JP2023049252A - 積層コイル部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな構成で、所望の特性が容易に実現され得る積層コイル部品を提供する。【解決手段】積層コイル部品1においてコイル10は、素体2の内部に配置されている。コイル10は、複数のコイル導体7を含んでいる。複数のコイル導体7は、第一、第二、及び第三端部21,22を含んでいる。第一、第二、及び第三端部21,22は、第一面2aにおいて素体2から露出して第一外部電極4に連結されている。第一、第二、及び第三端部21,22は、第一面2aに沿っていると共に第一方向に直交する第二方向から見て、第一方向において順に並んでいる。第一端部21と第三端部23とは、少なくとも一部において、第一方向から見て互いに重なっている。第一端部21及び第三端部23の各々が、第一方向から見て、第二端部22と重なっていない領域を有している。【選択図】図2
Description
本発明は、積層コイル部品に関する。
素体と、素体の内部に配置されているコイルと、コイルを介して互いに電気的に接続されている一対の外部電極と、を備えている積層コイル部品が知られている(たとえば、特許文献1)。素体は、第一及び第二面を含んでいる。コイルは、互いに電気的に接続されている複数のコイル導体を含んでいる。一対の外部電極は、第一面に設けられている第一外部電極と、第二面に設けられている第二外部電極とを含んでいる。複数のコイル導体は、第一面において素体から露出して第一外部電極に連結されている複数の端部を含んでいる。これらの端部は、第一面に沿っていると共に第一方向に直交する第二方向から見て、第一方向に並んでいる。
上述したように、積層コイル部品において、互いに電気的に接続された複数の端部を設けることが考えられている。この場合、複数のコイル導体によって構成されるコイルの直流抵抗が低減され得る。しかし、複数の端部が第一方向から見て重なっている場合には、各端部を通る電流によって近接効果が生じ、積層コイル部品の特性が劣化するおそれがある。たとえば、一方の端部を流れる電流によって生じた磁場が他方の端部を流れる電流に影響を及ぼすおそれがある。複数の端部が第一方向から見て重なっている場合、端部において浮遊容量が発生し、この浮遊容量によって自己共振周波数(SRF)が低下するおそれもある。
上記のような複数の端部が近接していることによる弊害を抑制するために、端部間の距離を離すことが考えられる。しかしながら、第一方向において端部間の距離が離れるほど、積層コイル部品のコンパクト化が図られ難い。第二方向において端部間の距離が離れるほど、端部を含むコイル導体間の電流経路差が大きくなる。コイル導体間の電流経路差が大きければ、積層コイル部品の特性が低下するおそれがある。例えば、コイル導体間の電流経路差が大きいほど、コイル導体における直流抵抗が高くなる。したがって、コイル導体間の電流経路差に応じて、積層コイル部品全体の特性も変化するおそれがある。
本発明の一つの態様は、コンパクトな構成で、所望の特性が容易に実現され得る積層コイル部品を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様における積層コイル部品は、素体と、コイルと、一対の外部電極とを備えている。素体は、第一及び第二面を含んでいる。コイルは、素体の内部に配置されている。コイルは、複数のコイル導体を含んでいる。複数のコイル導体は、第一方向に積層され且つ互いに電気的に接続されている。一対の外部電極は、互いに離間して素体の外表面に配置されている。一対の外部電極は、複数のコイル導体を介して互いに電気的に接続されている。一対の外部電極は、第一外部電極と、第二外部電極とを含んでいる。第一外部電極は、第一面に設けられている。第二外部電極は、第二面に設けられている。複数のコイル導体は、第一面において素体から露出して第一外部電極に連結されている。複数のコイル導体は、第一、第二、及び第三端部を含んでいる。第一、第二、及び第三端部は、第一面に沿っていると共に第一方向に直交する第二方向から見て、第一方向において順に並んでいる。第一端部と第三端部とは、少なくとも一部において、第一方向から見て互いに重なっている。第一端部及び第三端部の各々が、第一方向から見て、第二端部と重なっていない領域を有している。
この積層コイル部品において、第一端部と第三端部とは、少なくとも一部において、第一方向から見て互いに重なっているため、積層コイル部品のコンパクト化が図られると共に、コイル導体間の電流経路差も縮小され得る。コイル導体間の電流経路差が縮小されれば、所望の特性が容易に確保され得る。第一端部及び第三端部の各々は、第一方向から見て、第二端部と重なっていない領域を有しているため、端部を通る電流による近接効果、及び、端部における浮遊容量の発生が抑制され得る。したがって、コンパクトな構成において、所望の特性が容易に実現され得る。
上記一つの態様において、第二端部は、第一方向から見て、第一端部と重なっていない領域と、第三端部と重なっていない領域とを含んでいてもよい。この場合、第一及び第三端部と第二端部との間における近接効果、及び、第二端部における浮遊容量がさらに低減され得る。
上記一つの態様において、第二端部は、第一方向から見て、第一端部及び第三端部の双方と重なっていない領域を有していてもよい。この場合、積層コイル部品は、第一方向から見て第一端部と第三端部とが重なる領域が比較的大きくなるように構成され得る。したがって、積層コイル部品のコンパクト化が図られると共に、コイル導体の電流経路のばらつきが縮小され得る。コイル導体の電流経路のばらつきが縮小されれば、所望の特性がさらに容易に確保され得る。
上記一つの態様において、複数のコイル導体は、第一コイル導体と、第二コイル導体と、第三コイル導体とを含んでいてもよい。第一コイル導体は、第一端部を含んでいてもよい。第二コイル導体は、第二端部を含んでいてもよい。第三コイル導体は、第三端部を含んでいてもよい。第一及び第三コイル導体の電流経路の長さは、第二コイル導体の電流経路の長さよりも短くてもよい。この場合、第一、第二、及び、第三端部のうち、第一、及び、第三端部の電流経路が第二端部の電流経路に比べて縮小されている。したがって、第一、第二、及び、第三端部を含む複数のコイル導体の直流抵抗がより低減され得る。
上記一つの態様において、第一コイル導体は、第一コイル導体と第一外部電極とが連結する連結部分から、第一及び第二方向に交差する第三方向に直線状に延在していてもよい。この場合、第一端部の電流経路が最短に構成され得る。
上記一つの態様において、コイルは、第一方向に延在するコイル軸を有していてもよい。第二方向において、第二端部とコイル軸との最短距離は、第一端部とコイル軸との最短距離よりも小さくてもよい。この場合、積層コイル部品のコンパクト化が図られながら、第二端部の配置スペースが確保され得る。
上記一つの態様において、第一端部及び第三端部は、それぞれ、第一方向から見て、第二端部と重なっていなくてもよい。この場合、第一及び第三端部と第二端部との間における近接効果、及び、第二端部における浮遊容量がさらに低減され得る。
上記一つの態様において、複数のコイル導体は、第一導体グループと、第二導体グループとを含んでいてもよい。第一導体グループは、第一面において素体から露出して第一外部電極に連結されている複数の端部を含んでいてもよい。第二導体グループは、第二面において素体から露出して第二外部電極に連結されている少なくとも1つの端部を含んでいてもよい。第一導体グループは、第一端部、第二端部、及び、第三端部を含んでいてもよい。第二導体グループに含まれる端部の数は、第一導体グループに含まれる端部の数よりも少なくてもよい。この場合、第二導体グループに含まれる端部の数と、第一導体グループに含まれる端部の数とが異なる構成によって、所望の磁路長が確保され得る。第二導体グループに含まれる端部の数が、第一導体グループに含まれる端部の数よりも少ないため、第二導体グループにおける近接効果、及び、浮遊容量の影響が容易に低減され得る。
上記一つの態様において、第二導体グループにおける端部の数は、1つであってもよい。この場合、第二導体グループに含まれる端部の数が1つであるため、第二導体グループにおいて近接効果が生じず、及び、端部における浮遊容量の影響もさらに低減され得る。
上記一つの態様において、複数のコイル導体は、第四端部をさらに含んでいてもよい。第四端部は、第一面において素体から露出して第一外部電極に連結されている。第一、第二、第三、及び第四端部は、第二方向から見て、第一方向において順に並んでいてもよい。第二端部と第四端部とは、少なくとも一部において、第一方向において互いに重なっていてもよい。第二端部及び第四端部の各々が、第一方向から見て、第三端部と重なっていない領域を有していてもよい。この場合、第一面において素体から露出する端部が4つ以上であっても、コンパクト化が図られていると共に所望の特性が容易に実現され得る。
本発明の一つの態様は、コンパクトな構成で、所望の特性が容易に実現され得る積層コイル部品を提供する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
まず、図1から図5を参照して、本実施形態における積層コイル部品1の概略構成を説明する。図1は、本実施形態における積層コイル部品1の斜視図である。図2から図4は、本実施形態における積層コイル部品1の断面図である。図2は、積層コイル部品のII-II線における断面図である。図3は、積層コイル部品のIII-III線における断面図である。図4は、積層コイル部品のIV-IV線における断面図である。図5は、図4に示した断面の部分拡大図である。X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに交差する方向である。本実施形態において、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに直交している。X軸方向は第一方向に相当し、Z軸方向は第二方向に相当し、Y軸方向は第三方向に相当する。
積層コイル部品1は、図1に示されているように、素体2と、一対の外部電極4,5とを備えている。たとえば、外部電極4が第一外部電極の場合、外部電極5が第二外部電極に相当する。積層コイル部品1は、たとえば、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含んでいる。本実施形態において、素体2は、Z軸方向に積層された複数の層によって形成されている。複数の層は、たとえば、セラミックシートである。素体2は、たとえば、複数の層が積層された後に、熱処理によって形成される。熱処理温度は、たとえば850~900℃程度である。
素体2は、たとえば、絶縁性を有する。素体2は、たとえば磁性材料により構成されている。磁性材料は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料から選択された少なくとも一つを含んでいる。素体2を構成する磁性材料には、Fe合金等が含まれていてもよい。素体2は、非磁性材料から構成されていてもよい。非磁性材料は、たとえば、ガラスセラミック材料、誘電体材料から選択された少なくとも一つを含んでいる。
素体2は、たとえば、直方体形状を呈している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含んでいる。素体2の形状は、直方体形状に限定されない。たとえば、素体2は円柱形状を呈していてもよい。素体2は、その外表面として、一対の端面2a,2bと、一対の側面2c,2dと、一対の主面2e,2fとを有している。各主面2e,2fの面積は、端面2a、端面2b、側面2c、及び、側面2dのいずれの面積よりも大きい。各主面2e,2fは、直方体形状を呈している素体2が有する側面でもある。積層コイル部品1では、一方の側面2dが、電子機器に実装される実装面である。積層コイル部品1では、一方の側面2dが、電子機器と対向する。端面2aが第一面に相当する場合、端面2bが第二面に相当する。
一対の端面2a,2bは、Y軸方向で互いに対向している。一対の側面2c,2dは、Z軸方向で互いに対向している。一対の主面2e,2fは、X軸方向で互いに対向している。素体2は、たとえば、Y軸方向の長さに比して及びZ軸方向の長さが小さい。素体2は、たとえば、Y軸方向及びZ軸方向の長さに比して及びX軸方向の長さが小さい。素体2のX軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向における長さ比はこれに限定されない。Y軸方向は、たとえば長手方向である。X軸方向は、たとえば幅方向である。Z軸方向は、たとえば高さ方向である。
一対の外部電極4,5は、互いに離間して素体2の外表面に配置されている。一対の外部電極4,5は、Y軸方向において互いに対向している。一対の外部電極4,5は、Y軸方向において互いに離れている。
一対の外部電極4,5は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極4,5は、たとえば、金属材料から構成されている。金属材料は、たとえば、銅、銀、金、ニッケル、又はクロムである。一対の外部電極4,5は、たとえば、電極層にめっき処理が施されることによって形成されている。電極層は、たとえば、導電性ペーストからなる。導電性ペーストは、たとえば、ディップ法、印刷法、又は転写法によって付与されている。めっき処理は、たとえば、電解めっき又は無電解めっきである。このめっき処理によって、導電性ペーストの外表面にめっき層が形成される。
外部電極4は、たとえば、部分4a,4b,4cを含んでいる。外部電極4の部分4aは、端面2aに設けられている。外部電極4の部分4bは、一対の側面2c,2dに設けられている。外部電極4の部分4cは、一対の主面2e,2fに設けられている。外部電極4の部分4aは、たとえば、端面2aの全面を覆っている。外部電極4の部分4b,4cは、たとえば、一対の側面2c,2dと一対の主面2e,2fとの一部を覆っている。外部電極4の部分4aは、外部電極4の部分4b,4cに連結されている。
各側面2c,2dにおいて、外部電極4の部分4bに覆われている領域は、たとえば、矩形状を呈している。各主面2e,2fにおいて、外部電極4の部分4cに覆われている領域は、たとえば、矩形状を呈している。本明細書において、「連結」とは、直接的に接した状態において接続されていることを意味する。「直接的に接する」とは、本明細書において示した他の部材を介することなく、互いに接続されることを意味する。「直接的に接する」は、本明細書に明示されていない部材を介して接続されることを除外しない。
外部電極5は、たとえば、部分5a,5b,5cを含んでいる。外部電極5の部分5aは、端面2aに設けられている。外部電極5の部分5bは、一対の側面2c,2dに設けられている。外部電極5の部分5cは、一対の主面2e,2fに設けられている。外部電極5の部分5aは、たとえば、端面2aの全面を覆っている。外部電極5の部分5b,5cは、たとえば、一対の側面2c,2dと一対の主面2e,2fとの一部を覆っている。外部電極5の部分5aは、外部電極5の部分5b,5cに連結されている。各側面2c,2dにおいて、外部電極5の部分5bに覆われている領域は、たとえば、矩形状を呈している。各主面2e,2fにおいて、外部電極5の部分5cに覆われている領域は、たとえば、矩形状を呈している。
積層コイル部品1は、さらに、図2及び図3に示されているように、素体2の内部に配置されたコイル10を備えている。コイル10は、複数のコイル導体7と、複数のビア8とを含んでいる。複数のコイル導体7は、X軸方向に積層されている。各コイル導体7は、内部導体層に相当する。各ビア8は、接続導体に相当する。各ビア8は、一対のコイル導体7の間に位置する素体2を貫通して、一対のコイル導体7を連結する。複数のコイル導体7は、複数のビア8を介して、互いに電気的に接続されている。複数のコイル導体7、及び、複数のビア8は、導電材料により構成されている。導電材料は、たとえば、Ag及びPdから選択された少なくとも一つを含んでいる。
複数のコイル導体7と複数のビア8とによって、コイル10が形成されている。コイル10は、外部電極4と外部電極5とを電気的に接続する。換言すれば、一対の外部電極4,5は、複数のコイル導体7を介して互いに電気的に接続されている。コイル10は、たとえば、三重巻き、かつ、1回巻きで構成されている。コイル10は、X軸方向と平行に延在するコイル軸AXを有している。複数のビア8は、X軸方向から見て、重なっている。積層コイル部品1において、コイル10はX軸方向に沿って左回りに進行する螺旋構造が形成されている。
複数のコイル導体7は、図2及び図3に示されているように、第一導体グループ7αと、第二導体グループ7βとを含んでいる。積層コイル部品1において、第一導体グループ7α及び第二導体グループ7βは、それぞれ、複数のコイル導体7を含んでいる。複数のコイル導体7は、第一コイル導体11と、第二コイル導体12と、第三コイル導体13とを含んでいる。本実施形態において、第一導体グループ7α及び第二導体グループ7βの各々が、第一コイル導体11、第二コイル導体12、及び、第三コイル導体13を含んでいる。
コイル10は、コイル軸AXの延在方向から見て環状に形成された環状部15を含んでいる。コイル軸AXは、X軸方向から見て、環状部15の幾何中心に位置している。さらに、コイル10は、環状部15と外部電極4とを接続する延在部16、及び、環状部15と外部電極5とを接続する延在部17を含んでいる。環状部15及び延在部16,17は、第一導体グループ7αと第二導体グループ7βとによって形成されている。延在部16は、第一導体グループ7αに含まれている。延在部17は、第二導体グループ7βに含まれている。
第一導体グループ7αの延在部16は、複数の端部20を含んでいる。端部20は、コイル10の先端に相当する。複数の端部20は、端面2aにおいて素体2から露出して外部電極4の部分4aに連結されている。第二導体グループ7βの延在部17は、少なくとも一つの端部30を含んでいる。端部30は、コイル10の先端に相当する。少なくとも1つの端部30は、端面2bにおいて素体2から露出して外部電極5の部分5aに連結されている。積層コイル部品1において、第二導体グループ7βは、複数の端部30を含んでいる。
本実施形態の第一導体グループ7α及び第二導体グループ7βにおいて、複数の端部20及び複数の端部30は、それぞれ、第一端部21、第二端部22、及び、第三端部23を含んでいる。第一端部21は、第一コイル導体11に含まれている。第二端部22は、第二コイル導体12に含まれている。第三端部23は、第三コイル導体13に含まれている。第一端部21、第二端部22、及び、第三端部23は、端面2aにおいて素体2から露出して外部電極4の部分4aに連結されている。
本実施形態の変形例として、第二導体グループ7βは、第二コイル導体12を含んでいなくてもよい。この場合、たとえば、第二導体グループ7βにおける第一コイル導体11と第三コイル導体13とのZ軸方向における距離は、第一導体グループ7αにおける第一コイル導体11と第二コイル導体12とのZ軸方向における距離よりも大きい。第二導体グループ7βにおける第一コイル導体11と第三コイル導体13とのZ軸方向における距離は、第一導体グループ7αにおける第三コイル導体13と第二コイル導体12とのZ軸方向における距離よりも大きい。たとえば、第二導体グループ7βに含まれる端部30の数は、第一導体グループ7αに含まれる端部20の数よりも少なくてもよい。本実施形態のさらなる変形例として、第二導体グループ7βは、1つのコイル導体7のみを含んでいてもよい。
図3から図5に示されているように、第一端部21、第二端部22、及び、第三端部23は、Z軸方向から見て、X軸方向において順に並んでいる。換言すれば、複数の端部20は、X軸方向に第一端部21、第二端部22、及び、第三端部23の順で配列されている。X軸方向及びZ軸方向は、端面2aに沿っている。複数の端部20において、第一端部21と第二端部22とは、Z軸方向から見て、互いに隣り合っている。複数の端部20において、第二端部22と第三端部23とは、Z軸方向から見て、互いに隣り合っている。第二端部22は、Z軸方向から見て、第一端部21と第三端部23との間に配置されている。
図5に示されているように、第一端部21は、X軸方向から見て、第二端部22と重なっていない領域R1を有している。第三端部23は、X軸方向から見て、第二端部22と重なっていない領域R2を有している。積層コイル部品1において、領域R1と領域R2とは同一である。第二端部22は、X軸方向から見て、第一端部21と重なっていない領域R3と、第三端部23と重なっていない領域R4とを含んでいる。積層コイル部品1において、領域R3と領域R4とは同一である。積層コイル部品1において、第二端部22の領域R3,R4は、X軸方向から見て、第一端部21及び第三端部23の双方と重なっていない。
第一端部21と第三端部23とは、少なくとも一部において、X軸方向において互いに対向している。第一端部21と第三端部23とは、少なくとも一部において、X軸方向から見て互いに重なっている。第一端部21と第三端部23とは、領域R5において、X軸方向から見て互いに重なっている。
第一端部21と第二端部22と第三端部23とは、たとえば、Z軸方向において同一の幅T1を有している。第二端部22は、第一端部21、及び、第三端部23からZ軸方向にズレ幅T2だけずれている。第二端部22は、第一端部21、及び、第三端部23よりも、側面2cからZ軸方向において離れている。積層コイル部品1において、ズレ幅T2は、幅T1よりも小さい。したがって、X軸方向から見て、第二端部22は、第一端部21、及び、第三端部23と重なっている。以上の構成によって、第一端部21、第二端部22、及び、第三端部23は、Y軸方向から見てV字形状に配列されている。
積層コイル部品1において、第一端部21を含んでいる第一コイル導体11の電流経路の長さは、第二端部22を含んでいる第二コイル導体12の電流経路の長さよりも短い。第三端部23を含んでいる第三コイル導体13の電流経路の長さは、第二端部22を含んでいる第二コイル導体12の電流経路の長さよりも短い。第一端部21を含んでいる第一コイル導体11の電流経路の長さは、第三端部23を含んでいる第三コイル導体13の電流経路の長さと同等である。
第一導体グループ7αにおいて、「各コイル導体7の電流経路の長さ」は、外部電極4とコイル導体7とを連結するの連結部分20aから当該コイル導体7とビア8との連結部分8aまでの電流経路の長さである。第二導体グループ7βにおいて、「各コイル導体7の電流経路の長さ」は、外部電極5とコイル導体7とを連結するの連結部分30aから当該コイル導体7とビア8との連結部分8aまでの電流経路の長さである。「コイル導体7の電流経路」は、積層コイル部品1の外部電極4と外部電極5との間に電流を流した場合に、コイル導体7において電流が流れる経路である。たとえば、コイル導体7の電流経路は、コイル導体7上において、コイル導体7の一端からコイル導体の他端までの最短経路である。
本実施形態の延在部16,17において、第一コイル導体11は、第一コイル導体11と外部電極4,5との連結部分20a,30aから、Y軸方向に直線状に延在している。延在部16,17において、第三コイル導体13は、第三コイル導体13と外部電極4,5との連結部分20a,30aから、Y軸方向に直線状に延在している。延在部16,17において、第二コイル導体12は、第二コイル導体12と外部電極4,5との連結部分20a,30aから、Y軸方向に湾曲して延在している。Y軸方向から見て、X軸方向における第二端部22とコイル軸AXとの最短距離は、X軸方向における第一端部21とコイル軸AXとの最短距離よりも小さい。Y軸方向から見て、X軸方向における第二端部22とコイル軸AXとの最短距離は、X軸方向における第三端部23とコイル軸AXとの最短距離よりも小さい。
次に、図6から図8を参照して、本実施形態の変形例における積層コイル部品1A,1B,1Cについて説明する。図6は、積層コイル部品1Aの断面の部分拡大図である。図7は、積層コイル部品1Bの断面の部分拡大図である。図8は、積層コイル部品1Cの断面の部分拡大図である。図6から図8に示されている断面の位置は、積層コイル部品1のIV-IV線における断面の位置に相当する。これらの変形例は、概ね、上述した積層コイル部品1と類似又は同じである。以下、上述した積層コイル部品1との相違点を主として説明する。
まず、積層コイル部品1Aについて説明する。図6に示されている積層コイル部品1Aは、複数の端部20の配置に関して、上述した実施形態と相違する。積層コイル部品1Aにおいて、複数の端部20は、第一端部21A、第二端部22A、及び、第三端部23Aを含んでいる。第一端部21Aは、第一端部21に相当する。第二端部22Aは、第二端部22に相当する。第三端部23Aは、第三端部23に相当する。
第一端部21Aは、X軸方向から見て、第二端部22Aと重なっていない領域R1を有している。第三端部23Aは、X軸方向から見て、第二端部22Aと重なっていない領域R2を有している。積層コイル部品1Aにおいて、領域R1と領域R2とは同一である。第二端部22Aは、X軸方向から見て、第一端部21Aと重なっていない領域R3と、第三端部23Aと重なっていない領域R4とを含んでいる。積層コイル部品1Aにおいて、領域R3と領域R4とは同一である。第一端部21Aと第三端部23Aとは、領域R5において、X軸方向から見て互いに重なっている。
第一端部21Aと第二端部22Aと第三端部23Aとは、たとえば、Z軸方向において同一の幅T3を有している。第二端部22Aは、第一端部21A、及び、第三端部23AからZ軸方向にズレ幅T4だけずれている。第二端部22Aは、第一端部21A、及び、第三端部23Aよりも、側面2cからZ軸方向において離れている。積層コイル部品1Aにおいて、ズレ幅T4は、幅T3よりも大きい。したがって、第一端部21A及び第三端部23Aは、それぞれ、X軸方向から見て、第二端部22Aと重なっていない。
次に、積層コイル部品1Bについて説明する。図7に示されている積層コイル部品1Bは、複数の端部20の配置に関して、上述した実施形態と相違する。積層コイル部品1Bにおいて、複数の端部20は、第一端部21B、第二端部22B、及び、第三端部23Bを含んでいる。第一端部21Bは、第一端部21に相当する。第二端部22Bは、第二端部22に相当する。第三端部23Bは、第三端部23に相当する。積層コイル部品1Bにおいて、第一端部21Bと第三端部23Bとは、Z軸方向にずれている。
第一端部21Bは、X軸方向から見て、第二端部22Bと重なっていない領域R1を有している。第三端部23Bは、X軸方向から見て、第二端部22Bと重なっていない領域R2を有している。積層コイル部品1Bにおいて、領域R1と領域R2とはZ軸方向にずれている。第二端部22Bは、X軸方向から見て、第一端部21Bと重なっていない領域R3と、第三端部23Bと重なっていない領域R4とを含んでいる。積層コイル部品1Bにおいて、領域R3と領域R4とはZ軸方向にずれている。第一端部21Bと第三端部23Bとは、領域R5において、X軸方向から見て互いに重なっている。
第一端部21Bと第二端部22Bと第三端部23Bとは、たとえば、Z軸方向において同一の幅T5を有している。第二端部22Bは、第一端部21BからZ軸方向にズレ幅T6だけずれている。第二端部22Bは、第一端部21Bよりも、側面2cからZ軸方向において離れている。積層コイル部品1Bにおいて、ズレ幅T6は、幅T5よりも小さい。したがって、X軸方向から見て、第二端部22Bは、第一端部21Bと重なっている。
第二端部22Bは、第三端部23BからZ軸方向にズレ幅T7だけずれている。第二端部22Bは、第三端部23よりも、側面2cからZ軸方向において離れている。積層コイル部品1Bにおいて、ズレ幅T7は、幅T5よりも小さい。したがって、X軸方向から見て、第二端部22Bは、第三端部23Bと重なっている。以上の構成によって、第一端部21B、第二端部22B、及び、第三端部23Bは、Y軸方向において、側面2cから順に離れるように段々に配列されている。
第二端部22Bは、第三端部23BからZ軸方向にズレ幅T7だけずれている。第二端部22Bは、第三端部23よりも、側面2cからZ軸方向において離れている。積層コイル部品1Bにおいて、ズレ幅T7は、幅T5よりも小さい。したがって、X軸方向から見て、第二端部22Bは、第三端部23Bと重なっている。以上の構成によって、第一端部21B、第二端部22B、及び、第三端部23Bは、Y軸方向において、側面2cから順に離れるように段々に配列されている。
積層コイル部品1Bにおいて、第一端部21Bを含んでいる第一コイル導体11の電流経路の長さは、第二端部22Bを含んでいる第二コイル導体12の電流経路の長さよりも短い。第三端部23Bを含んでいる第三コイル導体13の電流経路の長さは、第二端部22Bを含んでいる第二コイル導体12の電流経路の長さよりも長い。第一端部21Bを含んでいる第一コイル導体11の電流経路の長さは、第三端部23Bを含んでいる第三コイル導体13の電流経路の長さよりも短い。
積層コイル部品1Bの延在部16,17において、第一コイル導体11は、第一コイル導体11と外部電極4,5とを連結する連結部分20a,30aから、Y軸方向に直線状に延在している。積層コイル部品1Bの第三コイル導体13は、延在部16,17において、第三コイル導体13と外部電極4,5との連結部分20a,30aから、Y軸方向に湾曲して延在している。延在部16,17において、第二コイル導体12は、第二コイル導体12と外部電極4,5との連結部分20a,30aから、Y軸方向に湾曲して延在している。Y軸方向から見て、X軸方向における第二端部22Bとコイル軸AXとの最短距離は、X軸方向における第一端部21Bとコイル軸AXとの最短距離よりも小さい。Y軸方向から見て、X軸方向における第二端部22Bとコイル軸AXとの最短距離は、X軸方向における第三端部23Bとコイル軸AXとの最短距離よりも大きい。
次に、積層コイル部品1Cについて説明する。図8に示されている積層コイル部品1Cは、複数の端部20の数に関して、上述した実施形態と相違する。積層コイル部品1Cにおいて、複数の端部20は、第一端部21C、第二端部22C、及び、第三端部23Cを含んでいる。第一端部21Cは、第一端部21に相当する。第二端部22Cは、第二端部22に相当する。第三端部23Cは、第三端部23に相当する。積層コイル部品1Cにおいて、複数のコイル導体7は、端面2aにおいて素体2から露出して外部電極4に連結されている第四端部24Cをさらに含んでいる。
第一端部21C、第二端部22C、第三端部23C、及び、第四端部24Cは、Z軸方向から見て、X軸方向に順に並んでいる。図8に示されているように、複数の端部20は、X軸方向に第一端部21C、第二端部22C、第三端部23C、及び、第四端部24Cの順で配列されている。複数の端部20において、第三端部23Cと第四端部24Cとは、Z軸方向から見て、互いに隣り合っている。第三端部23Cは、Z軸方向から見て、第二端部22Cと第四端部24Cとの間に配置されている。
第一端部21Cは、X軸方向から見て、第二端部22Cと重なっていない領域R1を有している。第三端部23Cは、X軸方向から見て、第二端部22Cと重なっていない領域R2を有している。積層コイル部品1Cにおいて、領域R1と領域R2とは同一である。第二端部22Cは、X軸方向から見て、第一端部21Cと重なっていない領域R3と、第三端部23Cと重なっていない領域R4とを含んでいる。積層コイル部品1Cにおいて、領域R3と領域R4とは同一である。第一端部21Cと第三端部23Cとは、領域R5において、X軸方向から見て互いに重なっている。
本変形例において、第二端部22Cと第四端部24Cとは、少なくとも一部において、X軸方向において互いに対向している。第二端部22Cと第四端部24Cとは、少なくとも一部において、X軸方向から見て互いに重なっている。第二端部22Cと第四端部24Cとは、領域R6において、X軸方向から見て互いに重なっている。第四端部24Cは、第二端部22Cと同様に、X軸方向から見て、第一端部21Cと重なっていない領域R3と、第三端部23Cと重なっていない領域R4とを含んでいる。
第一端部21Cと第二端部22Cと第三端部23Cと第四端部24Cは、たとえば、Z軸方向において同一の幅T1を有している。第二端部22C及び第四端部24Cは、第一端部21CからZ軸方向にズレ幅T2だけずれている。第二端部22C及び第四端部24Cは、第一端部21Cよりも、側面2cからZ軸方向において離れている。積層コイル部品1Cにおいて、ズレ幅T2は、幅T1よりも小さい。したがって、X軸方向から見て、第二端部22C及び第四端部24Cは、第一端部21Cと重なっている。
次に、本実施形態及び変形例における積層コイル部品1,1A,1B,1Cによる作用効果について説明する。
積層コイル部品1において、第一端部21と第三端部23とは、少なくとも一部において、X軸方向から見て互いに重なっている。このため、積層コイル部品1のコンパクト化が図られると共に、コイル導体7間の電流経路差も縮小され得る。コイル導体7間の電流経路差が縮小されれば、所望の特性が容易に確保され得る。第一端部21及び第三端部23の各々は、X軸方向から見て、第二端部22と重なっていない領域R1,R2を有しているため、端部20,30を通る電流による近接効果、及び、端部における浮遊容量の発生が抑制され得る。したがって、コンパクトな構成において、所望の特性が容易に実現され得る。積層コイル部品1A,1B,1Cも同様の構成を有している。
積層コイル部品1において、第二端部22は、X軸方向から見て、第一端部21と重なっていない領域R3と、第三端部23と重なっていない領域R4とを含んでいる。この場合、第一及び第三端部21,23と第二端部22との間における近接効果、及び、第二端部における浮遊容量がさらに低減され得る。積層コイル部品1A,1B,1Cも同様の構成を有している。
図9(a)は、比較例の積層コイル部品の積層構造の一部を示す断面図である。図9(b)は本実施形態における積層コイル部品の一例の一部を示す断面図である。図9(a)及び図9(b)は、積層コイル部品から一対の外部電極4,5又はそれに相当する部分を取り除いた状態を示している。図9(a)及び図9(b)において、後述する幅L1及び幅L2はデフォルメして描かれている。
図9(a)に示されている比較例の積層コイル部品は、素体2に対応する素体102と、複数のコイル導体7に対応する複数のコイル導体107と、複数のビア8とを含んでいる。素体102は、端面2a,2bにそれぞれ対応する端面102a,102bを含んでいる。複数のコイル導体107は、コイル110を形成している。複数のコイル導体107は、第一導体グループ7αに対応する導体グループ107αと、第二導体グループ7βに対応する導体グループ107βとを含んでいる。導体グループ107αは、延在部16に対応する延在部116を含んでいる。導体グループ107βは、延在部17に対応する延在部117を含んでいる。延在部116は、複数の端部20に対応する複数の端部120を含んでいる。延在部117は、複数の端部30に対応する複数の端部130を含んでいる。
複数の端部120は、X軸方向から見て完全に重なっており、領域R1,R2,R3,R4を有していない。複数の端部120の縁は、X軸方向から見て一致している。複数の端部120は、X軸方向から見て完全に重なっており、領域R1,R2,R3,R4を有していない。複数の端部130の縁は、X軸方向から見て一致している。このような構造において、素体102の端面102a,102bは、複数の端部120及び複数の端部130に沿って、Y軸方向に幅L1だけ突出する。端面102a,102bのY軸方向における突出は、素体102の形成時における収縮によって生じる。素体102の収縮において、素体102は、複数のコイル導体107の表面に引っ張られ、複数のコイル導体107の表面に沿って変形する。素体102の収縮は、たとえば、素体102の形成時の熱処理において生じる。
積層コイル部品1,1A,1B,1Cにおいて、素体2の端面2a,2bのY軸方向における突出は低減されている。たとえば、端面2a,2bのY軸方向における突出の幅L2は、端面102a,102bのY軸方向における突出の幅L1よりも小さい。このような構造は、複数の端部20及び複数の端部30が、X軸方向から見て完全に重なっておらず、少なくとも一つの端部20,30がZ軸方向にずれていることに起因する。たとえば、積層コイル部品1において、第一端部21及び第三端部23の各々がX軸方向から見て、第二端部22と重なっていない領域R1,R2を有しており、第二端部22がX軸方向から見て第一端部21及び第三端部23と重なっていない領域R3,R4を有している。このため、素体2の収縮において、素体2は、複数のコイル導体7の表面に引っ張られる力が分散される。この結果、素体2の端面2a,2bのY軸方向における突出が低減されたと考えられる。
積層コイル部品1において、第二端部22は、X軸方向から見て、第一端部21及び第三端部23の双方と重なっていない領域R3,R4を有している。この場合、積層コイル部品1は、X軸方向から見て第一端部21と第三端部23とが重なる領域R5が比較的大きくなるように構成され得る。したがって、積層コイル部品1のコンパクト化が図られると共に、コイル導体7の電流経路のばらつきが縮小され得る。コイル導体7の電流経路のばらつきが縮小されれば、所望の特性がさらに容易に確保され得る。積層コイル部品1A,1Cも同様の構成を有している。
積層コイル部品1において、複数のコイル導体7は、第一コイル導体11と、第二コイル導体12と、第三コイル導体13とを含んでいる。第一コイル導体11は、第一端部21を含んでいる。第二コイル導体12は、第二端部22を含んでいる。第三コイル導体13は、第三端部23を含んでいる。第一及び第三コイル導体11,13の電流経路の長さは、第二コイル導体12の電流経路の長さよりも短い。この場合、第一、第二、及び、第三端部21,22,23のうち、第一、及び、第三端部21,23の電流経路が第二端部22の電流経路に比べて縮小されている。したがって、第一、第二、及び、第三端部21,22,23を含む複数のコイル導体7の直流抵抗がより低減され得る。積層コイル部品1A,1Cも同様の構成を有している。
積層コイル部品1において、第一コイル導体11は、第一コイル導体11と外部電極4とが連結する連結部分20aから、Y軸方向に直線状に延在している。この場合、第一端部21の電流経路が最短に構成され得る。積層コイル部品1A,1B,1Cも同様の構成を有している。
積層コイル部品1において、複数のコイル導体7は、X軸方向に延在するコイル軸AXを有するコイル10を形成している。Z軸方向において、第二端部22とコイル軸AXとの最短距離は、第一端部21とコイル軸AXとの最短距離よりも小さい。この場合、積層コイル部品1のコンパクト化が図られながら、第二端部22の配置スペースが確保され得る。積層コイル部品1A,1B,1Cも同様の構成を有している。
積層コイル部品1Aにおいて、第一端部21A及び第三端部23Aは、それぞれ、X軸方向から見て、第二端部22Aと重なっていない。この場合、第一及び第三端部21A,23Aと第二端部22Aとの間における近接効果、及び、第二端部22Aにおける浮遊容量がさらに低減され得る。
複数のコイル導体7は、第一導体グループ7αと、第二導体グループ7βとを含んでいてもよい。第一導体グループ7αは、端面2aにおいて素体2から露出して外部電極4に連結されている複数の端部20を含んでいてもよい。第二導体グループ7βは、端面2bにおいて素体2から露出して外部電極5に連結されている少なくとも1つの端部30を含んでいてもよい。第一導体グループ7αは、第一端部21、第二端部22、及び、第三端部23を含んでいてもよい。第二導体グループ7βに含まれる端部30の数は、第一導体グループ7αに含まれる端部20の数よりも少なくてもよい。この場合、第二導体グループ7βに含まれる端部30の数と、第一導体グループ7αに含まれる端部20の数とが異なる構成によって、所望の磁路長が確保され得る。第二導体グループ7βに含まれる端部30の数が、第一導体グループ7αに含まれる端部20の数よりも少ないため、第二導体グループ7βにおける近接効果、及び、浮遊容量の影響が容易に低減され得る。
第二導体グループ7βにおける端部30の数は、1つであってもよい。この場合、第二導体グループ7βに含まれる端部30の数が1つであるため、第二導体グループ7βにおいて近接効果が生じず、及び、端部30における浮遊容量の影響もさらに低減され得る。
積層コイル部品1Cにおいて、複数のコイル導体7は、第四端部24Cをさらに含んでいる。第四端部24Cは、端面2aにおいて素体2から露出して外部電極4に連結されている。第一、第二、第三、及び第四端部21C,22C,23C,24Cは、Z軸方向から見て、X軸方向において順に並んでいる。第二端部22Cと第四端部24Cとは、少なくとも一部において、X軸方向において互いに重なっている。第二端部22C及び第四端部24Cの各々が、X軸方向から見て、第三端部23Cと重なっていない領域R4を有している。この場合、端面2aにおいて素体2から露出する端部20が4つ以上であっても、コンパクト化が図られていると共に所望の特性が容易に実現され得る。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
たとえば、積層コイル部品1,1A,1B,1Cは、コイル10のコイル軸AXがX軸方向に延在する構成に限定されない。コイル10は、Z軸方向に延在するコイル軸AXを有するように構成されていてもよい。
たとえば、積層コイル部品1Cの構成は、積層コイル部品1Aにおける構成と組み合わされてもよい。たとえば、積層コイル部品1Cにおいて、積層コイル部品1Aと同様に、第一端部21C及び第三端部23Cは、それぞれ、X軸方向から見て、第二端部22C及び第四端部24Cと同様と重なっていなくともよい。この場合、第一端部21C、第二端部22C、第三端部23C、及び、第四端部24Cは、Y軸方向から見て、ジグザグ状に配列される。
たとえば、積層コイル部品1Cの構成は、積層コイル部品1Bにおける構成と組み合わされてもよい。たとえば、積層コイル部品1Cにおいて、積層コイル部品1Bと同様に、第一端部21C、第二端部22C、第三端部23C、及び、第四端部24Cは、Y軸方向において、側面2cから順に離れるように段々に配列されていてもおよい。
1,1A,1B,1C…積層コイル部品、2…素体、4,5…外部電極、7…コイル導体、7α…第一導体グループ、7β…第二導体グループ、10…コイル、11…第一コイル導体、12…第二コイル導体、13…第三コイル導体、20,30…端部、21,21A,21B,21C…第一端部、22,22A,22B,22C…第二端部、23,23A,23B,23C…第三端部、24C…第四端部、AX…コイル軸、R1,R2,R3,R4,R5,R6…領域。
Claims (10)
- 第一及び第二面を含んでいる素体と、
前記素体の内部に配置されていると共に、第一方向に積層され且つ互いに電気的に接続されている複数のコイル導体を含んでいるコイルと、
互いに離間して前記素体の外表面に配置されていると共に、前記複数のコイル導体を介して互いに電気的に接続されている一対の外部電極と、を備えており、
前記一対の外部電極は、前記第一面に設けられている第一外部電極と、前記第二面に設けられている第二外部電極とを含んでおり、
前記複数のコイル導体は、前記第一面において前記素体から露出して前記第一外部電極に連結されている第一、第二、及び第三端部を含んでおり、
前記第一、第二、及び第三端部は、前記第一面に沿っていると共に前記第一方向に直交する第二方向から見て、前記第一方向において順に並んでおり、
前記第一端部と前記第三端部とは、少なくとも一部において、前記第一方向から見て互いに重なっており、
前記第一端部及び前記第三端部の各々が、前記第一方向から見て、前記第二端部と重なっていない領域を有している、積層コイル部品。 - 前記第二端部は、前記第一方向から見て、前記第一端部と重なっていない領域と、前記第三端部と重なっていない領域とを含んでいる、請求項1に記載の積層コイル部品。
- 前記第二端部は、前記第一方向から見て、前記第一端部及び前記第三端部の双方と重なっていない領域を有している、請求項1又は2に記載の積層コイル部品。
- 前記複数のコイル導体は、前記第一端部を含んでいる第一コイル導体と、前記第二端部を含んでいる第二コイル導体と、前記第三端部を含んでいる第三コイル導体とを含んでおり、
前記第一及び第三コイル導体の電流経路の長さは、前記第二コイル導体の電流経路の長さよりも短い、請求項3に記載の積層コイル部品。 - 前記第一コイル導体は、前記第一コイル導体と前記第一外部電極とが連結する連結部分から、前記第一及び第二方向に交差する第三方向に直線状に延在している、請求項4に記載の積層コイル部品。
- 前記コイルは、前記第一方向に延在するコイル軸を有しており、
前記第二方向において、前記第二端部と前記コイル軸との最短距離は、前記第一端部と前記コイル軸との最短距離よりも小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層コイル部品。 - 前記第一端部及び前記第三端部は、それぞれ、前記第一方向から見て、前記第二端部と重なっていない、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層コイル部品。
- 前記複数のコイル導体は、前記第一面において前記素体から露出して前記第一外部電極に連結されている複数の端部を含んでいる第一導体グループと、前記第二面において前記素体から露出して前記第二外部電極に連結されている少なくとも1つの端部を含んでいる第二導体グループとを含んでおり、
前記第一導体グループは、前記第一端部、前記第二端部、及び、前記第三端部を含んでおり、
前記第二導体グループに含まれる前記端部の数は、前記第一導体グループに含まれる前記端部の数よりも少ない、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層コイル部品。 - 前記第二導体グループにおける前記端部の数は、1つである、請求項8に記載の積層コイル部品。
- 前記複数のコイル導体は、前記第一面において前記素体から露出して前記第一外部電極に連結されている第四端部をさらに含んでおり、
前記第二方向から見て、前記第一、第二、第三、及び第四端部は、前記第一方向において順に並んでおり、
前記第二端部と前記第四端部とは、少なくとも一部において、前記第一方向において互いに重なっており、
前記第二端部及び前記第四端部の各々が、前記第一方向から見て、前記第三端部と重なっていない領域を有している、請求項1から9のいずれか一項に記載の積層コイル部品。
Priority Applications (3)
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