以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下の実施例の説明及び図面において、X方向は、インターホン装置の一例としての親機41の幅方向を示し、Y方向は、親機41の厚さ方向(奥行方向)を示し、Z方向は、親機41の高さ方向を示す。X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。なお、本実施例では、親機41が所定位置に設置されている状態で、Z方向が鉛直方向に一致する場合について説明するが、インターホン装置が設置位置に設置されている状態で、Z方向は鉛直方向に一致しなくてもよい。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
図1は、本開示の一実施形態に係るインターホンシステム1の概略構成図である。インターホンシステム1は、例えばマンション等の集合住宅で利用できる。図1に示すように、インターホンシステム1は、共用部システム10、玄関システム30、室内システム40、エネルギーシステム60、防犯システム70、通報システム75、火災感知システム94、及び制御装置90を備える。
共用部システム10は、ロビーインターホン装置11を備え、ロビーインターホン装置11は、ロビーインターホン本体12と、非接触キー制御装置13を含む。ロビーインターホン装置11は、集合住宅の内部と外部を区切る共用ゲート14よりも外部側に設けられて全ての住居で共有される。ロビーインターホン本体12は、音声を入出力するマイクロホン(図示せず)及びスピーカ(図示せず)と、来訪者を撮像するカメラ(図示せず)を備える。また、ロビーインターホン本体12は、操作部を備え、操作部は、住居番号を入力するための入力部と、呼出釦を含む。人が入力部で住居番号を選択した後に呼出釦を操作すると、選択した住居内に設置されたインターホン親機(以下、単に親機という)41及び副親機42,43の夫々が内蔵スピーカを用いて呼出音を出力する。インターホン親機41は、インターホン装置の一例である。
ロビーインターホン本体12の周辺には、非接触キー検知部15が設けられる。非接触キー検知部15も、共用ゲート14よりも外部側に設けられる。非接触キー検知部15は、例えば、IC(integrated circuit)カードリーダまたはICタグリーダで構成される。非接触キーが、非接触キー検知部15にかざされると、非接触キー検知部15は、非接触キー内に埋め込まれたICチップの識別コードを読み込む。識別コードは、使用者を特定可能な情報を含む。非接触キー制御装置13は、上記ICタグリーダを介して読み込まれた識別コードと、情報記憶部に格納された解錠を許可する識別コードを照合する。非接触キー制御装置13は、照合した識別コードの結果が一致すれば、共用ゲート14の扉を開閉するドア開閉機構に解除を表す信号を出力し、共用ゲート14の扉を開く。
共用部システム10は、制御装置90、及び玄関システム30を経由した伝送線Lで室内システム40に接続される。なお、図1では、伝送線Lや、後述の伝送線L1~L6が、一本の配線で示されているが、伝送線L,L1~L6は、複数の配線で構成されてもよい。また、伝送線L,L1~L6の夫々を構成する1以上の配線には、音声情報を含む信号を伝送させる配線が含まれる。制御装置90は、集合住宅の共有機器等を統括制御するために設けられ、通報システム75の通報機76へ所定の通報先に通報信号を送信させる制御や、図示しないエレベータの昇降制御等を行う。所定の通報先には、例えば、消防署、管理会社、及び警備会社が含まれる。また、制御装置90は、管理人室の管理事務室親機92にも接続される。管理事務室親機92は、制御装置90を介してインターホンシステム1の各機器に信号を出力でき、インターホンシステム1の各機器は、制御装置90を介して管理事務室親機92へ信号を出力できる。
伝送線Lは、共用部システム10のロビーインターホン装置11から制御装置90を介して玄関システム30の分岐器31に接続される伝送線L1と、分岐器31と室内システム40の親機41を接続する伝送線L2を含む。ロビーインターホン本体12のカメラ(図示せず)で撮像された映像信号や音声信号は、伝送線L1と伝送線L2を介して親機41に入力される。
玄関システム30の分岐器31は、制御装置90からのびる伝送線Lを分岐して各住居の玄関システム30に接続するために設けられる。各住居の親機41は、適切な設定を行うことで分岐器31を介して所望の住居の親機41と信号の送受信を実行可能になる。玄関システムの30のインターホン子機(以下、単に子機という)32は、集合住宅の各住居の玄関先に配置される。子機32は、音声を入出力するマイクロホン(図示せず)及びスピーカ(図示せず)と、来訪者を撮像するカメラ(図示せず)を含む。子機32のカメラ(図示せず)で撮像された映像信号や音声信号は、伝送線L3を介して親機41に送信される。子機32は、呼出釦(図示せず)を有する。子機32の呼出釦が操作されると、呼出音が、親機41及び副親機42,43の各スピーカから出力される。
親機41は、室内システム40に含まれる。親機41は、音声を入出力するマイクロホン(図示せず)及びスピーカ(図示せず)と、モニタ装置(図示せず)を有する。また、室内システム40は、必要に応じて副親機(モニタ付副親機42及び通話副親機43)を含む。モニタ付副親機42は、音声を入出力するマイクロホン(図示せず)及びスピーカ(図示せず)と、モニタ装置(図示せず)とを有する。モニタ付副親機42は、伝送線L4を介して親機41に接続され、親機41と音声情報や映像情報をやり取り可能になっている。また、通話副親機43は、音声を入出力するマイクロホン(図示せず)及びスピーカ(図示せず)を有する。通話副親機43は、伝送線L5を介してモニタ付副親機42に接続される。通話副親機43は、伝送線L4及び伝送線L5を介して親機41と音声情報をやり取り可能になっている。親機41は、ロビーインターホン装置11や子機32と、副親機42,43との間の通信を中継する機能を有し、人は、副親機42,43を用いて、ロビーインターホン本体12や子機32を使用する来訪者との間で通話できる。
親機41は、モニタ付副親機42、携帯機器アダプタ45と、無線LANルーター46を介して携帯機器47、例えば、携帯電話やタブレット等と信号のやり取りを実行可能になっている。携帯機器アダプタ45は、例えば、親機41又は副親機42,43間の通信で用いられる通信規格の信号と、携帯機器で用いられる通信規格の信号の変換を行う。このインターホンシステム1では、人は、ロビーインターホン装置11又は子機32からの呼び出しに携帯機器47で応答可能となっている。なお、親機41から出てくるLAN配線は、モニタ付副親機42があってもなくても、モニタ付副親機42とメディア変換用の携帯機器アダプタ45とを介さずに無線LANルーター46に直接接続されてもよい。また、親機41のLAN配線用の接続端子には、インターネットに有線又は無線を介して直接繋がるLAN配線の一端部が、メディア変換用の機器を一切介さずに接続されてもよい。
親機41は、エネルギーシステム60からの信号を受信可能になっている。エネルギーシステム60は、電力測定器61、ガスメータ62、水道メータ63、及び計測ボックス64を含む。電力測定器61は、例えば各住居の分電盤に設置されて住居での消費電力を検出し、所定の電力量が消費される度に所定のパルス信号を計測ボックス64に出力する。また、ガスメータ62は、例えば所定のガス量が消費される度に所定のパルス信号を計測ボックス64に出力し、水道メータ63は、例えば所定量の水が消費される度に所定のパルス信号を計測ボックス64に出力する。計測ボックス64は、電力測定器61、ガスメータ62、及び水道メータ63の夫々からのパルス信号を計測し、電力を表す信号と、消費ガス量を表す信号と、消費した水量を表す信号を親機41に出力する。親機41は、消費電力、消費ガス量、及び消費水量を表示部に表示させる操作部を有する。人は、該操作部を操作することで、消費電力、消費ガス量、及び消費水量を認識でき、電力料金、ガス料金、水道料金を認識できる。
親機41は、更に、防犯システム70からの信号を受信可能になっており、通報システム75へ信号を出力可能になっている。詳しくは、防犯システム70は、例えば、玄関防犯用センサ71と、窓防犯用センサ72を含む。玄関防犯用センサ71及び窓防犯用センサ72の夫々は、例えばスイッチを含むマグネットセンサで構成される。玄関防犯用センサ71は、玄関扉周辺に設置される。玄関扉が開くと玄関防犯用センサ71のスイッチが磁力でオンになり、玄関扉が開いたことを表す信号が親機41に出力される。また、窓防犯用センサ72は、窓周辺に設置される。窓が開くと窓防犯用センサ72のスイッチがオンになり、窓が開いたことを表す信号が親機41に出力される。
親機41は、留守設定を登録できる操作部(図示せず)を含む。留守設定がされている状態で、親機41が防犯用センサ71,72からの信号で玄関や窓が開いたと認識すると、不特定者の住居への侵入を表す異常信号が、親機41から制御装置90を介して通報機76に伝送される。通報機76は、異常信号に含まれる送信先情報に基づいて、異常信号を警備会社等に出力する。
親機41は、更に、火災感知システム94からの信号を受信可能になっている。火災感知システム94は、共用部、例えば、各階の廊下等の所定位置に配置された複数の火災報知器95と、受信器96を備える。集合住宅の各住戸に設置された親機41は、火災の発生を表す信号を、各火災報知器95から、受信器96、制御装置90、及び分岐器31を介して受信可能になっている。親機41は、火災の発生を表す信号を受信すると、発報した火災報知器95が存在する位置に関する位置情報を表示部に表示可能となっており、警報音を出力可能となっている。また、詳述しないが、親機41は、玄関ドアの施錠の有無を検知するセンサからの信号を受信できるようになっており、玄関ドアの施錠の有無を表示可能になっている。
以上、インターホンシステム1は、インターホン装置の一例としての親機41と、親機41と通信する1以上の情報端末を備える。また、本実施例のように、その1以上の情報端末は、ロビーインターホン装置11、管理事務室親機92、子機32、及び携帯機器47を含んでもよい。なお、インターホン装置が、親機41のみで構成される場合について説明した。しかし、インターホン装置は、タッチパネル及び画像表示パネルを備える住宅情報盤と、それとは別の別装置とを備えてもよい。また、本実施例のように、インターホン装置が、住宅情報盤を構成する親機41のみで構成される場合において、親機41は、情報端末と直接通信してもよく、他の装置を介して情報端末と通信してもよい。また、インターホン装置が、タッチパネル及び画像表示パネルを備える住宅情報盤と、別装置とを備える場合において、住宅情報盤は、別装置のみを介して情報端末と通信してもよく、別装置と他の装置を介して情報端末と通信してもよい。また、また、インターホン装置が、タッチパネル及び画像表示パネルを備える住宅情報盤と、別装置とを備える場合において、住宅情報盤は、別装置を介さずに情報端末と直接通信してもよく、別装置を介さずに他の装置を介して情報端末と通信してもよい。
図2は、親機41を前側から見たときの斜視図である。また、図3は、図2のA‐A線断面図であり、親機41を、Y方向とZ方向を含むと共にX方向の中央を通過する平面で切断したときの断面図である。また、図4は、親機41からタッチパネル20を外した状態を示す斜視図である。また、図5は、図2のB‐B線断面図であり、親機41を、X方向とY方向を含むと共に親機41のZ方向上側を通過する平面で切断したときの断面図である。
図2に示すように、親機41は、筐体全てが設置建物から露出する露出型の住宅情報盤であり、その前面は、略矩形の形状を有する。また、親機41は、Z方向上側にタッチパネル20を備え、Z方向下側に通話釦5及び解錠釦6を備える。タッチパネル20は、ガス、電気、水道の使用量を確認するときや、親機41の記憶部に時系列的に記憶された来客者の画像を確認するとき等に操作される。また、通話釦5は、来客者等がロビーインターホン装置11や子機32を介して連絡してきたときに、当該来客者との通話を実行するために設けられる。また、解錠釦6は、例えば、宅配業者がロビーインターホン装置11を介して宅配物があることを連絡してきたときに、共用ゲート14の扉を開閉するために設けられる。親機41は、タッチパネル20と、通話釦5及び解錠釦6との間に複数の小径孔7を有する。この複数の小径孔7は、住戸内の人の音声が親機内蔵のマイクロホンに届き易いように設けられ、また、親機内蔵のスピーカが出力した音声が住戸内の人に届き易いように設けられる。
図3に示すように、親機41は、筐体2、タッチパネル20、画像表示パネル50、及び1以上の基板80を備える。画像表示パネル50は、例えば、液晶パネル、無機EL(electro luminescence)パネル、又は有機ELパネル等で構成される。タッチパネル20、画像表示パネル50、及び1以上の基板80の夫々は、筐体2に固定される。それらの部材20,50,80は、タッチパネル20、画像表示パネル50、及び1以上の基板80の順に前側から後側に配置され、基板80が最も裏側に配置される。筐体2は、Y方向に関してタッチパネル20と画像表示パネル50の間に配置される離間部21を有する。タッチパネル20は、離間部21によって画像表示パネル50に対してY方向に離間され、画像表示パネル50にY方向に間隔をおいて対向する。
図4に示すように、筐体2は、矩形の開口部22と、開口部22の周囲を画定する複数の辺22a,22b,22c,22dに沿うように設けられた凹部23とを有する。また、画像表示パネル50は、筐体2の内側に設置され、Y方向から見たときに開口部22に重なるように配置される表示部51を有する。図3を参照して、離間部21の前面は、凹部23の底面の少なくとも一部を構成する。図2を参照して、タッチパネル20は、凹部23の底面にねじ止めや融着によって固定されてもよい。しかし、タッチパネル20を、凹部23の底面に接着部材の一例としての両面テープや接着剤で固定すると、タッチパネル20を筐体2に簡単安価に取り付けできると共にスタイリッシュな外観も実現できて好ましい。
図5を参照して、凹部23のY方向の深さは、タッチパネル20の厚み以上になっている。また、図4及び図5に示すように、凹部23は、第1凹部23aと、第2凹部23bを有する。第1凹部23aは、第2凹部23bよりも筐体2の周縁側に位置し、第2凹部23bは、第1凹部23aよりもY方向の深さが深い。また、第2凹部23bのX方向外側は、第1凹部23aと連通し、第2凹部23bのX方向内側は、開口部22に連通する。
図5に示すように、タッチパネル20は、本体部25と、カバー部26を有する。Y方向から見たとき、カバー部26の面積は、本体部25の面積よりも大きくなっており、カバー部26は、本体部25の前面の全てを覆っている。本体部25の後面は、第2凹部23bの底面に固定され、カバー部26の後面は、第1凹部23aの底面に固定されている。タッチパネル20の本体部25は、透明な材質で構成された板状部と、その板状部の後面に設けられた配線とを有する。配線は、金色に近い色を有し、Y方向から見たときタッチパネル20において凹部23に重なる領域に配置される。カバー部26においてY方向から見たときに凹部23に重なる部分は、有色、例えば、黒色に着色される。より具体的には、カバー部26は、例えば、透明なカバー元材の後面においてY方向から見たときに凹部23に重なる部分に黒色印刷を施すことで形成される。このカバー部26の周辺部の着色により、人が前側からタッチパネル20を見たときに、配線を視認できないようになっている。
図2に示すように、親機41は、Y方向から見たときに凹部23に重なるタッチパネル20の領域に操作部29を備える。この操作部29は、操作領域の一例であり、Y方向から見たときに画像表示パネル50の表示部51に重ならない位置に配置され、画像表示パネル50の表示内容に無関係に表示される。この操作部29は、例えば、ホーム選択部29aと、終了選択部29bを含む。ホーム選択部29aは、例えば、画像表示パネル50が表示している画像を待ち受け画像に戻すときに操作される。また、終了選択部29bは、例えば、画像表示パネル50における画像表示を終了させるときに操作される。
図4に示すように、筐体2は、1以上の孔部28を有する。1以上の孔部28は、Y方向に延在し、第2凹部23bの底面に開口する。図6は、親機41を、X方向とY方向を含むと共に孔部28を通過する平面で切断したときの断面図である。図6に示すように、親機41は、1以上の発光部81を更に備え、各発光部81は、基板80の前面に実装されている。各発光部81は、発光ダイオード(LED(light emitting diode))で構成されると好ましいが、半導体レーザ素子、有機EL(Electro Luminescence)素子、又は無機EL素子で構成されてもよい。1以上の孔部28と、1以上の発光部81は、一対一に対応し、Y方向から見たとき、1つの孔部28が1つの発光部81に重なる。図2に示すように、タッチパネル20は、全ての孔部28を覆うように設けられる。各孔部28は、筐体内部に配置された発光部81からの光をタッチパネル20側に放出させるために設けられる。
図7(a)は、タッチパネル20を前側から見たときの平面図であり、図7(b)は、給電部材84が接続されたタッチパネル20を後側から見たときの平面図である。図7(a)に示すように、タッチパネル20には、複数のアイコン24a~24gの透かし印刷が施されている。図6及び図7(a)を参照して、Y方向から見たとき、1つのアイコン24a~24gが、1つの孔部28と1つの発光部81に重なる。このことから、1以上の発光部81が点灯すれば、その1以上の発光部81に対応する1以上のアイコン24a~24gが浮かび上がる。図7(a)に示す例では、アイコン24aは、電源が供給されているか否かを表すアイコンとなっており、アイコン24bは、火災感知システム94から火災の発生を表す信号を受信したか否かを表すアイコンとなっている。また、アイコン24cは、エネルギーシステム60から水道の使用を表す信号を受信したか否かを表すアイコンとなっており、アイコン24dは、親機41の記憶部に音声データが記憶されているか否かを表すアイコンとなっている。また、アイコン24eは、管理人から連絡があったか否かを表すアイコンとなっており、アイコン24fは、防犯システム70から窓が開いている信号を受信したか否かを表すアイコンとなっている。また、アイコン24gは、玄関ドアの施錠の有無を検知するセンサからドアが施錠されていない信号を受信したか否かを表すアイコンとなっている。なお、透かし印刷のアイコン24a~24gは、仕様によって、適宜省略されてもよく、適宜追加されてもよい。
再度、図4を参照して、筐体2は、第2凹部23bの底面に開口する給電孔27を有する。図4及び図7(b)を参照して、この給電孔27は、タッチパネル20に電力を供給するための給電部材84を筐体内部から引き出すために設けられる。再度、図3を参照して、筐体2は、画像表示パネル50の取付部55を有する。取付部55は、Y方向から見たときに凹部23に重なる箇所に配置される。図3及び図5に示すように、取付部55は、画像表示パネル50の周囲を取り囲むように配置される。
次に、取付部55が、画像表示パネル50をXZ平面における所定位置に押圧する動作について説明する。詳しくは、図3に示すように、取付部55は、Z方向に間隔をおいて配置されてY方向に延在する一対のY方向延在部55a,55bを有する。また、一対のY方向延在部55a,55bのうちの一方のY方向延在部55aは、Y方向に延在する1条の突出部で構成される。また、Y方向延在部55aにおける画像表示パネル50側とは反対側には、スペース69aがY方向延在部55aに沿うように存在する。したがって、Y方向延在部55aは、画像表示パネル50側とは反対側からバックアップされることがないので、剛性が弱くなり、撓みが許容され、ばね性を有する。このため、Y方向延在部55aは、そのばね性により画像表示パネル50をZ方向に対向する他のY方向延在部55b側に押圧することができ、その結果、画像表示パネル50は、Y方向延在部55aから付与される力によってZ方向に関して所定位置に位置決めされる。
また、同様に、図5に示すように、取付部55は、Z方向に間隔をおいて配置されてZ方向に延在する一対のZ方向延在部55c,55dを有する。また、一対のZ方向延在部55c,55dのうちの一方のZ方向延在部55cは、Z方向に延在する1条の突出部で構成される。また、Z方向延在部55cにおける画像表示パネル50側とは反対側には、スペース69bがZ方向延在部55cに沿うように存在する。したがって、Z方向延在部55cは、画像表示パネル50側とは反対側からバックアップされることがないので、剛性が弱くなり、撓みが許容され、ばね性を有する。このため、Z方向延在部55cは、そのばね性により画像表示パネル50をX方向に対向する他のZ方向延在部55d側に押圧することができ、その結果、画像表示パネル50は、Z方向延在部55cから付与される力によってX方向に関して所定位置に位置決めされる。
次に、タッチパネル20の操作と、画像表示パネル50の表示の関係について簡単に説明する。タッチパネル20は、例えば、Y方向に間隔をおいて対向する一対のITO(Indium Tin Oxide)膜(図示せず)と、その一対のITO膜の間における所定位置に配置される複数のドットスペーサ(図示せず)を含む。その構成において、指がタッチパネル20を押圧すると、前側のITO膜の押圧箇所が後側に変形し、その押圧箇所が後側のITO膜に接触して通電する。すると、親機41の制御部が、通電位置に基づいてタッチパネル20における押圧箇所のX座標位置とZ座標位置を特定する。例えば、親機41の記憶部には、実行する制御が押圧されたXZ座標位置に関連づけられた状態で画像毎に記憶されている。画像表示パネル50に表示されている画像情報、押圧されたXZ座標位置の情報、及び記憶部に記憶されている情報に基づいて、親機41は、画像表示パネル50に供給する電力の制御等を実行する。画像表示パネル50の表示部51は、その電力制御によってタッチパネル20の操作に基づく画像を表示するようになっている。
なお、親機41の制御部及び記憶部の夫々は、基板80に実装された1以上の電子部品で構成されている。制御部は、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリや、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、不揮発性メモリは、制御プロラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。
以上、親機(インターホン装置)41は、矩形の開口部22、及びその開口部22の周囲を画定する複数の辺22a~22dのうちの少なくとも2辺に沿うように設けられた凹部23を有する筐体2を備える。また、親機41は、Z方向から見たときに開口部22に重なる表示部51を有して、筐体2の内側に配置された画像表示パネル50と、後面が凹部23の底面に固定されたタッチパネル20を備える。
したがって、タッチパネル20が前側から押圧されることがないので、タッチパネル20の周囲部が後側にへこみ難くて、タッチパネル20に段差が生じ難い。更には、従来構成との比較で、タッチパネルを前側から押圧する部位が存在しないので、その部材の材料コストを削減できる。よって、タッチパネル20がフラットになり易くて、親機41を美観に優れたものにでき、親機41の製造コストも抑制し易い。
なお、図4に示すように、本実施例では、凹部23が、開口部22の周囲を画定する4辺22a~22dに沿うように設けられている。しかし、凹部は、開口部の周囲を画定する複数の辺のうちの少なくとも2辺に沿うように設けられればよく、開口部の周囲を画定する複数の辺のうちの3辺のみに沿うように設けられてもよく、開口部の周囲を画定する複数の辺のうちの2辺のみに沿うように設けられてもよい。
また、親機41は、凹部23におけるY方向の深さが、タッチパネル20の厚み以上でもよい。
タッチパネルが、凹部におけるY方向の深さ以上の厚さを有すると、埃等の異物がタッチパネルにおいて前側にはみ出した側面部に溜まり易く、その溜まった異物がその側面部に沿うよう筐体側に移動して筐体内に侵入し易い。これに対し、本構成によれば、タッチパネル20が筐体2よりも前側にはみ出すことがない。したがって、スタイリッシュな親機41を実現でき、異物も筐体2内に侵入しにくい。なお、本構成は、採用されると好ましいが、採用されなくてもよく、凹部におけるY方向の深さは、タッチパネルの厚み未満でもよい。
また、凹部23は、第1凹部23aと、第1凹部23aよりもY方向の深さが深く、かつ第1凹部23aと開口部22に連通する第2凹部23bとを有してもよい。
上記構成によれば、第1凹部23aの底面と第2凹部23bの底面を連結する段部を凹部23内に形成できる。したがって、タッチパネル20が、第1及び第2凹部23a,23bの夫々に収容される部分を含むようにすることで、タッチパネル20と凹部23との間にラビリンス構造(迷路構造)を形成できる。よって、異物が筐体内に侵入することをラビリンス構造で効果的に抑制できる。また、第1凹部23aにカバー部26を配置できるので、カバー部26の前面の面積を本体部25の前面の面積よりも大きくし易い。したがって、カバー部26の周辺部でタッチパネル20の周辺部に設けられる配線を確実に隠蔽できる。なお、本構成は、採用されると好ましいが、採用されなくてもよく、凹部の深さは、全ての箇所で一定でもよい。
また、タッチパネル20が、本体部25と、本体部25の前面の全てを覆うカバー部26とを有し、Y方向から見たときに、カバー部26の面積が、本体部25の面積より大きくてもよい。
上記構成によれば、タッチパネル20の周辺部に設けられる配線を確実に隠蔽できる。また、本体部25の前面の全てが傷つきにくくなる。なお、本構成は、採用されると好ましいが、採用されなくてもよく、カバー部の前面の面積は、本体部の前面の面積以下でもよい。又は、タッチパネルは、カバー部を有さなくてもよい。
また、凹部23の底面に開口すると共に、筐体2の内部に配置された発光部81からの光を放出させる1以上の孔部28が筐体2に設けられてもよい。また、タッチパネル20は、1以上の孔部28を覆うように設けられてもよい。
上記構成によれば、Y方向から見たとき1以上の孔部28に重なる1以上のアイコン24a~24gを透かし印刷でタッチパネル20に設けることで、各アイコン24a~24gを浮かび上がらせたり、消失させたりすることができる。よって、例えば、タッチパネル操作に基づかない外部からの情報を親機41に簡単安価に表示できる。なお、本構成は、採用されると好ましいが、採用されなくてもよく、筐体は、凹部の底面に開口すると共に発光部からの光を通過させる孔を有さなくてもよい。
また、Y方向から見たときに凹部23に重なるタッチパネル20の領域に、操作領域が設けられてもよい。
本構成において、その操作領域が、画像表示パネル50の表示部51の表示内容に無関係な操作部29を含む場合、画像表示パネル50の表示部51の表示内容に無関係な操作部29を表示部51に表示することを抑制できる。したがって、表示内容に関連するより多くの操作部を画像表示パネル50の表示部51に表示でき、表示部51を有効利用することができる。また、操作領域は、例えば、印刷された操作部を含んでもよく、その操作部が、画像表示パネルの表示部が表示する画像と連動して裏側の発光部が発光することで強調される構成でもよい。本構成によれば、この場合でも、その印刷された操作部を、画像表示パネルの表示部に表示しなくてもよい。よって、この場合においても、画像表示パネルの表示部を有効利用できる。なお、本構成は、採用されると好ましいが、採用されなくてもよく、操作領域は、厚さ方向から見たときに凹部に重なるタッチパネルの領域に設けられなくてもよい。
また、タッチパネル20に電力を供給するための給電部材84を筐体2の内部から引き出すための給電孔27が、凹部23の底面に開口するように筐体2に設けられてもよい。
上記構成によれば、給電部材84を画像表示パネル50の後側からタッチパネル20に円滑に接続できる。したがって、親機41のコンパクト化を実現し易くなる。なお、本構成は、採用されると好ましいが、採用されなくてもよく、タッチパネルに電力を供給する給電部材を通過させる給電孔をインターホン装置の側面に設けてもよい。
また、画像表示パネル50を取り付けるための取付部55が、筐体2においてY方向から見たときに凹部23に重なる箇所に設けられてもよい。
上記構成によれば、画像表示パネル50をXZ平面における所定位置に配置し易くなる。なお、画像表示パネルを取り付けるための取付部は、筐体においてY方向から見たときに凹部に重なる箇所に設けられなくてもよい。
また、タッチパネル20は、接着部材で凹部23に固定されてもよい。
上記構成によれば、タッチパネル20の前面をよりフラットに構成し易くなり、より美観に優れた親機41を実現し易くなる。
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、インターホンシステム1が、集合住宅に設置される場合について説明したが、インターホンシステムは、集合住宅でなくて、一戸建ての住居に設置されてもよく、インターホンシステムが、ロビーインターホン装置を備えなくてもよい。
また、インターホン装置が、住戸に設置される親機41である場合について説明したが、インターホン装置は、住戸に設置されるモニタ付副親機でもよく、又は住戸に設置される通話副親機でもよい。又は、インターホンシステムが、集合住宅に設置される場合、インターホン装置は、管理事務室親機でもよい。
また、インターホンシステム1が、図1に示す概略構成を有し、インターホンシステム1が、エネルギーシステム60等を有する場合について説明した。しかし、インターホンシステムは、図1に示すインターホンシステムから1以上の機器が削除された構成を有してもよく、逆に図1に示すインターホンシステムに1以上の機器が追加された構成を有してもよい。
より具体的には、インターホンシステムは、図1に示すインターホンシステム1から、エネルギーシステム60、防犯システム70、通報システム75、及び火災感知システム94のうちの1以上のシステムが省略された構成を有してもよい。また、図1に示すインターホンシステム1に、宅配ボックスシステムが更に追加された構成を有してもよく、その宅配ボックスシステムは、複数の宅配ボックスを備えてもよい。そして、各住戸に設置された親機が、その住戸に対応する宅配ボックスから荷物の有無を表す信号等を無線又は有線を用いて直接受信可能でもよく、制御装置、及び分岐器を経由して受信可能でもよい。
また、親機41が、その筐体全てが設置建物から露出する露出型の住宅情報盤である場合について説明した。しかし、図8、すなわち、変形例の親機141を、X方向とY方向を含むと共にZ方向上側を通過する平面で切断したときの断面図に示すように、親機141は、その筐体102の一部が設置建物に埋め込まれる埋込型の住宅情報盤でもよい。詳しくは、筐体102における所定位置よりもY方向の後側部分102aのZ方向寸法が、筐体2における所定位置よりもY方向の前側部分102bのZ方向寸法よりも短くてもよい。そして、後側部分102aが、設置建物に埋め込まれる一方、前側部分102bは、設置建物から露出してもよい。
なお、埋込型の親機141においても、露出型の親機41と同様に、筐体102が、矩形の開口部122と、開口部122の周囲を画定する複数の辺122a~122cのうちの少なくとも2辺に沿うように設けられた凹部123を有する。また、親機141は、Z方向から見たときに開口部122に重なる表示部151を有して、筐体2の内側に配置された画像表示パネル150と、後面が凹部123の底面に固定されたタッチパネル120とを備える。また、露出型の親機41を用いて説明した如何なる構成も、埋込型の親機141に適用してもよい。
また、上述の親機41,141のように、インターホン装置が、1つのみの筐体2,102を備え、表示、通話のために必要な機能が、1つのみの筐体2,102内に全て配置される場合について説明した。しかし、インターホン装置は、タッチパネル及び画像表示パネルが取り付けられる第1筐体と、第1筐体とは別の第2筐体を含んでもよい。そして、インターホン装置に必要な複数の機能を、2つに分配して、一方の複数の機能を、第1筐体内に収容する一方、他方の複数の機能を、第2筐体内に収容するようにしてもよい。なお、上記一方の複数の機能を、インタフェースを中心とした機能とし、上記他方の複数の機能を、他の情報端末との通信機能、センサとの通信機能、及び画面の制御機能等を中心とする機能とすると、第1筐体の薄型化や小型化を実現し易くて好ましいが、インターホン装置に必要な複数の機能の分配は、その分配に限らない。また、インターホン装置は、互いに別体に構成される3以上の筐体を有してもよい。しかし、この場合でも、インターホン装置が、タッチパネル及び画像表示パネルが取り付けられる少なくとも1つの筐体を有することは言うまでもない。