JP2023049424A - 計測装置及び計測装置の設置方法 - Google Patents

計測装置及び計測装置の設置方法 Download PDF

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慶吾 玉野
Keigo Tamano
陽兵 平
Yohei Taira
直樹 曽我部
Naoki Sogabe
一正 大窪
Kazumasa Okubo
進太郎 小嶋
Shintaro Kojima
貴行 十川
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Abstract

Figure 2023049424000001
【課題】コンクリート部材に加わる荷重をコンパクトな構成で光ファイバを用いて計測することができる計測装置及び計測装置の設置方法を提供する。
【解決手段】計測装置1は、計測対象のコンクリート部材の内部に設置され、周囲のコンクリート部材からの軸方向D1に沿う荷重を径方向D2に沿う変位に変換する荷重変換部20と、変位が生じる荷重変換部20の側面24bに沿って巻き回された光ファイバケーブル30と、光ファイバケーブル30のひずみを計測すると共に、計測された光ファイバケーブル30のひずみと荷重変換部20の荷重から変位への変換特性とに基づいて、荷重を取得する荷重演算部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、計測装置及び計測装置の設置方法に関する。
従来、コンクリート部材に生じるひずみを計測する計測装置として、特許文献1に記載の光ファイバセンサが知られている。この光ファイバセンサは、光ファイバと、応力を光ファイバのひずみに変換する変換部と、ひずみに伴う光ファイバの後方散乱光の変化を検出する検出部とを備えている。変換部は弾性体からなり、直線状をなしている。弾性体に応力が作用して生じる変形に光ファイバが追従し、光ファイバにひずみが生ずるようになっている。
特開2006-38794号公報
ところで、コンクリート部材に埋設するひずみ計測用の光ファイバを利用して、弾性部材に光ファイバを貼り付けて設置し、コンクリート部材に生じる荷重を取得することが試みられている。光ファイバでのひずみ計測においては、計測の特性上、光ファイバ上の複数の位置のひずみ(計測値)を平均化することが要される。そのため、この複数の位置同士の距離である検長長さ(空間分解能)を考慮して光ファイバを設置する必要がある。従来技術のように弾性部材が直線状である場合、必要な計測点数を確保するには弾性部材の全長が長くなってしまい、コンクリート部材への配置が困難となるおそれがある。また、弾性部材の全長を変えずに検長長さを極端に短くして距離あたりの計測点数を増やすと、これにつられて当該光ファイバの他の部分の距離あたりの計測点数が過剰となり、全体のデータ量が膨大になるおそれがある。
そこで、本発明は、コンクリート部材に加わる荷重をコンパクトな構成で光ファイバを用いて計測することができる計測装置及び計測装置の設置方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、コンクリート部材に加わる荷重を計測する計測装置であって、計測対象のコンクリート部材の内部に設置され、周囲のコンクリート部材からの第1方向に沿う荷重を第1方向に交差する第2方向に沿う変位に変換する荷重変換部と、変位が生じる荷重変換部の変位面に沿って巻き回された光ファイバと、光ファイバのひずみを計測すると共に、計測された光ファイバのひずみと荷重変換部の荷重から変位への変換特性とに基づいて荷重を取得する荷重演算部と、を備える。
この計測装置では、計測対象のコンクリート部材の内部に設置された荷重変換部に、周囲のコンクリート部材からの第1方向に沿う荷重が加わると、荷重変換部の変位面が第2方向に沿って変位する。荷重変換部の変位面には光ファイバが巻き回されているため、荷重変換部の変位面が変位すると、光ファイバにひずみが生じる。ここで、第1方向に沿う荷重を第2方向に沿う変位に変換する荷重変換部の特性を用いることで、変位面の変位から第1方向に沿う荷重を取得することが可能である。この変位面の変位は、計測された光ファイバのひずみに基づいて求めることができる。また、光ファイバが変位面に巻き回されているため、巻き回されない直線状の配置と比べて、同じ計測点数を確保するための荷重変換部の第1方向の寸法が短くて済む。したがって、計測装置によれば、コンクリート部材に加わる荷重をコンパクトな構成で光ファイバを用いて計測することが可能となる。
一実施形態において、荷重変換部は、第1方向に沿う荷重を受ける底面と変位面である側面とを有する柱状の弾性部材を含み、荷重演算部は、荷重変換部の変換特性として弾性部材の弾性係数とポアソン比とに基づいて荷重を算出してもよい。この場合、弾性部材の弾性係数とポアソン比とが既知であれば、このような変換特性を用いることで、側面の変位から底面で受けた荷重を容易に取得することができる。
一実施形態において、荷重変換部は、複数の弾性部材と、隣り合う弾性部材に挟まれる板部材と、を含み、弾性部材と板部材とは、第1方向に沿って交互に積層されていてもよい。この場合、例えば荷重変換部全体の第1方向に沿う寸法が同じ条件であれば、ひとつの弾性部材で荷重変換部が構成される場合と比べて、複数の弾性部材と板部材とが第1方向に沿って交互に積層されている構成の方が、弾性部材ひとつあたりの第1方向に沿う寸法が小さくなる。これにより、弾性部材ひとつあたりの側面の変位が小さくなるため、側面の変位の大きさが第1方向に沿ってばらつくことを抑制することができる。
一実施形態において、計測装置は、変位面及び光ファイバを覆うように設けられた緩衝部材を更に備えてもよい。この場合、緩衝部材が変位面及び光ファイバを覆っているため、緩衝部材の厚さ分の変位面及び光ファイバの変位が許容される。よって、変位面及び光ファイバの変位が妨げられて荷重の計測に影響することを抑制することができる。
一実施形態において、荷重変換部は、荷重変換部から離れる方向の荷重を受ける引張荷重受け部を含んでもよい。この場合、引張荷重受け部により、荷重変換部から離れる方向の荷重が引張荷重として荷重変換部に伝達される。これにより、コンクリート部材に加わる引張荷重を光ファイバを用いて計測することが可能となる。
本発明の他の態様は、コンクリート部材に加わる荷重を計測する計測装置の設置方法であって、上記の計測装置を準備するステップと、第1方向に沿う荷重を予め付与した状態で計測装置を埋設するようにコンクリートを打設するステップと、を備えてもよい。この場合、第1方向に沿う荷重を予め付与した状態で計測装置が埋設されるため、コンクリート部材に加わる引張荷重を好適に計測することができる。
本発明によれば、コンクリート部材に加わる荷重を光ファイバを用いてコンパクトな構成で計測することができる。
実施形態に係る計測装置を示す概略構成図である。 図1の計測装置の要部を示す概略構成図である。 (a)図2の弾性部材の表面近傍の断面図である。(b)変形例の弾性部材の表面近傍の断面図である。 光ファイバの巻回し諸元を説明するための図である。 図2の弾性部材による荷重から変位への変換を説明するための図である。 計測装置の変形例を示す概略構成図である。 (a)図6の計測装置の内部を例示する断面図である。(b)図6の計測装置の内部の他の例を示す断面図である。 計測装置の設置方法を例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る計測装置の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。
図1は、実施形態に係る計測装置を示す概略構成図である。計測装置1は、コンクリート構造物(コンクリート部材)Sに加わる荷重を計測する装置である。コンクリート構造物Sとしては、例えば、トンネルの覆工コンクリート(トンネル周方向)、PC箱桁、ダムコンクリート等の構造物が挙げられる。
計測装置1は、コンクリート構造物Sに埋設される応力抑制容器10と、応力抑制容器10の内部に設けられた荷重変換部20と、応力抑制容器10から延び出す線状の光ファイバケーブル(光ファイバ)30と、光ファイバケーブル30の端部に設けられた荷重演算部40と、を備えている。なお、図の理解の容易化のため、図1においてコンクリート構造物Sに対応するハッチングを省略している。
応力抑制容器10は、荷重変換部20と光ファイバケーブル30の一部とを収容する容器である。応力抑制容器10は、コンクリート構造物Sにおいて、荷重の計測を要する箇所に配置される。応力抑制容器10は、コンクリート構造物Sにおいて複数箇所に設けられていてもよい。応力抑制容器10は、外部のコンクリートS1から内部のコンクリートS2への応力の伝達を抑制する。応力抑制容器10は、樹脂又は金属等の硬質材料からなっている。応力抑制容器10は、円筒等の筒状であってもよいし、有蓋箱状であってもよい。応力抑制容器10の寸法は、特に限定されないが、一例として、応力抑制容器10の軸方向D1(第1方向)の長さが200mm程度とすることができる。
応力抑制容器10の内部には、周囲(外部)のコンクリートS1と同様のコンクリートS2が打設されている。コンクリートS2は、外部のコンクリートS1と同じ材料とされ、同じ材齢とされている。応力抑制容器10の内壁面には、外部のコンクリートS1から内部のコンクリートS2への応力の伝達を抑制するための緩衝材(図示省略)が取り付けられている。緩衝材としては、例えば、濾紙、ポーラスシート、金網、及びフェルトがこの順で内側から外側に積層されていてもよい。これにより、外部のコンクリートS1と内部のコンクリートS2とがいわゆる縁切りされ、応力抑制容器10の軸方向に交差する方向の応力が伝達されることが抑制される。
荷重変換部20は、計測対象の応力抑制容器10内部のコンクリートS2の内部に設置されている。荷重変換部20は、コンクリートS2からの荷重を一方側の端面21及び他方側の端面22に作用させるように、その軸方向が軸方向D1に沿うように配置されている。荷重変換部20には、一方側の端面21にアンカ23が設けられていてもよい。アンカ23は、内部のコンクリートS2からの荷重として荷重変換部20から離れる方向の荷重を受ける引張荷重受け部として機能する。なお、引張荷重受け部としては、アンカ23に代えて、応力抑制容器10の軸方向に交差する方向に突出する部分を含むフランジであってもよい。荷重変換部20の詳細な構成については、後述する。
応力抑制容器10の両端部には、例えば、光ファイバケーブル30が挿通される貫通孔が設けられている。応力抑制容器10の一方側から引き込まれた光ファイバケーブル30は、荷重変換部20に螺旋状に取り付けられ(詳しくは後述)、応力抑制容器10の他方側から引き出される。応力抑制容器10の両端から延び出す光ファイバケーブル30は、例えば、コンクリート構造物Sの内部の構造用鉄筋(図示省略)に沿うように配置されている。
応力抑制容器10の両端から延び出した光ファイバケーブル30は、コンクリート構造物Sの外部で荷重演算部40に接続されている。荷重演算部40は、光ファイバケーブル30のひずみを計測する。応力抑制容器10の内部の光ファイバケーブル30は、コンクリートS2に加わる荷重の計測に用いられる。荷重演算部40は、計測された光ファイバケーブル30のひずみ(特に荷重変換部20に沿う光ファイバケーブル30のひずみ)と、後述の荷重変換部20の変換特性とに基づいて、内部のコンクリートS2からの荷重を取得する。応力抑制容器10の外部の光ファイバケーブル30は、コンクリートS1に作用する全ひずみの計測に用いることができる。つまり、1本の光ファイバケーブル30で、荷重及びコンクリート構造物Sの内部のコンクリートの全ひずみを計測できる。
荷重演算部40は、計測器と分析装置とを含む。計測器は、光ファイバケーブル30に計測光K1を入射するとともに、光ファイバケーブル30の長手方向の各計測位置から戻ってくる後方散乱光K2を受光し、受光した後方散乱光K2の強度や波長等に関する情報を分析装置(図示省略)に送信する。上記の散乱光としては、レイリー散乱光、ブリルアン散乱光等がある。計測器の例として、例えばレイリー散乱光を利用するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)やブリルアン散乱光を利用するBOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)等を用いることができる。
分析装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory、及びRAM(Random Access Memory)等を含んで構成されたコンピュータである。CPUは、ROMに格納された制御プログラムに基づいて、分析装置を制御する。RAMは、CPUがROMに格納された制御プログラムを実行する際のワークメモリとして機能する。分析装置では、後方散乱光K2の強度や波長が、光ファイバケーブル30に加わったひずみ等に依存するとの原理に基づき、光ファイバケーブル30の長手方向の各計測位置における後方散乱光K2の強度や波長が分析される。この分析により、光ファイバケーブル30の長手方向の各計測位置のひずみが取得され、その結果、光ファイバケーブル30に加わった長手方向のひずみ分布が得られる。
図2は、図1の計測装置の要部を示す概略構成図である。図2に示されるように、荷重変換部20は、弾性部材24と、弾性部材24を囲む緩衝部材25と、緩衝部材25を囲むカバー部材26と、を有している。
荷重変換部20は、周囲のコンクリートS1からの軸方向D1に沿う荷重を、荷重変換部20の径方向D2に沿う変位に変換する。径方向D2は、軸方向D1に交差する第2方向である。弾性部材24は、このような軸方向D1に沿う荷重を径方向D2に沿う変位に変換する機能を有する。弾性部材24は、柱状をなしており、底面24aと側面24bとを有している。底面24aは、応力抑制容器10の軸方向D1(第1方向)に沿う荷重を受ける。側面24bは、軸方向D1に沿う荷重に応じて径方向D2に沿って変位する変位面である。底面24aには、コンクリートS2から軸方向D1に沿う荷重を受けて底面24aに伝達するための荷重受け部材(図示省略)が設けられていてもよい。
弾性部材24は、弾性係数及びポアソン比が既知(例えば比例関係)であり、経時的変化が十分に小さい材料で構成されている。弾性部材24は、ポアソン比が比較的大きい材料であることが好ましく、例えばゴムで構成されている。弾性部材24がゴム製の場合、一例として、ヤング係数は0.1~10kN/mm、ポアソン比は0.5程度であってもよい。弾性部材24は、クリープ及び収縮などの経時的変化が既知であってもよい。つまり、弾性部材24の弾性係数及びポアソン比は、軸方向D1に沿う荷重を径方向D2に沿う変位に変換する荷重変換部20の特性である。なお、弾性部材24の材料は、ゴムのほか、例えば金属材料、樹脂材料であってもよい。
弾性部材24では、光ファイバケーブル30が弾性部材24の側面24bに沿って巻き回されている。図3は、図2の弾性部材の表面近傍の断面図である。図3(a)に示されるように、光ファイバケーブル30は、弾性部材24の側面24bに接着されていてもよい。あるいは、図3(b)に示されるように、光ファイバケーブル30は、弾性部材24の側面24bに形成された溝の底に接着されていてもよい。
図4は、光ファイバの巻回し諸元を説明するための図である。図4において、Rは光ファイバケーブル30の巻回し部分の半径であり、θは光ファイバケーブル30の巻回し部分の側面視での径方向D2に対する光ファイバケーブル30の角度であり、Hは光ファイバケーブル30の巻回し部分の1巻き分の軸方向D1の長さである。
光ファイバケーブル30は、全体として円筒状の外径をなすように螺旋状に巻き回されている。光ファイバケーブル30の巻回し部分の直径(2R)は、光ファイバケーブル30の最小曲げ半径を20mmと仮定した場合、例えば40mm~50mm程度とすることができる。光ファイバケーブル30の巻回し部分の軸方向D1の全長(Hの巻き数倍の長さ)は、荷重変換部20での光ファイバケーブル30の計測点数を考慮して決定され、例えば50mm程度とすることができる。θは、上述のR及びHに応じて設定され、例えば10°となる。
このような諸元での有効計測点は、例えば空間分解能10cmでデータ取得間隔5cmの場合、15プロット程度となる。また、ひずみ計測精度が1μ(10-6)であり、ヤング係数が10000N/mmであるとすると、ひずみを軸方向D1に換算した場合の計測感度は、0.058N/mmであり、ひずみを径方向D2に換算した場合の計測感度は、0.020N/mmである。このように、光ファイバケーブル30を弾性部材24に螺旋状に設置することで、例えば、荷重の計測に必要な光ファイバケーブル30の長さに対して弾性部材24の軸方向D1の長さが短い場合であっても、有意な複数の計測点を設定することができる。
図2に戻り、弾性部材24の側面24bは、緩衝部材25で覆われている。緩衝部材25は、側面24bに沿って巻き回された光ファイバケーブル30を覆っている。つまり、緩衝部材25は、変位面及び光ファイバケーブル30を覆うように設けられている。緩衝部材25は、例えば弾性部材24と同程度の軸方向D1の寸法とされている。緩衝部材25の径方向D2の厚さは、弾性部材24のポアソン比に従った変形を拘束しない程度の寸法とされている。緩衝部材25は、光ファイバケーブル30を保護及び固定する部材としての機能も有する。緩衝部材25は、荷重変換部20よりも軟質な材料で構成されている。緩衝部材25は、一例として、スポンジを用いることができる。
緩衝部材25の側面は、カバー部材26で包囲されている。カバー部材26は、荷重変換部20の外形を保持するための部材である。カバー部材26は、例えば円筒状部材であり、弾性部材24と同程度の軸方向D1の寸法とされている。カバー部材26の外径は、応力抑制容器10の内部に収容可能な外径であってもよい。カバー部材26は、緩衝部材25よりも硬質な材料で構成されている。カバー部材26としては、例えば、塩化ビニル製のパイプ等を用いることができる。
図5は、図2の弾性部材による荷重から変位への変換を説明するための図である。図5に示されるように、コンクリートS2から荷重変換部20の底面24aに軸方向D1に沿う荷重が作用すると、側面24bが径方向D2に膨らむ。これにより、弾性部材24の形状は、全体として俵状を呈する。弾性部材24とカバー部材26との間に緩衝部材25が介在するため、側面24bは、周囲のコンクリートS2及びカバー部材26に拘束を受けることなく、径方向D2に膨らむことができる。これにより、側面24bは、弾性係数及びポアソン比の関係に従った関係で径方向D2に変位し、光ファイバケーブル30を径方向D2に沿って押し広げる。光ファイバケーブル30には、底面24aが受ける軸方向D1に沿う荷重に応じたひずみが生じる。
ここで、応力抑制容器10の内部のコンクリートS2は、周囲のコンクリートS1と応力抑制容器10によって縁切りされているので、周囲のコンクリートS1からの応力の影響が低減された状態で、底面24aが軸方向D1に沿う荷重を受ける。光ファイバケーブル30で計測されるひずみは、実質的にコンクリートS2での軸方向D1に沿う荷重のみに相当する。したがって、荷重演算部40によって、コンクリート構造物S全体に設置される光ファイバケーブル30の一部区間である荷重変換部20に巻き回された光ファイバケーブル30のひずみから、弾性部材24の弾性係数及びポアソン比(荷重変換部20の変換特性)を介して、底面24aが受けている軸方向D1に沿う荷重が算出される。
以上説明したように、本実施形態に係る計測装置1では、計測対象のコンクリートS2の内部に設置された荷重変換部20に、応力抑制容器10の軸方向D1(第1方向)に沿う荷重が周囲のコンクリートS2から加わると、荷重変換部20の変位面である側面24bが荷重変換部20の径方向D2(第2方向)に沿って変位する。荷重変換部20の側面24bには光ファイバケーブル30が巻き回されているため、荷重変換部20の側面24bが変位すると、光ファイバケーブル30にひずみが生じる。ここで、軸方向D1に沿う荷重を第2方向に沿う変位に変換する荷重変換部20の特性を用いることで、側面24bの変位から軸方向D1に沿う荷重を取得することが可能である。この側面24bの変位は、計測された光ファイバケーブル30のひずみに基づいて求めることができる。また、光ファイバケーブル30が側面24bに巻き回されているため、巻き回されない直線状の配置と比べて、同じ計測点数を確保するための荷重変換部20の軸方向D1の寸法が短くて済む。換言すれば、空間分解による必要計測長が見かけ上短縮される。したがって、計測装置1によれば、コンクリートS2に加わる荷重をコンパクトな構成で光ファイバケーブル30を用いて計測することが可能となる。
なお、荷重計測用の光ファイバとして、コンクリート構造物Sに埋設するひずみ計測用の光ファイバケーブル30を利用することで、光ファイバケーブル30を用いたひずみ計測で荷重まで含めたいわゆる連続的計測が可能となる。また、ひずみ計測用の光ファイバケーブル30とは別に、従来のロードセル型の荷重計を準備しなくても済むため、コンクリートS2に作用する荷重(応力)を簡便に計測することができる。また、長尺の弾性部材に光ファイバを貼り付ける場合と比べて、荷重を計測するための部材が小型となるため、コンクリートS2内部への配置についての制約が小さくなる。
計測装置1では、荷重変換部20は、軸方向D1に沿う荷重を受ける底面24aと側面24bとを有する柱状の弾性部材24を含んでいる。荷重演算部40は、荷重変換部20の変換特性として弾性部材24の弾性係数とポアソン比とに基づいて荷重を算出する。これにより、弾性部材24の弾性係数とポアソン比とが既知であり、例えば比例関係にある場合、このような変換特性を用いることで、側面24bの変位から底面24aで受けた荷重を容易に取得することができる。
計測装置1では、計測装置1は、側面24b及び光ファイバケーブル30を覆うように設けられた緩衝部材25を更に備えている。これにより、緩衝部材25が側面24b及び光ファイバケーブル30を覆っているため、緩衝部材25の厚さ分の側面24b及び光ファイバケーブル30の変位が許容される。よって、側面24b及び光ファイバケーブル30の変位が妨げられて荷重の計測に影響することを抑制することができる。
計測装置1では、荷重変換部20は、荷重変換部20から離れる方向の荷重を受けるアンカ23を含んでいる。アンカ23により、荷重変換部20から離れる方向の荷重が引張荷重として荷重変換部20に伝達される。これにより、コンクリートS2に加わる引張荷重を光ファイバケーブル30を用いて計測することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。
荷重変換部20の構成は、上述の例に限定されない。例えば、図6に示されるような荷重変換部20Aの構成であってもよい。図6は、計測装置の変形例を示す概略構成図である。荷重変換部20Aは、複数の弾性部材27と、隣り合う弾性部材27に挟まれる板部材28と、を含んでいる。弾性部材27と板部材28とは、軸方向D1に沿って交互に積層され、いわゆる積層ゴム支承のように構成されている。複数の弾性部材27及び板部材28は、例えば、荷重変換部20A全体の軸方向D1に沿う寸法が弾性部材24の全長と同等とされ、その両端には弾性部材27がそれぞれ配置されている。
弾性部材27及び板部材28のそれぞれは、例えば互いに接着されている。そのため、弾性部材27と板部材28との接合面では、弾性部材27が板部材28に対して径方向D2には変位しない。弾性部材27は、ポアソン比が板部材28よりも高い材料で構成され、例えばゴム製の円柱材である。板部材28は、ポアソン比が弾性部材27よりも小さい材料で構成され、例えば円盤状の鋼板である。
このような複数の弾性部材27と板部材28とが軸方向D1に沿って交互に積層されている構成によれば、軸方向D1の荷重の主たる検知部位が複数の弾性部材27に分割されることで、ひとつの弾性部材24で荷重変換部20が構成される場合と比べて、弾性部材27ひとつあたりの軸方向D1に沿う寸法が小さくなる。また、弾性部材27の底面27aが軸方向D1の荷重を受けると、弾性部材27の側面27bが径方向D2に変位するところ、軸方向D1の荷重は、複数の弾性部材27に分散される。よって、ひとつの弾性部材27について見れば、弾性部材27の俵形状の側方への膨らみが、弾性部材24の俵形状の側方への膨らみよりも小さくなるため、弾性部材27と板部材28との接合面を基準にした側面27bの径方向D2への変位の大きさは、上記実施形態の弾性部材24の底面24aを基準にした側面24bの径方向D2への変位の大きさよりも小さくなる。つまり、側面27bの変位の大きさが軸方向D1に沿ってばらつくことを抑制することができる。これにより、側面27bの変位に伴って生じる光ファイバケーブル30のひずみの大きさが、軸方向D1に沿って平準化され、光ファイバケーブル30の複数の計測点でのひずみ値のばらつきを抑えることができる。
なお、弾性部材27が板部材28に対して接着されることに加えて又は代えて、弾性部材27と板部材28との相対移動を抑制する部材を設けてもよい。図7(a)は、図6の計測装置の内部を例示する断面図である。図7(b)は、図6の計測装置の内部の他の例を示す断面図である。図7(a)の例では、弾性部材27側に突出する突起28aが、それぞれの板部材28の中央部に設けられている。それぞれの突起28aにより、弾性部材27と板部材28との相対移動が抑制される。図7(b)の例では、弾性部材27及び板部材28の中央部を貫通する棒材29が設けられている。この棒材29によっても、弾性部材27と板部材28との相対移動が抑制される。
上記実施形態の荷重変換部20は、内部のコンクリートS2からの荷重として荷重変換部20から離れる方向の引張荷重を計測可能となっていたが、引張荷重の計測をより好適とする計測装置1の設置方法について説明する。
計測装置1の設置方法は、計測装置1を準備するステップと、軸方向D1に沿う荷重を予め付与した状態で計測装置1を埋設するようにコンクリートS2を打設するステップと、を備える。軸方向D1に沿う荷重を予め付与した状態とは、軸方向D1に沿う荷重に応じて(ポアソン効果によって)径方向D2に沿って側面24bが予め変位しており、光ファイバケーブル30にも側面24bの変位に応じたひずみが生じている状態(初期状態)を意味する。軸方向D1に沿う荷重を予め付与するために、例えば図8で示されるように、計測装置1を埋設するようにコンクリートS2を打設する前に、計測装置1に圧縮荷重を付与する与圧装置50を用いてもよい。この場合、与圧装置50が圧縮荷重を付与する方向が軸方向D1に相当する。与圧装置50が圧縮荷重を付与した状態で計測装置1を設置予定位置に配置し、その後、コンクリートS2を打設することで、計測装置1がコンクリートS2に埋設された状態となる。これにより、コンクリートS2に加わる引張荷重を好適に計測することができる。
その他の変形例について説明する。上記実施形態及び変形例では、荷重変換部20(すなわち弾性部材24、緩衝部材25、及びカバー部材26)は、全体として円柱状であったが、これに限定されない。その他の柱状でもよいし、他の形状(例えば錐状)であってもよい。
上記実施形態では、荷重変換部20は、ゴム製の円柱部材である弾性部材24を用いて、軸方向D1に沿う荷重を径方向D2に沿う変位に変換したが、これに限定されない。つまり、周囲のコンクリート部材からの第1方向に沿う荷重を第1方向に交差する第2方向に沿う変位に変換し、荷重変換部の荷重から変位への変換特性が既知であれば、他の構成の荷重変換部を採用できる。そのような荷重変換部の一例として、荷重変換部は、周囲のコンクリート部材からの第1方向に沿う荷重を受けて第1方向に沿って変位可能に設けられた部材と、当該部材の第1方向に沿う変位を機械的に第1方向に交差する第2方向に沿う変位に変換する変換機構と、を備えて構成されていてもよい。変換機構は、例えばカム等を用いた所定の変換特性で動作する機構を含んでもよい。この場合、例えば、ばね係数が既知の渦巻きばね等を用いて、第1方向に沿う荷重に対するカムの動作を介した変形(第2方向に沿う変位)が比例関係になるように構成することで、その変形量に基づいてコンクリートS2に加わる荷重を計測することができる。
上記実施形態では、弾性部材24の側面24bは、緩衝部材25で覆われていたが、側面24bの一部が覆われてもよい。要は、弾性部材24のポアソン比に従った変形を拘束しない構成であればよく、側面24bのうち光ファイバケーブル30が設けられていない範囲において側面24bとカバー部材26との間隙を保持する間隙保持部材であってもよい。なお、緩衝部材25が省かれてもよい。
上記実施形態では、応力抑制容器10の内壁面に緩衝材が設けられていたが、必須ではない。また、応力抑制容器10を用いていたが必須ではなく、応力抑制容器10を省いてもよい。
上記実施形態では、荷重演算部40は、荷重変換部20の変換特性として弾性部材24の弾性係数とポアソン比とに基づいて荷重を算出したが、弾性係数及びポアソン比は必須ではない。例えば、荷重演算部40は、荷重変換部20の変換特性として、予めキャリブレーションを行って設定した係数を用いて荷重を算出してもよい。この場合、弾性部材24の弾性係数及びポアソン比は、既知でなくてもよい。
1…計測装置、20,20A…荷重変換部、24,27…弾性部材、24a,27a…底面、24b,27b…側面、25…緩衝部材、28…板部材、30…光ファイバケーブル(光ファイバ)、40…荷重演算部、D1…軸方向(第1方向)、D2…径方向(第2方向)、S…コンクリート構造物(コンクリート部材)、S2…コンクリート(コンクリート部材)。

Claims (6)

  1. コンクリート部材に加わる荷重を計測する計測装置であって、
    計測対象の前記コンクリート部材の内部に設置され、周囲の前記コンクリート部材からの第1方向に沿う荷重を前記第1方向に交差する第2方向に沿う変位に変換する荷重変換部と、
    前記変位が生じる前記荷重変換部の変位面に沿って巻き回された光ファイバと、
    前記光ファイバのひずみを計測すると共に、計測された前記光ファイバのひずみと前記荷重変換部の前記荷重から前記変位への変換特性とに基づいて前記荷重を取得する荷重演算部と、を備える、計測装置。
  2. 前記荷重変換部は、前記第1方向に沿う荷重を受ける底面と前記変位面である側面とを有する柱状の複数の弾性部材と、隣り合う前記弾性部材に挟まれる板部材と、を含み、
    前記弾性部材と前記板部材とは、前記第1方向に沿って交互に積層されている、請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記変位面及び前記光ファイバを覆うように設けられた緩衝部材を更に備える、請求項1又は2に記載の計測装置。
  4. 前記荷重変換部は、前記荷重変換部から離れる方向の前記荷重を受ける引張荷重受け部を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の計測装置。
  5. 前記荷重変換部は、前記第1方向に沿う荷重を受ける底面と前記変位面である側面とを有する柱状の弾性部材を含み、
    前記荷重演算部は、前記荷重変換部の変換特性として前記弾性部材の弾性係数とポアソン比とに基づいて前記荷重を算出する、請求項1~4の何れか一項に記載の計測装置。
  6. コンクリート部材に加わる荷重を計測する計測装置の設置方法であって、
    請求項4に記載の計測装置を準備するステップと、
    前記第1方向に沿う荷重を予め付与した状態で前記計測装置を埋設するようにコンクリートを打設するステップと、を備える、計測装置の設置方法。
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