JP2023060999A - 護岸構造及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜を有する河川等の法面を保護する護岸構造として使用しても、栗石等の自然石などからなる河床のような自然の環境と同様の生態環境を維持できる護岸構造及びその形成方法を提供する。【解決手段】樹脂からなる複数の帯部材3bを所定間隔毎に接合し、帯部材3bの非接合部位が互いに離間することによって形成される複数のセル3aを有する略矩形状のセル構造体3と、複数のセル3aに充填される充填物6と、を備えたセル構造ユニット4を複数有する河川を対象とした護岸構造1であって、少なくとも、低水敷領域における護岸構造1は、セル3aの上方が開放された開放部3eを有し、セル3a内の充填物6が外部に露出しており、充填物6は低水敷領域にある複数の自然石、粒度調整された砕石、若しくは割栗石が用いられる。【選択図】図6

Description

本発明は、傾斜を有する河川等の法面を保護する護岸構造及びその形成方法に関する。
従来、河川等の法面を保護する護岸構造として、樹脂からなる複数の帯部材を所定間隔毎に接合し、前記帯部材の非接合部位が互いに離間することによって形成される複数のセルを有するセル構造体と、前記複数のセルに充填される石材と、を備えるセル構造ユニットを法面に複数敷設されるものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-79646号公報(第3-5頁、図1-図3)
しかしながら、特許文献1の護岸構造においては、セル内の石材等の充填物の流出を防ぎ、セル構造体のセル形状を維持するために、セル構造体を網状部材により覆っているので、河川護岸などにおいて常に水が有る低水敷護岸においては、魚等の生物が入り込みにくく生息しにくいものとなり、大型の砂利や栗石(単粒の自然石)からなる河床のような自然の環境とは大きく異なった環境となるものであって、自然の環境と同様の生態環境を維持することが難しいという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、傾斜を有する河川等の法面を保護する護岸構造として使用しても、栗石等の自然石などからなる河床のような自然の環境と同様の生態環境を維持できる護岸構造及びその形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の護岸構造は、
樹脂からなる複数の帯部材を所定間隔毎に接合し、前記帯部材の非接合部位が互いに離間することによって形成される複数のセルを有する略矩形状のセル構造体と、前記複数のセルに充填される充填物と、を備えたセル構造ユニットを複数有する河川を対象とした護岸構造であって、
少なくとも、低水敷領域における護岸構造は、前記セルの上方が開放された開放部を有し、前記セル内の充填物が外部に露出しており、前記充填物は低水敷領域にある複数の自然石、粒度調整された砕石、若しくは割栗石が用いられることを特徴としている。
この特徴によれば、大型の砂利や栗石(単粒の自然石)などからなる河床のような自然の環境と同様の生態環境を維持できる護岸構造となるので、魚等の水生生物が入り込みやすく、生息しやすい環境を作ることができる。
前記セル内に充填される充填物は、前記セルの高さの略1/3の平均粒径であることを特徴としている。
この特徴によれば、充填される自然石の間に隙間を多く形成できるので、エビ、カニ、魚等の水生生物が入り込みやすい、河床のような自然の環境と同様の生態環境の護岸を作ることができる。また、自然石の粒径が揃っているので、充填時に法面に押し込まれた自然石が該法面に均等に食い込み、アンカー効果(セル構造体が法面に固定される効果)を奏することができる。
前記セル内に充填される充填物は、平均粒径が略10cm又は略7cmであることを特徴としている。
この特徴によれば、高さ30cm又は20cmの汎用性の高いセル構造体を採用できるため、材料コストを抑制することができる。
前記セル内に充填される充填物は、一つのセル内(底面積Acm・高さZcm)に平均個数が略27A/Z個±10%で充填されていることを特徴としている。
この特徴によれば、セルの大きさに対して、小粒の砂利や小石ではなく、適度な大きさ栗石などの自然石が選択されるので、自然石の間に形成された隙間に魚等の水生生物が入り込みやすい、河床のような自然の環境と同様の生態環境を作ることができる。また、自然石などの粒径が揃っているので、充填時に法面に押し込まれた自然石などが該法面に均等に食い込み、アンカー効果(セル構造体が法面に固定される効果)を奏することができる。
本発明の護岸構造の形成方法は、
河川等の法面を整形する第1工程と、
樹脂からなる複数の帯部材を所定間隔毎に接合し、前記帯部材の非接合部位が互いに離間することによって形成される複数のセルを有する略矩形状のセル構造体を、前記法面に固定する第2工程と、
前記セル構造体の前記セルの上端まで河川等の低水敷領域にある自然石、粒度調整された砕石、若しくは割栗石を充填する第3工程と、
前記セル構造体の前記セル内に充填されている前記充填物を上方から転圧する第4工程と、を有することを特徴としている。
この特徴によれば、セル内に充填されている河川等の低水敷領域にある自然石などの充填物を上方から転圧するので、充填時に法面に押し込まれた充填物が該法面に均等に食い込み、アンカー効果(セル構造体が法面に固定される効果)を奏することができる。
本発明に係る護岸構造の構成を示す断面図である。 セル構造体を示す斜視図である。 セル構造体の一部拡大図である。 セル構造体の敷設工程を示す説明図である。 セル構造体の連結についての説明図である。 セル内の石材の充填の様子を示す説明図である。 セル内の石材の充填個数を導くための模式図である。
本発明に係る護岸構造を実施するための形態を図1から図7を参照して説明する。
護岸構造1は、本実施例では河川に適用され、護岸対象となる法面2の表面が河川の流勢によって浸食されないように、当該法面2を保護するものである。図1及び図2に示されるように、護岸構造1は、複数のセル3aを有する略矩形状のセル構造体3と、該複数のセル3aの各々に充填される充填物としての石材6と、を備え、セル構造体3を法面2に敷設し、該セル構造体3のセル3aに石材6を充填して構成されるセル構造ユニット4を法面2に複数敷設して構築される。以下、護岸構造1を構成するセル構造体3、石材6について説明する。
図2及び図3に示すように、セル構造体3は、耐候性、耐水性、耐久性に優れ、可撓性を有する高密度ポリエチレン等の合成樹脂で形成された複数枚の略帯状をなす帯部材3bにより構成されている。これらの帯部材3bがその幅方向が垂直を向くように配置されており、互いに帯部材3bが積層配置された状態で、その長手方向の所定間隔毎に接合されている。この接合部位は、圧力を加えながら溶着(若しくは圧着)された接合部3cとなっている。
セル構造体3は、製造時には、隣接する帯部材3bが積層された状態で、例えば、横幅361cm、縦幅15cmのサイズに折り畳まれている。セル構造体3を使用のために前後方向に広げ展開すると、帯部材3b同士の非接合部位が互いに離間されることで充填物としての石材6を拘束するためのセル3aが形成される。そして、このセル3aは、縦・横それぞれ所定列数の千鳥状または接合部3cに余剰の幅があればハニカム状に配置され、このセル3aの各々に、石材6が充填される。石材6を十分に充填できるセル構造体3の左右方向の標準展開幅は、例えば、横幅220~280cmであり、下方に展開するときの最小展開時の左右方向の横幅が280cmであり、さらに下方に展開し、セル3aの菱形の形状が正方形に近くなる展開時の左右方向の横幅が220cmとなるまで展開することができる。このように、下方への展開の程度による左右方向の横幅のサイズによって、セル3aの形状、すなわち石材6の充填容量が異なってくる。また、セル構造体3は、可撓性を有するので巻回してコンパクトにまとめた状態で搬送できるとともに、施工現場の状況に適した長さに切断することもできる。
図2及び図3に示されるように、このセル構造体3の帯部材3bには、高さ方向及び左右幅方向に複数列配列された複数の小さな貫通孔3d(例えば、φ0.9~1cm)が全てのセル3aのそれぞれに形成されている。よって、千鳥状に配列されて互いに隣接するセル3a同士がこれら複数の貫通孔3dにより連通されているので、セル3a内において高さ方向の全体に亘って通水性を有し、すなわち河川の水流が行き亘る。本発明の護岸構造は、常に水が有る河川等の低水敷領域における護岸構造を想定しているので、隣接するセル3a同士が貫通孔3dにより連通していることにより、各セル3a内の水が滞留することがなく、流勢が抑えられた状態であっても、河川と同様に常に新鮮な水が供給され、魚等の水生生物が入り込みやすい、河床のような自然の環境と同様の生態環境の護岸を作ることができる。
セル構造体3のセル3aに充填される石材6は、本発明では河床のような自然の環境にある栗石等の自然石若しくは人工的に粒度調整された砕石や割栗石(例えば、平均粒径略10cm又は7cm)から構成される。従来では、石材を業者から購入して、セル構造体の敷設施工現場まで運搬して、セル構造体の施工工事を行っていたが、本発明においては、自然石を現場で調達する場合、石材を業者から購入する必要がなく、また石材を現場まで運搬する必要がないことから、コストを大幅に低減させることができる。なお、現場で調達する自然石は、当該河川敷において集めた適度な大きさの石を篩にかけて選別し、用意されたものである。セル構造体3のセル3aに充填される石材6の平均粒径は、流速、法面の傾斜等の条件により決定されるが、具体的には、洪水時の代表流速Vに対して流出しないように安定した状態を保つことができる程度の大きさが必要であり、例えば、水深が2m、法面の勾配が1:2、洪水時の代表流速Vが4m/sの場合を例にとると、平均粒径が12cm程度の石材6であれば、安定した状態を保つことができる。また、該石材6を収納するセル3aの容積、すなわち、底面積(A)、深さ(Z)は、充填される石材6の平均粒径に応じて、セル3a内で石材6が安定して収納されるのに支障のないように決定される。
特に、常に水が有る低水敷護岸においては、流勢によって石材6がセル3a内において移動し、セル3aの底面に接する法面2が崩壊して流出しないよう、石材6が充填された状態におけるセル3aの高さは石材6の平均粒径(D)の3 倍程度を確保するものとする。例えば、表1に示すように、平均粒径が10cm程度の石材6であれば、セル3aの高さは30cm程度必要である。又は平均粒径が7cm程度の石材6であれば、セル3aの高さは20cm程度必要である。
Figure 2023060999000002
このように、セル3a内に充填される石材6の平均粒径が略10cm又は略7cmであることで、高さ30cm又は20cmの汎用性の高いセル構造体を採用できるため、材料コストを抑制することができる。
図6には、セル3a内にセル3aの高さの1/3程度の平均粒径を有する石材6が充填されている様子を示しているが、粒径が大きい様々な形状の石材6でセル3a内が充填されることにより、各々の石材6の間に大きな隙間が形成される。ちなみに、図7を用いて模式的にセル3a’内に充填される石材6’の個数を説明すると、セル3a’の大きさを縦20cm、横30cm、高さ30cmの直方体と仮定し、セル3a’内に充填される石材6’の粒径を10cmの球体であると仮定すれば、図7に示されるようにセルの底面(底面積600cm)に敷き詰められる石材6’の個数は6個であり、セル3a’の高さは石材6’の粒径の3倍なので、セル3a’内(容積18,000cm)には粒径10cmの石材6’が18個充填されることとなる。
これを一般化して説明すると、一つのセル内(底面積Acm・高さZcm)に、平均粒径(Dcm)の石材6を充填する場合に、セル3aの底面(Acm)に敷かれる石材6は1個あたり、占有する面積は最大Dcmであり、底面の1段目に敷かれる石材6の平均個数はA/D個である。またセル3a内に石材6を充填させるには(Z/D)段必要であることから、セル3a内に充填される石材6の平均個数は、(A/D)×(Z/D)=AZ/D個となる。ここで、セル3aの高さ(Z)が石材6の平均粒径(D)の3 倍だとすれば、D=Z/3なので、セル3a内に充填される石材6の平均個数は、27A/Z個となる。実際には、石材6の形状は様々であることから、セル3a内に充填される石材6の平均個数は、略27A/Z個±10%程度となるものと考えられる。セル3a内に充填される石材6の平均粒径をセル3aの高さの1/3程度とすることにより、セルの大きさに対して、小粒の砂利や小石ではなく、適度な大きさの栗石等の自然石が選択される(図6参照)ので、石材6の間に形成された隙間Cに魚等の生物が入り込みやすい、河床のような自然の環境と同様の生態環境の護岸を作ることができる。また、セル3aへの充填時に法面2に押し込まれた石材6が該法面2に食い込み、アンカー効果(セル構造体が法面に固定される効果)を奏することができる。
セル構造体3は、樹脂からなる複数の帯部材3bを所定間隔毎に接合し、前記帯部材3bの非接合部位を互いに離間させて形成されるもので、前記帯部材3bの非接合部位の離間度合いでセル3aの形状を自由に変えることができる。そのため、河川、池、湖沼またはダム等の1:1.5程度の比較的急な勾配を有する法面を保護する護岸構造として使用する場合には、法面の傾斜の影響や流水及び流下物等の外力により、セル構造体3のセル3aの形状が変化してしまうことがある。すなわち、セル構造体3のセル3aは圧縮力を受けても、セル3a内の石材6同士が互いに接触して圧縮力を保持できるので、セル3aの形状は安定して維持できる。しかし、セル3aが大きな引張力を受けると、セル3aの変形により、セル3a内の石材6の間に隙間が生じて、石材6が動いてしまいセル3aの形状は保持できなくなる。最悪の場合は、セル構造体3のめくれが生じてしまうおそれがある。
そこで、前出の特許文献1の護岸構造においては、セル内の石材等の充填物の流出を防ぎ、セル構造体のセル形状を維持するために、セル構造体を網状部材により覆っていた。しかしながら、網状部材は小石や砂利等の粒径の小さい充填物の流出を抑えるため、細かい網目からなっていたので、河川護岸などにおいて常に水が有る低水敷護岸においては、魚等の水生生物が入り込みにくく生息しにくいものとなっていた。これは、栗石等の自然石からなる河床のような自然の環境とは大きく異なった環境となるものであって、自然の環境と同様の生態環境を維持することが難しく、自然環境との調和が取れた川づくりという観点では、環境保全効果が損なわれていた。
そこで、本発明は、従来ではセル構造体を覆っていた網状部材を取り外し、セル構造体3の上端に開放部3eを形成することにより、セル3a内に充填する充填物としての石材6を露出させ、河川の魚やザリガニ等の水生生物が開放部3eからセル3aの内部に入り、更に石材6間の比較的大きな隙間Cに入り込みやすくするとともに、該充填物として河川等の低水敷領域にある自然石や粒度調整された砕石、割栗石などを用いることにより、栗石等の自然石からなる河床のような自然の環境と同様の生態環境を維持できる護岸構造となるので、水生生物が生息しやすい環境を作ることができる。また、セル3a内に充填する充填物として、護岸対象となる法面2近傍の河川等にある栗石等の自然石を用いる場合、充填物の材料費、運搬費を大幅に削減し、施工コストを抑制することができる。
特に、各セル3aの内部は、帯部材3b及び石材6で周囲が覆われているため、河川の流勢の影響を受けることがなく安定しており、且つ各セル3aに形成された貫通孔3dを介し河川側と連通しているのでセル3a内は水中の酸素に常に富み、また水生生物を捕食する大型の鳥や魚等の外敵からも守られるため、セル3a内の石材6間の隙間Cが水生生物の棲み処として適している。
また、本発明のセル構造ユニット4は、セル構造体3の内部に栗石等の自然石からなる石材6を充填する構成であるため、従来のようにコンクリート構造物を用いた護岸構造を不要としている。このようにすることで、コンクリートの製造に伴うセメント等の材料や電力を大幅に削減するとともに、二酸化炭素の排出を大幅に抑制し、すなわち脱炭素化を達成することができる。
ここで、セル構造体3と石材6を備える本発明に係る護岸構造1の構成について図4~6に基づいて説明する。なお、図4には、説明のため護岸構造1の設置工程(A)、(B)、(C)、(D)が同時に連続して進行するように記載しているが、これに限らず、先ず法面2の全体に亘り工程(A)を完了し、その後に工程(B)を完了し、更にその後に順次工程(C)、工程(D)を行うようにしてもよい。
図4の工程(A)では、まず、セル構造ユニット4を敷設する対象となる法面2の凹凸を整形して平らに均す。そして、法面2のサイズ(幅寸法×延長寸法)に合わせて、必要とするセル構造体3の数を決め、セル構造体3の展開幅(セルピッチ)を決める。前述したように、セル構造体3の左右方向の標準展開幅は、例えば、220~280cmであり、展開幅によって、セル3aの形状が異なってくる。そして、法面2にセル構造体3を支持するためのアンカー8(図1、4参照)を所定本数打設するが、まず、決められた展開幅(セルピッチ)に展開された法面2の最上部である施工始点部(1枚目セル)の天端部の各セル3a位置に、アンカー8を仮打ちする。なお、アンカー8の本数は、法面2に配置される石材6等が法面2を滑落する荷重を保持できるように決定される。
次に、図4の工程(B)では、セル構造体3の天端部の各セル3aを仮打ちしたアンカー8にはめ込み固定して、法面2の傾斜に沿ってセル構造体3を下方に展開する。そして、図4の工程(C)において、セル構造体3の法尻部の各セル3aをアンカー8で止める。また、セル構造体3の中間部にも、決められた密度でアンカー8を法面2に打設し、セル3aを法面2に固定する。なお、アンカー8の本数は、法面2に配置される石材6等が法面2を滑落する荷重を保持できるように決定される。法面2の勾配が大きく荷重が大きくかかるものであれば、セル構造体3に対して密な状態のアンカーを打設する。また、法面2の勾配が小さくかかる荷重が小さいものであれば、セル構造体3に対して疎な状態のアンカーを打設する。最後に、セル構造体3の天端部に仮打ちしたアンカー8を打設する(最初のセル構造体3の施工終了)。さらに、図4の工程(C)では、石材6を充填した複数のセル構造体3の隣り合うセル構造体3を、ステープル9を用いて連結して(図5参照)、セル構造ユニット4を完成する。図4、5に示されるように、隣接して配置される複数のセル構造体3のセル構造体外周縁部同士が略一致して配置される場合には、隣接して配置される複数のセル構造体3のセル構造体外周縁部に重なり部3gを設け、隣接するセル構造体外周縁部同士の重なり部3gを、ステープル9を用いて連結し、隣接するセル構造体3を一体化してセル構造ユニット4を形成する。次に、図4(C)に示すように、敷設したセル構造体3のセル3a内に石材6(平均粒径がセル3aの高さZの1/3のサイズのもの)を上端に至るまで充填する。
そして、図4の工程(D)では、すべてのセル3a内に上端まで充填された石材6を、転圧機を用いて上方から転圧し、セル3a内に充填された上層部分の石材6の上面を均すとともに、下層部分の石材6の底部6aを法面2に食い込ませ、上述した工程(A)で整形した法面2に凹部2aを形成することで、アンカー8に加え、上方から転圧された石材6の底部6aを利用して、アンカー効果(セル構造体が法面に固定される効果)を高めることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、前記実施例では、常に水が有る河川等の低水敷領域における護岸構造について説明したが、当該低水敷領域に連続する上方の領域には、常時は水に晒されない高水敷領域があり、当該高水敷領域においても、同様に充填物として河川等の低水敷領域にある自然石を用いることができる。この場合は、充填物として自然石のほかに、土砂を加えてもよい。セル3a内に石材と土砂の混合物を充填することで、植物の自生を促し、護岸構造1を緑化することができる。さらに、植物の石材と土砂の混合物に植物の種子を蒔けば、早期に護岸構造1を緑化することができる。
1 護岸構造
2 法面
2a 凹部
3 セル構造体
3a セル
3b 帯部材
3c 接合部
3e 開放部
3g 重なり部
4 セル構造ユニット
6 石材(充填物)
6a 底部
8 アンカー
9 ステープル

Claims (5)

  1. 樹脂からなる複数の帯部材を所定間隔毎に接合し、前記帯部材の非接合部位が互いに離間することによって形成される複数のセルを有する略矩形状のセル構造体と、前記複数のセルに充填される充填物と、を備えたセル構造ユニットを複数有する河川を対象とした護岸構造であって、
    少なくとも低水敷領域における護岸構造は、前記セルの上方が開放された開放部を有し、前記セル内の充填物が外部に露出しており、前記充填物は低水敷領域にある複数の自然石、粒度調整された砕石、若しくは割栗石が用いられることを特徴とする護岸構造。
  2. 前記セル内に充填される充填物は、前記セルの高さの略1/3の平均粒径であることを特徴とする請求項1に記載の護岸構造。
  3. 前記セル内に充填される充填物は、平均粒径が略10cm又は略7cmであることを特徴とする請求項2に記載の護岸構造。
  4. 前記セル内に充填される充填物は、一つのセル内(底面積Acm・高さZcm)に平均個数が略27A/Z個±10%で充填されていることを特徴とする請求項2または3に記載の護岸構造。
  5. 河川等の法面を整形する第1工程と、
    樹脂からなる複数の帯部材を所定間隔毎に接合し、前記帯部材の非接合部位が互いに離間することによって形成される複数のセルを有する略矩形状のセル構造体を、前記法面に固定する第2工程と、
    前記セル構造体の前記セルの上端まで河川等の低水敷領域にある複数の自然石、粒度調整された砕石、若しくは割栗石を充填する第3工程と、
    前記セル構造体の前記セル内に充填されている前記充填物を上方から転圧する第4工程と、を有することを特徴とする河川を対象とした護岸構造の形成方法。
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