JP2023072793A - 振動素子の製造方法 - Google Patents

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Hiyori Sakata
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Abstract

【課題】不要振動の発生や振動素子の破損を抑制する振動素子の製造方法を提供する。【解決手段】振動基板2と、振動基板の表面に形成された電極と、を有する振動素子の製造方法は、水晶基板を第1面2A側からドライエッチングし、第1溝221、231と第1振動腕22及び第2振動腕23の外形とを形成する第1ドライエッチング工程と、水晶基板を第2面2B側からドライエッチングし、第2溝222、232と振動腕の外形とを形成する第2ドライエッチング工程と、第1振動腕22及び第2振動腕23の側面101、103と第1溝と第2溝とをウェットエッチングして、底面111と溝内側面112、113とを接続する傾斜面114、115を形成するウェットエッチング工程と、を含む。第1溝221、231及び第2溝222、232は深さをDとし、深さDから傾斜面114のZ方向の長さを減じた値をD1とした場合、D1/D≧0.80を満たす。【選択図】図13

Description

本発明は、振動素子の製造方法に関する。
特許文献1には、溝が形成された一対の振動腕を有する振動素子をドライエッチングにより形成する振動素子の製造方法が記載されている。この製造方法では、圧電材料からなる基板をドライエッチングする際に、一対の振動腕の間の幅に対して溝の幅を狭くすることにより、マイクロローディング効果を用いて一対の振動腕の間のエッチング深さに対して溝のエッチング深さを浅くし、振動素子の溝と外形形状とを一括して形成している。
特開2007-013382号公報
しかしながら、特許文献1における振動素子の製造方法では、基板の表裏両面からドライエッチングを行うため、基板の表面に形成されるレジスト膜と、基板の裏面に形成されるレジスト膜と、の位置ずれにより、振動腕の側面に段差が形成される恐れがある。振動腕の側面に段差が形成されると、不要振動の発生や、衝撃時に段差を起点とした割れや欠けなどの破損が生じるという課題がある。
振動素子の製造方法は、第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ第1振動腕および第2振動腕を備え、前記第1振動腕および前記第2振動腕は、それぞれ、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に並んで配置され、表裏関係にある第1面および第2面と、前記第1面に開口する有底の第1溝と、前記第2面に開口する有底の第2溝と、前記第1面と前記第2面とを接続する側面と、を有する振動素子の製造方法であって、前記第1面および前記第2面を有する水晶基板を準備する準備工程と、前記水晶基板を前記第1面側からドライエッチングし、前記第1溝と前記第1振動腕および前記第2振動腕の外形とを形成する第1ドライエッチング工程と、前記水晶基板を前記第2面側からドライエッチングし、前記第2溝と前記第1振動腕および前記第2振動腕の前記外形とを形成する第2ドライエッチング工程と、然る後、前記第1振動腕および前記第2振動腕の前記側面と、前記第1溝と、前記第2溝とをウェットエッチングして、前記第1溝および前記第2溝に、底面と溝内側面とを接続する傾斜面を形成するウェットエッチング工程と、を含み、前記第1溝および前記第2溝は、深さをDとし、前記深さから前記傾斜面の前記第3方向の長さを減じた値をD1とした場合、D1/D≧0.80を満たす。
実施形態1に係る振動素子を示す平面図。 図1中のA1-A1線断面図。 実施形態1に係る振動素子の製造工程を示す図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 図10中のE1部の位置に相当する断面図。 図10中のE2部の位置に相当する断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 ドライ比率とQ値比率との関係を示すグラフ。 アスペクト比を変化させた場合のドライ比率とQ値比率との関係を示すグラフ。 エッチング時間を異ならせた場合のW/AとWa/Aaとの関係を示すグラフ。 反応ガスを異ならせた場合のW/AとWa/Aaとの関係を示すグラフ。 Wa/AaとCI比との関係を示すグラフ。 実施形態2に係る振動素子の製造工程を示す図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の製造方法を説明するための断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図22中のA2-A2線断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図24中のA3-A3線断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図26中のA4-A4線断面図。 図26中のA5-A5線断面図。 振動素子の変形例を示す平面図。 図29中のA6-A6線断面図。 図29中のA7-A7線断面図。
1.実施形態1
実施形態1に係る振動素子の製造方法について説明する。
まず、振動素子1の構成について、図1および図2を参照して説明し、次に、振動素子1の製造方法について、図3~図18を参照して説明する。
なお、説明の便宜上、一部を除く各図には互いに交差する3軸であるX軸、Y軸およびZ軸を示す。本実施形態において、これらの3軸は互いに直交する。また、X軸に沿う方向をX方向とも言い、Y軸に沿う方向をY方向とも言い、Z軸に沿う方向をZ方向とも言う。Y方向は第1方向に相当し、X方向は第2方向に相当し、Z方向は第3方向に相当する。また、各軸の矢印側をプラス側とも言い、反対側をマイナス側とも言う。また、Z方向のプラス側を「上」とも言い、マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向からの平面視を、単に「平面視」とも言う。また、X軸、Y軸およびZ軸は、後述するように、水晶の結晶軸に相当する。
図1および図2に示すように、振動素子1は、音叉型の振動素子であり、振動基板2と、振動基板2の表面に形成された電極3と、を有する。
振動基板2は、Zカットの水晶基板(Zカット水晶板)を所望形状にパターニングすることにより形成され、水晶の結晶軸であるX軸およびY軸で規定されるX-Y平面に広がりを有し、Z方向に厚みを有する。X軸は、電気軸とも呼ばれ、Y軸は、機械軸とも呼ばれ、Z軸は、光軸とも呼ばれる。
振動基板2は、板状をなし、互いに表裏関係にありZ方向に並んで配置された第1面2Aおよび第2面2Bを有する。また、振動基板2は、基部21と、基部21からY方向に沿って延出し、X方向に沿って並ぶ第1振動腕22および第2振動腕23と、を有する。
第1振動腕22は、第1面2Aに開口する有底の第1溝221と、第2面2Bに開口する有底の第2溝222と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面101と、を有する。同様に、第2振動腕23は、第1面2Aに開口する有底の第1溝231と、第2面2Bに開口する有底の第2溝232と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面103と、を有する。これら第1溝221,231および第2溝222,232は、それぞれ、Y方向に沿って延在し、これらの内面には、底面111と、溝内側面112,113と、傾斜面114,115とが形成されている。溝内側面112,113は、互いに対向しており、X方向マイナス側の溝内側面112は、傾斜面114によって底面111と接続され、X方向プラス側の溝内側面113は、傾斜面115によって底面111と接続されている。このように、第1振動腕22および第2振動腕23は、それぞれ、略H状の横断面形状を有する。これにより、熱弾性損失が低減され、優れた振動特性を有する振動素子1となる。なお、底面111は、第1面2Aまたは第2面2BからZ方向に最も深い位置にある部位であり、必ずしもX-Y平面と平行な平面でなくてもよい。例えば、第1溝221,231および第2溝222,232は、傾斜面114と傾斜面115とが交わる形状であってもよく、この場合、傾斜面114と傾斜面115とを繋ぐ稜線が底面111に相当する。
電極3は、信号電極31と、接地電極32と、を有する。信号電極31は、第1振動腕22の第1面2Aおよび第2面2Bと第2振動腕23の側面103とに配置されている。一方、接地電極32は、第1振動腕22の側面101と第2振動腕23の第1面2Aおよび第2面2Bとに配置されている。接地電極32を接地した状態で信号電極31に駆動信号を印加すると、図1中の矢印で示すように、第1振動腕22および第2振動腕23が接近、離間を繰り返すようにしてX方向に屈曲振動する。
以上、振動素子1について簡単に説明した。
次に、振動素子1の製造方法について説明する。図3に示すように、振動素子1の製造方法は、振動基板2の母材である水晶基板20を準備する準備工程S1と、水晶基板20の第1面2Aに第1保護膜5を形成する第1保護膜形成工程S2と、第1保護膜5を介して水晶基板20を第1面2A側からドライエッチングする第1ドライエッチング工程S3と、水晶基板20の第2面2Bに第2保護膜6を形成する第2保護膜形成工程S4と、第2保護膜6を介して水晶基板20を第2面2B側からドライエッチングする第2ドライエッチング工程S5と、水晶基板20をウェットエッチングするウェットエッチング工程S6と、以上の工程により得られた振動基板2の表面に電極3を形成する電極形成工程S7と、を含む。
以下、これら各工程について順に説明する。
≪準備工程S1≫
図4に示すように、振動基板2の母材である水晶基板20を準備する。水晶基板20は、CMP(化学的機械研磨)等により所望の厚さに整えられており、十分に平滑な第1面2Aおよび第2面2Bを有する。水晶基板20からは、複数の振動素子1が一括形成される。
≪第1保護膜形成工程S2≫
図5に示すように、水晶基板20の第1面2Aに金属膜M1を成膜し、第2面2Bに金属膜M2を成膜する。次に、金属膜M1上に第1レジスト膜R1を成膜し、成膜した第1レジスト膜R1をパターニングする。次に、第1レジスト膜R1の開口部に第1保護膜5を成膜し、その後、第1レジスト膜R1を除去する。これにより、図6のようになる。第1保護膜5としては、エッチング耐性を有していれば、特に限定されないが、ニッケルマスク等の各種メタルマスクを用いることができる。
第1保護膜5は、水晶基板20の除去すべき部分に開口51,52,53を有する。これらのうち、開口51は、第1溝221,231が形成される第1溝形成領域Q1と重なる。開口52は、第1振動腕22が形成される第1振動腕形成領域Q2および第2振動腕23が形成される第2振動腕形成領域Q3の間に位置する腕間領域Q4と重なる。開口53は、隣り合う振動基板2同士の間に位置する素子間領域Q5と重なる。つまり、第1保護膜5は、第1溝形成領域Q1と、腕間領域Q4と、素子間領域Q5と、を除いて形成されている。
≪第1ドライエッチング工程S3≫
図7に示すように、第1保護膜5を介して水晶基板20を第1面2A側からドライエッチングし、第1面2Aに第1溝221,231と、振動基板2の外形、すなわち第1振動腕22および第2振動腕23の外形と、を同時に形成する。なお、「同時に形成」とは、1工程において両者を一括して形成することを言う。より詳細には、本工程は、反応性イオンエッチングであり、RIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用いて行われる。また、RIE装置に導入される反応ガスとしては、特に限定されないが、例えば、SF6、CF4、C24、C26、C36、C48等を用いることができる。
本工程は、第1溝221,231が所望の深さとなった時点で終了する。ここで、ドライエッチングにおいては、第1保護膜5のパターン密度が高いほどエッチングレートが低下する「マイクロローディング効果」が知られている。本実施形態においては、第1溝221,231のX方向における幅Wと腕間領域Q4のX方向における幅Aとを比較するとW<Aである。また、幅Wと素子間領域Q5のX方向における幅Bとを比較するとW<Bである。したがって、マイクロローディング効果によって、第1溝形成領域Q1のエッチングレートが腕間領域Q4および素子間領域Q5のエッチングレートよりも低くなる。そのため、本工程終了時点では、第1溝221,231の深さWaは、振動基板2の外形の深さAa,Baよりも浅い。つまり、Wa<Aa(Wa/Aa<1)、Wa<Ba(Wa/Ba<1)である。また、深さAa,Baは、それぞれ、水晶基板20の厚さの半分以上である。すなわち、水晶基板20の厚さをTaとすれば、Aa≧0.5Ta、Ba≧0.5Taである。
本工程終了後、第1保護膜5および金属膜M1を除去し、水晶基板20の裏面の加工に移る。
≪第2保護膜形成工程S4≫
図8に示すように、金属膜M2上に第2保護膜6を成膜する。第2保護膜6の成膜方法は、前述した第1保護膜5の成膜方法と同様である。第2保護膜6は、水晶基板20の除去すべき部分に開口61,62,63を有する。これらのうち、開口61は、第2溝222,232が形成される第2溝形成領域Q6と重なる。開口62は、腕間領域Q4と重なる。開口63は、素子間領域Q5と重なる。
≪第2ドライエッチング工程S5≫
図9に示すように、第2保護膜6を介して水晶基板20を第2面2B側からドライエッチングし、第2面2Bに第2溝222,232と、振動基板2の外形、すなわち第1振動腕22および第2振動腕23の外形と、を同時に形成する。本工程は、第1ドライエッチング工程S3と同様に行われる。
本工程は、第2溝222,232が所望の深さとなった時点で終了する。本実施形態においては、第2溝222,232のX方向における幅Wと腕間領域Q4のX方向における幅Aとを比較するとW<Aである。また、幅Wと素子間領域Q5のX方向における幅Bとを比較するとW<Bである。したがって、マイクロローディング効果によって、第2溝形成領域Q6のエッチングレートが腕間領域Q4および素子間領域Q5のエッチングレートよりも低くなる。そのため、本工程終了時点では、第2溝222,232の深さWaは、振動基板2の外形の深さAa,Baよりも浅い。つまり、Wa<Aa(Wa/Aa<1)、Wa<Ba(Wa/Ba<1)である。また、深さAa,Baは、それぞれ、水晶基板20の厚さの半分以上である。すなわち、Aa≧0.5Ta、Ba≧0.5Taである。そのため、腕間領域Q4および素子間領域Q5がそれぞれ貫通する。腕間領域Q4および素子間領域Q5がそれぞれ貫通することにより、第1振動腕22と、第2振動腕23と、が形成される。
図10に示すように、本工程終了後、第2保護膜6および金属膜M2を除去する。
前述したように、第1ドライエッチング工程S3では、水晶基板20を第1面2A側からドライエッチングし、第2ドライエッチング工程S5では、水晶基板20を第2面2B側からドライエッチングすることにより、振動基板2の外形を形成している。このため、例えば、Z方向からの平面視で、第1保護膜5と、第2保護膜6と、のそれぞれの位置が製造ばらつきなどによりずれている場合は、第1ドライエッチング工程S3におけるドライエッチングと、第2ドライエッチング工程S5におけるドライエッチングと、の両方のドライエッチングが重なる領域105において、第1振動腕22の側面101と、第2振動腕23の側面103と、に段差が形成される場合がある。
図11および図12に示すように、例えば、第1保護膜5に対して第2保護膜6の位置がX方向マイナス側にずれている場合は、第1ドライエッチング工程S3において形成される振動基板2の外形に対して第2ドライエッチング工程S5において形成される振動基板2の外形がX方向マイナス側にずれることにより、第1振動腕22の側面101に段差部107が形成される。また、例えば、第1保護膜5に対し第2保護膜6の位置がX方向プラス側にずれている場合も、段差部107が形成される。また、第1振動腕22を例示して説明したが、第1保護膜5に対して第2保護膜6の位置がずれている場合は、第2振動腕23の側面103においても同様に段差部107が形成される。
≪ウェットエッチング工程S6≫
ウェットエッチング工程S6は、水晶基板20をエッチング液に浸漬することにより、水晶基板20をウェットエッチングする工程である。エッチング液としては、フッ酸、フッ化アンモニウムを用いることができる。
前述したように、水晶基板20には、第1ドライエッチング工程S3および第2ドライエッチング工程S5により、第1振動腕22および第2振動腕23が形成されている。つまり、本工程は、第1振動腕22および第2振動腕23をウェットエッチングする工程であり、具体的には、第1振動腕22および第2振動腕23の側面101,103と、第1溝221,231および第2溝222,232とをウェットエッチングする。本工程において、第1振動腕22および第2振動腕23の側面101,103をウェットエッチングすることにより、側面101,103に形成される段差部107を小さくすることができる。段差部107を小さくすることにより、振動素子1を振動させた際の不要振動の発生や、振動素子1に衝撃が加えられた際の振動素子1の破損を抑制することができる。
また、本工程において、第1溝221,231および第2溝222,232をウェットエッチングすることにより、図13に示すように、第1溝221,231および第2溝222,232の内面に、傾斜面114,115と底面111とが形成される。
第1ドライエッチング工程S3および第2ドライエッチング工程S5で形成される溝の深さをD1とし、ウェットエッチング工程S6で形成される溝の深さをD2とするとき、ウェットエッチング工程S6の後における最終的な溝の深さD、すなわち第1面2Aまたは第2面2Bから底面111までのZ方向における距離は、D1+D2である。なお、深さD1は、上述した深さWaと等しい。また、深さD1は、溝内側面112と傾斜面114との境界、および溝内側面113と傾斜面115との境界のうち、底面111から遠いほうの境界と第1面2Aまたは第2面2BとのZ方向における距離とみなすことが可能である。また、深さD2は、上述した底面111から遠いほうの境界から底面111までのZ方向における距離とみなすことができる。本実施形態では、溝内側面112と傾斜面114との境界と、第1面2Aまたは第2面2BとのZ方向における距離が深さD1であり、その境界から底面111までのZ方向における距離が深さD2となる。つまり、深さD2は、傾斜面114のZ方向の長さであり、深さD1は、深さDから深さD2を減じた値である。
図14は、ドライ比率D1/DとQ値比率との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。ここで、ドライ比率D1/Dとは、最終的な溝の深さDに対するドライエッチングによって形成される溝の深さD1の比率である。また、Q値比率とは、ドライ比率D1/Dが0のときの振動素子1のQ値、すなわちウェットエッチングのみで第1溝221,231および第2溝222,232を形成したときのQ値を100%として規格化したQ値の比率である。図14に示すように、ドライ比率D1/Dの変化に応じて振動素子1のQ値も変化する。具体的には、ドライ比率D1/Dが大きくなるほどQ値も上昇し、ドライ比率D1/DがD1/D≧0.80の範囲では、Q値がほぼ一定となる。このときのQ値は、ドライ比率D1/Dが1.00のときのQ値、すなわちドライエッチングのみで段差部107のない理想的な形状の第1振動腕22および第2振動腕23を形成した場合のQ値と同等である。このように、ドライ比率D1/DがD1/D≧0.80を満たすように第1溝221,231および第2溝222,232を形成することで、ウェットエッチングのみで形成する場合に比してQ値を大きく向上することができる。
また、図15は、溝の幅Wに対する溝の深さDの比率であるアスペクト比D/Wを変化させた場合の、ドライ比率D1/DとQ値比率との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。図15に示すように、アスペクト比D/Wが変化しても、ドライ比率D1/DをD1/D≧0.80とすることで、Q値を大きく向上することが可能である。さらに、ドライ比率D1/DがD1/D≧0.85を満たすように第1溝221,231および第2溝222,232を形成するようにすれば、より良好なQ値を得ることができる。
ウェットエッチング工程S6において、側面101,103のエッチング量は、0.01μm以上であることが好ましい。これにより、段差部107が小さくなり、振動素子1を振動させた際の不要振動の発生や、振動素子1に衝撃が加えられた際の振動素子1の破損を抑制することができる。なお、側面101,103のエッチング量とは、ウェットエッチング工程S6の前後における側面101,103に直交する方向であるX方向における側面101,103の変位量である。
また、本工程において、側面101,103のエッチング量は、1μm以下であることが好ましい。側面101,103のエッチング量が1μmを越えると、段差部107以外の振動基板2の各部、例えば、第1面2A、第2面2B、第1溝221,231、第2溝222,232などがウェットエッチングされることにより、振動素子1の外形寸法が所望の外形寸法とは異なる寸法となる。そのため、振動素子1が所望の周波数から大きくずれた周波数で振動する恐れがある。側面101,103のエッチング量を1μm以下とすることにより、所望の周波数からのずれを抑制することができる。
また、本工程において、側面101,103のエッチング量は、0.5μm以下であることが好ましい。側面101,103におけるエッチング量が0.5μmを越えると、例えば、第1面2Aや第2面2Bと側面101,103とが接続する振動腕22,23の角部などがウェットエッチングされることにより、振動素子1の形状が所望の形状とは異なる複雑な形状となる。そのため、振動素子1を振動させた際に不要振動が発生し、Q値などの振動特性が低下する虞がある。側面101,103のエッチング量を0.5μm以下とすることにより、不要振動の発生を抑制することができる。
以上の工程S1~S6により、水晶基板20から複数の振動基板2が一括形成される。
≪電極形成工程S7≫
振動基板2の表面に金属膜を成膜し、この金属膜をパターニングすることにより、電極3を形成する。
以上により、振動素子1が得られる。
以上のように、ドライエッチングによれば水晶の結晶面の影響を受けずに加工することができるため、優れた寸法精度を実現することができる。また、第1溝221,231および第2溝222,232と振動基板2の外形形状とを一括して形成することにより、振動素子1の製造工程の削減、振動素子1の低コスト化を図ることができる。また、外形形状に対する第1溝221,231および第2溝222,232の位置ずれが阻止され、振動基板2の形成精度が高まる。
また、水晶基板20を第1面2A側と、第2面2B側と、の両面からそれぞれドライエッチングしたときに第1振動腕22および第2振動腕23の側面101,103に形成される段差部107を、ウェットエッチングにより小さくすることができる。このため、振動素子1を振動させた際の不要振動の発生や、振動素子1に衝撃が加えられた際の振動素子1の破損を抑制することができる。
以上、振動素子1の製造方法について説明した。
次に、マイクロローディング効果をより確実に発現させるための条件について、図16および図17を参照して説明する。
図16に、エッチング時間を異ならせた場合のW/AとWa/Aaとの関係を示す。同図から分かるように、各時間ともW/A≦40%以下の領域においてマイクロローディング効果が顕著に発現していることが分かる。
また、マイクロローディング効果は、ドライエッチングで用いられる反応ガス種によっても変化する。図17に、互いに異なる3種の一般的な反応ガスを用いた場合のW/AとWa/Aaとの関係を示す。
例えば、反応ガスとして、C24、C26、C36、C48のように炭素を多く含むフッ素系のガスを用いると厚い側壁保護膜が得られ、ガス種G3のように傾斜が小さくなる。そのため、幅Wに対して幅Aを小さくした形状でWa/Aaを大きくし易くなり、振動素子1を小型化することができる。例えば、周波数とCI値を設計する際、一定以上の幅Wと深さAaに近い値の深さWaが必要になる場合がある。その際、振動素子1を小型化するには幅Aを小さくする必要があり、このような場合に、C24、C26、C36、C48の少なくとも一種が特に有効となる。
一方、SF6、CF4等の炭素が少ないあるいは炭素を含まないフッ素系のガスを単独または炭素を多く含むフッ素系のガスと組み合わせた場合、側壁保護膜が薄くなり、ガス種G1のように傾斜が大きくなる。そのため、深さAaに対して深さWaを大きく保ちつつ、幅Wに対して幅Aを大きくすることができる。例えば、深さWaを深くしながら、第1振動腕22および第2振動腕23の幅を細くかつ幅Aを大きくしたい場合に、SF6、CF4の少なくとも一種が特に有効となる。
なお、W/A=x、Wa/Aa=yとしたとき、ガス種G1は、下記の式(1)で表され、ガス種G2は、下記の式(2)で表され、ガス種G3は、下記の式(3)で表される。
Figure 2023072793000002
Figure 2023072793000003
Figure 2023072793000004
図17に示すように、yが式(1)と式(3)との間の領域Pにあれば、つまり、yが下記式(4)、(5)を満たせば、一般的な反応ガスを用いてマイクロローディング効果をより確実に発現させることができる。そのため、振動素子1の製造が容易となり、その製造コストを削減することができる。
Figure 2023072793000005
Figure 2023072793000006
なお、yが式(4)を満たさない場合、幅Wの変化に対する深さWaの変化が大きくなり、深さWaがばらつくおそれがある。yが式(4)を満たすことにより、それを抑制することができる。また、yが式(5)を満たさない場合、xが大きい領域でyを大きくし難くなり、深さWaが浅くなる。または、深さWaを深くするためには、W=Aに近づける必要が生じ、形状的な制約が生じ易くなる。yが式(5)を満たすことにより、それを抑制することができる。
ここで、例えば、幅Wおよび深さWaを一定としたとき、ガス種G2を選択すると、ガス種G1に比べて幅Aを小さくすることができ、振動素子1の小型化を図ることができる。ガス種G3を選択した場合、ガス種G2に比べて幅Aをさらに小さくでき、振動素子1のさらなる小型化を図ることができる。このように、小型化の観点からすれば、領域Pの中でも、さらに、yが式(2)と式(3)との間の領域PPにあることが好ましい。つまり、yが下記式(6)と上記式(5)とを満たすことが好ましい。
Figure 2023072793000007
次に、第1溝221,231および第2溝222,232を形成した際の振動素子1のCI値の改善効果について、図18を参照して説明する。
図18に、Wa/AaとCI比との関係を示す。ここで、CI比とは、第1溝221,231および第2溝222,232を形成しない場合のCI値を1.0として規格化したCI値の比率である。図18に示すように、Wa/Aa≧0.2とすることが好ましい。なお、本実施形態では、マイクロローディング効果を利用するため、Wa/Aa<1である。これにより、第1溝221,231および第2溝222,232を形成しない場合と比べてCI値を3割以下に低減することができる。そのため、優れた振動特性を有する振動素子1を製造することができる。さらに、Wa/Aa≧0.4とすることが好ましく、これにより、第1溝221,231および第2溝222,232を形成しない場合と比べてCI値を1割以下に低減することができる。
以上、振動素子1の製造方法においてマイクロローディング効果をより確実に発現させるための条件について説明した。
振動素子1の製造方法は、前述したように、第1方向であるY方向に沿って延出し、Y方向と交差する第2方向であるX方向に沿って並ぶ第1振動腕22および第2振動腕23を備え、第1振動腕22および第2振動腕23は、それぞれ、Y方向およびX方向に交差する第3方向であるZ方向に並んで配置され、表裏関係にある第1面2Aおよび第2面2Bと、第1面2Aに開口する有底の第1溝221,231と、第2面2Bに開口する有底の第2溝222,232と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面101,103と、を有する振動素子の製造方法であって、第1面2Aおよび第2面2Bを有する水晶基板20を準備する準備工程S1と、水晶基板20を第1面2A側からドライエッチングし、第1溝221,231と第1振動腕22および第2振動腕23の外形とを形成する第1ドライエッチング工程S3と、水晶基板20を第2面2B側からドライエッチングし、第2溝222,232と第1振動腕22および第2振動腕23の外形とを形成する第2ドライエッチング工程S5と、然る後、第1振動腕22および第2振動腕23の側面101,103と、第1溝221,231と、第2溝222,232とをウェットエッチングして、第1溝221,231および第2溝222,232の底面111と溝内側面112,113とを接続する傾斜面114,115を形成するウェットエッチング工程S6と、を含み、第1溝221,231および第2溝222,232は、深さをDとし、深さから傾斜面114のZ方向の長さを減じた値をD1とした場合、D1/D≧0.80を満たす。
この製造方法によれば、第1振動腕22および第2振動腕23の側面101,103に形成される段差部107を小さくすることができる。これにより、振動素子1を振動させた際の不要振動の発生や、振動素子1に衝撃が加えられた際の振動素子1の破損を抑制することができる。さらに、前述したように、ドライ比率D1/DがD1/D≧0.80を満たすため、Q値を向上することができる。
また、前述したように、振動素子1の製造方法では、第1溝221,231および第2溝222,232は、ドライ比率D1/DがD1/D≧0.85を満たすようにすることが好ましい。これにより、Q値をより向上することができる。
また、前述したように、振動素子1の製造方法では、ウェットエッチング工程S6における側面101,103のエッチング量は、0.01μm以上であることが好ましい。これにより、段差部107が小さくなり、振動素子1を振動させた際の不要振動の発生や、振動素子1に衝撃が加えられた際の振動素子1の破損を抑制することができる。
また、前述したように、振動素子1の製造方法では、ウェットエッチング工程S6における側面101,103のエッチング量は、1μm以下であることが好ましい。これにより、振動素子1を振動させた際における所望の周波数からのずれを抑制することができる。
また、前述したように、振動素子1の製造方法では、ウェットエッチング工程S6における側面101,103のエッチング量は、0.5μm以下であることが好ましい。これにより、振動素子1を振動させた際における不要振動の発生を抑制することができる。
また、前述したように、振動素子1の製造方法では、第1ドライエッチング工程S3で形成される第1溝221,231の深さおよび第2ドライエッチング工程S5で形成される第2溝222,232の深さをそれぞれWaとし、第1ドライエッチング工程S3で形成される第1振動腕22および第2振動腕23の外形の深さと、第2ドライエッチング工程S5で形成される第1振動腕22および第2振動腕23の外形の深さと、をそれぞれAaとしたとき、第1ドライエッチング工程S3および第2ドライエッチング工程S5の少なくとも一方において、Wa/Aa<1を満たすことが好ましい。これにより、第1溝221,231および第2溝222,232と振動基板2の外形形状とを一括して形成することができる。そのため、振動素子1の製造工程の削減、振動素子1の低コスト化を図ることができる。また、外形形状に対する第1溝221,231および第2溝222,232の位置ずれが阻止され、振動基板2の形成精度が高まる。
2.実施形態2
実施形態2に係る振動素子1の製造方法について、図19~図21を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施形態2は、第2ドライエッチング工程S5と、ウェットエッチング工程S6と、の間に第3保護膜形成工程S10を有し、第3保護膜形成工程S10において水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bに第3保護膜109が形成されることや、ウェットエッチング工程S6において水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bが第3保護膜109によりマスクされていること以外は、実施形態1と同様である。
図19に示すように、実施形態2に係る振動素子1の製造方法は、振動基板2の母材である水晶基板20を準備する準備工程S1と、水晶基板20の第1面2Aに第1保護膜5を形成する第1保護膜形成工程S2と、第1保護膜5を介して水晶基板20を第1面2A側からドライエッチングする第1ドライエッチング工程S3と、水晶基板20の第2面2Bに第2保護膜6を形成する第2保護膜形成工程S4と、第2保護膜6を介して水晶基板20を第2面2B側からドライエッチングする第2ドライエッチング工程S5と、水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bに第3保護膜109を形成する第3保護膜形成工程S10と、水晶基板20をウェットエッチングするウェットエッチング工程S6と、以上の工程により得られた振動基板2の表面に電極3を形成する電極形成工程S7と、を含む。
準備工程S1から第2ドライエッチング工程S5までは、実施形態1と同一であるので、説明を省略し、第3保護膜形成工程S10から説明する。なお、実施形態1と同様に、第2ドライエッチング工程S5の終了後、第2保護膜6および金属膜M2は水晶基板20から除去されている。
≪第3保護膜形成工程S10≫
図20に示すように、水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bに第3保護膜109を形成する。第3保護膜109は、例えば、水晶基板20側からクロムおよび金を順に成膜した金属膜である。第3保護膜109は、水晶基板20の表面に、例えば、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて金属膜を成膜し、この金属膜をフォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いてパターニングすることにより、形成することができる。
≪ウェットエッチング工程S6≫
本工程では、水晶基板20をエッチング液に浸漬することにより、水晶基板20をウェットエッチングする。
実施形態2では、本工程に先立ち、第3保護膜形成工程S10において水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bに第3保護膜109が形成されている。そのため、本工程において、水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bは、第3保護膜109によりマスクされている。言い換えると、第1振動腕22および第2振動腕23の第1面2Aおよび第2面2Bは、第3保護膜109によりマスクされている。つまり、本工程において、第1振動腕22および第2振動腕23の第1面2Aおよび第2面2Bはウェットエッチングされない。これにより、振動素子1の寸法や形状が所望の寸法や形状と異なる寸法や形状となることを抑制することができる。そのため、振動素子1における所望の周波数からのずれや不要振動の発生を抑制することができる。
第1振動腕22および第2振動腕23の側面101,103には、第3保護膜109は形成されていないので、実施形態1と同様に、側面101,103に形成される段差部107を小さくすることができる。
図21に示すように、本工程終了後、第3保護膜109を除去する。以上により、水晶基板20から複数の振動基板2が一括形成される。
≪電極形成工程S7≫
本工程は、実施形態1と同様に行われる。振動基板2の表面に金属膜を成膜し、この金属膜をパターニングすることにより、電極3を形成する。
以上により、振動素子1が得られる。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
ウェットエッチング工程S6において、水晶基板20の第1面2Aおよび第2面2Bが第3保護膜109によりマスクされていることにより、振動素子1の寸法や形状が所望の寸法や形状と異なる寸法や形状となることを抑制することができる。これにより、振動素子1における所望の周波数からのずれや不要振動の発生を抑制することができる。
以上、本発明の振動素子の製造方法について実施形態1および実施形態2に基づいて説明した。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態では、第1ドライエッチング工程S3および第2ドライエッチング工程S5のそれぞれでWa/Aa<1を満たしているが、これに限定されず、これらのうちの少なくとも一方でWa/Aa<1を満たしていればよい。
また、本発明の振動素子の製造方法で製造される振動素子は、特に限定されず、例えば、図22および図23に示すような振動素子1Aであってもよい。振動素子1Aでは、第1振動腕22の第1面2Aに一対の第1溝221がX方向に並んで形成され、第2面2Bに一対の第2溝222がX方向に並んで形成され、同様に、第2振動腕23の第1面2Aに一対の第1溝231がX方向に並んで形成され、第2面2Bに一対の第2溝232がX方向に並んで形成されている。なお、このような構成では、複数の溝が並ぶため、各溝の幅Wが細くなり易い。そこで、第1ドライエッチング工程S3および第2ドライエッチング工程S5において反応ガスとしてSF6、CF4の少なくとも一種を用いることが好ましい。これにより、各溝を深く形成できCI値を下げることができる。
また、振動素子は、図24および図25に示すような双音叉型振動素子7であってもよい。なお、図24および図25では、電極の図示を省略している。双音叉型振動素子7は、一対の基部711,712と、基部711,712を連結する第1振動腕72および第2振動腕73と、を有する。また、第1振動腕72および第2振動腕73は、それぞれ第1面7Aに開口する有底の第1溝721,731と、第2面7Bに開口する有底の第2溝722,732と、を有する。
また、例えば、振動素子は、図26~図28に示すようなジャイロ振動素子8であってもよい。なお、図26~図28では、電極の図示を省略している。ジャイロ振動素子8は、基部81と、基部81からY方向両側に延出する一対の検出振動腕82,83と、基部81からX方向両側に延出する一対の連結腕84,85と、連結腕84の先端部からY方向両側に延出する駆動振動腕86,87と、連結腕85の先端部からY方向両側に延出する駆動振動腕88,89と、を有する。このようなジャイロ振動素子8においては、駆動振動腕86,87,88,89を図26中の矢印SD方向に屈曲振動させている状態でZ軸まわりの角速度ωzが作用すると、コリオリの力によって検出振動腕82,83に矢印SS方向への屈曲振動が新たに励振され、当該屈曲振動により検出振動腕82,83から出力される電荷に基づいて角速度ωzを検出する。
また、検出振動腕82,83は、第1面8Aに開口する有底の第1溝821,831と、第2面8Bに開口する有底の第2溝822,832と、を有する。また、駆動振動腕86,87,88,89は、第1面8Aに開口する有底の第1溝861,871,881,891と、第2面8Bに開口する有底の第2溝862,872,882,892と、を有する。このようなジャイロ振動素子8においては、例えば、検出振動腕82と駆動振動腕86、検出振動腕82と駆動振動腕88、検出振動腕83と駆動振動腕87、検出振動腕83と駆動振動腕89等、X方向に隣り合う一対の振動腕を第1振動腕および第2振動腕とすることができる。
なお、ジャイロ振動素子8の場合、その構造的に腕間領域Q4を大きくする必要がある。このような場合、上記式(2)と式(3)との間の領域では深さWaが浅くなり感度低下を招くおそれがある。そこで、上記式(1)と式(2)との間の領域を用いることが好ましい。
また、例えば、振動素子は、図29~図31に示すようなジャイロ振動素子9であってもよい。ジャイロ振動素子9は、基部91と、基部91からY方向プラス側に延出し、X方向に並ぶ一対の駆動振動腕92,93と、基部91からY方向マイナス側に延出し、X方向に並ぶ一対の検出振動腕94,95と、を有する。このようなジャイロ振動素子9においては、駆動振動腕92,93を図29中の矢印SD方向に屈曲振動させている状態でY軸まわりの角速度ωyが作用すると、コリオリの力によって、検出振動腕94,95に矢印SS方向への屈曲振動が新たに励振され、当該屈曲振動により検出振動腕94,95から出力される電荷に基づいて角速度ωyを検出する。
また、駆動振動腕92,93は、第1面9Aに開口する有底の第1溝921,931と、第2面9Bに開口する有底の第2溝922,932と、を有する。また、検出振動腕94,95は、第1面9Aに開口する有底の第1溝941,951と、第2面9Bに開口する有底の第2溝942,952と、を有する。このようなジャイロ振動素子9においては、駆動振動腕92,93または検出振動腕94,95が第1振動腕および第2振動腕となる。
1…振動素子、2…振動基板、2A…第1面、2B…第2面、101,103…側面、20…水晶基板、21…基部、22…第1振動腕、23…第2振動腕、221,231…第1溝、222,232…第2溝、3…電極、31…信号電極、32…接地電極、5…第1保護膜、51,52,53…開口、6…第2保護膜、61,62,63…開口、107…段差部、109…第3保護膜、111…底面、112,113…溝内側面、114,115…傾斜面、A…幅、Aa…深さ、B…幅、Ba…深さ、D,D1,D2…深さ、M1…金属膜、M2…金属膜、Q1…第1溝形成領域、Q2…第1振動腕形成領域、Q3…第2振動腕形成領域、Q4…腕間領域、Q5…素子間領域、Q6…第2溝形成領域、R1…第1レジスト膜、S1…準備工程、S2…第1保護膜形成工程、S3…第1ドライエッチング工程、S4…第2保護膜形成工程、S5…第2ドライエッチング工程、S6…ウェットエッチング工程、S7…電極形成工程、S10…第3保護膜形成工程、Ta…厚さ、W…幅、Wa…深さ。

Claims (7)

  1. 第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ第1振動腕および第2振動腕を備え、
    前記第1振動腕および前記第2振動腕は、それぞれ、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に並んで配置され、表裏関係にある第1面および第2面と、前記第1面に開口する有底の第1溝と、前記第2面に開口する有底の第2溝と、前記第1面と前記第2面とを接続する側面と、を有する振動素子の製造方法であって、
    前記第1面および前記第2面を有する水晶基板を準備する準備工程と、
    前記水晶基板を前記第1面側からドライエッチングし、前記第1溝と前記第1振動腕および前記第2振動腕の外形とを形成する第1ドライエッチング工程と、
    前記水晶基板を前記第2面側からドライエッチングし、前記第2溝と前記第1振動腕および前記第2振動腕の前記外形とを形成する第2ドライエッチング工程と、
    然る後、前記第1振動腕および前記第2振動腕の前記側面と、前記第1溝と、前記第2溝とをウェットエッチングして、前記第1溝および前記第2溝に、底面と溝内側面とを接続する傾斜面を形成するウェットエッチング工程と、を含み、
    前記第1溝および前記第2溝は、深さをDとし、前記深さから前記傾斜面の前記第3方向の長さを減じた値をD1とした場合、D1/D≧0.80を満たす、
    振動素子の製造方法。
  2. 前記第1溝および前記第2溝は、D1/D≧0.85を満たす、
    請求項1に記載の振動素子の製造方法。
  3. 前記ウェットエッチング工程における前記側面のエッチング量は、0.01μm以上である、
    請求項1または請求項2に記載の振動素子の製造方法。
  4. 前記ウェットエッチング工程における前記側面のエッチング量は、1μm以下である、
    請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の振動素子の製造方法。
  5. 前記ウェットエッチング工程における前記側面のエッチング量は、0.5μm以下である、
    請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の振動素子の製造方法。
  6. 前記ウェットエッチング工程において、前記第1面および前記第2面はマスクされている、
    請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の振動素子の製造方法。
  7. 前記第1ドライエッチング工程で形成される前記第1溝の深さおよび前記第2ドライエッチング工程で形成される前記第2溝の深さをそれぞれWaとし、
    前記第1ドライエッチング工程で形成される前記外形の深さおよび前記第2ドライエッチング工程で形成される前記外形の深さをそれぞれAaとしたとき、
    前記第1ドライエッチング工程および前記第2ドライエッチング工程の少なくとも一方において、Wa/Aa<1を満たす、
    請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の振動素子の製造方法。
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