JP2023048287A - 医療用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】巾着縫合器により生体器官に固定した場合であっても結紮操作後に生体器官の接合面に適切に配置すること。【解決手段】複数の貫通孔112が形成され、生体器官Aの動きに追従可能なシート状の本体部110と、本体部110に設けられ、生体器官Aの断端に形成される巾着縫合部A11に固定される固定部120と、を有し、固定部120は、巾着縫合部A11を結紮する結紮操作の後に、生体器官Aの吻合対象領域AXの略中央部分に形成される結紮部A12に位置し、本体部110は、結紮操作の際、結紮部A12の形成位置への固定部120の移動に伴って吻合対象領域AXを覆うように変位または変形する。【選択図】図4

Description

本発明は、医療用部材に関する。
医療の分野において、生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば、消化管を接合する吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された部位(以下、「吻合部」と称する)における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることも知られている。
生体器官を接合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば、生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の吻合装置を利用する方法が提案されている。特に、機械式の吻合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して吻合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
下記特許文献1には、機械式の吻合装置による吻合術を行う際に、吻合対象となる生体器官(結腸)の断端に巾着縫合を行うための装置について開示されている。特許文献1の装置では、本体の環状外側表面から半径方向外向きに延出する複数の突出部と、突出部に設けられて縫合糸が通過するガイド溝と、ガイド溝から突出部の外面まで延在する縫合糸出口溝と、を有するひだ付け部材を用い、生体器官を横切開する前にひだを形成して巾着縫合を行っている。
特表2018-528021号公報
吻合部における癒合の進行の程度は、患者の吻合対象部位における生体組織の状態などにも依存し、患者の生体組織の状態如何によっては、縫合不全のリスクを十分に低減させることができない可能性もある。
このような課題に対応するため、機械式の吻合装置を用いた吻合術において、吻合部の癒合を促進させることを目的として生体器官の接合面に医療用部材を配置することが考えられる。また、生体器官の接合面に医療用部材を配置するにあたり、術者は、例えば特許文献1に開示される装置などを用い、生体器官を巾着縫合する際に、同時に生体器官に医療用部材を結紮すれば、手技の簡便化や手技時間の短縮を図ることができる。
ところが、この種の医療用部材は、生体器官の断端の大きさに合わせて生体器官の接合面全体を覆うように形成されるため、接合面の生体組織の動きに追従できるように柔軟性を有しており容易に形状変化し得る。そのため、生体器官に形成した巾着縫合部に医療用部材を直接縫合してしまうと、巾着縫合部の縫合糸を絞って結紮部を形成した際に、医療用部材に撚れなどが生じて生体器官に適切に配置できない可能性がある。医療用部材は、適切に配置されないと、吻合部の癒合促進効果が薄れる可能性があるため、術者は、撚れ部分(重なり部分)を広げる作業が必要となり、手技が煩雑化してしまうこともある。
本発明の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、具体的には、生体器官の動きに追従可能な医療用部材を生体器官の巾着縫合部に固定した場合であっても結紮操作後に生体器官の接合面に適切に配置することができる医療用部材を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本実施形態に係る医療用部材は、複数の貫通孔が形成され、生体器官の動きに追従可能なシート状の本体部と、前記本体部に設けられ、前記生体器官の断端に形成される巾着縫合部に固定される固定部と、を有し、前記固定部は、前記巾着縫合部を結紮する結紮操作の後に、前記生体器官の吻合対象領域の略中央部分に形成される結紮部に位置し、前記本体部は、前記結紮操作の際、前記結紮部の形成位置への前記固定部の移動に伴って前記吻合対象領域を覆うように変位または変形する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、生体器官の動きに追従可能な柔軟性を有する医療用部材の本体部は、固定部を介して巾着縫合部に固定されるため、結紮操作により巾着縫合部を絞って結紮部を形成しても、本体部に撚れなどが生じることなく生体器官の接合面である吻合対象領域を覆うことができる。したがって、術者は、医療用部材を生体器官の吻合部に適切に配置することができる。
本実施形態に係る医療用部材の概略斜視図である。 図1に示す2-2線に沿う医療用部材の部分断面図である。 医療用部材の平面図である。 第1形態に係る本体部を備える医療用部材の概略斜視図である。 第1形態に係る医療用部材の結紮操作前の状態を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の結紮操作後の状態を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の変形例を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の変形例を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の変形例を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の変形例を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の補強部を示す概略図である。 第1形態に係る医療用部材の連結部を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の概略斜視図である。 第2形態に係る本体部を備える医療用部材の結紮操作前の状態を示す概略図である。 第2形態に係る本体部を備える医療用部材の結紮操作後の状態を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の折り畳み状態を示す概略図である。 図11Aに示す形態の展開状態を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の他の形態における折り畳み状態を示す概略図である。 図12Aに示す形態の展開状態を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の他の形態における折り畳み状態を示す概略図である。 図13Aに示す形態の展開状態を示す概略図である。 第2形態の医療用部材の折り目の一例を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の折り目の一例を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の補強部を示す概略図である。 第2形態に係る医療用部材の連結部を示す概略図である。 巾着縫合器の概略構成図である。 図17Aに示す3-3線に沿う挟持部の概略側面図である。 第1形態の固定具を備えた医療デバイスを示す概略図である。 第2形態の固定具を備えた医療デバイスを示す概略図である。 第3形態の固定具を備えた医療デバイスを示す概略図である。 第4形態の固定具を備えた医療デバイスを示す概略図である。 第1形態の固定具に設けられる把持部を示す概略図である。 第1形態の固定具に設けられる係合部を示す概略図である。 第1形態の固定具の変形例1を示す概略図である。 第1形態の固定具の変形例2を示す概略図である。 第1形態の固定具の変形例3を示す概略図である。 図22Aの4-4線に沿う挟持部および固定具の概略断面図である。 変形例3の固定具を針挿通路から抜去した状態を示す概略図である。 第1形態の固定具の変形例4を示す概略図である。 変形例4の固定具に生体器官の一部が進入した状態を示す概略図である。 第1形態の固定具の変形例5を示す概略図である。 変形例5の固定具の破損部が破損した状態を示す概略図である。 医療用部材を使用した処置方法の手順を示すフローチャートである。 処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。 図26のS101の手技を説明するための概略図である。 図26のS101の手技を説明するための概略図である。 図26のS101の手技を説明するための概略図である。 図26のS101の手技を説明するための概略図である。 図26のS101の手技を説明するための概略図である。 大腸吻合術を説明するための模試的な概略断面図である。 大腸吻合術を説明するための模試的な概略断面図である。 大腸吻合術を説明するための模試的な概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のし易さの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
なお、以下の説明において、「第1」、「第2」のような序数詞を付して説明する場合は、特に言及しない限り、便宜上用いるものであって何らかの順序を規定するものではない。
[デバイス構成]
本実施形態に係る医療デバイス1について説明する。医療デバイス1は、生体器官の吻合部に適用される医療用部材100と、医療用部材100の固定部120を巾着縫合器300に装着(固定)させるための固定具200と、を備える。
<医療用部材>
医療用部材100は、図27~図34に示すように、所定の生体器官同士を接合する手技(例えば、消化管の吻合術)に適用され、所定の効果を奏することを目的としたシート状の部材である。後述するように、本明細書の説明では、医療用部材100を使用した手技例として大腸吻合術を説明する。
医療用部材100は、吻合対象となる二つ以上の生体器官Aの間に留置されることにより、二つの生体器官の生体組織の癒合を促進する癒合促進用デバイスとしての機能を持つ。
具体的には、医療用部材100は、生体器官Aの吻合部に適用されることによって、生体器官Aの生体成分の発現を誘導する。医療用部材100は、誘導された生体成分が貫通孔112を貫通して集積することによって癒合を促進させることができる。なお、医療用部材100が奏する効果は、吻合部の癒合促進に限定されない。また、医療用部材100は、巾着縫合器300に対して一体でも別体でもよく、また生体器官Aに固定されていてもよい。
〈本体部〉
医療用部材100は、図1に示すように、複数の貫通孔112が形成されたメッシュ状の本体部110を有する。
複数の貫通孔112は、本体部110の厚み方向(図2の上下方向)に沿って、本体部110の表面110aと本体部110の裏面110bとの間を貫通している。
本体部110に形成された各貫通孔112は、本体部110の面方向において規則的かつ周期的に設けられている。但し、各貫通孔112は、本体部110の面方向の各部においてランダムに設けられていてもよい。
各貫通孔112は、図1に示すように、本体部110の厚み方向(図1の上下方向)に沿って表面(上面)110aと裏面(下面)110bとの間で略垂直に延びている。なお、各貫通孔112は、本体部110の厚み方向に沿う断面において、表面110aと裏面110bとの間でジグザグ状に屈曲していたり、湾曲していたりしてもよい。
また、各貫通孔112は、厚み方向に沿う平面視において略円形の平面形状を有する。但し、各貫通孔112の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形など)であってもよい。また、貫通孔112ごとに平面形状や断面形状が異なっていてもよい。なお、本明細書では、図面の見易さなどを考慮し、図2以降に示される本体部110は、貫通孔112を省略している。
図3に示すように、本体部110は、領域E1と、領域E2と、領域E3と、を有する。
領域E1は、図3に示すように、領域E2の外周よりも外側に配置される。領域E1は、接合装置700を構成する第1係合器具710と第2係合器具720とによって挟まれる領域となる。領域E1は、生体器官Aの断端と対向する位置で接合対象となる生体器官Aの間に配置され(図30を参照)、生体組織の癒合を促進することができる。
領域E2は、吻合対象となる生体器官A(例えば、大腸)の内腔と連通する開口部を形成するために、接合装置700により打ち抜き加工される打ち抜き部の領域である。
領域E3(図3中の網掛け部分)は、各係合器具710、720により生体器官同士を接合する際に、生体器官Aの間に挟み込まれた状態で留置される接合箇所に相当する。領域E3は、生体器官Aの間に留置されることにより、吻合部の癒合を促進する。接合装置700を使用した手技では、領域E3に対して接合部材(例えば、ステープラー)を供給し、領域E3を生体器官Aに対して接合する。なお、医療用部材100と接合装置700を用いた処置方法の詳細については、後述する。
本体部110は、本体部110の面方向の中心部O1を含む所定の範囲に形成された孔部113を設けてもよい。孔部113には、後述する接合装置700の第1係合器具710の被係合部711を挿通させることができる。
本体部110に形成された孔部113は、各貫通孔112よりも大きな孔径を備える。孔部113は、本体部110の中心部O1(図3に示す平面図上における中心位置)が含まれる範囲に形成してよい。なお、中心部O1は、本体部110が回転対称な形状を有する場合、本体部110の回転中心である。
孔部113は、円形の平面形状を有する。孔部113の孔径は、例えば、5mm~25mmに形成することができる。なお、孔部113の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形など)であってもよい。また、孔部113の大きさも特に限定されない。
孔部113は、本体部110に予め作製されていてもよいし、吻合術を実施している間に術者が作成してもよい。また、術者は、手技の進行などに応じて、本体部110の形状や構造などに関する種々の変形を選択することができる。
本体部110の厚み(図2に示す寸法T)は特に制限されないが、好ましくは0.05~0.3mmであり、より好ましくは0.1~0.2mmである。本体部110の厚みが0.05mm以上である場合(特に0.1mm以上である場合)、医療用部材100の取り扱い時に本体部110が破損しない程度の強度を備えさせることができる。一方、本体部110の厚みが0.3mm以下である場合(特に0.2mm以下である場合)、本体部110が適用される生体組織に本体部110が密着して生体組織の動きに追従可能な柔軟性を備えさせることができる。
本体部110は、貫通孔112のピッチP(図2に示す距離Pであり、隣接する貫通孔112の間の距離)に対する貫通孔112の孔径D(図2に示す距離D)の比の値が、0.25以上40未満であることが好ましい。なお、貫通孔112の平面形状が真円である場合、貫通孔112の孔径Dは真円の直径に等しくなる。一方、貫通孔112の平面形状が真円ではない場合には、貫通孔112の開口部(貫通孔112において表面110aまたは裏面110bに面した部分)の面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を当該貫通孔112の孔径Dとすることができる。
本体部110は、複数の貫通孔112を有するため、各貫通孔112に対応する孔径Dの値が複数存在する。そこで、本実施形態では、上記の比の値を算出するにあたっては、複数の貫通孔112にそれぞれ対応する孔径Dの値の2点以上の算術平均値を孔径Dの代表値として用いるものとする。一方、複数の貫通孔112のピッチPは、2つの貫通孔112の開口部同士の最短距離で定義する。但し、ピッチPの値についても隣接する貫通孔112の組み合わせに対応するピッチPの値が複数存在する。したがって、本実施形態では、上記の比の値を算出するにあたっては、隣接する貫通孔112の組み合わせにそれぞれ対応するピッチPの値の2点以上の算術平均値をピッチPの代表値として用いるものとする。
なお、上記の貫通孔112のピッチP、孔径D、ピッチPに対する孔径Dの比などは、一例であり、これに限定されることはない。
本体部110は、生分解性の材料で構成することができる。本体部110の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。生分解性樹脂としては、例えば、特表2011-528275号公報、特表2008-514719号公報、国際公報第2008-1952号、特表2004-509205号公報などに記載されるものなどの公知の生分解性(共)重合体が使用できる。具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
本体部110の製造方法は特に限定されないが、例えば、上記の生分解性樹脂からなる繊維を作製し、当該繊維を用いてメッシュ形状のシートを製造する方法が挙げられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)や、メルトブロー法などが挙げられる。本体部110は、上記の方法のうち1種のみを選択して用いてもよいし、2種以上を選択し適宜組み合わせてもよい。なお、本体部110の製造方法のさらに別の例として、上記の生分解性樹脂からなる繊維を常法にしたがって紡糸し、得られた繊維をメッシュ状に編むことによって本発明に係る生分解性シートを製造する方法、該繊維を圧縮することによって該生分解性シートを製造する方法、該繊維を織らずに絡み合わせることによって該生分解性シートを製造する方法を挙げることができる。
本体部110は、本体部110を構成する生分解性樹脂などの構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部110は、この作用により、フィブリンなどの生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部110の貫通孔112を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。したがって、接合対象となる生体器官同士の間に医療用部材100の本体部110を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
なお、本体部110の材質は、癒合を促進させることが可能であれば、生分解性でなくてもよい。本体部110の材質を生分解性とすると、生体に留置してから数日から数年経過した後に分解され、生体内に残存しないという利点がある。また、本体部110は、癒合を促進させることが可能であれば、材質に関わらず、貫通孔112が形成されていなくてもよい。また、本体部110は、癒合促進効果が発揮可能な材質に限らず、医療用部材100を生体器官Aの吻合部に適用する目的に応じた材質にすることができる。
〈固定部〉
医療用部材100は、本体部110に設けられて生体器官Aに形成される巾着縫合部A11に固定される固定部120を備える(図4、図9を参照)。医療用部材100は、巾着縫合器300の挟持部310に対し、固定部120を固定する固定具200により固定される(図18A~図18Dを参照)。固定部120は、巾着縫合器300に固定されつつ、所定のタイミングで巾着縫合器300に対する固定が解除され、巾着縫合部A11に固定される。
本体部110は、固定部120を介して巾着縫合部A11に縫合される。そのため、本体部110は、巾着縫合部A11の結紮操作の際に、巾着縫合部A11の変形に巻き込まれないため、撚れなどが生じることなく接合対象となる生体器官Aの接合面(被接合部位の表面)に広がる領域(以下、「吻合対象領域AX」と称する)を覆うことができる。
固定部120は、巾着縫合操作前では固定具200を介して巾着縫合器300の挟持部310に固定され、巾着縫合操作後には、固定具200による巾着縫合器300の挟持部310への固定が解除されて巾着縫合部A11に固定(縫合)される。固定部120は、巾着縫合部A11に固定された状態で巾着縫合部A11が結紮操作(巾着縫合部A11に縫合された縫合糸Y2を引張して結紮し、結紮部A12を形成する操作)されると、縫合糸Y2の引張操作により生体器官Aの断端が集約して吻合対象領域AXの略中央部分に形成される結紮部A12まで移動する。固定部120は、巾着縫合部A11に縫合されているが、結紮操作により形成される結紮部A12が領域E2に位置するため、打ち抜き加工の際に打ち抜かれて体外に除去することができる。
固定部120は、小片部材で構成して本体部110と別部材としてもよい。固定部120Bを小片部材とした場合、その形状は矩形状が好ましいが、他の形状(一例として、円形、三角形、四角形や星形などの多角形)でもよい。
また、固定部120は、本体部110の端部(詳細には、吻合対象領域AXを覆った状態で結紮部A12に接近する端部)がその機能を果たしてもよい。本体部110の端部が固定部120の機能を果たす構成とした場合、固定部120の移動によって本体部110が撚れることなく吻合対象領域AXが覆るように、巾着縫合器300および巾着縫合部A11に固定可能としつつ、固定部120の領域を極力小さくするのが好ましい。
固定部120の構成材料は、上述した本体部110と同様の生分解性材料で構成することができる。なお、固定部120は、結紮操作後に領域E2に位置するため、非生分解性材料で構成してもよい。
次に、医療用部材100を構成する本体部110および固定部120の実施形態について説明する。
生体器官の吻合部に適用可能な医療用部材は、該吻合部に適用した際に所定の効果が発揮されるように本体部分に撚れや折れなどが無い状態で配置させる必要がある。ところが、この種の医療用部材は、生体器官の動きに追従可能な適度な柔軟性を有するので、撚れや折れなどが生じ易い。そのため、医療用部材を巾着縫合部に固定した場合、巾着縫合部の結紮操作などで撚れや折れが生じる可能性が高い。
そこで、本発明に係る医療用部材100は、本体部110の撚れなどを防止するため、巾着縫合部A11に対する被固定部位を固定部120とし、巾着縫合部A11の結紮操作による固定部120の移動に伴い、本体部110を変位または変形させて吻合対象領域AXを覆うように構成される。
以下では、上記構成を備える医療用部材100による生体器官Aの被覆形態として、結紮操作による固定部120の移動に伴い本体部110が吻合対象領域AXを覆うように集約(変位)する形態(第1形態:図4~図8を参照)と、結紮操作による固定部120の移動に伴い本体部110が吻合対象領域AXを覆うように展開(変形)する形態(第2形態:図9~図16を参照)について詳述する。
〈第1形態〉
第1形態に係る医療用部材100Aは、概説すると、巾着縫合部A11の結紮操作により固定部120Bが結紮部A12の形成位置(吻合対象領域AXの略中央部分)へと移動し、固定部120Bの移動に伴って複数の本体部110Aが結紮部A12の形成位置に向かって吻合対象領域AXを覆うように集約する構成を備える。
本体部110Aは、図4に示すように、複数に分割されて構成される。本体部110Aの個々の形状は、吻合対象領域AXを複数に分割した形状に相当する。本体部110Aは、図4に示すように、略円形の吻合対象領域AXを4つに等分割した領域に相当する四分円形状の略扇形(本体部110Aa~110Ad)をなす構成としてよい。
固定部120A(120Aa~120Ad)は、本体部110Aa~110Adの中心角を形成する端部(中心角部分)の近傍に設けられている。図4に示す医療用部材100Aにおいて、固定部120Aa~120Adは、本体部110Aa~110Adの中心角部分の端部を、固定部120Aとして機能させる構成である。しかし、固定部120Aは、本体部110Aと別構成の小片部材とし、例えば本体部110Aa~110Adの中心角部分に取り付けた構成してもよい。
図5Aに示すように、本体部110A(110Aa~110Ad)は、生体器官Aに形成される巾着縫合部A11に固定部120A(120Aa~120Ad)が縫合糸Y2で縫い付けられることにより固定される。本体部110Aa~110Ad(固定部120Aa~120Ad)の巾着縫合部A11に対する個々の固定位置は、結紮操作前において、巾着縫合部A11に所定の隣接間隔を空けた位置とする。巾着縫合部A11を結紮操作して形成される結紮部A12は、吻合対象領域AXの略中央部分(図5Bに示す第1係合器具710の被係合部711の周囲近傍)に位置する。そのため、巾着縫合部A11に固定された固定部120Aa~120Adは、巾着縫合部A11の結紮操作に伴って吻合対象領域AXの略中央部分へ移動する。本体部110Aa~110Adは、結紮操作による固定部120Aa~120Adの移動に追従して結紮部A12側に向かって移動することで、図5Bに示すように、吻合対象領域AXを覆うように集約される。
本体部110Aは、吻合対象領域AXを覆った状態において、打ち抜き領域となる領域E2上に存在する部分に関しては一部重なっていてもよい。但し、本体部110Aは、癒合促進の観点から、吻合対象領域AXを覆った状態において、領域E2の外側では重ならないように配置される。医療用部材100Aは、吻合領域である領域E1上に存在する部分で重なってしまうと、癒合促進効果が低減する可能性があるが、本体部110Aは、領域E2の外側では重ならないため、癒合促進効果を十分発揮することができる。
本体部110Aを複数に分割する場合、分割される本体部110Aのそれぞれの中心角は、180度未満とし、角度は小さい方が好ましい。また、本体部110Aは、3つ以上に等分割するのが好ましく、分割数は、配置のし易さを考慮すると、奇数よりも偶数の方が好ましい。
本体部110Aは、図6Aに示すような略扇形に限らず、変形例として図6Bに示す三角形状としてもよいし、他の形状(一例として、楕円形、四角形や星形などの多角形)としてもよい。
また、本体部110Aは、図6Cや図6Dに示すように、変形例として外周部分などに本体部110Aとは別体若しくは本体部110Aを拡張して構成される拡大部130を設けてもよい。拡大部130を設けることにより、本体部110Aは、集約して吻合対象領域AXを覆った際、拡大部130が吻合対象領域AXの周囲の生体器官Aの表面を被覆する。これにより、本体部110Aは、吻合対象領域AXおよび該領域AXの周囲の部位に至る領域を覆うことができるため、医療用部材100Aによる癒合促進効果を十分に発揮させることができる。
本体部110Aは、図7に示すように、外周縁の少なくとも一部に本体部110Aよりも剛性の高い補強部140を設けてもよい。図7には、点線で表現された補強部140を本体部110Aの全周に設けた構成が示されている。補強部140は、本体部110Aの形状を維持する働きを有し、本体部110Aの撚れなどを防止する。補強部140を設けることにより、本体部110Aa~110Adは、形状保持性が高まり、結紮操作時に移動して吻合対象領域AXを覆う際の意図しない変形などが防止できる。また、本体部110Aの外周縁の円弧の部分のみに補強部140を設けてもよい。本体部110Aの外周縁の円弧の部分のみに補強部140を設けた場合、補強部140に貫通孔112がない補強に適した構造を有する部材を使用することができる。
本体部110Aは、図8に示すように、分割された個々の本体部110Aを連結する連結部150を設けてもよい。本体部110Aは、連結部150により連結されることで一部材として構成される。そのため、本体部110Aは、例えば巾着縫合器300に固定部120Aを固定する際に、本体部110Aを個別に固定するよりも簡便に適切な位置に固定することができる。連結部150は、巾着縫合器300に本体部110Aを取り付けた後に切断されると、本体部110Aの連結も解除される。したがって、連結部150は、切断容易な構成を有するのが好ましい。
なお、医療用部材100Aは、巾着縫合器300に固定具200を介して固定する構成に限定されない。医療用部材100Aは、例えば生分解性材料からなる接着剤などで生体器官Aにおける巾着縫合部A11の形成箇部分に固定部120Aを直接固定する構成としてもよい。このような構成であっても、固定部120Aは、巾着縫合器300により生体器官Aに巾着縫合部A11を形成する際に、縫合糸Y2によって縫合され生体器官Aに固定することができる。
〈第2形態〉
第2形態に係る医療用部材100Bは、概説すると、巾着縫合部A11の結紮操作により固定部120Bが結紮部A12の形成位置へと移動し、固定部120の移動に伴って本体部110Bが折り畳み状態から展開状態へと遷移して吻合対象領域AXを覆うように展開する構成を備える。
本体部110Bは、図9に示すように、所定の折りを施して折り畳まれた折り畳み状態から吻合対象領域AXを覆うように展開される展開状態に遷移するように構成される。図9に示す本体部110Bの外周縁から中心に向かう線は、折り目を示している。本体部110Bは、図10Aに示すように折り畳み状態では蛇腹折りで折り畳まれ、固定部120Bの移動に伴って折り畳み状態から展開状態へと遷移した際には、図10Bに示すように略円形に展開した状態で吻合対象領域AXを覆うような構成としてよい。
なお、図9では、折り畳み形状から展開状態へと遷移して展開する形態が明確となるように、敢えて折り方向に合わせて周方向に波打った状態を表現しているが、吻合対象領域AXを覆った際、折り目部分は吻合対象領域AXに接触して略平面となる(図10Bを参照)。
固定部120Bは、図9に示すように、展開状態における本体部110Bの略中心部分に位置する本体部110Bの端部に設けられている。図9に示す医療用部材100Bにおいて、固定部120Bは、小片部材で構成され、本体部110Bの略中心部分近傍に別部材として設けられている。しかし、固定部120Bは、本体部110Bの略中心部分に位置する端部(詳細には、本体部110Bの展開中心近傍に位置する端部)が固定部120Bの機能を果たすように構成してもよい。
本体部110Bは、図10Aに示すように、生体器官Aに形成される巾着縫合部A11に固定部120Bを介して固定される。結紮部A12は、結紮操作後に吻合対象領域AXの略中央部分(図10Bに示す第1係合器具710の被係合部711の周囲近傍)に形成されるため、巾着縫合部A11に固定された固定部120Bは、巾着縫合部A11の結紮操作に伴って吻合対象領域AXの略中央部分へと移動する。本体部110Bは、結紮操作による固定部120Bの移動により折り畳み状態から徐々に展開し始める。そして、本体部110Bは、図10Bに示すように、結紮部A12が形成されると、吻合対象領域AXを覆うように展開する。
本体部110Bは、図10Bに示すように吻合対象領域AXを覆った状態において、打ち抜き領域となる領域E2上に存在する部分に関しては一部重なっていてもよい。但し、本体部110Bは、癒合促進の観点から、吻合対象領域AXを覆った状態において、領域E2の外側では重ならないように配置される。医療用部材100Bは、吻合領域となる領域E1上に存在する部分で重なってしまうと、癒合促進効果が低減する可能性があるが、本体部110Bは、領域E2の外側では重ならないため、癒合促進効果を十分発揮することができる。
本体部110Bは、図11Aに示すように折り畳み状態が蛇腹折りとし、図11Bに示すように展開状態が略円形をなす形態としてよい。また、本体部110Bは、図12Aに示すように折り畳み状態を蛇腹折りとし、図12Bに示すように展開状態が環状としてもよい。この際、環状の孔部分は、打ち抜き部となる領域E2に含まれるように形成してよい。
また、本体部110Bは、円形や環状に限らず、他の形状(例えば半円、扇形、楕円形、四角形や星形などの多角形)としてもよい。
本体部110Bの折り形状は、図11Aや図12Aに示すような蛇腹折りのように、結紮操作時の固定部120Bの移動に伴い折り畳み状態から展開状態へと遷移可能な形状が好ましい。但し、本体部110Bは、図13Aに示すように円形の本体部110Bを二つ折りとし、図13Bに示すように展開した際に略円形をなす形態など、折り畳み状態から展開可能な折り形状であれば特に限定されない。
図14A、図14Bに示す本体部110Bに表れた点線は、本体部110Bに施される折り目を示している。図11Aや図12Aに示した本体部110Bにおいて、蛇腹折りした際の折り目は、図14Aに示すように、本体部110Bの略中心から外周縁まで延在する構成としてもよいし、図14Bに示すように、本体部110Bの略中心から外周縁に達しない程度の長さとしてもよい。
本体部110Bは、図15に示すように、外周縁の少なくとも一部に本体部110Bよりも剛性の高い補強部140を設けてもよい。図15には、点線で表現された補強部140を本体部110Bの外周全周に設けた構成が示されている。補強部140は、本体部110Bの形状を維持する働きを有し、本体部110Bの撚れなどを防止する。補強部140を設けることにより、本体部110Bは、形状保持性が高まるため、展開を容易にしつつ展開後の形状が保持され易く、さらに結紮操作時に移動して吻合対象領域AXを覆う際の意図しない変形などが防止できる。
本体部110Bは、図16に示すように、複数で構成し、それぞれを連結する連結部150を設けてもよい。本体部110Bは、連結部150により連結されることで一部材として構成される。図16に示す本体部110Bは、展開時に半円形状となるものを二つ折りにして四分円形状をなしている。本体部110Bは、連結部150で連結されることで、例えば巾着縫合器300に固定部120Aを固定する際に、本体部110Bを個別に固定するよりも簡便に適切な位置に固定することができる。連結部150は、巾着縫合器300に本体部110Bを取り付けた後に切断されると、本体部110Bの連結も解除される。したがって、連結部150は、切断容易な構成を有するのが好ましい。
本体部110Bは、固定具200を介して巾着縫合器300の挟持部310に固定部120Bが固定されることで、巾着縫合器300に取り付けられる。また、本体部110Bは、巾着縫合器300に固定具200を介して固定する構成に限定されず、生分解性材料からなる接着剤などで生体器官Aの巾着縫合部A11の形成部分に固定部120Bを直接固定する構成としてもよい。このような構成であっても、固定部120Bは、巾着縫合器300により生体器官Aに巾着縫合部A11を形成する際に、縫合糸Y2によって縫合され生体器官Aに固定される。
上述した第1形態および第2形態において、拡大部130、補強部140および連結部150の構成材料は、上述した本体部110と同様の生分解性材料で構成することができる。
<固定具>
次に、本実施形態に係る固定具200について説明する。本実施形態に係る固定具200は、医療用部材100を巾着縫合器300の挟持部310に取り付けるため、挟持部310に固定部120を固定させるための部材である。
医療用部材100の固定部120の固定先となる巾着縫合器300は、公知の器具を用いることができる。巾着縫合器300は、図17Aや図17Bに示すように、生体器官Aを挟持する挟持部310を備える。挟持部310は、第1挟持部311と、第2挟持部312とで構成され、生体器官Aを挟持する際に両者の挟持面(後述の波状歯部320が設けられる面)が接近・離隔する。挟持部310は、例えば長手方向に沿って見たときの断面が略矩形に形成されており、矩形断面の一つの辺(挟持面に相当)には、生体器官Aを挟持する波状歯部320が設けられている。第1挟持部311の挟持面と、第2挟持部312の挟持面との間には、互いを接近させた際に生体器官Aが挟持可能なように所定の隙間が設けられるように配置される。挟持部310は、例えば図示しない鋏型の鉗子の先端部分に取り付けられ、鉗子の操作により第1挟持部311と第2挟持部312とが接近または離隔される。
波状歯部320は、図17Aに示すように山部320aと谷部320bとが挟持部310の長手方向に沿って交互に配置される波形状(凹凸形状)をなす。波状歯部320は、第1挟持部311に設けられ、複数の第1山部321aおよび第1谷部321bを有する第1波状歯部321を備える。また、波状歯部320は、第2挟持部312に設けられ、複数の第2山部322aおよび第2谷部322bを有する第2波状歯部322を備える。第1波状歯部321の第1山部321aと第2波状歯部322の第2谷部322bは、挟持部310の挟持方向で対向して配置される。第2波状歯部322の第2山部322aと第1波状歯部321の第1谷部321bは、挟持部310の挟持方向で対向して配置される。
挟持部310は、第1挟持部311と、第2挟持部312とを接近させ、生体器官Aの一部が谷部320b(第1谷部321b、第2谷部322b)に入り込んだ状態で生体器官Aを挟持する。挟持部310は、波状歯部320を備えることで、挟持した生体器官Aの巾着縫合部A11が形成される部分を波状に形状付けすることができるとともに、挟持した生体器官Aが挟持部310の長手方向にずれるのを抑制できる。
挟持部310は、図17A、図17Bに示すように、生体器官Aに巾着縫合部A11を形成する際に縫合糸Y2を装着した縫合針Y1が挿通される溝状の針挿通路330を備える。
針挿通路330は、山部320aの頂部近傍に挟持部310の長手方向に沿って貫通して設けられ、縫合針Y1および縫合糸Y2や固定具200が挿通可能な挿通孔330aと、山部320aの頂部から挿通孔330aに向かって延在し、縫合針Y1を外部に抜き出すためのスリット330bと、を有する複数の溝部330cで構成される。溝部330cは、一つの山部320aに一つずつ設けられる。挿通孔330aは、縫合針Y1や固定具200を挿入または抜去するための孔としても機能する。溝部330cは、隣り合う挿通孔330aおよびスリット330bが互いに連通するように挟持部310の長手方向に沿って略直線状に並列して配置されることで、針挿通路330を構成する。
針挿通路330は、第1挟持部311に設けられる第1針挿通路331と、第2挟持部312に設けられる第2針挿通路332と、を有する。
第1針挿通路331は、第1山部321aの頂部近傍に第1挟持部311の長手方向に沿って貫通して設けられる第1挿通孔331aと、第1山部321aの頂部から第1挿通孔331aに向かって延在する第1スリット331bと、を有する複数の第1溝部331cで構成される。第1溝部331cは、一つの第1山部321aに一つずつ設けられる。第1スリット331bは、第1挿通孔331aよりも幅方向の長さ(第1挟持部311の長手方向と交差する短手方向の長さ)が短く、縫合糸Y2が通過可能な程度の長さを有する。第1溝部331cは、隣り合う第1挿通孔331aおよび第1スリット331bが互いに連通するように第1挟持部311の長手方向に沿って略直線状に並列して配置されることで、第1針挿通路331を構成する。
第2針挿通路332は、第2山部322aの頂部近傍に第2挟持部312の長手方向に沿って貫通して設けられる第2挿通孔332aと、第2山部322aの頂部から第2挿通孔332aに向かって延在する第2スリット332bと、を有する複数の第2溝部332cで構成される。第2溝部332cは、一つの第2山部322aに一つずつ設けられる。第2スリット332bは、第2挿通孔332aよりも幅方向の長さ(第2挟持部312の長手方向と交差する短手方向の長さ)が短く、縫合糸Y2が通過可能な程度の長さを有する。第2溝部332cは、隣り合う第2挿通孔332aおよび第2スリット332bが互いに連通するように第2挟持部312の長手方向に沿って略直線状に並列して配置されることで、第2針挿通路332を構成する。
巾着縫合部A11は、挟持部310によって生体器官Aを挟持した状態で縫合糸Y2を取り付けた縫合針Y1を針挿通路330に挿通し、生体器官Aに形状付けされた波状部分に縫合糸Y2を縫合することで形成される。巾着縫合部A11が形成された後、巾着縫合器300を開状態とすると、生体器官Aの壁部を交互に通過した縫合糸Y2は、スリット330bを介して針挿通路330から抜け出て、縫合された生体器官Aを巾着縫合器300から取り外すことができる。
固定具200(固定具210~固定具240)は、図18A~図18Dに示すように、固定部120を巾着縫合器300の挟持部310に固定可能な構成(第1形態~第4形態)を有する。
〈第1形態〉
第1形態の固定具210は、図18Aに示すように、挟持部310の針挿通路330に挿通可能な略直線状の線状部材で構成される。第1形態の固定具210で固定される固定部120は、固定具210が挿通可能であり、かつ針挿通路330と連通可能に配置された複数の連通孔121が形成されている。連通孔121は、固定部120を波状歯部320に沿わせて配置した際、固定部120の山部320aから谷部320bへの立ち下がり面に沿う面および谷部320bから山部320aへの立上がり面に沿う面に形成される。固定具210は、連通孔121が針挿通路330と連通するように固定部120の波状歯部320の形状に沿わせて配置した状態で針挿通路330に挿入すれば、固定部120を挟持部310に固定することができる。
固定具210の構成材料としては、針挿通路330に挿通して固定部120が挟持部310に固定可能な程度の剛性を有する非生分解性材料(樹脂材料、金属材料など)が好ましいが、固定部120の固定が可能な剛性を有していれば生分解性材料でもよい。固定具210は、針挿通路330には挿通可能であるが、スリット330bからは離脱できない程度の外径を有する。固定具210は、挟持部310の全長よりも長くてもよいし、短くてもよいが、少なくとも波状歯部320に沿わせて配置した固定部120の連通孔121を2つ以上挿通可能な長さ(すなわち、溝部330cを2つ以上通過可能な長さ)を有する。
固定具210は、固定部120を挟持部310に固定した後、所定のタイミングで固定部120の挟持部310に対する固定状態を解除することができる。固定部120の固定を解除する方法として、固定具210は、図19Aに示すように、線状部材の基端側(詳細には、固定具210の挿入側となる先端側と反対の端部近傍)に術者が把持可能な把持部211を設けることができる。これにより、術者は、挟持部310に対する固定部120の固定を解除する際、所定のタイミングで把持部211を把持して固定具210を針挿通路330から引き抜けば、固定部120の固定状態を解除することができる。
また、固定具210は、図19Bに示すように、線状部材の端部に縫合針Y1が係合可能な係合部212を設けることができる。これにより、術者は、挟持部310に対する固定部120の固定を解除する際、縫合針Y1を係合部212に係合させた状態で針挿通路330に挿入すれば、縫合針Y1の押し込み操作により固定具210を針挿通路330から離脱して、固定部120の固定状態を解除することができる。
なお、把持部211や係合部212は、固定具210を針挿通路330に着脱(挿抜)する際に使用することができるため、固定具210を針挿通路330から抜去する際に使用してもよいし、固定具210を針挿通路330に挿入する際に使用してもよい。
〈第2形態〉
第2形態の固定具220は、図18Bに示すように、固定部120に連結されており、挟持部310に接着される接着部221と、接着部221と固定部120との間に介在され、接着部221と固定部120との連結状態を容易に解除可能な破断部222と、で構成される。
接着部221は、固定部120を挟持部310に固定するため、接着剤などが塗布された部位であり、生分解性材料または非生分解性材料で構成される。
破断部222は、破断性の高い構成(例えば、切れ目加工を設けたり厚みを薄くしたりして破断性を高めた構成、水分により溶解し易い材料より形成した構成など)を備える。すなわち、破断部222は、巾着縫合器300と接着部221との固定力(接着力)および固定部120と巾着縫合部A11との固定力(結紮保持力)よりも固定強度の弱い構成を有していればよい。破断部222は、生分解性材料または非生分解性材料で構成される。
固定具220は、挟持部310の波状歯部320に沿わせて固定部120を配置した状態で、接着部221を挟持部310の筐体部分に接着する。これにより、固定部120は、挟持部310に固定される。固定部120は、巾着縫合操作後に破断部222を破断することにより、挟持部310に対する固定が解除される。
破断部222の破断方法は、構成により異なるが、例えば巾着縫合器300を開操作して挟持部310を離隔させて破断させたり、術者が破断部222を引き裂いて破断させたり、蒸留水などの液体を付着させて溶解して破断させたりすればよい。なお、固定具220は、挟持部310の少なくとも一部に接着部221が接着されていればよい。また、破断部222は、非生分解性材料で構成される場合、固定部120から切離して除去するのが好ましい。
〈第3形態〉
第3形態の固定具230は、図18Cに示すように、固定部120に連結されており、挟持部310に対して着脱可能な部材で構成される。固定具230は、挟持部310に対して着脱可能な接着剤などが塗布された部材であり、生分解性材料または非生分解性材料で構成される。固定具230は、挟持部310の波状歯部320に沿わせて固定部120を配置した状態で、挟持部310の筐体部分に接着する。これにより、固定部120は、挟持部310に固定される。固定部120は、巾着縫合操作後に固定具230を挟持部310から剥がせば、挟持部310に対する固定が解除される。なお、固定具230は、挟持部310の少なくとも一部に接着されていればよい。また、固定具230は、非生分解性材料で構成される場合、固定部120から切離して除去するのが好ましい。
〈第4形態〉
第4形態の固定具240は、図18Dに示すように、挟持部310に通して引っ掛ける引掛け部材で構成される。固定具240は、環状や略C字形状などの挟持部310に通して固定部120が固定可能な形状を有する。固定具240は、生分解性材料または非生分解性材料で構成される。固定具240は、挟持部310の波状歯部320に沿わせて固定部120を配置した状態で、挟持部310の筐体部分に引っ掛ける。これにより、固定部120は、挟持部310に固定される。固定部120は、巾着縫合操作後に固定具240を切断すれば、挟持部310に対する固定が解除される。なお、固定具240は、非生分解性材料で構成される場合、固定部120から切離して除去するのが好ましい。
次に、第1形態の固定具210の変形例について説明する。
第1形態の固定具210は、図18Aに示す略直線状の線状部材の他、以下に示す各形態を有する線状部材としてもよい。固定具210(固定具210A~固定具210E)は、図20~図24Bに示すように、変形例1~変形例5の形態を適宜採用することができる。
〈変形例1〉
変形例1の固定具210Aは、図20に示すように、直線部210Aaと、直線部210Aaの両端部にそれぞれ接続される湾曲部210Abとを有する略C字形状の線状部材で構成される。固定具210Aは、挿通孔330aから挿入され、少なくとも2つ以上の山部320aの針挿通路330を通って固定部120の連通孔121に挿通させ、固定部120を挟持部310に固定する。固定具210Aによる固定部120の固定状態を解除する場合、術者は、固定具210Aを針挿通路330の挿通孔330aから抜き出す。これにより、固定具210Aを挟持部310から取り外され、固定部120は、固定状態が解除される。変形例1の固定具210Aは、直線部210Aaの両端に湾曲部210Abを備えているため、容易に抜け落ちることがない。そのため、術者は、固定具210Aで固定部120を固定した状態で巾着縫合器300を操作する際に、医療用部材100の脱落を懸念することなく操作することができる。
〈変形例2〉
変形例2の固定具210Bは、図21に示すように、一対の直線部210Baと、直線部210Baの端部同士を連結する湾曲状の連続部210Bbと、を有する略U字形状の線状部材で構成される。変形例2の固定具210Bは、例えば第1挟持部311と第2挟持部312の両方に固定部120を固定するような場合、第1挟持部311と第2挟持部312にそれぞれ固定部120を配置した状態で、第1挟持部311の第1針挿通路331を挿通させた後、続けて第2挟持部312の第2針挿通路332に挿通させることができる。これにより、複数の固定部120は、固定具210Bの一度の挿入操作により、第1挟持部311および第2挟持部312にそれぞれ固定される。固定具210Bによる固定部120の固定状態を解除する場合、術者は、固定具210Bの先端または基端を持ち、針挿通路330の挿通孔330aから抜き出す。これにより、固定具210Bが挟持部310から取り外され、固定部120は、固定状態が解除される。固定具210Bは、第1挟持部311と第2挟持部312の両方に挿通可能であるため、容易に抜け落ちることがない。そのため、術者は、固定具210Bで固定部120を固定した状態で巾着縫合器300を操作する際に、医療用部材100の脱落を懸念することなく操作することができる。
〈変形例3〉
変形例3の固定具210Cは、図22Aまたは図22Bに示すように、針挿通路330のスリット330bから離脱可能な外径を有する直線部210Caと、波状歯部320の山部320aに位置するときは針挿通路330に係合して針挿通路330からの離脱を制限し、波状歯部320の谷部320bに位置するときは針挿通路330に対する係合状態が解除されて針挿通路330からの離脱を可能とする係止部210Cbと、を有する線状部材である。係止部210Cbは、直線部210Caに固定されており、直線部210Caの長手方向への移動に伴って移動する。図22Bに示すように、直線部210Caは、スリット330bから離脱可能な外径を有し、係止部210Cbは、スリット330bから離脱できない程度の外径を有している。係止部210Cbは、波状歯部320の波形状に合わせて谷部320bの間隔と同等の間隔で配置される。固定具210Cによる固定部120の固定状態を解除する場合、術者は、図22Aに示す固定部120の固定状態から、係止部210Cbが谷部320bに位置するように固定具210Cを挟持部310の長手方向にスライドさせる。その後、術者は、図22Cに示すように、直線部210Caをスリット330bから直線部210Caを抜き出せば、固定具210Cを挟持部310から取り外すことができる。これにより、固定部120は、固定状態が解除される。変形例3の固定具210Cは、挟持部310の針挿通路330に挿入された状態において、係止部210Cbが山部320aに位置している間は挟持部310から離脱しない構成を有るため、容易に抜け落ちなることがない。そのため、術者は、固定具210Cで固定部120を固定した状態で巾着縫合器300を操作する際に、医療用部材100の脱落を懸念することなく操作することができる。
〈変形例4〉
変形例4の固定具210Dは、図23Aに示すように、直線部210Daと、直線部210Daの軸方向に沿って直線部210Daを貫通するように設けられ、生体器官Aの一部が進入可能な凹状の空間部210Dbと、を有する線状部材である。空間部210Dbは、図23Bに示すように、挟持部310によって生体器官Aを挟持した際に、波状歯部320の谷部320bに位置する部分に生体器官Aの一部が進入し得る。また、固定具210Dは、両端が貫通しているため、縫合針Y1が挿入可能となっている。そのため、術者は、固定具210Dで挟持部310に固定部120を固定した状態で固定具210Dの空間部210Dbに縫合針Y1を挿通させれば、針挿通路330から固定具210Dを取り除かずに固定部120を巾着縫合部A11に縫合することができる。
〈変形例5〉
変形例5の固定具210Eは、図24Aに示すように、直線部210Eaと、波状歯部320の谷部320bの間隔に合わせて直線部210Eaの間に配置され、外力などの所定の要因によって破損する破損部210Ebと、を有する線状部材である。破損部210Ebは、波状歯部320の谷部320bの間隔に合わせて直線部210Eaの間に配置される。そのため、破損部210Ebは、図24Bに示すように、破損部210Ebが谷部320bに位置するように固定具210Eを挿入すれば、挟持部310によって生体器官Aを挟持した際に、挟持した生体器官Aの一部によって押圧される。これにより、破損部210Ebは、生体器官Aの押圧による外力を受けて破損する。破損部210Ebが破損した固定具210Eは、固定部120の固定機能を失い、固定部120の固定状態は解除される。したがって、術者は、固定部120の固定状態を解除する際、破損部210Ebに外力が付与されるように生体器官Aを挟持するだけでよいため、固定具210Eを除去する手間が省けて作業が簡便化される。
固定具210Eは、破損部210Ebが破損して生体内に留置されることがあるため、生分解性材料で構成するのが好ましい。また、破損部210Ebは、容易に破損するように、直線部210Eaよりも脆い材料で構成や、直線部210Eaよりも薄く(細く)する構成としてもよい。また、破損部210Ebは、水分などで溶解して破損させる場合、水溶性の生分解性材料で構成すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る医療デバイス1は、生体器官Aの吻合部に適用され、巾着縫合器300により生体器官Aの巾着縫合部A11に固定される医療用部材100と、医療用部材100を巾着縫合器300に固定するための固定具200と、で構成される。医療用部材100は、巾着縫合部A11に取り付ける際、巾着縫合部A11の結紮操作時に本体部110が撚れるのを防止するため、取り付け部位として機能する固定部120が本体部110に設けられている。巾着縫合器300の挟持部310に医療用部材100を固定する際、医療用部材100は、固定部120を介して挟持部310に取り付けられる。固定部120は、巾着縫合操作前では挟持部310に固定され、巾着縫合操作後では挟持部310との固定状態が解除されて巾着縫合部A11に縫合されるように、固定具200により挟持部310に固定される。
このような構成を備える医療デバイス1によれば、巾着縫合器300により医療用部材100を生体器官Aの巾着縫合部A11に固定(結紮)したとしても、巾着縫合部A11の結紮操作の際に本体部110が撚れることなく生体器官Aの接合面となる吻合対象領域AXに適切に配置することができる。また、固定部120は、固定具200によって挟持部310に固定されるため、巾着縫合操作前では挟持部310に固定され、巾着縫合操作後では挟持部310との固定状態が解除されて巾着縫合部A11に縫合することができる。そのため、術者は、巾着縫合操作を行うだけで生体器官Aの吻合対象領域AXに医療用部材100を配置させることができ、生体器官Aの接合手技の簡便化を図ることができる。また、術者は、巾着縫合器300に対する固定部120の固定状態は、固定具200を取り外すなどして容易に解除可能であり、巾着縫合器300の操作を妨げることなく巾着縫合部A11を形成しながら医療用部材100を巾着縫合部A11に固定することができる。
[処置方法]
<処置方法の実施形態(生体器官吻合術)>
次に、医療用部材100を用いた処置方法を説明する。
図25は、医療用部材100を用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。
処置方法は、生体器官の接合対象となる一方の生体器官の被接合部位に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部110を備える医療用部材100を配置すること(S11)、一方の生体器官の被接合部位と他方の生体器官の被接合部位との間に医療用部材100の本体部110の少なくとも一部を配置した状態で一方の被接合部位と他方の被接合部位とを接合すること(S12)、を含む。
処置方法により接合される生体器官および生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。但し、以下の説明では、大腸吻合術を例に挙げて説明する。また、以下に説明する各手技において使用される医療用部材100としては、例えば、前述した医療用部材100の中から任意のものを選択することが可能であるし、その他の医療用部材100を選択することもできる。但し、以下の説明では、各手技に好適に用いることができる代表的な例として、特定の医療用部材100の使用例を説明する。また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の医療装置・医療器具などについては詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に医療用部材100を配置する」とは、生体器官に医療用部材100が直接的にまたは間接的に接触した状態で配置されること、生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で医療用部材100が配置されること、またはその両方の状態で医療用部材100が配置されること(例えば、一方の生体器官に医療用部材100が接触し、他方の生体器官には医療用部材100が接触していない状態で配置されること)の少なくとも一つを意味する。また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、処置の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。また、各処置方法において説明する手技手順は、処置の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる2つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
<処置方法の実施形態(大腸吻合術)>
図26は、処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。図27~図34は、大腸吻合術の説明に供する図である。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A1と、切断した大腸の肛門側A2である。以下の説明では、切断した大腸の口側A1の口部周辺(一方の被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A2の腸壁の一部(他方の被接合部位)を接合する手順を説明する。
図26に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺に医療用部材100を配置すること(S101)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S102)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で医療用部材100の本体部110を挟み込むこと(S103)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に医療用部材100の本体部110を挟み込んだ状態で接合すること(S104)を含む。
次に、図27~図34を参照して、本実施形態に係る処置方法を具体的に説明する。
以下の説明において、医療用部材100は、図5Aに示す形態(吻合対象領域AXを4つに等分割した領域に相当する四分円形状の略扇形形態)とし、医療用部材100を巾着縫合器300に固定する固定具200は、図18Aに示す形態(略直線状の線状部材)とする。また、固定具200は、図19Bに示すように縫合針Y1の先端と係合する係合部212が設けられ、縫合針Y1の針挿通路330への挿入操作により抜去される形態とする。なお、医療用部材100および固定具200は、図5A、図18A、図19Bに示す形態に限らず、前述した他の形態を適用することができる。
処置方法で使用する接合装置700としては、例えば、大腸吻合術に使用される公知の装置(自動吻合器)を用いることができる。接合装置700は、第1係合器具710と第2係合器具720の係合に伴い、第1係合器具710と第2係合器具720との間に配置された生体組織の切除とともに、切除した生体組織の周囲をステープルにより円周状に縫合する。第1係合器具710は、例えば、筒状の被係合部711を備える器具であり、第2係合器具720は、例えば、第1係合器具710の被係合部711に挿入および係合される係合シャフト721を備える器具である。なお、第1係合器具710はアンビルともいい、第2係合器具720はトロッカーともいう。
本実施形態に係る処置方法において、術者は、大腸の口側A1の生体組織に医療用部材100を配置する(S101)。
医療用部材100を口側A1に配置するにあたり、まず、術者は、患者の臍の周辺部にポート(各種の医療デバイスなどを生体内外に移動させるための導入部)を形成し、患者の腹部を膨らませる。
次に、術者は、臍のあたりに切開部(図示省略)を形成し、そこから口側A1の患部を体外に取り出す。
次に、術者は、図27に示すように、取り出した口側A1を巾着縫合器300で挟持する。図27に示すように、巾着縫合器300の挟持部310には、固定部120を介して固定された医療用部材100が取り付けられている。固定部120は、図18Aに示すように、挟持部310の波状歯部320に沿わせて配置され、固定部120の連通孔121を挿通しながら針挿通路330に固定具200が挿入されることで挟持部310に固定される。
続いて、術者は、図28に示すように、巾着縫合器300の針挿通路330に縫合針Y1および縫合糸Y2を挿入して大腸に巾着縫合部A11を形成する。その際、術者は、縫合針Y1の針先を固定具200の係合部212に係合させ、縫合針Y1の挿入操作によって固定具200を針挿通路330から押し出す。これにより、固定部120は、挟持部310に対する固定状態が解除される。また、固定部120は、縫合針Y1を針挿通路330に挿入することにより、縫合糸Y2により巾着縫合部A11に固定(縫合)される。
続いて、術者は、図29に示すように、巾着縫合器300を口側A1から離脱させる。医療用部材100は、図29に示すように、口側A1の巾着縫合部A11に固定部120を介して固定された状態となる。
続いて、術者は、切離した大腸に第1係合器具710を挿入し、被係合部711を突出した状態で結紮操作を行う。結紮操作により、巾着縫合部A11に固定された固定部120は、図30に示すように、徐々に被係合部711に向かって移動する。本体部110は、固定部120の移動に伴い、本体部110が徐々に吻合対象領域AXの略中央部分に集約する。
結紮操作が終了すると、図31に示すように、口側A1の吻合対象領域AXの略中央部分に結紮部A12が形成される。結紮部A12を含む吻合対象領域AX(被接合部位の外表面)は、巾着状に結紮されるため、凹凸形状となる。医療用部材100は、固定部120のみが巾着縫合部A11に固定され、結紮操作による固定部120の移動に伴い、吻合対象領域AXを覆うように集約する。そのため、本体部110は、図31に示すように、結紮操作により巾着縫合部A11を絞って結紮部A12を形成したとしても、撚れることなく口側A1の吻合対象領域AXを覆うことができる。
次に、術者は、医療用部材100が配置された大腸の口側A1の生体組織を切開部から体内に収容する。
次に、術者は、大腸の肛門側A2に、接合装置700の第2係合器具720を配置する。第2係合器具720を大腸の肛門側A2に配置(挿入)するのに伴って、大腸の肛門側A2には貫通孔A21が形成される。なお、貫通孔A21を形成する具体的なタイミングについて特に制限はない。
術者は、大腸の口側A1に対して本体部110を保持した状態を維持しつつ、第1係合器具710の被係合部711と第2係合器具720の係合シャフト721とを係合せることによって、大腸の口側A1と大腸の肛門側A2との間に医療用部材100を配置することが可能になる。
次に、術者は、図32に示すように、大腸の口側A1の巾着縫合部A11に対して医療用部材100を保持した状態を維持しつつ、第1係合器具710と第2係合器具720を相対的に接近させて係合させる(S102)。
次に、術者は、図33に示すように、第1係合器具710と第2係合器具720との間で、大腸の口側A1の口部周辺、医療用部材100の本体部110、大腸の肛門側A2の腸壁に形成した貫通孔A21の周辺部を挟み込む(S103)。そして、術者は、第1係合器具710と第2係合器具720との間に挟み込まれた大腸の口側A1の一部と、医療用部材100の本体部110と、大腸の肛門側A2の一部を接合装置700によって打ち抜くように切断する。また、この際、術者は、接合装置700を操作することにより、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する(S104)。
次に、術者は、接合装置700を、例えば、大腸の肛門側A2から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、術者は、図34に示すように、接合装置700が接合した生体器官を打ち抜く領域E2よりも内方側に位置する大腸の口側A1の一部と、医療用部材100の本体部110の一部と、大腸の肛門側A2の一部を接合装置700とともに生体外へ取り出すことができる。一方で、接合装置700が接合した生体器官を打ち抜く領域E2より外方側に配置された本体部110は、大腸の口側A1の口部周辺と大腸の肛門側A2の腸壁との間に挟み込まれた状態で生体内に留置される。そのため、本体部110は、接合対象となる大腸の口側A1の口部周辺と大腸の肛門側A2の腸壁に対して癒合の促進機能を確実に発揮することができる。
このような処置方法によれば、医療用部材100が備えるシート状の本体部110を一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、使用される医療用部材100は、本体部110を巾着縫合器300の挟持部310に固定するとともに、巾着縫合部A11に取り付けるための固定部120を備えている。そのため、医療用部材100の本体部110は、生体器官Aの動きに追従可能なように適度な柔軟性を有しているが、撚れることなく吻合対象領域AXを覆うことができる。さらに、固定部120は、巾着縫合操作前では挟持部310に対して固定され、巾着縫合操作後では挟持部310との固定状態が解除されて巾着縫合部A11に固定されるように、固定具200により挟持部310に固定される。そのため、医療用部材100を巾着縫合部A11に取り付ける作業が容易に行え、生体器官Aの接合手技の簡便化を図ることができる。また、術者は、巾着縫合器300に固定部120を介して固定した医療用部材100を巾着縫合部A11に固定する際、複雑な手技を必要とせず、通常通りに巾着縫合部A11を生体器官Aに形成すれば、固定部120を巾着縫合部A11に固定することができる。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態に係る医療用部材100は、複数の貫通孔112が形成され、生体器官Aの動きに追従可能なシート状の本体部110と、本体部110に設けられ、生体器官Aの断端に形成される巾着縫合部A11に固定される固定部120と、を有し、固定部120は、巾着縫合部A11を結紮する結紮操作の後に、生体器官Aの吻合対象領域AXの略中央部分に形成される結紮部A12に位置し、本体部110は、結紮操作の際、結紮部A12の形成位置への固定部120の移動に伴って吻合対象領域AXを覆うように変位または変形する。
このような構成により、医療用部材100は、生体器官Aの接合手技において、巾着縫合部A11に取り付ける際、本体部110ではなく固定部120が固定される。固定部120は、巾着縫合部A11の結紮操作により結紮部A12の形成位置まで移動し、この固定部120の移動に伴い、本体部110が吻合対象領域AXを覆うように変位または変形する。そのため、本体部110は、巾着縫合部A11の結紮操作の際に、巾着縫合部A11の変形に巻き込まれずに済み、撚れることなく吻合対象領域AXを覆うことができる。したがって、術者は、医療用部材100を巾着縫合部A11に取り付けた際、結紮操作によって医療用部材100を吻合対象領域AXに適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、固定部120は、結紮操作後の状態では、生体器官Aの吻合対象領域AXを吻合する際に打ち抜かれる打ち抜き部の領域E2内に位置し、本体部110は、結紮操作後の状態では、打ち抜き部の領域E2よりも外側では重ならないように配置される構成としてもよい。
医療用部材100として癒合促進効果を有するシート部材を採用した場合、医療用部材100は、吻合領域である領域E1上に存在する部分で重なってしまうと、癒合促進効果が低減する可能性がある。しかし、本体部110は、打ち抜き部の領域E2よりも外側で重ならないように配置されるため、癒合促進効果を十分発揮することができる。また、固定部120は、巾着縫合部A11に縫合されているが、結紮操作により領域E2に位置するため、打ち抜き加工の際に打ち抜かれて体外に除去することができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、固定部120は、生体器官Aの断端に巾着縫合部A11を形成する巾着縫合器300(挟持部310)に離脱可能に固定され、巾着縫合部A11の形成後は、巾着縫合器300への固定が解除されて巾着縫合部A11に固定されるように構成してもよい。
このような構成により、医療用部材100は、巾着縫合操作時には巾着縫合器300に固定されているため、巾着縫合操作により固定部120を巾着縫合部A11に固定することができる。また、固定部120は、巾着縫合器300に対して離脱可能に固定されているため、巾着縫合操作後は巾着縫合器300から離脱し、固定部120を介して医療用部材100を巾着縫合部A11に取り付けることができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、本体部110は、外周縁の少なくとも一部に本体部110の形状を保持する補強部140を備えるように構成してもよい。
このような構成により、本体部110は、結紮操作による固定部120の移動や大腸の口側A1を切開部から体内に戻す際の本体部110の生体組織への接触などに伴い変位または変形し得るが、補強部140を備えることで、吻合対象領域AXを覆ったときの撚れなどが防止される。したがって、術者は、医療用部材100を巾着縫合部A11に取り付けた際に、結紮操作によって撚れることなく医療用部材100を吻合対象領域AXに適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、本体部110は、吻合対象領域AXを分割した形状を有する複数で構成され、それぞれが連結部150を介して連結されるように構成してもよい。
このような構成により、複数分割された本体部110は、連結部150により連結されることで一部材となる。本体部110は、例えば巾着縫合器300に固定部120を固定する際に、本体部110を個別に固定するよりも簡便に固定することができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、本体部110Aは、吻合対象領域AXを複数分割した形状を有し、結紮操作の前の状態では、巾着縫合部A11に所定の隣接間隔を空けて固定部120Aを介して取り付けられ、結紮操作による固定部120Aの移動に伴い、結紮部A12の形成位置(吻合対象領域AXの略中央部分)に向かって集約されて吻合対象領域AXを覆うように構成されてもよい。また、本体部110Aは、結紮部A12を中心に吻合対象領域AXを3つ以上に分割した略扇形をなし、固定部120Aは、略扇形の中心角部分の近傍に設けられるように構成してもよい。
このような構成により、本体部110Aは、巾着縫合部A11の結紮操作の際に、固定部120Aの移動に伴って本体部110Aのそれぞれが吻合対象領域AXの略中央部分に向かって集約して吻合対象領域AXを覆うことができる。したがって、医療用部材100は、巾着縫合部A11を結紮操作するだけで、撚れなどが生じることなく吻合対象領域AXに適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、本体部110Bは、所定の折り畳み状態から所定の展開状態へと遷移可能な構造を有し、固定部120Bを介して巾着縫合部A11に取り付けられ、結紮操作による固定部120Bの移動に伴い、折り畳み状態から展開状態に遷移して吻合対象領域AXを覆うように構成されてもよい。また、本体部110Bは、吻合対象領域AXを覆うように蛇腹折りに折り畳まれた折り畳み状態から、吻合対象領域AXを覆うように略円形に展開する展開状態に遷移する構成としてもよい。
このような構成により、本体部110Bは、巾着縫合部A11の結紮操作の際に、固定部120Bの移動に伴って折り畳み状態から展開状態へと遷移し、結紮操作が完了すると、展開されて吻合対象領域AXを覆う。そのため、医療用部材100は、巾着縫合部A11を結紮操作するだけで、撚れなどが生じることなく吻合対象領域AXに適切に配置することができる。
また、本実施形態に係る医療用部材100において、本体部110は、生体器官Aの吻合部に適用されることによって生体成分の発現を誘導し、誘導された生体成分が貫通孔112を貫通して集積することにより吻合部の癒合を促進する部材で構成してもよい。
このような構成により、医療用部材100は、吻合対象となる生体器官Aの間に挟まれた状態で留置されると、生体成分を貫通孔112に集積させることによって吻合部の癒合を促進する。そのため、この医療用部材100を使用して生体器官Aの吻合術を実施することにより、吻合部における接合力を効果的に高めることが可能となり、術後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
1 医療デバイス、
100 医療用部材、
110 本体部、
112 貫通孔、
120 固定部、
121 連通孔、
140 補強部、
150 連結部、
200、210A、210B、210C、210D、210E 固定具、
210Aa、210Ba、210Ca、210Da、210Ea 直線部、
210Ab 湾曲部、
210Bb 連続部、
210Cb 係止部、
210Db 溝部、
210Eb 破損部、
211 把持部、
212 係合部、
211 把持部、
212 係合孔、
300 巾着縫合器、
310 挟持部、
320 波状歯部(320a 山部、320b 谷部)、
330 針挿通路(330a 連通孔、330b スリット、330c 溝部)、
700 接合装置、
710 第1係合器具、
711 被係合部、
720 第2係合器具、
721 係合ピン、
A 生体器官、
A1 口側、
A11 縫合部、
A12 結紮部、
A2 肛門側、
A21 貫通孔、
AX 吻合対象領域、
E1 生体器官に挟まれる領域、
E2 打ち抜かれる領域、
E3 生体器官に留置される領域、
D 孔径、
O1 本体部の中心部、
P 貫通孔のピッチ、
T 本体部の厚み、
Y1 縫合針、
Y2 縫合糸。

Claims (10)

  1. 複数の貫通孔が形成され、生体器官の動きに追従可能なシート状の本体部と、
    前記本体部に設けられ、前記生体器官の断端に形成される巾着縫合部に固定される固定部と、を有し、
    前記固定部は、前記巾着縫合部を結紮する結紮操作の後に、前記生体器官の吻合対象領域の略中央部分に形成される結紮部に位置し、
    前記本体部は、前記結紮操作の際、前記結紮部の形成位置への前記固定部の移動に伴って前記吻合対象領域を覆うように変位または変形する、医療用部材。
  2. 前記固定部は、前記結紮操作後の状態では、前記生体器官の前記吻合対象領域を吻合する際に打ち抜かれる打ち抜き部の領域内に位置し、
    前記本体部は、前記結紮操作後の状態では、前記打ち抜き部の領域よりも外側では重ならないように配置される、請求項1に記載の医療用部材。
  3. 前記固定部は、前記生体器官の断端に前記巾着縫合部を形成する巾着縫合器に離脱可能に固定され、前記巾着縫合部の形成後は、前記巾着縫合器への固定が解除されて前記巾着縫合部に固定される、請求項1または2に記載の医療用部材。
  4. 前記本体部は、外周縁の少なくとも一部に前記本体部の形状を保持する補強部を備える、請求項1~3の何れか1項に記載の医療用部材。
  5. 前記本体部は、前記吻合対象領域を分割した形状を有する複数で構成され、それぞれが連結部を介して連結される、請求項1~4の何れか1項に記載の医療用部材。
  6. 前記本体部は、前記吻合対象領域を複数分割した形状を有し、前記結紮操作の前の状態では、前記巾着縫合部に所定の隣接間隔を空けて前記固定部を介して取り付けられ、
    前記結紮操作による前記固定部の移動に伴い、前記結紮部の前記形成位置に向かって集約されて前記吻合対象領域を覆うように構成される、請求項1~5の何れか1項に記載の医療用部材。
  7. 前記本体部は、前記結紮部を中心に前記吻合対象領域を3つ以上に分割した略扇形をなし、
    前記固定部は、前記略扇形の中心角部分の近傍に設けられる、請求項6に記載の医療用部材。
  8. 前記本体部は、所定の折り畳み状態から所定の展開状態へと遷移可能な構造を有し、前記固定部を介して前記巾着縫合部に取り付けられ、
    前記結紮操作による前記固定部の移動に伴い、前記折り畳み状態から前記展開状態に遷移して前記吻合対象領域を覆うように構成される、請求項1~5の何れか1項に記載の医療用部材。
  9. 前記本体部は、前記吻合対象領域を覆うように蛇腹折りに折り畳まれた前記折り畳み状態から、前記吻合対象領域を覆うように略円形に展開する前記展開状態に遷移する、請求項8に記載の医療用部材。
  10. 前記本体部は、前記生体器官の吻合部に適用されることによって生体成分の発現を誘導し、誘導された前記生体成分が前記貫通孔を貫通して集積することにより前記吻合部の癒合を促進する部材で構成される、請求項1~9の何れか1項に記載の医療用部材。
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