JP2023045971A - 外装用化粧シート及び外装建材 - Google Patents

外装用化粧シート及び外装建材 Download PDF

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沙織 宮崎
Saori Miyazaki
哲 古田
Satoru Furuta
泰宏 秋田
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Abstract

【課題】良好な加工性又は巻き取り性と十分な耐候性とを付与した、光触媒層を含む外装用化粧シートを提供する。【解決手段】外装用化粧シート3は、基材層10と、意匠層15と、ポリオレフィン系樹脂を含む透明樹脂層25と、耐候剤を含む透明な耐候性層40と、透明な無機材料層30と、光触媒半導体材料を含有する透明な光触媒層35と、がこの順で積層されて成る。光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和が300nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、外装用化粧シート及び外装建材に関する。
特許文献1には、建造物や移動体等の内装部品や外装部材等に用いられる化粧シートとして、光触媒層を有する化粧シートが開示されている。光触媒層は、化粧シートに自浄性や耐候性を付与することに寄与している。
その一方で、光触媒層は、化粧シート中の有機系材料層に隣接して設けられると、当該有機系材料層を分解して劣化させてしまう。これを防止するため、引用文献1の化粧シートでは、光触媒層と有機系材料層との間に無機系材料層が設けられている。
特開2001-277418号公報
ところで、化粧シートは、エンボス加工や折り曲げ、成形等の加工が可能であることや、ロール状に巻き取り可能であることが求められている。しかしながら、光触媒層や無機系材料層は、いずれも硬質の層であり、厚すぎると化粧シートの加工性や巻き取り性を損なう。化粧シートが建物や移動体等の外装部材に用いられる場合、化粧シートには十分な耐候性が求められる。しかしながら、化粧シートが良好な加工性や巻き取り性を有するよう光触媒層の厚みを小さくすると、その分だけ光触媒層に含まれる耐候性材料が減り、化粧シートの耐候性が損なわれる。この結果、化粧シートの他の層が変色または劣化してしまう。
本開示の実施形態は、光触媒層を含む外装用化粧シートに、良好な加工性又は巻き取り性と十分な耐候性とを付与することを目的とする。
本開示の一実施の形態による外装用化粧シートは、
基材層と、
意匠層と、
ポリオレフィン系樹脂を含む透明樹脂層と、
耐候剤を含む透明な耐候性層と、
透明な無機材料層と、
光触媒半導体材料を含有する透明な光触媒層と、
がこの順で積層されて成り、
前記光触媒層の厚みと前記無機材料層の厚みとの和が300nm以下である。
本開示の一実施の形態による外装用化粧シートにおいて、前記耐候剤は、紫外線吸収剤または光安定剤であってもよい。
本開示の一実施の形態による外装用化粧シートにおいて、前記耐候性層は、電離放射線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含んでもよい。
本開示の一実施の形態に外装建材用化粧シートにおいて、前記耐候性層はシリカ粒子を含んでもよい。
本開示の一実施の形態による外装用化粧シートにおいて、
前記耐候性層は、
電離放射線硬化性樹脂層または熱硬化性樹脂層と、
前記電離放射線硬化性樹脂層または前記熱硬化性樹脂層の前記透明樹脂層側の面に形成されたプライマー層と、を含んでもよい。
本開示の一実施の形態による外装用化粧シートにおいて、前記光触媒層の光触媒半導体材料は、ルチル型酸化チタンであってもよい。
本開示の一実施の形態による外装用化粧シートにおいて、前記光触媒層の光触媒半導体材料は、アナターゼ型酸化チタンであってもよい。
本開示の一実施の形態による外装建材は、上述した外装用化粧シートを備えている。
本発明によれば、光触媒層を含む外装用化粧シートに、良好な加工性又は巻き取り性と十分な耐候性とを付与することができる。
図1は、一実施の形態による外装建材の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
図1は本開示の一実施の形態による被着材2に外装用化粧シート3が貼付されて成る外装建材1を示す断面図である。以下に説明する一実施の形態による外装用化粧シート3(以下、単に「化粧シート3」とも称する)は、折り曲げや成形等の加工やロール状に巻き取ることが可能であり、且つ、外装用化粧シートとして十分な耐候性を有するための工夫がなされている。
図1に示す化粧シート3は、建材の他、移動体や家電筐体の外装材にも適用可能である。移動体とは、例えば、自動車や鉄道車両、台車、船、飛行機、ヘリコプター、ドローン、ロボットである。図1に示す化粧シート3において、基材層10と、意匠層15と、接着剤層20と、透明樹脂層25と、無機材料層30と、光触媒層35と、がこの順で積層されている。図1に示す例では、光触媒層35が化粧シート3の表面3aを形成し、基材層10が化粧シート3の裏面3bを形成する。接着剤層20、透明樹脂層25、無機材料層30および光触媒層35は、透明な層であり、化粧シート3の表面3a側からこれらの層を通して意匠層15を観察可能である。
<基材層>
基材層10はポリオレフィン系樹脂を含む層である。
基材層10中のポリオレフィン系樹脂の含有量は、加工性の観点から、基材層10の全樹脂成分に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることがよりさらに好ましい。
基材層10のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体が好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
基材層10がポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を含む場合、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」とも称する。)、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
基材層10は無色透明であってもよいが、意匠性の観点から着色されていることが好ましい。
基材層10を着色する場合、基材層10中には、染料、顔料等の着色剤を添加することができる。これら着色剤の中では、退色を抑制しやすい顔料が好ましい。
顔料としては、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウムおよびバライト等の白色顔料;カーボンブラック、鉄黒等の黒色顔料;鉛丹、酸化鉄赤、カドミウム赤、キナクリドンレッド等の赤色顔料;黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、チタン黄、イソインドリノンイエロー等の黄色顔料;ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)、フタロシアニンブルー等の青色顔料;アルミニウムや真鍮等の鱗片状箔片、二酸化チタン被覆雲母等の金属顔料;等が挙げられる。
着色剤の含有量は、例えば、基材層10を構成する樹脂100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下が好ましく、3質量部以上40質量部以下がより好ましく、5質量部以上30質量部以下がさらに好ましく、5質量部以上20質量部以下がよりさらに好ましい。
基材層10には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレーなどの無機充填剤、水酸化マグネシウムなどの難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。添加剤の配合量は、特に加工特性を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、要求特性等に応じて適宜設定できる。
基材層10の厚みは、意匠性及び加工性のバランスの観点から、20μm以上150μm以下が好ましく、25μm以上120μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下がさらに好ましく、40μm以上80μm以下がよりさらに好ましい。
基材層10は、化粧シート3の他の層や被着材2との密着性を高めるために、基材層10の片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施したり、プライマー層を形成してもよい。
<意匠層>
意匠層15は、化粧シート3の意匠性を向上するために設けられる。
意匠層15は、例えば、基材層10の全面を被覆する着色層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、またこれらを組み合わせたものであってもよい。
意匠層15に用いられるインキとしては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜混合したものを採用可能である。
意匠層15のバインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が挙げられる。また、1液硬化型樹脂、イソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型樹脂など、種々のタイプの樹脂を用いることができる。
着色剤としては、隠蔽性及び耐候性に優れる顔料が好ましい。顔料は基材層10で例示したものと同様のものを用いることができる。
意匠層15中の着色剤の含有量は、意匠層15を構成する樹脂100質量部に対して、5質量部以上90質量部以下が好ましく、15質量部以上80質量部以下がより好ましく、30質量部以上70質量部以下がさらに好ましい。
意匠層15は、耐候性を向上させる観点から、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を含むことが好ましい。
意匠層15の厚みは、適宜選択可能であるが、被着材2の地色を隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から、0.5μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましく、2μm以上5μm以下がさらに好ましい。
<接着剤層>
接着剤層20は、基材層10と透明樹脂層25との間の密着性を向上するために設けられている。
接着剤層20は、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等の接着剤から構成することができる。これら接着剤の中でも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。
ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、上記の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。
接着剤層20の厚みは、0.1μm以上30μm以下が好ましく、1μm以上15μm以下がより好ましく、2μm以上10μm以下がさらに好ましい。
<透明樹脂層>
透明樹脂層25はポリオレフィン系樹脂を含む層である。
透明樹脂層25中のポリオレフィン系樹脂の含有量は、加工性の観点から、透明樹脂層25の全樹脂成分に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることがよりさらに好ましい。
透明樹脂層25のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体が好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
透明樹脂層25がポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を含む場合、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」とも称する。)、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
透明樹脂層25中には、紫外線吸収剤、光安定剤を含有することが好ましい。
透明樹脂層25の厚みは、加工適正及び耐候性のバランスの観点から、20μm以上150μm以下が好ましく、40μm以上120μm以下がより好ましく、60μm以上100μm以下がさらに好ましい。
<無機材料層>
無機材料層30は、光触媒層35と透明樹脂層25との間に配置されて、光触媒層35によって透明樹脂層25が分解されることを防止するためのものである。
無機材料層30を形成する材料としては、光触媒による酸化劣化や紫外線劣化を生じにくいケイ素化合物を用いることが好ましい。
ケイ素化合物としては、ケイ酸塩、シラン又はシロキサンの加水分解物、シリコーン系材料が挙げられる。
ケイ酸塩としては、4官能性ケイ素化合物を塩基性化合物の下で加水分解縮合したものを用いることができる。4官能性ケイ素化合物としては、非晶質シリカ、四塩化ケイ素、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。塩基性化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アンモニウム塩を用いることができる。
シリコーン系材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン-アクリル樹脂共重合体やシリコーン-ウレタン樹脂共重合体等のシリコーン樹脂と他の樹脂との共重合体、シリカ微粒子、シリカ樹脂を用いることができる。
シリコーン樹脂としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-プロピルトリプロポキシシラン、n-プロピルトリブトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の加水分解性シラン誘導体が挙げられる。
シリカ樹脂としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、シラノール、ジメトキシジエトキシシラン等の四官能加水分解性シラン誘導体が挙げられる。
無機材料層30の厚みは、0.05μm以上であることが好ましい。無機材料層30の厚みが0.05μm未満であると耐久性が不十分である場合がある。
<光触媒層>
光触媒層35は、光触媒半導体材料を含む層であり、化粧シート3に自浄性及び耐候性を付与するために設けられる。
光触媒層35の光触媒半導体材料としては、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタン等が採用可能である。なお、化粧シート3により高い自浄性を付与する観点では、ルチル型酸化チタンよりもアナターゼ型酸化チタンの方が好ましい。その一方で、透明樹脂層25を分解する能力は、アナターゼ型酸化チタンよりもルチル型酸化チタンの方が低い。したがって、透明樹脂層25をより長期間に亘って保護する観点では、アナターゼ型酸化チタンよりもルチル型酸化チタンの方が好ましい。
光触媒層35は、耐候性・耐久性を高めるため、バインダーを含んでいてもよい。光触媒層35のバインダーとしては、無機系バインダーを主成分として含むものが好適である。
無機系バインダーとしては、ジルコニウム原子を含む無機系バインダー、珪素原子を含む無機系バインダー、アルミニウム原子を含む無機系バインダー、チタン原子を含む無機系バインダーを採用可能である。また、無機系バインダーとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、シラノール、ジメトキシジエトキシシラン等の四官能加水分解性シラン誘導体を採用可能である。
光触媒層35中の光触媒含有量は、5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、30質量%以上90質量%以下であることがさらに好ましい。光触媒含有量が少なすぎると、光触媒活性が十分でない場合がある。その一方で、光触媒含有量が多すぎると、光触媒を含む表面層の強度が十分でなかったり、光触媒の分解活性が強すぎて透明樹脂層25の耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。
光触媒層35の厚みは、0.01μm以上であることが好ましい。光触媒層35の厚みが0.01μm未満であると、光触媒活性が低下し充分な親水性能を発揮することができない虞がある。
光触媒層35の親水性としては、光触媒半導体材料の光励起に応じて光触媒層35が水との接触角に換算して30°以下であることが好ましく、10°以下になることがより好ましい。水との接触角を30°以下にすることによって有機物の付着汚れを降雨、水洗で洗い落とすことが可能になる。また、10°以下にすることによって、表面層付着水の凝結によって発生する曇りを防止することが可能である。
ところで、化粧シートは、エンボス加工や折り曲げ、成形等の加工が可能であることや、ロール状に巻き取り可能であることが求められている。しかしながら、上述した光触媒層および無機材料層は、ガラスのような硬質の層である。したがって、これらの層が厚すぎると、化粧シートの加工性や巻き取り性を損なう。また、化粧シートが建物や移動体等の外装部材に用いられる場合、化粧シートには十分な耐候性が求められる。しかしながら、化粧シートが良好な加工性や巻き取り性を有するよう光触媒層の厚みを小さくすると、その分だけ光触媒層に含まれる耐候性材料である酸化チタンが減り、化粧シートの耐候性が損なわれる。この結果、化粧シートの他の層が変色または劣化してしまう。
このような点を考慮して、本実施の形態の光触媒層35および無機材料層30は、その厚みが次のように決定されている。すなわち、光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和が300nm以下であるように決定されている。これにより、化粧シート3に良好な加工性や巻き取り性を付与することができる。
また、無機材料層30よりも化粧シート3の裏面3b側に、耐候剤を含む耐候性層40が配置されている。これにより、光触媒層35の厚みが薄くても、化粧シート3に良好な耐候性を付与することができる。以下、耐候性層40について詳述する。
<耐候性層>
耐候性層40は、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を含む層であり、耐候性層40よりも化粧シート3の裏面3b側に位置する層の耐候性を高めるために設けられる。図示された例では、耐候性層40は、透明樹脂層25と無機材料層30との間に配置されている。すなわち、本実施の形態の化粧シート3において、基材層10と、意匠層15と、接着剤層20と、透明樹脂層25と、耐候性層40と、無機材料層30と、光触媒層35とが、この順で積層されている。耐候性層40は透明な層であり、化粧シート3の表面3a側から、光触媒層35と無機材料層30と耐候性層40と透明樹脂層25と接着剤層20を通して、意匠層15を観察可能である。
なお、光触媒層35、無機材料層30、耐候性層40、透明樹脂層25および接着剤層20は、化粧シート3の表面3a側からこれらの層を通じて意匠層15を視認できる程度に透明であればよく、無色透明の他、着色透明及び半透明であってもよい。
図示された例では、耐候性層40は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層42または電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂層42と、プライマー層41と、を含む。
(熱硬化性樹脂層)
熱硬化性樹脂層42を形成する熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
熱硬化性樹脂層42の厚みは、加工特性及び耐候性のバランスの観点から、2μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上15μm以下がより好ましく、4μm以上10μm以下がさらに好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂層)
電離放射線硬化性樹脂層42を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。
また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性化合物は、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
加工特性及び耐候性を向上させる観点から、多官能性(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は2以上8以下が好ましく、2以上6以下がより好ましく、2以上4以下がさらに好ましく、2以上3以下がよりさらに好ましい。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。加工特性及び耐光性を向上させる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが更に好ましい。
これらの重合性オリゴマーの官能基数は、加工特性及び耐候性を向上させる観点から、2以上8以下のものが好ましく、上限としては、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、3以下がよりさらに好ましい。
また、これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、加工特性及び耐光性を向上させる観点から、2,500以上7,500以下が好ましく、3,000以上7,000以下がより好ましく、3,500以上6,000以下がさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
電離放射線硬化性樹脂組成物中には、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
電離放射線硬化性樹脂層42の厚みは、加工特性及び耐候性のバランスの観点から、1.5μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましく、3μm以上10μm以下がさらに好ましい。
(プライマー層)
プライマー層41は、熱硬化性樹脂層42または電離放射線硬化性樹脂層42と透明樹脂層25との密着性を向上させるために設けられた層である。
プライマー層41は、主としてバインダー樹脂から構成される。
バインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン-アクリル共重合体)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。例えば、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体とアクリルポリオール樹脂との混合物をバインダー樹脂として用いることができる。
プライマー層41の厚みは、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上8μm以下がより好ましく、3μm以上6μm以下がさらに好ましい。
(耐候剤)
上述したように、耐候剤は、紫外線吸収剤や光安定剤等である。図示された例では、耐候剤は、熱硬化性樹脂層42または電離放射線硬化性樹脂層42に含まれているが、プライマー層41にも含まれていてもよい。プライマー層41が耐候剤を含むことにより、熱硬化性樹脂層42または電離放射線硬化性樹脂層42だけでなくプライマー層41によっても化粧シート3の耐候性を高めることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。より具体的には、トリアジン系紫外線吸収剤の中でも、トリアジン環に、ヒドロキシフェニル基、アルコキシフェニル基及びこれらの基を含む有機基から選ばれる少なくとも一つの有機基が三つ連結したヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤がより好ましく、下記一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。表面保護層は、化粧シートの最表面に位置する層であるため、層からブリードアウトしにくいものが好ましく、下記一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は分岐構造を有するため、ブリードアウトしにくくなることが期待され、耐候性能の観点から、表面保護層に用いられる紫外線吸収剤として特に好ましいものである。
Figure 2023045971000002
一般式(1)中、R11は2価の有機基であり、R12は-C(=O)OR15で示されるエステル基であり、R13、R14及びR15は各々独立して1価の有機基であり、n11及びn12は各々独立して1~5の整数である。
11の2価の有機基としては、アルキレン基、アルケニレン基等の脂肪族炭化水素基が挙げられ、耐候性の観点から、アルキレン基が好ましく、その炭素数は、好ましくは1以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは8以下、特に好ましくは4以下である。アルキレン基、アルケニレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
炭素数1以上20以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,1-エチレン基、1,2-エチレン基、1,3-プロピレン、1,2-プロピレン、2,2-プロピレン等の各種プロピレン基(以下、「各種」は、直鎖状、分岐状、及びこれらの異性体のものを含むものを示す。)、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種へプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基、各種ウンデシレン基、各種ドデシレン基、各種トリデシレン基、各種テトラデシレン基、各種ペンタデシレン基、各種ヘキサデシレン基、各種ヘプタデシレン基、各種オクタデシレン基、各種ノナデシレン基、各種イコシレン基が挙げられる。
13及びR14の1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基等が挙げられ、アリール基、アリールアルキル基等の芳香族炭化水素基が好ましく、アリール基が好ましい。中でも、R13及びR14の1価の有機基としては、フェニル基が好ましい。
アリール基としては、炭素数が好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下のアリール基、例えば、フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等が挙げられる。アリールアルキル基としては、炭素数が好ましくは7以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下のアリールアルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、各種フェニルプロピル基、各種フェニルブチル基、各種メチルベンジル基、各種エチルベンジル基、各種プロピルベンジル基、各種ブチルベンジル基、各種ヘキシルベンジル基等が挙げられる。
15の1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基等が挙げられ、アルキル基、アルケニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。すなわち、R12としては、アルキルエステル基、アルケニルエステル基が好ましく、アルキルエステル基がより好ましい。
アルキル基としては、炭素数が好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種イコシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下のアルケニル基、例えば、ビニル基、各種プロペニル基、各種ブテニル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基が挙げられる。
一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物としては、より具体的には、R11が炭素数1以上20以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数1以上20以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上20以下のアリール基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が好ましく、R11が炭素数1以上12以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数2以上16以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上12以下のアリール基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物がより好ましく、R11が炭素数1以上8以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数6以上12以下のアルキル基であるアルキルエステル基であり、R13及びR14が炭素数6以上10以下のアリール基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が更に好ましく、R11が炭素数1以上4以下のアルキレン基であり、R12及びR15が炭素数8のアルキル基であるエステル基であり、R13及びR14がフェニル基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が特に好ましい。
一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物としては、更に具体的には、下記化学式(2)で示される、R11がエチレン基であり、R12及びR15がイソオクチル基であるエステル基であり、R13及びR14がフェニル基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物、すなわち2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジンが好ましく、このヒドロキシフェニルトリアジン化合物は、例えば、市販品(「TINUVIN479」、BASF社製)として入手可能である。
Figure 2023045971000003
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤としては、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1 -オクチルオシキ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブ チル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジ ニル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン)、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブ タンテトラカルボキシレート、ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-2-n-ブチルマロネート等が挙げられる。これらの中でも、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4 -ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル )セバケート、ビス(1-オクチルオシキ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリ ジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート等のデカン二酸(セバシン酸)由来のヒンダードアミン系光安定剤、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル(メタ)アクリレート等の反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
表面保護層において、これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、紫外線吸収剤、光安定剤は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。表面保護層を構成する硬化性樹脂との相互作用により、ブリードアウトしにくくなるため、より多量に用いることができ、より優れた耐候性が得られる。
熱硬化性樹脂層42中の紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂層42の厚みが上述の範囲である場合、熱硬化性樹脂層42を構成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上9質量部以下がより好ましく、0.3質量部以上8質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以上6質量部以下がよりさらに好ましい。
また、熱硬化性樹脂層42中の光安定剤の含有量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂層42の厚みが上述の範囲である場合、熱硬化性樹脂層42を構成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.3質量部以上8質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上6質量部以下がさらに好ましく、1質量部以上5質量部以下がよりさらに好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂層42中の紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、電離放射線硬化性樹脂層42の厚みが上述の範囲である場合、電離放射線硬化性樹脂層42を構成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上9質量部以下がより好ましく、0.3質量部以上8質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以上6質量部以下がよりさらに好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂層42中の光安定剤の含有量は、特に限定されないが、電離放射線硬化性樹脂層42の厚みが上述の範囲である場合、電離放射線硬化性樹脂層42を構成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.3質量部以上8質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上6質量部以下がさらに好ましく、1質量部以上5質量部以下がよりさらに好ましい。
また、プライマー層41中の紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、プライマー層41の厚みが上述の範囲である場合、プライマー層41を構成する樹脂100質量部に対して1質量部以上40質量部以下が好ましく、5質量部以上35質量部以下がより好ましく、8質量部以上30質量部以下がさらに好ましく、10質量部以上25質量部以下がよりさらに好ましい。
また、プライマー層41中の光安定剤の含有量は、特に限定されないが、プライマー層41の厚みが上述の範囲である場合、プライマー層41を構成する樹脂100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましく、1.5質量部以上10質量部以下がさらに好ましく、2質量部以上8質量部以下がよりさらに好ましい。
(シリカ粒子)
耐候性層40は、シリカ粒子を含んでいてもよい。耐候性層40に含まれるシリカ粒子によって化粧シート3の表面3aに凹凸が形成されることにより、化粧シート3の表面3aの艶を調整することができる。あるいは、シリカ粒子によって耐候性層40の表面に凹凸が形成されることにより、耐候性層40と無機材料層30との密着性を高めることができる。あるいは、耐候性層40に含まれるシリカ粒子によって化粧シート3の表面3aに凹凸が形成されることにより、化粧シート3をロール状に巻き取った際のブロッキングを防止することができることができる。図示された例では、シリカ粒子は、熱硬化性樹脂層42または電離放射線硬化性樹脂層42に含まれているが、プライマー層41にも含まれていてもよい。シリカ粒子の粒径は、1μm以上8μm以下が好ましく、3μm以上7μm以下がより好ましい。
(その他の添加剤)
耐候性層のその他の添加剤として、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線遮蔽剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、溶剤等を添加することができる。
上述した意匠層15、接着剤層20、透明樹脂層25、耐候性層40の各層41,42、無機材料層30、光触媒層35は、これらの層を形成する組成物を含む塗布液を、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布し、必要に応じて、乾燥、硬化することにより形成することができる。
また、化粧シート3は、エンボス加工等により賦形されてもよい。
エンボス加工を行う場合、例えば、化粧シート3を好ましくは80℃以上260℃以下、より好ましくは85℃以上230℃以下、さらに好ましくは100℃以上180℃以下に加熱し、化粧シート3にエンボス版を押圧して、エンボス加工を行うことができる。あるいは、耐候性層40上に無機材料層30および光触媒層35を形成する前に、耐候性層40にエンボス版を押圧して、耐候性層40にエンボス加工を施してもよい。この場合、耐候性層40上に形成される無機材料層30および光触媒層35には(したがって化粧シート3の表面3aには)、耐候性層40の表面の凹凸に応じた凹凸を形成することができる。
<外装建材>
本実施の形態による外装建材1は、被着材2の装飾を要する面と、化粧シート3の裏面3bとを対向させて積層したものである。
(被着材)
被着材2としては、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。例えば、杉、檜、松、ラワン等の各種木材から成る木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
被着材2は、上記のなかから用途に応じて適宜選択すればよく、壁等の建築物用の外装用部材を用途とする場合は、木質部材、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなるものが好ましく、玄関ドア等の外装部材、窓枠、扉等の建具を用途とする場合は、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなるものが好ましい。
被着材2の厚さは、用途及び材料に応じて適宜選択すればよく、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上7mmがより好ましく、0.5mm以上5mm以下が更に好ましい。
(被着材用接着剤層)
被着材2と化粧シート3とは、優れた接着性を得るため、接着剤層4を介して貼り合わせられることが好ましい。以下では、被着材2と化粧シート3とを貼り合わせる接着剤層4を「被着材用接着剤層4」とも称する。
被着材用接着剤層4に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができ、例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が好ましく挙げられる。この接着剤層4を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、イソシアネート化合物等を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤も適用し得る。
また、被着材用接着剤層4には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
被着材用接着剤層4の厚さは特に制限はないが、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上30μm以下が更に好ましい。
<外装建材の製造方法>
外装建材1は、被着材2と化粧シート3とを積層する工程を経て製造することができる。
被着材2と化粧シート3とを積層する工程では、被着材2の装飾を要する面と、化粧シート3の裏面3bとを対向させて積層する。被着材2と化粧シート3とを積層する方法としては、例えば、被着材用接着剤層4を介して化粧シート3を板状の被着材2に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法等が挙げられる。
接着剤としてホットメルト接着剤(感熱接着剤)を用いる場合、接着剤を構成する樹脂の種類にもよるが、加温温度は160℃以上200℃以下が好ましく、反応性ホットメルト接着剤では100℃以上130℃以下が好ましい。また、真空成形加工の場合は加熱しながら行うことが一般的であり、80℃以上130℃以下が好ましく、より好ましくは90℃以上120℃以下である。
以上のようにして得られる外装建材1は、任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。そして種々の用途、例えば、壁や窓枠、扉等の建築物用の外装用部材に用いることができる。
なお、上述してきた一実施の形態に対して、様々な変更を加えることが可能である。
例えば、意匠層15は接着剤層20と透明樹脂層25との間に設けられてもよい。
また、化粧シート3は接着剤層20を含まなくてもよい。
次に、本発明による化粧シート3の製造方法を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
<実施例1>
まず、基材層10として厚さ60μmのポリプロピレン樹脂シートを用意し、その両面にコロナ放電処理を施した。
次に、基材層10の一方の面に、木目模様の意匠層15を形成した。意匠層15は、2液硬化型アクリル-ウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキを塗布することにより形成した。意匠層15の厚みは3μmであった。また、基材層10の他方の面に、厚さ3μmの裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層は、2液硬化型ウレタン-硝化綿混合樹脂を含む樹脂組成物を塗布することにより形成された。この樹脂組成物は、硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネートを樹脂100質量部に対して5質量部含有していた。
次に、意匠層15の上に、接着剤層20を形成した。接着剤層20は、透明のポリウレタン樹脂系接着剤を塗布することにより形成された。接着剤層20の乾燥後の厚さは、3μmであった。
次に、接着剤層20の上に、厚さ80μmの透明樹脂層25を形成した。透明樹脂層25は、ポリプロピレン系樹脂をTダイ押出機により加熱溶融押出しして形成した。
次に、透明樹脂層25の表面にコロナ放電処理を施した後、透明樹脂層25上にプライマー層41を形成した。プライマー層41は、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体及びアクリルポリオールからなる組成物とヘキサメチレンジイソシアネートとを100:5の質量割合で混合した樹脂組成物100質量部に対して、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物(商品名:TINUVIN479、BASF社製)を3質量部、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物(商品名:TINUVIN400、BASF社製)を12質量部、及び、ヒンダードアミン光安定剤(商品名:TINUVIN123、BASF社製)を3質量部含む組成物を塗布し、乾燥させることにより形成された。乾燥後のプライマー層41の厚みは4μmであった。
次に、プライマー層41上に、厚み5μmの電離放射線硬化性樹脂層42を形成した。電離放射線硬化性樹脂層42は、プライマー層41上に、重量平均分子量4000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマーからなる電離放射線硬化性樹脂組成物100質量部に対して、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(商品名:TINUVIN479、BASF社製)を1質量部、およびヒンダードアミン光安定剤(商品名:TINUVIN123、BASF社製)を3質量部含む電離放射線硬化性樹脂層用インキを塗布した後、電子線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させることにより形成した。
次に、電離放射線硬化性樹脂層42にエンボス加工を施した後、コロナ放電処理を施した。
次に、電離放射線硬化性樹脂層42上に、厚さ150nmの無機材料層30を形成した。無機材料層30は、電離放射線硬化性樹脂層42上に、無機材料層用インキとして非晶性シリカ含有水溶液を塗工し、乾燥させることにより形成した。
次に、無機材料層30上に、厚さ100nmの光触媒層35を形成した。光触媒層35は、光触媒層用インキとしてルチル型酸化チタンを非晶性シリカ含有水溶液に混合させたもの塗工し、乾燥させることにより形成した。
得られた化粧シートの光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和は、300nm以下であった。
(評価)
次に、このようにして得られた実施例1の化粧シート3に対して下記の方法で耐候性試験を行い、実施例1の化粧シート3の耐候性を評価した。すなわち、耐候性試験機として岩崎電機株式会社製アイスーパーUVテスターを用いて、以下の条件で耐候性試験を行い、実施例1の化粧シート3の外観の色変化の有無を観察した。
〔耐候性試験の条件〕
試験時間
500時間
照射条件
照度:100mW/cm
ブラックパネル温度:63度
湿度:50%
時間:20時間
結露条件
照度:0mW/cm
湿度:98%
時間:4時間
シャワー:30秒間
また、実施例1の化粧シート3に下記の方法で加工性試験を行い、実施例1の化粧シート3の加工性を評価した。すなわち、実施例1の化粧シート3にポリウレタン系感熱接着剤を塗工し、厚さ20μmの接着剤層を形成した。次に、接着剤層が固化する前に厚さ0.4mmの亜鉛メッキ鋼板に化粧シート3を貼付し、化粧材を作成した。次に、作製した化粧材に対し、JIS K6744に準拠して、外側半径2.0mmでの90度曲げを実施した。その後、化粧材の加工部分を目視で観察し、化粧シート3のクラックの有無を判断した。
実施例1の化粧シート3の耐候性は、外観に色変化が生じなかったことから、外装用化粧シートとして良好であると判断された。
実施例1の化粧シート3の加工性は、無機材料層30および光触媒層35に亀裂が確認されなかったことから、良好であると判断された。
<実施例2>
無機材料層30の厚みを100nmとし、光触媒層35の厚みを70nmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にして化粧シート3を作製した。得られた化粧シート3の光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和は、300nm以下であった。
(評価)
次に、このようにして得られた実施例2の化粧シート3の耐候性及び加工性を評価した。評価方法は、実施例1の化粧シート3の耐候性及び加工性の評価方法と同様であった。
実施例2の化粧シート3の耐候性は、外観に色変化が生じなかったことから、外装用化粧シートとして良好であると判断された。
実施例2の化粧シート3の加工性は、無機材料層30および光触媒層35に亀裂が確認されなかったことから、良好であると判断された。
<比較例1>
無機材料層30の厚みを200nmとし、光触媒層35の厚みを150nmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にして化粧シートを作製した。得られた化粧シートの光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和は、300nmより大きかった。
(評価)
次に、このようにして得られた比較例1の化粧シートの耐候性及び加工性を評価した。評価方法は、実施例1の化粧シート3の耐候性及び加工性の評価方法と同様であった。
比較例1の化粧シートの耐候性は、外観に色変化が生じなかったことから、外装用化粧シートとして良好であると判断された。
その一方で、比較例1の化粧シートの加工性は、無機材料層30および光触媒層35に亀裂が確認されたことから、不十分であると判断された。
<比較例2>
無機材料層30と透明樹脂層25との間に電離放射線硬化性樹脂層42及びプライマー層41を形成しなかったこと以外は、実施例1の場合と同様にして化粧シートを作製した。得られた化粧シートの光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和は、300nm以下であった。
(評価)
次に、このようにして得られた比較例2の化粧シートの耐候性及び加工性を評価した。評価方法は、実施例1の化粧シート3の耐候性及び加工性の評価方法と同様であった。
比較例2の化粧シートの耐候性は、外観に色変化が生じたことから、外装用化粧シートとして不十分であると判断された。
その一方で、比較例2の化粧シートの加工性は、無機材料層30および光触媒層35に亀裂が確認されなかったことから、良好であると判断された。
表1に、実施例1および実施例2の化粧シート3、並びに、比較例1および比較例2の化粧シートの評価結果を示す。
Figure 2023045971000004
表1中、「〇」は評価結果が良好であったことを表している。また、表1中、「×」は評価結果が良好でなかったことを表している。
表1から、化粧シートが耐候性層40を含む場合には、化粧シート3耐候性が外装用化粧シートとして良好であることが確認できる。また、光触媒層35の厚みと無機材料層30の厚みとの和が300nm以下である場合には、化粧シートの加工性および巻き取り性が良好であることが確認できる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 外装建材
2 被着材
3 外装用化粧シート
4 被着材用接着剤層
10 基材層
15 意匠層
20 接着剤層
25 透明樹脂層
30 無機材料層
35 光触媒層
40 耐候性層
41 プライマー層
42 熱硬化性樹脂層または電離放射線硬化性樹脂層

Claims (8)

  1. 基材層と、
    意匠層と、
    ポリオレフィン系樹脂を含む透明樹脂層と、
    耐候剤を含む透明な耐候性層と、
    透明な無機材料層と、
    光触媒半導体材料を含有する透明な光触媒層と、
    がこの順で積層されて成り、
    前記光触媒層の厚みと前記無機材料層の厚みとの和が300nm以下である、外装用化粧シート。
  2. 前記耐候剤は、紫外線吸収剤または光安定剤である、請求項1に記載の外装用化粧シート。
  3. 前記耐候性層は、電離放射線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む、請求項1又は2に記載の外装用化粧シート。
  4. 前記耐候性層はシリカ粒子を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  5. 前記耐候性層は、
    電離放射線硬化性樹脂層または熱硬化性樹脂層と、
    前記電離放射線硬化性樹脂層または前記熱硬化性樹脂層の前記透明樹脂層側の面に形成されたプライマー層と、
    を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  6. 前記光触媒層の光触媒半導体材料はルチル型酸化チタンである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  7. 前記光触媒層の光触媒半導体材料はアナターゼ型酸化チタンである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の外装用化粧シートを備えた外装建材。
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