JP2023056844A - チップ抵抗器およびチップ抵抗器の製造方法 - Google Patents

チップ抵抗器およびチップ抵抗器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部めっき層の剥がれを防止して耐食性に優れたチップ抵抗器を提供する。【解決手段】本発明のチップ抵抗器1は、絶縁基板2と、絶縁基板2の表面両端部に設けられた一対の表電極3と、両表電極3間を接続する抵抗体5と、表電極3との接続部分を含めて抵抗体5の全体を覆う第1保護膜6と、第1保護膜6の両端部と該第1保護膜から露出する表電極3を覆う一対の第1導電膜7と、第1保護膜6と該第1保護膜6の両端部に重なる第1導電膜7の端部を覆う第2保護膜8と、第2保護膜8から露出する第1導電膜7を覆って該第2保護膜8の両端部に接する一対の第2導電膜9と、絶縁基板2の端面に設けられて表電極3と第1導電膜7および第2導電膜9の各端部に接続する一対の端面電極10と、端面電極10と第2導電膜8を覆う一対の外部めっき層11とを備え、第1導電膜7と第2導電膜8が表電極3よりも硫化し難い金属材料で形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、チップ抵抗器およびその製造方法に関するものである。
一般的にチップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板と、絶縁基板の表面に所定間隔を存して対向配置された一対の表電極と、絶縁基板の裏面に所定間隔を存して対向配置された一対の裏電極と、表電極と裏電極を導通する一対の端面電極と、これら各電極を覆う一対の外部めっき層と、対をなす表電極どうしを橋絡する抵抗体と、抵抗体を覆う絶縁性の保護膜等によって主に構成されている。
この種のチップ抵抗器において、通常、表電極には比抵抗の低いAg(銀)系の金属材料が用いられており、この表電極を覆うように外部めっき層が形成された構成となっているが、外部めっき層と保護膜の境界部分となる隙間から腐食性の強い硫化ガス等が侵入し易いため、表電極と保護膜の境界位置における表電極部分が硫化ガス等によって腐食されて抵抗値変化や断線等の不具合を招来する虞がある。
そこで従来より、図7(a)に示すように、一対の端面電極100を表電極104と保護膜101の境界位置を超えて保護膜101の端部まで覆うように形成すると共に、外部めっき層102を保護膜101の端部に密着させることにより、外部めっき層102と保護膜101との境界部分となる隙間をなくして、表電極104と保護膜101の境界位置における表電極部分が硫化ガスに晒されないようにしたチップ抵抗器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、図7において、符号103は絶縁基板、符号105は抵抗体、符号106は裏電極をそれぞれ示している。
特開2009-158721号公報
ところで、従来の一般的なチップ抵抗器においては、外部めっき層を形成する場合、無電解めっきに比べて価格的に安くめっき処理時間も短い等の利点を有するため、電解めっきが広く採用されている。かかる電解めっきにおいて、電流は被めっき物である電極表面の等電位面に垂直に流れることから、複雑な形状の被めっき物では電流分布が不均一になり、均一な厚さのめっき皮膜を形成することが困難となる。
前述した図7(a)に示す構成のチップ抵抗器では、電解めっきによって外部めっき層102を形成する場合、外部めっき層102の先端に電流密度が集中するため、図7(b)に示すように、保護膜101の端部に密着する外部めっき層102の先端に膜厚部102aが生じ易くなる。そして、このような膜厚部102aが形成されると、保護膜101の端部に密着する外部めっき層102が、先端の膜厚部102a側から剥がれ易くなるため、結果的に外部めっき層102と保護膜101の境界部分に隙間ができ、当該部分から硫化ガス等が入り込んでしまうことになる。
本発明は、上記した従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、外部めっき層の剥がれを防止して耐食性に優れたチップ抵抗器を提供することにあり、第2の目的は、そのようなチップ抵抗器の製造方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、本発明のチップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面両端部に設けられた一対の電極と、一対の前記電極間を接続する抵抗体と、前記電極との接続部分を含めて前記抵抗体の全体を覆う絶縁性の第1保護膜と、前記第1保護膜の両端部と該第1保護膜から露出する前記電極の露出部全体を覆う一対の第1導電膜と、前記第1保護膜の少なくとも一部と該第1保護膜の両端部に重なる前記第1導電膜の一端部とを覆う絶縁性の第2保護膜と、前記第2保護膜から露出する前記第1導電膜の露出部全体を覆うと共に該第2保護膜の両端部に接する一対の第2導電膜と、前記絶縁基板の両端面に延在して前記電極と前記第1導電膜および前記第2導電膜の各端部に接続する一対の端面電極と、前記端面電極と前記第2導電膜を覆う一対の外部めっき層と、を備え、前記第1導電膜と前記第2導電膜が前記電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料で形成されている、ことを特徴としている。
このように構成されたチップ抵抗器では、電極に導通する2層構造の第1導電膜と第2導電膜のうち、上層の第2導電膜が第2保護膜の端部に接しているため、外部めっき層を電解めっきによって形成する際に、外部めっき層の先端の電流密度が下がって膜厚部とならず、膜厚部に起因する外部めっき層の剥がれを抑制することができる。また、これら第1導電膜と第2導電膜が電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料で形成されているため、外部めっき層と第2保護膜の境界部分から硫化ガスが入り込んだとしても、電極の露出部全体を覆う第1導電膜によって硫化ガスの透過が抑制され、耐腐食性を高めることができる。しかも、第1導電膜が第1保護膜の端部と電極の露出部を覆うことで、第2保護膜と電極が接触しないようになっているため、第2保護膜の内部を透過した硫化ガスは第1導電膜によって遮断され、この点からも耐腐食性を高めることができる。さらに、金属材料で形成された第1導電膜と第2導電膜の電気導電率は樹脂材料に比べて非常に高いため、低抵抗の領域であってもTCR(抵抗温度係数)の増加を抑制することができる。
上記構成のチップ抵抗器において、外部めっき層がNiめっきからなるバリア層を有しており、第1導電膜がCrを含む合金材料で形成されていると共に、第2導電膜がNiを含む合金材料で形成されていることが好ましい。このように構成すると、硫化に強いCr系合金からなる第1導電膜によって電極の耐腐食性を高めることができるだけでなく、Cr系合金の表面に生じる不導体膜(酸化被膜)がNiめっきの形成を阻害するという難点を、Ni系合金からなる第2導電膜を第1導電膜の上面に設けることで解消し、Niめっきからなるバリア層を容易に生成することができる。
また、上記構成のチップ抵抗器において、第1導電膜をスパッタリングによって形成する場合、スパッタ膜の膜厚が薄過ぎると隙間が発生し、硫化ガスの透過を遮断する機能が低下するため、第1導電膜は1.0μm以上の膜厚を有するスパッタ膜であることが好ましい。
また、上記構成のチップ抵抗器において、第1保護膜の表面に粗面化処理された粗面部が形成されており、この粗面部上に第1導電膜の一部が形成されていると、粗面部のアンカー効果によって第1保護膜と第1導電膜の密着性が高まるため、耐腐食性をより一層向上させることができる。
上記第2の目的を達成するために、本発明のチップ抵抗器の製造方法は、絶縁基板上に抵抗体と該抵抗体の両端部に接続する電極を形成する工程と、前記電極との接続部分を含めて前記抵抗体の全体を覆うように絶縁性の第1保護膜を形成する工程と、前記第1保護膜の両端部と該第1保護膜から露出する前記電極の露出部分との表面に金属粒子をスパッタリングすることにより、前記電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料からなる第1導電膜を形成する工程と、前記第1保護膜の両端部を除く残余の部分と該第1保護膜の両端部に重なる前記第1導電膜の一端部を覆うように絶縁性の第2保護膜を形成する工程と、前記第2保護膜の両端部と該第2保護膜から露出する前記第1導電膜の露出部分との表面に金属粒子をスパッタリングすることにより、前記電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料からなる第2導電膜を形成する工程と、前記絶縁基板の端面に金属粒子をスパッタリングすることにより、前記電極と前記第1導電膜および前記第2導電膜の各端部に接続する端面電極を形成する工程と、電解めっきを施して前記端面電極と前記第2導電膜を覆う外部めっき層を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
上記構成のチップ抵抗器の製造方法において、第1導電膜と第2導電膜を形成するスパッタリングは、絶縁基板の上面に向かって行われることが好ましい。
また、上記構成のチップ抵抗器の製造方法において、第1保護膜の表面を酸またはアルカリ溶液により粗面化する工程をさらに含んでいると、粗面化された部分のアンカー効果によって第1保護膜と第1導電膜の密着性が高まるため、耐腐食性をより一層向上させることができる。
本発明によれば、外部めっき層の剥がれを防止して耐食性に優れたチップ抵抗器を提供することができる。
本発明の実施形態に係るチップ抵抗器の平面図である。 図1のII-II線に沿う拡大断面図である。 該チップ抵抗器の製造工程を示す平面図である。 該チップ抵抗器の製造工程を示す平面図である。 該チップ抵抗器の製造工程を示す断面図である。 該チップ抵抗器の製造工程を示す断面図である。 従来例に係るチップ抵抗器の断面図である。
以下、発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係るチップ抵抗器の平面図、図2は図1のII-II線に沿う拡大断面図、図3と図4は該チップ抵抗器の製造工程を示す平面図、図5と図6は該チップ抵抗器の製造工程を示す断面図である。
図1と図2に示すように、本実施形態に係るチップ抵抗器1は、直方体形状の絶縁基板2と、絶縁基板2の上面における長手方向の両端部に設けられた一対の表電極3と、絶縁基板2の下面における長手方向の両端部に設けられた一対の裏電極4と、一対の表電極3に跨るように設けられた長方形状の抵抗体5と、表電極3との接続部分を含めて抵抗体5の全体を覆うアンダーコート層(第1保護膜)6と、アンダーコート層6の両端部と該アンダーコート層6から露出する表電極3の露出部全体とを覆う一対の第1導電膜7と、これら第1導電膜7で挟まれたアンダーコート層6の表面と第1導電膜7のアンダーコート層6上に重なる端部側とを覆うオーバーコート層(第2保護膜)8と、オーバーコート層8から露出する第1導電膜7の露出部全体を覆うと共に該オーバーコート層8の両端部に接する一対の第2導電膜9と、絶縁基板2の両端面に延在して表電極3と裏電極4を導通する一対の端面電極10と、裏電極4と端面電極10および第2導電膜9を覆うように設けられた一対の外部めっき層11と、を備えて構成されている。
絶縁基板2はセラミックス等からなり、この絶縁基板2は後述する大判基板を縦横に延びる一次分割溝と二次分割溝に沿って分割することにより多数個取りされたものである。
表電極3はPd(パラジウム)を1~5wt%含有するAg(銀)系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものである。また、裏電極4はAgペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものである。
抵抗体5は酸化ルテニウム等の抵抗ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、この抵抗体5の長手方向の両端部は表電極3に重なっている。抵抗体5には抵抗値を調整するためのトリミング溝5aが形成されており、このトリミング溝5aはアンダーコート層6の上からレーザー光を照射することによって形成される。
アンダーコート層6はガラスペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、このアンダーコート層6はトリミング溝5aを形成する前に抵抗体5の全体を覆うように形成されている。
オーバーコート層8はエポキシやフェノール等の樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化(焼付け)させたものであり、オーバーコート層8はトリミング溝5aを形成した後のアンダーコート層6を覆うように形成されている。そして、これらアンダーコート層6とオーバーコート層8によって2層構造の絶縁性保護膜が構成されている。
第1導電膜7は表電極3よりも硫化し難い特性を有する金属材料からなり、本実施形態の場合、第1導電膜7は耐硫化性に優れたCrを含有するCr系合金(Ni-Cr)をスバッタリングすることによって形成されている。なお、Crによる耐硫化特性を確保するために、第1導電膜7はCrの含有量が50wt%以上のNi-Crスパッタ膜となっている。この第1導電膜7は、表電極3と外部めっき層11との間に位置し、表電極3に接続するアンダーコート層6の両端部6aと該アンダーコート層6から露出する表電極3の露出部全体とを覆うように形成されている。また、第1導電膜7の膜厚が薄過ぎると隙間が発生し易くなるため、第1導電膜7の膜厚は1.0μm以上に設定されている。
第2導電膜9も表電極3よりも硫化し難い特性を有する金属材料からなり、本実施形態の場合、第2導電膜9はNiを含有するNi系合金(Ni-Cr)をスバッタリングすることによって形成されている。なお、Cr系合金の表面に生じる不導体膜(酸化被膜)を抑えるために、第2導電膜9はCrの含有量が50wt%以下のNi-Crスパッタ膜となっている。この第2導電膜9は、第1導電膜7と外部めっき層11との間に位置し、オーバーコート層8から露出する第1導電膜7の露出部全体を覆うと共に該オーバーコート層8の両端部8aに接するように形成されている。
端面電極10はニッケル(Ni)/クロム(Cr)等をスバッタリングすることによって形成されたものであり、この端面電極10によって絶縁基板2の端面を介して離間する表電極3と裏電極4とが導通されている。端面電極10は、表電極3の端面に接続しているだけでなく、表電極3上に積層された第1導電膜7と第2導電膜9の各端面にも接続している。
外部めっき層11は、内層側のバリア層12と、該バリア層12を覆う外層側の外部接続層13との2層構造からなる。バリア層12は電解めっきによって形成されたNiめっき層であり、このバリア層12は、端面電極10と裏電極4の表面全体を覆うと共に、第2導電膜9の表面全体を覆うように形成されている。外部接続層13は電解めっきによって形成されたSnめっき層であり、この外部接続層13はバリア層12の表面全体を覆っている。
次に、上記の如く構成されたチップ抵抗器1の製造方法について、図3~図6を参照しながら説明する。
まず、格子状に延びる一次分割溝と二次分割溝が形成された大判基板2Aを準備する。これら一次分割溝と二次分割溝によって大判基板2Aの表裏両面は多数のチップ形成領域に区画され、これらチップ形成領域がそれぞれ1個分の絶縁基板2となる。図3~図6には1つのチップ形成領域が代表的に示されているが、実際には、このようなチップ形成領域が格子状に多数配列されている。
そして、図3(a)と図5(a)に示すように、大判基板2Aの裏面にAgペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、各チップ形成領域の長手方向両端部に所定間隔を存して対向する一対の裏電極4を形成する。
次に、図3(b)と図5(b)に示すように、大判基板2Aの表面にAg-Pdペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、各チップ形成領域の長手方向両端部に所定間隔を存して対向する一対の表電極3を形成する。なお、表電極3と裏電極4の形成順序は上記と逆でも良く、表電極3と裏電極4を同時に形成するようにしても良い。
次に、大判基板2Aの表面に酸化ルテニウム等を含有した抵抗ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、図3(c)と図5(c)に示すように、両端部を表電極3に重ね合わせた長方形状の抵抗体5を形成する。
次に、図3(d)と図5(d)に示すように、抵抗体5を覆う領域にガラスペーストをスクリーン印刷してこれを乾燥・焼成することにより、表電極3との接続端部を含めて抵抗体5の全体を被覆するアンダーコート層6を形成する。なお、アンダーコート層6を形成した後、その表面を酸またはアルカリ処理することにより、アンダーコート層6の表面を粗面化する。
次に、このアンダーコート層6の上からレーザー光を照射することにより、図3(e)と図5(e)に示すように、アンダーコート層6と抵抗体5を貫通するトリミング溝5aを形成して抵抗体5の抵抗値を調整する。
次に、アンダーコート層6の表面に水等で洗い流せるマスキングペーストをスクリーン印刷して乾燥することにより、アンダーコート層6の表面にトリミング溝5aを覆う不図示のマスキングを形成する。しかる後、大判基板2Aの表面に向けてCrを主成分とするCr系合金(Ni-Cr)をスパッタリングすることにより、図3(f)と図5(f)に示すように、アンダーコート層6の両端部と表電極3の露出部全体とを覆う一対の第1導電膜7を形成する。ここで、第1導電膜7のCrによる耐硫化特性を確保するために、Ni-Cr中におけるCr含有量は50wt%以上となっており、また、スパッタ膜に隙間が発生するのを防止するために、第1導電膜7の膜厚は1.0μm以上に設定されている。なお、第1導電膜7をスパッタリングする前にアンダーコート層6の表面が粗面化されているため、粗面化された部分のアンカー効果によって第1導電膜7とアンダーコート層6との密着性を高めることができる。
次に、前記マスキングを洗浄して取り除いた後、アンダーコート層6の上からエポキシまたはフェノールの樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化(焼付け)することにより、図4(g)と図6(g)に示すように、両第1導電膜7で挟まれたアンダーコート層6の表面全体と第1導電膜7のアンダーコート層6上に重なる端部側とを覆うオーバーコート層8を形成する。なお、これらアンダーコート層6とオーバーコート層8によって2層構造の絶縁性保護膜が形成される。
次に、大判基板2Aの表面に向けてNiを主成分とするNi系合金(Ni-Cr)をスパッタリングすることにより、図4(h)と図6(h)に示すように、オーバーコート層8から露出する第1導電膜7の露出部全体を覆う一対の第2導電膜9を形成する。これら第2導電膜9は、第1導電膜7とオーバーコート層8の境界部分を超えてオーバーコート層8の両端部に被さって接するように形成される。ここで、第1導電膜7の上面に第2導電膜9を形成する理由は、第1導電膜7の主成分であるCrが非常に酸化され易くて表面に不導体膜(酸化被膜)を生じるため、後工程で行われるバリア層12のNiめっきを第1導電膜7に形成することが困難となるからである。そのため、Niを主成分とするNi系合金からなる第2導電膜9を第1導電膜7上に形成することにより、Niめっきを第2導電膜9に対して容易に形成できるようにしている。ただし、第2導電膜9のNi-Cr中におけるCr含有量が多くなり過ぎると、第2導電膜9の表面にNiめっき形成を阻害する不導体膜が生じてしまうため、第2導電膜9のCr含有量は50wt%以下に設定されている。
これまでの工程は大判基板2Aに対する一括処理であるが、次なる工程では、大判基板2Aを一次分割溝に沿って短冊状に一次分割することにより、チップ形成領域の長手方向を幅寸法とする短冊状基板2Bを得る。
次に、この短冊状基板2Bの分割面(端面)に向けてNi/Crをスパッタリングすることにより、図4(i)と図6(i)に示すように、表電極3と裏電極4間を導通する一対の端面電極10を形成する。これら端面電極10は、表電極3の端面に接続するだけでなく、表電極3上に積層された第1導電膜7と第2導電膜9の各端面にも接続する。
次に、短冊状基板2Bを二次分割溝に沿って複数のチップ状基板2Cに二次分割した後、これらチップ状基板2Cに対して電解Niめっきを施すことにより、図4(j)と図6(j)に示すように、裏電極4と端面電極10および第2導電膜9の表面全体を覆うバリア層12を形成する。その際、第2導電膜9はNiめっきと密着性が良好なNi系合金からなるなるため、第2導電膜9に対してバリア層12を確実に密着させることができる。
次に、チップ状基板2Cに対して電解Snめっきを施すことにより、図4(k)と図6(k)に示すように、バリア層12の表面全体を覆う外部接続層13を形成する。これらバリア層12と外部接続層13によって2層構造の外部めっき層11が形成され、この時点で図1と図2に示すようなチップ抵抗器1が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係るチップ抵抗器1は、表電極3に導通する2層構造の第1導電膜7と第2導電膜9が設けられており、そのうち上層の第2導電膜9がオーバーコート層(第2導電膜)8の端部に接しているため、外部めっき層11を電解めっきによって形成する際に、外部めっき層11の先端の電流密度が下がって膜厚部とならず、膜厚部に起因する外部めっき層11の剥がれを抑制することができる。
また、これら第1導電膜7と第2導電膜9が表電極3よりも硫化し難い特性を有する金属材料で形成されているため、外部めっき層11とオーバーコート層8の境界部分から硫化ガスが入り込んだとしても、表電極3を覆う第1導電膜7によって硫化ガスの透過が抑制され、耐腐食性を高めることができる。しかも、第1導電膜7がアンダーコート層(第1導電膜)6の端部と表電極3の露出部を覆うことで、オーバーコート層8と表電極3が接触しないようになっているため、樹脂材料からなるオーバーコート層8の内部を透過した硫化ガスは第1導電膜7によって遮断され、この点からも耐腐食性を高めることができる。
特に本実施形態では、外部めっき層11がNiめっきで形成されたバリア層12を有しており、第1導電膜7がCrを主成分とするCr系合金(Ni-Cr)で形成されていると共に、第2導電膜9がNiを主成分とするNi系合金(Ni-Cr)で形成されている。このため、硫化に強いCr系合金からなる第1導電膜7によって表電極3の耐腐食性を高めた上で、Niめっきとの密着性に劣る第1導電膜7の上面にNi系合金からなる第2導電膜9を設けることにより、バリア層12のNiめっきを第2導電膜9に確実に密着させることができる。
また、低抵抗(例えば、100mΩ以下)のチップ抵抗器では、表電極3の抵抗値がチップ抵抗器全体の抵抗値に影響を及ぼすため、低抵抗のチップ抵抗器ほどTCRが増加してしまうことになる。本実施形態に係るチップ抵抗器1の場合、第1導電膜7がCr系合金からなるスパッタ膜であると共に、第2導電膜9がNi系合金からなるスパッタ膜であることから、これら金属材料(CrやNi)の電気導電率が樹脂材料に比べて非常に高いものとなっている。そのため、外部めっき層11を回路基板(不図示)のランドに半田接合したチップ抵抗器1の実装状態において、第1導電膜7と第2導電膜9が外部めっき層11と抵抗体5間の導通経路として機能することになり、低抵抗の領域であってもTCR(抵抗温度係数)の増加を抑制することができる。
また、本実施形態に係るチップ抵抗器1の製造方法では、Cr系合金やNi系合金等の金属粒子を大判基板(絶縁基板)2Aの上面に向けてスパッタリングすることにより、第1導電膜7と第2導電膜9を形成するようにしたので、これら第1導電膜7と第2導電膜9の膜厚をコントロールし易くなる。その際、第1導電膜7が1.0μm以上の膜厚となるように形成したので、第1導電膜7に隙間が発生することを防止して、第1導電膜7による硫化ガスの透過阻止機能を高めることができる。
また、本実施形態に係るチップ抵抗器1の製造方法では、第1導電膜7をスパッタリングする前に、アンダーコート層6の表面を酸またはアルカリ溶液により粗面化するようにしたので、粗面化された部分のアンカー効果によってアンダーコート層6と第1導電膜7との密着性が高まり、耐腐食性をより一層向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、絶縁基板の裏面に表電極に導通する裏電極が設けられているチップ抵抗器について説明したが、そのような裏電極を備えていないタイプのチップ抵抗器についても本発明は適用可能である。
1 チップ抵抗器
2 絶縁基板
2A 大判基板
2B 短冊状基板
2C チップ状基板
3 表電極(電極)
4 裏電極
5 抵抗体
5a トリミング溝
6 アンダーコート層(第1保護膜)
7 第1導電膜
8 オーバーコート層(第2保護膜)
9 第2導電膜
10 端面電極
11 外部めっき層
12 バリア層
13 外部接続層

Claims (8)

  1. 直方体形状の絶縁基板と、
    前記絶縁基板の主面両端部に設けられた一対の電極と、
    一対の前記電極間を接続する抵抗体と、
    前記電極との接続部分を含めて前記抵抗体の全体を覆う絶縁性の第1保護膜と、
    前記第1保護膜の両端部と該第1保護膜から露出する前記電極の露出部全体を覆う一対の第1導電膜と、
    前記第1保護膜の少なくとも一部と該第1保護膜の両端部に重なる前記第1導電膜の一端部とを覆う絶縁性の第2保護膜と、
    前記第2保護膜から露出する前記第1導電膜の露出部全体を覆うと共に該第2保護膜の両端部に接する一対の第2導電膜と、
    前記絶縁基板の両端面に延在して前記電極と前記第1導電膜および前記第2導電膜の各端部に接続する一対の端面電極と、
    前記端面電極と前記第2導電膜を覆う一対の外部めっき層と、
    を備え、
    前記第1導電膜と前記第2導電膜が前記電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料で形成されている、
    ことを特徴とするチップ抵抗器。
  2. 前記外部めっき層がNiめっきからなるバリア層を有しており、前記第1導電膜がCrを含む合金材料で形成されていると共に、前記第2導電膜がNiを含む合金材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
  3. 前記第1導電膜はCrの含有量が50wt%以上のNi-Crであり、前記第2導電膜はCrの含有量が50wt%以下のNi-Crである、ことを特徴とする請求項2に記載のチップ抵抗器。
  4. 前記第1導電膜が1.0μm以上の膜厚を有するスパッタ膜である、ことを特徴とする請求項2または3に記載のチップ抵抗器。
  5. 前記第1保護膜の表面に粗面化処理された粗面部が形成されており、前記第1導電膜の一部が前記粗面部上に形成されている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のチップ抵抗器。
  6. 絶縁基板上に抵抗体と該抵抗体の両端部に接続する電極を形成する工程と、
    前記電極との接続部分を含めて前記抵抗体の全体を覆うように絶縁性の第1保護膜を形成する工程と、
    前記第1保護膜の両端部と該第1保護膜から露出する前記電極の露出部分との表面に金属粒子をスパッタリングすることにより、前記電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料からなる第1導電膜を形成する工程と、
    前記第1保護膜の両端部を除く残余の部分と該第1保護膜の両端部に重なる前記第1導電膜の一端部を覆うように絶縁性の第2保護膜を形成する工程と、
    前記第2保護膜の両端部と該第2保護膜から露出する前記第1導電膜の露出部分との表面に金属粒子をスパッタリングすることにより、前記電極よりも硫化し難い特性を有する金属材料からなる第2導電膜を形成する工程と、
    前記絶縁基板の端面に金属粒子をスパッタリングすることにより、前記電極と前記第1導電膜および前記第2導電膜の各端部に接続する端面電極を形成する工程と、
    電解めっきを施して前記端面電極と前記第2導電膜を覆う外部めっき層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
  7. 前記第1導電膜と前記第2導電膜を形成するスパッタリングは、前記絶縁基板の上面に向かって行われる、ことを特徴とする請求項6に記載のチップ抵抗器の製造方法。
  8. 前記第1保護膜の表面を酸またはアルカリ溶液により粗面化する工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載のチップ抵抗器の製造方法。
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