JP2023051216A - 冷菓の製造方法 - Google Patents

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Figure 2023051216000001
【課題】本発明は、冷菓基材と冷菓基材に内包されている副材とを有し、冷菓の上面から副材が視認されることによる外観低下を抑制した冷菓の製造方法を提供する。
【解決手段】冷菓基材と、前記冷菓基材に内包されている副材と、を有する冷菓の製造方法であって、前記冷菓基材にノズルを挿入して、前記冷菓基材内に、前記副材を形成する副材用組成物を注入する注入工程と、前記ノズルを前記冷菓基材から抜き取る抜き取り工程と、前記冷菓基材の前記ノズルの挿入穴が閉塞するまで前記冷菓基材を載置する閉塞工程と、前記冷菓基材を-20℃以下の環境下に載置して前記冷菓基材を凍結し前記冷菓を得る凍結工程と、をこの順に有する製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷菓の製造方法に関する。より詳しくは、冷菓基材と、冷菓基材に内包されている副材と、を有する冷菓の製造方法に関する。
冷菓は年間を通じて食される代表的な嗜好食品となっている。新しい味、食感、形態等に対する消費者の関心も高く、新商品の開発が盛んに行われている。冷菓基材中に副材を含む冷菓は、新たな風味や食感の付与を図ることができ、市場性の高い商品として注目を集めている。
特許文献1には、クリーム中にチョコレート等の具材を含む具材入りアイスクリーム類の製造方法が記載されている。特許文献2には、冷菓基材中に油脂組成物を含む冷菓及びその製造方法が記載されている。
国際公開第2017/104684号 国際公開第2021/054060号
特許文献1では、優れた具材感の冷菓を提供するために、具材とクリームとを吐出するタイミングを調整する技術が開示されている。特許文献2では、優れた外観の冷菓を提供するために、油脂組成物の物性を調整する技術が開示されている。
本発明は、冷菓基材と冷菓基材に内包されている副材とを有し、冷菓の上面から副材が視認されることによる外観低下を抑制した冷菓の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に例示する[1]~[8]に関する。
[1] 冷菓基材と、前記冷菓基材に内包されている副材と、を有する冷菓の製造方法であって、
前記冷菓基材にノズルを挿入して、前記冷菓基材内に、前記副材を形成する副材用組成物を注入する注入工程と、
前記ノズルを前記冷菓基材から抜き取る抜き取り工程と、
前記冷菓基材の前記ノズルの挿入穴が閉塞するまで前記冷菓基材を載置する閉塞工程と、
前記冷菓基材を-20℃以下の環境下に載置して前記冷菓基材を凍結し前記冷菓を得る凍結工程と、
をこの順に有する製造方法。
[2] 前記冷菓基材のオーバーラン値は100%以下である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記注入工程において、前記基材の上面から前記ノズルを挿入し、前記副材用組成物の温度は0℃以上25℃以下である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記注入工程において、前記ノズルの挿入位置は前記冷菓基材の底面から10mm以上25mm以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5] 前記注入工程において、一つの前記冷菓基材に対して複数本の前記ノズルが挿入される、[1]~[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6] 前記閉塞工程は、前記冷菓基材を10℃以上30℃以下の環境下に載置する工程である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7] 前記注入工程で注入される前記副材用組成物の質量は、前記凍結工程後の前記冷菓の質量を100とすると1以上30以下である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の冷菓の製造方法。
本発明の製造方法によれば、冷菓基材と冷菓基材に内包されている副材とを有し、冷菓の上面から副材が視認されることによる外観低下を抑制した冷菓を製造することができる。
本発明に係る製造方法のフローチャートを示す図である。 本製造方法により製造される容器入り冷菓の一形態を示す概略断面図である。 図2に示す容器入り冷菓の上面図である。 冷菓基材内にノズルが挿入されている状態を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
本発明に係る製造方法(以下、「本製造方法」ともいう)は、冷菓基材と、前記冷菓基材に内包されている副材と、を有する冷菓の製造方法である。図1は、本製造方法のフローチャートを示す。本製造方法は、
〔工程A〕 前記冷菓基材にノズルを挿入して、前記冷菓基材内に、前記副材を形成する副材用組成物を注入する注入工程と、
〔工程B〕 前記ノズルを前記冷菓基材から抜き取る抜き取り工程と、
〔工程C〕 前記冷菓基材の前記ノズルの挿入穴が閉塞するまで前記冷菓基材を載置する閉塞工程と、
〔工程D〕 前記冷菓基材を-20℃以下の環境下に載置して凍結し前記冷菓を得る凍結工程と、
をこの順に有する。
本製造方法によると、冷菓基材と、冷菓基材に内包されている副材と、を有する冷菓を製造することができ、冷菓の上面から副材が視認されることによる外観低下を抑制した冷菓を製造することができる。また、冷菓の上面への副材の露出を抑制することができ、外観および喫食性に優れた冷菓を製造することができる。
[冷菓]
本製造方法により製造される冷菓は、冷菓基材と冷菓基材に内包されている副材とを有する冷菓である。図2は、本製造方法により製造される容器入り冷菓の一形態を示す概略断面図である。図3は、図2に示す容器入り冷菓の上面図である。図2に示すように、冷菓100は、底部と側壁を有する使い捨ての容器101内にある。冷菓100は、容器101内に入れられて、容器の形状に適合している。冷菓100は、冷菓基材102と、冷菓基材102に内包されている副材103と、を有する。冷菓100の上面は、容器101と接触していない。
冷菓100は、不図示の蓋体により容器101の上部が覆われた状態で冷凍保存され、喫食時に蓋体が除かれて冷菓100の上面が冷菓100の外観として喫食者に最初に視認される。本製造方法によると、冷菓100の上面から副材103の流出が抑制され、製造直後に限定されることなく、保管後においても、冷菓100の上面から副材103が視認されない冷菓を製造することができる。副材103が視認されないとは、副材103がほとんど視認されない場合と全く視認されない場合とを含む。本明細書において、副材について、冷菓基材に内包されている副材とは、冷菓の上面から副材が視認されない状態を意味する。
図2の冷菓100を製造する手順の一例は次のとおりである。まず、冷菓基材102について、常法どおり、冷菓基材102の原料を湯に溶解した後、予備乳化して原料ミックスを調製して均質化、加熱殺菌し、所望のオーバーラン値になるように空気を混入させながら、撹拌、凍結等フリージング工程を経た上で、容器101に充填することにより、図2の冷菓基材102を得る。
次いで、容器101中の冷菓基材102の上面からノズルを挿入して、冷菓基材102内に流動性の副材用組成物を注入する(工程A)。副材用組成物は副材103を形成する組成物として予め準備した組成物であり、これを流動性を有する状態で注入する。副材用組成物の温度を調整することにより流動性を有する状態とすることができる。注入後、ノズルを冷菓基材102から抜き取る(工程B)。ノズルを抜き取った後、冷菓基材102の上面におけるノズルの挿入穴が閉塞するまで冷菓基材102を載置する(工程C)。冷菓基材102の上面において、ノズルの挿入穴が閉塞した後に、冷菓基材102を-20℃以下の環境下に載置して凍結し冷菓100を得る(工程D)。
図2に示される冷菓100において、容器101は紙またはプラスティックからなる。本形態の冷菓の容器は、成形した冷菓基材を得ることができるものであればよく、紙、プラスティックなどの不可食物であってもよく、モナカ、コーン、チョコレート、焼き菓子等の可食物であってもよい。本形態のような容器入り冷菓は、製造工程で用いられる型(容器)をそのまま最終製品を構成する要素として用いることができる点で有利であるものの、本製造方法においては、容器以外の型を用いることができる。容器以外の型は、例えば製造工程のみで用いられるモールドであってもよい。この場合、凍結工程を経て製造された冷菓は、その後、モールドから取り出されて包装等を経て最終製品とすることができる。モールドは、金属製、プラスティック製、紙製等の各種材質のものを用いることができる。
図2に示される冷菓100の可食部分の形状は、円錐台形である。冷菓100の形状は、円錐台形に限定されることはなく、角錐台形、円柱形、角柱形、これらの一部の面が曲面や変形面となっている形状、等であってもよい。
冷菓100について、可食部分の総体積は、好ましくは80mL以上、より好ましくは100mL以上、さらに好ましくは110mL以上であり、特に好ましくは120mL以上である。冷菓100の総体積は、好ましくは200mL以下である。冷菓100について、可食部分の総質量は、好ましくは40g以上、より好ましくは100g以上、さらに好ましくは55g以上であり、特に好ましくは60g以上である。冷菓100の総質量は、好ましくは200g以下である。冷菓100について、可食部分の高さは、好ましくは20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは30mm以上、特に好ましくは35mm以上である。冷菓100の高さが上記数値範囲内であることにより、冷菓表面への副材の露出をより抑制することができる。冷菓100の高さは、好ましくは50mm以下である。
図2に示される冷菓100において、冷菓基材102中における副材103の部位数は4である(図2に示される2部位103a,103bと図1の断面と直交する断面における不図示の2部位の合計4部位)。本明細書において、副材103の部位数は、領域が連続しているものについては1部位として数えることとする。副材103の部位数は、4に限定されることはなく、1以上10以下であることが好ましく、1以上8以下であることがより好ましく、1以上6以下であることがさらに好ましい。部位数が複数である場合、各部位間の間隔は均等であることが好ましい。各部位は、異なる位置から挿入されるノズルを介して注入される副材用組成物によって形成することができる。副材103は、冷菓100の上面から視認されず、したがって冷菓100の上面への副材の露出が抑制されている。また、副材103は、冷菓100の他の表面(側面、底面)への露出も抑制されていることが好ましく、冷菓100の表面(上面,側面,底面)からの距離が、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上である。
副材103の総体積は、好ましくは0.1mL以上、より好ましくは0.5mL以上、さらに好ましくは1.0mL以上であり、特に好ましくは1.5mL以上である。副材103の総体積は、好ましくは10mL以下である。副材103を形成する副材用組成物の注入工程における注入量は、合計で、好ましくは5g以上、より好ましくは8g以上、さらに好ましくは10g以上であり、特に好ましくは12g以上である。副材103の注入量は、好ましくは40g以下である。
本製造方法において、冷菓100の体積を100とした場合にこれに対する副材103の体積は、合計で、好ましくは0.5以上20以下であり、より好ましくは1以上15以下である。副材103の体積が上記数値範囲であることにより、冷菓100の表面への副材103の露出をより抑制することができる。本製造方法において、冷菓100の質量を100とした場合に、副材103を形成するために注入工程で注入する副材用組成物の質量は、好ましくは1以上30以下であり、より好ましくは1以上25以下であり、さらに好ましくは1以上20以下である。副材用組成物の質量が上記数値範囲であることにより、冷菓100の表面への副材103の露出をより抑制することができる。
[冷菓基材]
冷菓基材は、乳等省令で規定されるアイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス)、シャーベット、「食品の添加物等の規格基準」で規定される氷菓(アイスキャンデー、かき氷、みぞれなど)、フローズンヨーグルト等である。
アイスクリーム類とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(はっ酵乳を除く)をいう。アイスクリーム類は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3つに分類される。
乳固形分3.0%未満のものは、食品衛生法に基づく厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」により、氷菓として規定されている。
フローズンヨーグルトは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により、種類別「発酵乳」に分類され、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう」と定められている。成分規格は、「無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数又は酵母数1000万/ml以上」と規定されている。
冷菓基材は、冷菓基材用組成物を用いて製造することができる。冷菓基材用組成物は、通常冷菓を調製する際に一般的に用いられる成分(乳原料、糖類、植物汁、増粘剤、pH調整剤、卵、油脂、安定剤、乳化剤、色素などの着色料、甘味料、香料、酸味料、風味原料など)等を適宜配合して調製されたものである。冷菓基材用組成物は、さらに、果汁や果肉(イチゴ、ブドウ、メロン、柑橘類など)、ジャム類、プレザーブ類、野菜類(ニンジン、スイカなど)、コーヒー類、茶類(抹茶、紅茶、緑茶、烏龍茶など)、チョコレート類、キャラメル類等が配合されていてもよい。冷菓基材は、単層構造であっても、多層構造であってもよい。
(油脂)
冷菓基材用組成物は油脂を含有していてもよい。冷菓基材用組成物に用いられる油脂としては、動物性油脂、植物性油脂、これらの加工油脂などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
動物性油脂としては、例えば、乳脂(牛乳脂など)、牛脂、豚脂、魚油等が挙げられる。植物性油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、シア脂、サル脂、カカオ脂等が挙げられる。植物性油脂及び/又は動物性油脂を水素添加等の加工を行った加工油脂としては、例えば、マーガリン、ショートニング等が挙げられる。
(乳原料)
冷菓基材用組成物は乳原料を含有していてもよい。冷菓基材用組成物に用いられる乳原料としては、例えば、生乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、発酵乳、発酵乳パウダー、ブロックミルク等が挙げられる。
乳原料としてより好ましくは、生乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム、バター、ホエイパウダー等であり、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いても
よい。
(甘味料)
冷菓基材用組成物は甘味料を含有していてもよい。冷菓基材用組成物に用いられる甘味料は、冷菓基材に甘味を付与する原料を意味し、糖類及び糖類以外の甘味を付与する原料をも含む概念である。その具体例としては、例えば、砂糖(上白糖、グラニュー糖、三温糖、黒砂糖など)、砂糖混合異性化糖、異性化糖、乳糖、ぶどう糖、麦芽糖、果糖、転化糖、還元麦芽水あめ、粉あめ、蜂蜜、パラチノース、トレハロース、D-キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチロール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等が挙げられる。冷菓基材用組成物においては、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
(安定剤)
冷菓基材用組成物は安定剤を含有していてもよい。冷菓基材用組成物に用いられる安定剤は、例えば、ペクチン、繊維素グルコール酸ナトリウム(カルボキシメチルセルロース)、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、微結晶セルロース、アラビアガム、カラヤガム、キサンタンガム、タラガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、マクロホモプシルガム、ゼラチン、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、大豆多糖類等が挙げられる。
(乳化剤)
冷菓基材用組成物は乳化剤を含有していてもよい。冷菓基材用組成物に用いられる乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル(シュガーエステル)類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、レシチン、クエン酸又は乳酸等の有機酸モノグリセリド類、有機酸ジグリセリド類等が挙げられる。冷菓基材用組成物においては、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
(油脂含有量)
冷菓基材用組成物において、油脂含有量は、物性、嗜好等を考慮し、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下である。冷菓基材用組成物において、乳脂肪含有量は、良好な風味、口当たりを得ることができる観点から、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下であり、0質量%でも良い。
(糖度)
冷菓基材用組成物の糖度は、保存性の観点から、好ましくは50°以下、より好ましくは40°以下、さらに好ましくは30°以下であり、また、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、さらに好ましくは15°以上である。本明細書において、糖度はBrix値を意味し、糖度計(Brix計)で測定することができる。
(固形分量)
冷菓基材用組成物の全固形分は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、また、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。冷菓基材組成物の無脂乳固形分は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、0質量%でも良い。冷菓基材用組成物の乳固形分は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、0質量%でも良い。冷菓基材用組成物の乳固形分は、上述した乳脂肪の含有量と無脂乳固形分との合計を乳固形分とする。
(脂肪率)
冷菓基材用組成物は、脂肪率が12質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。冷菓基材用組成物の脂肪率の下限値は限定されないものの、例えば0.1質量%以上とすることができる。
冷菓基材用組成物の脂肪率は、脂肪分を有する全ての原料の脂肪量の合計値に基づき算出される値であり、脂肪分を有する原料として、油脂、ココアパウダーを含むチョコレート類、乳製品、ナッツ類、豆乳、卵、乳化剤等が該当する。
脂肪量は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和二十六年十二月二十七日 厚生省令第五十二号。以下同じ。なお以下「乳等省令」と記載することがある。)に記載の、アイスクリーム類の乳脂肪分の定量法に準拠する方法で測定してもよい。
具体的には、試料4gを小型ビーカーに採り、水3mLを加えてよく混ぜ合わせ、レーリッヒ管に移す。前記ビーカーは、水3mLでよく洗い、その洗液を前記レーリッヒ管に加え、振り混ぜる。次に、アンモニア水(アンモニアの25~30%水溶液、無色透明なもの)2mLを加え、静かに混合する。次に、前記レーリッヒ管を60℃の水浴中につけ、時々振り混ぜながら20分間加温する。さらにエタノール(95~96%水溶液)10mLを加えてよく混ぜ合わせる。
次いで、前記レーリッヒ管にエーテル25mLを加え静かに回転し、均一の色調となったときエーテルガスを抜き、管を水平にして30秒間激しく振り混ぜる。次に石油エーテル(沸点60℃以下)25mLを加え、同様に30秒間振り混ぜて栓を緩め、上澄液が透明になるまで直立して2時間以上静置する。上澄液を、予め恒量を求めたビーカーに入れる。
前記レーリッヒ管に、上記と同様の手順で、エーテル25mL及び石油エーテル25mLを加えて混ぜ、上澄液を前記ビーカーに入れる。側管の先端を、エーテルと石油エーテルの等量混合液で洗浄して前記ビーカーに加える。
前記ビーカーを、約75℃に加熱して溶剤を揮発させ、雰囲気温度100~105℃の乾燥器中で1時間乾燥した後、秤量する。ビーカーの恒量からの増加分を脂肪分とする。
(粘度)
冷菓基材用組成物の粘度は、5℃において、50~7,000cpであることが好ましく、100~3,000cpであることがより好ましく、200~1,000cpであることがさらに好ましい。本明細書で規定する粘度は、B型粘度計を用いて常法により測定することができる。例えば、VISCOMETER RB-80L(東機産業株式会社製)にて、ローター回転数60rpmで測定することができる。
(凍結点)
冷菓基材用組成物の凍結点は、口どけを良好にする観点から、好ましくは-2.0℃以下であり、より好ましくは-3.0℃以下である。冷菓基材用組成物の凍結点は、冷凍保存性を向上させる観点から、好ましくは-12.0℃以上であり、より好ましくは-9.0℃以上である。
冷菓基材用組成物の凍結点の測定方法を説明する。まず、液状の冷菓基材用組成物を雰囲気温度-35℃で冷却しながら、冷菓基材用組成物の温度を経時的に測定する。ここで、液体が固体になる反応には発熱反応が生じることから、前記の温度下で液体を冷却していくと、ある温度において一旦温度が下降しないポイント(凍結点)に達する。凍結点は、冷却中に組成物の温度が下降しないポイント(凍結点)における温度とする。
(調製方法)
冷菓基材の調製方法は特に限定されないが、例えば、冷菓基材をアイスクリーム類とする場合には、水、生乳、牛乳、特別牛乳等及び冷菓基材用組成物の原料を混合し、加熱殺菌して原料ミックスを調製し、所望のオーバーラン値になるように空気を混入させながら、撹拌、凍結等の工程を経ることにより、冷菓基材(アイスクリーム類)を調製することができる。冷菓基材のオーバーラン値は0%であってもよく、1%以上であってもよい。オーバーラン値の上限値についても特に制限はされないが、好ましくは180%以下であり、より好ましくは150%以下であり、さらに好ましくは100%以下である。冷菓基材のオーバーラン値が上記した上限値以下であることにより、本製造方法における閉塞工程の実施がより容易となる。なお、本明細書において、オーバーラン値とは、原料混合液の容量に対する含気空気量の百分率を意味する。例えば、オーバーラン値100%の冷菓基材には、原料混合液と同容量の空気が含まれていることを意味する。
また、例えば、冷菓基材をかき氷やみぞれとする場合は、水、生乳、牛乳、特別牛乳等、および冷菓本体の原料を混合し、加熱殺菌して原料ミックスを調製後、製氷、貯氷、粉砕の工程を経た破砕氷を混合することにより、充填用の冷菓基材(かき氷、みぞれ)を調製することができる。
上記のようにして調製した冷菓基材をその後型に充填して成形体とすることができる。冷菓基材の型への充填は、例えば、冷菓基材用組成物の凍結点を基準に-3℃~+1℃の温度範囲内で行い、好ましくは凍結点を基準に-2℃~+0.5℃の温度範囲、より好ましくは凍結点を基準に-1℃~+0℃の温度範囲で行う。冷菓基材を成形体とした後に本製造方法における注入工程に供する。
[副材]
冷菓は、副材を有することにより、新たな風味や食感を付与することができる。副材は、副材用組成物を用いて製造することができる。副材用組成物は、注入工程(工程A)において、ノズルを介して冷菓基材内に注入することができる流動性を有する状態に調整することができるものであれば特に限定されない。副材用組成物は、好ましくは10℃以上30℃以下の温度域において、さらに好ましくは12℃以上25℃以下の温度域において、流動性を有する状態に調整することができるものであることが好ましい。副材用組成物がこのような温度域において流動性を有することにより、注入工程での副材用組成物の注入のしやすさを担保することができる。
副材用組成物の粘度は、5℃において、50~7,000cpが好ましく、500~4,000cpがより好ましく、1,000~2,000cpがさらに好ましい。副材用組成物の粘度がこのような数値範囲内であることにより、注入工程において、流動性を有する副材用組成物を調整することが容易となる。副材用組成物の粘度は、注入工程における温度において、10~5,000cpが好ましく、200~3,000cpがより好ましい。副材用組成物の粘度は、副材用組成物の粘度の測定方法と同様の方法により測定することができる。
副材用組成物の凍結点は、-1.0℃以下が好ましく、-3.0℃以下がより好ましく、-5.0℃以下がさらに好ましく、-8.0℃以下がさらに好ましく、-10.0℃以下がさらに好ましく、-12.0℃以下が特に好ましい。副材用組成物の凍結点の上限値がこのような数値範囲であることにより、冷菓基材とは異なる食感の副材を提供しやすくなり、冷菓の食感向上を図ることができる。副材用組成物の凍結点の下限値は限定されることはなく、例えば-20℃以上である。副材用組成物の凍結点は、冷菓基材用組成物の凍結点の測定方法と同様の方法により測定することができる。
副材用組成物としては、例えば、練乳、チョコレート、ソース、ジャム等をそのまま用いてもよく、または、通常冷菓を調製する際に一般的に用いられる成分(乳原料、糖類、植物汁、増粘剤、pH調整剤、卵、油脂、安定剤、乳化剤、色素などの着色料、甘味料、香料、酸味料、風味原料など)等を適宜配合して調製されたものを用いてもよい。副材用組成物は、さらに、果汁や果肉(イチゴ、ブドウ、メロン、柑橘類など)、ジャム類、プレザーブ類、野菜類(ニンジン、スイカなど)、コーヒー類、茶類(抹茶、紅茶、緑茶、烏龍茶など)、チョコレート類、キャラメル類、アルコール類等が配合されていてもよい。副材用組成物において、乳原料、油脂、安定剤、乳化剤、甘味料として、上述の冷菓基材用組成物で例示した成分を用いることができる。
(アルコール類)
副材用組成物は、アルコール類を含んでいてもよい。アルコール類を含むことにより、所望の凍結点に調整することが容易となる。アルコール類としては、食品に用いられるものであれば特に制限されず、アルコールまたはポリオールを用いることができる。アルコール類の含有量は、副材用組成物の凍結点が所望の値となるように調整されることが好ましく、例えば0.1質量%以上含んでいてもよい。アルコール類の上限は特にないが、風味の点からみて、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
アルコール類として、エタノールを含むことができる。エタノールは、風味に大きく影響を与えることなく凍結点を調整することができる。アルコール類として、グリセリンやプロピレングリコール等のポリオールを含むことができる。
(調製方法)
副材用組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、副材用組成物の各原料を混合、溶解させて原料混合液を調製し、調製した原料混合液について、必要に応じてろ過、均質化、殺菌等を行ったうえで、副材用組成物を注入するのに適した温度となるように冷却して調温し、注入工程(工程A)に供することができる。副材用組成物として、市販の練乳、チョコレート、ソース、ジャム等を用いる場合には、副材用組成物を注入するのに適した温度となるように温度調整をして注入工程(工程A)に供することができる。
以下、本製造方法の各工程について詳細に説明する。
[注入工程(工程A)]
注入工程は、冷菓基材にノズルを挿入して、冷菓基材内に、副材を形成する副材用組成物を注入する工程である。具体的には、第1温度に調温した冷菓基材の上面からノズルを挿入して、冷菓基材内に第2温度に調温した副材用組成物を注入することにより行うことができる。注入工程における環境温度は、好ましくは0℃以上30℃以下であり、より好ましくは5℃以上28℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上25℃以下である。かかる温度範囲であることにより、ノズルの挿入による冷菓基材の損傷をより抑制することができる。
冷菓基材内の副材の部位に対応するようにノズルを挿入して副材用組成物を注入する。図4は、冷菓基材102内へノズル201の挿入が完了し、副材用組成物の注入が開示される前の状態を模式的に示す断面図である。副材が複数の部位からなる場合、好ましくは、各部位に対応する異なるノズルを同時に挿入して各部位に対応する副材用組成物を同時に注入する。例えば、4つのノズルを同時に挿入して4つの部位からなる副材を形成してもよく、6つのノズルを同時に挿入して6つの部位からなる副材を形成してもよい。図4に示す態様では、図示の二つのノズル201a,201bと図4の断面と直交する断面における不図示の二つのノズルの合計4つのノズルが同時に挿入されている。副材の部位数に対応する複数のノズルを同時に挿入する方法に限定されることはなく、副材の部位数より少ない数のノズルを複数回挿入することによって全ての部位への副材組成物の注入を完了させる方法であってもよい。ノズルは、食品分野において液体原料を容器に充填する際などに通常用いられるものを用いることができる。ノズルの注入口の直径は、例えば、1~10mmである。
冷菓基材内へのノズルの挿入位置は、ノズルの最先端から冷菓底面までの距離L(以下、距離Lを「挿入深さL」ともいう。)が、好ましくは8mm以上、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは12mm以上である。挿入深さLがかかる数値範囲を満たすことにより、冷菓底面に副材が露出することをより抑制することができる。挿入深さLの上限値は、冷菓基材の高さ(上面から底面までの距離)によって異なるものの、冷菓基材の高さと挿入深さLの差が、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。挿入深さLがかかる数値範囲を満たすことにより、冷菓の上面に副材が露出することをより抑制することができる。
注入工程における冷菓基材の温度である第1温度をT[℃]、冷菓基材用組成物の凍結点をTS1[℃]とした場合に、Tは、好ましくは下記の式(1a)及び式(2a)の関係を満たす。
≦TS1+1 (1a)
≧TS1-3 (2a)
式(1a)及び式(2a)の関係を満たすことにより、副材を有する冷菓であっても、冷菓表面への副材の露出が抑制された優れた外観を有する冷菓を製造することができる。
は、より好ましくは下記の式(1b)の関係を満たし、さらに好ましくは下記式(1c)の関係を満たす。
≦TS1+0.5 (1b)
≦TS1 (1c)
は、より好ましくは下記の式(2b)の関係を満たし、さらに好ましくは下記式(2c)の関係を満たす。
≧TS1-2 (2b)
≧TS1-1 (2c)
注入工程における注入直前の副材用組成物の温度である第2温度をT[℃]とした場合に、Tは、副材用組成物が流動性を有する状態の温度であれば限定されないものの、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは8℃以上である。Tがかかる温度範囲であることにより、ノズルを介した副材用組成物の冷菓基材内への注入が容易となる。Tは、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下である。Tがかかる温度範囲であることにより、副材用組成物の注入により冷菓基材の過度な溶解を抑制することができ、副材が形成される位置や副材の形状の調整が容易となる。
注入工程において、第2温度Tは第1温度Tよりも、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは10℃以上、高い温度である。第2温度Tと第1温度Tとの温度差は、例えば25℃以下である。第2温度Tと第1温度Tとの関係がこのような関係を満たすことにより、より優れた外観の副材を形成することができ、また冷菓の表面から副材が露出することをより抑制することができる。
[抜き取り工程(工程B)]
抜き取り工程は、注入工程で挿入したノズルを冷菓基材から抜き取る工程である。挿入時と同じ経路で抜き取ることが好ましい。抜き取り工程は、注入工程と同じ環境下で連続して行うことができる。抜き取り工程における環境温度は、好ましくは0℃以上30℃以下であり、より好ましくは5℃以上28℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上25℃以下である。
[閉塞工程(工程C)]
閉塞工程は、冷菓基材の上面においてノズルの挿入穴が閉塞するまで冷菓基材を載置する工程である。閉塞工程における載置は、静置であってもよく、搬送しながらであってもよい。閉塞工程は、抜き取り工程の後、所定の雰囲気温度で所定の時間放置する工程である。雰囲気温度をT[℃]とすると、Tは冷菓基材用組成物の凍結点TS1[℃]との間で、好ましくは下記の式(3a)及び式(4a)の関係を満たす。
>TS1 (3a)
≦TS1+30(4a)
が式(3a)及び(4a)の関係を満たすことにより、冷菓基材の上面においてノズルの挿入穴の閉塞が容易となる。Tが式(3a)の関係を満たすことにより、冷菓基材の上面においてノズルの挿入穴が閉塞するまでの時間を短縮することができる。また、Tcが式(3a)の関係を満たさない場合には、載置によってノズルの挿入穴が閉塞されず、閉塞工程の実行が困難な場合がある。Tが式(4a)の関係を満たすことにより、冷菓基材の上面においてノズルの挿入穴が閉塞された後に副材が表面に露出することを抑制することができる。Tの好ましい範囲は、冷菓基材用組成物の凍結点によって異なるものの、好ましくは0℃以上30℃以下であり、より好ましくは5℃以上28℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上25℃以下である。閉塞工程は、抜き取り工程で同じ環境下で連続して行ってもよい。
閉塞工程において、載置する時間は、まずは試験にてノズルの挿入穴が閉塞するまでに要する時間を目視により確認した後にその時間以上の時間とすることができる。ノズルの挿入穴が閉塞するまでに要する時間は、設定する雰囲気温度T、冷菓基材用組成物の凍結点、冷菓基材のオーバーラン値、等によって異なるものの、載置する時間は、例えば、下限としては0分超とすることができ、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上とし、上限としては5分以下とすることができ、好ましくは3分以下、より好ましくは2分以下とすることができ、好適な範囲としては0分超5分以下とすることができ、0分超3分以下が好ましく、0分超2分以下がより好ましい。載置する時間が「0分超」とは、載置する時間が0分ではなくある時間は必ず載置することを意味する。
注入工程で注入する副材の注入量が多い場合には、Tを調整しても、また載置時間を長くしても、ノズルの挿入穴が閉塞することなく副材が冷菓基材上面にあふれてしまい、閉塞工程を実行できない場合がある。
[凍結工程(工程D)]
凍結工程では、副材が内包された冷菓基材を凍結させる。具体的には、副材が内包された冷菓基材を型ごと-20℃以下の環境下で20分以上冷却させる。冷却の温度は好ましくは-22℃以下である。冷却の時間は好ましくは30分以上である。
[その他の工程]
凍結工程の後に、必要に応じて、得られた冷菓を包装する工程をさらに行ってもよい。具体的には、プラスティックフィルムや紙等を用いたピロー包装の他、紙箱での包装等、食品分野において通常用いられる方法により任意の形態に包装できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[副材用組成物の準備]
副材用組成物(ソース1)として、練乳(森永乳業株式会社製)を準備した。
[冷菓基材用組成物の材料の準備]
冷菓基材用組成物の材料として、全脂練乳(森永乳業株式会社製)、脱脂粉乳(森永乳業株式会社製)、バター、植物油脂(メラノメロー200MR、不二製油株式会社製)、蔗糖、砂糖混合果糖ぶとう糖液(蔗糖10%)、水あめ、抹茶、でん粉、香料、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンド種子ガム、グリセリン脂肪酸エステルを準備した。
[冷菓の製造]
表1に、冷菓用組成物1,2の組成、脂肪率、固形分率を示す。冷菓用組成物1の凍結点は-3.2℃であった。凍結点は、上記した方法により測定した値である。
Figure 2023051216000002
(試料1)
試料1の冷菓を製造した。
<冷菓基材の作製>
冷菓用組成物1の各原料を溶解水に投入後、85℃まで加温し、原料を溶解し、10分間保持した。得られた溶解液を、攪拌機ROBOMIX(Primix社製)にて8000rpmで2分間攪拌し、予備乳化した。次いで、ホモジェナイザー(三丸機械工業株式会社製)を用い、2段目:5MPa、全圧:15MPaにて75℃で得られた溶解液を均質化し、10℃以下に冷却し、原料混合液を得た。得られた原料混合液をバッチ式フリーザー(富繁産業社製、5Lアイスクリームフリーザー)にてフリージングし、オーバーラン値を75%とし、その後、-5℃に温度調整し、プラスティック製の容器内に充填して容器入りの冷菓基材を作製した。冷菓基材は、上面の直径59mm、高さ3mm、質量94g、体積160mLの、図2に示すような円錐台形状であった。
<注入工程(工程A)>
得られた容器入りの冷菓基材を、室温下(25℃)に載置し、-3.8℃(第1温度)に調温した。次いで、冷菓基材の上面に、6本のノズル(直径5mm)が均等に配置された注入体を、挿入深さLが16.0mmとなるように挿入した。その後、6本のノズルを介して、16.0℃(第2温度)に調温されたソース1を合計16.0g注入した。ソース1を原料とする部位数6の副材が形成された。注入体は、6本のノズルに均等にソースが分配されて冷菓基材内に注入される構造であった。第1温度と第2温度の温度差は、19.2℃であった。
<抜き取り工程(工程B)>
ソースの注入が完了した後、冷菓基材内から注入体を抜き取った。すなわち6本のノズルを同時に抜き取った。抜き取り工程(工程B)は、工程Aから連続して室温下(25℃)で行った。
<載置工程>
工程Bが完了した直後、そのままの状態で室温下(25℃)に冷菓を2分間載置し、次の凍結工程に移行した。2分間載置した冷菓の上面を目視で観察したところ、ノズルの挿入穴は閉塞しており、上面から注入されたソースを視認することができなかったため、かかる2分間を載置する工程が閉塞工程(工程C)として機能したことを確認した。
<凍結工程(工程D)>
上記載置工程にて2分間載した冷菓を、-35℃の硬化トンネルにて、40分かけて急速冷凍し、試料1の冷菓を得た。
(試料2)
試料2の冷菓を製造した。冷菓基材について、オーバーラン値が101%となるように調整した点以外は、試料1と同様の方法により試料2の冷菓基材を得た。試料2の製造において、工程Bが完了した直後、そのままの状態で室温下(25℃)に冷菓を2分間載置し、次の凍結工程に移行した。2分間載置した冷菓の上面を目視で観察したところ、ノズルの挿入穴は閉塞しておらず、かかる2分間を載置する工程が閉塞工程(工程C)として機能していなかったことを確認した。
(試料3)
試料3の冷菓を製造した。冷菓基材について、冷菓基材用組成物2と破砕氷の重量比が55:45で混合した混成物をバッチ式フリーザー(カルピジャーニ社製 SED L12/C)を用いてフリージングしてオーバーラン値を35%とし、その後、-5℃に温度調整し、プラスティック製の容器内に充填して容器入りの冷菓基材を得た。注入工程(工程A)において、ソース1を合計16.0g注入したのに代えてソース2を合計15.5g注入した点、及び第1温度と第2温度を表2に記載の温度とした点以外は、試料1と同様の方法により副材を形成した。
試料3の製造において、工程Bが完了した直後、そのままの状態で室温下(25℃)に冷菓を2分間載置し、次の凍結工程に移行した。2分間載置した冷菓の上面を目視で観察したところ、ノズルの挿入穴は閉塞しており、上面から注入されたソースを視認することができなかったため、かかる2分間を載置する工程が閉塞工程として機能したことを確認した。
(試料4)
試料4の冷菓を製造した。冷菓基材について、オーバーラン値が96%となるように調整した点以外は、試料1と同様の方法により試料4の冷菓基材を得た。注入工程(工程A)において、ソース1の注入に、6本のノズルが配置された注入体に代えて4本のノズルが均等に配置された注入体を用いて、部位数4の副材を形成した点、及び第1温度と第2温度を表2に記載の温度とした点以外は、試料1と同様の方法により副材を形成した。
試料4の製造において、工程Bが完了した直後、そのままの状態で室温下(25℃)に冷菓を2分間載置し、次の凍結工程に移行した。2分間載置した冷菓の上面を目視で観察したところ、ノズルの挿入穴は閉塞しており、上面から注入されたソースを視認することができなかったため、かかる2分間を載置する工程が閉塞工程として機能したことを確認した。
(試料5)
試料5の冷菓を製造した。冷菓基材について、オーバーラン値が75%となるように調整した点以外は、及び注入工程における第1温度と第2温度を表2に記載の温度とした点以外は、試料4と同様の方法により試料5の冷菓を製造した。
試料5の製造において、工程Bが完了した直後、そのままの状態で室温下(25℃)に冷菓を2分間載置し、次の凍結工程に移行した。2分間載置した冷菓の上面を目視で観察したところ、ノズルの挿入穴は閉塞しており、上面から注入されたソースを視認することができなかったため、かかる2分間を載置する工程が閉塞工程として機能したことを確認した。
(試料6)
試料6の冷菓を製造した。冷菓基材について、オーバーラン値が95%となるように調整した点以外は、試料4と同様の方法により試料6の冷菓基材を得た。注入工程(工程A)において、ソース1の注入量を16.0gから15.0に変更し、ノズルの挿入深さを16.0mmから23.0mmに代えた点、及び第1温度と第2温度を表2に記載の温度とした点以外は、試料4と同様の方法により副材を形成した。
試料6の製造において、工程Bが完了した直後、そのままの状態で室温下(25℃)に冷菓を2分間載置し、次の凍結工程に移行した。2分間載置した冷菓の上面を目視で観察したところ、ノズルの挿入穴は閉塞しており、上面から注入されたソースを視認することができなかったため、かかる2分間を載置する工程が閉塞工程として機能したことを確認した。
[評価]
(上面観察)
上記のようにして得られた試料1~6の冷菓について、凍結工程後の冷菓を上下反転させ、副材の凍結点以上、冷菓基材の凍結点以下の温度である-10℃にて7日間保管した。ノズルの挿入穴からの副材が流出を観察し、下記の基準で評価した。表2に評価結果を示す。
A:ノズルの挿入穴からの副材の流出がない。
B:ノズルの挿入穴からの副材の流出がある。
(断面観察)
試料1~6の冷菓について、上面観察後、中心に縦断面(上面と底面に垂直な断面)を形成するように切断し、切断面を観察し下記の基準で評価した。表2に評価結果を示す。
A:冷菓の底面への副材の到達が視認されない。
B:冷菓の底面への副材の到達が視認される。
Figure 2023051216000003
100 冷菓、101 容器、102 冷菓基材、103 副材、201 ノズル。

Claims (7)

  1. 冷菓基材と、前記冷菓基材に内包されている副材と、を有する冷菓の製造方法であって、
    前記冷菓基材にノズルを挿入して、前記冷菓基材内に、前記副材を形成する副材用組成物を注入する注入工程と、
    前記ノズルを前記冷菓基材から抜き取る抜き取り工程と、
    前記冷菓基材の前記ノズルの挿入穴が閉塞するまで前記冷菓基材を載置する閉塞工程と、
    前記冷菓基材を-20℃以下の環境下に載置して凍結し前記冷菓を得る凍結工程と、
    をこの順に有する製造方法。
  2. 前記冷菓基材のオーバーラン値は100%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記注入工程において、前記副材用組成物の温度は0℃以上25℃以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記注入工程において、前記冷菓基材の上面から前記ノズルを挿入し、前記ノズルの挿入位置は前記冷菓基材の底面から10mm以上25mm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記注入工程において、一つの前記冷菓基材に対して複数本の前記ノズルが挿入される、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記閉塞工程は、前記冷菓基材を10℃以上30℃以下の環境下に載置する工程である、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記注入工程で注入される前記副材用組成物の質量は、前記凍結工程後の前記冷菓の質量を100とした場合に1以上30以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の冷菓の製造方法。
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