JP7248479B2 - 癒合促進デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、癒合促進デバイスに関する。
医療分野において生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば消化管の吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された接合部における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることが知られている。
生体器官を接合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の吻合装置(特許文献1参照)を利用する方法が提案されている。特に、機械式の吻合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して接合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
特表2007-505708号公報
特許文献1の吻合装置では接合部位における漏出又は断裂等を防止するためにパットレスといったシート状の部材を挟むことによって接合部位の癒合を促進している。このような癒合促進デバイス(以下、癒合促進デバイスと言う)を用いた場合、癒合促進デバイスによって接合部位だけでなく癒合促進デバイスと周辺組織が癒着してしまうおそれがある。
そこで本発明は、周辺組織との癒着を防止又は抑制することが可能な癒合促進デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に癒合促進デバイスは、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を有し、前記本体部は、接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に少なくとも一部が配置される第1領域と、前記本体部の前記第1領域よりも外方側に形成され、前記第1領域よりも生体組織との癒合の進行が抑制された第2領域と、を有し、前記本体部は、前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位との間に挟み込まれた状態で、第1係合器具および前記第1係合器具と係合可能な第2係合器具を有し、前記第1係合器具と前記第2係合器具の係合に伴い、前記第1係合器具と前記第2係合器具との間に配置された生体組織をステープルにより縫合することが可能な接合装置によって前記一方の被接合部位および前記他方の被接合部位と接合され、前記第1領域の外周縁に相当する境界部の寸法は、前記接合装置の前記第1係合器具と前記第2係合器具が重なり合う部分の寸法と同程度に構成される。前記本体部は、前記第1領域と前記第2領域に貫通孔を設けている。
本発明に係る癒合促進デバイスによれば、癒合促進デバイスが周辺組織と癒着することを防止又は抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る癒合促進デバイスを示す概略斜視図である。 図1に係る癒合促進デバイスを示す平面図である。 図1の癒合促進デバイスにおける貫通孔について示す断面図である。 癒合促進デバイスを用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。 処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面斜視図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 図1の変形例に係る癒合促進デバイスを示す概略斜視図である。 図10に係る癒合促進デバイスを示す平面図である。 図1の変形例に係る癒合促進デバイスを示す概略斜視図である。 図12に係る癒合促進デバイスを示す平面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
図1、図2は本発明の一実施形態に係る癒合促進デバイス100を示す概略斜視図、平面図である。図3は、図1に係る癒合促進デバイス100の貫通孔11について示す断面図である。図6~図9は癒合促進デバイス100を用いて大腸を一例として消化管の吻合を行う際を説明する図である。
癒合促進デバイス100は、図7~図9に示すように所定の生体器官同士を接合する手技(例えば、消化管の吻合術)に適用することができる。後述するように、本明細書の説明では癒合促進デバイス100を使用した手技の例として大腸吻合術を説明するが、本発明に係る癒合促進デバイスを使用可能な部位は大腸に限定されない。
癒合促進デバイス100は、図1に示すように第1領域10Aと第2領域10Bとを備えた本体部10を有する。第1領域10Aには貫通孔11よりも大きな穴部20を設けている。以下、詳述する。
<本体部>
本体部10は、複数の貫通孔11を有する生分解性シートから形成され、生体組織の癒合を促進する。本体部10は図1、図2に示すように略円筒形状の部分を有しており、本体部10の略円筒形状の軸方向を直交座標系を用いて厚さ方向Zとする。また、厚さ方向Zに直交するX、Y平面において本体部10の略円筒形状の周方向(又は角度方向)を周方向θ、及び径方向(又は放射方向)を径方向rとする。
第1領域10Aは、接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に少なくとも一部を配置可能に構成している。第2領域10Bは、本体部10の第1領域10Aよりも外方側に形成するように構成している。第2領域10Bは、第1領域10Aよりも生体組織との癒合の進行が抑制されるように構成している。
第1領域10Aには貫通孔11を構成する第1貫通孔12を設けており、第2領域10Bには貫通孔11を構成する第2貫通孔13を設けている。貫通孔11を構成する第1貫通孔12及び第2貫通孔13は本実施形態において略円形、具体的に言えば略真円に形成している。
癒合促進デバイス100は、第1貫通孔12及び第2貫通孔13のうちの少なくとも第1貫通孔12により接合対象となる生体器官との癒合を促進する。一方で、癒合促進デバイス100のサイズは個々の患者に必ずしもフィットするとは限らず、生体器官の外方から癒合促進デバイス100がはみ出る場合がある。
癒合促進デバイス100が生体器官からはみ出た状態で接合対象が接合された場合、はみ出た癒合促進デバイス100が周辺組織と癒着する虞がある。これに対して、癒合促進デバイス100は、第1領域10Aよりも外方側に位置する第2領域10Bが生体組織との癒合を抑制するように構成している。本実施形態において癒合促進デバイス100が周辺組織との癒着を抑制するための具体的態様は以下の2つである。
第1に、第2領域10Bは、図1、図2等に示すように貫通孔11を構成する第2貫通孔13の大きさを第1貫通孔12よりも大きくすることによって、第1領域10Aよりも複数の貫通孔11の空孔率を大きくするように構成している。
第2に、本体部10の表面16(図3参照)には周辺組織との癒着を抑制する抑制成分を設けるように構成している。周囲の生体組織との癒着を抑制する成分とはフィブリン等の架橋を防止するような成分であり、具体的にはステロイド、デキストリン等を含むことができる。
図1、図2等に示すように第1領域10Aと第2領域10Bとの間には境界部14を設けることができる。第1領域10Aは、接合対象となる一方の被接合部位と他方の被接合部位とを接合する接合装置700(図7~図9参照)の接合部よりも径方向rにおいて大きな平面形状を有する。なお、本体部10は本実施形態において略円状に形成しているが、生体組織の癒合を促進できれば、形状は円状でなくてもよい。本体部の形状が円でない場合、第1領域は接合装置の接合部よりも外方に延在する平面形状を有する。
すなわち、第1領域10Aの外周縁に相当する境界部14の寸法E3(図2参照)は、図9に示す接合装置700において癒合促進デバイス100を打ち抜く部位の寸法E2よりも大きく構成している。また、境界部14の寸法E3は、後述する接合装置700の第1係合器具710と第2係合器具720が重なり合う部分の寸法E1と同程度の寸法で構成され、より好ましくは大腸の断面径と同程度(24~41mm)となるように構成できる。
また、第1領域10Aには接合装置700の接合部の形状に対応する目印部15を形成している。接合装置700は、後述するように癒合促進デバイス100の内方を略円状に打ち抜く。また、目印部15の寸法は、図9に示す接合装置700において癒合促進デバイス100を打ち抜く部位の寸法E2と同程度の寸法に構成している。
目印部15よりも径方向rの内方は、後述のように打ち抜かれ、径方向rの外方近傍はステープルによって接合される。目印部15を設けることによって癒合促進デバイス100が接合装置700によって打ち抜かれる範囲を事前に把握することができる。また、後述するように穴部20が接合装置700の被係合部711及び係合ピン721と特に摺動しない場合には目印部15によって癒合促進デバイス100と接合装置700との位置合わせを容易に行うことができる。
境界部14と目印部15は、使用者に各々の存在を認識させることができれば、具体的態様は特に限定されない。一例として、境界部14と目印部15の各々をインク、顔料、溝等の少なくともいずれか又はこれらの組み合わせによって構成することができる。また、境界部14と目印部15は近赤外線によって発光する蛍光色素や、造影性のある材料としてもよい。このように構成した癒合促進デバイス100は、図8に示す接合装置700の第1係合器具710と第2係合器具720の間で挟み込まれる。そして、第1係合器具710と第2係合器具720を接近させた状態で癒合促進デバイス100に近赤外線やX線等を照射することで癒合促進デバイス100が正常にセットできているか否かを確認できる。
本体部10の厚さ方向Zの寸法Tは0.05~0.3mm、より好ましくは0.1mm~0.2mmである。貫通孔11を構成する第1貫通孔12の大きさについて例示すれば、好ましくは0.1~3mm、より好ましくは0.6~1.5mmである。貫通孔11を構成する第1貫通孔12の寸法DとピッチPとの比は0.25以上20未満となるように構成できる。
貫通孔11を構成する第2貫通孔13の大きさについて例示すれば、0.2~6mm、より好ましくは1.5~4mmである。第2貫通孔13の寸法DとピッチPとの比は20以上40未満となるように構成できる。
本体部10は、生分解性の材料で構成することができる。本体部10の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。
具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。
すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
本体部10の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した生分解性樹脂からなる繊維を作製し、当該繊維を用いてメッシュ形状のシートを製造する方法が挙げられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)や、メルトブロー法等が挙げられる。
本体部10は、上記の方法のうち1種のみを選択して用いてもよいし、2種以上を選択し適宜組み合わせてもよい。なお、本体部10の製造方法のさらに別の例として、上述した生分解性樹脂からなる繊維を常法に従って紡糸し、得られた繊維をメッシュ状に編むことによって本発明に係る生分解性シートを製造してもよい。
本体部10は、本体部10を構成する生分解性樹脂等の構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部10は、この作用により、フィブリン等の生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部10の第1貫通孔12を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。したがって、接合対象となる生体器官同士の間に、癒合促進デバイス100の本体部10を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
<穴部>
穴部20は、本体部10の第1領域10Aの略中心(中央)位置に設けている。穴部20は、厚さ方向Zから平面視した際に略円状に形成し、貫通孔11を構成する第1貫通孔12及び第2貫通孔13よりも孔の寸法を大きく構成している。穴部20は、癒合促進デバイス100を生体内に留置する際に後述する接合装置700のステープルに用いられ、対向する第1係合器具710と第2係合器具720の少なくともいずれかを挿通可能に構成している。
穴部20は、接合装置700との位置合わせができるように後述する接合装置700の被係合部711及び係合ピン721の少なくともいずれかと摺動可能に構成している。
穴部20の形状は、上述した円状以外にも後述する接合装置700の第1係合器具710及び第2係合器具720の少なくともいずれかを挿通できれば、具体的な形状は円に限定されず、多角形等によって構成してもよい。
<処置方法>
次に癒合促進デバイス100を用いた処置方法を説明する。図4、図5は癒合促進デバイス100を用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。図6は大腸吻合術を説明するための模式的な断面斜視図である。
処置方法は、生体器官の接合対象となる一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部10を備える癒合促進デバイス100を配置すること(S11)を含む。処置方法は、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に癒合促進デバイス100の本体部10の少なくとも一部を配置した状態で一方の被接合部位と他方の被接合部位とを接合すること(S12)を含む。
処置方法により接合される生体器官及び生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。ただし、以下の説明では、大腸吻合術を例に挙げて説明する。
また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の接合装置については詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に癒合促進デバイスを配置する(以下、上記記載と言う)」とは、生体器官に癒合促進デバイスが直接的に又は間接的に接触した状態で配置されることを意味し得る。
また、上記記載は生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で癒合促進デバイスが配置されることを意味し得る。また、上記記載はその両方の状態で癒合促進デバイスが配置されること(例えば、一方の生体器官に癒合促進デバイスが接触し、他方の生体器官には癒合促進デバイスが接触していない状態で配置されること)を意味し得る。
また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、処置の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。
また、各処置方法において説明する手技手順は、処置の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる2つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A1と、切断した大腸の肛門側A2である。以下の説明では、切断した大腸の口側A1の口部周辺(一方の被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A2の腸壁の一部(他方の被接合部位)を接合する手順を説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁の間に癒合促進デバイス100を配置すること(S101)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S102)を含む。処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で癒合促進デバイス100の本体部10を挟み込むこと(S103)、及び大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に癒合促進デバイス100に本体部10を挟み込んだ状態で接合すること(S104)を含む。以下、詳述する。
図6に示すように、術者は、大腸の口側A1に、接合装置700の第1係合器具710を挿入する。術者は、大腸の肛門側A2に、接合装置700の第2係合器具720を配置する。
術者は、第2係合器具720を大腸の肛門側A2に配置するのに先立ち、大腸の肛門側A2に、接合装置700の第2係合器具720を挿入するための貫通孔A21を形成しておく。なお、貫通孔A21を形成するタイミングは、第2係合器具720を配置する前であれば、特に限定されない。
接合装置700としては、例えば、大腸吻合術に使用される公知の装置を用いることができる。接合装置700は、第1係合器具710と第2係合器具720の係合に伴い、第1係合器具710と第2係合器具720との間に配置された生体組織の切除とともに、切除した生体組織の周囲をステープルにより円周状に縫合する。
第1係合器具710は、例えば、筒状の被係合部711を備える器具であり、第2係合器具720は、例えば、第1係合器具710の被係合部711に挿入及び係合される係合ピン721を備える器具である。
次に、術者は、第1係合器具710の被係合部711を大腸の口側A1に挿入し、被係合部711を突出した状態で巾着縫合し、縫合部A11を形成する。縫合部A11の外表面は、縫合に伴い凸側に部分的に突出した形状となる。
次に、術者は、図6、図7に示すように、大腸の口側A1と大腸の肛門側A2との間に癒合促進デバイス100を配置する(S101)。術者は、癒合促進デバイス100を配置する際に第1係合器具710が備える被係合部711を本体部10に形成された穴部20に通す。
なお、術者は、第2係合器具720が備える係合ピン721を本体部10に形成された穴部20に通すことにより、大腸の肛門側A2に癒合促進デバイス100を配置してもよい。
次に、術者は、大腸の口側A1に対して本体部10を保持した状態を維持しつつ、図8に示すように、第1係合器具710と第2係合器具720を相対的に接近させて被係合部711と係合ピン721とを係合させる。これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁とが相対的に接近する(S102)。
次に、術者は、第1係合器具710と第2係合器具720との間で、大腸の口側A1の口部周辺、癒合促進デバイス100の本体部10、大腸の肛門側A2の腸壁に形成した貫通孔A21周辺を挟み込む(S103)。
術者は、接合装置700の操作により第1係合器具710と第2係合器具720との間に挟まれた大腸の口側A1の一部、本体部10の一部、及び大腸の肛門側A2の一部を切除し、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する(S104)。
次に、術者は、図9に示すように、接合装置700を、例えば、大腸の肛門側A2から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、接合装置700が接合した生体器官を打ち抜く部位の寸法E2より内方側に構成された第1領域10Aを接合装置700とともに生体外へ取り出すことができる。これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に本体部10を含む癒合促進デバイス100が留置される。
癒合促進デバイス100の本体部10が接合対象となる生体器官の間に挟み込まれて留置されることによって、貫通孔11を通じて接合対象となる生体器官の癒合を促進させることができる。
このような処置方法によれば、シート状の本体部10を一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全等のリスクを低減させることができる。
以上説明したように本実施形態に係る癒合促進デバイス100は、生体組織の癒合を促進するシート状の本体部10を有する。本体部10は第1領域10Aと第2領域10Bとを有する。第1領域10Aは接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に少なくとも一部を配置するように構成している。第2領域10Bは本体部10の第1領域10Aよりも外方に形成し、第1領域10Aよりも生体組織との癒合の進行が抑制されるように構成している。第1領域10Aは、一方の被接合部位と他方の被接合部位とを接合する接合装置700の接合部の寸法E2よりも大きな平面形状を有するように構成している。
このように構成することによって、癒合促進デバイス100を生体組織に配置した状態で第2領域10Bが生体器官からはみ出たとしても、第2領域10Bは癒合の進行が比較的抑制されるように構成している。そのため、癒合促進デバイス100の周辺組織との癒着を防止又は抑制することができる。
また、本体部10は複数の貫通孔11を有する生分解性材料から形成している。そのため、対象となる生体組織の癒合が完了した後に生体に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
また、第2領域10Bは、貫通孔11を構成し第2領域10Bに位置する第2貫通孔13と第1領域10Aに位置する第1貫通孔12について第1領域10Aよりも複数の貫通孔11の空孔率が大きくなるように構成している。これによって、第2領域10Bを第1領域10Aに比べて周辺組織との癒合の進行を遅らせ、癒合促進デバイス100を生体器官に配置した際に生体器官からはみ出た第2領域10Bが周辺組織と癒着することを防止又は抑制できる。
また、第2領域10Bは第1領域10Aよりも生体組織に対する癒合を抑制する抑制成分を多く含むように構成している。これにより、第2領域10Bを第1領域10Aに比べて癒合の進行を遅らせて癒合促進デバイス100を生体器官に配置した際に生体器官からはみ出た第2領域10Bが周辺組織と癒着することを防止又は抑制できる。
また、第1領域10Aには、貫通孔11よりも大きな穴部20を中央に設けるように構成している。そのため、癒合促進デバイス100を生体器官に配置する際に穴部20によって癒合の進行が抑制された第2領域10Bを生体器官から意図通りはみ出させて周辺組織との癒着を防止又は抑制できる。
また、第1領域10Aには、接合装置700の接合部の形状に対応する目印部15を設けるように構成している。そのため、目印部15によって癒合促進デバイス100と接合装置700との位置合わせを適切に行ない、癒合の進行が抑制された第2領域10Bを生体器官から意図通りはみ出させて周辺組織との癒着を防止又は抑制できる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲に応じて種々の変更が可能である。図10、図11は図1の変形例に係る癒合促進デバイス100aを示す概略斜視図、平面図である。図12、図13は図1の変形例に係る癒合促進デバイス100bを示す概略斜視図、平面図である。
上記では第1貫通孔12と第2貫通孔13を含む貫通孔11が厚さ方向Zから平面視した際に略円形である実施形態について説明したが、これに限定されない。上記以外にも第1貫通孔12aと第2貫通孔13aとを含む貫通孔11aは厚さ方向Zから平面視した際に図10、図11に示すように矩形、又はその他の多角形で構成してもよい。図10、図11において第1貫通孔12a及び第2貫通孔13aは、径方向rにおいて放射状に並べて配置している。
また、図10、図11のように貫通孔を矩形、又はその他の多角形で構成した場合、貫通孔の配置は放射状に限定されない。上記以外にも図12、図13に示すように厚さ方向Zから平面視した際に第1貫通孔12b及び第2貫通孔13bを含む貫通孔11bを格子状に配置してもよい。また、格子状に配置する貫通孔の形状は図1等に示す真円、その他の円形状であってもよい。
また、上記では本体部10が複数の貫通孔11を有する生分解性シートから形成されると説明した。しかしこれに限定されず、生体組織の癒合を促進できれば本体部は生分解性の材料から構成していなくてもよいし、本体部に複数の貫通孔が設けられていなくてもよい。
100、100a、100b 癒合促進デバイス、
10 本体部、
10A 第1領域、
10B 第2領域、
11、11a、11b 貫通孔、
12、12a、12b 第1貫通孔、
13、13a、13b 第2貫通孔、
14 境界部、
15 目印部、
16 表面、
20 穴部、
700 接合装置、
710 第1係合器具、
720 第2係合器具、
E2 寸法(接合装置の接合部の寸法)、
r 径方向(放射方向)、
Z 厚さ方向、
θ 周方向(角度方向)。

Claims (6)

  1. 生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を有し、
    前記本体部は、接合対象となる生体器官の一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に少なくとも一部が配置される第1領域と、
    前記本体部の前記第1領域よりも外方側に形成され、前記第1領域よりも生体組織との癒合の進行が抑制された第2領域と、を有し、
    前記本体部は、前記一方の被接合部位と前記他方の被接合部位との間に挟み込まれた状態で、第1係合器具および前記第1係合器具と係合可能な第2係合器具を有し、前記第1係合器具と前記第2係合器具の係合に伴い、前記第1係合器具と前記第2係合器具との間に配置された生体組織をステープルにより縫合することが可能な接合装置によって前記一方の被接合部位および前記他方の被接合部位と接合され、
    前記第1領域の外周縁に相当する境界部の寸法は、前記接合装置の前記第1係合器具と前記第2係合器具が重なり合う部分の寸法と同程度に構成され、
    前記本体部は、前記第1領域と前記第2領域に貫通孔を設けている癒合促進デバイス。
  2. 前記貫通孔は、前記第1領域に設けられる第1貫通孔と、前記第2領域に設けられ前記第1貫通孔よりも穴を大きく形成した第2貫通孔と、を備える請求項1に記載の癒合促進デバイス。
  3. 前記第1貫通孔のピッチに対する寸法の比率は、0.25以上20未満であり、
    前記第2貫通孔のピッチに対する寸法の比率は、20以上40未満である請求項2に記載の癒合促進デバイス。
  4. 前記第2領域は、前記第1領域よりも生体組織に対する癒合を抑制する抑制成分を多く含む請求項1~3のいずれか1項に記載の癒合促進デバイス。
  5. 前記第1領域には、中央に設けられ複数の前記貫通孔よりも大きな穴部を備える請求項2又は3に記載の癒合促進デバイス。
  6. 前記第1領域には、前記接合部の形状に対応する目印部が形成されている請求項1~5のいずれか1項に記載の癒合促進デバイス。
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