JP2023047940A - インプリント装置、インプリント方法、及び物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、インプリント方法、及び物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023047940000001
【課題】インプリント処理におけるパターン欠陥等を抑制可能なインプリント装置を提供する。
【解決手段】パターン部を有する型を用いて、インプリント材が塗布された基板上の複数のインプリント領域に順次インプリント処理を行うインプリント装置であって、インプリント材に光を照射して硬化させる照射部と、型と基板の間の空間に所定の気体を供給するための気体供給部と、所定のインプリント領域のインプリント材とパターン部とを接触させて照射部から光を照射する際に、所定のインプリント領域の周辺にインプリント材を硬化させたい周辺領域が存在する場合には、周辺領域の位置に応じて気体供給部からの気体の供給を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、インプリント装置、インプリント方法、及び物品の製造方法に関する。
基板の上に配置されたインプリント材に型(モールド)を接触させた状態でインプリント材を硬化させることによって基板上にパターンを形成するインプリント技術が注目されている。
半導体デバイスの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィ技術に加えて、基板上のインプリント材をモールド(型)で成形(成型)して硬化させ、基板上にパターンを形成する微細加工技術が注目されている。かかる技術はインプリント技術と呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細のパターンを形成することができる。
インプリント技術の一つとして、例えば、光硬化法がある。光硬化法を採用したインプリント装置は、基板上に塗布された光硬化性のインプリント材にモールドを接触させ(押印)、光を照射してインプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材からモールドを引き離す(離型)ことで、基板上にパターンを形成する。これら一連の処理はインプリント処理とも呼ばれる。
さらに、スループット向上を目的として予め基板全面にインプリント材を塗布しておく技術がある。この場合、これからパターンを形成する未処理インプリント領域に対し光を照射してしまうとモールド接触前にインプリント材が硬化してしまう可能性がある。従って、モールドを破損したり、当該インプリント領域に対し正しくパターンを形成することができないことがある。特許文献1では、光源からの光が照射される照射領域を高い精度で規定するために有利な技術が記載されている。
特開2018-41774号公報
また、予め基板全面にインプリント材を塗布しておく場合、インプリント処理を実施する予定のない非インプリント領域のインプリント材を硬化させずにしておくと未硬化のインプリント材がインプリント処理済のパターンに侵入してしまうことがある。これにより、パターン欠陥を発生させる場合がある。
本発明はこのような事情に鑑み、インプリント処理におけるパターン欠陥等を抑制可能なインプリント装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント装置は、パターン部を有する型を用いて、インプリント材が塗布された基板上の複数のインプリント領域に順次インプリント処理を行うインプリント装置であって、インプリント材に光を照射して硬化させる照射部と、型と基板の間の空間に所定の気体を供給するための気体供給部と、所定のインプリント領域のインプリント材とパターン部とを接触させて照射部から光を照射する際に、所定のインプリント領域の周辺にインプリント材を硬化させたい周辺領域が存在する場合には、周辺領域の位置に応じて気体供給部からの気体の供給を制御する制御部と、を有することことを特徴とする。
本発明によれば、インプリント処理におけるパターン欠陥等を抑制可能なインプリント装置を提供することができる。
実施例1のインプリント装置を示す概略図である。 実施例1の基板を例示した図である。 非インプリント領域のインプリント材を例示した図である。 実施例1のインプリント装置による気体供給と硬化方法を示した図である。 実施例1のインプリント装置による気体供給と硬化処理を示すフローチャートである。 実施例2のインプリント装置による非インプリント領域への光照射を示した図である。 実施例3のインプリント装置による非インプリント領域への光照射を示した図である。 物品の製造方法を説明するための概略図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例や図を用いて説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。また、以下では、基板2上のインプリント材7に対して照射光21を照射する光照射部20の光軸と平行な方向をZ軸とし、Z軸に垂直な平面内において互いに直交する方向をX軸およびY軸とする。
<実施例1>
図1は、実施例1のインプリント装置1の概略構成を示す図である。図1(A)はインプリント装置1をY方向から見た図であり、図1(A)はモールド4の周辺を-Z方向から+Z方向に見た図である。
インプリント装置1は、半導体デバイスなどのデバイスの製造に使用される。インプリント装置1は、モールド4のパターンを被処理の基板2上のインプリント材7にインプリント処理によって転写することで、基板2上にインプリント材7のパターンを形成する装置である。なお、ここでは光硬化法を採用したインプリント装置とする。インプリント処理(インプリント工程)とは、インプリント材7にモールド4のパターン部5を接触させ(接触工程)、接触後にインプリント材7を硬化させる(硬化工程)。そして、硬化させた後、インプリント材7からモールド4を引き離す(離型工程)一連の工程を意味する。このインプリント処理は、基板2上におけるパターンを形成するインプリント領域毎に行う。
基板2は、例えば、単結晶シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板であり、この被処理面には、モールド4に形成されたパターン部5によりパターン成形されるインプリント材7が塗布される。また基板2は、ガリ砒素ウエハ、複合接着ウエハ、石英を材料に含むガラスウエハ、液晶パネル基板、レクチルなど各種基板でもよい。また、外形形状も円形だけでなく方形などでもよく、その場合、後述する基板チャック200の外形も基板2の外形に合わせた形状にすればよい。
モールド(型)4は、矩形の外周形状を有し、基板2に対向する面(パターン面)に3次元状に形成されたパターン(回路パターンなどの基板2に転写すべき凹凸パターン)を備えたパターン部(メサ部)5を有する。モールド4は、光を透過させることが可能な材料、例えば、石英で構成される。また、モールド4は、露光光源(不図示)より照射される照射光が照射される面に、平面形状が円形で、かつ、ある程度の深さのキャビティを有していてもよい。
インプリント材7は、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が150nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。インプリント材7の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。インプリント材7の塗布量(供給量)は、具体的には、0.1~10pL/滴の範囲で調整可能であり、通常、約1pL/滴で使用する場合がありうる。なお、インプリント材7の全塗布量は、パターン部5の密度、及び所望の残膜厚により決定される。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。また光硬化性組成物(光硬化性樹脂)を使用する際には、光硬化法を用いて硬化させ、加熱により硬化する組成物である熱硬化性組成物(熱硬化性樹脂)を使用する場合は熱硬化法を用いて硬化させる。
実施例1のインプリント装置1は、光照射部20と、モールド保持部6と、基板ステージ3と、気体供給部10と、気体供給制御部11と、制御部30と、を備える。
光照射部20は、インプリント処理の際に、インプリント材7、71に対して、例えば、紫外線等の照射光21を照射する。光照射部20は、不図示であるが露光光源と、この露光光源から照射された照射光21をインプリントに適切な光に調整する光学素子と、露光光源から照射された照射光21の照射領域(照射範囲)を制限する遮光板(マスキングブレード)から構成される。
当該遮光板は複数配置され、各々の遮光板は後述する制御部30によって、それぞれの位置が制御され、当該複数の遮光板の位置によって光照射部20から照射される照射光21の照射範囲を調整することができる。それぞれの遮光板はX軸方向やY軸方向、または各軸のθ方向に駆動可能な駆動部を備えうる。制御部30は、当該駆動部を制御することで遮光板の位置を調整可能となる。
モールド保持部6は、モールド4を保持しながら、モールド4を移動させる駆動機構を有する。モールド保持部6は、モールド4における照射光21の照射面の外周領域を真空吸着力や静電力により引き付けることでモールド4の保持が可能である。
モールド保持部6は、モールド4と基板2上のインプリント材7との押し付け、または引き離しを選択的に行うようにモールド4を各軸方向に移動させる。また、モールド4の高精度な位置決めに対応するために、粗動駆動系や微動駆動系などの複数の駆動系から構成されていてもよい。さらに、Z軸方向だけでなく、X軸方向やY軸方向、または各軸のθ方向の位置調整機能や、モールド4の傾きを補正するためのチルト機能などを有する構成もあり得る。なお、インプリント装置1における押し付けおよび引き離し動作は、モールド4をZ軸方向に移動させることで実現してもよいが、基板ステージ3をZ軸方向に移動させることで実現してもよく、または、その双方を相対的に移動させてもよい。
基板ステージ3は、各軸方向に移動可能とするステージ駆動機構を有する。また、基板ステージ3は、基板2を保持し、モールド4と基板2上のインプリント領域8との押し付けに際して、モールド4とインプリント領域8との位置合わせを実施する。位置合わせは、不図示のアライメント計測部により、モールドのマーク(アライメントメーク)と基板2のマークを計測し、計測結果に基づきステージ駆動機構により基板ステージ3を移動させて位置合わせを行う。
ステージ駆動機構は、X軸及びY軸の各方向に対して、粗動駆動系や微動駆動系などの複数の駆動系から構成されていてもよい。さらに、Z軸方向の位置調整のための駆動系や、基板2のθ方向の位置調整機能、または基板2の傾きを補正するためのチルト機能などを有する構成もあり得る。
図2は、実施例1の基板2を例示した図である。ここで、図2に示すように、基板2上には複数のインプリント領域8が設定され、複数のインプリント領域8に対しインプリント処理を順次行いパターンを形成し得る。ここで、基板2上には、インプリント処理を実施しない、即ち、パターンを形成しない領域である非インプリント領域(周辺領域)70も複数存在し得る。
非インプリント領域70上にもインプリント材が供給されている場合、非インプリント領域70上に供給されている未硬化のインプリント材71はインプリント処理が実施されないため、未硬化のまま基板2上に存在することになる。なお、未硬化のインプリント材71は供給される領域が異なるのみであって、未硬化のインプリント材7と同様のインプリント材である。
図3は、非インプリント領域70上に供給された未硬化のインプリント材71を例示した図である。図3(A)は、非インプリント領域70上には未硬化のインプリント材71があり、隣接するインプリント領域のインプリント材7にパターン40が形成されている状態を示す図である。図3(B)は、図3(A)の状態で時間経過により当該隣接する領域に未硬化のインプリント材71が侵入し、パターン40の一部を欠損させている状態を示す図である。
例えば、基板2にインプリント材7のパターンを形成する際に、インプリント処理を開始する前に基板2上の全面にインプリント材7を供給してからインプリント処理を実施する場合がある。その場合、パターンを形成しない非インプリント領域70には、図3(A)に示すように、未硬化状態のインプリント材71が供給されたままとなっている。そして、図3(B)に示すように、時間経過に伴い、非インプリント領域70上の未硬化のインプリント材71が、隣接しているインプリント領域のパターン(樹脂パターン)40に侵入してしまう場合がある。そして、侵入した未硬化のインプリント材71によって、図3(B)に示すように、一部のパターン40のパターン欠陥が発生する可能性がある。
このようなパターン欠陥を防ぐため、パターンを形成しない非インプリント領域70上の未硬化のインプリント材71は硬化させることが重要である。硬化させるためには、例えば、非インプリント領域70にも通常のパターンを形成するインプリント領域8と同様のインプリント処理を実施する方法がある。しかし、非インプリント領域70は、インプリント処理を実施しない領域である。そのため、上記のように非インプリント領域70にインプリント処理を行うと、基板2全体でのパターン形成に対する処理時間が通常の処理時間と比べると増えて効率が悪くなり、スループットが悪化してしまう。
また、インプリント処理を行わないで、非インプリント領域70のインプリント材71にも光を照射して硬化させる方法もある。ここで、未硬化のインプリント材7、71は酸素を含む環境下では、光照射しても酸素によって硬化反応が阻害され効率良く硬化できない。そのため、未硬化のインプリント材7、71における硬化は、照射量(露光量)よりモールド4と基板2との間の酸素濃度の方が硬化に与える影響が非常に大きい。通常のインプリント処理の際は、モールド4と未硬化のインプリント材7とを接触させると酸素濃度が硬化に支障のない程度に低下するため、この状態で光照射するとインプリント材7は硬化する。
しかし、上記のように非インプリント領域70にはインプリント処理を行わないため、未硬化のインプリント材71を光照射で硬化させるためには、酸素を含まない気体を非インプリント領域70に別途供給する必要がある。その場合、非インプリント領域70に新たに硬化の為の光を照射するために各種処理を実施すると、基板2全体でのパターン形成に対する処理時間が通常の処理時間と比べて増えてしまうことで効率が悪くなり、スループットが悪化してしまう。さらに、この時、まだ未処理のインプリント領域の周辺にも気体が供給されてしまうと、非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71に硬化の為の光を新たに照射した際に、当該未処理のインプリント領域のインプリント材7の硬化が促進してしまう。これにより、当該領域に対しこの後インプリント処理する際に、パターン形成不良を起こしてしまう可能性もある。
そこで、実施例1のインプリント装置1では、非インプリント領域70の位置及び未処理インプリント領域の位置に応じて制御部30が気体供給部10から供給する気体9を制御する。これにより、スループットを悪化させずに、非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71を効率良く硬化させることができる。さらに、未硬化のインプリント材71を硬化させる際、非インプリント領域70または後述する特定インプリント領域(所定のインプリント領域)80に隣接するインプリント領域(他の周辺領域)の未硬化のインプリント材7を硬化させないことも可能となる。
実施例1の気体9は、酸素を含まない気体であって、未硬化のインプリント材7、71の硬化を阻害しない気体が望ましい。例えばヘリウムガス等の希ガスが挙げられる。さらに、窒素ガス、及び凝縮性ガス(例えば、ペンタフルオロプロパン(PFP))等の少なくとも1つを含むガスであってもよい。なお、気体9は酸素を含まない気体が望ましいが、未硬化のインプリント材7、71の硬化を阻害しないのであれば、微量の酸素を含んでいてもよい。
気体供給部10は、モールド4を取り囲むようにモールド4の外周に配置される。実施例1の気体供給部10は、図1(B)に示すように、複数の気体供給部10a、10b、10c、10dに分割される。さらに、複数の気体供給部10a、10b、10c、10dは気体9を供給するための気体供給口を夫々に備える。後述する図6や図7に例示しているように実施例1では、1つの気体供給部10に複数の気体供給口を備えている。気体供給口は1つの気体供給部10に複数備えられていることが好ましいが、1つ以上備えられていればよい。
なお、気体供給部10は、気体9の供給だけではなく、気体9を含む周囲の気体を吸引することができる吸引機能も備えうる。気体9を含む周囲の気体を吸引する際は、気体供給部10に備える気体供給口を吸引口として使用してもよいし、気体供給口と同じ流路とならないように、別途吸引口を気体供給部10に備えてもよい。
気体供給制御部11は、気体供給部10a、10b、10c、10dの夫々の気体供給口から供給する気体9の供給量及び供給時間の制御に加え、気体9の供給の開始及び供給の停止を制御することができる。これにより、特定インプリント領域80の周辺にインプリント材を硬化させたくない他の周辺領域(未処理インプリント領域)も存在する場合であっても気体供給部10から供給する気体9の制御が可能になる。即ち、非インプリント領域70の位置及び未処理インプリント領域の位置に応じて気体供給部10から気体9の供給を制御ができる。また、気体供給制御部11は、上記した吸引機能も制御する。
制御部30は、CPUやメモリ(記憶部)などを含み、少なくとも1つのコンピュータで構成され、制御部30はインプリント装置1の各構成要素に回線を介して接続される。また、制御部30は、メモリに格納されたプログラムに従って、インプリント装置1全体の各構成要素の動作調整などを統括的に制御する。また、制御部30は、インプリント装置1の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよい。さらに、インプリント装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置1とは別の場所に設置し遠隔で制御してもよい。また、制御部30は気体供給制御部11を制御する。
図4、図5を参照して実施例1における非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71の硬化方法の一例を以下に説明する。図4は、実施例1のインプリント装置1による気体9の供給方法と非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71の硬化方法を示した図である。
図4(A)は、直前のインプリント領域81のインプリント材7にモールド4のパターン部5を接触させている状態を示す図である。図4(B)は、直前のインプリント領域81からモールド4を引き離している状態を示す図である。図4(C)は、供給された気体9がモールド4の移動方向に引き込まれている状態を示す図である。図4(D)は、特定インプリント領域80のインプリント材7にモールド4のパターン部5を接触させている状態を示す図である。図4(E)は、特定インプリント領域80のインプリント材7と非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71に照射光21を照射している状態を示す図である。
図5は、実施例1のインプリント装置1による気体9の供給処理と非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71の硬化処理を示すフローチャートである。なお、図5のフローチャートで示す各動作(処理)は、制御部30がコンピュータプログラムを実行することによって、制御される。
実施例1では、非インプリント領域70を除く複数のインプリント領域に順次インプリント処理を行う中で、これからインプリント処理を行う領域が特定インプリント領域80であった場合、当該領域の前に直前のインプリント領域81にパターンを形成する。その後、特定インプリント領域80の周辺に存在する領域であり、硬化させたいインプリント材71が塗布されている非インプリント領域70の位置に応じて気体供給部10から供給される気体9の供給を制御する。その後、特定インプリント領域80へのパターン形成動作と同時に特定インプリント領域80の未硬化のインプリント材7と非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71を硬化させる。
特定インプリント領域80は、インプリント処理を実施し、パターンを形成する領域である。また、特定インプリント領域80は、非インプリント領域70の周辺に配置された領域である。具体的には、特定インプリント領域80は非インプリント領域70と隣接する(隣り合う)インプリント領域であって、後述する直前のインプリント領域81の直後にインプリント処理をする領域である。なお、特定インプリント領域80は非インプリント領域70に隣接するインプリント領域でなくても構わない。しかし、以下に説明する実施例1の硬化処理によれば、非インプリント領域70上の未硬化のインプリント材71を充分に硬化させるには、特定インプリント領域80は非インプリント領域70に隣接していることが望ましい。
直前のインプリント領域81は、非インプリント領域70を除く複数のインプリント領域に順次インプリント処理を行う中で、特定インプリント領域80にインプリント処理をする直前にインプリント処理を行った領域(直前のインプリント領域)である。なお、非インプリント領域70、特定インプリント領域80、直前のインプリント領域81は基板2上に複数設定される。
実施例1のインプリント処理におけるパターン形成として、モールド4と基板2とを所定の位置関係に位置決め後、モールド保持部6を-Z方向に移動し、パターン部5をパターンを形成するいずれかのインプリント領域のインプリント材7に押し付ける。その後、インプリント材7を硬化させた後に、パターン部5を引き離すことで基板2上にインプリント材のパターン40を形成する。このインプリント処理を基板2上のパターンを形成する複数のインプリント領域に順次行う。以下に示すステップ(工程)S101からの処理は、順次インプリント処理を行っている中で、特定インプリント領域80にパターンを形成する場合における処理の一例を示している。なお、本実施例では、基板2の搬入時において基板2の全面にはインプリント材が塗布されている。
まず、ステップS101で、制御部30は、ステージ駆動機構を駆動させて、モールド4のパターン部5直下が直前のインプリント領域81の直上となるように基板ステージ3を移動させ、位置合わせを行う。次に、図4(A)に例示しているように直前のインプリント領域81の未硬化のインプリント材7にモールド4のパターン部5を接触させた後、当該インプリント材7に照射光21を照射して当該インプリント材7を硬化させ(硬化工程)、パターンを形成する。
次に、ステップS102で、制御部30は、気体供給部10を制御し、直前のインプリント領域81のインプリント材7とパターン部5が接触している状態で、気体9の供給を開始する(気体供給工程)。なお、気体9の供給は、直前のインプリント領域81のインプリント材7とパターン部5が接触している状態であれば、照射光21の照射前または照射中のいずれであってもよい。
この際の気体9の供給は、特定インプリント領域80に隣接している非インプリント領域70の位置に応じて気体供給部10a、10b、10c、10dのうち、最も非インプリント領域70側に近い位置の気体供給部10の気体供給口から供給する。さらにこの時、制御部30は、最も非インプリント領域70側に近い位置の気体供給部10の気体供給口から気体9を供給させ、その他の気体供給部10の気体供給口からは気体9を供給させないように気体供給部10を制御する(制御工程)。
例えば、図4(A)の場合では、気体供給部10aの気体供給口から気体9を供給させ、気体供給部10b、10c、10dの気体供給口からは気体9を供給させない。そして、制御部30は、気体9を供給するに際し、後述するステップS103、S104における処理時の動作を考慮し、気体9の供給量を調整した上で供給させるように気体供給部10を制御する。
次に、ステップS103で、制御部30は、モールド保持部6を制御し、図4(B)に例示しているように、モールド4のパターン部5を直前のインプリント領域81から引き離す。パターン部5と直前のインプリント領域81が接触している間のモールド4と基板2との間隙は非常に狭く、流体抵抗が大きい為、気体9はほとんど侵入できない。そして、モールド4の周囲の空間が気体9で満たされている状態で、直前のインプリント領域81からモールド4のパターン部5を引き離すと、モールド4と基板2との間隙の体積が大きくなる。これにより、モールド4の周囲の空間に対して負圧となる為、気体9がモールド4と基板2の間の空間に引き込まれる。ステップS103では、図4(B)に例示しているように、モールド4と非インプリント領域70との間の空間に引き込まれる。
次に、ステップS104で、制御部30は、ステージ駆動機構を駆動させて、モールド4のパターン部5直下が特定インプリント領域80の直上となるように基板ステージ3を移動させ、位置合わせを行う。この時、気体9は基板ステージ3の移動に伴うクエット流れで基板ステージ3の移動する方向とは反対の方向にさらに引き込まれる。
例えば、図4(C)の場合では、気体9は、図4(B)時の状態より基板ステージ3の移動に伴うクエット流れで+X軸方向に引き込まれる。これにより、モールド4と非インプリント領域70との間の空間に気体9が充分に供給される。この時、図4(C)に例示しているようにモールド4と特定インプリント領域80との間の空間の一部に気体9が供給されていても構わない。この時、これから順次インプリント処理をする領域であり、この時点でパターン未形成の未処理インプリント領域の間の空間には気体9が供給されないよう上記のステップS102で気体供給部10が制御されている。
次に、ステップS105で、制御部30は、図4(D)に例示しているように、モールド保持部6を制御し、これからインプリント処理を行うインプリント領域である特定インプリント領域80のインプリント材7にモールド4のパターン部5を接触させる。この時、モールド4と特定インプリント領域80に隣接する非インプリント領域70の間の空間には気体9が供給され、且つモールド4と未処理インプリント領域の間の空間には気体9が供給されていない状態で当該インプリント材7にパターン部5を接触させる。さらにこの時、特定インプリント領域80に接する非インプリント領域70上の空間が充分に気体9で置換されているのが望ましい。
次に、ステップS106(照射工程)で、制御部30は、図4(E)に例示しているように、光照射部20を制御する。そして、特定インプリント領域80の未硬化のインプリント材7と非インプリント領域の未硬化のインプリント材71に照射光21を照射してそれぞれ硬化させる。当該硬化の際、同時に(同じタイミングで)この2つの領域に塗布されている未硬化のインプリント材7、71を硬化させる。当該2つの領域に塗布されている未硬化のインプリント材7、71を硬化させる際には、制御部30が遮光板の位置を制御し、特定インプリント領域80と非インプリント領域70を含むように照射光21の照射範囲を調整する。
なお、制御部30は、上記したように当該2つの領域と、さらに当該2つの領域の周辺の領域にも照射光21が照射されるように遮光板の位置を制御してもよい。即ち、特定インプリント領域80と非インプリント領域70に加え、これらの領域の周囲にある未処理インプリント領域にも一部の照射光21が照射されるように照射範囲を制御してもよい。このように遮光板の位置を調整した上で照射光21を照射することで、特定インプリント領域80のインプリント材7と非インプリント領域70のインプリント材71に均一に照射光21を照射することができる。
この際、未硬化のインプリント材7が塗布されている未処理インプリント領域の一部にも照射光21が照射されてしまう。しかし、光照射部20からの照射量(露光量)よりも、上記したようにモールド4とインプリント領域との間の空間の酸素濃度の方が硬化に与える影響が非常に大きい。
したがって、例えばモールド4と未硬化のインプリント材7を接触させていない、またはモールド4と未処理インプリント領域との間の空間に酸素が含まれない気体を供給し酸素濃度を所定以上低下させない限り、硬化反応が阻害され硬化が促進されない。即ち、気体9が供給されておらず、モールド4と未処理インプリント領域の未硬化のインプリント材7とを接触させてもいない当該未処理インプリント領域の一部に照射光21が照射されても当該インプリント材7の硬化は促進されない。そして、この状態の当該インプリント材7に対し、後でインプリント処理をしても通常のパターン形成と同様のパターン形成をするこができる。
上記のように光照射部20から照射光21を照射する際には、モールド4と非インプリント領域70の間の空間に気体9が供給された状態で照射光21を照射する。これにより、酸素による硬化反応阻害の影響を抑制し、スループットも悪化させずに効率良く非インプリント領域70上の未硬化のインプリント材71を硬化させることができる。
次に、ステップS107で、制御部30は、モールド保持部6を制御し、モールド4のパターン部5を特定インプリント領域80から引き離す。このようなステップS101~S107の処理を、複数のインプリント領域に順次パターンを形成するインプリント処理を行う上で、非インプリント領域70の数だけ行う。即ち、非インプリント領域70の数に応じてステップS101~S107の処理を繰り返し行う。
パターンを形成するインプリント処理を行う順序は、隣り合うインプリント領域を順次インプリント処理することがスループットの点で有利な典型例である。例えば、+X方向に順次インプリント処理を行い、+X方向端のパターンを形成するインプリント領域までインプリントしたら、次は、当該+X方向端のインプリント領域から+Y方向または-Y方向に1列移動した+X方向端に移動する。そして同様に、-X方向側のパターンを形成するインプリント領域にインプリント処理を順次行い、これを繰り返すことで達成される。実施例1では、上記したように、隣接する領域にインプリント処理を順次行っていく場合であっても、特定インプリント領域80にインプリント処理をする前(直前)にインプリント領域81にパターンを形成する。
なお、インプリント処理を行う順序は上記した順序に限られるものではなく、千鳥順、ランダム等の順序を設定可能である。また、実施例1におけるインプリント処理を行う順序は、制御部30が有するメモリ等に予めレシピとして保存されている。
以上のように、実施例1の方法を用いることで、基板2上の複数のインプリント領域に順次パターンを形成するインプリント処理を行う上で、非インプリント領域70の未硬化のインプリント材71を効率よく硬化させることが可能となる。これにより、インプリント処理済みであるパターン40への未硬化のインプリント材71の侵入を防ぎ、パターン欠陥発生を抑制させたインプリント装置1を提供することができる。
<実施例2>
以下、実施例2のインプリント装置1について説明する。インプリント装置1の各種構成自体は実施例1及び実施例2と同様であり、実施例2として言及しない事項は、実施例1に従う。
図6は、実施例2の気体供給部10による気体9の供給及び未硬化のインプリント材71の硬化方法の一例を示す図である。実施例2では、特定インプリント領域80の周囲に配置された未処理インプリント領域と処理済インプリント領域の位置に応じて、各気体供給部10a、10b、10c、10dによる気体9の供給を制御する。
ここで、図6に例示するように、実施例2の特定インプリント領域80の周囲にはインプリント領域8a、8b、8c、8d、8e、及び非インプリント領域70a、70bが配置されている。ここで、実施例2においては、インプリント領域8a、8bはパターン形成がされている処理済インプリント領域であり、インプリント領域8c、8d、8eがパターン形成がされていない未処理インプリント領域である。そして、この場合において、まず硬化処理を行う非インプリント領域70を非インプリント領域70aとする。さらに、特定インプリント領域80の前にパターン形成動作を実施する直前のインプリント領域81をインプリント領域8bとする。また、インプリント領域8bにはパターンが形成されているが、モールド4がインプリント領域8bから引き離されていない状態とする。
上記の条件下において、制御部30は、特定インプリント領域80に対して未処理インプリント領域であるインプリント領域8c、8d、8e側に配置された気体供給部10a、10b、10cからは気体9を供給しないように制御する。そして、制御部30は、実施例1と同様にインプリント領域8bとパターン部5が接触している間に非インプリント領域70a側に配置された気体供給部10dから気体9を供給するように制御する。
次に、制御部30は、パターン部5をインプリント領域8bから引き離すことで気体9をモールド4と非インプリント領域70aとの間の空間に引き込む。次に、制御部30は、パターン部5の直下が特定インプリント領域80の直上となるように基板ステージ3を移動させ、パターン形成動作を実施する。この時、モールド4と非インプリント領域70aとの間の空間に引き込まれた気体9は、非インプリント領域70a上を充分に満たした(置換した)状態になっている。この状態で、実施例1と同様に、光照射部20及び不図示の遮光板を制御し、特定インプリント領域80の未硬化のインプリント材7と同時に非インプリント領域70aの未硬化のインプリント材71を硬化させる。この際の照射光21を照射するの照射領域(照射範囲)22は図6に示す破線表示の範囲である。
上記の条件下で、非インプリント領域70bの未硬化のインプリント材71も同時に硬化させるために、例えば、気体供給部10b、10cからも気体9を供給する場合を想定する。この場合、照射領域22と重なる未処理の領域であるインプリント領域8c、8d、8eの未硬化のインプリント材7の一部の硬化が促進してしまい、後にインプリント領域8c、8d、8eをインプリント処理する際、パターン形成不良の原因となってしまう。したがって、制御部30は、上記した処理時で気体9を供給する際に、モールド4と非インプリント領域70aとの間の空間に気体9を供給させ、モールド4と非インプリント領域70bとの間の空間には気体9を供給させないように気体供給部10を制御する。
実施例2における一方の非インプリント領域70aの未硬化のインプリント材71を硬化させた後であって、もう一方の非インプリント領域70bの未硬化のインプリント材71を硬化させる場合は、以下の条件で硬化処理を行う。この場合、上記した処理によってすでに非インプリント領域70aのインプリント材71は硬化済であるため、ここでは未処理の領域であるインプリント領域8dを直前のインプリント領域81とする。さらに、未処理の領域であるインプリント領域8eを特定インプリント領域80とする。
そして、上記の処理と同様に、インプリント領域8dにパターン形成を行い、インプリント領域8dとパターン部5が接触している間に非インプリント領域70b側に配置された気体供給部10bから気体9を供給するように制御する。
次に、パターン部5をインプリント領域8dから引き離すことで気体9をモールド4と非インプリント領域70bとの間の空間に引き込む。次に、パターン部5直下がインプリント領域8eの直上となるように基板ステージ3を移動させ、パターン形成動作を実施する。この時、モールド4と非インプリント領域70bとの間の空間に引き込まれた気体9は、非インプリント領域70b上を充分に満たした(置換した)状態になっている。この状態で、実施例1と同様に、光照射部20及び不図示の遮光板を制御し、インプリント領域8eの未硬化のインプリント材7と同時に非インプリント領域70bの未硬化のインプリント材71を硬化させる。
以上のように、実施例2によれば、実施例1と同様に非インプリント領域70a、70bの未硬化のインプリント材71を効率よく硬化させることが可能となる。これにより、インプリント処理済みであるパターン40への未硬化のインプリント材71の侵入を防ぎ、パターン欠陥発生を抑制させたインプリント装置1を提供することができる。
<実施例3>
以下、実施例3のインプリント装置1について説明する。インプリント装置1の各種構成自体は実施例1及び実施例2と同様であり、実施例3として言及しない事項は、実施例1及び実施例2に従う。
図7は、実施例3の気体供給部10による気体9の供給及び未硬化のインプリント材71の硬化方法の一例を示す図である。実施例3では、特定インプリント領域80の周囲に配置されたインプリント領域8a、8b、8c、8d、8eにパターンを形成し、全て処理済インプリント領域にしてからモールド4と非インプリント領域70a、70bの間の空間に気体9を供給する。そして、特定インプリント領域80の未硬化のインプリント材7と同時に非インプリント領域70a、70bの未硬化のインプリント材71を硬化する。
ここで、図7に例示するように、特定インプリント領域80の周囲にはインプリント領域8a、8b、8c、8d、8eが配置されている。そして、上記のようにインプリント領域8a、8b、8c、8d、8eが全て処理済インプリント領域の場合、任意の気体供給部10a、10b、10c、10dから気体9を供給すればよい。また、全ての気体供給部10a、10b、10c、10dから気体9を供給してもよい。いずれの場合であっても、特定インプリント領域80の周囲の非インプリント領域70a、70b上が気体9で充分に満たされるよう(置換するように)に気体9を供給する。
実施例3のように特定インプリント領域80の周囲が全て処理済インプリント領域ならば、照射光21の照射領域22と重なる未処理インプリント領域が存在しない。そのため、パターン形成動作前に未硬化のインプリント材7が硬化してしまうことによるパターン形成不良は起こらない。
以上のように実施例3によれば、実施例1と同様に非インプリント領域70a、70bの未硬化のインプリント材71を効率よく硬化させることが可能となる。これにより、インプリント処理済みであるパターン40への未硬化のインプリント材71の侵入を防ぎ、パターン欠陥発生を抑制させたインプリント装置1を提供することができる。
<物品製造方法に係る実施例>
本実施例にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施例の物品の製造方法は、基板に塗布された組成物に上記のインプリント装置1を用いてパターンを形成する工程(基板に処理を行う工程)と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、組成物剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施例の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
インプリント装置1を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、モールド(型)等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。モールドとしては、インプリント等の基板処理用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、組成物マスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチングまたはイオン注入等が行われた後、組成物マスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について図8を参照して説明する。図8(A)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコン基板等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面に組成物3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になった組成物3zが基板1z上に付与された様子を示している。
図8(B)に示すように、モールド4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板1z上の組成物3zに向け、対向させる。図8(C)に示すように、組成物3zが付与された基板1zとモールド4zとを接触させ、圧力を加える(接触工程)。組成物3zはモールド4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を、モールド4zを透して照射すると、組成物3zは硬化する(硬化工程)。このとき本実施例では、装置内で取得した分光感度特性に基づき、最適光重合度となるような照射量で組成物に光を照射することが可能となる。
図8(D)に示すように、組成物3zを硬化させた後、モールド4zと基板1zを引き離すと、基板1z上に組成物3zの硬化物のパターンが形成される(パターン形成工程、成形工程)。この硬化物のパターンは、モールド4zの凹部が硬化物の凸部に、モールド4zの凹部が硬化物の凸部に対応した形状になっており、即ち、組成物3zにモールド4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図8(E)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図8(F)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。なお、モールド4zとして、凹凸パターンを設けた回路パターン転写用のモールドを用いた例について述べたが、凹凸パターンがない平面部を有する平面テンプレートであってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形変更が可能である。
また、上述した各実施例における制御の一部または全部を上述した各実施例の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワークまたは各種記憶媒体を介してインプリント装置1等に供給するようにしてもよい。そしてそのインプリント装置1等におけるコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
1 インプリント装置
2 基板
4 型
5 パターン部
7 インプリント材
8 インプリント領域
9 気体
10 気体供給部
11 気体供給制御部
30 制御部

Claims (16)

  1. パターン部を有する型を用いて、インプリント材が塗布された基板上の複数のインプリント領域に順次インプリント処理を行うインプリント装置であって、
    前記インプリント材に光を照射して硬化させる照射部と、
    前記型と前記基板の間の空間に所定の気体を供給するための気体供給部と、
    所定のインプリント領域の前記インプリント材と前記パターン部とを接触させて前記照射部から光を照射する際に、前記所定のインプリント領域の周辺に前記インプリント材を硬化させたい周辺領域が存在する場合には、前記周辺領域の位置に応じて前記気体供給部からの前記気体の供給を制御する制御部と、
    を有することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記気体は、酸素を含まないことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記照射部からの光は、前記所定のインプリント領域の前記周辺にも照射されることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。
  4. 前記制御部は、前記所定のインプリント領域の前記周辺に前記インプリント材を硬化させたくない他の周辺領域も存在する場合には、前記周辺領域の位置および前記他の周辺領域の位置とに応じて前記気体供給部からの前記気体の供給を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  5. 前記周辺領域は、前記所定のインプリント領域に隣接する領域であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記気体供給部は複数の気体供給口を有し、前記制御部は、前記所定のインプリント領域の前記基板上の位置に応じて前記複数の気体供給口の内のいずれの気体供給口から前記気体を供給するかを制御することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記複数の気体供給口は、前記型の外周に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のインプリント装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の気体供給口のうち前記周辺領域に最も近い位置に配置されている前記気体供給口から前記気体を供給することを特徴とする請求項6または7に記載のインプリント装置。
  9. 前記制御部は、前記複数の気体供給口のうち、次のインプリント領域となる前記他の周辺領域の側に配置されている前記気体供給口から前記気体を供給しないことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  10. 前記制御部は、前記型と前記次のインプリント領域となる前記他の周辺領域の間の空間に前記気体が供給されないように前記気体供給部を制御することを特徴とする請求項9に記載のインプリント装置。
  11. 前記制御部は、前記所定のインプリント領域に対する前記インプリント処理を行う直前にインプリント処理を行った直前のインプリント領域に前記型が接触している状態で、前記周辺領域と前記型との間に前記気体を供給することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  12. 前記制御部は、前記直前のインプリント領域から前記型を引き離すことで、前記型と前記周辺領域との間の空間に前記気体が供給されるように前記気体供給部を制御することを特徴とする請求項11に記載のインプリント装置。
  13. 前記制御部は、前記所定のインプリント領域の前記周辺に前記周辺領域が2つある場合、前記型と一方の前記周辺領域との間の空間に前記気体を供給し、前記型ともう一方の前記周辺領域との間の空間には前記気体が供給されないように前記気体供給部を制御することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  14. 前記周辺は、前記所定のインプリント領域に隣接する領域の一部を含むことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  15. パターン部を有する型を用いて、インプリント材が塗布された基板上の複数のインプリント領域に順次インプリント処理を行うインプリント方法であって、
    前記インプリント材に光を照射して前記インプリント材を硬化させる照射工程と、
    前記型と前記基板の間の空間に所定の気体を供給する気体供給工程と、
    所定のインプリント領域の前記インプリント材と前記パターン部とを接触させて前記インプリント材に光を照射する際に、前記所定のインプリント領域の周辺に前記インプリント材を硬化させたい周辺領域が存在する場合には、前記周辺領域の位置に応じて前記気体供給工程により前記気体の供給を制御する制御工程と、
    を有することを特徴とするインプリント方法。
  16. 請求項1~14のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて前記基板にパターンを形成するパターン形成工程と、
    前記パターン形成工程で前記パターンが形成された前記基板を加工する加工工程と、
    前記加工工程で加工された前記基板から物品を製造する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。

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