JP2019162405A - 処置方法 - Google Patents

処置方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019162405A
JP2019162405A JP2018182132A JP2018182132A JP2019162405A JP 2019162405 A JP2019162405 A JP 2019162405A JP 2018182132 A JP2018182132 A JP 2018182132A JP 2018182132 A JP2018182132 A JP 2018182132A JP 2019162405 A JP2019162405 A JP 2019162405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
esophagus
mouth
treatment method
joined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018182132A
Other languages
English (en)
Inventor
直希 荒巻
Naoki Aramaki
直希 荒巻
美穂 甲斐
Miho Kai
美穂 甲斐
まゆ 秦
Mayu Hata
まゆ 秦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to US16/355,465 priority Critical patent/US11065003B2/en
Publication of JP2019162405A publication Critical patent/JP2019162405A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】所定の医療器具を利用した簡便な方法により、縫合不全のリスクを低減させることができる処置方法を提供する。【解決手段】処置方法は、接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位の間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置し(S11)、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で一方の被接合部位と他方の被接合部位を接合する(S12)、ことを含む。【選択図】図9

Description

本発明は、生体器官を接合する処置方法に関する。
医療の分野において、生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば、消化管の吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された接合部における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることも知られている。
生体器官を接合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば、生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の吻合装置(特許文献1を参照)を利用する方法が提案されている。特に、機械式の吻合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して接合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
特表2007−505708号公報
しかしながら、接合部における癒合の進行の程度は、患者の接合対象部位(被接合部位)における生体組織の状態等にも依存する。そのため、例えば、特許文献1に記載されているような吻合装置を使用した場合においても、患者の生体組織の状態如何によっては、縫合不全のリスクを十分に低減させることができない可能性もある。
そこで本発明は、所定の医療器具を利用した簡便な方法により、縫合不全のリスクを低減させることができる処置方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る処置方法は、接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置し、前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位との間に前記医療器具の本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位とを接合することを含む。
本発明によれば、医療器具が備えるシート状の本体部を一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の一形態を示す概観斜視図である。 図1に示す2−2線に沿った断面の一部を拡大して示す図である。 本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の変形例1を示す概観斜視図である。 本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の変形例2を示す概観斜視図である。 本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の変形例3を示す平面図である。 本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の変形例4を示す概観斜視図である。 本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の変形例5を示す概観斜視図である。 本発明の処置方法に使用することが可能な医療器具の変形例6を示す概観斜視図である。 本発明の処置方法の各手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る処置方法の各手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な断面図である。 第1実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な断面図である。 第1実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な断面図である。 本発明の第2実施形態に係る処置方法の各手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための部分拡大図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例1を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例1を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例2を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例2を説明するための模式的な斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る処置方法の各手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 第3実施形態に係る処置方法を説明するための模式的な斜視図である。 図32に示す40−40線に沿った断面の一部を簡略的に示す図である。 図36に示す41−41線に沿った断面の一部を簡略的に示す図である。 第3実施形態に係る処置方法の変形例を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例3の各手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る処置方法の変形例3に使用される医療器具の概観斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例3を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例3を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例3を説明するための模式的な斜視図である。 第2実施形態に係る処置方法の変形例3を説明するための模式的な斜視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
本発明に係る処置方法は、生体器官の接合対象となる所定の部位を接合する方法(例えば、消化管の吻合術)に関するものである。まず、図1〜図8を参照して、本発明に係る処置方法に使用することができる医療器具の構成例を説明する。
図1には、医療器具10の一形態を概観斜視図により示している。図2には、図1に示す矢印2−2線に沿う断面図を示している。
図1に示すように、医療器具10は、シート状(シート形状)の本体部20で構成している。本体部20は、例えば、生分解性のシート部材(薄膜状の部材)で形成することができる。
本体部20には、複数の貫通孔25が形成されている。複数の貫通孔25は、図1に示すように、本体部20の面方向において規則的かつ周期的に設けられている。複数の貫通孔25は、例えば、本体部20にランダムに設けられていてもよい。
複数の貫通孔25は、図2に示すように、本体部20の厚み方向(図2の上下方向)に沿って垂直に設けられている。複数の貫通孔25は本体部20の表面21と裏面23との間で略垂直に設けられている。ただし、複数の貫通孔25は、本体部20の厚み方向において、表面21と裏面23との間で湾曲するように設けられていてもよい。
本体部20の厚み(図2に示すサイズT)は特に制限されないが、好ましくは0.05mm〜0.3mmであり、より好ましくは0.1mm〜0.2mmである。本体部20の厚みが0.05mm以上であれば(特に0.1mm以上であれば)、医療器具10の取り扱い時に本体部20が破損しない程度の十分な強度を確保することができる。一方、本体部20の厚みが0.3mm以下であれば(特に0.2mm以下であれば)、本体部20が適用された生体組織に本体部20が密着して、生体組織に追随するのに十分な柔軟性を確保することが可能になる。
図1に示すように、本体部20は、平面視において、略矩形形状を有する。ただし、本体部20の外形形状は、特に限定されず、例えば、円形や楕円形等であってもよい。
本体部20は、複数の貫通孔25のピッチP(図2に示す距離P)に対する複数の貫通孔25の孔径D(図2に示す距離D)の比の値が、0.25以上40未満であることが好ましい。なお、貫通孔25を平面視したときの形状が真円であれば、貫通孔25の孔径Dは真円の直径に等しくなる。一方、貫通孔25を平面視したときの形状が真円ではない場合には、貫通孔25の開口部(貫通孔25において表面21または裏面23に面した部分)の面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を当該貫通孔25の孔径Dとすることができる。
また、本体部20は複数の貫通孔25を有する。そのため、本体部20は、各貫通孔25に対応する孔径Dの値が複数存在する。本実施形態では、上述した比の値を算出するにあたっては、複数の貫通孔25にそれぞれ対応する孔径Dの値の2点以上の算術平均値を孔径Dの代表値として用いるものとする。一方、複数の貫通孔25の「ピッチP」は、2つの貫通孔25の開口部同士の最短距離をいう。ピッチPの値についても隣接する貫通孔25の組み合わせに対応するピッチPの値が複数存在する。したがって、本実施形態では、上述した比の値を算出するにあたっては、隣接する貫通孔25の組み合わせにそれぞれ対応するピッチPの値の2点以上の算術平均値をピッチPの代表値として用いるものとする。
上記の貫通孔25のピッチP、孔径D、ピッチPに対する孔径Dの比等は、一例であり、これに限定されることはない。
本体部20は、生分解性の材料で構成することができる。本体部20の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。生分解性樹脂としては、例えば、特表2011−528275号公報、特表2008−514719号公報、国際公報第2008−1952号、特表2004−509205号公報等に記載されるものなどの公知の生分解性(共)重合体が使用できる。具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
本体部20の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した生分解性樹脂からなる繊維を作製し、当該繊維を用いてメッシュ形状のシートを製造する方法が挙げられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)や、メルトブロー法等が挙げられる。本体部20は、上記の方法のうち1種のみを選択して用いてもよいし、2種以上を選択し適宜組み合わせてもよい。なお、本体部20の製造方法のさらに別の例として、上述した生分解性樹脂からなる繊維を常法に従って紡糸し、得られた繊維をメッシュ状に編むことによって本発明に係る生分解性シートを製造してもよい。
本体部20は、本体部20を構成する生分解性樹脂等の構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部20は、この作用により、フィブリン等の生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部20の貫通孔25を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。例えば、接合対象(吻合対象)となる生体器官同士の間に医療器具10の本体部20を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
次に、医療器具の変形例を説明する。なお、各変形例の説明において、上述した医療器具10で説明した構成や内容については、その説明を適宜省略する。
<変形例1>
図3には、変形例1に係る医療器具110の概観斜視図を示す。
図3に示すように、医療器具110は、平面視において円形形状を有する本体部120を備える。本体部120は、平面視した際の略中心位置に、貫通孔25よりも孔径d1が大きく形成された孔部(中心孔)130を有している。
孔部130の孔径は、例えば、5mm〜25mmに形成することができる。また、孔部130の外形形状は、例えば、真円に形成できるが、楕円形、矩形形状、その他の形状等であってもよい。
<変形例2>
図4には、変形例2に係る医療器具210の概観斜視図を示す。
図4に示すように、医療器具210は、平面視において円形形状を有する本体部220を備える。本体部220は、平面視した際の略中心位置に、貫通孔25よりも孔径d1が大きく形成された孔部230を有している。また、本体部220は、本体部220の側面と孔部230とに連なるスリット240を有している。
孔部230の孔径は、例えば、1mm〜20mmに形成することができる。また、スリット240の形状は、例えば、平面視において直線形状に形成できるが、曲線、直線が蛇行した形状(ジグザグ形状)等であってもよい。
<変形例3>
図5には、変形例3に係る医療器具310の平面図を示す。
図5に示すように、医療器具210は、第1分割片321および第2分割片322からなる本体部320を有する。第1分割片321と第2分割片322は、互いに略同一の形状を有するように本体部320を直径方向に分割して形成している。第1分割片321に形成された凹部321aと、第2分割片322に形成された凹部322aは、第1分割片321と第2分割片322とを並べて配置した際に、本体部320の略中心位置に孔部に相当する空間330を形成する。
本体部320の分割数(分割片の数)、各分割片の形状等は、特に限定されず、適宜変更することが可能である。
<変形例4>
図6には、変形例4に係る医療器具410を示す。
図6に示すように、医療器具410は、孔部430が形成されたシート状の本体部420と、本体部420の表面21側から突出した中空な第1管状部450と、本体部420の裏面23側から突出した中空な第2管状部460と、を有している。
第1管状部450と第2管状部460は、本体部420の孔部430を介して連通している。
第1管状部450は、例えば、本体部420と同一の材料(前述した本体部20と同一の材料)で形成することができる。第1管状部450の内部には流体が流通可能な内腔が形成されている。また、第1管状部450には貫通孔25が形成されている。
第2管状部460は、貫通孔25が形成された略筒形状の外側部材461と、外側部材461の内面に配置された略筒形状の内側部材462と、を有している。
外側部材461と内側部材462は、本体部420と同一の材料で形成している。ただし、内側部材462には貫通孔25が形成されていない。また、内側部材462の内部には、体液等の流体が流通可能な内腔が形成されている。
<変形例5>
図7には、変形例5に係る医療器具510の概観斜視図を示す。
図7に示すように、変形例7に係る医療器具510は、シート状の本体部520と、ガイド部570と、を有している。
本体部520は、平面視において略矩形形状を有している。ガイド部570は、本体部520の面方向と略直交するように設けられている。
ガイド部570は、貫通孔25が形成された第1シート部材571と、第1シート部材571に重ねて配置された第2シート部材572と、を有している。第2シート部材572には貫通孔25が形成されていない。
第2シート部材572は、例えば、第1シート部材571よりも高い剛性を有する(硬い物性を有する)ように構成することができる。一例として、第1シート部材571および第2シート部材572は本体部520と同様の材料で形成し、第1シート部材571に貫通孔25を形成することにより、第1シート部材571と第2シート部材572の剛性の大小関係を調整することができる。
<変形例6>
図8には、変形例6に係る医療器具610の概観斜視図を示す。
図8に示すように、変形例6に係る医療器具610は、シート状の本体部620と、ガイド部570と、本体部620の一辺(側面)から突出した突出部680と、を有している。本体部620およびガイド部570は、前述した変形例5と同一に形成できる。
突出部680は、例えば、図8に示すように、本体部620の一つの側面に四つ設けることができる。なお、突出部680の形状、突出方向の長さ、突出方向と交差する方向の幅、突出部680間のピッチ、突出部680の個数等は、特に限定されない。医療器具610は、例えば、医療器具610が食道−胃管の吻合術に使用される場合、手技に採用される支持糸の個数等に応じて任意の個数の突出部680を備えることができる。
以上、各変形例に基づいて医療器具の構成の一例を説明したが、本発明に係る処置方法に使用される医療器具は、生体組織の癒合を促進する機能を持つシート状の本体部を少なくとも備えている限り、その具体的な構成は限定されない。その他の変形例として、例えば、医療器具は、本体部の側面に露出する連通孔が形成されていてもよい。また、医療器具は、本体部に形成された貫通孔が本体部の厚み方向(図2の上下方向)と交差する方向に一部が広がる形状を有していてもよい。また、医療器具は、本体部に形成された貫通孔が本体部の厚み方向(図2の上下方向)と交差する方向に一部が狭まる形状を有していてもよい。
次に、本発明に係る処置方法を説明する。
図9は、本発明に係る処置方法の手順を示すフローチャートである。
本発明に係る処置方法は、生体器官の接合対象となる一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置すること(S11)、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に医療器具の本体部の少なくとも一部を配置した状態で一方の被接合部位と他方の被接合部位とを接合すること(S12)、を含む。
本発明に係る処置方法により接合される生体器官および生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。ただし、以下の説明では、(i)大腸吻合術、(ii)膵実質−空腸吻合術、および(iii)食道−胃管吻合術に本発明の処置方法を適用した例を説明する。また、以下に説明する各手技において使用される医療器具としては、例えば、前述した各医療器具10、210、310、410、510、610の中から任意のものを選択することが可能であるし、その他の医療器具を選択することもできる。ただし、以下の説明では、各手技に好適に用いることができる代表的な例として、特定の医療器具の使用例を説明する。また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の医療装置・医療器具等については詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に医療器具を配置する」とは、生体器官に医療器具が直接的にまたは間接的に接触した状態で配置されること、生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で医療器具が配置されること、またはその両方の状態で医療器具が配置されること(例えば、一方の生体器官に医療器具が接触し、他方の生体器官には医療器具が接触していない状態で配置されること)の少なくとも一つを意味する。また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、発明の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。また、各処置方法において説明する手技手順は、発明の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる二つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
<処置方法の第1実施形態(大腸吻合術)>
図10は、第1実施形態に係る大腸吻合術の手順を示すフローチャートであり、図11〜図13は、第1実施形態に係る大腸吻合術の説明に供する図である。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A1と、切断した大腸の肛門側A2である。以下の説明では、切断した大腸の口側A1の口部周辺(一方の被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A2の腸壁の一部(他方の被接合部位)を接合する手順を説明する。また、本実施形態では、医療器具110(図3を参照)の使用例を説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁の間に医療器具を配置すること(S101)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S102)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で医療器具の本体部を挟み込むこと(S103)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に医療器具の本体部を挟み込んだ状態で接合すること(S104)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に医療器具の本体部を留置すること(S105)、を含む。
次に、図11〜図13を参照して、本実施形態に係る処置方法を具体的に説明する。
図11に示すように、医師等の術者(以下、術者とする)は、大腸の口側A1に、吻合装置700の第1係合器具710を挿入する。術者は、大腸の肛門側A2に、吻合装置700の第2係合器具720を配置する。術者は、第2係合器具720を大腸の肛門側A2に配置するのに先立ち、大腸の肛門側A2に、吻合装置700の第2係合器具720を挿入するための貫通孔A21を形成しておく。なお、貫通孔A21を形成するタイミングは、第2係合器具720を配置する前であれば、特に限定されない。
吻合装置700としては、例えば、大腸吻合術に使用される公知の装置を用いることができる。吻合装置700は、第1係合器具710と第2係合器具720の係合に伴い、第1係合器具710と第2係合器具720との間に配置された生体組織の切除とともに、切除した生体組織の周囲をステープルにより円周状に縫合する。第1係合器具710は、例えば、筒状の被係合部711を備える器具であり、第2係合器具720は、例えば、第1係合器具710の被係合部711に挿入および係合される係合ピン721を備える器具である。
次に、術者は、図11に示すように、大腸の口側A1と大腸の肛門側A2との間に医療器具110を配置する。本実施形態では、本体部120に孔部(中心孔)130が形成された医療器具110(図3を参照)を使用する。術者は、医療器具110を配置する際、第2係合器具720が備える係合ピン721に本体部120に形成された孔部130を通す。この際、術者は、大腸の肛門側A2において貫通孔A21が形成された付近に医療器具110の本体部120を接触させる。なお、術者は、第1係合器具710が備える被係合部711に本体部120に形成された孔部130を通すことにより、大腸の口側A1に医療器具110を配置してもよい。
次に、術者は、図12に示すように、第1係合器具710と第2係合器具720を相対的に接近させて係合させる。術者は、第1係合器具710と第2係合器具720との間で、大腸の口側A1の口部周辺、医療器具110の本体部120、大腸の肛門側A2の腸壁に形成した貫通孔A21周辺を挟み込む。術者は、吻合装置700を操作することにより、第1係合器具710と第2係合器具720との間に挟み込まれた大腸の口側A1の一部、医療器具110の本体部120の一部、および大腸の肛門側A2の一部を切除しつつ、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する。
次に、術者は、図13に示すように、吻合装置700を、例えば、大腸の肛門側A2から肛門を介して生体外へ取り出す。また、術者は、大腸の口側A1の口部周辺と大腸の肛門側A2の腸壁との間に医療器具110の本体部120の一部が挟み込まれた状態で医療器具110を留置する。
以上のように、本実施形態に係る処置方法は、大腸を接合する手技に適用することができる。本実施形態に係る処置方法では、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を接合する。この処置方法によれば、大腸の口側A1の口部周辺と大腸の肛門側A2の腸壁の間に配置した医療器具110の本体部120により、大腸の口側A1周辺の生体組織と大腸の肛門側A2の腸壁の生体組織の癒合を促進することができ、大腸吻合術後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部へ吻合装置700の第1係合器具710を配置し、大腸の腸壁に形成された貫通孔A21に吻合装置700の第2係合器具720を配置することを含む。そして、医療器具110の本体部120は、第1係合器具710または第2係合器具720への医療器具110の装着を可能にする孔部130を有している。そして、本実施形態に係る処置方法では、第1係合器具710または第2係合器具720に医療器具110を装着した状態で大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させることにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で医療器具110の本体部120を挟み込むことを含む。上記の処置方法によれば、吻合装置700を使用した大腸吻合術において、吻合装置700への医療器具110の装着、被接合部位への医療器具110の配置、被接合部位同士による医療器具110の本体部120の挟み込みといった各作業を容易かつ円滑に実施することができる。
<処置方法の第2実施形態(膵実質−空腸吻合術)>
図14は、第2実施形態に係る膵実質−空腸吻合術の手順を示すフローチャートであり、図15〜図24は、第2実施形態に係る膵実質−空腸吻合術の説明に供する図である。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、膵頭十二指腸切除後の膵実質B1と、空腸B2である。以下の説明では、切断した膵実質B1の切断面周辺(一方の被接合部位)と空腸B2の腸壁の任意の部位(他方の被接合部位)を接合する手順を説明する。また、本実施形態では、医療器具110(図3を参照)の使用例を説明する。
図14に示すように、本実施形態に係る処置方法は、膵実質と空腸の間に医療器具を配置すること(S201)、膵実質と空腸を相対的に接近させること(S202)、膵実質と空腸の間で医療器具の本体部を挟み込むこと(S203)、膵実質と空腸の間に医療器具の本体部を挟み込んだ状態で接合すること(S204)、膵実質と空腸の間に医療器具の本体部を留置すること(S205)、を含む。
次に、図15〜図24を参照して、本実施形態に係る処置方法を具体的に説明する。
図15に示すように、術者は、切断した膵実質B1の切断面B1aに医療器具110の本体部120を配置する。この際、術者は、本体部120に形成された孔部130を膵実質B1の切断面B1aに臨む膵管B1bの開口端(膵管B1bにおいて膵実質B1の外表面に臨む部分)に位置合わせして配置する。このようにして、術者は、医療器具110の本体部120を膵実質B1の切断面B1aに付着させる。
次に、術者は、図15に示すように、膵実質B1の前壁(膵実質B1の周方向の手前側の部分)から後壁(膵実質B1の周方向の奥側の部分)に向けて、両端針810aを運針する。両端針810aとしては、生体適合性を備える針部811と、針部811が両端部に取り付けられた生体吸収性を備える吸収糸812と、を備える公知のものを利用することができる。なお、後述する各両端針810b、810c、810dについても上記と同様の公知の両端針を利用することができる。
次に、術者は、図16に示すように、空腸B2の空腸漿膜筋層に針部811を通すように両端針810aを運針する。
次に、術者は、図17に示すように、空腸B2側から両端針810aを膵実質B1側へ折り返すように運針し、膵実質B1の後壁から膵実質B1の前壁へ針部811を通す。また、術者は、両端針810aを上記のように運針しつつ、膵実質B1を空腸B2側へ近付ける。医療器具110の本体部120は、膵実質B1の切断面B1aに付着した状態で膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に挟み込まれる。
術者は、ここまでの作業を行うことにより、両端針810aを利用して膵実質B1の後壁と空腸B2の空腸漿膜筋層と医療器具110の本体部120を縫合することができる。次に、術者は、図18に示すように、両端針810aの吸収糸812に結び目を作るなどして、両端針810aを所定の位置に保持する。
次に、術者は、図19に示すように、他の両端針810b、810c、810dを利用して、前述した作業と同様の作業を実施し、両端針810aにより縫合した箇所と異なる3箇所で膵実質B1の後壁と空腸B2と医療器具110の本体部120を縫合する。術者は、膵実質B1の後壁に対する縫合を終えた後、各両端針810b、810c、810dの各々の吸収糸に結び目を作るなどして、各両端針810b、810c、810dを所定の位置に保持する。術者は、以上の作業を行うことにより、図19に示すように、8針を膵実質B1に掛ける。
次に、術者は、図19に示すように、空腸B2の空腸漿膜面に、空腸B2の内部および外部を貫通する貫通孔B2aを形成する。
次に、術者は、図20に示すように、空腸B2の内部側から膵管チューブ830を挿入する。また、術者は、膵管チューブ830を空腸B2に形成した貫通孔B2aに通して、膵管チューブ830を膵管B1bに挿入する。なお、膵管チューブ830としては、例えば、膵管B1bに挿入される端部側に抜け防止用のコブ(凸部)が形成された樹脂製の公知のものを利用することができる。
術者は、膵管チューブ830を膵管B1bに挿入し、所定の位置に膵管チューブ830を位置決めした後、図21に示すように生分解性の縫合糸820を利用して、膵管チューブ830を膵管B1bに対して縫合(固定)する。
次に、術者は、図22および図23に示すように、膵実質B1で保持していた各両端針810a、810b、810c、810dを運針し、膵実質B1の前壁と空腸B2の空腸漿膜筋層と医療器具110の本体部120を縫合する。空腸B2は、上記の縫合がなされると、縫合時に生じる張力により、膵実質B1の切断面B1aおよび医療器具110の本体部120を包み込むように変形する。
術者は、図24に示すように、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に医療器具110の本体部120が挟み込まれた状態で医療器具110を留置する。医療器具110の本体部120は、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁とに接触しつつ、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に留置されることにより、膵実質B1の生体組織と空腸B2の腸壁の生体組織の癒合を促進する。
以上のように、本実施形態に係る処置方法は、膵実質B1および空腸B2を接合する手技に適用される。また、上記の処置方法では、切断された膵実質B1の切断面B1a周辺と空腸B2の腸壁(空腸漿膜筋層)を接合する。この処置方法によれば、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁の間に挟み込んだ医療器具110の本体部120により、膵実質B1の生体組織と空腸B2の腸壁の生体組織の癒合を促進することができ、膵実質−空腸吻合術後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、本実施形態に係る処置方法に使用される医療器具110の本体部120は、膵実質B1内に延在する膵管B1bと空腸B2の腸壁に形成された貫通孔B2aとに位置合わせされる孔部130を有している。そして、本実施形態に係る処置方法は、膵実質B1が切断された切断面B1a周辺または空腸B2の腸壁に形成された貫通孔B2a周辺に医療器具110の本体部120を接触させた状態で、膵実質B1と空腸B2を相対的に接近させることにより、膵実質B1と空腸B2との間で医療器具110の本体部120を挟み込む。上記の処置方法によれば、膵実質−空腸吻合術において、膵実質B1と空腸B2の腸壁との間に配置された医療器具110の本体部120が膵管B1bと空腸B2との連通を阻害することを防止できる。また、術者は、医療器具110を膵実質B1に配置する際、本体部120に形成された孔部130を膵実質B1の膵管B1bに位置合わせするためのガイドとして用いることができるため、医療器具110を膵実質B1の所望の位置に対して容易に位置決めすることができる。
<第2実施形態の変形例1>
次に、図25および図26を参照して、第2実施形態の変形例1に係る処置方法を説明する。
図25および図26に示すように、変形例1に係る処置方法では、二つの分割片321、322からなる本体部320を備える医療器具310(図5を参照)を使用する。
術者は、図25に示すように、膵実質B1の後壁側と空腸B2の腸壁とを縫合する前に、第1分割片321を膵実質B1の切断面B1aに付着させる。次に、術者は、両端針810aを運針することにより、膵実質B1の後壁側と空腸B2の腸壁と第1分割片321を縫合する。次に、術者は、前述した処置方法と同様の手順により(図21を参照)、他の両端針810b、810c、810dを使用して膵実質B1の後壁側と空腸B2の腸壁との間に第1分割片321を挟み込んだ状態で接合する。この際、第1分割片321を縫合固定してもよい。
術者は、図26に示すように、各両端針810a、810b、810c、810dを使用して膵実質B1の後壁側と空腸B2の腸壁と第1分割片321を縫合した後、膵実質B1の切断面B1aにおいて第1分割片321が付着した部分と異なる部分に第2分割片322を付着させる。第1分割片321と第2分割片322は、互いに隣接して配置されることにより、本体部320の略中心位置に空間(孔部)330を形成する(図5を参照)。
次に、術者は、両端針810a、810b、810c、810dを使用して、膵実質B1の前壁側と空腸B2の腸壁との間に第2分割片322を挟み込んだ状態で接合する。この際、第2分割片322を縫合固定してもよい。術者は、医療器具310の本体部320を膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁とに接触させつつ、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に留置する。
本変形例に係る処置方法によれば、医療器具310の本体部320を構成する第1分割片321を、膵実質B1の後壁側と空腸B2の腸壁とを縫合する前に膵実質B1の切断面B1aに付着させ、医療器具310の本体部320を構成する第2分割片322を、膵実質B1の前壁側と空腸B2の腸壁とを縫合する前に膵実質B1の切断面B1aに付着させる。そのため、第1分割片321を膵実質B1の切断面B1aに付着させる作業を容易に行うことができるとともに、第2分割片322を膵実質B1の切断面B1aに付着させる作業を容易に行うことができる。
<第2実施形態の変形例2>
次に、図27および図28を参照して、第2実施形態の変形例2に係る処置方法を説明する。
図27および図28に示すように、変形例2に係る処置方法では、第1管状部450および第2管状部460を備える医療器具410(図6を参照)を使用する。
術者は、図27に示すように、膵実質B1と空腸B2を縫合する前に、医療器具410の第1管状部450を膵管B1bに挿入する。医療器具410の本体部420は、膵実質B1の切断面B1aに付着させる。術者は、第1管状部450を膵管B1bに挿入することにより、医療器具410を膵実質B1に容易に配置することができる。
術者は、図28に示すように、医療器具410の第2管状部460を空腸B2に形成した貫通孔B2aに挿入する。医療器具410は、第1管状部450および第2管状部460を介して、膵管B1bと空腸B2の内部とを連通させる。医療器具410の本体部420は、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2との間に挟み込まれる。なお、空腸B2に貫通孔B2aを形成するタイミングは、第2管状部460を貫通孔B2aに挿入する前であれば、特に限定されない。
以上のように、本変形例に係る処置方法では、第1管状部450および第2管状部460を備える医療器具410を使用することにより、膵管B1bと空腸B2の内部とを連通させる。
また、前述したように、医療器具410が備える本体部420および第1管状部450には貫通孔25が形成されている(図6を参照)。そのため、医療器具410は、本体部420および第1管状部450により、膵実質B1、膵管B1b、空腸B2の間の癒合を好適に促進することができる。また、医療器具410が備える第2管状部460の外側部材461にも貫通孔25が形成されている。そのため、第2管状部460の外側部材461は、空腸B2の内面に接触して配置されることにより、空腸B2に対する癒合が促進される。一方、第2管状部460の内側部材462には、貫通孔25が形成されていない。そのため、第2管状部460は、潰れやキンクが発生するのを防止できる。したがって、第2管状部460は、内側部材462の内腔により形成される流路を適切な形状に維持することができ、内側部材462の内腔が狭まったりすることにより、狭窄が生じるのを好適に防止できる。さらに、第2管状部460の内側部材462は、貫通孔25が形成されていないため、貫通孔25に生体成分(例えば、タンパク等)が溜まることによる内側部材462の内腔の狭窄を防止できる。
なお、第2実施形態に係る処置方法では、例えば、図4に示す医療器具210を好適に使用することもできる。術者は、医療器具210を使用する場合、膵管チューブ830を膵管B1bと空腸B2の貫通孔B2aに挿入した状態で、本体部220に形成されたスリット240に膵管チューブ830を通すことで、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に本体部220を配置することができる。
<処置方法の第3実施形態(食道−胃管吻合術)>
図29は、第3実施形態に係る食道−胃管吻合術の手順を示すフローチャートであり、図30〜図41は、第3実施形態に係る食道−胃管吻合術の説明に供する図である。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された食道と食道以外の生体器官である再建胃管(以下、胃管とする)である。以下の説明では、切断した食道C1の口部周辺(一方の被接合部位)と、胃管C2の口部周辺(他方の被接合部位)とを接合する手順を説明する。また、本実施形態では、医療器具510(図7を参照)の使用例を説明する。
図29に示すように、本実施形態に係る吻合術は、食道の口部周辺と胃管の口部周辺の間に医療器具を配置すること(S301)、食道の口部周辺と胃管の口部周辺を相対的に接近させること(S302)、食道の口部周辺と胃管の口部周辺の間で医療器具の本体部を挟み込むこと(S303)、食道の口部周辺と胃管の口部周辺の間に医療器具の本体部を挟み込んだ状態で接合すること(S304)、食道の口部周辺と胃管の口部周辺の間の別の箇所で医療器具の本体部を挟み込んだ状態で接合すること(S305)、食道の口部周辺と胃管の口部周辺の間に医療器具の本体部を留置すること(S306)、を含む。
次に、図30〜図41を参照して、本実施形態に係る処置方法を具体的に説明する。なお、本実施形態では、食道−胃管の三角吻合術を説明する。
術者は、図30に示すように、食道C1と胃管C2とに支持糸910a、910b、910cを掛ける。術者は、各支持糸910a、910b、910cを食道C1と胃管C2に掛ける際、医療器具510の本体部520に各支持糸910a、910b、910cを通して、食道C1と胃管C2との間に医療器具510を配置する。各支持糸910a、910b、910cは、例えば、生体吸収性を備える公知の縫合糸で構成することができる。
次に、術者は、図31に示すように、各支持糸910a、910b、910cを操作して、食道C1と胃管C2を挙上させつつ相対的に接近させる。術者は、食道C1と胃管C2を相対的に接近させることにより、食道C1と胃管C2との間で医療器具510の本体部520を挟み込む。
ここで、図40には、食道C1と胃管C2との間に医療器具510の本体部520を挟み込んだ状態の断面図(図32において矢印40−40で示す部分の概略断面図)を示している。術者は、図40に示すように、例えば、医療器具510の本体部520の一部を食道C1の外表面C1aと胃管C2の外表面C2aとの間に配置することができる。術者は、このように医療器具510の本体部520を配置した状態で、後述する自動縫合器950による縫合を行う。なお、自動縫合器950による縫合箇所は、食道C1の外表面C1aと、医療器具510の本体部520と、胃管C2の外表面C2aとが重なり合う部分(例えば、図40において破線s1で示す部分)に設定することができる。また、術者は、自動縫合器950による食道C1と胃管C2の縫合作業を行う際、ガイド部570の位置を基準にして、医療器具510の本体部520の切除位置(図40の上下方向の位置)を制御する(定める)ことができる。それにより、術者は、自動縫合器950による縫合作業を円滑に実施することができる。
次に、術者は、図32に示すように、自動縫合器950を使用して、食道C1と胃管C2と医療器具510の本体部520を縫合する。自動縫合器950による縫合は、自動縫合器950に装填されたステープラー951(図33を参照)により行うことができる。術者は、自動縫合器950による縫合を行う際、自動縫合器950により食道C1と胃管C2と医療器具510の本体部520の一部を切除する。なお、自動縫合器950としては、例えば、食道−胃管吻合術に使用される公知のものを利用することができる。
図33には、自動縫合器950による縫合を終えた状態の食道C1、胃管C2、医療器具510を示す。術者は、縫合を終えた後、食道C1と胃管C2との間に本体部520の一部を挟み込んだ状態で医療器具510を留置する。
次に、術者は、食道C1および胃管C2において縫合がなされていない別の箇所(食道C1および胃管C2における周方向の別の箇所)に対して、縫合を実施する。
術者は、図34に示すように、食道C1と胃管C2とに支持糸910a、910b、910cを掛ける。術者は、各支持糸910a、910b、910cを食道C1と胃管C2に掛ける際、医療器具510の本体部520に各支持糸910a、910b、910cを通して、食道C1と胃管C2との間に医療器具510を配置する。また、術者は、図35に示すように、各支持糸910a、910b、910cを操作して、食道C1と胃管C2を挙上させつつ相対的に接近させる。術者は、食道C1と胃管C2を相対的に接近させることにより、食道C1と胃管C2との間で医療器具510の本体部520を挟み込む。
ここで、図41には、食道C1と胃管C2との間に医療器具510の本体部520を挟み込んだ状態の断面図(図36において矢印41−41で示す部分の概略断面図)を示している。術者は、図41に示すように、例えば、医療器具510の本体部520の一部を食道C1の内表面C1bと胃管C2の内表面C2bとの間に配置することができる。術者は、このように医療器具510の本体部520を配置した状態で、自動縫合器950による縫合を行う。自動縫合器950による縫合箇所は、食道C1の内表面C1bと、医療器具510の本体部520と、胃管C2の内表面C2bとが重なり合う部分(例えば、図41において破線s2で示す部分)に設定することができる。また、術者は、自動縫合器950による食道C1と胃管C2の縫合作業を行う際、ガイド部570の位置を基準にして、医療器具510の本体部520の切除位置(図41の上下方向の位置)を定めることができる。それにより、術者は、自動縫合器950による切除−縫合作業を円滑に実施することができる。
次に、術者は、図36に示すように、自動縫合器950を使用して、食道C1と胃管C2と医療器具510の本体部520を縫合する。また、術者は、自動縫合器950を使用した縫合を行う際、自動縫合器950により食道C1と胃管C2と医療器具510の本体部520の一部を切除する。
図37には、自動縫合器950による縫合を終えた状態の食道C1、胃管C2、医療器具510を示す。術者は、縫合を終えた後、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺との間に本体部520の一部を挟み込んだ状態で医療器具510を留置する。術者は、以上の作業を行うことにより、図30〜図33で示した縫合箇所とは異なる別の箇所で食道C1と胃管C2を縫合することができる。ここまでの作業を終えた段階で、食道C1と胃管C2は、食道C1および胃管C2の周方向の異なる2箇所で接合された状態となる。
次に、術者は、食道C1および胃管C2において縫合がなされていないさらに別の箇所に対して、縫合を実施する。具体的には、図38に示すように、食道C1および胃管C2において未接合の部分を縫合する。なお、縫合の具体的な手順は、縫合箇所が異なるだけで図34〜図37に示す手順と実質的に同一であるため、説明は省略する。
図39には、自動縫合器950による縫合を終えた状態の食道C1、胃管C2、医療器具510を示す。術者は、上述した各作業を実施することにより、食道C1および胃管C2を周方向の異なる三箇所で縫合する。また、術者は、上記三箇所の各部において、食道C1と胃管C2の間に医療器具510の本体部520を挟み込んだ状態で医療器具510を留置する。
なお、術者は、食道C1および胃管C2の縫合を終えた後、各医療器具510の不要な部分(食道C1と胃管C2の間からはみ出た部分)を適宜切除することができる。
以上のように、本実施形態に係る処置方法は、食道と胃管を接合する手技に使用される。また、上記の処置方法では、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺を接合する。この処置方法によれば、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺の間に配置した医療器具510の本体部520により、食道C1の口部周辺の生体組織と胃管C2の口部周辺の生体組織の癒合を促進することができ、食道−胃管吻合術後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、本実施形態では、医療器具510の本体部520は、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺との間に配置された状態で、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺を相対的に接近させることにより、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺との間に挟み込まれる。そのため、術者は、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺を相対的に接近させる簡便な作業により、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺の間で医療器具510の本体部520を挟み込むことができる。
また、本実施形態では、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺の接合は、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺との間に医療器具510の本体部520を挟み込んだ状態で、食道C1および胃管C2の周方向の異なる複数箇所で実施する。そのため、術者は、医療器具510を使用した手技において、例えば、食道−胃管の三角吻合術を好適に実施することができる。
また、本実施形態では、医療器具510は、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺に対する医療器具510の本体部520の接合位置をガイドするガイド部570を有している。そして、術者は、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺を接合する際、ガイド部570により、医療器具510の本体部520の接合位置を制御する。したがって、術者は、医療器具510の本体部520の接合位置を容易に位置決めすることができる。
<第3実施形態の変形例>
次に、図42を参照して、第3実施形態の変形例に係る処置方法を説明する。
図42に示すように、変形例に係る処置方法では、本体部620、ガイド部570、突出部680を備える医療器具610(図8を参照)を使用する。
術者は、図42に示すように、食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺に対して各支持糸910a、910b、910cを掛けた状態で、医療器具610を食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺の間に配置する。この際、隣接する突出部680の間に形成された隙間に各支持糸910a、910b、910cを通すことにより、医療器具610の本体部620を食道C1の口部周辺と胃管C2の口部周辺の間に容易に配置することができる。その他の処置手順は、前述した第3実施形態で説明した手順と実質的に同一であるため、説明を省略する。なお、第3実施形態およびその変形例で説明した食道−胃管の三角吻合術を行う場合には、例えば、接合箇所毎に異なる種類の医療器具を配置することも可能である。
上述した各実施形態で説明したように、本発明に係る処置方法は、接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置すること、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で一方の被接合部位と他方の被接合部位を接合すること、を含む。本処置方法によれば、医療器具が備えるシート状の本体部を一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、上記の処置方法は、医療器具を配置する際、一方の被接合部位の外表面および/または他方の被接合部位の外表面に医療器具の本体部の少なくとも一部を接触させる。そのため、被接合部位の外表面に医療器具の本体部を付着させて医療器具を被接合部位付近に容易に仮留めすることができるため、手技を円滑に進めることができる。
また、上記の処置方法は、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に医療器具の本体部を配置した状態で、一方の被接合部位と他方の被接合部位とを相対的に接近させることにより、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間で本体部を挟み込むことを含む。そのため、被接合部位同士を相対的に接近させる簡便な作業により、被接合部位同士の間に医療器具の本体部を挟み込むことができる。
また、上記の処置方法では、接合は、一方の被接合部位と他方の被接合部位を接合しつつ、本体部の少なくとも一部を一方の被接合部位および/または他方の被接合部位に対して接合することを含む。そのため、各被接合部位に対して医療器具の本体部をより確実に固定することができるため、医療器具の本体部を留置した後、医療器具により癒合を好適に促進させることができる。
また、上記の処置方法では、接合は、ステープルおよび/または縫合糸を使用して行われる。そのため、術者は、ステープルや縫合糸を使用して被接合部位同士を簡便に接合することができる。
<第2実施形態の変形例3>
次に、前述した第2実施形態に係る処置方法(膵実質−空腸吻合術)の変形例3および当該変形例に好適に使用することが可能な医療器具1010について説明する。本形例の説明では、前述した第2実施形態及びその変形例1、2で既に説明した内容と同一の内容については説明を適宜省略する。
図43は、変形例3に係る処置方法の各手順を示すフローチャートである。図43に示すように、変形例3に係る処置方法は、空腸に医療器具を巻き付けることにより、医療器具を固定すること(S210)を含む点において、前述した第2実施形態に係る処置方法と相違する(図14を参照)。上記の(S210)の作業は、膵実質と空腸の間に医療器具を配置する作業(S201)と同時に、又は、当該作業(S201)を終えた後に実施することができる。
医療器具1010について説明する。
図44に示すように、医療器具1010は、貫通孔25が形成されたシート状の本体部1020を有している。貫通孔25は、本体部20の厚み方向に沿って貫通している。
本体部1020は、図44に示すように、外力が付与されていない自然状態において、一方の面側(図示例では表面21側)が凸状に湾曲した円弧形状を有している。本体部1020には円弧形状が予め形状付けされている。後述するように、本体部1020は、空腸B2の外周面(腸壁の外周面)に巻き付けて配置される(図45を参照)。術者は、本体部1020が円弧形状で形成されていることにより、本体部1020を空腸B2の外周面に容易に巻き付けることができる。なお、本体部1020に対する円弧形状の形状付けは、例えば、医療器具1010の製造時等に本体部1020を円弧形状に成形する方法を採用することができる。
本体部1020の周縁部に位置する第1端部1021の外表面には第1接続部1021aを配置している。また、第1端部1021と対をなす反対側の第2端部1022の内表面には第2接続部1022aを配置している。第1端部1021と第2端部1022は、互いに接続分離可能に構成している。そのため、術者は、本体部1020を空腸B2の外周面に巻き付けた状態で、第2端部1022の内表面に位置する第2接続部1021bを第1端部1021の外表面に位置する第1接続部1021aに接触させることにより、第1端部1021と第2端部1022を接続することができる(図45、図46を参照)。術者は、各接続部1021a、1022a同士を接続することにより、本体部1020を空腸B2に対して固定することができる。
第1接続部1021aおよび第2接続部1022aは、互いに接続可能である限り、具体的な構成は特に限定されない。ただし、各接続部1021a、1022aは、各端部1021、1022間に比較的小さな力を付与して両者の接続を簡便に行うことができるように構成されていることが好ましい。このような理由より、各接続部1021a、1022aは、例えば、生体適合性を備える磁石や生体適合性を備える面ファスナーで構成することが好ましい。
なお、各接続部1021a、1022aは、本体部1020に一体的に取り付けられた構造を有していなくてもよい。例えば、各接続部1021a、1021bは、本体部1020を固定する際に各端部1021a、1022aに塗布される生体適合性を備える接着剤や、各端部1021a、1022aに取り付けられる縫合糸等であってもよい。縫合糸を用いる場合、本体部1020を空腸B2の外周面に巻き付けた状態で、縫合糸をさらに腸管B2に巻き付けることにより、本体部1020を空腸B2に対して固定することができる。なお、縫合糸は、例えば、空腸B2に縫い付けることにより、本体部1020を空腸B2に対して固定するように使用してもよい。また、縫合糸を本体部1020に取り付ける場合、本体部1020の各端部1021、1022には、本体部1020の強度を部分的に高めるように構成された貫通孔25の形成されていないフレーム部を設けることが好ましい。本体部1020に設けたフレーム部に縫合糸を縫い付けることにより、縫合糸を介して本体部1020に外力が付与される際、本体部1020が破損することを防止することが可能になる。
本体部1020において各接続部1021a、1021bを配置する位置は、本体部1020を空腸B2の外周面に沿って巻き付けた際に、本体部1020の一部同士を接続することにより、空腸B2に本体部1020を固定することが可能な限り、特に限定されない。したがって、本体部1020の各端部1021、1022以外の部分に接続部1021a、1021bを配置してもよいし、各端部1021、1022の一部のみに接続部1021a、1022aを配置してもよい。
本体部1020は、空腸B2の外周面を周方向全体に亘って覆うように配置することが可能な大きさおよび形状で形成されていることが好ましい。ただし、本体部1020の大きさや形状は特に限定されない。例えば、本体部1020は、外力が付与されていない自然状態において図44に示すような円弧形状を有していなくてもよい。
次に、第2実施形態の変形例3に係る処置方法の手順例を説明する。前述した第2実施形態で既に説明した手順と同様の手順については説明を省略する。
術者は、図45に示すように、膵実質B1と空腸B2を縫合する前に、膵実質B1と空腸B2の間に医療器具1010の本体部1020を配置する。この際、術者は、空腸B2の外周面に本体部1020を巻き付ける。また、術者は、本体部1020の第1端部1021の外表面に配置された第1接続部1021aに、本体部1020の第2端部1022の内表面に配置された第2接続部1022aを接触させることにより、各接続部1022a、1022b同士を接続させる。本体部1020は、各接続部1022a、1022b同士が接続されることにより、空腸B2の外周面に巻き付けられた状態で空腸B2に対して固定される。術者は、本体部1020を空腸B2に対して固定することにより、この後に引き続き行われる各処置の最中に、本体部1020が空腸B2から脱落や位置ずれしたり、本体部1020が変形してよれたりすることを防止できる。
次に、術者は、図46に示すように、空腸B2の空腸漿膜面に、空腸B2の内部および外部を貫通する貫通孔B2aを形成する。空腸B2に固定した本体部1020にも貫通孔B2aと対応した位置に貫通孔(図示省略)を形成する。なお、本体部1020への貫通孔の形成は、本体部1020を空腸B2に固定する前に実施してもよい。
次に、術者は、膵実質B1側から空腸B2側へ両端針810aを運針して縫合する。また、術者は、図47に示すように、複数の両端針810a、810b、811c、810dを使用して、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に本体部1020の一部が挟み込まれた状態で、空腸B2、膵実質B1、本体部1020を縫合(固定)する。なお、図示省略するが、術者は、空腸B2、膵実質B1、本体部1020を縫合する前に、貫通孔B2aおよび膵管チューブ830(図20を参照)を介して空腸B2の内部と膵管B1bを連通させる作業を行う。
術者は、空腸B2、膵実質B1、本体部1020を縫合した後、本体部1020において膵実質B1の切断面B1aと空腸B2との間に配置されていない部分(膵実質B1と腸壁の癒合の促進に寄与しない部分)を切断等により切り離すことができる。切り離す対象となる部分は、例えば、本体部1020の各端部1021、1022や、各端部1021、1022を含む任意の部分である。なお、本体部1020には、各端部1021、1022を切り離すための切れ目等を予め形成しておいてもよい。図48では切断する前の本体部1020を二点鎖線で概略的に示している。
術者は、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に医療器具1010の本体部1020の一部が挟み込まれた状態で医療器具1010を留置する。医療器具1010の本体部1020は、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁とに接触しつつ、膵実質B1の切断面B1aと空腸B2の腸壁との間に留置されることにより、膵実質B1の生体組織と空腸B2の腸壁の生体組織の癒合を促進する。
以上、本変形例に係る処置方法によれば、膵実質B1と空腸B2の間で医療器具1010の本体部1020を挟み込む前に、空腸B2に本体部1020を巻き付けた状態で空腸B2に対して本体部1020を固定する。そのため、膵実質−空腸吻合術を実施している最中に、空腸B2の外周面に巻き付けた本体部1020が、空腸B2から脱落や位置ずれしたり、変形してよれたりすることを防止できる。それにより、膵実質−空腸吻合術を円滑かつ容易に実施することができる。
なお、第2実施形態の変形例3で説明した医療器具1010は、その用途が膵実質−空腸吻合術のみに限定されることはなく、他の手技に適用することも可能である。
以上、実施形態を通じて本発明に係る処置方法を説明したが、本発明は実施形態で説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、接合対象となる生体器官、被接合部位、具体的な手技手順等は、実施形態において説明したものに限定されない。また、医療器具の材質、大きさ、形状、具体的な構造等は、医療器具が備える本体部により被接合部位の生体組織の癒合を促進する機能を持つ限り、特に限定されない。
10、110、210、310、410、510、610、1010 医療器具、
20、120、220、320、420、520、620、1020 本体部、
25 貫通孔、
130、230、330、430 孔部、
240 スリット、
321 第1分割片、
322 第2分割片、
450 第1管状部、
460 第2管状部、
570 ガイド部、
680 突出部、
A1 大腸の口側、
A2 大腸の肛門側、
B1 膵実質、
B2 空腸、
C1 食道、
C2 胃管(食道以外の生体器官)。

Claims (19)

  1. 接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位の間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置し、
    前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位との間に前記医療器具の本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位を接合する、処置方法。
  2. 前記医療器具を配置する際、前記一方の被接合部位および/または前記他方の被接合部位に前記医療器具の本体部の少なくとも一部を接触させる、請求項1に記載の処置方法。
  3. 前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位の間に前記医療器具の本体部を配置した状態で、前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位を相対的に接近させることにより、前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位との間で前記医療器具の本体部を挟み込む、請求項1または請求項2に記載の処置方法。
  4. 前記接合は、前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位を接合しつつ、前記本体部の少なくとも一部を前記一方の被接合部位および/または前記他方の被接合部位に対して接合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の処置方法。
  5. 前記接合は、ステープルおよび/または縫合糸により行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の処置方法。
  6. 接合対象となる前記生体器官は、大腸であり、
    前記一方の被接合部位は、前記大腸の口部周辺であり、
    前記他方の被接合部位は、前記大腸の腸壁である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の処置方法。
  7. 前記大腸の口部へ吻合装置の第1係合器具を配置し、前記大腸の腸壁に形成された貫通孔に前記吻合装置の第2係合器具を配置することをさらに含み、
    前記本体部は、前記第1係合器具または前記第2係合器具への前記医療器具の装着を可能にする孔部を有しており、
    前記第1係合器具または前記第2係合器具に前記医療器具を装着した状態で前記大腸の口部周辺と前記大腸の腸壁を相対的に接近させることにより、前記大腸の口部周辺と前記大腸の腸壁との間で前記本体部を挟み込む、請求項6に記載の処置方法。
  8. 接合対象となる前記生体器官は、膵実質および空腸であり、
    前記一方の被接合部位は、切断した前記膵実質の切断面周辺であり、
    前記他方の被接合部位は、前記空腸の腸壁である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の処置方法。
  9. 前記本体部は、前記膵実質内に延在する膵管と前記空腸の腸壁に形成された貫通孔とに位置合わせされる孔部を有しており、
    前記膵実質の切断面周辺または前記空腸の腸壁に形成された前記貫通孔周辺に前記本体部を接触させた状態で、前記膵実質と前記空腸とを相対的に接近させることにより、前記膵実質と前記空腸との間で前記本体部を挟み込む、請求項8に記載の処置方法。
  10. 前記医療器具は、内腔が形成された第1管状部および内腔が形成された第2管状部を有しており、
    前記第1管状部は、膵管に挿入され、
    前記第2管状部は、前記空腸の腸壁に形成された前記貫通孔に挿入される、請求項8または請求項9に記載の処置方法。
  11. 前記膵実質と前記空腸との間で前記本体部を挟み込む前に、前記空腸に前記本体部を巻き付けた状態で前記空腸に対して前記本体部を固定する、請求項8に記載の処置方法。
  12. 接合対象となる前記生体器官は、食道および食道以外の生体器官であり、
    前記一方の被接合部位は、食道の口部周辺であり、
    前記他方の被接合部位は、前記食道の口部に対して接合される前記食道以外の生体器官の口部周辺である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の処置方法。
  13. 前記本体部は、前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺との間に配置された状態で、前記食道の口部と前記食道以外の生体器官の口部とを相対的に接近させることにより、前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺との間に挟み込まれる、請求項12に記載の処置方法。
  14. 前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺との接合は、前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺との間に前記本体部を挟み込んだ状態で、前記食道の周方向の異なる複数箇所で実施する、請求項13に記載の処置方法。
  15. 前記医療器具は、前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺に対して前記本体部を接合する接合位置をガイドするガイド部を有しており、
    前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺を接合する際、前記ガイド部により、前記本体部の接合位置を制御する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の処置方法。
  16. 前記本体部には、前記本体部の厚み方向に貫通した貫通孔が形成されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の処置方法。
  17. 大腸の口部周辺と大腸の腸壁の間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置し、
    前記大腸の口部周辺と前記大腸の腸壁との間に前記医療器具の本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で前記大腸の口部周辺と前記大腸の腸壁を接合する、処置方法。
  18. 膵実質の切断面周辺と空腸の腸壁の間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置し、
    前記膵実質の切断面周辺と前記空腸の腸壁との間に前記医療器具の本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で前記膵実質の切断面と前記空腸の腸壁を接合する、処置方法。
  19. 食道の口部周辺および食道以外の生体器官の口部周辺の間に、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える医療器具を配置し、
    前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺との間に前記医療器具の本体部の少なくとも一部を挟み込んだ状態で前記食道の口部周辺と前記食道以外の生体器官の口部周辺を接合する、処置方法。
JP2018182132A 2018-03-19 2018-09-27 処置方法 Pending JP2019162405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/355,465 US11065003B2 (en) 2018-03-19 2019-03-15 Treatment method for joining biological organs

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018051459 2018-03-19
JP2018051459 2018-03-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019162405A true JP2019162405A (ja) 2019-09-26

Family

ID=68065908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018182132A Pending JP2019162405A (ja) 2018-03-19 2018-09-27 処置方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019162405A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020196856A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 テルモ株式会社 医療デバイス
WO2021199933A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 テルモ株式会社 医療器具および医療器具セット

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505708A (ja) * 2003-09-17 2007-03-15 ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド 円形ステープラーのバットレス
JP2007229457A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Tyco Healthcare Group Lp 吻合張力の低減のための環状ディスクおよびその使用方法
JP2011015966A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Tyco Healthcare Group Lp 外科用ガスケット

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505708A (ja) * 2003-09-17 2007-03-15 ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド 円形ステープラーのバットレス
JP2007229457A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Tyco Healthcare Group Lp 吻合張力の低減のための環状ディスクおよびその使用方法
JP2011015966A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Tyco Healthcare Group Lp 外科用ガスケット

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020196856A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 テルモ株式会社 医療デバイス
WO2021199933A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 テルモ株式会社 医療器具および医療器具セット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2020067380A1 (ja) 癒合促進デバイスおよび医療デバイス
JP2023049332A (ja) 医療器具および医療システム
JP2019162405A (ja) 処置方法
JP7361098B2 (ja) 癒合促進デバイス
US11065003B2 (en) Treatment method for joining biological organs
JP2020162753A (ja) 医療デバイス
JP2021049191A (ja) 癒合促進デバイス
EP3932440A1 (en) Medical device
JP7410131B2 (ja) 癒合促進デバイス
JP2020162752A (ja) 医療デバイス
US11484315B2 (en) Stent for anastomosis of different kinds of organs
JP2021049168A (ja) 癒合促進デバイスおよび医療デバイス
JP2021159095A (ja) 医療器具および医療器具セット
JP7410130B2 (ja) 癒合促進デバイス
JP7386232B2 (ja) 医療デバイス
WO2021065997A1 (ja) 医療デバイス
JP7248479B2 (ja) 癒合促進デバイス
JP2020048952A (ja) 癒合促進デバイス
JP2020162781A (ja) 医療デバイス
WO2020196841A1 (ja) 癒合促進デバイス
WO2021199933A1 (ja) 医療器具および医療器具セット
KR102146913B1 (ko) 생분해성 스텐트 및 그의 사용 방법
JP2021159093A (ja) 医療器具および医療器具セット
WO2021065896A1 (ja) 医療器具及び医療器具セット
WO2022202281A1 (ja) 癒合促進デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230307