JP2023044082A - 同軸ケーブル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な伝送特性を有し、屈曲や捻回によって断線しにくい同軸ケーブルを提供する。【解決手段】同軸ケーブル1は、導体2と、導体2の側周を囲う絶縁層3と、絶縁層3の側周を囲うシールド層4と、シールド層4の側周を囲うシース5と、を備え、絶縁層3は、導体2の側周を囲う非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層31と、第1絶縁層31の側周を囲う非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層32と、を有し、第2絶縁層32の厚さは、第1絶縁層31の厚さの3倍以上であり、第2絶縁層32は、第1絶縁層31の側周を囲うように、第1絶縁層31に対して非接着に設けられ、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間の空隙を抑制する空隙抑制層32aと、空隙抑制層32aの側周を囲うように、空隙抑制層32aに対して接着して設けられた外層32bと、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、同軸ケーブル及びその製造方法に関する。
高周波信号伝送用の同軸ケーブルとして、多孔質コア層とソリッド状スキン層との2層構造からなる絶縁体を用いた同軸ケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
近年、自動車部品の溶接や部品組み立て等を行う製造ライン等で用いられる産業用ロボットや人協型ロボットでは、カメラセンサが広く用いられてきている。このような産業用ロボット等のカメラセンサからの信号を伝送するための配線材として、同軸ケーブルが用いられている。
このような同軸ケーブルは、ロボットのアーム部分等の繰り返し屈曲を受けるような可動部分に配線されることになるため、屈曲や捻回によって断線しにくいことが求められる。さらに、同軸ケーブルには、例えば、インターフェイス規格に準拠する良好な伝送特性を有することが求められる。
特許文献1に記載の同軸ケーブルでは、繰り返し屈曲や捻回によって多孔質コア層が潰れて伝送特性が劣化してしまい、屈曲や捻回への耐久性も十分に得ることができない。なお、特許文献1の同軸ケーブルにおいて、多孔質コア層をソリッド状のコア層にすることも考えられるが、この場合、ソリッド状のコア層とスキン層との間に空隙が生じ、この空隙によってケーブル長手方向の特性インピーダンスが変化してしまい、伝送特性が劣化するおそれがある。
そこで、本発明は、良好な伝送特性を有し、屈曲や捻回によって断線しにくい同軸ケーブル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、導体と、前記導体の側周を囲うように設けられた絶縁層と、前記絶縁層の側周を囲うように設けられたシールド層と、前記シールド層の側周を囲うように設けられたシースと、を備え、前記絶縁層は、前記導体の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層と、前記第1絶縁層の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層と、を有し、前記第2絶縁層の厚さは、前記第1絶縁層の厚さの3倍以上であり、前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層の側周を囲うように、前記第1絶縁層に対して非接着に設けられ、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間の空隙を抑制する空隙抑制層と、前記空隙抑制層の側周を囲うように、前記空隙抑制層に対して接着して設けられた外層と、を有する、同軸ケーブルを提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、導体と、前記導体の側周を囲うように設けられた絶縁層と、前記絶縁層の側周を囲うように設けられたシールド層と、前記シールド層の側周を囲うように設けられたシースと、を備えた同軸ケーブルの製造方法であって、前記絶縁層を形成する工程は、チューブ押出成形により、前記導体の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層を形成する工程と、を有し、前記第2絶縁層を形成する工程は、充実押出成形により、前記第1絶縁層の側周を囲うように、前記第1絶縁層に対して非接着に空隙抑制層を設ける工程と、充実押出成形により、前記空隙抑制層の側周を囲うように、前記空隙抑制層に対して接着して外層を設ける工程と、を有する、同軸ケーブルの製造方法を提供する。
本発明によれば、良好な伝送特性を有し、屈曲や捻回によって断線しにくい同軸ケーブル及びその製造方法を提供できる。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る同軸ケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図1に示すように、同軸ケーブル1は、導体2と、導体2の側周を囲うように設けられた絶縁層3と、絶縁層3の側周を囲うように設けられたシールド層4と、シールド層4の側周を囲うように設けられたシース5と、を備えている。
同軸ケーブル1は、例えば、自動車部品の溶接や部品組み立て等を行う製造ライン等で用いられる産業用ロボット、人協型ロボット、またはこれに準ずる自動化装置において、カメラセンサの信号伝送用の配線材として用いられる。このような用途においては、産業用ロボット等の構造や製造ラインのライン長に応じて、5m~50mといった様々な長さの同軸ケーブル1が使用され得る。そのため、同軸ケーブル1に対しては、信号伝送を確実に行うことができ、しかも長距離の信号伝送にも対応できるように、優れた電気特性を有していることが求められる。具体的には、同軸ケーブル1には、静電容量が小さく、特性インピーダンスが高く、信号の減衰量が小さいことが求められる。
さらに、このような用途においては、同軸ケーブル1は、ロボットのアーム部分等の繰り返し屈曲を受けるような可動部分に配線されることになるため、屈曲や捻回によって断線しにくいことが求められる。つまり、本実施の形態に係る同軸ケーブル1に対しては、長距離伝送に適した良好な伝送特性と、優れた耐屈曲性・捻回性とを兼ね備えることが求められている。
(導体2)
導体2は、複数本の金属素線2aを撚り合わせた撚線導体からなる。導体2は、複数本の金属素線2aを集合撚りして構成されることが望ましい。これにより、複数本の金属素線2aを同心撚りして導体2を構成した場合と比較して、繰り返し屈曲や捻回を行った際に金属素線2a同士が互いに動きやすくなり、屈曲や捻回によって断線が発生しにくくなる。
導体2は、複数本の金属素線2aを撚り合わせた撚線導体からなる。導体2は、複数本の金属素線2aを集合撚りして構成されることが望ましい。これにより、複数本の金属素線2aを同心撚りして導体2を構成した場合と比較して、繰り返し屈曲や捻回を行った際に金属素線2a同士が互いに動きやすくなり、屈曲や捻回によって断線が発生しにくくなる。
導体2に用いる金属素線2aとしては、耐屈曲性・捻回性を向上させるため、外径0.05mm以上0.08mm以下のものを用いるとよい。また、耐屈曲性・捻回性をさらに向上させるため、導体2に用いる金属素線2aとしては、伸びが5%以上、引張強度が330MPa以上のものを用いるとよい。本実施の形態では、すずめっき銅合金線からなる外径0.08mmの金属素線2aを19本集合撚りして、28AWG(American wire gauge)相当の導体2を構成した。導体2の外径は、約0.40mmである。なお、導体2の外径は、例えば0.25mm以上0.4mm以下である。
また、導体2の撚りピッチは、導体2の外径の10倍以上14倍以下であることが好ましい。撚りピッチを外径の10倍以上とすることによって、捻回性を向上できる。また、撚りピッチを外径の14倍以下とすることによって、耐屈曲性を向上できる。導体2の外径の10倍以上14倍以下とすることによって、耐屈曲性と捻回性とを両立させることができる。
(シールド層4)
同軸ケーブル1では、導体2の周囲を囲むように絶縁層3が形成され、その絶縁層3の周囲を囲むようにシールド層4が形成されている。絶縁層3の詳細については後述する。シールド層4は、伝送信号の漏えいや外部からの飛来ノイズ対策として設けられた層であり、銅や銅合金からなる金属素線、あるいは銅箔糸を編み組みした編組シールドからなる。
同軸ケーブル1では、導体2の周囲を囲むように絶縁層3が形成され、その絶縁層3の周囲を囲むようにシールド層4が形成されている。絶縁層3の詳細については後述する。シールド層4は、伝送信号の漏えいや外部からの飛来ノイズ対策として設けられた層であり、銅や銅合金からなる金属素線、あるいは銅箔糸を編み組みした編組シールドからなる。
シールド層4は、編組シールドを複数層積層して構成されていることが望ましい。これにより、導体2を伝送される信号(例えば、カメラセンサから伝送される信号)が、外部ノイズによる影響を受けにくくなる。本実施の形態では、第1編組シールド41と第2編組シールド42とを積層した2層構造のシールド層4を用いた。
また、第1及び第2編組シールド41,42を構成する金属素線としては、銅合金線を用いることが望ましい。本実施の形態では、第1及び第2編組シールド41,42として、外径0.08mmのすずめっき銅合金線からなる金属素線を編み組みした、編組密度85%の編組シールドを用いた。銅合金線からなる金属素線を用いることで、両編組シールド41,42の導体抵抗を下げることができ、遮蔽効果をさらに向上できる。なお、金属素線の外径は、例えば、0.08mm以上0.11mm以下である。また、金属素線に用いる銅合金線としては、例えば、Sn(錫)、Ag(銀)、In(インジウム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタン)、Mn(マンガン)等の金属元素の少なくとも1種を所定の含有量で含有し、残部が銅および不可避不純物からなるものを使用することができる。
なお、本実施の形態では第1及び第2編組シールド41,42を同じ構成としたが、使用する金属素線の外径や材質、あるいは編組密度等が、両編組シールド41,42で異なっていてもよい。また、本実施の形態では、すずめっき銅合金線からなる金属素線のみで第1及び第2編組シールド41,42を構成したが、これに限らず、第1及び第2編組シールド41,42を、例えば、銅箔糸と銅合金からなる金属素線とが交差するように編組した編組シールドで構成してもよい。
(シース5)
シース5は、同軸ケーブル1の最外層を構成する外皮となる層であり、同軸ケーブル1を外力から保護するための層である。本実施の形態では、シース5は、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とする樹脂組成物からなる。シース5は、例えば、ポリウレタン(PU)を主成分とする樹脂等により構成されてもよい。本実施の形態では、シース5の厚さを約0.45mmとし、シース5の外径(同軸ケーブル1の外径)を約4.1mm(4.6mm以下)とした。なお、シース5の厚さは、例えば、0.4mm以上1.0mm以下である。
シース5は、同軸ケーブル1の最外層を構成する外皮となる層であり、同軸ケーブル1を外力から保護するための層である。本実施の形態では、シース5は、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とする樹脂組成物からなる。シース5は、例えば、ポリウレタン(PU)を主成分とする樹脂等により構成されてもよい。本実施の形態では、シース5の厚さを約0.45mmとし、シース5の外径(同軸ケーブル1の外径)を約4.1mm(4.6mm以下)とした。なお、シース5の厚さは、例えば、0.4mm以上1.0mm以下である。
(絶縁層3)
絶縁層3は、導体2の周囲を囲むように、絶縁性を有する樹脂組成物によって形成された層である。本実施の形態では、絶縁層3は、導体2の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層31と、第1絶縁層31の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層32と、を有している。
絶縁層3は、導体2の周囲を囲むように、絶縁性を有する樹脂組成物によって形成された層である。本実施の形態では、絶縁層3は、導体2の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層31と、第1絶縁層31の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層32と、を有している。
なお、第1絶縁層31や第2絶縁層32に発泡樹脂を用いた場合、屈曲時や捻回時に絶縁層3が潰れて伝送特性が劣化してしまうおそれがある。このような絶縁層3の潰れによる伝送特性の劣化を抑制するため、本実施の形態では、第1絶縁層31と第2絶縁層32の両方(すなわち絶縁層3全体)に非発泡の樹脂組成物を用いている。
第1絶縁層31は、導体2の周囲に誘電率が低い非発泡の樹脂組成物を用いてチューブ押出しにより形成されている。すなわち、第1絶縁層31は、非充実押出層である。チューブ押出しにより第1絶縁層31を形成すること(すなわち、第1絶縁層31を非充実押出層とすること)により、第1絶縁層31を構成する樹脂材料が導体2を構成する金属素線2a間の隙間に流れ込まない(非充実に形成される)ため、導体2と第1絶縁層31との間に部分的に隙間が生じる。その結果、同軸ケーブル1を屈曲させた場合に、導体2と第1絶縁層31とが独立して動くことが可能になり、導体2が第1絶縁層31からの引張力を受け難くなるため、耐屈曲性・捻回性が向上する。
第1絶縁層31は、導体2と接しており伝送特性への影響が大きいため、第1絶縁層31の誘電率はなるべく低いことが望ましく、誘電率ε=2.3以下の樹脂組成物で構成されることが望ましい。本実施の形態では、第1絶縁層31として、誘電率が低く、また表面の滑り性が高いフッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いた。第1絶縁層31に用いるフッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)(ε=2.1)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)(ε=2.1)等を用いることができる。本実施の形態では、より安価なFEPを第1絶縁層31に用い、コストの削減を図った。
第1絶縁層31の厚さは、導体2の外径の0.2倍以上0.4倍以下とすることが好ましい。第1絶縁層31の厚さが導体2の外径の0.2倍以上であることで、第1絶縁層31が薄くなり過ぎることによる強度低下を抑制し、繰り返し屈曲・捻回されても割れが生じにくい十分な強度を確保することができる。また、第1絶縁層31の厚さを導体2の外径の0.4倍以下とすることで、第1絶縁層31が厚くなり過ぎることによる同軸ケーブル1の柔軟性(可とう性)の低下を抑制できる。より具体的には、第1絶縁層31の厚さは、0.20mm以下とすることが望ましい。ここでは、FEPからなる厚さ約0.12mmの第1絶縁層31を形成した。第1絶縁層31の外径は、約0.64mmである。なお、第1絶縁層31の厚さは、0.10mm以上とすることが望ましい。
第2絶縁層32は、絶縁層3の厚さを維持して所望(ここでは75Ω)の特性インピーダンスに保ち、かつリターンロスを抑制するための非発泡の層である。第2絶縁層32の厚さとしては、第1絶縁層31の厚さの3倍以上であり、より好ましくは6倍以上である。第2絶縁層32は、第1絶縁層31に用いる樹脂組成物(フッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物)よりも低融点の樹脂組成物で形成され、第1絶縁層31とは非接着に形成されている。第1絶縁層31と第2絶縁層32とを非接着とすることで、第1絶縁層31が、第2絶縁層32に対して独立して動くことができるようになり、第1絶縁層31が第2絶縁層32からの引張力を受け難くなるため、同軸ケーブル1の耐屈曲性・捻回性が向上する。このように、本実施の形態では、第1絶縁層31は、導体2と第2絶縁層32の両者に対して非接着に構成されており、同軸ケーブル1のさらなる耐屈曲性・捻回性の向上が図られている。
本実施の形態では、第2絶縁層32は、ポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物からなる。なお、第2絶縁層32は、ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物からなってもよい。本実施の形態で第2絶縁層32に用いるポリプロピレンは、比較的硬く、また第1絶縁層31に用いるフッ素樹脂よりも融点が低いため、第2絶縁層32の押出成形時の熱により第1絶縁層31と第2絶縁層32とが溶融一体化して接着されることもない。そのため、第1絶縁層31の厚さの3倍以上の厚さを有する非発泡の第2絶縁層32を一気に厚く形成すると、図2に示される比較例の同軸ケーブル10のように、第1絶縁層31と第2絶縁層32との間に大きな空隙6(例えば、第1絶縁層31の外面から第2絶縁層32の内面までの間の直線距離が導体2を構成する金属素線の外径よりも大きい空隙6)が生じてしまう場合がある。このような大きな空隙6が生じると、空隙6の影響により導体2とシールド層4間の誘電率や距離にばらつきが生じ、ケーブル長手方向の特性インピーダンスが変化して伝送特性が劣化してしまうおそれが生じる。
そこで、本実施の形態では、第2絶縁層32の厚さが第1絶縁層31の厚さの3倍以上である場合に、第2絶縁層32を少なくとも2層に分けて形成することに着目し、第1絶縁層31と第2絶縁層32との間に大きな空隙6が発生してしまうことを抑制した。すなわち、第2絶縁層32は、第1絶縁層31の側周を囲うように、第1絶縁層31に対して非接着に設けられた最内層としての空隙抑制層32aと、空隙抑制層32aの側周を囲うように、空隙抑制層32aに対して接着して設けられた外層32bと、を有している。
このとき、空隙抑制層32aの厚さは、空隙抑制層32aが形成されたあとの空隙抑制層32aの冷却において、空隙抑制層32aの内面(第1絶縁層31の外面と対向する面)と空隙抑制層32aの外面(外層32bと接触する面)との冷却時間の差が小さくなる程度の厚さにするとよい。これにより、ケーブル1では、空隙抑制層32aの内面が空隙抑制層32aの外面側へ収縮するのを抑制された状態で、空隙抑制層32aが第1絶縁層31の側周に設けられることになる。そのため、ケーブル1では、第2絶縁層32と第1絶縁層31との間に大きな空隙6が生じることを抑制することができる。
なお、図1に示されるように、第1絶縁層31と第2絶縁層32(空隙抑制層32a)間には、わずかな空隙6が残る。例えば、空隙6は、第1絶縁層31の外面から第2絶縁層32の内面(空隙抑制層32aの内面)までの間の直線距離が導体2を構成する金属素線の外径よりも小さくなる大きさで構成されており、より具体的には、上記直線距離が金属素線の外径の1/4倍より小さい大きさで構成される。ただし、この空隙6は非常に小さいため、伝送特性への影響は最小限に抑えられる。また、わずかに空隙6が残ることで、同軸ケーブル1の屈曲時に第1絶縁層31と第2絶縁層32とが独立して動きやすくなり、同軸ケーブル1の耐屈曲性・捻回性をより向上することが可能になる。
空隙抑制層32aと外層32bとは、それぞれ充実押出により形成される。すなわち、第1絶縁層31をチューブ押出により形成した後、第1絶縁層31の周囲を囲むように充実押出により空隙抑制層32aを形成し、その後、空隙抑制層32aの周囲を囲むように充実押出により外層32bを形成することで、第2絶縁層32が形成される。空隙抑制層32aと外層32bとを充実押出で形成することにより、ケーブル長手方向に対する絶縁層3の同心率を85%以上とすることができる。これにより、同軸ケーブル1の特性インピーダンスがケーブル長手方向で変化しにくくなり、伝送特性の向上を図ることができる。
本実施の形態では、空隙抑制層32aと外層32bとを、同じ樹脂組成物(ポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物)から構成している。空隙抑制層32aと外層32bとは、外層32bを押出成形する際の熱により溶融一体化し互いに接着されるが、空隙抑制層32aと外層32bとの境界には線(長手方向に垂直な断面において円形状の線)32cがあらわれるため、この線の有無により、本実施の形態のように第2絶縁層32を2層構成としているか否かを判断することができる。
なお、本実施の形態では、空隙抑制層32aと外層32bとを、同じ樹脂組成物で構成したが、これに限らず、空隙抑制層32aと外層32bとを、異なる樹脂組成物で構成してもよい。ただし、空隙抑制層32aと外層32bとの間に空隙が生じることを抑制するため、外層32bの押出成形時の熱により空隙抑制層32aと外層32bとが溶融一体化され接着される樹脂組成物の組み合わせとするとよい。例えば、空隙抑制層32aにポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物を用い、外層32bにポリエチレンを主成分とする樹脂組成物を用いることができる。外層32bを構成する樹脂組成物は、空隙抑制層32aを構成する樹脂組成物よりも融点が低いことにより、空隙抑制層32aと外層32bとが溶融一体化され接着されやすくなる。また、空隙抑制層32aを構成する樹脂組成物は、外層32bを構成する樹脂組成物よりも硬いことが望ましい。
また、空隙抑制層32aを厚くし過ぎると、空隙抑制層32aと第1絶縁層31との間に大きな空隙6が発生するおそれがあるため、空隙抑制層32aは比較的薄く形成する必要がある。具体的には、空隙抑制層32aの厚さは、第1絶縁層31の厚さの2倍以上4倍以下とすることが望ましい。
また、空隙抑制層32aの厚さは、外層32bの厚さと同じか、それより小さい(薄い)ことが望ましい。つまり、外層32bの厚さは、空隙抑制層32aの厚さと同じか、それよりも大きいとよい。換言すれば、空隙抑制層32aの厚さは、第2絶縁層32全体の厚さの半分以下であることが望ましい。本実施の形態では、第2絶縁層32全体の厚さを約0.88mmとしたが、この場合、空隙抑制層32aの厚さは0.44mm以下であるとよい。空隙抑制層32aの厚さを上述した厚さとすることで、第1絶縁層31と第2絶縁層32との間に大きな空隙6が発生することを抑制することができる。
(同軸ケーブル1の製造方法)
同軸ケーブル1を製造する際には、図3に示すように、まず、ステップS1にて、複数本の金属素線2aを集合撚りして導体2を形成する導体形成工程を行う。その後、ステップS2にて、絶縁層3を形成する絶縁体形成工程を行う。
同軸ケーブル1を製造する際には、図3に示すように、まず、ステップS1にて、複数本の金属素線2aを集合撚りして導体2を形成する導体形成工程を行う。その後、ステップS2にて、絶縁層3を形成する絶縁体形成工程を行う。
ステップS2の絶縁層形成工程では、まず、ステップS21にて、チューブ押出成形により、導体2の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物(ここでは、フッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物)からなる第1絶縁層31を形成する第1絶縁層形成工程を行う。その後、ステップS22にて、第1絶縁層31の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層32を形成する第2絶縁層形成工程を行う。
ステップS22の第2絶縁層形成工程では、ステップS221にて、充実押出成形により、第1絶縁層31の側周を囲うように、第1絶縁層31よりも融点が低い樹脂組成物(ここでは、ポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物)を形成することで、第1絶縁層31に対して非接着に空隙抑制層32aを設ける空隙抑制層形成工程を行う。なお、ステップS221では、第1絶縁層31の側周に樹脂組成物を充実押出した後、押出された樹脂組成物を水冷等で冷却することで空隙抑制層32aを形成する。空隙抑制層32aを形成する際、第1絶縁層31の側周に充実押出された樹脂組成物の厚さは、第1絶縁層31の外面と対向する面とケーブル径方向外側の面との冷却時間の差が小さくなる厚さにすることで、空隙抑制層32aの内面が空隙抑制層32aの外面側へ収縮することを抑制された状態で空隙抑制層32aを形成することができる。これにより、第1絶縁層31と空隙抑制層32aとの間に大きな空隙6が形成されることを抑制できる。その後、ステップS222にて、充実押出成形により、空隙抑制層32aの側周を囲うように、空隙抑制層32aに対して接着して外層32bを設ける外層形成工程を行う。外層形成工程を行うことにより、充実押出成形の際の熱により空隙抑制層32aと外層32bとが溶融一体化し、第2絶縁層32が形成される。なお、ステップS222では、空隙抑制層32aの側周に樹脂組成物を充実押出した後、押出された樹脂組成物を水冷等で冷却することで外層32bを形成する。
その後、ステップS3にて、絶縁層3の側周を囲うように、シールド層4を形成するシールド層形成工程を行う。本実施の形態では、絶縁層3の側周を囲うように、第1編組シールド41と第2編組シールド42とを順次積層し、2層構造のシールド層4を形成する。その後、ステップS4にて、シールド層4の側周を囲うように、シース5を形成するシース形成工程を行う。シース形成工程では、チューブ押出成形により、シース5を形成するとよい。これにより、シース5を構成する樹脂材料がシールド層4に流れ込むことが抑制され、同軸ケーブル1を屈曲させた場合に、シース5とシールド層4とが独立して動くことが可能になるため、耐屈曲性・捻回性が向上する。以上により、図1の同軸ケーブル1が得られる。
(伝送特性試験及び屈曲試験)
図1の同軸ケーブル1を作製し、作製した実施例の同軸ケーブル1について、伝送特性試験及び屈曲試験を行った。伝送特性試験において、特性インピーダンスは、TDR法を用いて試験した。また、減衰量及びリターンロスは、ネットワークアナライザを用いて試験した。
図1の同軸ケーブル1を作製し、作製した実施例の同軸ケーブル1について、伝送特性試験及び屈曲試験を行った。伝送特性試験において、特性インピーダンスは、TDR法を用いて試験した。また、減衰量及びリターンロスは、ネットワークアナライザを用いて試験した。
屈曲試験は、図4に示すように、試料となる同軸ケーブル1の下端に荷重W=2N(0.2kgf)の錘を吊り下げ、同軸ケーブル1の左右に湾曲した形の曲げジグ100を取り付けた状態で、曲げジグ100に沿って左右方向に向けて屈曲角±90°の曲げを加えるように同軸ケーブル1を屈曲させることで行った。屈曲R(曲げ半径)は、同軸ケーブル1の外径の約5倍の20mmとした。屈曲速度は30回/分とし、屈曲回数は左右方向への1往復を1回としてカウントした。そして、同軸ケーブル1の屈曲を繰り返し、適宜回ごとに同軸ケーブル1の両端間で導体2とシールド層4それぞれの導通を調べ、抵抗値が試験前の抵抗値(初期の抵抗値)に対して20%増加したときに破断が生じたものとみなし、そのときの屈曲回数を屈曲寿命とした。
同様にして、第2絶縁層を1層構成(図2に示すような空隙抑制層が設けられていない構成)とした以外は実施例と同じ構成の比較例の同軸ケーブルを作製し、実施例と同様に伝送特性試験及び屈曲試験を行った。伝送特性試験の結果をまとめて表1に示す。表1では、各試験項目で合格を判断する閾値(合格値)も併せて示す。
表1に示すように、実施例の同軸ケーブル1では、伝送特性が合格を判断する閾値(合格値)を満足していることが確認された。これに対して、比較例の同軸ケーブルでは、伝送特性(特性インピーダンス及び減衰量)が合格値を満足しなかった。これは、第1絶縁層31と第2絶縁層32間に大きな空隙6が生じたことが原因と考えられる(図2参照)。
また、屈曲試験では、実施例の同軸ケーブル1,比較例の同軸ケーブルともに屈曲回数が100万回に到達した時点において、初期の抵抗値とほぼ変わらない抵抗値であり、屈曲寿命に至らなかった。特に、実施例の同軸ケーブル1では、屈曲回数が150万回に到達した時点においても、初期の抵抗値とほぼ変わらない抵抗値であり、屈曲寿命に至らなかった。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、絶縁層3が、導体2の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層31と、第1絶縁層31の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層32と、を有し、第2絶縁層32は、第1絶縁層31の側周を囲うように、第1絶縁層31に対して非接着に設けられた空隙抑制層32aと、空隙抑制層32aの側周を囲うように、空隙抑制層32aに対して接着して設けられた外層32bと、を有している。
以上説明したように、本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、絶縁層3が、導体2の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層31と、第1絶縁層31の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層32と、を有し、第2絶縁層32は、第1絶縁層31の側周を囲うように、第1絶縁層31に対して非接着に設けられた空隙抑制層32aと、空隙抑制層32aの側周を囲うように、空隙抑制層32aに対して接着して設けられた外層32bと、を有している。
第1絶縁層31と第2絶縁層32(空隙抑制層32a)とを非接着とすることで、同軸ケーブル1を屈曲させた場合に、第1絶縁層31と第2絶縁層32(空隙抑制層32a)とが独立して動くことが可能になり、第1絶縁層31が第2絶縁層32からの引張力を受け難くなるため、耐屈曲性・捻回性が向上する。また、第2絶縁層32を空隙抑制層32aと外層32bの2層構造とすることで、第1絶縁層31と第2絶縁層32間に大きな空隙6が生じることを抑制することが可能となり、空隙6の影響による伝送特性の劣化を抑制し、良好な伝送特性を実現可能になる。また、第1絶縁層31と第2絶縁層32とを非発泡の樹脂組成物で構成することにより、同軸ケーブル1を屈曲・捻回させた際に絶縁層3が潰れにくくなり、屈曲・捻回による伝送特性の劣化を抑制できる。すなわち、本実施の形態によれば、良好な伝送特性を有し、屈曲や捻回によって断線しにくい同軸ケーブル1を実現できる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]導体(2)と、前記導体(2)の側周を囲うように設けられた絶縁層(3)と、前記絶縁層(3)の側周を囲うように設けられたシールド層(4)と、前記シールド層(4)の側周を囲うように設けられたシース(5)と、を備え、前記絶縁層(3)は、前記導体(2)の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層(31)と、前記第1絶縁層(31)の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層(32)と、を有し、前記第2絶縁層(32)の厚さは、前記第1絶縁層(31)の厚さの3倍以上であり、前記第2絶縁層(32)は、前記第1絶縁層(31)の側周を囲うように、前記第1絶縁層(31)に対して非接着に設けられ、前記第1絶縁層(31)と前記第2絶縁層(32)との間の空隙を抑制する空隙抑制層(32a)と、前記空隙抑制層(32a)の側周を囲うように、前記空隙抑制層(32a)に対して接着して設けられた外層(32b)と、を有する、同軸ケーブル(1)。
[2]前記第1絶縁層(31)が、非充実押出層である、[1]に記載の同軸ケーブル(1)。
[3]前記外層(32b)の厚さが、前記空隙抑制層(32a)の厚さよりも大きい、[1]または[2]に記載の同軸ケーブル(1)。
[4]前記空隙抑制層(32a)と前記外層(32b)とが、同じ樹脂組成物から構成されている、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の同軸ケーブル(1)。
[5]前記第1絶縁層(31)が、フッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、前記第2絶縁層(32)を構成する前記空隙抑制層(32a)と前記外層(32b)とが、ポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物からなる、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の同軸ケーブル(1)。
[6]前記シールド層(4)は、編組シールドを複数層積層して構成されている、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の同軸ケーブル(1)。
[7]前記絶縁層(3)は、前記第1絶縁層(31)と前記第2絶縁層(32)との間に空隙(6)を有し、前記空隙(6)は、前記第1絶縁層(31)の外面から前記第2絶縁層(32)の内面までの間の直線距離が前記導体(2)を構成する金属素線の外径よりも小さい大きさからなる、[1]乃至[6]の何れか1項に記載の同軸ケーブル(1)。
[8]導体(2)と、前記導体(2)の側周を囲うように設けられた絶縁層(3)と、前記絶縁層(3)の側周を囲うように設けられたシールド層(4)と、前記シールド層(4)の側周を囲うように設けられたシース(5)と、を備えた同軸ケーブル(1)の製造方法であって、前記絶縁層(3)を形成する工程は、チューブ押出成形により、前記導体(2)の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層(31)を形成する工程と、前記第1絶縁層(31)の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層(32)を形成する工程と、を有し、前記第2絶縁層(32)を形成する工程は、充実押出成形により、前記第1絶縁層(31)の側周を囲うように、前記第1絶縁層(31)に対して非接着に空隙抑制層(32a)を設ける工程と、充実押出成形により、前記空隙抑制層(32a)の側周を囲うように、前記空隙抑制層(32a)に対して接着して外層(32b)を設ける工程と、を有する、同軸ケーブルの製造方法。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、同軸ケーブル1が、産業用ロボット等のカメラセンサの信号伝送用として用いられる場合を説明したが、同軸ケーブル1の用途はこれに限定されない。本発明は、小スペースに配線されて高稼働率で繰り返し屈曲や捻回を受ける条件下で用いられる同軸ケーブルに適用して非常に有効なものであり、カメラセンサの信号伝送用以外の用途にも適用可能である。
また、上記実施の形態では言及しなかったが、絶縁層3は、外層32bよりも外側に、さらに1層以上の絶縁層を有していてもよい。すなわち、外層32bは絶縁層3の最外層でなくてもよい。
1…同軸ケーブル
2…導体
2a…金属素線
3…絶縁層
31…第1絶縁層
32…第2絶縁層
32a…空隙抑制層
32b…外層
4…シールド層
5…シース
2…導体
2a…金属素線
3…絶縁層
31…第1絶縁層
32…第2絶縁層
32a…空隙抑制層
32b…外層
4…シールド層
5…シース
Claims (8)
- 導体と、
前記導体の側周を囲うように設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の側周を囲うように設けられたシールド層と、
前記シールド層の側周を囲うように設けられたシースと、を備え、
前記絶縁層は、前記導体の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層と、前記第1絶縁層の側周を囲うように設けられた非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層と、を有し、
前記第2絶縁層の厚さは、前記第1絶縁層の厚さの3倍以上であり、
前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層の側周を囲うように、前記第1絶縁層に対して非接着に設けられ、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間の空隙を抑制する空隙抑制層と、前記空隙抑制層の側周を囲うように、前記空隙抑制層に対して接着して設けられた外層と、を有する、
同軸ケーブル。 - 前記第1絶縁層が、非充実押出層である、
請求項1に記載の同軸ケーブル。 - 前記外層の厚さが、前記空隙抑制層の厚さよりも大きい、
請求項1または2に記載の同軸ケーブル。 - 前記空隙抑制層と前記外層とが、同じ樹脂組成物から構成されている、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の同軸ケーブル。 - 前記第1絶縁層が、フッ素樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、
前記第2絶縁層を構成する前記空隙抑制層と前記外層とが、ポリプロピレンを主成分とする樹脂組成物からなる、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の同軸ケーブル。 - 前記シールド層は、編組シールドを複数層積層して構成されている、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の同軸ケーブル。 - 前記絶縁層は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に空隙を有し、前記空隙は、前記第1絶縁層の外面から前記第2絶縁層の内面までの間の直線距離が前記導体を構成する金属素線の外径よりも小さい大きさからなる、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の同軸ケーブル。 - 導体と、
前記導体の側周を囲うように設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の側周を囲うように設けられたシールド層と、
前記シールド層の側周を囲うように設けられたシースと、を備えた同軸ケーブルの製造方法であって、
前記絶縁層を形成する工程は、
チューブ押出成形により、前記導体の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層の側周を囲うように、非発泡の樹脂組成物からなる第2絶縁層を形成する工程と、を有し、
前記第2絶縁層を形成する工程は、
充実押出成形により、前記第1絶縁層の側周を囲うように、前記第1絶縁層に対して非接着に空隙抑制層を設ける工程と、
充実押出成形により、前記空隙抑制層の側周を囲うように、前記空隙抑制層に対して接着して外層を設ける工程と、を有する、
同軸ケーブルの製造方法。
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