以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明の画像形成装置を含むシステムについて説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
本実施形態のシステム1の全体構成について、図1に基づいて説明する。図1に示すように、システム1は、端末装置10と、発券サーバ装置20と、チケット印刷装置30と、コンテンツサーバ装置40と、画像形成装置50とにより構成される。端末装置10と、発券サーバ装置20と、コンテンツサーバ装置40と、画像形成装置50とは、インターネットNWによって接続されている。
端末装置10は、システムを利用してチケットを注文する者(以下、「利用者」という)が使用する情報端末装置である。例えば、端末装置10は、PC(Personal Computer)である。なお、端末装置10は、タブレットや、スマートフォンといった可搬型の装置であってもよい。
本実施形態におけるチケットとは、展覧会、講演会、スポーツ等のイベントが開催される会場に入場したり、観戦したりするときに、イベントの開催者に提示することで、利用者がイベントの会場に入場できる者であることを示すためのものである。本実施形態では、チケットは、紙(チケット用紙)に、イベント名や、イベントの開始日時や、会場名といった情報を伝達するための文字が印刷された印刷物であることとして説明する。また、チケット用紙に所定の情報を印刷することを、本実施形態では、発券とも記載する。
発券サーバ装置20は、利用者からチケットの発券の要求(発券要求)を受け付ける機能を提供し、発券要求に基づきチケットの発券を行う情報処理装置である。チケット印刷装置30は、チケット用紙に印刷を行う装置であり、具体的にはプリンタである。発券サーバ装置20及びチケット印刷装置30は、運営者等によって使用される装置である。
運営者等は、利用者が使用する端末装置10から送信されるチケットの発券要求に基づき、イベント名等の情報を含んだ発券用データを生成し、生成した発券用データをチケット印刷装置30を用いて発券(印刷)する。イベント名等の情報が印刷されたチケット用紙は、運営者等が、利用者に対して送付する。
また、発券サーバ装置20は、Webサーバとしても機能し、利用者に、ハイパーテキストシステムを提供する。利用者は、端末装置10を用いて発券サーバ装置20に接続することで、発券サーバ装置20からハイパーテキストの情報を受信し、受信した情報を表示させることができる。また、利用者は、ハイパーテキストシステムを利用して表示されたチケットの発券用フォームに必要な情報を入力することで、発券サーバ装置20に対して、チケットの発券要求を行うことが可能となる。
コンテンツサーバ装置40は、運営者等によって設置される装置であり、イベントに関連するコンテンツを記憶する情報処理装置である。本実施形態におけるコンテンツとは、利用者に対して提供することを目的とした、文書や画像等の具体的な情報をいう。コンテンツは、例えば、イベントのパンフレット、イベントに関する広告や景品(クーポン等)、会場付近の地図(エリアマップ)や、会場のフロアガイド、会場付近の天気情報、会場付近(現地)のニュース、緊急連絡先である。また、利用者が旅行者や外国人である場合も想定されるので、大使館やホテル、飲食店の位置を掲載した地図や、観光地を掲載した地図や、利用者の出身地(例えば、母国)のニュースをコンテンツとしてもよい。
画像形成装置50は、運営者等によって設置される装置であり、いわゆる複合機と呼ばれる装置である。画像形成装置50は、外部から入力されるデータを記録用紙等に画像を形成したりすることで、画像を出力する。外部から入力されるデータは、例えば、原稿を読み取る装置から読み取られた原稿の画像データであってもよいし、USBメモリやSDカード等の記憶媒体に記憶されたデータであってもよい。また、インターネットNWを介して、外部の装置から受信したデータであってもよい。
ここで、本実施形態では、端末装置10において、発券サーバ装置20から受信した情報を表示する際に、最初に表示される言語を第1の言語という。また、本実施形態では、利用者により翻訳された言語を第2の言語という。例えば、第1の言語が利用者の母国語でない場合、利用者は翻訳機能により母国語に翻訳する。この場合は、利用者の母国語が第2の言語となる。
[1.2 機能構成]
[1.2.1 端末装置の機能構成]
図2を参照して、本実施形態の端末装置10の機能構成について説明する。図2に示すように、端末装置10は、制御部100と、表示部110と、操作入力部120と、通信部130と、記憶部140とを備えて構成される。
制御部100は、端末装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
表示部110は、利用者に各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD(Liquid crystal display)等により構成されている。また、操作入力部120は、利用者による操作指示を受け付けるための機能部であり、例えば、キーボードやマウスといった装置によって構成される。なお、端末装置10がタブレットやスマートフォンといった可搬型の装置である場合は、表示部110と操作入力部120とは、一体に形成されているタッチパネルによって構成されてもよい。タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
通信部130は、端末装置10が外部の装置と通信を行うための機能部である。通信部130は、例えば、無線LANで利用されるNIC(Network Interface Card)や、LTE(Long Term Evolution)/LTE-A(LTE-Advanced)/LAA(License-Assisted Access using LTE)/5G回線に接続可能な通信モジュールにより構成される。
記憶部140は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する機能部である。記憶部140は、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成される。
記憶部140は、ウェブブラウザ142を記憶する。ウェブブラウザ142は、翻訳プログラム1422と、言語情報1424と、表示言語設定1426とを記憶している。ウェブブラウザ142は、一般的なホームページ等を表示するブラウザアプリである。具体的には、発券サーバ装置20によって提供されるハイパーテキストシステムを利用する際に用いるプログラムである。
翻訳プログラム1422は、制御部100により実行されることにより、翻訳機能を実現するプログラムである。翻訳プログラム1422は、ウェブブラウザ142にアドインとして組み込まれてもよいし、別のプログラムであってもよい。また、ウェブブラウザ142に記憶せず、外部サーバを呼び出して、翻訳機能を実現してもよい。
翻訳プログラム1422は、利用者により実行されることで、ブラウザ上で現在表示している第1の言語を、第2の言語に翻訳して表示する。
また、第2の言語は、予め利用者により選択されてあってもよいし、その都度選択してもよい。第2の言語は、言語情報1424に記憶される。
表示言語設定1426は、ウェブブラウザ142で表示する言語(表示言語)に関する設定である。表示言語設定1426には、ウェブブラウザ142が表示することが可能な言語を1又は複数指定されてもよいし、表示する言語の優先順位や優先度が設定されてもよい。なお、表示言語設定1426は、ウェブブラウザ142により予め設定されてもよいし、端末装置10のOS(Operating System)により設定されている使用言語を表示言語設定1426として設定されてもよい。
ウェブブラウザ142は、受信したハイパーテキストの文字を表示する場合は、ハイパーテキスト内に記述されている「lang」の属性値を取得することにより表示言語を取得するが、「lang」の属性値がない場合は、表示言語設定1426を利用する。このようにすることで、ウェブブラウザ142やOSにより設定されている表示言語の設定に基づいて、ウェブブラウザ142は、ハイパーテキストの文字を表示することができる。
[1.2.2 発券サーバの機能構成]
図3を参照して、本実施形態の発券サーバ装置20の機能構成について説明する。図3に示すように、発券サーバ装置20は、制御部200と、チケット印刷装置制御部210と、通信部220と、記憶部230とを備えて構成される。
制御部200は、発券サーバ装置20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置(CPU)等により構成されている。
チケット印刷装置制御部210は、チケット印刷装置30を制御し、チケットの印刷を行うための機能部である。チケット印刷装置制御部210は、チケット印刷装置30と、有線又は無線の通信を行い、チケット印刷装置30が印刷を行うために必要な発券用データを送信したり、印刷のジョブの投入を行ったりする。チケット印刷装置制御部210は、例えば、USB端子等の入出力端子を備えて構成される。また、発券サーバ装置20とチケット印刷装置30とは無線通信によって接続してもよく、チケット印刷装置制御部210は、IEEE 802.11a/b/g/nといった何れかの無線LANの通信方式を用いて通信が可能なNICにより構成されてもよい。
通信部220は、発券サーバ装置20が外部の装置と通信を行うための機能部である。通信部220は、例えば、有線/無線LANで利用されるNICや、LTE/LTE-A/LAA/5G回線に接続可能な通信モジュールにより構成される。
記憶部230は、発券サーバ装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する機能部である。記憶部230は、半導体メモリであるSSDや、HDD等により構成される。
記憶部230は、イベント情報記憶領域232と、発券情報記憶領域234とを確保し、さらに、発券用フォーム表示プログラム236と、チケット印刷プログラム238とを記憶する。
イベント情報記憶領域232は、イベントに関する情報であるイベント情報を記憶する領域である。図4は、本実施形態におけるイベント情報のデータ構成の一例を示した図である。図4に示すように、イベント情報記憶領域232は、イベントを識別するためのイベントID(例えば、「1」)と、イベントの名称であるイベント名(例えば、「FOO BAR コンサート」)と、イベントが開催される日を示す開催日(例えば、「2018年12月3日」)と、イベントが開始される時刻を示す開催時刻(例えば、「13:00~」)と、イベントが開催される会場の名称を示す会場名(例えば、「□□イベントホール」)と、イベント主催者や問い合わせ先等といったイベントの詳細な内容を示すイベント内容(例えば、「(主催)△△プロモーション・・・」)と、発券可能なチケットの枚数を示す残数(例えば、「12枚」)とを記憶する。
発券情報記憶領域234は、チケットの発券に関する情報である発券情報を記憶する領域である。図5は、本実施形態における発券情報のデータ構成の一例を示した図である。図5に示すように、発券情報は、イベントを識別するためのイベントID(例えば、「1」)と、利用者の名前(例えば、「John Ashby」)と、利用者の住所(例えば、「1234 AAA Street, Seattle, WA 98199」)と、利用者の連絡先(例えば、「john@example.com +1(123)-456-7890」)と、利用者によって発券が要求されたチケットの枚数を示す発券枚数(例えば、「2枚」)と、チケットに付加する言語情報(例えば、「en-US」)と、チケットを発券したか否かを示す発券済フラグ(例えば、「発券済」)とが含まれている。
また、言語情報とは、言語に関する情報である。例えば、言語情報は、「日本語」、「ja」、「ja-JP」等といった文字や、IETF言語タグの情報を記憶する。また、例えば、言語情報がアメリカで用いられている英語であれば「en-US」といった情報を記憶してもよい。画像形成装置50は、言語情報に対応するコンテンツを出力する。
発券済フラグは、チケットの発券状況を記憶している。例えば、発券済フラグとして、チケットが既に発券されていれば「発券済」を、チケットが発券されていなければ「未発券」を記憶する。
発券用フォーム表示プログラム236は、発券用フォームを表示するためのプログラムである。発券用フォーム表示プログラム236は、例えば、PHP(Hypertext Preprocessor)や、Java(登録商標)サーブレットや、Node.jsを用いて作成される。
ここで、発券用フォームとは、利用者が、発券サーバ装置20に対して、チケットの発券要求を送信するために必要な情報を入力するための入力画面である。本実施形態における発券用フォームとは、発券サーバ装置20によって作成されたハイパーテキストを利用したフォームである。利用者はウェブブラウザ142を用いて、チケットの発券要求を発券サーバ装置20に送信することができる。
発券用フォーム表示プログラム236は、チケットの発券に必要な情報である、利用者の名前、住所、メールアドレス、電話番号、発券枚数を記入する欄を含んだ発券用フォームを、ウェブブラウザ142に表示する。このとき、フォームに表示される文字(入力欄の見出しやボタン上の文字や説明文等)は、運営者等が設定した言語(第1の言語)で表示される。
なお、発券用フォーム表示プログラム236は、イベント情報に記憶された残数に基づく表示を行ってもよい。残数が少ない場合(例えば、10枚以下である場合)は、残数が残り少ないことを発券用フォームに表示してもよいし、残数が0枚である場合は、発券用フォームを表示する変わりに、販売完了といった表示を行うようにしてもよい。
チケット印刷プログラム238は、チケット印刷装置30に送信する発券用データを生成したり、チケット印刷装置制御部210を制御したりして、発券用データに基づきチケットを発券するプログラムである。チケット印刷プログラム238は、発券情報記憶領域234から発券済フラグが「未発券」である発券情報を抽出し、イベントIDによって識別されるイベント情報をイベント情報記憶領域232から読み出す。そして、イベント情報に記憶されたイベント名、開催日、開催時刻、会場名、イベント内容を配置した発券用データを生成する。このとき、チケット印刷プログラム238は、イベント情報に記憶されたイベント名、開催日、開催時刻、会場名、イベント内容を、第1の言語で表現した発券用データを生成する。なお、チケット印刷プログラム238は、イベント名等を、イベントが開催される場所で一般的に用いられる言語で表現してもよいし、イベント情報に記憶された情報をそのまま表現してもよい。
チケット印刷プログラム238は、さらに、発券用データに、言語情報の情報を付加する(埋め込む)。チケット印刷プログラム238は、言語情報を文字のまま発券用データに付加してもよいし、言語情報を2次元コードや1次元コードの画像に変換してから発券用データに付加してもよい。また、チケット印刷プログラム238は、言語情報を、記号や色に変換して、発券用データに付加してもよい。このようにして、発券用データには、第1の言語で表現されたイベント情報と、言語情報とが含まれることとなる。
そして、チケット印刷プログラム238は、言語情報を付加した発券用データをチケット印刷装置30に送信することで、チケット印刷装置30からチケットの発券(印刷)を行う。このようにすることで、発券されるチケットには、イベント名等の記載とは別に、言語情報が印刷されることとなる。チケットを発券したら、チケット印刷プログラム238は、発券したチケットに対応する発券情報に記憶されている発券済フラグを「発券済」にして記憶する。
なお、チケット印刷プログラム238は、発券サーバ装置20が発券要求を受信した度に実行されてもよいし、運営者等によって手動で実行されてもよいし、定期的に実行されてもよい。
[1.2.3 コンテンツサーバ装置の機能構成]
図6を参照して、本実施形態のコンテンツサーバ装置40の機能構成について説明する。図6に示すように、コンテンツサーバ装置40は、制御部400と、通信部410と、記憶部420とを備えて構成される。
制御部400は、コンテンツサーバ装置40の全体を制御するための機能部である。制御部400は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置(CPU)等により構成されている。
通信部410は、コンテンツサーバ装置40が外部の装置と通信を行うための機能部である。通信部410は、例えば、有線/無線LANで利用されるNICや、LTE/LTE-A/LAA/5G回線に接続可能な通信モジュールにより構成される。
記憶部420は、コンテンツサーバ装置40の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する機能部である。記憶部420は、半導体メモリであるSSDや、HDD等により構成される。
記憶部420は、コンテンツ記憶領域422を確保し、コンテンツ記憶領域422に記憶されたコンテンツの情報を記憶したコンテンツ対応テーブル424を記憶する。コンテンツ記憶領域422は、コンテンツの具体的な内容を表現したデータ(例えば、画像形成装置50で直接出力可能な印字データやPDFファイル)を記憶する領域である。また、コンテンツ対応テーブル424には、コンテンツ記憶領域422に記憶されたデータが、どのようなコンテンツであるかを示す対応テーブルが記憶される。
図7は、コンテンツ対応テーブル424の例である。図7に示すように、コンテンツ対応テーブル424には、イベントの名称であるイベント名(例えば、「FOO BARコンサート」)と、コンテンツの種類を示すコンテンツ種類(例えば、「パンフレット」)と、コンテンツに用いられる言語を示すコンテンツ言語(例えば、「ja-JP」)と、コンテンツが記憶されたデータ(ファイル)を示すファイル名(例えば、「1_Pamphlet-ja.pdf」)とが記憶される。
コンテンツ対応テーブル424は、コンテンツ種類として、コンテンツの内容を示す情報を記憶する。コンテンツ記憶領域422は、例えば、コンテンツ種類としては、「パンフレット」「広告」「景品」「エリアマップ」「フロアガイド」といった情報を記憶する。また、図7のD100に示すように、コンテンツ記憶領域422は、1のコンテンツ(例えば、エリアマップ)に対して、コンテンツの記載に用いる言語ごとに、ファイルを記憶してもよい。また、図7のD102に示すように、コンテンツ記憶領域422は、1のコンテンツ(例えば、エリアマップ)に対して、ファイルを1つ記憶してもよい。
ここで制御部400は、画像形成装置50から、コンテンツ対応テーブル424の取得の要求を受信したら、コンテンツ対応テーブル424を画像形成装置50に送信する。また、画像形成装置50からコンテンツを取得するための要求であるコンテンツ取得要求を受信した場合は、コンテンツ取得要求に含まれる情報(例えば、ファイル名)に基づき、対応するコンテンツのデータを画像形成装置50に送信する。
運営者等は、コンテンツサーバ装置40に記憶するコンテンツを用意し、コンテンツ記憶領域422に記憶する。どのようなデータをコンテンツ記憶領域422に記憶させるかといったことや、どのデータがどのコンテンツに対応するかといったことは、運営者等によって決められればよい。
[1.2.4 画像形成装置の機能構成]
図8を参照して、本実施形態の画像形成装置50の機能構成について説明する。図8に示すように、画像形成装置50は、制御部500と、画像読取部510と、画像処理部520と、画像形成部530と、画像照合部540と、表示部550と、操作入力部560と、通信部570と、記憶部580とを備えて構成される。
制御部500は、画像形成装置50の全体を制御するための機能部である。制御部500は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置(CPU)等により構成されている。
画像読取部510は、画像形成装置50にセットされた原稿を画像データとして読み取るための機能部である。例えば、画像読取部510は、スキャナによって構成される。なお、画像読取部510は、撮像装置(例えば、カメラ)であってもよい。この場合は、画像読取部510は、撮像されたデータを画像データとして読み取る。
画像処理部520は、画像データに各種画像処理を施して、画像形成部530が画像を形成するために用いる印刷データを生成する機能部である。画像処理として、例えば、画像データの鮮鋭化処理や、色変換処理を行う。
画像形成部530は、印刷データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、画像形成部530は、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成される。
画像照合部540は、画像読取部510によって読み取られた画像データと、記憶部580に記憶されるテンプレート画像データ5821とを照合し、読み取られた画像データがどのような画像データであるかを特定する機能部である。
例えば、図9(a)に示す画像データが、テンプレート画像データ5821として記憶部580に記憶されているとする。図9(a)は、発券サーバ装置20によって発券されるチケットの大きさや、チケットに印刷される情報の位置を示した画像データである。例えば、図9(a)において、網点で示した領域の大きさが、発券サーバ装置20によって発券されるチケットの大きさを示す。また、図9(a)は、イベント名が印刷される領域E100と、会場名が印刷される領域E102と、開催日が印刷される領域E104と、開催時刻が印刷される領域E106と、言語情報が印刷される領域E108とを含むことを示している。
ここで、画像読取部510によって、図9(b)に示す画像データが読み取られたとする。このとき、画像照合部540は、図9(a)に示す画像データと、図9(b)に示す画像データとを照合する。このとき、画像照合部540は、図9(a)に示す画像データと、図9(b)に示す画像データとの大きさが略同一であり、図9(a)に示された領域の位置と略同一の位置に、図9(b)に所定の情報が印刷されているか否かを判定する。画像照合部540は、図9(a)と図9(b)との大きさが略同一であり、図9(a)に示された領域の位置と略同一の位置に、図9(b)に所定の情報が印刷されていると判定した場合は、図9(b)に示す画像データがチケットであると判定する。画像照合部540は、画像データがチケットであるか否かといった判定結果や、画像データがチケットである場合、テンプレート画像データ5821によって示される領域のそれぞれに示された内容を、制御部500に出力する。
なお、図9(c)は、図9(a)と図9(b)とに示した画像データを照合した場合の例を示す。図9(c)の領域E110~E118は、図9(a)の領域E100~E108と対応する。ここで、例えば、画像照合部540は、領域E110~E116に対してはOCR(Optical Character Recognition/Reader)を用いて文字が読み取れるか否かを判定する。また、画像照合部540は、領域E118に対しては2次元コードのデコードが可能か否かを判定する。例えば、画像照合部540は、領域E110~E118のそれぞれの領域において、文字の読み取り又は2次元コードのデコードが可能だった場合は、発券サーバ装置20によって発券されたチケットの形式に従った画像データが読み取られたことを判定する。
表示部550は、画像形成装置50を使用する者に各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD等により構成されている。また、操作入力部560は、画像形成装置50を使用する者による操作指示を受け付けるための機能部であり、接触による入力を検出する装置等により構成されている。表示部550と、操作入力部560とは、一体に形成されているタッチパネルによって構成されてもよく、タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、静電容量方式が用いられる。
通信部570は、例えば、有線/無線LANで利用されるNICや、LTE/LTE-A/LAA/5G回線に接続可能な通信モジュールにより構成される。
記憶部580は、画像形成装置50の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する機能部である。記憶部580は、半導体メモリであるSSDや、HDD等により構成される。
記憶部580は、画像データ記憶領域582と、コンテンツ記憶領域584とを確保し、さらに、現地言語設定586を記憶する。
画像データ記憶領域582は、画像読取部510によって読み取られた画像データと、テンプレート画像データ5821とを記憶する。コンテンツ記憶領域584は、コンテンツサーバ装置40から受信したコンテンツのデータを記憶する領域である。現地言語設定586は、イベントが開催される場所や、画像形成装置50を設置した場所(現地)で用いられる言語を示す情報である。現地言語設定586は、例えば、IETF言語タグの情報を記憶する。
[1.3 処理の流れ]
[1.3.1 端末装置の処理の流れ]
図10から図12を参照して、本実施形態における処理の流れを説明する。はじめに、図10を参照して、端末装置10のメイン処理を説明する。
はじめに、制御部100は、通信部130を介して発券サーバ装置20に接続し、ウェブブラウザ142に、チケットの発券要求を送信するための発券用フォームを表示する(ステップS102)。発券用フォームは、発券用フォーム表示プログラム236によって表示される。既に説明したように、発券用フォーム表示プログラム236によって、第1の言語で発券用フォームが表示される。
つづいて、制御部100は、翻訳プログラム1422が実行された場合、すなわち、利用者によってウェブブラウザ142に備えられた翻訳機能が使用された場合は、発券用フォームを第2の言語に翻訳して表示する(ステップS104;Yes→ステップS106)。このようにすることで、発券用フォームに表示されている言語(第1の言語)が、利用者が普段使用しない言語の場合は、第2の言語に翻訳して発券用フォームを表示することができる。なお、翻訳機能が使用されなかった場合は、ステップS106をスキップする(ステップS104;No)。
利用者によって、チケットを発券する操作がされた場合、制御部100は、発券サーバ装置20に対して、発券用フォームに入力された内容を含んだ発券要求を送信する(ステップS108;Yes→ステップS110)。チケットを発券する操作とは、例えば、発券用フォームに表示される「注文する」「発券する」「注文を確定する」といったボタンを利用者が選択する操作である。
[1.3.2 発券サーバ装置の処理の流れ]
図11を参照して、発券サーバ装置20のメイン処理を説明する。はじめに、制御部200は、端末装置10から発券要求を受信した場合は、発券要求の送信元の端末装置10からウェブブラウザ142の情報を取得する(ステップS122;Yes→ステップS124)。ウェブブラウザ142の情報には、一般的なウェブブラウザに関する情報(例えば、ブラウザ名等を含むUserAgentヘッダ、言語に関する情報(例えば、Accept-Languageヘッダ)、IPアドレス、リクエストURI等)が含まれる。
つづいて、制御部200は、表示言語設定1426の情報を取得する(ステップS126)。例えば、Accept-Languageヘッダに、ウェブブラウザ142が表示可能な言語や表示可能な言語の優先度等が含まれる場合は、Accept-Languageヘッダの情報から表示言語設定1426の情報を取得する。また、UserAgentヘッダに含まれるウェブブラウザ142の言語の情報や、発券要求の送信元のIPアドレスに基づいて、発券要求が送信された地域で一般的に用いられている言語を表示言語設定1426の情報として取得してもよい。
つづいて、制御部200は、利用者がウェブブラウザ142に備えられた翻訳機能を使用したか否かを判定する(ステップS128)。具体的には、端末装置10から発券サーバ装置20に情報を送信してもよいし、発券サーバ装置20から、端末装置10に問合せを行ってもよい。また、ステップS124において取得するウェブブラウザ142の情報に、翻訳機能の使用の有無の情報を含めてもよい。
翻訳機能を使用したと判定した場合は、制御部200は、第2の言語(翻訳先の言語)を取得し、当該取得した第2の言語を言語情報にセットする(ステップS128;Yes→ステップS130→ステップS132)。第2の言語、すなわち、言語情報1424に記憶された情報は、上述したように、端末装置10が発券サーバ装置20に対して、翻訳機能を使用した情報を送信するときに併せて送信してもよいし、別のタイミングで送信してもよい。また、制御部200は、第2の言語に関する情報を含んだ情報を受信した場合や、第2の言語に関する情報を受信した場合に、翻訳機能を使用したと判定してもよい。
一方で、翻訳機能を使用していないと判定した場合は、制御部200は、ステップS126で取得した表示言語設定1426を、言語情報にセットする(ステップS128;No→ステップS134)。
つづいて、制御部200は、ステップS132又はステップS134でセットされた言語情報と、ステップS122で受信した発券用フォームの入力内容の情報とを、発券情報として、発券情報記憶領域234に記憶する(ステップS136)。なお、制御部200は、発券情報の発行済フラグは「未発券」にする。
つづいて、制御部200は、チケット印刷プログラム238を実行する。チケット印刷プログラム238は、発券情報記憶領域234から、発券済フラグが「未発券」の情報を抽出する。そして、チケット印刷プログラム238は、抽出した発券情報に基づき、イベント名、イベントの開催日、開催時刻、会場名、イベント内容等のイベント情報を含む発券用データを生成し、生成した発券用データに、言語情報を付加する(ステップS138)。本実施形態では、言語情報を2次元コードにエンコードした画像を、言語情報として付加する。
つづいて、チケット印刷プログラム238は、チケット印刷装置30を制御して、発券用データに基づき、チケットを発券する(ステップS140)。チケットには、言語情報に基づいた識別情報(例えば、2次元コード)が、チケットの基本的な情報に付加して印刷される。このようにして、制御部200は、表示言語設定に基づく言語又は第2の言語を言語情報として付加したチケットを発券することができる。
なお、この場合発券されるチケットに印刷される言語情報には、表示言語設定に基づく言語又は第2の言語に対応する情報が含まれている。ここで、例えば、ウェブブラウザの翻訳機能を使用していない場合、言語情報を印刷しなくてもよい。
[1.3.3 画像形成装置の処理の流れ]
図12を参照して、画像形成装置50のメイン処理を説明する。なお、図12に示した処理は、画像読取部510によって、画像データが読み取られた後に、制御部500によって実行されることとして説明する。
はじめに、画像照合部540は、画像読取部510を介して読み取られた画像データ(以下、この節において「画像データ」という)と、テンプレート画像データ5821とを照合する。そして、画像照合部540の結果に基づき、画像データがチケットであるか否かを判定する(ステップS152→ステップS154)。画像照合部540は、判定結果を制御部500に出力する。
つづいて、制御部500は、画像データがチケットである場合は、画像データに含まれるチケット情報を読み取る(ステップS154;Yes→ステップS156)。チケット情報とは、チケットに印刷された情報である。具体的には、画像照合部540の結果に基づき、イベント名が印刷される領域に含まれる文字に基づきイベント名を読み取ったり、会場名が印刷される領域に含まれる文字に基づき会場名を読み取ったりする。
つづいて、制御部500は、画像データに、言語情報が含まれるか否かを判定する(ステップS158)。具体的には、制御部500は、画像照合部540から出力される結果に基づいて、言語情報が含まれる領域に2次元コードが含まれる場合には、画像データに言語情報が含まれると判定する。また、言語情報が含まれる領域に2次元コードが含まれない場合は、制御部500は、画像データに言語情報が含まれないと判定する。
制御部500は、画像データに言語情報が含まれると判定した場合は(ステップS158;Yes)、言語情報を取得する。そして、制御部500は、取得した言語情報を解析して、言語情報によって示される言語を特定する(ステップS160)。例えば、制御部500は、2次元コードをデコードすることで、2次元コードで表現された言語情報に基づき、言語を特定する。一方で、制御部500は、ステップS158において、画像データに言語情報が含まれないと判定した場合は、現地言語設定586によって示される言語を、言語情報にセットする(ステップS158;No→ステップS162)。
つづいて、制御部500は、コンテンツサーバ装置40に接続し、コンテンツ対応テーブル424を取得する(ステップS164)。つづいて、制御部500は、取得したコンテンツ対応テーブル424を参照し、画像形成部530から出力可能なコンテンツが、コンテンツサーバ装置40に記憶されているかを判定する(ステップS166)。
具体的には、制御部500は、ステップS156で読み取ったイベント名に対応するコンテンツであって、コンテンツ言語が言語情報で示されている言語と一致する項目又は制御部500が翻訳可能な言語と一致する項目を抽出する。抽出の処理の結果、コンテンツ対応テーブル424から1以上の項目が抽出されれば、制御部500は、画像形成部530から出力可能なコンテンツがコンテンツサーバ装置40に記憶されていると判定する。項目が1つも抽出できなければ、制御部500は、画像形成部530から出力可能なコンテンツが、コンテンツサーバ装置40に記憶されていないと判定する。
出力可能なコンテンツが、コンテンツサーバ装置40に記憶されている場合は、制御部500は、コンテンツサーバ装置40にコンテンツ取得要求を送信し、コンテンツサーバ装置40からコンテンツを取得する(ステップS166;Yes→ステップS168)。具体的には、制御部500は、ステップS166で抽出した項目に含まれるファイル名を含めたコンテンツ取得要求を、コンテンツサーバ装置40に送信する。このようにすることで、コンテンツサーバ装置40から、ファイル名に対応したコンテンツのデータが送信される。
つづいて、制御部500は、コンテンツサーバ装置40から取得したコンテンツを、画像形成部530を介して出力(印刷)する(ステップS168→ステップS170)。なお、制御部500は、必要に応じて、取得したコンテンツを言語情報で示されている言語に翻訳してからコンテンツを出力してもよい。また、制御部500は、画像形成部530を介して出力するコンテンツとして、コンテンツサーバ装置40から取得可能なコンテンツを全て出力してもよいし、利用者に対して出力するコンテンツを選択させてもよい。上述した処理により、言語情報によって示される第2の言語によって、コンテンツを出力することができる。
[1.4 動作例]
図を参照して、本実施形態の動作例を説明する。図13(a)は、架空のイベントである「FOO BARコンサート」の発券用フォームを含む表示画面W100である。表示画面W100は、利用者がウェブブラウザ142を用いることで、表示部110に表示される画面である。発券用フォームには、利用者の名前、住所、メールアドレス、電話番号、発券枚数を記入する欄が含まれている。また、発券用フォームには、発券要求を送信するためのボタンB100が含まれる。
ここで、「FOO BARコンサート」の運営者等が発券用フォームを表示する言語、すなわち、第1の言語は日本語であるとする。
一方で、利用者は日本語が理解できないが、英語は理解できる者であるとする。この場合は、利用者は、ウェブブラウザ142の機能により、発券用フォームを第2の言語として英語に翻訳して表示する。図13(b)は、発券用フォームが英語に翻訳された場合の表示画面W110の例である。このように、利用者は、発券用フォームに記載されている文字を理解できない場合は、第1の言語(例えば、日本語)から第2の言語(例えば、英語)に翻訳して表示することができる。
図14(a)は、運営者等から利用者に対して送付される「FOO BARコンサート」のチケットの例である。図14(a)に示すように、チケットにはイベント名や会場名が第1の言語である日本語で記載され、また、領域E120に言語情報が記載される。領域E120に含まれる言語情報は、チケットの利用者がウェブブラウザ142の機能により翻訳して表示された第2の言語(本動作例であれば英語)を示す情報である。
ここで、利用者は、図14(a)に示すチケットを、画像形成装置50の画像読取部510に読み取らせる。この操作により、利用者は「FOO BARコンサート」のコンテンツであるパンフレットを、言語情報で示される言語、すなわち、第2の言語(本動作例であれば英語)で、画像形成部530に出力させることが可能となる。
なお、上述した処理や構成は、矛盾のない範囲において変更しても構わないことは勿論である。例えば、上述した実施形態の説明では、運営者等がチケットを発券して利用者に送付することとして説明したが、このようにしなくても構わない。例えば、発券サーバ装置20は、発券用データを画像データに変換して、利用者に送信してもよい。利用者は、受信した画像データを、利用者が所持する可搬型の情報処理装置(例えば、スマートフォン)等に表示させることで、チケットをいわゆるペーパーレスチケット(電子チケット)のように使用することができる。このとき、画像形成装置50は、画像読取部510(例えば、カメラ)によって電子チケットを撮像することで、画像形成装置50は、チケット情報の読み取りや言語情報の取得を行えばよい。また、利用者が、発券サーバ装置20から受信した画像データを自ら印刷することで、利用者自身による発券が可能となる。また、端末装置10と、チケット印刷装置30とを組み合わせた、いわゆるキオスク端末としても構成されてもよい。
また、本実施形態では、コンテンツをコンテンツサーバ装置40から取得することとして説明したが、いわゆるクラウドから取得してもよい。例えば、ステップS164~ステップS168の処理を実行する代わりに、画像形成装置50の制御部500は、天気や、ニュースの情報を提供する装置及びシステムを利用したり、インターネットNW上の情報の検索結果を利用したりして、情報を収集する。そして、収集した情報をまとめたコンテンツを生成し、画像形成部530から出力してもよい。
また、画像形成装置50は、イベントの会場に設置されてもよいし、例えば、コンビニエンスストア等の店舗に設置されてもよい。コンビニエンスストア等の店舗に設置することで、利用者は、イベントの会場まで足を運ばなくとも、コンビニエンスストアに設置された画像形成装置50を用いて、コンテンツを出力させることが可能となる。
本実施形態によれば、チケット等の印刷物に記載された文字に用いられる言語に関わらず、チケットの発券要求を送信した利用者が扱いやすい言語で、コンテンツの出力が可能となる。本実施形態では、利用者が扱いやすいと考えられる言語を、発券用フォームに表示された言語に基づき特定する。したがって、利用者は特別な操作をする必要がない。一方で、チケットを確認する者は、イベントの開催地で用いられる言語でチケットに文字が印刷されているため、確認がしやすい。このように、利用者と、チケットを確認する者とで、それぞれ扱いやすい言語で情報を確認することが可能となる。
[2.第2実施形態]
つづいて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、利用者の属性に基づいたコンテンツを、コンテンツサーバ装置40から取得することが可能な実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図12を図15に置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
本実施形態では、チケットに、言語情報と利用者の属性(例えば、性別、年齢、イベントの参加回数、交通手段等)を示す属性情報とが印刷される。言語情報と属性情報とは、それぞれ別の領域に印刷されてもよいし、言語情報と属性情報とを含んだ情報が印刷されてもよい。
本実施形態では、発券サーバ装置20は、利用者の属性を属性情報としてチケットに付加してチケットを発行する。利用者の属性を取得する方法としては、例えば、発券用フォームに属性を入力する項目を設けることにより実現する。この場合は、利用者の属性は、発券用フォームの入力情報に含めて、端末装置10から発券サーバ装置20へ送信される。なお、運営者等は、発券用フォームを利用するために、利用者に対して利用登録を必要としてもよい。このようにすることで、発券サーバ装置20は、利用登録の際に利用者から提供された情報に基づいて、利用者の属性を取得することができる。
また、コンテンツサーバ装置40には、利用者の属性に応じたコンテンツを記憶する。例えば、コンテンツサーバ装置40は、性別に応じたコンテンツとして、男性用のトイレの場所を強調して記載したエリアマップと、女性用のトイレの場所を強調して記載したエリアマップとを記憶してもよい。また、コンテンツサーバ装置40は、年齢に応じたコンテンツとして、大人向けのパンフレットと、子供向けのパンフレットとを記憶してもよい。また、コンテンツサーバ装置40は、イベントの参加回数が少ない者向けのパンフレットと、イベントの参加回数が所定の回数以上ある者向けのパンフレットを記憶してもよいし、利用者が使用する交通機関に応じて、最終出発時間を案内するコンテンツを記憶してもよい。
コンテンツ対応テーブル424には、イベント名、コンテンツ種類、コンテンツ言語、ファイル名に加えて、コンテンツを提供する対象となる利用者の属性の情報(属性情報)を記憶する。このようにすることで、画像形成装置50は、利用者の属性に応じたコンテンツのデータを特定し、コンテンツサーバ装置40から取得することが可能となる。
図15を参照して、本実施形態の画像形成装置50の処理の流れについて説明する。制御部500は、画像読取部510を介して読み取られた画像データに属性情報が含まれる場合は、属性情報を取得する(ステップS252;Yes→ステップS254)。属性情報の抽出は、制御部500が、画像照合部540による画像データの照合の結果に基づいて行えばよい。また、制御部500は、必要に応じて、取得した属性情報によって示される利用者の属性を特定する。
つづいて、制御部500は、コンテンツサーバ装置40に接続し、コンテンツ対応テーブル424を取得する(ステップS164)。そして、制御部500は、コンテンツ対応テーブル424に基づき、言語情報と属性情報とに対応するコンテンツがコンテンツサーバ装置40に記憶されているか否かを判定する(ステップS256)。
具体的には、制御部500は、コンテンツ対応テーブル424から、イベント名に対応するコンテンツであって、コンテンツ言語が言語情報で示されている言語と一致する項目又は制御部500が翻訳可能な言語と一致する項目を抽出する。さらに、抽出した項目から、抽出した項目の属性情報と、ステップS254で取得した属性情報とが一致する項目を抽出する。抽出の処理の結果、コンテンツ対応テーブル424から1以上の項目が抽出されれば、制御部500は、言語情報と属性情報とに対応するコンテンツがコンテンツサーバ装置40に記憶されていると判定する。項目が1つも抽出できなければ、制御部500は、言語情報と属性情報とに対応するコンテンツが、コンテンツサーバ装置40に記憶されていないと判定する。
言語情報と属性情報とに対応するコンテンツがコンテンツサーバ装置40に記憶されている場合は、制御部500は、コンテンツサーバ装置40に、コンテンツ取得要求を送信する(ステップS256;Yes→ステップS168)。一方で、言語情報と属性情報とに対応するコンテンツがコンテンツサーバ装置40に記憶されていない場合は、制御部500は、コンテンツを出力しないで、メイン処理を終了する(ステップS256;No)。
また、画像読取部510を介して読み取られた画像データに属性情報が含まれない場合は、コンテンツを出力しないでメイン処理を終了する(ステップS252;No)。なお、画像読取部510によって読み取られた画像に、言語情報は含まれているが属性情報が含まれない場合には、第1実施形態のように、制御部500は、言語情報に基づくコンテンツを出力してもよい。
本実施形態によれば、画像形成装置50は、利用者の属性に基づき、利用者が望んでいると考えられる情報を出力させることが可能となる。
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、言語情報をRF(Radio Frequency)タグといった回路やIC(Integrated Circuit)チップに記憶し、RFID(Radio Frequency Identifier)の技術を用いて言語情報を取得する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図8を図16に、図12を図17にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
本実施形態は、運営者等がチケットを発券し、当該発券したチケットにRFタグを埋め込む。そして、運営者等は、RFタグが埋め込まれたチケットを利用者に送付する。このようにして、利用者は、RFタグが埋め込まれたチケットを取得することができる。
図16を参照して、本実施形態の画像形成装置52の機能構成について説明する。画像形成装置52は画像形成装置50とは異なり、センサ部590を更に備え、画像照合部540を備えない。
センサ部590は、RFタグの近接を検知し、RFタグを検知した場合には、RFタグに記憶された情報を受信する機能部である。センサ部590は、例えば、RFIDリーダによって構成される。
図17を参照して、本実施形態の画像形成装置52の処理の流れについて説明する。はじめに、センサ部590は、RFタグの近接を検知したら、RFタグに記憶された情報を取得する(ステップS352;Yes→ステップS354)。センサ部590は、取得した情報を制御部500に出力する。
つづいて、制御部500は、センサ部590によって取得された情報に、言語情報が含まれるか否かを判定する(ステップS356)。センサ部590によって取得された情報に言語情報が含まれる場合は、制御部500は、言語情報を取得して、言語情報によって示される言語を特定する(ステップS356;Yes→ステップS358)。また、センサ部590によって取得された情報に言語情報が含まれない場合は、制御部500は、現地言語設定586によって示される言語をコンテンツ出力言語として設定する(ステップS356;No→ステップS162)。
なお、本実施形態では、言語情報をチケットに印刷するのではなく、RFタグによって取得する場合について説明したが、同様の処理を、他の非接触/近距離無線通信の技術を用いて実現しても構わない。例えば、WiFi(登録商標)による無線通信や、Bluetooth(登録商標)を用いて、言語情報を画像形成装置50へ送信するように構成しても構わない。WiFiやBluetoothによって言語情報を画像形成装置50へ送信する場合には、言語情報として画像形成装置50が解釈可能な情報を送信するために、例えば、チケットに関する専用のアプリケーションを用いることが考えられる。具体的には、端末装置10がスマートフォンである場合において、スマートフォンのアプリケーション(アプリ)を実行することで、イベントに関する情報は第1の言語で表示し、表示とは別に、第2の言語(言語情報)を画像形成装置50に送信する。
本実施形態によれば、チケットをスキャンする手間が省けるため、利用者は簡単な操作でコンテンツを得ることが可能となる。
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、コンテンツを画像形成部530を用いて出力するのではなく、表示装置に表示させることでコンテンツを出力する実施形態である。
本実施形態では、図12に示した画像形成装置50のメイン処理において、ステップS170で、制御部500は、コンテンツを画像形成部530から出力するのではなく、表示装置である表示部550に出力する。なお、画像形成装置50に他の表示装置(例えば、モニタや画像形成装置50を使用する者が操作可能なデジタルサイネージ)が接続されている場合は、制御部500は、当該他の表示装置にコンテンツを出力してもよい。
本実施形態の動作例を図18に示す。図18(a)は、画像形成装置50が、コンテンツサーバ装置40から、複数のコンテンツ(例えば、パンフレットと、エリアマップと、現地のニュース等)を取得した場合に、表示装置に表示するコンテンツを利用者に選択させるためのメニュー画面である。画像形成装置50が、コンテンツサーバ装置40から、複数のコンテンツを受信した場合は、図18(a)のように、メニュー画面を表示してもよい。
利用者によって、例えば、「Pamphlet」(パンフレット)が選択された場合は、画像形成装置50は、表示装置に、図18(b)に示すように、パンフレットを表示する。また、図18(b)に示すように、前の画面(例えば、メニュー画面)を表示するためのボタンB400が表示されてもよい。このように、複数のコンテンツがある場合は、メニュー画面と、コンテンツを表示する画面とを、利用者によって切り替えられるようにしてもよい。
本実施形態によれば、コンテンツを記録用紙に出力することなく表示装置に表示することができる。したがって、利用者は、簡単にコンテンツを確認することができ、また、印刷されたコンテンツを持ち歩く手間をなくすことができる。
[5.第5実施形態]
つづいて、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、コンテンツを画像形成部530を用いて出力するのではなく、利用者が所持する可搬型の情報処理装置(例えば、スマートフォン)にコンテンツのデータを送信する実施形態である。
本実施形態では、例えば、発券用フォーム表示プログラム236は、発券用フォームに「コンテンツデータの送信先」といった入力欄を表示する。利用者に対して、「コンテンツデータの送信先」の入力欄に、利用者が所持する情報処理装置で受信可能なメールのアドレスや、SMS(Short Message Service)のアドレスを入力させる。そして、発券要求には、「コンテンツデータの送信先」に入力された内容を含めた入力内容の情報を送信する。
制御部200は、発券情報記憶領域234に、「コンテンツデータの送信先」に入力された内容を含めた入力内容の情報を、発券情報に記憶する。そして、図12に示した画像形成装置50のメイン処理において、ステップS170で、制御部500は、コンテンツのデータを「コンテンツデータの送信先」に入力された内容に基づいて、利用者が所持する情報処理装置に送信する。
本実施形態によれば、コンテンツを記録用紙に出力することなく、利用者が所持する情報処理装置に送信することができる。したがって、利用者は、情報処理装置にコンテンツを表示させたり、他の出力装置にコンテンツを出力させたりすることが可能となる。
[6.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD(Blu-ray Disc)(登録商標)等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。