JP2023044123A - 熱成形用樹脂シート及び成形品 - Google Patents

熱成形用樹脂シート及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】無機物の含有量が多く、機械的特性及び耐寒性に優れる熱成形用樹脂シート及び該シートを成形して得られる成形品を提供する。【解決手段】本発明の熱成形用樹脂シートは、無機物及び熱可塑性樹脂を含む基層を有し、前記無機物と前記熱可塑性樹脂との質量比が80:20~50:50であり、前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含み、前記ポリエチレン系樹脂は、JIS K7210に準拠し測定したフローレイト比が10~13の範囲である高密度ポリエチレンポリエチレン系樹脂を含み、前記高密度ポリエチレンの配合量が5重量%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、無機物の含有量が多く、機械的特性及び耐寒性に優れる熱成形用樹脂シート及び該シートを成形して得られる成形品に関する。
従来、熱可塑性樹脂は、物理的特性に優れることから、各種成形品、例えば、飲食品用容器として広く使用されている。これに対して近年、プラスチック廃棄問題が社会的に注目を集めている。かかる問題に対処するため、無機充?材を高濃度で熱可塑性樹脂に混合することにより、熱可塑性樹脂の使用量を低減することが行われている。
しかしながら、熱可塑性樹脂に無機充?材を高濃度で混合すると、熱可塑性樹脂の機械的物性及び衝撃強度が低くなる傾向にある。この点に関して、特許文献1には、無機物質粉末を多量充填したプロピレン樹脂組成物において、特定のエラストマー成分を低密度ポリエチレンと共に特定量配合することにより、強度を殆ど損なうことなく耐衝撃性を大きく改善できることが開示されている。また、特許文献2には、無機充填材と、特定の物性のポリプロピレン及び高密度ポリエチレンを含み、剛性及び衝撃特性の間で良好なバランスを示すブロー成形品の開示がされている。
また、これまで加熱調理用食品を収納する樹脂製容器は、電子レンジ加熱時における耐熱性が重視されていた。しかし、近年、フードロス低減のため、電子レンジで加熱調理される食品は、冷凍温度帯で貯蔵及び輸送されることが一般的である。飲食品用容器の冷凍又はチルド温度帯での使用が増加するにつれ、飲食品用容器には、低温度でも容器に外部から衝撃が加わった際に容器に割れが発生しないような耐寒性も要求されるようになってきている。特許文献3には、ポリプロピレン系重合体、エチレン系重合体、及び造核剤からなる組成物を積層することにより、積層体の耐寒衝撃強度が向上することが開示されている。
特許第6892185号公報 特許第5913285号公報 特許第6480472号公報
上記のように、樹脂シートには、無機物を多量に配合しているにもかかわらず、機械的特性に優れると共に、更に耐寒性に優れることが求められている。しかし、特許文献1は、無機物が多量に配合された樹脂シートにおける耐寒性に関する技術的知見について言及はない。また、特許文献2は、無機充填材の含有量が全重量に対して50重量%以下であり、しかも、特許文献1と同様に、樹脂シートの耐寒性に関する技術的知見について言及はない。
更に、特許文献3では、エチレン系重合体の密度が高いと耐寒衝撃強度に劣ることが開示されており、高密度ポリエチレン(HZ5000H)を使用した樹脂シートは、直鎖状低密度PE又はエチレンエラストマーを配合した樹脂シートと比較し、耐寒衝撃強度に劣ることが示されている。
本発明は、無機物の含有量が多く、機械的特性及び耐寒性に優れる熱成形用樹脂シート及び該シートを成形して得られる成形品を提供することを目的とする。
本発明の熱成形用樹脂シートは、無機物及び熱可塑性樹脂を含む基層を有し、前記無機物と前記熱可塑性樹脂との質量比が80:20~50:50であり、前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン(PP)系樹脂及びポリエチレン系(PE)樹脂を含み、前記PE系樹脂は、JIS K7210に準拠し測定したフローレイト(FR)比が10~13の範囲である高密度PE系を含み、前記高密度PEの配合量が5重量%以上であることを特徴とする。
本発明の成形品は、本発明の熱成形用樹脂シートを熱成形して得られることを特徴とする。
本発明の熱成形用樹脂シート及び成形品は、無機物の配合量が多いにもかかわらず、機械的物性に優れると共に、耐寒性に優れる。そのため、冷凍温度帯で貯蔵及び輸送される飲食品容器へ好適に用いることができる。また、無機物の配合量が多いため、樹脂量の低減が図れ、燃焼時の発熱量が樹脂単体の時に比べ低く、環境負荷の低減に貢献できる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
(1)熱成形用樹脂シート
本実施形態に係る熱成形用樹脂シート(以下、「本シート」という。)は、無機物及び熱可塑性樹脂を含む基層を有する。
前記無機物の種類、成分、及び形状には特に限定はない。前記無機物として具体的には、例えば、樹脂シートの物性(例えば、耐衝撃強度又は耐熱性)の改善を目的とする無機充填材が挙げられる。前記無機物は、1種単独でもよく、2種以上を含んでいてもよい。前記無機充填材として具体的には、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、ガラスビーズ、ベントナイト、ガラスフレーク、ガラス繊維、カーボンファイバー、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、炭素繊維、軽石粉、雲母、リン酸カルシウム、及びリン酸アルミニウムが挙げられる。前記無機物として炭酸カルシウム及びタルクは安価で容易に入手することができ、また、炭酸カルシウムはタルクに比べ、衝撃性が良い点から好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、PP系樹脂及びPE樹脂を含む。前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂の構造及び性質には特に限定はない。前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂は単独重合体でもよく、他の単量体との共重合体でもよい。前記PP系樹脂は1種単独でもよく、2種以上を用いてもよい。前記PE系樹脂もまた、1種単独でもよく、2種以上を用いてもよい。更に、前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂として、例えば、MFR値が0.2~2.0g/10分、あるいは0.3~1.0g/10分であるPP系樹脂及び/又はPE系樹脂を用いることができる。尚、本書面において、MFR値は、JIS K7210の方法に基づいて、ポリプロピレン系樹脂は、測定温度230℃、荷重2.16kg、ポリエチレン系樹脂は、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定された値である。
前記PP系樹脂として具体的には、例えば、ホモPP(プロピレン単独重合体)、又はプロピレンとα-オレフィン(例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン若しくは1-デセン)との共重合体が挙げられる。前記PE系樹脂として具体的には、例えば、ホモPE(エチレン単独重合体;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、又はエチレンとα-オレフィン(例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネンもしくは1-デセン)との共重合体が挙げられる(但し、前記PP系樹脂と前記PE系樹脂とは異なる樹脂である。)。
前記PE系樹脂は、JIS K7210に準拠し測定したFR比が10~13の範囲である高密度PEを含む。前記PE系樹脂は、前記高密度PEのみでもよく、他のPE系樹脂を含んでいてもよい。本シートは前記高密度PEを含むことにより、樹脂シート及び成形品の耐寒性を向上させることができるので好ましい。ここで、「高密度PE」とは、密度が0.94g/cm3以上、好ましくは0.942~0.970g/cm3のPEである。
前記高密度PEの配合量は、本シート全量中5重量%以上、好ましくは10重量%以上である。前記高密度PEの配合量の上限は、前記無機物と前記熱可塑性樹脂との質量比が80:20~50:50の要件を満たす限りにおいて適宜設定することができる。前記高密度PEの配合量の上限として、例えば、本シート全量中40重量%、35重量%、30重量%とすることができる。
前記熱可塑性樹脂中の前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂の配合割合には特に限定はない。前記熱可塑性樹脂100質量%中、前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂の割合の合計は、通常50~100質量%である。前記割合の下限値は55、60、65、又は70質量%とすることができる。また、前記割合の上限値は95、90、85、又は80質量%とすることができる。更に、前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂の質量比も特に限定はない。前記質量比は通常(1~3):1とすることができる。
前記熱可塑性樹脂は、前記PP系樹脂及び前記PE系樹脂のみでもよく、あるいは、他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
前記無機物と前記熱可塑性樹脂との質量比は80:20~50:50である。前記質量比が前記範囲内であると、無機物を高濃度で配合したことによる機械的物性及び衝撃強度の低下を抑制すると共に、樹脂量を低減でき、その結果、燃焼時の発熱量を抑制して環境負荷を低減することができるので好ましい。
本シートの層構造には特に限定はない。本シートは前記基層のみの単層構造でもよく、前記基層及び1以上の他の層を有する積層シートでもよい。前記他の層が2以上ある場合、前記他の層はそれぞれ同じ層でもよく、種類又は物性が異なる層でもよい。前記他の層の種類には特に限定はない。前記他の層として具体的には、例えば、表層に加飾印刷されたラミネートフィルム層、ガスバリア層、層間を接着する接着層が挙げられる。
前記積層シートとして具体的には、例えば、前記基層の片側面又は両面に積層されたポリオレフィン(PO)層を有する積層シートが挙げられる。前記PO層は、前記基層の表面に直接積層されていてもよく、接着層等の他の層を介して前記基層の表面側に積層されていてもよい。
前記PO層を構成するPO系樹脂の種類及び構造には特に限定はない。前記PO系樹脂は単独重合体でもよく、2種以上のオレフィンの共重合体又はオレフィンと他の単量体との共重合体でもよい。また、前記ポリオレフィン系樹脂として、例えば、MFR値が1.0~3.0g/10分、あるいは1.5~3.0g/10分であるPO系樹脂、特にはMFR値が上記範囲内であるホモPP樹脂を用いることができる。
前記PO系樹脂として、PP系樹脂又はPE系樹脂を用いる場合、前記基層に含まれる前記PP系樹脂又は前記PE系樹脂と同じ樹脂でもよく、異なる性質の樹脂、例えばMFRが異なる樹脂でもよい。例えば、前記PO系樹脂として、前記基層に含まれる前記PP系樹脂又は前記PE系樹脂よりもMFRが大きいPP系樹脂又はPE系樹脂を用いることができる。より具体的には、例えば、前記PO系樹脂として、MFRが2.0以上のPP系樹脂又はPE系樹脂を用い、前記基層に含まれるPE系樹脂及び/又はPE系樹脂として、MFRが1.0以下のPP系樹脂又はPE系樹脂を用いることができる。
前記PO系樹脂として具体的には、例えば、PE樹脂(例えば、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレン);PP樹脂;ポリスチレン樹脂;エチレン又はプロピレンと他の単量体との共重合体(例えば、プロピレン-エチレン共重合体樹脂及びエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂)が挙げられる。前記PO系樹脂は1種単独でもよく、2種以上を用いてもよい。
前記PO層は、前記PO系樹脂のみでもよく、あるいは、他の樹脂を含んでいてもよい。
前記積層シートの製造方法に限定はない。前記積層シートは、共押出法、射出成形法、及び加熱成形等の一般的な積層成形法により製造することができる。共押出法では、任意の単軸押出機及び二軸押出機を使用できる。前記共押出法では、前記基層及び前記他の層をダイスより押し出す直前に、これらの層を溶融状態で積層する方法であれば、具体的手法に限定はない。共押出法として具体的には、例えば、前記基層及び前記他の層の原料を押出機で溶融混錬した後、ダイス内で積層するマルチマニホールド方式が挙げられる。前記ダイスは、T型ダイス、コートハンガー型、又は環状ダイスのいずれも使用できる。共押出法において、ダイスより押し出された樹脂積層シートは、公知の方法、例えばポリシングロール、エアーナイフ、又はマンドレル等により冷却固化される。その後、巻き取り機にて巻き取られ、又は裁断機にて所定の寸法にカットされる。
本シートの具体的形状には特に限定はなく、必要に応じて適宜決定することができる。よって、前記「シート」の用語には、フィルム状も含まれる。本シートの厚みは、例えば、0.1~3mm、あるいは0.3~2mmとすることができる。
本シートは、成形性及び耐寒性を著しく損なわない範囲で、シートまたは成形品を得る際に発生する耳ロス、スケルトンなどの製造工程内ロスや、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分として具体的には、例えば、公知の樹脂シートに用いられている添加剤、例えば、難燃剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、及び抗菌剤が挙げられる。上記のように、本シートが積層シートである場合、前記他の成分は、前記積層シートを構成する各層の全てに含まれていてもよく、いずれかに含まれていてもよい。
本シートの具体的用途には特に限定はない。後述のように、本シートは、種々の成形法により、容器等の成形品を得るために用いることができる。
(2)成形品
本実施形態に係る成形品(以下、「本成形品」という。)は、本シートを熱成形することにより得ることができる。該成形としては通常、熱成形が挙げられる。該熱成形の具体的方法には特に限定はなく、公知の熱成形方法、例えば、熱盤成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形、プラグ成形、又はプレス成形を用いることができる。また、熱成形の条件も特に限定はない。成形条件は必要に応じて適宜決定することができる。
本成形品の具体的用途には特に限定はない。該用途としては、包装用容器等の容器、例えば、飲食品用容器が挙げられる。前記飲食品用容器として特に、容器ごと加熱調理される飲食品用容器、例えば電子レンジ加熱用の食品用容器が好ましい。また、本シートは上記のように、低温衝撃強度に優れていることから、前記飲食品包装用容器として、低温で貯蔵又は輸送される飲食品のための包装用容器が好ましく挙げられる。
本成形品の形状及び寸法には特に限定はなく、適宜設定することができる。本成形品が容器である場合、前記容器の形状として具体的には、胴部及び該胴部の一端側に形成された底部を有し、前記胴部の他端側には開口部を有する容器が挙げられる。前記開口部は更にフランジ部を有していてもよい。尚、前記「容器」は、容器全体だけでなく、容器の一部も含む。例えば、前記「容器」には、容器の本体のみならず、容器の蓋体も含まれる。よって、前記「容器」は容器本体のみでもよく、容器の蓋体のみでもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途等に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。
(1)樹脂シートの製造
原料として、以下の各成分を用いた。
(A)炭酸カルシウム;重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)
(B)PP系樹脂
<表層用>
(B-1)ホモPP:日本ポリプロ社製、グレード名「FY6C」(MFR 2.4g/10分)
<基層用>
(B-2)ホモPP:日本ポリプロ社製、グレード名「EA9」(MFR 0.5g/10分)
(B-3)ブロックPP:日本ポリプロ社製、グレード名「EC9GD」(MFR 0.5g/10分)
(C)PE系樹脂
(C-1)高密度PE:京葉ポリエチレン社製 グレード名「E8040」(MFR:0.35g/10分、FR比:11.4)
(C-2)高密度PE:京葉ポリエチレン社製 グレード名「B5803」(MFR:0.3g/10分、FR比:20.0)
前記(C-1)及び(C-2)について、JIS K7210に準拠し、下記条件でMFR値を測定した。そして、条件2のMFR値を条件1のMFR値で除すことにより、前記(C-1)及び(C-2)のFR比を算出した。
条件1:190℃、2.16kg荷重で測定したMFR値(単位;g/10分)
条件2:190℃、10.0kg荷重で測定したMFR値(単位;g/10分)
<実施例1~6、比較例1~6>
(A)炭酸カルシウム、(B-2)ホモPP、(B-3)ブロックPP、及び(C)高密度ポリエチレンを表1の割合で配合し、基層用組成物を調製した。該組成物を押出機でドライブレンドした後、ホッパーに供給し、溶融混合した樹脂を押出することにより、実施例1~6及び比較例1~6の樹脂シート(単層)を得た(厚み:0.40mm)。
<実施例7~12、比較例7~12>
(A)炭酸カルシウム、(B-2)ホモPP、(B-3)ブロックPP、及び(C)高密度ポリエチレンを表2の割合で配合し、基層用組成物を調製した。表層に使用する(B-1)ホモPPと、前記基層用組成物とを、それぞれの押出機でドライブレンドした後、ホッパーに供給し、溶融混合した樹脂を共押出することにより、実施例7~12及び比較例7~12の樹脂シートを得た(厚み:0.40mm、層構成;表層/基層/表層、層比;2/96/2)。具体的には、基層には二軸押出機、表層には単軸押出機を使用し、フィードブロックで合流後、Tダイスから放流し冷却ロールで冷却することにより、基層及び表層を形成及び積層した。
(2)樹脂シートの性能評価
以下の方法により、実施例及び比較例の樹脂シートの性能を評価した。結果を以下の表1(単層)及び表2(積層)に示す。
(A)デュポン衝撃強度
縦50mm×横50mmの試験片を作成し、JIS K7124に従い、この試験片について(株)マイズ試験機のデュポン衝撃試験機を用いて、50%破壊エネルギーE50(J)を測定した。
(B)曲げ弾性率(MPa)
(株)島津製作所の「オートグラフAGS-X」を用いて、JIS(日本工業規格)K7171に準じて、支点間距離:30mm、曲げ速度:20mm/分の測定条件にて測定した。JIS-K7203に準拠して23℃で測定した。
(C)引張弾性率(MPa)
(株)島津製作所の「オートグラフAGS-X」を用いて、JIS(日本工業規格)K7127に準じて、速度:1mm/分の測定条件にて測定した。JIS-K7203に準拠して23℃で測定した。
(3)容器の製造方法
真空圧空成形装置(浅野研究所製)を使用し、実施例及び比較例の樹脂シートを真空圧空成形法により熱成形して、該胴部の一端側に底部が形成され、他端側に開口部を有する容器を製造した(長側232mm×短側195mm×深さ34mm)。
(4)容器の性能評価
以下の方法により、実施例及び比較例の樹脂シートから製造された容器の性能を評価した。結果を以下の表1(単層)及び表2(積層)に示す。
(A)容器腰強度
(株)オリエンテック製の「テンシロン万能試験機RTC-1310A」を用いて、容器を短手方向に立てた状態で挟持し、容器の長辺側側壁部全体を、幅方向に18mm、圧縮スピード400mm/分で圧縮し、この時の最大応力(g)を腰強度とした。
(B)容器落下割れ
容器に400gのおもりを入れ、別途熱成形して得た蓋体(長側232mm×短側195mm×深さ17mmの矩形形状を被せ、表1及び表2に示す設定温度で24時間保管した。その後、その雰囲気下で、高さ1mから落下させ(n=20)、容器の割れを目視にて確認し、割れた容器の個数を数えた。
(C)耐熱試験
ヤマト社製の「Fine Oven DH62」を用いて、容器本体を伏せて乗せ、その上に170gのおもりを乗せ、表1及び表2に示す設定温度で1分間保管したときの容器の変形具合を目視確認した。
「〇」:変形なし
「△」:やや撓みあり
「×」:変形
Figure 2023044123000001
Figure 2023044123000002
表1より、高密度PEのFR比が本願発明の範囲内である実施例1及び2の樹脂シートは、無機物を多量(60重量%)に含んでいるにもかかわらず、良好な曲げ弾性率及び引張弾性率を示すと共に、高密度PEのFR比が範囲外である比較例1及び2と比べて優れた衝撃強度を示した。実施例1及び2の衝撃強度は、23℃及び-20℃のいずれにおいても比較例1及び2より大きい。また、容器の落下試験において、実施例1及び2では-20℃で保管後に容器の割れがなかったの対し、比較例1及び2では容器の割れが認められた。これらの結果は、実施例1及び2が耐寒性に優れていることを示している。また、(B)PP系樹脂の配合量を増加した実施例3及び4並びに実施例5及び6についても同様の結果を示した。
表2より、積層である実施例7~12についても、実施例1及び2と同様の結果を示した。

Claims (6)

  1. 無機物及び熱可塑性樹脂を含む基層を有し、
    前記無機物と前記熱可塑性樹脂との質量比が80:20~50:50であり、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含み、
    前記ポリエチレン系樹脂は、JIS K7210に準拠し測定したフローレイト比が10~13の範囲である高密度ポリエチレンポリエチレン系樹脂を含み、
    前記高密度ポリエチレンの配合量が5重量%以上であることを特徴とする、熱成形用樹脂シート。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリエチレン系樹脂との質量比が(3~1):1であり、請求項1に記載の熱成形用樹脂シート。
  3. 前記無機物が炭酸カルシウムを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱成形用樹脂シート。
  4. 前記基層の片側面又は両面に積層されたポリオレフィン層を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載された熱成形用樹脂シート。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱成形用樹脂シートを熱成形して得られることを特徴とする、成形品。
  6. 前記成形品が飲食品用容器であることを特徴とする、請求項3に記載の成形品。
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