッチングレートは、レジスト材のエッチングレートよりも低い。そのため、第1下地膜51を金属膜とすることにより、レジスト膜と比べ、第1下地膜51の厚みを薄くすることができる。これにより、第1ドライエッチング工程S4において形成される第1および第2振動腕22,23や第1溝221,231などの寸法精度を向上させることができる。
また、上述したように、本実施形態では、第1保護膜53は、金属により形成される金属膜である。そのため、第1保護膜53を金属膜とすることにより、レジスト膜と比べ、第1保護膜53の厚みを薄くすることができる。これにより、第1ドライエッチング工程S4において形成される第1および第2振動腕22,23や第1溝221,231などの寸法精度をさらに向上させることができる。
≪第1下地膜除去工程S5≫
図15に示すように、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第1下地膜51を除去する。これにより、水晶基板20の第1基板面20Aが第1および第2振動腕22,23の第1面2Aとなる。つまり、第1および第2振動腕22,23の第1面2Aは、第1ドライエッチング工程S4においてエッチングされていないので、第1土手部形成領域Qd1における第1および第2振動腕22,23の厚みや第1面2Aの表面粗さは、水晶基板20の厚みや第1基板面20Aの表面粗さのまま維持されている。そのため、第1および第2振動腕22,23の厚み精度が向上し、ねじれ振動などの不要振動の発生が抑制される。
なお、上述した第1ドライエッチング工程S4において、水晶基板20の第1基板面20Aに第1下地膜51が残存しない状態でドライエッチングを終了させる場合は、第1下地膜除去工程S5は設けなくても構わない。
また、上述した第1ドライエッチング工程S4が終了したとき、第1保護膜53が除去されていない場合は、第1下地膜除去工程S5において、第1下地膜51と、第1保護膜53と、を一括して除去するようにしても構わない。あるいは、第1下地膜除去工程S5を行う前に第1保護膜53を除去する第1保護膜除去工程を設けても構わない。
第1下地膜除去工程S5の終了後、水晶基板20の第2基板面20Bの加工に移る。
≪第2下地膜コーティング工程S61≫
本工程は、第1下地膜コーティング工程S21と同様に行われる。
図15に示すように、水晶基板20の第2基板面20Bを第2下地膜61により被覆する。第2下地膜61は、後述する第2ドライエッチング工程S8において所定のエッチングレートでエッチングされる材料により形成される。
本実施形態では、第2下地膜61は、金属により形成される金属膜である。具体的には、第2下地膜61は、第3金属膜612と、第4金属膜613と、を積層することにより形成される。第3金属膜612は、水晶基板20の第2基板面20Bに形成される。第4金属膜613は、第3金属膜612における水晶基板20とは反対側の面に形成される。第3金属膜612における水晶基板20とは反対側の面は、第3金属膜612のZ方向マイナス側の面である。第3金属膜612はクロム(Cr)により形成される。第4金属膜613は銅(Cu)により形成される。
なお、本実施形態では、第2下地膜61は、第3金属膜612と、第4金属膜613と、を積層することにより形成されているが、これに限らず、1つの膜で形成されていても構わないし、3つ以上の膜を積層することにより形成されていても構わない。
また、第2下地膜61は、金属以外の材料で形成されていても構わない。例えば、第2下地膜61は、レジスト材により形成されるレジスト膜であっても構わない。
≪第2保護膜コーティング工程S71≫
本工程は、第1保護膜コーティング工程S31と同様に行われる。
第2下地膜61を第2保護膜63により被覆する。第2保護膜63は、第2下地膜61における水晶基板20とは反対側の面に形成される。第2下地膜61における水晶基板20とは反対側の面は、第2下地膜61のZ方向マイナス側の面である。第2保護膜63は、後述する第2ドライエッチング工程S8において所定のエッチングレートでエッチングされる材料により形成される。
本実施形態では、第2保護膜63は、金属により形成される金属膜である。第2保護膜63を形成する金属は、例えば、ニッケル(Ni)などを用いることができる。なお、第2保護膜63は、金属以外の材料で形成されていても構わない。例えば、第2保護膜63は、レジスト材により形成されるレジスト膜であっても構わない。
≪第2保護膜パターニング工程S72≫
本工程は、第1保護膜パターニング工程S32と同様に行われる。
まず、第2保護膜63における水晶基板20とは反対側の面に、図示しない第3レジスト膜を形成する。第2保護膜63における水晶基板20とは反対側の面は、第2保護膜63のZ方向マイナス側の面である。第3レジスト膜は、フォトリソグラフィー技法を用いて、第2土手部形成領域Qd2に形成される。つまり、第3レジスト膜は、平面視で、第2土手部形成領域Qd2と重なる。
次に、第2保護膜63における第3レジスト膜が形成されている面側から第2保護膜63をエッチングする。第2保護膜63における第3レジスト膜が形成されている面は、第2保護膜63のZ方向マイナス側の面である。これにより、第3レジスト膜が形成されていない第2溝形成領域Q6、腕間領域Q4および素子間領域Q5の第2保護膜63は、除去される。
このようにして、図16に示すように、第2下地膜61のうち所定の領域である第2土手部形成領域Qd2に第2保護膜63を形成することができる。
≪第2下地膜パターニング工程S62≫
本工程は、第1下地膜パターニング工程S22と同様に行われる。
第2下地膜パターニング工程S62は、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第4レジスト膜R4を形成する工程と、第4レジスト膜R4をマスクとして第2下地膜61をエッチングする工程と、を有する。
まず、図17に示すように、フォトリソグラフィー技法を用いて、第2下地膜61における水晶基板20とは反対側の面のうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第4レジスト膜R4を形成する。第4レジスト膜R4は、第2土手部形成領域Qd2では、第2保護膜63を介して第2下地膜61における水晶基板20とは反対側の面に形成される。また、第4レジスト膜R4は、第2溝形成領域Q6では、第2保護膜63を介さずに第2下地膜61における水晶基板20とは反対側の面に形成される。
次に、第2下地膜61における第4レジスト膜R4が形成されている面側から第2下地膜61をエッチングする。つまり、第4レジスト膜R4をマスクとして、第2下地膜61のZ方向マイナス側の面側から、第2下地膜61をエッチングする。本実施形態では、第4レジスト膜R4をマスクとして第2下地膜61をエッチングする工程は、第2下地膜61の第3金属膜612をエッチングする工程と、第2下地膜61の第4金属膜613をエッチングする工程とを有する。
このようにして、図17に示すように、第4レジスト膜R4が形成されていない腕間領域Q4および素子間領域Q5の第2下地膜61は、除去されて、水晶基板20の第2基板面20Bのうち所定の領域である第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2下地膜61を形成することができる。
つまり、第2下地膜コーティング工程S61と第2下地膜パターニング工程S62とを含む第2下地膜形成工程S6により、水晶基板20の第2基板面20Bのうち、第1振動腕22が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕23が形成される第2振動腕形成領域Q3に第2下地膜61が形成される。
また、第2保護膜コーティング工程S71と第2保護膜パターニング工程S72とを含む第2保護膜形成工程S7により、第2下地膜61が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち、第2溝形成領域Q6を除いた領域である第2土手部形成領域Qd2に第2保護膜63が形成される。
本実施形態では、第2下地膜コーティング工程S61、第2下地膜パターニング工程S62、第2保護膜コーティング工程S71および第2保護膜パターニング工程S72は、第2下地膜コーティング工程S61、第2保護膜コーティング工程S71、第2保護膜パターニング工程S72、第2下地膜パターニング工程S62、の順で行われている。ただし、第2下地膜コーティング工程S61、第2下地膜パターニング工程S62、第2保護膜コーティング工程S71および第2保護膜パターニング工程S72を行う順番は、これに限らない。例えば、第2下地膜コーティング工程S61、第2下地膜パターニング工程S62、第2保護膜コーティング工程S71、第2保護膜パターニング工程S72、の順で行われても構わないし、第2下地膜コーティング工程S61、第2保護膜コーティング工程S71、第2下地膜パターニング工程S62、第2保護膜パターニング工程S72、の順で行われても構わない。
次に、図18に示すように、第4レジスト膜R4を除去し、第2ドライエッチング工程S8に移る。
≪第2ドライエッチング工程S8≫
本工程は、第1ドライエッチング工程S4と同様に行われる。
図19に示すように、第2下地膜61および第2保護膜63を介して水晶基板20を第2基板面20B側からドライエッチングし、第2面2Bと、第2溝222,232と、振動基板2の外形と、を同時に形成する。
第2ドライエッチング工程S8において、水晶基板20の第2基板面20Bに形成されている第2下地膜61および第2保護膜63は、それぞれ所定のエッチングレートでエッチングされる。そのため、第2下地膜61および第2保護膜63が形成されずに第2基板面20Bが露出している領域と、第2下地膜61が形成されている領域と、第2下地膜61および第2保護膜63が形成されている領域と、のそれぞれの領域における水晶基板20のエッチング深さを第2下地膜61および第2保護膜63によって制御することができる。
本実施形態では、水晶基板20の第2基板面20Bのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5には、第2下地膜61および第2保護膜63は形成されていない。つまり、腕間領域Q4および素子間領域Q5では、水晶基板20の第2基板面20Bは露出している。このため、第2ドライエッチング工程S8が開始されるとともに、腕間領域Q4および素子間領域Q5では、水晶基板20のエッチングが開始される。第2基板面20Bの腕間領域Q4および素子間領域Q5がエッチングされることにより、振動基板2の外形が形成される。
水晶基板20の第2基板面20Bのうち第2溝形成領域Q6には、第2下地膜61が形成されている。このため、第2下地膜61が除去された後に、水晶基板20のエッチングが開始される。第2基板面20Bの第2溝形成領域Q6がエッチングされることにより、第2溝222,232が形成される。第2溝形成領域Q6では、水晶基板20のエッチングの開始が、腕間領域Q4および素子間領域Q5よりも遅くなるため、第2溝形成領域Q6における水晶基板20のエッチング深さは、腕間領域Q4および素子間領域Q5における水晶基板20のエッチング深さよりも浅くなる。
水晶基板20の第2基板面20Bのうち第2土手部形成領域Qd2には、第2下地膜61および第2保護膜63が形成されている。このため、第2土手部形成領域Qd2では、水晶基板20の第2基板面20Bにおけるエッチングの開始が、第2溝形成領域Q6よりも遅くなる。つまり、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20のエッチング深さは、第2溝形成領域Q6における水晶基板20のエッチング深さよりも浅くなる。
なお、本実施形態では、第2保護膜63の厚みを十分に厚くすることにより、第2基板面20Bの第2土手部形成領域Qd2に第2下地膜61が残存した状態で第2ドライエッチング工程S8を終了させている。つまり、第2基板面20Bの第2土手部形成領域Qd2は、第2下地膜61により保護されている。そのため、第2基板面20Bの第2土手部形成領域Qd2はエッチングされない。
また、本実施形態では、第2ドライエッチング工程S8が終了したとき、第2保護膜63は除去されているが、除去されていなくても構わない。
第2ドライエッチング工程S8は、第2溝222,232が所望の深さとなった時点で終了する。第2溝形成領域Q6における水晶基板20のエッチング深さが、第2溝222,232の深さWaである。腕間領域Q4における水晶基板20のエッチング深さが、振動基板2の外形の深さAaである。素子間領域Q5における水晶基板20のエッチング深さが、振動基板2の外形の深さBaである。
上述したように、第2溝形成領域Q6における水晶基板20のエッチング深さは、腕間領域Q4および素子間領域Q5における水晶基板20のエッチング深さよりも浅くなる。そのため、振動基板2の外形の深さAa,Baは、第2溝222,232の深さWaよりも深くなる。つまり、Wa<Aa、Wa<Baである。なお、本実施形態では、深さAa,Baは、それぞれ水晶基板20の厚みTaの半分以上である。深さAa,Baを、それぞれ水晶基板20の厚みTaの半分以上とすることにより、第2ドライエッチング工程S8において、腕間領域Q4および素子間領域Q5がそれぞれ貫通する。腕間領域Q4および素子間領域Q5がそれぞれ貫通することにより、第1振動腕22と、第2振動腕23と、が形成される。
このように、第2下地膜形成工程S6において、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2下地膜61を形成し、さらに、第2保護膜形成工程S7において、第2下地膜61が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第2溝形成領域Q6を除いた領域である第2土手部形成領域Qd2に第2保護膜63を形成することにより、第2ドライエッチング工程S8において、マイクロローディング効果を利用せずに、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができる。第2下地膜61および第2保護膜63の厚みや幅を調整することにより、第1および第2振動腕22,23や第2溝222,232などの寸法を制御することができるので、腕間領域Q4におけるX方向の幅A、素子間領域Q5におけるX方向の幅B、および第2溝222,232におけるX方向の幅Wなどの寸法の設定に制約がなく、振動素子1の設計自由度を向上させることができる。
また、マイクロローディング効果を利用しないため、ドライエッチングに用いる反応ガスの選択などのドライエッチング条件の制約が緩和されるので、マイクロローディング効果を利用する場合と比べ、振動素子1を容易に製造することができる。
また、上述したように、本実施形態では、第2ドライエッチング工程S8において、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bに第2下地膜61が残存した状態でドライエッチングを終了させている。つまり、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bは、第2ドライエッチング工程S8においてエッチングされていない。第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bは、後述する第2下地膜除去工程S9において、第1および第2振動腕22,23の第2面2Bとなる。なお、「第2下地膜61が残存した状態」とは、「第2下地膜61の少なくとも一部が残存した状態」を意味する。例えば、本実施形態では、第2ドライエッチング工程S8においてドライエッチングが終了したときに、第2下地膜61を構成する第3金属膜612および第4金属膜613が水晶基板20に残存しているが、第4金属膜613は除去されていても構わない。
また、本実施形態では、第2ドライエッチング工程S8において、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bに第2下地膜61が残存した状態でドライエッチングを終了させているが、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bに第2下地膜61が残存しない状態でドライエッチングを終了させても構わない。つまり、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bが、第2ドライエッチング工程S8においてエッチングされるようにしても構わない。この場合は、第2ドライエッチング工程S8において水晶基板20がエッチングされた面が、第1および第2振動腕22,23の第2面2Bとなる。
このように、第2基板面20Bの第2土手部形成領域Qd2がエッチングされることにより、あるいはエッチングされないことにより、第2面2Bが形成される。
また、上述したように、本実施形態では、腕間領域Q4および素子間領域Q5には第2下地膜61および第2保護膜63が形成されていない。そのため、第2ドライエッチング工程S8におけるドライエッチングの開始ととともに、腕間領域Q4および素子間領域Q5における水晶基板20のエッチングが開始される。そのため、第2ドライエッチング工程S8を短時間で行うことができる。
また、上述したように、本実施形態では、第2下地膜61は、金属により形成される金属膜である。そのため、第2下地膜61を金属膜とすることにより、レジスト膜と比べ、第2下地膜61の厚みを薄くすることができる。これにより、第2ドライエッチング工程S8において形成される第1および第2振動腕22,23や第2溝222,232などの寸法精度を向上させることができる。
また、上述したように、本実施形態では、第2保護膜63は、金属により形成される金属膜である。そのため、第2保護膜63を金属膜とすることにより、レジスト膜と比べ、第2保護膜63の厚みを薄くすることができる。これにより、第2ドライエッチング工程S8において形成される第1および第2振動腕22,23や第2溝222,232などの寸法精度をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1下地膜51および第2下地膜61は、金属膜であるが、第1下地膜51および第2下地膜61の少なくとも一方が金属膜であれば構わない。例えば、第1下地膜51および第2下地膜61のうち、一方の下地膜が金属膜であり、他方の下地膜がレジスト膜であっても構わない。
また、本実施形態では、第1保護膜53および第2保護膜63は、金属膜であるが、第1保護膜53および第2保護膜63の少なくとも一方が金属膜であれば構わない。例えば、第1保護膜53および第2保護膜63のうち、少なくとも一方の保護膜が金属膜であり、他方の保護膜がレジスト膜であっても構わない。
≪第2下地膜除去工程S9≫
本工程は、第1下地膜除去工程S5と同様に行われる。
図20に示すように、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bに残存する第2下地膜61を除去する。これにより、水晶基板20の第2基板面20Bが第1および第2振動腕22,23の第2面2Bとなる。つまり、第1および第2振動腕22,23の第2面2Bは、第2ドライエッチング工程S8においてエッチングされていないので、第2土手部形成領域Qd2における第1および第2振動腕22,23の厚みや第2面2Bの表面粗さは、水晶基板20の厚みや第2基板面20Bの表面粗さのまま維持されている。そのため、第1および第2振動腕22,23の厚み精度が向上し、ねじれ振動などの不要振動の発生が抑制される。
なお、上述した第2ドライエッチング工程S8において、水晶基板20の第2基板面20Bに第2下地膜61が残存しない状態でドライエッチングを終了させる場合は、第2下地膜除去工程S9は設けなくても構わない。
また、上述した第2ドライエッチング工程S8が終了したとき、第2保護膜63が除去されていない場合は、第2下地膜除去工程S9において、第2下地膜61と、第2保護膜63と、を一括して除去するようにしても構わない。あるいは、第2下地膜除去工程S9を行う前に第2保護膜63を除去する第2保護膜除去工程を設けても構わない。
また、本実施形態では、第1下地膜除去工程S5において、水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第1下地膜51を除去し、第2下地膜除去工程S9において、水晶基板20の第2基板面20Bに残存する第2下地膜61を除去しているが、第1下地膜除去工程S5を設けずに、第2下地膜除去工程S9において、水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第1下地膜51と、水晶基板20の第2基板面20Bに残存する第2下地膜61と、を一括して除去しても構わない。
以上の工程S1~S9により、図20に示すように、水晶基板20から複数の振動基板2が一括形成される。
≪電極形成工程S10≫
振動基板2の表面に金属膜を成膜し、この金属膜をパターニングすることにより、電極3を形成する。
以上により、振動素子1が得られる。
以上のように、ドライエッチングによれば水晶の結晶面の影響を受けずに加工することができるため、優れた寸法精度を実現することができる。また、第1溝221,231および第2溝222,232と振動基板2の外形形状とを一括して形成することにより、振動素子1の製造工程の削減、振動素子1の低コスト化を図ることができる。また、外形形状に対する第1溝221,231および第2溝222,232の位置ずれが阻止され、振動基板2の形成精度が高まる。
以上、振動素子1の製造方法について説明した。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていても構わない。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
振動素子1の製造方法は、第1方向であるY方向に沿って延出し、Y方向と交差する第2方向であるX方向に沿って並ぶ第1振動腕22および第2振動腕23を備え、第1振動腕22および第2振動腕23は、それぞれ、Y方向およびX方向に交差する第3方向であるZ方向に並んで配置され、表裏関係にある第1面2Aおよび第2面2Bと、第1面2Aに開口する有底の第1溝221,231と、第2面2Bに開口する有底の第2溝222,232と、を有する振動素子の製造方法であって、表裏関係にある第1基板面20Aおよび第2基板面20Bを有する水晶基板20を準備する準備工程S1と、第1基板面20Aのうち、第1振動腕22が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕23が形成される第2振動腕形成領域Q3に第1下地膜51を形成する第1下地膜形成工程S2と、第1下地膜51のうち、第1溝221,231が形成される第1溝形成領域Q1を除いた領域である第1土手部形成領域Qd1に第1保護膜53を形成する第1保護膜形成工程S3と、第1下地膜51および第1保護膜53を介して水晶基板20を第1基板面20A側からドライエッチングし、第1面2Aと、第1溝221,231と、第1振動腕22および第2振動腕23の外形とを形成する第1ドライエッチング工程S4と、第2基板面20Bのうち、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2下地膜61を形成する第2下地膜形成工程S6と、第2下地膜61のうち、第2溝222,232が形成される第2溝形成領域Q6を除いた領域である第2土手部形成領域Qd2に第2保護膜63を形成する第2保護膜形成工程S7と、第2下地膜61および第2保護膜63を介して水晶基板20を第2基板面20B側からドライエッチングし、第2面2Bと、第2溝222,232と、第1振動腕22および第2振動腕23の外形とを形成する第2ドライエッチング工程S8と、を含む。
これにより、第1および第2振動腕22,23の外形と、第1溝221,231および第2溝222,232と、を一括して形成することができ、かつ、腕間領域Q4におけるX方向の幅A、素子間領域Q5におけるX方向の幅B、第1溝221,231におけるX方向の幅W、および第2溝222,232におけるX方向の幅Wなどの寸法の設定に制約がなく、設計自由度の高い振動素子1の製造方法を提供することができる。
2.実施形態2
実施形態2に係る振動素子1の製造方法について、図21および図22を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施形態2は、第1保護膜形成工程S3が第1下地膜パターニング工程S22のうち第2レジスト膜R2を形成する工程を含むことや、第1下地膜パターニング工程S22において第2レジスト膜R2を除去せずに第2レジスト膜R2を第3保護膜55とすることや、第2保護膜形成工程S7が第2下地膜パターニング工程S62のうち第4レジスト膜R4を形成する工程を含むことや、第2下地膜パターニング工程S62において第4レジスト膜R4を除去せずに第4レジスト膜R4を第4保護膜65とすること以外は、実施形態1と同様である。
換言すると、実施形態2は、第1ドライエッチング工程S4において第2レジスト膜R2が形成されている状態でドライエッチングが開始されることや、第2ドライエッチング工程S8において第4レジスト膜R4が形成されている状態でドライエッチングが開始されること以外は、実施形態1と同様である。
準備工程S1、第1下地膜コーティング工程S21、第1保護膜コーティング工程S31、および第1保護膜パターニング工程S32は、実施形態1と同一であるので、説明を省略し、第1下地膜パターニング工程S22から説明する。
≪第1下地膜パターニング工程S22≫
図21に示すように、まず、フォトリソグラフィー技法を用いて、第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面のうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第2レジスト膜R2を形成する。
本実施形態では、第1下地膜パターニング工程S22のうち第2レジスト膜R2を形成する工程は、第1保護膜形成工程S3に含まれる。
また、本実施形態では、第2レジスト膜R2は、第1ドライエッチング工程S4において所定のエッチングレートでエッチングされるレジスト材により形成される。また、第2レジスト膜R2は、第1保護膜53の厚みよりも薄く形成される。第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第1溝形成領域Q1に形成される第2レジスト膜R2は、第3保護膜55に相当する。換言すると、第1保護膜形成工程S3では、第1下地膜51の第1溝形成領域Q1に、第1保護膜53よりも厚みの薄い第3保護膜55としての第2レジスト膜R2が形成される。
次に、第1下地膜51における第2レジスト膜R2が形成されている面側から第1下地膜51をエッチングする。これにより、水晶基板20の第1基板面20Aのうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第1下地膜51が形成される。
次に、第2レジスト膜R2を除去せずに、第1ドライエッチング工程S4に移る。
≪第1ドライエッチング工程S4≫
図21に示すように、第1ドライエッチング工程S4では、第2レジスト膜R2が形成されている状態でドライエッチングが開始される。それ以外は、実施形態1と同一である。
第2レジスト膜R2は、第1ドライエッチング工程S4において、第1下地膜51および第1保護膜53と同様にエッチングされる。そのため、第1溝形成領域Q1に第3保護膜55としての第2レジスト膜R2が形成されている場合でも、第1ドライエッチング工程S4において、図22に示すように、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができる。
第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2レジスト膜R2が形成されている場合でも、第1ドライエッチング工程S4において、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができるので、第2レジスト膜R2を除去する工程が不要となる。つまり、振動基板2の製造工程を減らすことができる。
第1ドライエッチング工程S4が終了すると、第1下地膜除去工程S5に移る。
本実施形態では、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに第1下地膜51が残存した状態で第1ドライエッチング工程S4を終了させているが、水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第1下地膜51は、第1下地膜除去工程S5により除去されており、図22には図示されない。
第1下地膜除去工程S5、第2下地膜コーティング工程S61、第2保護膜コーティング工程S71、および第2保護膜パターニング工程S72は、実施形態1と同一であるので、説明を省略し、第2下地膜パターニング工程S62から説明する。
≪第2下地膜パターニング工程S62≫
図22に示すように、まず、フォトリソグラフィー技法を用いて、第2下地膜61における水晶基板20とは反対側の面のうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第4レジスト膜R4を形成する。
本実施形態では、第2下地膜パターニング工程S62のうち第4レジスト膜R4を形成する工程は、第2保護膜形成工程S7に含まれる。
また、本実施形態では、第4レジスト膜R4は、第2ドライエッチング工程S8において所定のエッチングレートでエッチングされるレジスト材により形成される。また、第4レジスト膜R4は、第2保護膜63の厚みよりも薄く形成される。第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3のうち第2溝形成領域Q6に形成される第4レジスト膜R4は、第4保護膜65に相当する。換言すると、第2保護膜形成工程S7では、第2下地膜61の第2溝形成領域Q6に、第2保護膜63よりも厚みの薄い第4保護膜65としての第4レジスト膜R4が形成される。
次に、第2下地膜61における第4レジスト膜R4が形成されている面側から第2下地膜61をエッチングする。これにより、水晶基板20の第2基板面20Bのうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2下地膜61が形成される。
次に、第4レジスト膜R4を除去せずに、第2ドライエッチング工程S8に移る。
≪第2ドライエッチング工程S8≫
図22に示すように、第2ドライエッチング工程S8では、第4レジスト膜R4が形成されている状態でドライエッチングが開始される。それ以外は、実施形態1と同一である。
第4レジスト膜R4は、第2ドライエッチング工程S8において、第2下地膜61および第2保護膜63と同様にエッチングされる。そのため、第2溝形成領域Q6に第4保護膜65としての第4レジスト膜R4が形成されている場合でも、第2ドライエッチング工程S8において、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができる。
第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第4レジスト膜R4が形成されている状態でも、第2ドライエッチング工程S8において、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができるので、第4レジスト膜R4を除去する工程が不要となる。つまり、振動基板2の製造工程を減らすことができる。
第2ドライエッチング工程S8が終了すると、第2下地膜除去工程S9に移る。
以上の工程S1~S9により、図20に示すように、水晶基板20から複数の振動基板2が一括形成される。
第2下地膜除去工程S9および電極形成工程S10は、実施形態1と同一であるので、説明を省略する。
なお、本実施形態では、第1保護膜形成工程S3において第3保護膜55としての第2レジスト膜R2を形成しているが、第3保護膜55を形成しなくても構わない。また、第2保護膜形成工程S7において第4保護膜65としての第4レジスト膜R4を形成しているが、第4保護膜65を形成しなくても構わない。つまり、第1保護膜形成工程S3および第2保護膜形成工程S7において、第3保護膜55および第4保護膜65のうち少なくとも一方を形成することにしても構わない。換言すると、第1下地膜パターニング工程S22および第2下地膜パターニング工程S62において第2レジスト膜R2および第4レジスト膜R4の少なくとも一方を除去することにしても構わない。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
第1溝形成領域Q1に第3保護膜55としての第2レジスト膜R2が形成されている場合でも、第1ドライエッチング工程S4において、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができる。また、第2溝形成領域Q6に第4保護膜65としての第4レジスト膜R4が形成されている場合でも、第2ドライエッチング工程S8において、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができる。また、第2レジスト膜R2および第4レジスト膜R4を除去する工程が不要となり、振動基板2の製造工程を減らすことができる。
3.実施形態3
実施形態3に係る振動素子1の製造方法について、図23、図24および図25を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施形態3は、第1下地膜パターニング工程S22において、腕間領域Q4および素子間領域Q5に形成されている第1下地膜51のうち第2金属膜513を除去し、残存する第1金属膜512を第3下地膜57とすることや、第2下地膜パターニング工程S62において、腕間領域Q4および素子間領域Q5に形成されている第2下地膜61のうち第4金属膜613を除去し、残存する第3金属膜612を第4下地膜67とすること以外は、実施形態1と同様である。
換言すると、実施形態3は、第1ドライエッチング工程S4において、腕間領域Q4および素子間領域Q5に第3下地膜57としての第1金属膜512が形成されている状態でドライエッチングが開始されることや、第2ドライエッチング工程S8において、腕間領域Q4および素子間領域Q5に第4下地膜67としての第3金属膜612が形成されている状態でドライエッチングが開始されること以外は、実施形態1と同様である。
準備工程S1、第1下地膜コーティング工程S21、第1保護膜コーティング工程S31、および第1保護膜パターニング工程S32は、実施形態1と同一であるので、説明を省略し、第1下地膜パターニング工程S22から説明する。
≪第1下地膜パターニング工程S22≫
図23に示すように、まず、フォトリソグラフィー技法を用いて、第1下地膜51における水晶基板20とは反対側の面のうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に、第2レジスト膜R2を形成する。
次に、第1下地膜51における第2レジスト膜R2が形成されている面側から第1下地膜51のうち第2金属膜513をエッチングする。これにより、第2レジスト膜R2が形成されていない腕間領域Q4および素子間領域Q5の第2金属膜513が除去される。また、水晶基板20の第1基板面20Aのうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第1下地膜51が形成される。
腕間領域Q4および素子間領域Q5において、第1下地膜51のうち第2金属膜513は除去されるが、第1金属膜512は除去されない。つまり、水晶基板20の第1基板面20Aのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5には、第1金属膜512が形成されている。水晶基板20の第1基板面20Aのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5に形成されている第1金属膜512は、第3下地膜57に相当する。換言すると、第1下地膜形成工程S2では、第1基板面20Aの腕間領域Q4および素子間領域Q5に、第1下地膜51よりも厚みの薄い第3下地膜57としての第1金属膜512が形成される。
次に、図24に示すように、第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に形成されている第2レジスト膜R2を除去し、第1ドライエッチング工程S4に移る。
≪第1ドライエッチング工程S4≫
図24に示すように、第1ドライエッチング工程S4では、腕間領域Q4および素子間領域Q5に第3下地膜57としての第1金属膜512が形成されている状態でドライエッチングが開始される。それ以外は、実施形態1と同一である。
第1ドライエッチング工程S4において、第3下地膜57としての第1金属膜512は、第1下地膜51および第1保護膜53と同様にエッチングされる。そのため、腕間領域Q4および素子間領域Q5に第3下地膜57としての第1金属膜512が形成されている場合でも、第1ドライエッチング工程S4において、図25に示すように、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができる。
腕間領域Q4および素子間領域Q5に第1金属膜512が形成されている場合でも、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができるので、第1下地膜パターニング工程S22において第1金属膜512をエッチングする工程が不要となる。つまり、振動基板2の製造工程を減らすことができる。
第1ドライエッチング工程S4が終了すると、第1下地膜除去工程S5に移る。
本実施形態では、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに第1下地膜51が残存した状態で第1ドライエッチング工程S4を終了させているが、水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第1下地膜51は、第1下地膜除去工程S5により除去されており、図25には図示されない。
第1下地膜除去工程S5、第2下地膜コーティング工程S61、第2保護膜コーティング工程S71、および第2保護膜パターニング工程S72は、実施形態1と同一であるので、説明を省略し、第2下地膜パターニング工程S62から説明する。
≪第2下地膜パターニング工程S62≫
図25に示すように、第1下地膜パターニング工程S22と同様に、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、腕間領域Q4および素子間領域Q5における第2下地膜61のうち第4金属膜613が除去される。また、水晶基板20の第2基板面20Bのうち第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕形成領域Q3に第2下地膜61が形成される。
腕間領域Q4および素子間領域Q5において、第2下地膜61のうち第4金属膜613は除去されるが、第3金属膜612は除去されない。つまり、水晶基板20の第2基板面20Bのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5には、第3金属膜612が形成されている。水晶基板20の第2基板面20Bのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5に形成されている第3金属膜612は、第4下地膜67に相当する。換言すると、第2下地膜形成工程S6では、第2基板面20Bの腕間領域Q4および素子間領域Q5に、第2下地膜61よりも厚みの薄い第4下地膜67としての第3金属膜612が形成される。
≪第2ドライエッチング工程S8≫
図25に示すように、第2ドライエッチング工程S8では、腕間領域Q4および素子間領域Q5に第4下地膜67としての第3金属膜612が形成されている状態でドライエッチングが開始される。それ以外は、実施形態1と同一である。
第2ドライエッチング工程S8において、第4下地膜67としての第3金属膜612は、第2下地膜61および第2保護膜63と同様にエッチングされる。そのため、腕間領域Q4および素子間領域Q5に第4下地膜67としての第3金属膜612が形成されている場合でも、第2ドライエッチング工程S8において、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができる。
腕間領域Q4および素子間領域Q5に第3金属膜612が形成されている場合でも、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができるので、第2下地膜パターニング工程S62において第3金属膜612をエッチングする工程が不要となる。つまり、振動基板2の製造工程を減らすことができる。
第2ドライエッチング工程S8が終了すると、第2下地膜除去工程S9に移る。
以上の工程S1~S9により、図20に示すように、水晶基板20から複数の振動基板2が一括形成される。
第2下地膜除去工程S9および電極形成工程S10は、実施形態1と同一であるので、説明を省略する。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
腕間領域Q4に第3下地膜57としての第1金属膜512が形成されている場合でも、第1ドライエッチング工程S4において、第1および第2振動腕22,23の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができる。また、腕間領域Q4に第4下地膜67としての第3金属膜612が形成されている場合でも、第2ドライエッチング工程S8において、第1および第2振動腕22,23の外形と第2溝222,232とを一括して形成することができる。また、第1金属膜512および第3金属膜612を除去する工程が不要となり、振動基板2の製造工程を減らすことができる。
なお、本実施形態では、第1下地膜パターニング工程S22において、水晶基板20の第1基板面20Aのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5に第3下地膜57としての第1金属膜512が形成されているが、第3下地膜57としての第1金属膜512は形成されていなくても構わない。つまり、上述した実施形態1のように、第1基板面20Aの腕間領域Q4および素子間領域Q5に第1下地膜51が形成されていなくても構わない。第1基板面20Aの腕間領域Q4および素子間領域Q5に第1下地膜51が形成されていない場合、腕間領域Q4および素子間領域Q5において水晶基板20の第1基板面20Aは露出しているため、第3下地膜57としての第1金属膜512が形成されている場合と比べ、第1ドライエッチング工程S4を短時間で終了させることができる。
また、本実施形態では、第2下地膜パターニング工程S62において、水晶基板20の第2基板面20Bのうち腕間領域Q4および素子間領域Q5に第4下地膜67としての第3金属膜612が形成されているが、第4下地膜67としての第3金属膜612は形成されていなくても構わない。つまり、上述した実施形態1のように、第2基板面20Bの腕間領域Q4および素子間領域Q5に第2下地膜61が形成されていなくても構わない。第2基板面20Bの腕間領域Q4および素子間領域Q5に第2下地膜61が形成されていない場合、腕間領域Q4および素子間領域Q5において水晶基板20の第2基板面20Bは露出しているため、第4下地膜67としての第3金属膜612が形成されている場合と比べ、第2ドライエッチング工程S8を短時間で終了させることができる。
つまり、第1基板面20Aの腕間領域Q4および第2基板面20Bの腕間領域Q4の少なくとも一方に、第3下地膜57または第4下地膜67が形成されていれば構わない。また、第1基板面20Aの素子間領域Q5および第2基板面20Bの素子間領域Q5の少なくとも一方に、第3下地膜57または第4下地膜67が形成されていれば構わない。
換言すると、第1基板面20Aの腕間領域Q4および第2基板面20Bの腕間領域Q4の少なくとも一方には、第1下地膜51または第2下地膜61が形成されていなくても構わない。また、第1基板面20Aの素子間領域Q5および第2基板面20Bの素子間領域Q5の少なくとも一方には、第1下地膜51または第2下地膜61が形成されていなくても構わない。
以上、本発明の振動素子の製造方法について、実施形態1、実施形態2および実施形態3に基づいて説明した。
なお、本発明の振動素子の製造方法で製造される振動素子は、特に限定されない。
本発明の振動素子の製造方法で製造される振動素子は、例えば、図26および図27に示すような双音叉型振動素子7であってもよい。なお、図26および図27では、電極の図示を省略している。双音叉型振動素子7は、一対の基部711,712と、基部711,712を連結する第1振動腕72および第2振動腕73と、を有する。また、第1振動腕72および第2振動腕73は、それぞれ第1面7Aに開口する有底の第1溝721,731と、第2面7Bに開口する有底の第2溝722,732と、第1溝721,731を画定する第1土手部725,735と、第2溝722,732を画定する第2土手部726,736と、を有する。
また、例えば、振動素子は、図28、図29および図30に示すようなジャイロ振動素子8であってもよい。なお、図28、図29および図30では、電極の図示を省略している。ジャイロ振動素子8は、基部81と、基部81からY方向両側に延出する一対の検出振動腕82,83と、基部81からX方向両側に延出する一対の連結腕84,85と、連結腕84の先端部からY方向両側に延出する駆動振動腕86,87と、連結腕85の先端部からY方向両側に延出する駆動振動腕88,89と、を有する。このようなジャイロ振動素子8においては、駆動振動腕86,87,88,89を図28中の矢印SD方向に屈曲振動させている状態でZ軸まわりの角速度ωzが作用すると、コリオリの力によって検出振動腕82,83に矢印SS方向への屈曲振動が新たに励振され、当該屈曲振動により検出振動腕82,83から出力される電荷に基づいて角速度ωzを検出する。
また、検出振動腕82,83は、第1面8Aに開口する有底の第1溝821,831と、第2面8Bに開口する有底の第2溝822,832と、第1溝821,831を画定する第1土手部825,835と、第2溝822,832を画定する第2土手部826,836とを有する。また、駆動振動腕86,87,88,89は、第1面8Aに開口する有底の第1溝861,871,881,891と、第2面8Bに開口する有底の第2溝862,872,882,892と、第1溝861,871,881,891を画定する第1土手部865,875,885,895と、第2溝862,872,882,892を画定する第2土手部866,876,886,896と、を有する。このようなジャイロ振動素子8においては、例えば、駆動振動腕86,88または駆動振動腕87,89が第1振動腕および第2振動腕となる。
また、例えば、振動素子は、図31、図32および図33に示すようなジャイロ振動素子9であってもよい。なお、図31、図32および図33では、電極の図示を省略している。ジャイロ振動素子9は、基部91と、基部91からY方向プラス側に延出し、X方向に並ぶ一対の駆動振動腕92,93と、基部91からY方向マイナス側に延出し、X方向に並ぶ一対の検出振動腕94,95と、を有する。このようなジャイロ振動素子9においては、駆動振動腕92,93を図31中の矢印SD方向に屈曲振動させている状態でY軸まわりの角速度ωyが作用すると、コリオリの力によって、検出振動腕94,95に矢印SS方向への屈曲振動が新たに励振され、当該屈曲振動により検出振動腕94,95から出力される電荷に基づいて角速度ωyを検出する。
また、駆動振動腕92,93は、第1面9Aに開口する有底の第1溝921,931と、第2面9Bに開口する有底の第2溝922,932と、第1溝921,931を画定する第1土手部925,935と、第2溝922,932を画定する第2土手部926,936と、を有する。また、検出振動腕94,95は、第1面9Aに開口する有底の第1溝941,951と、第2面9Bに開口する有底の第2溝942,952と、第1溝941,951を画定する第1土手部945,955と、第2溝942,952を画定する第2土手部946,956と、を有する。このようなジャイロ振動素子9においては、駆動振動腕92,93または検出振動腕94,95が第1振動腕および第2振動腕となる。
1…振動素子、2…振動基板、2A…第1面、2B…第2面、3…電極、20…水晶基板、20A…第1基板面、20B…第2基板面、21…基部、22…第1振動腕、23…第2振動腕、31…信号電極、32…接地電極、51…第1下地膜、53…第1保護膜、61…第2下地膜、63…第2保護膜、221,231…第1溝、222,232…第2溝、225,235…第1土手部、226,236…第2土手部、512…第1金属膜、513…第2金属膜、612…第3金属膜、613…第4金属膜、Q1…第1溝形成領域、Q2…第1振動腕形成領域、Q3…第2振動腕形成領域、Q4…腕間領域、Q5…素子間領域、Q6…第2溝形成領域、Qd1…第1土手部形成領域、Qd2…第2土手部形成領域、R1…第1レジスト膜、R2…第2レジスト膜、R4…第4レジスト膜、S1…準備工程、S2…第1下地膜形成工程、S3…第1保護膜形成工程、S4…第1ドライエッチング工程、S5…第1下地膜除去工程、S6…第2下地膜形成工程、S7…第2保護膜形成工程、S8…第2ドライエッチング工程、S9…第2下地膜除去工程、S10…電極形成工程、S21…第1下地膜コーティング工程、S22…第1下地膜パターニング工程、S31…第1保護膜コーティング工程、S32…第1保護膜パターニング工程、S61…第2下地膜コーティング工程、S62…第2下地膜パターニング工程、S71…第2保護膜コーティング工程、S72…第2保護膜パターニング工程。

Claims (7)

  1. 第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ第1振動腕および第2振動腕を備え、
    前記第1振動腕および前記第2振動腕は、それぞれ、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に並んで配置され、表裏関係にある第1面および第2面と、前記第1面に開口する有底の第1溝と、前記第2面に開口する有底の第2溝と、を有する振動素子の製造方法であって、
    表裏関係にある第1基板面および第2基板面を有する水晶基板を準備する準備工程と、
    前記第1基板面のうち、前記第1振動腕が形成される第1振動腕形成領域および前記第2振動腕が形成される第2振動腕形成領域に第1下地膜を形成する第1下地膜形成工程と、
    前記第1下地膜のうち、前記第1溝が形成される第1溝形成領域を除いた領域に第1保護膜を形成する第1保護膜形成工程と、
    前記第1下地膜および前記第1保護膜を介して前記水晶基板を前記第1基板面側からドライエッチングし、前記第1面と、前記第1溝と、前記第1振動腕および前記第2振動腕の外形とを形成する第1ドライエッチング工程と、
    前記第2基板面のうち、前記第1振動腕形成領域および前記第2振動腕形成領域に第2下地膜を形成する第2下地膜形成工程と、
    前記第2下地膜のうち、前記第2溝が形成される第2溝形成領域を除いた領域に第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、
    前記第2下地膜および前記第2保護膜を介して前記水晶基板を前記第2基板面側からドライエッチングし、前記第2面と、前記第2溝と、前記第1振動腕および前記第2振動腕の外形とを形成する第2ドライエッチング工程と、を含む、
    振動素子の製造方法。
  2. 前記第1保護膜形成工程では、前記第1下地膜の前記第1溝形成領域に、前記第1保護膜よりも厚みの薄い第3保護膜を形成し、
    前記第2保護膜形成工程では、前記第2下地膜の前記第2溝形成領域に、前記第2保護膜よりも厚みの薄い第4保護膜を形成する、
    請求項1に記載の振動素子の製造方法。
  3. 前記第1下地膜形成工程では、前記第1基板面の前記第1振動腕形成領域および前記第2振動腕形成領域の間に位置する腕間領域に、前記第1下地膜よりも厚みの薄い第3下地膜を形成し、
    前記第2下地膜形成工程では、前記第2基板面の前記腕間領域に、前記第2下地膜よりも厚みの薄い第4下地膜を形成する、
    請求項1または請求項2に記載の振動素子の製造方法。
  4. 前記第1基板面の前記第1振動腕形成領域および前記第2振動腕形成領域の間に位置する腕間領域、および前記第2基板面の前記腕間領域の少なくとも一方には、前記第1下地膜または前記第2下地膜が形成されていない、
    請求項1または請求項2に記載の振動素子の製造方法。
  5. 前記第1ドライエッチング工程において、前記ドライエッチングを前記第1基板面に前記第1下地膜が残存した状態で終了させ、
    残存した前記第1下地膜を除去する第1下地膜除去工程を更に含む、
    請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の振動素子の製造方法。
  6. 前記第2ドライエッチング工程において、前記ドライエッチングを前記第2基板面に前記第2下地膜が残存した状態で終了させ、
    残存した前記第2下地膜を除去する第2下地膜除去工程を更に含む、
    請求項5に記載の振動素子の製造方法。
  7. 前記第1下地膜および前記第2下地膜の少なくとも一方は金属膜である、
    請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の振動素子の製造方法。
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