JP2023043724A - 半導体加工用テープ、及び半導体チップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザーグルービング特性とウェハ密着性とを両立しながらも非加熱水での水洗除去を可能とする半導体加工用テープ及びこの半導体加工用テープを用いた半導体チップの製造方法を提供する。【解決手段】重量平均分子量が20万以上の高分子化合物及びオキサジン構造を含む硬化性化合物を含有する水溶性フィルム5と、半導体ウェハ1の回路面1Aを保護する表面保護テープ4とを積層した半導体加工用テープ並びにこの半導体加工用テープを用いた半導体チップの製造方法であって、半導体加工用テープの水溶性フィルムを回路面に非加熱下で貼合した半導体ウェハについて、水溶性フィルムを硬化させる工程と、硬化した水溶性フィルムをレーザー照射により切断して溝を形成する工程と、半導体ウェハをプラズマ処理する工程と、切断された水溶性硬化フィルムを非加熱水で洗浄する工程と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体加工用テープ、及び半導体チップの製造方法に関する。
近年、半導体チップの薄膜化、小チップ化は急速に進展している。特に、メモリカードやスマートカードのような半導体ICチップが内蔵されたICカードの場合、半導体チップの厚さとしては75μm以下が要求される。LED・LCD駆動用デバイス等においては小チップ化が進み、0.5mm×0.5mm以下のチップも存在する。今後これらの需要が増えるにつれて、半導体チップの薄膜化、小チップ化のニーズはより一層高まるものと考えられる。
従来、半導体チップは、半導体ウェハをバックグラインド工程やエッチング工程等において所定厚みに薄膜化した後、ダイシング工程にてチップ化する方法によって、製造されていた。このダイシング工程においては、半導体ウェハをダイシングブレードによって切断するブレードカット方式が適用されるのが一般的である。この場合、切断時にはブレードによる切削抵抗が半導体ウェハに直接作用するため、この切削抵抗によって半導体チップに微小な欠け(チッピング)が発生することがある。このチッピング発生は半導体チップの外観を損なうだけでなく、場合によってはチップ上の回路パターンまで破損してしまう可能性がある。特に、上述の薄膜化又は小チップ化した半導体チップには、許容されるチッピングレベルも厳しくなってくるため、チッピング発生の問題は今後より一層深刻になる。また、ブレードカット方式ではブレード幅(ストリート、スクライブラインともいう。)が比較的大きくなるため、半導体ウェハを効率よく活用できないという問題もある。
上述のチッピングの発生は解決すべき重要な問題の1つとして捉えられ、チッピングの発生を防止する種々の技術がこれまで検討されてきた。
例えば、レーザーを半導体ウェハに照射して切断するレーザーダイシング法や、バックグラインド工程に先立ってブレードによるハーフカットやレーザーによる改質を行い、バックグラインド工程と並行して個片化を行う先ダイシング法が提案されている。このようなダイシング法においては、レーザー照射によって発生する半導体ウェハの熱分解物等(例えばシリコン残渣)が半導体ウェハ上に残存又は堆積して、欠陥となることが知られている。このような熱分解物等の残存又は堆積を抑制しながらも、レーザー照射による熱から半導体ウェハを保護するシート等が提案されている。例えば、特許文献1には、「レーザーダイシング用保護シートであって、基体シートと、前記基体シートの上面に」、「(A)水溶性ポリマーと、(B)架橋剤と、を含み、前記(A)水溶性ポリマーの重量平均分子量(Mw)が10000~150000であることを特徴とする」「レーザーダイシング用保護膜組成物を塗布して形成した保護層と、を含み、前記保護層の厚みが100~5000nmであることを特徴とする、レーザーダイシング用保護シート」が記載されている。しかし、上述のダイシング法においても、半導体ウェハを個片化するには、最終的に物理的に割裂する必要があり、チッピングの発生を効果的に抑制できるものではない。
また、プラズマ化したフッ素ガスを噴射して半導体ウェハを切断するプラズマダイシング法も提案されている。プラズマダイシング法は、プラズマの照射により半導体ウェハを分割して個片化できるためチッピングの発生を効果的に抑制することができる。しかも、プラズマダイシング法は、小さな幅で、しかも直線性が高いストリートを形成できるため、半導体ウェハを効率よく活用でき、その利点は大きい。プラズマダイシング法に用いる保護シートとして、例えば、特許文献2に、「紫外線硬化可能な粘着層を介して表面保護テープと水溶性フィルムを積層したフィルムであって、前記水溶性フィルムが水溶性ポリマーの部分けん化により製膜され、常温の水には溶解せず60℃~100℃の温水に可溶であることを特徴とするフィルム」が記載されている。
特許第6055494号公報 特開2010-165963号公報
しかし、プラズマダイシング法の適用に際しては、特許文献2のように、バックグラインド工程後に剥離される表面保護テープとは別に、半導体ウェハのストリート以外の部分をプラズマから保護するためのマスク部材が必要となる。
半導体ウェハ上に配置されたマスク部材は、グルービング工程により、その切断予定領域部分(ストリート上に位置する部分)のみが除去されることで、半導体ウェハのストリートにプラズマの照射(暴露)が可能となる。そのため、プラズマダイシング法に用いるマスク部材は、プラズマダイシングに先立ってレーザーグルービングによってストリート(溝)が形成される。このとき、マスク部材には、レーザー照射により発生する熱に対して変形しにくい耐熱性が求められる。また、マスク部材は、半導体ウェハへの密着性を高めるため流動性を付与しており、経時によって特に変形しやすい。しかし、半導体チップの実製造においては、工程設計の自由度を確保するため等の特有の事情によって、各工程を一気通貫して実施しないこともあり、例えば、レーザーグルービング工程とプラズマエッチング工程とを連続して実施しないこともある。このような実製造での事情にも対応可能としながらも、プラズマダイシング工程を所望のように実施するうえで、マスク部材は、少なくともストリートの経時変形を抑制する経時変形抑制特性を有していることが望ましい。しかし、マスク部材に耐熱性と経時変形抑制特性(両特性を併せて「レーザーグルービング特性」という。)を発現させるため耐熱性又は経時変形抑制特性が高い材料でマスク部材を形成すると、一般に、半導体ウェハに対する密着性、更には後述する水洗除去性が低下するというトレードオフの問題がある。
また、プラズマダイシング法に用いるマスク部材は、ダイシング工程が終了後に除去する必要がある。例えば、特許文献2には、フィルムを温水可溶性とすることにより、温水洗浄にてフィルムを除去できると記載されている。しかし、特許文献2に記載のフィルムは、水溶性フィルムの貼合時及び水溶性フィルムの除去工程時に60~100℃に加熱する工程が必要となり、作業が煩雑となる。
本発明は、レーザーグルービング特性とウェハ密着性とを両立しながらも非加熱水での水洗除去を可能とする半導体加工用テープを提供することを課題とする。また、本発明は、上記半導体加工用テープを用いて、半導体チップを簡便に製造できる方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、重量平均分子量が20万以上の高分子化合物とオキサジン構造を含む硬化性化合物とを含有する水溶性フィルムをプラズマダイシング用マスク部材として、バックグラインド工程において半導体ウェハの回路面を保護する表面保護テープに積層一体化して、半導体加工用テープとすることにより、レーザーグルービング特性とウェハ密着性とを両立しながらも水溶性フィルムを非加熱水での水洗除去を可能とすることを見出した。また、この半導体加工用テープを、レーザーグルービング工程及びプラズマダイシング工程を含む半導体チップの製造方法に用いることにより、半導体チップを簡便に製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ねて完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は下記の手段により解決される。
<1>重量平均分子量が20万以上の高分子化合物、及びオキサジン構造を含む硬化性化合物を含有する水溶性フィルムと、半導体ウェハの回路面を保護する表面保護テープとを積層した半導体加工用(未硬化)テープ。
<2>前記オキサジン構造を含む硬化性化合物が(メタ)アクリロイル基を有する、<1>に記載の半導体加工用テープ。
<3>前記水溶性フィルムを硬化させた際の、30℃の水100g中で10分間浸漬したときのゲル分率が10%以下である、<1>又は<2>に記載の半導体加工用テープ。
<4>前記水溶性フィルムにおける、前記高分子化合物100質量部に対する前記オキサジン構造を含む硬化性化合物の含有量が100~300質量部である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の半導体加工用テープ。
<5>上記<1>~<4>のいずれか1項に記載の半導体加工用テープにおける前記水溶性フィルムを半導体ウェハの回路面に非加熱下で貼合した前記半導体ウェハの裏面を研削する工程(a)と、
前記半導体加工用テープにおける前記水溶性フィルムに表面保護テープ側から放射線を照射して、水溶性フィルムを硬化させる工程(FC)と、
前記半導体ウェハを、リングフレームを介して、ダイシングテープに支持固定する工程(b)と、
前記半導体加工用テープにおける表面保護テープを硬化後の前記水溶性フィルムから剥離して、該水溶性フィルムを露出させる工程(c)と、
前記硬化後の水溶性フィルムに前記半導体ウェハの切断予定領域に沿ってレーザーを照射して切断し、溝を設ける工程(d)と、
工程(d)で切断された前記水溶性フィルム側から前記半導体ウェハをプラズマ処理して、前記半導体ウェハを個片化する工程(e)と、
前記切断された水溶性フィルムを非加熱水で洗浄して、溶解、除去する工程(f)と、
を有する、半導体チップの製造方法。
本発明は、レーザーグルービング特性とウェハ密着性とを両立しながらも非加熱水での水洗除去を可能とする半導体加工用テープを提供できる。また、本発明は、上記半導体加工用テープを用いて、半導体チップを簡便に製造できる方法を提供できる。
図1は、本発明の半導体加工用テープの好適な一実施形態を示す概略縦断面図である。 図2は、本発明の半導体チップの製造方法における工程(a)及び工程(FC)を説明する概略縦断面図である。 図3は、本発明の半導体チップの製造方法における工程(b)~工程(d)を説明する概略縦断面図である。 図4は、本発明の半導体チップの製造方法における工程(e)及び工程(f)、更にピックアップ工程を説明する概略縦断面図である。
本発明において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルの一方又は両方を意味する。(メタ)アクリレートについても同様である。
本発明において、「水溶性フィルム」は、放射線硬化性を有しており、特に断らない限り、オキサジン構造を含む硬化性化合物を含有する「未硬化の水溶性フィルム」(水溶性未硬化フィルムということもある。)と、放射線照射によりオキサジン構造を含む硬化性化合物の硬化物を含有する「硬化後の水溶性フィルム」(水溶性硬化フィルムということもある。)とを含む。また、本発明において、「半導体加工用テープ」というときは、特に断らない限り、水溶性フィルムとして水溶性未硬化フィルムを有する半導体加工用テープ(半導体加工用未硬化テープ)と、水溶性硬化フィルムを有する半導体加工用テープ(半導体加工用硬化テープ)とを含む。本発明において、放射線とは、紫外線のような光線、又は電子線のような電離性放射線を意味するが、好ましくは紫外線である。
[半導体加工用テープ]
本発明の半導体加工用テープは、水溶性フィルムと表面保護テープとを有する積層テープであり、半導体チップの製造方法、水溶性フィルムに着目すると後述する工程(d)(レーザーグルービング工程)及び工程(e)(プラズマダイシング工程)に、好適に用いられる。そのため、本発明の半導体加工用テープは半導体ウェハ加工用テープともいうことができる。
半導体加工用未硬化テープは、重量平均分子量が20万以上の高分子化合物、及びオキサジン構造を含む硬化性化合物を含有する水溶性未硬化フィルムと、半導体ウェハの回路面を保護する表面保護テープとを積層して一体化した層構造を有するテープである。この半導体加工用未硬化テープは表面保護テープと水溶性未硬化フィルムとが一体化しているため、半導体チップの製造方法に用いる際に、表面保護テープと水溶性未硬化フィルムとを一度に半導体ウェハに貼合でき、作業効率を高めることができる。一方、半導体加工用硬化テープは、重量平均分子量が20万以上の高分子化合物、及びオキサジン構造を含む硬化性化合物の硬化物を含有する水溶性硬化フィルムと、表面保護テープとを積層して一体化した層構造を有するテープである。
本発明の半導体加工用テープは、上記構成を有していればよく、その他の構成は特に制限されない。例えば、水溶性フィルム及び/又は表面保護テープの表面に保護層等を有していてもよい。また、水溶性フィルム、表面保護テープ等のフィルム若しくは各層は単層構造でも2層以上の複層構造でもよい。
本発明の好適な一実施形態である半導体加工用テープ3は、図1に示されるように、基材フィルム4A及び粘着剤層4Bを含む表面保護テープ4と水溶性フィルム5とが粘着剤層4Bを介して互いに接した状態で積層された3層構造を有している。
本発明の半導体加工用テープにおいて、全厚、及び各層の厚さは、用途等に応じて適宜に設定される。例えば、半導体加工用テープの全厚(各層の合計厚さ)は100~800μmとすることができる。
本発明の半導体加工用テープは、通常、長尺の帯状体とされるが、用途等に応じて、短冊状、シート状、紐状等の形状、更には貼合する半導体ウェハに適した適宜の形状にすることもできる。半導体加工用テープの長さ及び幅は、適宜に設定され、一例を挙げると、長さは20m以上とすることができ、幅は200~400mmとすることができる。
半導体加工用テープは、例えば、水溶性フィルムと表面保護テープとを作製し、これらを積層して粘着剤層により粘着させて、作製することができる。
本発明の半導体加工用テープは、上記構成を有することにより、半導体加工用未硬化テープの態様において、水洗除去性、ウェハ密着性及び耐熱性を示し、半導体加工用硬化テープの態様(水溶性フィルム(オキサジン構造を含む硬化性化合物)を硬化した態様)において、これら特性を維持しながらも経時変形抑制特性を発現する。
上記層構成を有する半導体加工用テープにおける、水溶性フィルムと表面保護テープ(表面保護テープが粘着剤層を有する場合は粘着剤層)との間の剥離力(23℃での180°剥離力)は、半導体ウェハの裏面を研削する工程(a)では密着性を維持して剥離せず、かつ水溶性硬化フィルムに溝を設ける工程(d)の前に表面保護テープを水溶性硬化フィルムから容易に剥離できる程度に、設定される。この剥離力は、一義的に決定されるものではないが、表面保護テープの水溶性硬化フィルムからの剥離性の点からは、その上限値が、例えば、2N/25mm以下であることが好ましく、1N/25mm以下であることがより好ましく、0.5N/25mm以下であることが更に好ましい。一方、研削する工程での密着性の点からは、その下限値が、例えば、0.1N/25mmを超えることが好ましく、0.2N/25mm以上であることがより好ましい。
上記剥離力は、表面保護テープの粘着剤層が放射線硬化型粘着剤を含有する場合、硬化前の粘着剤層は例えば上記下限値を満たす剥離力で水溶性未硬化フィルムと強固に密着し、一方、硬化後の粘着剤層は例えば上記上限値を満たす剥離力となることが好ましい。
上記組成を有する水溶性フィルムは、通常、表面保護テープの粘着剤層に対して0.1N/25mmの剥離力を示しており、上記剥離力は水溶性フィルム若しくは粘着剤層の組成を変更することにより適宜に設定できる。
剥離力は次の測定方法によって測定された値とする。すなわち、本発明の半導体加工用テープを幅25mmに切り出して、ストログラフVG1F(商品名、東洋精機社製)を用いて、23℃で、剥離角180°、剥離速度300mm/minの条件で、水溶性フィルムと表面保護テープ(粘着剤層)とを剥離したときの、最大剥離力を測定する。上記条件以外の条件は日本産業規格(JIS) Z 0237:2009に準拠する。こうして得られた最大剥離力(N/25mm)を半導体加工用テープ剥離力とする(N/25mm)。
(水溶性フィルム)
水溶性フィルムは、本発明の半導体チップの製造方法におけるプラズマ処理工程において用いられるマスクパターンを形成するためのものであり、例えばフッ素系ガスを用いたプラズマに対して耐性を有している。この水溶性フィルムは水溶性も示す。水溶性フィルムが示す水溶性は、非加熱水(通常純水)、例えば60℃未満の水、好ましくは40℃以下の水に対して溶解する特性であればよい。水温の下限値は、特に制限されないが、通常、15℃とすることができ、好ましくは20℃である。この水溶性は、具体的には、実施例における水洗除去性試験において、水溶性フィルムが水に溶解して糊残りなく除去可能となる特性とする。このような水溶性を示す水溶性フィルムを有する半導体加工用テープを、プラズマダイシング工程を有する半導体チップの製造方法に用いると、所定のマスクを形成して半導体ウェハ(回路面)のストリート以外の部分をプラズマから保護する特性を維持しながら、ダイシング工程終了後に簡便に除去できる。
水溶性未硬化フィルムは、重量平均分子量が20万以上の高分子化合物、及びオキサジン構造を含む硬化性化合物を含有しており、水溶性硬化フィルムは、重量平均分子量が20万以上の高分子化合物、及びオキサジン構造を含む硬化性化合物の硬化物を含有している。
水溶性フィルムが含有する高分子化合物は、通常、ポリマーであり、好ましくは水溶性ポリマーである。水溶性ポリマーが示す水溶性は、水溶性フィルムが上記水溶性を発現できれば特に制限されない。高分子化合物としては、特に制限されないが、好ましくは、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)などの水溶性ポリマーを用いることができる。ポリビニルアルコールは、水溶性フィルムに求められる水溶性に応じて鹸化されていてもよい。高分子化合物としてのポリマーは、通常、非架橋体として用いられ、これにより、非加熱水に対する十分な水溶性を示す。
高分子化合物の重量平均分子量は20万以上である。オキサジン構造を含む硬化性化合物又はその硬化物と併用する高分子化合物の重量平均分子量を20万以上とすることにより、水溶性フィルムにレーザーグルービング特性、ウェハ密着性及び水洗除去性を付与できる。高分子化合物の重量平均分子量は、レーザーグルービング特性、ウェハ密着性及び水洗除去性を高い水準でバランスよく鼎立できる点で、20万~300万であることが好ましく、30万~200万であることがより好ましく、30万~100万であることが更に好ましい。高分子化合物の重量平均分子量は、実施例で説明する方法で測定したときの値とする。なお、高分子化合物(ポリマー)を重合度で特定すると、高分子化合物を構成する各構成成分の分子量にもよるが、例えば、200~10000とすることができる。
水溶性未硬化フィルムが含有する、オキサジン構造を含む硬化性化合物は、放射線硬化剤として機能する化合物であって、オキサジン構造と重縮合部位(官能基)とを有していることが好ましい。
オキサジン構造は、1つの酸素原子と1つの窒素原子を含み、2つの不飽和結合を有する6員複素環構造に加えて、更に不飽和結合の1つ又は2つが還元された6員複素環構造も包含する。具体的には、2つの不飽和結合を有する6員複素環構造として、1,2-オキサジン、1,3-オキサジン及び1,4-オキサジンが挙げられ、還元された6員複素環構造として、ジヒロド若しくはテトラヒドロ-1,2-オキサジン、ジヒロド若しくはテトラヒドロ-1,3-オキサジン及びジヒロド若しくはテトラヒドロ-1,4-オキサジンが挙げられる。オキサジン構造は、1つの酸素原子と1つの窒素原子を含む6員飽和複素環構造(テトラヒドロオキサジン)が好ましく、テトラヒドロ-1,4-オキサジン(モルホリン)がより好ましい。
重縮合部位としては、重合性若しくは縮合性の部位(重合性官能基若しくは縮合性官能基)であることが好ましく、重合性官能基が好ましい。重合性官能基としては、エチレン性不飽和結合、エポキシ基等が好ましく挙げられ、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、グリシジル基が挙げられる。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
オキサジン構造と重縮合部位とは直接又は連結基を介して結合している。オキサジン構造の結合位置は、特に制限されないが、窒素原子であることが好ましい。連結基としては、特に制限されず、例えば、アルキレン基(炭素数は1~12が好ましい)、アルケニレン基(炭素数は2~6が好ましい)、アリーレン基(炭素数は6~24が好ましい)、酸素原子、硫黄原子、-NR-基(Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数6~10のアリール基を示す。)、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
オキサジン構造を含む硬化性化合物は、オキサジン構造、重縮合部位、適宜に連結基を組み合わせた化合物を採用できるが、オキサジン構造を有する重合性化合物が好ましく、オキサジン構造と(メタ)アクリロイル基とを有する重合性化合物がより好ましく、(メタ)アクリロイルモルホリンが更に好ましい。
オキサジン構造を含む硬化性化合物は、オキサジン構造、重縮合部位及び連結基のいずれかに置換基を有していてもよい。
水溶性硬化フィルムが含有する、オキサジン構造を含む硬化性化合物の硬化物は、上記オキサジン構造を含む硬化性化合物を硬化して得られる化合物(通常、ポリマー)であればよく、重縮合部位に応じて適宜の硬化物を形成する。具体的には、重合反応による硬化物(重合体)又は縮合反応による硬化物(縮合体)が挙げられる。
水溶性フィルム中における高分子化合物、及びオキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物の含有量は、特に制限されず、適宜に決定される。例えば、水溶性フィルム中における高分子化合物とオキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物の総含有量は、40~100質量%であることが好ましく、60~95質量%であることがより好ましい。オキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物の含有量は、高分子化合物100質量部に対して、100~300質量部であることが好ましい。オキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物の含有量が300質量部以下であると、半導体ウェハへの密着性が強固となり、半導体ウェハの裏面を研削する工程(a)や溝を設ける工程(d)において水溶性フィルムの剥離を効果的に抑制できる。また、高い耐熱性を示す。一方、100質量部以上であると、経時変形抑制特性を示し、溝を設ける工程(d)において、水溶性フィルムの変形を経時によっても効果的に抑制できる。レーザーグルービング特性、ウェハ密着性及び水洗除去性を高い水準でバランスよく鼎立できる点で、オキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物の上記含有量は、150~250質量部であることがより好ましい。
水溶性フィルムは、高分子化合物、及びオキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物に加えて、分子量が800以下の低分子化合物を含有していることが、レーザーグルービング特性と水洗除去性を維持しながらウェハ密着性を更に高めることができる点で、好ましい。
この低分子化合物は、低分子重合体であることが好ましく、より好ましくは水溶性低分子重合体である。水溶性低分子重合体が示す水溶性は、水溶性フィルムが上記水溶性を発現できれば特に制限されない。低分子化合物としては、特に制限されないが、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールを用いることができる。低分子化合物は、高分子化合物と架橋反応等の化学反応をしない化合物であることが水溶性の点で好ましい。
低分子化合物の分子量(重合体の場合は重量平均分子量)は800以下である。高分子化合物及びオキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物と併用する低分子化合物の分子量を800以下とすることにより、水溶性フィルムにレーザーグルービング特性、ウェハ密着性及び水洗除去性を更に高い水準で鼎立できる。低分子化合物の分子量は、100~800であることが好ましく、200~800であることがより好ましく、200~600であることが更に好ましく、450~600であることが特に好ましい。低分子化合物(ポリマー)の重量平均分子量は高分子化合物の重量平均分子量と同様の方法で測定された値とする。なお、低分子化合物(ポリマー)を重合度で特定すると、低分子化合物を構成する各構成成分の分子量にもよるが、例えば、5~20とすることができる。
水溶性フィルムが低分子化合物を含有する場合、その含有量は、特に制限されず、適宜に決定される。例えば、水溶性フィルム中における、高分子化合物、オキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物及び低分子化合物の総含有量は、60~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましい。低分子化合物の含有量は、高分子化合物100質量部に対して10~100質量部であることが好ましく、20~50質量部であることがより好ましい。低分子化合物の含有量が10質量部以上であると半導体ウェハへの密着性が強固となり、半導体ウェハの裏面を研削する工程(a)や溝を設ける工程(d)において水溶性フィルムの剥離を効果的に抑制できる。一方、100質量部以下であると、溝を設ける工程(d)において、水溶性フィルムの変形を効果的に抑制でき、その後の個片化する工程(e)で切断予定領域の直線性向上させることができる。
水溶性フィルムは、高分子化合物、オキサジン構造を有する重合性化合物又はその硬化物及び低分子化合物のいずれに該当しない化合物を含有していてもよい。例えば、紫外線吸収剤、ラジカル開始剤、界面活性剤、ラベリング材、シランカップリング剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤及びラジカル開始剤は、いずれも、公知のものを特に制限されることなく用いることができる。水溶性フィルム中の紫外線吸収剤の含有量、及びラジカル開始剤の含有量は、それぞれ、オキサジン構造を有する重合性化合物の含有量、更には水溶性フィルムの吸光度等に応じて適宜に決定され、例えば、高分子化合物100質量部に対して、0.5~15質量%とすることができ、1~13質量%とすることが好ましい。
水溶性硬化フィルムは、30℃の水100g中で10分間攪拌(回転数300rpm)したときのゲル分率が10%以下であることが好ましい。水溶性硬化フィルムのゲル分率が10%以下であると、水洗除去性が向上し、工程(f)において水溶性フィルムを膨潤状態での残存、又は糊残りを効果的に低減できる。水洗除去性の更なる向上の点で、水溶性硬化フィルムのゲル分率は、8%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。水溶性硬化フィルムのゲル分率は、実施例で説明する方法及び条件で測定したときの値とする。
水溶性フィルムの、波長355nmの電磁波に対する吸光度は、特に制限されないが、水溶性硬化フィルムの吸光度は、レーザー照射による溝形成能に優れる点で、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。水溶性フィルムの吸光度は公知の紫外線吸収剤、その含有量等により適宜に調整できる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノンやベンゾトリアゾールやヒドロキシフェニルトリアジンなどが挙げられ、エネルギー吸収効率の観点でベンゾトリアゾールやヒドロキシフェニルトリアジンが好ましい。本発明において、電磁波とは、後述する放射線のうち電磁波であるものをいい、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、エックス線(X線)、ガンマ線(γ線)を包含する。
吸光度は次の測定方法によって測定された値とする。すなわち、PETフィルム(厚さ38μm)上に形成した水溶性硬化フィルムについて、上記PETフィルムをレファレンスとして、分光光度計U-5100(ヤマト科学社製)を用いて、300~1000nmの波長域で吸光度を測定する。波長355nmにおける吸光度を求めて、水溶性フィルムの吸光度とする。
水溶性フィルムの厚さは、特に制限されず、水洗除去性及び工程(f)の条件、レーザーグルービング特性、更には裏面を研削する工程(a)における端面溶出(シーページ)の発生抑制を考慮して、適宜に決定される。例えば、1~100μmとすることができ、水洗除去性及びレーザーグルービング特性を維持しながらシーページの発生抑制に優れる点で、20μm以下であることが好ましく、5~20μmであることがより好ましく、5~10μmであることが更に好ましい。
(表面保護テープ)
表面保護テープは、半導体チップの製造方法に通常用いられるものを特に制限されることなく用いることができる。表面保護テープは、半導体チップの製造方法、特にバックグラインド工程において、半導体ウェハの回路面を保護する機能を有する。
本発明に用いる表面保護テープは、少なくとも、基材フィルムと基材フィルムの表面上の粘着剤層とを有している。本発明において、好ましい表面保護テープ4は、図1に示されるように、基材フィルム4Aの表面に粘着剤層4Bを有する2層構造を有している。基材フィルム及び粘着剤層の他に保護層等を有していてもよい。基材フィルム及び粘着剤層はそれぞれ単層構造でも2層以上の複層構造でもよい。表面保護テープ4の全厚(各層の合計厚さ)は、特に制限されず、例えば、100~800μmとすることができる。
基材フィルムを形成する材料は、特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー等のα-オレフィンの単独重合体若しくは共重合体、又はこれらの混合物等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン-エチレン-ブテン-スチレン、もしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマー等が好ましく用いられる。
基材フィルムは、一般的な押出し法を用いて製造できる。また、種々の樹脂を積層して得る場合には、共押出し法、ラミネート法等が適用できる。この際、通常のラミネートフィルムの製法において普通に行われているように、樹脂と樹脂の間に接着層を設けてもよい。基材フィルムの厚さは、強・伸度特性、放射線透過性の観点から、30~200μmが好ましい。
粘着剤層は、粘着剤を含有する層であればよく、例えば、粘着剤組成物を用いて形成される。この粘着剤組成物としては、特に制限されず、通常の(メタ)アクリル、ゴム、シリコーン等の粘着剤を含有する組成物が挙げられる。耐候性や価格等の点から、(メタ)アクリル粘着剤が好適に用いられる。
(メタ)アクリル粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として有する共重合体(以下、「(メタ)アクリル酸エステル共重合体」と称す。)を粘着成分として含有する組成物を挙げることができる。この組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体以外に後述する硬化剤等を含有していてもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体の構成成分である(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル、エチル、n-プルピル、イソプルピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、2-エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、テトラデシル、ステアリル、オクタデシル、及びドデシルなどの炭素数30以下、好ましくは炭素数4~18の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の構成成分中、上記(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95~99.9質量%が更に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、上記(メタ)アクリル酸エステル以外の構成成分(その他の構成成分ともいう。)を含んでいてもよい。その他の構成成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及びクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸や無水イタコン酸等の酸無水物モノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(好ましくは、上記(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基がヒドロキシ基で置換されたもの)などのヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N-ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート等)、N-ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これら構成成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤層の固形成分中、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有量(後述する硬化剤ないし光重合性化合物と反応する前の状態に換算した含有量)は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95~99.9質量%が更に好ましい。
(メタ)アクリル粘着剤が含有してもよい硬化剤としては、特に制限されないが、例えば、特開2007-146104号公報に記載の硬化剤を使用することができる。例えば、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、テトラメチロール-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロール-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン化合物等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、所望の粘着力に応じて調整すればよく、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。
(メタ)アクリル粘着剤は、上記粘着成分の他に、光重合性化合物と光重合開始剤を含有する、放射線硬化型粘着剤とすることもできる。粘着成分と光重合性化合物と光重合開始剤とを含有することで、放射線(好ましくは紫外線)を照射することにより硬化し、粘着剤層の粘着力を低下させることができる。このような光重合性化合物としては、例えば、特開昭60-196956号公報及び特開昭60-223139号公報に記載されている、光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物やそれらを重合したオリゴマーを使用することができる。
上記光重合性化合物としては、特に制限されず、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート又は1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(エポキシ化合物の(メタ)アクリル酸付加体)、ポリエステル(メタ)アクリレート(ポリエステルの(メタ)アクリル酸付加体)、及びウレタン(メタ)アクリレート(ウレタンの(メタ)アクリル酸付加体)などが用いられる。
光重合開始剤としては、特に制限されず、例えば、特開2007-146104号公報又は特開2004-186429号公報に記載の光重合開始剤を使用することができる。具体的には、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。
放射線硬化型粘着剤としては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、分子内に放射線重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物との組み合わせの他にも、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として有する共重合体であって、この共重合体を構成する繰り返し単位が放射線重合性炭素-炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系共重合体(以下、「放射線重合性(メタ)アクリル系共重合体」と称す。)を用いることも好ましい。
放射線重合性(メタ)アクリル系共重合体は、共重合体の分子中に、放射線、特に紫外線照射で重合反応することが可能な反応性の基を有する共重合体である。このような反応性の基とは、エチレン性不飽和基すなわち、炭素-炭素二重結合(エチレン性不飽和結合)を有する基であり、ビニル基、アリル基、スチリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基などが挙げられる。
放射線重合性(メタ)アクリル系共重合体としては、特に制限はなく、例えば、官能基aを有する(メタ)アクリル系共重合体と、この官能基aと反応し得る官能基b及び放射線重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物(以下、「官能基bを有する放射線重合性化合物」と称す。)とを反応させて得た(メタ)アクリル系共重合体を挙げることができる。上記炭素-炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系共重合体としては、例えば、特開2014-192204号公報の段落番号[0036]~[0055]に記載のものと同様の材料を挙げることができる。
上記の官能基bを有する放射線重合性化合物において、官能基bは、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。具体的な官能基bを有する放射線重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2-ヒドロキシアルキルアクリレート類、2-ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N-アルキルアミノエチルアクリレート類、N-アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線重合性炭素-炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
上記の官能基aを有する(メタ)アクリル系共重合体と、上記の官能基bを有する放射線重合性化合物との反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価および水酸基価などを、適宜設定することができる。
上記の放射線重合性(メタ)アクリル系共重合体は、各種の溶剤中で溶液重合することにより得ることができる。溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができる。一般にアクリル系重合体の良溶媒で、沸点60~120℃の溶剤を使用することが好ましい。例えば、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどを使用することができる。重合開始剤としては、α,α’-アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を用いることができる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の共重合体を得ることができる。なお、合成方法は、溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
その他、粘着剤層3を構成する粘着剤組成物は、適宜に、離型剤、粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を含有してもよい。また、無機化合物フィラーを含有してもよい。
粘着剤層は、粘着剤組成物を剥離フィルム等の基材上に塗布、乾燥させた後、基材フィルムの表面に転写することで、形成することができる。
粘着剤層の厚さは、水溶性フィルムへの密着性を妨げず、また研削時のダストや研削水などの浸入が発生しないものであれば特に制限はないが、通常、5~100μmが適当である。
[半導体チップの製造方法]
次いで、本発明の半導体チップの製造方法(以下、単に本発明の製造方法ということがある。)は下記工程を有し、半導体ウェハに各工程の処理を施すことにより、半導体チップを簡便に製造できる。そのため、本発明の半導体チップの製造方法は半導体ウェハの処理方法ともいえる。
本発明の製造方法は、下記工程(a)~工程(f)をこの順で順次行う方法であり、工程(a)の前、各工程間、工程(f)の後に、半導体チップの製造方法に採用される他の工程を適宜に行うこともできる。
なお、本発明において、工程(FC)は、取扱性、製造作業性等を考慮して工程(b)の前に行われるが、工程(b)の後、すなわちダイシングテープに固定した後に、実施することもできる。

工程(a):本発明の半導体加工用テープにおける水溶性フィルムを半導体ウェハの回路
面に非加熱下で貼合した半導体ウェハの裏面を研削する工程
工程(FC):半導体加工用テープにおける水溶性フィルムに表面保護テープ側から放射
線を照射して、水溶性フィルムを硬化させる工程
工程(b):工程(FC)で得た半導体ウェハを、リングフレームを介して、ダイシング
テープに支持固定する工程
工程(c):半導体加工用テープにおける表面保護テープを硬化後の水溶性フィルム(水
溶性硬化フィルム)から剥離して、水溶性硬化フィルムを露出させる工程
工程(d):水溶性硬化フィルムに半導体ウェハの切断予定領域に沿ってレーザーを照射
して切断し、溝を設ける工程
工程(e):切断された水溶性硬化フィルム側から半導体ウェハをプラズ
マ処理して、半導体ウェハを個片化する工程
工程(f):切断された水溶性硬化フィルムを非加熱水で洗浄して、溶解、除去する工程
本発明の製造方法に用いる半導体ウェハは、片面に半導体素子の回路等が形成された回路面(パターン面ともいう。)を有するウェハであり、例えば、シリコンウェハ、SiCウェハ、GaAsウェハ、GaNウェハ等が挙げられる。
本発明において、回路面とは半導体素子の回路等のパターンが形成された半導体ウェハの面をいい、裏面とは回路面とは反対側で回路等が形成されていない面(非回路面)をいう。この回路面は、平面図において格子状のストリートを有する。ここで、ストリートとは半導体ウェハの切断ラインをいう。
本発明の製造方法において、本発明の半導体加工用テープに関する処理以外の処理については、通常の半導体チップの製造方法における処理を、特に制限されることなく、適用できる。
本発明の製造方法に用いられる装置及び材料は、従来、半導体ウェハの加工若しくは処理に用いられているものを特に制限されることなく使用することができ、装置の使用条件は適宜に設定することができる。
本発明の製造方法について、本発明の半導体加工用テープに関する処理を中心に、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図2~図4は、本発明の製造方法の好適な一実施形態を示す概略縦断面図(半導体ウェハの直径方向に沿って厚さ方向に切断した断面図)である。
本発明の製造方法においては、工程(a)に先立って、図2(a-1)に示されるように、本発明の半導体加工用テープ(半導体加工用未硬化テープ)3の水溶性未硬化フィルム5が半導体ウェハ1の回路面1Aと接触するように半導体加工用テープ3と半導体ウェハ1とを積層して、非加熱下で貼り合わせる。本発明において、非加熱下とは、例えば60℃未満の温度をいい、好ましくは40℃以下の温度である。下限温度は、特に制限されないが、通常、15℃とすることができ、好ましくは20℃である。半導体加工用テープ3と半導体ウェハ1との貼合方法は、通常の方法を特に制限されることなく適用できるが、水溶性未硬化フィルム5は半導体ウェハ1に対する十分な密着性(粘着性)を有しているため、積層するだけで、必要であれば更に加圧して、貼合できる。
貼合に際しては、半導体ウェハ1に貼合した状態で半導体ウェハ1の外周側に張り出さないよう、半導体ウェハ1と同サイズ又は小さなサイズの半導体加工用テープ3を用いる。これにより、例えば、後述する個片化する工程(e)において、半導体ウェハ1よりはみ出した半導体加工用テープ3(水溶性硬化フィルム5C)がプラズマによって焼損するダメージを防止することができる。
次いで、こうして得た、図2(a-1)に示される、半導体加工用テープ3における水溶性未硬化フィルム5を回路面1Aに貼合した半導体ウェハ1について、その裏面1Bを研削する(工程(a))。これにより、図2(a-2)に示されるように、回路面1Aに半導体加工用テープ3が貼合され、所定の厚さに薄肉化された半導体ウェハ1を得ることができる。
半導体ウェハ1の裏面1Bを研削する方法は、特に制限されず、通常適用される、バックグラインド(BG)工程又はエッチング工程が挙げられ、BG工程が好ましい。工程(a)における方法及び条件等は、通常の方法及び条件を適用できる。
本発明の製造方法においては、次いで、図2(FC)に示されるように、半導体加工用テープ3の水溶性未硬化フィルム5に、表面保護テープ4側から、放射線5Uを照射する(工程(FC))。これにより、水溶性未硬化フィルム5(オキサジン構造を含む硬化性化合物)を硬化させて、水溶性硬化フィルム5C(半導体加工用硬化テープ)を得ることができる。
放射線を照射する方法及び条件は、通常適用される装置及び条件を適用でき、水溶性未硬化フィルム5の組成、物性等を考慮して、適宜に設定される。例えば、公知の紫外線照射装置を用いて、紫外線強度10~1000mW/cm、照射時間5~100秒の条件から選択することができる。
なお、粘着剤層4Bが放射線硬化型粘着剤を含有する場合、工程(FC)において、水溶性未硬化フィルム5とともに粘着剤層4も硬化される。
本発明の製造方法においては、次いで、図3(b)に示されるように、工程(FC)で得られた半導体ウェハ1を、リングフレーム12を介して、ダイシングテープ11に支持固定する(工程(b))。
工程(b)で用いるリングフレーム12及びダイシングテープ11、更に支持固定する方法は、いずれも、通常用いられるもの又は方法を特に制限されることなく適用できる。例えば、ダイシングテープ11としては、基材フィルム11Aと粘着剤層11Bとの積層テープを用いることができ、具体的には特許文献2に記載のテープを用いることができる。
次いで、図3(c)に示されるように、半導体加工用硬化テープ3の表面保護テープ4(基材フィルム4A及び粘着剤層4B)を水溶性硬化フィルム5Cから剥離する(工程(c))。こうして、表面保護テープ4を除去して、水溶性硬化フィルム5Cを露出させ、回路面1A上に水溶性硬化フィルム5Cが貼合された半導体ウェハ1を得る。
表面保護テープ4は、水溶性硬化フィルム5Cと表面保護テープ4との剥離力以上の力で剥離すればよく、粘着剤層4Bが放射線硬化型粘着剤を含有する場合、表面保護テープ4側から放射線を照射して粘着剤層4Bを硬化させると、表面保護テープ4は水溶性硬化フィルム5Cから剥離しやすくなる。表面保護テープ4の具体的な剥離方法は通常の方法を適用できる。
本発明の製造方法においては、次いで、図3(d-1)に示されるように、工程(c)で得られた半導体ウェハ1の切断予定領域(ストリート、図3(d-1)において図示しない。)に沿ってレーザーを照射して水溶性硬化フィルム5Cを切断する(工程(d))。こうして、図4(d-2)に示されるように、水溶性硬化フィルム5Cに、後述するプラズマの半導体ウェハ1への照射を可能とする溝8を設けて水溶性硬化フィルム5Cを個片化する。これにより、溝8の底部に半導体ウェハ1の切断予定領域が露出している。形成する溝8の幅はストリートの幅以下とすることが好ましい。
水溶性硬化フィルム5Cを切断する方法としては、例えば、図3(d-1)に示されるように、レーザー光照射手段6から出力(発射)されたレーザー光7をストリートに沿って相対的に移動させながら水溶性フィルム5に照射して切断するレーザーグルービング法が挙げられる。レーザー光照射手段6としては、例えば、特許文献2に記載の装置を用いることができる。半導体加工用硬化テープ3の水溶性硬化フィルム5Cは、レーザー照射により切断されても、個片化された水溶性硬化フィルム5Cが軟化、溶融せずに、所定寸法及び形状の溝8を形成できる。しかも、水溶性硬化フィルム5Cは経時による変形もしにくく、溝8は形成された時点の溝幅を長期にわたって維持できる。
レーザーグルービング法における溝形成条件は、通常適用される条件を適用できるが、水溶性硬化フィルム5Cの組成、物性等を考慮して、適宜に設定される。例えば、レーザーグルービング法の条件としては、出力0.3~4.0W、周波数50~100kHz、加工送り速度1~800mm/秒の条件から選択することができる。
次いで、図4(e)に示されるように、切断(個片化)された水溶性硬化フィルム5C側から半導体ウェハ1の露出部分にプラズマ10Aを照射して、プラズマ処理する(工程(e))。こうして、半導体ウェハ1をエッチングして個片化し、個々のチップに分割する。
半導体ウェハ1の個片化方法は、通常適用されるプラズマダイシング法を特に制限されることなく適用することができる。本発明の製造方法では、図4(e)に示されるように、プラズマエッチング装置10を用いて適宜の条件で行われる。プラズマエッチング装置10としては、例えば、特許文献2に記載の装置を用いることができる。プラズマダイシングの条件としては、具体的には、SF等のフッ素系ガスを導入し、エッチングレートを0.5~10μm/sから選択することができる。
本発明の製造方法においては、次いで、図4(f)に示されるように、切断(個片化)された水溶性硬化フィルム5Cを、非加熱水(通常純水)9で洗浄する(工程(f))。こうして、水溶性硬化フィルム5Cを溶解、除去して、半導体チップ2を得る。
水溶性硬化フィルムを洗浄、除去する方法は、水溶性硬化フィルムに非加熱水を接触させる方法であれば特に制限されない。例えば、リングフレーム12に固定された状態で、個片化された半導体チップ2の集合体をスピンナーテーブルに保持し、半導体チップ2の集合体を回転させつつ、半導体チップ2の集合体の中心部上方に位置するノズルより非加熱水9とエアとからなる洗浄水を噴出させ、その後、半導体チップ2にエアノズルよりエアを噴出させて乾燥させる方法が挙げられる。
本発明の半導体加工用テープの水溶性硬化フィルムは上述のように非加熱水に対して十分な溶解性を示すため、本工程で水溶性硬化フィルムを洗浄する水は、非加熱水を用いることができ、本工程を簡便かつ省エネルギーで実施することができる。洗浄水の温度は、例えば60℃未満とすることができ、好ましくは40℃以下である。水温の下限値は、特に制限されないが、通常、15℃とすることができ、好ましくは20℃である。
水洗方法は、特に制限されず、例えば、半導体チップの集合体に非加熱水を噴霧する方法、半導体チップの集合体上に非加熱水を塗布する方法、半導体チップの集合体を非加熱水中に浸漬させる方法等が挙げられる。
水洗条件は、水溶性硬化フィルムの水溶性、厚さ等を考慮して適宜に決定され、例えば、水量10~500mL/min、水洗時間1~5分、乾燥時間1~5分の条件から選択できる。
本発明の製造方法においては、図4(g)に示されるように、工程(f)で得た半導体チップ2の集合体(個片化された半導体ウェハ1)を取り上げるピックアップ工程(g)を行うこともできる。ピックアップ工程(g)は、通常適用される方法を特に制限されることなく適用することができ、例えば、図4(g)に示されるように、半導体チップ2をダイシングテープ11とともに、ピン15により突き上げてコレット16により吸着して半導体チップ2をピックアップする方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[半導体加工用未硬化テープの作製]
<実施例1>
(1)表面保護テープの作製
2-エチルヘキシルアクリレートを構成成分とするアクリルポリマー100質量部に対して、硬化剤としてコロネートL(製品名、東ソー社製)1.5質量部を酢酸エチルに溶解して、粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。この溶液を、乾燥後の厚さが30μmとなるように、離型処理がなされたPETフィルム(セラピールWZ(商品名)、厚さ25μm、東レ社製)上に塗工し、加熱乾燥した。その後、粘着剤層を、厚さ100μmに押出製膜したポリエチレンからなる基材フィルム(ニポロンハード4010(商品名、東ソー社製)に貼り合せて、PETフィルム付き表面保護テープを作製した。
(2)水溶性未硬化フィルムの作製
PVP-K90(ポリビニルピロリドンK90(商品名)、富士フイルム和光純薬社製)100質量部に対して、オキサジン構造を含む硬化性化合物としてアクリロイルモルホリン(ACMO(登録商標))100質量部、光ラジカル開始剤(KIP-100F(商品名))5質量部、低分子化合物としてポリエチレングリコール(PEG600)30質量部、更に紫外線吸収剤としてTinuvin477(製品名、BASF製)5質量部を、水に溶解させて、水溶性フィルム溶液を得た。得られた溶液を、乾燥後の厚さが10μmとなるように、離型処理がなされたPETフィルム(セラピールWZ(商品名)、厚さ25μm、東レ社製)上に塗工し、加熱乾燥して、PETフィルム付き水溶性未硬化フィルムを作製した。
(3)半導体加工用未硬化テープの作製
上記(1)で得られたPETフィルム付き表面保護テープのPETフィルムを剥離した後に、表面保護テープの粘着剤層とPETフィルム付き水溶性未硬化フィルムの水溶性未硬化フィルムとを貼合して、基材フィルム/粘着剤層/水溶性未硬化フィルム/PETフィルムの4層積層構造を有する半導体加工用未硬化テープを作製した。
ポリビニルピロリドンK90及びポリエチレングリコールPEG600(商品名、三洋化成社製)の重量平均分子量(Mw)は、下記条件で、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定したときの値(ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキサイド(PEG/PEO))換算値)として、測定した。

GPC条件:
・カラム:TSKgel SuperMultiporePW-M(6.0mmI.D.×15cm)
・溶離液:100mmol/L NaNO
・流速:0.6mL/min
・検出器:RI
・温度:25℃
・注入量:20μL
・試料の調製:試料は純水を用いて3mg/mLの溶液を調製した。

GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、分子量校正用のPEG/PEOで作成した校正曲線を用いて行った。PEG/PEOはアジレント製ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシドスタンダードキットを使用した。
<実施例2~8及び比較例1~3>
実施例1の「水溶性フィルムの作製」において、水溶性フィルムを形成する材料、含有量(組成)及び厚さを表1又は表2の「水溶性フィルム」欄に示す材料、含有量及び厚さに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~8及び比較例1~3の半導体加工用未硬化テープをそれぞれ製造した。
なお、比較例2は、各成分を混合できず、水溶性未硬化フィルムを作製できなかった。
各実施例及び比較例に用いた材料を以下に示し、各材料の上記測定方法による重量平均分子量を表1及び表2に示す。
<水溶性未硬化フィルム>
(高分子化合物)
PVP-K90:ポリビニルピロリドンK90(商品名)、富士フイルム和光純薬社製
ポバール60-98:ポリビニルアルコール、けん化度98%、クラレ社製
(オキサジン構造を含む硬化性化合物)
ACMO:アクリロイルモルホリン、KJケミカル社製
アクリルモノマー:1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、新中村化学工業社製
M5700:商品名、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、東亜合成社製
(光ラジカル開始剤)
KIP-100F:商品名、Oligo[2-hydroxy-2-methyl-1-[4-(1-methylvinyl)phenyl]propanone]と2-Hydroxy-2-methylpropiophenoneの混合物、BASF社製
(低分子化合物)
PEG600:ポリエチレングリコール、三洋化成工業社製
PEG400:ポリエチレングリコール、三洋化成工業社製
(その他の成分)
Tinuvin477:紫外線吸収剤、BASF社製
<粘着剤層>
2eha:2-エチルヘキシルアクリレートを構成成分とするアクリルポリマー、新中村化学工業社製
コロネートL:下記に示す硬化剤、東ソー社製
Figure 2023043724000002
[試験]
上記の各実施例及び比較例で得られた各半導体加工用未硬化テープについて、下記項目について、試験を行った。結果をまとめて表1又は表2に示す。
<試験1:ウェハ密着性>
半導体ウェハに対する各実施例及び比較例で作製した各半導体加工用未硬化テープの密着性を、下記試験による剥離力(N/25mm)を測定して、評価した。
実施例及び比較例と同様にして調製した水溶性フィルム溶液を密着処理したPETフィルム上に塗工し、加熱乾燥して、PETフィルム(厚さ38μm)/水溶性未硬化フィルム(厚さ10μm)の試験用テープを作製した。ここで、密着処理は、PETフィルムの表面に5Aの強度でコロナ処理を実施することで行った。
次いで、得られた試験用テープを25mm幅に切断した後、試験テープの水溶性未硬化フィルム面をシリコンウェハのミラー面に温度23℃で貼合した。この貼合は、シリコンウェハ上に試験テープを重ねて、試験テープの表面に2kgの荷重のゴムローラを3往復させて行った。貼合直後と、貼合後に温度23℃、湿度50RH%の環境に1時間放置した後との、水溶性未硬化フィルム/ウェハ間の最大剥離力を、ストログラフVG1F(商品名、東洋精機社製)を用いて、23℃、剥離角180°、剥離速度300mm/minの条件で、それぞれ測定した。上記条件以外の条件は日本産業規格(JIS) Z 0237:2009に準拠した。
貼合直後の最大剥離力(N/25mm)と貼合後1時間放置した後の最大剥離力(N/25mm)とについて、下記評価基準に基づいて、評価した。

- 評価基準 -
○:貼合直後の最大剥離力及び貼合後1時間放置した後の最大剥離力がいずれも1N/25mmを超える
△:貼合後1時間放置した後の最大剥離力が1N/25mmを超える
×:貼合後1時間放置した後の最大剥離力が1N/25mm以下、またはウェハから部分的に水溶性フィルムが剥離する

なお、実施例で作製した半導体加工用テープの水溶性硬化フィルムは、本発明の半導体チップの製造方法における工程(c)での表面保護テープの剥離時に、シリコンウェハから剥離することはなく、水溶性硬化フィルムもシリコンウェハに強固に密着していた。
<試験2:レーザーグルービング耐性(耐熱性)試験)>
各実施例及び比較例で得られた各半導体加工用テープからPETフィルムを剥離し、水溶性未硬化フィルムの面をシリコンウェハのミラー面に温度23℃で貼合した。この貼合は、シリコンウェハ上に半導体加工用テープを重ねて、半導体加工用テープの表面に2kgの荷重のゴムローラを3往復させて行った。その後、100mW/cmの強度のメタルハライドランプを用いて1000mJ/cmの紫外線を照射して、水溶性未硬化フィルムを硬化させた。次いで、表面保護テープを剥離して露出させた水溶性硬化フィルムを、レーザーダイサーDFL7160(商品名、ディスコ製)を用いて、水溶性硬化フィルムを切断して溝を形成した。レーザーグルービング条件は、出力1W、周波数100Hz、加工速度50mm/secとし、溝幅を10μmとした。水溶性硬化フィルムを切断した後のウェハ部分(ウェハの露出部分)を顕微鏡にて観測して、形成された溝について、溝の長さ100μm間隔で表層から深さ1μmの位置での溝幅を10点実測した。実測幅10点の平均値を求めて、下記評価基準に基づいて、評価した。
本試験は、水溶性硬化フィルムについて、レーザー照射の熱によって軟化又は溶融せずに溝内(ウェハの露出部分)に流れ落ちず、プラズマエッチングによって所定サイズの半導体チップに個片化できるレーザーグルービング耐性(耐熱性)を評価する試験である。

- 評価基準 -
○:形成された溝の実測幅が、溝形成幅10μmに対して、90~110%の範囲内
△:形成された溝の実測幅が、溝形成幅10μmに対して、60~140%の範囲内(ただし、90~110%の範囲内を除く)
×:形成された溝の実測幅が、溝形成幅10μmに対して、60%未満又は140%を超える
<試験3:レーザーグルービング耐性(経時変形抑制)試験)>
上記<試験2:レーザーグルービング耐性(耐熱性)試験)>において、レーザーグルービングした水溶性硬化フィルム付きウェハを、23℃、50RH%に環境下に7日間静置した後に、各水溶性硬化フィルムに形成された溝の溝幅を、同様にして、測定した。上記試験1で実測した溝幅(初期実測値)に対する7日放置後の溝幅(経時実測値)の変化率[(経時実測値/初期実測値)×100(%)]を求めて、下記評価基準に基づいて、評価した。
本試験は、水溶性硬化フィルムについて経時による変形を抑制する特性、特にレーザー照射によって形成された溝について経時による寸法変化を抑制する特性であって、レーザーグルービング工程の後にプラズマエッチング工程を速やかに実施できない場合においても、所定形状及びサイズの半導体チップを個片化できるレーザーグルービング耐性(経時変形抑制特性)を7日もの長期間経過後に評価する過酷条件下での試験である。

- 評価基準 -
○:変化率が、90~110%の範囲内
△:変化率が、60~140%の範囲内(ただし、90~110%の範囲内を除く)
×:変化率が、60%未満又は140%を超える
<試験4:水洗除去性>
各実施例及び比較例で得られた各半導体加工用テープからPETフィルムを剥離し、水溶性未硬化フィルムの面をシリコンウェハのミラー面に温度23℃で貼合した後に、水溶性未硬化フィルムを硬化させた。貼合は、シリコンウェハ上に半導体加工用テープを重ねて、半導体加工用テープの表面に2kgの荷重のゴムローラを3往復させて行った。また、硬化は100mW/cmの強度のメタルハライドランプを用いて1000mJ/cmの紫外線を照射して、行った。次いで、表面保護テープを水溶性硬化フィルムから剥離した。その後、水溶性硬化フィルムを有するシリコンウェハをスピンコーター(型番:アクティブ社製)にセットして、回転数200rpm、水温23℃の純水を水量100mL/minで2min間に亘ってかけた。こうして水洗した後に、水溶性硬化フィルムがシリコンウェハ上に残存するかを目視にて確認して、下記評価基準に基づいて、評価した。
なお、本試験の評価基準における「糊」とは水溶性硬化フィルムが水で膨潤して形成された塊状物をいう。

- 評価基準 -
○:水溶性硬化フィルムが溶解して糊残りなし
△:水溶性硬化フィルムの糊残りが半導体チップとして許容可能な程度に軽微であった
×:水溶性硬化フィルムの糊残りが半導体チップとして許容可能な量を超える、又はスピンコーターの排水溝(径40mm)が水溶性硬化フィルムで詰まるほど溶解しない
<試験5:水溶性硬化フィルムのゲル分率>
各実施例及び比較例の水溶性フィルムの作製と同様にして、PETフィルム付き水溶性未硬化フィルムを作製した。このPETフィルム付き水溶性未硬化フィルムを硬化させた。硬化は100mW/cmの強度のメタルハライドランプを用いて1000mJ/cmの紫外線を照射して、行った。
次いで、得られた水溶性硬化フィルムをPETフィルムから剥離した。その後、30℃、50RH%の条件環境下においた純水100g中に水溶性硬化フィルムを1g程度入れて回転数300rpmで10分間攪拌し、100meshの金網を通して、金網上に残った成分の質量を求めて、元の質量との比率を求めて、ゲル分率(%)とした。
Figure 2023043724000003
Figure 2023043724000004
上記の結果から次のことがわかる。
高分子化合物又は低分子化合物を含有していても、オキサジン構造を含む硬化性化合物を含有しない水溶性未硬化フィルムを備えた比較例の半導体加工用未硬化テープは、硬化後のレーザーグルービング特性と、未硬化での半導体ウェハに対する密着性又は硬化後の水洗除去性とを両立できず、レーザーグルービング工程及びプラズマダイシング工程を含む半導体チップの製造方法に適用することができない。
これに対して、高分子化合物とオキサジン構造を含む硬化性化合物とを含有する水溶性未硬化フィルムを備えた実施例の半導体加工用未硬化テープは、硬化後のレーザーグルービング特性(耐熱性及び経時変形抑制特性)、未硬化での半導体ウェハに対する密着性、及び硬化後の水洗除去性とを鼎立できる。そのため、実施例の半導体加工用未硬化テープは、硬化後のレーザーグルービング特性と未硬化でのウェハ密着性とを両立しながらも硬化後にも非加熱水での水洗除去を可能とする高い水洗除去性を示す。よって、実施例の半導体加工用テープは、バックグラインド工程において半導体ウェハの回路面を保護できるうえ、レーザーグルービング工程及びプラズマダイシング工程を簡便に、しかも工程設計の自由度を確保しながら行うことができ、レーザーグルービング工程及びプラズマダイシング工程を含む半導体チップの製造方法に好適に用いられる。これらの半導体加工用テープは、レーザーグルービング工程及びプラズマダイシング工程を含む半導体チップの製造方法に用いることにより、工程設計の自由度を確保しながらもチッピングのない高い寸法精度を有する半導体チップの簡便な製造を可能とすることが分かる。
1 半導体ウェハ
1A 回路面
1B 裏面
2 半導体チップ
3 半導体加工用テープ
4 表面保護テープ
4A 基材フィルム
4B 粘着剤層
5 水溶性未硬化フィルム
5C 水溶性硬化フィルム
5U 紫外線
6 レーザー光照射手段
7 レーザー光
8 溝
9 非加熱水
10 プラズマエッチング装置
10A プラズマ
11 ダイシングテープ
11A 基材フィルム
11B 粘着剤層
12 リングフレーム
15 ピン
16 コレット

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が20万以上の高分子化合物、及びオキサジン構造を含む硬化性化合物を含有する水溶性フィルムと、半導体ウェハの回路面を保護する表面保護テープとを積層した半導体加工用テープ。
  2. 前記オキサジン構造を含む硬化性化合物が(メタ)アクリロイル基を有する、請求項1に記載の半導体加工用テープ。
  3. 前記水溶性フィルムを硬化させた際の、30℃の水100g中で10分間攪拌したときのゲル分率が10%以下である、請求項1又は2に記載の半導体加工用テープ。
  4. 前記水溶性フィルムにおける、前記高分子化合物100質量部に対する前記オキサジン構造を含む硬化性化合物の含有量が100~300質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体加工用テープ。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体加工用テープにおける前記水溶性フィルムを半導体ウェハの回路面に非加熱下で貼合した前記半導体ウェハの裏面を研削する工程(a)と、
    前記半導体加工用テープにおける前記水溶性フィルムに表面保護テープ側から放射線を照射して、水溶性フィルムを硬化させる工程(FC)と、
    前記半導体ウェハを、リングフレームを介して、ダイシングテープに支持固定する工程(b)と、
    前記半導体加工用テープにおける表面保護テープを硬化後の前記水溶性フィルムから剥離して、該水溶性フィルムを露出させる工程(c)と、
    前記硬化後の水溶性フィルムに前記半導体ウェハの切断予定領域に沿ってレーザーを照射して切断し、溝を設ける工程(d)と、
    工程(d)で切断された前記水溶性フィルム側から前記半導体ウェハをプラズマ処理して、前記半導体ウェハを個片化する工程(e)と、
    前記切断された水溶性フィルムを非加熱水で洗浄して、溶解、除去する工程(f)と、
    を有する、半導体チップの製造方法。
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