JP2023062800A - 電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池用電極の製造効率を向上させることができる電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法を提供する。【解決手段】電池用電極製造装置1000は、帯状の基材フィルム21Bに電解液23を塗布する塗布部と、基材フィルム21Bに塗布された前記電解液23に対して電極組成物22cを供給する電極組成物供給部と、電極組成物22cを圧縮する圧縮部とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法に関する。
リチウムイオン電池は高容量の二次電池であり、近年様々な用途で使用されている。例えば、リチウムイオン電池は、集電体層、活物質層及びセパレータを積層した単セルを複数用いて構成される。このような単セルの製造工程において、例えば、特許文献1には、所定形状の型に正極活物質を投入し、タップして形状を整えた後に、該型内に電解液を注液することが記載されている。また、特許文献2には、正極前駆体、負極及びセパレータを外装体に収納した後、外装体に電解液を注液することが記載されている。
ここで、製造効率向上の観点から、電池用電極の製造を連続的に行なうことが考えられる。例えば、帯状の基材フィルム(シート状の集電体等)に対して電極組成物を連続的に供給し、これらを連続的にロールプレスで圧縮することで、電池用電極の活物質層を効率的に形成することが考えられる。
上記の製造方法では、圧縮により均一性が高い活物質層を形成するうえで、電極組成物が基材フィルムに隙間なく載置されることが望ましい。また、上記の製造方法では、基材フィルムを移動させながら電極組成物を供給することから、電極組成物の飛散防止のため、電極組成物が、基材フィルムに載置されるとともに、基材フィルムに付着することが望ましい。このように、上記の製造方法は、製造効率向上の観点から改善すべき点がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、電池用電極の製造効率を向上させることができる電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電池用電極製造装置は、帯状の基材フィルムに電解液を塗布する塗布部と、前記基材フィルムに塗布された前記電解液に対して電極組成物を供給する電極組成物供給部と、前記電極組成物を圧縮する圧縮部とを備える。
本発明の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法によれば、電池用電極の製造効率を向上させることができる。
(実施形態)
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、一部を省略して図示している場合がある。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、一部を省略して図示している場合がある。
<組電池(二次電池)>
実施形態の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法は、例えば、リチウムイオン電池の製造に適用される。リチウムイオン電池は、複数のリチウムイオン単電池(単セル又は電池セルとも記載する)を組み合わせてモジュール化した組電池、或いは、このような組電池を複数組み合わせて電圧及び容量を調整した電池パックの形態で使用される。
実施形態の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法は、例えば、リチウムイオン電池の製造に適用される。リチウムイオン電池は、複数のリチウムイオン単電池(単セル又は電池セルとも記載する)を組み合わせてモジュール化した組電池、或いは、このような組電池を複数組み合わせて電圧及び容量を調整した電池パックの形態で使用される。
<単セル(電池セル)>
図1は、単セル10の断面模式図である。単セル10を複数組み合わせることで上記の組電池を作製することが可能である。例えば、単セル10は、2つの電極20(電池用電極)としての正極20a及び負極20bと、セパレータ30とを有する。
図1は、単セル10の断面模式図である。単セル10を複数組み合わせることで上記の組電池を作製することが可能である。例えば、単セル10は、2つの電極20(電池用電極)としての正極20a及び負極20bと、セパレータ30とを有する。
セパレータ30は、正極20aと負極20bとの間に配置される。組電池において、複数の単セル10は、正極20aと負極20bとを同方向に向けて積層される。
セパレータ30には、電解質が保持される。これにより、セパレータ30は、電解質層として機能する。セパレータ30は、正極20a及び負極20bの電極活物質層22の間に配置され、これらが互いに接触することを抑制する。これにより、セパレータ30は、正極20aと負極20bとの間の隔壁として機能する。
セパレータ30に保持される電解質としては、例えば、電解液またはゲルポリマー電解質等が挙げられる。これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータの形態としては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
正極20a及び負極20bは、それぞれ、集電体21と、電極活物質層22と、枠体35とを有する。電極活物質層22と集電体21とは、セパレータ30側からこの順に並ぶ。枠体35は、額縁状(環状)である。枠体35は、電極活物質層22の周囲を囲む。正極20aの枠体35と負極20bの枠体35とは、互いに溶着され一体化されている。以下の説明において、正極20a及び負極20bの電極活物質層22を互いに区別する場合、これらをそれぞれ正極活物質層22a、負極活物質層22bと呼ぶ。
<正極集電体の具体例>
正極集電体層21aを構成する正極集電体としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば、公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報及び国際公開第2015/005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。正極集電体層21aを構成する正極集電体は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
正極集電体層21aを構成する正極集電体としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば、公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報及び国際公開第2015/005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。正極集電体層21aを構成する正極集電体は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの金属を1種以上含む合金、並びに、ステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は、薄板や金属箔等の形態で用いてもよい。また、上記金属材料以外で構成される基材表面にスパッタリング、電着、塗布等の方法により上記金属材料を形成したものを金属集電体として用いてもよい。
樹脂集電体としては、導電性フィラーとマトリックス樹脂とを含むことが好ましい。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)等が挙げられるが、特に限定されない。また、導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択されれば特に限定されない。導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、複数の樹脂集電体を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いても良い。
正極集電体層21aの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。複数の樹脂集電体を積層して正極集電体層21aとして用いる場合には、積層後の全体の厚さが5~150μmであることが好ましい。正極集電体層21aは、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。
<正極活物質の具体例>
正極活物質層22aは、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。正極活物質層22aが非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層22aに応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層22aの破壊を防止することができ好ましい。非結着体である正極活物質層22aは、正極活物質層22aを、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層22aにする等の方法で得ることができる。なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない。
正極活物質層22aは、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。正極活物質層22aが非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層22aに応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層22aの破壊を防止することができ好ましい。非結着体である正極活物質層22aは、正極活物質層22aを、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層22aにする等の方法で得ることができる。なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない。
正極活物質としては、例えば、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属元素が2種である複合酸化物、金属元素が3種類以上である複合酸化物等が挙げられるが、特に限定されない。
正極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆正極活物質であってもよい。正極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、正極の体積変化が緩和され、正極の膨張を抑制することができる。
被覆材を構成する高分子化合物としては、特開2017-054703号公報及び国際公開第2015/005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
被覆材には、導電剤が含まれていてもよい。導電剤としては、正極集電体層21aに含まれる導電性フィラーと同様のものを好適に用いることができる。
正極活物質層22aには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調節したもの、及び、特開平10-255805号公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱等を使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着剤として用いられる溶液乾燥型の電極用バインダーは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。したがって、上述した結着剤(溶液乾燥型の電極バインダー)と粘着性樹脂とは、異なる材料である。
正極活物質層22aには、電解質と非水溶媒を含む電解液が含まれていてもよい。電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用できる。非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの(例えば、リン酸エステル、ニトリル化合物等及びこれらの混合物等)等が使用できる。例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合液を用いることができる。
正極活物質層22aには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極集電体層21aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
正極活物質層22aの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
実施形態において、正極活物質層22aを形成するために供給される正極組成物は、正極活物質と非水電解液を含んでなる湿潤粉体である。また、湿潤粉体はペンデュラー状態又はファニキュラー状態であることがより好ましい。
湿潤粉体における非水電解液の割合は、特に限定されないが、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態とするためには、正極の場合には非水電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5~15重量%とすることが望ましい。
<負極集電体の具体例>
負極集電体層21bを構成する負極集電体としては、正極集電体で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。負極集電体層21bは、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。負極集電体層21bの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。
負極集電体層21bを構成する負極集電体としては、正極集電体で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。負極集電体層21bは、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。負極集電体層21bの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。
<負極活物質の具体例>
負極活物質層22bは、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層22bを得る方法等は、正極活物質層22aが非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層22aを得る方法と同様である。
負極活物質層22bは、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層22bを得る方法等は、正極活物質層22aが非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層22aを得る方法と同様である。
負極活物質としては、例えば、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物等を用いることができるが、特に限定されない。
負極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆負極活物質であってもよい。負極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
被覆材としては、被覆正極活物質を構成する被覆材と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層22bは、電解質と非水溶媒を含む電解液を含有する。電解液の組成は、正極活物質層22aに含まれる電解液と同様の電解液を好適に用いることができる。
負極活物質層22bには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極活物質層22aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
負極活物質層22bには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、正極活物質層22aの任意成分である粘着性樹脂と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層22bの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
実施形態において、負極活物質層22bを形成するために供給される負極組成物は、負極活物質と非水電解液を含んでなる湿潤粉体である。また、湿潤粉体はペンデュラー状態又はファニキュラー状態であることがより好ましい。
湿潤粉体における非水電解液の割合は、特に限定されないが、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態とするためには、負極の場合には非水電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5~25重量%とすることが望ましい。
<セパレータの具体例>
セパレータ30に保持される電解質としては、例えば、電解液又はゲルポリマー電解質等が挙げられる。セパレータ30は、これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータ30の形態としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム等が挙げられるが、特に限定されない。
セパレータ30に保持される電解質としては、例えば、電解液又はゲルポリマー電解質等が挙げられる。セパレータ30は、これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータ30の形態としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム等が挙げられるが、特に限定されない。
<枠体の具体例>
枠体35としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、例えば、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。枠体35を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適に採用される。より具体的には、枠体35としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
枠体35としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、例えば、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。枠体35を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適に採用される。より具体的には、枠体35としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
<電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法>
次に、本実施形態の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法(以下、製造方法と略して呼ぶ)について説明する。例えば、電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法では、まず正極20a及び負極20bが製造される。正極20aの製造方法と負極20bの製造方法とは、主に電極活物質層22に含まれる電極活物質が異なる。ここでは、電極20の製造方法として、正極20a及び負極20bの製造方法をまとめて説明する。
次に、本実施形態の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法(以下、製造方法と略して呼ぶ)について説明する。例えば、電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法では、まず正極20a及び負極20bが製造される。正極20aの製造方法と負極20bの製造方法とは、主に電極活物質層22に含まれる電極活物質が異なる。ここでは、電極20の製造方法として、正極20a及び負極20bの製造方法をまとめて説明する。
図2は、電池用電極製造装置1000の概略図である。例えば、電池用電極製造装置1000は、チャンバ100、枠体供給装置200、塗布装置300、電極組成物供給装置400、圧縮装置500を含む。枠体供給装置200は、枠体供給部の一例であり、塗布装置300は、塗布部の一例であり、電極組成物供給装置400は、電極組成物供給部の一例であり、圧縮装置500は、圧縮部の一例である。なお、以下では、帯状の基材フィルムが帯状の集電体21Bである場合を一例として説明する。
チャンバ100は、内部を大気圧よりも減圧された状態に保持できる部屋である。チャンバ100の内部は、図示しない減圧ポンプにより大気圧よりも減圧される。なお、標準大気圧は、約1013hPa(約105Pa)である。
例えば、チャンバ100の外部に集電体ロール21Rが配置され、集電体ロール21Rから引き出された帯状の集電体21Bが、スリットを通してチャンバ100の内部に搬送される。以下、帯状の集電体21Bを集電体21Bと記載する場合がある。なお、集電体21Bは、上述した集電体21が所定の形状に切り出される前のものである。集電体21Bは、搬送方向Dに沿って搬送される。例えば、集電体21Bは、ベルトコンベア等の搬送装置によって、所定の速度で搬送される。以下では、集電体21Bが搬送される方向を下流側D1、その反対方向を上流側D2として説明する。なお、集電体ロール21Rが配置されるチャンバ100の外部空間は、常圧であってもよいし、チャンバ100と異なるチャンバによって減圧されていてもよい。
枠体供給装置200は、搬送される集電体21Bに対して枠体35を供給する。なお、図2では枠体供給装置200がチャンバ100の内部に配置される場合を示すが、枠体供給装置200はチャンバ100の外部に配置されてもよい。例えば、枠体供給装置200は、ロボットアームを有し、事前に製造された枠体35を、搬送される集電体21B上の所定の位置に配置する。なお、枠体35を集電体21Bに配置した後、集電体21B及び枠体35を挟み込むように、ロールプレスで圧縮することとしてもよい。
また、図2においては予め製造された枠体35を集電体21B上に置くものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、枠体35は、集電体21Bの上で製造されてもよい。一例を挙げると、集電体21Bを基材とし、ディスペンサーやコーター等によって集電体21B上に所定の材料を所定の形状に吐出又は塗布することで、集電体21B上に枠体35を形成することができる。
塗布装置300は、帯状の基材フィルムの一例である帯状の集電体21Bに電解液23を塗布する。塗布装置300は、例えば、ポンプにより電解液23をノズルから吐出することで、電解液23を集電体21B上に塗布する。図3は、実施形態の電池用電極製造装置1000に含まれる塗布装置300、電極組成物供給装置400及び圧縮装置500の構成例を示す図である。実施形態では、図3に示すように、塗布装置300は、枠体35の枠の中に電解液23を塗布する。
電極組成物供給装置400は、図2に示すように、チャンバ100内で搬送される集電体21B上に電極組成物22cを供給する。具体的には、電極組成物供給装置400は、集電体21Bに塗布された電解液23に対して電極組成物22cを供給する。実施形態では、図3に示すように、電極組成物供給装置400は、枠体35の枠の中に電極組成物22cを供給する。
例えば、電極組成物供給装置400は、図3に示すように、内部に電極組成物22cを保持するホッパ400aと、当該ホッパ400aの開口を開閉するシャッタ400bと、ホッパ400aの開口から排出される電極組成物22cの厚さを略一定にするためのローラ400cとを備える。電極組成物供給装置400は、シャッタ400bを開閉することにより、搬送される集電体21B上の搬送方向Dにおける所望の位置に、所望の量の電極組成物22cを供給することができる。
上述したように、実施形態において、電極活物質層22(正極活物質層22a、負極活物質層22b)を形成するために、電極組成物供給装置400から供給される電極組成物22c(正極組成物、負極組成物)は、電極活物質(正極活物質、負極活物質)と電解液(非水電解液)を含んでなる湿潤粉体である。また、実施形態において、電極組成物22cとしての湿潤粉体は、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態であることがより好ましい。
圧縮装置500は、集電体21B上に供給された電極組成物22cを圧縮することで、電極活物質層22を形成する。具体的には、圧縮装置500は、集電体21B上に載置されている電極組成物22cを、一対のローラによって集電体21Bと共に挟み込んでプレス成形する。
圧縮装置500による圧縮工程の後、帯状の集電体21Bから集電体層21が適宜切り出される等して、電極20(集電体21、電極活物質層22及び枠体35)が製造される。また、一対の電極20(正極20a及び負極20b)を、セパレータ30を介して互いに向かい合わせに積層する等して、単セル10が製造される。
上述したように、実施形態では、集電体21B上に予め電解液23を塗布しておき、その後、湿潤粉体である電極組成物22cを電解液23に対して供給する。これにより、電極組成物22cと集電体21Bとの間に液架橋が生じ、電極組成物22cが集電体21Bにしっかりと付着することができる。その結果、電極組成物22cと集電体21Bとの間に隙間が生じることなく、圧縮装置500による圧縮により均一性が高い電極活物質層22を形成することができる。また、液架橋により電極組成物22cを集電体21Bにしっかりと付着させることができるので、集電体21Bを高速で移動させても、電極組成物22cの飛散を防止することができる。このようなことから、実施形態では、電池用電極の製造効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、枠体35の枠内に電解液23を塗布するので、枠体35から電解液23を他の部分に流出することを防止でき、電解液23の量を増やすことができる。その結果、電極組成物22cと集電体21Bとの間で生じる液架橋による付着力を増大させることができ、電池用電極の製造効率をより向上させることができる。
なお、電極組成物供給装置400から供給される湿潤粉体(電極組成物22c)に含まれる電解液の量は、電極20に適切な量となるように、塗布装置300により塗布される電解液23の量に応じて調整されることが望ましい。
ところで、湿潤粉体である電極組成物22cは、ロールプレス時に変形しやすい。これを防止するため、実施形態は、更に、以下に説明する工程を行っても良い。実施形態の変形例では、ロールプレス前の段階で、紫外線硬化剤(光重合開始剤及び紫外線硬化性モノマー、光カチオン重合開始剤及び紫外線硬化性モノマー等)を電極組成物22cに含ませておき、電極組成物22cの表面近傍を紫外線により硬化させる。これにより、ローラと接触する電極組成物22cの表面近傍の流動性が低下し、ロールプレスによるクラックの発生を抑制することができる。上記の変形例について、以下、図面を用いて説明する。図4は、第1変形例の電池用電極製造装置1000aの概略図であり、図5は、第1変形例の構成例を示す図である。
図4に示す電池用電極製造装置1000aにおいては、電極組成物供給装置400と圧縮装置500との間に、紫外線を照射する照射装置600が配置される。照射装置600は、照射部の一例である。例えば、照射装置600は、図5に示すように、搬送方向Dに沿って配置された複数の紫外線ランプを有する。そして、第1変形例では、電極組成物供給装置400は、紫外線硬化剤を含む電極組成物23cを供給する。照射装置600は、紫外線硬化剤を含む電極組成物23cに紫外線を照射する。
そして、圧縮装置500は、紫外線の照射により少なくとも表面が硬化した電極組成物23cを圧縮する。なお、電極組成物23cが含む紫外線硬化剤の量や、照射装置600による紫外線の照射条件は、電極組成物23cの表面近傍のみが硬化されるように、調整される。調整される照射条件としては、例えば、紫外線の照射時間や、照射する紫外線の波長等が挙げられる。
上述した第1変形例では、予め紫外線硬化剤を電極組成物23cに混合していたが、表面近傍のみがより確実に硬化できるように、以下の第2変形例を行っても良い。図6は、第2変形例の電池用電極製造装置1000bの概略図である。
図6に示す電池用電極製造装置1000bにおいては、電極組成物供給装置400の後段に、集電体21Bに載置された電極組成物23cに紫外線硬化剤24を注入する注入装置700が配置される。注入装置700から注入される紫外線硬化剤24の量は、電極組成物23cの表面近傍のみに浸潤する程度の量に調整される。
そして、図6に示す電池用電極製造装置1000bにおいては、注入装置700と圧縮装置500との間に照射装置600が配置される。照射装置600は、紫外線硬化剤24が注入された電極組成物に紫外線を照射する。そして、圧縮装置500は、紫外線の照射により少なくとも表面が硬化した電極組成物23cを圧縮する。
第1変形例や第2変形例にかかる製造方法を行うことで、ロールプレスによる圧縮工程を円滑に実行することができる。ここで、電極組成物23cを、飛散することなく、集電体21Bに隙間なく供給することが可能であるならば、電解液23の塗布は行わずに、第1変形例や第2変形例で説明した紫外線照射による電極組成物23cの硬化処理のみを行っても良い。
なお、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、枠体35の枠内に電解液23を塗布した後に、枠体35の枠内に載置された電極組成物22cを圧縮する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、帯状の集電体21Bの上に連続的に電解液23を塗布した後に、帯状の集電体21Bの上に連続的に電極組成物22cを載置して、圧縮装置500により圧縮して帯状の電極活物質層を形成し、その後、枠体35が配置可能なように、帯状の電極活物質層を矩形形状の電極活物質層22にトリミングしても良い。或いは、帯状の集電体21B上にマスク等内部に電極活物質層22を形成できる空間のあるものが載置され、その内部に電解液23と電極組成物22cとが順次供給され、圧縮装置500により電極組成物22cが圧縮されても良い。かかる場合、マスクが除去された後に、枠体35が載置される。
また、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、電極組成物22cが載置される帯状の基材フィルムが帯状の集電体21Bであるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図2に示した帯状の集電体21Bに代えて、セパレータ30をシート状にしたものや、PET(Polyethylene terephthalate)等の離形フィルムとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。更に、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
10:単セル
20:電極
20a:正極
20b:負極
21:集電体
21a:正極集電体層
21b:負極集電体層
21B:帯状の集電体
21R:集電体ロール
22:電極活物質層
22a:正極活物質層
22b:負極活物質層
22c:電極組成物
23:電解液
24:紫外線硬化剤
30:セパレータ
35:枠体
100:チャンバ
200:枠体供給装置
300:塗布装置
400:電極組成物供給装置
400a:ホッパ
400b:シャッタ
400c:ローラ
500:圧縮装置
600:照射装置
700:注入装置
1000,1000a,1000b:電池用電極製造装置
D:搬送方向
D1:下流側
D2:上流側
20:電極
20a:正極
20b:負極
21:集電体
21a:正極集電体層
21b:負極集電体層
21B:帯状の集電体
21R:集電体ロール
22:電極活物質層
22a:正極活物質層
22b:負極活物質層
22c:電極組成物
23:電解液
24:紫外線硬化剤
30:セパレータ
35:枠体
100:チャンバ
200:枠体供給装置
300:塗布装置
400:電極組成物供給装置
400a:ホッパ
400b:シャッタ
400c:ローラ
500:圧縮装置
600:照射装置
700:注入装置
1000,1000a,1000b:電池用電極製造装置
D:搬送方向
D1:下流側
D2:上流側
Claims (7)
- 帯状の基材フィルムに電解液を塗布する塗布部と、
前記基材フィルムに塗布された前記電解液に対して電極組成物を供給する電極組成物供給部と、
前記電極組成物を圧縮する圧縮部と、
を備える、電池用電極製造装置。 - 前記塗布部の前段に配置され、前記帯状の基材フィルムに対して枠体を供給する枠体供給部、
を更に備え、
前記塗布部は、前記枠体の枠の中に前記電解液を塗布し、
前記電極組成物供給部は、前記枠体の枠の中に前記電極組成物を供給する、
請求項1に記載の電池用電極製造装置。 - 前記電極組成物供給部と前記圧縮部との間に配置され、紫外線を照射する照射部、
を更に備え、
前記電極組成物供給部は、紫外線硬化剤を含む電極組成物を供給し、
前記照射部は、前記紫外線硬化剤を含む電極組成物に前記紫外線を照射し、
前記圧縮部は、前記紫外線の照射により少なくとも表面が硬化した前記電極組成物を圧縮する、請求項1又は2に記載の電池用電極製造装置。 - 前記電極組成物供給部の後段に配置され、前記基材フィルムに載置された前記電極組成物に紫外線硬化剤を注入する注入部と、
前記注入部と前記圧縮部との間に配置され、前記紫外線硬化剤が注入された電極組成物に紫外線を照射する照射部と、
を更に備え、
前記圧縮部は、前記紫外線の照射により少なくとも表面が硬化した前記電極組成物を圧縮する、請求項1又は2に記載の電池用電極製造装置。 - 前記電極組成物は、活物質及び電解液を含んだ湿潤粉体である、請求項1~4のいずれか1つに記載の電池用電極製造装置。
- 前記湿潤粉体に含まれる電解液の量は、前記塗布部により塗布される電解液の量に応じて調整される、請求項5に記載の電池用電極製造装置。
- 帯状の基材フィルムに電解液を塗布する塗布工程と、
前記基材フィルムに塗布された前記電解液に対して電極組成物を供給する電極組成物供給工程と、
前記電極組成物を圧縮する圧縮工程と、
を含む、電池用電極製造方法。
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JP2021172907A JP2023062800A (ja) | 2021-10-22 | 2021-10-22 | 電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法 |
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JP2021172907A JP2023062800A (ja) | 2021-10-22 | 2021-10-22 | 電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法 |
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JP2023062800A true JP2023062800A (ja) | 2023-05-09 |
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ID=86270200
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JP2021172907A Pending JP2023062800A (ja) | 2021-10-22 | 2021-10-22 | 電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法 |
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JP (1) | JP2023062800A (ja) |
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2021
- 2021-10-22 JP JP2021172907A patent/JP2023062800A/ja active Pending
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