JP2023054396A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】印字ヘッドを構成する電極等の表面にインクの固形物が堆積し、構成部材同士もしくは構成部材とカバーが短絡してプリンタが故障する事態を回避できるインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】本発明のインクジェットプリンタでは、ヘッドカバーのキャップのうち、インク滴が通過するスリットの周囲にエアーの吹出口を形成し、当該吹出口から被印字物に向けてエアーを吹き付けている。エアーの吹出口はスリットとは独立して形成され、かつエアーの吹き出し方向は、インク滴の飛行方向と略平行であるため、スリットを通過し被印字物に向かって飛翔するインク滴にはエアーがほとんど当たらない。一方、被印字物から跳ね返ったインク粒子は、吹出口から吹き出るエアーによって押し戻され、スリットを通ってヘッドカバー内に侵入するインク粒子の量が抑えられる。【選択図】図2

Description

本発明は、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタに関し、更に詳しくは、印字面で跳ね返ったインクによる印字ヘッドの汚れの防止に関する。
コンティニュアス方式のインクジェットプリンタは、ポンプによってノズルからインクを噴出し、噴出したインクがインク滴に分離する位置において帯電電極によりインク滴を帯電させ、更に偏向電極によってインク滴の軌道を曲げ、被印字物の所定の位置に衝突させてインクドットを形成するものである。
コンティニュアス方式のインクジェットプリンタでは、インクを噴出させて印字を行う性質上、インクによって印字ヘッドの構成部材が汚れるため、汚れの原因に応じて対策が施されている。
汚れの第1の原因は、噴射したインクによって生じるインクミストによるものであり、インクミストによる汚れを低減するため、印字ヘッドをヘッドカバーで覆うと共に、カバー内を陽圧に保持している(特許文献1参照)。
具体的には、加圧手段によってヘッドカバー内を陽圧に保持することで、ヘッド構成部材の周辺に漂うインクミストを、インク滴通過用のスリットを通して外部に放出している。これによりインクミストが構成部材に付着するのを抑え、付随的な効果として、埃などの異物が外部から侵入するのを防止し、更に、カバー内部が結露するのを防止している。
汚れの第2の原因は、インク滴が被印字物に衝突した際の跳ね返りによって生じる微小なインク粒子によるものである。
印字ヘッドから飛翔するインク滴は運動エネルギーを持っており、インク滴が被印字物に衝突すると、運動エネルギーによって破壊され、分裂したインク粒子が跳ね返り、印字面の周辺に飛散する。そして飛散した微細なインク粒子の一部は、ヘッドカバー先端のスリットを通してカバー内部に侵入する。
スリットからヘッドカバー内に侵入したインク粒子は、印字ヘッドを構成する偏向電極等の表面に付着し、固形物となって堆積する。一方、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタでは導電性のインクを用いており、またヘッドカバーの本体は金属で作製されている。従って、インクの堆積を放置すると、電極等の表面が汚れるだけでなく、堆積したインクと、カバーを含むヘッドの金属製構成部材とが短絡して故障の原因となる。
特に、偏向電極には、インク滴を偏向するため高圧の直流電圧が印加されているため、これを放置すると重大な事故につながる恐れがある。
特開2018-83369号公報 特開2014-100876号公報
スリットからインク粒子が侵入するのを防止する方法として、カバー内の陽圧を高めて、スリットから吹き出すエアーの流量を高めることが考えられるが、エアーによってインク滴の飛行方向が変わると、印字品位の低下につながるため、簡単に圧力を高めることはできない。
スリットからのインク粒子の侵入を防止する他の方法として、インク滴の飛行方向と交差する方向にエアーを吹き付けることが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載の方法では、カバー内の圧力を高める方法と同様に、吹き付けるエアーが強いと、インク滴の飛行方向が曲げられて印字品位が低下する。このため、エアーの強さに限界があり、スリットからのインク粒子の侵入を十分抑えることができない。
更に、吹き付けられたインク粒子が、被印字物を搬送するコンベアの表面に付着して汚れるため、印字の都度、コンベアを洗浄しなければならないという新たな問題が生じる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、印字品位に影響を及ぼすことなく、かつ印字ヘッドの構成部材や搬送用コンベアの汚れを最小限に留めることができるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェットプリンタは、
噴出するインクに一定周期の振動を付与して連続したインク滴を生成するガンと、
前記インク滴の周期に同期した階段波状の電圧を印加して当該インク滴を帯電させる帯電電極と、
前記帯電したインク滴を、帯電の程度に応じて垂直方向また水平方向に偏向させ、インク滴を被印字物の印字面に着弾させる偏向電極と、
前記ガン、帯電電極および偏向電極が空洞部に収容され、かつ前記帯電したインク滴が通過するスリットが形成された筒状のヘッドカバーと、で構成された印字ヘッドを備え、
前記印字ヘッドから噴射されたインク滴を、水平方向または垂直方向に移動する前記被印字物に着弾させ、複数列の印字ドットによって文字を形成するインクジェットプリンタであって、
前記ヘッドカバーは、後端部が密閉された筒状のカバー本体と、当該カバー本体の前部を覆うように取り付けられたキャップとで構成され、
当該キャップには、前記スリットと、当該スリットの少なくとも一部を取り囲むように吹出口が形成され、
当該吹出口から前記被印字物に向けてエアーが吹き付けられることを特徴とする。
ここで、前記キャップには、エアー供給用のチューブを接続するポートと、当該ポートと前記吹出口とを連結するエアー流路が形成されていることが好ましい。
また前記カバー本体は金属で作製されることが好ましい。
また前記吹出口は、前記スリットのうち前記キャップの外周部に近い方の端を取り囲むように形成されることが好ましい。
更に、前記ヘッドカバーの空洞部には外部のコンプレッサからエアーが供給され、前記印字ヘッドの駆動中、当該空洞部は陽圧に保持されることが好ましい。
本発明に係るインクジェットプリンタでは、ヘッドカバーのスリットの少なくとも一部を取り囲むようにエアーの吹出口を設け、当該吹出口から被印字物に向けてエアーを吹きつけており、被印字物から跳ね返る微細なインク粒子がスリットを通してカバー内に侵入するのを最小限に留めている。
またエアーの吹出口はスリットとは独立して形成され、かつエアーの吹き出し方向はインク滴の飛行方向と略平行であるため、印字品位に影響を及ぼすことはない。
更に、エアーによって飛散が止められた微細なインク粒子は空中で分散し、搬送用コンベアの表面に付着するインクの量が大幅に減るため、コンベアを洗浄する回数を減らすことができる。
本発明の実施の形態1に係る印字ヘッドの外観を示す斜視図である。 図1の印字ヘッドを含む、本発明の実施の形態1に係るコンティニュアス方式のインクジェットプリンタの概略構成を示す一部断面正面図である。 図2のインクジェットプリンタを用いて被印字物に印字を行う際の動作を説明する図である。 ヘッドカバーのうち、インク滴が通過するスリットが形成されたキャップの平面図である。 同キャップの正面図(a)および断面図(b)(c)である。 印字ヘッドからヘッドカバーを外した状態を示す写真であり、(a)は従来の印字ヘッド、(b)は実施の形態1に係る印字ヘッドを撮影したものである。 本発明の実施の形態2に係るキャップの平面図である。 同キャップの正面図(a)および断面図(b)(c)(d)である。
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタについて、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、印字面で跳ね返ったインクによる汚れを防止する機能が付加された印字ヘッド10の外観を示す斜視図、図2は、印字ヘッド10を含む、本実施の形態にかかるコンティニュアス方式のインクジェットプリンタ(以降、単に「プリンタ」と略す)1の概略構成を示す一部断面正面図である。また図3は、図2のプリンタ1を用いて被印字物に印字を行う際の動作を説明する図である。
本実施の形態に係るプリンタ10の構成部材は、印字ヘッド10にインクを供給して印字を行うことに関連した部材(以降、これらを「インク供給系」という)と、印字ヘッド10に加圧用および汚れ防止用のエアーを供給することに関連した部材(以降、これらを「エアー供給系」という)とに大別される。最初に、インク供給系の構成部材について説明する。
<インク供給系>
図2に示すように、プリンタ10は、印字ヘッド10、インクタンク20およびポンプ30a、30bで構成されている。これらのうち印字ヘッド10は、ガン12、帯電電極13、検知電極14、偏向電極15、ガター16およびパイプ17a、17bで構成され、これらの部材が円筒状のヘッドカバー11に収容されている。
印字ヘッド10を構成するガン12等の部材は、実際には、ヘッドカバー11の空洞部110に密接した状態で配置されているが、図2では、各部材の構成と機能を分かりやすく説明するため、概略の配置を示している。
ガン12は、インク滴IDを被印字物、例えば商品が梱包された化粧箱4(図3参照)の側面に向けて噴射するものであり、ガン本体121、超音波振動子122およびノズル123で構成されている。ポンプ30aによってインクタンク20から送出され、パイプ17aを通してガン本体121に供給されたインクは、超音波振動子122によって振動が付加された状態でノズル123の孔から噴射される。
ノズル123の孔から噴出したインク柱IPは、超音波振動子122により付加された振動によってインク滴IDに分離し、更に帯電電極13で帯電された後、偏向電極15により、印字に必要なインク滴IDのみが帯電電荷量に応じて偏向され、ヘッドカバー11の前部に形成されたスリット114を通過し、被印字物の印字面に着弾する。
図3に、ベルトコンベア(図示せず)上を、矢印で示す方向に一定速度で移動している化粧箱(被印字物)40を示す。なお、図3では、見易さを考慮し、印字ヘッド10のうち印字動作に関係しないヘッドカバー11は省略している。
化粧箱40は、表面がポリエチレンやポリプロピレン製のフィルムでコーティングされたもので、箱の中に食品などが詰め込まれた後、フィルム上に製造番号や使用期限等が印字されて最終商品の形態となる。
図3に示すように、化粧箱40が、インク滴IDの飛行方向に対して直交する方向に移動している場合、インク滴IDの偏向量を変えることによって、化粧箱4の側面に着弾するインク滴IDの位置が変わり、化粧箱4の移動に同期してインク滴IDの偏向を繰り返すと、印字面に文字(図では「A」)が印字される。
一方、帯電されていないインク滴ID、および帯電されていても印字に使用されないインク滴IDは、偏向されず、そのままインク回収用のガター16に飛び込み、インクタンク20に回収される。ガター16によって回収されたインクは、ポンプ30bによりパイプ17bを通してインクタンク20に移送され、再利用される。
プリンタ10の動作は、図示しないコントローラによって制御される。コントローラは、CPU、メモリ(ROM、RAM等)、タイマーおよびディスプレイで構成され、ガン12の超音波振動子122、帯電電極13のパルス電源131、検知電極14、偏向電極15の直流電源151、ならびにポンプ30aおよび30bの動作を制御する。
具体的には、コントローラは、ポンプ30aを駆動することにより、インクタンク2に収容されたインクに圧力をかけてガン本体121に供給する。またコントローラは、検知電極14で検知した信号に基づいて、パルス電源131から帯電電極13に印加されるパルス電圧のタイミングを制御し、これによって帯電されるインク滴IDの数やタイミングを調節する。更にコントローラは、直流電源151の電圧を制御することによって、偏向電極15で偏向されるインク滴IDの偏向量を調節する。
<エアー供給系>
次に、前述の図1、図2および新たな図4、図5を参照して、プリンタ10のエアー供給系について説明する。図4は、ヘッドカバー11のうち、インク滴が通過するスリット114が形成されたキャップ112の平面図、図5(a)は、同キャップ112の正面図、図5(b)は、図4のA-A線で切断した断面図、図5(c)は、同B-B線で切断した断面図である。
本発明では、コンプレッサで圧縮されたエアー(空気)を用いて2つの機能を実現している。具体的には、コンティニュアス方式プリンタに標準的機能として搭載されている、ヘッドカバー内を陽圧に保持す機能と、印字面で跳ね返ったインク粒子にエアーを吹き付けて、インク粒子がスリットを通してヘッドカバー内に侵入するのを防止する機能とを実現している。
図示しないが、コンプレッサからチューブを通して供給されたエアーは、最初に、ドレンキャッチで余分の水分が取り除かれ、更にミストセパレータでオイルミストが取り除かれる。
その後、エアーは2つに分岐し、一方のチューブを通ったエアーAR1はヘッドカバー11の空洞部110に供給され、他方のチューブに分岐したエアーAR2は、キャップ112に設けられたエアー吹出口115に供給される。
2つのエアーAR1およびAR2の機能について、ヘッドカバー11の構成と共に説明する。図2に示したように、ヘッドカバー11は、円筒状のカバー本体111と、カバー本体111の前部に、着脱可能に取り付けられたキャップ112とで構成されている。
カバー本体111は、外部からのノイズ耐性を強化するため金属で作製され、一方、キャップ112は、成形し易さを考慮して樹脂で作製されている。
最初に、第1のエアーAR1の機能について説明する。前述した一方のチューブの途中には、コンプレッサで圧縮されたエアーの圧力を適切な値まで下げるためにレギュレータ(図示せず)が取り付けられており、レギュレータで圧力が調整されたエアーAR1がヘッドカバー11に供給される。
図2に示すように、ヘッドカバー11のカバー本体111の後端部を密閉する蓋19には、チューブ18を通す孔が形成されており、チューブ18の先端は、ヘッドカバー11の空洞部110に開放されている。空洞部110は、インク滴IDが噴射される開口部である縦長状のスリット114を除いて密閉されており、チューブ18を通して供給されたエアーAR1(白抜きの矢印で示す)の大半はヘッドカバー11内に留まって空気圧を高める。
コンティニュアス方式のプリンタでは、ノズル123から噴出したインクの一部がインクミストとして周辺雰囲気に漂い、構成部材の表面に付着して汚れや故障の原因となるため、定期的にヘッドカバー11内の部材を洗浄する必要がある。また埃がガターを通してインク循環系に入り込み、パイプ等が詰まって故障の原因となる。
このため、印字ヘッド10の主要部材をヘッドカバー11内に収容すると共に、ヘッドカバー11内を陽圧に保つことで、インクミストの外部への排出を促進し、また外部からの埃がヘッドカバー11内に入り込むことを防止している。これ等の処理により、構成部材を洗浄する周期を長引かせることができ、また埃によるパイプ等の詰まりを回避できる。
次に、他方のチューブを通してヘッドカバー11のキャップ112に供給される第2のエアーAR2の機能について説明する。有底円筒型のキャップ112の上部には肉厚部113が形成され、当該肉厚部113には、インク滴を噴出するスリット114と、被印字物に向けてエアーAR2を吹き付ける吹出口115が形成されている。
図5(a)に示すように、第2のエアーAR2の吹出口115は、スリット114を取り囲むように形成されている。そして肉厚部113の内部には、図5(b)および(c)に示すように、コンプレッサから供給されるエアーのチューブ(図示せず)を接続するポート116と、ポート116と吹出口115とを連結する流路117が形成されている。
図5(b)に示すように、ポート116から延びた流路117は、吹出口115を取り囲むように形成されているが、その理由は、吹出口115から吹き出されるエアーAR2の強さを均一にして、スリット114を通過するインク滴の飛翔に影響を及ぼさないようにするためである。
なお、図4に示すように、キャップ112の円筒部の後端の対向する位置に一対の係止片118が形成され、一方、図1に示すように、カバー本体111の前部の対向する位置に、一対の係止孔119が形成されている。
キャップ112をカバー本体111に取り付ける際には、キャップ112の係止片118をカバー本体111の前部に挿入した後、係止片118を係止孔119に係合させることによって、カバー本体111とキャップ112は一体化する。
図2に実線の矢印で示したように、本実施の形態では、ヘッドカバー11のキャップ112のうち、インク滴が通過するスリット114の周囲にエアーの吹出口115を形成し、当該吹出口115から被印字物に向けてエアーAR2を吹き付けている。
エアーAR2の吹出口115はスリット114とは独立して形成され、かつエアーAR2の吹き出し方向は、インク滴IDの飛行方向と略平行であるため、スリットを通過し被印字物に向かって飛翔するインク滴IDにはエアーがほとんど当たらない。従って、エアーAR2によってインク滴IDの飛行経路が曲げられ、印字品位が低下することはない。
一方、被印字物から跳ね返ったインク粒子は、吹出口115から吹き出るエアーAR2によって押し戻されるため、スリット114を通ってヘッドカバー11内に侵入するインク粒子の量が抑えられる。
結果として、印字ヘッド10の構成部材がインクによって汚れるのを最小限に留めることができる。更に、電極等の表面にインクの固形物が堆積し、堆積したインクと、カバーを含むヘッドの金属製構成部材とが短絡してプリンタが故障するという事態を回避できる。
またエアーAR2の副次的な効果として、印字面に着弾したインクにエアーを吹き付けることでインクの乾燥を促進させ、インクのかすれや転写の発生を防止できる。
なお、吹出口115から吹き出るエアーAR2の圧力が強すぎると、スリット114を通過するインク滴の飛行に影響を及ぼして印字品質が低下する。逆に、エアーAR2の圧力が弱いと、ヘッドカバー11内に侵入するインク粒子の量が多くなる。従って、エアーAR2の圧力については、実験を通じて、インク滴の飛行に影響を及ぼさず、かつ、インク粒子の侵入を抑えることができる範囲に設定する必要がある。
図6は、コンティニュアス方式のプリンタを用いて繰返し印字を行った後の印字ヘッドから、ヘッドカバーを外した状態を示す写真で、印字ヘッド10のうち上下の偏向電極15を正面から撮影したものである。
図6のうち(a)はエアー吹出口のない従来の印字ヘッドを撮影したもの、(b)は、エアー吹出口を備えた本発明に係る印字ヘッドを撮影したものである。
実験では、従来の印字ヘッドとして、中心距離9mm、幅2.6mmのスリットが形成されたキャップを用いた。また、本発明に係る印字ヘッドとして、上述のスリットの周囲を幅1mmの吹出口で取り囲んだキャップを用いた。そして従来の印字ヘッドにはエアーAR1を供給し、本発明に係る印字ヘッドにはAR1およびAR2を供給し、スリットから風が微かに吹き出るように、また吹出口からインク滴の飛行に影響を及ぼさない程度の風が吹き出るようにエアーの圧力を調節した。
図6(a)に示すように、エアー吹出口のない従来の印字ヘッドについては、例えば白い丸で囲んだように、上偏向電極の先端にインクが付着して固形物が堆積している。前述したように固形物の堆積を放置すると、固形物の先端が他の構成部材やカバー本体に接触して、故障や事故の原因となる。
これに対し、図6(b)に示したように、キャップ112にエアー吹出口115を設けた本発明に係る印字ヘッド10では、上偏向電極15の表面に固形物がほとんど堆積していない。従って、インク固形物の堆積に伴う故障や事故を防止できる。
(実施の形態2)
図7および図8に、ヘッドカバーのキャップの他の例を示す。図7は、キャップ112Aの平面図、図8(a)は、同キャップ112Aの正面図、図8(b)は、図7のC-C線で切断した断面図、図8(c)は、同D-D線で切断した断面図、図8(d)は、同E-E線で切断した断面図である。
図中、実施の形態1のキャップ112と同一機能を有する部材には同一符号を付した。また実施の形態1のキャップ112と区別するため、各符号にアルファベットの「A」を付加している。
前述の図5に示したように、実施の形態1に係るキャップ112では、エアーの吹出口115から均一なエアーが吹き出るように、吹出口115を取り囲むように流路117を形成すると共に、その間に、吹出口115と流路117を結ぶ流路を等間隔に形成している。
一般に、キャップ112は射出成型により作製するが、ポート116と吹出口115を結ぶ流路117が複雑な場合、金型の製造コストが高くなる。
これに対し、本実施の形態に係るキャップ112Aでは、図8に示すように、スリット114Aの上部に半円形状の吹出口115Aを形成し、吹出口115Aとポート116Aとを、直方体状の流路117Aで連結している。流路117Aの形状が単純化されていることから、実施の形態1のキャップ112に比較し、金型の製造コストを抑えることができる。
本実施の形態に係る吹出口115Aは、実施の形態1に係る吹出口115に比較すると、印字面に吹き付けるエアーに偏りが生じる。しかし実験の結果、吹出口115Aから吹き出るエアーが、若干円筒の中心に向かうように流路116Aを形成すれば、インクの付着を防止する効果にほとんど変わりないことが分かった。
従って、印字ヘッド10に要求される仕様によっては、実施の形態1に示したような、スリット114を囲むような形状の吹出口115および複雑な形状の流路117を形成することなく、実施の形態2に示したような、円弧状の吹出口115Aと単純な形状の流路117Aを採用してもよい。
なお、上述の各実施の形態では、印字ヘッドのヘッドカバーとして円筒状のヘッドカバーを用い、当該ヘッドカバーの空洞部に主要部材を収容したが、ヘッドカバーの形状は円筒状に限定されない。構成部材の形状や配置に合わせて、断面が四角形や六角形のヘッドカバーを用いてもよい。
また上述の各実施の形態では、水平方向に移動する被印字物に印字を行う場合について説明したが、被印字物の移動方向はこれに限らず、例えば、被印字物が垂直方向に移動する場合であっても、印字面で跳ね返ったインクによる印字ヘッドの汚れを防止する機能の導入は可能である。その場合、インク滴は水平方向に偏向されることになる。
AR1、AR2 エアー
1 インクジェットプリンタ
10 印字ヘッド
11 ヘッドカバー
12 ガン
13 帯電電極
14 検知電極
15 偏向電極
16 ガター
17a、17b パイプ
20 インクタンク
30a、30b ポンプ
40 被印字物
110 空洞部
111 カバー本体
112 キャップ
113、113A 肉厚部
114、114A スリット
115、115A 吹出口
116、116A ポート
117、117A 流路

Claims (5)

  1. 噴出するインクに一定周期の振動を付与して連続したインク滴を生成するガンと、
    前記インク滴の周期に同期した階段波状の電圧を印加して当該インク滴を帯電させる帯電電極と、
    前記帯電したインク滴を、帯電の程度に応じて垂直方向また水平方向に偏向させ、インク滴を被印字物の印字面に着弾させる偏向電極と、
    前記ガン、帯電電極および偏向電極が空洞部に収容され、かつ前記帯電したインク滴が通過するスリットが形成された筒状のヘッドカバーと、で構成された印字ヘッドを備え、
    前記印字ヘッドから噴射されたインク滴を、水平方向または垂直方向に移動する前記被印字物に着弾させ、複数列の印字ドットによって文字を形成するインクジェットプリンタであって、
    前記ヘッドカバーは、後端部が密閉された筒状のカバー本体と、当該カバー本体の前部を覆うように取り付けられたキャップとで構成され、
    当該キャップには、前記スリットと、当該スリットの少なくとも一部を取り囲むように吹出口が形成され、
    当該吹出口から前記被印字物に向けてエアーが吹き付けられることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記キャップには、エアー供給用のチューブを接続するポートと、当該ポートと前記吹出口とを連結するエアー流路が形成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記カバー本体は金属で作製される、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記吹出口は、前記スリットのうち前記キャップの外周部に近い方の端を取り囲むように形成される、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記ヘッドカバーの空洞部には外部のコンプレッサからエアーが供給され、前記印字ヘッドの駆動中、当該空洞部は陽圧に保持される、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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