JP2023044631A - 多環芳香族化合物 - Google Patents

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瑛治 清水
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晶夫 田島
Akio Tajima
明子 影山
Akiko Kageyama
貴夫 菊池
Takao Kikuchi
英史 大森
Hidefumi Omori
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Abstract

【課題】新規な多環芳香族化合物およびそれを用いた有機EL素子を提供する。【解決手段】多環芳香族化合物として、具体的には、例えば下記式で表される化合物(1-16)が示される。新規な多環芳香族化合物を例えば電子輸送材料として用いた有機EL素子を作製することで、駆動電圧、発光効率、および素子寿命が優れた有機EL素子、特に発光効率および素子寿命が優れた有機EL素子を提供する。TIFF2023044631000202.tif46170【選択図】なし

Description

本発明は、多環芳香族化合物と、これを用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜太陽電池、および波長変換フィルタ等の有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。なお、本明細書中で「有機電界発光素子」のことを「有機EL素子」または単に「素子」と表記することがある。
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の一つである青色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
例えば、有機EL素子や有機薄膜太陽電池に使用する材料としてトリフェニルアミン誘導体を改良した材料も報告されている(国際公開第2012/118164号公報)。この材料は既に実用化されていたN,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(TPD)を参考にして、トリフェニルアミンを構成する芳香環同士を連結することで、窒素を環構造の中心に配置しながらその平面性を高めたことを特徴とする材料である。この文献では例えばNO連結系化合物(63頁の化合物1)の電荷輸送特性が評価されているが、NO連結系化合物以外の材料の製造方法については記載されておらず、また、連結する元素が異なれば化合物全体の電子状態が異なるため、NO連結系化合物以外の材料から得られる特性も知られていなかった。
このような状況において、近年ではホウ素などを中心原子として複数の芳香族環を縮合した化合物も報告されている(国際公開第2015/102118号公報)。この文献では発光層用材料を始め、電子などの電荷輸送層用材料として当該複数の芳香族環を縮合した化合物を用いた有機EL素子評価が実施されている。また、このような化合物をさらに多量化した例(国際公開第2018/212169号公報)や、分子内において連結基により共役系を拡張した例が報告されている(韓国公開特許第10-2020-0121228号、国際公開第2020/217229号公報)。
国際公開第2012/118164号公報 国際公開第2015/102118号公報 国際公開第2018/212169号公報 韓国公開特許第10-2020-0121228号 国際公開第2020/217229号公報
特許文献1~5で報告するように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。特に、窒素を環構造の中心に配置したNO連結系化合物以外の材料から得られる有機EL特性やその製造方法を模索することは有益である。
また、特許文献2~5では、ホウ素を含む多環芳香族化合物とそれを用いた有機EL素子が報告されているが、当該文献には極めて多数の化合物が開示されており、更に素子特性を向上させるべく、発光効率や素子寿命などの有機EL特性を向上させることができる電荷輸送層用材料、特に電子輸送層用材料や電子注入層用材料などを模索することは有益である。
また、有機EL素子を構成する有機層の形成方法として、現在では真空蒸着法の他に湿式成膜法も用いられているため、特に、電子注入層、電子輸送層および発光層を形成するための湿式成膜用インク材料の開発が積極的に行われており、このようなインク材料を模索することも有益である。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、新規な構造を有する多環芳香族化合物を含有する層を一対の電極間に配置して例えば有機EL素子を構成することにより、優れた有機EL素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機EL素子用材料等の有機デバイス用材料を提供する。
なお、本明細書において化学構造や置換基を炭素数で表すことがあるが、化学構造に置換基が置換した場合や、置換基にさらに置換基が置換した場合などにおける炭素数は、化学構造や置換基それぞれの炭素数を意味し、化学構造と置換基の合計の炭素数や、置換基と置換基の合計の炭素数を意味するものではない。例えば、「炭素数Xの置換基Aで置換された炭素数Yの置換基B」とは、「炭素数Yの置換基B」に「炭素数Xの置換基A」が置換することを意味し、炭素数Yは置換基Aおよび置換基Bの合計の炭素数ではない。また例えば、「置換基Aで置換された炭素数Yの置換基B」とは、「炭素数Yの置換基B」に「(炭素数限定がない)置換基A」が置換することを意味し、炭素数Yは置換基Aおよび置換基Bの合計の炭素数ではない。
項1.
下記一般式(1)で表される多環芳香族化合物。
Figure 2023044631000001
上記式(1)中、
~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルであり、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、
~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、
ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
上記式(G)中、
CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、アルキルジシクロアルキルシリル、またはシアノで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい。)
項2.
上記式(1)中、
~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、ジヘテロアリールアミノ(ただしヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、アリールヘテロアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール、ヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、ジアリールボリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルケニル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、トリアリールシリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、トリアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル)、トリシクロアルキルシリル(ただしシクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、ジアルキルシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、またはアルキルジシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)であり、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、ジヘテロアリールアミノ(ただしヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、アリールヘテロアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール、ヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、ジアリールボリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルケニル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、トリアリールシリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、トリアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル)、トリシクロアルキルシリル(ただしシクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、ジアルキルシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、またはアルキルジシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)で置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
上記式(G)中、
CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、ジヘテロアリールアミノ(ただしヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、アリールヘテロアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール、ヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、ジアリールボリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルケニル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、トリアリールシリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、トリアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル)、トリシクロアルキルシリル(ただしシクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、ジアルキルシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、アルキルジシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、またはシアノで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
項1に記載の多環芳香族化合物。
項3.
上記式(1)中、
~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、または炭素数6~30のアリールチオであり、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、または炭素数6~30のアリールチオで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
上記式(G)中、
CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、またはシアノで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
項1に記載の多環芳香族化合物。
項4.
上記式(1)中、
~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、または炭素数3~24のシクロアルキルであり、
~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、または炭素数3~24のシクロアルキルで置換されていてもよく、
ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
上記式(G)中、
CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、またはシアノで置換されていてもよく、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
項1に記載の多環芳香族化合物。
項5.
上記式(1)中、
~R11は、それぞれ独立して、水素、または炭素数1~24のアルキルであり、
ただし、a環におけるR~Rの少なくとも1つ、b環におけるR~Rの少なくとも1つ、およびc環におけるR~R11の少なくとも1つは、上記一般式(G)で表される基であり、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
上記式(G)中、
CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキルまたはシアノで置換されていてもよく、*は、a環、b環、およびc環との結合位置であり、そして、
上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
項1に記載の多環芳香族化合物。
項6.
下記構造式のいずれかで表される、項1に記載する多環芳香族化合物。
Figure 2023044631000002
Figure 2023044631000003
Figure 2023044631000004
項7.
下記構造式のいずれかで表される、項1に記載する多環芳香族化合物。
Figure 2023044631000005
項8.
陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置される発光層と、前記陰極と前記発光層との間に配置され、項1~7のいずれか一項に記載する多環芳香族化合物を含有する電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つの層とを有する、有機電界発光素子。
項9.
項8に記載する有機電界発光素子を備えた表示装置または照明装置。
本発明の好ましい態様によれば、例えば有機EL素子用材料等の有機デバイス用材料として用いることができる、新規な構造を有する多環芳香族化合物を提供することができ、この多環芳香族化合物を用いることで、駆動電圧、発光効率、および素子寿命が優れた、特に発光効率および素子寿命が優れた有機EL素子等の有機デバイスを提供することができる。
本実施形態に係る有機EL素子を示す概略断面図である。
1.多環芳香族化合物
<化合物の全体構造の説明>
本発明は、下記一般式(1)で表される多環芳香族化合物であり、下記一般式(G)で表される基を有することを特徴とする。なお、下記構造式中の符号の定義は上述した定義と同じであり、さらに、この段落以降で示すすべての構造式中の符号の定義も上述した定義と同じである。
Figure 2023044631000006
式(1)の化合物は、縮合2環構造にa環、b環、およびc環が縮合した構造を有する。縮合2環構造とは、2個の6員飽和炭化水素環同士が縮合した構造のことであり、上記構造式中では、B(ホウ素)と2つのO(酸素)とを含んで構成されるデカヒドロナフタレン型構造のことである。
式(G)で表される基は、特定の環構造を有するCyおよびCyが結合した基であり、CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環である。式(G)で表される基は、*において、式(1)の構造に結合する。式(G)で表される基の結合形態については後で詳述する。
<a環、b環、およびc環の置換基R ~R 11 の説明>
式(1)中のa環、b環、およびc環は、それぞれ、R~R、R~R、およびR~R11を有し、このR~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジヘテロアリールアミノ(2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アリールヘテロアリールアミノ(アリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジアリールボリル(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルである。なお、ここで列挙した置換基の詳細についてはまとめて後述する。
<置換基同士の結合による環構造の変化の説明>
a環上のR~Rのうちの隣接する基同士は、結合してa環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環(N位がフェニル基で置換されたカルバゾール環も含む)を形成していてもよい(これらの環を「a環と共に形成された環」という)。
b環上のR~Rのうちの隣接する基同士は、結合してb環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環(N位がフェニル基で置換されたカルバゾール環も含む)を形成していてもよい(これらの環を「b環と共に形成された環」という)。
c環上のR~R11のうちの隣接する基同士は、結合してc環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環(N位がフェニル基で置換されたカルバゾール環も含む)を形成していてもよい(これらの環を「c環と共に形成された環」という)。
~R(またはR~RまたはR~R11)のうちの隣接する基同士が結合してできた、ベンゼン環、ナフタレン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、またはインドール環が、a環(またはb環またはc環)であるベンゼン環に対して縮合することで、それぞれ、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環が形成される。
環構造が変化した具体例を以下に示す。変化していない環についてのR~R11は省略している。
Figure 2023044631000007
上記式(1-fr1-ex)は、式(1)中のa環における隣接する2つのRおよびRが結合してベンゼン環を形成し、このベンゼン環が、a環のベンゼン環と共にa’で示すナフタレン環を形成した例である。ナフタレン環a’への任意の置換基をRの他にn個のRで示しており、nの上限は置換可能な最大数である。
上記式(1-fr2-ex)は、式(1)中のb環における隣接する2つのRおよびRが結合してインドール環を形成し、このインドール環が、b環のベンゼン環と共にb’で示すカルバゾール環を形成した例である。カルバゾール環b’への任意の置換基をRおよびRの他にn個のRで示しており、nの上限は置換可能な最大数である。なお、このカルバゾール環には、N位がフェニル基で置換されたカルバゾール環も含まれる。
上記式(1-fr3-ex)は、式(1)中のb環における隣接する2つのRおよびRが結合してベンゼン環を形成し、このベンゼン環が、b環のベンゼン環と共にb’で示すナフタレン環を形成し、c環における隣接する2つのR10およびR11が結合してベンゾフラン環を形成し、このベンゾフラン環が、c環のベンゼン環と共にc’で示すジベンゾフラン環を形成した例である。ナフタレン環b’およびジベンゾフラン環c’への任意の置換基をR~Rの他にそれぞれn個のRで示しており、nの上限は置換可能な最大数である。
以上の説明は上述した具体例以外のあらゆる形態にも同様に適用できる。
<変化した環構造への置換基の説明>
a環、b環、またはc環と共に形成された環(上述したa’環、b’環、およびc’環)における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジヘテロアリールアミノ(2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アリールヘテロアリールアミノ(アリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジアリールボリル(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルで置換されていてもよい。なお、ここで列挙した置換基の詳細についてはまとめて後述する。
<式(G)で表される基の説明>
式(G)で表される基は、特定の環構造を有するCyおよびCyが結合した基であり、CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環である。
CyおよびCyの順で、
ベンゼン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
ナフタレン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
フェナントレン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
ピリジン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
キノリン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
ジベンゾフラン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
ジベンゾチオフェン環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、
N位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環に対して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基があげられる。
好ましくは、CyおよびCyの順で、2つのベンゼン環が結合した基、ベンゼン環とナフタレン環が結合した基、ピリジン環とベンゼン環が結合した基、2つのピリジン環が結合した基、ベンゼン環とピリジン環が結合した基、ベンゼン環とN位がフェニル基で置換されていてもよいカルバゾール環が結合した基、ベンゼン環とジベンゾフラン環が結合した基、ジベンゾフラン環とベンゼン環が結合した基、ベンゼン環とキノリン環が結合した基、ベンゼン環とジベンゾチオフェン環が結合した基、ベンゼン環とフェナントレン環が結合した基、およびN位がフェニル基で置換されていてもよいカルバゾール環が2つ結合した基があげられる。
<式(G)で表される基への置換基の説明>
CyおよびCyにおける少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジヘテロアリールアミノ(2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アリールヘテロアリールアミノ(アリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジアリールボリル(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アルキル(好ましくは炭素数1~4のアルキル、より好ましくはメチル)、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、アルキルジシクロアルキルシリル、またはシアノで置換されていてもよい。好ましい置換基は、炭素数1~4のアルキル(より好ましくはメチル)やシアノである。なお、ここで列挙した置換基の詳細についてはまとめて後述する。
<式(1)の構造への式(G)の基の結合の説明>
式(G)で表される基は、*において、式(1)の構造に結合する。
具体的には、式(1)における、
a環、または上述するようにa環上のR~Rのうちの隣接する基同士が結合してa環と共に形成された、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環(すなわち「a環と共に形成された環」)に、式(G)の基が少なくとも1つ結合し、式(G)で表される基が複数の場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、
b環、または上述するようにb環上のR~Rのうちの隣接する基同士が結合してb環と共に形成された、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環(すなわち「b環と共に形成された環」)に、式(G)の基が少なくとも1つ結合し、式(G)で表される基が複数の場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、かつ、
c環、または上述するようにc環上のR~R11のうちの隣接する基同士が結合してc環と共に形成された、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環(すなわち「c環と共に形成された環」)に、式(G)の基が少なくとも1つ結合し、式(G)で表される基が複数の場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
したがって、式(1)の化合物は、式(G)の基を少なくとも3つ有することを特徴とする。複数の式(G)で表される基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一の構造を有する。
式(G)で表される基が、a環へ結合する、b環へ結合する、またはc環へ結合するとは、それぞれ、a環のR~Rの少なくとも1つが、b環のR~Rの少なくとも1つが、またはc環のR~R11の少なくとも1つが、式(G)で表される基であることと同じである。
各環への式(G)で表される基の結合数は1~4個であり、1~3個が好ましく、1~2個がより好ましく、1個がさらに好ましい。
<置換基の具体的な説明>
次に、これまでの説明の中で列挙した置換基の詳細についてまとめて説明する。
「ジアリールアミノ」は2つのアリールが置換したアミノ基であり、2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい。
「ジヘテロアリールアミノ」は2つのヘテロアリールが置換したアミノ基であり、2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい。
「アリールヘテロアリールアミノ」はアリールおよびヘテロアリールが置換したアミノ基であり、アリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい。
「ジアリールボリル」は2つのアリールが置換したボリル基であり、2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい。
これらのアリール、ヘテロアリール、および連結基の詳細については以下のとおりである。
「アリール」は、例えば炭素数6~30のアリールであり、好ましくは、炭素数6~20のアリール、炭素数6~16のアリール、炭素数6~12のアリール、または炭素数6~10のアリールなどである。
具体的な「アリール」は、例えば、単環系であるフェニル、縮合二環系であるナフチル(1-ナフチルもしくは2-ナフチル)、縮合三環系である、アセナフチレン-(1-、3-、4-、もしくは5-)イル、フルオレン-(1-、2-、3-、4-、もしくは9-)イル、フェナレン-(1-もしくは2-)イル、もしくはフェナントレン-(1-、2-、3-、4-、もしくは9-)イル、縮合四環系である、トリフェニレン-(1-もしくは2-)イル、ピレン-(1-、2-、もしくは4-)イル、もしくはナフタセン-(1-、2-、もしくは5-)イル、または、縮合五環系である、ペリレン-(1-、2-、もしくは3-)イル、もしくはペンタセン-(1-、2-、5-、もしくは6-)イルなどである。
「アリーレン(環)」は、例えば炭素数6~30のアリーレンであり、好ましくは、炭素数6~20のアリーレン、炭素数6~16のアリーレン、炭素数6~12のアリーレン、または炭素数6~10のアリーレンなどである。
具体的な「アリーレン」は、例えば、上述した「アリール」(一価の基)から1つの水素を除いて二価の基にした構造が挙げられる。
「ヘテロアリール」は、例えば炭素数2~30のヘテロアリールであり、好ましくは、炭素数2~25のヘテロアリール、炭素数2~20のヘテロアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、または炭素数2~10のヘテロアリールなどである。また、「ヘテロアリール」は、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄、および窒素から選ばれるヘテロ原子を1~5個含有する複素環などの一価の基である。
具体的な「ヘテロアリール」としては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フェナントロリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェナザシリニル、インドリジニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ナフトベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾホスホリル、ジベンゾホスホリル、ベンゾホスホールオキシド環の1価の基、ジベンゾホスホールオキシド環の1価の基、フラザニル、チアントレニル、インドロカルバゾリル、ベンゾインドロカルバゾリル、ベンゾベンゾインドロカルバゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、またはジベンゾシラシクロペンタジエニルなどである。
「ヘテロアリーレン(環)」は、例えば炭素数2~30のヘテロアリーレンであり、好ましくは、炭素数2~25のヘテロアリーレン、炭素数2~20のヘテロアリーレン、炭素数2~15のヘテロアリーレン、または炭素数2~10のヘテロアリーレンなどである。また、「ヘテロアリーレン」は、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄、および窒素から選ばれるヘテロ原子を1~5個含有する複素環などの二価の基である。
具体的な「ヘテロアリーレン」は、例えば、上述した「ヘテロアリール」(一価の基)から1つの水素を除いて二価の基にした構造が挙げられる。
「連結基」は、例えば、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-が挙げられ、例えば以下の構造が挙げられる。なお、前記「-CHR-CHR-」のR、「-CR-CR-」のR、「-CR=CR-」のR、「-N(-R)-」のR、「-C(-R)-」のR、および「-Si(-R)-」のRは、それぞれ独立して、水素、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはシクロアルキルであり、当該Rにおける少なくとも1つの水素はアルキルまたはシクロアルキルで置換されていてもよい。また、「-CHR-CHR-」、「-CR-CR-」、「-CR=CR-」、「-C(-R)-」、および「-Si(-R)-」における隣接する2つのR同士が結合して、シクロアルキレン環、アリーレン環、およびヘテロアリーレン環を形成していてもよい(下記構造式中の最も右の構造式を参照)。なお、ここで列挙した置換基の詳細についてはまとめて上述または後述する。
Figure 2023044631000008
連結基としては、単結合、-CR=CR-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、および-Se-が好ましく、単結合、-CR=CR-、-N(-R)-、-O-、-S-、および-C(-R)-がより好ましく、単結合、-CR=CR-、-N(-R)-、-O-、および-S-がさらに好ましく、単結合および-CR=CR-が最も好ましい。
連結基により2つのRが結合する位置は、結合可能な位置であれば特に限定されないが、最も隣接する位置で結合することが好ましく、例えば2つのRがフェニル基である場合、フェニル基における「C」や「Si」の結合位置(1位)を基準としてオルト(2位)の位置同士で結合することが好ましい(上記構造式を参照)。
「アルキル」は、直鎖および分岐鎖のいずれでもよく、例えば炭素数1~24の直鎖アルキルまたは炭素数3~24の分岐鎖アルキルであり、好ましくは、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分岐鎖アルキル)、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分岐鎖アルキル)、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分岐鎖アルキル)、炭素数1~5のアルキル(炭素数3~5の分岐鎖アルキル)、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分岐鎖アルキル)などである。
具体的な「アルキル」は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、1-エチル-1,2,2-トリメチルプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1-ジエチルブチル、1-エチル-1-メチルブチル、1-プロピル-1-メチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、1-エチル-1,3-ジメチルブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル(t-アミル)、1-メチルペンチル、2-プロピルペンチル、1,1-ジメチルペンチル、1-エチル-1-メチルペンチル、1-プロピル-1-メチルペンチル、1-ブチル-1-メチルペンチル、1,1,4-トリメチルペンチル、n-ヘキシル、1-メチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1,1-ジメチルヘキシル、1-エチル-1-メチルヘキシル、1,1,5-トリメチルヘキシル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-ヘプチル、1-メチルヘプチル、1-ヘキシルヘプチル、1,1-ジメチルヘプチル、2,2-ジメチルヘプチル、2,6-ジメチル-4-ヘプチル、n-オクチル、t-オクチル(1,1,3,3-テトラメチルブチル)、1,1-ジメチルオクチル、n-ノニル、n-デシル、1-メチルデシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、またはn-エイコシルなどである。
「アルケニル」については、上述した「アルキル」の説明を参考にすることができ、「アルキル」の構造中のC-C単結合をC=C二重結合に置換した基であり、1つだけでなく2つ以上の単結合が二重結合に置換された基(アルカジエン-イルやアルカトリエン-イルとも呼ばれる)も含める。
「アルキニル」については、上述した「アルキル」の説明を参考にすることができ、「アルキル」の構造中のC-C単結合をC≡C三重結合に置換した基であり、1つだけでなく2つ以上の単結合が三重結合に置換された基(アルカジイン-イルやアルカトリイン-イルとも呼ばれる)も含める。
「シクロアルキル」は、例えば炭素数3~24のシクロアルキルであり、好ましくは、炭素数3~20のシクロアルキル、炭素数3~16のシクロアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、炭素数3~12のシクロアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数5~8のシクロアルキル、炭素数5~6のシクロアルキル、または炭素数5のシクロアルキルなどである。
具体的な「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、もしくはこれらの炭素数1~5や炭素数1~4のアルキル(特にメチル)置換体、ノルボルネニル、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、ジアマンチル、デカヒドロナフタレニル、またはデカヒドロアズレニルなどである。
「シクロアルキレン(環)」は、例えば炭素数3~24のシクロアルキレンであり、好ましくは、炭素数3~20のシクロアルキレン、炭素数3~16のシクロアルキレン、炭素数3~14のシクロアルキレン、炭素数3~12のシクロアルキレン、炭素数5~10のシクロアルキレン、炭素数5~8のシクロアルキレン、炭素数5~6のシクロアルキレン、または炭素数5のシクロアルキレンなどである。
具体的な「シクロアルキレン」は、例えば、上述した「シクロアルキル」(一価の基)から1つの水素を除いて二価の基にした構造が挙げられる。
「シクロアルケニル」については、上述した「シクロアルキル」の説明を参考にすることができ、「シクロアルキル」の構造中のC-C単結合をC=C二重結合に置換した基であり、1つだけでなく2つ以上の単結合が二重結合に置換された基(シクロアルカジエン-イルやシクロアルカントリエン-イルとも呼ばれる)も含める。
「アルコキシ」は、直鎖および分岐鎖のいずれでもよく、例えば炭素数1~24の直鎖アルコキシまたは炭素数3~24の分岐鎖アルコキシであり、好ましくは、炭素数1~18のアルコキシ(炭素数3~18の分岐鎖アルコキシ)、炭素数1~12のアルコキシ(炭素数3~12の分岐鎖アルコキシ)、炭素数1~6のアルコキシ(炭素数3~6の分岐鎖アルコキシ)、炭素数1~5のアルコキシ(炭素数3~5の分岐鎖アルコキシ)、炭素数1~4のアルコキシ(炭素数3~4の分岐鎖アルコキシ)などである。
具体的な「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ、1,1-ジエチルプロポキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,1,2,2-テトラメチルプロポキシ、1-エチル-1,2,2-トリメチルプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1,1-ジエチルブトキシ、1-エチル-1-メチルブトキシ、1-プロピル-1-メチルブトキシ、1,1,3-トリメチルブトキシ、1-エチル-1,3-ジメチルブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、t-ペンチルオキシ(t-アミルオキシ)、1-メチルペンチルオキシ、2-プロピルペンチルオキシ、1,1-ジメチルペンチルオキシ、1-エチル-1-メチルペンチルオキシ、1-プロピル-1-メチルペンチルオキシ、1-ブチル-1-メチルペンチルオキシ、1,1,4-トリメチルペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、1-メチルヘキシルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、1,1-ジメチルヘキシルオキシ、1-エチル-1-メチルヘキシルオキシ、1,1,5-トリメチルヘキシルオキシ、3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、1-メチルヘプチルオキシ、1-ヘキシルヘプチルオキシ、1,1-ジメチルヘプチルオキシ、2,2-ジメチルヘプチルオキシ、2,6-ジメチル-4-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、t-オクチルオキシ(1,1,3,3-テトラメチルブチルオキシ)、1,1-ジメチルオクチルオキシ、n-ノニルオキシ、n-デシルオキシ、1-メチルデシルオキシ、n-ウンデシルオキシ、n-ドデシルオキシ、n-トリデシルオキシ、n-テトラデシルオキシ、n-ペンタデシルオキシ、n-ヘキサデシルオキシ、n-ヘプタデシルオキシ、n-オクタデシルオキシ、またはn-エイコシルオキシなどである。
「アリールオキシ」は、「Ar-O-(Arはアリール基)」で表される基であり、このアリールの詳細については上述した「アリール」の説明を引用できる。
「アリールチオ」は、「Ar-S-(Arはアリール基)」で表される基であり、このアリールの詳細については上述した「アリール」の説明を引用できる。
「トリアリールシリル」は、3つのアリールで置換されたシリル基であり、このアリールの詳細については上述した「アリール」の説明を引用できる。
具体的な「トリアリールシリル」は、例えば、トリフェニルシリル、ジフェニルモノナフチルシリル、モノフェニルジナフチルシリル、またはトリナフチルシリルなどである。
「トリアルキルシリル」は、3つのアルキルで置換されたシリル基であり、このアルキルの詳細については上述した「アルキル」の説明を引用できる。
具体的な「トリアルキルシリル」は、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリn-プロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリn-ブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリs-ブチルシリル、トリt-ブチルシリル、エチルジメチルシリル、n-プロピルジメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、n-ブチルジメチルシリル、イソブチルジメチルシリル、s-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、n-プロピルジエチルシリル、イソプロピルジエチルシリル、n-ブチルジエチルシリル、s-ブチルジエチルシリル、t-ブチルジエチルシリル、メチルジn-プロピルシリル、エチルジn-プロピルシリル、n-ブチルジn-プロピルシリル、s-ブチルジn-プロピルシリル、t-ブチルジn-プロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、エチルジイソプロピルシリル、n-ブチルジイソプロピルシリル、s-ブチルジイソプロピルシリル、またはt-ブチルジイソプロピルシリルなどである。
「トリシクロアルキルシリル」は、3つのシクロアルキルで置換されたシリル基であり、このシクロアルキルの詳細については上述した「シクロアルキル」の説明を引用できる。
具体的な「トリシクロアルキルシリル」は、例えば、トリシクロペンチルシリルまたはトリシクロヘキシルシリルなどである。
「ジアルキルシクロアルキルシリル」は、2つのアルキルおよび1つのシクロアルキルで置換されたシリル基であり、このアルキルおよびシクロアルキルの詳細については上述した「アルキル」および「シクロアルキル」の説明を引用できる。
「アルキルジシクロアルキルシリル」は、1つのアルキルおよび2つのシクロアルキルで置換されたシリル基であり、このアルキルおよびシクロアルキルの詳細については上述した「アルキル」および「シクロアルキル」の説明を引用できる。
置換基は、その構造が有する立体障害性、電子供与性、および電子求引性により、多環芳香族化合物の発光波長に影響を与えるため、置換基の選択により発光波長を調整することができる。好ましくは以下の構造式で表される基であり、より好ましくは、メチル、t-ブチル、ビシクロオクチル、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニル、o-トリル、p-トリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、2,6-キシリル、2,4,6-メシチル、ジフェニルアミノ、ジ-p-トリルアミノ、ビス(p-(t-ブチル)フェニル)アミノ、ジフェニルボリル、ジメシチルボリル、ジベンゾオキサボリニニル、フェニルジベンゾジボリニニル、カルバゾリル、3,6-ジメチルカルバゾリル、3,6-ジ-t-ブチルカルバゾリルおよびフェノキシであり、さらに好ましくは、メチル、t-ブチル、フェニル、o-トリル、2,6-キシリル、2,4,6-メシチル、ジフェニルアミノ、ジ-p-トリルアミノ、ビス(p-(t-ブチル)フェニル)アミノ、カルバゾリル、3,6-ジメチルカルバゾリル、3,6-ジ-t-ブチルカルバゾリル、およびトリベンゾアゼピニルである。合成の容易さの観点からは、立体障害が大きい方が選択的な合成のために好ましく、具体的には、t-ブチル、o-トリル、p-トリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、2,6-キシリル、2,4,6-メシチル、ジ-p-トリルアミノ、ビス(p-(t-ブチル)フェニル)アミノ、3,6-ジメチルカルバゾリルおよび3,6-ジ-t-ブチルカルバゾリルが好ましい。
下記構造式において、「Me」はメチル、「tBu」はt-ブチル、「tAm」はt-アミル、「tOct」はt-オクチルを表し、*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000009
Figure 2023044631000010
Figure 2023044631000011
Figure 2023044631000012
Figure 2023044631000013
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Figure 2023044631000027
<重水素、シアノ、またはハロゲンによる置換の説明>
本発明の多環芳香族化合物における少なくとも1つの水素(式(G)で表される基における水素と、式(G)で表される基以外の部分の水素)は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい。また、本発明の多環芳香族化合物中の式(G)で表される基以外の部分における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、フッ素、塩素、または臭素が好ましく、フッ素または塩素がより好ましい。
<本発明の多環芳香族化合物の具体例の説明>
多環芳香族化合物の具体例としては、以下の構造式で表される化合物が挙げられる。なお、下記構造式中の「Me」はメチル基、「CN」はシアノ基、「D」は重水素を示す。
Figure 2023044631000028
Figure 2023044631000029
Figure 2023044631000030
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Figure 2023044631000047
Figure 2023044631000048
<多環芳香族化合物の高分子への応用>
本発明に係る多環芳香族化合物は、これらに反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた高分子化合物(この高分子化合物を得るための前記モノマーは重合性置換基を有する)、もしくは当該高分子化合物をさらに架橋させた高分子架橋体(この高分子架橋体を得るための前記高分子化合物は架橋性置換基を有する)、または、主鎖型高分子と前記反応性化合物とを反応させたペンダント型高分子化合物(このペンダント型高分子化合物を得るための前記反応性化合物は反応性置換基を有する)、もしくは当該ペンダント型高分子化合物をさらに架橋させたペンダント型高分子架橋体(このペンダント型高分子架橋体を得るための前記ペンダント型高分子化合物は架橋性置換基を有する)としても、有機デバイス用材料、例えば、有機電界発光素子用材料、有機電界効果トランジスタ用材料または有機薄膜太陽電池用材料に用いることができる。
上述した反応性置換基(前記重合性置換基、前記架橋性置換基、および、ペンダント型高分子を得るための反応性置換基を含み、以下、単に「反応性置換基」とも言う)としては、上記多環芳香族化合物を高分子量化できる置換基、そのようにして得られた高分子化合物をさらに架橋化できる置換基、また、主鎖型高分子にペンダント反応し得る置換基であれば特に限定されないが、以下の構造の置換基が好ましい。各構造式中の*は結合位置を示す。
Figure 2023044631000049
Lは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、>C=O、-O-C(=O)-、炭素数1~12のアルキレン、炭素数1~12のオキシアルキレンおよび炭素数1~12のポリオキシアルキレンである。上記置換基の中でも、式(XLS-1)、式(XLS-2)、式(XLS-3)、式(XLS-9)、式(XLS-10)または式(XLS-17)で表される基が好ましく、式(XLS-1)、式(XLS-3)または式(XLS-17)で表される基がより好ましい。
このような高分子化合物、高分子架橋体、ペンダント型高分子化合物、およびペンダント型高分子架橋体は、本発明に係る多環芳香族化合物の繰り返し単位以外にも、置換もしくは無置換のトリアリールアミン、置換もしくは無置換のフルオレン、置換もしくは無置換のアントラセン、置換もしくは無置換のテトラセン、置換もしくは無置換のトリアジン、置換もしくは無置換のカルバゾール、置換もしくは無置換のテトラフェニルシラン、置換もしくは無置換のスピロフルオレン、置換もしくは無置換のトリフェニルホスフィン、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、および置換もしくは無置換のジベンゾフランからなる化合物の群から選ばれる少なくとも1種を繰り返し単位として含んでもよい。
これらの繰り返し単位における置換基としては、例えば、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジヘテロアリールアミノ(2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アリールヘテロアリールアミノ(アリールおよびヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよい)、ジアリールボリル(2つのアリールは連結基を介して結合していてもよい)、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルなどが挙げられる。トリアリールアミンの「アリール」や、これらの置換基の詳細については、本発明に係る多環芳香族化合物における説明を引用できる。
このような高分子化合物、高分子架橋体、ペンダント型高分子化合物およびペンダント型高分子架橋体(以下、単に「高分子化合物および高分子架橋体」とも言う)の用途の詳細については後述する。
2.式(1)で表される多環芳香族化合物の製造方法
一般式(1)で表される多環芳香族化合物は、国際公開第2015/102118号公報を始めとする多くの公知文献に記載されている方法に従って製造することができる。
基本的には、まずa環とb環およびc環とをエーテル基で結合させることで中間体を製造し(第1反応)、その後に、a環、b環、およびc環を中心元素B(ホウ素)を含む基で結合させることで最終生成物を製造することができる(第2反応)。第1反応では、求核置換反応、ウルマン反応といった一般的なエーテル化反応が利用できる。また、第2反応では、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応(連続的な芳香族求電子置換反応、以下同様)が利用できる。
また、これらの反応工程のどこかで、式(G)で表される基を有する原料を用いたり、式(G)で表される基を導入する工程を追加したりすることで、所望の位置に式(G)で表される基が結合した化合物を製造することができる。また、これらの反応工程のどこかで、重水素化、シアノ化、またはハロゲン化された原料を用いたり、重水素化、シアノ化、またはハロゲン化の工程を追加したりすることで、所望の位置が重水素化、シアノ化、またはハロゲン化された化合物を製造することができる。
第2反応は、下記スキーム(1)に示すように、a環、b環、およびc環を結合する中心元素B(ホウ素)を導入する反応である。まず、2つのエーテル結合の間の水素原子をn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、またはt-ブチルリチウム等でオルトメタル化する。次いで、三塩化ホウ素や三臭化ホウ素等を加え、リチウム-ホウ素の金属交換を行った後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等のブレンステッド塩基を加えることで、タンデムボラフリーデルクラフツ反応させ、目的物を得ることができる。第2反応においては反応を促進させるために三塩化アルミニウム等のルイス酸を加えてもよい。
Figure 2023044631000050
以上の反応で用いられる溶媒の具体例は、t-ブチルベンゼンやキシレンなどである。
また、オルトメタル化試薬としては、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラメチルピペリジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドなどの有機アルカリ化合物が挙げられる。
また、メタル-B(ホウ素)の金属交換試薬としては、ホウ素の三フッ化物、ホウ素の三塩化物、ホウ素の三臭化物、ホウ素の三ヨウ化物などのホウ素のハロゲン化物、CIPN(NEtなどのホウ素のアミノ化ハロゲン化物、ホウ素のアルコキシ化物、ホウ素のアリールオキシ化物などが挙げられる。
また、ブレンステッド塩基としては、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチルトルイジン、2,6-ルチジン、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸カリウム、トリフェニルボラン、テトラフェニルシラン、ArBNa、ArBK、ArB、ArSi(なお、Arはフェニルなどのアリール)などが挙げられる。
また、ルイス酸としては、AlCl、AlBr、AlF、BF・OEt、BCl、BBr、GaCl、GaBr、InCl、InBr、In(OTf)、SnCl、SnBr、AgOTf、ScCl、Sc(OTf)、ZnCl、ZnBr、Zn(OTf)、MgCl、MgBr、Mg(OTf)、LiOTf、NaOTf、KOTf、MeSiOTf、Cu(OTf)、CuCl、YCl、Y(OTf)、TiCl、TiBr、ZrCl、ZrBr、FeCl、FeBr、CoCl、CoBrなどが挙げられる。
上記各スキームでは、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応の促進のためにブレンステッド塩基またはルイス酸を使用してもよい。ただし、ホウ素の三フッ化物、ホウ素の三塩化物、ホウ素の三臭化物、ホウ素の三ヨウ化物などのホウ素のハロゲン化物を用いた場合は、芳香族求電子置換反応の進行とともに、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素といった酸が生成するため、酸を捕捉するブレンステッド塩基の使用が効果的である。一方、ホウ素のアミノ化ハロゲン化物、ホウ素のアルコキシ化物を用いた場合は、芳香族求電子置換反応の進行とともに、アミン、アルコールが生成するために、多くの場合、ブレンステッド塩基を使用する必要はないが、アミノ基やアルコキシ基の脱離能が低いために、その脱離を促進するルイス酸の使用が効果的である。
3.有機デバイス
これ以降で例示する化学構造式中の「Me」はメチル基、「tBu」はt-ブチル基を表す。
本発明に係る多環芳香族化合物は、有機デバイス用材料として用いることができる。有機デバイスとしては、例えば、有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜太陽電池、または波長変換フィルタなどが挙げられる。
3-1.有機電界発光素子
本発明に係る多環芳香族化合物は、例えば、有機電界発光素子の材料として用いることができる。以下に、本実施形態に係る有機EL素子について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機EL素子を示す概略断面図である。
<有機電界発光素子の構造>
図1に示された有機EL素子100は、基板101と、基板101上に設けられた陽極102と、陽極102の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた陰極108とを有する。
なお、有機EL素子100は、作製順序を逆にして、例えば、基板101と、基板101上に設けられた陰極108と、陰極108の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた陽極102とを有する構成としてもよい。
上記各層すべてがなくてはならないわけではなく、最小構成単位を陽極102と発光層105と陰極108とからなる構成として、正孔注入層103、正孔輸送層104、電子輸送層106、電子注入層107は任意に設けられる層である。また、上記各層は、それぞれ単一層からなってもよいし、複数層からなってもよい。
有機EL素子を構成する層の態様としては、上述する「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」の構成態様の他に、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子注入層/陰極」の構成態様であってもよい。
<有機電界発光素子における基板>
基板101は、有機EL素子100の支持体であり、通常、石英、ガラス、金属、プラスチックなどが用いられる。基板101は、目的に応じて板状、フィルム状、またはシート状に形成され、例えば、ガラス板、金属板、金属箔、プラスチックフィルム、プラスチックシートなどが用いられる。なかでも、ガラス板、および、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂製の板が好ましい。ガラス基板であれば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどが用いられ、また、厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、例えば、0.2mm以上あればよい。厚さの上限値としては、例えば、2mm以下、好ましくは1mm以下である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することができる。また、基板101には、ガスバリア性を高めるために、少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜などのガスバリア膜を設けてもよく、特にガスバリア性が低い合成樹脂製の板、フィルムまたはシートを基板101として用いる場合にはガスバリア膜を設けるのが好ましい。
<有機電界発光素子における陽極>
陽極102は、発光層105へ正孔を注入する役割を果たす。なお、陽極102と発光層105との間に正孔注入層103および正孔輸送層104の少なくとも1つの層が設けられている場合には、これらを介して発光層105へ正孔を注入することになる。
陽極102を形成する材料としては、無機化合物および有機化合物が挙げられる。無機化合物としては、例えば、金属(アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロムなど)、金属酸化物(インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウム-スズ酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)など)、ハロゲン化金属(ヨウ化銅など)、硫化銅、カーボンブラック、ITOガラスやネサガラスなどが挙げられる。有機化合物としては、例えば、ポリ(3-メチルチオフェン)などのポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが挙げられる。その他、有機EL素子の陽極として用いられている物質の中から適宜選択して用いることができる。
透明電極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、発光素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば、300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、例えば100~5Ω/□、好ましくは50~5Ω/□の低抵抗品を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常50~300nmの間で用いられることが多い。
<有機電界発光素子における正孔注入層、正孔輸送層>
正孔注入層103は、陽極102から移動してくる正孔を、効率よく発光層105内または正孔輸送層104内に注入する役割を果たす。正孔輸送層104は、陽極102から注入された正孔または陽極102から正孔注入層103を介して注入された正孔を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たす。正孔注入層103および正孔輸送層104は、それぞれ、正孔注入・輸送材料の一種または二種以上を積層、混合するか、正孔注入・輸送材料と高分子結着剤の混合物により形成される。また、正孔注入・輸送材料に塩化鉄(III)のような無機塩を添加して層を形成してもよい。
正孔注入・輸送性物質としては電界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率よく注入・輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率よく輸送することが望ましい。そのためにはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。
正孔注入層103および正孔輸送層104を形成する材料(正孔輸送材料)としては、光導電材料において、正孔の電荷輸送材料として従来から慣用されている化合物、p型半導体、有機EL素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されている公知の化合物の中から任意の化合物を選択して用いることができる。本発明では、この正孔輸送材料として、上記一般式(1)で表される多環芳香族化合物を用いることができる。
それらの具体例は、カルバゾール誘導体(N-フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなど)、ビス(N-アリールカルバゾール)またはビス(N-アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体(芳香族第3級アミノを主鎖または側鎖に持つポリマー、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジナフチル-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミン、N,N’-ジナフチル-N,N’-ジフェニル-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミン、N,N4’-ジフェニル-N,N4’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン、N,N,N4’,N4’-テトラ([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン、4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、スターバーストアミン誘導体など)、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体(無金属、銅フタロシアニンなど)、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キノキサリン誘導体(例えば、1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリルなど)、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリシランなどである。ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましいが、発光素子の作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されない。
また、有機半導体の導電性は、そのドーピングにより、強い影響を受けることも知られている。このような有機半導体マトリックス物質は、電子供与性の良好な化合物、または、電子受容性の良好な化合物から構成されている。電子供与物質のドーピングのために、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)または2,3,5,6-テトラフルオロテトラシアノ-1,4-ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)などの強い電子受容体が知られている(例えば、文献「M.Pfeiffer,A.Beyer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(22),3202-3204(1998)」および文献「J.Blochwitz,M.Pheiffer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(6),729-731(1998)」を参照)。これらは、電子供与型ベース物質(正孔輸送物質)における電子移動プロセスによって、いわゆる正孔を生成する。正孔の数および移動度によって、ベース物質の伝導性が、かなり大きく変化する。正孔輸送特性を有するマトリックス物質としては、例えばベンジジン誘導体(TPDなど)またはスターバーストアミン誘導体(TDATAなど)、または特定の金属フタロシアニン(特に、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)など)が知られている(特開2005-167175号公報)。
上述した正孔注入層用材料および正孔輸送層用材料は、これらに反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた高分子化合物、もしくはその高分子架橋体、または、主鎖型高分子と前記反応性化合物とを反応させたペンダント型高分子化合物、もしくはそのペンダント型高分子架橋体としても、正孔層用材料に用いることができる。この場合の反応性置換基としては、上記一般式(1)で表される多環芳香族化合物での説明を引用できる。
このような高分子化合物および高分子架橋体の用途の詳細については後述する。
<有機電界発光素子における発光層>
発光層105は、電界を与えられた電極間において、陽極102から注入された正孔と、陰極108から注入された電子とを再結合させることにより発光する層である。発光層105を形成する材料としては、正孔と電子との再結合によって励起されて発光する化合物(発光性化合物)であればよく、安定な薄膜形状を形成することができ、かつ、固体状態で強い発光(蛍光)効率を示す化合物であるのが好ましい。本発明では、この発光層用材料として、上記一般式(1)で表される多環芳香族化合物を用いることができる。
発光層は単一層でも複数層からなってもどちらでもよく、それぞれ発光層用材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成される。ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。また、ホスト材料には、正孔輸送層用材料または電子輸送層用材料を混合してもよく、それらの組み合わせでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着したり、有機溶媒と共にホスト材料と予め混合してから湿式成膜法により製膜したりしてもよい。
ホスト材料の使用量はホスト材料の種類によって異なり、そのホスト材料の特性に合わせて決めればよい。ホスト材料の使用量の目安は、好ましくは発光層用材料全体の50~99.999重量%であり、より好ましくは80~99.95重量%であり、さらに好ましくは90~99.9重量%である。
ドーパント材料の使用量はドーパント材料の種類によって異なり、そのドーパント材料の特性に合わせて決めればよい。ドーパントの使用量の目安は、好ましくは発光層用材料全体の0.001~50重量%であり、より好ましくは0.05~20重量%であり、さらに好ましくは0.1~10重量%である。上記の範囲であれば、例えば、濃度消光現象を防止できるという点で好ましい。また、耐久性の観点から、ドーパント材料の水素原子は一部または全部が重水素化されていることも好ましい。
一方、熱活性化遅延蛍光ドーパント材料を用いた有機EL素子においては、ドーパント材料の使用量は低濃度である方が濃度消光現象を防止できるという点で好ましいが、ドーパント材料の使用量が高濃度である方が熱活性化遅延蛍光機構の効率の点からは好ましい。さらには、熱活性化遅延蛍光アシストドーパント材料を用いた有機EL素子においては、アシストドーパント材料の熱活性化遅延蛍光機構の効率の点からは、アシストドーパント材料の使用量に比べてドーパント材料の使用量が低濃度である方が好ましい。
アシストドーパント材料が使用される場合における、ホスト材料、アシストドーパント材料およびドーパント材料の使用量の目安は、それぞれ、発光層用材料全体の40~99.999重量%、59~1重量%および20~0.001重量%であり、好ましくは、それぞれ、60~99.99重量%、39~5重量%および10~0.01重量%であり、より好ましくは、70~99.95重量%、29~10重量%および5~0.05重量%である。
ホスト材料としては、以前から発光体として知られていたアントラセン、ピレン、ジベンゾクリセンまたはフルオレンなどの縮合環誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、シクロペンタジエン誘導体などが挙げられる。特に、アントラセン系化合物、フルオレン系化合物またはジベンゾクリセン系化合物が好ましい。また、耐久性の観点から、ホスト材料の水素原子は一部または全部が重水素化されていることも好ましい。さらに、一部または全部の水素原子が重水素化されたホスト化合物と、一部または全部の水素原子が重水素化されたドーパント化合物とを組み合わせて発光層を構成することも好ましい。
ホスト材料の三重項エネルギーは、発光層内でのTADFの発生を阻害せず促進させる観点から、発光層内において最も高い三重項エネルギーを有するドーパントまたはアシストドーパントの三重項エネルギーに比べて高い方が好ましく、具体的には、ホスト材料の三重項エネルギーは、0.01eV以上が好ましく、0.03eV以上がより好ましく、0.1eV以上がさらに好ましい。また、ホスト材料にTADF活性な化合物を用いてもよい。
ホスト材料としては、例えば、下記一般式(H1)で表される化合物、下記一般式(H2)で表される化合物、下記一般式(H3)で表される化合物、下記一般式(H4)で表される構造を含む化合物、下記一般式(H5)で表される化合物、下記一般式(H6)で表される化合物、および、TADF材料が挙げられる。好ましくは一般式(H1)で表される化合物である。
Figure 2023044631000051
<一般式(H1)で表される化合物>
Figure 2023044631000052
上記式(H1)中、Lは炭素数6~30のアリーレンまたは炭素数2~30のヘテロアリーレンであり、炭素数6~24のアリーレンが好ましく、炭素数6~16のアリーレンがより好ましく、炭素数6~12のアリーレンがさらに好ましく、炭素数6~10のアリーレンが特に好ましく、また、炭素数2~25のヘテロアリーレンが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリーレンがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリーレンがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリーレンが特に好ましい。アリーレンとして具体的には、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、テルフェニル環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、ナフタセン環、ペリレン環およびペンタセン環などの二価の基が挙げられる。また、ヘテロアリーレンとして具体的には、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリアジン環、インドール環、イソインドール環、1H-インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、1H-ベンゾトリアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、フェナジン環、フェナザシリン環、インドリジン環、フラン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラザン環、チアントレン環、インドロカルバゾール環、ベンゾインドロカルバゾール環、ベンゾベンゾインドロカルバゾール環およびナフトベンゾフラン環などの二価の基が挙げられる。
式(H1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、炭素数1~6のアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、シアノ、ハロゲンまたは重水素で置換されていてもよい。
<一般式(H2)で表される化合物>
Figure 2023044631000053
上記式(H2)中、LおよびLは、それぞれ独立して、炭素数6~30のアリールまたは炭素数2~30のヘテロアリールである。アリールとしては、炭素数6~24のアリールが好ましく、炭素数6~16のアリールがより好ましく、炭素数6~12のアリールがさらに好ましく、炭素数6~10のアリールが特に好ましく、具体的には、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、テルフェニル環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、ナフタセン環、ペリレン環およびペンタセン環などの一価の基が挙げられる。ヘテロアリールとしては、炭素数2~25のヘテロアリールが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリールがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリールがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリールが特に好ましく、具体的には、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリアジン環、インドール環、イソインドール環、1H-インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、1H-ベンゾトリアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、フェナジン環、フェナザシリン環、インドリジン環、フラン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラザン環、チアントレン環、インドロカルバゾール環、ベンゾインドロカルバゾール環、ベンゾベンゾインドロカルバゾール環およびナフトベンゾフラン環などの一価の基が挙げられる。
式(H2)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、炭素数1~6のアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、シアノ、ハロゲンまたは重水素で置換されていてもよい。
<一般式(H3)で表される化合物(高分子ホスト材料の一例)>
Figure 2023044631000054
式(H3)において、
MUはそれぞれ独立して芳香族化合物から任意の2つの水素原子を除いて表される2価の基、ECはそれぞれ独立して芳香族化合物から任意の1つの水素原子を除いて表される1価の基であり、MU中の2つの水素がECまたはMUと置換され、kは2~50000の整数である。
より具体的には、
MUは、それぞれ独立して、アリーレン、ヘテロアリーレン、ジアリーレンアリールアミノ、ジアリーレンアリールボリル、オキサボリン-ジイル、アザボリン-ジイルであり、
ECは、それぞれ独立して、水素、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノまたはアリールオキシであり、
MUおよびECにおける少なくとも1つの水素はさらに、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、アルキルおよびシクロアルキルで置換されていてもよく、
kは2~50000の整数である。
kは20~50000の整数であることが好ましく、100~50000の整数であることがより好ましい。
式(H3)中のMUおよびECにおける少なくとも1つの水素は、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、ハロゲンまたは重水素で置換されていてもよく、さらに、前記アルキルにおける任意の-CH-は-O-または-Si(CH-で置換されていてもよく、前記アルキルにおける式(H3)中のECに直結している-CH-を除く任意の-CH-は炭素数6~24のアリーレンで置換されていてもよく、前記アルキルにおける任意の水素はフッ素で置換されていてもよい。
MUとしては、例えば、以下のいずれかの化合物から任意の2つの水素原子を除いて表される2価の基が挙げられる。
Figure 2023044631000055
より具体的には、以下のいずれかの構造で表される2価の基が挙げられる。これらにおいて、MUは*において他のMUまたはECと結合する。
Figure 2023044631000056
Figure 2023044631000057
Figure 2023044631000058
Figure 2023044631000059
Figure 2023044631000060
Figure 2023044631000061
Figure 2023044631000062
Figure 2023044631000063
Figure 2023044631000064
また、ECとしては、例えば以下のいずれかの構造で表される1価の基が挙げられる。これらにおいて、ECは*においてMUと結合する。
Figure 2023044631000065
Figure 2023044631000066
式(H3)で表される化合物は、溶解性および塗布製膜性の観点から、分子中のMU総数(k)の10~100%のMUが炭素数1~24のアルキルを有することが好ましく、分子中のMU総数(k)の30~100%のMUが炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分岐鎖アルキル)を有することがより好ましく、分子中のMU総数(k)の50~100%のMUが炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分岐鎖アルキル)を有することがさらに好ましい。一方、面内配向性および電荷輸送の観点からは、分子中のMU総数(k)の10~100%のMUが炭素数7~24のアルキルを有することが好ましく、分子中のMU総数(k)の30~100%のMUが炭素数7~24のアルキル(炭素数7~24の分岐鎖アルキル)を有することがより好ましい。
<一般式(H4)で表される構造を含む化合物>
当該化合物は下記式(H4)で表される構造を含む化合物であり、当該構造を複数個、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個、さらに好ましくは1~2個、最も好ましくは1個含み、複数個含む場合には当該構造同士が直接単結合で結合されたり、特定の連結基で結合される。
Figure 2023044631000067
上記一般式(H4)中、Gはそれぞれ独立して「=C(-H)-」または「=N-」であり、前記「=C(-H)-」中のHは置換基または他の式(H4)で表される構造で置換されていてもよい。
一般式(H4)で表される構造を含む化合物は、例えば、国際公開第2012/153780号および国際公開第2013/038650号等に記載の化合物を用いることができ、前記文献中に記載の方法にしたがって製造することができる。
Gである「=C(-H)-」中のHが置換される場合の置換基の例は、例えば以下のとおりであるが、これらに限定されない。
置換基である「アリール基」の具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル、クリセニル、ベンゾ[c]フェナントリル、ベンゾ[g]クリセニル、ベンゾアントリル、トリフェニレニル、フルオレニル、9,9-ジメチルフルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、フルオランテニル等が挙げられ、好ましくはフェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチル、トリフェニレニルおよびフルオレニル等を挙げることができる。置換基を有するアリール基としては、トリル、キシリルおよび9,9-ジメチルフルオレニル等を挙げることができる。具体例が示すように、アリール基は、縮合アリール基および非縮合アリール基の両方を含む。
置換基である「ヘテロアリール基」の具体例としては、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、フリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、アザジベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチエニル、ジベンゾチエニル、アザジベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、アザカルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、ベンズオキサゾリル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ベンズチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル等が挙げられ、好ましくは、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアジニル、アザジベンゾフラニルおよびアザジベンゾチエニル等を挙げることができる。ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、アザジベンゾフラニルまたはアザジベンゾチエニルがさらに好ましい。
置換基である「置換シリル基」は、置換または無置換のトリアルキルシリル基、置換または無置換のアリールアルキルシリル基、および置換または無置換のトリアリールシリル基からなる群から選択される基であることも好ましい。
置換または無置換のトリアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリルおよびトリエチルシリルを挙げることができる。置換または無置換のアリールアルキルシリル基の具体例としては、ジフェニルメチルシリル、ジトリルメチルシリルおよびフェニルジメチルシリル等を挙げることができる。置換または無置換のトリアリールシリル基の具体例としては、トリフェニルシリルおよびトリトリルシリル等を挙げることができる。
置換基である「置換ホスフィンオキシド基」は、置換または無置換のジアリールホスフィンオキシド基であることも好ましい。置換または無置換のジアリールホスフィンオキシド基の具体例としては、ジフェニルホスフィンオキシドおよびジトリルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
置換基である「置換カルボキシ基」としては、例えば、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。
式(H4)で表される構造を複数個結合する連結基としては、上述したアリールやヘテロアリールの2~4価、2~3価、または2価の誘導体が挙げられる。
一般式(H4)で表される構造を含む化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2023044631000068
Figure 2023044631000069
<一般式(H5)で表される化合物>
Figure 2023044631000070
上記式(H5)において、
~R11は、それぞれ独立して、水素、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールへテロアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第1置換基)であり、当該R~R11における少なくとも1つの水素はさらにアリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第2置換基)で置換されていてもよく、
~R11のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環またはc環と共にアリール環またはヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素は、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第1置換基)で置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はさらにアリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第2置換基)で置換されていてもよく、
a環、b環、およびc環における、任意の「-C(-R)=」(ここでRはR~R11である)は「-N=」に置き換わっていてもよく、
式(H5)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ハロゲンまたは重水素で置換されてもよい。
式(H5)におけるa環、b環、およびc環中の任意の「-C(-R)=」(ここでRはR~R11である)は「-N=」に置き換わり、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、その他の含窒素ヘテロアリール環に変化してもよい。
好ましくは、上記式(H5)において、
~R11は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルであり、当該R~R11における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルで置換されていてもよく、
~R11のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環またはc環と共に炭素数9~16のアリール環または炭素数6~15のヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素は、炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルで置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルで置換されていてもよい。
さらに好ましくは、上記式(H5)において、
~R11は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルであり、当該R~R11における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルで置換されていてもよく、
~R11のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環またはc環と共に炭素数9~12のアリール環または炭素数6~12のヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素は、炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルで置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルで置換されていてもよい。
上記第1置換基および第2置換基において、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールへテロアリールアミノにおける「アリール」や「ヘテロアリール」としては、以下の例が挙げられる。
具体的な「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールが挙げられ、炭素数6~24のアリールが好ましく、炭素数6~20のアリールがより好ましく、炭素数6~16のアリールがさらに好ましく、炭素数6~12のアリールが特に好ましく、炭素数6~10のアリールが最も好ましい。例えば、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニリル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどが挙げられる。
具体的な「ヘテロアリール」としては、例えば、炭素数2~30のヘテロアリールが挙げられ、炭素数2~25のヘテロアリールが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリールがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリールがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリールが特に好ましい。例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェナザシリニル、インドリジニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ナフトベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾホスホリル、ジベンゾホスホリル、ベンゾホスホールオキシド環の1価の基、ジベンゾホスホールオキシド環の1価の基、フラザニル、チアントレニル、インドロカルバゾリル、ベンゾインドロカルバゾリルおよびベンゾベンゾインドロカルバゾリルなどが挙げられる。
上記第1置換基および第2置換基において、「アルキル」としては、直鎖および分岐鎖のいずれでもよく、例えば、炭素数1~24の直鎖アルキルまたは炭素数3~24の分岐鎖アルキルが挙げられ、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分岐鎖アルキル)が好ましく、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分岐鎖アルキル)がより好ましく、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分岐鎖アルキル)がさらに好ましく、炭素数1~5のアルキル(炭素数3~5の分岐鎖アルキル)や炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分岐鎖アルキル)が特に好ましく、メチルが最も好ましい。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル(t-アミル)、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、t-オクチル(1,1,3,3-テトラメチルブチル)、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、2,6-ジメチル-4-ヘプチル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-デシル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、1-ヘキシルヘプチル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-エイコシルなどが挙げられる。また、例えば、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1-エチル-1-メチルブチル、1,1,4-トリメチルペンチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルオクチル、1,1-ジメチルペンチル、1,1-ジメチルヘプチル、1,1,5-トリメチルヘキシル、1-エチル-1-メチルヘキシル、1-エチル-1,3-ジメチルブチル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、1-ブチル-1-メチルペンチル、1,1-ジエチルブチル、1-エチル-1-メチルペンチル、1,1,3-トリメチルブチル、1-プロピル-1-メチルペンチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1,2,2-トリメチルプロピル、1-プロピル-1-メチルブチル、1,1-ジメチルヘキシルなどもあげられる。
上記第1置換基および第2置換基において、「シクロアルキル」としては、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数3~20のシクロアルキル、炭素数3~16のシクロアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数5~8のシクロアルキル、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数5のシクロアルキルなどが挙げられる。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、およびこれらの炭素数1~4のアルキル(特にメチル)置換体や、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、ジアマンチル、デカヒドロナフタレニル、デカヒドロアズレニルなどが挙げられる。
第1置換基がアリールの場合の置換位置は、R、R、R、R、R10およびR11が好ましく、例えば、RおよびRへの置換、RおよびR10への置換、RおよびR11への置換がより好ましく、アリールはフェニル基が好ましい。
第1置換基がヘテロアリールの場合の置換位置は、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11が好ましく、例えば、Rへの置換、Rへの置換、Rへの置換、RおよびRへの置換、RおよびR11への置換、RおよびR10への置換、RおよびRへの置換がより好ましく、ヘテロアリールはカルバゾリル基が好ましい。このヘテロアリール(例えばカルバゾリル)はフェニレン基を介して上記位置へ置換していてもよい。
式(H5)で表される化合物の具体的な例としては、例えば、下記構造式で表される化合物が挙げられる。なお、式中の「Me」はメチル基である。
Figure 2023044631000071
Figure 2023044631000072
式(H5)で表される化合物は、まずa~c環を結合基(-O-)で結合させることで中間体を製造し(第1反応)、その後に、a~c環をB(ホウ素)で結合させることで最終生成物を製造することができる(第2反応)。第1反応では、例えば求核置換反応やウルマン反応といった一般的エーテル化反応が利用できる。また、第2反応では、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応(連続的な芳香族求電子置換反応)が利用できる。第1および第2反応の詳細は、国際公開第2015/102118号公報に記載された説明を参考にすることができる。
<一般式(H6)で表される化合物>
Figure 2023044631000073
上記式(H6)において、
~R16は、それぞれ独立して、水素、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールへテロアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第1置換基)であり、当該R~R16における少なくとも1つの水素はさらにアリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第2置換基)で置換されていてもよく、
~R16のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環、c環、またはd環と共にアリール環またはヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素は、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第1置換基)で置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はさらにアリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、アルキルまたはシクロアルキル(以上、第2置換基)で置換されていてもよく、
式(H6)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ハロゲンまたは重水素で置換されてもよい。
好ましくは、上記式(H6)において、
~R16は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルであり、当該R~R16における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルで置換されていてもよく、
~R16のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環、c環、またはd環と共に炭素数9~16のアリール環または炭素数6~15のヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素は、炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルで置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~30のアリール、炭素数2~30のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~16のシクロアルキルで置換されていてもよい。
さらに好ましくは、上記式(H6)において、
~R16は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルであり、当該R~R16における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルで置換されていてもよく、
~R16のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環、c環、またはd環と共に炭素数9~12のアリール環または炭素数6~12のヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素は、炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルで置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はさらに炭素数6~16のアリール、炭素数2~15のヘテロアリール、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~10のアリール)、炭素数1~6のアルキルまたは炭素数3~14のシクロアルキルで置換されていてもよい。
上記第1置換基および第2置換基において、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールへテロアリールアミノにおける「アリール」や「ヘテロアリール」としては、以下の例が挙げられる。
具体的な「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールが挙げられ、炭素数6~24のアリールが好ましく、炭素数6~20のアリールがより好ましく、炭素数6~16のアリールがさらに好ましく、炭素数6~12のアリールが特に好ましく、炭素数6~10のアリールが最も好ましい。例えば、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニリル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどが挙げられる。
具体的な「ヘテロアリール」としては、例えば、炭素数2~30のヘテロアリールが挙げられ、炭素数2~25のヘテロアリールが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリールがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリールがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリールが特に好ましい。例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェナザシリニル、インドリジニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ナフトベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾホスホリル、ジベンゾホスホリル、ベンゾホスホールオキシド環の1価の基、ジベンゾホスホールオキシド環の1価の基、フラザニル、チアントレニル、インドロカルバゾリル、ベンゾインドロカルバゾリルおよびベンゾベンゾインドロカルバゾリルなどが挙げられる。
上記第1置換基および第2置換基において、「アルキル」としては、直鎖および分岐鎖のいずれでもよく、例えば、炭素数1~24の直鎖アルキルまたは炭素数3~24の分岐鎖アルキルが挙げられ、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分岐鎖アルキル)が好ましく、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分岐鎖アルキル)がより好ましく、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分岐鎖アルキル)がさらに好ましく、炭素数1~5のアルキル(炭素数3~5の分岐鎖アルキル)や炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分岐鎖アルキル)が特に好ましく、メチルが最も好ましい。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル(t-アミル)、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、t-オクチル(1,1,3,3-テトラメチルブチル)、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、2,6-ジメチル-4-ヘプチル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-デシル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、1-ヘキシルヘプチル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-エイコシルなどが挙げられる。また、例えば、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1-エチル-1-メチルブチル、1,1,4-トリメチルペンチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルオクチル、1,1-ジメチルペンチル、1,1-ジメチルヘプチル、1,1,5-トリメチルヘキシル、1-エチル-1-メチルヘキシル、1-エチル-1,3-ジメチルブチル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、1-ブチル-1-メチルペンチル、1,1-ジエチルブチル、1-エチル-1-メチルペンチル、1,1,3-トリメチルブチル、1-プロピル-1-メチルペンチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1,2,2-トリメチルプロピル、1-プロピル-1-メチルブチル、1,1-ジメチルヘキシルなどもあげられる。
上記第1置換基および第2置換基において、「シクロアルキル」としては、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数3~20のシクロアルキル、炭素数3~16のシクロアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数5~8のシクロアルキル、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数5のシクロアルキルなどが挙げられる。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、およびこれらの炭素数1~4のアルキル(特にメチル)置換体や、ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、ジアマンチル、デカヒドロナフタレニル、デカヒドロアズレニルなどが挙げられる。
式(H6)で表される化合物は、国際公開第2014/042197号公報に記載された説明を参考にして製造することができる。
<TADF材料>
励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差を小さくすることで、通常は遷移確率が低い励起三重項状態から励起一重項状態への逆エネルギー移動を高効率で生じさせることで、一重項からの発光(熱活性化遅延蛍光、TADF)が発現する。通常の蛍光発光では電流励起により生じた75%の三重項励起子は熱失活経路を通るため蛍光として取りたすことはできない。一方、TADFでは全ての励起子を蛍光発光に利用することができ、高効率な有機EL素子が実現できる。
このような目的で使用できるTADF材料としては、例えば下記一般式(H7)で表される化合物、または下記一般式(H7)を部分構造として有する化合物があげられる。
Figure 2023044631000074
式(H7)において、EDは電子供与性基であり、Lnは結合基であり、EAは電子受容性基であり、式(H7)で表される化合物の一重項エネルギー(S)と三重項エネルギー(T)のエネルギー差(ΔS)は0.2eV以下である(Hiroki Uoyama, Kenichi Goushi, Katsuyuki Shizu, Hiroko Nomura, Chihaya Adachi, Nature, 492, 234-238 (2012))。エネルギー差(ΔS)は、好ましくは0.15eV以下であり、より好ましくは0.10eV以下であり、さらに好ましくは0.08eV以下である。
TADF材料は、ドナーと呼ばれる電子供与性の置換基とアクセプターと呼ばれる電子受容性の置換基を用いて分子内のHOMOとLUMOを局在化させて、効率的な逆項間交差(reverse intersystem crossing)が起きるようにデザインされた、ドナー-アクセプター型TADF化合物(D-A型TADF化合物)であることが好ましい。
ここで、本明細書中において「電子供与性の置換基」(ドナー)とは、TADF化合物分子中でLUMO軌道が局在する置換基および部分構造のことを意味し、「電子受容性の置換基」(アクセプター)とは、TADF化合物分子中でHOMO軌道が局在する置換基および部分構造のことを意味することとする。
一般的に、ドナーやアクセプターを用いたTADF化合物は、構造に起因してスピン軌道結合(SOC: Spin Orbit Coupling)が大きく、かつ、HOMOとLUMOの交換相互作用が小さくΔE(ST)が小さいために、非常に速い逆項間交差速度が得られる。一方、ドナーやアクセプターを用いたTADF化合物は、励起状態での構造緩和が大きくなり(ある分子においては、基底状態と励起状態では安定構造が異なるため、外部刺激により基底状態から励起状態への変換が起きると、その後、励起状態における安定構造へと構造が変化する)、幅広な発光スペクトルを与えるため、発光材料として使うと色純度を低下させる可能性がある。
TADF材料により色純度が低下する場合、他の成分として、蛍光性の化合物を発光層または発光層に隣接する層に添加すればよい。TADF材料は、アシスティングドーパンドとして、他の成分はエミッティングドーパントとして、働く。他の成分としては、該化合物の吸収スペクトルがアシスティングドーパントの発光ピークと少なくとも一部重なる化合物であればよい。
TADF材料に用いられるドナー性およびアクセプター性の構造としては、例えば、Chemistry of Materials, 2017, 29, 1946-1963に記載の構造を用いることができる。EDとしては、例えば、sp窒素を含有する官能基があげられ、より具体的には、カルバゾール、ジメチルカルバゾール、ジ-t-ブチルカルバゾール、ジメトキシカルバゾール、テトラメチルカルバゾール、ベンゾフルオロカルバゾール、ベンゾチエノカルバゾール、フェニルジヒドロインドロカルバゾール、フェニルビカルバゾール、ビカルバゾール、ターカルバゾール、ジフェニルカルバゾリルアミン、テトラフェニルカルバゾリルジアミン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、フェノチアジン、ジメチルジヒドロアクリジン、ジフェニルアミン、ビス(t-ブチルフェニル)アミン、N-(4-(ジフェニルアミノ)フェニル)-N,N-ジフェニルベンゼン-1,4-ジアミン、ジメチルテトラフェニルジヒドロアクリジンジアミン、テトラメチル-ジヒドロ-インデノアクリジンおよびジフェニル-ジヒドロジベンゾアザシリンなどから誘導される基があげられる。また、EAとしては、例えば、sp窒素含有芳香族環、CN置換芳香族環、ケトンを有する環およびシアノ基、より具体的には、スルホニルジベンゼン、ベンゾフェノン、フェニレンビス(フェニルメタノン)、ベンゾニトリル、イソニコチノニトリル、フタロニトリル、イソフタロニトリル、パラフタロニトリル、トリアゾール、オキサゾール、チアジアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾビス(チアゾール)、ベンゾオキサゾール、ベンゾビス(オキサゾール)、キノリン、ベンゾイミダゾール、ジベンゾキノキサリン、ヘプタアザフェナレン、チオキサントンジオキシド、ジメチルアントラセノン、アントラセンジオン、ピリジン、5H-シクロペンタ[1,2-b:5,4-b’]ジピリジン、ベンゼントリカルボニトリル、フルオレンジカルボニトリル、ピラジンジカルボニトリル、ピリジンジカルボニトリル、ジベンゾキノキサリンジカルボニトリル、ピリミジン、フェニルピリミジン、メチルピリミジン、トリアジン、トリフェニルトリアジン、ビス(フェニルスルホニル)ベンゼン、ジメチルチオキサンテンジオキシド、チアンスレンテトラオキシドおよびトリス(ジメチルフェニル)ボランなどから誘導される基があげられる。Lnとしては、例えば、単結合およびアリーレンがあげられ、より具体的には、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレンなどがあげられる。また、いずれの構造においても水素がアルキル、シクロアルキルおよびアリールで置換されてもよい。特に、部分構造として、カルバゾール、フェノキサジン、アクリジン、トリアジン、ピリミジン、ピラジン、チオキサンテン、ベンゾニトリル、フタロニトリル、イソフタロニトリル、ジフェニルスルホン、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールおよびベンゾフェノンから選択される少なくとも一つを有する化合物であることが好ましい。
一般式(H7)で表される化合物は、より具体的には、下記一般式(H7-1)、式(H7-2)および式(H7-3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2023044631000075
上記一般式(H7-1)、式(H7-2)および式(H7-3)中、
Mは、それぞれ独立して、単結合、-O-、>N-Arまたは>C(-Ar)であり、形成する部分構造のHOMOの深さおよび励起一重項エネルギー準位および励起三重項エネルギー準位の高さの観点から、好ましくは、単結合、-O-または>N-Arであり、
Jはドナー性の部分構造とアクセプター性の部分構造を分けるスペーサー構造であり、それぞれ独立して、炭素数6~18のアリーレンであり、ドナー性の部分構造とアクセプター性の部分構造から染み出す共役の大きさの観点から、炭素数6~12のアリーレンが好ましく、より具体的には、フェニレン、メチルフェニレンおよびジメチルフェニレンが挙げられ、
Qは、それぞれ独立して、=C(-H)-または=N-であり、形成する部分構造のLUMOの浅さおよび励起一重項エネルギー準位および励起三重項エネルギー準位の高さの観点から、好ましくは、=N-であり、
Arは、それぞれ独立して、水素、炭素数6~24のアリール、炭素数2~24のヘテロアリール、炭素数1~12のアルキルまたは炭素数3~18のシクロアルキルであり、形成する部分構造のHOMOの深さおよび励起一重項エネルギー準位および励起三重項エネルギー準位の高さの観点から、好ましくは、水素、炭素数6~12のアリール、炭素数2~14のヘテロアリール、炭素数1~4のアルキルまたは炭素数6~10のシクロアルキルであり、より好ましくは、水素、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、カルバゾリル、ジメチルカルバゾリル、ジ-t-ブチルカルバゾリル、ベンゾイミダゾールまたはフェニルベンゾイミダゾールであり、さらに好ましくは、水素、フェニルまたはカルバゾリルであり、
mは、1または2であり、
nは、2~(6-m)の整数であり、立体障害の観点から、好ましくは、4~(6-m)の整数である。
さらに、上記各式で表される化合物における少なくとも1つの水素は、ハロゲンまたは重水素で置換されていてもよい。
式(H7)で表される化合物としては、例えば、下記構造で表される化合物があげられる。なお、構造式中の*は結合位置、「Me」はメチル基、「tBu」はt-ブチル基を示す。
Figure 2023044631000076
Figure 2023044631000077
Figure 2023044631000078
Figure 2023044631000079
Figure 2023044631000080
Figure 2023044631000081
Figure 2023044631000082
Figure 2023044631000083
Figure 2023044631000084
一般式(H7)で表される化合物としては、上記具体的な化合物の中でも特に4CzBN、4CzBN-Ph、5CzBN、3Cz2DPhCzBN、4CzIPN、2PXZ-TAZ、Cz-TRZ3、BDPCC-TPTA、MA-TA、PA-TA、FA-TA、PXZ-TRZ、DMAC-TRZ、BCzT、DCzTrz、DDCzTrz、spiroAC-TRZ、Ac-HPM、Ac-PPM、Ac-MPM、TCzTrz、TmCzTrzおよびDCzmCzTrzが好ましい。
また、ドーパント材料としては、既知の化合物を用いることができ、所望の発光色に応じて様々な材料の中から選択することができる。具体的には、例えば、フェナンスレン、アントラセン、ピレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、ナフトピレン、ジベンゾピレン、ルブレンおよびクリセンなどの縮合環誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、チオフェン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体(特開平1-245087号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2-247278号公報)、ジアザインダセン誘導体、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、フェニルイソベンゾフラン、ジメシチルイソベンゾフラン、ジ(2-メチルフェニル)イソベンゾフラン、ジ(2-トリフルオロメチルフェニル)イソベンゾフラン、フェニルイソベンゾフランなどのイソベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、7-ジアルキルアミノクマリン誘導体、7-ピペリジノクマリン誘導体、7-ヒドロキシクマリン誘導体、7-メトキシクマリン誘導体、7-アセトキシクマリン誘導体、3-ベンゾチアゾリルクマリン誘導体、3-ベンゾイミダゾリルクマリン誘導体、3-ベンゾオキサゾリルクマリン誘導体などのクマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、ポリメチン誘導体、シアニン誘導体、オキソベンゾアンスラセン誘導体、キサンテン誘導体、ローダミン誘導体、フルオレセイン誘導体、ピリリウム誘導体、カルボスチリル誘導体、アクリジン誘導体、オキサジン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、キナクリドン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、フロピリジン誘導体、1,2,5-チアジアゾロピレン誘導体、ピロメテン誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、アクリドン誘導体、デアザフラビン誘導体、フルオレン誘導体およびベンゾフルオレン誘導体などが挙げられる。
発色光ごとに例示すると、青~青緑色ドーパント材料としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデン、クリセンなどの芳香族炭化水素化合物やその誘導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9-シラフルオレン、9,9’-スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどの芳香族複素環化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体などが挙げられる。
また、緑~黄色ドーパント材料としては、クマリン誘導体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体およびルブレンなどのナフタセン誘導体などが挙げられ、さらに上記青~青緑色ドーパント材料として例示した化合物に、アリール、ヘテロアリール、アリールビニル、アミノ、シアノなど長波長化を可能とする置換基を導入した化合物も好適な例として挙げられる。
さらに、橙~赤色ドーパント材料としては、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希土類錯体、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピランやその類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニン誘導体、ローダミン化合物、デアザフラビン誘導体、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、フェノキサジン誘導体、オキサジン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、フェノキサゾン誘導体およびチアジアゾロピレン誘導体など挙げられ、さらに上記青~青緑色および緑~黄色ドーパント材料として例示した化合物に、アリール、ヘテロアリール、アリールビニル、アミノ、シアノなど長波長化を可能とする置換基を導入した化合物も好適な例として挙げられる。
その他、ドーパントとしては、化学工業2004年6月号13頁、および、それに挙げられた参考文献などに記載された化合物などの中から適宜選択して用いることができる。
上述するドーパント材料の中でも、特にスチルベン構造を有するアミン、ペリレン誘導体、ボラン誘導体、芳香族アミン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体またはピレン誘導体が好ましい。
スチルベン構造を有するアミンは、例えば、下記式で表される。
Figure 2023044631000085
当該式中、Arは炭素数6~30のアリールに由来するm価の基であり、ArおよびArは、それぞれ独立して炭素数6~30のアリールであるが、Ar~Arの少なくとも1つはスチルベン構造を有し、Ar~Arは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、トリ置換シリル(アリール、アルキルおよびシクロアルキルの少なくとも1つでトリ置換されたシリル)またはシアノで置換されていてもよく、そして、mは1~4の整数である。
スチルベン構造を有するアミンは、下記式で表されるジアミノスチルベンがより好ましい。
Figure 2023044631000086
当該式中、ArおよびArは、それぞれ独立して炭素数6~30のアリールであり、ArおよびArは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、トリ置換シリル(アリール、アルキルおよびシクロアルキルの少なくとも1つでトリ置換されたシリル)またはシアノで置換されていてもよい。
炭素数6~30のアリールの具体例は、フェニル、ナフチル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、スチルベニル、ジスチリルフェニル、ジスチリルビフェニリル、ジスチリルフルオレニルなどが挙げられる。
スチルベン構造を有するアミンの具体例は、N,N,N’,N’-テトラ(4-ビフェニリル)-4,4’-ジアミノスチルベン、N,N,N’,N’-テトラ(1-ナフチル)-4,4’-ジアミノスチルベン、N,N,N’,N’-テトラ(2-ナフチル)-4,4’-ジアミノスチルベン、N,N’-ジ(2-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-4,4’-ジアミノスチルベン、N,N’-ジ(9-フェナントリル)-N,N’-ジフェニル-4,4’-ジアミノスチルベン、4,4’-ビス[4”-ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]-ビフェニル、1,4-ビス[4’-ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]-ベンゼン、2,7-ビス[4’-ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]-9,9-ジメチルフルオレン、4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)-ビフェニル、4,4’-ビス(9-フェニル-3-カルバゾビニレン)-ビフェニルなどが挙げられる。
また、特開2003-347056号公報、および特開2001-307884号公報などに記載されたスチルベン構造を有するアミンを用いてもよい。
ペリレン誘導体としては、例えば、3,10-ビス(2,6-ジメチルフェニル)ペリレン、3,10-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ペリレン、3,10-ジフェニルペリレン、3,4-ジフェニルペリレン、2,5,8,11-テトラ-t-ブチルペリレン、3,4,9,10-テトラフェニルペリレン、3-(1’-ピレニル)-8,11-ジ(t-ブチル)ペリレン、3-(9’-アントリル)-8,11-ジ(t-ブチル)ペリレン、3,3’-ビス(8,11-ジ(t-ブチル)ペリレニル)などが挙げられる。
また、特開平11-97178号公報、特開2000-133457号公報、特開2000-26324号公報、特開2001-267079号公報、特開2001-267078号公報、特開2001-267076号公報、特開2000-34234号公報、特開2001-267075号公報、および特開2001-217077号公報などに記載されたペリレン誘導体を用いてもよい。
ボラン誘導体としては、例えば、1,8-ジフェニル-10-(ジメシチルボリル)アントラセン、9-フェニル-10-(ジメシチルボリル)アントラセン、4-(9’-アントリル)ジメシチルボリルナフタレン、4-(10’-フェニル-9’-アントリル)ジメシチルボリルナフタレン、9-(ジメシチルボリル)アントラセン、9-(4’-ビフェニリル)-10-(ジメシチルボリル)アントラセン、9-(4’-(N-カルバゾリル)フェニル)-10-(ジメシチルボリル)アントラセンなどが挙げられる。
また、国際公開第2000/40586号パンフレットなどに記載されたボラン誘導体を用いてもよい。
芳香族アミン誘導体は、例えば、下記式で表される。
Figure 2023044631000087
当該式中、Arは炭素数6~30のアリールに由来するn価の基であり、ArおよびArはそれぞれ独立して炭素数6~30のアリールであり、Ar~Arは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、トリ置換シリル(アリール、アルキルおよびシクロアルキルの少なくとも1つでトリ置換されたシリル)またはシアノで置換されていてもよく、そして、nは1~4の整数である。
特に、Arがアントラセン、クリセン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはピレンに由来する2価の基であり、ArおよびArがそれぞれ独立して炭素数6~30のアリールであり、Ar~Arは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、トリ置換シリル(アリール、アルキルおよびシクロアルキルの少なくとも1つでトリ置換されたシリル)またはシアノで置換されていてもよく、そして、nは2である、芳香族アミン誘導体がより好ましい。
炭素数6~30のアリールの具体例は、フェニル、ナフチル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ペンタセニルなどが挙げられる。
芳香族アミン誘導体としては、クリセン系としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラフェニルクリセン-6,12-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(p-トリル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(m-トリル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(4-イソプロピルフェニル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(ナフタレン-2-イル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(p-トリル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-エチルフェニル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-t-ブチルフェニル)クリセン-6,12-ジアミン、N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)-N,N’-ジ(p-トリル)クリセン-6,12-ジアミンなどが挙げられる。
また、ピレン系としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラフェニルピレン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(p-トリル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(m-トリル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(4-イソプロピルフェニル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(3,4-ジメチルフェニル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(p-トリル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-エチルフェニル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-t-ブチルフェニル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)-N,N’-ジ(p-トリル)ピレン-1,6-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(3,4-ジメチルフェニル)-3,8-ジフェニルピレン-1,6-ジアミン、N,N,N,N-テトラフェニルピレン-1,8-ジアミン、N,N’-ビス(ビフェニル-4-イル)-N,N’-ジフェニルピレン-1,8-ジアミン、N,N-ジフェニル-N,N-ビス-(4-トリメチルシラニル-フェニル)-1H,8H-ピレン-1,6-ジアミンなどが挙げられる。
また、アントラセン系としては、例えば、N,N,N,N-テトラフェニルアントラセン-9,10-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(p-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラ(m-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(4-イソプロピルフェニル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(p-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(m-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-エチルフェニル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-t-ブチルフェニル)アントラセン-9,10-ジアミン、N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)-N,N’-ジ(p-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、2,6-ジ-t-ブチル-N,N,N’,N’-テトラ(p-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、2,6-ジ-t-ブチル-N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)アントラセン-9,10-ジアミン、2,6-ジ-t-ブチル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)-N,N’-ジ(p-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、2,6-ジシクロヘキシル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)-N,N’-ジ(p-トリル)アントラセン-9,10-ジアミン、2,6-ジシクロヘキシル-N,N’-ビス(4-イソプロピルフェニル)-N,N’-ビス(4-t-ブチルフェニル)アントラセン-9,10-ジアミン、9,10-ビス(4-ジフェニルアミノ-フェニル)アントラセン、9,10-ビス(4-ジ(1-ナフチルアミノ)フェニル)アントラセン、9,10-ビス(4-ジ(2-ナフチルアミノ)フェニル)アントラセン、10-ジ-p-トリルアミノ-9-(4-ジ-p-トリルアミノ-1-ナフチル)アントラセン、10-ジフェニルアミノ-9-(4-ジフェニルアミノ-1-ナフチル)アントラセン、10-ジフェニルアミノ-9-(6-ジフェニルアミノ-2-ナフチル)アントラセンなどが挙げられる。
また、他には、[4-(4-ジフェニルアミノ-フェニル)ナフタレン-1-イル]-ジフェニルアミン、[6-(4-ジフェニルアミノ-フェニル)ナフタレン-2-イル]-ジフェニルアミン、4,4’-ビス[4-ジフェニルアミノナフタレン-1-イル]ビフェニル、4,4’-ビス[6-ジフェニルアミノナフタレン-2-イル]ビフェニル、4,4”-ビス[4-ジフェニルアミノナフタレン-1-イル]-p-テルフェニル、4,4”-ビス[6-ジフェニルアミノナフタレン-2-イル]-p-テルフェニルなどが挙げられる。
また、特開2006-156888号公報などに記載された芳香族アミン誘導体を用いてもよい。
クマリン誘導体としては、クマリン-6、クマリン-334などが挙げられる。
また、特開2004-43646号公報、特開2001-76876号公報、および特開平6-298758号公報などに記載されたクマリン誘導体を用いてもよい。
ピラン誘導体としては、下記のDCM、DCJTBなどが挙げられる。
Figure 2023044631000088
また、特開2005-126399号公報、特開2005-097283号公報、特開2002-234892号公報、特開2001-220577号公報、特開2001-081090号公報、および特開2001-052869号公報などに記載されたピラン誘導体を用いてもよい。
上述した発光層用材料(ホスト材料およびドーパント材料)は、これらに反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた高分子化合物、もしくはその高分子架橋体、または、主鎖型高分子と前記反応性化合物とを反応させたペンダント型高分子化合物、もしくはそのペンダント型高分子架橋体としても、発光層用材料に用いることができる。この場合の反応性置換基としては、上記一般式(1)で表される多環芳香族化合物での説明を引用できる。
このような高分子化合物および高分子架橋体の用途の詳細については後述する。
<有機電界発光素子における電子注入層、電子輸送層>
電子注入層107は、陰極108から移動してくる電子を、効率よく発光層105内または電子輸送層106内に注入する役割を果たす。電子輸送層106は、陰極108から注入された電子または陰極108から電子注入層107を介して注入された電子を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たす。電子輸送層106および電子注入層107は、それぞれ、電子輸送・注入材料の一種または二種以上を積層、混合するか、電子輸送・注入材料と高分子結着剤の混合物により形成される。
電子注入・輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送することをつかさどる層であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合には、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有する。したがって、本実施形態における電子注入・輸送層は、正孔の移動を効率よく阻止できる層の機能も含まれてもよい。
電子輸送層106または電子注入層107を形成する材料(電子輸送材料)としては、光導電材料において電子伝達化合物として従来から慣用されている化合物、有機EL素子の電子注入層および電子輸送層に使用されている公知の化合物の中から任意に選択して用いることができる。本発明では、この電子輸送材料として、上記一般式(1)で表される多環芳香族化合物を用いることができる。
電子輸送層または電子注入層に用いられる材料としては、炭素、水素、酸素、硫黄、ケイ素およびリンの中から選ばれる一種以上の原子で構成される芳香族環または複素芳香族環からなる化合物、ピロール誘導体およびその縮合環誘導体および電子受容性窒素を有する金属錯体の中から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。具体的には、ナフタレン、アントラセンなどの縮合環系芳香族環誘導体、4,4’-ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香族環誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体などが挙げられる。電子受容性窒素を有する金属錯体としては、例えば、ヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などが挙げられる。これらの材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。
また、他の電子伝達化合物の具体例として、ピリジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントロリン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体(1,3-ビス[(4-t-ブチルフェニル)1,3,4-オキサジアゾリル]フェニレンなど)、チオフェン誘導体、トリアゾール誘導体(N-ナフチル-2,5-ジフェニル-1,3,4-トリアゾールなど)、チアジアゾール誘導体、オキシン誘導体の金属錯体、キノリノール系金属錯体、キノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体のポリマー、ベンザゾール類化合物、ガリウム錯体、ピラゾール誘導体、パーフルオロ化フェニレン誘導体、トリアジン誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾキノリン誘導体(2,2’-ビス(ベンゾ[h]キノリン-2-イル)-9,9’-スピロビフルオレンなど)、イミダゾピリジン誘導体、ボラン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体(トリス(N-フェニルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゼンなど)、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、キノリン誘導体、テルピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、テルピリジン誘導体(1,3-ビス(4’-(2,2’:6’2”-テルピリジニル))ベンゼンなど)、ナフチリジン誘導体(ビス(1-ナフチル)-4-(1,8-ナフチリジン-2-イル)フェニルホスフィンオキサイドなど)、アルダジン誘導体、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、リンオキサイド誘導体、ビススチリル誘導体などが挙げられる。
また、電子受容性窒素を有する金属錯体を用いることもでき、例えば、キノリノール系金属錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などが挙げられる。
上述した材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。
上述した材料の中でも、ボラン誘導体、ピリジン誘導体、フルオランテン誘導体、BO系誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾフルオレン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ピリミジン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、およびキノリノール系金属錯体が好ましい。
<ボラン誘導体>
ボラン誘導体は、例えば下記一般式(ETM-1)で表される化合物であり、詳細には特開2007-27587号公報に開示されている。
Figure 2023044631000089
上記式(ETM-1)中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されているシリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも1つであり、R13~R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、Xは、置換されていてもよいアリーレンであり、Yは、置換されていてもよい炭素数16以下のアリール、置換されているボリル、または置換されていてもよいカルバゾリルであり、そして、nはそれぞれ独立して0~3の整数である。また、「置換されていてもよい」または「置換されている」場合の置換基としては、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルなどが挙げられる。
上記一般式(ETM-1)で表される化合物の中でも、下記一般式(ETM-1-1)で表される化合物や下記一般式(ETM-1-2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023044631000090
式(ETM-1-1)中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されているシリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも1つであり、R13~R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されているシリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも1つであり、Xは、置換されていてもよい炭素数20以下のアリーレンであり、nはそれぞれ独立して0~3の整数であり、そして、mはそれぞれ独立して0~4の整数である。また、「置換されていてもよい」または「置換されている」場合の置換基としては、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルなどが挙げられる。
Figure 2023044631000091
式(ETM-1-2)中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されているシリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも1つであり、R13~R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、Xは、置換されていてもよい炭素数20以下のアリーレンであり、そして、nはそれぞれ独立して0~3の整数である。また、「置換されていてもよい」または「置換されている」場合の置換基としては、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルなどが挙げられる。
の具体的な例としては、下記式(X-1)~式(X-9)のいずれかで表される2価の基が挙げられる。各構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000092
(各式中、Rは、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいフェニル基である。)
このボラン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000093
このボラン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ピリジン誘導体>
ピリジン誘導体は、例えば下記式(ETM-2)で表される化合物であり、好ましくは式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)で表される化合物である。
Figure 2023044631000094
φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数である。
上記式(ETM-2-1)において、R11~R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)である。
上記式(ETM-2-2)において、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、R11およびR12は結合して環を形成していてもよい。
各式において、「ピリジン系置換基」は、下記式(Py-1)~式(Py-15)のいずれかであり、ピリジン系置換基はそれぞれ独立して炭素数1~4のアルキルまたは炭素数5~10のシクロアルキルで置換されていてもよい。また、ピリジン系置換基はフェニレン基やナフチレン基を介して各式におけるφ、アントラセン環またはフルオレン環に結合していてもよい。各構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000095
ピリジン系置換基は、上記式(Py-1)~式(Py-15)のいずれかであるが、これらの中でも、下記式(Py-21)~式(Py-44)のいずれかであることが好ましい。各構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000096
各ピリジン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよく、また、上記式(ETM-2-1)および式(ETM-2-2)における2つの「ピリジン系置換基」のうちの一方はアリールで置き換えられていてもよい。
11~R18における「アルキル」としては、直鎖および分岐鎖のいずれでもよく、例えば、炭素数1~24の直鎖アルキルまたは炭素数3~24の分岐鎖アルキルが挙げられる。好ましい「アルキル」は、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分岐鎖アルキル)である。より好ましい「アルキル」は、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分岐鎖アルキル)である。さらに好ましい「アルキル」は、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分岐鎖アルキル)である。特に好ましい「アルキル」は、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分岐鎖アルキル)である。
具体的な「アルキル」としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル(t-アミル)、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、t-オクチル(1,1,3,3-テトラメチルブチル)、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、2,6-ジメチル-4-ヘプチル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-デシル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、1-ヘキシルヘプチル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-エイコシルなどが挙げられる。
また、例えば、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1-エチル-1-メチルブチル、1,1,4-トリメチルペンチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルオクチル、1,1-ジメチルペンチル、1,1-ジメチルヘプチル、1,1,5-トリメチルヘキシル、1-エチル-1-メチルヘキシル、1-エチル-1,3-ジメチルブチル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、1-ブチル-1-メチルペンチル、1,1-ジエチルブチル、1-エチル-1-メチルペンチル、1,1,3-トリメチルブチル、1-プロピル-1-メチルペンチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1,2,2-トリメチルプロピル、1-プロピル-1-メチルブチル、1,1-ジメチルヘキシルなどもあげられる。
ピリジン系置換基に置換する炭素数1~4のアルキルとしては、上記アルキルの説明を引用することができる。
11~R18における「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3~12のシクロアルキルが挙げられる。好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~6のシクロアルキルである。
具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどが挙げられる。
ピリジン系置換基に置換する炭素数5~10のシクロアルキルとしては、上記シクロアルキルの説明を引用することができる。
11~R18における「アリール」としては、好ましいアリールは炭素数6~30のアリールであり、より好ましいアリールは炭素数6~18のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6~14のアリールであり、特に好ましくは炭素数6~12のアリールである。
具体的な「炭素数6~30のアリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどが挙げられる。
好ましい「炭素数6~30のアリール」は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、クリセニルまたはトリフェニレニルなどが挙げられ、さらに好ましくはフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルまたはフェナントリルが挙げられ、特に好ましくはフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルが挙げられる。
上記式(ETM-2-2)におけるR11およびR12は結合して環を形成していてもよく、この結果、フルオレン骨格の5員環には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、フルオレンまたはインデンなどがスピロ結合していてもよい。
このピリジン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000097
このピリジン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<フルオランテン誘導体>
フルオランテン誘導体は、例えば下記一般式(ETM-3)で表される化合物であり、詳細には国際公開第2010/134352号公報に開示されている。
Figure 2023044631000098
上記式(ETM-3)中、X12~X21は水素、ハロゲン、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル、直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ、置換もしくは無置換のアリール、または置換もしくは無置換のヘテロアリールを表す。ここで、置換されている場合の置換基としては、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルなどが挙げられる。
このフルオランテン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000099
<BO系誘導体>
BO系誘導体は、例えば下記式(ETM-4)で表される多環芳香族化合物、または下記式(ETM-4)で表される構造を複数有する多環芳香族化合物の多量体である。
Figure 2023044631000100
~R11は、それぞれ独立して、水素、アリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル(2つのアリールは単結合または連結基を介して結合していてもよい)アルキル、シクロアルキル、アルコキシまたはアリールオキシであり、当該R~R11における少なくとも1つの水素はアリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルで置換されていてもよい。
また、R~R11のうちの隣接する基同士が結合してa環、b環またはc環と共にアリール環またはヘテロアリール環を形成していてもよく、形成された環における少なくとも1つの水素はアリール、ヘテロアリール、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル(2つのアリールは単結合または連結基を介して結合していてもよい)、アルキル、シクロアルキル、アルコキシまたはアリールオキシで置換されていてもよく、これらの置換基における少なくとも1つの水素はアリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルで置換されていてもよい。
また、式(ETM-4)で表される化合物または構造における少なくとも1つの水素がハロゲンまたは重水素で置換されていてもよい。
式(ETM-4)における置換基や環形成の形態、また式(ETM-4)の構造が複数合わさってできる多量体の説明については、国際公開第2015/102118号公報に記載の説明を引用することができる。
このBO系誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000101
このBO系誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<アントラセン誘導体>
アントラセン誘導体の1つは、例えば下記式(ETM-5-1)で表される化合物である。
Figure 2023044631000102
Arは、それぞれ独立して、2価のベンゼンまたはナフタレンであり、R~Rは、それぞれ独立して、水素、炭素数1~6のアルキル、炭素数3から6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のアリールである。
Arは、それぞれ独立して、2価のベンゼンまたはナフタレンから適宜選択することができ、2つのArが異なっていても同じであってもよいが、アントラセン誘導体の合成の容易さの観点からは同じであることが好ましい。Arはピリジンと結合して、「Arおよびピリジンからなる部位」を形成しており、この部位は例えば下記式(Py-1)~式(Py-12)のいずれかで表される基としてアントラセンに結合している。各構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000103
これらの基の中でも、上記式(Py-1)~式(Py-9)のいずれかで表される基が好ましく、上記式(Py-1)~式(Py-6)のいずれかで表される基がより好ましい。アントラセンに結合する2つの「Arおよびピリジンからなる部位」は、その構造が同じであっても異なっていてもよいが、アントラセン誘導体の合成の容易さの観点からは同じ構造であることが好ましい。ただし、素子特性の観点からは、2つの「Arおよびピリジンからなる部位」の構造が同じであっても異なっていても好ましい。
~Rにおける炭素数1~6のアルキルについては直鎖および分岐鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1~6の直鎖アルキルまたは炭素数3~6の分岐鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分岐鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル(t-アミル)、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、または2-エチルブチルなどが挙げられ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、またはt-ブチルが好ましく、メチル、エチル、またはt-ブチルがより好ましい。
~Rにおける炭素数3~6のシクロアルキルの具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどが挙げられる。
~Rにおける炭素数6~20のアリールについては、炭素数6~16のアリールが好ましく、炭素数6~12のアリールがより好ましく、炭素数6~10のアリールが特に好ましい。
「炭素数6~20のアリール」の具体例としては、単環系アリールであるフェニル、(o-,m-,p-)トリル、(2,3-,2,4-,2,5-,2,6-,3,4-,3,5-)キシリル、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、(o-,m-,p-)クメニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アントラセン-(1-,2-,9-)イル、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、テトラセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イルなどが挙げられる。
好ましい「炭素数6~20のアリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリルまたはナフチルであり、より好ましくは、フェニル、ビフェニリル、1-ナフチル、2-ナフチルまたはm-テルフェニル-5’-イルであり、さらに好ましくは、フェニル、ビフェニリル、1-ナフチルまたは2-ナフチルであり、最も好ましくはフェニルである。
アントラセン誘導体の1つは、例えば下記式(ETM-5-2)で表される化合物である。
Figure 2023044631000104
Arは、それぞれ独立して、単結合、2価のベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、またはフェナレンである。
Arは、それぞれ独立して、炭素数6~20のアリールであり、上記式(ETM-5-1)における「炭素数6~20のアリール」と同じ説明を引用することができる。炭素数6~16のアリールが好ましく、炭素数6~12のアリールがより好ましく、炭素数6~10のアリールが特に好ましい。具体例としては、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、アントラセニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニルなどが挙げられる。
~Rは、それぞれ独立して、水素、炭素数1~6のアルキル、炭素数3から6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のアリールであり、上記式(ETM-5-1)における説明を引用することができる。
これらのアントラセン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000105
これらのアントラセン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ベンゾフルオレン誘導体>
ベンゾフルオレン誘導体は、例えば下記式(ETM-6)で表される化合物である。
Figure 2023044631000106
Arは、それぞれ独立して、炭素数6~20のアリールであり、上記式(ETM-5-1)における「炭素数6~20のアリール」と同じ説明を引用することができる。炭素数6~16のアリールが好ましく、炭素数6~12のアリールがより好ましく、炭素数6~10のアリールが特に好ましい。具体例としては、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、アントラセニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニルなどが挙げられる。
Arは、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、2つのArは結合して環を形成していてもよい。
Arにおける「アルキル」としては、直鎖および分岐鎖のいずれでもよく、例えば、炭素数1~24の直鎖アルキルまたは炭素数3~24の分岐鎖アルキルが挙げられる。好ましい「アルキル」は、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分岐鎖アルキル)である。より好ましい「アルキル」は、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分岐鎖アルキル)である。さらに好ましい「アルキル」は、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分岐鎖アルキル)である。特に好ましい「アルキル」は、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分岐鎖アルキル)である。具体的な「アルキル」としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル(t-アミル)、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシルなどが挙げられる。
Arにおける「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3~12のシクロアルキルが挙げられる。好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~6のシクロアルキルである。具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどが挙げられる。
Arにおける「アリール」としては、好ましいアリールは炭素数6~30のアリールであり、より好ましいアリールは炭素数6~18のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6~14のアリールであり、特に好ましくは炭素数6~12のアリールである。
具体的な「炭素数6~30のアリール」としては、フェニル、ナフチル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、ペリレニル、ペンタセニルなどが挙げられる。
2つのArは結合して環を形成していてもよく、この結果、フルオレン骨格の5員環には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、フルオレンまたはインデンなどがスピロ結合していてもよい。
このベンゾフルオレン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000107
このベンゾフルオレン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ホスフィンオキサイド誘導体>
ホスフィンオキサイド誘導体は、例えば下記式(ETM-7-1)で表される化合物である。詳細は国際公開第2013/079217号公報にも記載されている。
Figure 2023044631000108
は、置換または無置換の、炭素数1~20のアルキル、炭素数3~20のシクロアルキル、炭素数6~20のアリールまたは炭素数5~20のヘテロアリールであり、
は、CN、置換または無置換の、炭素数1~20のアルキル、炭素数3~20のシクロアルキル、炭素数1~20のヘテロアルキル、炭素数6~20のアリール、炭素数5~20のヘテロアリール、炭素数1~20のアルコキシまたは炭素数6~20のアリールオキシであり、
およびRは、それぞれ独立して、置換または無置換の、炭素数6~20のアリールまたは炭素数5~20のヘテロアリールであり、
は酸素または硫黄であり、
jは0または1であり、kは0または1であり、rは0~4の整数であり、qは1~3の整数である。
ここで、置換されている場合の置換基としては、アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはシクロアルキルなどが挙げられる。
ホスフィンオキサイド誘導体は、例えば下記式(ETM-7-2)で表される化合物でもよい。
Figure 2023044631000109
~Rは、同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、および隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。
Arは、同じでも異なっていてもよく、アリーレン基またはヘテロアリーレン基である。Arは、同じでも異なっていてもよく、アリール基またはヘテロアリール基である。ただし、ArおよびArのうち少なくとも一方は置換基を有しているか、または隣接置換基との間に縮合環を形成している。nは0~3の整数であり、nが0のとき不飽和構造部分は存在せず、nが3のときRは存在しない。
これらの置換基の内、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。置換されている場合の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、アリール基、複素環基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常、1~20の範囲である。
また、シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、通常、3~20の範囲である。
また、アラルキル基とは、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などの脂肪族炭化水素を介した芳香族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素はいずれも無置換でも置換されていてもかまわない。脂肪族部分の炭素数は特に限定されないが、通常、1~20の範囲である。
また、アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2~20の範囲である。
また、シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。
また、アルキニル基とは、例えば、アセチレニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2~20の範囲である。
また、アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1~20の範囲である。
また、アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換された基である。
また、シクロアルキルチオ基とは、シクロアルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換された基である。
また、アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基などのエーテル結合を介した芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常、6~40の範囲である。
また、アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換された基である。
また、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、無置換でも置換されていてもかまわない。アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、6~40の範囲である。
また、複素環基とは、例えば、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリル基などの炭素以外の原子を有する環状構造基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。複素環基の炭素数は特に限定されないが、通常、2~30の範囲である。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
アルデヒド基、カルボニル基、アミノ基には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環などで置換された基も含むことができる。
また、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環は無置換でも置換されていてもかまわない。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基などのケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。シリル基の炭素数は特に限定されないが、通常、3~20の範囲である。また、ケイ素数は、通常、1~6である。
隣接置換基との間に形成される縮合環とは、例えば、ArとR、ArとR、ArとR、ArとR、RとR、ArとAr等の間で形成された共役または非共役の縮合環である。ここで、nが1の場合、2つのR同士で共役または非共役の縮合環を形成してもよい。これら縮合環は、環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の環と縮合してもよい。
このホスフィンオキサイド誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000110
このホスフィンオキサイド誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ピリミジン誘導体>
ピリミジン誘導体は、例えば下記式(ETM-8)で表される化合物であり、好ましくは下記式(ETM-8-1)で表される化合物である。詳細は国際公開第2011/021689号公報にも記載されている。
Figure 2023044631000111
Arは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールである。nは1~4の整数であり、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2または3である。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールが挙げられ、好ましくは炭素数6~24のアリール、より好ましくは炭素数6~20のアリール、さらに好ましくは炭素数6~12のアリールである。
具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニリル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては、例えば、炭素数2~30のヘテロアリールが挙げられ、炭素数2~25のヘテロアリールが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリールがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリールがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリールが特に好ましい。また、ヘテロアリールとしては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環などが挙げられる。
具体的なヘテロアリールとしては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェナザシリニル、インドリジニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ナフトベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾホスホーリル、ジベンゾホスホーリル、ベンゾホスホールオキシド環の1価の基、ジベンゾホスホールオキシド環の1価の基、フラザニル、チアントレニル、インドロカルバゾリル、ベンゾインドロカルバゾリルおよびベンゾベンゾインドロカルバゾリルなどが挙げられる。
また、上記アリールおよびヘテロアリールにおける少なくとも1つの水素は置換されていてもよく、それぞれ例えば上記アリールやヘテロアリールで置換されていてもよい。
このピリミジン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000112
このピリミジン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<カルバゾール誘導体>
カルバゾール誘導体は、例えば下記式(ETM-9)で表される化合物、またはそれが単結合などで複数結合した多量体である。詳細は米国特許出願公開第2014/0197386号明細書に記載されている。
Figure 2023044631000113
Arは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールである。nは、それぞれ独立して、0~4の整数であり、好ましくは0~3の整数であり、より好ましくは0または1である。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールが挙げられ、好ましくは炭素数6~24のアリール、より好ましくは炭素数6~20のアリール、さらに好ましくは炭素数6~12のアリールである。
具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニリル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては、例えば、炭素数2~30のヘテロアリールが挙げられ、炭素数2~25のヘテロアリールが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリールがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリールがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリールが特に好ましい。また、ヘテロアリールとしては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環などが挙げられる。
具体的なヘテロアリールとしては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェナザシリニル、インドリジニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ナフトベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾホスホーリル、ジベンゾホスホーリル、ベンゾホスホールオキシド環の1価の基、ジベンゾホスホールオキシド環の1価の基、フラザニル、チアントレニル、インドロカルバゾリル、ベンゾインドロカルバゾリルおよびベンゾベンゾインドロカルバゾリルなどが挙げられる。
また、上記アリールおよびヘテロアリールにおける少なくとも1つの水素は置換されていてもよく、それぞれ例えば上記アリールやヘテロアリールで置換されていてもよい。
カルバゾール誘導体は、上記式(ETM-9)で表される化合物が単結合などで複数結合した多量体であってもよい。この場合、単結合以外に、アリール環(好ましくは多価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)で結合されていてもよい。
このカルバゾール誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000114
このカルバゾール誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<トリアジン誘導体>
トリアジン誘導体は、例えば下記式(ETM-10)で表される化合物であり、好ましくは下記式(ETM-10-1)で表される化合物である。詳細は米国特許出願公開第2011/0156013号明細書に記載されている。
Figure 2023044631000115
Arは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールである。nは1~3の整数であり、好ましくは2または3である。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールが挙げられ、好ましくは炭素数6~24のアリール、より好ましくは炭素数6~20のアリール、さらに好ましくは炭素数6~12のアリールである。
具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニリル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては、例えば、炭素数2~30のヘテロアリールが挙げられ、炭素数2~25のヘテロアリールが好ましく、炭素数2~20のヘテロアリールがより好ましく、炭素数2~15のヘテロアリールがさらに好ましく、炭素数2~10のヘテロアリールが特に好ましい。また、ヘテロアリールとしては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環などが挙げられる。
具体的なヘテロアリールとしては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェナザシリニル、インドリジニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ナフトベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ベンゾホスホーリル、ジベンゾホスホーリル、ベンゾホスホールオキシド環の1価の基、ジベンゾホスホールオキシド環の1価の基、フラザニル、チアントレニル、インドロカルバゾリル、ベンゾインドロカルバゾリルおよびベンゾベンゾインドロカルバゾリルなどが挙げられる。
また、上記アリールおよびヘテロアリールにおける少なくとも1つの水素は置換されていてもよく、それぞれ例えば上記アリールやヘテロアリールで置換されていてもよい。
このトリアジン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023044631000116
このトリアジン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ベンゾイミダゾール誘導体>
ベンゾイミダゾール誘導体は、例えば下記式(ETM-11)で表される化合物である。
Figure 2023044631000117
φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、「ベンゾイミダゾール系置換基」は、上記式(ETM-2)、式(ETM-2-1)および式(ETM-2-2)における「ピリジン系置換基」の中のピリジル基がベンゾイミダゾール基に置き換わった置換基であり、ベンゾイミダゾール誘導体における少なくとも1つの水素は重水素で置換されていてもよい。下記構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000118
上記ベンゾイミダゾール基におけるR11は、水素、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のアリールであり、上記式(ETM-2-1)および式(ETM-2-2)におけるR11の説明を引用することができる。
φは、さらに、アントラセン環またはフルオレン環であることが好ましく、この場合の構造は上記式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)での説明を引用することができ、各式中のR11~R18は上記式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)での説明を引用することができる。また、上記式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)では2つのピリジン系置換基が結合した形態で説明されているが、これらをベンゾイミダゾール系置換基に置き換えるときには、両方のピリジン系置換基をベンゾイミダゾール系置換基で置き換えてもよいし(すなわちn=2)、いずれか1つのピリジン系置換基をベンゾイミダゾール系置換基で置き換えて他方のピリジン系置換基をR11~R18で置き換えてもよい(すなわちn=1)。さらに、例えば上記式(ETM-2-1)におけるR11~R18の少なくとも1つをベンゾイミダゾール系置換基で置き換えて「ピリジン系置換基」をR11~R18で置き換えてもよい。
このベンゾイミダゾール誘導体の具体例としては、例えば1-フェニル-2-(4-(10-フェニルアントラセン-9-イル)フェニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、2-(4-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、2-(3-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、5-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)-1,2-ジフェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、1-(4-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)フェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、2-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、1-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、5-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)-1,2-ジフェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾールなどが挙げられる。
Figure 2023044631000119
このベンゾイミダゾール誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<フェナントロリン誘導体>
フェナントロリン誘導体は、例えば下記式(ETM-12)または式(ETM-12-1)で表される化合物である。詳細は国際公開第2006/021982号公報に記載されている。
Figure 2023044631000120
φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数である。
各式のR11~R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)である。また、上記式(ETM-12-1)においてはR11~R18のいずれかがアリール環であるφと結合する。
各フェナントロリン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
11~R18におけるアルキル、シクロアルキルおよびアリールとしては、上記式(ETM-2)におけるR11~R18の説明を引用することができる。また、φは上記した例のほかに、例えば、以下の構造式が挙げられる。なお、下記構造式中のRは、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。また、各構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000121
このフェナントロリン誘導体の具体例としては、例えば4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、9,10-ジ(1,10-フェナントロリン-2-イル)アントラセン、2,6-ジ(1,10-フェナントロリン-5-イル)ピリジン、1,3,5-トリ(1,10-フェナントロリン-5-イル)ベンゼン、9,9’-ジフルオロ-ビ(1,10-フェナントロリン-5-イル)、バソクプロイン、1,3-ビス(2-フェニル-1,10-フェナントロリン-9-イル)ベンゼンや下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2023044631000122
このフェナントロリン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<キノリノール系金属錯体>
キノリノール系金属錯体は、例えば下記一般式(ETM-13)で表される化合物である。
Figure 2023044631000123
式中、R~Rは、それぞれ独立して、水素、フッ素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シアノ、アルコキシまたはアリールであり、MはLi、Al、Ga、BeまたはZnであり、nは1~3の整数である。
キノリノール系金属錯体の具体例としては、8-キノリノールリチウム、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(5-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,3-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,6-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,4-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,5-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,5-ジ-t-ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,6-ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,6-トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,6-トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,5,6-テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(2-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3,5-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3,5-ジ-t-ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-4-エチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-4-エチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-5-シアノ-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-シアノ-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリン)ベリリウムなどが挙げられる。
このキノリノール系金属錯体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<チアゾール誘導体およびベンゾチアゾール誘導体>
チアゾール誘導体は、例えば下記式(ETM-14-1)で表される化合物である。
Figure 2023044631000124
ベンゾチアゾール誘導体は、例えば下記式(ETM-14-2)で表される化合物である。
Figure 2023044631000125
各式のφは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、「チアゾール系置換基」や「ベンゾチアゾール系置換基」は、上記式(ETM-2)、式(ETM-2-1)および式(ETM-2-2)における「ピリジン系置換基」の中のピリジル基が下記のチアゾール基やベンゾチアゾール基に置き換わった置換基であり、チアゾール誘導体およびベンゾチアゾール誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。下記構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000126
φは、さらに、アントラセン環またはフルオレン環であることが好ましく、この場合の構造は上記式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)での説明を引用することができ、各式中のR11~R18は上記式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)での説明を引用することができる。また、上記式(ETM-2-1)または式(ETM-2-2)では2つのピリジン系置換基が結合した形態で説明されているが、これらをチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)に置き換えるときには、両方のピリジン系置換基をチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)で置き換えてもよいし(すなわちn=2)、いずれか1つのピリジン系置換基をチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)で置き換えて他方のピリジン系置換基をR11~R18で置き換えてもよい(すなわちn=1)。さらに、例えば上記式(ETM-2-1)におけるR11~R18の少なくとも1つをチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)で置き換えて「ピリジン系置換基」をR11~R18で置き換えてもよい。
これらのチアゾール誘導体またはベンゾチアゾール誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<シロール誘導体>
シロール誘導体は、例えば下記式(ETM-15)で表される化合物である。詳細は特開平9-194487号公報に記載されている。
Figure 2023044631000127
XおよびYは、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリール、ヘテロアリールであり、これらは置換されていてもよい。これらの基の詳細については、上記一般式(1)における説明、さらに上記式(ETM-7-2)における説明を引用できる。また、アルケニルオキシおよびアルキニルオキシは、それぞれアルコキシにおけるアルキル部分がアルケニルまたはアルキニルに置き換わった基であり、これらのアルケニルおよびアルキニルの詳細については上記式(ETM-7-2)における説明を引用できる。
また、XとYが結合してシクロアルキル環(およびその一部が不飽和になった環)を形成していてもよく、このシクロアルキル環の詳細は上記一般式(1)におけるシクロアルキルの説明を参照することができる。
~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アゾ基、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、スルフィニル、スルフォニル、スルファニル、シリル、カルバモイル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ニトロ、ホルミル、ニトロソ、ホルミルオキシ、イソシアノ、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、または、シアノであり、これらはアルキル、シクロアルキル、アリールまたはハロゲンで置換されていてもよく、隣接置換基との間に縮合環を形成していてもよい。
~Rにおける、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、アルケニルおよびアルキニルの詳細については、上記一般式(1)における説明を引用できる。
~Rにおける、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシ中の、アルキル、アリールおよびアルコキシの詳細についても、上記一般式(1)における説明を引用できる。
シリルとしては、シリル基、および、シリル基の3つの水素の少なくとも1つが、それぞれ独立して、アリール、アルキルまたはシクロアルキルで置換された基があげられ、トリ置換シリルが好ましく、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリルおよびアルキルジシクロアルキルシリル等があげられる。これらにおける、アリール、アルキルおよびシクロアルキルの詳細については、上記一般式(1)における説明を引用できる。
隣接置換基との間に形成される縮合環とは、例えば、RとR、RとR、RとR等の間で形成された共役または非共役の縮合環である。これら縮合環は、環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の環と縮合してもよい。
ただし、好ましくは、RおよびRがフェニル基の場合、XおよびYは、アルキルまたはフェニルではない。また、好ましくは、RおよびRがチエニル基の場合、XおよびYは、アルキルを、RおよびRは、アルキル、アリール、アルケニルまたはRとRが結合して環を形成するシクロアルキルを同時に満たさない構造である。また、好ましくは、RおよびRがシリル基の場合、R、R、XおよびYは、それぞれ独立して、水素または炭素数1から6のアルキルではない。また、好ましくは、RおよびRでベンゼン環が縮合した構造の場合、XおよびYは、アルキルおよびフェニルではない。
これらのシロール誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<アゾリン誘導体>
アゾリン誘導体は、例えば下記式(ETM-16)で表される化合物である。詳細は国際公開第2017/014226号公報に記載されている。
Figure 2023044631000128
式(ETM-16)中、
φは炭素数6~40の芳香族炭化水素に由来するm価の基または炭素数2~40の芳香族複素環に由来するm価の基であり、φの少なくとも1つの水素は炭素数1~6のアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、炭素数6~18のアリールまたは炭素数2~18のヘテロアリールで置換されていてもよく、
Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-または>N-Arであり、Arは炭素数6~12のアリールまたは炭素数2~12のヘテロアリールであり、Arの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~12のアリールまたは炭素数2~12のヘテロアリールで置換されていてもよく、R~Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1~4のアルキルまたは炭素数5~10のシクロアルキルであり、ただし、前記>N-ArにおけるArおよび前記R~Rのうちのいずれか1つはLと結合する部位であり、
Lは、それぞれ独立して、下記式(L-1)で表される2価の基、および下記式(L-2)で表される2価の基からなる群から選ばれ、
Figure 2023044631000129
式(L-1)中、X~Xはそれぞれ独立して=CR-または=N-であり、X~Xのうちの少なくとも2つは=CR-であり、X~Xのうちの2つの=CR-におけるRはφまたはアゾリン環と結合する部位であり、それ以外の=CR-におけるRは水素であり、
式(L-2)中、X~X14はそれぞれ独立して=CR-または=N-であり、X~X14のうちの少なくとも2つは=CR-であり、X~X14のうちの2つの=CR-におけるRはφまたはアゾリン環と結合する部位であり、それ以外の=CR-におけるRは水素であり、
Lの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~10のアリールまたは炭素数2~10のヘテロアリールで置換されていてもよく、
mは1~4の整数であり、mが2~4であるとき、アゾリン環とLとで形成される基は同一であっても異なっていてもよく、そして、
式(ETM-16)で表される化合物中の少なくとも1つの水素は重水素で置換されていてもよい。
具体的なアゾリン誘導体は、下記一般式(ETM-16-1)または一般式(ETM-16-2)で表される化合物である。
Figure 2023044631000130
式(ETM-16-1)および式(ETM-16-2)中、
φは炭素数6~40の芳香族炭化水素に由来するm価の基または炭素数2~40の芳香族複素環に由来するm価の基であり、φの少なくとも1つの水素は炭素数1~6のアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、炭素数6~18のアリールまたは炭素数2~18のヘテロアリールで置換されていてもよく、
式(ETM-16-1)中、Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-または>N-Arであり、Arは炭素数6~12のアリールまたは炭素数2~12のヘテロアリールであり、Arの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~12のアリールまたは炭素数2~12のヘテロアリールで置換されていてもよく、
式(ETM-16-1)中、R~Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1~4のアルキルまたは炭素数5~10のシクロアルキルであり、ただし、RとRは同一であり、またRとRは同一であり、
式(ETM-16-2)中、R~Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1~4のアルキルまたは炭素数5~10のシクロアルキルであり、ただし、RとRは同一であり、またRとRは同一であり、
式(ETM-16-1)および式(ETM-16-2)中、
Lは、それぞれ独立して、下記式(L-1)で表される2価の基、および下記式(L-2)で表される2価の基からなる群から選ばれ、
Figure 2023044631000131
式(L-1)中、X~Xはそれぞれ独立して=CR-または=N-であり、X~Xのうちの少なくとも2つは=CR-であり、X~Xのうちの2つの=CR-におけるRはφまたはアゾリン環と結合する部位であり、それ以外の=CR-におけるRは水素であり、
式(L-2)中、X~X14はそれぞれ独立して=CR-または=N-であり、X~X14のうちの少なくとも2つは=CR-であり、X~X14のうちの2つの=CR-におけるRはφまたはアゾリン環と結合する部位であり、それ以外の=CR-におけるRは水素であり、
Lの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~10のアリールまたは炭素数2~10のヘテロアリールで置換されていてもよく、
mは1~4の整数であり、mが2~4であるとき、アゾリン環とLとで形成される基は同一であっても異なっていてもよく、そして、
式(ETM-16-1)または式(ETM-16-2)で表される化合物中の少なくとも1つの水素は重水素で置換されていてもよい。
好ましくは、φは、下記式(φ1-1)~式(φ1-18)で表される1価の基、下記式(φ2-1)~式(φ2-34)で表される2価の基、下記式(φ3-1)~式(φ3-3)で表される3価の基、および下記式(φ4-1)~式(φ4-2)で表される4価の基からなる群から選択され、φの少なくとも1つの水素は炭素数1~6のアルキル、炭素数3~14のシクロアルキル、炭素数6~18のアリールまたは炭素数2~18のヘテロアリールで置換されていてもよい。下記構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000132
Figure 2023044631000133
Figure 2023044631000134
上記式中のZは、>CR、>N-Ar、>N-L、-O-または-S-であり、>CRにおけるRは、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~12のアリールまたは炭素数2~12のヘテロアリールであり、Rは互いに結合して環を形成していてもよく、>N-ArにおけるArは炭素数6~12のアリールまたは炭素数2~12のヘテロアリールであり、>N-LにおけるLは上記一般式(ETM-16)、式(ETM-16-1)または一般式(ETM-16-2)におけるLである。
好ましくは、Lは、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、およびプテリジンからなる群から選択される環の2価の基であり、Lの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~10のアリールまたは炭素数2~10のヘテロアリールで置換されていてもよい。
好ましくは、YまたはZとしての>N-ArにおけるArは、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、およびプテリジニルからなる群から選択され、Yとしての>N-ArにおけるArの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキルまたは炭素数6~10のアリールで置換されていてもよい。
好ましくは、R~Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1~4のアルキルまたは炭素数5~10のシクロアルキルであり、ただし、RとRは同一であり、RとRは同一であり、またR~Rの全てが同時に水素になることはなく、そして、mは1または2であり、mが2であるとき、アゾリン環とLとで形成される基は同一である。
アゾリン誘導体の具体例としては、例えば以下の化合物があげられる。なお、構造式中の「Me」はメチル基を表す。
Figure 2023044631000135
Figure 2023044631000136
より好ましくは、φは、下記式(φ2-1)、式(φ2-31)、式(φ2-32)、式(φ2-33)および式(φ2-34)で表される2価の基からなる群から選択され、φの少なくとも1つの水素は炭素数6~18のアリールで置換されていてもよく、各構造式中の*は結合位置を表し、
Figure 2023044631000137
Lは、ベンゼン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、およびトリアジンからなる群から選択される環の2価の基であり、Lの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキル、炭素数6~10のアリールまたは炭素数2~14のヘテロアリールで置換されていてもよく、
Yとしての>N-ArにおけるArは、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルからなる群から選択され、当該Arの少なくとも1つの水素は炭素数1~4のアルキル、炭素数5~10のシクロアルキルまたは炭素数6~10のアリールで置換されていてもよく、
~Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1~4のアルキルまたは炭素数5~10のシクロアルキルであり、ただし、RとRは同一であり、RとRは同一であり、またR~Rの全てが同時に水素になることはなく、そして、
mは2であり、アゾリン環とLとで形成される基は同一である。
アゾリン誘導体の他の具体例としては、例えば以下の化合物があげられる。なお、構造式中の「Me」はメチル基を表す。
Figure 2023044631000138
このアゾリン誘導体を規定する上記各式中の、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールの詳細については、上記一般式(1)における説明を引用できる。
このアゾリン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
電子輸送層または電子注入層には、さらに、電子輸送層または電子注入層を形成する材料を還元できる物質を含んでいてもよい。この還元性物質は、一定の還元性を有する物質であれば、様々な物質が用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを好適に使用することができる。
好ましい還元性物質としては、Na(仕事関数2.36eV)、K(同2.28eV)、Rb(同2.16eV)またはCs(同1.95eV)などのアルカリ金属や、Ca(同2.9eV)、Sr(同2.0~2.5eV)またはBa(同2.52eV)などのアルカリ土類金属が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下の物質が特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性物質は、K、RbまたはCsのアルカリ金属であり、さらに好ましくはRbまたはCsであり、最も好ましいのはCsである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性物質として、これら2種以上のアルカリ金属の組み合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRb、またはCsとNaとKとの組み合わせが好ましい。Csを含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
上述した電子注入層用材料および電子輸送層用材料は、これらに反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた高分子化合物、もしくはその高分子架橋体、または、主鎖型高分子と前記反応性化合物とを反応させたペンダント型高分子化合物、もしくはそのペンダント型高分子架橋体としても、電子層用材料に用いることができる。この場合の反応性置換基としては、上記一般式(1)で表される多環芳香族化合物での説明を引用できる。
このような高分子化合物および高分子架橋体の用途の詳細については後述する。
<有機電界発光素子における陰極>
陰極108は、電子注入層107および電子輸送層106を介して、発光層105に電子を注入する役割を果たす。
陰極108を形成する材料としては、電子を有機層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されないが、陽極102を形成する材料と同様の材料を用いることができる。なかでも、スズ、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金、鉄、亜鉛、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムおよびマグネシウムなどの金属またはそれらの合金(マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、フッ化リチウム/アルミニウムなどのアルミニウム-リチウム合金など)などが好ましい。電子注入効率を上げて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかしながら、これらの低仕事関数金属は一般に大気中で不安定であることが多い。この点を改善するために、例えば、有機層に微量のリチウム、セシウムやマグネシウムをドーピングして、安定性の高い電極を使用する方法が知られている。その他のドーパントとしては、フッ化リチウム、フッ化セシウム、酸化リチウムおよび酸化セシウムのような無機塩も使用することができる。ただし、これらに限定されない。
さらに、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、スズ、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などを積層することが、好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法も、抵抗加熱、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど、導通を取ることができれば特に制限されない。
<各層で用いてもよい結着剤>
以上の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層に用いられる材料は単独で各層を形成することができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
<有機電界発光素子の作製方法>
有機EL素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を蒸着法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、印刷法、スピンコート法またはキャスト法、コーティング法などの方法で薄膜とすることにより、形成することができる。このようにして形成された各層の膜厚については特に限定はなく、材料の性質に応じて適宜設定することができるが、通常2nm~5000nmの範囲である。膜厚は通常、水晶発振式膜厚測定装置などで測定できる。蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、材料の種類、膜の目的とする結晶構造および会合構造などにより異なる。蒸着条件は一般的に、ボート加熱温度+50~+400℃、真空度10-6~10-3Pa、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-150~+300℃、膜厚2nm~5μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
このようにして得られた有機EL素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を-の極性として印加すればよく、電圧2~40V程度を印加すると、透明または半透明の電極側(陽極または陰極、および両方)より発光が観測できる。また、この有機EL素子は、パルス電流や交流電流を印加した場合にも発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
次に、有機EL素子を作製する方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ホスト材料とドーパント材料からなる発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
<蒸着法>
適当な基板上に、陽極材料の薄膜を蒸着法などにより形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔注入層および正孔輸送層の薄膜を形成させる。この上にホスト材料とドーパント材料を共蒸着し薄膜を形成させて発光層とし、この発光層の上に電子輸送層、電子注入層を形成させ、さらに陰極用物質からなる薄膜を蒸着法などにより形成させて陰極とすることにより、目的の有機EL素子が得られる。なお、上述の有機EL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
<湿式成膜法>
湿式成膜法は、有機EL素子の各有機層を形成し得る低分子化合物を液状の有機層形成用組成物として準備し、これを用いることによって実施される。この低分子化合物を溶解する適当な有機溶媒がない場合には、当該低分子化合物に反応性置換基を置換させた反応性化合物として溶解性機能を有する他のモノマーや主鎖型高分子と共に高分子化させた高分子化合物などから有機層形成用組成物を準備してもよい。
湿式成膜法は、一般的には、基板に有機層形成用組成物を塗布する塗布工程および塗布された有機層形成用組成物から溶媒を取り除く乾燥工程を経ることで塗膜を形成する。上記高分子化合物が架橋性置換基を有する場合(これを架橋性高分子化合物ともいう)には、この乾燥工程によりさらに架橋して高分子架橋体が形成される。塗布工程の違いにより、スピンコーターを用いる方法をスピンコート法、スリットコーターを用いる方法をスリットコート法、版を用いる方法をグラビア、オフセット、リバースオフセット、フレキソ印刷法、インクジェットプリンタを用いる方法をインクジェット法、霧状に吹付ける方法をスプレー法と呼ぶ。乾燥工程には、風乾、加熱、減圧乾燥などの方法がある。乾燥工程は1回のみ行なってもよく、異なる方法や条件を用いて複数回行なってもよい。また、例えば、減圧下での焼成のように、異なる方法を併用してもよい。
湿式成膜法とは溶液を用いた成膜法であり、例えば、一部の印刷法(インクジェット法)、スピンコート法またはキャスト法、コーティング法などである。湿式成膜法は真空蒸着法と異なり高価な真空蒸着装置を用いる必要が無く、大気圧下で成膜することができる。加えて、湿式成膜法は大面積化や連続生産が可能であり、製造コストの低減につながる。
一方で、真空蒸着法と比較した場合には、湿式成膜法は積層化が難しい場合がある。湿式成膜法を用いて積層膜を作製する場合、上層の組成物による下層の溶解を防ぐ必要があり、溶解性を制御した組成物、下層の架橋および直交溶媒(Orthogonal solvent、互いに溶解し合わない溶媒)などが駆使される。しかしながら、それらの技術を用いても、全ての膜の塗布に湿式成膜法を用いるのは難しい場合がある。
そこで、一般的には、幾つかの層だけを湿式成膜法を用い、残りを真空蒸着法で有機EL素子を作製するという方法が採用される。
例えば、湿式成膜法を一部適用し有機EL素子を作製する手順を以下に示す。
(手順1)陽極の真空蒸着法による成膜
(手順2)正孔注入層用材料を含む正孔注入層形成用組成物の湿式成膜法による成膜
(手順3)正孔輸送層用材料を含む正孔輸送層形成用組成物の湿式成膜法による成膜
(手順4)ホスト材料とドーパント材料を含む発光層形成用組成物の湿式成膜法による成膜
(手順5)電子輸送層の真空蒸着法による成膜
(手順6)電子注入層の真空蒸着法による成膜
(手順7)陰極の真空蒸着法による成膜
この手順を経ることで、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ホスト材料とドーパント材料からなる発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子が得られる。
もちろん、下層の発光層の溶解を防ぐ手段があったり、また上記手順とは逆に陰極側から成膜する手段などを用いることで、電子輸送層用材料や電子注入層用材料を含む層形成用組成物として準備して、それらを湿式成膜法により成膜できる。
<その他の成膜法>
有機層形成用組成物の成膜化には、レーザー加熱描画法(LITI)を用いることができる。LITIとは基材に付着させた化合物をレーザーで加熱蒸着する方法で、基材へ塗布される材料に有機層形成用組成物を用いることができる。
<任意の工程>
成膜の各工程の前後に、適切な処理工程、洗浄工程および乾燥工程を適宜入れてもよい。処理工程としては、例えば、露光処理、プラズマ表面処理、超音波処理、オゾン処理、適切な溶媒を用いた洗浄処理および加熱処理等が挙げられる。さらには、バンクを作製する一連の工程も挙げられる。
バンクの作製にはフォトリソグラフィ技術を用いることができる。フォトリソグラフィの利用可能なバンク材としては、ポジ型レジスト材料およびネガ型レジスト材料を用いることができる。また、インクジェット法、グラビアオフセット印刷、リバースオフセット印刷、スクリーン印刷などのパターン可能な印刷法も用いることができる。その際には永久レジスト材料を用いることもできる。
バンクに用いられる材料としては、多糖類およびその誘導体、ヒドロキシルを有するエチレン性モノマーの単独重合体および共重合体、生体高分子化合物、ポリアクリロイル化合物、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリフェニルエーテル、ポリウレタン、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合ポリマー(ABS)、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリアセテート、ポリノルボルネン、合成ゴム、ポリフルオロビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ化ポリマー、フルオロオレフィン-ヒドロカーボンオレフィンの共重合ポリマー、フルオロカーボンポリマーが挙げられるが、それだけに限定されない。
<湿式成膜法に使用される有機層形成用組成物>
有機層形成用組成物は、有機EL素子の各有機層を形成し得る低分子化合物、または当該低分子化合物を高分子化させた高分子化合物を有機溶媒に溶解させて得られる。例えば、発光層形成用組成物は、第1成分として少なくとも1種のドーパント材料である多環芳香族化合物(またはその高分子化合物)と、第2成分として少なくとも1種のホスト材料と、第3成分として少なくとも1種の有機溶媒とを含有する。第1成分は、該組成物から得られる発光層のドーパント成分として機能し、第2成分は発光層のホスト成分として機能する。第3成分は、組成物中の第1成分と第2成分を溶解する溶媒として機能し、塗布時には第3成分自身の制御された蒸発速度により平滑で均一な表面形状を与える。
<有機溶媒>
有機層形成用組成物は少なくとも一種の有機溶媒を含む。成膜時に有機溶媒の蒸発速度を制御することで、成膜性および塗膜の欠陥の有無、表面粗さ、平滑性を制御および改善することができる。また、インクジェット法を用いた成膜時は、インクジェットヘッドのピンホールでのメニスカス安定性を制御し、吐出性を制御・改善することができる。加えて、膜の乾燥速度および誘導体分子の配向を制御することで、該有機層形成用組成物より得られる有機層を有する有機EL素子の電気特性、発光特性、効率、および寿命を改善することができる。
(1)有機溶媒の物性
少なくとも1種の有機溶媒の沸点は、130℃~300℃であり、140℃~270℃がより好ましく、150℃~250℃がさらに好ましい。沸点が130℃より高い場合、インクジェットの吐出性の観点から好ましい。また、沸点が300℃より低い場合、塗膜の欠陥、表面粗さ、残留溶媒および平滑性の観点から好ましい。有機溶媒は、良好なインクジェットの吐出性、成膜性、平滑性および低い残留溶媒の観点から、2種以上の有機溶媒を含む構成がより好ましい。一方で、場合によっては、運搬性などを考慮し、有機層形成用組成物中から溶媒を除去することで固形状態とした組成物であってもよい。
さらに、有機溶媒が溶質の少なくとも1種に対する良溶媒(GS)と貧溶媒(PS)とを含み、良溶媒(GS)の沸点(BPGS)が貧溶媒(PS)の沸点(BPPS)よりも低い、構成が特に好ましい。
高沸点の貧溶媒を加えることで成膜時に低沸点の良溶媒が先に揮発し、組成物中の含有物の濃度と貧溶媒の濃度が増加し速やかな成膜が促される。これにより、欠陥が少なく、表面粗さが小さい、平滑性の高い塗膜が得られる。
溶解度の差(SGS-SPS)は、1%以上であることが好ましく、3%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらに好ましい。沸点の差(BPPS-BPGS)は、10℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。
有機溶媒は、成膜後に、真空、減圧、加熱などの乾燥工程により塗膜より取り除かれる。加熱を行う場合、塗布成膜性改善の観点からは、溶質の少なくとも1種のガラス転移温度(Tg)+30℃以下で行うことが好ましい。また、残留溶媒の削減の観点からは、溶質の少なくとも1種のガラス転移点(Tg)-30℃以上で加熱することが好ましい。加熱温度が有機溶媒の沸点より低くても膜が薄いために、有機溶媒は十分に取り除かれる。また、異なる温度で複数回乾燥を行ってもよく、複数の乾燥方法を併用してもよい。
(2)有機溶媒の具体例
有機層形成用組成物に用いられる有機溶媒としては、アルキルベンゼン系溶媒、フェニルエーテル系溶媒、アルキルエーテル系溶媒、環状ケトン系溶媒、脂肪族ケトン系溶媒、単環性ケトン系溶媒、ジエステル骨格を有する溶媒および含フッ素系溶媒などが挙げられ、具体例として、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサン-2-オール、ヘプタン-2-オール、オクタン-2-オール、デカン-2-オール、ドデカン-2-オール、シクロヘキサノール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、δ-テルピネオール、テルピネオール(混合物)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、p-キシレン、m-キシレン、o-キシレン、2,6-ルチジン、2-フルオロ-m-キシレン、3-フルオロ-o-キシレン、2-クロロベンゾ三フッ化物、クメン、トルエン、2-クロロ-6-フルオロトルエン、2-フルオロアニソール、アニソール、2,3-ジメチルピラジン、ブロモベンゼン、4-フルオロアニソール、3-フルオロアニソール、3-トリフルオロメチルアニソール、メシチレン、1,2,4-トリメチルベンゼン、t-ブチルベンゼン、2-メチルアニソール、フェネトール、ベンゾジオキソール、4-メチルアニソール、s-ブチルベンゼン、3-メチルアニソール、4-フルオロ-3-メチルアニソール、シメン、1,2,3-トリメチルベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、2-フルオロベンゾニトリル、4-フルオロベラトロール、2,6-ジメチルアニソール、n-ブチルベンゼン、3-フルオロベンゾニトリル、デカリン(デカヒドロナフタレン)、ネオペンチルベンゼン、2,5-ジメチルアニソール、2,4-ジメチルアニソール、ベンゾニトリル、3,5-ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル、1-フルオロ-3,5-ジメトキシベンゼン、安息香酸メチル、イソペンチルベンゼン、3,4-ジメチルアニソール、o-トルニトリル、n-アミルベンゼン、ベラトロール、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、安息香酸エチル、n-ヘキシルベンゼン、安息香酸プロピル、シクロヘキシルベンゼン、1-メチルナフタレン、安息香酸ブチル、2-メチルビフェニル、3-フェノキシトルエン、2,2’-ビトリル、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、トリメトキシベンゼン、トリメトキシトルエン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、1-メチル-4-(プロポキシメチル)ベンゼン、1-メチル-4-(ブチルオキシメチル)ベンゼン、1-メチル-4-(ペンチルオキシメチル)ベンゼン、1-メチル-4-(ヘキシルオキシメチル)ベンゼン、1-メチル-4-(ヘプチルオキシメチル)ベンゼンベンジルブチルエーテル、ベンジルペンチルエーテル、ベンジルヘキシルエーテル、ベンジルヘプチルエーテル、ベンジルオクチルエーテルなどが挙げられるが、それだけに限定されない。また、溶媒は単一で用いてもよく、混合してもよい。
<任意成分>
有機層形成用組成物は、その性質を損なわない範囲で、任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、バインダーおよび界面活性剤等が挙げられる。
(1)バインダー
有機層形成用組成物は、バインダーを含有していてもよい。バインダーは、成膜時には膜を形成するとともに、得られた膜を基板と接合する。また、該有機層形成用組成物中で他の成分を溶解および分散および結着させる役割を果たす。
有機層形成用組成物に用いられるバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル-エチレン-スチレン共重合体(AES)樹脂、アイオノマー、塩素化ポリエーテル、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、および、上記樹脂およびポリマーの共重合体、が挙げられるが、それだけに限定されない。
有機層形成用組成物に用いられるバインダーは、1種のみであってもよく複数種を混合して用いてもよい。
(2)界面活性剤
有機層形成用組成物は、例えば、有機層形成用組成物の膜面均一性、膜表面の親溶媒性および撥液性の制御のために界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、親水性基の構造からイオン性および非イオン性に分類され、さらに、疎水性基の構造からアルキル系およびシリコン系およびフッ素系に分類される。また、分子の構造から、分子量が比較的小さく単純な構造を有する単分子系および分子量が大きく側鎖や枝分かれを有する高分子系に分類される。また、組成から、単一系、二種以上の界面活性剤および基材を混合した混合系に分類される。該有機層形成用組成物に用いることのできる界面活性剤としては、全ての種類の界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリフローNo.45、ポリフローKL-245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(商品名、共栄社化学工業(株)製)、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK342、BYK344、BYK346(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)、KP-341、KP-358、KP-368、KF-96-50CS、KF-50-100CS(商品名、信越化学工業(株)製)、サーフロンSC-101、サーフロンKH-40(商品名、セイミケミカル(株)製)、フタージェント222F、フタージェント251、FTX-218(商品名、(株)ネオス製)、EFTOP EF-351、EFTOP EF-352、EFTOP EF-601、EFTOP EF-801、EFTOP EF-802(商品名、三菱マテリアル(株)製)、メガファックF-470、メガファックF-471、メガファックF-475、メガファックR-08、メガファックF-477、メガファックF-479、メガファックF-553、メガファックF-554(商品名、DIC(株)製)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を挙げることができる。
また、界面活性剤は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機層形成用組成物の組成および物性>
有機層形成用組成物における各成分の含有量は、有機層形成用組成物中の各成分の良好な溶解性、保存安定性および成膜性、ならびに、該有機層形成用組成物から得られる塗膜の良質な膜質、また、インクジェット法を用いた場合の良好な吐出性、該組成物を用いて作製された有機層を有する有機EL素子の、良好な電気特性、発光特性、効率、寿命の観点を考慮して決定される。例えば、発光層形成用組成物の場合には、第1成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、0.0001重量%~2.0重量%、第2成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、0.0999重量%~8.0重量%、第3成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、90.0重量%~99.9重量%が好ましい。
より好ましくは、第1成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、0.005重量%~1.0重量%、第2成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、0.095重量%~4.0重量%、第3成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、95.0重量%~99.9重量%である。さらに好ましくは、第1成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、0.05重量%~0.5重量%、第2成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、0.25重量%~2.5重量%、第3成分が発光層形成用組成物の全重量に対して、97.0重量%~99.7重量%である。
有機層形成用組成物は、上述した成分を、公知の方法で攪拌、混合、加熱、冷却、溶解、分散等を適宜選択して行うことによって製造できる。また、調製後に、ろ過、脱ガス(デガスとも言う)、イオン交換処理および不活性ガス置換・封入処理等を適宜選択して行ってもよい。
有機層形成用組成物の粘度としては、高粘度である方が、良好な成膜性とインクジェット法を用いた場合の良好な吐出性が得られる。一方、低粘度である方が薄い膜を作りやすい。このことから、該有機層形成用組成物の粘度は、25℃における粘度が0.3~3mPa・sであることが好ましく、1~3mPa・sであることがより好ましい。本発明において、粘度は円錐平板型回転粘度計(コーンプレートタイプ)を用いて測定した値である。
有機層形成用組成物の表面張力としては、低い方が良好な成膜性および欠陥のない塗膜が得られる。一方、高い方が良好なインクジェット吐出性を得られる。このことから、該有機層形成用組成物の表面張力は、25℃における表面張力が20~40mN/mであることが好ましく、20~30mN/mであることがより好ましい。本発明において、表面張力は懸滴法を用いて測定した値である。
<架橋性高分子化合物:一般式(XLP-1)で表される化合物>
次に、上述した高分子化合物が架橋性置換基を有する場合について説明する。このような架橋性高分子化合物は例えば下記一般式(XLP-1)で表される化合物である。
Figure 2023044631000139
式(XLP-1)において、
MUx、ECxおよびkは上記式(H3)におけるMU、ECおよびkと同定義であり、ただし、式(XLP-1)で表される化合物は少なくとも1つの架橋性置換基(XLS)を有し、好ましくは架橋性置換基を有する1価または2価の芳香族化合物の含有量は、分子中0.1~80重量%である。
架橋性置換基を有する1価または2価の芳香族化合物の含有量は、0.5~50重量%が好ましく、1~20重量%がより好ましい。
架橋性置換基(XLS)としては、上述した高分子化合物をさらに架橋化できる基であれば特に限定されないが、以下の構造の置換基が好ましい。各構造式中の*は結合位置を示す。
Figure 2023044631000140
Lは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、>C=O、-O-C(=O)-、炭素数1~12のアルキレン、炭素数1~12のオキシアルキレンおよび炭素数1~12のポリオキシアルキレンである。上記置換基の中でも、式(XLS-1)、式(XLS-2)、式(XLS-3)、式(XLS-9)、式(XLS-10)または式(XLS-17)で表される基が好ましく、式(XLS-1)、式(XLS-3)または式(XLS-17)で表される基がより好ましい。
架橋性置換基を有する2価の芳香族化合物としては、例えば下記部分構造を有する化合物が挙げられる。下記構造式中の*は結合位置を表す。
Figure 2023044631000141
Figure 2023044631000142
Figure 2023044631000143
Figure 2023044631000144
<高分子化合物および架橋性高分子化合物の製造方法>
高分子化合物および架橋性高分子化合物の製造方法について、上述した式(H3)で表される化合物および式(XLP-1)で表される化合物を例にして説明する。これらの化合物は、公知の製造方法を適宜組み合わせて合成することができる。
反応で用いられる溶媒としては、芳香族溶媒、飽和/不飽和炭化水素溶媒、アルコール溶媒、エーテル系溶媒などが挙げられ、例えば、ジメトキシエタン、2-(2-メトキシエトキシ)エタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタン等が挙げられる。
また、反応は2相系で行ってもよい。2相系で反応させる場合は、必要に応じて、第4級アンモニウム塩等の相間移動触媒を加えてもよい。
式(H3)の化合物および式(XLP-1)の化合物を製造する際、一段階で製造してもよいし、多段階を経て製造してもよい。また、原料を反応容器に全て入れてから反応を開始する一括重合法により行ってもよいし、原料を反応容器に滴下し加える滴下重合法により行ってもよいし、生成物が反応の進行に伴い沈殿する沈殿重合法により行ってもよく、これらを適宜組み合わせて合成することができる。例えば、式(H3)で表される化合物を一段階で合成する際、モノマーユニット(MU)およびエンドキャップユニット(EC)を反応容器に加えた状態で反応を行うことで目的物を得る。また、一般式(H3)で表される化合物を多段階で合成する際、モノマーユニット(MU)を目的の分子量まで重合した後、エンドキャップユニット(EC)を加えて反応させることで目的物を得る。多段階で異なる種類のモノマーユニット(MU)を加えて反応を行えば、モノマーユニットの構造について濃度勾配を有するポリマーを作ることができる。また、前駆体ポリマーを調製した後、あと反応により目的物ポリマーを得ることができる。
また、モノマーユニット(MU)の重合性基を選べばポリマーの一次構造を制御することができる。例えば、合成スキームの1~3に示すように、ランダムな一次構造を有するポリマー(合成スキームの1)、規則的な一次構造を有するポリマー(合成スキームの2および3)などを合成することが可能であり、目的物に応じて適宜組み合わせて用いることができる。さらには、重合性基を3つ以上有するモノマーユニットを用いれば、ハイパーブランチポリマーやデンドリマーを合成することができる。
Figure 2023044631000145
本発明で用いることのできるモノマーユニットとしては、特開2010-189630号公報、国際公開第2012/086671号、国際公開第2013/191088号、国際公開第2002/045184号、国際公開第2011/049241号、国際公開第2013/146806号、国際公開第2005/049546号、国際公開第2015/145871号、特開2010-215886号公報、特開2008-106241号公報、国際公開第2016/031639号、特開2011-174062号公報、に記載の方法に準じて合成することができる。
また、具体的なポリマー合成手順については、特開2012-036388号公報、国際公開第2015/008851号、特開2012-36381号公報、特開2012-144722号公報、国際公開第2015/194448号、国際公開第2013/146806号、国際公開第2015/145871号、国際公開第2016/031639号、国際公開第2016/125560号、国際公開第2011/049241号に記載の方法に準じて合成することができる。
<有機電界発光素子の応用例>
また、本発明は、有機EL素子を備えた表示装置または有機EL素子を備えた照明装置などにも応用することができる。
有機EL素子を備えた表示装置または照明装置は、本実施形態にかかる有機EL素子と公知の駆動装置とを接続するなど公知の方法によって製造することができ、直流駆動、パルス駆動、交流駆動など公知の駆動方法を適宜用いて駆動することができる。
表示装置としては、例えば、カラーフラットパネルディスプレイなどのパネルディスプレイ、フレキシブルカラー有機電界発光(EL)ディスプレイなどのフレキシブルディスプレイなどが挙げられる(例えば、特開平10-335066号公報、特開2003-321546号公報、特開2004-281086号公報など参照)。また、ディスプレイの表示方式としては、例えば、マトリクスおよびセグメント方式などが挙げられる。なお、マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
マトリクスでは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置されており、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
セグメント方式(タイプ)では、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などが挙げられる。
照明装置としては、例えば、室内照明などの照明装置、液晶表示装置のバックライトなどが挙げられる(例えば、特開2003-257621号公報、特開2003-277741号公報、特開2004-119211号公報など参照)。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトとしては、従来方式が蛍光灯や導光板からなっているため薄型化が困難であることを考えると、本実施形態に係る発光素子を用いたバックライトは薄型で軽量が特徴になる。
3-2.その他の有機デバイス
本発明に係る多環芳香族化合物は、上述した有機電界発光素子の他に、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜太陽電池、または波長変換フィルタなどの作製に用いることができる。
有機電界効果トランジスタは、電圧入力によって発生させた電界により電流を制御するトランジスタのことであり、ソース電極とドレイン電極の他にゲート電極が設けられている。ゲート電極に電圧を印加すると電界が生じ、ソース電極とドレイン電極間を流れる電子(あるいはホール)の流れを任意にせき止めて電流を制御することができるトランジスタである。電界効果トランジスタは、単なるトランジスタ(バイポーラトランジスタ)に比べて小型化が容易であり、集積回路などを構成する素子としてよく用いられている。
有機電界効果トランジスタの構造は、通常、本発明に係る多環芳香族化合物を用いて形成される有機半導体活性層に接してソース電極およびドレイン電極が設けられており、さらに有機半導体活性層に接した絶縁層(誘電体層)を挟んでゲート電極が設けられていればよい。その素子構造としては、例えば以下の構造が挙げられる。
(1)基板/ゲート電極/絶縁体層/ソース電極・ドレイン電極/有機半導体活性層
(2)基板/ゲート電極/絶縁体層/有機半導体活性層/ソース電極・ドレイン電極
(3)基板/有機半導体活性層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層/ゲート電極
(4)基板/ソース電極・ドレイン電極/有機半導体活性層/絶縁体層/ゲート電極
このように構成された有機電界効果トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子などとして適用できる。
有機薄膜太陽電池は、ガラスなどの透明基板上にITOなどの陽極、ホール輸送層、光電変換層、電子輸送層、陰極が積層された構造を有する。光電変換層は陽極側にp型半導体層を有し、陰極側にn型半導体層を有している。本発明に係る多環芳香族化合物は、その物性に応じて、ホール輸送層、p型半導体層、n型半導体層、電子輸送層の材料として用いることが可能である。本発明に係る多環芳香族化合物は、有機薄膜太陽電池においてホール輸送材料や電子輸送材料として機能しうる。有機薄膜太陽電池は、上記の他にホールブロック層、電子ブロック層、電子注入層、ホール注入層、平滑化層などを適宜備えていてもよい。有機薄膜太陽電池には、有機薄膜太陽電池に用いられる既知の材料を適宜選択して組み合わせて用いることができる。
ディスプレイの広色域化を目的に発光半値幅の狭い量子ドットが波長変換フィルタの蛍光体として用いられる。一方で酸化に対する不安定性、ナノサイズの微粒子であることによる高い凝集性、用いられる金属が汚染物質として規制されているなどの問題がある。本発明に係る多環芳香族化合物は波長変換フィルタの蛍光体として用いることができる。この多環芳香族化合物を分散させるマトリックスとしては、高い透明性、低い水蒸気透過性、低い酸素透過性、および高い熱安定性を有するポリマー材料が好ましく、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリルポリマーおよびゼオネックスなどのシクロオレフィンポリマーなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されない。まず、多環芳香族化合物の合成例について、以下に説明する。
合成例(1):化合物(1-16)の合成
Figure 2023044631000146
窒素雰囲気下、中間体(X-1)(75.0g)、中間体(X-2)(178.7g)、炭酸セシウム(429.8g)、およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP、750ml)をフラスコに入れ、110℃で8時間加熱した。反応終了後、反応液に水とトルエンを加え攪拌した後、有機層を分離して水洗した。その後、有機層を濃縮して得た粗生成物をシリカゲルショートカラム(溶離液:トルエン/ヘプタン=1/4(容量比))で精製することで、中間体(X-3)を得た(201.6g)。
Figure 2023044631000147
窒素雰囲気下、中間体(X-3)(190.6g)およびキシレン(2L)をフラスコに入れ、-5℃へ冷却した後、n-ブチルリチウムヘキサン溶液(197.6ml)を滴下した。30分間の攪拌後、再び-57℃へ冷却し、三臭化ホウ素(84.3g)を加え、0℃まで昇温して0.5時間撹拌した。その後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEPA、72.4g)を加え、発熱が収まるまで室温で撹拌した後、120℃まで昇温して5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸カリウム水溶液、ヘプタンを加え、析出した粗生成物をシリカゲルショートカラム(溶離液:トルエン)で精製し、ヘプタンで洗浄することで、中間体(X-4)を得た(59g)。
Figure 2023044631000148
窒素雰囲気下、中間体(X-4)(15.0g)、中間体(X-5)(6.6g)、リン酸カリウム(10.5g)、酢酸パラジウム(0.28g)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’6’-ジメトキシビフェニル(SPhos、1.0g)、トルエン(200ml)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME、200ml)、エタノール(30ml)、および水(30ml)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。反応終了後、反応液に水とトルエンを加え攪拌した後、有機層を分離して水洗した。その後、有機層を濃縮して得た粗生成物をシリカゲルショートカラム(溶離液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製した。得られた粗成生物をトルエンで再結晶させることで、化合物(1-16)を得た(12.7g)。
Figure 2023044631000149
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=751.
合成例(2):化合物(1-17)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-17)を合成した。
Figure 2023044631000150
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=751.
合成例(3):化合物(1-40)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-40)を合成した。
Figure 2023044631000151
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=751.
合成例(4):化合物(1-3)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-3)を合成した。
Figure 2023044631000152
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.29(d,2H)、7.51-7.45(m,12H)、7.37(d,2H)、7.22-7.17(m,15H)、6.95(s,2H)、6.94(dd,2H).
合成例(5):化合物(1-2)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-2)を合成した。
Figure 2023044631000153
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=726.
合成例(6):化合物(1-7)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-7)を合成した。
Figure 2023044631000154
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=726.
合成例(7):化合物(1-6)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-6)を合成した。
Figure 2023044631000155
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.76(d,2H)、7.99-7.97(m,3H)、7.84(d,2H)、7.75-7.65(m,14H)、7.60-7.57(m,3H)、7.54(s,2H)、7.51-7.47(m,6H)、7.41-7.38(m,3H).
合成例(8):化合物(1-80)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-80)を合成した。
Figure 2023044631000156
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.62(d,2H)、8.29(d,2H)、7.94(s,1H)、7.80-7.79(m,1H)、7.60-7.38(m,16H)、7.25-7.14(m,10H)、7.00(d,2H).
合成例(9):化合物(1-77)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-77)を合成した。
Figure 2023044631000157
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=727.
合成例(10):化合物(1-53)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-53)を合成した。
Figure 2023044631000158
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=728.
合成例(11):化合物(1-88)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-88)を合成した。
Figure 2023044631000159
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=778.
合成例(12):化合物(1-95)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-95)を合成した。
Figure 2023044631000160
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=815.
合成例(13):化合物(1-96)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-96)を合成した。
Figure 2023044631000161
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=816.
合成例(14):化合物(1-98)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-98)を合成した。
Figure 2023044631000162
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=777.
合成例(15):化合物(1-110)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-110)を合成した。
Figure 2023044631000163
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=826.
合成例(16):化合物(1-121)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-121)を合成した。
Figure 2023044631000164
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=761.
合成例(17):化合物(1-123)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-123)を合成した。
Figure 2023044631000165
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=1056.
合成例(18):化合物(1-125)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-125)を合成した。
Figure 2023044631000166
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=726.
合成例(19):化合物(1-132)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-132)を合成した。
Figure 2023044631000167
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=751.
合成例(20):化合物(1-135)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-135)を合成した。
Figure 2023044631000168
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=726.
合成例(21):化合物(1-154)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-154)を合成した。
Figure 2023044631000169
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=728.
合成例(22):化合物(1-178)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-178)を合成した。
Figure 2023044631000170
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=727.
合成例(23):化合物(1-184)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-184)を合成した。
Figure 2023044631000171
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=727.
合成例(24):化合物(1-204)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-204)を合成した。
Figure 2023044631000172
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=728.
合成例(25):化合物(1-224)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-224)を合成した。
Figure 2023044631000173
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=728.
合成例(26):化合物(1-233)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-233)を合成した。
Figure 2023044631000174
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=729.
合成例(27):化合物(1-271)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-271)を合成した。
Figure 2023044631000175
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=729.
合成例(28):化合物(1-276)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-276)を合成した。
Figure 2023044631000176
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=729.
合成例(29):化合物(1-287)の合成
上述した合成例(1)と同様の手順で化合物(1-287)を合成した。
Figure 2023044631000177
質量スペクトル測定により得られた化合物の構造を確認した。
EI-MS、M/Z=730.
原料の化合物を適宜変更することにより、上述した合成例に準じた方法で、本発明の他の多環芳香族化合物を合成することができる。
次に、本発明の化合物を用いた有機EL素子の作製と評価について記載する。ただし、本発明の化合物の適用は以下に示した例に限定されず、各層の膜厚や構成材料は本発明の化合物の基礎物性によって適宜変更することができる。
<蒸着型有機EL素子の評価>
実施例1-1~実施例1-17および比較例1-1~比較例1-7に係る有機EL素子を作製し、1000cd/m発光時の特性である駆動電圧(V)および外部量子効率(%)と測定し、次に10mA/cmの電流密度で定電流駆動した際に初期輝度の90%以上の輝度を保持する時間を測定した。
発光素子の量子効率には、内部量子効率と外部量子効率とがあるが、内部量子効率は、発光素子の発光層に電子(または正孔)として注入される外部エネルギーが純粋に光子に変換される割合を示している。一方、外部量子効率は、この光子が発光素子の外部にまで放出された量に基づいて算出され、発光層において発生した光子は、その一部が発光素子の内部で吸収されたりまたは反射され続けたりして、発光素子の外部に放出されないため、外部量子効率は内部量子効率よりも低くなる。
外部量子効率の測定方法は次の通りである。アドバンテスト社製電圧/電流発生器R6144を用いて、素子の輝度が1000cd/mになる電圧を印加して素子を発光させた。TOPCON社製分光放射輝度計SR-3ARを用いて、発光面に対して垂直方向から可視光領域の分光放射輝度を測定した。発光面が完全拡散面であると仮定して、測定した各波長成分の分光放射輝度の値を波長エネルギーで割ってπを掛けた数値が各波長におけるフォトン数である。次いで、観測した全波長領域でフォトン数を積算し、素子から放出された全フォトン数とした。印加電流値を素電荷で割った数値を素子へ注入したキャリア数として、素子から放出された全フォトン数を素子へ注入したキャリア数で割った数値が外部量子効率である。
作製した実施例1-1~実施例1-17、実施例1-18~実施例1-29、および比較例1-1~比較例1-7に係る有機EL素子における各層の材料構成、およびEL特性データを下記表に示す。なお、電子輸送層2は表中に記載した化合物とLiqとが重量比1/1となるように共蒸着され、形成されている。
Figure 2023044631000178
Figure 2023044631000179
Figure 2023044631000180
Figure 2023044631000181
Figure 2023044631000182
Figure 2023044631000183
上記各表中の、「HI」、「IL」、「HT-1」、「HT-2」、「BH-1」、「BD-1」、「ET-1」、「Liq」、比較化合物(1)、比較化合物(2)、比較化合物(3)、比較化合物(4)、比較化合物(5)、比較化合物(6)、および比較化合物(7)の化学構造を以下に示す。
Figure 2023044631000184
Figure 2023044631000185
<実施例1-1>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置(長州産業(株)製)の基板ホルダーに固定し、HI、IL、HT-1、HT-2、BH-1、BD-1、ET-1、および化合物(1-2)をそれぞれ入れたタンタル製蒸着用ボート、Liq、Mg、およびAgをそれぞれ入れた窒化アルミニウム製蒸着用ボートを装着した。
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10-4Paまで減圧し、まず、HIを加熱して膜厚40nmになるように蒸着し、次に、ILを加熱して膜厚5nmになるように蒸着し、次に、HT-1を加熱して膜厚15nmになるように蒸着し、次に、HT-2を加熱して膜厚10nmになるように蒸着して、4層からなる正孔層を形成した。次に、BH-1とBD-1を同時に加熱して膜厚25nmになるように蒸着して発光層を形成した。BH-1とBD-1の重量比がおよそ98対2になるように蒸着速度を調節した。そして、ET-1を加熱して膜厚5nmになるように蒸着して電子輸送層1を形成した。さらに化合物(1-2)とLiqを同時に加熱して膜厚25nmになるように蒸着して電子輸送層2を形成した。化合物(1-2)とLiqの重量比がおよそ50対50になるように蒸着速度を調節した。各層の蒸着速度は0.01~1nm/秒であった。その後、Liqを加熱して膜厚1nmになるように0.01~0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着し、次いで、マグネシウムと銀を同時に加熱して膜厚100nmになるように蒸着して陰極を形成し、有機EL素子を得た。このとき、マグネシウムと銀の原子数比が10対1となるように0.1nm~10nm/秒の間で蒸着速度を調節した。
ITO電極を陽極、マグネシウム/銀電極を陰極として直流電圧を印加することで各EL特性を測定した。
<実施例1-2~実施例1-17、実施例1-18~実施例1-29、比較例1-1~比較例1-7>
電子輸送層2の材料を上記各表中に記載の各材料に替えた以外は実施例1-1に準じた方法で実施例1-2~実施例1-17、実施例1-18~実施例1-29、および比較例1-1~比較例1-7の有機EL素子を得た。また、ITO電極を陽極、マグネシウム/銀電極を陰極として直流電圧を印加することで各EL特性を測定した。
<塗布型有機EL素子の評価>
次に、有機層を塗布形成して得られる有機EL素子について説明する。
<高分子ホスト化合物:SPH-101の合成>
国際公開第2015/008851号に記載の方法に従い、SPH-101を合成した。M1の隣にはM2またはM3が結合した共重合体が得られ、仕込み比より各ユニットは50:26:24(モル比)であると推測される。下記構造式中、Meはメチル基、Bpinはピナコラートボリル基、*は各ユニットの連結箇所である。
Figure 2023044631000186
<高分子正孔輸送化合物:XLP-101の合成>
特開2018-61028号公報に記載の方法に従い、XLP-101を合成した。M4の隣にはM5またはM6が結合した共重合体が得られ、仕込み比より各ユニットは40:10:50(モル比)であると推測される。下記構造式中、Meはメチル基、Bpinはピナコラートボリル基、*は各ユニットの連結箇所である。
Figure 2023044631000187
<実施例2-1~実施例2-9>
各層を形成する材料の塗布用溶液を調製して塗布型有機EL素子を作製する。
<実施例2-1~実施例2-3の有機EL素子の作製>
有機EL素子における、各層の材料構成を表3に示す。
Figure 2023044631000188
表3における、「ET1」の構造を以下に示す。
Figure 2023044631000189
<発光層形成用組成物(1)の調製>
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(1)を調製する。調製した発光層形成用組成物をガラス基板にスピンコートし、減圧下で加熱乾燥することによって、膜欠陥がなく平滑性に優れた塗布膜が得られる。
化合物(A) 0.04 重量%
SPH-101 1.96 重量%
キシレン 69.00 重量%
デカリン 29.00 重量%
なお、化合物(A)は、一般式(1)で表される多環芳香族化合物(例えば、化合物(1-2))、前記多環芳香族化合物をモノマー(すなわち当該モノマーは反応性置換基を有する)として高分子化させた高分子化合物、または当該高分子化合物をさらに架橋させた高分子架橋体である。高分子架橋体を得るための高分子化合物は架橋性置換基を有する。
<PEDOT:PSS溶液>
市販のPEDOT:PSS溶液(Clevios(TM) P VP AI4083、PEDOT:PSSの水分散液、Heraeus Holdings社製)を用いる。
Figure 2023044631000190
<OTPD溶液の調製>
OTPD(LT-N159、Luminescence Technology Corp社製)およびIK-2(光カチオン重合開始剤、サンアプロ社製)をトルエンに溶解させ、OTPD濃度0.7重量%、IK-2濃度0.007重量%のOTPD溶液を調製する。
Figure 2023044631000191
<XLP-101溶液の調製>
キシレンにXLP-101を0.6重量%の濃度で溶解させ、0.6重量%XLP-101溶液を調製する。
<PCz溶液の調製>
PCz(ポリビニルカルバゾール)をジクロロベンゼンに溶解させ、0.7重量%PCz溶液を調製する。
Figure 2023044631000192
<実施例2-1>
ITOが150nmの厚さに蒸着されたガラス基板上に、PEDOT:PSS溶液をスピンコートし、200℃のホットプレート上で1時間焼成することで、膜厚40nmのPEDOT:PSS膜を成膜する(正孔注入層)。次いで、OTPD溶液をスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分間乾燥した後、露光機で露光強度100mJ/cmで露光し、100℃のホットプレート上で1時間焼成することで、溶液に不溶な膜厚30nmのOTPD膜を成膜する(正孔輸送層)。次いで、発光層形成用組成物(1)をスピンコートし、120℃のホットプレート上で1時間焼成することで、膜厚20nmの発光層を成膜する。
作製した多層膜を市販の蒸着装置(昭和真空(株)製)の基板ホルダーに固定し、ET1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボート、アルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着する。真空槽を5×10-4Paまで減圧した後、ET1を加熱して膜厚30nmになるように蒸着して電子輸送層を形成する。電子輸送層を形成する際の蒸着速度は1nm/秒とする。その後、LiFを加熱して膜厚1nmになるように0.01~0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着する。次いで、アルミニウムを加熱して膜厚100nmになるように蒸着して陰極を形成する。このようにして有機EL素子を得る。
<実施例2-2>
実施例2-1と同様の方法で有機EL素子を得る。なお、正孔輸送層は、XLP-101溶液をスピンコートし、200℃のホットプレート上で1時間焼成することで、膜厚30nmの膜を成膜する。
<実施例2-3>
実施例2-1と同様の方法で有機EL素子を得る。なお、正孔輸送層は、PCz溶液をスピンコートし、120℃のホットプレート上で1時間焼成することで、膜厚30nmの膜を成膜する。
<実施例2-1~実施例2-3の有機EL素子の評価>
上記のようにして得られた塗布型有機EL素子も蒸着型有機EL素子と同様に優れた駆動電圧および外部量子効率を有すると予想できる。
<実施例2-4~実施例2-6の有機EL素子の作製>
有機EL素子における、各層の材料構成を表4に示す。
Figure 2023044631000193
<発光層形成用組成物(2)~(4)の調製>
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(2)を調製する。
化合物(A) 0.02 重量%
mCBP 1.98 重量%
トルエン 98.00 重量%
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(3)を調製する。
化合物(A) 0.02 重量%
SPH-101 1.98 重量%
キシレン 98.00 重量%
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(4)を調製する。
化合物(A) 0.02 重量%
DOBNA 1.98 重量%
トルエン 98.00 重量%
表4おいて、「mCBP」は3,3’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニルであり、「DOBNA」は3,11-ジ-o-トリル-5,9-ジオキサ-13b-ボラナフト[3,2,1-de]アントラセンであり、「TSPO1」はジフェニル[4-(トリフェニルシリル)フェニル]ホスフィンオキシドである。以下に化学構造を示す。
Figure 2023044631000194
<実施例2-4>
ITOが45nmの厚さに成膜されたガラス基板上に、ND-3202(日産化学工業製)溶液をスピンコートした後、大気雰囲気下において、50℃、3分間加熱し、更に230℃、15分間加熱することで、膜厚50nmのND-3202膜を成膜する(正孔注入層)。次いで、XLP-101溶液をスピンコートし、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で200℃、30分間加熱させることで、膜厚20nmのXLP-101膜を成膜する(正孔輸送層)。次いで、発光層形成用組成物(2)をスピンコートし、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることで、20nmの発光層を成膜する。
作製した多層膜を市販の蒸着装置(昭和真空(株)製)の基板ホルダーに固定し、TSPO1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボート、アルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着する。真空槽を5×10-4Paまで減圧した後、TSPO1を加熱して膜厚30nmになるように蒸着して電子輸送層を形成する。電子輸送層を形成する際の蒸着速度は1nm/秒とする。その後、LiFを加熱して膜厚1nmになるように0.01~0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着する。次いで、アルミニウムを加熱して膜厚100nmになるように蒸着して陰極を形成する。このようにして有機EL素子を得る。
<実施例2-5および実施例2-6>
発光層形成用組成物(3)または(4)を用いて、実施例2-4と同様の方法で有機EL素子を得る。
<実施例2-4~実施例2-6の有機EL素子の評価>
上記のようにして得られた塗布型有機EL素子も蒸着型有機EL素子と同様に優れた駆動電圧および外部量子効率を有すると予想できる。
<実施例2-7~実施例2-9の有機EL素子の作製>
有機EL素子における、各層の材料構成を表5に示す。
Figure 2023044631000195
<発光層形成用組成物(5)~(7)の調製>
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(5)を調製する。
化合物(A) 0.02 重量%
2PXZ-TAZ 0.18 重量%
mCBP 1.80 重量%
トルエン 98.00 重量%
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(6)を調製する。
化合物(A) 0.02 重量%
2PXZ-TAZ 0.18 重量%
SPH-101 1.80 重量%
キシレン 98.00 重量%
下記成分を均一な溶液になるまで撹拌することで発光層形成用組成物(7)を調製する。
化合物(A) 0.02 重量%
2PXZ-TAZ 0.18 重量%
DOBNA 1.80 重量%
トルエン 98.00 重量%
表5おいて、「2PXZ-TAZ」は10,10’-((4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール-3,5-ジイル)ビス(4,1-フェニルの))ビス(10H-フェノキサジン)である。以下に化学構造を示す。
Figure 2023044631000196
<実施例2-7>
ITOが45nmの厚さに成膜されたガラス基板上に、ND-3202(日産化学工業製)溶液をスピンコートした後、大気雰囲気下において、50℃、3分間加熱し、更に230℃、15分間加熱することで、膜厚50nmのND-3202膜を成膜する(正孔注入層)。次いで、XLP-101溶液をスピンコートし、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で200℃、30分間加熱させることで、膜厚20nmのXLP-101膜を成膜する(正孔輸送層)。次いで、発光層形成用組成物(5)をスピンコートし、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることで、20nmの発光層を成膜する。
作製した多層膜を市販の蒸着装置(昭和真空(株)製)の基板ホルダーに固定し、TSPO1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボート、アルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着する。真空槽を5×10-4Paまで減圧した後、TSPO1を加熱して膜厚30nmになるように蒸着して電子輸送層を形成する。電子輸送層を形成する際の蒸着速度は1nm/秒とする。その後、LiFを加熱して膜厚1nmになるように0.01~0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着する。次いで、アルミニウムを加熱して膜厚100nmになるように蒸着して陰極を形成する。このようにして有機EL素子を得る。
<実施例2-8および実施例2-9>
発光層形成用組成物(6)または(7)を用いて、実施例2-7と同様の方法で有機EL素子を得る。
<実施例2-7~実施例2-9の有機EL素子の評価>
上記のようにして得られた塗布型有機EL素子も蒸着型有機EL素子と同様に優れた駆動電圧および外部量子効率を有すると予想できる。
以上、本発明に係る化合物の一部について、有機EL素子用材料としての評価を行い、優れた材料であることを示したが、評価を行っていない他の化合物も同じ基本骨格を有し、全体としても類似の構造を有する化合物であり、当業者においては同様に優れた有機EL素子用材料であることを理解できる。
本発明の好ましい態様によれば、一般式(1)で表される多環芳香族化合物を含有する電子輸送材料を用いて有機EL素子を作製することで、駆動電圧、発光効率、および素子寿命が優れた、特に発光効率および素子寿命が優れた有機EL素子を提供することができる。
100 有機電界発光素子
101 基板
102 陽極
103 正孔注入層
104 正孔輸送層
105 発光層
106 電子輸送層
107 電子注入層
108 陰極

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される多環芳香族化合物。
    Figure 2023044631000197
    上記式(1)中、
    ~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルであり、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、
    ~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、またはアルキルジシクロアルキルシリルで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、
    ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    上記式(G)中、
    CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、ジアリールボリル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、トリシクロアルキルシリル、ジアルキルシクロアルキルシリル、アルキルジシクロアルキルシリル、またはシアノで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
    上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい。)
  2. 上記式(1)中、
    ~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、ジヘテロアリールアミノ(ただしヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、アリールヘテロアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール、ヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、ジアリールボリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルケニル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、トリアリールシリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、トリアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル)、トリシクロアルキルシリル(ただしシクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、ジアルキルシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、またはアルキルジシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)であり、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
    ~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、ジヘテロアリールアミノ(ただしヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、アリールヘテロアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール、ヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、ジアリールボリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルケニル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、トリアリールシリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、トリアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル)、トリシクロアルキルシリル(ただしシクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、ジアルキルシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、またはアルキルジシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)で置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
    ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    上記式(G)中、
    CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、ジヘテロアリールアミノ(ただしヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、アリールヘテロアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール、ヘテロアリールは炭素数2~15のヘテロアリール)、ジアリールボリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルケニル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、トリアリールシリル(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、トリアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル)、トリシクロアルキルシリル(ただしシクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、ジアルキルシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、アルキルジシクロアルキルシリル(ただしアルキルは炭素数1~12のアルキル、シクロアルキルは炭素数3~12のシクロアルキル)、またはシアノで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジヘテロアリールアミノの2つのヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記アリールヘテロアリールアミノのアリールとヘテロアリールは連結基を介して結合していてもよく、前記ジアリールボリルの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
    上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
    請求項1に記載の多環芳香族化合物。
  3. 上記式(1)中、
    ~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、または炭素数6~30のアリールチオであり、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
    ~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、または炭素数6~30のアリールチオで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、
    ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    上記式(G)中、
    CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、炭素数1~24のアルコキシ、炭素数6~30のアリールオキシ、炭素数6~30のアリールチオ、またはシアノで置換されていてもよく、前記ジアリールアミノの2つのアリールは連結基を介して結合していてもよく、当該連結基は、単結合、-CH-CH-、-CHR-CHR-、-CR-CR-、-CH=CH-、-CR=CR-、-C≡C-、-N(-R)-、-O-、-S-、-C(-R)-、-Si(-R)-、または-Se-であり、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
    上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
    請求項1に記載の多環芳香族化合物。
  4. 上記式(1)中、
    ~R11は、それぞれ独立して、水素、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、または炭素数3~24のシクロアルキルであり、
    ~R11のうちの隣接する基同士が結合して、a環、b環、およびc環の少なくとも1つの環と共に、ナフタレン環、フェナントレン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、またはカルバゾール環を形成していてもよく、当該形成された環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、または炭素数3~24のシクロアルキルで置換されていてもよく、
    ただし、「a環」または「a環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「b環」または「b環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合し、「c環」または「c環と共に形成された環」には上記一般式(G)で表される基が少なくとも1つ結合しており、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    上記式(G)中、
    CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、ジアリールアミノ(ただしアリールは炭素数6~12のアリール)、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~24のシクロアルキル、またはシアノで置換されていてもよく、*は、a環、b環、c環、およびそれらの環と共に形成された環との結合位置であり、そして、
    上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
    請求項1に記載の多環芳香族化合物。
  5. 上記式(1)中、
    ~R11は、それぞれ独立して、水素、または炭素数1~24のアルキルであり、
    ただし、a環におけるR~Rの少なくとも1つ、b環におけるR~Rの少なくとも1つ、およびc環におけるR~R11の少なくとも1つは、上記一般式(G)で表される基であり、式(G)で表されるこれらの基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    上記式(G)中、
    CyおよびCyは、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピリジン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、またはN位がフェニル置換されていてもよいカルバゾール環であり、これらの環における少なくとも1つの水素は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキルまたはシアノで置換されていてもよく、*は、a環、b環、およびc環との結合位置であり、そして、
    上記式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素は、重水素、シアノ、またはハロゲンで置換されていてもよい、
    請求項1に記載の多環芳香族化合物。
  6. 下記構造式のいずれかで表される、請求項1に記載する多環芳香族化合物。
    Figure 2023044631000198
    Figure 2023044631000199
    Figure 2023044631000200
  7. 下記構造式のいずれかで表される、請求項1に記載する多環芳香族化合物。
    Figure 2023044631000201
  8. 陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置される発光層と、前記陰極と前記発光層との間に配置され、請求項1~7のいずれか一項に記載する多環芳香族化合物を含有する電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つの層とを有する、有機電界発光素子。
  9. 請求項8に記載する有機電界発光素子を備えた表示装置または照明装置。
JP2022114533A 2021-09-17 2022-07-19 多環芳香族化合物 Pending JP2023044631A (ja)

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