JP2023048412A - 吸着材および吸着材の製造方法 - Google Patents

吸着材および吸着材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】珪藻土と塩基性化合物とを含有する吸着材の吸着性能の低下を抑制する。【解決手段】酸性ガスを吸着するための吸着材であって、珪藻土と、塩基性化合物と、糖質とを含有する吸着材。【選択図】なし

Description

本開示は、吸着材および吸着材の製造方法に関する。
特許文献1には、珪藻土等の担体に対し、鉄塩(III)およびアルカリが担持された硫化水素ガス除去剤が開示されている。
特開2011-235244号公報
珪藻土と塩基性化合物とを含有する吸着材では、塩基性化合物が結晶化することで吸着対象である酸性ガスと反応する有効表面積が小さくなり、酸性ガスの吸着性能が低下する場合がある。
本開示は、珪藻土と塩基性化合物とを含有する吸着材の吸着性能の低下を抑制することを目的とする。
本開示の吸着材は、酸性ガスを吸着するための吸着材であって、珪藻土と、塩基性化合物と、糖質とを含有する。
ここで、前記糖質は、グルコースであることを特徴とする。
また、前記塩基性化合物は、アルカリ金属の炭酸塩であることを特徴とする。
また、前記塩基性化合物の含有量は、前記珪藻土の含有量以下であることを特徴とする。
また、前記糖質の含有量は、前記珪藻土の含有量以下であることを特徴とする。
また、他の観点から捉えると、本開示の吸着材の製造方法は、酸性ガスを吸着するための吸着材の製造方法であって、塩基性化合物と糖質とを水に分散させた分散液を生成する工程と、前記分散液と珪藻土とを混合した混合物を生成する工程と、前記混合物から水分を除去する工程とを有する。
本開示によれば、珪藻土と塩基性化合物とを含有する吸着材の吸着性能の低下を抑制することができる。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。
<吸着材>
本開示の一実施形態の吸着材は、珪藻土と、塩基性化合物と、糖質とを含有している。また、吸着材は、珪藻土、塩基性化合物および糖質の他に、必要に応じて他の添加物や珪藻土、塩基性化合物および糖質の反応により生じる反応物等を含んでいてもよい。
吸着材では、塩基性化合物および糖質が、珪藻土に形成された複数の孔の内部に保持されている。
本実施形態の吸着材は、酸性の気体(以下、酸性ガスと表記する。)を吸着する。詳細については後述するが、吸着材では、塩基性化合物が、吸着材による吸着の対象となる酸性ガスと中和反応して塩を生成する。この結果、吸着材による吸着の対象となる酸性ガスが除去される。また、吸着材による吸着の対象となる酸性ガスが臭気を有する気体である場合、この酸性ガスが除去されることで、臭気を有する気体の濃度が低減する。
続いて、本実施形態の吸着材を構成する各成分について順に説明する。
(珪藻土)
珪藻土は、主に珪藻の殻が堆積してできた土壌からなり、二酸化ケイ素を主成分とする。珪藻土には、海成種および淡水種が存在するが、このいずれを用いてもよい。
珪藻土は、互いに連通する複数の孔が形成された、多孔質構造を有している。珪藻土に形成された複数の孔の一部は、珪藻土の外部に通じている。また、珪藻土の種類や産地等によっても異なるが、珪藻土に形成された複数の孔の孔径は、約0.1μm~数十μmの範囲である。
珪藻土は、多孔質構造を有することで、孔の内部に水を吸着することができる。これにより、高湿度環境では、孔の内部に水を吸着することで、吸着材の周囲に存在する水によって塩基性化合物や糖質が珪藻土から遊離することが抑制される。
また、珪藻土は、多孔質構造を有することで、表面積が大きくなっている。これにより、珪藻土は、複数の孔の内部により多くの塩基性化合物を保持することができる。そして、吸着材による吸着の対象となる酸性ガスと塩基性化合物との中和反応を促すことができる。
(塩基性化合物)
塩基性化合物は、上述したように、珪藻土に形成された複数の孔の内部に保持されている。なお、塩基性化合物は、珪藻土に形成された複数の孔の内部の他、孔の外部にも存在してもよい。詳細については後述するが、本実施形態の吸着材では、塩基性化合物は、後述する糖質の作用によって結晶化が抑制されて珪藻土に保持されている。
そして、塩基性化合物は、吸着材による吸着の対象となる酸性ガスと中和反応し、塩を生成する。
塩基性化合物としては、水溶性且つ結晶質であって、吸着の対象となる酸性ガスと中和反応して塩を生成するものであれば特に限定されない。このような塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、後述する糖質による結晶化を抑制する作用のはたらきやすさ、吸着材における安定性、コスト等の観点から、アルカリ金属の炭酸塩を用いることが好ましく、炭酸カリウムを用いることがより好ましい。
(糖質)
糖質は、上述したように、珪藻土に形成された複数の孔の内部に保持されている。なお、糖質は、珪藻土に形成された複数の孔の内部の他、孔の外部にも存在してもよい。
本実施形態の吸着材では、糖質由来で加熱によって得られた炭素に空気中の酸素由来の酸素原子が結合することで、糖質の表面にC(O)が形成される。吸着対象の酸性ガスが例えば弱酸性のH2Sである場合、このC(O)が酸化反応の起点となって、H2Sが酸化される。そして、H2Sが酸化されることによって塩基性化合物と中和反応しやすくなる。これにより、本実施形態の吸着材では、SO2等の酸性度が高い酸性ガスだけでなく、弱酸性のH2Sも除去することが可能となる。
また、詳細については後述するが、糖質は、塩基性化合物が結晶化することを抑制する結晶抑制剤としてはたらく。
糖質は、吸着材の製造において、水に溶解または分散させて用いる場合がある。このため、糖質としては、水に溶解または分散可能なものを用いることが好ましい。糖質としては、水に溶解または分散可能であれば、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖等のいずれを用いてもよい。このような水に溶解または分散可能な糖質としては、例えば、グルコース、スクロース、でんぷん等が挙げられる。これらの中でも、塩基性化合物の結晶化を抑制する効果が高いことから、グルコースを用いることが好ましい。なお、グルコースとしては、D-グルコースおよびL-グルコースのいずれを用いても同様の作用を奏するが、費用等の観点からD-グルコースを用いることが好ましい。
(その他の物質)
吸着材には、KH(Si25)等の結晶性の化合物が含まれる場合がある。
このような結晶性の化合物は、吸着材において、吸着対象である酸性ガスと中和反応することで、酸性ガスの除去に寄与する場合がある。
さらに、吸着材には、糖質を加熱することで形成されるカーボンスフィアが含まれていてもよい。カーボンスフィアは、平均粒径が数百nm程度の球状のカーボン粒子である。
さらにまた、吸着材には、吸着材の強度を向上させる観点で、公知のバインダが含まれていてもよい。バインダとしては特に限定されないが、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂等を用いることができる。
(含有量)
本実施形態の吸着材では、塩基性化合物の含有量は、塩基性化合物や糖質の種類等によっても異なるが、例えば、珪藻土100質量部に対して、50質量部以上150質量部以下の範囲とすることができる。
塩基性化合物がアルカリ金属の炭酸塩である場合、塩基性化合物の含有量は、珪藻土100質量部に対して、50質量部以上100質量部以下の範囲であることが好ましい。言い換えると、本実施形態の吸着材では、塩基性化合物がアルカリ金属の炭酸塩である場合、塩基性化合物の含有量は、珪藻土の含有量以下であることが好ましい。これにより、塩基性化合物の含有量が珪藻土の含有量よりも多い場合と比較して、吸着材の寿命をより長くすることができる。
さらに、本実施形態の吸着材では、糖質の含有量は、塩基性化合物や糖質の種類等によっても異なるが、例えば、珪藻土100質量部に対して、50質量部以上150質量部以下の範囲とすることができる。
糖質がグルコースである場合、糖質の含有量は、珪藻土100質量部に対して、50質量部以上100質量部以下の範囲であることが好ましい。言い換えると、本実施形態では、糖質がグルコースである場合、糖質の含有量は、珪藻土の含有量以下であることが好ましい。これにより、糖質の含有量が珪藻土の含有量よりも多い場合と比較して、吸着材の寿命をより長くすることができる。
(吸着材の製造方法)
続いて、本実施形態の吸着材の製造方法の一例について説明する。本実施形態の吸着材は、例えば、以下のように製造することができる。
まず、塩基性化合物と糖質とを分散させた分散液を生成する。分散液は、例えば、塩基性化合物を水に溶解させた液体と、糖質を水に溶解または分散させた液体とを混合させることで得られる。
次に、この分散液と珪藻土とを混合して混合物を生成する。混合物は、例えば、分散液を攪拌しながら、この分散液の中に珪藻土を少しずつ加えることで得られる。
次に、真空脱泡撹拌機等を用いて、混合物に真空脱泡処理を施し、珪藻土に形成された孔の中から気体を取り除く。これにより、珪藻土の孔の内部に、塩基性化合物および糖質が入り込みやすくなる。なお、真空脱泡処理は必ずしも行わなくてもよい。
次に、この混合物から水分を除去する。これにより、水中に溶解または分散されている塩基性化合物および糖質が、珪藻土の孔の内部等に析出する。
ここで、混合物から水分を除去する工程では、混合物に糖質が含まれることによって、塩基性化合物の結晶化が抑制される。なお、本実施形態の説明において、「塩基性化合物の結晶化が抑制される」とは、塩基性化合物が全く結晶化しないことを意味するわけではなく、混合物から水分を除去することにより析出する塩基性化合物の結晶の大きさが、糖質を含まない場合と比べて小さくなることを意味する。
本実施形態では、糖質によって塩基性化合物の結晶化が抑制されることで、吸着材において塩基性化合物が酸性ガスと中和反応する有効表面積を大きくすることができる。これにより、吸着材による酸性ガスの吸着性能の低下を抑制することができる。
混合物から水分を除去する方法としては、例えば、加熱乾燥、スピン乾燥、真空乾燥等が挙げられ、混合物を加熱する加熱乾燥を採用することが好ましい。
混合物を加熱することにより、塩基性化合物の結晶化が抑制されやすくなり、吸着材による酸性ガスの吸着性能が向上する可能性がある。
また、糖質として単糖や二糖、オリゴ糖等の糖類を用いる場合、混合物を加熱することにより、糖類が融解し、珪藻土の孔の内部に入り込みやすくなる。これにより、珪藻土の孔の内部に入り込んだ塩基性化合物の結晶化が抑制されやすくなり、塩基性化合物の有効表面積をより大きくすることができる。この場合、混合物を加熱する温度は、糖類の融点以上であることが好ましい。
以上の製造方法により、珪藻土と、塩基性化合物と、糖質とを含有する吸着材が得られる。
なお、得られた吸着材は、必要に応じて粉砕し、ふるい分けすることで、予め定めた範囲の径を有する小片状としてもよい。
続いて、本実施形態の吸着材を、実施例を用いてより詳細に説明する。なお、吸着材の組成や吸着材の製造方法等は、以下の実施例に限定されるものではない。
1.吸着材の製造
(実施例1)
以下のようにして、吸着材を得た。
まず、D(+)-グルコース(以下、単にグルコースと表記する。)20gを脱イオン水80gに溶解して、グルコース水溶液を調製した。同様に、炭酸カリウム20gを脱イオン水80gに溶解させ、炭酸カリウム水溶液と調製した。
次に、グルコース水溶液と炭酸カリウム水溶液とを混合し、脱イオン水にグルコースと炭酸カリウムとが分散された分散液を生成した。
次に、この分散液を攪拌しながら、珪藻土20gを少しずつ加えた後、続けて10分間攪拌し、分散液に珪藻土が混合された混合物を生成した。
次に、この混合物を真空脱泡撹拌機にセットし、10分間、真空脱泡処理を行った。
次に、この混合物を電気炉にセットし、150℃で4時間、170℃で4.5時間加熱して、混合物から水分を除去し、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む複合体を得た。
次に、得られた複合体を、乳鉢および乳棒を用いて粉砕した後、粒径が2.00mm~4.75mmの範囲となるようにふるい分けし、小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1:1である。
(実施例2)
混合物を生成したあと、真空脱泡処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1:1である。
(実施例3)
グルコース水溶液におけるグルコースの量を10gとした以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1:0.5である。
(実施例4)
グルコース水溶液におけるグルコースの量を30gとした以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1:1.5である。
(実施例5)
炭酸カリウム水溶液における炭酸カリウムの量を10gとした以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:0.5:1である。
(実施例6)
炭酸カリウム水溶液における炭酸カリウムの量を30gとした以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1.5:1である。
(実施例7)
真空脱泡処理後の混合物を、電気炉ではなくオイルバスに設置し、オイルの温度を100℃にして7時間予備加熱を行った後、オイルの温度を160℃にして4時間加熱して水分を除去して複合体を生成した以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1:1である。
(実施例8)
真空脱泡処理後の混合物をオイルバスに設置し、オイルの温度を100℃にして7時間予備加熱を行い、オイルの温度を160℃にして4時間加熱した。その後、さらに、オイルの温度を195℃にして4.5時間加熱した以外は実施例7と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるグルコースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース=1:1:1である。
(実施例9)
グルコースの代わりに砂糖(スクロース)を用いた以外は実施例1と同様にして、脱イオン水にスクロースと炭酸カリウムとが分散された分散液を生成した。
次に、この分散液を攪拌しながら、珪藻土20gを少しずつ加えた後、続けて10分間攪拌し、分散液に珪藻土が混合された混合物を生成した。
次に、この混合物を真空脱泡撹拌機にセットし、10分間、真空脱泡処理を行った。
次に、この混合物を電気炉にセットし、100℃で7時間、140℃で3.5時間、150℃で3時間、170℃で4.5時間、200℃で4時間加熱して、混合物から水分を除去し、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるスクロースとを含む複合体を得た。
次に、得られた複合体を、実施例1と同様に、乳鉢および乳棒を用いて粉砕した後、2.00mm~4.75mmの範囲でふるい分けし、小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとスクロースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:スクロース=1:1:1である。
(実施例10)
スクロースの量を10gとした以外は実施例9と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムと糖質であるスクロースとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとスクロースとの含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:スクロース=1:1:0.5である。
(比較例1)
炭酸カリウム水溶液における炭酸カリウムの量を10gとし、グルコースを用いずに、炭酸カリウム水溶液に珪藻土を加えて混合物を生成した以外は実施例1と同様にして、珪藻土と塩基性化合物である炭酸カリウムとを含む小片状の吸着材を得た。この吸着材では、珪藻土と炭酸カリウムとグルコース(スクロース)との含有量の比率は、珪藻土:炭酸カリウム:グルコース(スクロース)=1:0.5:0である。
表1に、実施例1~10および比較例1について、糖質の種類、珪藻土と糖質と塩基性化合物との比率、真空引きの有無、加熱方法および加熱温度を示す。
Figure 2023048412000001
2.二酸化硫黄吸着試験
実施例1~10および比較例1で得られた吸着材について、吸着対象の酸性ガスとして二酸化硫黄を用いて、吸着性能を試験した。
(1)試験方法
実施例1~10および比較例1で得られた吸着材に対し、湿度45%RH、二酸化硫黄20ppmに調整した空気を、SV(Space Velocity)値(空間速度)が53,000h-1となるように連続的に流した。そして、吸着材よりも上流側および下流側における空気の二酸化硫黄濃度をそれぞれ測定し、上流側の二酸化硫黄濃度と下流側の二酸化硫黄濃度とを用いて、以下の式(1)に基づいて、それぞれの吸着材による二酸化硫黄の吸着効率を算出した。そして、吸着効率が85%を下回るまでの時間を吸着材の寿命と定義した。
吸着効率(%)
={1-(下流側の二酸化硫黄濃度/上流側の二酸化硫黄濃度)}×100 …(1)
また、実施例1~7については、二酸化硫黄を含む空気の湿度を20%RHに変更した以外は上記と同様にして、それぞれの吸着材による二酸化硫黄の吸着効率および寿命を算出した。
(2)試験結果
表2に、実施例1~10および比較例1について、得られた吸着材の重量(g)、上記方法により測定された寿命(h)、および吸着材1g当たりの寿命(h/g)を示す。
Figure 2023048412000002
表2に示すように、珪藻土と塩基性化合物と糖質とを含有する実施例1~10の吸着材は、湿度45%RHおよび湿度20%RHの条件での二酸化硫黄吸着試験において、酸性ガスである二酸化硫黄を吸着することが確認された。これに対し、糖質を含まない比較例1の吸着材は、湿度45%RHでの二酸化硫黄吸着試験において、二酸化硫黄を吸着しなかった。
これにより、珪藻土と塩基性化合物と糖質とを含有する吸着材では、糖質を含まない場合と比較して、吸着性能の低下を抑制できることが確認された。
また、実施例1~10を比較すると、糖質としてグルコースを含む実施例1~8の吸着材は、糖質としてスクロースを含む実施例9、10の吸着材と比較して、湿度45%RHの条件での二酸化硫黄吸着試験において、吸着材1g当たりの寿命が長かった。
これにより、珪藻土と塩基性化合物と糖質とを含有する吸着材では、糖質としてグルコースを用いることで、糖質としてスクロースを用いる場合と比較して、酸性ガスである二酸化硫黄の吸着性能が向上することが確認された。
続いて、糖質としてグルコースを含有する吸着材のうち、珪藻土と塩基性化合物と糖質との含有比率が互いに異なる実施例1、3~6の吸着材を比較する。塩基性化合物の含有量が珪藻土の含有量以下である実施例1、3~5の吸着材では、塩基性化合物の含有量が珪藻土の含有量よりも多い実施例6の吸着材と比較して、湿度45%RHおよび湿度20%RHでの二酸化硫黄吸着試験において、吸着材1g当たりの寿命が長かった。
これにより、糖質としてグルコースを含有する吸着材では、塩基性化合物の含有量を珪藻土の含有量以下とすることで、酸性ガスである二酸化硫黄の吸着性能が向上することが確認された。
続いて、塩基性化合物の含有量が珪藻土の含有量以下である実施例1、3~5の吸着材を比較する。グルコースの含有量が珪藻土の含有量以下である実施例1、3、5の吸着材では、グルコースの含有量が珪藻土の含有量よりも多い実施例4の吸着材と比較して、湿度45%RHでの二酸化硫黄吸着試験において、吸着材1g当たりの寿命が長かった。
これにより、糖質としてグルコースを含有する吸着材では、グルコースの含有量を珪藻土の含有量以下とすることで、酸性ガスである二酸化硫黄の吸着性能が向上することが確認された。
3.硫化水素吸着試験
実施例2、3、5および比較例1で得られた吸着材について、吸着対象の酸性ガスとして硫化水素を用いて、吸着性能を試験した。
(1)試験方法
実施例2、3、5および比較例1で得られた吸着材に対し、湿度50%RH、硫化水素200ppmに調整した空気を、SV値が5,252h-1となるように連続的に流した。そして、吸着材よりも上流側および下流側における空気の硫化水素濃度をそれぞれ測定し、上流側の硫化水素濃度と下流側の硫化水素濃度とを用いて、以下の式(2)に基づいて、それぞれの吸着材による硫化水素の吸着効率を算出した。そして、吸着効率が85%を下回るまでの時間を吸着材の寿命と定義した。
吸着効率(%)
={1-(下流側の硫化水素濃度/上流側の硫化水素濃度)}×100 …(2)
(2)試験結果
表3に、実施例2、3、5および比較例1について、得られた吸着材の重量(g)、上記方法により測定された寿命(h)、および吸着材1g当たりの寿命(h/g)を示す。
Figure 2023048412000003
表3に示すように、珪藻土と塩基性化合物と糖質とを含有する実施例2、3、5の吸着材は、硫化水素吸着試験において、弱酸性の酸性ガスである硫化水素を吸着することが確認された。また、珪藻土と塩基性化合物と糖質とを含有する実施例2、3、5の吸着材と、糖質を含まない比較例1の吸着材とを比較すると、実施例2、3、5の吸着材では、比較例1の吸着材と比較して、硫化水素吸着試験において、吸着材1g当たりの寿命が長かった。
これにより、珪藻土と塩基性化合物と糖質とを含有する吸着材では、糖質を含まない吸着材と比較して、弱酸性の酸性ガスである硫化水素の吸着性能が向上することが確認された。
4.吸着材の結晶構造の推定
実施例1~6で得られた吸着材について、X線回折により結晶構造の推定を行った。
実施例1の吸着材では、KH(Si25)に対応する回折ピークが観察された。また、実施例2、実施例3および実施例6の吸着材では、KH(Si25)および、K42(CO33・1.5H2Oに対応する回折ピークが観察された。さらに、実施例4の吸着材では、K42(CO33・1.5H2OおよびK2CO3・1.5H2Oに対応する回折ピークが観察された。一方、実施例5の吸着材では、珪藻土と糖質以外の化合物に対応する回折ピークは観察されなかった。
ここで、上記で説明した実施形態の各々は、以下のようにとらえることができる。
本実施形態の吸着材は、酸性ガスを吸着するための吸着材であって、珪藻土と、塩基性化合物と、糖質とを含有する。
この場合、吸着材が糖質を含まない場合と比較して、珪藻土と塩基性化合物とを有する吸着材の吸着性能の低下を抑制することができる。
また、糖質は、グルコースであってもよい。
この場合、グルコース以外の糖質を用いる場合と比較して、吸着材による酸性ガスの吸着性能を向上させることができる。
また、塩基性化合物は、アルカリ金属の炭酸塩であってもよい。
この場合、アルカリ金属の炭酸塩以外の塩基性化合物を用いる場合と比較して、糖質によって塩基性化合物の結晶化をより抑制することができる。
また、塩基性化合物の含有量は、珪藻土の含有量以下であってもよい。
この場合、塩基性化合物の含有量が珪藻土の含有量よりも多い場合と比較して、吸着材による酸性ガスの吸着性能を向上させることができる。
また、糖質の含有量は、珪藻土の含有量以下であってもよい。
この場合、糖質の含有量が珪藻土の含有量よりも多い場合と比較して、吸着材による酸性ガスの吸着性能を向上させることができる。
また、他の観点から捉えると、本実施形態の吸着材の製造方法は、酸性ガスを吸着するための吸着材の製造方法であって、塩基性化合物と糖質とを水に分散させた分散液を生成する工程と、前記分散液と珪藻土とを混合した混合物を生成する工程と、前記混合物から水分を除去する工程とを有する。
この場合、糖質によって塩基性化合物の結晶化を抑制することができ、珪藻土と塩基性化合物とを有する吸着材の吸着性能の低下を抑制することができる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。

Claims (6)

  1. 酸性ガスを吸着するための吸着材であって、
    珪藻土と、
    塩基性化合物と、
    糖質と
    を含有する吸着材。
  2. 前記糖質は、グルコースであることを特徴とする請求項1に記載の吸着材。
  3. 前記塩基性化合物は、アルカリ金属の炭酸塩であることを特徴とする請求項2に記載の吸着材。
  4. 前記塩基性化合物の含有量は、前記珪藻土の含有量以下であることを特徴とする請求項3に記載の吸着材。
  5. 前記糖質の含有量は、前記珪藻土の含有量以下であることを特徴とする請求項4に記載の吸着材。
  6. 酸性ガスを吸着するための吸着材の製造方法であって、
    塩基性化合物と糖質とを水に分散させた分散液を生成する工程と、
    前記分散液と珪藻土とを混合した混合物を生成する工程と、
    前記混合物から水分を除去する工程と
    を有する吸着材の製造方法。
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