JP2023055649A - バリアブルデータ印刷方法 - Google Patents

Abstract

【課題】多種多様なテキストオブジェクトに基づいた、あるいは画像オブジェクトと組み合わせた、複雑なルールを用いたバリアブルデータ印刷を実現する印刷方法を提供する。
【解決手段】複数の文書に適用する文書テンプレート内の、複数の文書間で動的に変化する第１のテキスト変数を含むテキストオブジェクトを定義するバリアブルデータ印刷方法であって、第１のステートメントを有するテキストオブジェクトルールに従って第１のテキスト変数の内容を分析するステップと、分析された第１のテキスト変数の内容に基づいて、第１のステートメントに従って、テキストオブジェクトのフォーマットを修正するステップと、修正したフォーマットに従って、テキストデータを文書用のテキストオブジェクトに挿入するステップと、修正したフォーマットに従って挿入されたテキストデータを含むテキストオブジェクトを有する文書を表示するステップと、を備える。
【選択図】図８

Description

本発明は、バリアブルデータ印刷に関し、特に、バリアブルデータ印刷のためのルールを定義し、当該ルールを使用する技術に関する。

高度なバリアブルデータ印刷（VDP）では、デザインテンプレートを、印刷対象とするあらゆる種類の文書で確実に機能させることが課題となる。しかしながら、バリアブルデータ印刷では、多種多様なテキストオブジェクトに基づいた、あるいは画像オブジェクトと組み合わせた、複雑なルールを用いたバリアブルデータ印刷を実施することができない場合がある。

本発明の一局面に係るバリアブルデータ印刷方法は、複数の文書に適用する文書テンプレート内のテキストオブジェクトを定義するバリアブルデータ印刷方法であって、前記テキストオブジェクトは、前記複数の文書間で動的に変化する第１のテキスト変数を含み、第１のステートメントを有するテキストオブジェクトルールに従って前記第１のテキスト変数の内容を分析するステップと、前記分析された前記第１のテキスト変数の内容に基づいて、前記第１のステートメントに従って、前記テキストオブジェクトのフォーマットを修正するステップと、前記修正したフォーマットに従って、テキストデータを前記文書用の前記テキストオブジェクトに挿入するステップと、前記修正したフォーマットに従って挿入された前記テキストデータを含む前記テキストオブジェクトを有する文書を表示するステップと、を備える。

本発明の一局面に係るバリアブルデータ印刷方法は、複数の文書に適用する文書テンプレート内に画像プレイスホルダーを用いて画像オブジェクトを定義するステップと、画像オブジェクトルールに従って、前記文書に関連付けて、複数の文書間で異なる値となる画像変数を分析するステップと、前記画像変数に従って画像オブジェクトルールに関連する画像を取り出すステップと、前記文書内において、前記画像プレイスホルダーによって定義された位置に、前記取り出した画像を配置するステップと、前記画像が配置された前記文書を表示するステップと、を含む。

本発明の一局面に係るバリアブルデータ印刷方法は、複数の文書に適用する文書テンプレート内で、ルールの対象とするオブジェクトを定義するバリアブルデータ印刷であって、前記ルールに含まれる第１のステートメントを定義するステップを備え、前記第１のステートメントは、前記ルールに定義された第１の変数に関する条件についての第１の式を有し、前記第１の変数は、前記複数の文書を生成するためのデータ記録ファイル内のデータレコードとしてのコンテンツに関連付けられ、前記第１の変数に関するコンテンツに、前記ルールに含まれる前記第１のステートメントを適用するステップと、前記第１の変数に関するコンテンツに前記第１のステートメントを適用した結果に従って、第１のアクションを実行するステップと、を備え、前記第１のアクションは、前記第１の変数に関するコンテンツとして前記オブジェクトに配置するコンテンツを定義する、或いは、前記オブジェクトのフォーマットを変更する。

本発明の様々な他の特徴及び付随する利点は、添付の図面と併せた考慮により更に完全に理解される。
本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法を行う印刷システムのブロック図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷システムに用いられる印刷装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いるオブジェクトを有する文書の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いるオブジェクトを有する文書の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いる住所テキストオブジェクトを示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いるルールの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いる、ステートメントの順序が変更されたルールの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いる、他のルールの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法においてテキスト変数を用いたルールを実施する処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法におい画像変数を用いたルールを実施する処理を示すフローチャートである。 本実施形態によるバリアブルデータ印刷方法に用いる、複数のステートメントを有するルールを実装するためのフローチャートである。

本発明の実施形態について詳細に言及する。これら実施形態の例は、添付の図面にも図示されている。以下には、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細説明が記載されている。実施形態は、図面を参照して説明されるが、以下の説明は、本発明を任意の１つの実施形態に限定することを意図していない。以下の説明は、特許請求の範囲が有する趣旨と、特許請求の範囲に含まれ得る代替物、修正物及び等価物と、を非限定的に網羅することを意図する。

本実施形態では、バリアブルデータ印刷（ＶＤＰ：Variable Data Printing。以下、ＶＤＰ印刷ともいう）アプリケーションに「スマートフィルター」オプションを追加する形態も含む。スマートフィルターのオプションは、ルール及び基準に従って、ユーザーに表示されるデータレコードを識別する。データレコードは、ルールと基準に基づいて対象となるセットに追加される。

当該データレコードは、テキスト変数に対応するコンテンツを有するドキュメントを含む。本実施形態では、各テキスト変数に最短の値と最長の値を追加可能である。本実施形態はまた、データレコード内で見つかった各ユニコードブロックの記録を追加可能である。当該記録は、複数の基準又はルールのうちの１つに従って追加されてもよい。ユニコードブロックを有する記録は、各ユニコードブロックについて最短又は最長の記録であるとして追加されてもよい。

また、本実施形態は、各ユニコードブロックについて最初に見つかった記録を追加してもよい。また、本実施形態は、与えられたユニコードブロックを使用する記録の中からランダムな記録を追加してもよい。本実施形態は、また、スマートプレビュー内の記録の総数を最小にするために、複数のユニコードブロックを使用する記録に優先権を与えてもよい。本実施形態はまた、基本ラテン語と別のブロックを使用するものを除き、複数のユニコードブロックを使用する記録を追加してもよい。

文書は、テキスト変数を有するテキストオブジェクトを含む。テキストオブジェクトの例は、名前、住所、都市、州、ロケーションコードなどである。本実施形態は、プレビューセットのデータにおける外れ値を識別する。従って、本実施形態として、テキスト変数を使用する各テキストオブジェクトについて、最短及び最長のテキスト変数の組み合わせを有する記録を追加してもよい。例えば、テキストオブジェクトがテキスト変数Ａ、Ｂ、及びＣを有する場合、以下の組み合わせの最短及び最長の記録を追加することができる：Ａ＋Ｂ、Ａ＋Ｃ、Ｂ＋Ｃ（これらは最短の例）、及びＡ＋Ｂ＋Ｃ（これらは最長の例）。

ルールが適用される各テキストオブジェクトについて、本実施形態は、ルール内に含まれる各条件について記録を追加する。例えば、テキストオブジェクトが（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）又は（Ｄ）というルールを有するとした場合、本実施形態は、Ａ、Ｂ、Ｃ、又はＤが「真」である場合の記録を追加する。また、これらの条件のいずれもが「真」でない場合のルールも追加される。

本実施形態はまた、画像変数を有する画像オブジェクトを、オブジェクトの１つとしてもよい。画像変数に対応する独自の画像ファイルは、基準又はルールに基づいて、文書テンプレートに挿入される。本実施形態は、各記録が独自の画像ファイルを使用しない限り、独自の画像ファイルのそれぞれに対して記録を追加する。独自性は、完全な画像ユニフォーム・リソース・ロケータ（ＵＲＬ）を使用して確保される。上記によって確保されない場合、本実施形態は、画像変数を使用する各画像オブジェクトについて、独自性を確保するための記録を追加してもよい。ルールが適用される各画像オブジェクトについて、本実施形態は、ルール内に示される各条件に基づいて記録を追加する。

本実施形態はまた、バーコード変数を有するバーコードオブジェクトを用いてもよい。殆どのバーコードのバリエーションは、上記で開示したように、テキスト変数に対するフィルタリングによってカバーされ得る。バーコード値がＵＲＬである場合、本実施形態は、各記録が独自のＵＲＬを使用しない限り、各独自のＵＲＬについて記録を追加する。独自性は、バーコード内の完全なＵＲＬを用いて確保される。バーコード変数を使用する各バーコードオブジェクトについて、本実施形態は、最短及び最長のバーコード変数の組合せを有する記録を追加する。

ルールを使用する各バーコードオブジェクトについて、本実施形態は、ルール内に示される各条件について記録を追加する。

また、文書は、当該文書を構成する頁毎にルールが適用されるものであってもよい。ルールが適用される文書の各頁について、本実施形態は、ルール内に示される各条件の記録を追加する。プレビューは、従来のＶＤＰプレビューと同じ方法でユーザーに表示されてもよいが、本実施形態は、いくつかの重要な相違点を有する。記録は、上記に開示された条件及びルールに従ってフィルタリングされる。各記録は、記録がプレビューに含まれる理由を示す情報を表示する。この機能により、ユーザーは、プレビューの各記録を見る際に、何を検討又は確認すべきかを理解可能になる。

本実施形態は、ＶＤＰ印刷ジョブにより生成される文書内のコンテンツ、又はコンテンツのフォーマットを、動的に変更するためにルールを使用する。ここで示されるアプリケーションは、文書内にテキストブロック、又はオブジェクトを追加する。オブジェクトは、フォーマットされ、又はカスタマイズされる。テキスト変数は、テキストブロックに挿入される。本実施形態は、文書の内容を、ルール及びデータ記録ファイル内のデータレコードに含まれるコンテンツが示す内容に適合させる。本実施形態は、テキスト変数に関連するルールを作成する。ルールが示すステートメントが「真」であれば、テキスト変数に対応するコンテンツに対する書式（フォーマット）設定を上書きしてその結果を適用する。つまり、ルールが「真」であれば、コンテンツやコンテンツの書式を変更する。ルールは、順番に作成することもできる。ルール内のステートメント（詳細は後述）の順番は、記録に使用される文書テンプレートの作成時に変更可能である。ルールは、ルール名を付けて保存する。

ルールに従って画像を挿入するために、画像についてのルールを作成する。当該ルールのステートメントが「真」の場合、条件に従って、文書に画像を挿入する。当該ステートメントが「真」の場合、画像プレイスホルダーを文書テンプレートで使用することにより、画像を配置する場所が示される。

また、本実施形態は、複雑な表現言語を使用することができる。例えば、本実施形態は、ルール内で示されるステートメントを定義するために、８つの異なる式又は文字列比較等を使用可能である。式では、ステートメントの条件を設定する際に論理演算子を使用する。このように、本実施形態は、変数を使用する複雑な式を有するルールに従ってオブジェクトを定義又は配置する。

図１は、本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法に用いる印刷システムを示すブロック図である。印刷システム１００は、印刷所、又は生産印刷操作に適した他の環境に配置される。印刷システム１００は、１つ以上のクライアント装置１１０から印刷ジョブを受信する１つ以上の印刷装置１０４を含む。

さらに、印刷動作は、印刷管理サーバー１０８によって管理されてもよい。図１に示すように、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３は、クライアント装置１１０から印刷装置１０４に出力されるが、印刷装置１０４を選択してジョブを完了させる印刷管理サーバー１０８に出力されてもよい。

クライアント装置１１０は、例えば、コンピューター、ラップトップコンピューター、モバイル装置、タブレットデバイス、スマートフォン、又は、無料でインターネットが使えるキオスクに設置されたパーソナルコンピューターなどである。クライアント装置１１０は、文書等を生成するためのアプリケーション及びバリアブルデザインアプリケーション１２８を実行する。クライアント装置１１０は、印刷ドライバー１３０を使用して、ネットワーク１０２を介して印刷装置１０４にＶＤＰ印刷ジョブ１１３を送信する。印刷ドライバー１３０は、バリアブルデザインアプリケーション１２８によって作成されたデータを、印刷装置１０４が理解できる形式に変換する。印刷ドライバー１３０により変換されるデータの一例が印刷ジョブ１１３である。印刷装置１０４には、印刷装置１０４又は印刷管理サーバー１０８に印刷ジョブを出力する追加のクライアント装置が接続されてもよい。

バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ＶＤＰ印刷及びその動作を可能にするアプリケーションである。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、文書上に可変領域を実装可能にする点で、従来のデスクトップパブリッシングアプリケーションと異なっている。可変領域又はオブジェクトには、ライブラリーやデータベースだけでなく、ルール及びデータ記録ファイルから提供される情報に従って特定されるコンテンツに変更できるように、固有の情報が設定される。固有の情報は、各可変領域の値（変数）又は属性と、バリアブルデザインアプリケーション１２８に提供されるデータとの関係を表す条件関係を示す。

ユーザーは、以下に詳細に示すように、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３を生成するためにバリアブルデザインアプリケーション１２８を実行させる。ＶＤＰ印刷ジョブ１１３で生成される一連の文書のプレビューは、クライアント装置１１０において表示装置１３２に表示される。メモリー１３４は、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３を格納し、更に、印刷ジョブを生成するために使用される様々なオブジェクト及びデータを格納する。クライアント装置１１０内の各構成要素は、バス１３６によって接続され、データ及び信号を互いに送受信する。

ネットワーク１０２は、システム１００内の装置間でデータを交換するために、システム１００によって使用される。当該装置は、エアインターフェース及び／又は直接有線接続などの物理通信インターフェース又はレイヤーを介してネットワーク１０２と通信する構成とされる。エアインターフェースは、予め定められたセルラー通信プロトコル（例えば、ＧＳＭ、ＣＤＭＡ、ＷＣＤＭＡ（登録商標）、ＥＶＤＯ、ｅＨＲＰＤ、ＥＤＧＥ、４Ｇ ＬＴＥ、５Ｇ ＬＴＥ、５Ｇ ＮＲ／Ｎｅｗ Ｒａｄｉｏなど）、及び、又は無線ＩＰプロトコル（例えば、ＩＥＥＥ ８０２．１１ Ｆａｍｉｌｙ）である。あるいは、ネットワーク１０２は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、アドホックネットワークである。ネットワーク１０２は、印刷装置１０４とクライアント装置１１０が、適切なプロトコルを用いてデータを交換することを可能にする。

印刷装置１０４は、以下により詳細に開示される。印刷装置１０４は、印刷ジョブ、印刷ファイル（一般的にはＰＤＦ又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔファイル）を受け入れるワークフロータッチポイントである組み込みデジタルフロントエンド（ＤＦＥ）１０６、及び／又は印刷装置コントローラを含む。ＤＦＥ１０６は、受信した印刷ジョブのフォーマットを変換する。このフォーマットは、以下に示す印刷エンジン２６０が、印刷ジョブに用いられる文書（印刷対象とする文書）内のコンテンツを、記録媒体上に配置するときに使用されるフォーマットである。ＤＦＥ１０６は、ラスタイメージプロセッサー（ＲＩＰ）を含む。ＤＦＥ１０６はまた、受信した印刷ジョブをいつ処理するかの管理と、印刷動作に関連する他の動作のスケジューリングとを行う。

印刷管理サーバー１０８は、印刷装置１０４及びクライアント装置１１０と相互作用して、バリアブルデータ印刷を実行する。一実施形態として、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３はクライアント装置１１０から印刷管理サーバー１０８に出力され、その後、印刷管理サーバー１０８は印刷ジョブ１１３を印刷装置１０４に転送する。印刷管理サーバー１０８は、バリアブルデザインアプリケーション１２８によるＶＤＰ印刷ジョブ１１３の生成を可能にするために、ライブラリー及び他のデータを有する記憶機構を含む。

例えば、印刷管理サーバー１０８は、テキスト変数、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３の対象とされる１つ又は複数の文書内におけるテキストオブジェクトを充填するためのデータ（テキスト）、ユニコードブロック、及びテキストオブジェクトの充填に使用する他の情報等、を格納するテキストオブジェクトライブラリー１２０を含む。また、印刷管理サーバー１０８は、文書内の１つ以上の画像オブジェクトに使用するための画像を有する画像オブジェクトライブラリ－１２２も含む。画像オブジェクトに使用するための当該画像は、ＵＲＬを使用して取得され得る独自（ユニーク）の画像ファイルに含まれている。印刷管理サーバー１０８は、文書内の１つ以上のバーコードオブジェクトに使用されるバーコード画像を含むバーコードオブジェクトライブラリ１２４を含んでいる。当該バーコード画像は、ＵＲＬを使用して取得され得る独自のバーコードファイルに含まれている。サーバー１０８はまた、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３により文書内に埋め込む１つ以上のオブジェクト内にどのような情報を表示又は印刷するかを定義するルール集１２６を有する。

なお、印刷管理サーバー１０８を有しない印刷システム１００も本発明の一実施形態となる。その場合、印刷管理サーバー１０８の機能及び特徴は、アプリケーション１２８と連携してクライアント装置１１０で提供されるか、又はＤＦＥ１０６を使用して印刷装置１０４で実施される。例えば、ライブラリー１２０、１２２、１２４、及びルール集１２６は、クライアント装置１１０又は印刷装置１０４に実装されてもよい。

図２は、本発明の一実施形態に係る印刷システムにおいて使用する印刷装置１０４の構成を示すブロック図である。図２の開示において、印刷装置１０４は、説明のために参照される。図２に示される構造は、システム１００内で印刷、スキャン、保存、コピーなどの様々な機能を実行する任意の複合機又は画像形成装置に適用される。上記のように、印刷装置１０４は、クライアント装置１１０及び印刷管理サーバー１０８、並びにシステム１００内の他の装置との間でデータを送受信する。

印刷装置１０４は、これらの機能をサポートするための動作を実行するコンピューティングプラットフォーム２０１を含む。コンピューティングプラットフォーム２０１は、コンピューター処理ユニット（ＣＰＵ）２０２、画像形成ユニット２０４、記憶装置２０６、及びネットワーク通信インターフェース２１０を含む。印刷装置１０４には、更に他の構成が含まれていてもよいが、簡潔にするために図示しない。コンピューティングプラットフォーム２０１を使用する印刷装置１０４は、スキャン、コピー、印刷、ファクシミリ、これらに関するデータ等の受信又は送信、更に文書処理などの様々な動作を実行する。このように、印刷装置１０４は、印刷装置であってもよいし、スキャナー、複写機、ファクシミリ装置、及びプリンターの１つ以上の機能を含む多機能周辺機器、例えば複合機であってもよい。これらの機能を提供するために、印刷装置１０４は、印刷動作を行うプリンター部２２０、コピー動作を行うコピー実行部２２２、スキャン動作を行うスキャナー部２２４、及びファクシミリ文書を受信及び送信するファクシミリ部２２６を含む。ＣＰＵ２０２は、これらの各部に対して、必要な動作を実行するように指示を出力する。

また、印刷装置１０４は、フィニッシャー２１１と、１つ以上の給紙カセット２１２とを含む。フィニッシャー２１１は、画像が形成された用紙をトレイに移動させる回転可能な搬送ローラーを含む。フィニッシャー２１１は、さらに、用紙の仕分け、用紙に対するステープル、二つ折り、折り目付け、パンチ穴処理、などの動作を行う。

給紙カセット２１２は、用紙上への画像形成のために、プリンター部２２０、コピー実行部２２２、及びファクシミリ部２２６などの様々な機構に用紙を供給する。給紙カセット２１２は、様々なサイズ、色、組成などを有する用紙を収容する。給紙カセット２１２は、必要に応じて用紙を補充するために取り外し可能とされている。プリンター部２２０、コピー実行部２２２、及びファクシミリ部２２６などにより印刷された用紙は、１つ又は複数の出力ビン２２７内に排出される。１つ以上の出力ビン２２７は、空であるか、印刷の一時停止を回避するために印刷済用紙を受け取るのに必要な容量を有している。

文書フィーダートレイ２３０は、処理されるべき用紙及び文書を受け取るために印刷装置１０４に備えられる機構である。文書は、文書フィーダートレイ２３０上又はその中に載置される。文書フィーダートレイ２３０は、文書を例えば原稿として印刷装置１０４内の他の機構部に移動させる。文書フィーダートレイ２３０による文書の移動は、ユーザーによって入力された指示によって、ＣＰＵ２０２が制御してもよい。例えば、原稿としての文書は、スキャン読取動作のためにスキャナー部２２４に移動される。図２に示すように、文書フィーダートレイ２３０は、必要な動作を実行するためにエンジン２６０とリンクして動作する。

記憶装置２０６は、ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）、ソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）又は不揮発性のメモリー等からなり、命令２１５を格納するメモリー領域２１４を含む。命令２１５は、ＣＰＵ２０２、又は印刷装置１０４に関連する他のプロセッサー、例えば、プリンター部２２０、コピー実行部２２２、スキャナー部２２４、及びファクシミリ部２２６内の任意のプロセッサーで実行可能な命令である。記憶装置２０６はまた、様々なプログラム及びアプリケーションのための情報、ならびに印刷装置１０４に固有のデータを格納する。例えば、メモリー領域２１４は、印刷装置１０４内の各機構をサポートするためにコンピューティングプラットフォーム２０１によって実行されるオペレーティングシステムを実行するためのデータを保存する。本実施形態では、記憶装置２０６は、印刷装置１０４についての特定操作（例えば、延期操作又は遅延操作）の実行に用いられるトークン及びコードを記憶してもよい。

記憶装置２０６は、揮発性メモリーを含んでもよい。揮発性メモリーは、ランダムアクセスメモリー（ＲＡＭ）を含む。上記の不揮発性メモリーは、例えば、リードオンリーメモリー（ＲＯＭ）、フラッシュメモリー、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリー（ＥＥＰＲＯＭ）、デジタルテープなどである。記憶装置２０６はまた、読み取り可能又は書き込み可能な揮発性メモリーと不揮発性メモリーとの任意の組み合わせを含む。

コンピューティングプラットフォーム２０１は、ＣＰＵ２０２などの１つ又は複数のプロセッサーを管理する。これらのプロセッサーは、１つ以上のメモリー領域２１４に格納された命令２１５を実行する。これらの命令を実行することによって、プロセッサーは、印刷装置１０４に様々な動作を実行させる。また、プロセッサーは、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）やフィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）など、特定の目的のための処理ユニットを組み込んでいてもよい。また、プリンター部２２０、コピー実行部２２２、スキャナー部２２４、及びファクシミリ部２２６に特有の動作を実行させるために他のプロセッサーがプロセッサーに含まれてもよい。すなわち、特定のプロセッサーは、印刷装置１０４を、プリンター、複写機、スキャナー、及びファクシミリ装置として機能させる。

印刷装置１０４はまた、コンピューティングプラットフォーム２０１に接続される操作パネル２０８を含む。操作パネル２０８は、印刷装置１０４へのコマンド及び指示の入力のために、案内が表示される表示ユニット２１６と、ユーザーにより操作される入力ユニット２１７を含む。

表示ユニット２１６は、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）などの任意の電子ビデオディスプレイである。入力ユニット２１７は、ボタン、タッチスクリーン、キーボード又はキーパッド、スイッチ、ダイヤルなど、ユーザーが操作パネル２０８に情報を入力することを可能にする機構の任意の組み合わせを含む。好ましくは、入力ユニット２１７は、ユーザーからの入力を受け取るために、表示ユニット２１６の上に重ねられてタッチを感知するタッチパネル又はタッチスクリーンデジタイザーを含む。これらの構成により、ユーザーによる表示ユニット２１６の操作が可能とされ、コード又は他の情報が印刷装置１０４に入力される。

印刷装置１０４はまた、ネットワーク通信処理部２１８を含む。ネットワーク通信処理部２１８は、１つ以上の他の印刷装置又はネットワークサービスとの無線接続又は有線接続による通信に必要な処理を行う。ネットワーク通信処理部２１８は、当該接続において、ネットワーク通信インターフェース２１０を用いたネットワーク通信を確立する。ＣＰＵ２０２は、ネットワーク通信処理部２１８に、ネットワーク通信インターフェース２１０を動作させてネットワーク上で情報を送信又は取得させる指示を出力する。また、データがネットワークを介してコンピューティングプラットフォーム２０１で受信されると、ネットワーク通信処理部２１８は、受信パケットをデコードし、デコードしたデータをＣＰＵ２０２に出力する。ＣＰＵ２０２は、印刷装置１０４を動作制御して、当該データに対する印刷を行わせる。ＣＰＵ２０２はまた、印刷装置１０４の設定情報など、記憶装置２０６に格納された情報を取得する。

印刷装置１０４は、エンジン２６０を含む。エンジン２６０は、タスクを達成するために適宜作用するハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアの各要素の組み合わせを含む。例えば、エンジン２６０は、文書を印刷するための構成と印刷を可能にするソフトウェアで構成される。操作パネル２０８を介してユーザーから指示が入力された後、エンジン２６０は、コンピューティングプラットフォーム２０１を介して、当該指示を受信する。あるいは、エンジン２６０は、他の付属又はリンクされた装置から指示を受信する。

エンジン２６０は、用紙へのトナーの配置を作動させるハードウェア部品など、印刷装置の細部機構まで管理して動作させる。エンジン２６０は、例えば、ハーフトナー、トナーカートリッジ、ローラー、スケジューラー、ストレージ、入出力動作などを管理し、調整する。ページ記述言語（ＰＤＬ）を解釈するラスターイメージプロセッサー（ＲＩＰ）ファームウェア２９０は、印刷装置１０４での操作中に、画像の実際のレンダリング及び用紙へのインクの塗布のために、エンジン２６０に命令を送信する。ＲＩＰファームウェア２９０は、上述のように、ＤＦＥ１０６に配置されてもよい。

印刷装置１０４は、１つ又は複数のセンサー２６２を含む。センサー２６２は、コンピューティングプラットフォーム２０１又はＣＰＵ２０２に出力するためのデータ及び情報を収集する。各センサー２６２は、印刷装置１０４の特定の動作条件を監視するためにも使用される。センサー２６２は、紙詰まりを生じた場所、ハードウェア又はソフトウェア構成の故障、部品故障、オペレーティングシステムの問題、原稿又は記録紙のミスフィード、トナーレベル、ならびに他の動作条件を示すためにも使用される。センサー２６２はまた、印刷装置１０４によって印刷又は処理されたページ数も検出する。センサー２６２は、動作上の問題又は障害事象を検出すると、検出した内容を示す信号をＣＰＵ２０２に送信する。センサー２６２から当該信号を受信したＣＰＵ２０２は、問題に関連するエラーアラートを生成する。エラーアラートは、エラーコードを含んでもよい。

上記エラーの中には、ハードウェアに関連する原因を持つものもある。例えば、紙詰まりのようなフィニッシャー２１１で障害が発生した場合、ＣＰＵ２０２は、表示ユニット２１６に、エラーと障害事象の場所、すなわちフィニッシャーに関する情報を表示させる。給紙カセット２１２で紙詰まりが発生した例では、ＣＰＵ２０２は、表示ユニット２１６に、給紙カセット２１２のいずれかで発生したジャムエラーの情報を表示させる。

いくつかのエラーは、ファームウェアに関連するタイプの原因を有する。例えば、ネットワーク通信処理部２１８は、ファームウェア又はソフトウェアを原因とするエラーを引き起こす可能性がある。ＣＰＵ２０２は、表示ユニット２１６に、ファームウェア関連のエラー、該当するエラーコードを表示させる。これにより、装置をリブートするなど、エラーに対処するための推奨事項が提供される。

記憶装置２０６は、障害事象及び発生したエラーの履歴を、各エラーのタイムスタンプとともに記憶する。印刷装置１０４は、上記のようなネットワークプロトコルを利用して、ネットワーク通信インターフェース２１０を介してクライアント装置１１０及び１１２と通信する。印刷装置１０４は、ＲＥＳＴ ＡＰＩを介してシステム１００内の他の装置と通信し、これにより、印刷装置１０４及び印刷管理サーバー１０８は、システム１００内の複数の装置からデータを収集する実施形態も採り得る。ＲＥＳＴ ＡＰＩ及びＳＯＡＰは、ファイル、ＸＭＬメッセージ、ＪＳＯＮメッセージなどの異なる形式のデータを提出するために使用されるアプリケーションプロトコルである。印刷装置１０４は、適用可能なネットワーク通信プロトコル及びアプリケーションプロトコルを用いることで、クライアント装置１１０及び印刷管理サーバー１０８に対してデータを送信し、クライアント装置１１０及び印刷管理サーバー１０８からデータを受信する。

図３は、本実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で作成される、画像オブジェクト３０２を有する例示的な文書３００を示す。文書３００は、例えば、はがき、チラシ、パンフレットなど、バリアブル印刷での作成の対象とされる文書である。文書３００は、文書内の画像オブジェクト３０２、固定オブジェクト３０４、及びテキストオブジェクト３０６の内容を定める文書テンプレート３０１に基づいて作成される。この文書テンプレート３０１に基づいたバリアブルデータ印刷により、例えば、文書３００として、画像オブジェクト３０２及びテキストオブジェクト３０６が可変とされ、固定オブジェクト３０４が可変でなく固定とされた、内容の基本的部分は同一であり、内容の一部が異なる多くの文書が生成される。すなわち、画像オブジェクト３０２及びテキストオブジェクト３０６が可変であることにより、内容の一部が異なる複数バーションの文書３００が生成される。

画像オブジェクト３０２は、画像オブジェクトライブラリー１２２に記憶された複数の画像ファイル３１０のうちの１つにより埋められる。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、画像オブジェクト３０２に挿入するために、複数の画像ファイル３１０からそのうちの１つ以上の画像ファイル３１０を選択する。選択された画像は、可変画像ファイル３１２として示される。画像ファイル３１０は、画像オブジェクトライブラリー１２２からインポート又は取得される。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、画像オブジェクトライブラリー１２２には複数の画像が記憶されており、ユーザー又は選択プロセスは、文書テンプレート３０１に配置する必要な画像ファイルを選択する。例えば、画像ファイル１、画像ファイル２、画像ファイル３、及び画像ファイル４が上記複数の画像ファイル３１０から選択され、これら選択されたファイルが、文書３００を生成するために、オブジェクトとして文書テンプレート３０１に組み込まれる。

文書３００の文書テンプレート３０１は、固定オブジェクト３０４を更に含む。固定オブジェクト３０４は、印刷される全ての文書３００で使用される固定の画像である。また、固定オブジェクト３０４は、送信者の名前、送信者の住所、製品の画像など、文書３００の受信者に情報を提供するための画像又はテキストである。固定オブジェクト３０４により、バリアブル印刷で作成される各文書における内容の基本的部分が同一になる。固定オブジェクト３０４の対象となる画像は、当該画像のデータ自体が文書テンプレート３０１に組み込まれているか、或いは、画像オブジェクトライブラリー１２２に記憶されており、文書テンプレート３０１には、対象とする画像を画像オブジェクトライブラリー１２２からインポート又は取得するための画像特定情報が組み込まれている。

可変画像ファイル３１２は、複数の画像ファイル３１０から選択されたファイルである。可変画像ファイル３１２として選択される画像は、データ記録ファイル３０８内のデータレコード３１６に含まれる変数３１８に応じて特定される。

可変画像ファイル３１２は、ルール集１２６内の定義されたルール３１４に従って選択される。この場合、ルール３１４は、特定の画像ファイルを選択して使用するための１つ又は複数の条件を規定する。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、文書テンプレート３０１を作成するとき、画像オブジェクト３０２として選択される画像ファイルを、データレコード３１６の変数３１８に関連付けて人の年齢に応じて選択する、ルール３１４を定める。この例では、変数３１８は、対象とする人の年齢を示すものとする。そして、ルール３１４が示す例えば年齢層に従って、複数の画像ファイル３１０のうちの１つが選択されて提供される。

例えば、ルール３１４として、「画像ファイル４が２５～４０歳の人の宛先に使用される」が規定されているとする。ここで、データ記録ファイル３０８には、データレコード３１６として、各人（顧客であり、文書３００又は４００の配布候補者である）の個人情報、ここでは、名前、住所、年齢、及びＶＩＰ会員か否かを示す情報、等が人毎に記録されている。これら名前、住所、年齢、及びＶＩＰ会員か否かを示す情報等は、変数３１８の一例である。例えば、データ記録ファイル３０８は、クライアント装置１１０又は印刷管理サーバー１０８の例えば記憶装置に格納されている。このとき、バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ルール３１４に規定されている「２５～４０歳」の情報に基づいて、変数３１８としての年齢の値が「２５」～「４０」のいずれかである個人情報を抽出し、この個人情報を有する人に対しての文書３００において、画像オブジェクト３０２を埋めるため画像として、「画像ファイル４」を可変画像ファイル３１２として設定する。可変画像ファイル３１２は、文書３００内において配置されるべき当該画像の場所をアプリケーション１２８に指示するＵＲＬ３１３を含んでもよい。

バリアブルデザインアプリケーション１２８は、文書テンプレート３０１に従って、テキストオブジェクト３０６などのオブジェクトを、コンテンツで埋めるためにデータ記録ファイル３０８をインポートする。データ記録ファイル３０８内に収められたデータレコード３１６は、文書テンプレート３０１を用いて文書３００を生成するために、バリアブルデザインアプリケーション１２８に提供される。データレコード３１６には、名前及び住所に関連するテキスト等のコンテンツが人毎に保存されている。なお、上記文書テンプレート３０１は、ユーザーによる指示の下、バリアブルデザインアプリケーション１２８により作成される。上述したように、データレコード３１６は、変数３１８を含む。データレコード３１６としての各人の個人情報には、画像オフジェクトとして使用する画像を指定する画像指定情報が更に含まれていてもよい。例えば、変数３１８が「２」である場合、画像ファイル２が選択されて、画像オブジェクト３０２として配置されるようにしてもよい。この場合は、変数３１８は、オブジェクトを埋めるために用いられるコンテンツを特定することになる。

このように、本実施形態では、文書テンプレート３０１、データ記録ファイル３０８、画像ファイル３１０、及びルール３１４に従って内容が特定される文書を作成可能である。本実施形態は、バリアブルデザインアプリケーション１２８によるこれらの項目の適用により、同一の内容を一部に有しつつ、異なる内容部分も有する文書を作成することが特徴の１つである。

文書記録は、複数の画像ファイル３１０の独自の画像ファイルごとに追加される。したがって、文書３００が生成され、文書３００は、画像ファイル１、画像ファイル２、画像ファイル３、及び画像ファイル４を有する記録のプレビューセットに追加される。

さらに、各ルール３１４及び変数３１８による可変画像ファイル３１２の選択により、ルール毎に異なる画像を有する各文書３００が生成される。そして、ルールの条件ごとに、生成した文書の記録が追加される。さらに、固定オブジェクト３０４のように、用いられる画像が固定されて変わらない場合は、一意に定められた固定の画像を一部に有する文書が生成される。当該固定の画像は、画像オブジェクトライブラリー１２２から画像ファイルを取得するために使用されるＵＲＬにより指定され、完全な画像ＵＲＬを用いて指定される。

図４は、本実施形態によるバリアブルデータ印刷において使用するためのテキストオブジェクト４０４及びアドレス・テキストオブジェクト４０６を有する文書４００を示す。文書４００は、例えば、はがき、チラシ、パンフレットなどのバリアブル印刷で作成される文書である。文書４００には、文書内の固定オブジェクト４０２及びテキストオブジェクト４０４、アドレス・テキストオブジェクト４０６の位置を定義する文書テンプレート４０１が適用される。ここでは、文書４００は、文書内の固定オブジェクト４０２及びテキストオブジェクト４０４、アドレス・テキストオブジェクト４０６の位置を定義する文書テンプレート４０１を含むものとする。例えば、バリアブルデータ印刷により、文書４００として、テキストオブジェクト４０４及びアドレス・テキストオブジェクト４０６が可変とされ、固定オブジェクト４０２が可変でなく固定とされた、内容の基本的部分は同一であり、内容の一部が異なる多くの文書が生成される。すなわち、テキストオブジェクト４０４及びアドレス・テキストオブジェクト４０６が可変であることにより、内容の一部が異なる複数バーションの文書４００が生成される。

上述のように、バリアブルデザインアプリケーション１２８は、データ、情報、及び基準等を処理して、文書テンプレート４０１を作成し、当該文書テンプレート４０１及びルールに従って各文書４００内のオブジェクトを充填する。文書４００について、バリアブルデザインアプリケーション１２８は、テキストオブジェクト４０４及びアドレス・テキストオブジェクト４０６を、異なる名前又は住所データなど、ルール３１４及び変数３１８により特定されるデータで埋める。テキストオブジェクト４０４は、挨拶又は提案を示すデータを含む、グリーティング・テキストオブジェクト４０４である。アドレス・テキストオブジェクト４０６は、データ記録ファイル３０８内のデータレコード３１６に収められている名前及び住所に関連するテキスト等のコンテンツを対象とする。テキスト変数を有するアドレス・テキストオブジェクト４０６は、以下に示すように、複数のテキスト変数を有する。固定オブジェクト４０２は、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３で作成する複数の文書４００の全てに含まれるテキスト、画像、又はバーコードなどをオブジェクトとして含む。

グリーティング・テキストオブジェクト４０４は、名前テキスト変数４１６と静的テキスト４１８を含む。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ルール及び変数３１８により特定される、データレコード３１６に提供されている名前情報などのコンテンツを用いて、名前テキスト変数４１６を埋める。静的テキスト４１８は、すべての文書４００に埋め込まれる固定のテキストである。或いは、名前テキスト変数４１６及び静的テキスト４１８は、ユーザーがバリアブルデザインアプリケーション１２８に対して、利用可能な既成フォーマットからなるテキストを名前テキスト変数４１６又は静的テキスト４１８として選択を要求した場合に、テキストオブジェクトライブラリー１２０から提供される。グリーティング・テキストオブジェクト４０４内のデータのサイズは、名前の長さが異なるため、異なる場合がある。最長の名前テキスト変数４１６を示す情報を有する文書と、最短の名前テキスト変数４１６を示す情報を有する文書が存在する。

図５に、アドレス・テキストオブジェクト４０６の一例を示す。アドレス・テキストオブジェクト４０６は、文書テンプレート４０１に従ってテキストオブジェクト内に配置され、いくつかのテキスト変数を含む。アドレス・テキストオブジェクト４０６は、文書４００内で使用するためのテキスト変数のセットをさらに定義するテキストブロックを含む。

テキスト変数には、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３で作成する各文書を生成する際に、ルールが規定する条件に合致する変数３１８を有する、データ記録ファイル３０８内のデータレコード３１６に含まれるコンテンツ（名前のコンテンツの場合、ファーストネーム、ミドルイニシャル（ミドルネーム）、及びラストネーム）が配置される。コンテンツ変数は、文書内における場所を指定する。

アドレス・テキストオブジェクト４０６は、名前コンテンツを構成するためのテキスト変数を含む名前テキストブロック５０２を有する。例えば、名前テキストブロック５０２は、ファーストネームテキスト変数５２０、ミドルイニシャルテキスト変数５２２、ラストネームテキスト変数５２４を含む。名前テキストブロック５０２は、例えば、アドレス・テキストオブジェクト４０６において最先となる位置に配置される。テキストオブジェクトについての変数とは、例えば、オブジェクトとして顧客毎に選択されるコンテンツ（テキスト）の種類を示し、更に、当該種類の選択されたコンテンツを配置させるために用いられる情報である。また、画像オブジェクトについての変数とは、例えば、オブジェクトとして顧客毎に選択されるコンテンツ（画像）の種類を示し、更に、当該種類の選択されたコンテンツを配置させるために用いられる情報である。

住所テキストブロック５０４は、アドレス・テキストオブジェクト４０６の内容の一部を特定するために定義されている。住所テキストブロック５０４は、例えば、名前テキストブロック５０２の次の位置に配置される。住所テキストブロックは、「１１００ Ｍｉｌｌｅｒ Ｓｔ．、Ｓｕｉｔｅ ６９０」などの住所に関するデータ記録からなる内容をオブジェクトの対象とする。例えば、住所テキストブロック５０４は、第１住所テキスト変数５２６及び第２住所テキスト変数５２８を含む。

場所テキストブロック５０６は、国、州、県などの場所に関するコンテンツをオブジェクトの対象とする。例えば、場所テキストブロック５０６は、都市テキスト変数５３０、州テキスト変数５３２、及び郵便番号テキスト変数５３４を含む。なお、いくつかのテキスト変数は、ミドルイニシャルテキスト変数５２２や第２住所テキスト変数５２８のように、場合によってデータが無い場合がある。

再度図４を参照して説明する。いくつかのテキスト変数又は静的テキストとして、標準的な基本ラテン語テキストの代わりに、ユニコードブロックを、オブジェクトとして埋めるために使用可能である。例えば、文書４００内のテキストに、！、＠、＃、＄、％、＆、＊、（）、［］などの記号が使用される場合があるため、ユニコードブロック５１０が提供されてもよい。ユニコードブロック５１０は、文書４００を生成するために用いられるユニコードブロック１及びユニコードブロック２を含む。プレビューが生成されるとき、バリアブルデザインアプリケーション１２８は、読み難いデータがプレビューに表示されないように、ユニコードブロック５１０にアクセスする。これにより、バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ユニコードブロックにより示される適切なテキストを表示させる。本実施形態で使用するためのユニコードブロック５１０は、テキストオブジェクトライブラリー１２０に格納されている。

テキスト変数の適用は、文書３００又は４００の印刷ジョブのために定義されたルール集１２６のルール３１４に従う。テキスト変数についてのルール３１４は、ルール３１４に合致する、データレコード３１６に格納されている名前のコンテンツに、ミドルイニシャルテキスト変数５２２に対応するテキストがない場合、ファーストネームテキスト変数５２０とラストネームテキスト変数５２４を互いに隣接して配置させる。言い換えれば、ミドルイニシャルテキスト変数５２２が削除される。別の例として、ルール３１４は、ルール３１４に合致する、データレコード３１６に格納されている住所のコンテンツに、第２住所テキスト変数５２８に対応するデータがない場合、都市テキスト変数５３０と、州テキスト変数５３２とを、第１住所テキスト変数５２６の次に配置させる。言い換えれば、第２住所テキスト変数が住所テキストブロック５０６内で削除される。

図６Ａは、本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いるルールの一例を示す図である。図６Ａは、それぞれステートメント１、ステートメント２、ステートメント３、及び最終ステートメントとして示される、ステートメント６０４、６０６、６０８、６１０を用いて生成されたルール６０２を示す。上記に開示した文書４００、テキストオブジェクト４０４及びアドレス・テキストオブジェクト４０６も参照してルール６０２を説明する。ルール６０２は、データレコード３１６に収められているコンテンツを文書に配置する際における、文書における当該コンテンツのレイアウト変更についての規則を定めたものである。ステートメントは、ルール通りの処理を実施するための条件を規定する。ルール６０２は、上記で開示されたルール３１４に対応する。すなわち、ルール６０２は、ルール３１４の一例である。ルール６０２は、生成された後、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３により文書を作成するときにバリアブルデザインアプリケーション１２８で使用するために、ルール集１２６に格納される。

ステートメントは、バリアブルデザインアプリケーション１２８により作成される。ユーザーは、グラフィカルユーザーインターフェース（ＧＵＩ）を使用して、ステートメントに用いる用語、変数、コンテンツ、及び条件を入力し、入力内容に従って、バリアブルデザインアプリケーション１２８がステートメントを定める。ステートメントは、先行するステートメントがない場合と、先行するステートメントが「真」でない場合に適用されるように生成される。ここでの「真」とは、当該ステートメントに基づいた処理を実施させることを示す例えば命令又はフラグである。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ルール６０２をデータ記録ファイル３０８のデータレコード３１６に対して適用したとき、ルール６０２が合致する変数３１８を有するデータレコード３１６のコンテンツに対して、「真」であるステートメントが示す条件を実施する。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ステートメント１～３のいずれも真ではない場合、最終ステートメント６１０を適用する。最終ステートメント６１０は、生成中の文書４００内の記録に関していかなるアクションも行わないことを示すアクション６１０２を有する。

ステートメント６０４は、ミドルイニシャルテキスト変数５２２についての条件を定義する。データ記録ファイル３０８内に収められているコンテンツとしての名前の中には、ミドルイニシャル（ミドルネーム）を含まないものがある。このときは、作成される文書のレイアウトは、ミドルイニシャル配置のためのスペース（欄）を含まないように修正することが望ましい。ステートメント６０４は、データレコード３１６に収められているコンテンツの１つであるミドルイニシャルを文書への配置対象とすることを示すミドルイニシャルテキスト変数５２２を有している。ステートメント６０４は、名前コンテンツにミドルイニシャルがあるか無いかに応じた処理を定義するための存在情報６１２を含む。

存在情報６１２が「有り」を示す場合、ステートメント６０４に従って実行されるアクション６１４の内容が、これに従って定義される。アクション６１４は、ミドルイニシャルについて、テキストオブジェクトのコンテンツ、テキストブロックのコンテンツ、テキストオブジェクトのスタイル、又はテキストブロックのスタイルを編集する。例えば、アクション６１４は、アクションのために定義されたコンテンツを用いて、アドレス・テキストオブジェクト４０６に埋め込むミドルイニシャルテキストを編集する。

図６Ａに示す、存在情報６１２が「無し」（Is Blank）の例では、ミドルイニシャルテキスト変数５２２が無いという条件を示すため、アクション６１４は、名前のためのテキストブロック５０２を、以下の形式（ミドルイニシャルを埋め込む欄がない）にするためにアドレス・テキストオブジェクト４０６を編集する。レイアウトを乱す不要なスペース（空白）は、生成される文書から除去される。
｛ファーストネーム｝｛ラストネーム｝
｛住所１｝
｛住所２｝
｛市｝｛州｝｛郵便番号｝
なお、実行されるステートメントでの処理対象となっていない編集対象のオブジェクトは、アクションが実行されず、全て対象のコンテンツが配置される（コンテンツを埋め込む欄を維持する）扱いとなる。

ステートメント６０４が「真」でない場合、ルール６０２の適用はステートメント６０６に移行する。ステートメント６０６は、先行するステートメント６０４が「真」でない場合に適用される。ステートメント６０６は、第２住所テキスト変数５２８についての条件を定義する。ユーザーによる指示の下、ステートメント６０４は、データレコード３１６に収められているコンテンツの１つである住所コンテンツの一部（例えば住所の第２行目部分）を、文書における住所配置領域の第２行目への配置対象とすることを示す第２住所テキスト変数５２８を有している。

ここで、データ記録ファイル３０８内の全ての住所コンテンツが、住所の２行目を含むわけではない。例えば、住所は、スイート、アパートメント、又はポストオフィスボックス番号を含まない場合がある。このため、文書のレイアウトを変更して、当該文書が、住所の第２の部分のための行を含まないようにすることが望ましい場合がある。ステートメント６０６は、データレコード３１６内の住所コンテンツに住所コンテンツの一部（例えば住所の第２行目部分）が存在するかしないかに応じた処理を定義するための存在情報６１２を含む。

ステートメント６０６の存在情報６１２が「有り」を示す場合、ステートメント６０６に従って実行されるアクション６１６の内容が、これに従って定義される。アクション６１６は、ステートメント６０６に従って行われるように定義される。アクション６１６は、テキストオブジェクトコンテンツ、テキストブロックコンテンツ、テキストオブジェクトスタイル、又はテキストブロックスタイルを編集する。例えば、アクション６１６は、アクションのために定義されたコンテンツを用いて、アドレス・テキストオブジェクト４０６を編集する。図６Ａに示す例では、存在情報６１２が「無し」（Is Blank）であり、第２住所テキスト変数５２８がないことを示すため、アクション６１６は、住所のためのテキストブロック５０４を、以下の形式にするためにアドレス・テキストオブジェクト４０６を編集する。この場合、アクション６１６は、アドレス・テキストオブジェクト４０６を編集して、住所テキストブロック５０４を以下のフォーマット（第２住所（住所の第２行目）を埋め込む欄がない）にする。
｛ファーストネーム｝｛ミドルネーム｝｛ラストネーム｝
｛住所１｝
｛市｝｛州｝｛郵便番号｝
ステートメント６０４及び６０６が「真」でない場合、ルール６０２の適用は、前の２つのステートメントで述べられた条件の組み合わせであるステートメント６０６に移る。つまり、ステートメント６０８が「真」であり、他のステートメント６０４，６０６が「真」ではない場合は、ステートメント６０８のアクション６２０が実行される。

アンド情報６１８がステートメント６０６に設けられている。これにより、ステートメント６０６は、ミドルネームのイニシャルがなく、住所の第２行目がないという両方の条件がアドレス・テキストオブジェクト４０６に適用されることを定義する。アンド情報６１８は「ＡＮＤ」命令であり得る。例えば、ステートメント６０６が、ミドルイニシャルテキスト変数５２２及び第２住所テキスト変数５２８がコンテンツ又はデータを含まないことを示す場合、アクション６２０が実行される。例えば、アクション６２０は、アクションの対象となるコンテンツのために、アドレス・テキストオブジェクト４０６を編集する。この場合、アクション６２０は、アドレス・テキストオブジェクト４０６を編集して、名前のテキストブロック５０２及び住所テキストブロック５０４を以下のフォーマット（ミドルイニシャル及び第２住所を埋め込む欄がない）にする。
｛ファーストネーム｝｛ラストネーム｝
｛住所１｝
｛市｝｛州｝｛郵便番号｝
また、ステートメント６０４、６０６、及び６０８のいずれもが「真」でない場合、最終ステートメント６１０のみがルール６０２として適用される。最終ステートメント６１０は、アクション６１０２が採られることを定義する。この例の場合、アクション６１０２は、アドレス・テキストオブジェクト４０６のコンテンツに対して何もしないか、又は何も編集しないことを示す。ルール６０２は、データレコード３１６に特定のコンテンツが欠落している場合でも、レイアウトが乱れていない、すなわち、当該特定のコンテンツを埋め込むための欄を削除しないアドレス・テキストオブジェクト４０６を提供する。レイアウトを乱す不要なスペース（空白）であっても、生成される文書から除去されない。他の実施形として、データレコード３１６から取得した配置対象とするコンテンツ部分には、ステートメントに従ってイタリックに変更されるか、又は下線が引かれるように変更されてもよい。

存在情報６１２及びアンド情報６１８などは、ステートメント内の複雑な条件を定義するために、一緒に列挙される異なる式を含んでもよい。これらの式は、＝、＞、＜などの数学演算子を含んでもよい。比較のための式はまた、含む、含まない、一緒に始まる、一緒に始まらない、一緒に終わる、一緒に終わらない、空白である、空白でないなどの単語又はフレーズを含んでもよい。これらの表現は、ステートメント６０６によって開示されるように、互いに使用されてもよい。例えば、ステートメントは、以下の条件を定義してもよい。
｛Ｎ｝｛で始まる｝｛ファーストネーム｝｛ＡＮＤ｝｛Ｊｒ｝｛を含まない｝｛ＡＮＤ｝｛ｉ｝｛を含む｝．
ルール６０２は、一旦定義されると、バリアブルデザインアプリケーション１２８によって名前が付与されて保存される。例えば、ルール６０２は、「名前と住所のルール」と命名され、データ記録ファイル３０８のためにバリアブルデザインアプリケーション１２８を実行するときのアプリケーション用のルール集１２６の１つのルールとして保存される。例えば、名前及び住所については、ルール６０２に従って、ミドルイニシャルが削除され、住所の第２行が削除されたＶＤＰ印刷ジョブ１１３が作成される。

本実施形態はまた、より良い適用プロセスのために、ステートメント６０４～６０８を有する、再構築されたルール６０２を提供することが可能である。例えば、ステートメント６０８が「真」であることにより、ステートメント６０４及び６０６を適用する必要性が回避される。このため、ステートメント６０８は、図６Ｂに示されるように、ルール６０２の最初（最上部）に配置されてもよい。命令６５０は、ステートメント６０８を、ステートメント６０６と６１０との間の位置から、最初に適用される位置である、ステートメント６０４の前に移動させる。バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ルールが示す条件に対する好ましい処理順序を定義するために、ステートメントを所望のように移動させることができる。最終ステートメント６１０は、先行するステートメントのいずれもが「真」でない場合に適用されるように、依然としてルールの最後（最下部）に配置される。

図７は、本発明の一実施形態に係るバリアブルデータ印刷方法で用いるルールの他の例を示す図である。図７は、それぞれステートメント１、ステートメント２、及び最終ステートメントとしても示されるステートメント７０４、７０６、及び７０８を使用して生成されたルール７０２を示す。ルール７０２は、データレコード３１６に収められているコンテンツを文書に配置する際に、文書における当該コンテンツのレイアウト変更についての規則を定めたものである。ルール７０２は、ルール６０２と共に用いることも可能である。例示として、上記に示した文書３００及び画像オブジェクト３０２を参照する。ステートメントは、ルール通りの処理を実施するために条件を規定する。ルール７０２は、上記で開示されたルール３１４に対応する。ルール７０２は、生成された後、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３により文書を作成するときにバリアブルデザインアプリケーション１２８で使用するため、ルール集１２６の１つのルールとして格納される。

ステートメント７０４及び７０６は、上記に開示されたステートメント６０４、６０６、及び６０８と同様にして生成される。一例として、バリアブルデザインアプリケーション１２８は、ルールに合致する変数３１８を有するデータレコード３１６のコンテンツに対して処理を実行する。例えば、コンテンツ変数７１０は、ＶＩＰ会員であるか否かを示す情報としての変数３１８に対応付けられ、情報７１２及び値７１４との組み合わせでＶＩＰ会員であるか否かに応じた処理の内容を定義する。ＶＩＰ会員は、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３を使用するサービスから追加の特典を受ける。データレコード３１６（変数３１８）で示されるＶＩＰ会員であるか否かを示す情報は、”Ｙｅｓ”又は”Ｎｏ”である。ステートメント７０４は、処理を実行する条件を定めるために、コンテンツ変数７１０が値７１４（”Ｙｅｓ”又は”Ｎｏ”を示す）を含むかどうかを決定する情報７１２を使用する。データレコード３１６は、コンテンツ変数７１０に対応するＶＩＰ会員であるか否かを示す情報（変数３１８）にＹｅｓを含むことができる。

情報７１２が「値７１４を含む」を示し、値７１４が”Ｙｅｓ”である場合
、ステートメント７０４は、画像ファイル３１０の特定の画像ファイル（ここでは、ＶＩＰ会員にのみ提供する画像を示すファイル）を取得するようにバリアブルデザインアプリケーション１２８に指示し、当該特定の画像ファイルを取得する。ステートメント７０４は、当該ステートメントが「真」である場合に、ルール７０２によって適用される。このとき、アクション７１６は、画像オブジェクト３０２におけるコンテンツ変数７１０としての画像ソースを、バリアブルデザインアプリケーション１２８によって使用されるＵＲＬ又はストレージロケーションが示す画像とする。画像オブジェクトライブラリー１２２は、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３の生成に用いるための複数の異なる画像を含む。ステートメント７０４は、ステートメントで定義された条件に従って、画像ソースを変更する。例えば、ＶＩＰ会員は、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３によって印刷される文書３００で促される販売キャンペーンでの購入で２０％の割引優遇を受ける。画像オブジェクト３０２にコンテンツ変数７１０として配置される画像は、例えば、２０％割引を示すグラフィックを含む画像ファイル３１０が示す画像である。すなわち、当該画像は、ＶＩＰ会員であるか否かを示す情報が”Ｙｅｓ”である変数３１８を有する個人情報を有する顧客に対する文書に
のみ配置される。

ステートメント７０６は、先行するステートメントが「真」でなく、ステートメント７０６が「真」である場合に、ルール７０２によって適用される。ステートメント７０６は、例えば、販売キャンペーンのための文書３００の受信者の年齢を指定する。例えば特定の年齢の顧客に絞って割引を提供することが望まれる場合、対象特定情報７１８は、データレコード３１６で提供される年齢に関連付けられる。

ステートメント７０６は、年齢を示す対象特定情報７１８が値７２２のための指定情報７２０に従うことを定義する。例えば、対象特定情報７１８、指定情報７２０及び値７２２の組み合わせで、対象とする年齢又は年齢層が定まる。例えば、指定情報７２０は、値７２２の「２５」以下であることを示す情報である。従って、この例では、「２５歳以下である文書３００の受取人」、すなわち、データレコード３１６の個人情報に、変数３１８として２５歳以下であることを示す情報がある顧客についての文書が、ステートメント７０６のアクション７２４の対象となる。アクション７２４は、この場合に画像オブジェクトとして配置する特定の画像を指定する。アクション７２４は、画像オブジェクト３０２の当該画像のソースを、アクション７１６で指定されたものとは異なる画像に指定して編集することが好ましい。この画像ファイルは、プロモーションを告知する異なるグラフィックを含んでもよいし、１０％割引のみを指定してもよい。

最終ステートメント７０８は、ステートメント７０４及び７０６が「真」でない場合に、ルール７０２に適用される。上述の最終ステートメント６１０と同様に、この最終ステートメントは、先行するステートメントのいずれもが「真」でない場合に、アクション７２６が実行されることを指定する。アクション７２６は、何もアクションを取らないことを定める。他の実施形態として、アクション７２６は、別のプロモーション・グラフィックのための第３の画像ソース（割引がないことを示す画像）を示す場合がある。

ステートメント７０４及び７０６も再構築されてよい。データレコード３１６の内容及びデータに基づいて、潜在顧客が利用可能な最大の割引を受けるように、ルール７０２の最初（最上部）に最大の割引を配置することが好ましい。この例では、ＶＩＰ会員割引は２０％であり、若年会員割引は１０％であるので、ルール７０２は、ＶＩＰ会員割引２０％を示すステートメント７０４を最初とし、その次に、若年会員割引１０％を示すステートメント７０６を配置することが望ましい。

図８は、本実施形態によるバリアブルデータ印刷方法においてテキスト変数と共に用いるルール６０２を実施するためのフローチャート８００を示す図である。フローチャート８００に示す各処理を、図１～図７を参照して説明する。しかしながら、フローチャート８００に示す処理は、図１～図７によって示す実施形態に限定されない。なお、この実施形態では、ルール６０２が用いられるものとする。

本実施形態によるバリアブルデータ印刷方法では、まず、ステップ８０２として、複数の文書４００に適用する文書テンプレート４０１に基づいて、テキストオブジェクトが定義される。例えば、テキストオブジェクトは、グリーティング・テキストオブジェクト４０４又はアドレス・テキストオブジェクト４０６である。例として、ルールを実行するためのアドレス・テキストオブジェクト４０６を説明する。図５に示したように、アドレス・テキストオブジェクト４０６は、テキスト変数５２０～５３４を含む。テキスト変数に対応して配置されるテキスト（コンテンツ）は、各文書４００に対応してそれぞれのデータレコード３１６が提供する内容に従って各文書において異なる。このため、テキスト変数に対応して配置されるテキストは、各文書４００の間で動的に変化する。

続いて、ステップ８０４として、文書テンプレート３０１で用いられる、アドレス・テキストオブジェクト４０６内のテキスト変数を特定する。例えば、本実施形態では、各顧客の名前、住所及び場所を示すコンテンツ等に対応するテキスト変数が特定される。

そして、ステップ８０６では、適用するルールを選択する。ここでは、ステップ８０４においてアドレス・テキストオブジェクト４０６内で選択されたテキスト変数にルール６０２を適用するものとする。ルール６０２は、適用する１つ又は複数のステートメントを含む。ルール６０２は、選択されたテキスト変数が満たすべき条件を定義する、ステートメント６０４～６１０などのステートメントを含む。例えば、ミドルイニシャルテキスト変数５２２がルール６０２に関連付けるために選択される。追加のテキスト変数も、ルール６０２で引用されるために選択される。

続くステップ８０８では、まず、ルール６０２内の最初のステートメントを分析する。

ステップ８１０では、上記ステートメントが示す内容に従ってテキスト変数としての名前、住所及び場所を示すコンテンツに対して、どのような条件でどのようなアクションを行うかを分析する。例えば、ステートメント６０４は、ミドルイニシャルテキスト変数５２２を分析し、それが「無し」であるかを判断する。本実施形態ではまた、ステートメント６０８のための第２住所テキスト変数５２８のような他のテキスト変数も同様に分析する。

ステップ８１２では、当該ステートメントが「真」であるかどうか、すなわち、当該ステートメントが示す処理を実行するか否かを判断する。

ステップ８１２でＮｏであれば、すなわち、当該ステートメントが「真」でなければ、ステップ８１４において、ルール６０２が他のステートメントを含むかを判断する。すなわち、現在のステートメントが「偽」である場合に、残りのステートメントがあるかを判断する。

ステップ８１４がＹｅｓである場合、すなわち、ルールが他のステートメントを含む場合、次のステートメントに進む（ステップ８１５）。例えば、ステップ８１２でステートメント６０４が「偽」であれば、ルール６０２は、評価対象をステートメント６０６に移行させる。この移行後、フローチャート８００は、ステップ８０８に戻る。

ステップ８１４がＮｏである場合は、残りのステートメントがないため、これ以上ステートメントを分析する必要がない。このため、処理はステップ８１８に進む。

また、ステップ８１２がＹｅｓである場合、すなわち、当該ステートメントが「真」である場合、ステップ８１６は、ステートメントに規定されたアクション（例えば、存在情報６１２及びミドルイニシャルテキスト変数５２２の内容に従って定まるアクション６１４）を実施する。アクションは、アドレス・テキストオブジェクト４０６のためのテキストオブジェクトのフォーマットを上述のように編集することである。アクションは、バリアブルデザインアプリケーション１２８によって、ルール集１２６又はこの印刷ジョブに関連する他のストレージから、編集されたフォーマットを取り出してもよい。他の実施形態として、アクションは、テキストオブジェクト内のテキスト変数の形式（スタイル）を修正又は訂正してもよい。

ステップ８１８では、文書４００のアドレス・テキストオブジェクト４０６に、修正されたテキストオブジェクトフォーマットに従って、対応するデータレコード３１６が示すテキストデータ又はコンテンツを挿入する。上述したように、ステートメント６０４のアクション６１４は、ファーストネームテキスト変数５２０とラストネームテキスト変数５２４との間に余分なスペースをなくしつつ、ミドルイニシャルテキスト変数５２２を含まないようにアドレス・テキストオブジェクト４０６を修正する。なお、ステップ８１４でＮｏとなってステップ８１８が実行される場合は、対応するデータレコード３１６が示すテキストデータ又はコンテンツは、上記修正がされていない元のままのテキストオブジェクトフォーマットに従って挿入される。

ステップ８２０では、上述のようにルール６０２の適用で各文書を生成するＶＤＰ印刷ジョブ１１３により作成された各文書を格納する。

ステップ８２２では、上記のようにフォーマットが編集された上でテキストオブジェクトとして配置されたテキストデータ又はコンテンツを有する、上記生成された各文書を表示する。例えば、作成されたある文書４００は、受信者のミドルイニシャルがなく、かつファーストネームとラストネームの間に余計な空白スペースがない名前テキストを有する内容で表示される。

図９は、本実施形態による、バリアブルデータ印刷において画像変数と共に使用するルール７０２を実装するためのフローチャート９００を示す図である。フローチャート９００の説明では、説明のために図１～図８を参照する。しかしながら、フローチャート９００は、図１～８によって本実施形態を限定する趣旨ではない。この実施形態では、ルール７０２が適用されるものとする。

まず、ステップ９０２として、複数の文書のための文書テンプレート３０１内に画像プレイスホルダーを有する画像オブジェクトを定義する。図３を参照すると、画像オブジェクト３０２は、文書テンプレート３０１を使用して文書３００に定義される。文書テンプレート３０１は、文書３００内の画像プレイスホルダーとして、グラフィックオーバーレイ又は他の指定情報を提供する。

続いて、ステップ９０４では、画像オブジェクトに対するルール７０２のまずステートメント７０４を分析する。上述したように、ステートメント７０４は、ルール７０２を定義する際に、バリアブルデザインアプリケーション１２８により生成される。この例では、ステートメント７０４は、文書の受信者がＶＩＰ会員であるか否かを示す情報としての変数３１８を、データレコード３１６が含むかどうかに基づいてアクション７１６を実行するか否かを決定する。

ステップ９０６では、ルール７０２による処理対象とする画像変数を特定する。ここでの画像変数は、上記のように記録のＶＩＰ会員ステータスを示す情報に応じて変更される画像であり、例えば、コンテンツ変数７１０が処理対照として特定される。なお、ステートメント７０６では、変数３１８として、データレコード３１６に関連する受信者の年齢が対象となる。

ステップ９０８では、ルール７０２、より具体的にはステートメント７０４が示す内容に従って画像変数について、どのような条件でどのようなアクションを行うかを分析する。上述したように、データレコード３１６の変数３１８がＶＩＰ会員であることを示すか否かに応じて、画像変数がオブジェクトとして配置されるか否かが異なるので、画像変数として配置される画像は、複数の文書間で異なる。

ステップ９１０は、ステートメントが「真」であるかどうかを判定する。

ステップ９１０がＮｏであれば、ステップ９１２において、ルール７０２に別のステートメントが存在するかどうかを判断する。ルール７０２は、本実施形態では、複雑なルールが定義され得るように、複数のステートメントを含む。このため、ステップ９１２がＹｅｓである場合、ステップ９１４では、次のステートメントに進む。この例では、ルール７０２は、更なるステートメント７０６を含む。処理はステップ９０４に戻り、ステップ９０４～ステップ９１０が実行され、ステートメント７０６が「真」であるかどうかが判定される。また、ステップ９１２がＮｏである場合は、処理はステップ９２０に進む。

ステップ９１０がＹｅｓである場合は、ステップ９１６として、「真」であるステートメントによる処理の対象となっている画像ファイル３１０を検索して取得する。ステートメント７０４の場合、アクション７１６は、画像ファイル３１０の記憶場所、すなわち画像ソース１から適切な画像を取得するようバリアブルデザインアプリケーション１２８に指示する。文書３００に配置される画像の画像ソースは、ＵＲＬにより特定される。

続いて、ステップ９１８では、文書テンプレート３０１内の画像プレイスホルダーによって定義された場所に、ステップ９１６で取得した画像を文書３００に配置する。画像は、単に文書３００内の任意の場所に配置されるのではなく、画像プレイスホルダーによって定義された場所に画像オブジェクト３０２として配置される。

ステップ９２０では、上述のようにルール７０２の適用で各文書を生成するＶＤＰ印刷ジョブ１１３により作成された各文書を格納する。

ステップ９２２では、上記のようにフォーマットが編集された上で画像オブジェクトとして配置された画像を有する、上記生成された各文書を表示する。ステップ９２２では、ユーザーによるレビューのために、このような画像が配置された文書３００を表示する。例えば、画像ソースによってデザインされた画像がＶＩＰ会員向けの２０％割引のためのグラフィックである場合、そのグラフィックは、ＶＩＰ会員である顧客に配布される文書３００に配置される。ＶＩＰ会員ではない顧客に対しては、ＶＩＰ会員向けの上記画像が配置されない。この場合、別の画像が画像オブジェクト３０２に配置されることが好ましい。

したがって、本実施形態によれば、様々な画像又はテキストを用いて異なるスタイルの複数の文書を簡単に作成可能になる。また、画像は、バリアブルデザインアプリケーション１２８を更新することなく、必要に応じて上記ルールを変更することで、テキストの配置又は画像の内容を編集できる。このように、上記ルールの定義を変更することにより、必要な内容を含む文書の作成のために必要な印刷ジョブを、正確かつ効率的に生成することができる。

図１０は、本実施形態によるバリアブルデータ印刷に用いる複数のルールを実装するためのフローチャート１０００を示す。フローチャート１０００の説明では、図１～図９を参照する。但し、フローチャート１０００を、図１～図９に示す実施形態に限定する趣旨ではない。この実施形態では、ルール６０２及び７０２を適用するものとする。

まず、ステップ１００２では、複数の文書に適用する文書テンプレート３０１に基づいて、ルール６０２及び７０２の処理対象とするオブジェクトを定義する。オブジェクトは、ルール適用の対象となる。上記実施形態では、画像オブジェクト３０２は、ルール７０２の対象であり、アドレス・テキストオブジェクト４０６は、ルール６０２の対象である。

続いて、ステップ１００４では、上記オブジェクトに適用する各ルールのステートメントを分析する。ステートメントの例は、上記に開示されたステートメント６０４、６０６、６０８、７０４、及び７０６である。ステートメントには「真」又は「偽」が設定されている。

ステップ１００６は、分析すべき追加のステートメントがあるかを判断する。定義すべき追加のステートメントがあり、ステップ１００６でＹｅｓであれば、フローチャート１０００はステップ１００４に戻り、更に別のステートメントを分析する。つまり、各ルールの全てのステートメントを分析したかを判断する。

分析すべきステートメントがなく、ステップ１００６でＮｏであれば、ステップ１００８において、各ルールを修正する。例えば、上記の図６Ｂに示したように、ステートメント６０８が「真」であることにより、ステートメント６０４及び６０６を適用する必要性が回避されるため、ステートメント６０８を、ルール６０２の最初（処理順が最先。最上部）に配置する修正を行う。このように、ルールのために定義された各ステートメントの順序は、あるステートメントが最初に処理されるように移動させる、或いは、あるステートメントを他のステートメントの次の順に移動させる。このように、ステートメントの順序を変更する必要があるときは、ルールを修正する。

ステップ１００９は、バリアブルデザインアプリケーション１２８によって、上記ルール又は修正されたルールを保存する。ルールは、後にデータ記録ファイル３０８を用いてＶＤＰ印刷ジョブ１１３を作成するときに使用するために、名前を付けて保存される。例えば、ルールは、クライアント装置１１０又はルール集１２６で保存される。

ステップ１０１０では、各ルールのステートメントが示すアクションの実行により複数の文書を生成するための準備を開始する。データ記録ファイル３０８は、印刷装置１０４に送られるＶＤＰ印刷ジョブ１１３のために、及びこれにより文書を生成するために、バリアブルデザインアプリケーション１２８又は他のアプリケーションにアップロードされる。

ステップ１０１２では、各データレコード３１６に対して適用するルールを選択する。ここでは、各データレコード３１６に対して上記のルール６０２及び７０２の適用を開始するものとする。定義されたオブジェクトには、ルール内のステートメントに従って、テキストや画像などのコンテンツが配置されることになる。

ステップ１０１４では、ルール内の定義されたステートメントを順次適用する。上述のように、ルールが複数のステートメントを含む場合、まずは最初のステートメントが適用される。

ステップ１０１６では、適用されるステートメントが「真」であるかどうかを判断する。上述したように、ステートメントは、「真」又は「偽」のいずれかになる条件を含み、「真」のステートメントから適用される。ステートメントが「真」である例は、上述の図８及び図９に示される。ステップ１０１６がＮｏであるとき、すなわち、ステートメントが「偽」であるときは、当該ステートメントで定義された任意のアクションは実施されない。

ステップ１０１８では、現在のステートメントが真でない場合に、実施される別のステートメントを、上記各ルールが含むかを判断する。ステップ１０１８でＹｅｓの場合、すなわち、上記各ルールが別のステートメントを含む場合、処理はステップ１０１４に戻り、次のステートメントが適用される。ステップ１０１８でＮｏの場合、処理はステップ１０２４に進む。

また、ステップ１０１６でＹｅｓのときは、ステップ１０２０に進み、ステップ１０２０では、ステートメントで規定されている条件に基づいてアクションを実行する。アクションの例は、図８及び図９等で上述した通りである。

ステップ１０２２では、アクションの結果として、オブジェクトのテキストフォーマットが変更され、又はオブジェクトに異なる画像が配置される。このため、ステップ１０２２では、ステートメントに実装されたアクションに基づいて、オブジェクトに配置されたデータ又はコンテンツを変更する。

ステップ１０２４は、上記各ルールの適用により内容が異なる複数の文書を生成する。

ステップ１０２６では、生成された複数の文書を格納する。

ステップ１０２８では、ルールに従って変更されたコンテンツ又は変更されたフォーマットを有するオブジェクトが適用された、上記生成された文書を表示する。

ステップ１０１２～１０２８は、ＶＤＰ印刷ジョブ１１３を生成するために使用されている、すべてのデータレコード３１６について実行されることに留意されたい。いくつかの印刷ジョブは、それぞれがデータレコード３１６のコンテンツに基づいて生成される数千の文書を対象として含む可能性がある。また、ステップ１０２８では、すべての文書を表示可能とは限らない。このため、本実施形態は、表示される文書を制限するために、更なるルール又はプロセスを実装してもよい。

当業者には理解されるように、本発明は、システム、方法又はコンピュータープログラム製品として具現化される。したがって、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態（ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む）、又はソフトウェアとハードウェアの側面を組み合わせた実施形態の形態をとることができ、これらはすべて、本明細書において一般に”回路”、”モジュール”、”システム”と呼ばれる場合がある。さらに、本発明は、媒体に具現化されたコンピューター使用可能なプログラムコードを有する任意の有形表現媒体に具現化されたコンピュータープログラム製品の形態を採ることができる。

また、ひとつ又は複数のコンピューター使用可能又はコンピューター読取可能な媒体（複数可）の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピューター使用可能又はコンピューター読取可能な媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、デバイス、装置、又は伝搬媒体であってもよいが、これらに限定されるものではない。コンピューター可読媒体のより具体的な例（コンピューター可読媒体をこの例に限定する意味ではない）としては、１本以上のワイヤーを有する電気接続、携帯用コンピューターディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリー（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリー（ＲＯＭ）、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリー（ＥＰＲＯＭ又はフラッシュメモリー）、光ファイバ、携帯用コンパクトディスク読み取り専用メモリー（ＣＤ－ＲＯＭ）、光ストレージ装置、インターネット又はイントラネットをサポートするものなどの伝送メディア又は磁気ストレージ装置がある。コンピューターで使用可能な媒体又はコンピューターで読み取り可能な媒体は、プログラムが印刷された紙又は他の適切な媒体である場合もあり得る。

本発明の動作を実行するためのコンピュータープログラムコードは、Ｊａｖａ、Ｓｍａｌｌｔａｌｋ、Ｃ＋＋などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「Ｃ」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、更には、従来の手続き型プログラミング言語を含む１つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。プログラムコードは、(i)ユーザーのコンピューター上で完全に実行する、(ii)ユーザーのコンピューター上で部分的に、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行する、(iii)ユーザーのコンピューター上で部分的に、リモートコンピューター上で部分的に、又はリモートコンピューター又はサーバー上で完全に実行する、のいずれでもよい。(iii)では、リモートコンピューターは、ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）又はワイドエリアネットワーク（ＷＡＮ）を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザーのコンピューターに接続されてもよく、また接続は（例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して）外部のコンピューターになされてもよい。

本発明は、本発明の実施形態による方法、装置（システム）及びコンピュータープログラム製品による処理を示すフローチャート図及び／又はブロック図を参照して説明される。フローチャート図及び／又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び／又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータープログラム命令によって実施される。これらのコンピュータープログラム命令は、汎用コンピューター、特殊目的コンピューター、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサーに提供される。そして、コンピューター又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサーを介して実行される命令が、フローチャート及び／又はブロック図のブロック又はブロックにおいて指定される機能／行為を実施する機器を成立させる。

図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータープログラム製品の実装が可能なアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能（複数可）を実施するための１つ又は複数の実行可能な命令からなる、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表す。また、いくつかの代替的な実装では、ブロックに記された機能は、図に記された順序とは異なって発生する可能性がある。例えば、連続して示された２つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行される場合が有り得、ブロックは、関係する機能に応じて、時には逆の順序で実行される場合も有り得る。また、ブロック図又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能又は行為を実行する特別目的のハードウェアベースのシステム、又は特別目的のハードウェアとコンピューター命令の組み合わせによって実装可能である。

本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のものであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、用語「含む」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、又はコンポーネントの存在を規定するが、１つ又は複数の更なる他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び／又はそれらの群の存在又は付加を排除しない。

実施形態は、コンピュータープロセス、コンピューターシステム、又はコンピューター可読媒体のコンピュータープログラム製品などの製造品であってもよい。コンピュータープログラム製品は、コンピューターシステムによって読み取り可能なコンピューター記憶媒体であってよく、コンピュータープロセスを実行するためのコンピュータープログラム命令を符号化する。当該命令は、プロセッサーに、他のコンポーネントが上記に開示された機能を実行することを可能にする。

請求項におけるすべての手段又はステップに加えて機能要素の対応する構造、材料、行為、及び等価物は、他の請求項の要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料又は行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示及び説明のために提示されたが、本発明が、開示された形態に限定されることを意図していない。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者により可能である。実施形態は、本発明の原理及び実用化を最もよく説明するために、また、当業者が、企図される特定の用途に適するように種々の変更を伴う実施形態について本発明を理解できるように、選択及び説明されたものである。

開示されたネットワーク又はシステムの１つ又は複数の部分は、情報及びデータを交換可能なネットワークに結合された１つ又は複数の印刷システムに亘って分散することも可能である。印刷システムの様々な機能及び構成は、複数のクライアントコンピュータープラットフォームに亘って分散されてもよく、又は分散システムの一部としてタスクを実行するように構成されてもよい。これらの構成は、プロトコルを使用してネットワーク上で通信する実行可能コード、中間コード、又は解釈コードであってもよい。構成は、ネットワーク内で構成要素を識別するために、指定された住所又は他の指定子を有する。

当業者は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、開示されたものに様々な変更を加えることが可能なことは明らかである。したがって、本発明は、これらの変更が特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入ることを条件として、上記に開示された変更及び変形をカバーすることを意図する。

１００ 印刷システム
１０４ 印刷装置
１０８ 印刷管理サーバー
１１０ クライアント装置
１１３ ＶＤＰ印刷ジョブ
１２８ バリアブルデザインアプリケーション
３００ 文書
３０１ 文書テンプレート
３０２ 画像オブジェクト
３０４ 固定オブジェクト
３０６ テキストオブジェクト
３０８ データ記録ファイル
３１８ 変数
４００ 文書
４０１ 文書テンプレート
４０２ 固定オブジェクト
４０４ グリーティング・テキストオブジェクト
４０６ アドレス・テキストオブジェクト
５００ 文書
６０２ ルール
６０４，６０６，６０８ ステートメント
６１０ 最終ステートメント
６１４，６１６，６２０ アクション
７０２ ルール
７０４，７０６ ステートメント
７０８ 最終ステートメント
７１６，７２４，７２６ アクション

Claims (20)

1. 複数の文書に適用する文書テンプレート内のテキストオブジェクトを定義するバリアブルデータ印刷方法であって、
   前記テキストオブジェクトは、前記複数の文書間で動的に変化する第１のテキスト変数を含み、
   第１のステートメントを有するテキストオブジェクトルールに従って前記第１のテキスト変数の内容を分析するステップと、
   前記分析された前記第１のテキスト変数の内容に基づいて、前記第１のステートメントに従って、前記テキストオブジェクトのフォーマットを修正するステップと、
   前記修正したフォーマットに従って、テキストデータを前記文書用の前記テキストオブジェクトに挿入するステップと、
   前記修正したフォーマットに従って挿入された前記テキストデータを含む前記テキストオブジェクトを有する文書を表示するステップと、を備える、バリアブルデータ印刷方法。
2. 更に、前記修正したフォーマットに従って挿入された前記テキストデータが充填された前記テキストオブジェクトを前記複数の文書内に格納する、請求項１に記載のバリアブルデータ印刷方法。
3. 更に、テキストデータ用の複数の候補を有するデータ記録ファイルから、前記修正したフォーマットに従って前記テキストオブジェクトに挿入される前記テキストデータを検索する、請求項１に記載のバリアブルデータ印刷方法。
4. 更に、前記第１のテキスト変数に対応するテキストデータに適用する条件を用いて、前記テキストオブジェクトルールが備える第１のステートメントを生成する、請求項１に記載のバリアブルデータ印刷方法。
5. 更に、前記第１のステートメントに用いられている前記条件を、前記第１のテキスト変数の対象となるテキストデータが満たすか、を分析する、請求項４に記載のバリアブルデータ印刷方法。
6. 前記テキストオブジェクトルールは、第２のステートメントを更に含み、当該第２のステートメントに従って、前記第１のテキスト変数の内容を分析する、請求項１に記載のバリアブルデータ印刷方法。
7. 前記テキストオブジェクトルールは、第２のステートメントを更に含み、当該第２のステートメントに従って、第２のテキスト変数の内容を分析する、請求項１に記載のバリアブルデータ印刷方法。
8. 更に、前記テキストオブジェクトルールにおける前記第１のステートメントと前記第２のステートメントの順序を変更する、請求項７に記載のバリアブルデータ印刷方法。
9. 複数の文書に適用する文書テンプレート内に画像プレイスホルダーを用いて画像オブジェクトを定義するステップと、
   画像オブジェクトルールに従って、前記文書に関連付けて、複数の文書間で異なる値となる画像変数を分析するステップと、
   前記画像変数に従って画像オブジェクトルールに関連する画像を取り出すステップと、
   前記文書内において、前記画像プレイスホルダーによって定義された位置に、前記取り出した画像を配置するステップと、
   前記画像が配置された前記文書を表示するステップと、を含む、バリアブルデータ印刷方法。
10. 更に、前記画像変数に従った、前記画像オブジェクトに配置する画像の検索をしない、請求項９に記載のバリアブルデータ印刷方法。
11. 更に、前記画像オブジェクトに配置する画像なしで前記文書を表示する、請求項１０に記載のバリアブルデータ印刷方法。
12. 更に、前記画像変数に適用する条件を用いて、前記画像オブジェクトルールを生成する、請求項９に記載のバリアブルデータ印刷方法。
13. 前記画像オブジェクトルールは、前記画像変数に適用する条件を定義するステートメントを含む、請求項１２に記載のバリアブルデータ印刷方法。
14. 更に、前記ステートメントに従って、前記画像変数に対応する画像として前記画像オブジェクトに配置する画像のソースを変更するアクションを実行する、請求項１３に記載のバリアブルデータ印刷方法。
15. 複数の文書に適用する文書テンプレート内で、ルールの対象とするオブジェクトを定義するバリアブルデータ印刷であって、
    前記ルールに含まれる第１のステートメントを定義するステップを備え、
    前記第１のステートメントは、前記ルールに定義された第１の変数に関する条件についての第１の式を有し、
    前記第１の変数は、前記複数の文書を生成するためのデータ記録ファイル内のデータレコードとしてのコンテンツに関連付けられ、前記第１の変数に関するコンテンツに、前記ルールに含まれる前記第１のステートメントを適用するステップと、
    前記第１の変数に関するコンテンツに前記第１のステートメントを適用した結果に従って、第１のアクションを実行するステップと、を備え、
    前記第１のアクションは、前記第１の変数に関するコンテンツとして前記オブジェクトに配置するコンテンツを定義する、或いは、前記オブジェクトのフォーマットを変更する、バリアブルデータ印刷方法。
16. 前記ルールに含まれる第１のステートメントを定義することは、前記第１のステートメントが、前記オブジェクトにおいて定義された第１の変数に関する条件について第２の式を有することである、請求項１５に記載のバリアブルデータ印刷方法。
17. 前記ルールに含まれる第２のステートメントを定義することは、前記第２のステートメントが、前記オブジェクトにおいて定義された第２の変数に関する条件について第２の式を有することである、請求項１５に記載のバリアブルデータ印刷方法。
18. 前記第１のステートメントの条件が真でない場合、前記ルールに含まれる第２のステートメントを前記データ記録ファイル内の各データレコードに含まれる前記第２の変数に対応するコンテンツに適用する、請求項１７に記載のバリアブルデータ印刷方法。
19. 前記第２のステートメントが前記第１のステートメントよりも先に適用されるように前記ルールを修正する、請求項１７に記載のバリアブルデータ印刷方法。
20. 各データレコードについて、前記ルールに含まれる前記第２のステートメントの適用結果に従って第２のアクションを実施し、前記第２のアクションは、第１のアクションとは異なる方法で、前記データレコードから取得されて前記オブジェクト内に配置されるコンテンツ、又は前記オブジェクトのフォーマットを修正する、請求項１７に記載のバリアブルデータ印刷方法。

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