JP2005164665A - 発光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】垂直方向と水平方向で放射角が大きく異なる半導体発光素子のビーム形状を整形し、かつ見かけの発光点位置を一致させることにより、光ファイバへの結合効率を高める。
【解決手段】 半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分を屈折させてビーム形状を補正する円柱型レンズ4を備えるとともに、半導体発光素子2と円柱型レンズ4の間にスラブ型光導波路3を備える。半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分の放射角を円柱型レンズ4で変換することで見かけ上の発光点位置が移動するが、スラブ型光導波路3を備えることで発光点位置の移動が相殺され、垂直放射成分と水平放射成分の見かけ上の発光点位置が一致し、かつ、垂直放射成分と水平放射成分の放射角が一致したビームが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分を屈折させてビーム形状を補正する円柱型レンズ4を備えるとともに、半導体発光素子2と円柱型レンズ4の間にスラブ型光導波路3を備える。半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分の放射角を円柱型レンズ4で変換することで見かけ上の発光点位置が移動するが、スラブ型光導波路3を備えることで発光点位置の移動が相殺され、垂直放射成分と水平放射成分の見かけ上の発光点位置が一致し、かつ、垂直放射成分と水平放射成分の放射角が一致したビームが得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、放射角の異方性を有する発光手段を備えた発光モジュールに関する。詳しくは、放射角を補正する屈折手段に加えて、光導波手段を備えて見かけ上の発光点位置を一致させることで、簡単な構成で光ファイバ等との結合効率を高めたものである。
半導体発光素子であるレーザダイオードから出射されるビームは、ビームを出射する活性層に垂直な方向(一の方向)と水平な方向(他の方向)で広がり角(放射角)が異なり、ビームの断面形状は縦長の楕円形となる。
このように半導体発光素子から出射する光の断面形状が楕円形であると、レンズで絞ったビーム形状も楕円形となる。このため、断面形状が円形のコアを有する光ファイバに対する結合効率が悪い。
このため、半導体発光素子から出射される光の垂直放射成分の放射角をシリンドリカルレンズを用いて調整し、ビーム形状を整形する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、レンズの表面と裏面で異なる形状のシリンドリカルレンズ部を構成し、ビーム形状を補正するとともに、半導体発光素子から出射される光の垂直放射成分と水平放射成分の見かけ上の発光点位置を一致させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、半導体発光素子から出射される光の垂直放射成分の見かけ上の発光点位置が、水平放射成分の発光点位置とずれてしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示された技術では、半導体発光素子から出射された光の水平放射成分と垂直放射成分の放射角を一致させ、かつ、水平放射成分と垂直放射成分で見かけ上の発光点の位置を一致させるという2つの機能を1つのレンズで実現しているため、レンズの両面の形状が複雑であり、製造が困難であるという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、放射角の異方性を有する半導体発光素子から出射された光を簡単な構成で整形し、かつ見かけの発光点を一致させることで、光ファイバへの結合効率を高めることができる発光モジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る発光モジュールは、一の方向とこの一の方向と交する他の方向で光の放射角が異なる発光手段を備えた発光モジュールにおいて、発光手段から出射される光の一の方向の放射成分を導波する光導波手段と、発光手段から出射され、光導波手段を通過した光の一の方向の放射成分を屈折させる屈折手段とを備えたものである。
本発明に係る発光モジュールによると、放射角の異方性を有する発光手段から出射された光は光導波手段に入射する。発光手段から出射された光の他の方向の放射成分に対しては光導波手段は導波機能はなく、光の進行方向に従って光は広がる。
これに対して、発光手段から出射された光の一の方向の放射成分には光導波手段は導波する機能があり、光は光導波手段で規定された幅で伝搬する。そして、光導波手段から出射した光は屈折手段に入射し、一の方向に広がる光の放射角を他の方向の光の放射角に近づける。
発光手段から出射された光の一の方向の放射成分の見かけ上の発光点位置は、放射角を変換することで光軸に沿って移動するが、光導波手段によって相殺され、他の方向の放射成分の発光点位置と一致する。
本発明では、屈折手段を備えることで、発光手段から出射した光の一の方向の放射成分の放射角と他の方向の放射成分の放射角を一致させることができる。また、発光手段と屈折手段の間に光導波手段を備えることで、発光手段から出射した光の一の方向の放射成分と他の方向の放射成分の見かけ上の発光点の位置を一致させることができる。これにより、簡単な構造で光ファイバ等に高効率で結合することができる。
以下、図面を参照して本発明の発光モジュールの実施の形態について説明する。図1は本実施の形態の発光モジュールの構成例を示す斜視図である。本実施の形態の発光モジュール1は、半導体発光素子2とスラブ型光導波路3と円柱型レンズ4を備える。半導体発光素子2は発光手段の一例で、へき開面から出射する一般的なレーザダイオード(LD)である。
スラブ型光導波路3は光導波手段の一例で、半導体発光素子2から出射される光の水平放射成分と平行な平板状のコア3aと、コア3aを挟むクラッド3bを備える。スラブ型光導波路3は入射端面3cが半導体発光素子2と対向するように配置され、半導体発光素子2から出射された光の垂直放射成分を導波する機能を有する。
円柱型レンズ4は屈折手段の一例で、半導体発光素子2から出射された光の垂直放射成分に対して直交する方向に延在する。円柱型レンズ4は円周面がスラブ型光導波路3の出射端面3dと対向するように配置され、半導体発光素子2から出射された光の垂直方向成分を屈折する機能を有する。
半導体発光素子2、スラブ型光導波路3および円柱型レンズ4は、光軸を一致させて基板5等に実装され、発光モジュール1が構成される。なお、図示しないがパッケージに収容された形態でも良い。
図2は本実施の形態の発光モジュールの動作例を示す説明図で、図2(a)は半導体発光素子2から出射される光の垂直放射成分の光路を示し、図2(b)は半導体発光素子2から出射される光の水平放射成分の光路を示す。
まず、発光モジュール1の各構成の寸法等について説明すると、半導体発光素子2の活性層のストライプ幅は100μm、垂直放射角θvは30度、水平放射角θhは9度である。スラブ型光導波路3のコア3aは、屈折率1.5、厚さ30μmである。また、スラブ型光導波路3は光の進行方向に対して2.4mmの長さである。そして、スラブ型光導波路3は半導体発光素子2と約20μmの距離を設けてバットカップリングされる。
円柱型レンズ4は例えばBK7と呼ばれる一般的なガラス材を用いて構成され、直径は1mmである。そして、円柱型レンズ4とスラブ型光導波路3は30μmの距離を設けて配置される。
上述した構成の発光モジュール1において半導体発光素子2とスラブ型光導波路3および円柱型レンズ4は光軸を一致させて実装され、半導体発光素子2から出射した光がスラブ型光導波路3のコア3aに入射し、スラブ型光導波路3のコア3aから出射した光が円柱型レンズ4に入射する構成である。
次に発光モジュール1の動作を説明すると、半導体発光素子2から出射した光は、スラブ型光導波路3のコア3aに入射する。スラブ型光導波路3は、半導体発光素子2から出射した光の水平放射成分には導波機能はなく、図2(b)に示すように、半導体発光素子2によってあらかじめ決まっている水平放射角θh(本例では9度)に従い、光の進行方向に従ってビームは広がる。
スラブ型光導波路3は、半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分には導波機能があり、図2(a)に示すように、半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分はコア3a内で全反射しながら進行する。これにより、垂直方向のビーム幅はコア3aの厚さによって規定され、スラブ型光導波路3の出射端面3dでは、光ビームは垂直方向に30μm幅、放射角度30度の形状となる。
スラブ型光導波路3から出射した光は円柱状レンズ4に入射する。円柱型レンズ4は、半導体発光素子2から出射してスラブ型光導波路3を通過した光の水平放射成分に対しては、光路中に平板ガラスが存在することと同等で、図2(b)に示すように、水平放射角θhに変化は生じない。
円柱型レンズ4は、半導体発光素子2から出射してスラブ型光導波路3を通過した光の垂直放射成分を屈折させる機能があり、図2(a)に示すように、垂直放射角θvを水平放射角θhに近づける。本例では、半導体発光素子2において30度の垂直放射角θvが、円柱型レンズ4を通過することで8.7度となった。
半導体発光素子2から出射した光の垂直放射成分の見かけ上の発光点位置Pvは、放射角を変換することで光軸に沿って移動するが、本例の構成ではスラブ型光導波路3によって相殺され、水平放射成分の発光点位置Phと一致する。
本例では、見かけ上の発光点位置Pv,Phは、垂直放射成分および水平放射成分ともに円柱型レンズ4の出射面から半導体発光素子2側に2.3mm入り込んだ位置となった。また、発光点形状は水平方向の直径が100μm、垂直方向の直径が102μmとほぼ円形となった。
図3は本実施の形態の発光モジュールの使用例を示す説明図である。上述した発光モジュール1から出射した光を平行光にするコリメートレンズ6と、コリメートレンズ6を通過した光を集光するフォーカスレンズ7を備え、フォーカスレンズ7の焦点位置に合わせて光ファイバ8を接続する。
光ファイバ8としてコアの直径が62.5μm、クラッドの直径が125μmのGI(Graded Index)型光ファイバを用い、発光モジュール1から出射した光をこの光ファイバ8に入射したところ、80%の結合効率が得られた。なお、光ファイバとの結合効率は以下の(1)式により求められる。
(光ファイバ出射強度/半導体発光素子出射強度)×100・・・(1)
(光ファイバ出射強度/半導体発光素子出射強度)×100・・・(1)
本実施の形態の発光モジュール1では、円柱型レンズ4を備えることで水平放射の放射角θhと垂直放射の放射角θvを一致させることができるとともに、半導体発光素子2と円柱型レンズ4の間にスラブ型光導波路3を備えることで水平放射と垂直放射の見かけ上の発光点の位置を一致させることができる。
このように、本実施の形態の発光モジュール1では、水平放射角θhと垂直放射角θv、および水平放射成分と垂直放射成分の見かけの発光点位置を簡単な構成で一致させて、光ファイバ等に高効率で結合することができる。
本発明は、発光素子としてレーザを用いて光通信を行う発光モジュールに適用して、光ファイバとの結合効率を高めることができるものである。
1・・・発光モジュール、2・・・半導体発光素子、3・・・スラブ型光導波路、3a・・・コア、3b・・・クラッド、3c・・・入射端面、3d・・・出射端面、4・・・円柱型レンズ、5・・・基板、6・・・コリメートレンズ、7・・・フォーカスレンズ、8・・・光ファイバ
Claims (5)
- 一の方向とこの一の方向と交する他の方向で光の放射角が異なる発光手段を備えた発光モジュールにおいて、
前記発光手段から出射される光の一の方向の放射成分を導波する光導波手段と、
前記発光手段から出射され、前記光導波手段を通過した光の一の方向の放射成分を屈折させる屈折手段と
を備えたことを特徴とする発光モジュール。 - 前記光導波手段は、前記発光手段から出射される光の他の方向の放射成分に沿った平板状のコアを備えたスラブ型光導波路である
ことを特徴とする請求項1記載の発光モジュール。 - 前記屈折手段は、前記発光手段から出射される光の他の方向の放射成分に沿った方向に延在する円柱型レンズである
ことを特徴とする請求項1記載の発光モジュール。 - 前記光導波手段は、前記発光手段から出射された光の垂直放射成分を導波し、前記屈折手段は、前記導波された垂直放射成分の光を屈折させる
ことを特徴とする請求項1記載の発光モジュール。 - 前記発光手段はレーザダイオードである
ことを特徴とする請求項1記載の発光モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003399922A JP2005164665A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 発光モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003399922A JP2005164665A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 発光モジュール |
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JP2005164665A true JP2005164665A (ja) | 2005-06-23 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2003399922A Pending JP2005164665A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 発光モジュール |
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JP (1) | JP2005164665A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007264441A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Fujitsu Ltd | 光結合方法 |
JP2010197675A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Kyocera Corp | 光導波路およびそれを具備する光電気混載基板 |
WO2023226808A1 (zh) * | 2022-05-24 | 2023-11-30 | 中国科学院半导体研究所 | 多边形微腔混沌激光器、调控方法及高速随机数发生器 |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003399922A patent/JP2005164665A/ja active Pending
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