JP2023053620A - 転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦過性、および保護層と接着層との間の接着強度に優れた保護層を有する転写シートの提供。【解決手段】基材上に、保護層と中間層と接着層が順次積層され、前記基材が前記保護層から分離可能な熱転写シートにおいて、前記保護層は、アクリル樹脂と架橋剤とで生成される架橋物を含有し、前記中間層は、ビニル系化合物を含有する材料からなり、少なくとも一部に前記ビニル系化合物の熱変性体を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、記録物の表面に保護層を転写形成する転写シートに関する。
近年、記録物の表面に透明な保護層を転写して、記録面に耐擦過性(耐摩耗性ともいう)を付与する転写シートが開発されている。
例えば、特許文献1には、基材上に保護層と表面層が積層された熱転写シートが開示されている。表面層は接着層として機能し、これを記録物の表面に接着して保護層と表面層を基材から剥離することで、表面が保護層で覆われた記録物が製造できる。また、保護層は、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸カルボキシアルキル)等の重合成分を含む重合物で形成されており、その厚みを10μm以下にすることで、基材から剥離する際の箔切れ性を確保している。
一方、特許文献2には、支持体上に画像保護層とインク受容層が設けられたインクジェット印刷転写媒体が開示されている。この転写媒体は、インク受容層に直接画像を形成することが可能であり、画像を形成したインク受容層を被転写物に当接してラミネートし、その後支持体を剥離することで、保護層で覆われた記録物が製造できる。保護層は、ガラス転移点が20~120℃の熱可塑性樹脂を含んでおり、主に熱可塑性のアクリルエマルジョンを塗布・乾燥して形成されている。また、保護層の厚みは、その役割とインクジェット記録物の質感等の観点から2~20μmに設定されており、特許文献1の熱転写シートより厚い保護層が形成できる。
特開2018-167567号公報 特開2003-285542号公報
しかしながら、特許文献2における保護層は、硬度が低く耐摩耗性が不十分であった。アクリルエマルジョンに架橋剤を添加して、保護層中のアクリル樹脂を架橋させることで保護層の硬度を改善することは可能であるが、本発明者らの検討によれば、保護層中のアクリル樹脂を架橋すると、保護層上に設ける接着層との接着強度が低下して、保護層が接着層から剥がれてしまうという別の問題が生じていた。
上記課題を解決するために、次のような構成の転写シートを用いる。
基材上に、保護層と中間層と接着層が順次積層され、前記基材が前記保護層から分離可能な熱転写シートにおいて、
前記保護層は、アクリル樹脂と架橋剤とで生成される架橋物を含有し、
前記中間層は、ビニル系化合物を含有する材料からなり、少なくとも一部に前記ビニル系化合物の熱変性体を含む。
本発明によれば、耐摩耗性、および保護層と接着層との接着強度に優れた保護層を有する転写シートが提供できる。
本発明の転写シートの断面図である。 記録物の製造方法を説明するための説明図である。 中間層のアニール前後の変化を示す比較図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
[転写シート]
図1に示すように、本発明の転写シート10は、基材50上に、保護層40、中間層30、及び接着層20が積層されたものである。後述するように、転写シート10は、接着層20を被転写体80へ当接して、保護層40と中間層30と接着層20を被転写体80へラミネート(以下、転写ともいう)し、その後基材50を剥離することで、記録物100を製造することができる。
[基材]
本発明で使用される基材50は、転写シート10のカールを抑制し、搬送性を良好にする役割を果たすと同時に、転写後に剥離することが可能なセパレーターとして機能する。
基材50を構成する素材は、転写シート10の用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、ガラス、金属、木材、樹脂等、様々なものが使用できる。ただし、転写時に加熱されることから、耐熱性、寸法安定性、加工の容易さ等を考慮して、樹脂製のフィルムを用いることが好ましい。基材の厚みに関しては、保護層を塗工して積層する事、転写時に加熱されることを考慮して、12μm以上50μm以下であることが好ましい。厚みを12μm以上することで塗工時のカールの影響を低減でき、50μm以下することで転写時の接着層への熱伝導性を上げることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン-4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等の脂肪族ポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体樹脂;三酢酸セルロース、セロハン等のセルロース系樹脂;ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の、その他の合成樹脂として、例えば、ポリアミド系樹脂;等からなるフィルムが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリアミド系樹脂は、耐熱性や寸法安定性に優れているので好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を複合あるいは積層して用いてもよい。
また、上記樹脂フィルムには、転写時の熱伝導性を上げる目的で、樹脂フィルム中にシリカ、アルミナ、グラファイト等のフィラーを添加したり、搬送性を向上させる目的で、フィルムの裏面に滑りを改善する補助層を設けてもよい。
[離型層]
本発明の転写シート10は、転写後の基材の剥離性を改良するために、基材50と保護層40の間に離型層(不図示)を設けてもよい。離型層は公知の離型剤を用いて製造できる。例えば、シリコーンワックスなどのワックス類に代表されるシリコーンワックス、シリコーン樹脂などのシリコーン系の離型剤、フッ素樹脂などのフッ素系離型剤、ポリエチレン樹脂等が挙げられ、各材料を単独もしくは2種類以上併用することもできる。また、本発明における離型層には、密着性付与剤や帯電防止剤などの添加剤を添加してもよい。
[保護層]
本発明の転写シート10は、これを用いて製造される記録物100を、様々な環境変化や、薬品、摩擦等から保護できる保護層40を備えている。また、本発明の転写シート10を用いて製造される記録物100は保護層40を通して観察されるため、保護層40は透明であり、その透明度は、JIS K7375に基づく全光線透過率で50%以上、さらに90%以上であることが好ましい。
保護層40の素材としては熱可塑性のアクリル樹脂が好ましく、例えば、ポリメタクリレート、スチレン-アクリル共重合体、ポリエチレンアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂等が使用できる。特に、スチレン-アクリル共重合体は透明度が高く、耐候性に優れているのでより好ましい。また、保護層40に含まれるアクリル樹脂のTg(ガラス転移温度)は、40~80℃であることが好ましい。Tgがこの範囲であれば、異なるTgを有するアクリル樹脂を2種類以上併用してもよい。40℃以上のアクリル樹脂を使用することで耐擦過性が良好となり、80℃以下のアクリル樹脂を使用することで、転写シート10をロール状に巻き取った際に保護層40が基材50から剥離することを抑制できる。
保護層40の厚みは特に限定されないが、1μm以上30μm以下であることが好ましい。保護層の厚みを1μm以上とすることで耐摩耗性が確保でき、保護層40の厚みを30μm以下とすることで箔切れ性が確保できる。箔切れ性とは、転写シート10を被転写体80に転写する工程において、保護層40と、中間層30と、接着層20と、が被転写体80のエッジに沿った形状で基材50から剥離される際の切り離されやすさを意味する。
[架橋剤]
本発明における保護層40は、主成分であるアクリル樹脂が架橋剤によって架橋されている。これにより、保護層40の耐摩耗性がさらに向上できる。
架橋剤としては、アクリル樹脂のカルボキシ基と反応する「官能基」を有する公知の化合物が利用でき、例えば、ジアミン(この場合、アミド結合が生成される)、ジオール(エステル結合を生成)、ジイソシアネート(ウレタン結合を生成)、ビスオキサゾリン(アミドエステル結合を生成)等のモノマーや、オキサゾリン基含有ポリマー(アミドエステル結合を生成)、ポリカルボジイミド樹脂(アシルウレア結合を生成)等のポリマーが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
なお、本発明の転写シート10は、製造後ロール状に巻き取られることが多く、保護層40に適度な柔軟性が要求されることから、ポリマー系の架橋剤を使用することが好ましい。ポリマー系架橋剤は、モノマー系架橋剤に比べて官能基同士が離れており、架橋後の樹脂に柔軟性を持たせることができる。ポリマー系架橋剤の分子量は特に限定されないが、箔切れ性を考慮して、5×104以下のものを選択することが好ましい。
架橋剤の添加量は、アクリル樹脂のカルボキシ基と架橋剤の官能基の含有比率が、モル比で0.5~1.5となるように調整することが好ましい。この範囲に制御することで耐摩耗性に優れた保護層40が形成できる。
また、保護層40を上記のように構成することで箔切れ性も改善される。理由は明確ではないが次のように推察している。
アクリル樹脂が架橋剤と架橋して3次元網目構造が形成されると、樹脂自体は剛直になる。その一方で、3次元網目構造が増加すると脆くなりクラックが生じ易くなる。したがって、本発明における転写シートは、支持材に転写した部分(転写時に加熱・加圧された部分)と、転写されていない部分(転写時に加熱・加圧されていない部分)と、の境界で保護層40に小さなクラックが発生し易くなり、これを起点として切れ目が生じ易くなったことで、箔切れ性が向上したと考えられる。
[中間層]
本発明の転写シート10は、保護層40と接着層20との間の接着強度を向上させるために、保護層40の上に中間層30が設けられている。中間層30厚みに制限はないが、薄すぎると接着強度が確保できず、厚すぎると箔切れ性が悪くなるため、0.01μm~1μmの範囲で保護層40よりも薄くなるように調整することが好ましい。
中間層30に用いる材料は特に限定されず、公知のものが使用できるが、転写後に画像上に配置されることから透明性を有する材料を選択することが好ましい。具体的には、酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル系化合物が挙げられる。これらのうちの1種もしくは複数を併用しても良い。
中でも、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、保護層40との接着強度に優れているので好ましい。
なお、本発明の中間層30は、保護層40上に積層された後、保護層40と共にアニール処理されるため、熱変性物を含む。アニール処理とは、保護層40中のアクリル樹脂と架橋剤を反応させる加熱処理である。アニール処理における温度や時間は特に限定されず、保護層40中のアクリル樹脂と架橋剤が50%以上架橋できれば問題ない。これにより保護層の耐薬品性が確保できる。
中間層が熱変性物を含むことは、アニール前後の中間層を赤外分光法(IR)で測定することで確認できる。例えば、中間層として塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を用いた場合のアニール処理前後の測定結果を図3に示す。点線はアニール前の中間層の吸収曲線、実線はアニール後の中間層の吸収曲線であり、アニール前後で波形が変化している。具体的には、2120cm-1のピークを基準にした場合の、アニール前の1735cm-1のピーク(X、C=O伸縮運動)に対するアニール後の1735cm-1のピーク(Y)の相対強度が変化している。この変化からアニール後の中間層に熱変性物が含まれていることが確認できる。また、中間層に塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を用いた場合、ピーク(Y)のピーク(X)に対する相対強度が80%以下であれば、架橋物を含む保護層と接着層との間の接着強度が良好となり、好ましい。保護層と中間層の接着強度が上がった理由は不明であるが、C=O伸縮運動に基づくピークが減少していることから、加熱によりカルボニル基が変性し、中間層の性質が変化したことが影響していると考えられる。
[接着層]
本発明の転写シート10は、転写により被転写体80と接着するため、中間層30上に接着層20を有する。接着層20の厚みは、薄すぎると接着性が確保できず、厚すぎると箔切れ性に影響があるため、0.01μm~1μmの範囲で調整することが好ましい。また、箔切れ性を考慮して、転写後の厚みは保護層40よりも薄くなるように設定することが好ましい。
接着層20に用いる材料は、特に限定されず公知のものが使用できるが、転写後、接着層20が画像上に配置されることから、透明性を有する材料を選択することが好ましい。また、製造した転写シート10をロール状に巻き取る際に、接着層20の基材50への貼り付きを防止するために、接着層20にはTgが室温以上、熱転写温度以下である材料を用いることが好ましい。
具体的には、酢酸ビニル、ポリオール、ポリビニルアセタール、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル、ポリエステル、ポリアミド、セルロース、オレフィン、スチレン、ユリア、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、イソシアネート、クロロプレンゴム、二トリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリサルファイド、ブチルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、変性シリコーンゴム、ウレタンゴム、シリル化ウレタンなどの樹脂系接着剤;ケイ酸ソーダ等の水ガラス系、セラミックス系などの無機系接着剤が挙げられる。これらのうちの1種もしくは複数が併用できるが、中間層との接着性を考慮して、中間層と同じ材料を用いるのがより好ましい。
中でも、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む材料は、熱変性物を含む中間層30や後述する被転写体80との接着強度に優れているので好ましい。
[記録物]
本発明の記録物100は、保護層40上に、中間層30、接着層20、被転写体80が順に積層されたものである。
[被転写体]
被転写体80の材質は特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、パルプやコットンなどからなる紙、コート紙やアート紙等のコーティング紙、塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET-Gなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂などのフィルムあるいはカードが挙げられる。また、被転写体80は、これらを単独あるいは積層した複合物であってもよい。
[記録物の製造方法]
本発明の記録物100は、図2に示した工程で製造することができる。
具体的には、接着層20を被転写体80に当接し、転写シート10と被転写体80を重ねた状態でヒートローラー90および加圧ローラー91を用いて加熱および加圧して接着する(図2(a)、(b)参照)。その後、剥離ローラー92を用いて基材50を剥離することで記録物100が得られる(図2(c)、(d)参照)。加熱・加圧する装置は特に限定されず、公知のラミネーターが使用できる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例によっていかなる制限を受けるものではない。なお、以下の記載における「部」、「%」は特に断らない限り質量基準である。
[保護層形成用塗工液の調製]
アクリル樹脂(商品名:ジョンクリルPDX7538、カルボキシ基量:1.11mmol/g、固形分濃度:45.5%、BASF社製)69.1部と、ポリマー系架橋剤(商品名:エポクロスWS700、オキサゾリン基量:4.50mmol/g、固形分濃度:25%、日本触媒社製)30.9部をスタティックミキサーで混合し、保護層形成用塗工液を調整した。塗工液におけるアクリル樹脂のカルボキシ基と、ポリマー系架橋剤のオキサゾリン基の含有比率は1:1である。
[中間層形成用塗工液の調製]
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(商品名:ソルバインC、固形分:30%、昭和インキ社製)1部に、MEK1部を加えて中間層形成用塗工液を調整した。
[接着層形成用塗工液の調製]
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(商品名:ソルバインC、固形分:30%、昭和インキ社製)1部に、MEK1部を加えて接着層層形成用塗工液を調整した。
[転写シートAの製造]
基材としてPETフィルム(商品名:テトロンG2、厚さ:25μm、帝人デュポンフィルム社製)を用意し、その上に、保護層形成用塗工液を乾燥後の保護層の厚みが12.5μmになるようにグラビアコーター(塗工速度:10m/分、乾燥温度:100℃)を用いて塗工した。次に、保護層上に、中間層形成用塗工液を乾燥後の層の厚みが1μmになるようにグラビアコーター(塗工速度:10m/分、乾燥温度:80℃)を用いて塗工した。その後、120℃で50分間アニール処理をおこなった。次に、中間層上に、接着層形成用塗工液を乾燥後の接着層の厚みが1μmになるようにグラビアコーター(塗工速度:10m/分、乾燥温度:80℃)を用いて塗工し、転写シートAを製造した。
(中間層の熱変性物の確認)
中間層形成用塗工液をシャーレに入れて80℃で乾燥し、乾燥後の層の厚みが1μmの疑似中間層を2つ作製した。その後、一方を120℃で50分間加熱(アニール)して、これと、加熱(アニール)しなかったものをIR(製品名:IR Prestige-21、島津製作所社製)で測定し、各々の1735cm-1のピークの強度を求めた。さらに、加熱(アニール)しなかった場合に対する加熱(アニール)した場合の相対強度を求めることで、中間層の熱変性物の有無を確認した。得られた結果を表1に示す。
[転写シートBの製造]
保護層形成用塗工液にポリマー系架橋剤を混合しなかったこと以外は転写シートAと同様にして転写シートBを製造した。
[転写シートCの製造]
アニールを行わなかったこと以外は転写シートAと同様にして転写シートCを製造した。
[転写シートDの製造]
基材上に保護層を形成してアニールを行い、その後中間層を塗工したこと以外は転写シートAと同様にして転写シートDを製造した。
(実施例1)
転写シートAの接着層20を被転写体80であるPVCカードに当接し、転写シートAと被転写体80を重ねた状態でヒートローラーを用いて加熱加圧して接着し、その後、基材50を剥離することで記録物Aを製造した。
(評価1:保護層の耐擦過性)
耐擦過性と耐傷性とは比例関係にあるため、鉛筆硬度試験機(製品名:501鉛筆引っかき試験機、Elcometer社製)を用いて記録物Aの保護層の耐傷性を評価した。得られた結果を表1に示す。表内の「鉛筆硬度」における「〇」は2Bの鉛筆で傷つかなかったことを示し、「×」は2Bの鉛筆で傷ついたことを示す。
(評価2:保護層と接着層の接着強度)
記録物Aの保護層側に10N/25mmテープ(製品名:ダイタックPF-025H 、DIC社製)を張り付けて角度90°で引張り、テープをはがした後の外観を評価した。得られた結果を表1に示す。表内の「接着強度」における「〇」は保護層が剥がれなかったことを示し、「×」は保護層が剥がれたことを示す。
(評価3:箔切れ性)
被転写体に転写シートを加熱圧着した後、基材を剥離させる際に非接着部を角度90°で引張り、被転写体側に残ったカード端部からはみ出ている保護層の長さを評価した。得られた結果を表1に示す。表内の「箔切れ性」における「〇」はカード端部からはみ出ている保護層の長さが0.2mm未満であることを示し、「×」はカード端部からはみ出ている保護層の長さが0.2mm以上であることを示す。
(比較例1~3)
転写シートAを転写シートB~転写シートDとしたこと以外は、実施例1と同様にして記録物B~記録物Dを作製し、保護層の耐擦過性、保護層と接着層の接着強度、箔切れ性を評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2023053620000002
10:転写シート
20:接着層
30:中間層
40:保護層
50:基材
80:被転写体
90:ヒートローラー
91:加圧ローラー
92:剥離ローラー
100:記録物

Claims (5)

  1. 基材上に、保護層と中間層と接着層が順次積層され、前記基材が前記保護層から分離可能な転写シートにおいて、
    前記保護層は、アクリル樹脂と架橋剤とで生成される架橋物を含有し、
    前記中間層は、ビニル系化合物を含有する材料からなり、少なくとも一部に前記ビニル系化合物の熱変性体を含む
    ことを特徴とする転写シート。
  2. 前記接着層は前記中間層と同じビニル系化合物を含有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記架橋剤が、オキサゾリン基含有ポリマーもしくはポリカルボジイミド樹脂である、請求項1または2に記載の転写シート。
  4. 前記ビニル系化合物はカルボニル基を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の転写シート。
  5. 前記ビニル系化合物は塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の転写シート。
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