JP2023051543A - 偏光板および画像表示装置 - Google Patents

偏光板および画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023051543A
JP2023051543A JP2021162316A JP2021162316A JP2023051543A JP 2023051543 A JP2023051543 A JP 2023051543A JP 2021162316 A JP2021162316 A JP 2021162316A JP 2021162316 A JP2021162316 A JP 2021162316A JP 2023051543 A JP2023051543 A JP 2023051543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
weight
polarizing plate
parts
polarizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021162316A
Other languages
English (en)
Inventor
浩明 澤田
Hiroaki Sawada
政俊 朝永
Masatoshi Tomonaga
周作 後藤
Shusaku Goto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2021162316A priority Critical patent/JP2023051543A/ja
Priority to TW111131146A priority patent/TW202319787A/zh
Priority to KR1020220104596A priority patent/KR20230046955A/ko
Priority to CN202211128288.1A priority patent/CN115877495A/zh
Publication of JP2023051543A publication Critical patent/JP2023051543A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
    • G02B5/3041Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid comprising multiple thin layers, e.g. multilayer stacks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3083Birefringent or phase retarding elements
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/868Arrangements for polarized light emission

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

【課題】画像表示装置の表示特性の向上に寄与し得る偏光板を提供すること。【解決手段】本発明の実施形態による偏光板は、基材と表面処理層とを有する積層フィルムと、前記積層フィルムの前記基材側に配置される偏光子と、を有し、前記表面処理層側の反射率は2%以下で、前記表面処理層側のヘイズは1%以上13%以下であり、透過率は45.5%以上であり、有機ELパネルに用いられる。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板および画像表示装置に関する。
画像表示装置に搭載される画像表示パネルには、一般的に、偏光板が用いられている。代表的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている(例えば、特許文献1)。近年、画像表示装置として、エレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置)が急速に普及しており(代表的には、スマートフォン、テレビ)、その用途はさらに広がりを見せている。例えば、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット端末への適用が検討されている。そして、用途の広がりに伴い、あらゆる状況において優れた表示特性が要求される。
特許第3325560号公報
上記に鑑み、本発明の主たる目的は、画像表示装置の表示特性の向上に寄与し得る偏光板を提供することにある。
本発明の実施形態によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、基材と表面処理層とを有する積層フィルムと、前記積層フィルムの前記基材側に配置される偏光子と、を有し、前記表面処理層側の反射率は2%以下で、前記表面処理層側のヘイズは1%以上13%以下であり、透過率は45.5%以上であり、有機ELパネルに用いられる。
1つの実施形態においては、上記表面処理層は、樹脂成分および中空粒子を含む第一の層を含み、前記第一の層は、前記樹脂成分100重量部に対し、前記中空粒子を11重量部以上含む。
1つの実施形態においては、上記表面処理層は、樹脂成分および中空粒子を含む第一の層を含み、前記第一の層は、前記樹脂成分100重量部に対し、前記中空粒子を40重量部以下含む。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、位相差層をさらに有し、前記位相差層の面内位相差Re(550)は100nm~190nmである。
本発明の別の実施形態によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、画像表示パネル本体と、前記画像表示パネル本体の視認側に配置される上記偏光板と、を有する。
1つの実施形態においては、上記偏光板は上記視認側の最表面に位置する。
本発明の実施形態によれば、優れた表示特性を達成することができる。
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の1つの実施形態による有機EL表示装置において、有機ELパネルに偏光板が配置された状態の概略を示す模式的な断面図である。 画面焼付きの評価方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図である。偏光板(代表的には、円偏光板)100は、偏光子10と、偏光子10の片側に配置された積層フィルム20と、偏光子10のもう片側に配置された保護層30と位相差層(代表的には、λ/4板)40と粘着剤層50とを有する。積層フィルム20は、基材21と基材21上に形成された表面処理層22とを含み、基材21は、偏光子10の保護層として機能し得る。保護層30は省略されてもよく、この場合、位相差層40は偏光子の保護層として機能し得る。
偏光板を構成する各部材は、任意の適切な接着層(図示せず)を介して、例えば、ロール搬送しながら積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。例えば、積層フィルム20および保護層30は、接着剤層を介して(好ましくは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて)偏光子10に貼り合わせられる。接着剤層の厚みは、好ましくは0.4μm以上であり、より好ましくは0.4μm~3.0μmであり、さらに好ましくは0.6μm~2.0μmである。例えば、位相差層40は、粘着剤層を介して保護層30に貼り合わせられる。保護層30と位相差層40との間に配置される粘着剤層の厚みは、例えば5μm~15μmである。
偏光板100において、偏光子10の積層フィルム20が配置されない側には、粘着剤層50が設けられている。粘着剤層50により、例えば、偏光板100は画像表示装置に含まれる画像表示パネルに貼り付け可能とされる。粘着剤層50の厚みは、例えば10μm~20μmである。実用的には、粘着剤層50の表面には、はく離ライナーが貼り合わせられる。はく離ライナーは、偏光板が使用に供されるまで仮着され得る。はく離ライナーを用いることにより、例えば、粘着剤層50を保護するとともに、偏光板のロール形成が可能となる。
偏光板は、長尺状であってもよいし、枚葉状であってもよい。ここで、「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状をいい、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状をいう。長尺状の偏光板は、ロール状に巻回可能である。
図2は、本発明の1つの実施形態による画像表示装置の概略の構成を、有機EL表示装置を例にして示す模式図である。具体的には、本発明の1つの実施形態による有機EL表示装置において、有機ELパネルに偏光板が配置された状態の概略を示す模式的な断面図である。有機ELパネル200において偏光板100は、視認側に配置され、偏光子10は積層フィルム20よりも有機ELパネル本体70側となるように配置される。具体的には、有機ELパネル本体70に偏光板100は粘着剤層50によって貼り付けられている。有機ELパネル本体70は、基板71と、薄膜トランジスタ(TFT)等を含む回路層、有機発光ダイオード(OLED)、OLEDを封止する封止膜等を含む上部構造層72と、を有する。1つの実施形態においては、積層フィルム20の表面処理層22は、画像表示装置の最表面に位置する。具体的には、画像表示装置において、偏光板100(表面処理層22)上には、ガラス板等の保護材は配置されない。
偏光板の透過率は、好ましくは45.0%を超え、より好ましくは45.5%以上であり、さらに好ましくは46.0%以上である。このような偏光板によれば、画像表示パネルの発光強度を抑えることができ、画像表示装置の長時間の使用にも対応させ得る。具体的には、長時間の画像表示による画面の焼付きの問題を防止し得る。ここで、偏光板の透過率は、位相差層を除く積層部分の透過率をいう。具体的には、積層フィルムと偏光子との積層部分、もしくは、積層フィルムと偏光子と保護層との積層部分の透過率をいう。
[偏光子]
上記偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素)を含む樹脂フィルムである。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが挙げられる。
偏光子の厚みは、好ましくは18μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは1μm以上である。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば41.5%~47.0%であり、好ましくは42.0%~47.0%であり、より好ましくは44.5%~47.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。ここで、偏光子の単体透過率は、積層フィルムと偏光子との積層体、もしくは、積層フィルムと偏光子と保護層との積層体を測定対象として測定した値である。
偏光子は、任意の適切な方法で作製し得る。具体的には、偏光子は、単層の樹脂フィルムから作製してもよく、二層以上の積層体を用いて作製してもよい。
上記単層の樹脂フィルムから偏光子を作製する方法は、代表的には、樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理と延伸処理とを施すことを含む。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが用いられる。当該方法は、不溶化処理、膨潤処理、架橋処理等をさらに含んでいてもよい。このような製造方法は、当業界で周知慣用であるので、詳細な説明は省略する。
上記積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、樹脂基材と樹脂フィルムまたは樹脂層(代表的には、PVA系樹脂層)との積層体を用いて作製され得る。具体的には、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とPVA系樹脂とを含むPVA系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成し得る。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成し得る。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、PVA分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得、高い光学特性を達成し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、高い光学特性を達成し得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離した剥離面に、もしくは、剥離面とは反対側の面に保護層を積層して偏光板が得られ得る。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
[保護層]
上記保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成され得る。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の樹脂が挙げられる。
保護層の厚みは、好ましくは5μm~80μmであり、より好ましくは10μm~40μmであり、さらに好ましくは15μm~35μmである。
偏光子30の積層フィルム20が配置されない側に配置される保護層30は、1つの実施形態においては、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。
[積層フィルム]
上記積層フィルムは、基材と基材上に形成された表面処理層とを有する。基材は、偏光子の保護層として機能し得、その詳細は上述のとおりである。本発明の実施形態による偏光板は、代表的には、画像表示装置の視認側に配置され、積層フィルムは、視認側に配置される。1つの実施形態においては、積層フィルムの表面処理層は、画像表示装置の最表面に位置する。したがって、基材(視認側の保護層)には、表面処理層が形成されていることが好ましい。表面処理としては、例えば、ハードコート(HC)処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、防眩(アンチグレア)処理、防汚処理が挙げられる。
積層フィルムの表面処理層側のヘイズは、好ましくは1%以上であり、より好ましくは1.5%以上であり、さらに好ましくは2%以上である。このような積層フィルムによれば、モアレの発生を抑制し得る。モアレは、光が波長に応じて干渉し、画面表面に虹色模様が映り込む現象であり、画面が大きくなる程、モアレは視認しやすくなる傾向にある。一方、積層フィルムの表面処理層側のヘイズは、好ましくは13%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下である。このような積層フィルムによれば、画面表面が白くぼやけたように視認される白ボケの発生を抑制し得る。白ボケは、明室環境下で視認しやすい傾向にある。
積層フィルムの表面処理層側の反射率は、好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.6%以下である。このような積層フィルムによれば、画面に蛍光灯や太陽光等の外光により像が映り込んで視認性が低下するのを抑制し得る。このような映り込みは、屋外環境下で視認しやすくなる傾向にある。
1つの実施形態においては、表面処理層は、防眩層および反射防止層を基材側からこの順に有する。防眩層は、代表的には、樹脂およびフィラーを含む。具体的には、樹脂中にフィラーを含有させて、得られる層(防眩層)の表面に微細な凹凸形状を生じさせることで防眩性が得られ得る。
例えば、防眩層は、代表的には、上記基材に防眩層形成用材料を塗工して得られる塗工膜を乾燥、硬化させることにより得ることができる。防眩層形成用材料は、代表的には、層形成成分としての硬化性化合物を含む。硬化性化合物の硬化メカニズムとしては、例えば、熱硬化型、光硬化型が挙げられる。硬化性化合物としては、例えば、モノマー、オリゴマー、プレポリマーが挙げられる。好ましくは、硬化性化合物として多官能モノマーまたはオリゴマーが用いられる。多官能モノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーまたはオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマー、エポキシ系モノマーまたはオリゴマー、シリコーン系モノマーまたはオリゴマーが挙げられる。
上記前フィラーは、その屈折率が、例えば1.3以上1.8以下であり、好ましくは1.4以上1.6以下である。
上記フィラーは、無機粒子でもよいし、有機粒子でもよいし、無機粒子および有機粒子を併用してもよい。無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子、硫酸カルシウム粒子が挙げられる。有機粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末(PMMA粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
1つの実施形態においては、フィラーの含有量は、樹脂100重量部に対し、例えば1重量部以上3重量部以下であり、1.5重量部以上2.5重量部以下であってもよい。別の実施形態においては、フィラーの含有量は、樹脂100重量部に対し、例えば5重量部以上7.5重量部以下であり、6重量部以上7重量部以下であってもよい。
防眩層の厚みは、好ましくは4μm~12μmであり、より好ましくは6μm~9μmである。なお、防眩層形成用材料に含まれ得る溶媒および防眩層形成用材料の塗工、乾燥および硬化方法としては、後述の反射防止層形成用塗工液と同様の溶媒および方法が採用され得る。
上記反射防止層は、防眩層表面の反射を低減させ得る。反射防止層は、例えば、上記防眩層上に反射防止層形成用塗工液を塗工して得られる塗膜を乾燥、硬化させることにより得ることができる。反射防止層形成用塗工液は、例えば、硬化性化合物、フッ素含有添加剤、中空粒子および溶媒等を含んでいてもよく、例えば、これらを混合して得ることができる。
反射防止層形成用塗工液に含まれる硬化性化合物の硬化メカニズムとしては、例えば、熱硬化型、光硬化型が挙げられる。硬化性化合物としては、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する化合物が用いられ、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記硬化性化合物には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。反応性希釈剤は、例えば、特開2008-88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。反応性希釈剤としては、優れた硬度を得る観点から、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましく用いられる。反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等も挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。上記硬化性化合物の硬化のために、例えば、硬化剤を用いてもよい。硬化剤としては、例えば、公知の重合開始剤(例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤等)を用いることができる。
上記フッ素含有添加剤は、例えば、フッ素を含む有機化合物であってもよく、フッ素を含む無機化合物であってもよい。フッ素を含む有機化合物としては、例えば、フッ素含有防汚コーティング剤、フッ素含有アクリル化合物、フッ素・ケイ素含有アクリル化合物が挙げられる。フッ素を含む有機化合物としては市販品を用いることができる。市販品の具体例としては、信越化学工業株式会社製の商品名「KY-1203」、DIC株式会社製の商品名「メガファック」等が挙げられる。フッ素含有添加剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対し、例えば、0.05重量部以上、0.1重量部以上、0.15重量部以上、0.20重量部以上、または0.25重量部以上であってもよく、20重量部以下、15重量部以下、10重量部以下、5重量部以下、または3重量部以下であってもよい。
上記中空粒子としては、例えば、シリカ粒子、アクリル粒子、アクリル-スチレン共重合粒子が用いられる。中空シリカ粒子は、市販品(例えば、日揮触媒化成工業株式会社製の商品名「スルーリア5320」、「スルーリア4320」)を用いることができる。中空粒子の重量平均粒子径は、例えば、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上、または70nm以上であってもよく、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、または110nm以下であってもよい。中空粒子の形状は、特に制限されないが、好ましくは略球形である。具体的には、中空粒子のアスペクト比は、好ましくは1.5以下である。
中空粒子の含有量は、上記硬化性化合物(硬化後の樹脂成分)100重量部に対し、例えば11重量部以上であり、12重量部以上であってもよく、15重量部以上であってもよい。このような範囲によれば、十分な反射防止機能が得られ得る。一方、中空粒子の含有量は、上記硬化性化合物(硬化後の樹脂成分)100重量部に対し、例えば40重量部以下であり、30重量部以下であってもよく、24重量部以下であってもよい。1つの実施形態においては、反射防止層の中空粒子の含有量と、上記防眩層に含まれるフィラーの種類や含有量とを調整することにより、上記ヘイズを調整することができる。
上記溶媒としては、任意の適切な溶媒を用い得る。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、TBA(ターシャリーブチルアルコール)、2-メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の含有量は、例えば、上記反射防止層形成用塗工液全体の重量に対する固形分の重量が、例えば、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、または1.5重量%以上となるようにしてもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下となるようにしてもよい。
上記反射防止層形成用塗工液の塗工方法としては、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の公知の塗工方法を用いることができる。上記塗膜の乾燥温度は、例えば30℃~200℃であり、乾燥時間は、例えば30秒~90秒である。上記塗膜の硬化は、例えば、加熱、光照射(代表的には、紫外線照射)により行うことができる。光照射の光源としては、例えば、高圧水銀ランプが用いられる。紫外線照射の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50mJ/cm~500mJ/cmであることが好ましい。
反射防止層の厚みは、好ましくは0.1μm~2μmであり、より好ましくは0.1μm~1μmである。
表面処理層の厚みは、例えば1μm~20μmであり、好ましくは4μm~14μmであり、より好ましくは6μm~10μmである。
[位相差層]
上記位相差層としては、面内位相差を有し得る。1つの実施形態においては、位相差層は、λ/4板として機能し得る。具体的には、位相差フィルムの面内位相差Re(550)は、例えば100nm~190nmであり、好ましくは110nm~180nmであり、より好ましくは120nm~170nmであり、さらに好ましくは130nm~160nmであり、特に好ましくは135nm~155nmである。位相差層の構成は特に限定されず、例えば、樹脂フィルムから構成されていてもよいし、液晶化合物の配向固化層(液晶配向固化層)であってもよい。ここで、「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。なお、「配向固化層」は、液晶モノマーを硬化させて得られる配向硬化層を包含する概念である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、厚み、反射率、ヘイズおよび透過率は下記の測定方法により測定した値である。また、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
1.厚み
10μm以下の厚みは、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、製品名「JSM-7100F」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
2.ヘイズ
JIS 7136に準じて、ヘイズメーター(村上色彩科学研究所社製、製品名「HN-150」)を用いて測定した。積層フィルムの表面処理層側の反射率の測定にあたり、積層フィルムを黒色のアクリル板に粘着剤で貼り合わせ、測定用試料とした。
3.反射率
紫外可視赤外分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、製品名「U-4100」)を用いて測定した。積層フィルムの表面処理層側の反射率の測定にあたり、積層フィルムを黒色のアクリル板に粘着剤で貼り合わせ、測定用試料とした。測定は、波長380nm~780nmにて実施した。
4.透過率
紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、「V7100」)を用いて測定した。なお、透過率は、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
[実施例1]
(偏光子の作製)
厚み30μmのポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルム(クラレ製、製品名「PE3000」)の長尺ロールを、ロール延伸機により長手方向に5.9倍になるように長手方向に一軸延伸しながら同時に膨潤、染色、架橋、洗浄処理をこの順で施した後、最後に乾燥処理を施すことにより、厚み12μmの偏光子を作製した。
上記膨潤処理は20℃の純水で処理しながら2.2倍に延伸した。次いで、染色処理は得られる偏光子の単体透過率が所望の値になるようにヨウ素濃度が調整されたヨウ素とヨウ化カリウムの重量比が1:7である30℃の水溶液中において処理しながら1.4倍に延伸した。次いで、架橋処理は、2段階の架橋処理を採用し、1段階目の架橋処理は40℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.2倍に延伸した。1段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は5.0重量%で、ヨウ化カリウム含有量は3.0重量%とした。2段階目の架橋処理は65℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.6倍に延伸した。2段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は4.3重量%で、ヨウ化カリウム含有量は5.0重量%とした。次いで、洗浄処理は、20℃のヨウ化カリウム水溶液で処理した。洗浄処理の水溶液のヨウ化カリウム含有量は2.6重量%とした。最後に、70℃で5分間乾燥処理して偏光子を得た。
(積層フィルムの作製)
厚み25μmのTACフィルム上に、下記に示す手順により表面処理層を形成し、積層フィルム(ヘイズ:2.5%、反射率:1.5%)を得た。
(表面処理層の形成)
1.防眩層(防眩性ハードコート層)の形成
紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業株式会社製、商品名「UV1700B」、固形分100%)80重量部、および、ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100%)20重量部の混合物を準備した。混合物の樹脂固形分100重量部に対し、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業株式会社製、商品名「テクポリマー」、重量平均粒径:5μm、屈折率:1.51)を2重量部、有機粘土(チキソトロピー付与剤)である合成スメクタイト(コープケミカル株式会社製、商品名「ルーセンタイトSAN」)を0.4重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(DIC株式会社製、商品名「PC4100」、固形分10%)を0.05重量部混合した。ここで、有機粘土は、トルエンで固形分が6%になるよう希釈して用いた。
得られた混合物を、固形分濃度が40重量%となるように、トルエン/シクロペンタノン(CPN)混合溶媒(重量比80/20)で希釈して、防眩層形成用材料(塗工液)を調製した。
得られた防眩層形成用材料(塗工液)を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社製、商品名「TJ25UL」)上にワイヤーバーを用いて塗工した。次いで、95℃で1分間加熱することにより塗工膜を乾燥させた後、高圧水銀ランプにより、積算光量300mJ/cmとなるように塗工膜に紫外線を照射し、厚み6.5μmの防眩層を形成した。
2.反射防止層の形成
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)100重量部、フッ素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」、固形分20重量%)12重量部、および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、溶媒としてTBA、MIBKおよびPMAを60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
得られた反射防止層形成用塗工液を、上記防眩層上に、ワイヤーバーで塗工した。塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を施し、厚み0.1μmの反射防止層を形成した。
こうして、表面処理層を形成した。
(偏光板の作製)
得られた偏光子の片側に、紫外線硬化型接着剤を介して、TACフィルムが偏光子側となるように積層フィルムを貼り合わせた。
偏光子のもう片側に、紫外線硬化型接着剤を介して厚み25μmのTACフィルムを貼り合わせ、積層体(透過率:46.0%)を得た。その後、厚み12μmのアクリル系粘着剤層を介して位相差フィルム(ポリカーボネート樹脂フィルム、厚み:50μm、Re(550):147nm、帝人株式会社製、製品名「ピュアエースRM」)を貼り合わせ、その後、厚み15μmのアクリル系粘着剤層を形成し、偏光板を得た。
[実施例2]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと、および、表面処理層を下記の手順で形成したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
(表面処理層の形成)
1.防眩層(防眩性ハードコート層)の形成
紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DIC株式会社製、「ユニディック17-806」)100重量部に対し、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学株式会社製、「サイロホービック702」)6.5重量部、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学株式会社製、「サイロホービック100」)6.5重量部および有機粘土(増粘剤)である合成スメクタイト(コープケミカル株式会社製、商品名「ルーセンタイトSAN」)2.5重量部を添加し、さらに、光重合開始剤(BASF社製、「OMNIRAD184」)5重量部およびレベリング剤(DIC株式会社製、「メガファックF-556」)0.5重量部を加えて混合した。
得られた混合物を、固形分濃度が30重量%となるように、トルエンで希釈して、防眩層形成用材料(塗工液)を調製した。
得られた防眩層形成用材料(塗工液)を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社製、商品名「TJ25UL」)上にワイヤーバーを用いて塗工した。次いで、110℃で1分間加熱することにより塗工膜を乾燥させた後、高圧水銀ランプにより、積算光量300mJ/cmとなるように塗工膜に紫外線を照射し、厚み8.0μmの防眩層を形成した。
2.反射防止層の形成
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)180重量部、フッ素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」、固形分20重量%)12重量部および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、溶媒としてTBA、MIBKおよびPMAを60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
得られた反射防止層形成用塗工液を、上記防眩層上に、ワイヤーバーで塗工した。塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を施し、厚み0.1μmの反射防止層を形成した。
こうして、表面処理層を形成した。
[比較例1]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと、および、表面処理層を下記の手順で形成したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
(表面処理層の形成)
紫外線硬化型アクリレート樹脂(DIC株式会社製、商品名「ルクシディア17-806」、固形分80%)100重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)3重量部およびレベリング剤(DIC株式会社製、商品名「PC4100」、固形分10%)を0.01重量部混合した。
得られた混合物を固形分濃度が36%となるように、PGM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)/シクロペンタノン混合溶媒(重量比63/37)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液を調製した。
得られたハードコート層形成用塗工液を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社製、商品名「TJ25UL」)上にワイヤーバーを用いて塗工した。次いで、95℃で1分間加熱することにより塗工膜を乾燥させた後、高圧水銀ランプにより、積算光量300mJ/cmとなるように塗工膜に紫外線を照射し、厚み6.5μmの防眩性ハードコート層(表面処理層)を形成した。
[比較例2]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと以外は比較例1と同様にして、偏光板を得た。
[比較例3]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと、および、表面処理層を下記の手順で形成したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
(表面処理層の形成)
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)100重量部、フッ素元素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」、固形分20重量%)12重量部および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、溶媒としてTBA、MIBKおよびPMAを60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
得られた反射防止層形成用塗工液を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社製、商品名「TJ25UL」)上にワイヤーバーを用いて塗工した。塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を施し、厚み0.1μmの反射防止層(表面処理層)を形成した。
[比較例4]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
[比較例5]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと、および、表面処理層を下記の手順で形成したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
(表面処理層の形成)
1.防眩層(防眩性ハードコート層)の形成
紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DIC株式会社製、「ユニディック17-806」)100重量部に対し、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学株式会社製、「サイロホービック702」)7重量部、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学株式会社製、「サイロホービック100」)6.5重量部、光重合開始剤(BASF社製、「OMNIRAD184」)5重量部およびレベリング剤(DIC株式会社製、「メガファックF-556」)0.5重量部を加えて混合した。
得られた混合物を、固形分濃度が30重量%となるように、トルエンで希釈して、防眩層形成用材料(塗工液)を調製した。
得られた防眩層形成用材料(塗工液)を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社製、商品名「TJ25UL」)上にワイヤーバーを用いて塗工した。次いで、110℃で1分間加熱することにより塗工膜を乾燥させた後、高圧水銀ランプにより、積算光量300mJ/cmとなるように塗工膜に紫外線を照射し、厚み5.0μmの防眩層を形成した。
2.反射防止層の形成
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)60重量部、フッ素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」、固形分20重量%)12重量部および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、溶媒としてTBA、MIBKおよびPMAを60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
得られた反射防止層形成用塗工液を、上記防眩層上に、ワイヤーバーで塗工した。塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を施し、厚み0.1μmの反射防止層を形成した。
こうして、表面処理層を形成した。
[比較例6]
偏光子の作製において染色時のヨウ素濃度を変更したこと、および、表面処理層を下記の手順で形成したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。
(表面処理層の形成)
ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」、固形分100重量%)100重量部、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」、固形分20重量%、重量平均粒子径75nm)70重量部、フッ素元素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」、固形分20重量%)12重量部および光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」、固形分100重量%)3重量部を混合した。その混合物に、溶媒としてTBA、MIBKおよびPMAを60:25:15重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が4重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
得られた反射防止層形成用塗工液を、TACフィルム(厚み25μm、富士フイルム株式会社製、商品名「TJ25UL」)上にワイヤーバーを用いて塗工した。塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化処理を施し、厚み0.1μmの反射防止層(表面処理層)を形成した。
実施例および比較例について、下記の評価を行った。評価結果を表1にまとめる。
<評価>
1.モアレ
得られた偏光板を蛍光灯環境下で目視にて表面処理層側から観察し、モアレ(虹色模様)の発生状況を確認した。
2.白ボケ
得られた偏光板を明室環境下で目視にて表面処理層側から観察し、光の乱反射による白ボケの発生状況を確認した。
3.映り込み
得られた偏光板を蛍光灯環境下で目視にて表面処理層側から観察し、映り込みの発生状況を確認した。
4.画面焼付き
有機ELパネル搭載のSamsung社製の「Galaxy A41」の前面ガラス板および偏光板を除去した後、有機ELパネル表面に得られた偏光板を貼り合わせ、試験用画面を得た。
図3に示すように、得られた試験用画面の左上端部に所定の文字を黒色で表示させ、中央部の点を測定点とし、測定点をTopcon社製の「SR-UL1R」を用いて輝度を測定し、測定点の輝度が400cd/m(屋外輝度に相当)となるように試験用画面の表示を調整した。この状態で30時間点灯させた後、測定点の輝度を測定し、輝度低下率を算出した。また、点灯後、全面白表示させ試験用画面を目視にて観察した。
Figure 2023051543000002
実施例は、モアレ、白ボケ、映り込みおよび画面焼付きの全ての項目において優れており、例えば、ラップトップ型パーソナルコンピューターとして好適に用いられ得る。
輝度低下率が1%を超える比較例1および3-6では、左上端部に表示させていた文字の部分以外の領域の輝度が低下して、表示させていた文字が白く浮かび上がったように視認された。
本発明の実施形態により得られる偏光板は、画像表示装置の偏光板として好適に用いられ得る。画像表示装置としては、代表的には、有機EL表示装置、無機EL表示装置、液晶表示装置が挙げられる。
10 偏光子
20 積層フィルム
21 基材(保護層)
22 表面処理層
30 保護層
40 位相差層
50 粘着剤層
70 画像表示(有機EL)パネル本体
100 偏光板
200 画像表示(有機EL)パネル

Claims (6)

  1. 基材と表面処理層とを有する積層フィルムと、
    前記積層フィルムの前記基材側に配置される偏光子と、を有し、
    前記表面処理層側の反射率は2%以下で、前記表面処理層側のヘイズは1%以上13%以下であり、
    透過率は45.5%以上であり、
    有機ELパネルに用いられる、
    偏光板。
  2. 前記表面処理層は、樹脂成分および中空粒子を含む第一の層を含み、
    前記第一の層は、前記樹脂成分100重量部に対し、前記中空粒子を11重量部以上含む、
    前記請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記表面処理層は、樹脂成分および中空粒子を含む第一の層を含み、
    前記第一の層は、前記樹脂成分100重量部に対し、前記中空粒子を40重量部以下含む、
    前記請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 位相差層をさらに有し、前記位相差層の面内位相差Re(550)は100nm~190nmである、請求項1から3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 画像表示パネル本体と、
    前記画像表示パネル本体の視認側に配置される請求項1から4のいずれかに記載の偏光板と、を有する、
    画像表示装置。
  6. 前記偏光板は前記視認側の最表面に位置する、請求項5に記載の画像表示装置。
JP2021162316A 2021-09-30 2021-09-30 偏光板および画像表示装置 Pending JP2023051543A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021162316A JP2023051543A (ja) 2021-09-30 2021-09-30 偏光板および画像表示装置
TW111131146A TW202319787A (zh) 2021-09-30 2022-08-18 偏光板及圖像顯示裝置
KR1020220104596A KR20230046955A (ko) 2021-09-30 2022-08-22 편광판 및 화상 표시 장치
CN202211128288.1A CN115877495A (zh) 2021-09-30 2022-09-16 偏振片及图像显示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021162316A JP2023051543A (ja) 2021-09-30 2021-09-30 偏光板および画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023051543A true JP2023051543A (ja) 2023-04-11

Family

ID=85769873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021162316A Pending JP2023051543A (ja) 2021-09-30 2021-09-30 偏光板および画像表示装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2023051543A (ja)
KR (1) KR20230046955A (ja)
CN (1) CN115877495A (ja)
TW (1) TW202319787A (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW424154B (en) 1998-10-30 2001-03-01 Teijin Ltd Phase film and optical device using same

Also Published As

Publication number Publication date
TW202319787A (zh) 2023-05-16
CN115877495A (zh) 2023-03-31
KR20230046955A (ko) 2023-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180299710A1 (en) Optical layered body, polarizer, method for producing polarizer, image display device, method for producing image display device, and method for improving visibility of image display device
KR100816700B1 (ko) 하드코트 필름, 반사방지 하드코트 필름, 광학소자 및화상표시장치
TWI416161B (zh) 可提昇雷射指標能見度之薄膜、偏光板、影像顯示裝置及雷射指標顯示方法
KR20040095273A (ko) 반사방지필름, 그의 제조방법, 광학소자 및 화상표시장치
JP6167479B2 (ja) 偏光板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び液晶表示装置
JP2008151998A (ja) ハードコートフィルムの製造方法、ハードコートフィルム、偏光板および画像表示装置
JP2013182162A (ja) 偏光板の製造方法
KR102242306B1 (ko) 편광판의 제조 방법
JP2013200445A (ja) 円偏光板
JP2010243903A (ja) 偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP2019151099A (ja) 積層フィルム
WO2021220681A1 (ja) 反射防止層付円偏光板および該反射防止層付円偏光板を用いた画像表示装置
JP2023051543A (ja) 偏光板および画像表示装置
JP2018055007A (ja) 光拡散フィルム
TW202218211A (zh) 圓偏光板及包含其的有機發光二極體裝置
JP2006146165A (ja) 防眩フィルム、反射防止防眩フィルム、光学素子および画像表示装置
WO2023176656A1 (ja) レンズ部および積層フィルム
WO2023176659A1 (ja) レンズ部および積層フィルム
WO2023176660A1 (ja) 表示システムおよび積層フィルム
WO2023176658A1 (ja) レンズ部および積層フィルム
WO2023176655A1 (ja) レンズ部および積層フィルム
WO2023176654A1 (ja) 表示システムおよび積層フィルム
WO2023176661A1 (ja) 表示システムおよび積層フィルム
WO2023176657A1 (ja) 表示システムおよび積層フィルム
JP2017049604A (ja) 円偏光板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240402