JP2023061892A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023061892000001
【課題】選択エミッタ構造を有する太陽電池を、複雑な装置を必要とせず簡便な方法で製造することを可能にし、光によって発生したキャリアの寿命が長く、リーク電流の少ない太陽電池の製造方法を提供することができる。
【解決手段】半導体基板上に2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程、不純物拡散層を形成させた後の前記半導体基板の不純物拡散層表面の酸化シリコンを含む層をエッチングで除去する工程、前記半導体基板を熱処理して不純物拡散層上に酸化シリコンを含む熱酸化層を再形成させる工程、形成した前記酸化シリコンを含む熱酸化層をエッチングで再除去する工程を含む太陽電池の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池の製造方法に関する。
従来のpn接合を有する太陽電池の製造においては、例えばシリコン等のp型半導体基板に、n型不純物を拡散してn型拡散層を形成することにより、pn接合を形成する。
近年、電極との接触抵抗を低くし、かつ、キャリアの再結合を抑制するために提案された選択エミッタ構造の太陽電池が開示されている(非特許文献1)。例えば、n型シリコン基板をベースとする選択エミッタ構造の太陽電池には、受光面側のp型拡散層において、電極直下に高濃度p型拡散層(p++層)を形成し、電極直下以外の受光面に低濃度から中濃度のp型拡散層(p層)を形成する。選択エミッタ構造を形成するためには、複数回の拡散とマスキングによる部分エッチングとを組み合わせた複雑な工程が必要であることが知られている(特許文献1)。さらに、工程簡略化の目的で複数の不純物濃度の拡散剤をインクジェット法により基板に塗り分け、不純物を拡散する方法(特許文献2)、不純物拡散成分を含んだ塗液を用いて基板上に選択的にパターンを形成し、パターン付き基板をドーピングガス雰囲気下で熱処理をすることで複数の不純物濃度の拡散層を形成する方法(特許文献3、4、5)、不純物拡散成分を含んだ塗液を用いて基板上に選択的にパターンを形成し、熱処理によるパターンからのアウトディフュージョン現象を活用することによって複数の不純物濃度の拡散層を形成する方法(特許文献6、7)などが提案されている。
また、複雑な装置を必要とせず簡便な方法で製造することを可能にし、不純物濃度の面内の均一性に優れた半導体素子の製造方法、および、太陽電池の製造方法を提供する方法(特許文献8)も提案されている。
特開2004-193350号公報 特開2004-221149号公報 特開2012-134571号公報 特開2015-50357号公報 特開2006-310368号公報 特開2017-22350号公報 特表2002-503390号公報 国際公開第2020/116340号
E. Lee et. al.、"Exceeding 19% efficient 6 inch screen printed crystalline silicon solar cells with selective emitter"、Renewable Energy、Volume 42(June 2012)、p.95-99
しかし、特許文献1に記載の方法では、選択エミッタ構造を形成するためにパターン形成及びエッチングのための工程が必要となり、工程数が多くなる傾向があった。また、特許文献2に記載のインクジェット法では、複数のヘッドを有する専用の装置が必要であり、各ヘッドからの噴射の制御も複雑となる。また、特許文献3~5に記載の拡散ペーストは、ペースト膜からの不純物のアウトディフュージョン抑制が不十分であるため、パターン形成部分以外の部分の不純物拡散濃度のバラツキが大きいという課題があった。さらに、特許文献6、7に記載の方法は、アウトディフュージョンの制御が難しく、やはり、パターン形成部分以外の部分の不純物濃度のバラツキが大きいという課題があった。
特許文献8に記載の方法においては、これらの課題は克服されているが、光によって発生したキャリアの寿命をより長くし、リーク電流を抑制して、太陽電池の発電効率をより向上させることが求められていた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、選択エミッタ構造を有する太陽電池を、複雑な装置を必要とせず簡便な方法で製造することを可能にし、光によって発生したキャリアの寿命が長く、リーク電流の少ない太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の太陽電池の製造方法は以下の構成を有する。
<1>半導体基板上に2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程、不純物拡散層を形成させた後の前記半導体基板の不純物拡散層表面の酸化シリコンを含む層をエッチングで除去する工程、
前記半導体基板を熱処理して不純物拡散層上に酸化シリコンを含む熱酸化層を再形成させる工程、
形成した前記酸化シリコンを含む熱酸化層をエッチングで再除去する工程を含む太陽電池の製造方法。
<2>2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程において、少なくとも1水準以上の不純物拡散層形成は不純物拡散組成物(a)を半導体基板に塗布して部分的に不純物拡散組成物膜(b)を形成する工程とそれを加熱して不純物を半導体基板に拡散させて不純物拡散層(c)を形成する工程を含む請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
<3>不純物拡散組成物(a)が
(a-1)水酸基含有高分子、および、
(a-2)不純物拡散成分
を含む<2>に記載の太陽電池の製造方法。
<4>前記(a-1)水酸基含有高分子としてポリビニルアルコールを含む<3>に記載の太陽電池の製造方法。
<5>前記ポリビニルアルコールのケン化度が20モル%以上70モル%未満である<4>に記載の太陽電池の製造方法。
<6>前記不純物拡散組成物(a)がさらに下記一般式(1)で示されるシラン化合物の重合体を含む<2>または<3>に記載の太陽電池の製造方法。
Figure 2023061892000002
式中、RおよびRは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
<7>前記シラン化合物の重合体が下記一般式(2)で示され<6>に記載の太陽電池の製造方法。
Figure 2023061892000003
式中、Rは、炭素数6~15のアリール基を表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Rは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。RおよびRは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基のいずれかを表し、複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。n、mは1~9999の整数を表し、n+m=2~10000であり、n:m=95:5~25:75である。
<8>不純物拡散組成物膜(b)をマスクとして不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程を含む<2>~<7>のいずれかにに記載の太陽電池の製造方法。
<9>不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程が不純物拡散成分を含む雰囲気中で加熱する工程である<8>記載の太陽電池の製造方法。
<10>2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程において、少なくとも1水準以上の不純物拡散層形成は半導体基板の片側全面に不純物拡散層(g)を形成し、レーザー照射によって照射部分に(g)とは異なる濃度の不純物拡散層(h)を形成する工程を含む<1>~<9>のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
<11>前記半導体基板のテクスチャー加工工程、および、前記半導体基板上にアライメントマークを形成する工程を含み、前記アライメントマークを形成する工程が前記半導体基板のテクスチャー加工工程の前である<1>~<10>のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
本発明によれば選択エミッタ構造を有する太陽電池を、複雑な装置を必要とせず簡便な方法で製造することを可能にし、光によって発生したキャリアの寿命が長く、リーク電流の少ない太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池の製造方法の一例を示す工程断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法の別の一例を示す工程断面図である。 本発明の実施例で用いたスクリーン印刷パターンを示す図である。 図3の基板面内パターン部を拡大した図である。 図3のアライメントマーク周辺部Aを拡大した図である。 図3のアライメントマーク周辺部Bを拡大した図である。
以下、まず、本発明の選択エミッタ構造の太陽電池の製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は例示であって、本発明はこれらの形態には限られない。
<太陽電池の製造方法>
本発明の太陽電池の製造方法は、半導体基板上に2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程、不純物拡散層を形成させた後の前記半導体基板の不純物拡散層表面の酸化シリコンを含む層をエッチングで除去する工程、前記半導体基板を熱処理して不純物拡散層上に酸化シリコンを含む熱酸化層を再形成させる工程、形成した前記酸化シリコンを含む熱酸化層をエッチングで再除去する工程を含む太陽電池の製造方法である。
<不純物拡散層形成工程>
まず、半導体基板上に2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する。ここでいう、異なる不純物濃度とは不純物濃度差で1×1017atoms/cm以上であり、不純物拡散層を形成した部分の基板表面のシート抵抗値の差が10Ω/□以上であることを指す。
半導体基板としては、例えば不純物濃度が1015~1016atoms/cmであるn型単結晶シリコン、多結晶シリコン、およびゲルマニウム、炭素などのような他の元素が混合されている結晶シリコン基板が挙げられる。p型単結晶シリコンやシリコン以外の半導体を用いることも可能である。
半導体基板は、厚さが50~300μm、外形が一辺100~250mmの概略四角形であることが好ましい。また、スライスダメージや自然酸化膜を除去するために、フッ酸溶液やアルカリ溶液などで半導体基板表面をエッチングしておくことが好ましい。この際、半導体基板の表面には典型的な幅が40~100μm、深さ3~4μm程度の無数の凹凸テクスチャー形状が形成される。以下、半導体基板表面のエッチング工程を半導体基板のテクスチャー加工工程とよぶことがある。
2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程については、少なくとも1水準以上の不純物拡散層形成が不純物拡散組成物(a)を半導体基板に塗布して部分的に不純物拡散組成物膜(b)を形成する工程とそれを加熱して不純物を半導体基板に拡散させて不純物拡散層(c)を形成する工程を含むことが好ましい。以下、本実施形態について詳述する。
<不純物拡散組成物(a)を用いた方法>
まず、図1(i)に示すように、半導体基板1の上に不純物拡散組成物(a)を部分的に塗布し、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2を形成する。
<不純物拡散組成物(a)>
不純物拡散組成物(a)は、(a-1)水酸基含有高分子、および、(a-2)不純物拡散成分を含むことが好ましい。
<(a-1)水酸基含有高分子>
(a-1)水酸基含有高分子は、(a-2)不純物拡散成分と錯体を形成し、塗布時に均一な被膜を形成するための成分である。
水酸基含有高分子の具体例としては、ポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコールを含む)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリヒドロキシメチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシプロピルアクリレートなどのポリヒドロキシアクリレート類などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい、中でも、後述する(a-2)不純物拡散成分が第13族元素化合物、特に好ましくはホウ素化合物である場合に、ホウ素化合物との錯体の形成性、形成した錯体の安定性およびp型不純物拡散組成物の保存安定性の面から、ポリビニルアルコール(以下、単に「(a-1)PVA」と称する場合がある。)が好ましい。
(a-1)PVAのケン化度は20モル%以上70モル%未満が好ましい。ケン化度を20モル%以上とすることで、(a-2)不純物拡散成分との錯体安定性が高まり、拡散性と拡散均一性が向上する。また、(a-1)PVAのケン化度を70モル%未満とすることで、有機溶媒に対する溶解性が向上し、組成物中での錯体の保存安定性の向上と、スクリーン印刷の際の優れた連続印刷性とを可能とし、拡散後の残渣の発生を抑制する。より好ましくは65モル%未満、さらに好ましくは60モル%未満である。(a-1)PVAのケン化度を20モル%以上70モル%未満として、錯体の安定性を向上させ、拡散後の残渣の発生を抑制することで、(A)半導体基板を熱処理して酸化シリコンを含む層を形成させる工程において炭素の不純物の混入が抑えられ、太陽電池のキャリア寿命がより長く、リーク電流がより少なくなるという利点がある。
(a-1)水酸基含有高分子の平均重合度は、溶解度と錯体安定性の点で150~1000が好ましい。本発明において、水酸基含有高分子の平均重合度およびPVAのケン化度は、いずれもJIS K 6726(1994)に従って測定した値である。ケン化度は当該JISに記載の方法のうち逆滴定法によって測定した値である。
良好な熱拡散と、組成物除去後の基板上の有機残渣抑制の点で、(a-1)水酸基含有高分子の量は、組成物全体を100質量%としたときの1~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
<(a-2)不純物拡散成分>
本発明の実施の形態に係る不純物拡散組成物において、(a-2)不純物拡散成分は、半導体基板中に不純物拡散層を形成するための成分である。p型の不純物拡散成分としては、13属の元素を含む化合物であることが好ましく、中でもホウ素化合物であることが好ましい。
ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、三酸化二ホウ素、メチルボロン酸、フェニルボロン酸、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリフェニル等が挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。中でも、ドーピング性の点から、ホウ酸、三酸化二ホウ素がより好ましい。
不純物拡散組成物中に含まれる(a-2)不純物拡散成分の量は、半導体基板に求められる抵抗値により任意に決めることができるが、組成物全体を100質量%としたときの0.1~10質量%が好ましい。
また、拡散均一性の観点から、(a-1)水酸基含有高分子と(a-2)不純物拡散成分の質量比としては、1:1~20:1が好ましく、4:1~10:1がより好ましい。
太陽電池のキャリア寿命がより長く、リーク電流がより少なくなるという点から、本発明で用いられる不純物拡散組成物(a)は、下記一般式(1)で示されるシラン化合物の重合体を含んでいることが好ましい。
Figure 2023061892000004
一般式(1)中、RおよびRは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。lは1~10000の整数を表す。製膜後の膜の強靱性の観点から好ましくは5~10000、より好ましくは10~10000である。
一般式(1)のRおよびRにおける炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、不純物拡散組成物の特性に応じて選択できる。
炭素数1~6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-グリシドキシプロピル基、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基、〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ〕プロピル基、3-アミノプロピル基、3-メルカプトプロピル基、3-イソシアネートプロピル基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。
炭素数2~10のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、3-アクリロキシプロピル基、3-メタクリロキシプロピル基等が挙げられる。
炭素数2~6のアシル基の具体例としては、アセチル基等が挙げられる。
炭素数6~15のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p-ヒドロキシフェニル基、p-スチリル基、p-メトキシフェニル基、1-(p-ヒドロキシフェニル)エチル基、2-(p-ヒドロキシフェニル)エチル基、4-ヒドロキシ-5-(p-ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基、ナフチル基等が挙げられる。
不純物拡散組成物からのアウトディフュージョンを抑制するという観点から、R、Rの少なくとも1つは炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表していることが好ましい。
より好ましくは、Rは炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、かつ、Rは水酸基、炭素数1~6のアルコキシ基いずれかを表していることである。
不純物拡散組成物からのアウトディフュージョンを抑制するという観点から、前記シラン化合物の重合体が、下記一般式(2)で示されるシラン化合物の重合体であることが好ましい。
Figure 2023061892000005
一般式(2)中、Rは、炭素数6~15のアリール基を表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Rは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。RおよびRは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基のいずれかを表し、複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。n、mは1~9999の整数を表し、n+mは2~10000であり、n:m=95:5~25:75である。製膜後の膜の強靱性の観点から好ましい(n+m)の範囲は5~10000、より好ましくは10~10000である。
一般式(2)のRにおける炭素数6~15のアリール基は無置換体、置換体のどちらでもよく、不純物拡散組成物の特性に応じて選択できる。炭素数6~15のアリール基の具体例としては、R、Rにおけるものと同様のものが挙げられる。
一般式(2)のRにおける炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、不純物拡散組成物の特性に応じて選択できる。これらの具体例としてはR、Rにおけるものと同様のものが挙げられる。
一般式(2)のRおよびRにおける炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、不純物拡散組成物の特性に応じて選択できる。これらの具体例としてはR、Rにおけるものと同様のものが挙げられる。
一般式(2)で表されるシラン化合物の重合体は、炭素数6~15のアリール基を含有するユニットがSi原子換算で25~95モル%であるポリシロキサンである。すなわち、n:m=95:5~25:75である。この範囲にあることで、不純物拡散成分のアウトディフュージョン抑制、熱処理後に不純物拡散成分を除去した際の有機残渣低減の効果が向上する。また、この範囲にあることで、増粘剤等の熱分解成分が添加された不純物拡散組成物においても、シロキサンのリフロー効果により、熱分解により生成した空孔を埋めることが可能となり、空孔の少ない緻密な膜を形成することができる。従って、拡散時の雰囲気に影響されにくく、また他の不純物に対する高いマスク性が得られる。
また、末端基は水素、水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のアシルオキシ基、炭素数2~10のアルケニル基のいずれかであることが好ましい。
一般式(2)で表されるシラン化合物の重合体はそれぞれの構成成分を上記所定の比率で含有していればよく、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。
アウトディフュージョン抑制、マスク性の更なる向上の観点から、炭素数6~15のアリール基を含有するユニットは、35モル%以上がより好ましく、40モル%以上がさらに好ましい。また、雰囲気や膜厚の影響なく、残渣を発生させないためには、アリール基を含有するユニットが80モル%以下であることが好ましい。すなわち、n:m=80:20~40:60であることが特に好ましい。
一般式(1)、(2)で表されるシラン化合物の重合体は、例えば、オルガノシラン化合物を加水分解した後、該加水分解物を溶媒の存在下、あるいは無溶媒で縮合反応させることによって得ることができる。加水分解反応の各種条件、例えば酸濃度、反応温度、反応時間などは、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して適宜設定することができるが、例えば、溶媒中、オルガノシラン化合物に酸触媒および水を1~180分かけて添加した後、室温~110℃で1~180分間反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは30~130℃である。
加水分解反応は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。本発明において、酸触媒はドーピング性の観点からケイ素、水素、炭素、酸素、窒素、リン以外の原子を極力含まないことが好ましく、リン酸、ギ酸、酢酸、カルボン酸系の酸触媒を用いることが好ましい。
なかでもリン酸が好ましい。
酸触媒の好ましい含有量は、加水分解反応時に使用される全オルガノシラン化合物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~5質量部である。酸触媒の量を上記範囲とすることで、加水分解反応が必要かつ十分に進行するよう容易に制御できる。
オルガノシラン化合物の加水分解反応および該加水分解物の縮合反応に用いられる溶媒は、特に限定されず、樹脂組成物の安定性、塗れ性、揮発性などを考慮して適宜選択できる。また、溶媒を2種以上組み合わせてもよいし、無溶媒で反応を行ってもよい。
不純物拡散組成物(a)はさらに溶剤を含むことが好ましい。特にスクリーン印刷法やスピンコート印刷法などを利用する場合の印刷性をより向上させる観点から、沸点が100℃以上の溶剤であることが好ましい。沸点が100℃以上であると、例えば、スクリーン印刷法で用いられる印刷版に不純物拡散組成物を印刷した際に、不純物拡散組成物が印刷版上で乾燥し固着することを抑制しやすくなる。
沸点が100℃以上の溶剤の含有量は、溶剤の全量に対して20質量%以上であることが好ましい。沸点100℃以上の溶媒としては、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、ジアセトンアルコール(沸点169℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点145℃)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(沸点174℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)、γ-ブチロラクトン(沸点204℃)、N-メチル-2-ピロリドン(沸点204℃)、N、N-ジメチルイミダゾリジノン(沸点226℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、1,3-ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)等を例示することができる。
不純物拡散組成物(a)は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を含有することで、塗布ムラが改善し均一な塗布膜が得られる。界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤や、シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
界面活性剤を含有する場合の含有量は、不純物拡散組成物中0.0001~1質量%とするのが好ましい。
不純物拡散組成物(a)は、粘度調整のために増粘剤を含有することが好ましい。これにより、スクリーン印刷などの印刷法でより精密なパターンで塗布することができる。
増粘剤は緻密膜形成や残渣低減の点から、90%熱分解温度が400℃以下であることが好ましい。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオキシド、各種アクリル酸エステル系樹脂が好ましく、中でも、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはアクリル酸エステル系樹脂が好ましい。保存安定性の点から、アクリル酸エステル系樹脂が特に好ましい。ここで、90%熱分解温度とは、増粘剤の重量が熱分解により90%減少する温度である。90%熱分解温度は、熱重量測定装置(TGA)などを用いて測定することができる。
スクリーン印刷性の点から不純物拡散組成物(a)は、チクソ性を付与するチクソ剤を含有することが好ましい。ここで、チクソ性を付与するとは、低せん断応力時の粘度(η1)と高せん断応力時の粘度(η2)の比(η1/η2)を大きくすることである。チクソ剤を含有することでスクリーン印刷のパターン精度を高めることができる。それは以下のような理由によると推測される。すなわち、チクソ剤を含有する不純物拡散組成物は、高せん断応力時には粘度が低いため、スクリーン印刷時にスクリーンの目詰まりが起こりにくく、低せん断応力時には粘度が高いため、印刷直後の滲みやパターン線幅の太りが起きにくくなると推測される。
チクソ剤としては、具体的に、セルロース誘導体、多糖類、水添ひまし油系酸化ポリエチレン系、脂肪酸系多価カルボン酸、リン酸エステル系界面活性剤、モンモリロン石系、微粒子酸化ケイ素、コロイダルアルミナ、炭酸カルシウムなどを例示できる。チクソ剤は単独でも使用できるが、2種類以上のチクソ剤を組み合わせることも可能である。また、前記増粘剤と組み合わせて使用することがより好ましく、より高い効果を得ることができる。
不純物拡散組成物(a)の粘度に制限はなく、印刷法、膜厚に応じて適宜変更することができる。ここで例えば好ましい印刷形態の一つであるスクリーン印刷方式の場合、不純物拡散組成物の粘度は5,000mPa・s以上であることが好ましい。印刷パターンのにじみを抑制し良好なパターンを得ることができるからである。さらに好ましい粘度は10,000mPa・s以上である。上限は特ににないが保存安定性や取り扱い性の観点から100,000mPa・s以下が好ましい。ここで、粘度は、1,000mPa・s未満の場合は、JIS Z 8803(1991)「溶液粘度-測定方法」に基づきE型デジタル粘度計を用いて回転数20rpmで測定された値であり、1,000mPa・s以上の場合は、JIS Z 8803(1991)「溶液粘度-測定方法」に基づきB型デジタル粘度計を用いて回転数20rpmで測定された値である。チクソ性は、上記粘度測定方法で得られた異なる回転数における粘度の比から求めることができる。本発明においては、回転数20rpmでの粘度(η20)と回転数2rpmでの粘度(η2)の比(η2/η20)をチクソ性と定義する。スクリーン印刷で精度の良いパターン形成するためには、チクソ性が2以上であることが好ましく、3以上がさらに好ましい。
不純物拡散組成物(a)の固形分濃度に特に制限はないが、1質量%以上~90質量%以下が好ましい範囲である。本濃度範囲よりも低いと塗布膜厚が薄くなりすぎ所望のドーピング性、マスク性を得にくくなる場合があり、本濃度範囲よりも高いと保存安定性が低下する場合がある。
不純物拡散組成物(a)の塗布方法としては、例えばスピンコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、スリット塗布法、スプレー塗布法、凸版印刷法、凹版印刷法などが挙げられる。
これらの方法で不純物拡散組成物(a)を塗布後、不純物拡散組成物(a)が塗布された半導体基板1をホットプレート、オーブンなどで、50~300℃の範囲で30秒~30分間乾燥し、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2を形成することが好ましい。
乾燥後の不純物拡散組成物膜(b)の膜厚は、不純物の拡散性の観点から100nm以上が好ましく、エッチング後の残渣の観点から3μm以下が好ましい。
次に、図1(ii)に示すように、不純物を加熱して半導体基板1に拡散させ、不純物拡散層(c)を形成する。不純物の拡散方法は、公知の熱拡散方法が利用でき、例えば、電気加熱、赤外加熱、レーザー加熱、マイクロ波加熱などの方法を用いることができる。
熱拡散の時間および温度は、不純物濃度、拡散深さなど所望の拡散特性が得られるように適宜設定することができる。例えば、800℃以上1200℃以下で1~120分間加熱拡散することで、表面不純物濃度が1019~1021atoms/cmの拡散層を形成できる。
拡散雰囲気は、特に限定されず、大気中で行ってもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを用いて雰囲気中の酸素量等を適宜コントロールしてもよい。拡散時間短縮の観点から雰囲気中の酸素濃度を3%以下にすることが好ましい。また、必要に応じて拡散前に200℃~850℃の範囲で焼成し、不純物拡散組成物膜(b)中の有機物の分解除去を行ってもよい。
不純物拡散組成物(a)を用いた、2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程としては、既に中低濃度の拡散層が表面に形成されている基板上に上記した方法で高濃度の不純物拡散層(c)を形成する工程、または、不純物拡散組成物膜(b)をマスクとして不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程を含むことが好ましい。後者の場合、不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に、不純物を拡散させることにより、中低濃度の不純物拡散層を形成する工程を含むことが好ましい。具体的には、図1(iii)に示すように、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2をマスクとしてパターン未形成部分に不純物拡散層(c)と同じ型の導電性で、かつ、不純物濃度の異なる不純物拡散層(d)を形成する。
不純物拡散組成物膜(b)をマスクとして不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程(不純物拡散層(d)を形成する工程)は、不純物拡散組成物膜(b)を加熱して不純物を前記半導体基板1に拡散させて不純物拡散層(c)を形成した後に行うことができる。
不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる方法の具体例としては、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2付き半導体基板1に不純物拡散成分を含むイオンを注入後アニーリングする方法、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2付き半導体基板1を不純物拡散成分を含む雰囲気中で加熱する方法、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2付き半導体基板1に同じ型の導電性で、かつ、不純物濃度の異なる別の不純物拡散組成物を不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に塗布し、不純物拡散組成物膜を形成させた後、電気加熱、赤外加熱、レーザー加熱、マイクロ波加熱を行う方法等が挙げられる。
このうち、好ましくは不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程が、不純物拡散成分を含む雰囲気中で加熱する工程である。
不純物拡散成分を含む雰囲気中で加熱する場合は、例えばp型の場合は臭化ホウ素(BBr)、n型の場合はオキシ塩化リン(POCl)をバブリングして、Nで流すことによって不純物拡散成分を含む雰囲気とした中で不純物拡散組成物膜(b)のパターン2付き半導体基板1を800~1000℃で加熱し、不純物拡散層(d)を形成することができる。ガス圧、加熱条件設定により、不純物拡散層(d)の不純物濃度を不純物拡散層(c)の不純物濃度よりも高く設定することも、低く設定することも可能となる。
また、図1(i)に示すように、半導体基板1の上に不純物拡散組成物(a)を部分的に塗布し、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2を形成した後、図1(ii)の拡散工程を行わずに、図1(iii)の加熱炉に投入し、不純物拡散成分を含む雰囲気中での加熱で不純物拡散層(c)、不純物拡散層(d)を同時に形成してもよい。
また、図1(i)に示すように、半導体基板1の上に不純物拡散組成物(a)を部分的に塗布し、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2を形成した後、図1(ii)の拡散工程を行わずに、図1(iii)の加熱炉に投入し、まずは不活性ガスのみで加熱して不純物拡散層(c)を形成し、そのまま炉内に不純物拡散成分を含むガスを追加導入して、不活性ガスのみの加熱条件とは異なる条件で加熱することにより不純物拡散層(c)とは不純物濃度の異なる不純物拡散層(d)を1バッチで形成してもよい。
また、図1(iii)の工程においては不純物拡散組成物膜(b)未形成部分の半導体基板表面の酸化によって、不純物がp型の場合はボロンシリケートガラス、不純物がn型の場合はリンシリケートガラスといった、酸化シリコンを含む層(e)が形成される。
<レーザー照射による方法>
2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程については、少なくとも1水準以上の不純物拡散層形成は半導体基板の片側全面に不純物拡散層(g)を形成し、レーザー照射によって照射部分に(g)とは異なる濃度の不純物拡散層(h)を形成する工程であってもよい。以下、本実施形態について詳述する。
まず、図2(i)に示すように、半導体基板1上に不純物拡散層(g)を形成させる。
形成方法としては、不純物拡散成分を含むイオンを注入後アニーリングする方法、不純物拡散成分を含む雰囲気中で加熱する方法等が挙げられる。
このうち、好ましい形成方法としては、例えばp型の場合は臭化ホウ素(BBr)、n型の場合はオキシ塩化リン(POCl)をバブリングして、Nで流すことによって不純物拡散成分を含む雰囲気とした中で半導体基板を800~1000℃で加熱する方法である。この時、基板表面の酸化によって、p型の場合はボロンシリケートガラス層、n型の場合はリンシリケートガラス層といった、酸化シリコンを含む層(i)が形成される。
次に、図2(ii)に示すように、不純物拡散層(g)と酸化シリコンを含む層(i)にレーザー照射による部分的な加熱を行い、不純物拡散層(h)を形成する。この方法においては不純物拡散層(h)の拡散がより促進されるため、不純物拡散層(h)の不純物濃度が不純物拡散層(g)よりも高くなる。
レーザー照射にあたっては、特に制限は無く、公知のものを使用することができる。例えば、レーザー光として、Nd:YAGレーザーまたはNd:YVOレーザーの基本波(1064[nm])や2倍波(532[nm])や3倍波(355[nm])、或いはXeClエキシマレーザー(308[nm])、KrFエキシマレーザー(248[nm])、ArFエキシマレーザー(198[nm])などのレーザー光を用いることができる。これを、5~100kHzの発振周波数、10~200nsecのパルス幅で照射し、ビーム径内の温度が800~1000℃で加熱されるようにして、表面不純物濃度が1019~1021atoms/cmの拡散層を形成する。
また、レーザー照射後にさらに追加で熱処理を加えて、不純物拡散層(g)、(h)の不純物拡散を進行させてもよい。
<エッチング工程>
こうして2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程後は図1(iV)、および、図2(iii)に示すように、不純物拡散組成物膜(b)のパターン2や表面に形成された酸化シリコンを含む層(e)、(i)を除去する。
不純物拡散組成物膜(b)のパターン2、および、酸化シリコンを含む層(e)、(i)の除去については公知のエッチング法により除去することができる。エッチングに用いる材料としては、特に限定されないが、例えばエッチング成分としてフッ化水素、アンモニウム、リン酸、硫酸、硝酸のうち少なくとも1種類を含み、それ以外の成分として水や有機溶剤などを含むものが好ましい。
<酸化シリコンを含む熱酸化層の再形成、再除去>
本発明においては、上記の方法によって、半導体基板1上に2水準以上の異なる不純物拡散層を形成させた後の前記半導体基板1の不純物拡散組成物膜(b)のパターン2、および、酸化シリコンを含む層(e)、(i)をエッチングで除去する工程の後に、前記半導体基板1を熱処理して不純物拡散層上に酸化シリコンを含む熱酸化層を再形成させる工程(以下、(A)工程と称することがある。)、形成した前記酸化シリコンを含む熱酸化層をエッチングで再除去する工程(以下、(B)工程と称することがある。)を必須とする。これらの工程によって、半導体基板表面からキャリアの寿命に悪影響を及ぼすボロンシリサイド等が(A)工程で酸化シリコンを含む熱酸化層に取り込まれ、(B)工程でボロンシリサイド等の除去が促進され、太陽電池の特性向上につながる。
よって、酸化シリコンを含む熱酸化層は酸素あるいは酸素と不活性ガスとの組み合わせによって形成される熱酸化層でなくてはならず、他の活性種が介在するプラズマCVD膜や、シリコン系の塗布膜ではボロンシリサイド除去に効果がない。
前記(A)、(B)の工程は、2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層の各層形成後に行われてもよいし、全拡散層の形成後に一括で行われてもよいが、異なる不純物濃度の拡散層界面での結晶欠陥を抑えるためには、全拡散層の形成後に一括で行われるのが好ましい。
<(A)半導体基板を熱処理して酸化シリコンを含む熱酸化層を再形成させる工程>
図1(v)、および、図2(iv)に示すように、半導体基板を加熱して、半導体基板表面に酸化シリコンを含む熱酸化層(f)、(j)を形成させる。加熱は電気加熱、赤外加熱、レーザー加熱、マイクロ波加熱などの方法を用いることができる。酸化シリコンを含む熱酸化層の形成については、エリプソメトリー、透過型電子顕微鏡などで厚みを測定することができる他、目視による色目変化でも確認することができる。
加熱の時間および温度は、500℃~800℃で1~120分間加熱拡散することが好ましい。酸化シリコンを含む熱酸化層の形成を促進させるため、酸素濃度は5%以上、好ましくは20%以上が好ましい。また、この時、不活性ガスと組み合わせる場合は窒素またはアルゴンと組み合わせるのが好ましい。
<(B)形成した前記酸化シリコンを含む熱酸化層をエッチングで再除去する工程>
ついで、図1(vi)、および、図2(v)に示すように、酸化シリコンを含む熱酸化層(f)、(j)をエッチングで再除去する。好ましいエッチングの具体例については2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する際の具体例と同じである。
<裏面形成工程>
本発明の太陽電池の製造方法は、裏面形成工程を含んでいてもよい。裏面形成工程については、半導体基板表面における上記(B)工程の後だと、エッチングによって裏面の洗浄も同時に行われるため好ましい。
例えば、半導体基板表面に2水準以上の異なる不純物濃度でp型不純物拡散層を形成して裏面にn型不純物拡散層を形成する場合、表面にn型の不純物が回り込まないよう、表面をSiO膜などで保護する。保護効果を得るための好ましい膜厚については100~1000nmであり、半導体基板表面のp型拡散層への影響を抑えるため、低温で成膜速度の速いプラズマCVDで形成するのが好ましい。より具体的には、混合ガス流量比SiH/NOが0.01~5.0、反応室の圧力が0.1~4Torr、成膜時の温度が300℃~550℃の条件下で形成される。
その後、裏面にオキシ塩化リン(POCl)をバブリングして、Nで流すことによって不純物拡散成分を含む雰囲気とした中で半導体基板を800~900℃で加熱する。この時、半導体基板裏面にn型の不純物拡散層が形成され、同時に酸化によってリンシリケートガラス層といった、酸化シリコンを含む層が裏面の最外部に形成される。
ついて、半導体基板表面の無機膜、裏面の酸化シリコンを含む層をエッチングによって除去する。好ましいエッチングの具体例については2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する際の具体例と同じである。
<パッシベーション工程>
本発明の太陽電池の製造方法は、酸化シリコンを含む熱酸化層(f)、(j)をエッチングで再除去後、裏面形成工程がある場合はその後に、表面再結合を抑制し光反射を防止するためのパッシベーション膜を半導体基板の表面と裏面に設けることが好ましい。例えば、p型拡散層のパッシベーション膜としては700℃以上の高温酸素雰囲気での熱処理で得られるSiOと、この膜を保護するために、シリコン窒化膜を設けてもよい。またSiN膜だけ形成してもよい。この場合、SiHとNHとの混合ガスを原料とするプラズマCVD法により形成することができる。このとき、水素が結晶中に拡散し、ケイ素原子の結合に寄与しない軌道、即ちダングリングボンドと水素とが結合し、欠陥を不活性化(水素パッシベーション)する。より具体的には、混合ガス流量比NH/SiHが0.05~5.0、反応室の圧力が0.1~4Torr、成膜時の温度が300℃~550℃の条件下で形成される。
<電極形成工程>
ついでパッシベーション膜の上から2水準の不純物拡散層のうち、高濃度の不純物拡散層上にくるよう金属ペーストをスクリーン印刷法で印刷し、乾燥させ、電極を形成する。電極用金属ペーストは、金属粒子とガラス粒子とを必須成分とし、必要に応じて樹脂バインダ、その他の添加剤等を含む。このとき使用する金属粒子についてはAg、Alが好ましく用いられる。
高濃度の不純物拡散層(c)、(h)の上に正確に電極パターンが来るよう、半導体基板上にはあらかじめ、位置合わせ用のアライメントマークが形成されていることが好ましい。形成方法については、レーザー加工、ペースト印刷などの方法があるが、不純物拡散時のコンタミネーションを避けるため、レーザー加工であることが好ましい。アライメントマークを形成する工程は、不純物拡散層パターン形成前に形成されていればよいが、半導体基板のテクスチャー加工工程の前であることが好ましい。アライメントマークを形成する工程においてレーザー加工を行った場合、レーザー加工の後に半導体基板のテクスチャー加工工程を行うことによって、レーザー加工起因の結晶欠陥が低減される。特に、2水準の不純物拡散層を形成する場合は、アライメントマーク部分での不純物濃度差形成が良好となってリーク電流をより抑制し、太陽電池の特性向上につながる。
<電極焼成工程>
ついで電極を熱処理(焼成)して、太陽電池を完成させる。600℃~900℃の範囲で数秒~数分間熱処理(焼成)すると、受光面側では電極用金属ペーストに含まれるガラス粒子によって絶縁膜である反射防止膜が溶融し、更にシリコン表面も一部溶融して、ペースト中の金属粒子(例えば銀粒子)が半導体基板と接触部を形成し凝固する。これにより、形成した受光面電極と半導体基板とが導通される。これはファイヤースルーと称されている。
受光面電極は、一般に、バスバー電極及び該バスバー電極と交差しているフィンガ電極で構成される。このような受光面電極は、上述の金属ペーストのスクリーン印刷、電極材料のメッキ又は高真空中における電子ビーム加熱による電極材料の蒸着等の手段により形成することができる。バスバー電極及びフィンガ電極は、公知の方法により形成することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
KBM-13:メチルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)
KBM-103:フェニルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)
GBL:γ-ブチロラクトン(三菱化学(株)製)。
<評価方法>
<キャリア寿命測定>
実施例1~7、比較例1の太陽電池セルについてAM1.5のスペクトル分布を有するソーラーシミュレータを用いて、25℃の下で疑似太陽光を100mW/cmのエネルギー密度で照射し、開放電圧VOC(Voltage Open Circuit)を測定した。VOCが高い程、キャリア寿命が長い特性良好な太陽電池セルと言える。
<リーク電流測定>
実施例1~7、比較例1の太陽電池セルについて逆バイアスをかけ、得られた電流を測定した。電圧は1Vずつ上げて行き、電流値が1Aになった時の電圧値を比較した。電圧値が高いほど、リークの小さい特性良好な太陽電池セルと言える。
(配合例1)
<p型不純物拡散組成物の調製>
ホウ酸(富士フイルム和光純薬(株)製)1.3gと、ケン化度が49モル%のポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株)製)(以下ポリビニルアルコール(49)と表す)11.6gと、微粒子酸化ケイ素であるアエロジルVPNKC130(日本アエロジル(株)製)3.9gと、GBL24.6gと、テルピネオール(東京化成(株)製)35.1gと、水10.0gを混合し、均一になるように十分撹拌し、p型不純物拡散組成物Aを得た。
(配合例2)
<p型不純物拡散組成物の調製>
ポリビニルアルコール(49)にかえてケン化度が80モル%のポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株)製)(以下ポリビニルアルコール(80)と表す)を用いた以外は配合例1と同様にしてp型不純物拡散組成物Bを得た。
(配合例3)
<p型不純物拡散組成物の調製>
ポリビニルアルコール(49)にかえてケン化度が10モル%のポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株)製)(以下ポリビニルアルコール(10)と表す)を用いた以外は配合例1と同様にしてp型不純物拡散組成物Cを得た。
(配合例4)
<シリカ化合物の重合体溶液の合成>
KBM-13(メチルトリメトキシシラン)を183.2g、KBM-103(フェニルトリメトキシシラン)を266.7g、GBLを403.3g仕込み、40℃で撹拌しながら水145.2gにギ酸(東京化成(株)製)0.5gを溶かしたギ酸水溶液を30分間かけて添加した。滴下終了後、40℃で1時間撹拌した後、70℃に昇温し、30分間撹拌した。その後、オイルバスを115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから1時間加熱撹拌した(内温は100~110℃)。得られた溶液を氷浴にて冷却し、前述の一般式(2)で表されるシリカ化合物の重合体の溶液を得た。
<p型不純物拡散組成物の調製>
上記で合成したシリカ化合物の重合体溶液A13.4gと、ホウ酸1.3gと、ポリビニルアルコール(49)11.6gと、アエロジルVPNKC130 3.9gと、GBL24.6gと、テルピネオール35.1gと、水10.0gを混合し、均一になるように十分撹拌し、p型不純物拡散組成物Dを得た。
(配合例5)
<p型不純物拡散組成物の調製>
ポリビニルアルコール(49)にかえてポリエチレングリコール400(東京化成工業(株)製)を用いた以外は配合例1と同様にしてp型不純物拡散組成物Eを得た。
(実施例1)
基板として、一辺156mmのn型単結晶シリコンからなる半導体基板を用意し、位置合わせ用のアライメントマークをレーザー加工した。その後、スライスダメージや自然酸化物を除去するために、両表面をアルカリエッチングした。この際、半導体基板の両面には典型的な幅が40~100μm、深さ3~4μm程度の無数の凹凸テクスチャーが形成され、これを塗布基板とした。
ここに、p型不純物拡散組成物Aをスクリーン印刷で印刷した。印刷パターンは図3~図6に示したような配置となるようにアライメントマークを使用して位置合わせを行った(スクリーン印刷機(マイクロテック(株)TM-750型)、スクリーンマスク(SUS(株)製、400メッシュ、線径23μm))。
p型不純物拡散組成物をスクリーン印刷後、空気中にて基板を140℃のホットプレートで5分間、さらに230℃のオーブンで30分間加熱することで、厚さ約1.5μmのパターンを形成した。
次に、このパターン付き基板を拡散炉((株)光洋サーモシステムズ製)に配置し、窒素19L/min、酸素0.6L/minの雰囲気下、950℃で30分間維持して不純物拡散層を形成した。そのまま、炉内の温度を920℃に下げ、窒素19L/min、酸素0.06L/min、臭化ホウ素(BBr)を窒素0.06L/minでバブリングして流すことによって炉内をp型不純物拡散成分を含む雰囲気とし、パターン未形成部分の不純物拡散を行った。拡散終了後に基板を5%フッ酸溶液に5分間浸漬し、パターンおよび基板表面に形成された酸化シリコンを含む層を除去した後、水洗、乾燥した。
次に、この基板を再び拡散炉((株)光洋サーモシステムズ製)に配置し、窒素16L/min、酸素4L/minの雰囲気下、850℃で30分間熱処理して基板表面に酸化シリコン含有層を再形成した。
熱処理終了後に基板を5%フッ酸溶液に5分間浸漬し、再形成された酸化シリコン含有層を除去した後、水洗、乾燥した。
次に裏面にn型不純物拡散層を形成すべく、この基板表面をプラズマCVD装置に配置し、基板温度、400℃、RFパワー180W、ガス流量:SiH=35scc、NO=1500scc、圧力2.5Torrでp型不純物拡散層上に厚み500nmの酸化シリコン層を形成させた。
次にこの基板を拡散炉((株)光洋サーモシステムズ製)に配置し、窒素19L/min、酸素0.6L/min、オキシ塩化リン(POCl)を窒素0.06L/minでバブリングして流すことによって炉内をn型不純物拡散成分を含む雰囲気とし、850℃で20分間維持してp型不純物拡散面とは反対側の面にn型不純物拡散を行った。拡散終了後に基板を5%フッ酸溶液に10分浸漬し、基板両面の酸化シリコン含有層を除去した後、水洗、乾燥した。
次にこの基板をプラズマCVD装置に配置し、基板温度、400℃、RFパワー180W、ガス流量:N=750scc、SiH=35scc、NH=90scc、圧力2.0Torrで両面に厚み80nmの窒化シリコンからなるパッシベーション膜を形成させた。
次に、この基板の両面に市販のAg電極ペーストをスクリーン印刷で印刷した。電極の印刷パターンがp型不純物拡散組成物膜のパターンに重なるようにアライメントマークを使用して位置合わせを行った(スクリーン印刷機(マイクロテック(株)TM-750型)、スクリーンマスク(SUS(株)製、400メッシュ、線径23μm))。
次に、この電極パターン付き基板を拡散炉((株)光洋サーモシステムズ製)に配置し、窒素16L/min、酸素4L/minの雰囲気下、750℃で3分間処理して電極とp型不純物拡散層を導通させ、太陽電池セルJを形成した。
(実施例2)
p型不純物拡散層形成組成物Aにかえてp型不純物拡散層形成組成物Dを用いた以外は、実施例1と同じにして太陽電池セルKを作製した。
(実施例3)
p型不純物拡散層形成組成物Aにかえてp型不純物拡散層形成組成物Bを用い、位置合わせ用のアライメントマークをレーザー加工するのを、スライスダメージや自然酸化物を除去するために両表面をアルカリエッチングした後に行った以外は実施例1と同じにして太陽電池セルLを作製した。
(実施例4)
実施例1と同様の方法でアライメントマーク、凹凸テクスチャーが形成された基板を拡散炉((株)光洋サーモシステムズ製)に配置し、窒素19L/min、酸素0.6L/min、臭化ホウ素(BBr)を窒素0.06L/minでバブリングして流すことによって炉内をp型不純物拡散成分を含む雰囲気とし、920℃で不純物拡散を行った。
拡散終了後に基板にアライメントマークを使用して図3~図6に示したような配置となるようにレーザー照射を行った。照射にはNd:YAGレーザーの2倍高調波(532nm)を使用し、パルス幅100nsec、発振周波数10kHz、出力5W、ビーム径40μmφで行い、照射部分の温度が950℃になるよう適宜時間を調整して行った。
照射後の基板を5%フッ酸溶液に5分浸漬し、表面の酸化シリコン含有層を除去した後、水洗、乾燥した。
以降、基板表面に酸化シリコン含有層を再形成する工程以降は実施例1と同様にして、太陽電池セルMを形成した。
(実施例5)
p型不純物拡散層形成組成物Aにかえてp型不純物拡散層形成組成物Bを用いた以外は、実施例1と同じにして太陽電池セルNを作製した。
(実施例6)
p型不純物拡散層形成組成物Aにかえてp型不純物拡散層形成組成物Cを用いた以外は、実施例1と同じにして太陽電池セルOを作製した。
(実施例7)
p型不純物拡散層形成組成物Aにかえてp型不純物拡散層形成組成物Eを用いた以外は、実施例1と同じにして太陽電池セルQを作製した。
(比較例1)
基板として、一辺156mmのn型単結晶シリコンからなる半導体基板を用意し、スライスダメージや自然酸化物を除去するために、両表面をアルカリエッチングした。この際、半導体基板の両面には典型的な幅が40~100μm、深さ3~4μm程度の無数の凹凸テクスチャーが形成された。
その後、位置合わせ用のアライメントマークをレーザー加工し、これを塗布基板とした。
ここに、p型不純物拡散層形成組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、印刷、印刷パターンの加熱、拡散炉により不純物拡散、フッ酸溶液による除去、水洗、乾燥まで行い、その後の基板表面に酸化シリコン含有層を再形成する工程および再形成された酸化シリコン含有層を除去した後、水洗、乾燥する工程は行わなかった。以降は実施例1と同様にして、太陽電池セルPを形成した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2023061892000006
1 半導体基板
2 不純物拡散組成物膜(b)のパターン
3 不純物拡散成分含有ガス
4 レーザー照射
5 不純物拡散層の最外周パターン
6 不純物拡散層の基板面内パターン(縦5本、横121本)
(c)、(d)、(g)、(h) 不純物拡散層
(e)、(i) 酸化シリコンを含む層
(f)、(j) 酸化シリコンを含む熱酸化層
(k) 基板面内パターン部
(l) アライメントマーク周辺部A
(m) アライメントマーク周辺部B
(n) 不純物拡散層パターンの幅
(o) 不純物拡散層パターンの間隔
(p) アライメントマーク
(q) アライメントマークの幅
(r) アライメントマークの長さ
(s) ウェハー中心線までの距離

Claims (11)

  1. 半導体基板上に2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程、不純物拡散層を形成させた後の前記半導体基板の不純物拡散層表面の酸化シリコンを含む層をエッチングで除去する工程、
    前記半導体基板を熱処理して不純物拡散層上に酸化シリコンを含む熱酸化層を再形成させる工程、
    形成した前記酸化シリコンを含む熱酸化層をエッチングで再除去する工程を含む太陽電池の製造方法。
  2. 2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程において、少なくとも1水準以上の不純物拡散層形成は不純物拡散組成物(a)を半導体基板に塗布して部分的に不純物拡散組成物膜(b)を形成する工程とそれを加熱して不純物を半導体基板に拡散させて不純物拡散層(c)を形成する工程を含む請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 不純物拡散組成物(a)が
    (a-1)水酸基含有高分子、および、
    (a-2)不純物拡散成分
    を含む請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記(a-1)水酸基含有高分子としてポリビニルアルコールを含む請求項3に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記ポリビニルアルコールのケン化度が20モル%以上70モル%未満である請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記不純物拡散組成物(a)がさらに下記一般式(1)で示されるシラン化合物の重合体を含む請求項2または3に記載の太陽電池の製造方法。
    Figure 2023061892000007
    (式中、RおよびRは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  7. 前記シラン化合物の重合体が下記一般式(2)で示される請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
    Figure 2023061892000008
    (式中、Rは、炭素数6~15のアリール基を表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Rは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基、炭素数6~15のアリール基のいずれかを表し、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。RおよびRは水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~6のアシル基のいずれかを表し、複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。n、mは1~9999の整数を表し、n+m=2~10000であり、n:m=95:5~25:75である。)
  8. 不純物拡散組成物膜(b)をマスクとして不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程を含む請求項2または3に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 不純物拡散組成物膜(b)未形成部分に不純物を拡散させる工程が不純物拡散成分を含む雰囲気中で加熱する工程である請求項8記載の太陽電池の製造方法。
  10. 2水準以上の異なる不純物濃度で不純物拡散層を形成する工程において、少なくとも1水準以上の不純物拡散層形成は半導体基板の片側全面に不純物拡散層(g)を形成し、レーザー照射によって照射部分に(g)とは異なる濃度の不純物拡散層(h)を形成する工程を含む請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  11. 前記半導体基板のテクスチャー加工工程、および、前記半導体基板上にアライメントマークを形成する工程を含み、前記アライメントマークを形成する工程が前記半導体基板のテクスチャー加工工程の前である請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
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