JP2023051542A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よく、外観に優れた偏光板を製造すること。【解決手段】本発明の実施形態による偏光板の製造方法は、互いに対向する第一主面および第二主面を有し、前記第一主面の表面粗さRaが0.5μm以下である保護フィルムの前記第一主面を表面改質すること、基材と表面処理層とを有する積層フィルムの前記表面処理層に、前記保護フィルムの前記表面改質面を貼り合わせて積層体を得ること、および、前記積層体の前記基材側に偏光子を積層すること、を含む。【選択図】図1A

Description

本発明は、偏光板の製造方法に関する。
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置に搭載される画像表示パネルには、一般的に、偏光板が用いられている。代表的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている(例えば、特許文献1)。
上記偏光板は、代表的には、偏光機能を有する偏光子と、これを保護する部材とを積層することにより得られるが、この積層を良好に行って偏光板の製造効率を向上させることが望まれている。また、外観に優れた偏光板を製造することが望まれている。
特許第3325560号公報
上記に鑑み、本発明の主たる目的は、効率よく、外観に優れた偏光板を製造することにある。
本発明の実施形態によれば、偏光板の製造方法が提供される。この製造方法は、互いに対向する第一主面および第二主面を有し、前記第一主面の表面粗さRaが0.5μm以下である保護フィルムの前記第一主面を表面改質すること、基材と表面処理層とを有する積層フィルムの前記表面処理層に、前記保護フィルムの前記表面改質面を貼り合わせて積層体を得ること、および、前記積層体の前記基材側に偏光子を積層すること、を含む。
1つの実施形態においては、上記表面改質は、コロナ処理またはプラズマ処理の少なくとも一つにより行われる。
1つの実施形態においては、上記表面改質により、上記第一主面の表面粗さRaを0.1μm~0.4μm減少させる。
1つの実施形態においては、上記表面改質後の上記第一主面の表面粗さRaは0.15μm以下である。
1つの実施形態においては、上記表面改質はコロナ処理により行われ、前記コロナ処理の処理強度は10W・min/m以上、50W・min/m以下である。
1つの実施形態においては、上記積層体と上記偏光子とを重ね合わせた後、上記積層体と上記偏光子とを一対の加圧部材により挟んで加圧する。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムはポリオレフィンフィルムである。
1つの実施形態においては、上記表面処理層はフッ素またはケイ素の少なくとも一つを含む。
1つの実施形態においては、上記積層フィルムの上記表面処理層側の反射率は3%以下である。
本発明の実施形態によれば、効率よく、外観に優れた偏光板を製造することができる。
本発明の1つの実施形態に係る偏光板の製造工程1を示す図である。 上記工程1に続く工程2を示す図である。 上記工程2に続く工程3を示す図である。 実施例1の偏光板の観察写真である。 比較例2の偏光板の観察写真である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
本発明の1つの実施形態に係る偏光板の製造方法は、互いに対向する第一主面および第二主面を有する保護フィルムの第一主面を表面改質すること(表面改質工程、工程1)と、基材と表面処理層とを有する積層フィルムの表面処理層に保護フィルムの表面改質面を貼り合わせて積層体を得ること(貼着工程、工程2)と、積層体の基材側に偏光子を積層すること(積層工程、工程3)と、を含む。
図1Aから図1Cは、本発明の1つの実施形態に係る偏光板の製造方法の工程を示す図である。
図1Aに示す工程1では、互いに対向する第一主面10aおよび第二主面10bを有する保護フィルム10の第一主面10aに対し表面改質を行っている。保護フィルム10は、代表的には、長尺状とされ、ロール状に巻回可能である。ここで、「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状をいい、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状をいう。
工程2では、第一主面10aが表面改質された保護フィルム10を、基材21と表面処理層22とを有する積層フィルム20の表面処理層22に貼り合わせ、図1Bは積層体90が完成した状態を示している。図示するように、保護フィルム10の第一主面10aを表面処理層22に貼り合わせている。保護フィルム10と積層フィルム20との積層は、例えば、これらをロール搬送しながら(いわゆるロールトゥロールにより)行われる。表面改質された保護フィルムを用いることにより、積層フィルムとの密着性に優れた積層体を得ることができる。密着性に優れた積層体は、後の工程において、積層フィルムからの保護フィルムの剥がれが抑制され、製造効率の向上に寄与し得る。
代表的には、上記表面改質により、上記第一主面の表面エネルギーを上昇させる。表面改質は、例えば、コロナ処理、プラズマ処理により行われる。これらは、単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、コロナ処理が採用される。コロナ処理は、例えば、誘電体と絶縁された電極との間に高周波で高電圧をかけてコロナを発生させ、誘電体と電極との間に保護フィルムを配置させることにより行う。電極と保護フィルムとの距離は、例えば1.5mm~2.5mmである。1つの実施形態においては、保護フィルムを搬送させながらコロナ処理を施す。具体的には、長尺状の保護フィルムの長尺方向に搬送させながらコロナ処理を施す。保護フィルムの搬送速度は、例えば10m/min~20m/minである。電極幅(処理幅)は、例えば1.3m~1.5mである。コロナ出力は、例えば0.5kW~1.0kWである。下記式から求められる処理強度は、例えば10W・min/m以上であり、好ましくは15W・min/m以上であり、より好ましくは20W・min/m以上である。このような処理強度によれば、積層フィルムに対して優れた密着性を得ることができる。一方、下記式から求められる処理強度は、例えば50W・min/m以下であり、好ましくは45W・min/m以下であり、より好ましくは40W・min/m以下である。このような処理強度によれば、コロナ処理により保護フィルムにうねりが生じるなどの不具合が抑制され得る。
処理強度=コロナ出力/保護フィルムの搬送速度×電極幅
上記保護フィルムとしては、好ましくは、ポリオレフィンフィルムが用いられる。具体的には、保護フィルムは、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの混合物から構成される。ここで、ポリエチレンには、エチレンのホモポリマーおよびエチレンと他のオレフィンとの共重合体が含まれる。ポリプロピレンには、プロピレンのホモポリマーおよびプロピレンと他のオレフィンとの共重合体が含まれる。
上記ポリエチレンの具体例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L-LDPE)が挙げられる。
上記他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセンが挙げられる。これらの中でも、エチレン、プロピレン、ブテンが好ましく用いられる。エチレンまたはプロピレンと他のオレフィンとの共重合体の作製において、他のオレフィンの配合割合は、エチレンまたはプロピレンと他のオレフィンとの合計100重量部に対し、40重量部以下であることが好ましく、より好ましくは30重量部以下であり、さらに好ましくは20重量部以下である。
1つの実施形態においては、上記ポリオレフィンフィルムは、ポリエチレンを含むことが好ましい。具体的には、ポリオレフィンフィルムは、好ましくは、ポリエチレンフィルムまたはポリエチレンとポリプロピレンとの混合物フィルムである。ポリオレフィンフィルムがポリエチレンとポリプロピレンとの混合物を含む場合、ポリエチレンの含有割合は、ポリエチレンとポリプロピレンの合計100重量部に対し、60重量部以上97重量部以下であることが好ましく、より好ましくは70重量部以上であり、さらに好ましくは80重量部以上である。
保護フィルム(ポリオレフィンフィルム)は、粒子、顔料、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、塩素捕獲剤等の他の成分を含み得る。
保護フィルム(ポリオレフィンフィルム)は、組成が均一な単一層であってもよいし、組成の異なる二層以上の積層構造を有していてもよい。積層構造の具体例としては、組成の異なる第一層と第二層との二層構造、第一層と第二層と第三層との三層構造が挙げられる。なお、第一層と第三層とは、組成が実質的に同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、保護フィルム(ポリオレフィンフィルム)は、無延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよいが、無延伸フィルムであることが好ましい。
保護フィルムの厚みは、例えば20μm~150μmであり、好ましくは30μm~100μmであり、より好ましくは40μm~80μmである。
表面改質前の保護フィルムの第一主面の表面粗さRaは、0.5μm以下であり、好ましくは0.4μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下である。このような保護フィルムを用いることにより、外観に優れた偏光板を得ることができる。一方、表面改質前の保護フィルムの第一主面の表面粗さRaは、例えば0.2μm以上である。
表面改質により、保護フィルムの第一主面の表面粗さRaを0.1μm~0.4μm減少させることが好ましく、より好ましくは0.15μm~0.25μm減少させる。
表面改質後の保護フィルムの第一主面の表面粗さRaは、好ましくは0.15μm以下であり、より好ましくは0.1μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以下である。一方、面改質処理後の保護フィルムの第一主面の表面粗さRaは、例えば0.01μm以上である。
図示しないが、後述の工程3の前に、積層体90は水を用いた処理に供されてもよい。具体的には、積層体90は、水を含む処理浴に浸漬されてもよい。1つの実施形態においては、水を用いた処理により、積層体90の基材21は化学的な処理(例えば、ケン化処理)が施される。表面改質された保護フィルムを用いることにより、水を用いた処理に供された場合においても、積層体において剥がれが発生するのを抑制することができる。なお、水を用いた処理の後、積層体90は乾燥処理に供されてもよい。
工程3では、積層体90と偏光子30とを積層し、図1Cは偏光板100が完成した状態を示している。積層体90(積層フィルム20)の基材21は、偏光子の保護層として機能し得る。図示例では、積層体90との積層に際し、偏光子30の片側には保護層40が積層されている。保護層40は、位相差層(例えば、λ/4板)として機能してもよい。積層体90と偏光子30(偏光子30と保護層40との積層物)との積層は、例えば、これらをロール搬送しながら(いわゆるロールトゥロールにより)行われる。
好ましくは、積層体90と偏光子30との積層を確実にする観点から、積層体90と偏光子30とを重ね合わせた後(図示例では、積層体90と偏光子30と保護層40とを重ね合わせた後)、これらを一対の加圧部材により挟んで(図3中の矢印の方向に)加圧することが好ましい。加圧条件としては、例えば0.2MPa~0.4MPaである。加圧部材の材質としては、例えば、ゴムや金属が用いられる。上記所定の表面粗さRaを満足する保護フィルムを用いることにより、外観に優れた偏光板を得ることができる。具体的には、表面粗さRaの値が大きい(例えば、0.5μmを超える)保護フィルムを用いると、積層体90と偏光子30との積層時に、保護フィルム表面の凹凸形状に起因して、得られる偏光板にムラが発生するおそれがある。
図示しないが、偏光板100は、他の部材を含んでいてもよい。例えば、偏光子30の積層フィルム20が配置されない側に配置される位相差層(例えば、λ/4板)を含んでいてもよい。具体的には、積層体90と偏光子30(偏光子30と保護層40との積層物)との積層後に、さらに、位相差層を積層してもよい。
上記各部材は、任意の適切な接着層を介して積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。例えば、偏光子と保護層とは、接着剤層を介して貼り合わせられる。具体的には、偏光子と保護層とは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて貼り合わせられる。活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化後の厚み(接着剤層の厚み)は、例えば0.2μm~3.0μmであり、好ましくは0.4μm~2.0μmであり、より好ましくは0.6μm~1.5μmである。
保護フィルム10は、積層フィルム20に対して剥離可能に貼り合わせられている。保護フィルム10は、本発明の実施形態により得られる偏光板が使用に供されるまで(例えば、画像表示パネルに積層されるまで)に、もしくは、最終製品(画像表示装置)の製造過程において剥離されてもよいし、最終製品にそのまま搭載されてもよい。
[偏光子]
上記偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素)を含む樹脂フィルムである。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが挙げられる。
偏光子の厚みは、好ましくは18μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは1μm以上である。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば41.5%~46.0%であり、好ましくは42.0%~46.0%であり、より好ましくは44.5%~46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
偏光子は、任意の適切な方法で作製し得る。具体的には、偏光子は、単層の樹脂フィルムから作製してもよく、二層以上の積層体を用いて作製してもよい。
上記単層の樹脂フィルムから偏光子を作製する方法は、代表的には、樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理と延伸処理とを施すことを含む。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが用いられる。当該方法は、不溶化処理、膨潤処理、架橋処理等をさらに含んでいてもよい。このような製造方法は、当業界で周知慣用であるので、詳細な説明は省略する。
上記積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、樹脂基材と樹脂フィルムまたは樹脂層(代表的には、PVA系樹脂層)との積層体を用いて作製され得る。具体的には、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とPVA系樹脂とを含むPVA系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成し得る。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成し得る。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、PVA分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得、高い光学特性を達成し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、高い光学特性を達成し得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離した剥離面に、もしくは、剥離面とは反対側の面に保護層を積層して偏光板が得られ得る。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
[保護層]
上記保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成され得る。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の樹脂が挙げられる。
保護層の厚みは、好ましくは5μm~80μmであり、より好ましくは10μm~40μmであり、さらに好ましくは15μm~35μmである。
偏光子30の積層フィルム20が配置されない側に配置される保護層40は、1つの実施形態においては、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。
[積層フィルム]
上記積層フィルムは、基材と基材上に形成された表面処理層とを有する。基材は、偏光子の保護層として機能し得、その詳細は上述のとおりである。本発明の実施形態により得られる偏光板は、代表的には、画像表示装置の視認側に配置され、積層フィルムは、視認側に配置される。1つの実施形態においては、積層フィルムの表面処理層は、画像表示装置の最表面に位置する。したがって、基材(視認側の保護層)には、ハードコート(HC)処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、防眩(アンチグレア)処理、防汚処理等の表面処理層が形成されていることが好ましい。
1つの実施形態においては、表面処理層は、防眩機能および反射防止機能を有する。具体的には、表面処理層は、防眩層および反射防止層を基材側からこの順で有する。防眩層は、代表的には、樹脂およびフィラーを含む。具体的には、樹脂中にフィラーを含有させて、得られる層(防眩層)の表面に微細な凹凸形状を生じさせることで防眩性が得られる。防眩層を設けることにより、例えば、画像表示装置表面において、蛍光灯や太陽光等の外光を散乱させ、像の映り込みを抑え、コントラストの低下を防止することができる。反射防止層は、防眩層表面の反射を低減させ得る。積層フィルムの表面処理層側の反射率は、3%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。
上記反射防止層は、例えば、上記防眩層上に反射防止層形成用塗工液を塗工して得られる塗膜を乾燥、硬化させることにより得ることができる。反射防止層形成用塗工液は、例えば、樹脂成分(硬化性化合物)、フッ素含有添加剤、中空粒子、中実粒子および溶媒等を含んでいてもよく、例えば、これらを混合して得ることができる。
反射防止層形成用塗工液に含まれる樹脂成分(硬化性化合物)の硬化メカニズムとしては、例えば、熱硬化型、光硬化型が挙げられる。樹脂成分としては、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化性化合物が用いられ、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記樹脂成分には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。反応性希釈剤は、例えば、特開2008-88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。反応性希釈剤としては、優れた硬度を得る観点から、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましく用いられる。反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等も挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。上記樹脂成分の硬化のために、例えば、硬化剤を用いてもよい。硬化剤としては、例えば、公知の重合開始剤(例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤等)を用いることができる。
上記フッ素含有添加剤は、例えば、フッ素を含む有機化合物であってもよく、フッ素を含む無機化合物であってもよい。フッ素を含む有機化合物としては、例えば、フッ素含有防汚コーティング剤、フッ素含有アクリル化合物、フッ素・ケイ素含有アクリル化合物が挙げられる。フッ素を含む有機化合物としては市販品を用いることができる。市販品の具体例としては、信越化学工業株式会社製の商品名「KY-1203」、DIC株式会社製の商品名「メガファック」等が挙げられる。フッ素含有添加剤の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対し、例えば、0.05重量部以上、0.1重量部以上、0.15重量部以上、0.20重量部以上、または0.25重量部以上であってもよく、20重量部以下、15重量部以下、10重量部以下、5重量部以下、または3重量部以下であってもよい。
上記中空粒子としては、例えば、シリカ粒子、アクリル粒子、アクリル-スチレン共重合粒子が用いられる。中空シリカ粒子は、市販品(例えば、日揮触媒化成工業株式会社製の商品名「スルーリア5320」、「スルーリア4320」)を用いることができる。中空粒子の重量平均粒子径は、例えば、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上、または70nm以上であってもよく、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、または110nm以下であってもよい。中空粒子の形状は、特に制限されないが、好ましくは略球形である。具体的には、中空粒子のアスペクト比は、好ましくは1.5以下である。中空粒子の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対し、例えば、30重量部以上、50重量部以上、70重量部以上、90重量部以上、または100重量部以上であってもよく、300重量部以下、270重量部以下、250重量部以下、200重量部以下、または180重量部以下であってもよい。
上記中実粒子としては、例えば、シリカ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子が用いられる。中実シリカ粒子は、市販品(例えば、日産化学工業株式会社製の商品名「MEK-2140Z-AC」、「MIBK-ST」、「IPA-ST」)を用いることができる。中実粒子の重量平均粒子径は、例えば、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、または25nm以上であってもよく、330nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、または100nm以下であってもよい。中空粒子の形状は、特に制限されないが、好ましくは略球形である。具体的には、中空粒子のアスペクト比は、好ましくは1.5以下である。中実粒子の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対し、例えば、5重量部以上、10重量部以上、15重量部以上、20重量部以上、または25重量部以上であってもよく、150重量部以下、120重量部以下、100重量部以下、または80重量部以下であってもよい。
上記溶媒としては、任意の適切な溶媒を用い得る。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、TBA(ターシャリーブチルアルコール)、2-メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の含有量は、例えば、上記反射防止層形成用塗工液全体の重量に対する固形分の重量が、例えば、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、または1.5重量%以上となるようにしてもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下となるようにしてもよい。
上記反射防止層形成用塗工液の塗工方法としては、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の公知の塗工方法を用いることができる。上記塗膜の乾燥温度は、例えば30℃~200℃であり、乾燥時間は、例えば30秒~90秒である。上記塗膜の硬化は、例えば、加熱、光照射(代表的には、紫外線照射)により行うことができる。光照射の光源としては、例えば、高圧水銀ランプが用いられる。紫外線照射の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50mJ/cm~500mJ/cmであることが好ましい。
好ましくは、上記表面処理層は、防汚性を有し得る。具体的には、表面処理層は、フッ素またはケイ素の少なくとも一つを含み得る。一方で、このような表面処理層は、上記保護フィルムとの密着性を低下させ得る。本発明の実施形態によれば、このような表面処理層(積層フィルム)に対しても、所定の保護フィルムを表面改質することにより密着性に優れた積層体を得ることができ、しかも、外観に優れた偏光板を提供することができる。
表面処理層の厚みは、例えば1μm~20μmであり、好ましくは2μm~15μmであり、より好ましくは3μm~10μmである。
表面処理層(積層フィルム)の表面の接触角は、例えば90°以上125°以下である。また、積層フィルム(表面処理層)の表面粗さRaは、例えば0.01μm以上0.3μm以下である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、厚み、表面粗さRaおよび反射率は下記の測定方法により測定した値である。また、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
<厚み>
10μm以下の厚みは、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、製品名「JSM-7100F」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
<表面粗さRa>
JIS B 0601(1994年度版)に従って、算術平均表面粗さRa(μm)を測定した。具体的には、ガラス板(MATSUNAMI社製、MICRO SLIDE GLASS、品番S、厚み1.3mm、45mm×50mm)に測定対象を粘着剤で貼り合わせ、測定用試料を作製した。次に、先端部(ダイヤモンド)の曲率半径Rが2μmの測定針を有する触針式表面粗さ測定器(株式会社小阪研究所製、高精度微細形状測定器、商品名「サーフコーダET4000」)を用い、走査速度1mm/秒、カットオフ値0.8mm、測定長12mmの条件で、得られた測定用試料の最表面の凹凸形状を一定方向に測定した。この測定に基づき、算術平均表面粗さRaを算出した。なお、上記高精度微細形状測定器は、測定値を自動的に算出する。
<反射率>
紫外可視赤外分光光度計(日立ハイテクサイエンス、製品名「U-4100」)を用いて測定した。積層フィルムの表面処理層側の反射率の測定にあたり、積層フィルムを黒色のアクリル板に粘着剤で貼り合わせ、測定用試料とした。
<接触角>
積層フィルムの表面処理層側の水接触角を測定した。具体的には、23℃、50%RHの環境下において、接触角計(協和界面科学社製、商品名「DMo-501型」、コントロールボックス「DMC-2」、制御・解析ソフト「FAMAS(バージョン5.0.30)」)を用いて液滴法により測定した。蒸留水の滴下量は2μLとし、滴下5秒後の画像からθ/2法により接触角を算出した。
[実施例1]
(偏光子の作製)
厚み30μmのポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルム(クラレ製、製品名「PE3000」)の長尺ロールを、ロール延伸機により長手方向に5.9倍になるように長手方向に一軸延伸しながら同時に膨潤、染色、架橋、洗浄処理をこの順で施した後、最後に乾燥処理を施すことにより、厚み12μmの偏光子を作製した。
上記膨潤処理は20℃の純水で処理しながら2.2倍に延伸した。次いで、染色処理は得られる偏光子の単体透過率が45.0%になるようにヨウ素濃度が調整されたヨウ素とヨウ化カリウムの重量比が1:7である30℃の水溶液中において処理しながら1.4倍に延伸した。次いで、架橋処理は、2段階の架橋処理を採用し、1段階目の架橋処理は40℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.2倍に延伸した。1段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は5.0重量%で、ヨウ化カリウム含有量は3.0重量%とした。2段階目の架橋処理は65℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.6倍に延伸した。2段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は4.3重量%で、ヨウ化カリウム含有量は5.0重量%とした。次いで、洗浄処理は、20℃のヨウ化カリウム水溶液で処理した。洗浄処理の水溶液のヨウ化カリウム含有量は2.6重量%とした。最後に、70℃で5分間乾燥処理して偏光子を得た。
(積層物Aの作製)
得られた偏光子の片側に、紫外線硬化型接着剤を介して、厚み25μmのTACフィルムを貼り合わせ、積層物Aを得た。
(積層体Bの作製)
ポリエチレン系保護フィルム(東レフィルム加工株式会社製、「トレテック(登録商標)7832C」、厚み:50μm、貼着面のRa:0.23μm)の貼着面にコロナ処理強度24W・min/mの条件でコロナ処理を施した後、この貼着面を表面処理層が形成されたTACフィルム(厚み32μm)の表面処理層側に貼り合わせ、積層体Bを得た。なお、表面処理層が形成されたTACフィルムは、TACフィルム(厚み25μm)に表面処理層(厚み:7μm、反射率:1.4%、Ra:0.06μm、接触角:100°)が形成されたフィルムであり、表面処理層は下記に示す手順により形成した。また、コロナ処理後の保護フィルムの貼着面のRaは0.03μmであった。
(表面処理層の形成)
1.防眩層の形成
紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業(株)製、商品名「UV1700TL」、固形分80%)50重量部、および、ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#300」、固形分100%)50重量部の混合物を準備した。混合物の樹脂固形分100重量部に対し、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクポリマー」、重量平均粒径:3μm、屈折率:1.525)を4重量部、有機粘土(チキソトロピー付与剤)である合成スメクタイト(コープケミカル(株)製、商品名「ルーセンタイトSAN」)を1.5重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE303」、固形分40%)を0.15重量部混合した。ここで、有機粘土は、トルエンで固形分が6%になるよう希釈して用いた。
得られた混合物を、固形分濃度が40重量%となるように、トルエン/酢酸エチル/シクロペンタノン(CPN)混合溶媒(重量比35/41/24)で希釈して、防眩層形成材料(塗工液)を調製した。
得られた防眩層形成用材料(塗工液)を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社、商品名「TJ25UL」)上に塗工した。その後、高圧水銀ランプにより、波長365nmの紫外線を、積算光量300mJ/cmとなるように塗工膜に照射し、さらに、80℃で60秒間加熱して乾燥させ、厚み7μmの防眩層を形成した。
2.反射防止層の形成
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)100重量部、中実ナノシリカ粒子(日産化学工業株式会社製、商品名「MEK-2140Z-AC」、固形分30重量%、重量平均粒子径10nm)、フッ素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」、固形分20重量%)12重量部、および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、溶媒としてTBA、MIBKおよびPMAを60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
得られた反射防止層形成用塗工液を、上記防眩層上に、ワイヤーバーで塗工した。塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を施し、厚み0.1μmの反射防止層を形成した。
こうして、表面処理層を形成した。
(偏光板の作製)
積層物Aの偏光子と積層体BのTACフィルムとが対向するように、積層物Aと積層体Bとを紫外線硬化型接着剤を介して貼り合わせて、偏光板を得た。積層物Aと積層体Bとの貼り合わせに際し、一対の加圧部材により積層物Aおよび積層体Bを挟んで0.3MPaの条件で加圧した。
なお、上記それぞれの貼り合わせは、ロール搬送しながら行った。
[実施例2]
保護フィルムのコロナ処理強度を36W・min/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
[実施例3]
保護フィルムのコロナ処理強度を48W・min/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
[比較例1]
保護フィルムにコロナ処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
[比較例2]
保護フィルムとしてポリエチレン系保護フィルム(東レフィルム加工株式会社製、「トレテック(登録商標)R304C」、厚み:30μm、貼着面のRa:0.72μm)を用いたこと、および、保護フィルムにコロナ処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
実施例および比較例について、下記の評価を行った。評価結果を表1にまとめる。
<評価>
1.密着力
得られた積層体Bから幅50mm、長さ100mmのサイズに切り出したサンプルを、万能引張試験機にて剥離速度300mm/分、剥離角度180°で長さ方向に剥離したときの剥離力(N/50mm)を測定した。具体的には、表面処理層に対する保護フィルムの剥離力を測定した。なお、測定は23℃、50%RHの環境下で行った。
2.外観
得られた偏光板の外観を目視で観察し、ムラの発生の有無を確認することにより評価した。具体的には、各実施例および比較例において偏光板を二枚用意し、これらを60℃、90%RH環境下にて120時間静置した後、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するように重ね合わせ、この状態をバックライト上で観察した。
3.搬送性
偏光板が得られるまでのフィルムの搬送性を評価した。
Figure 2023051542000002
実施例においては、優れた密着力が得られた。なお、実施例3においては、コロナ処理により保護フィルムにうねりが生じてロール搬送不良が起こり、表面処理層が形成されたTACフィルムとの積層を良好に行うことができず、密着力の評価ができなかった。
図2Aに示すように実施例ではムラは確認されず優れた外観が得られるが、比較例2では図2Bに示すようにムラ(斑点)が確認される。
本発明の実施形態により得られる偏光板は、画像表示装置の偏光板として好適に用いられ得る。画像表示装置としては、代表的には、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置が挙げられる。
10 保護フィルム
20 積層フィルム
21 基材(保護層)
22 表面処理層
30 偏光子
40 保護層
100 偏光板

Claims (9)

  1. 互いに対向する第一主面および第二主面を有し、前記第一主面の表面粗さRaが0.5μm以下である保護フィルムの前記第一主面を表面改質すること、
    基材と表面処理層とを有する積層フィルムの前記表面処理層に、前記保護フィルムの前記表面改質面を貼り合わせて積層体を得ること、および、
    前記積層体の前記基材側に偏光子を積層すること、を含む、
    偏光板の製造方法。
  2. 前記表面改質は、コロナ処理またはプラズマ処理の少なくとも一つにより行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記表面改質により、前記第一主面の表面粗さRaを0.1μm~0.4μm減少させる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記表面改質後の前記第一主面の表面粗さRaは0.15μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記表面改質はコロナ処理により行われ、前記コロナ処理の処理強度は10W・min/m以上、50W・min/m以下である、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記積層体と前記偏光子とを重ね合わせた後、前記積層体と前記偏光子とを一対の加圧部材により挟んで加圧する、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記保護フィルムはポリオレフィンフィルムである、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記表面処理層はフッ素またはケイ素の少なくとも一つを含む、請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記積層フィルムの前記表面処理層側の反射率は3%以下である、請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
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