JP2023045924A - 光源装置及び投影装置 - Google Patents
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Abstract
Description
光軸に垂直な第1軸方向についての発散角度範囲が、前記光軸及び前記第1軸に垂直な第2軸方向についての発散角度範囲より広いレーザー光を出射するレーザーダイオードと、
前記レーザーダイオードから出射された前記レーザー光を反射させ、かつ、前記第1軸方向に前記レーザー光を集光する集光ミラーと、
前記集光ミラーにより反射された前記レーザー光を前記第2軸方向に集光する集光レンズと、
前記集光ミラー及び前記集光レンズにより集光された前記レーザー光が入射するコアを有する光ファイバーと、
を備えることを特徴とする。
図1は、本実施形態の光源装置10を有するプロジェクタ1の構成と光の経路を説明する図である。
プロジェクタ1(投影装置)は、レーザー光Lを出力する光源装置10と、発光ダイオード21(以下、「LED21」と記す)とを有する。プロジェクタ1は、光源装置10及びLED21を光源とするRGBの光を少なくとも利用して画像を形成し、当該画像を投影面に投影する。図1は、プロジェクタ1の構成要素のうち、光源装置10と、画像を形成して投影する画像投影部20と、を抽出して示している。図1のうち、光源装置10を除いた各構成要素により画像投影部20が構成される。
緑色波長帯域の光(以下、「緑色光」と記す)は、光源装置10から出射された青色光の一部を蛍光体ホイール24の蛍光体層に照射することにより得られる。
LED21は、赤色の波長帯域の光(以下、「赤色光」と記す)を出射する。
図1において、青色光の光経路を実線で示し、緑色光の光経路を一点鎖線で示し、赤色光の光経路を破線で示す。
以下、図2~図8を参照して、光源装置10の構成について説明する。
図2は、光源装置10の構成を示す模式図である。
光源装置10は、複数のLD11と、第1コリメータレンズ12と、第2コリメータレンズ13と、集光ミラー14と、集光レンズ15と、光ファイバー16と、を備える。このうち第1コリメータレンズ12、第2コリメータレンズ13、集光ミラー14、及び集光レンズ15により、複数のLD11から出射されたレーザー光Lを光ファイバー16のコア161の入射端面161aに導く光学系100が構成される。すなわち、光源装置10は、複数のLD11から出射されたレーザー光Lを上記の光学系100により光ファイバー16のコア161の入射端面161aに導き、光ファイバー16のコア161の出射端面161bからレーザー光Lを出射する。
なお、図2は、光源装置10のLD11、第1コリメータレンズ12、第2コリメータレンズ13、集光ミラー14、集光レンズ15及び光ファイバー16の位置関係を模式的に示したものであり、これらの各構成要素の大きさ及び相互の距離は、具体的な実施の態様に応じて適宜調整される(以降の図3~図9も同様)。
LD11は、n型クラッド層111及びp型クラッド層112の間に活性層113(発光層)を設けたダブルへテロ構造を有する。電極114を介して電圧を印加することで、活性層113内において電子及びホールが結合して発光するとともに、活性層113の端面間で共振して誘導放出を生じ、レーザー発振する。発振したレーザー光は、活性層113の一方の端面である発光端面113aから図3のY方向に射出される。
第1コリメータレンズ12は、LD11から出射され、集光ミラー14に入射する前のレーザー光Lを、ファスト軸A1方向についてコリメート(平行化)する。第2コリメータレンズ13は、第1コリメータレンズ12を透過し、集光ミラー14に入射する前のレーザー光Lを、スロー軸A2方向についてコリメートする。ここで、「ファスト軸A1方向についてコリメートする」とは、ファスト軸A1方向に拡散しつつ進行するレーザー光Lを、ファスト軸A1及び光軸Laに平行な面内において、光軸Laに平行な光となるように屈折させることをいう。また、「スロー軸A2方向についてコリメートする」とは、スロー軸A2方向に拡散しつつ進行するレーザー光Lを、スロー軸A2及び光軸Laに平行な面内において、光軸Laに平行な光となるように屈折させることをいう。
集光ミラー14は、LD11から出射されて第1コリメータレンズ12及び第2コリメータレンズ13によりコリメートされたレーザー光Lを反射させ、かつ、ファスト軸A1方向にレーザー光Lを集光する。ここで、「レーザー光Lをファスト軸A1方向に集光する」とは、ファスト軸A1方向に対して支配的に集光することをいい、例えばファスト軸A1方向にのみ集光することをいう。このうち「ファスト軸A1方向にのみ集光する」とは、ファスト軸A1方向に集光し、かつスロー軸A2軸方向には集光しないように設計されていることを含み、集光ミラー14の製造ばらつきなどに起因してスロー軸A2方向にも僅かに集光作用(屈折作用)が生じる態様を含む。集光ミラー14の反射面141は、図6(a)に示すように、光軸La及びファスト軸A1に平行な第1平面内(ここでは、X-Y平面内)で、当該第1平面内におけるある仮想的な放物線Pのうち、当該放物線Pの軸AXを通らない一部に一致する形状を有し、かつ、図6(b)に示すように、第1平面に垂直な第2平面内(ここでは、例えばY-Z平面に平行な平面pn内)で直線形状142を有する、放物線柱面である。別の観点では、集光ミラー14の反射面141は、放物線Pのうち軸AXを通らない一部をZ方向に移動させたときの軌跡がなす曲面である。放物線Pの軸AXを通らないことから、集光ミラー14の反射面141は、「軸外し放物線柱面」ということもできる。よって、集光ミラー14は、「放物線柱面ミラー」、又は「軸外し放物線柱面ミラー」と言い換えることもできる。あるいは、集光ミラー14は、「軸外し放物面シリンドリカルミラー(Off-Axis Parabolic Cylindrical Mirror:OAPCM)」と呼ぶこともできる。
図7では、レーザー光Lのうちファスト軸A1方向の成分を抽出して描いている。第1コリメータレンズ12によりコリメートされてY方向に進行するレーザー光Lのファスト軸A1方向成分は、集光ミラー14の反射面141で反射して、光ファイバー16のコア161の入射端面161aの位置で集束するように集光される。すなわち、反射面141の各点で反射した光は、反射面141の角度に応じて、それぞれ光ファイバー16のコア161の位置に向かって進行する。集光ミラー14で反射したレーザー光Lのファスト軸A1方向成分は、集光レンズ15に入射するが、集光作用を受けずにそのまま集光レンズ15を透過し、光ファイバー16のコア161の入射端面161aに入射する。
図8では、レーザー光Lのうちスロー軸A2方向の成分を抽出して描いている。第2コリメータレンズ13によりコリメートされてY方向に進行するレーザー光Lのスロー軸A2方向成分は、集光ミラー14の反射面141で反射して、集光レンズ15に向かう。ここで、集光ミラー14の反射面141は、スロー軸A2方向には曲率を有していないため、レーザー光Lのスロー軸A2方向成分は、平行光のまま反射する。集光ミラー14で反射したレーザー光Lのスロー軸A2方向成分は、集光レンズ15に入射し、光ファイバー16のコア161の入射端面161a位置で集束するように集光される。
以上に説明した光学系100は、ファスト軸A1方向成分及びスロー軸A2方向成分の各々について、上述の入射角度損失及び入射位置損失を低減して光ファイバー16への結合効率を向上できるように構成されている。また、LD11の位置ずれに対する入射角度損失及び入射位置損失の増大の程度(以下、「誤差感度」と記す)を低減できるように構成されている。以下、これらについて説明する。
一般に、コリメート後のレーザー光Lのビーム幅がある幅より広くなると、ビーム幅の端部近傍では、コア161の入射端面161aへの入射角度(集光角度)が最大受光角より大きくなって、入射角損失が増大する。特に、レーザー光Lのファスト軸A1方向成分は、拡散角度範囲が広いため、ビーム幅が広くなりやすい。しかしながら、ビーム幅の広がりを抑えるために、第1コリメータレンズ12の焦点距離を短くして、図2及び図4におけるLD11と第1コリメータレンズ12との距離を短縮すると、LD11の僅かな位置ずれによって入射角損失及び入射位置損失が増大するようになり、誤差感度が増大してしまう。
レーザー光Lのスロー軸A2方向成分は、LD11の発光端面113aのY方向の幅が広いことに起因して出射方向のばらつきが大きい(平行度が低い)。このため、スロー軸A2方向成分をコリメートするための第2コリメータレンズ13の焦点距離を長くし、第2コリメータレンズ13を第1コリメータレンズ12よりもLD11から離している。一般に、コリメータレンズは、焦点距離が長いほど、コリメート後の平行光の平行度を高くできるため、第2コリメータレンズ13の焦点距離を長くした構成により、出射方向のばらつきの大きいスロー軸A2方向成分を、より平行度の高い平行光とすることができる。
次に、本実施形態の光源装置10の、図9に示す比較例に対する効果について説明する。
図9は、比較例に係る光源装置30の構成を示す図である。
比較例に係る光源装置30は、複数のLD31と、第1コリメータレンズ32と、第2コリメータレンズ33と、複数の反射ミラー37と、第1集光レンズ38と、第2集光レンズ35と、光ファイバー36と、を備える。このうち、複数のLD31、第1コリメータレンズ32、第2コリメータレンズ33、第2集光レンズ35、及び光ファイバー36の構成及び機能は、上記実施形態に係る光源装置10における複数のLD11、第1コリメータレンズ12、第2コリメータレンズ13、集光レンズ15、及び光ファイバー16とそれぞれ同一である。比較例に係る光源装置30は、集光ミラー14に代えて複数の反射ミラー37が設けられ、さらにこれらの複数の反射ミラー37と第2集光レンズ35との間に第1集光レンズ38が設けられている点で、上記実施形態の光源装置10と異なる。
このような構成によれば、集光ミラー14によりレーザー光Lを反射させつつファスト軸A1方向に集光することができるため、レーザー光Lを反射させる反射ミラー37と、ファスト軸A1方向成分の集光のための第1ミラー38とを必要とする比較例に係る光源装置30と比較して、光学系100の構成を簡素化することができ、装置の小型化を実現することができる。
また、集光ミラー14を集光レンズ15よりも光ファイバー16から遠い位置に設けることで、レーザー光Lのファスト軸A1方向成分をスロー軸A2方向成分よりも緩やかに集光することができる。よって、ファスト軸A1方向のビーム幅を広げても、入射角損失を十分に低減することができる。このため、LD11と第1コリメータレンズ12との距離をとって(第1コリメータレンズ12の焦点距離を長くして)、LD11の位置ずれに係るファスト軸A1方向成分の誤差感度を低減することができる。
また、集光レンズ15を集光ミラー14よりも光ファイバー16に近い位置に設けることで、焦点距離を短くしてスロー軸A2方向成分の集光位置のばらつきを抑えることができる。よって、出射方向のばらつきの大きいスロー軸A2方向成分について、入射位置損失を低く抑えることができる。
よって、ファスト軸A1方向成分及びスロー軸A2方向成分の各々について、入射角損失、入射位置損失及び誤差感度をいずれも低く抑えることができる。これにより、光ファイバー16への結合効率の低下を抑えつつ小型化を実現することができる。
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る光源装置及び投影装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、光源装置10をプロジェクタ1の光源として用いる例を挙げて説明したが、これに限定する趣旨ではない。光源装置10は、光ファイバー16により伝送されたレーザー光Lを利用する任意の用途に用いることができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
光軸に垂直な第1軸方向についての発散角度範囲が、前記光軸及び前記第1軸に垂直な第2軸方向についての発散角度範囲より広いレーザー光を出射するレーザーダイオードと、
前記レーザーダイオードから出射された前記レーザー光を反射させ、かつ、前記第1軸方向に前記レーザー光を集光する集光ミラーと、
前記集光ミラーにより反射された前記レーザー光を前記第2軸方向に集光する集光レンズと、
前記集光ミラー及び前記集光レンズにより集光された前記レーザー光が入射するコアを有する光ファイバーと、
を備えることを特徴とする光源装置。
<請求項2>
前記集光ミラーの反射面は、前記光軸及び前記第1軸に平行な第1平面内で、当該第1平面内におけるある仮想的な放物線のうち、当該放物線の軸を通らない一部に一致する形状を有し、かつ前記第1平面に垂直な第2平面内で直線形状を有する、放物線柱面であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
<請求項3>
前記集光ミラーは、前記反射面に入射する前記レーザー光の光軸と、前記放物線の軸とが平行となるように配置されており、
前記光ファイバーの前記コアは、前記第1平面に垂直な方向から見て、前記放物線の焦点に相当する位置に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
<請求項4>
前記集光レンズは、前記第2軸方向に曲率を有するシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の光源装置。
<請求項5>
前記第1軸方向についての位置が互いに異なる複数の前記レーザーダイオードを備え、
前記集光ミラーは、前記複数のレーザーダイオードからそれぞれ出射された前記レーザー光を反射させ、かつ前記第1軸方向に集光する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の光源装置。
<請求項6>
前記集光ミラーは、前記レーザー光を前記第1軸方向にのみ集光し、
前記集光レンズは、前記レーザー光を前記第2軸方向にのみ集光する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の光源装置。
<請求項7>
前記レーザーダイオードから出射され、前記集光ミラーに入射する前の前記レーザー光を、前記第1軸方向についてコリメートする第1コリメータレンズと、
前記第1コリメータレンズを透過し、前記集光ミラーに入射する前の前記レーザー光を、前記第2軸方向についてコリメートする第2コリメータレンズと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の光源装置。
<請求項8>
前記第1コリメータレンズは、前記第1軸方向に曲率を有するシリンドリカルレンズであり、
前記第2コリメータレンズは、前記第2軸方向に曲率を有するシリンドリカルレンズである
ことを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
<請求項9>
請求項1~8のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光ファイバーにより伝送された前記レーザー光を少なくとも利用して画像を形成し、当該画像を投影する画像投影部と、
を備えることを特徴とする投影装置。
10 光源装置
11 LD(レーザーダイオード)
111 n型クラッド層
112 p型クラッド層
113 活性層
113a 発光端面
114 電極
12 第1コリメータレンズ
13 第2コリメータレンズ
14 集光ミラー
141 反射面
15 集光レンズ
16 光ファイバー
161 コア
161a 入射端面
161b 出射端面
162 クラッド
20 画像投影部
30 光源装置
31 LD(レーザーダイオード)
32 第1コリメータレンズ
33 第2コリメータレンズ
35 第2集光レンズ
36 光ファイバー
37 反射ミラー
38 第1集光レンズ
100 光学系
A1 ファスト軸(第1軸)
A2 スロー軸(第2軸)
AX 軸
F 焦点
L レーザー光
La 光軸
P 放物線
Claims (9)
- 光軸に垂直な第1軸方向についての発散角度範囲が、前記光軸及び前記第1軸に垂直な第2軸方向についての発散角度範囲より広いレーザー光を出射するレーザーダイオードと、
前記レーザーダイオードから出射された前記レーザー光を反射させ、かつ、前記第1軸方向に前記レーザー光を集光する集光ミラーと、
前記集光ミラーにより反射された前記レーザー光を前記第2軸方向に集光する集光レンズと、
前記集光ミラー及び前記集光レンズにより集光された前記レーザー光が入射するコアを有する光ファイバーと、
を備えることを特徴とする光源装置。 - 前記集光ミラーの反射面は、前記光軸及び前記第1軸に平行な第1平面内で、当該第1平面内におけるある仮想的な放物線のうち、当該放物線の軸を通らない一部に一致する形状を有し、かつ前記第1平面に垂直な第2平面内で直線形状を有する、放物線柱面であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記集光ミラーは、前記反射面に入射する前記レーザー光の光軸と、前記放物線の軸とが平行となるように配置されており、
前記光ファイバーの前記コアは、前記第1平面に垂直な方向から見て、前記放物線の焦点に相当する位置に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。 - 前記集光レンズは、前記第2軸方向に曲率を有するシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記第1軸方向についての位置が互いに異なる複数の前記レーザーダイオードを備え、
前記集光ミラーは、前記複数のレーザーダイオードからそれぞれ出射された前記レーザー光を反射させ、かつ前記第1軸方向に集光する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の光源装置。 - 前記集光ミラーは、前記レーザー光を前記第1軸方向にのみ集光し、
前記集光レンズは、前記レーザー光を前記第2軸方向にのみ集光する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の光源装置。 - 前記レーザーダイオードから出射され、前記集光ミラーに入射する前の前記レーザー光を、前記第1軸方向についてコリメートする第1コリメータレンズと、
前記第1コリメータレンズを透過し、前記集光ミラーに入射する前の前記レーザー光を、前記第2軸方向についてコリメートする第2コリメータレンズと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の光源装置。 - 前記第1コリメータレンズは、前記第1軸方向に曲率を有するシリンドリカルレンズであり、
前記第2コリメータレンズは、前記第2軸方向に曲率を有するシリンドリカルレンズである
ことを特徴とする請求項7に記載の光源装置。 - 請求項1~8のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光ファイバーにより伝送された前記レーザー光を少なくとも利用して画像を形成し、当該画像を投影する画像投影部と、
を備えることを特徴とする投影装置。
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