JP2023045951A - 吸音材、それを用いる吸音パネル及び吸音材の製造方法 - Google Patents

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Jinju Obata
智幸 佐藤
Tomoyuki Sato
翔一 ▲高▼久
Shoichi Takaku
太郎 市川
Taro Ichikawa
友則 中島
Tomonori Nakajima
真央 村瀬
Mao Murase
秀憲 吉澤
Hidenori Yoshizawa
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Abstract

【課題】水分が多い環境下でも吸音率が低下し難い吸音材を提供する。【解決方法】本発明の吸音材は、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿と、該中綿を内包する表皮材とからなり、該表皮はポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布からなり、該表皮材の少なくとも一部に開口を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、吸音材、それを用いる吸音パネル及び吸音材の製造方法に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の繊維からなり特定の範囲の密度、厚み及び通気度を備える第1の不織布を表皮層(表皮材)とし、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の短繊維からなり特定の範囲の目付け及び厚みを備える第2の不織布を基材層(中綿)とする積層不織布からなる吸音材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の吸音材によれば、前記第1の不織布と前記第2の不織布とが積層されることにより、800~1250Hzの範囲の低周波領域にて優れた吸音率を備えるとされている。
国際公開第2016/143857号
しかしながら、特許文献1記載の吸音材のようにポリエチレンテレフタレート系樹脂の短繊維からなる吸音材は、水分が多い環境下では吸音率が低下するという不都合がある。
そこで、本発明は、水分が多い環境下でも吸音率が低下し難い吸音材を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の吸音材は、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿と、該中綿を内包する表皮材とからなり、該表皮はポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布からなり、該表皮材の少なくとも一部に開口を有することを特徴とする。
なお、表皮材全体の、シール部下を除く面積に対する前記開口の面積の比率は、水分が中綿部に入り込みにくくすること、及び中綿部に入り込んだ水分を効率よく吸音材の外に排出することのバランスの観点から、10%以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂からなる繊維は疎水性を備えているので、本発明の吸音材は、前記中綿が前記表皮材に内包されていることにより水と接触することがなく、水分が多い環境下でも吸音率が低下し難い。
また、表皮材の少なくとも一部に開口を有しているので、表皮材の疎水性にも拘らず、吸音材中、具体的には表皮材中に水が浸入した場合においても、当該水を例えば表皮材の底部に配設した開口より、当該表皮材、具体的には吸音材の外部に排出することができる。
本発明の吸音材は、前記中綿が、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含むことにより、800~1250Hzの範囲の低周波領域にて優れた吸音率を備えることができるが、さらにポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含むことが好ましい。
また、本発明の吸音材において、前記中綿の平均繊維径は、800~1250Hzの範囲の低周波領域にて優れた吸音率を備えることができること、及び排水性を両立するために、10~100μmの範囲とすることが好ましい。
また、本発明の吸音材において、前記表皮材は、前記中綿が水と接触しないようにするために、200~2000mmHOの範囲の耐水圧を備えることが好ましい。前記表皮材の耐水圧が200mmHO未満では、前記中綿と水との接触を妨げることができないことがあり、2000mmHO超としてもそれ以上の効果を得ることは容易ではない。
ところで、本発明の吸音材は屋外で使用された場合には、雹、霰、あるいは小石等の固体の衝突により摩耗して寿命が短くなることがある。そこで、前記表皮材は、前記耐水圧と同時に、前記固体の衝突に対する耐摩耗性(ショットブラスト耐性)を備えることが望まれる。
本発明の吸音材において、前記表皮は、前記範囲の耐水圧と前記ショットブラスト耐性とを兼ね備えるために、第1のスパンボンド不織布と、該第1のスパンボンド不織布上に位置するメルトブローン不織布と、該メルトブローン不織布上に位置する第2のスパンボンド不織布とを含むことが好ましい。
一般に、前記メルトブローン不織布に含まれる繊維の平均繊維径は、前記スパンボンド不織布に含まれる繊維の平均繊維径よりも細いので、前記メルトブローン不織布により前記範囲の耐水圧を得る一方、該メルトブローン不織布の外層に位置する前記第1又は第2のスパンボンド不織布により、前記ショットブラスト耐性を得ることができ、前記メルトブローン不織布を保護することができる。
この場合、前記メルトブローン不織布は、前記範囲の耐水圧を得るために、0.5~5μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含むことが好ましく、前記第1又は第2のスパンボンド不織布は、前記ショットブラスト耐性を得るために、25~50μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含むことが好ましい。
また、本発明の吸音材において、前記表皮材は、例えば、第3のスパンボンド不織布を含むスパンボンド不織布層を備えるものであってもよい。前記第3のスパンボンド不織布は、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含むことにより疎水性を備えており、前記範囲の耐水圧を得ることができる。このとき、前記第3のスパンボンド不織布は、15~100μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含むことが好ましい。前記第3のスパンボンド不織布が含む繊維の平均繊維径が100μm超であると前記耐水圧を得ることができなくなることがあり、15μm未満では前記ショットブラスト耐性を得ることができなくなることがある。
また、前記スパンボンド不織布層は前記ショットブラスト耐性を備えるために、表面に位置する繊維が30μm超100μm以下の範囲の平均繊維径を備えることがさらに好ましい。前記スパンボンド不織布層は表面に前記範囲の平均繊維径を備える繊維を含むために、20%以上の溶着面積比率を備えることが好ましく、前記範囲の溶着面積比率は、例えば、前記スパンボンド不織布層にエンボス加工(熱圧着加工)施すことにより得ることができる。
本発明の吸音パネルは、上述のいずれかの吸音材と、前記吸音材を収納するフレームとを含み、該フレームの遮蔽板及び側壁の少なくとも一部に開口を有することを特徴とする。
また、本発明の吸音材の製造方法は、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿を、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布である表皮材で包み込み、前記表皮材の端部を融着する融着工程と、該吸音材を配設した際に、該表皮材の、少なくとも重力下方に位置する側において開口を形成する穿設工程と、を含むことを特徴とする。前記融着工程においては、超音波シール法にて前記表皮材の端部を融着することが好ましい。
本発明の吸音材の第1の実施形態の構成を示す説明的断面図。 本発明の吸音材の第2の実施形態の構成を示す説明的断面図。 第1の実施形態における開口の変形例の構成を示す説明的断面図。 第1の実施形態における開口の他の変形例の構成を示す説明的断面図。 第1の実施形態における開口のその他の変形例の構成を示す説明的断面図。 第1の実施形態における開口のさらにその他の変形例の構成を示す説明的断面図。 本発明の吸音パネルの一構成例を示す説明的断面図。 本発明の吸音パネルにおける開口の変形例の構成を示す説明的断面図。 本発明の吸音パネルにおける開口の他の変形例の構成を示す説明的断面図。 本発明の吸音パネルにおける開口のその他の変形例の構成を示す説明的断面図。 本発明の吸音パネルにおける開口のさらにその他の変形例の構成を示す説明的断面図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の吸音材1の第1の実施形態では、例えば、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿2と、中綿2の表裏両面(上層及び下層)に備えられ、中綿2を内包する1枚の表皮材3とからなる。中綿2は、2つに折りたたまれた表皮材3に挟まれており、表皮材3は、周縁部の3方にシール部4を備えている。この結果、中綿2は、表皮材3の折りたたみ部とシール部4により取り囲まれて、表皮材3に内包されている。
なお、中綿2は表皮材3により内包されていればよく、中綿2を表皮材3により内包する構成は、図1に示す構成に限定されるものではない。
例えば、図2に示す本実施形態の吸音材1の第2の実施形態のように、中綿2と、中綿2の表裏両面(上層及び下層)に備えられ、中綿2を内包する2枚の表皮材3,3とからなり、表皮材3,3が周縁部に中綿2を取り囲むシール部4を備える構成であってもよい。
吸音材1の目付は、主に100~2000Hzの領域における吸音率をより向上させる観点や吸音材の重量増による作業性の低下を防止する観点、さらには重量増による吸音材を支持する構造体の強度確保が困難になる観点から、500~3000g/mの範囲であることが好ましく、1000~2800g/mの範囲であることがさらに好ましく、1300~2200g/mの範囲であることが最も好ましい。
吸音材1の厚みは、低音領域、特に100~1000Hzの領域の吸音率をより向上させる観点や、構造物等に据え付ける際に効率的な空間を確保する観点から10~100mmの範囲であることが好ましく20~80mmの範囲であることがより好ましい。
中綿2は、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂からなる繊維のみからなるものでもよく、さらにポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含んでいてもよい。中綿2は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる繊維とポリプロピレン系樹脂からなる繊維とを含むことにより、嵩高性(吸音率の確保)と疎水性の適度なバランスを維持することがより容易になるという効果を得ることができる。
中綿2としては、例えば、前記ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)系樹脂の短繊維と、前記ポリプロピレン系樹脂の短繊維とを含む不織布成形体を用いることができる。
中綿2の目付は、主に100~2000Hzの領域における吸音率をより向上させる観点や吸音材の重量増による作業性の低下を防止する観点、さらには重量増による吸音材を支持する構造体の強度確保が困難になる観点から、400~2900g/mの範囲であることが好ましく、900~2800g/mの範囲であることがさらに好ましく、1200~2500g/mの範囲であることが最も好ましい。
前記ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)系樹脂の短繊維と、前記ポリプロピレン系樹脂の短繊維とは、公知の溶融紡糸法により製造されたものであってもよく、市販のものを購入したものであってもよい。前記ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)系樹脂の短繊維は、例えば、平均繊維長さが10~100mmの範囲、平均繊維径が10~70μmの範囲のものを用いることができ、前記ポリプロピレン系樹脂の短繊維は、例えば、平均繊維長さが10~100μmの範囲、平均繊維径が10~50μmの範囲のものを用いることができる。
なお、発明者らは、中綿2は含有する繊維の平均繊維径が小さい(細い)ほど緻密であり吸音性能、特に800Hz以下の領域で優れる傾向があるが、その一方で、中綿2に吸われた水分の排出しやすさの観点、本願吸音材をフレームへ設置する際に吸音材が撓まない観点、吸水時の中綿の形状維持の観点、長期的な耐候性の観点より含有する繊維の平均繊維径が大きい(太い)ことが望ましいことを見出した。
したがって、中綿2が含有する繊維の平均繊維径は、10~100μmの範囲であることが好ましく、10~70μmの範囲であることがより好ましく、10~50μmであることがより好ましく、15~45μmの範囲であることがさらに好ましく、20~40μmの範囲であることが特に好ましい。
なお、ここで言う「繊維の平均繊維径」とは、中綿2が含有する全ての繊維から算出されるものである。すなわち、中綿2がポリエチレンテレフタレート等のポリエステルのみから構成される場合は、当該ポリエステルの平均繊維径、ポリエステルとポリプロピレン系樹脂とから構成される場合は、当該ポリエステル繊維とポリプロピレン系繊維の全繊維の繊維径の平均を意味する。
前記不織布成形体におけるポリエステル系樹脂の短繊維と、ポリプロピレン系樹脂の短繊維との割合は、吸音率をより向上させる観点、及び疎水性、排水性を向上させる観点から、質量基準で、ポリエステル系樹脂の短繊維:ポリプロピレン系樹脂の短繊維が99:1~5:95の範囲であることが好ましく、95:5~10:90の範囲であることがより好ましく、80:20~20:80の範囲であることがさらに好ましい。
中綿2を構成する不織布成形体は、例えば、1~95質量%、例えば60質量%の前記ポリプロピレン系樹脂の短繊維を、99~5質量%、例えば40質量%のポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)バインダー短繊維と混合し、開繊機、カード機にてウェブを形成した後、得られたウェブをクロスレイヤー機にて多層積層し、所定のギャップ間距離に設定された熱風エアー処理機で処理し、該ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)系バインダー短繊維と、該ポリプロピレン系樹脂の短繊維とを融着処理することにより得ることができる。
前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、エチレングリコール等の多価アルコールと、テレフタル酸等の二塩基酸との共重合体を用いることができる。このようなポリエチレンテレフタレート系樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンイソフタレート(PBI)、ポリヘキサメチレンテレフタレート(PHT)、ポリヘキサメチレンイソフタレート(PHI)、ポリヘキサメチレンナフタレート(PHN)等を挙げることができる。
前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンと共重合可能な他のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。前記α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数2以上、好ましくは2~8のα-オレフィンを挙げることができる。前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンとα-オレフィンとの共重合体である場合、前記α-オレフィンから選択される1種又は2種以上のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。前記ポリプロピレン系樹脂は、MFR(メルトフローレート)が例えば1~500g/分の範囲のものを用いることができる。
前記ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)系バインダー短繊維は、例えば、芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にバインダー成分を備えるものを用いることができる。前記バインダー成分としては、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体、イソフタル酸又はそのエステル形成性誘導体、低級アルコール、ポリアルキレングリコール又はそのモノエーテルからなる共重合ポリエステルを挙げることができる。
前記不織布成形体におけるポリエステル系樹脂の短繊維と、ポリプロピレン系樹脂の短繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、複合繊維、中空繊維、異型繊維、捲縮繊維、分割繊維等の形態を含んでいてもよい。また、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、難燃剤、撥水剤、油剤、帯電防止剤、着色剤、無機物等を含んでいてもよい。
表皮材3は、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布からなる。表皮材3は、中綿2と水との接触をより妨げる観点から、200~2000mmHOの範囲の耐水圧を備えることが好ましく、200~1000mmHOの範囲の耐水圧を備えることがより好ましく、250~500mmHOの範囲の耐水圧を備えることがさらに好ましく、280~400mmHOの範囲の耐水圧を備えることが最も好ましい。表皮材3の耐水圧は、例えば、表皮材3を構成する繊維の平均繊維径をより小さする、密度を上げる、及び、目付をあげるなどの手法により、より上昇させることができる。
表皮材3の目付は、耐水圧をより向上させて中綿2と水の接触をより防止する観点や、ショットブラスト耐性などの強度を維持する観点や、目付が高すぎて中綿2側に音波が伝わりにくくなることを防止する観点、目付が高すぎて超音波シール等の作業性が低下するのを防止する観点から、50~200g/mの範囲であることが好ましく、70~150g/mの範囲であることがより好ましい。
表皮材3の通気度は、耐水圧をより向上させて中綿と水の接触をより防止する観点や、中綿側に音波を適度に伝えて吸音率を良好に保つ観点から、5~200cm/cm/秒の範囲であることが好ましく、7~150cm/cm/秒の範囲であることがより好ましく、10~50cm/cm/秒の範囲であることが最も好ましい。
表皮材3の厚みは、耐水圧をより向上させて中綿2と水の接触をより防止する観点、ショットブラスト耐性などの強度を維持する観点や、厚すぎて中綿側に音波が伝わりにくくなることを防止する観点、厚すぎて超音波シール等の作業性が低下するのを防止する観点から、0.1~1.5mmの範囲であることが好ましく、0.3~1.0mmの範囲であることがより好ましい。
表皮材3の表面付近に位置する繊維の平均繊維径(以下、表面繊維径ということがある)は、ショットブラスト耐性をより向上させる観点や、通気度を適度な範囲に制御する観点から、20~100μmの範囲にあることが好ましく、30~50μmの範囲にあることがより好ましい。
表皮材3を構成する前記不織布に用いられる前記ポリプロピレン系樹脂は、中綿2に用いられるポリプロピレン系樹脂と同様に、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンと共重合可能な他のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。前記α-オレフィンとしては、中綿2に用いられるポリプロピレン系樹脂の場合と同一のα-オレフィンを1種又は2種以上用いることができる。
表皮材3を構成する繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、難燃剤、撥水剤、油剤、帯電防止剤、着色剤、無機物等を含んでいてもよい。
表皮材3を構成する前記不織布に用いられる前記ポリプロピレン系樹脂としては、MFR(メルトフローレート)が例えば10~1000g/分の範囲にあるものを用いることができ、30~700g/分であることがより好ましい。
中でも、表皮材3が、スパンボンド不織布及びメルトブローン不織布よりなる場合、スパンボンド不織布に用いられる前記ポリプロピレン系樹脂の前記MFRは15~80g/分であることが好ましく、メルトブローン不織布に用いられる前記ポリプロピレン系樹脂のMFRは100~700g/分であることが好ましい。
本実施形態の吸音材1では、表皮材3が前記範囲の耐水圧を備え、シール部4で内部がシールされていることにより、中綿2が水と接触することがなく、水分が多い環境下でも吸音率が低下し難い。
表皮材3は、単層の不織布であってもよく、複数の不織布が積層された積層不織布であってもよい。表皮材3を構成する不織布としては、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、スパンボンド不織布及びメルトブローン不織布からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
表皮材3は、吸音材としてのショットブラスト耐性などの強度をより向上させる観点から、少なくともスパンボンド不織布を1層以上含むことが好ましい。また、耐水圧や通気度を好ましい範囲に制御する観点から、少なくともメルトブローン不織布を1層以上含むことが好ましい。なお、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布は、平均繊維径により区別することができる。本明細書における実施態様において、スパンボンド不織布は平均繊維径が15~100μmの範囲であり、メルトブローン不織布は平均繊維径が0.5~5μmの範囲である場合がある。
本発明者らは、不織布は含有する繊維の平均繊維径が小さい(細い)ほど緻密であり耐水圧や吸音率に優れている一方で、雹、霰、あるいは小石等の固体の衝突に対する耐摩耗性(耐ショットブラスト性)の見地からは、含有する繊維の平均繊維径が大きい(太い)ことが望ましいというトレードオフの関係にあることを見出した。また、スパンボンド不織布に含まれる繊維の平均繊維径は、一般にメルトブローン不織布に含まれる繊維の平均繊維径より大きく、メルトブローン不織布に含まれる繊維の平均繊維径は、スパンボンド不織布に含まれる繊維の平均繊維径より小さい。
そこで、表皮材3は、例えば、25~50μmの範囲の平均繊維径を備えるポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む第1のスパンボンド不織布と、第1のスパンボンド不織布の上に位置する0.5~5μmの範囲の平均繊維径を備えるポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含むメルトブローン不織布と、該メルトブローン不織布の上に位置する25~50μmの範囲の平均繊維径を備えるポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む第2のスパンボンド不織布との少なくとも3層の構造(以下、3層の構造をSMS構造ということがある)を備えるか、15~100μmの範囲の平均繊維径を備えるポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む第3のスパンボンド不織布を含むスパンボンド不織布層のみからなるものであってもよい。ここで、「スパンボンド不織布層のみからなる」とは、メルトブローン不織布などの他の製造方法によって製造した不織布を含まないことを意味するものであり、スパンボンド不織布を複数含むことを除外するものではない。
表皮材3は、前記の少なくとも3層の構造を備える場合、内層となる前記メルトブローン不織布の平均繊維径が細いため緻密になることにより前記範囲の耐水圧を確保することができる。その一方で、前記メルトブローン不織布は、含有する繊維の平均繊維径が小さいため、毛羽立ちやすく、ショットブラスト耐性に劣る場合があるので、前記第1又は第2のスパンボンド不織布を外層とすることにより該メルトブローン不織布を保護することができ、ショットブラスト耐性がより優れる傾向にある。
さらに、表皮材3は、前記第2のスパンボンド不織布の上に位置する25~100μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含む第4のスパンボンド不織布を備える少なくとも4層の構造(以下、4層の構造をSSMS構造又はSMSS構造ということがある)を備えていてもよく、前記第4のスパンボンド不織布により、より優れたショットブラスト耐性を得ることができる。前記第4のスパンボンド不織布は、例えば、平均繊維径が30~50μmの範囲にあり、目付が70~150g/mの範囲にあることが好ましい。
また、表皮材3は、スパンボンド不織布層のみからなる場合、平均繊維径が10~100μmの範囲、例えば20~40μmの範囲にあり、目付が70~200g/mの範囲にある前記第3のスパンボンド不織布を含むことにより、前記範囲の耐水圧と前記ショットブラスト耐性とを兼ね備えることができる。前記スパンボンド不織布層は、前記第3のスパンボンド不織布単層からなるものでもよく、該第3のスパンボンド不織布に他のスパンボンド不織布が積層されていてもよい。
また、表皮材3は、スパンボンド不織布層のみからなる場合、表面付近に位置する繊維の平均繊維径(以下、表面繊維径ということがある)が25~100μmの範囲、例えば30μm超100μm以下の範囲にあることにより、優れたショットブラスト耐性を得ることができる傾向がある。前記スパンボンド不織布層では、例えば、エンボスロールを140~170℃の範囲の温度、ミラーロールを140~170℃の範囲の温度に設定してエンボス加工(熱圧着加工)を施して溶着面積比率を15%以上とすることにより、表面繊維径を前記範囲とすることができ、非エンボス部における繊維間の融着が促進されることにより見かけ上の繊維径が太くなる。また、同様の理由で、エンボス加工時の溶着面積比率を20%以上としたり、同じ溶着面積比率でもエンボス柄を0.7mm角大以上の大きな柄を採用したりすることで、ショットブラスト耐性を向上させることができる。
前記スパンボンド不織布は、公知のスパンボンド不織布成型機を用いて製造することができる。より具体的には、スパンボンド不織布は、例えば、原料となるポリプロピレン系樹脂を、押出機を用い溶融し、溶融した組成物を、複数の紡糸口金から吐出し、繊維状の樹脂を必要に応じて冷却し延伸させた後、捕集面上に堆積させ、エンボスロールで加熱加圧処理することによって製造することができる。
また、前記メルトブローン不織布は、公知のメルトブローン不織布成型機を用いて製造することができる。より具体的には、メルトブローン不織布は、例えば、原料となるポリプロピレン系樹脂を溶融し、紡糸ノズルから吐出するとともに、高温高圧ガスにより牽引して細繊維化されたポリプロピレン極細繊維を多孔ベルト又は多孔ドラムなどのコレクターに捕集して、堆積することによって製造することができる。
一般に、高圧の水が表皮材3に当てられる場合や、長期間水分の存在する環境下に吸音材1が暴露されるような場合では、中綿部2まで水分が伝わり吸音性能に悪影響を及ぼし得る。そこで、本発明者らは、表皮材3の一部に開口を設けることで、中綿部2に吸収された水分を吸音材1の外に排出されやすくなることを見いだした。
開口は表皮材3のどこに設けられてもよいが、水分が中綿部2に入り込みにくくすること、及び中綿2に入り込んだ水分を効率よく吸音材の外に排出することのバランスの観点から、図1及び図2に示すように、第1の実施形態及び第2の実施形態では、表皮材3の、吸音材1を設置した際の底部に位置する面(矩形なら角も含む)に開口3aを設けている(これら実施形態では4つの角)。
また、吸音材1が直方体の場合には、吸音材1の形状を保持する観点、開口設置を容易にする観点、排水性の観点から、開口3aは、角の辺に設けることが好ましい。なお、直方体は完全な矩形ではなく、矩形から多少形が変形したものでもよい。
また、水分が中綿部2に入り込みにくくすること、及び中綿部2に入り込んだ水分を効率よく吸音材1の外に排出することのバランスの観点から、開口率(表皮材全体(ただしシール部4は含まない)の面積に対する、開口部の面積の比率)は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、1~0.005%が更に好ましく、0.8~0.01%が特に好ましい。
上記のうち、吸音材1を設置した際の底部に位置する面に設けた開口3aの面積が、底部に位置する表皮材(ただしシール部4は含まない)の表面積に対する比率については、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5~0.05%がさらに好ましい。
また、開口3aの形状も特に制限されるものではなく、円形状であっても、多角形状であってもよい。但し、開口を設ける作業性の観点、排水性を効率よく行う観点から、開口は四角形又は直線のスリット状であることがより好ましい。なお、四角形といっても矩形状である必要はなく、矩形から多少形が変形したものでもよい。
図1及び図2に示す第1の実施形態及び第2の実施形態では、表皮材3の底面の四隅のそれぞれに開口を形成し、合計4つの開口を形成しているが、開口の数は特に制限されない。1つであってもよく、2つ以上であっても、3つ以上であっても、4つ以上であってもよい。
また、図1及び図2に関する第1の実施形態及び第2の実施形態に示すように、表皮材3の底面の四隅のそれぞれに開口を形成する必要はなく、任意の一隅から三隅を選択して形成してもよい。
さらに、図1及び図2に関する第1の実施形態及び第2の実施形態に示すように、表皮材3の底面の四隅に開口を形成する代わりに、図3に示すように、表皮材3の底面の全体に開口3aを形成するようにしてもよい。また、図4に示すように、表皮材3の底面に加えて上面及び側面に開口3aを形成するようにしてもよい。さらに、図5に示すように、表皮材3の底面の四隅に加えて上面及び底面の略中央部に開口3aを形成するようにしてもよい。また、図6に示すように、表皮材3の底面の四隅に加えて上面及び底面の内方に開口3aを形成するようにしてもよい。
シール部4は、熱圧着又は超音波シールにより形成することができる。シール部4は、表皮材3,3の周縁部に中綿2を取り囲むように連続して形成されていてもよく、断続的に形成されていてもよい。シール部4は、断続的に形成される場合、平行な複数のシール部4が1つのシール部4の不連続部を他のシール部4の連続部で補完するように形成されていることが好ましい。
シール部4の耐水圧は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、水の侵入をより抑制する観点から、100mmHO以上が好ましく、150mmHO以上がより好ましく、200mmHO以上がさらに好ましく、250mmHO以上が特に好ましく、300mmHO以上が最も好ましい。シール部4の耐水圧の上限値は特に制限されないが、例えば2000mmHO以下、1000mmHO以下及び500mmHO以下とすることができる。
シール条件は特に限定されないが、超音波シールの場合、シール時の圧力や出力電圧、シール時間、シールパターンなどにより任意に調整が可能である。シールが強すぎる場合上記耐水圧が低下する傾向があるので、前記要因を適度に調整することにより上記耐水圧を良好に保つことが可能である。
シール部4の幅は、本発明の効果が発揮できれば特に制限されないが、シール部の耐水圧をより向上させつつ、破れを抑制する観点から、0.1~5.0mmの範囲であることが好ましい。シール部4の幅は、例えば0.3mmとすることができる。
次に、図7を参照して、本実施形態の吸音パネルについて説明する。
図7に示すように、本実施形態の吸音パネル11は、吸音材1と、吸音材1を収容するフレーム14とを備える。フレーム14は、底部を形成する矩形状の遮蔽板12と遮蔽板12の四辺から立ち上がる側壁13とからなり上方に開放端部を備える箱状体であり、吸音材1がフレーム14に収容されたときにフレーム14の開放端部に配置される保護パネル15と、フレーム14の裏面に配置され吸音パネル11を建造物等に取り付ける場合に吸音パネル11を支持する支持部16とを備える。
フレーム14は、遮蔽板12、側壁13、支持部16が一体として形成されていてもよく、別々の部材を接続して形成されていてもよい。フレーム14の材質は、天候、水分等に対する耐久性を備える材料であれば特に制限されず、金属製や樹脂製とすることができる。金属としては、アルミニウム、ステンレス等の軽量な金属が好ましく用いられる。
保護パネル15は、吸音材1を雹、霰、あるいは小石等の固体から保護しつつ、音波の侵入を容易にするものであることが好ましい。そのため、本実施形態において、保護パネル15は表面に多数の貫通孔15aが配置されているパンチングプレートが好ましく用いられるが、吸音材1を保護しつつ、音波の侵入を容易にするものであればよく、パンチングプレートに限定されるものではない。保護パネル15の表面の全面積に対する、貫通孔15aの合計の面積は、特に制限されないが、例えば、20%~80%の範囲である。
保護パネル15の材質は、吸音材1の保護と音波の侵入、天候、水分等に対する耐久性を両立できれば特に制限されず、金属製や樹脂製とすることができる。金属としては、アルミ、ステンレスなどの軽量な金属が好ましく用いられる。
本実施形態では、吸音材1の中綿部2に吸収された水分を該吸音材1の外に排出すべく、フレーム14には開口13aが形成されている。開口13aは、フレーム14のどこに設けられてもよいが、水分が中綿部2に入り込みにくくすること、及び中綿部2に入り込んだ水分を効率よく吸音材1の外に排出することのバランスの観点から、フレーム14の側壁13、及び/又は遮蔽板12に設けることが好ましい。
図7に示す本実施形態では、開口13aは、両側壁13の四隅それぞれに合計8個が形成されているが、これに限定されるものではない。吸音材1内に水分を入りにくくすること、及び排水性を向上させることのバランスの観点から、開口13aの個数は4~6であることが好ましく、さらには両側壁13のそれぞれに2~3個の開口13aが形成されていることが好ましい。
また、水が外部から吸音材1内に入りにくくする観点から、フレーム14の開口13aは、フレーム14の表面、すなわち上面及び底面には存在しないことが好ましい。したがって、本実施形態のように、特に吸音パネル11が直方体の場合には、左右側の側面部に開口13aが存在することがより好ましい。
また、開口13aの形状も特に制限されるものではなく、円形状であっても、多角形状であってもよい。但し、開口13aを設ける作業性の観点、排水性を効率よく行う観点から、開口は四角形、又は半円形状であることがより好ましい。なお、四角形といっても矩形状である必要はなく、矩形から多少形が変形したものでもよい。
図3に示す実施形態では、側壁13の四隅それぞれに合計8個の開口13aを形成しているが、開口13aの数は特に制限されない。1つであってもよく、2つ以上であっても、3つ以上であっても、4つ以上であってもよい。
また、図7に関する実施形態に示すように、両側壁13の隅に開口13aを形成する代わりに、図8に示すように、遮蔽板12の両端部及び中央部に開口13aを形成するようにしてもよい。また、図9に示すように、遮蔽板12に加えて両側壁13の全体に開口13aを形成するようにしてもよい。さらに、図10に示すように、両側壁13の隅に開口13aを形成することに加えて、両側壁13の中央部に開口13aを形成するようにしてもよい。また、図11に示すように、両側壁13の上端隅並びに遮蔽板12の両端部及び中央部に開口13aを形成するようにしてもよい。
次に、図1又は図2に示す本実施形態の吸音材1の製造方法について説明する。
吸音材1は、例えば、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿2を、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布である表皮材3で包み込み、前記表皮材3の端部を融着する融着工程を含む製造方法により製造することができる。
端部を融着する方法は、本発明の効果を奏する限り制限されないが、例えば、アイロンなどの熱源をあてて加熱して樹脂を溶融させて圧着する方法、超音波を付与して樹脂を溶融させつつ圧着する超音波シール法、レーザー融着法、振動溶着法、高周波溶着法、及び熱板溶着法が挙げられる。これらの中でも、端部の融着は超音波シール法で行うことが好ましい。
融着温度は、表皮材3の樹脂を融着できる温度であれば特に制限されないが、耐水圧のさらなる向上と融着部の剥がれを抑制する観点から、130~160℃の範囲であることが好ましく、140~155℃の範囲であることがより好ましい。
前記融着工程を超音波シール法で行う場合における超音波シール装置の出力は、表皮材3の樹脂を融着できれば特に制限されない。耐水圧のさらなる向上と融着部(シール部4)の剥がれを抑制する観点で適宜調整できる。また、圧着における圧力は、表皮材3の樹脂を融着できれば特に制限されないが、耐水圧のさらなる向上と融着部の剥がれを抑制する観点から、0.1~5MPaの範囲であることが好ましい。また、融着部を形成する速度は、融着部の剥がれを抑制しつつ、作業効率を向上させる観点から、0.5~30m/分が好ましい。
開口3aは、上記端部の融着を行った後でも行う前でもよいが、よりサイズが正確な開口部を設ける観点から、融着工程をすべて完了した後に開口することが好ましい。開口方法に特に限定はないが、吸音材が直方体で四隅に開口させる場合、四隅部分を構成する辺に沿って、ハサミやカッター等で、表皮材3のみを切り取り開口部(例えばスリット状の開口部)を設けることが好ましい。この際、表皮のみをカットして、中綿には影響を与えないように留意する必要がある。その観点から、ハサミ又はそれに準ずる道具でカットを行うことが好ましい。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
以下の実施例及び比較例において、吸音材の物性及び性能は次のようにして測定又は評価した。
〔目付(g/m)〕
吸音材から側周面を含まないように10cm角の試料を5点採取した。そして、各試料の重量を測定し、合計の重量を合計の面積で除して目付(g/m)を算出した。
〔厚み(mm)〕
前記目付の算出に用いた5点の試料につき、各試料の四辺の中央部の厚みを、鋼尺で測定し、その平均値を厚み(mm)とした。
〔表皮材耐水圧〕
吸音材に使用する表皮材(表皮材が無い場合は5mm厚以内でスライスされた表面領域から15cm角の試料を5点採取し、JIS L 1096(2010)のA法(低水圧法)により耐水圧を測定し、その平均値を表皮材耐水圧とした。
〔シール部耐水圧〕
吸音材から表皮材を採取する際、シール部が15cm角の試料の中央部に含まれるように採取して、表皮材耐水圧と同一にしてシール部耐水圧を求めた。
〔通気度(cm/cm/秒)〕
吸音材に使用する表皮材から、前記表皮材耐水圧と同一にして、15cm角の試料を5点採取し、JIS L 1096(2010)に準拠し、フラジール通気度測定機によって通気度を測定し、その平均値を通気度(cm/cm/秒)とした。
〔ショットブラスト耐性〕
25cm角の吸音材を試料とし、該試料の上面中央部に向けて、S30(鋼球)、吹付けノズル径5mm、ノズル先端から試料上面までの距離150mm、吹付けエアー圧力0.1MPaの条件でショットブラスト試験を実施し、4秒間吹付けて表皮材が破れていれば×、破れていなければ〇、破れていないが表皮材の厚み半分以上の範囲で損傷が見られる場合は△とした。
〔平均繊維径〕
・スパンボンド不織布については、10mm×10mmの試験片を10点採取し、顕微鏡(株式会社ニコン製、商品名:ECLIPSE E400)を用い、倍率50倍で、1試験片毎に任意の30箇所の径をμm単位で小数点第1位まで読み取り、その平均値を平均繊維径とした。
・中綿については、10mm×10mm×5mm圧にスライスした試験片を10点採取し、顕微鏡(株式会社ニコン製、商品名:ECLIPSE E400)を用い、倍率50倍で、1試験片毎に任意の30箇所の径をμm単位で小数点第1位まで読み取り、その平均値を平均繊維径とした。
・メルトブローン不織布については、採取した試料片の構成繊維30本の繊維径(μm)を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、型式名:SU3500形)を用いて、倍率500倍又は1000倍で測定し、その平均値を平均繊維径とした。
〔表面繊維径〕
スパンボンド不織布から採取した試料片の構成繊維30本の繊維径(μm)を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、型式名:SU3500形)を用いて、倍率50倍又は100倍で測定し、その平均値を表面繊維径とした。繊維同士が融着して界面が明確でないため1本の繊維径が特定できない部分は除いた。なお、表皮材の断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、非エンボス部分に融着が見られない場合は、平均繊維径をそのまま表面繊維径とした。
〔非エンボス部繊維間の融着〕
表皮材の最表面のスパンボンド不織布の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、型式名:SU3500形)を用いて観察し、エンボス形状とは異なる融着形状である場合には、非エンボス部繊維間に融着があると判断した。また、エンボス形状と同等の融着形状である場合には、非エンボス部繊維間に融着がないと判断した。
〔吸音率〕
・JIS A 1405-2(伝達関数法)に準じて、内径100mmの音響管を用い垂直入射吸音率を測定した。
・サンプルの調製は、吸音材から、直径100mmの円形になるように、直径100mmの打ち抜き刃を用いて表皮及び中綿共に切り抜いてサンプルを得、その後、表皮、中綿をもとの構成順に積層して、垂直入射吸音率を測定した。なお、吸水した後の吸音率は、下記に示す排水性試験と同じ保水率になるように、上記サンプルに水道水を滴下した後に、垂直入射吸音率を測定した。
〔排水性試験〕
210mm(縦)×297mm(横)×50mm(厚み)の吸音材を試料とした。水没させる前に、25cm角金属網(25メッシュ金網の周囲を5mmフレームで囲ったもの)の上に試料を置き重量を測定し、乾燥時重量とした(金属網の重量は除く)。これを、水道水を張ったステンレスバット(幅30cm×長さ50cm×深さ10cm)に水平に水没させた。その際、吸音材のシール部等が破損しないよう少しずつ押し圧を掛けていき、内部に含まれた空気を完全に排出し、吸音材内部を水で完全に満たした。水没させて5分後に、金属網を保持しながらその上の吸音材と一緒に水中より引き上げ、遅延なく重量測定を行った。これを初期重量とした。
次に、上記吸音材サンプルを再度上記同様に水中に5分間水没させた後、吸音材の長辺が鉛直方向になるように水中より引き上げ、その鉛直状態で1分間静置した後、サンプルの重量を測定し、これを1分後重量とした。サンプルを5枚用意して、それぞれで上記の排水性試験を行い、その結果の平均値を測定値とした。また、保水率と排水率を次式で算出した
〔保水率と排水率〕
保水率(%)=(1分後重量-乾燥時重量)÷(初期重量-乾燥時重量)×100
排水率(%)=100-保水率
〔吸音性能維持率〕
排水試験後の吸音性能を吸音率維持率として次式で算出した。
吸音性能維持率(%)=(排水試験後の吸音材の吸音率)÷(乾燥時の吸音材の吸音率)×100
〔開口率〕
開口部を設ける場合は、上記210mm(縦)×297mm(横)×50mm(厚み)の吸音材試料の四隅を構成する辺に沿って、表皮のみをハサミにて切断した。乾燥状態にて、開口部の面積を鋼尺を用いて下記開口率を測定した。
開口率(%)=(開口部の面積)÷(表皮の全表面積)×100
〔実施例1〕
本実施例では、次のようにして吸音材を得た。
<表皮材の調製>
メルトフローレート(MFR)が60g/10分のプロピレン単重合体を用い、直径0.6mmの紡糸口金を有するスパンボンド不織布成形機で、230℃にて常法のスパンボンド法による溶融紡糸を行い、紡糸により得られた繊維を補集面上に堆積させ、平均繊維径が16μm、目付が10g/mの第1のスパンボンド不織布A-1を得た。
次に、MFRが400g/10分のプロピレン単重合体を、押出機を用いて280℃にて溶融し、得られた溶融物を、紡糸口金から吐出するとともに、280℃の加熱空気を吹付ける常法のメルトブローン法によって平均繊維径3μmの繊維を前記第1のスパンボンド不織布A-1上に堆積させ、目付が5g/mのメルトブローン不織布B-1を形成した。
次に、前記メルトブローン不織布B-1の上に、前記第1のスパンボンド不織布A-1と同一にして繊維を堆積させ、平均繊維径が16μm、目付が10g/mの第2のスパンボンド不織布A-2を形成した。
次に、前記第1のスパンボンド不織布A-1、メルトブローン不織布B-1、第2のスパンボンド不織布A-2の積層体を、温度をエンボスロール145℃、ミラーロール150℃に設定した刻印面積率18%の熱エンボスロールにて一体化し、メルトブローン不織布の表裏両面に第1のスパンボンド不織布と第2のスパンボンド不織布とが積層された3層構造(以下、SMS構造という)不織布を得た。前記SMS構造不織布の目付は25g/mであった。
次に、MFRが60g/10分のプロピレン単独重合体を用い、直径1.3mmの紡糸口金を有するスパンボンド不織布成形機で、230℃にて常法のスパンボンド法による溶融紡糸を行い、紡糸により得られた繊維を前記SMS構造不織布の上に堆積させ、平均繊維径が35μm、目付が100g/mの第4のスパンボンド不織布Cを形成した。次に、前記SMS構造不織布と第4のスパンボンド不織布Cとの積層体を、温度をエンボスロール155℃、ミラーロール160℃に設定した刻印面積率18%の熱エンボスロール(エンボス柄0.9mm角)にて一体化し、表皮材として、前記SMS構造不織布の上に、前記第4のスパンボンド不織布Cが積層された4層構造(以下、SSMS構造という)不織布からなる表皮材を得た。前記表皮材の構成を、PP-SSMSということがある。
<中綿の調製>
ポリプロピレン系短繊維(宇部エクシモ株式会社製、商品名:UCファイバー、平均繊維径21μm、平均繊維長51mm)10質量部と、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)系バインダー短繊維(ユニチカ株式会社製、商品名:メルティ4080、平均繊維径14μm、平均繊維長51mm)30質量部と、ポリエチレンテレフタレート系(平均繊維径14μm、平均繊維長51mm)汎用短繊維40質量部と、ポリエチレンテレフタレート系(平均繊維径25μm、平均繊維長51mm)汎用短繊維20質量部とを混合し、開繊機、カード機にてウェブを形成したのち、クロスレイヤー機にて多層積層し、約50mmのギャップ間距離に設定された熱風エアー処理機にて処理し、ポリプロピレン系短繊維とポリエチレンテレフタレート系短繊維とを含む約50mm厚のシート状不織布成形体からなる中綿を得た。
<吸音材の調製>
次に、前記中綿を210mm(縦)×297mm(横)×49mm(厚み)にカットした(排水性試験の場合のサイズ)。次に、カットした前記中綿の表裏両面に、前記表皮材を前記第4のスパンボンド不織布Cが最表面になるようにして配置し、前記中綿の周囲の該表皮材の周縁部を、超音波シール機(精電舎電子工業株式会社製、商品名:JII430SA)にて出力2.0V、圧力0.3MPa、速度5m/分の条件で融着して0.3mm幅の連続したシール部を形成し、前記中綿が前記表皮材に内包された吸音材を得た。前記シール部の外周の余った部分は裁断して削除した。得られたA4サイズの直方体の4隅のコーナー部分に、実施例表に応じて、表皮部分のみ切り込みを行いスリット開口部分を設けた。
次に、本実施例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔実施例2〕
<表皮材の調製>
本実施例では、実施例1と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調製>
ポリプロピレン系短繊維(宇部エクシモ株式会社製、商品名:UCファイバー、平均繊維径20μm、平均繊維長51mm)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)系バインダー短繊維(ユニチカ株式会社製、商品名:メルティ4080、平均繊維径14μm、平均繊維長51mm)35質量部と、ポリエチレンテレフタレート系(平均繊維径25μm、平均繊維長51mm)汎用短繊維30質量部と、ポリエチレンテレフタレート系(平均繊維径45μm、平均繊維長51mm)汎用短繊維30質量部とを混合した以外は、実施例1と全く同一にて中綿を調整した。
<吸音材の調製>
実施例1と全く同一にして吸音材を調整した。
次に、本実施例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔実施例3〕
<表皮材の調製>
本実施例では、実施例1と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調製>
ポリプロピレン系短繊維(宇部エクシモ株式会社製、商品名:UCファイバー、平均繊維径20μm、平均繊維長51mm)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)系バインダー短繊維(ユニチカ株式会社製、商品名:メルティ4080、平均繊維径14μm、平均繊維長51mm)35質量部と、ポリエチレンテレフタレート系(平均繊維径54μm、平均繊維長51mm)汎用短繊維60質量部とを混合した以外は、実施例1と全く同一にて中綿を調整した。
<吸音材の調製>
実施例1と全く同一にして吸音材を調整した。
次に、本実施例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔実施例4〕
<表皮材の調製>
本実施例では、第1のスパンボンド不織布A-1と第2のスパンボンド不織布A-2の目付をそれぞれ18.5g/mとし、メルトブローン不織布B-1をMFRが1500g/10分のプロピレン単重合体を用いて目付8g/mとした以外は実施例1と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調製>
本実施例では、実施例1と全く同一にて中綿を調整した。
<吸音材の調製>
実施例1と全く同一にして吸音材を調整した。
次に、本実施例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔比較例1〕
<表皮材の調製>
本比較例は、実施例1と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調整>
本比較例は、実施例1と全く同一にして中綿を調整した。
<吸音材の調製>
本比較例では、得られたA4サイズの直方体の4隅のコーナー部分にスリット開口部分を設けずに吸音材を調整した点以外は実施例1と同一にした。
次に、本比較例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔比較例2〕
<表皮材の調製>
本比較例は、実施例1と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調整>
本比較例は、実施例2と全く同一にして中綿を調整した。
<吸音材の調製>
本比較例では、得られたA4サイズの直方体の4隅のコーナー部分にスリット開口部分を設けずに吸音材を調整した点以外は実施例2と同一にした。
次に、本比較例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔比較例3〕
<表皮材の調製>
本比較例は、実施例1と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調整>
本比較例は、実施例3と全く同一にして中綿を調整した。
<吸音材の調製>
本比較例では、得られたA4サイズの直方体の4隅のコーナー部分にスリット開口部分を設けずに吸音材を調整した点以外は実施例3と同一にした。
次に、本比較例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔比較例4〕
<表皮材の調製>
本比較例は、実施例4と全く同一にして表皮材を調整した。
<中綿の調整>
本比較例は、実施例4と全く同一にして中綿を調整した。
<吸音材の調製>
本比較例では、得られたA4サイズの直方体の4隅のコーナー部分にスリット開口部分を設けずに吸音材を調整した点以外は実施例4と同一にした。
次に、本比較例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
〔比較例5〕
<表皮材の調製>
表皮材として、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)不織布(東洋紡株式会社製、商品名:ハイム、繊維径15μm、目付120g/m)からなる単層のスパンボンド不織布(PET-SB)を用いた以外は実施例1と同様に表皮材を調整した。
<中綿の調整>
本比較例は、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)系短繊維60質量部(帝人フロンティア株式会社製、商品名:テトロン、平均繊維径30μm、平均繊維長51mm)60質量部と、実施例1と同一のポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)系バインダー短繊維40質量部とを混合した以外は、実施例1と全く同一にて中綿を調整した。
<吸音材の調製>
表皮材を、スプレー糊(3M社製、品番:77)により中綿と積層して、片面表皮付きの吸音材を得た。
次に、本比較例で得られた吸音材の物性及び性能を前述のようにして測定又は評価した。物性、乾燥時の吸音率、排水試験後の吸音率及び吸音性能維持率を表1に示す。
Figure 2023045951000002
表1から、少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿が、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布からなる表皮材に内包され、当該表皮材の4隅のコーナー部分にスリット開口部分を設けた実施例1、2、3及び4の吸音材によれば、水分が多い環境下でも吸音率が低下することがないことが明らかである。これに対し、スリット開口部分がない比較例1、2,3、4の吸音材、又は、表皮材がポリエステル系樹脂からなる繊維を含む不織布からなる比較例5の吸音材では、水分が多い環境下では吸音率が低下することが明らかである。
1…吸音材、 2…中綿、 3…表皮材、3a…開口、 4…シール部、 11…吸音パネル、 12…遮蔽板、 13…側壁、13a…開口、 14…フレーム、 15…保護パネル、 16…支持部。

Claims (16)

  1. 少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿と、該中綿を内包する表皮材とからなり、
    該表皮はポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布からなり、
    該表皮材の少なくとも一部に開口を有することを特徴とする吸音材。
  2. 請求項1記載の吸音材において、前記中綿はポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含むことを特徴とする吸音材。
  3. 請求項1又は請求項2記載の吸音材において、前記表皮材は200~2000mmHOの範囲の耐水圧を備えることを特徴とする吸音材。
  4. 請求項1~3のいずれか1項記載の吸音材において、前記表皮材はスパンボンド不織布を含むことを特徴とする吸音材。
  5. 請求項1~4のいずれか1項記載の吸音材において、前記表皮材は第1のスパンボンド不織布と、該第1のスパンボンド不織布上に位置するメルトブローン不織布と、該メルトブローン不織布上に位置する第2のスパンボンド不織布とを含むことを特徴とする吸音材。
  6. 請求項5記載の吸音材において、前記第1又は第2のスパンボンド不織布は、25~50μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含むことを特徴とする吸音材。
  7. 請求項5記載の吸音材において、前記メルトブローン不織布は、0.5~5μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含むことを特徴とする吸音材。
  8. 請求項1~4のいずれか1項記載の吸音材において、前記表皮材は第3のスパンボンド不織布を含むスパンボンド不織布層を備えることを特徴とする吸音材。
  9. 請求項8記載の吸音材において、前記第3のスパンボンド不織布は、15~100μmの範囲の平均繊維径を備える繊維を含むことを特徴とする吸音材。
  10. 請求項8又は請求項9記載の吸音材において、前記スパンボンド不織布層は、表面に位置する繊維が30μm超100μm以下の範囲の平均繊維径を備えることを特徴とする吸音材。
  11. 請求項8~10のいずれか1項記載の吸音材において、前記スパンボンド不織布層は、20%以上の溶着面積比率を備えることを特徴とする吸音材。
  12. 請求項1~11のいずれか1項記載の吸音材において、
    前記中綿を構成する繊維の平均繊維径が、10~100μmであることを特徴とする吸音材。
  13. 請求項1~12のいずれか1項記載の吸音材において、
    前記表皮材全体の、シール部下を除く面積に対する前記開口の面積の比率が10%以下であることを特徴とする吸音材。
  14. 請求項1~請求項13のいずれか1項記載の吸音材と、前記吸音材を収納するフレームとを含み、
    該フレームの遮蔽版及び側壁の少なくとも一部に開口を有することを特徴とする吸音パネル。
  15. 吸音材の製造方法であって、
    少なくともポリエステル系樹脂からなる繊維を含む中綿を、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維を含む不織布である表皮材で包み込み、前記表皮材の端部を融着する融着工程と、
    該吸音材を配設した際に、該表皮材の、少なくとも重力下方に位置する側において開口を形成する穿設工程と、
    を含むことを特徴とする吸音材の製造方法。
  16. 請求項15に記載の吸音材の製造方法において、前記融着工程において、超音波シール法にて前記表皮材の端部を融着することを特徴とする吸音材の製造方法。
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