JP2023058945A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】残香性を抑制し、抗菌性を付与しつつ、長期保存による外観低下が抑制されている液体柔軟剤を提供する。【解決手段】下記(A)~(D)成分:(A)カチオン界面活性剤、(B)明細書に記載の(B-1)~(B-3)から選ばれる化合物、(C)明細書に記載の(C-1)~(C-3)から選ばれる少なくとも1種の化合物:(D)フリー香料、を含み、(C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.1質量%未満であり、(D)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.5質量%未満である、乳濁型の液体柔軟剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は液体柔軟剤組成物に関する。
近年、日本国内における柔軟剤の市場規模は拡大傾向にあり、なかでも消臭機能を有する柔軟剤のシェアは年々伸長している。一方、現在の消臭技術の多くは、香りによるマスキングに頼っており、スメハラ等の問題が懸念されている。
そこで、香りに頼らない消臭技術が求められている。その具体例として、特定のカチオン界面活性剤と4級アンモニウム塩とノニオン界面活性剤とを特定量で配合する技術が知られている(特許文献1)。
また、液体柔軟剤分野では、凍結復元性の向上、カプセル化香料の分散性向上、日光への暴露による固形物析出の抑制や、透明度や色味に関する外観維持を目的として特定の4級アンモニウム塩やアミンオキシドを配合する技術が知られている(特許文献2~6)。
特開2019-131943号公報 特開2015-34371号公報 特開2013-133547号公報 特開2014-125692号公報 特開2019-94581号公報 特開2015-224414号公報
柔軟基剤(カチオン界面活性剤)と、抗菌剤(4級アンモニウム塩等)とを含む液体柔軟剤について、柔軟処理後の繊維製品に残る香り(残香性)を抑制すべくフリー香料の配合量を減じたところ、温度変化の大きい環境下での長期保存中に、液体柔軟剤の内部に斑状の分離が発生して外観が低下するという新しい現象が見いだされた。更に、斑状の分離の発生は、フリー香料のClogP値が低い場合や、柔軟基材(カチオン界面活性剤)の配合量が少ない場合に起こりやすいことも見いだされた。
そこで、残香性を抑制し、抗菌性(防臭性)を付与しつつ、長期保存による外観低下が抑制されている液体柔軟剤の提供を課題として設定した。
前記の課題を鋭意検討した結果、本発明者は、柔軟基剤と特定の抗菌剤とを含む液体柔軟剤においてフリー香料の配合量を減じた場合であっても、特定種類の化合物を特定量で更に配合すると、柔軟処理後の繊維製品に残る香りは抑制され、抗菌性(防臭性)は付与されつつも、更に長期保存による外観低下が抑制されることを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔9〕に関するものである。
〔1〕液体柔軟剤組成物であって、
下記(A)~(D)成分:
(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;
(B)下記(B-1)~(B-3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物:
(B-1)一般式(B1)で表される化合物:
Figure 2023058945000001
(式中、
1は、炭素数6~24の炭化水素基であり、
2は、炭素数6~24の炭化水素基、ベンジル基、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
3及びR4は、独立して、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
-は、陰イオン基である。);
(B-2)一般式(B2)で表される化合物:
Figure 2023058945000002
(式中、
5は、炭素数8~18の炭化水素基であり、
-は、陰イオン基である。);
(B-3)置換されていてもよい炭素数6~24の炭化水素基を1個と、同一又は異なる、置換されていてもよい炭素数1~3の炭化水素基を2個とを有するアミンオキシド;
(C)下記(C-1)~(C-3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物:
(C-1)炭素数6~24の脂肪族カルボン酸又は炭素数7~24の芳香族カルボン酸と、炭素数1~24の1価~6価の脂肪族アルコール又は炭素数7~24の1価の芳香族アルコールとのエステル;
(C-2)一般式(C2)で表される化合物:
6-(AO)n-R6 (C2)
(式中、
6はそれぞれ独立に、炭素数6~24の脂肪酸由来のアシル基又はアシルオキシ基、H、又はCH3であり、
但し、R6の少なくとも1つは、炭素数6~24の脂肪酸由来のアシル基又はアシルオキシ基であり、
AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、
nは、2~100である。);
(C-3)炭素数12~24のアルコール;
(D)フリー香料、を含み、
(C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.1質量%未満であり、
(D)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.5質量%未満であり、かつ、
液体柔軟剤組成物が乳濁型であることを特徴とする、液体柔軟剤組成物。

〔2〕(B-1)が、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルメチルエチルエトサルフェート、テトラデシルジメチルエチルエトサルフェート、及び塩化ベンザルコニウムからなる群より選ばれる、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。

〔3〕(B-2)が、塩化セチルピリジニウムである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。

〔4〕(B-3)が、一般式(B3-1)又は(B3-2)で表される化合物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
Figure 2023058945000003
(式中、
1は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルケニル基であり、
2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基(好ましくはメチル基)、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基である。)

Figure 2023058945000004
(式中、
1は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルケニル基であり、
2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基(好ましくはメチル基)、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
4は炭素数1~5のアルキレン基であり、
Yは-CONR5-、-NR5CO-、-COO-、又は-OCO-(R5は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である)である。)

〔5〕(B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~2質量%未満である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔6〕(B)成分の(A)成分に対する質量比(B/A)が0.001~0.2である、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔7〕(C-1)が、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルからなる群より選ばれる、前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔8〕(C-2)が、ジイソステアリン酸PEG12、ジステアリン酸PEG12、ジオレイン酸PEG12、ジラウリン酸PEG12、ジラウリン酸PEG75、及びラウリン酸PEG4からなる群より選ばれる、前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。

〔9〕(C-3)が、1-ヘキサデカノールである、前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
後述の実施例で示されるように、本発明の液体柔軟剤組成物は、残香性を抑制し、抗菌性(防臭性)を付与しつつ、長期保存による外観低下が抑制されている。したがって、本発明は、従来製品にはない商品価値を有する液体柔軟剤を提供できる。
〔(A)成分〕
(A)成分は「エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」であるカチオン界面活性剤である。
(A)成分は柔軟基材であり、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
炭素数10~26の炭化水素基(以下、「長鎖炭化水素基」ともいう)の炭素数は、17~26が好ましく、18~24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央値を中心に分布していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、分断基によって分断されている。分断は1ヶ所でもよく、2ヶ所以上であってもよい。好ましくは1ヶ所である。
分断基はエステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)である。長鎖炭化水素基が分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
「エステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物(以下、本明細書において「アミン化合物」ということがある)」における長鎖炭化水素基の数は1~3個である。好ましくは2個(2級アミン化合物)又は3個(3級アミン化合物)であり、より好ましくは3個である。
アミン化合物としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023058945000005
(式中、R1~R3はそれぞれ独立に、-CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7~21の炭化水素基である)、-(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7~21の炭化水素基である)、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1~R3のうちの少なくとも1つは、-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5である。)
一般式(A1)における基「-CH2CH(Y)OCOR4」中、Yとしては水素原子が好ましい。
4としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8~22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4の素となる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10~0/100が好ましく、90/10~40/60より好ましく、90/10~70/30が特に好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60~100/0が好ましく、70/30~90/10が特に好ましい。
4の素となる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10~60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10~60)などが挙げられる。なかでも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)~(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10~0/100、より好ましくは90/10~40/60、特に好ましくは90/10~70/30である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60~100/0、より好ましくは70/30~90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21~22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「-(CH2nNHCOR5」中、nとしては3が好ましい。
5としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1~R3のうち、少なくとも1つは-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)である。R1~R3のうち2つが、-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)であることが好ましい。
1~R3のうち、1つ又は2つが-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH、又は、-(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。-CH2CH(Y)OHにおけるYは、-CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。-(CH2nNH2におけるnは、-(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1-1)~(A1-7)で表される3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2023058945000006
((A1-1)~(A1-7)の各式中、R9はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基であり、(A1-6)~(A1-7)の各式中、R10はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基である。)
9及びR10における炭素数7~21の炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR4における炭素数7~21の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である。なお、一般式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の塩は、アミン化合物を酸で中和することにより得られる。中和に用いる酸は有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は公知の方法により実施できる。
アミン化合物の4級化物は、アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は公知の方法により実施できる。
一般式(A1)及び(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1-1)で表される化合物(以下「化合物(A1-1)」という)及び一般式(A1-2)で表される化合物(以下「化合物(A1-2)」という)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1-1)/化合物(A1-2)」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1-1)の4級化物/化合物(A1-2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1-3)で表される化合物(以下「化合物(A1-3)」という)、一般式(A1-4)で表される化合物(以下「化合物(A1-4)」という)及び一般式(A1-5)で表される化合物(以下「化合物(A1-5)」という)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1-3)が1~60質量%、化合物(A1-4)が5~98質量%、化合物(A1-5)が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)が30~60質量%、化合物(A1-4)が10~55質量%、化合物(A1-5)が5~35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1-3)の4級化物が1~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が5~98質量%、化合物(A1-5)の4級化物が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)の4級化物が30~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が10~55質量%、化合物(A1-5)の4級化物が5~35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30~99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1-6)で表される化合物(以下「化合物(A1-6)」という)及び一般式(A1-7)で表される化合物(以下「化合物(A1-7)という」)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N-メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-1,3-プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1-6)/化合物(A1-7)」で表される存在比率が質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
またその4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1-6)の4級化物/化合物(A1-7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
(A)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(A)成分は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(例えば、一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物の混合物)してもよい。
(A)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは1~20質量%、更に好ましくは4~18質量%、特に好ましくは7~12質量%である。含量が1質量%以上であると、より高い柔軟性付与効果が得られる。含量が20質量%以下であると、長期保存時の液体柔軟剤組成物の粘度安定性が良好である。本発明の完成に先立ち、本発明者は、(A)成分の含量が12質量%以下であると、液体柔軟剤の内部に斑状の分離を発生しやすいという事象を見いだしているが、そのような含量で(A)成分を用いた場合でも、本発明に従うことで、斑状の分離の発生を抑制できる。
〔(B)成分〕
(B)成分は、後述する(B-1)~(B-3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(B)成分は抗菌作用を有し、繊維製品へ抗菌性(及び抗菌作用によってもたらされる防臭性)を付与するため、更には液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合する。
〔(B-1)〕
(B-1)は、一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩である。
Figure 2023058945000007
(式中、
1は、炭素数6~24の炭化水素基であり、
2は、炭素数6~24の炭化水素基、ベンジル基、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
3及びR4は、独立して、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
-は、陰イオン基である。)
1及びR2の炭化水素基の炭素数は6~24、好ましくは10~18である。これらの炭素数範囲であると、繊維製品への吸着性と抗菌作用のバランスが向上して、優れた消臭性が得られる。
1及びR2の炭化水素基の具体例としては、デシル基(炭素数10)、テトラデシル基(炭素数14)やヘキサデシル基(セチル基)(炭素数16)等が挙げられる。
2、R3及びR4のアルキル基の具体例としては、メチル基やエチル基等が挙げられる。
2、R3及びR4のヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基やヒドロキシエチル基が挙げられる。
-としては、メチル硫酸、エチル硫酸(エトサルフェート(CH3CH2SO4-))、臭素や塩素等の陰イオンが挙げられる。
(B-1)の具体例としては、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、テトラデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートや、塩化ベンザルコニウム等が挙げられ、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド及びジデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
〔(B-2)〕
(B-2)は、一般式(B2)で表される化合物である。
Figure 2023058945000008
(式中、
5は、炭素数8~18の炭化水素基であり、
-は、陰イオン基である。)
5の炭化水素基の炭素数は8~18、好ましくは10~18である。これらの炭素数範囲であると繊維製品への吸着性と抗菌作用のバランスが向上して、優れた消臭性が得られる。
5の炭化水素基の具体例としては、デシル基(炭素数10)、テトラデシル基(炭素数14)やヘキサデシル基(セチル基)(炭素数16)等が挙げられる。
-としては、例えば塩素イオンが挙げられる。
(B-2)の具体例としては、塩化セチルピリジニウムが好ましい。
〔(B-3)〕
(B-3)は、置換されていてもよい炭素数6~24(好ましくは、12~18)の炭化水素基を1個と、同一又は異なる、置換されていてもよい炭素数1~3の炭化水素基を2個とを有するアミンオキシドである。各炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基等が挙げられる。
(B-3)の具体例としては、下記一般式(B3-1)及び(B3-2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023058945000009

Figure 2023058945000010
各一般式中のR1は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18(好ましくは10~14)のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18のアルケニル基である。該アルキル基及びアルケニル基は置換されていてもよい。置換基としては、-CONR5-、-NR5CO-、-COO-、又は-OCO-(R5は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である)や、ヒドロキシル基等が挙げられる。
各一般式中のR2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基(好ましくはメチル基)、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基である。
一般式(B3-2)中、R4は炭素数1~5のアルキレン基であり、Yは-CONR5-、-NR5CO-、-COO-、又は-OCO-(R5は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である)である。
一般式(B3-2)中、R1-Y-R4-で表される基の炭素数は、好ましくは10~24、より好ましくは10~18、特に好ましくは10~16である。
一般式(B3-1)で表される化合物の具体例としては、アルキルジメチルアミンオキシド(アルキル基の炭素数:8~18)が挙げられる。
一般式(B3-2)で表される化合物の具体例としては、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド(アルキルアミドプロピル基の炭素数:8~18)等が挙げられる。
(B-3)の具体例としては、ドデシルジメチルアミンオキシドやテトラデシルジメチルアミンオキシド(ミリスチルジメチルアミンオキシド)等が挙げられる。
(B)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(B)成分は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(例えば、(B-1)と(B-2)と(B-3)との混合物)してもよい。
(B)成分の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0質量%超~2質量%未満、より好ましくは0.01質量%以上2質量%未満、更に好ましくは0.05~1質量%、特に好ましくは0.1~0.5質量%である。含量を0質量%超~2質量%未満とすると、より優れた配合目的を達成しつつ、長期保存中の液体柔軟剤組成物における斑状の分離の発生を抑制できる。
〔(B)成分の(A)成分に対する配合比〕
(B)成分の(A)成分に対する質量比(B/A)は、好ましくは0.001~0.2、更に好ましくは0.005~0.1、特に好ましくは0.01~0.06である。
B/A比が0.001以上であると、(B)成分の配合効果がより高くなる。
B/A比が0.2以下であると、長期保存中の液体柔軟剤組成物における斑状の分離の発生をより抑制することができる。
〔(C)成分〕
(C)成分は、後述する(C-1)~(C-3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(C)成分は、長期保存中の液体柔軟剤組成物における斑状の分離(後述する含量で(D)成分を配合したときに起こりやすい)の発生を抑制するために配合する。
〔(C-1)〕
(C-1)は、炭素数6~24の脂肪族カルボン酸又は炭素数7~24の芳香族カルボン酸と、炭素数1~24の1価~6価の脂肪族アルコール又は炭素数7~24の1価の芳香族アルコールとのエステルである。
脂肪族カルボン酸の炭素数は6~24、好ましくは6~18、より好ましくは8~16である。脂肪族カルボン酸を構成する炭化水素基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、不飽和炭素結合を含んでいてもよい。
脂肪族カルボン酸の例としては、カプリル酸(炭素数8)、カプリン酸(炭素数10)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)や、ステアリン酸(炭素数18)等が挙げられ、カプリル酸、カプリン酸及びミリスチン酸が好ましい。
芳香族カルボン酸の炭素数は7~24、好ましくは7~18、より好ましくは7~12である。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸が好ましい。
脂肪族アルコールの炭素数は1~24、好ましくは2~22、より好ましくは3~20である。
脂肪族アルコールを構成する炭化水素基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、不飽和炭素結合を含んでいてもよい。
脂肪族アルコールの価数は1~6、好ましくは1~3である。脂肪族アルコールの価数が2以上の場合、そのヒドロキシル基は一種類のカルボン酸とエステルを形成してもよく、異なる種類のカルボン酸とエステルを形成していてもよい。
脂肪族アルコールの具体例としては、グリセリン(炭素数3の3価アルコール)、オクチルドデカノール(炭素数20の分岐鎖1価アルコール)、イソプロパノール(炭素数3の分岐鎖1価アルコール)や、ペンタエリスリトール(炭素数5の分岐鎖4価アルコール)、ソルビトール(炭素数6の6価アルコール)、ソルビタン(炭素数6の分岐鎖4価アルコール)等が挙げられ、グリセリン及びオクチルドデカノールが好ましい。
芳香族アルコールの炭素数は7~24、好ましくは7~18、より好ましくは7~12である。
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコールが好ましい。
(C-1)の具体例としては、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル等が挙げられ、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル及び安息香酸ベンジルが好ましく、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリルが更に好ましい。
なお、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルは、1分子のグリセリンに含まれるヒドロキシル基が2種類のカルボン酸(カプリル酸及びカプリン酸)と結合することで形成されるエステルである。
(C-1)は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(例えば、トリカプリル酸グリセリルとトリカプリン酸グリセリルとの混合物)してもよい。
〔(C-2)〕
(C-2)は、一般式(C2)で表される化合物である。
6-(AO)n-R6 (C2)
(式中、
6はそれぞれ独立に、炭素数6~24の脂肪酸由来のアシル基又はアシルオキシ基、H、又はCH3であり、
但し、R6の少なくとも1つは、炭素数6~24の脂肪酸由来のアシル基又はアシルオキシ基であり、
AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、
nは、2~100である。)
6のアシル基又はアシルオキシ基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、二重結合や三重結合を含んでいてもよい。アシル基及びアシルオキシ基の炭素数は、好ましくは10~20であり、より好ましくは12~18である。
6の基となる脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、ヤシ油脂肪酸や、カプリル酸等が挙げられる。
AOの具体例としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基や、オキシブチレン基が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基である。
(C-2)は、AOとして複数種のオキシアルキレン基(例えば、オキシエチレン基とオキシプロピレン基)を含んでいてもよい。
nは、好ましくは3~80、より好ましくは4~30、特に好ましくは5~20である。
(C-2)の具体例としては、ジイソステアリン酸PEG12(一般式(C2)において、R6がイソステアリン酸由来の炭素数18のアシルオキシ基であり、AOがオキシエチレン基であり、nが12の化合物)、ジステアリン酸PEG12、ジオレイン酸PEG12、ジラウリン酸PEG12、ジラウリン酸PEG75や、ラウリン酸PEG4等が挙げられ、ジイソステアリン酸PEG12が好ましい。
(C-2)は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
〔(C-3)〕
(C-3)は、炭素数が12~24のアルコールである。
(C-3)のアルコールの炭素数は、好ましくは14~20、より好ましくは16~18である。
(C-3)は、脂肪族アルコールでもよく、芳香族アルコールであってもよい。
脂肪族アルコールを構成する炭化水素基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、不飽和炭素結合を含んでいてもよい。
(C-3)としては、1-ヘキサデカノール(炭素数16)が好ましい。
(C-3)は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
(C)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(C)成分は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(例えば、(C-1)と(C-2)と(C-3)との混合物)してもよい。
(C)成分の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.1質量%未満、好ましくは0.001質量%以上1.1質量%未満、更に好ましくは0.01質量%以上0.8質量未満、特に好ましくは0.05質量%以上0.5質量%未満である。含量を0質量%超~1.1質量%未満とすることで、配合目的を達成できる。
〔(D)成分〕
(D)成分は、カプセルに内包されていない香料(フリー香料)である。
(D)成分は、液体柔軟剤組成物へ香りつけ、更には同組成物による処理後の繊維製品の香りつけのために配合する。その際、(D)成分は、その香りによるマスキング効果により、繊維製品へ防臭性を付与することがある。但し、後述するとおり、(D)成分は、柔軟処理後の繊維製品に残る香りを抑制できる量で配合される。
(D)成分としては液体柔軟剤分野で汎用されている香料を使用可能であり特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
(D)成分のClogP値は特に制限されない。本発明の完成に先立ち、本発明者は、香料のClogP値が低い(5.0以下、特に3.0以下)と、液体柔軟剤の内部に斑状の分離を発生しやすいという事象を見いだしているが、そのような低ClogP値の香料を用いた場合でも、本発明に従うことで、斑状の分離の発生を抑制できる。
なお、(D)成分が複数種類の香料を含む香料組成物である場合、前述の5.0以下のClogP値は、香料組成物に含まれる全ての香料のClogP値から算出される平均ClogP値が5.0以下であることをいう。
ClogP値とは、化学物質について、1-オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1-オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。
ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
(D)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(香料組成物)してもよい。
香料組成物には、液体柔軟剤組成物に一般的に使用される溶剤を配合してもよい。香料用溶剤としては、ジプロピレングリコール(DPG)やイソプロピルミリステレート(IPM)等が挙げられる。
(D)成分の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.5質量%未満、好ましくは0.1~1.5質量%、更に好ましくは0.5~1.3質量%である。(D)成分の含量が0質量%超であると配合目的を達成でき、1.5質量%未満であると柔軟処理後の繊維製品に残る香りを抑制しつつ、長期保存中の液体柔軟剤組成物における斑状の分離の発生も抑制できる。
〔乳濁型の液体柔軟剤組成物〕
液体柔軟剤組成物は乳濁型である。「乳濁」とは、測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた際に、試料の可視光線透過率(波長660nm)が30%未満であることをいう。
〔任意成分〕
液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)~(D)の必須成分以外の下記の任意成分を配合してもよい。
〔ポリオキシエチレンアルキルエーテル〕
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、液体柔軟剤組成物の安定性(特に凍結復元性)を向上するために配合する。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。例としては、炭素数10~22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数が10~100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。なかでも、炭素数10~18のアルキル基を有し、EOの平均付加モル数が20~80モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、一級イソトリデシルアルコール(炭素数13)にエチレンオキシド(EO)を平均60モル付加したもの、一級イソトリデシルアルコールにエチレンオキシド(EO)を平均40モル付加したものや、アルキル基の炭素数が12~14の直鎖型第2級アルコールにEOを平均50モル付加したもの等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは公知物質であり、市場で容易に入手可能である。市販品としては、ライオンケミカル(株)より販売されている、商品名:TA600-75(1級イソトリデシルアルコール(炭素数13)のEO60モル付加物)や、商品名:レオコールTDA-400-75(1級イソトリデシルアルコールのEO40モル付加物)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.2~10.0質量%、より好ましくは1.0~7.0質量%、さらに好ましくは1.5~4.0質量%である。
〔ポリオキシエチレンアルキルアミン〕
ポリオキシエチレンアルキルアミンは、液体柔軟剤組成物の安定性(特に凍結復元性)を向上するために配合する。
ポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体的には、EOの平均付加モル数が10~100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアミンは公知物質であり、市場で容易に入手可能である。 ポリオキシエチレンアルキルアミンは、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
ポリオキシエチレンアルキルアミンの含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.2~10.0質量%、より好ましくは1.0~7.0質量%、さらに好ましくは1.5~4.0質量%である。
〔デキストリン類〕
デキストリン類は構造粘性付与剤であり、機能性カプセルの分散性を向上させるために配合する。また、デキストリン類は消臭剤でもあり、繊維製品へ消臭性を付与するためにも配合する。
デキストリン類としては、シクロデキストリンや、高度分岐環状デキストリン等が挙げられる。高度分岐環状デキストリンとしては、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する重合度が50~10000の範囲にあるグルカンであって、内分岐環状構造部分はα-1,4-グルコシド結合とα-1,6-グルコシド結合とで形成される環状のグルカン鎖であり、外分岐構造部分は内分岐環状構造部分に結合した非環状のグルカン鎖であるデキストリンが挙げられる。高度分岐環状デキストリンとしては、クラスターデキストリン(グリコ栄養食品株式会社製)等が挙げられる。
デキストリン類は公知物質であり、市場で容易に入手可能である。
デキストリン類は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
デキストリン類の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1~3質量%である。
〔防腐剤〕
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合する。
防腐剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.0001~1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持できる。
〔粘度調節剤〕
粘度調節剤は液体柔軟剤組成物の使用性を更に向上するために配合する。
粘度調節剤の具体例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。
粘度調節剤は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
粘度調節剤の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.001~0.5質量%、好ましくは0.003~0.2質量%、より好ましくは0.005~0.1質量%である。である。
〔水溶性溶剤〕
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合する。
水溶性溶剤としては、炭素数1~4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤及び多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤からなる群から選ばれるものが好ましい。
4-O-(C24O)y-(C36O)Z-H ・・・(X)
(式中、R4は、炭素数1~6、好ましくは2~4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1~10、好ましくは2~5であり、zは0~5、好ましくは0~2である。)
水溶性溶剤としては、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
水溶性溶剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0質量%超~5質量%未満、より好ましくは0.1~3質量%である。水溶性溶剤の含量が5質量%未満であると、液体柔軟剤組成物の保存安定性、特に凍結復元性を向上できる。
〔機能性カプセル〕
機能性カプセルは、カプセル内に内包された芯物質に起因する様々な機能を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
機能性カプセルは、芯物質と当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
芯物質としては、液体柔軟剤分野でカプセル封入物質として一般的に用いられているものを特に制限なく使用できる。具体例としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤、香味料、甘味料、ワックス、薬剤、肥料や、除草剤等が挙げられる。
芯物質は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
壁物質としては、液体柔軟剤組成物分野でカプセル化材料として一般的に用いられているものを特に制限なく使用できる。具体例としては、ゼラチンや寒天等の天然系高分子や、油脂やワックス等の油性膜形成物質や、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質等を挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。
香料を芯物質とするカプセル化香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」;ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS及びCOSMICCAPSや;IFF社製のUNICAP101及びUNICAP503等が挙げられる。
冷感剤を芯物質とする冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCoolや、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA-C等が挙げられる。
温感剤を芯物質とする温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC-TOや、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heat等が挙げられる。
他の具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO-W(抗菌効果)や、リケンレジンRMC-HBP(防虫効果)及びRMC-PT(防虫効果)等が挙げられる。
機能性カプセルの平均粒子径は10~30μmであることが好ましい。前記粒子径を有する機能性カプセルは、衣類への吸着性に優れ、かつ液体柔軟剤組成物中に安定に分散することができる。
機能性カプセルは単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
機能性カプセルの含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.0001~1質量%である。
〔水〕
液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水や、蒸留水等を使用できるが、イオン交換水が好ましい。
水の含量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。配合量が50質量%以上であると、ハンドリング性がより良好となる。
〔シリコーン化合物〕
シリコーン化合物は、香り持続性の更なる向上を主目的として配合する。
シリコーン化合物は、液体柔軟剤組成物分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。
シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、架橋していてもよい。
シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよい。変性シリコーン化合物は、1種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルでもよく、任意の乳化剤で分散されたエマルジョンであってもよい。
シリコーン化合物の具体例としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンや、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
汎用性や香り持続性向上の観点からは、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンや、ジメチルシリコーンが好ましい。香り持続性の更なる向上や製造時の取り扱いの観点からは、ポリエーテル変性シリコーンやアミノ変性シリコーンが好ましい。
ジメチルシリコーンの動粘度は特に制限されないが、1~100,000,000mm2/sが好ましく、10~10,000,000mm2/sがより好ましく、100~1,000,000mm2/sが更に好ましい。ジメチルシリコーンは、オイルでもエマルジョンでもよい。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体等が挙げられる。アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数は1~3が好ましい。ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数は2~5が好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンや、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が挙げられる。具体例としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023058945000011
(式中、M、N、a及びbは、それぞれ独立して平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基である)
一般式(I)中、Mは、10~10,000、好ましくは100~300である。
Nは、1~1,000、好ましくは1~100である。更に、M>Nであることが好ましい。
aは、2~100であり、好ましくは2~50である。
bは、0~50であり、好ましくは0~10である。
Rは、水素又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素-炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることで製造できる。この場合、生成物中に未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si-Hの量として)であることが好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとして、下記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体も挙げられる。
Figure 2023058945000012
(式中、A、B、h及びiは、それぞれ平均重合度であり、Rはアルキル基であり、R’は水素又はアルキル基である。)
一般式(II)中、Aは5~10,000であり、
Bは、2~10,000であり、
hは、2~100であり、
iは、0~50である。
Rは、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましい。
R’は、水素又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造できる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、エタノール、ジプロピレングリコールや、ブチルカルビトール等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、FZ-2166、FZ-2120、L-720、SH8700、L-7002、L-7001、SF8410、FZ-2164、FZ-2203及びFZ-2208や、信越化学工業(株)製のKF352A、KF615A、X-22-6191、X-22-4515、KF-6012及びKF-6004や、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452及びTSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンは、ジメチルシリコーン骨格の末端あるいは側鎖にアミノ基を導入したものである。アミノ基以外に、水酸基、アルキル基やフェニル基等の置換基が導入されていてもよい。
アミノ変性シリコーンは、オイルでもよく、乳化剤(ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤等)で乳化させたエマルジョンであってもよい。
好ましいアミノ変性シリコーンのオイル、又はエマルジョンにおける基油オイルは、次の一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2023058945000013
(式中、R1及びR6は、互いに同一でも異なっていてもよい、メチル基、水酸基又は水素であり、
2は、-(CH2n-A1、又は、-(CH2n-NHCO-(CH2m-A1(各式中、A1は、-N(R3)(R4)、-N+(R3)(R4)(R5)・X-(各式中、R3、R4及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、フェニル基又は-(CH2n-NH2(式中、nは0~12である)であり、X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン又は硫酸エチルイオンである)であり、m及びnの値は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、0~12の整数である)であり、
p及びqは、それぞれポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、pは0~20000、好ましくは10~10000であり、qは1~500、好ましくは1~100である。)
アミノ変性シリコーンのオイルの25℃における動粘度は50~20000mm2/sであることが好ましく、100~10000mm2/sであることがより好ましい。動粘度がこの範囲にあると、高い香り持続性効果が発現されるとともに、製造性が良好となり、製品の取り扱いも容易になる。
アミノ変性シリコーンとしては、商業的に入手できる製品を使用できる。
アミノ変性シリコーンオイルの製品の例としては、東レ・ダウコーニング株式会社のSF-8417、BY16-892及びBY16-890や、信越化学工業株式会社のKF-864、KF-860、KF-8004、KF-8002、KF-8005、KF-867、KF-861、KF-880及びKF-867S等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンの製品の例としては、東レ・ダウコーニング株式会社のSM8904、BY22-079、FZ-4671及びFZ-4672や、信越化学工業株式会社のPolonシリーズ(PolonMF-14、PolonMF-29、PolonMF-14D、PolonMF-44、PolonMF-14EC、PolonMF-52)や、、旭化成ワッカーシリコーン(株)のWACKER FC201等があげられる。
シリコーン化合物は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
シリコーン化合物の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01~10質量%、更に好ましくは0.05~8質量%、特に好ましくは0.1~5質量%である。
〔(B)成分を除く抗菌剤〕
抗菌剤は、繊維製品へより高い抗菌性を付与し、更には液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合する。
抗菌剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、ダイクロサン、トリクロサン、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。なかでも、ビグアニド系化合物や塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.001~5質量%である。
〔液体柔軟剤組成物のpH〕
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解を抑制する観点から、25℃におけるpHを、好ましくは1~6、更に好ましくは2~4の範囲に調整する。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩等を使用できる。
〔液体柔軟剤組成物の粘度〕
液体柔軟剤組成物の粘度は特に限定されないが、その使用性及び分離安定性や機能性カプセルの分散安定性等を向上させる観点から、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2、スピンドル回転速度30rpm)で測定した粘度(25℃)が1~1000mPa・sであることが好ましい。
〔液体柔軟剤組成物のTI値〕
液体柔軟剤組成物は、下記の計算式で算出され、チキソトロピー性を反映する指標となるTI値が、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは2.0~4.0である。計算式中、6rpm及び60rpmは、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)のスピンドル回転速度である。

TI値=(6rpm下での粘度値)/(60rpm下での粘度値)

せん断速度(スピンドル回転速度)が変わっても粘度の変化がない水のようなニュートン流体の場合、TI値は1となる。1より大きいTI値は、せん断速度が小さい方が、せん断速度が大きい場合に比べ高い粘度を有すること(すなわち、チキソトロピー性を有する)ことを示す。
液体柔軟剤組成物のTI値が2.0以上であると、優れたチキソトロピー性が得られ、機能性カプセルの分散安定性が向上する。TI値が5.0以下であると、優れたチキソトロピー性による機能性カプセルの分散安定性の向上を保持しつつ、液体柔軟剤組成物の計量時に当該組成物をキャップへ取り出しにくい等の不具合を抑制できる。
〔製造方法〕
液体柔軟剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む油相と、水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、得られた乳化物に、必要に応じて他の成分を添加、混合することにより、液体柔軟剤組成物を製造できる。
(C)成分は、乳化物を形成する前に、油相へ予め添加しておくことが好ましい。
〔液体柔軟剤組成物の使用方法〕
液体柔軟剤組成物を用いた繊維製品の処理方法は特に制限されず、従来の液体柔軟剤と同様に使用できる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に液体柔軟剤組成物を溶解させて処理を行う、又はたらいのような容器中で液体柔軟剤組成物を水に溶解させ、更に繊維製品を入れて浸漬処理する方法がある。いずれも場合も適度な濃度に希釈して使用するが、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3~100倍、特に5~50倍であることが好ましい。具体的には、全使用水量に対して、(A)成分の濃度が好ましくは0.01ppm~1000ppm、さらに好ましくは0.1ppm~300ppmとなるような量で使用される。
液体柔軟剤組成物で処理可能な繊維製品の種類は特に限定されず、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツや、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、各成分の配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
〔(A)成分〕
下記のA-1~A-2を使用した。

A-1:特開2003-12471号公報の実施例4に記載の手順に従って合成したカチオン界面活性剤。A-1は、一般式(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基又はアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。

A-2:商品名「Stepantex SE-88」、ステパン(Stepan)社製。A-2は、一般式(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基又はアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
〔(B)成分〕
下記のB-1~B-3及びB-5を使用した。

B-1:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(リポカード16-29;ライオンスペシャリティケミカルズ社製)。B-1は、一般式(B1)(式中、R1はヘキサデシル基(炭素数16)であり、R2、R3及びR4はメチル基であり、X-は塩素イオンである)で表される化合物である。

B-2:ミリスチルジメチルアミンオキシド(カデナックスDM14D-N;ライオンスペシャリティケミカルズ社製)。B-2は、1個のミリスチル基(炭素数14)と、2個のメチル基とを有するアミンオキシドである。B-2は、一般式(B3-1)(式中、R1はミリスチル基であり、R2とR3はメチル基である)で表される化合物でもある。

B-3:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(リポカード210-50E;ライオンスペシャリティケミカルズ社製)。B-3は、一般式(B1)(式中、R1及びR2はデシル基(炭素数10)であり、R3及びR4はメチル基であり、X-は塩素イオンである)で表される化合物である。

B-5:塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業製)。B-5は、一般式(B2)(式中、R5はセチル基(炭素数16)であり、X-は塩素イオンである)で表される化合物である。
〔(C)成分〕
下記のC-1-1~C-3を使用した。

C-1-1:トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル(NIKKOL トリエスターF-810;NIKKO CHEMICALS社製)。C-1-1は、1分子のグリセリンに含まれるヒドロキシル基が2種類のカルボン酸(カプリル酸及びカプリン酸)と結合することで形成されるエステルである。

C-1-2:ミリスチン酸オクチルドデシル(NIKKOL ODM-100;NIKKO CHEMICALS社製)

C-1-3:Benzyl Benzoate(東京化成工業株式会社製)。C-1-3は、安息香酸ベンジルである。

C-2:ノニオン DIS-600(日油株式会社製)。C-2は、ジイソステアリン酸PEG12(一般式(C2)において、R6がイソステアリン酸由来の炭素数18のアシルオキシ基であり、AOがオキシエチレン基であり、nが12の化合物)である。

C-3:1-Hexadecanol(東京化成工業株式会社製)。C-3は、1-ヘキサデカノール(炭素数16)である。
〔(D)成分〕
下記表に示す組成を有する香料組成物D-1を使用した。表中の各香料成分の数値は、香料組成物D-1の総質量に対する質量%である。また、D-1を構成する香料のClogP値の平均値は3.0であった。

Figure 2023058945000014
〔その他の成分〕
下記の共通成分を使用した。表中の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する値である。
Figure 2023058945000015
〔液体柔軟剤組成物の調製方法〕
後記の表1に示す組成を有する液体柔軟剤組成物を調製した。表1中、各成分の数値の単位は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する質量%である。
表1中の「B/A」は、(B)成分の(A)成分に対する質量比を示す。
液体柔軟剤組成物を、ガラス容器(内径100mm、高さ150mm)と攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)とを用い、次の手順により調製した。
まず、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及びノニオン界面活性剤を混合攪拌して油相混合物を得た。
他方、防腐剤をバランス用イオン交換水に溶解して水相混合物を得た。バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物の量を差し引いた残部に相当した。
次に(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌(回転速度1,000rpm)は、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。
しかる後、防腐剤以外の共通成分を添加し、必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpHを3.0(25℃)に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物を得た。
外観を目視評価したところ、実施例及び比較例の各液体柔軟剤組成物は、透明ではなく、前述した条件下での可視光線透過率が30%未満あることを直ちに判断できる程度まで濁っていたため、乳濁型であった。
各液体柔軟剤組成物の「香り強度」、「防臭性」及び「保存安定性(斑状の分離の発生)」を、以下の手順に従い評価した。
〔香り強度の評価〕
1.評価用布の柔軟処理
1-1.前処理
市販の綿タオル(東進社製)を評価用布とした。評価用布を、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)と二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)とを用いて、以下の前処理に3回供した。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄(10分間)と、続く注水すすぎ(10分間)とのサイクルを2回。
1-2.柔軟処理
前処理後の評価用布を、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)と市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)とを用いて洗浄(10分間、標準使用量、標準コース、浴比30倍、25℃の水道水使用)し、脱水(1分間)した。続いて、1回目のすすぎ(3分間)、脱水(1分間)及び2回目のすすぎ(3分間)を行った。2回目のすすぎの開始時に、各液体柔軟剤組成物を添加して柔軟処理(3分間、柔軟剤使用量10ml/布量1.5kg、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。柔軟処理後に脱水(1分間)し、二槽式洗濯機から取り出した評価用布を、恒温恒湿条件(20℃、40%RH)下で乾燥(18時間)させた後、香り強度の評価に供した。
2.処理布の香り強度評価
乾燥後の評価用布の香り強度を、下記の評価基準に従い官能評価した。専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)を、下記の判定基準に適用して香り強度を判定した。判定結果を表1の「香り強度」の欄に示す。商品価値上、○以上を合格とした。

<評価基準>
0:無臭
1:やっと検知できる程度の香り
2:何の香りか分かる程度の香り
3:楽に感知できる香り
4:強い香り
5:強烈な香り

<判定基準>
◎:3点未満
○:3点以上4点未満
×:4点以上
〔防臭性の評価〕
1.評価用布の柔軟処理
1-1.前処理
市販の綿肌シャツ(BVD製)を評価用布とした。評価用布を、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)と二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)とを用いて、以下の前処理に3回供した。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄(10分間)と、続く注水すすぎ(10分間)とのサイクルを2回。
1-2.柔軟処理
前処理した評価用布を、布片A及び布片Bへと半裁した。布片Bは比較例1の液体柔軟剤組成物で、布片Aは実施例又は他の比較例のいずれかの液体柔軟剤組成物で以下の柔軟処理に供した。
前処理後の布片を、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)と市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)とを用いて洗浄(10分間、標準使用量、標準コース、浴比30倍、25℃の水道水使用)し、脱水(1分間)した。続いて、1回目のすすぎ(3分間)、脱水(1分間)及び2回目のすすぎ(3分間)を行った。2回目のすすぎの開始時に、各液体柔軟剤組成物を添加して柔軟処理(3分間、柔軟剤使用量10ml/布量1.5kg、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。柔軟処理後に脱水(1分間)し、二槽式洗濯機から取り出した布片を、恒温恒湿条件(20℃、40%RH)下で乾燥(1日)させた。乾燥後の布片A及びBを縫い合わせて肌シャツとした後、下記の防臭性評価に供した。
2.評価用布の防臭性評価
肌シャツを、20~30代の男性5名に1日間着用させた。着用後の肌シャツのニオイ(皮脂臭や汗臭等の不快なニオイ)を、下記の評価基準に従う官能一対比較に供した。
専門パネラー4名の平均点(小数点第1位まで算出)を、下記の判定基準に適用して防臭性を判定した。判定結果を表1の「防臭性」の欄に示す。商品価値上、○以上を合格とした。

<評価基準>
2:対照よりもはっきりと良好である。
1:対照よりもやや良好である。
0:対照とほぼ同じである。
-1:対照の方がやや良好である。
-2:対照の方がはっきりと良好である。
(対照は、比較例1の液体柔軟剤組成物で柔軟処理した布片Bのニオイ)

<判定基準>
◎◎:2.0点
◎:1.5点以上2.0点未満
○:1.0点以上1.5点未満
△:0.5点以上1.0点未満
×:0.5点未満
〔保存安定性(斑状の分離による外観低下)〕
液体柔軟剤組成物を軽量ガラスビン(PS-No.11、田沼硝子工業所製)に80mL入れて密栓したものを評価用サンプルとした。評価用サンプルを、耐久試験(温度変化サイクル(5℃で12時間の静置保管、続く40℃で12時間の静置保管)を3回。続いて、5℃で6時間の静置保管)に供した。耐久試験後の液状態を下記の評価基準に従い目視評価した。専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)を、下記の判定基準に適用して保存安定性を判定した。判定結果を表1の「斑分離」の欄に示す。商品価値上、○以上を合格とした。

<評価基準>
3:耐久試験前と比較してまったく変わらない。
2:耐久試験前と比較してほとんど変わらないが、光を照らすと斑状態の分離がわずかに見られる。
1:耐久試験前と比較してほとんど変わらないが、光を照らすと斑状態の分離がかなり見られる。
0:耐久試験前と比較して、光を照らさなくても斑状態の分離がかなり見られる。

<判定基準>
◎◎:2.5点以上
◎:2.0点以上2.5点未満
○:1.5点以上2.0点未満
△:1.0点以上1.5点未満
×:1.0点未満
本発明は、柔軟剤分野で利用可能である。
Figure 2023058945000016

Claims (9)

  1. 液体柔軟剤組成物であって、
    下記(A)~(D)成分:
    (A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;
    (B)下記(B-1)~(B-3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物:
    (B-1)一般式(B1)で表される化合物:
    Figure 2023058945000017
    (式中、
    1は、炭素数6~24の炭化水素基であり、
    2は、炭素数6~24の炭化水素基、ベンジル基、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
    3及びR4は、独立して、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
    -は、陰イオン基である。);
    (B-2)一般式(B2)で表される化合物:
    Figure 2023058945000018
    (式中、
    5は、炭素数8~18の炭化水素基であり、
    -は、陰イオン基である。);
    (B-3)置換されていてもよい炭素数6~24の炭化水素基を1個と、同一又は異なる、置換されていてもよい炭素数1~3の炭化水素基を2個とを有するアミンオキシド;
    (C)下記(C-1)~(C-3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物:
    (C-1)炭素数6~24の脂肪族カルボン酸又は炭素数7~24の芳香族カルボン酸と、炭素数1~24の1価~6価の脂肪族アルコール又は炭素数7~24の1価の芳香族アルコールとのエステル;
    (C-2)一般式(C2)で表される化合物:
    6-(AO)n-R6 (C2)
    (式中、
    6はそれぞれ独立に、炭素数6~24の脂肪酸由来のアシル基又はアシルオキシ基、H、又はCH3であり、
    但し、R6の少なくとも1つは、炭素数6~24の脂肪酸由来のアシル基又はアシルオキシ基であり、
    AOは、炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、
    nは、2~100である。);
    (C-3)炭素数12~24のアルコール;
    (D)フリー香料、を含み、
    (C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.1質量%未満であり、
    (D)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~1.5質量%未満であり、かつ、
    液体柔軟剤組成物が乳濁型であることを特徴とする、液体柔軟剤組成物。
  2. (B-1)が、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルメチルエチルエトサルフェート、テトラデシルジメチルエチルエトサルフェート、及び塩化ベンザルコニウムからなる群より選ばれる、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (B-2)が、塩化セチルピリジニウムである、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (B-3)が、一般式(B3-1)又は(B3-2)で表される化合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 2023058945000019
    (式中、
    1は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルケニル基であり、
    2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基(好ましくはメチル基)、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基である。)

    Figure 2023058945000020
    (式中、
    1は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8~18の置換されていてもよいアルケニル基であり、
    2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基(好ましくはメチル基)、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、
    4は炭素数1~5のアルキレン基であり、
    Yは-CONR5-、-NR5CO-、-COO-、又は-OCO-(R5は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である)である。)
  5. (B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、0質量%超~2質量%未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  6. (B)成分の(A)成分に対する質量比(B/A)が0.001~0.2である、請求項1~5のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  7. (C-1)が、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルからなる群より選ばれる、請求項1~6のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  8. (C-2)が、ジイソステアリン酸PEG12、ジステアリン酸PEG12、ジオレイン酸PEG12、ジラウリン酸PEG12、ジラウリン酸PEG75、及びラウリン酸PEG4からなる群より選ばれる、請求項1~7のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  9. (C-3)が、1-ヘキサデカノールである、請求項1~8のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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