JP2023047728A - 水系2成分型塗料組成物、塗膜の製造方法及び物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポットライフ、分散性及び塗膜の外観等に優れる水系2成分型塗料組成物、塗膜の製造方法の提供。【解決手段】水に分散又は乳化された樹脂と、硬化剤と、顔料とを含む水系2成分型塗料組成物であって、前記硬化剤は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、前記樹脂の水酸基価は、50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、前記ポリイソシアネートは、溶解性パラメーターであるSP値が8.3以上9.6以下であり、イソシアネート基に由来する6員環構造の含有量が40モル%以上80モル%以下、かつアロファネート基の含有量が1モル%以上20モル%以下であり、前記硬化剤は、溶剤を含まない状態での25℃における粘度が300mPa・s以上1,500mPa・s以下である、水系2成分型塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水系2成分型塗料組成物、塗膜の製造方法及び物品に関する。
近年、地球環境保護や労働安全衛生等の観点から、有機溶剤の使用量を低減させるため、水系コーティング剤の開発が活発に行われている。水酸基を含有する主剤(いわゆる、ポリオール)と、硬化剤としてのポリイソシアネートと、からなる2成分型硬化樹脂組成物は、常温でも硬化が可能であり、かつ優れた機械的性能や耐薬品性、耐久性等の性能を発現することから、各種の塗料や粘接着剤等の用途において幅広く使用されている。
このようなポリイソシアネートを硬化剤として用いる2成分型硬化樹脂組成物については、現状は溶剤系の製品が主流であり、水系の製品は、一部の地域や用途を除き、未だ大きく広がってはいない。
その理由としては、ポリイソシアネートを硬化剤として用いる2成分型硬化樹脂組成物の場合、水系の硬化樹脂組成物は溶剤系のものと比較して、一般的に外観、耐水性、耐候性等の性能が劣ること、イソシアネート基と樹脂分散液中の水との反応が生じるため可使時間が短いこと、イソシアネート基が水と反応すると炭酸ガスが発生するため、気泡やピンホールが生じて硬化樹脂の品質を低下させる場合があること、乾燥性が劣ること等が挙げられる。
水系2成分型硬化樹脂組成物の硬化剤としては、例えば、特許文献1には、親水性成分を含まず、特定の構造と粘度を有する硬化剤が開示されており、当該硬化剤と、水酸基を含有する樹脂分散液とを手動撹拌により混合した後に、物品にコーティングする方法が記載されている。
また、特許文献2は、ポリイソシアネートに特定のエチレンオキシド単位を導入することで、水への分散を可能にしたポリイソシアネート混合物を開示している。
特開平5-222150号公報 特開平2-105879号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリイソシアネート混合物は、ポリイソシアネート構造中に親水性を有する基をウレタン基により結合しているため、イソシアネート基の官能基数が低くなり、乾燥性等の硬化性や、硬度や耐水性等の塗膜物性が不十分である。さらに、イソシアネート基と反応しうる活性水素基含有主剤とを配合する際、粘度上昇が顕著になる問題がある。
特許文献2に記載の技術においては、低粘度を発現するポリイソシアネートを硬化剤とすることにより、水性塗料組成物に用いることが可能である。しかしながら、この技術により得られるポリイソシアネート組成物は、1分子あたりのポリイソシアネート官能基数が低いため、乾燥性等の硬化性や、硬度や耐水性等の塗膜物性が不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、塗料組成物としてのポットライフと分散性に優れ、塗膜としたときの外観、耐水性、耐薬品性、耐候性に優れる水系2成分型塗料組成物、これを用いた塗膜の製造方法及びこれを用いた物品を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]水に分散又は乳化された樹脂と、硬化剤と、顔料を含む水系2成分型塗料組成物であって、前記硬化剤は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、前記樹脂の水酸基価は、50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、前記ポリイソシアネートは、溶解性パラメーターであるSP値が8.3以上9.6以下であり、イソシアネート基に由来する6員環構造の含有量が40モル%以上80モル%以下、かつアロファネート基の含有量が1モル%以上20モル%以下であり、前記硬化剤は、溶剤を含まない状態での25℃における粘度が300mPa・s以上1,500mPa・s以下である、水系2成分型塗料組成物。
[2]前記6員環構造を有する3量体のうち、イソシアヌレート構造の質量分率が最も高い、[1]に記載の水系2成分型塗料組成物。
[3]イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、ウレトジオン構造の含有量が1.0モル%以上、15.0モル%以下である、[1]又は[2]に記載の水系2成分型塗料組成物。
[4]水を含まない状態での揮発成分の含有量が、前記水系2成分型塗料組成物として50g/L以上、250g/L以下である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の水系2成分型塗料組成物。
[5][1]~[4]のいずれか1つに記載の水系2成分型塗料組成物をエアスプレーにより被塗物上に塗装して塗膜を形成する、塗膜の製造方法。
[6][1]~[4]のいずれか1つに記載の水系2成分型塗料組成物を塗装した物品。
上記態様によれば、ポットライフと分散性に優れ、塗膜としたときの外観、耐水性、耐薬品性、耐候性に優れる水系2成分型塗料組成物、これを用いた塗膜の製造方法及びこれを用いた物品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<水系2成分型塗料組成物>
本実施形態の水系2成分型塗料組成物は、水に分散又は乳化された樹脂と、硬化剤と、顔料を含む。
以下に各構成成分について詳細を説明する。
≪樹脂分散液≫
樹脂分散液は、樹脂が水に分散又は乳化された液であり、顔料を含んでいてもよい。
(樹脂)
樹脂分散液が含む樹脂は、水に分散又は乳化することができる樹脂であればよい。具体的には、樹脂は活性水素化合物(多価活性水素化合物)が好ましい。
活性水素化合物とは、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物である。活性水素化合物としては、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等が挙げられるが、多くはポリオールが使われる。
このような活性水素化合物として具体的は、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリエーテル樹脂類、エポキシ樹脂類、フッ素樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリブタジエン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等が挙げられる。
中でも、活性水素化合物としては、アクリル樹脂類又はポリエステル樹脂類が好ましい。
樹脂の水酸基価は、樹脂分中の水酸基価として、50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下が好ましく、90mgKOH/g以上160mgKOH/g以下がより好ましい。水酸基価が上記下限値以上であることにより、耐水性および耐薬品性、耐候性が優れる塗膜を製造できる。また、上記上限値以下であることにより、水系2成分型塗料組成物分散性とポットライフが向上しやすく、優れた外観の塗膜を製造しやすい。
一般に、「ポットライフ」とは、塗料、接着剤等の組成物において、樹脂分散液と硬化剤とを混合して組成物を調製した後、硬化前の組成物として性能を確保している時間を意味する。可使時間ともいう。
「分散性」とは、樹脂分散液に対する硬化剤の分散のしやすさを意味する。
[アクリル樹脂類]
アクリル樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、以下の(a)~(e)等に示す重合性モノマーから選ばれた単独又は混合物を重合させて得られるアクリル樹脂類が挙げられる。これらアクリル樹脂類は単独又は混合して使用してもよい。
(a)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類。
(b)(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチル等の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類。
(c)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類。
(d)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類。
(e)メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル、p-スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸等のその他の重合性モノマー類。
その重合方法としては、乳化重合が一般的であるが、懸濁重合、分散重合、溶液重合でも製造できる。乳化重合では段階的に重合することもできる。
[ポリエステル樹脂類]
ポリエステル樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られるポリエステル樹脂類等が挙げられる。
前記カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオール類、トリオール類、テトラオール類等が挙げられる。
ジオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-エチル-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
トリオール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
テトラオール類としては、例えば、ジグリセリン、ジメチロールプロパン、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
また、例えば、低分子量ポリオールの水酸基にε-カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトン類等もポリエステル樹脂類として用いることができる。
[ポリエーテル樹脂類]
ポリエーテル樹脂類としては、例えば、以下(a)~(d)に示すもの等が挙げられる。
(a)多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、強塩基性触媒を使用して、アルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類。
(b)ポリアミン化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類。
(c)環状エーテル類の開環重合によって得られるポリエーテルポリオール類。
(d)(a)~(c)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類。
(a)における前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、以下の(i)~(vi)に示すものが挙げられる。
(i)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等。
(ii)エリトリトール、D-トレイトール、L-アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物。
(iii)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類。
(iv)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類。
(v)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類。
(vi)スタキオース等の四糖類。
(a)における前記強塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属類の水酸化物、アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。アルカリ金属類としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
(a)における前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
(b)における前記ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
(c)における前記環状エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
また、本実施形態の水系2成分型塗料組成物において、樹脂は、必要に応じて、第2の樹脂を併用してもよい。第2の樹脂は例えば、メラミン系硬化剤、ウレタンディスパージョン、ウレタンアクリルエマルジョン等の樹脂である。
また、第2の樹脂として例示した上記の樹脂は、樹脂類に含まれるカルボキシ基、スルホン基等を中和することにより、第2の樹脂を水に乳化、分散又は溶解させることができる。
カルボキシ基、スルホン基等を中和するための中和剤としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、水溶性アミノ化合物等が挙げられる。
水溶性アミノ化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、中和剤としては、第三級アミンであることが好ましく、トリエチルアミン、又は、ジメチルエタノールアミンであることがより好ましい。
(顔料)
樹脂分散液が含んでいてもよい顔料は、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよく、特に限定されない。
白色顔料の例は、酸化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、リトポン(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉等の無機顔料;ポリスチレン系共重合体粒子等の有機顔料等が挙げられる。
黒色顔料の例は、カーボンブラックが挙げられる。
赤色顔料の例は、鉛丹、酸化鉄赤等が挙げられる。
黄色顔料の例は、黄鉛、亜鉛黄等が挙げられる。
青色顔料の例は、ウルトラマリンブルー、フタロシアニン青等が挙げられる。
緑色顔料の例は、フタロシアニン緑等が挙げられる。
≪硬化剤≫
本実施形態の水系2成分型塗料組成物に含まれる硬化剤は、ポリイソシアネートを含む。ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから誘導されるものである。なお、ここでいう「ポリイソシアネート」とは、ジイソシアネート同士、及び、必要に応じて、ジイソシアネート以外の化合物(例えば、アルコール、水、アミン等)を反応させて得られた化合物を意味する。
脂肪族ジイソシアネートとしては、以下のものに限定されないが、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、エチル(2,6-ジイソシアナト)ヘキサノエート、1,6-ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」とも記す。)、1,9-ジイソシアナトノナン、1,12-ジイソシアナトドデカン、2,2,4-又は2,4,4-トリメチル-1、6-ジイソシアナトヘキサン等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、以下のものに限定されないが、例えば、1,3-又は1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「水添XDI」とも記す。)、1,3-又は1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、3,5,5-トリメチル1-イソシアナト-3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「IPDI」とも記す。)、4-4’-ジイソシアナト-ジシクロヘキシルメタン(以下、「水添MDI」とも記す。)、2,5-又は2,6-ジイソシアナトメチルノルボルナン等が挙げられる。
また、本実施形態に用いる硬化剤は、上述したジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートに加えて、1,3,6-トリイソシアナトヘキサン、1,8-ジイソシアナト-4-イソシアナートメチルオクタン、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナト-ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネート、又はこれら脂肪族トリイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを含んでもよい。
これらの中でも、黄変しにくい傾向にあるため、HDI、IPDI、水添XDI、又は水添MDIが好ましい。
[イソシアネート基由来の結合基]
前記ポリイソシアネートは、上記ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する結合基を有する。イソシアネート基由来の結合基としては、例えば、以下の(a)~(i)に示す基等が挙げられる。
(a)3つのイソシアネート基を環化三量化して得られるイソシアヌレート基;
(b)3つのイソシアネート基を環化三量化して得られるイミノオキサジアジンジオン基;
(c)2つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させて得られるアロファネート基;
(d)2つのイソシアネート基を環化二量化して得られるウレトジオン基;
(e)3つのイソシアネート基と1つの水分子とを反応させて得られるビウレット基;
(f)1つのイソシアネート基と1つの水酸基を反応させて得られるウレタン基;
(g)1つのイソシアネート基と1つの1級又は2級アミンとを反応させて得られる尿素基;
(h)1つのイソシアネート基と1つのカルボキシ基とを反応させて得られるアシル尿素基;
(i)2つのイソシアネート基と1分子の二酸化炭素とを反応させて得られるオキサジアジントリオン基。
その中でも6員環構造を有する結合基が含有していることが好ましい。6員環構造としては、イソシアヌレート構造、イミノオキサジアジンジオン構造等が挙げられる。
未反応のジイソシアネートを除いた状態で、イソシアネート基由来のイソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、及びウレトジオン基の合計モル数(100モル%)に対して、6員環構造を有するポリイソシアネートの含有率は40モル%以上80モル%以下である。下限値は45モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。また、上限値は75モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましい。6員環構造の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる塗膜の耐水性、耐薬品性、耐候性がより優れ、一方、上記上限値以下であることにより、分散性が優れる傾向がある。
[硬化剤中のイソシアネート基由来の各構造の含有率の測定方法]
硬化剤中のイソシアネート基由来の各構造の含有率は、13C-NMR測定により求めることができる。脂肪族ジイソシアネートがHDIである場合を例に説明すると、Bruker社製Biospin Avance600(商品名)を用いた13C-NMRの測定(測定溶媒:クロロホルム-d、試料濃度:60質量/容量%、観測周波数:150MHz、積算回数:10000回)において、イソシアヌレート環構造は148.6ppm付近に6員環内のカルボニル基の炭素原子のシグナルが、イミノオキサジアジンジオン環構造は135.5ppm付近に6員環内のイミノ基の炭素原子のシグナルが認められる。
イソシアヌレート環構造については、構造中に同じ炭素原子が三個あるため積分値の1/3の値が、イミノオキサジアジンジオン環構造については積分値そのものの値が、それぞれの構造のモル%に相当する。
(イソシアヌレート基)
イソシアヌレート基は、3つのイソシアネート基を環化三量化して得られる官能基であり、下記式(I)で表される構造をいう。
Figure 2023047728000001
本実施形態に用いる硬化剤において、イソシアヌレート基を形成する、イソシアヌレート基のモル分率は、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、及びウレトジオン基の合計モル数(100モル%)に対して、40モル%以上78モル%以下であることが好ましく、50モル%以上76モル%以下であることがより好ましい。イソシアヌレート3量体のモル分率が上記範囲にあることで、得られる塗膜の耐水性及び耐薬品性に優れる。
イソシアヌレート基のモル比率は、上記[硬化剤中のイソシアネート基由来の各構造の含有率の測定方法]に記載の13C-NMR測定により求めることができる。
(イミノオキサジアジンジオン基)
イミノオキサジアジンジオン基は、3つのイソシアネート基を環化三量化して得られる官能基であり、下記式(II)で表される構造をいう。
Figure 2023047728000002
本実施形態に用いる硬化剤において、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、及びウレトジオン基の合計モル数(100モル%)に対して、イミノオキサジアジンジオン基のモル比率が、0.5モル%以上40.0モル%以下であることが好ましく、0.7モル%以上30.0モル%以下であることがより好ましい。イミノオキサジアジンジオン基のモル比率が上記範囲にあることで、得られる塗膜の外観及び耐水性に優れる。
イミノオキサジアジンジオン基のモル比率は、上記[硬化剤中のイソシアネート基由来の各構造の含有率の測定方法]に記載の13C-NMR測定により求めることができる。
(アロファネート基)
アロファネート基は、アルコールの水酸基とイソシアネート基との反応により形成される官能基であり、下記式(III)で表される構造をいう。
Figure 2023047728000003
本実施形態に用いる硬化剤において、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、及びウレトジオン基の合計モル数(100モル%)に対して、アロファネート基のモル比率が1.0モル%以上20.0モル%以下であることが好ましく、2.0モル%以上16.0モル%以下であることがより好ましい。
アロファネート基のモル比率が上記範囲内にあることで、水系2成分型塗料組成物としたときの分散性及び塗膜としたときの外観が優れる。
アロファネート基のモル比率は、例えば、13C-NMR測定により求めることができる。
(ウレトジオン基)
ウレトジオン基は、2つのイソシアネート基を環化二量化して得られる官能基であって、下記式(IV)で表される構造をいう。ウレトジオン基を有するポリイソシアネートは、粘度が低く、分散性が良好である。
Figure 2023047728000004
本実施形態に用いる硬化剤において、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、及びウレトジオン基の合計モル数(100モル%)に対して、ウレトジオン基のモル比率が1.0モル%以上15.0モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上8.0モル%以下であることがより好ましい。ウレトジオン基のモル比率が上記範囲にあることで、水系2成分型塗料組成物としたときの分散性とポットライフ及び塗膜としたときの外観が優れる。
ウレトジオン基のモル比率は、例えば、13C-NMR測定、又はH-NMR測定により求めることができる。
(その他の結合基)
本実施形態に用いる硬化剤に含まれるポリイソシアネートは、上述した結合基以外に、ビウレット基、ウレタン基、尿素基、アシル尿素基、及びオキサジアジントリオン基からなる群より選ばれる1種以上の結合基を更に有していてもよい。
本実施形態に用いる硬化剤において、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、及びウレトジオン基の合計モル数(100モル%)に対して、その他の結合基の合計モル比率は、0.01モル%以上10モル%以下であることが好ましい。
その他の結合基のモル比率は、例えば、13C-NMR測定、又はH-NMR測定により求めることができる。
[ポリイソシアネートのSP値]
本実施形態の水系2成分型塗料組成物に含まれるポリイソシアネートは、溶解性パラメーターであるSP値(以下、「SP値」と記載する。)が8.3以上9.6以下である。SP値が上記の範囲を満たすと、水系2成分型塗料組成物の分散性が向上し、外観に優れる塗膜を形成することができる。
SP値の最小値は、塗膜の外観を向上させる観点からで8.5がより好ましく、8.7がさらに好ましい。また最大値は、水系2成分型塗料組成物の分散性を向上させる観点から9.4がより好ましく、9.2がさらに好ましい。
本明細書におけるSP値を求める方法として、例えばJournal of science,1967(5),1671-1681に記載の滴定法が挙げられる。この具体的な測定方法は実施例に記載してある。
[イソシアネートの粘度]
本実施形態の水系2成分型塗料組成物が含有するポリイソシアネートの25℃における粘度は、水系2成分型塗料組成物の分散性及びポットライフを向上させ、塗膜としたときの外観と耐水性を向上させる観点から、300mPa・s以上1,500mPa・s以下である。
粘度の最小値は形成した塗膜の耐水性、耐候性等を向上させる観点から350mPa・sがさらに好ましく、450mPa・sがより好ましい。また最大値は分散性及びポットライフを向上させる観点から1,100mPa・sがさらに好ましく、700mPa・sがより好ましい。
[イソシアネート含有率]
未反応の脂肪族ジイソシアネートを除いた状態で、前記ポリイソシアネートの平均イソシアネート含有率は、18質量%以上25質量%以下が好ましく、19質量%以上24質量%以下がより好ましく、20質量%以上24質量%以下がさらに好ましい。
平均イソシアネート含有量が上記下限値以上であることにより、塗膜としたときの耐水性、耐薬品性、及び耐候性が向上する。一方、上記上限値以下であることにより、水系2成分型塗料組成物の分散性及びポットライフが向上し、塗膜としたときの外観が良好になる。
ポリイソシアネートの平均イソシアネート含有率は、後述する実施例に記載の滴定法により測定することができる。
[ポリイソシアネートの製造方法]
本実施形態の水系2成分型塗料組成物が含有するポリイソシアネートの製造方法について以下に説明する。
本実施形態の水系2成分型塗料組成物が含有するポリイソシアネートは、イソシアヌレート基を形成するイソシアヌレート化反応、イミノオキサジアジンジオン基を形成するイミノオキサジアジンジオン化反応、アロファネート基を形成するアロファネート化反応、ウレトジオン基を形成するウレトジオン化反応等を、過剰のジイソシアネート存在下で一度に実施して、反応終了後に、未反応のジイソシアネートを除去して得ることができる。その際、各条件で生成する所望の結合基と同時に、他の結合基が生成する場合がある。
また、上記の反応を別々に行ない、それぞれ得たポリイソシアネートを、各結合基のモル比率が上記範囲内となる割合で混合してもよい。ここで、製造の簡便さから、上記反応を一度に行ないポリイソシアネートを得ることが好ましく、各結合基のモル比率を自由に調整する観点からは、別々に製造した後に混合することが好ましい。
[イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネートの製造方法]
ジイソシアネートからイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、特に限定されないが、塩基性を示すものが好ましく、具体的には、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド及び有機弱酸塩、ヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド及び有機弱酸塩、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、金属アルコラート、アミノシリル基含有化合物、マンニッヒ塩基類、第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、燐系化合物等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。
有機弱酸としては、例えば、酢酸、カプリン酸等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアンモニウムとしては、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。
金属アルコラートとしては、例えば、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等が挙げられる。
アミノシリル基含有化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
燐系化合物としては、例えば、トリブチルホスフィン等が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、原料である、ジイソシアネート(及び、必要に応じてアルコール)の総質量に対して、10質量ppm以上1.0質量%以下が好ましい。また、イソシアヌレート化反応を終了させるために、触媒を中和する酸性物質の添加、熱分解、化学分解等により不活性化してもよい。触媒を中和する酸性物質としては、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル等が挙げられる。
ポリイソシアネートの収率は、一般的には、10質量%以上70質量%以下となる傾向にある。より高い収率で得られたポリイソシアネートは、より粘度が高くなる傾向にある。収率は、原料成分の総質量に対する得られたポリイソシアネートの質量の割合から算出できる。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、特に限定されないが、50℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上150℃以下であることがより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることで、反応がより進み易くなる傾向にあり、反応温度が上記上限値以下であることで、着色を引き起こすような副反応をより抑制することができる傾向にある。
イソシアヌレート化反応の終了後には、未反応のジイソシアネートを薄膜蒸発缶、抽出等により除去することが好ましい。ポリイソシアネートは、未反応のジイソシアネートを含んでいた場合であっても、ジイソシアネートの含有量がポリイソシアネートの総質量に対して、3.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。残留未反応ジイソシアネート濃度が上記範囲内であることにより、硬化性がより優れる傾向にある。
[イミノオキサジアジンジオン基を含有するポリイソシアネートの製造方法]
ジイソシアネートからイミノオキサジアジンジオン基を含有するポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、特に限定されないが、例えば一般にイミノオキサジアジンジオン化反応触媒として知られている下記(1)又は(2)の触媒が使用できる。
(1)一般式M[Fn]、又は、一般式M[Fn(HF)m]で表される(ポリ)フッ化水素(式中、m及びnは、m/n>0の関係を満たす整数である。Mはn荷電カチオン(混合物)又は合計でn価の1個以上のラジカルである。)
(2)一般式R1-CR’2-C(O)O-、又は、一般式R2=CR’-C(O)O-で表される化合物と、第4級アンモニウムカチオン、又は、第4級ホスホニウムカチオンとからなる化合物。
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、直鎖状、分岐鎖状又は環状の、飽和又は不飽和の炭素数1以上30以下のパーフルオロアルキル基である。複数あるR’はそれぞれ独立に水素原子、又は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1以上20以下のアルキル基若しくはアリール基である。)
(1)の触媒((ポリ)フッ化水素)として具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムフルオリド水和物、テトラエチルアンモニウムフルオリド等が挙げられる。
(2)の触媒として具体的には、例えば、3,3,3-トリフルオロカルボン酸、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブタン酸、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンタン酸、3,3-ジフルオロプロパ-2-エン酸等が挙げられる。
中でも、イミノオキサジアジンジオン化反応触媒は、入手が容易である観点から、(1)の触媒が好ましく、安全性の観点からは、(2)の触媒が好ましい。
上述したイミノオキサジアジンジオン化反応触媒の配合量は、仕込んだジイソシアネートの質量に対して、好ましくは10質量ppm以上1000質量ppm以下である。その下限値は、より好ましくは20質量ppmであり、さらに好ましくは40質量ppmであり、特に好ましくは80質量ppmである。
その上限値は、より好ましくは800質量ppmであり、さらに好ましくは600質量ppmであり、特に好ましくは500質量ppm以下である。
また、イミノオキサジアジンジオン化反応温度としては、好ましくは40℃以上120℃以下である。その下限値は、より好ましくは50℃であり、さらに好ましくは55℃である。その上限値は、より好ましくは100℃であり、さらに好ましくは90℃であり、特に好ましくは80℃である。
イミノオキサジアジンジオン化反応温度が上記下限値以上であることによって、反応速度をより高く維持することが可能である傾向にある。イミノオキサジアジンジオン化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等をより効果的に抑制できる傾向にある。
[アロファネート基を含有するポリイソシアネートの製造方法]
ジイソシアネートからアロファネート基を含有するポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、特に限定されないが、例えば、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニル等のアルキルカルボン酸塩;2-エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物;2-エチルヘキサン酸鉛等の有機鉛化合物;2-エチルヘキサン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;2-エチルヘキサン酸ビスマス、2-エチルヘキサン酸ジルコニウム、2-エチルヘキサン酸ジルコニルが挙げられる。これらは、1種を単独又は2種以上を併用することができる。
また、上述したイソシアヌレート化反応触媒もアロファネート化反応触媒となり得る。上述したイソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応を行なう場合は、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも当然のことながら生成する。アロファネート化反応触媒として、上述したイソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応とイソシアヌレート反応を行なうことが経済的生産上、好ましい。
上述したアロファネート化反応触媒の配合量は、仕込んだジイソシアネートの質量に対して、好ましくは10質量ppm以上1000質量ppm以下である。その下限値は、より好ましくは20質量ppmであり、さらに好ましくは40質量ppmであり、よりさらに好ましくは80質量ppmである。
その上限値は、より好ましくは800質量ppmであり、さらに好ましくは600質量ppmであり、よりさらに好ましくは500質量ppm以下である。
また、アロファネート化反応温度としては、好ましくは40℃以上180℃以下である。その下限値は、より好ましくは60℃であり、さらに好ましくは80℃であり、よりさらに好ましくは100℃である。その上限値は、より好ましくは160℃であり、さらに好ましくは140℃である。
アロファネート化反応温度が上記下限値以上であることによって、反応速度をより高く維持することが可能である傾向にある。アロファネート化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等をより効果的に抑制できる傾向にある。
アロファネート基の形成に用いられるアルコールは、炭素、水素及び酸素のみで形成されるアルコールが好ましい。
前記アルコールとして具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、モノアルコール、ポリオール、及びこれらのアルコールの混合物が挙げられる。
モノアルコールとして、具体的には、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ブタノール、2,2ジメチル-1-プロパノール、2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、3-メチル-1--ペンタノール、4-メチル-1-ペンタノール、2,2-ジメチル-1-ブタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、3-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-3-ペンタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、1-オクタノール、6-メチル-1-ヘプタノール、2-エチルヘキサノールが挙げられる。モノアルコールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとして、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチルヘキサンジオール等のジアルコールが挙げられる。
中でも、アルコールとしては、モノアルコールが好ましく、分子量200以下のモノアルコールがより好ましい。
モノアルコールの炭素数は、4以上10以下であることが好ましく、4以上8以下であることがより好ましい。また、本実施形態による作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、モノアルコールは、1級アルコールであることが好ましく、分岐構造を有するものであることがより好ましい。
[ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートの製造方法]
ウレトジオン基を有するポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、特に限定されないが、具体的には例えばトリ-n-ブチルホスフィン、トリ-n-オクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、トリス-(ジメチルアミノ)-ホスフィン等のトリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン、シクロヘキシル-ジ-n-ヘキシルホスフィン等のシクロアルキルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。これらの化合物はアロファネート化反応触媒にもなり得る。
また、これらの化合物の多くは、同時にイソシアヌレート化反応も促進し、ウレトジオン2量体等のウレトジオン基含有ポリイソシアネートに加えて、イソシアヌレート3量体等のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを生成する。
また、ウレトジオン基を有するポリイソシアネートは、ウレトジオン化反応触媒を用いなくとも、加熱により得ることもできる。本実施形態のポリイソシアネート組成物に含まれる、ウレトジオン2量体等のウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、加熱で製造することが、貯蔵安定性の点で好ましい。
さらに、前記ポリイソシアネートに、ジイソシアネートの2量体以上からなる、別のポリイソシアネートを、任意の割合で添加してもよい。該別のポリイソシアネートを構成する結合基は、特に限定されず、最終的に生成したポリイソシアネート組成物中に、ビウレット基が含まれていればよい。
[その他のポリイソシアネートの製造方法]
さらに上記[アロファネート基を含有するポリイソシアネートの製造方法]に記載のアロファネート基形成反応、または[ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートの製造方法]に記載のウレタン基形成反応を用いて、生成したポリイソシアネート化合物は高分子ポリオールで変性してもよい。
高分子ポリオールとは、水酸基を1つ以上有する化合物であり、例えば長鎖ポリオール、具体的にはポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール及びこれらのコポリオールなどが挙げられる。これらの長鎖ポリオールは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
ポリイソシアネートを、さらに水酸基を1つ以上有するアルコールで変性してもよい。アルコールとは、水酸基を1つ以上有する化合物であり、例えば短鎖ポリオールや長鎖ポリオールが挙げられる。具体的な短鎖ポリオールとしては、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸エステル、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,3,5-トリメチルペンタンジ オール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1, 4-プチレンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメ チロールプロパン、グリセリン、1,1,7-トリメチロールヘプタン、1,2,7-ト リメチロールヘプタン等が挙げられる。
また、長鎖ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール及びこれらのコポリオールなどが挙げられる。これらのポリオールは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
<その他の成分>
本実施形態の水系2成分型塗料組成物は、樹脂分散液と硬化剤以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、脱水剤等が挙げられる。
酸化防止剤及び光安定剤としては、例えば、以下の(a)~(e)に示すもの等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
(a)リン酸若しくは亜燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体例えば、炭素数2~8のモノアルキルホスフェート、モノアルキルホスファイト、または、炭素数4~16のジアルキルホスフェート、ジアルキルホスファイト、または、ジラウリルホスフェート、ジフェニルホスフェート、モノラウリルホスフェート、モノフェニルホスフェート、ジラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、モノラウリルホスファイト、モノフェニルホスファイト等、特にメチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2--エチルヘキシルアシッドホスフェート、アルキル(C12、C14、C16、C18)アシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、イソトリデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート等の酸性リン酸エステル、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリオレイルホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ジエチルハイドロゲンホスファイト、ビス(2-エチルヘキシル)ハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)4,4イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tブチルフェニル)ホスファイト、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ゾジオキサホスフェピン、メチレンビス(ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、SUMILIZER-GP(住友化学社製の商品名)、アデカスタブHP10、アデカスタブPEP-8、アデカスタブPEP-36/36A、アデカスタブHP1500、アデカスタブTPP(アデカ社製の商品名)、JP-333E(城北化学社製の商品名)、IRGAFOS168(BASF社製の商品名)等の亜リン酸トリエステル化合物が挙げられる。
(b)フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物が挙げられる。
(c)フェノール系誘導体(特に、ヒンダードフェノール化合物)、例えば、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチル-フェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-s-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール、n-オクタデシル-β-(4’-ヒドロキシ3’5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート-ジエチルエステル、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、トリエチレングリコール-N-ビス-3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’-ジおよびトリ-チオビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2-チオジエチレンビス-[3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ3’,5’-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、N,N’-ヘキサメチレンビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナミド、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、カルシウム(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルモノエチルホスフォネート)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス[2[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]イソシアネート、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、イルガノックス(商品名、BASF社製)、アデカスタブ(商品名、株式会社アデカ製)等が挙げられる。
(d)チオエーテル系化合物、ジチオ酸塩系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物、チオカルバニリド系化合物、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物が挙げられる。
(e)スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール類、カテコール類、ベンゾキノン類等が挙げられる。重合禁止剤として具体的には、例えば、 ベンゾキノン、p-ベンゾキノン、p-トルキノン、p-キシロキノン、ナフトキノン、2,6-ジクロロキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、カテコール、p-t-ブチルカテコール、2,5-ジ-t- ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p-メトキシフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
界面活性剤としては、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態の水系2成分型塗料組成物において、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤及び界面活性剤の合計含有量は、水系2成分型塗料組成物の総質量に対して、0質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の水系2成分型塗料組成物に用いられる溶剤としては、親水性溶剤でもよく、疎水性溶剤でもよいが、親水性溶剤であることが好ましい。これら溶剤は単独又は混合して使用することができる。
疎水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、LAWS(Low Aromatic White Spirit)、HAWS(High Aromatic White Spirit)、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エステル類、ケトン類、アミド類が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
親水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類、エーテル類、エーテルアルコール類のエステル類が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2-エチルヘキサノール等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
エーテルアルコール類のエステル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BGA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PMA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
溶剤の含有量は、水系2成分型塗料組成物の総質量に対して、0質量%以上90質量%以下であることが好ましく、0質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
脱水剤としては、有機アルコキシ化合物類:例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸エステル;ジメトキシプロパン等、単官能イソシアネート類:例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネート、アディティブTI(製品名)(Covestro社製、p-トルエンスルホニルイソシアネート)等の芳香族モノイソシアネート等、粉末状で多孔性に富んだ金属酸化物又は炭化物質:例えば、合成シリカ、活性アルミナ、瀬尾ライト、活性炭等、カルシウム化合物類:例えば、焼き石膏、可溶性石膏、生石灰等、金属アルコキシド類:例えば、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec-ブチレート、ジリコニウムn-ブチレート、エチルシリケート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本実施形態の水系2成分型塗料組成物は、更に、一般的に塗料に加えられる添加剤を含んでもよい。該添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機リン酸塩、有機亜リン酸塩、増粘剤、レベリング剤、チキソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒(硬化促進用の触媒)、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、静電防止剤又は帯電調整剤、沈降防止剤等が挙げられる。これら添加剤を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
<配合方法>
本実施形態の水系2成分型塗料組成物における配合方法は、どのような方法でもよいが、樹脂分散液に予め顔料を分散させ、更に、硬化剤を、硬化剤と反応しない有機溶剤に溶解させた硬化剤配合物を添加する方法が好ましい。
硬化剤配合物中のポリイソシアネート配合割合は、80%以下が好ましく、更には70%以下が好ましく、最もは60%以下が好ましい。ポリイソシアネートと水との反応を考慮し、ポリイソシアネート中のイソシアネート基と活性水素基のモル比率は塗膜のイソシアネート基過剰であることが好ましく、1.0倍から2.0倍が好ましい。
塗膜の耐水性、耐薬品性、耐候性向上の観点から、ポリイソシアネート中のイソシアネート基と活性水素基のモル比率は1.2倍以上が好ましく、更には1.5倍以上が好ましい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、及びブチルカルビトールアセテートなどを、単独あるいは混合して用いると、手撹拌により形成された水系2成分型塗料組成物の塗膜外観が改善し、塗膜の乾燥性も優れるため好ましい。
ただし、地球環境保護や労働安全衛生などの観点から、水を含まない状態における水系2成分型塗料組成物の揮発成分の含有量は、50g/L以上250g/L以下であることが好ましく、更には100g/L以上220g/L以下が好ましい。
本実施形態の水系2成分型塗料組成物の製造は手撹拌により行なうことができるが、作業現場にて可能であれば撹拌機を用いることは、配合時間の短縮や硬化剤を希釈する有機溶剤量を減らすことができるため好ましい。
配合に要する撹拌回転数は400rpm以上、更には600rpm以上が好ましい。配合に要する時間は、配合方法にもよるが、通常1分から10分程度であり、5分以上が好ましく、更には10分以上が好ましい。
なお、本実施形態の水系2成分型塗料組成物は、比較的長い可使時間を有しているが、製造後は、雰囲気温度によっても異なるが、1時間以上3時間以下程度の間に使用することが好ましい。
また、本実施形態の水系2成分型硬化樹脂組成物からなる塗膜の乾燥は自然乾燥により行ってもよく、温風や赤外線等による加熱乾燥により行ってもよい。
塗装方法としては、例えば、エアスプレー塗装、ローラー塗装、カーテンフロー塗装、エアーナイフ塗装、グラビア塗装、ハケ塗り等の一般的な方法が挙げられる。その中でも、エアスプレー塗装が、塗膜外観の点で好ましい。
基材または物品としては、特別な限定はなく、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材を成形してなる成形品等が挙げられる。また、これら成形品の形状は特に限定されず、例えば、フィルム、シート、ボード等の厚みが小さいものであってもよく、円柱、立体構造物等の厚みの大きいものであってもよい。また、チューブ等の中空のものであってもよい。
水系2成分型硬化樹脂組成物を物品にコーティングすることで、当該物品上に形成された塗膜は、形成後、徐々に硬化が進む。そのため、塗膜の乾燥は自然乾燥により行ってもよく、温風や赤外線等による加熱乾燥により行ってもよい。
本実施形態の物品の塗布方法によれば、光沢、硬度及び乾燥性に優れる塗膜を備える物品が得られる。
<使用用途>
本実施形態の水系2成分型塗料組成物は、自動車、バス、鉄道車両、建築機械、農業機械、建築物の床、壁及び屋根、金属製品、モルタルやコンクリート製品、木工製品、プラスチック製品、ケイ酸カルシウム板や石膏ボード等の窯業系建材等に用いられる、水系2成分型コーティング剤組成物として好適である。水系2成分型コーティング剤組成物は、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、カーテンフロー塗装、エアーナイフ塗装、グラビア塗装、ハケ塗り等の一般的な方法を用いて塗装することができる。水系2成分型コーティング剤組成物の分野では、主剤として、アクリル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール又はポリウレタン系ポリオールを用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における、ポリイソシアネート組成物の物性及び評価は、以下のとおり測定及び評価を行なった。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<物性の測定方法>
[物性1]
(粘度)
粘度はE型粘度計(株式会社トキメック社製)により25℃で測定した。標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりである。
(回転数)
100r.p.m. (128mPa・s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20r.p.m. (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10r.p.m. (640mPa・s以上1,280mPa・s未満の場合)
5r.p.m. (1,280mPa・s以上2,560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m. (2,560mPa・s以上5,120mPa・s未満の場合)
[物性2]
(イソシアネート基(NCO)含有率)
実施例及び比較例で得られた水系2成分型塗料組成物を試料として、イソシアネート基含有率の測定は、JIS K7301-1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って実施した。以下に、より具体的なイソシアネート基含有率(NCO%)の測定方法を示す。
(1)試料1g(Wg)を200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、上記フラスコに2.0Nのジ-n-ブチルアミン・トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)上記フラスコに2-プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1mol/L塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量(V1mL)を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)~(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量(V0mL)を求めた。
上記で求めた試料滴定量及びブランク滴定量から、イソシアネート基含有率(NCO%)を以下に示す式を用いて、算出した。
「NCO含有率(質量%)」=(V0-V1)×42/[W(1g)×1000]×100
[物性3]
(6員環構造のモル分率)
得られた水系2成分型塗料組成物について、Bruker社製Biospin Avance600(商品名)を用いた、13C-NMRの測定を行った。具体的な測定条件は、以下のとおりとした。
(測定条件)
13C-NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
CryoProbe(登録商標)
CPDUL
600S3-C/H-D-05Z
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl(77ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法、待ち時間2sec)
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除して、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、ウレトジオン基の合計(100モル%)に対するイソシアヌレート基とイミノオキサジアジンジオン基の合計分率で6員環構造のモル分率を求めた。
イソシアヌレート基:(148.6ppm付近の積分値)÷3
イミノオキサジアジンジオン基:(137.3ppm付近の積分値)÷1
アロファネート基:(154ppm付近の積分値)÷1
ウレトジオン構造:(157ppm付近の積分値)÷2
[物性4]
(各結合基のモル分率)
上記[物性3]と同様の方法で、得られた水系2成分型塗料組成物について、13C-NMRの測定を行い、各モル分率を求めた。
[物性5]
(溶解性パラメーター(SP値))
硬化剤が含むポリイソシアネートのSP値は以下のように測定した。
サンプル0.5gを良溶媒(アセトン)10mLに溶解した。この溶液をマグネティックスターラーで撹拌しながら貧溶媒(水及びヘキサン)を滴下し、濁点を求めた。濁点は、透明な容器に入れたサンプルを挟んで、手前から当該容器の反対側に置かれた紙に書いた文字が読めなくなった時の貧溶媒の滴下量とした。それぞれの濁点を元に、以下のようにSP値を求めた。
良溶媒(アセトン)のSP値をδg(=9.75)、高SP値の貧溶媒(水)のSP値をδph(=23.43)、低SP値の貧溶媒(ヘキサン)のSP値をδpl(=7.28)とし、高SP値側及び低SP値側の貧溶媒で滴定したときの濁点における貧溶媒の体積分率をそれぞれΦph、Φplとしたとき、濁点における混合溶媒のSP値δmh及びδmlを下記式(I)及び(II)から求め、更に目的のSP値δpolyを下記式(III)から求めた。
Figure 2023047728000005
[物性6]
(塗料揮発成分量)
水系2成分型塗料組成物の塗料揮発成分量については、GB-T23985-2009記載、8.3の方法にて測定した。
不揮発物含有量率(質量%)をω(NV)、水分含有率(質量%)、23℃においての試薬の密度をρ、23℃においての水の密度をρにとし、料揮発成分量ρ(VOC)1wを下記式から求めた。
Figure 2023047728000006
<評価方法>
[評価1]
(光沢性)
水平台上で、サンドブラスターで前処理済み鋼板に実施例及び比較例で製造された水系2成分型塗料組成物をエアスプレーで(スプレー圧:0.3MPa、スプレーノズル:1.8mm)、乾燥膜厚50±5μmとなるよう塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて、塗膜を得た。その後、光沢計(BYK社 micro-TRI-gloss))を用いて、GB-T6753.1-2007に従いて、60度光沢値を測定した。以下に示す評価基準に従い、塗膜の光沢を評価した。
評価した。
(評価基準)
◎:60度光沢値が90%以上
○:60度光沢値が85%以上90%未満
△:60度光沢値が75%以上85%未満
×:60度光沢値が75%未満
[評価2]
(鉛筆硬度)
上記「評価1」と同様の方法を用いて、各水系2成分型塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて塗膜を得た。次いで、GB-T6379-2006に従いて評価した。
[評価3]
(耐水性)
上記「評価1」と同様の方法を用いて、各水系2成分型塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて塗膜を得た。次いで、GB-T1773-1993に従いて、23℃の水中に塗膜を備える鋼板(以下、「塗板」と称する場合がある)を24時間浸漬し、表面に残った水を除いた後の塗膜の様子を観察した。以下の評価基準に従い、塗膜の耐水性を評価した。なお、以下の評価基準における「ブリスター」とは、塗膜の表面に生じる水泡や膨れのことを意味する。
(評価基準)
◎:12日以上ブリスター発生なし
○:10日でブリスター発生
△:4日でブリスター発生
×:2日未満でブリスター発生
[評価4]
(耐酸性、耐アルカリ性)
水平台上で、サンドブラスターで前処理済み鋼板に、プライマー層として、ジンクリッチエポキシ系塗料X1を乾燥膜厚80±5μmとなるようスプレー塗装した後、50℃60分乾燥した。その後、中塗り層として、エポキシ系塗料Y1を乾燥膜厚35±5μmになるようスプレー塗装した後、50℃60分乾燥した。次いで、上記「評価1」と同様の方法を用いて、各水系2成分型塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて塗膜を得た。次いで、GB-T9274-1988に従いて、23℃の酸、あるいはアルカリ水希釈液に塗膜を備える鋼板(以下、「塗板」と称する場合がある)を24時間浸漬し、表面に残った液を除いた後の塗膜の様子を観察した。以下の評価基準に従い、塗膜の耐酸性、耐アルカリ性を評価した。
(評価基準)
〇:4日以上で膨れ、変化なし
△:3日で膨れ発生
×:2日未満で膨れ発生
[評価5]
(耐塩水噴霧性)
上記「評価4」と同様の方法を用いて、プライマー、中塗り、トップコート、各水系2成分型塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて、塗板を得た。次いで、GB-T1771-2007に従いて、得られた塗板に直線カットを行い、以下に示す測定条件下で試験を行った。試験後に塗板上の塗膜の状態を確認し、以下に示す評価基準に従い、評価した。
(測定条件)
装置:Q-FOG(商品名)(Q-Lab社)
温度:35±1℃
噴霧液:5質量%中和塩水(pH6.5以上7.2以下)
噴霧時間:1000時間
(評価基準)
○:カット部の一部に錆が発生、錆幅が2mm未満
△:カット部の一部に錆が発生、錆幅が2mm以上
×:カット部全体に錆又は膨れが発生、錆幅が2mm以上
[評価6]
(耐湿熱性)
上記「評価4」と同様の方法を用いて、プライマー、中塗り、トップコート、各水系2成分型塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて、塗板を得た。次いで、GB-T1740-2007に従いて、以下に示す測定条件下で試験を行った。試験後に塗板上の塗膜の状態を確認し、以下に示す評価基準に従い、評価した。
(測定条件)
装置:QCT(商品名)(Q-Lab社)
温度:47±1℃
湿度:96±2℃
測定時間:18日
(評価基準)
○:18日で膨れ、変化なし
△:15日で膨れ、変化発生
×:10日未満で膨れ、変化発生
[評価7]
(耐候性評価)
上記「評価4」と同様の方法を用いて、プライマー、中塗り、トップコート、各水系2成分型塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させて、塗板を得た。次いで、GB-T1865-2009に従いて、以下に示す測定条件下で試験を行った。試験後に塗板上の塗膜の状態を確認し、以下に示す評価基準に従い、評価した。
(測定条件)
装置:QUV(商品名)(Q-Lab社)
照射度:0.68(W/m2/nm)
ブラックパネル温度(乾燥時):60℃
ブラックパネル温度(降雨時):40℃
降雨循環サイクル:40℃×4hr(照射なし)、60℃×4hr(照射あり)
測定時間:50日
(評価基準)
◎:60°光沢保持率:90%以上
○:60°光沢保持率:85%以上90%未満
△:60°光沢保持率:75%以上85%未満
×:60°光沢保持率:75%未満
[評価8]
(ポットライフ評価)
実施例、比較例で製造された水系2成分型塗料組成物を用いて塗料粘度、塗膜光沢にてポットライフ評価を行った。水系2成分型塗料組成物を30℃/50%RHの雰囲気下に静置し、静置直後を0時間とし、3時間後の粘度、塗膜光沢を確認した。塗料粘度は上記「物性1」と同様の方法を用いて評価を行った。塗膜光沢は上記「評価1」と同様の方法を用いて評価を行った。以下に示す評価基準に従い、ポットライフを評価した。
(評価基準)
◎:粘度倍率:200%未満
○:粘度倍率:200%以上250%未満
△:粘度倍率:250%以上300%未満
×:粘度倍率:300%以上
◎:60℃光沢保持率:90%以上
○:60℃光沢保持率:80%以上90%未満
△:60℃光沢保持率:70%以上80%未満
×:60℃光沢保持率:70%未満
<水系2成分型塗料組成物の製造>
≪硬化剤の製造≫
硬化剤として、ポリイソシアネート成分を合成した。
[合成例1:ポリイソシアネート成分a1の合成]
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部と2-エチルヘキサノール:30質量部とを仕込み、撹拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1.0質量部を加え、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.012となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液を160℃で1時間加熱し、冷却、濾過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分a1を得た。
得られたポリイソシアネート成分a1は、25℃における粘度は470mPa・s、NCO含有率は23.2質量%であった。各物性は表1のとおりであった。ポリイソシアネートの物性は、表1中「硬化剤の物性」と記載する。
[合成例2:ポリイソシアネート成分a2の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部とイソブタノール:3.0質量部を仕込み、撹拌下、反応器内温度を70℃に保持した。そこに、イソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液を1.0質量部添加し、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を行い、転化率が22質量%になった時点でリン酸を加えて反応を停止した。反応液を冷却、濾過後、薄膜蒸発缶を用いて、未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分a2を得た。
得られたポリイソシアネート成分a2は、25℃における粘度は1,100mPa・s、NCO含有率は22.9質量%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例3:ポリイソシアネート成分a3の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1.0質量部を加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.012となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液を100℃で1時間加熱し、冷却、濾過後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、ポリイソシアネート成分a3を得た。
得られたポリイソシアネート成分a3は、25℃における粘度は1,300mPa・s、NCO含有率は23.0質量%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例4:ポリイソシアネート成分b1の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:700質量部、トリメチル燐酸:150質量部、メチルセロソルブアセテート:150質量部、水:4.2質量部を仕込み、反応器内温度を160℃、1時間保持した。反応液を濾過後、薄膜蒸発缶を用いて、未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分b1を得た。
得られたポリイソシアネート成分b1は、25℃における粘度は1,800mPa・s、イソシアネート含有率は23.4質量%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例5:ポリイソシアネート成分b2の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:700質量部、トリメチル燐酸:150質量部、メチルセロソルブアセテート:150質量部、水:2.8質量部を仕込み、反応器内温度を160℃、1時間保持した。反応液を濾過後、薄膜蒸発缶を用いて、未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分b2を得た。
得られたポリイソシアネート成分b2は、25℃における粘度は1,000mPa・s、イソシアネート含有率は23.7質量%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例6:ポリイソシアネート成分b3の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部、2-エチルヘキサノール:3.2質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が40%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分b3を得た。
得られたポリイソシアネート成分b3の25℃における粘度は2700mPa・s、イソシアネート基濃度は21.7%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例7:ポリイソシアネート成分b4の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノール:5質量%に希釈した溶液:1.0質量部を加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.005となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分b4を得た。
得られたポリイソシアネート成分b4は、25℃における粘度350mPa・s、NCO含有率は23.8質量%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例8:ポリイソシアネート成分b5の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部と2-エチルヘキサノール:30質量部を仕込み、80℃で1時間撹拌してウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が16%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分b5を得た。
得られたポリイソシアネート成分b5は、25℃における粘度は450mPa・s、NCO基含有率は20.6%であった。各物性は表1のとおりであった。
[合成例9:ポリイソシアネート成分b6の合成]
合成例1と同様の装置内を窒素雰囲気にし、HDI:1,000質量部とイソブタノール:1.0質量部を仕込み、80℃で2時間撹拌して保持した。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が8%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を更に160℃、1Hr保持した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネート成分b6を得た。
得られたポリイソシアネート成分b6は、25℃における粘度は250mPa・s、NCO基含有率は20.5%であった。各物性は表1のとおりであった。
<プライマー塗料組成物の製造>
[製造例1:プライマー塗料組成物X1]
撹拌混合容器に、エポキシポリオール:50質量部(8538-Y-68、Hexion社製、不揮発分70質量%)、分散剤:4.9質量部(6208、Allnex社製)、プロピレングリコールモノメチルエーテル:21.9質量部、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート:18.0質量部、沈殿防止剤:2.5質量部、ジンク粉:650質量部(500メッシュ)を添加した。ディスパーで2500回転/分、60分間撹拌後した。その後、エポキシ硬化剤:200質量部(6520-WH-53、Hexion社製、不揮発分53質量%)を添加し、ディスパーで1000回転/分、10分間撹拌後した。最後に、脱イオン水を添加し、23℃におけるフォードカップNo.4による粘度が25秒のプライマー塗料組成物X1を得た。
<中塗り塗料組成物の製造>
[製造例2:中塗り塗料組成物Y1]
撹拌混合容器に、エポキシポリオール:200質量部(CTW-6062主剤、不揮発分60質量%、中海油常州塗料化工研究院有限公司製)、エポキシ硬化剤:20質量部(CTW-6062硬化剤、不揮発分50質量%、中海油常州塗料化工研究院有限公司製)を添加し、ディスパーで1000回転/分、10分間撹拌後した。最後に、脱イオン水を添加し、23℃におけるフォードカップNo.4による粘度が40秒の中塗り塗料組成物Y1を得た。
<顔料の製造>
[製造例3:ミルベースZ1]
SUS製カップに、脱イオン水:249質量部、顔料:700質量部(R-902、Dupont社製)、分散剤:49質量部(BYK-190、BYK Chemie社製)、消泡剤:2.0質量部(Tego Airex 902W、Evonik Industries社製)、1mm、0.5mmビーズをそれぞれ400質量部を添加した。ディスパーで3000回転/分、60分間撹拌した。その後、サンドミルで粒径が10μmまで撹拌し、ミルベースZ1を得た。
[製造例4:ミルベースZ2]
SUS製カップに、脱イオン水:350質量部、顔料:450質量部(RED F3RK 70、CLARIANT社製)、分散剤:200質量部(BYK-190、BYK Chemie社製)、消泡剤:2.0質量部(Tego Airex 901W、Evonik Industries社製)を添加し、1mm、0.5mmビーズをそれぞれ400質量部を添加した。ディスパーで3000回転/分、60分間撹拌した。その後、サンドミルで粒径が10μmまで撹拌し、ミルベースZ2を得た。
[製造例5:ミルベースZ3]
SUS製カップに、脱イオン水:270質量部、顔料:650質量部(Bayferrox 4920、LANXESS Shanghai Pigments社製)、分散剤:65質量部(BYK-190、BYK Chemie社製)、消泡剤:1.0質量部(Tego Airex 901W、Evonik Industries社製)を添加し、1mm、0.5mmビーズをそれぞれ400質量部を添加した。ディスパーで3000回転/分、60分間撹拌した。その後、サンドミルで粒径が10μmまで撹拌し、ミルベースZ3を得た。
≪樹脂分散液の製造≫
[製造例6:レットダウンP1]
SUS製カップに、水性アクリルポリオール:650質量部(Bayhydrol A2470、Covestro社製)、[製造例3]で作製されたミルベースZ1:340質量部、消泡剤:2.0質量部(BYK-024、BYK Chemie社製)、潤湿剤:2.0質量部(BYK-346、BYK Chemie社製)、レオロジー剤:3.0質量部(B299、Elmentis社製)を添加した。ディスパーで2000回転/分、30分間撹拌後し、レットダウンP1を得た。
[製造例7:レットダウンP2]
SUS製カップに、水性アクリルポリオール:800質量部(Bayhydrol A2470、Covestro社製)、[製造例4]で作製されたミルベースZ2:200質量部、消泡剤:2.0質量部(BYK-024、BYK Chemie社製)、潤湿剤:1.0質量部(BYK-346、BYK Chemie社製)、レオロジー剤:2.0質量部(B299、Elmentis社製)を添加した。ディスパーで2000回転/分、30分間撹拌後し、レットダウンP2を得た。
[製造例8:レットダウンP3]
SUS製カップに、水性アクリルポリオール:750質量部(Bayhydrol A2470、Covestro社製)、[製造例5]で作製されたミルベースZ3:250質量部、消泡剤:2.0質量部(BYK-024、BYK Chemie社製)、潤湿剤:1.0質量部(BYK-346、BYK Chemie社製)、レオロジー剤:3.0質量部(B299、Elmentis社製)を添加した。ディスパーで2000回転/分、30分間撹拌後し、レットダウンP3を得た。
[製造例9:レットダウンP4]
SUS製カップに、水性アクリルポリオール:650質量部(3AH0519W、TOD社製)、[製造例3]で作製されたミルベースZ1:340質量部、消泡剤:2.0質量部(BYK-024、BYK Chemie社製)、潤湿剤:2.0質量部(BYK-346、BYK Chemie社製)、レオロジー剤:3.0質量部(B299、Elmentis社製)を添加した。ディスパーで2000回転/分、30分間撹拌後し、レットダウンP4を得た。
[製造例10:レットダウンP5]
SUS製カップに、水性アクリルポリオール:650質量部(Setaqua6515、Allnex社製)、[製造例3]で作製されたミルベースZ1:340質量部、消泡剤:2.0質量部(BYK-024、BYK Chemie社製)、潤湿剤:2.0質量部(BYK-346、BYK Chemie社製)、レオロジー剤:3.0質量部(B299、Elmentis社製)を添加した。ディスパーで2000回転/分、30分間撹拌後し、レットダウンP5を得た。
<硬化剤配合物の製造>
[製造例11]
ガラス製ビーカーに、[合成例1]で合成したポリイソシアネート成分a1:70質量部と、プロピレングリコールジアセテート:30質量部と、を採集し、ディスパーで600回転/分、5分間撹拌し、硬化剤配合物a1-70Pを得た。
表1中、硬化剤の「a1-70P」は、ポリイソシアネート成分a1が70質量部、プロピレングリコールジアセテートが30質量部の硬化剤配合物を意味する。他の硬化剤についても同様に記載する。
[製造例12]~[製造例22]
[製造例11]と同様の製造方法で、表1にそれぞれ記載するポリイソシアネート成分と、プロピレングリコールジアセテートとを混合し、表1のそれぞれ記載する希釈率を備える硬化剤配合物を製造した。
<水系2成分型塗料組成物の製造>
[実施例1:水系2成分型塗料組成物P1-a1-70P]
[製造例6]で作製された樹脂分散液P1:690質量部(レットダウンP1)に、[製造例11]で作製された硬化剤配合物a1-70P:180質量部を、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.5となる割合で加え、脱イオン水:130質量部を添加後、ディスパーで600回転/分、10分撹拌し、水系2成分型塗料組成物P1-a1-70Pを得た。
表1中、水系2成分型塗料組成物の「P1-a1-70P」は、樹脂分散液P1と、硬化剤配合物a1-70Pとが配合されていることを意味する。他の水系2成分型塗料組成物についても同様に記載する。
P1-a1-70Pは、23℃におけるフォードカップNo.4による粘度が30秒であって。P1-a1-70Pの揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表1のとおりであった。
[実施例2]~[実施例6]
[実施例1]と同様の製造方法で、表1通り、水系2成分型塗料組成物P1-a2-70P~P1-a2-50Pを得た。その後、各水系2成分型塗料組成物の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表1のとおりであった。
[実施例7:水系2成分型塗料組成物P1-a1-1.2]
[製造例6]と同様の製造方法で、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.2の、水系2成分型塗料組成物P1-a1-1.2を得た。水系2成分型塗料組成物P1-a1-1.2の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表1のとおりであった。
[実施例8:水系2成分型塗料組成物P1-a1-1.8]
[製造例6]と同様の製造方法で、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.8の、水系2成分型塗料組成物P1-a1-1.8を得た。水系2成分型塗料組成物P1-a1-1.8の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表1のとおりであった。
[実施例9:水系2成分型塗料組成物P1-a2-1.2]
[製造例6]と同様の製造方法で、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.2の、水系2成分型塗料組成物P1-a2-1.2を得た。水系2成分型塗料組成物P1-a2-1.2の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表1のとおりであった。
[実施例10:水系2成分型塗料組成物P1-a2-1.8]
[製造例6]と同様の製造方法で、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.8の、水系2成分型塗料組成物P1-a2-1.8を得た。水系2成分型塗料組成物P1-a2-1.8の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表1のとおりであった。
[実施例11:水系2成分型塗料組成物P2-a1-70]
[製造例6]で作製された樹脂分散液P2:530質量部(レットダウン)に、[製造例6]で作製された硬化剤配合物a1-70P:165質量部を、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.5になる割合で加え、脱イオン水:185質量部を添加後、ディスパーで600回転/分、10分撹拌し、水系2成分型塗料組成物P2-a1-70Pを得た。水系2成分型塗料組成物P2-a1-70Pの揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表2のとおりであった。
[実施例12:水系2成分型塗料組成物P3-a1-70]
[製造例6]で作製された樹脂分散液P3:650質量部(レットダウン)に、[製造例6]で作製された硬化剤配合物a1-70P:190質量部を、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.5になる割合で加え、脱イオン水:167質量部を添加後、ディスパーで600回転/分、10分撹拌し、水系2成分型塗料組成物P2-a1-70Pを得た。水系2成分型塗料組成物P3-a1-70Pの揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表2のとおりであった。
[実施例13]~[実施例14]
[実施例1]と同様の製造方法で、表1通り、水系2成分型塗料組成物P4-a1-70P、P5-a1-70Pを得た。その後、各水系2成分型塗料組成物の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表2のとおりであった。
[実施例15]
[製造例6]で作製された樹脂分散液P1:690質量部(レットダウン)に、[製造例11]で作製された硬化剤配合物a2-70P:180質量部を、水酸基に対するイソシアヌレート基のモル比(NCO/OH)が1.5になる割合で加え、脱イオン水:130質量部を添加後、ディスパーで300回転/分、10分撹拌し、水系2成分型塗料組成物P1-a2-70Pを得た。水系2成分型塗料組成物P1-a2-70Pの揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表2のとおりであった。
[比較例1]~[比較例6]
[実施例1]と同様の製造方法で、表1通り、水系2成分型塗料組成物P1-b1-70P~P1-b6-70Pを得た。その後、各水系2成分型塗料組成物の揮発成分量、塗膜外観、硬度、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、ポットライフ、耐塩水噴霧、耐湿熱性、耐候性の評価結果は表2のとおりであった。
Figure 2023047728000007
Figure 2023047728000008
本実施形態の水系2成分型塗料組成物及び塗膜の製造方法によれば、ポットライフと分散性、及び塗膜としたときの外観、耐水性、耐薬品性、耐候性に優れる水系2成分型塗料組成物、さらに塗膜の製造方法を提供するができる。

Claims (6)

  1. 水に分散又は乳化された樹脂と、硬化剤と、顔料を含む水系2成分型塗料組成物であって、
    前記硬化剤は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、
    前記樹脂の水酸基価は、50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、
    前記ポリイソシアネートは、溶解性パラメーターであるSP値が8.3以上9.6以下であり、イソシアネート基に由来する6員環構造の含有量が40モル%以上80モル%以下、かつアロファネート基の含有量が1モル%以上20モル%以下であり、
    前記硬化剤は、溶剤を含まない状態での25℃における粘度が300mPa・s以上1,500mPa・s以下である、水系2成分型塗料組成物。
  2. 前記6員環構造を有する3量体のうち、イソシアヌレート構造の質量分率が最も高い、請求項1に記載の水系2成分型塗料組成物。
  3. イソシアネート基由来の構造の合計量に対する、ウレトジオン構造の含有量が1.0モル%以上、15.0モル%以下である、請求項1又は2に記載の水系2成分型塗料組成物。
  4. 水を含まない状態での揮発成分の含有量が、前記水系2成分型塗料組成物として50g/L以上、250g/L以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水系2成分型塗料組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の水系2成分型塗料組成物をエアスプレーにより被塗物上に塗装して塗膜を形成する、塗膜の製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の水系2成分型塗料組成物を塗装した物品。
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