JP2023048249A - 放電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御部に異常が発生した場合でも、放電処理を実行可能な放電装置を提供することができる。【解決手段】平滑コンデンサに蓄えられた電荷の放電を行う放電回路と、前記放電回路に対して前記放電の指示を行う制御部と、前記制御部が前記放電の指示を行うことができない場合には、前記放電回路に対して前記放電の指示を行うインターフェース回路と、を備える放電装置である。【選択図】図1
Description
本発明は、放電装置に関する。
車両に搭載されているインバータのスイッチング動作に伴う電圧リプルを除去するために、インバータに対して平滑コンデンサが並列接続されている(例えば、特許文献1参照)。
車両のシステムが必要と判断した場合に、放電装置による平滑コンデンサの放電(以下、「放電処理」という。)が行われる。具体的には、放電装置は、放電回路及び制御部を有している。放電回路は、平滑コンデンサに蓄えられた電荷の放電を行う。制御部は、放電回路に対して放電指示を行うことで、放電回路に対して放電処理を実行させる。
しかしながら、制御部に異常が発生した場合には、制御部は、放電回路に対して放電指示を行うことができない場合が起こり得る。その結果、放電処理の必要がある場合であっても、制御部に異常が発生してしまうと、放電処理が実行されない場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、制御部に異常が発生した場合でも、放電処理を実行可能な放電装置を提供することである。
(1)本発明の一態様は、平滑コンデンサに蓄えられた電荷の放電を行う放電回路と、前記放電回路に対して前記放電の指示を行う制御部と、前記制御部が前記放電の指示を行うことができない場合には、前記放電回路に対して前記放電の指示を行うインターフェース回路と、を備える放電装置である。
(2)上記(1)の放電装置であって、前記制御部は、正常に動作している場合には、特定の信号を前記インターフェース回路に出力し、前記放電の指示を行うことができない異常が発生した場合には、前記特定の信号の出力が停止され、前記インターフェース回路は、前記特定の信号が消失した場合には、前記放電回路に対して前記放電の指示を行ってもよい。
(3)上記(1)又は上記(2)の放電装置であって、前記放電回路は、平滑コンデンサに蓄えられた電荷の放電を行うための放電スイッチを備え、前記放電スイッチがオフ状態からオン状態に制御された場合には前記放電が実行され、前記インターフェース回路は、前記制御部が前記放電の指示を行うことができない場合には、前記平滑コンデンサの電荷により前記放電スイッチをオン状態に制御してもよい。
(4)上記(3)の放電装置であって、前記制御部の起動が完了した後に前記放電スイッチがオン状態になるように前記放電スイッチがオン状態になるタイミングを遅らせる遅延回路が備えてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、制御部に異常が発生した場合でも、放電処理を実行可能な放電装置を提供することができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
以下に説明する「接続」とは、電気的な接続である。電気的な接続とは、電気信号が直接的又は間接的に伝達可能に接続されていることである。電気的な接続は、ケーブル、抵抗、コンデンサ、ダイオード、スイッチなどの部品を介した接続であってもよい。
図1は、本実施形態に係る放電装置を備える車両システム100の概略構成の一例を示す図である。車両システム100は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載されている。この車両は、例えば、モータを走行動力源とする電動車両である。
図1に示すように、車両システム100は、バッテリ110、第1のコンタクタ120、第2のコンタクタ130、モータ140、電力変換装置150、平滑コンデンサ160、及び放電装置170を備える。
バッテリ110は、車両システム100に搭載されており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池である。例えば、バッテリ110の電力は、モータ140の駆動電力や車両システム100に搭載されている機器などの動作電力として利用される。バッテリ110は、全固体電池であってもよい。バッテリ110は、直列接続された複数の電池セルを備えてもよい。
第1のコンタクタ120は、一対の接点を備えた通電開閉器である。第1のコンタクタ120は、第1の接点がバッテリ110のプラス端子に接続されており、第2の接点が電力変換装置150に接続されている。第1のコンタクタ120は、車両に搭載されている不図示のバッテリECUからの制御に応じて閉状態又は開状態に制御される。第1のコンタクタ120が閉状態に制御されると、バッテリ110のプラス端子と電力変換装置150の第1入力端とが電気的に接続される。第2のコンタクタ130が開状態に制御されると、バッテリ110のプラス端子と電力変換装置150の第1入力端との電気的な接続が解除される。
第2のコンタクタ130は、一対の接点を備えた通電開閉器である。第2のコンタクタ130は、第1の接点がバッテリ110のマイナス端子に接続されており、第2の接点が電力変換装置150の第2入力端に接続されている。第2のコンタクタ130は、上記バッテリECUからの制御に応じて閉状態又は開状態に制御される。第2のコンタクタ130が閉状態に制御されると、バッテリ110のマイナス端子と電力変換装置150の第2入力端とが電気的に接続される。第2のコンタクタ130が開状態に制御されると、バッテリ110のマイナス端子と電力変換装置150の第2入力端との電気的な接続が解除される。
モータ140は、電力変換装置150からの電力によって駆動される電動モータである。例えば、モータ140は、車両システム100が搭載された車両の走行用モータである。例えば、モータ140は、三相(U、V、W)のブラシレスモータである。なお、モータ140は、モータジェネレータであってもよい。モータ140は、車両のエンジンにより駆動される発電機として用いられるとともに、当該エンジンを始動するための電動機としても用いられてもよい。例えば、モータ140は、主として電動機として動作し、車両の車輪を駆動する。ただし、これに限定されず、モータ140は、車両に搭載されている電動データであれば、特定に限定されない。
電力変換装置150は、バッテリ110からの直流電力を所定の交流電力に変換してモータ140に供給する。電力変換装置150は、モータ140の回生運転の場合には、モータ140から供給される回生電力を交流から直流に変換し、バッテリ110に供給してもよい。電力変換装置150は、インバータを備えており、更にDCDCコンバータを備えてもよい。
例えば、電力変換装置150は、バッテリ110から出力される出力電圧VBATを昇圧し、その昇圧した電圧を交流に変換してもよい。そして、電力変換装置150は、変換した交流の電圧をモータ140に出力することでモータ140を駆動する。なお、電力変換装置150は、モータ140からの回生電圧を所定の降圧比で降圧してバッテリ110に出力する機能を有してもよい。
平滑コンデンサ160は、電力変換装置150に対して並列に接続されている。例えば、平滑コンデンサ160は、スイッチング動作に伴う電圧リプルなどを除去するためにインバータに並列接続されている。平滑コンデンサ160は、一端がバッテリ110のプラス端子と電力変換装置150との間に接続され、他端がバッテリ110のマイナス端子と電力変換装置150との間に接続される。なお、平滑コンデンサ160は、電力変換装置150に対して並列に接続されていれば、その接続位置には特に限定されない。
放電装置170は、平滑コンデンサ160の電荷を放電させる装置である。例えば、放電装置170は、放電回路210、制御部220、及びインターフェース回路230を備える。図2は、本実施形態に係る放電装置170の回路構成の一例である。
放電回路210は、平滑コンデンサ160に蓄えられた電荷の放電を行う。例えば、放電回路210は、図2に示すように、放電抵抗310、放電スイッチ320、開閉スイッチ330、及び遅延回路340を備える。
放電抵抗310は、一端が開閉スイッチ330を介して平滑コンデンサ160の一端に接続され、他端が放電スイッチ320を介してグランド(GND)に接続される。放電抵抗310は、1つの抵抗器であってもよいし、複数の抵抗器であってもよい。
放電スイッチ320は、平滑コンデンサ160に蓄えられた電荷を放電するためのスイッチである。本実施形態では、放電スイッチ320は、放電抵抗310とグランドとの間に接続されている。放電スイッチ320がオフ状態からオン状態に制御された場合には、開閉スイッチ330がオン状態であることを条件として、平滑コンデンサ160の放電が実行される。放電スイッチ320は、トランジスタなどの電気的なスイッチ(無接点リレーを含む)であってもよいし、有接点リレーなどの機械スイッチであってもよい。なお、
図2では、放電スイッチ320は、トランジスタである場合を例として説明している。
図2では、放電スイッチ320は、トランジスタである場合を例として説明している。
開閉スイッチ330は、一端が平滑コンデンサ160の一端に接続され、他端が放電抵抗310の一端に接続されている。開閉スイッチがオン状態になると、平滑コンデンサ160の一端と放電抵抗310の一端とが電気的に接続され、平滑コンデンサ160の放電が可能となる。開閉スイッチがオフ状態になると、平滑コンデンサ160の一端と放電抵抗310の一端とが電気的な接続が遮断され、平滑コンデンサ160の放電が行われない。この開閉スイッチ330は、トランジスタなどの電気的なスイッチ(無接点リレーを含む)であってもよいし、有接点リレーなどの機械スイッチであってもよい。図2では、開閉スイッチがMOSFETであり、開閉スイッチ330は、ソースが平滑コンデンサ160の一端に接続され、ドレインが放電抵抗310の一端に接続される。また、開閉スイッチ330のゲートは、平滑コンデンサ160の一端に対して、遅延回路340を介して接続されている。
遅延回路340は、制御部220の起動が完了した後に放電スイッチ320がオン状態になるように放電スイッチ320がオン状態になるタイミングを遅らせる。遅延回路340は、放電装置170の起動が開始した際に、開閉スイッチ330がオン状態になることを遅らせることで放電スイッチ320がオン状態になるタイミングを遅らせる。例えば、遅延回路340は、抵抗器とコンデンサCとの並列回路であって、開閉スイッチ330のゲートとソースとの間に接続される。
制御部220は、放電回路210に対して平滑コンデンサ160の放電(放電処理)の指示を行う。一例として、制御部220は、2つの出力端子P1、出力端子P2を備える。制御部220は、放電回路210に対して放電処理の指示を行う場合には、放電処理の指示を示す放電信号を出力端子P1から出力する。放電信号は、例えば、ハイレベルの電圧信号である。また、制御部220は、正常に動作している場合には、出力端子P2から特定の信号(以下、「特定信号」という。)を出力する。すなわち、特定信号は、制御部220が正常に動作している場合には出力端子P2から出力され、制御部220に異常が生じた場合には出力端子P2からの出力が停止される。このように、特定信号は、制御部220に異常が生じた場合には消失することになる。なお、制御部220に異常が生じた場合とは、放電処理の指示を行うことができない、すなわち放電信号を正常に出力することができない異常であって、制御部220が故障した場合や制御部220に対する十分な電源供給が行われなくなった場合などである。例えば、特定信号は、制御部220が正常である旨を示す信号であって、一例としてパルス信号である。
制御部220は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサを有する。また、制御部220は、プロセッサの他に不揮発性又は揮発性の半導体メモリ(例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory))を備えてもよい。例えば、制御部220は、MCUなどのマイクロコントローラであってもよい。
インターフェース回路230は、制御部220が放電処理の指示を行うことができない場合には、放電回路210に対して放電処理の指示を行う。例えば、インターフェース回路230は、制御部220の出力端子P1及び出力端子P2のそれぞれに接続されている。インターフェース回路230は、出力端子P1から放電信号が入力された場合には、その放電信号又はその放電信号から生成される信号を放電スイッチ320に入力することで、放電スイッチ320をオン状態に制御する。
インターフェース回路230は、出力端子P2から特定信号が入力されている場合には、放電信号が出力端子P1から出力されていない限り、放電スイッチ320をオフ状態に維持する。インターフェース回路230は、特定信号が消失した場合には、放電回路210に対して放電の指示を行う。すなわち、インターフェース回路230は、特定信号が消失した場合には、放電スイッチ320をオン状態に制御する。この際、インターフェース回路230は、平滑コンデンサ160の電荷により放電スイッチ320をオン状態に制御してもよい。
以下に、本実施形態のインターフェース回路230の概略構成の一例について説明する。インターフェース回路230は、第1ドライバ回路410、第2ドライバ回路420、調整用スイッチ430、ダイオードD1,D2を備える。
第1ドライバ回路410は、出力端子P1に接続されており、出力端子P1から入力されると、ダイオードD1を介して放電スイッチ320のベースに出力する。例えば、第1ドライバ回路410は、1つ以上のトランジスタや抵抗器などによって構成されている。
第2ドライバ回路420は、出力端子P2に接続されており、出力端子P1から入力される。第2ドライバ回路420は、調整用スイッチ430に接続されており、出力端子P1からの特定信号に応じて調整用スイッチ430をオン状態又はオフ状態に制御する。図2に示す例では、第2ドライバ回路420は、特定信号が出力端子P2から入力されると、調整用スイッチ430をオン状態に制御し、特定信号が出力端子P2から入力されていない場合(特定信号が消失した場合)には、調整用スイッチ430をオフ状態に制御する。
ダイオードD1は、アノードが第1ドライバ回路410の出力に接続され、カソードが放電スイッチ320のベースに接続される。
ダイオードD2は、アノードが放電抵抗310の一端に接続され、カソードが放電スイッチ320のベースに接続される。ダイオードD2のカソードは、ダイオードD1のカソードに接続される。
調整用スイッチ430は、ダイオードD2のアノードとグランドとの間に接続されているスイッチである。調整用スイッチ430は、トランジスタなどの電気的なスイッチ(無接点リレーを含む)であってもよいし、有接点リレーなどの機械スイッチであってもよい。図2に示す例では、調整用スイッチ430は、トランジスタである。調整用スイッチ430は、コレクタがダイオードD2のアノードに接続され、エミッタがグランドに接続され、ベースが第2ドライバ回路420の出力に接続される。
以下に、本実施形態に係る放電装置170の動作の一例について説明する。まず、制御部220が正常に動作している場合での放電装置170の動作について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、制御部220が正常に動作している場合での放電装置170の動作のタイミングチャートである。図4は、制御部220が正常に動作している場合でのインターフェース回路230の動作を説明する図である。図3の初期状態として、開閉スイッチ330がオン状態であり、放電信号はまだ出力されていない。なお、VBEはベースとエミッタとの間の電圧を示す。また、遅延回路用のコンデンサCの電圧は、開閉スイッチ330のゲート電圧を示す。
図3に示すように、制御部220が正常に動作しているため、出力端子P2から特定信号が出力されている。この場合には、第2ドライバ回路420は、特定信号に応じて調整用スイッチ430をオン状態に制御する。図3に示す例では、特定信号は、パルス信号である。したがって、第2ドライバ回路420は、調整用スイッチ430のベースに対して特定信号と同一の周波数のパルス信号を出力することで、調整用スイッチ430をオン状態に維持している。調整用スイッチ430がオン状態である場合には、ダイオードD2のアノードがグランドと略同一の電位となる。そのため、放電信号が出力されていない場合には、放電スイッチ320のベースの電位がLレベルに制御されるため、放電スイッチ320は、オフ状態である。
時刻t1においてコンタクタ(第1のコンタクタ120及び第2のコンタクタ130)がオン状態からオフ状態に制御された後、時刻t2において、出力端子P1から放電信号が出力されたとする。第1ドライバ回路410は、出力端子P1から放電信号が出力されると、その放電信号又はその放電信号に応じた信号を放電スイッチ320のベースに出力する。これにより、時刻t3において、放電スイッチ320がオフ状態からオン状態になり、平滑コンデンサ160の電荷の放電が開始される。なお、この平滑コンデンサ160の電荷の放電にともなって、遅延回路340内のコンデンサCの電荷も放電される。ここで、図3に示すように、放電信号が出力されている期間であっても、制御部220が正常に動作している場合には特定信号は出力されている。すなわち、調整用スイッチ430はオン状態のままである。ただし、調整用スイッチ430と放電スイッチ320のベースとの間には、ダイオードD2が設けられ、そのダイオードD2のカソードに第1ドライバ回路410からの信号が入力される。そのため、第1ドライバ回路410は、調整用スイッチ430がオン状態であっても、放電信号に応じて放電スイッチ320をオン状態に制御することができる。
次に、制御部220に異常が発生した場合での放電装置170の動作について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、制御部220に異常が発生した場合での放電装置170の動作のタイミングチャートである。図6は、制御部220に異常が発生した場合でのインターフェース回路230の動作を説明する図である。なお、初期状態として、図3と同様に、開閉スイッチ330がオン状態であり、放電信号は出力されていない。
時刻t11においてコンタクタ(第1のコンタクタ120及び第2のコンタクタ130)がオン状態からオフ状態に制御された後、時刻t12において、制御部220の動作が停止してしまうなどの異常が発生したとする。この場合には、時刻t12において、出力端子P2からの特定信号の出力が停止される。第2ドライバ回路420は、特定信号が消失した場合には、調整用スイッチ430をオン状態からオフ状態に制御する。図5に示す例では、特定信号が消失すると、調整用スイッチ430をオン状態に維持するためのパルス信号が第2ドライバ回路420から出力されなくなる。その結果、調整用スイッチ430のVBEが徐々に低下して、時刻t13において調整用スイッチ430がオフ状態となる。
時刻t13において調整用スイッチ430がオフ状態になると、平滑コンデンサ160の電荷が開閉スイッチ330、ダイオードD2を通り、放電スイッチ320のベースに流れる経路が形成される。これにより、平滑コンデンサ160の電荷が放電スイッチ320のベースに流れ、放電スイッチ320がオン状態になる。換言すると、インターフェース回路230は、特定信号が消失した場合には、平滑コンデンサ160の電荷を用いて放電スイッチ320をオン状態に制御する。時刻t13において放電スイッチ320がオン状態に制御されると、平滑コンデンサ160の電荷の放電が開始される。このように、本実施形態の放電装置170は、制御部220に異常が発生した場合でも、放電処理を実行することができる。
次に、放電装置170への電源投入時の動作について、図7を用いて説明する。
図7は、放電装置170への電源投入時の動作タイミングチャートである。なお、初期状態として、コンタクタ(第1のコンタクタ120及び第2のコンタクタ130)及び開閉スイッチ330がともにオフ状態である。なお、説明の便宜上、図7に示す例では、制御部220には異常が発生していない。
時刻t21においてコンタクタ(第1のコンタクタ120及び第2のコンタクタ130)がオフ状態からオン状態に制御されると、放電装置170に対して電源が投入される。コンタクタがオン状態になると、バッテリ110のプラス端子が平滑コンデンサ160及び開閉スイッチ330に接続される。したがって、バッテリ110から平滑コンデンサ160への充電が開始される。ここで、コンタクタがオン状態に制御された場合において、遅延回路340は、ゲート電圧の急な立ち上りを抑制する。すなわち、遅延回路340は、コンタクタがオン状態に制御された場合に、すぐに開閉スイッチ330がオン状態にならないように、ゲート電圧(コンデンサCの電圧)の立ち上りをゆるやかにして開閉スイッチ330がオン状態になるタイミングを遅らせる。図7に示す例では、開閉スイッチ330は、ゲート電圧が閾値Vthを超えた場合である時刻t23において、オン状態に移行する。
時刻t21から一定時間が経過した時刻t22において、制御部220が動作を開始する。制御部220が動作を開始すると、出力端子P2から第2ドライバ回路420に特定信号が出力される。第2ドライバ回路420は、特定信号に応じて調整用スイッチ430をオン状態に制御する。これにより、放電スイッチ320のベース電圧がLowレベルに維持される。
時刻t22から一定時間が経過した時刻t23において、開閉スイッチ330のゲート電圧が閾値Vthを超える。このため、時刻t23において、開閉スイッチ330がオフ状態からオン状態に移行する。ここで、開閉スイッチ330がオフ状態からオン状態に移行しても、調整用スイッチ430が既にオン状態に維持されているため、放電スイッチのベース電圧VBEは、Lowレベル(略0Vを含む)のままであり、放電スイッチ320は、オン状態には移行せずに、オフ状態のままである。これにより、放電装置170への電源投入時において、放電スイッチ320がオン状態となり、放電処理が誤って実行されてしまうことを抑制することができる。
すなわち、遅延回路340が設けられていないと、放電装置170への電源が投入されてからすぐに開閉スイッチ330がオン状態に移行してしまい、制御部220が起動する前に開閉スイッチ330がオン状態に移行してしまうことが起こり得る。制御部220が起動していない場合には特定信号が出力端子P2から出力されないため、調整用スイッチ430はオフ状態である。そのため、制御部220が起動する前に開閉スイッチ330がオン状態に移行してしまうと、バッテリ110や平滑コンデンサ160から放電スイッチ320のベースに電流が流れてしまい、放電スイッチ320がオン状態になってしまう。その結果、意図しない放電処理が実行されてしまう。
本実施形態では、放電装置170は、放電装置170への電源投入時における放電処理の誤作動を抑制するための遅延回路340を備える。遅延回路340は、一例として、放電装置170への電源投入から開閉スイッチ330がオン状態になるまでに遅延時間を設けて、放電装置170への電源投入によって制御部220が起動した後に、開閉スイッチ330がオン状態になるようにする。換言すれば、遅延回路340は、放電装置170への電源投入が行われた場合において、調整用スイッチ430がオン状態に移行した後に、開閉スイッチ330がオン状態になるように開閉スイッチ330のオン状態のタイミングを制御する。このような構成により、放電装置170は、無駄な放電を抑制することができる。
上述したように、本実施形態の放電装置170は、制御部220が放電回路210に対して放電信号による放電の指示を行うことができない場合には、インターフェース回路230から放電回路210に対して放電の指示を行う。
このような構成により、制御部220に異常が発生した場合でも、放電処理を実行可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
上記実施形態において、特定信号の出力の停止は、制御部220の判断によって行われてもよいし、制御部220の判断によらず行われてもよい。例えば、何らかの異常により制御部220に対する電源供給が停止された場合や制御部220に異常が発生して制御部220が動作しなくなった場合には、制御部220の判断によらず、特定信号の出力は、停止される。すなわち、本実施形態の特定信号の出力の停止は、制御部220が特定信号を出力することができなったことによって特定信号の出力が停止されることを含む。ただし、これに限定されず、制御部220は、放電信号を出力する機能のみが何らかの異常により動作しない場合には、特定信号の出力を意図的に停止させることで放電回路210に対して放電処理の指示を行ってもよい。すなわち、本実施形態の特定信号の出力の停止は、制御部220の判断によって特定信号の出力を停止させた場合も含むでもよい。
図8は、本実施形態の放電装置170の変形例である。図8に示す放電装置170では、制御部220は、平滑コンデンサ160の電圧を検出する構成を備える。制御部220は、放電信号を出力端子P1から出力したのにも関わらず、平滑コンデンサ160の電圧が低下しない場合には、出力端子P2からの特定信号の出力を停止させてもよい。例えば、制御部220は、放電信号を出力端子P1から出力してから所定の時間が経過するまでに平滑コンデンサ160の電圧が予め設定した設定電圧を下回らない場合には、放電信号が出力されていない可能性があるとして、出力端子P2からの特定信号の出力を停止させてもよい。
上記実施形態において、放電処理を実行させる場合とは、例えば、電力変換装置150などのPCU(Power Control Unit)が停止した場合、イグニッションスイッチがオフされた場合、車両の衝突によって電力変換装置150や制御部220などが故障した場合などが挙げられる。ただし、本実施形態では、放電処理を実行させるタイミングには、特に限定されない。
上記実施形態において、制御部220に異常が発生したか否かを判定する判定機能を制御部220が備えてもよいし、制御部220とは別の装置(判定装置)が備えてもよい。例えば、制御部220は、制御部220(自装置)に異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定した場合には、特定信号の出力を停止してもよい。また、例えば、制御部220とは異なる装置である判定装置は、制御部220と通信することで制御部220に異常が発生したか否かを判定し、制御部220に異常が発生したと判定した場合には、特定信号の出力を停止させてもよい。特定信号は、必ずしも制御部220から出力されている必要はなく、例えば、判定装置から出力されてもよい。
インターフェース回路230は、上記判定機能を備えてもよい。この場合には、インターフェース回路230は、特定信号が消失したか否かで制御部220の異常の有無を判定してもよい。インターフェース回路230は、特定信号が消失した場合には、制御部220に異常が発生したと判定して、調整用スイッチ430をオフ状態にすることで放電スイッチ320をオン状態に制御してもよい。
明細書に記載の「…部」の用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで具現されてもよい。
100…車両システム、110…バッテリ、160…平滑コンデンサ、170…放電装置、220…制御部、230…インターフェース回路、320…放電スイッチ、330…開閉スイッチ、340…遅延回路
Claims (4)
- 平滑コンデンサに蓄えられた電荷の放電を行う放電回路と、
前記放電回路に対して前記放電の指示を行う制御部と、
前記制御部が前記放電の指示を行うことができない場合には、前記放電回路に対して前記放電の指示を行うインターフェース回路と、
を備える放電装置。 - 前記制御部は、正常に動作している場合には、特定の信号を前記インターフェース回路に出力し、前記放電の指示を行うことができない異常が発生した場合には、前記特定の信号の出力が停止され、
前記インターフェース回路は、前記特定の信号が消失した場合には、前記放電回路に対して前記放電の指示を行う、
請求項1に記載の放電装置。 - 前記放電回路は、平滑コンデンサに蓄えられた電荷の放電を行うための放電スイッチを備え、
前記放電スイッチがオフ状態からオン状態に制御された場合には前記放電が実行され、
前記インターフェース回路は、前記制御部が前記放電の指示を行うことができない場合には、前記平滑コンデンサの電荷により前記放電スイッチをオン状態に制御する、
請求項1又は2に記載の放電装置。 - 前記制御部の起動が完了した後に前記放電スイッチがオン状態になるように前記放電スイッチがオン状態になるタイミングを遅らせる遅延回路が備える、
請求項3に記載の放電装置。
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JP2021157433A Pending JP2023048249A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 放電装置 |
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2021
- 2021-09-28 JP JP2021157433A patent/JP2023048249A/ja active Pending
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