JP4721979B2 - 陰イオン吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、陰イオン吸着剤及びその製造方法に関する。
水質汚濁防止法において、有害物質の全国一律排水基準が設定されている。その中で、規制物質のセレン及びその化合物等について、平成18年1月31日に暫定排水基準適用が延長された(平成21年1月31日まで)。
その理由は、排水処理技術の開発・実用化の動向、排出水の濃度レベルなどを勘案し、有効な方法が無いためである。
特許文献1には、「鉛と鉄を含んでX線的に非晶質或いは結晶である酸化物の粉末であって、一般式(PbO)(FeO)(Fe1−x−y・aHO(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表されることを特徴とするセレンイオンの吸着剤」が記載されている。
そして、特許文献2には、「ゼオライト及び(PbO)(FeO)(Fe1−x−y・aHO(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表される鉛化合物から成る重金属の吸着剤」が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された吸着剤は、鉛化合物を含んでおり、処理液中に鉛が溶出するという問題点がある。
更に、特許文献3には、「異なる水素イオン濃度において水酸化物沈殿を生成する少なくとも2種類の金属元素を含有する溶液にアルカリを加えることにより得られる非晶質の共沈殿物からなる陰イオン吸着剤であって、前記少なくとも2種類の金属元素が鉛以外の金属元素であることを特徴とする陰イオン吸着剤」、そして、具体的には、「鉄と銅の水酸化物から成る陰イオン吸着剤」が記載されている。
しかしながら、「鉄と銅の水酸化物から成る陰イオン吸着剤」においても、処理液中に銅が溶出するという問題点があることが、「資源処理技術、Vol.50、No.1(2003)、P22−27」で報告されている。
特許第3349496号公報 特許第3770538号公報 特開2003−334542号公報
本発明は上記の問題を鑑みて成されたものであって、その目的は、処理液中に鉛、銅等の吸着剤に由来する重金属が溶出せず、かつ、セレン、アンチモン、バナジウム等の陰イオンを効率良く吸着することの出来る、陰イオン吸着剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、「(1)鉄と(2)銅、マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の水酸化物から成る陰イオン吸着剤」において、水酸化ジルコニウムを特定量含有させることにより、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、
1.(1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を含有する水溶液に中和pH=6〜10となるようにアルカリを加え複合金属水酸化物を生成させ、ろ過した後、該複合金属水酸化物を水に再分散させ、再度ろ過することにより得られる、
)金属酸化物換算で、Fe:20〜70%、CuO、MgOから選ばれる少なくとも1種:20〜70%及びZrO:5〜20%含有し、()比表面積が90m/g以上であり、()細孔径が30〜60nmの細孔を35%以上有している、複合金属水酸化物から成ることを特徴とする陰イオン吸着剤。
2.前記それぞれの複合金属水酸化物を70〜150℃の温度で乾燥する、前記1記載の陰イオン吸着剤。
3.(1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を含有する水溶液に中和pH=6〜10となるようにアルカリを加え複合金属水酸化物を生成させ、ろ過した後、該複合金属水酸化物を水に再分散させ、再度ろ過することを特徴とする陰イオン吸着剤の製造方法。
4.前記それぞれの複合金属水酸化物を70〜150℃の温度で乾燥することを特徴とする前記3記載の陰イオン吸着剤の製造方法。
を提供するものである。
本発明の「水酸化鉄−水酸化銅、水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の水酸化物−水酸化ジルコニウム」の複合金属水酸化物から成る陰イオン吸着剤は、水酸化ジルコニウムを特定量含有させることにより、(1)水酸化鉄及び(2)水酸化銅、水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の水酸化物が安定化されているため、吸着剤に由来する重金属が溶出せず、かつ、従来除去が困難とされてきたセレン、アンチモン、バナジウム等の陰イオンを効率良く吸着することの出来るため、斯界において好適に用いることが出来る。
以下に本発明の複合金属酸化物及びその製造方法について詳細に説明する。
なお、本発明において、「%」は「質量%(=重量%)」を意味する。
1.陰イオン吸着剤
本発明の陰イオン吸着剤は、(1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を含有する水溶液に中和pH=6〜10となるようにアルカリを加え複合金属水酸化物を生成させ、ろ過した後、該複合金属水酸化物を水に再分散させ、再度ろ過することにより得られ、金属酸化物換算で、Fe:20〜70%、CuO、MgOから選ばれる少なくとも1種:20〜70%及びZrO:5〜20%含有する複合金属水酸化物から成ることを特徴とする。
金属酸化物換算で、Fe:20〜70%、CuO、MgOから選ばれる少なくとも1種:20〜70%及びZrO:5〜20%の範囲内であれば、優れた陰イオンの吸着量を有すると共に排水中に複合金属水酸化物が溶出することもない。
本発明の最大の特徴は、「水酸化鉄−水酸化銅、水酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種水酸化物」の安定化剤として、「水酸化ジルコニウム」を用い、この結果、吸着剤に由来する重金属の溶出を防止した点にある。
この理由については、現在の所では明確に解明されていないが、水酸化ジルコニウム(Zr(OH))は、図1に示すように水酸基を介して網目構造をとることが知られており、この水酸基の一部が鉄及び/又は銅の水酸化物の水酸基と配位結合することにより、(1)鉄及び/又は(2)銅、マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の水酸化物が安定化し、この結果、(1)鉄及び/又は(2)銅、マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の水酸化物からの溶出が防止されるのではないかと考えている。
次に、本発明のイオン吸着剤である複合金属水酸化物の比表面積は、90m/g以上である。
比表面積が90m/g未満では、吸着性能が低下するため好ましくない。
更に、本発明のイオン吸着剤である複合金属水酸化物は、細孔径が30〜60nmの細孔を35%以上、好ましくは40%以上、有している。
細孔径が30〜60nmの細孔が35%未満では、吸着性能が低下するため、好ましくない。
本発明の陰イオン吸着剤は、上記のような特徴を有しており、従来除去が困難とされてきたセレン、アンチモン、バナジウム等の陰イオン除去に有用であるが、これらのイオン種に何ら限定されるものではなく、例えば、リン酸イオン等の除去にも用いることが出来る。
なお、本発明の陰イオン吸着剤に吸着した陰イオンは、アルカリ性溶液で処理することにより、脱着することが出来、そして、陰イオン吸着剤は水洗等の再生処理を行った後、再利用することが出来る。
アルカリ性溶液及び再生処理等は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることが出来る。
2.陰イオン吸着剤の製造方法
本発明の陰イオン吸着剤の製造方法は、(1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を含有する水溶液に中和pH=6〜10となるようにアルカリを加え複合金属水酸化物を生成させ、ろ過した後、該複合金属水酸化物を水に再分散させ、再度ろ過することを特徴とする。
具体的には、特に限定されるものではないが、以下の手順で行うことが好ましい。
先ず、鉄塩としては、硝酸第二鉄(Fe(NO)、塩化第二鉄(FeCl)、硫酸第二鉄(Fe(SO)等の第二鉄化合物を用いることができる。
銅塩としては、硫酸第二銅(CuSO)、硝酸第二銅(Cu(NO)、塩化第二銅(CuCl)、酢酸第二銅(Cu(CHCOO))等の第二銅化合物を用いることができる。
マグネシウム塩としては、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、塩化マグネシウム(MgCl)、硫酸マグネシウム(MgSO)等のマグネシウム化合物を用いることができる。
ジルコニウム塩としては、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl)、硫酸ジルコニウム(Zr(SO)、硝酸ジルコニウム(Zr(NO)等のジルコニウム化合物を用いることができる。
次に、所定量の(1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を水(好ましくは、純水又はイオン交換水)に溶解させる。溶解後の塩類の濃度は、溶解度の範囲内であれば特に問題はないが、通常、酸化物に換算した濃度で3〜10(wt%)とすれば良い。
そして、アルカリを用いて、pH=6〜10、好ましくはpH=7〜9となるように中和することにより、複合金属水酸化物が生成する。
pHが6未満及び10を超えると、共沈したときの回収率が低下するため好ましくない。
なお、中和に用いるアルカリとしては、NaOH、KOH、NaCO、NHOH等を用いることができる。この中では、金属イオンと錯イオンを形成せず、イオン半径が小さいという理由で、水酸化ナトリウム(NaOH)が好ましい。
又、アルカリの濃度は、特に限定されるものではないが、通常、5〜30%のものが用いられる。
この様にして生成した複合金属水酸化物は、ろ過することにより、含水ケーキとして得ることができる。
なお、ろ過方法としては、特に限定されるものでなく、公知の方法及び装置、例えば、アスピレータ方式及び真空ポンプ方式等、を使用することが出来る。
ところで、上記の含水ケーキ中には、(1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩に含まれる陰イオンと中和に用いたアルカリの種類に応じて、例えば、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の塩が含まれている。
これらの塩を除く方法としては、含水ケーキを十分な水を用いて水洗する、或いは、含水ケーキを水でリパルプし、再度、ろ過する等の方法が考えられるが、本発明においては、このような操作を行わず、得られた含水ケーキを70〜150℃、好ましくは110〜120℃で乾燥することが、最大の特徴である。
すなわち、生成した複合水酸化物と中和の際に生成した『塩』を混在させた状態で乾燥させることにより、複合水酸化物表面及びその内部に複雑な形状で塩が生成すると共に水分の蒸発に伴う空隙の生成等が複雑に絡み合って、次工程で『塩』を除去した際に、比表面積が大きく、かつ、微細な細孔を持つ、複合水酸化物が得られる。
なお、その詳細なメカニズムについては、現在の所では、明確になっていない。
しかしながら、このような操作を行うことにより、再現性良く、高比表面積を持ち、かつ、陰イオン吸着剤として最適な細孔分布を持つ複合酸化物が得られる。
ところで、乾燥温度が、70℃未満では結晶水が蒸発せず、150℃を超えると水酸化物の構造が変化するため好ましくない。
そして、この様にして得られた乾燥物を水と接触させ、リパルプすることにより、乾燥物中の塩を効率的に溶解させることができる。
この時用いる水の量は、特に限定するものではないが、乾燥物100gに対して、水を0.3〜0.5L(リットル)用いることが好ましい。
続いて、リパルプした溶液を十分攪拌した後、再度、ろ過し、必要に応じ水洗することにより、複合金属水酸化物を得ることができる。
最後に、得られた複合金属水酸化物を70〜150℃、好ましくは110〜120℃で、恒量になるまで乾燥することにより、複合金属水酸化物からなる陰イオン吸着剤を得ることができる。
上記で記載したように、ろ過、乾燥を2度繰り返すことが本発明の特徴であり、この結果、比表面積が90m/g以上で、細孔径が30〜60nmの細孔を35%以上、好ましくは40%以上、有している、陰イオン吸着剤として好適な特性を持つ複合金属水酸化物を、簡単な製造方法で得ることができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。なお、本発明は、これらの実施例の態様に限定されるものではない。
なお、実施例中における物性は、以下の方法により測定した。
(1)比表面積
比表面積計(「フローソーブ−II」マイクロメリティクス製)を用い、BET法により測定した。
(2)細孔径
細孔分布測定器 AUTOSORB−1(カンタクロム社製)を用いて測定した。
(3)粒子径
粒子径分布測定装置SALD−2100(島津製作所製)を用いて測定した。
(4)SEM
FE−SEM JSM−6700F(日本電子製)を用いて粒子表面を観察した。
(5)L.O.I.(灼熱減量)
電気炉にて、1000℃で3時間熱処理を行い求めた。
硝酸第二鉄九水和物を、Fe換算で200g分取し、脱イオン水2Kgに溶解した。ついで、硝酸第二銅三水和物をCuO換算で165g分取し、脱イオン水2Kgに溶解した。酸塩化ジルコニウムをZrO換算で25g分取し脱イオン水1Kgに溶解した。
鉄イオン水溶液に、銅イオン水溶液、ジルコニウムイオン水溶液を加え、攪拌しながら15%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを7.5に調整した。
生成した水酸化物をろ過し、水酸化物1620gを得た。そして、110℃で乾燥させた。
次に、110℃で乾燥させた複合金属水酸化物、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウムの混合物820gを、脱イオン水3Kgに分散させ、攪拌した後、ろ過、水洗を行った。
得られた水酸化物を110℃で恒量になるまで乾燥し、742gの複合金属水酸化物からなる陰イオン吸着剤を得た。
得られた陰イオン吸着剤の組成は、Fe:49.8%、CuO:44.1%、ZrO:6.1%、L.O.I.:35.6%であった。
なお、比表面積は123m/g、粒子径は20.6μmであった。
一方、細孔径の測定結果を図2に示す。これより、細孔径が30〜60nmの細孔を45%、有していることが判る。
又、図3にSEM写真を示す、表面に無数の細孔が認められる。
硝酸第二鉄九水和物を、Fe換算で25g分取し、脱イオン水500gに溶解した。ついで、硝酸第二銅三水和物をCuO換算で70g分取し、脱イオン水500gに溶解した。酸塩化ジルコニウムをZrO換算で15g分取し脱イオン水500gに溶解した。
鉄イオン水溶液に、銅イオン水溶液、ジルコニウムイオン水溶液を加え、攪拌しながら15%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを8.5に調整した。
生成した水酸化物をろ過し、水酸化物349gを得た。そして、110℃で乾燥させた。
次に、110℃で乾燥させた複合金属水酸化物、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウムの混合物217gを、脱イオン水3Kgに分散させ、攪拌した後、ろ過、水洗を行った。
得られた水酸化物を110℃で恒量になるまで乾燥し、201gの複合金属水酸化物からなる陰イオン吸着剤を得た。
得られた陰イオン吸着剤の組成は、Fe:22.1%、CuO:64.4%、ZrO:13.5%、L.O.I.:20.6%であった。
なお、比表面積は134m/g、粒子径は22.1μmであった。
硝酸第二鉄九水和物を、Fe換算で100g分取し、脱イオン水0.5Kgに溶解した。ついで、硝酸マグネシウム六水和物をMgO換算で100g分取し、脱イオン水0.5Kgに溶解した。酸塩化ジルコニウムをZrO換算で9g分取し脱イオン水0.2Kgに溶解した。
鉄イオン水溶液に、銅イオン水溶液、ジルコニウムイオン水溶液を加え、攪拌しながら15%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを8.9に調整した。
生成した水酸化物をろ過し、水酸化物928gを得た。そして、110℃で乾燥させた。
次に、110℃で乾燥させた複合金属水酸化物、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウムの混合物406gを、脱イオン水2Kgに分散させ、攪拌した後、ろ過、水洗を行った。
得られた水酸化物を110℃で恒量になるまで乾燥し、386gの複合金属水酸化物からなる陰イオン吸着剤を得た。
得られた陰イオン吸着剤の組成は、Fe:41.6%、MgO:49.6%、ZrO:8.8%、L.O.I.:39.8%であった。
なお、比表面積は93m/g、粒子径は21.8μmであった。
比較例1
硝酸第二鉄九水和物を、Fe換算で200g分取し、脱イオン水2Kgに溶解した。ついで、硝酸第二銅二水和物をCuO換算で200g分取し、脱イオン水2Kgに溶解した。
鉄イオン水溶液に、銅イオン水溶液を加え、攪拌しながら15%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを7.1に調整した。
生成した水酸化物をろ過後、10Lの純水で洗浄し、60℃で恒量になるまで乾燥し、798gの複合金属水酸化物からなる陰イオン吸着剤を得た。
得られた陰イオン吸着剤の組成は、Fe:49.5%、CuO:50.5%、L.O.I.:37.2%であった。
なお、比表面積は49m/g、粒子径は101.2μmであった。
比較例2
硝酸第二鉄九水和物を、Fe換算で200g分取し、脱イオン水2Kgに溶解した。ついで、硝酸第二銅三水和物をCuO換算で165g分取し、脱イオン水2Kgに溶解した。酸塩化ジルコニウムをZrO換算で15g分取し脱イオン水1Kgに溶解した。
鉄イオン水溶液に、銅イオン水溶液、ジルコニウムイオン水溶液を加え、攪拌しながら15%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを6.8に調整した。
生成した水酸化物をろ過後、10Lの純水で洗浄し、110℃で恒量になるまで乾燥し、811gの複合金属水酸化物からなる陰イオン吸着剤を得た。
得られた陰イオン吸着剤の組成は、Fe:52.6%、CuO:43.4%、ZrO:4.0%、L.O.I.:38.1%であった。
なお、比表面積は49m/g、粒子径は85.6μmであった。
一方、細孔径の測定結果を図2に示す。これより、細孔径が30〜60nmの細孔が15%と非常に少ないことが判る。また、図4のSEM写真より、粒子表面に細孔が殆ど無いことが判る。
イオン交換能の測定(吸着試験)は、次のようにして行った。
先ず、各イオン濃度を1000ppmに調製した水溶液100cmに吸着剤1g添加し、25℃の温度下で24時間攪拌させた後、固形分をろ別し、ろ液中のイオン濃度を定量し、吸着剤1g当たりの交換能を計算により求めた。
pH調整は、0.1mol/dmの水酸化ナトリウム溶液又は塩酸を用いて行った。
なお、リン酸イオンはJIS法で規格されたモリブデン青(アスコルビン酸)吸光光度法(「UV−265FW」分光光度計、島津製作所製)により、その他のイオン及び溶出イオン(Fe、Mg、Cu、Zr)はI.C.P.−AES(「SPS−1200A」セイコー電子製)によりそれぞれ定量した。
吸着試験結果を表1に示す。
なお、各吸着試験溶液中の鉄、銅及びジルコニウムイオン濃度を測定した結果、I.C.P.−AESの検出下限(鉄:0.05ppm、銅:0.05ppm、ジルコニウム:0.05ppm)以下であったため、検出できなかった。これらの結果よりイオンの溶出はないと考えられる。詳細は、表1に示す。
Figure 0004721979
表1より、本発明の陰イオン吸着剤は、セレン(IV、VI)、V(V)、Sb(V)及びP(V)の吸着性能に優れ、かつ、構成成分の溶出もないことが判る。
水酸化ジルコニウムの構造変化を表す模式図を示す。(出典:L.M.Zaitsev;Zh.Neorg.Khi.,11,1684(1984)) 実施例1及び比較例2で得られた陰イオン吸着剤の細孔径の測定結果を示す。 実施例1で得られた陰イオン吸着剤のSEM写真を示す。 比較例2で得られた陰イオン吸着剤のSEM写真を示す。

Claims (4)

  1. (1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を含有する水溶液に中和pH=6〜10となるようにアルカリを加え複合金属水酸化物を生成させ、ろ過した後、該複合金属水酸化物を水に再分散させ、再度ろ過することにより得られる、
    )金属酸化物換算で、Fe:20〜70%、CuO、MgOから選ばれる少なくとも1種:20〜70%及びZrO:5〜20%含有し、()比表面積が90m/g以上であり、()細孔径が30〜60nmの細孔を35%以上有している、複合金属水酸化物から成ることを特徴とする陰イオン吸着剤。
  2. 前記それぞれの複合金属水酸化物を70〜150℃の温度で乾燥する、請求項記載の陰イオン吸着剤。
  3. (1)鉄塩、(2)銅塩、マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種及び(3)ジルコニウム塩を含有する水溶液に中和pH=6〜10となるようにアルカリを加え複合金属水酸化物を生成させ、ろ過した後、該複合金属水酸化物を水に再分散させ、再度ろ過することを特徴とする陰イオン吸着剤の製造方法。
  4. 前記それぞれの複合金属水酸化物を70〜150℃の温度で乾燥することを特徴とする請求項記載の陰イオン吸着剤の製造方法。
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