JP2023046070A - フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023046070A
JP2023046070A JP2021154764A JP2021154764A JP2023046070A JP 2023046070 A JP2023046070 A JP 2023046070A JP 2021154764 A JP2021154764 A JP 2021154764A JP 2021154764 A JP2021154764 A JP 2021154764A JP 2023046070 A JP2023046070 A JP 2023046070A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
stainless steel
ferritic stainless
content
welded structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021154764A
Other languages
English (en)
Inventor
善一 田井
Zenichi Tai
佳幸 藤村
Yoshiyuki Fujimura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Stainless Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Stainless Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Stainless Steel Corp filed Critical Nippon Steel Stainless Steel Corp
Priority to JP2021154764A priority Critical patent/JP2023046070A/ja
Publication of JP2023046070A publication Critical patent/JP2023046070A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

【課題】耐食性及び耐熱性、特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を提供する。【解決手段】母材及び溶接金属部を含むフェライト系ステンレス鋼溶接構造体である。母材は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する。溶接金属部は、質量基準で、Al:0.10~1.00%、Cr:15.00~24.00%を含み、C及びNの合計固溶量が0.015質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置に関する。
近年の世界的なCO2排出抑制の取り組みを受け、排熱を有効利用する取り組みが広がっている。例えば、排気ガスから熱エネルギーを回収する技術として、自動車の排気系部品、プラント、家庭用エネルギー機器などにおいて多くの熱交換器が用いられており、今後もその利用が拡大することが期待されている。
熱交換器に利用される排気ガスは、例えば、ガソリンやLPG(液化石油ガス)の燃焼排気ガスなどであり、高温(約400℃~約750℃)であるとともに、多くの水蒸気を含む酸化性ガスである。したがって、熱交換器には、このような環境に対する耐性(耐熱性及び耐食性)が要求されるため、ステンレス鋼材が素材として用いられている。
また、熱交換器は、低温(常温~約90℃)から高温(約400℃~約750℃)の温度差にも曝される。特に、熱交換器が大型になると、温度差による熱応力が大きくなって、変形し易くなる。そのため、熱交換器には、熱膨張が小さいフェライト系ステンレス鋼材が素材として用いられることが多い。
ステンレス鋼材は、表面にCr酸化皮膜を形成することにより、優れた耐食性を有する。しかしながら、高温且つ水蒸気を多く含むような酸化性の強い環境下では、Cr酸化物の成長が早く、また、Cr酸化物が6価のCrとなって飛散するCr蒸発も生じる。
そこで、高温且つ水蒸気を多く含むような酸化性の強い環境下で用いられるステンレス鋼材には、表面にAl酸化物(Al23)を形成することができるフェライト系ステンレス鋼材が用いられている。
例えば、特許文献1には、Cr:11~22質量%、C:0.03質量%以下、N:0.03質量%以下、Mn:1.5質量%以下、S:0.008質量%以下、Si:2質量%以下、Al:1.0~6.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼材が提案されている。
また、特許文献2には、質量%で、C:0.03%以下、Si:3%以下、Mn:1.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:0.5%以下、Cr:11~21%、Al:6%以下、Cu:0.01~0.5%、Mo:0.01~0.5%、Nb:0.1%以下、Ti:0.005~0.50%、Sn:0.001~0.1%、N:0.03%以下、O:0.002%以下、H:0.00005%以下、Pb:0.01%以下を含み、残部がFe及び不可避的不純物の組成を有するフェライト系ステンレス鋼材が提案されている。
さらに、特許文献3には、C:0.03質量%以下と、Si:0.5質量%以下と、Mn:1.0質量%以下と、P:0.04質量%以下と、S:0.01質量%以下と、Ni:0.6質量%以下と、Cr:15~20質量%と、N:0.03質量%以下と、Ti:0.5質量%以下と、B:0.0005~0.003質量%と、Al:1.5質量%以上4.0質量%未満と、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼材が提案されている。
特開2009-167443号公報 特開2012-012674号公報 特開2011-179088号公報
フェライト系ステンレス鋼材の耐食性及び耐熱性は、フェライト系ステンレス鋼材中に固溶したC及びNの量と関係する。固溶したC及びNは、Crと結合してCrの炭化物や窒化物(以下、「炭窒化物」という)を形成し、粒界に優先的に析出する。Crの炭窒化物が析出した周囲はCrが欠乏した鋭敏化と呼ばれる状態となり、高温且つ水蒸気を多く含むような酸化性の強い環境に曝されると、腐食が著しく進行する。また、Crが欠乏した部分にはCr酸化物やAl酸化物が形成されず、Feが継続的に酸化してしまうため、耐熱性も担保できない。そのため、フェライト系ステンレス鋼材中のC及びNの含有量を極力低減するとともに、C及びNと優先的に結合するTiやNbなどの元素を添加して炭窒化物を形成させることでC及びNの固溶量を低減することが有効である。
また、熱交換器などを含む排熱回収装置は、フェライト系ステンレス鋼材に対して溶接などの加工処理を施すことによって製造される。溶接を行うと、溶接金属部では、TiやNbの炭窒化物が固溶してC及びNの固溶量が増大する。上記のようなC及びN含有量を極めて低いレベルに制御したフェライト系ステンレス鋼材では、溶接後の自然冷却によってTiやNbの炭窒化物が再度形成されるため、C及びNの固溶量は低いレベルのままとなり、鋭敏化による耐食性及び耐熱性の低下を抑制することができる。しかしながら、Alを含む特許文献1~3に記載のフェライト系ステンレス鋼材は、Ti及びNbの拡散が遅いため、溶接後の自然冷却ではTiやNbの炭窒化物が再度形成され難く、C及びNの固溶量が増大する。これは拡散速度による影響が大きいため、TiやNbの過剰添加によって解決できるものではない。逆に、TiやNbを過剰添加すると、TiO2などの介在物増加によって表面品質や靭性の低下を招いてしまう。このように特許文献1~3は、フェライト系ステンレス鋼材を溶接して得られるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体において、溶接金属部の耐食性及び耐熱性が低下する問題について何ら認識していない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、耐食性及び耐熱性(特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性)に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、並びに排熱回収装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐食性及び耐熱性(特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性)に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を製造するのに適した溶接材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、母材及び溶接金属部を含むフェライト系ステンレス鋼溶接構造体について鋭意研究を行った結果、母材の組成、並びに溶接金属部のAl及びCrの含有量、C及びNの合計固溶量を制御することにより、上記の問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、特定の組成を有するフェライト系ステンレス鋼材を母材とし、特定の組成を有する溶接材料を用いてアーク溶接を行うことにより、上記のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、母材及び溶接金属部を含むフェライト系ステンレス鋼溶接構造体であって、
前記母材は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
前記溶接金属部は、質量基準で、Al:0.10~1.00%、Cr:15.00~24.00%を含み、C及びNの合計固溶量が0.015質量%以下である、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体である。
また、本発明は、フェライト系ステンレス鋼材を母材とし、溶接材料を用いてアーク溶接を行うフェライト系ステンレス鋼溶接構造体の製造方法であって、
前記フェライト系ステンレス鋼材は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
前記溶接材料は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:2.00%以下、Al:0.50%以下、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する製造方法である。
また、本発明は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼材を母材として用いるアーク溶接用の溶接材料であって、
質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:2.00%以下、Al:0.50%以下、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する溶接材料である。
さらに、本発明は、前記フェライト系ステンレス鋼溶接構造体を備える排熱回収装置である。
本発明によれば、耐食性及び耐熱性(特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性)に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、並びに排熱回収装置を提供することができる。
また、本発明によれば、耐食性及び耐熱性(特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性)に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を製造するのに適した溶接材料を提供することができる。
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の模式的な部分拡大断面図である。
以下、上記の観点に基づいて完成された本発明の実施形態について具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し変更、改良などが適宜加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
なお、本明細書において成分に関する「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、母材及び溶接金属部を含む。このフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、フェライト系ステンレス鋼材を母材とし、溶接材料を用いてアーク溶接を行うことによって製造される。
ここで、本明細書において「フェライト系」とは、常温で金属組織が主にフェライト相であるものを意味する。したがって、「フェライト系」にはフェライト相以外の相(例えば、オーステナイト相やマルテンサイト相など)が僅かに含まれるものも包含される。また、「ステンレス鋼材」とは、ステンレス鋼から形成される材料のことを意味し、その材形は特に限定されない。材形の例としては、板状(帯状を含む)、棒状、管状などが挙げられる。また、材料は、断面形状がT形、I形などの各種形鋼であってもよい。さらに、「溶接材料」とは、溶接の際に母材を接着させるために用いられる材料(溶加材)を意味する。溶接材料は、典型的にステンレス鋼から形成され、その形状は特に限定されず、棒状、線状、帯状、板状などにすることができる。溶接材料は、溶接方法に応じて適宜選択すればよいが、その具体例としては、TIG溶接棒、ガスシールドアーク用ソリッドワイヤ、帯状電極、表面にフラックスを塗装した被覆アーク溶接棒、フラックスを鋼板で巻いたガスシールドアーク用フラックス入りワイヤなどが挙げられる。
図1は、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の模式的な部分拡大断面図を示す。
図1に示されるように、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体(100)は、母材(10)及び溶接金属部(30)を含む。また、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体(100)は、母材(10)と溶接金属部(30)との間に熱影響部(20)を更に含む。
ここで、「母材」とは、溶接の影響を受けない部分を意味する。また、「熱影響部」とは、溶接の影響によって溶融しないものの熱影響を受ける部分(HAZとも称される)のことを意味する。また、「溶接金属部」とは、溶接の影響によって溶融して再凝固する部分のことを意味する。
母材は、溶接の影響を受けないため、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の素材であるフェライト系ステンレス鋼材と同じ組成及び金属組織を有する。
母材(フェライト系ステンレス鋼材)は、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する。
ここで、本明細書において「不純物」とは、ステンレス鋼材を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップなどの原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。例えば、不純物には、不可避的不純物も含まれる。
また、母材(フェライト系ステンレス鋼材)は、必要に応じて、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
また、母材(フェライト系ステンレス鋼材)は、必要に応じて、REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
さらに、母材(フェライト系ステンレス鋼材)は、必要に応じて、Sn:0.10%以下、B:0.0100%以下から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
なお、以下の各元素の説明において、「母材」という場合には、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の母材だけでなく、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の製造に用いられるフェライト系ステンレス鋼材も含まれる。
(C:0.100%以下)
Cは、母材の耐粒界腐食性(鋭敏化抑制作用)及びフェライト系ステンレス鋼材の加工性などの特性に影響を与える元素である。Cの含有量が多すぎると、母材の耐粒界腐食性及びフェライト系ステンレス鋼材の加工性が低下してしまう。そのため、Cの含有量の上限値は、0.100%、好ましくは0.080%、より好ましくは0.050%である。一方、Cの含有量の下限値は、特に限定されないが、Cの含有量を少なくすることは精練コストの上昇につながる。そのため、Cの含有量の下限値は、好ましくは0.0005%、より好ましくは0.001%である。
(Mn:1.00%以下)
Mnは、脱酸元素として有用な元素である。Mnの含有量が多すぎると、腐食起点となるMnSを生成し易くなるとともに、フェライト相を不安定化させる。そのため、Mnの含有量の上限値は、1.00%、好ましくは0.90%、より好ましくは0.80%である。一方、Mnの含有量の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.01%、より好ましくは0.05%である。
(Ni:1.00%以下)
Niは、母材の耐食性及び溶接金属部の靭性を向上させるのに有効な元素である。Niの含有量が多すぎると、フェライト相が不安定化するとともに、製造コストも上昇する。そのため、Niの含有量の上限値は、1.00%、好ましくは0.80%、より好ましくは0.60%である。一方、Niの含有量の下限値は、特に限定されないが、上記の効果を得る観点から、好ましくは0.01%、より好ましくは0.05%である。
(P:0.100%以下)
Pは、フェライト系ステンレス鋼材の溶接性や加工性などの特性に影響を与える元素である。Pの含有量が多すぎると、上記の特性が低下する恐れがある。そのため、Pの含有量の上限値は、0.100%、好ましくは0.080%、より好ましくは0.050%である。一方、Pの含有量の下限値は、特に限定されないが、Pの含有量を少なくすることは精練コストの上昇につながる。そのため、Pの含有量の下限値は、好ましくは0.001%、より好ましくは0.010%である。
(S:0.050%以下)
Sは、腐食起点となるMnSを生成し、溶接金属部の靭性に影響を与える元素である。Sの含有量が多すぎると、溶接金属部の靭性が低下する恐れがある。そのため、Sの含有量の上限値は、0.050%、好ましくは0.040%、より好ましくは0.030%である。一方、Sの含有量の下限値は、特に限定されないが、Sの含有量を少なくすることは精練コストの上昇につながる。そのため、Sの含有量の下限値は、好ましくは0.0001%、より好ましくは0.0005%である。
(Cr:15.00~24.00%)
Crは、母材の耐食性及び耐酸化性を向上させるのに有効な元素である。Crの含有量が多すぎると、母材の靭性が低下するとともに、製造コストの上昇につながる。そのため、Crの含有量の上限値は、24.00%、好ましくは23.50%、より好ましくは23.00%である。一方、Crの含有量が少なすぎると、上記の効果が十分に得られないことがある。そのため、Crの含有量の下限値は、15.00%、好ましくは15.50%、より好ましくは16.00%である。
(N:0.100%以下)
Nは、母材の耐粒界腐食性(鋭敏化抑制作用)、及びフェライト系ステンレス鋼材の加工性などの特性に影響を与える元素である。Nの含有量が多すぎると、母材の耐粒界腐食性及びフェライト系ステンレス鋼材の加工性が低下してしまう。そのため、Nの含有量の上限値は、0.100%、好ましくは0.050%、より好ましくは0.030%である。一方、Nの含有量の下限値は、特に限定されないが、Nの含有量を少なくすることは精練コストの上昇につながる。そのため、Nの含有量の下限値は、好ましくは0.0005%、より好ましくは0.001%である。
(Cu:1.00%以下)
Cuは、母材の耐食性を向上させるのに有効な元素である。Cuの含有量が多すぎると、フェライト相が不安定化するとともに、製造コストも上昇する。そのため、Cuの含有量の上限値は、1.00%、好ましくは0.70%、より好ましくは0.30%である。一方、Cuの含有量の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.001%、より好ましくは0.01%である。
(Mo:1.00%以下)
Moは、母材の耐食性及び耐酸化性を向上させるのに有効な元素である。Moの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の加工性が低下するとともに、製造コストが上昇する。そのため、Moの含有量の上限値は、1.00%、好ましくは0.80%、より好ましくは0.50%である。一方、Moの含有量の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.001%、より好ましくは0.005%である。
(Si:3.00%以下)
Siは、母材の耐食性を向上させるのに有効な元素である。Siの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の加工性及び溶接金属部の靭性が低下する。そのため、Siの含有量の上限値は、3.00%、好ましくは2.50%、より好ましくは2.00%である。一方、Siの含有量の下限値は、特に限定されないが、上記の効果を得る観点から、好ましくは0.01%、より好ましくは0.05%、更に好ましくは0.10%である。
(Al:0.80~5.00%)
Alは、Siと同様に、母材の耐食性を向上させるのに有効な元素である。Alの含有量が多すぎると、母材の靭性が低下する。そのため、Alの含有量の上限値は、5.00%、好ましくは4.50%、より好ましくは4.00%である。一方、Alの含有量の下限値は、上記の効果を得る観点から、0.80%、好ましくは1.00%、より好ましくは1.20%である。
(Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下、Nb及びTiの合計含有量:6(C+N)以上)
Nb及びTiは、母材の耐粒界腐食性(鋭敏化抑制作用)などの特性に影響を与える元素である。
Nbの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の加工性及び母材の靭性が低下する。そのため、Nbの含有量の上限値は、0.50%、好ましくは0.48%、より好ましくは0.45%である。
また、Tiの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の加工性及び表面品質が低下する。そのため、Tiの含有量の上限値は、0.50%、好ましくは0.48%、より好ましくは0.45%である。
一方、Nb及びTiの合計含有量の下限値は、耐粒界腐食性を低下させるC及びNの含有量との関係から制御される。具体的には、Nb及びTiの合計含有量の下限値は、6(C+N)、好ましくは7(C+N)である。ここで、C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す。
(Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下)
Zr、Co、V及びWは、母材の耐酸化性を向上させるのに有効な元素である。Zr、Co、V及びWの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の加工性及び母材の靭性が低下するとともに、製造コストの上昇につながる。そのため、Zr、Co、V及びWの含有量の上限値はいずれも、1.00%、好ましくは0.80%、より好ましくは0.60%である。一方、Zr、Co、V及びWの含有量の下限値はいずれも、特に限定されないが、好ましくは0.001%、より好ましくは0.01%である。
(REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下)
REM(希土類元素)及びCaは、母材の耐酸化性を向上させるのに有効な元素である。REM及びCaの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の製造コストの上昇につながる。そのため、REM及びCaの含有量の上限値はいずれも、0.10%、好ましくは0.08%、より好ましくは0.05%である。一方、REM及びCaの含有量の下限値はいずれも、特に限定されないが、好ましくは0.0001%、より好ましくは0.003%である。
なお、REMは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。これらは単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
(Sn:0.10%以下)
Snは、母材の耐食性を向上させるのに有効な元素である。Snの含有量が多すぎると、Snが偏析し、製造性が低下する。そのため、Snの含有量の上限値は、0.10%、好ましくは0.08%、より好ましくは0.05%である。一方、Snの含有量の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.001%、より好ましくは0.005%である。
(B:0.0100%以下)
Bは、フェライト系ステンレス鋼材の二次加工性を向上させるのに有効な元素である。Bの含有量が多すぎると、フェライト系ステンレス鋼材の疲労強度が低下する。そのため、Bの含有量の上限値は、0.0100%、好ましくは0.0080%、より好ましくは0.0050%である。一方、Bの含有量の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.0001%、より好ましくは0.0005%である。
溶接金属部は、Al:0.10~1.00%、Cr:15.00~24.00%を含む。
溶接金属部においてAlの含有量が多すぎると、TiやNbの炭窒化物が形成され難くなる。その結果、溶接後の冷却でC及びNの固溶量が増えるため、鋭敏化が生じてしまう。そのため、TiやNb炭窒化物の形成速度を向上させ、溶接後の冷却でC及びNの固溶量を低減する観点から、溶接金属部におけるAlの含有量の上限値は、1.00%、好ましくは0.90%、より好ましくは0.80%である。このような上限値とすることにより、溶接金属部における鋭敏化が抑制され、溶接金属部の耐食性及び耐熱性を向上させることが可能となる。一方、溶接金属部においてAlの含有量が少なすぎると、溶接金属部の耐熱性が低下してしまう。そこで、溶接金属部におけるAlの含有量の下限値は、0.10%、好ましくは0.15%、より好ましくは0.20%である。このような下限値とすることにより、溶接金属部における耐熱性を確保することができる。
溶接金属部においてCrの含有量が少なすぎると、耐熱性が低下する。そのため、溶接金属部におけるCr含有量の下限値は、15.00%、好ましくは15.5%、より好ましくは16.0%である。このような下限値とすることにより、溶接金属部における耐熱性を確保することができる。一方、溶接金属部においてCrの含有量が多すぎると、溶接金属部の靭性が低下するとともに、製造コストの上昇につながる。そのため、溶接金属部におけるCr含有量の上限値は、24.00%、好ましくは23.50%、より好ましくは23.00%である。このような上限値とすることにより、製造コストの上昇を抑えつつ、溶接金属部における靭性を確保することができる。
溶接金属部は、C及びNの合計固溶量が0.015%以下、好ましくは0.014%以下である。C及びNの合計固溶量を0.015%以下とすることにより、高温環境下において固溶したC及びNがCrと結合してCr炭窒化物が析出することを抑制することができる。したがって、高温環境下における溶接金属部の靭性を向上させるとともに、鋭敏化を抑制することができる。
なお、C及びNの合計固溶量の下限値は、特に限定されないが、典型的に0.0001%、好ましくは0.0005%、より好ましくは0.001%である。
なお、本明細書においてC及びNの合計固溶量とは、後述の実施例に記載された方法で算出されたものを意味する。また、C及びNの固溶量を個別に算出することは難しいため、本発明では、C及びNの合計固溶量を便宜的に算出している点に留意すべきである。
一般的に、Alを含むフェライト系ステンレス鋼材を用いて製造されたフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、溶接金属部における鋭敏化を抑制するために、溶接後に熱処理を行うことで、TiやNbの炭窒化物を析出させ、C及びNの固溶量を低減することが必要となる。しかしながら、熱処理は、炉温や冷却速度の詳細な制御が必要であるため、製造コストが増加する。また、熱処理時に変形が生じることがあるとともに、サイズが大きくなると熱処理を実施すること自体も難しい。
これに対して本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、溶接後に熱処理を行わなくても、溶接金属部における鋭敏化を抑制することができる。
溶接後に熱処理を行わない本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、Al:30%未満を含む酸化皮膜を表面(母材、熱影響部及び溶接金属部の表面)に備える。この酸化皮膜におけるAlの含有量は、20%以下であることが好ましい。
ここで、本明細書において酸化皮膜中のAlの含有量は、後述する実施例に記載された方法で測定されたものを意味する。
ただし、発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、溶接後に熱処理を行ってもよい。溶接後に熱処理を行う本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、Al:30質量%以上を含む酸化皮膜を表面に備える。このような酸化皮膜を表面に設けることにより、耐高温酸化性を向上させることができる。この酸化皮膜におけるAlの含有量は、耐高温酸化性を安定して高める観点から、好ましくは32%以上、より好ましくは35%以上である。一方、Alの含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば90%、好ましくは80%である。
本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、上記の組成を有するフェライト系ステンレス鋼材を母材として用い、溶接材料を用いてアーク溶接を行うことによって製造することができる。
上記の組成を有するフェライト系ステンレス鋼材は、常法によって製造することができる。具体的には、まず、上記の組成を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製して鍛造又は鋳造した後、熱間圧延を行って熱延材を得る。次に、熱延材に対して焼鈍、酸洗、冷間圧延を順次行って冷延材を得る。次に、冷延材に対して焼鈍及び酸洗を順次行って冷延焼鈍材を得る。なお、各工程における条件については、ステンレス鋼の組成などに応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。このような方法で作製される熱延材、冷延材又は冷延焼鈍材をフェライト系ステンレス鋼材として用いることができる。これらの中でもフェライト系ステンレス鋼材は冷延焼鈍材であることが好ましい。また、熱延材、冷延材又は冷延焼鈍材は、所定の部材形状に成形加工を行ってもよい。成形加工としては、金型を用いた各種プレス加工、曲げ加工などの機械加工などが挙げられる。
なお、各工程における条件については、フェライト系ステンレス鋼材の組成に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。
アーク溶接用の溶接材料は、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:2.00%以下、Al:0.50%以下、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する。
また、このアーク溶接用の溶接材料は、必要に応じて、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下、REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下、Sn:0.10%以下、B:0.0100%以下から選択される少なくとも1種を更に含んでもよい。
アーク溶接用の溶接材料は、上記のように、母材として用いられるフェライト系ステンレス鋼材と同成分系の類似する組成を有する。
また一般的に、Alを含むフェライト系ステンレス鋼材を母材として用いてアーク溶接を行う場合、溶接金属部の耐熱性が低下することを抑制するため、Alの含有量が母材と同等又はそれよりも多い組成を有する溶接材料が用いられる。これに対して、本発明の実施形態で用いられるアーク溶接用の溶接材料は、溶接金属部のAlの含有量を低減するために母材よりもAl含有量が少ない組成を有する。すなわち、溶接金属部におけるAlの含有量(0.10~1.00%)を考慮し、アーク溶接用の溶接材料は、Alの含有量が0.50%以下に制御される。
さらに、溶接金属部においてCrの含有量が少なすぎると耐熱性が低下するため、溶接金属部におけるCrの含有量(15.00~24.00%)を考慮し、アーク溶接用の溶接材料は、Crの含有量が15.00~24.00%に制御される。
アーク溶接用の溶接材料は、常法によって製造することができる。例えば、溶接材料が棒状(線状)である場合、上記の組成を有するステンレス鋼を溶製し、熱間圧延を行って熱延棒材(熱延線材)を得る。次に、熱延棒材に対して焼鈍及び酸洗を行った後、伸線加工を行い、焼鈍及び酸洗を行うことによって溶接材料を得ることができる。
アーク溶接は、上記の組成を有する溶接材料を用いて行われる。アーク溶接は、複数のフェライト系ステンレス鋼材同士を溶接してもよいし、フェライト系ステンレス鋼材を他の材質の金属材に溶接してもよい。
アーク溶接の種類としては、特に限定されず、TIG溶接、プラズマアーク溶接などが挙げられる。
アーク溶接の条件は、アーク溶接の種類やフェライト系ステンレス鋼材の組成などに応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。
本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、アーク溶接後に熱処理を行わなくても、溶接金属部における鋭敏化を抑制することができる。そのため、アーク溶接後に熱処理を行わなくてもよい。
しかしながら、本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体の耐高温酸化性を向上させるために、アーク溶接後に熱処理を行ってもよい。
熱処理の条件は、特に限定されないが、2×10-5Pa以上の酸素分圧下、1000℃以上の温度域でフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を1分以上加熱することが好ましい。なお、熱処理雰囲気中の酸素以外の気体は、特に限定されず、水素、アルゴンなどを用いることができる。また、熱処理は、例えば、加熱炉を用いて行うことができる。加熱炉の形態は、バッチ式であっても連続式であっても構わない。
また、熱処理後、900~750℃の温度域で5分以上保持されるようにして冷却することが好ましい。900~750℃の温度域で5分以上保持するためには、例えば、900~750℃の温度域での冷却速度を30℃/分以下とすればよい。また、900~750℃の温度域の任意の一定温度で5分以上保持した後、30℃/分を超える冷却速度で750℃未満の温度域まで冷却してもよい。
本発明の実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、耐食性及び耐熱性に優れているため、これらの特性が要求される各種用途で用いることができる。用途の例としては、自動車の排気系部品、プラント、家庭用エネルギー機器などに用いられる熱交換器を含む排熱回収装置が挙げられる。
本発明の実施形態に係るアーク溶接用の溶接材料は、上記の組成を有するフェライト系ステンレス鋼材を母材として用いるアーク溶接に用いられるものであり、上記の組成を有する。このような特徴を有する本発明の実施形態に係るアーク溶接用の溶接材料は、アーク溶接時に溶接金属部における鋭敏化を抑制し、溶接金属部の耐食性及び耐熱性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る排熱回収装置は、上記のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を備える。このような特徴を有する本発明の実施形態に係る排熱回収装置は、溶接金属部の耐食性及び耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を備えているため、その性能を向上させることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明の内容を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
<フェライト系ステンレス鋼板(母材)の作製>
表1に示す組成(残部はFe及び不純物である)を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製し、熱間圧延して厚さ3.0mmの熱延板を得た後、熱延板を1050℃で焼鈍して酸洗することによって熱延焼鈍板を得た。次に、熱延焼鈍板を冷間圧延して厚さ1.5mmの冷延板を得た後、冷延板を1000℃で仕上焼鈍して酸洗することによって冷延焼鈍板を得た。次に、冷延焼鈍板から幅方向50mm×圧延方向500mmの試験片を切削によって切り出した。
Figure 2023046070000001
<溶接材料(溶接棒)の作製>
表2に示す組成を有するフェライト系ステンレス鋼を溶製し、熱間圧延を行って直径5.5mmの熱延線材を得た後、熱延線材を1050℃で焼鈍して酸洗することによって熱延焼鈍線材を得た。次に、熱延焼鈍線材を直径1.5mmに伸線加工した後、1050℃で焼鈍して酸洗し、530mmの長さに切断して溶接材料とした。
Figure 2023046070000002
<フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の作製>
上記のフェライト系ステンレス鋼板を2枚用い、それらの長辺側に60°の開先加工を施した後、両者を突き合わせるとともに、その間に上記の溶接材料を挟み、TIG溶接を行った。溶接条件は、溶接電流を180A、溶接速度を50cm/分、電極の直径を2.4mm、電極間距離を1.0mmとした。使用したフェライト系ステンレス鋼板及び溶接材料の種類は表3に示す。
一部の実施例については、TIG溶接後に熱処理を行った。熱処理は、溶接構造体を真空炉に入れ、加熱温度1025℃、加熱時間5分、酸素分圧5×10-4Paとして行った後、900~750℃の温度域での冷却速度を5℃/分として冷却した。なお、酸素分圧は、真空炉内の圧力を変えることによって制御した。また、冷却速度は、真空炉内への冷却用窒素ガスの導入量によって制御した。
このようにして得られたフェライト系ステンレス鋼溶接構造体について以下の評価を行った。
<溶接金属部におけるAl及びCrの含有量>
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体から溶接金属部が中央に位置するように30mm角の測定用試験片を切り出し、測定用試験片の全面を#600湿式研磨した後、アセトンで脱脂した。次に、JIS K0144:2001に準拠し、グロー放電発光分光法(GD-OES)を用いて深さ方向の成分濃度の分析を行った。この分析で得られた深さ方向の成分濃度プロファイルにおいて、O(酸素)濃度が最大値の10分の1となる位置のAl及びCr濃度を溶接金属部におけるAl及びCrの含有量とした。
<溶接金属部におけるC及びNの合計固溶量>
まず、Ti及びNbの炭窒化物の生成量を以下の手順によって測定した。
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体から溶接金属部が中央に位置するように50mm角の測定用試験片を切り出した後、測定用試験片の全面に#600湿式研磨を施した。この測定用試験片を、SPEED法を用いて電解エッチングした。電解エッチングは、10%のアセチルアセトン溶液中、400mVで電気量が5000クーロンになるまで定電位電解を行い、電解後の溶液を格子径0.05μmのフィルターでろ過して炭窒化物を採取した。そして、質量測定によって溶解量及び採取炭窒化物量を求めた。
次に、採取した炭窒化物について、X線回折(XRD)分析を行った。XRD分析では、XRDプロファイルからTi炭窒化物及びNb炭窒化物それぞれのピーク強度の和を求めた。以下、Ti炭窒化物のピーク強度の和を「Ti炭窒化物ピーク強度」、Nb炭窒化物のピーク強度の和を「Nb炭窒化物ピーク強度」という。なお、計算に用いた各炭窒化物のピーク位置(回折角度2θ)は、以下の通りである。
Ti炭窒化物~TiC:48.838°、TiN:49.895°
Nb炭窒化物~NbC:40.557°、NbN:41.307°
次に、Ti炭窒化物及びNb炭窒化物の形成に使用されたC及びNの消費量(以下、「消費C+N量」という)を以下の式によって算出した。
消費C+N量[質量%]=採取炭窒化物量[g]×(0.21×Ti炭窒化物ピーク強度+0.12×Nb炭窒化物ピーク強度)/(Ti炭窒化物ピーク強度+Nb炭窒化物ピーク強度)/溶解量[g]×100
次に、C及びNの合計含有量[質量%]から消費C+N量[質量%]を引くことによってC及びNの合計固溶量[質量%]を算出した。
<酸化皮膜中のAl濃度>
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体から50mm角の測定用試験片を切り出し、その表面をアセトンで脱脂した。次に、JIS K0144:2001に準拠し、グロー放電発光分光法(GD-OES)を用いて深さ方向の成分濃度の分析を行った。この分析で得られた深さ方向の成分濃度プロファイルにおいて、O(酸素)濃度が最大値の4分の3となる位置のAl、Fe及びCr濃度を求め、以下の式によって酸化皮膜中のAl濃度を求めた。
酸化皮膜中のAl濃度[質量%]=Al濃度/(Fe濃度+Cr濃度+Al濃度)×100
<溶接金属部の鋭敏化>
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体の実際の使用環境を考慮し、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体について、エレマ電気炉を用い、水分濃度が25体積%の大気雰囲気下、600℃で100時間加熱する使用環境模擬熱処理を行った。
次に、使用環境模擬熱処理を行ったフェライト系ステンレス鋼溶接構造体から溶接金属部が中央に位置するように50mm角の測定用試験片を切り出した後、測定用試験片の全面に#600湿式研磨を施した。次に、この測定用試験片について、JIS G0575:2012に規定されるステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法に準拠し、フラスコ底面に銅の粒を敷き詰めた後、15.7%硫酸/5.5%硫酸銅水溶液400mLと測定用試験片を入れてホットプレートで加熱した。そして、20時間沸騰状態を保持した後、測定用試験片を取り出して水洗し、乾燥させた。
次に、万能試験機(株式会社島津製作所製UH-300kNI)を用い、溶接方向と垂直な方向に1t曲げを測定用試験片に施し、曲げ頂部を光学顕微鏡で観察した。この観察の結果、粒界に沿って割れが発生したものを×(鋭敏化あり)、割れの発生が無かったものを○(鋭敏化なし)と評価した。
<溶接金属部の耐食性>
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体に対し、上記と同様にして使用環境模擬熱処理を行った。
次に、使用環境模擬熱処理を行ったフェライト系ステンレス鋼溶接構造体から溶接金属部が中央に位置するように幅方向50mm×圧延方向100mmの測定用試験片を切り出した後、測定用試験片の両表面に#600湿式研磨を施した。次に、測定用試験片の3つの側面(幅方向の側面1つを除く)を樹脂(信越シリコーン株式会社製の一液縮合型RTVゴムKE44)で被覆した。次に、70mm×150mmのベークライト板の上に20mmφ×10mmのポリエチレン製チューブ2個を接着し、その上に測定用試験片の樹脂で被覆されていない側面を配置して接着した。このようにして得られたサンプルに対して塩乾湿複合サイクル試験(CCT)を行った。サンプルは、測定用試験片の表面が水平面に対して75°、且つ測定用試験片の樹脂で被覆されていない側面が下部となるようにしてCCT装置に配置し、5%塩水噴霧(35℃、2時間)、乾燥(60℃、25%RH、4時間)、湿潤(50℃、95%RH、2時間)を1サイクルとして30サイクル行った。その後、サンプルを水洗及び乾燥し、測定用試験片の表面における溶接金属部の発銹面積率を評価した(JIS G0595:2004に準拠)。この評価において、レイティングナンバ(RN)が5以上(発銹面積率が15%以下に相当)であれば耐食性に優れ、RNが5未満であれば耐食性が劣ると判断することができる。
<溶接金属部の耐熱性>
フェライト系ステンレス鋼溶接構造体から溶接金属部が中央に位置するように50mm角の測定用試験片を切り出し、測定用試験片の全面を#600湿式研磨した後、アセトンで脱脂した。次に、測定用試験片の長さ、幅、厚みをマイクロメーターで測定して表面積を求めるとともに質量測定を行った。
次に、上記と同様にして使用環境模擬熱処理を行った後、質量測定を行った。そして、以下の式により、酸化増量を求めた。
酸化増量[mg/cm2]=(使用環境模擬熱処理後の測定用試験片の質量[mg]-使用環境模擬熱処理前の測定用試験片の質量[mg])/表面積[cm2
この評価において、酸化増量が1.0mg/cm2以下であれば耐熱性に優れ、1.0mg/cm2超過であれば耐熱性が劣ると判断することができる。
上記の各評価結果を表3に示す。
Figure 2023046070000003
表3に示されるように、母材の組成、並びに溶接金属部のAl及びCrの含有量、C及びNの合計固溶量が所定の範囲を満たす実施例1~7は、溶接金属部の鋭敏化を抑制することができ、耐食性及び耐熱性が良好であった。
これに対して比較例1は、溶接材料のAl含有量が多すぎたため、溶接金属部のAl含有量も多くなってしまった。その結果、溶接金属部におけるC及びNの合計固溶量が増えてしまったため、鋭敏化が生じ、耐食性が低下してしまった。
比較例2は、溶接材料のCr含有量が少なすぎたため、溶接金属部のCr含有量も少なくなってしまった。その結果、溶接金属部の耐熱性が低下してしまった。
比較例3は、溶接材料のNb及びTiの合計量が少なすぎたため、溶接金属部におけるC及びNの合計固溶量が増えてしまった。その結果、鋭敏化が生じ、耐食性が低下してしまった。
比較例4は、母材のCr含有量が少なすぎたため、溶接金属部のCr含有量も少なくなってしまった。その結果、溶接金属部の耐熱性が低下してしまった。
比較例5は、母材のAl含有量が少なすぎたため、溶接金属部のAl含有量も少なくなってしまった。その結果、溶接金属部の耐熱性が低下してしまった。
比較例6は、溶接材料のAl含有量が多すぎたため、溶接金属部のAl含有量も多くなってしまった。また、比較例6は、溶接材料のNb及びTiの合計量が6(C+N)以上という要件も満たしていない。それ故、溶接金属部におけるC及びNの合計固溶量が増えてしまったため、鋭敏化が生じ、耐食性及び耐熱性の両方が低下してしまった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、耐食性及び耐熱性(特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性)に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、並びに排熱回収装置を提供することができる。また、本発明によれば、耐食性及び耐熱性(特に、溶接金属部の耐食性及び耐熱性)に優れるフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を製造するのに適した溶接材料を提供することができる。

Claims (17)

  1. 母材及び溶接金属部を含むフェライト系ステンレス鋼溶接構造体であって、
    前記母材は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
    前記溶接金属部は、質量基準で、Al:0.10~1.00%、Cr:15.00~24.00%を含み、C及びNの合計固溶量が0.015質量%以下である、フェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  2. 前記母材は、質量基準で、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  3. 前記母材は、質量基準で、REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  4. 前記母材は、質量基準で、Sn:0.10%以下、B:0.0100%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  5. 前記フェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、Al:30質量%未満を含む酸化皮膜を表面に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  6. 前記フェライト系ステンレス鋼溶接構造体は、Al:30質量%以上を含む酸化皮膜を表面に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  7. 排熱回収装置に用いられる、請求項1~6のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体。
  8. フェライト系ステンレス鋼材を母材とし、溶接材料を用いてアーク溶接を行うフェライト系ステンレス鋼溶接構造体の製造方法であって、
    前記フェライト系ステンレス鋼材は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
    前記溶接材料は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:2.00%以下、Al:0.50%以下、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する製造方法。
  9. 前記フェライト系ステンレス鋼材は、質量基準で、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記フェライト系ステンレス鋼材は、質量基準で、REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記フェライト系ステンレス鋼材は、質量基準で、Sn:0.10%以下、B:0.0100%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記アーク溶接後に熱処理を行わない、請求項8~11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記アーク溶接後に熱処理を行う、請求項8~11のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 前記溶接材料は、質量基準で、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下、REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下、Sn:0.10%以下、B:0.0100%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:3.00%以下、Al:0.80~5.00%、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼材を母材として用いるアーク溶接用の溶接材料であって、
    質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Cr:15.00~24.00%、N:0.100%以下、Cu:1.00%以下、Mo:1.00%以下、Si:2.00%以下、Al:0.50%以下、Nb:0.50%以下、Ti:0.50%以下を含み、Nb及びTiの合計含有量が6(C+N)以上(C及びNは、C及びNの含有量をそれぞれ表す)であり、残部がFe及び不純物からなる組成を有する溶接材料。
  16. 質量基準で、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下、REM:0.10%以下、Ca:0.10%以下、Sn:0.10%以下、B:0.0100%以下から選択される少なくとも1種を更に含む、請求項15に記載の溶接材料。
  17. 請求項1~7のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接構造体を備える排熱回収装置。
JP2021154764A 2021-09-22 2021-09-22 フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置 Pending JP2023046070A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021154764A JP2023046070A (ja) 2021-09-22 2021-09-22 フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021154764A JP2023046070A (ja) 2021-09-22 2021-09-22 フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023046070A true JP2023046070A (ja) 2023-04-03

Family

ID=85776959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021154764A Pending JP2023046070A (ja) 2021-09-22 2021-09-22 フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023046070A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109563594B (zh) 耐硫酸露点腐蚀钢
JP5645417B2 (ja) 耐酸化性と電気伝導性に優れたAl含有フェライト系ステンレス鋼
CN109642283B (zh) 耐硫酸露点腐蚀钢
CN109563595B (zh) 耐硫酸露点腐蚀钢
US9249475B2 (en) Ferritic stainless steel
RU2443796C1 (ru) Ферритная нержавеющая сталь с превосходной жаростойкостью и вязкостью
CN102471841B (zh) 耐热性优良的铁素体系不锈钢
CN109642287B (zh) 耐硫酸露点腐蚀钢
JP6298881B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼とその製造方法
JP5658893B2 (ja) 耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP7277752B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼材
JP2012082488A (ja) 皮膜に対する密着性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
WO2015145825A1 (ja) フェライト系ステンレス鋼とその製造方法
WO2019188601A1 (ja) 耐塩害腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP5703075B2 (ja) 耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
EP3249067B1 (en) Ferritic stainless steel for exhaust system member having excellent corrosion resistance after heating
EP0699773B1 (en) Method for manufacturing electric-resistance-welded steel pipe
JP5464037B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼、ステンレス鋼製品およびそれらの製造方法
JP4184869B2 (ja) 高耐食二相ステンレス鋼
JP6610792B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板
JP2023046070A (ja) フェライト系ステンレス鋼溶接構造体及びその製造方法、溶接材料、並びに排熱回収装置
JPWO2015015735A1 (ja) 溶接部の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP2023000425A (ja) フェライト系ステンレス鋼溶接構造体
JP2022155181A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
JP2023000426A (ja) フェライト系ステンレス鋼溶接構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240524