JP2023042871A - 非接触入力装置を備えた集合住宅インターホンシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】既存のシステムに対して必要最低限の改修を行うのみで、機器に直接触れる必要がない非接触型の入力操作を可能とした集合住宅インターホンシステムを提供する。【解決手段】集合玄関機1と接続される非接触入力装置2を有する集合住宅インターホンシステムであって、集合玄関機は、非接触入力装置から受信したデータに基づいて所定の制御処理を実行する受信制御部18を有する。非接触入力装置は、複数の操作モードに対応する入力画面を表示する表示部21と、表示部の入力画面における検知対象物による操作位置を検知する検知部22と、検知部により検知された操作位置に対応する操作内容を決定する判断部24と、を有する。判断部は、決定した操作内容のデータに、当該操作が行われたときの操作モードを示すパラメータを加えたコマンドデータを生成して集合玄関機へ送信し、受信制御部は、受信したコマンドデータに基づいて所定の制御処理を実行する。【選択図】図1
Description
本発明は集合住宅インターホンシステムに関し、特に、既存のインターホンシステムの大幅な改造を必要とせずに、非接触入力装置を接続することで、入力ボタン等に直接触れることなく居住者の呼出しや解錠操作を可能とする集合住宅インターホンシステムに関する。
近年、集合住宅のエントランス等に集合玄関機を設置し、来訪者が集合玄関機の操作部に配置された10キー等のボタンを操作して部屋番号を指定することで居住者を呼出す機能や、帰宅した居住者がエントランスから居住エリアに侵入する際のドアの解錠を行う機能を有する集合住宅インターホンシステムが採用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来からある集合住宅インターホンシステムは、操作部に配置された機械的なボタンや、画面に触れることで操作ができるタッチパネルを用いて操作を行うことが一般的である。これらはいずれも、操作を行う際にはボタンや画面に直接触れることが必要であるため、不特定多数の者が操作を行う機器等では、他人が触れた後のボタンに自分が触れることについて衛生面で不安視されることがあった。このような衛生面での不安は、昨今のウイルスによる感染症の流行により特に大きなものとなっている。このため、訪問者や帰宅した居住者等の多くの者が出入りする集合住宅のエントランスに配置される集合玄関機等では、管理人は数時間おきに人々が触れた操作部をアルコール等で消毒しなければならない事態となっており、他の仕事も抱える管理人にとって大きな負担となっていた。また、消毒用のアルコールが入った容器等を集合玄関機のそばに常備することで、操作前に手指の消毒を来訪者に促すことも行われているが、短時間で多数の者が出入りする時間帯などでは消毒用のアルコールが欠乏することもあって衛生面の不安が完全に払拭できないと共に、その管理も負担であった。
このような状況を受けて、入力操作部に直接触れることなくデータの入力を可能とする非接触型の入力装置が提案されている。集合住宅インターホンシステムについても、このような非接触型の入力装置を集合玄関機に組み込むことでボタンに触れずに操作できる新規な集合玄関機を開発すれば上記の問題は解決される。しかしながら、このような非接触型の入力装置を組み込んだ新規の集合玄関機の開発や製造には多大な費用が必要であり、またそれを集合住宅に導入する場合には、まだ十分に稼働できる既存の集合玄関機を廃棄して新規の集合玄関機を導入することとなり無駄が多い。そして、新規の集合玄関機の導入改修は大掛かりな工事が必要となるためやはり多大な費用が必要となってしまう。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、既存のインターホンシステムに対して必要最低限の改修を行うのみで、機器に直接触れる必要がない非接触型の入力操作を可能とした集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本願発明の集合住宅インターホンシステムは、居室に設置された居室親機の呼出し・通話機能及びドアの解錠機能を有する集合玄関機と、該集合玄関機と相互にデータの送受信が可能な状態で接続される、入力ボタンに直接触れることなくデータの入力が可能な非接触入力装置とを有する集合住宅インターホンシステムであって、集合玄関機は、非接触入力装置から受信したデータに基づいて所定の制御処理を実行するための受信制御部を有し、非接触入力装置は、複数の操作モードのそれぞれに対応する入力画面を表示する表示部と、表示部の入力画面における検知対象物による操作位置を検知する検知部と、検知部により検知された操作位置に対応する操作内容を決定する判断部とを有し、判断部は、決定された操作内容のデータに、当該操作が行われたときの操作モードを示すパラメータを加えたコマンドデータを生成して集合玄関機へ送信し、受信制御部は、非接触入力装置から受信した前記コマンドデータに基づいて所定の制御処理を実行することを特徴とするものである。この構成によれば、既存の集合玄関機の大部分をそのまま利用しつつ、非接触入力装置の出力データを集合玄関機の演算処理部の処理形式に対応した形式で出力する受信制御部を集合玄関機に追加することで非接触入力装置を接続し運用することができるため、大掛かりな改修工事を行う必要がなく、最小限の改修のみで既存の集合玄関機をそのまま使用して非接触入力による操作を可能とすることができる。
また、本願発明の集合住宅インターホンシステムの他の形態は、非接触入力装置は固有のIDを有し、集合玄関機と非接触入力装置との間で送受されるコマンドデータは当該非接触入力装置のIDを含み、集合玄関機は、接続を許可された通信相手のIDを記憶するための記憶部を有し、集合玄関機の受信制御部は、受信したコマンドデータに含まれたIDが記憶部に記憶された通信相手のIDであるか否かを識別するように構成することもできる。この構成によれば、集合玄関機に接続された非接触入力装置が、接続を許可されている非接触入力装置個体であるかについて制御処理を行う前に識別できるため、接続を許可されていない入力装置からのコマンドデータ送信による乗っ取り操作を防止し、解錠等の高度なセキュリティを必要とする操作に対する安全性を高めることができる
また、本願発明の集合住宅インターホンシステムの他の形態は、上記の構成において、非接触入力装置は、表示部の入力画面の内容を空間投影像として空間に結像させる空間投影装置を有するように構成することもできる。この構成によれば、非接触入力装置により空間に結像された空間映像を用いて入力操作が可能となるため、物理的な操作部への手指の接近を感知する非接触入力装置の場合に比べて、操作者が距離感を誤って物理的な操作部に触れてしまうことがなく、より衛生面の安全性を担保することができる。
本発明によれば、既存のインターホンシステムに対して多大な費用をかけることなく非接触入力装置を組み入れることができるため、既存のインターホンシステムを用いたまま、操作画面に直接触れることなくインターホン操作をおこなうことが可能となるため、大がかりな更新工事をせずに感染症対策として衛生面の向上を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示すブロック図であり、1は来訪者が居住者を呼び出す等の操作を行うための集合玄関機、2は入力ボタンに直接触れることなく集合玄関機の操作部として使用できる非接触入力装置、3は集合玄関機1からの呼び出しに応答するための居室親機、4は集合玄関機1と居室親機3の間等の機器間の通信を制御する制御機、5は集合住宅のエントランスと居住エリアとの間に設置された自動ドアである。自動ドアには、限られた人間だけに居住エリアへの侵入を許可するための電気錠(図示せず)が備えられている。尚、図1では、自動ドア5が制御機4に接続される場合を示しているが、自動ドア5は集合玄関機1に接続するように構成してもよい。
集合玄関機1は伝送線L1を介して非接触入力装置2に接続され、更に集合玄関機1は伝送線L2を介して制御機4に接続されており、居室親機3は親機幹線L3を介して制御機4に接続されている。また、自動ドア5の電気錠(図示せず)は伝送線を介して制御機4に接続されている。尚、既存の集合玄関機では、メンテナンス用のパソコン等を接続するためのLANポート端子が常設されているものもある。当該LANポートはメンテナンス時以外では使用されないため、集合玄関機1と非接触入力装置2との接続には、このLANポートを利用しLANケーブルで接続するようにすれば、新たな接続端子の増設を省略することができる。尚、当該LANケーブル接続の途中にHUBを接続することで、メンテナンス用の端子は従来通り確保されることとなる。接続に使用するLANケーブルは一般的なものを使用することができ、例えばCAT5eのものを好適に使用することができる。
集合玄関機1は図1に示すように、来訪者が訪問先住戸を選択して居住者を呼出す操作を行う操作部11、マイク及びスピーカ(図示せず)を備えた通話部12、入力した住戸番号情報や来訪者や帰宅者へのメッセージを表示する表示部13、来訪者を撮像するカメラ14、来訪者の接近を感知して表示部の画面を点灯させるための人感センサ15、集合玄関機1を制御する集合玄関機CPU16、集合玄関機1に接続される非接触入力装置2を特定するための識別IDが記憶される記憶部17、非接触入力装置2から送られてきたコマンドデータを解析しそれに応じた集合玄関機1の制御コマンドを集合玄関機CPU16に受け渡す受信制御部18、非接触入力装置2及び制御機4と通信する集合玄関機I/F19等を有している。
非接触入力装置2は、入力ボタン及び来訪者に対するメッセージ等の入力画面が投影される表示部21、来訪者が表示部21に投影された画面のどの位置に対して操作したかを検知する検知部22を有する。これにより、来訪者が画面上に表示されたどのボタンに対して操作意図を示したかを検知することで、来訪者が入力ボタンに直接触れずとも通常の接触方式のボタンと同様に機器の操作を可能とするものである。また、非接触入力装置2は、自己を特定する固有の識別IDが記憶されている記憶部23、非接触入力装置2を制御すると共に、検知部22によって検知された操作内容から集合玄関機1に送信するコマンドデータを生成する判断部24、集合玄関機1と通信する入出力装置I/F25を有している。
本願発明の非接触入力装置2としては、特に制限はなく、操作者の空中での動きを感知して所定の機能を作動させることができるものであれば、いずれの方式のものであっても使用することができる。非接触入力装置として代表的な方式としては、以下のものがある。例えば、代表的な表示部の方式としては、物理的な表示画面(液晶パネルや有機ELパネル等)を用いて、その表示画面から例えば30~50mm離れた位置で指が空中に浮いた状態でホバー入力(ジェスチャー入力)を行うタイプ、物理的な表示画面は操作者から隠された状態で、表示画面の内容を空間投影像として空間に結像させるいわゆる空中ディスプレイ・タイプがある。また、センサの方式としては、赤外線やレーザーを操作する指や指示棒に当て、その反射光から位置や動きを計測するもの、カメラでとらえた画像から位置や動きを解析するもの、操作する指等とパネルに配置されたセンサ間の静電気容量の変化を検出することで位置や動きを計測するもの等がある。そして、これらの表示部とセンサの組合せによって様々な非接触入力装置が提案されている。
ホバー入力タイプのものとしては、上記の静電気容量タイプのものが代表的であるが、情報端末のディスプレイ上に画像を記録したホログラムフィルムを配置し、LED等の点光源の光を当てることで、フィルムから離れた空間に画像を浮かび上がせるものも知られている。この方式では、上記の三次元距離センサの何れかを用いて位置や動きの計測が行われる。また、空中ディスプレイ・タイプとしては、再帰反射材を用いて空間に結像させるものが代表的である。このタイプの表示方式は、光源(ディスプレイ)、再帰反射材、ビームスプリッターからなる光学系を用いることでディスプレイに表示される光を空中に再結像させることで空間に映像を浮かび上がらせるものである。この原理は、まず、ディスプレイの光がビーミスプリッターで通常の反射を行い、再帰反射材へと進む。光は再帰反射材で入射と同じ方向に再帰反射を行って再度ビームスプリッターへと進む。ビームスピリッターを透過した光が収束後に再度拡散することで空間に映像が結像されるものである。空中ディスプレイでは、これらの部材が全て装置の筐体内に収められるため、操作者はディスプレイの存在を意識せず、空間に結像した映像のみを認識して操作することとなる。空中ディスプレイでは、物理的なディスプレイから大きく離れた位置で結像するため、静電気容量変化を検知するセンサは使用されず、上記の三次元距離センサの何れかを用いて位置や動きの計測を行うこととなる。このような空中ディスプレイでは、浮かび上がった結像のすぐ後ろに物理的なモニタが存在しないため、ホバー入力タイプに比べて、操作の際に距離感を誤って物理的なモニタに触れてしまうということがない点で、より衛生面での安心感を得られる利点がある。
居室親機3は、図示していないが、集合玄関機1の通話部12を通して来訪者と通話するためのマイク及びスピーカーを備えた通話部、集合玄関機1のカメラ14の撮像映像の表示や各種情報を表示する表示部、応答操作や設定操作を行う操作部等を備えている。
制御機4は、いずれも図示しない、住戸番号と居室親機3の関係等を記憶する記憶部、集合玄関機1と通信する集合玄関機用通信IF、居室親機2と通信する居室親機用通信IF、自動ドア5の電気錠5aの解錠/施錠を制御する自動ドア用通信IF、制御機4を制御する制御機CPU等を備えている。
以上のように構成された集合住宅インターホンシステムの動作について以下に説明する。但し、集合玄関機1を操作して居住者を呼び出す動作、居室親機2から呼び出しに応答する動作、呼出操作によりカメラ14が起動して居室親機3で表示される等の従来と同様の動作に関する部分については説明を省略し、ここでは、来訪者が集合玄関機1及び非接触入力装置2に直接触れることなく操作して居住者を呼び出す動作、帰宅した居住者が同様に入力ボタンに直接触れることなく自動ドア5を解錠して居住エリアに進む動作を中心に説明する。
来訪者が集合玄関機1に接近したことを、赤外線等によって人物の接近を感知する人感センサ15が感知すると、集合玄関機1の表示部13が点灯を開始する。同時に、人感センサ15による検知信号は、受信制御部18を介して非接触入力装置2の判断部24へも送信されることで、非接触入力装置2の表示部21も点灯を開始し、初期画面である入力待機画面が表示される。この入力待機画面には、来訪者がその後に行う操作を選択して各操作モードに移行させるためのボタンとして、例えば「呼出し」、「解錠」、「認証」が表示される。ここで、来訪者が「呼出し」を選択すれば、部屋番号を指定して居住者を呼び出すための<呼出し>操作モードに移行し、帰宅した居住者が「解錠」を選択することで、居住エリアに入る自動ドア5を開けるために暗証番号を入力するための<解錠>操作モードに移行する。「認証」は、例えば宅配BOX(図示せず)の操作や居住者を特定した通知を確認するために暗証番号を入力する<認証>操作モードに移行させるものである。以下、それぞれの操作モード毎に説明する。
最初に、来訪者が居住者を呼び出す場合について説明する。来訪者が、非接触入力装置2の待機画面に表示された「呼出し」ボタンを押す動作をおこなったことが検知部22によって検知されると、判断部24は<呼出し>操作モードに移行すると共に表示部21に<呼出し>モードの画面を表示する。尚、便宜上、以下の説明において「ボタンを押す」のような表現を用いるが、これは操作者が「ボタンを押す動作」をおこない、非接触入力装置2の検知部22によって操作者が押す意図を示したボタンを特定されたことを意味し、実際の操作は物理的な接触を伴わない非接触状態で行われることは言うまでもない。<呼出し>モード画面では、例えば、10キー、「確定」、「訂正」等のボタンが表示される。このとき、画面上に「呼び出しを行う部屋番号を押して下さい」等のような操作のガイドとなるメッセージを合わせて表示してもよい。そして、来訪者が訪問先の部屋番号を10キーで指定し、確定ボタンを押すことで呼び出し先の指定が完了する。来訪者が指定した部屋番号は検知部22により特定されて判断部24に送られ、判断部24は特定された部屋番号に、入力時の操作モード、ここでは<呼出し>モードであることを示すパラメータを加えたものをコマンドデータとして作成し、入力装置I/F25を介して集合玄関機1へと送信する。一例を挙げれば、呼び出す部屋番号が101である場合には、訪問者は10キーで「1」、「0」、「1」を押した後に「確定」ボタンを押すことで呼び出し先を指定する。非接触入力装置2の判断部24は検知部22から送られてきたこのデータに、<呼出し>モードを示すパラメータ「Y」を加えた「101Y」をコマンドデータとして作成し、集合玄関機1へ送信する。
そして、コマンドデータ「101Y」を受け取った集合玄関機1の受信制御部18は、パラメータ「Y」を判断し、集合玄関機1の操作部11における<呼出し>モード時に部屋番号「101」が指定された場合と同じ信号を集合玄関機CPU16に対して送信する。この処理によって、集合玄関機1の操作部11を物理的に操作して101号室が呼び出されたときと同じ制御処理、すなわち、制御機4を介して101号室の居室親機3を呼び出す処理が実行されることとなる。
呼出しを受けた101号室の居室親機3において応答操作が行われ、その信号を受信することで、集合玄関機1及び非接触入力装置2は<通話>モードに移行する。非接触入力装置2の表示部21には<通話>中であることが示されると共に、「通話終了」ボタンが表示される。<通話>モードにおける来訪者と居住者の通話は、集合玄関機1の通話部12に接続されたマイク及びスピーカー(何れも図示せず)を通じて行うことができる。そして、居室親機3若しくは非接触入力装置2の何れか一方で「通話終了」ボタンが押されるか、制御機4に組み込まれたタイマーによって一定時間経過後のタイムアウト処理を行われることで通話が終了される。通話終了により非接触入力装置2の判断部24は、表示部21の画面を初期画面である入力待機画面に切り換える処理を行う。
次に居住者が帰宅した際の動作について説明する。尚、上記の<呼出し>操作モードと同様である部分については適宜、説明を省略する。帰宅した居住者が集合玄関機1に近づき、非接触入力装置2の表示部21に入力待機画面が表示されるまでは上記の場合と同様である。居住者がエントランスと居住区域を分ける自動ドアを開けるために、非接触入力装置2の待機画面に表示された「解錠」ボタンを操作したことが検知部22によって検知されると、判断部24は<解錠>操作モードに移行すると共に表示部21に<解錠し>モードの画面を表示する。<解錠>モード画面では、例えば、10キー、「確定」、「訂正」等のボタンが表示される。このとき、画面上に「暗証番号を押して下さい」等の操作のガイドとなるメッセージを合わせて表示してもよい。
そして、居住者が暗証番号を10キーで指定し、確定ボタンを押すことで解錠の指示が完了する。入力された暗証番号は検知部22により特定されて判断部24に送られ、判断部24は特定された暗証番号に、当該数値の入力時の操作モード、ここでは<解錠>モードであることを示すパラメータを加えたものをコマンドデータとして作成し、入力装置I/F25を介して集合玄関機1へと送信する。一例を挙げれば、暗証番号が1234である場合には、訪問者は10キーで「1」、「2」、「3」、「4」を押した後に「確定」ボタンを押すことで暗証番号を指定する。非接触入力装置2の判断部24は検知部22から送られてきたこのデータに、<解錠>モードを示すパラメータ「K」を加えた「1234K」をコマンドデータとして作成し、集合玄関機1へ送信する。
コマンドデータ「1234K」を受け取った集合玄関機1の受信制御部18は、パラメータ「K」を判断し、<解錠>モード時に、集合玄関機1の操作部11を物理的に操作して暗証番号「1234」が指定された場合と同じ信号を集合玄関機CPU16に対して送信する。これにより、集合玄関機1の操作部11を使用することで解錠の暗証番号が入力されたときと同じ制御処理、すなわち、制御機4を介して自動ドア5に供えられた電子錠の解錠制御が行われることとなる。この後は、解錠が行われたことを示す信号を制御機4から集合玄関機1を介して非接触入力装置2の判断部24へ送信することで、<解錠>操作モードを終了して表示部21の表示を初期画面である入力待機画面へ戻してもよい。又は、集合玄関機1の人感センサ15による操作者(居住者)の不在を検知した場合や、制御機4に組み込まれたタイマーによって一定時間経過後のタイムアウト処理が行われることで<解錠>操作モードを終了することとしてもよい。この点は、<解錠>に限らず全ての操作モードにおいて同様の設計とすることができる。
次に、<認証>の操作モードについて説明する。この操作モードは例えば宅配BOXの操作に利用することができる。以下、実施形態の一例を示す。帰宅した居住者が上記の<解錠>操作モードを選択して自己の暗証番号を入力して解錠操作を行った際、例えば特許4638751号に開示の技術等によって宅配BOXに当該居住者への着荷を知らせるメッセージを、非接触入力装置2の表示部21や集合玄関機1の表示部13に表示する。同時に、<認証>操作モードに移行し、非接触入力装置2の判断部24は表示部21に「受取り」と「キャンセル」のボタンを表示する。居住者が「受取り」を選択した場合、その操作は検知部22によって特定され、判断部24は10キー、「確定」、「訂正」等のボタンを表示部21に表示する。居住者が宅配BOX用の暗証番号を入力して確定することで、判断部24は宅配BOX用の暗証番号に受取りを示すパラメータ「U」を加えたコマンドデータを作成して集合玄関機1の受信制御部18へ送信する。受信制御部18は、パラメータ「U」を判断し、<受取り>モード時に集合玄関機1の操作部11を物理的に操作することで宅配BOX用の暗証番号が指定された場合と同じ信号を集合玄関機CPU16に対して送信する。これにより、集合玄関機1の操作部11で宅配BOX用の暗証番号が指定ときと同じ制御処理、すなわち、制御機4を介して宅配BOXの解錠等が行われることとなる。
上記の<認証>操作モードにおいて、居住者が「キャンセル」を選択したことを検知部22が特定した場合は、判断部24により即座に<解錠>操作モードに戻って解錠の制御を続行することができる。また、その他の場合における<認証>操作モードの終了は、宅配BOX用の暗証番号の指定が確定された段階でおこなってもよいし、宅配BOXが解錠されたことを示す信号を制御機4から返すことにより行ってもよい。また、非接触入力装置2の表示部21の移行は、<認証>操作モードの終了と共に初期画面である入力待機画面に戻ることとしてもよいし、<解錠>操作モードに一旦戻して、再度「確定」の操作をさせることで自動ドア5の電子錠の解錠を行うようにしてもよい。この際、非接触入力装置2の記憶部23に先に入力された宅配BOX用の暗証番号を記憶することとして、暗証番号の再度の入力を省略するように構成することもできる。このように、宅配BOXの解錠と自動ドア5の解錠をそれぞれどのようなタイミングで行うかについては、本願発明のインターホンシステムが設置される集合住宅の個別の構造によって決定される人の動線等を考慮して如何様にも柔軟に設計することが可能である。
次に、配達に訪れた宅配業者が宅配BOXを利用した不在配達を行う際の実施形態の一例について説明する。宅配業者が、非接触入力装置2の入力待機画面で「認証」ボタンを操作することで<認証>の操作モードに移行し、表示部21には、10キー、「配達」「キャンセル」等のボタンが表示される。「配達」が選択された場合、これまで説明してきたのと同様の動作で制御機4に該当信号を送ることで、従来と同様の手順で宅配御者による宅配BOX使用を許可する制御を行うことが可能である。尚、上記のように居住者が帰宅した際の<解錠>操作モードを経て<認証>の操作モードに直接移行したのか、<解錠>操作モードを経てることなく<認証>操作モードに直接移行したのかによって、<認証>操作モードの表示画面が異なるようにすることもできる。<解錠>操作モードを経て<認証>操作モードに入った場合には、「配達」のボタンが表示されない設計とすると、宅配業者と居住者それぞれにとって操作が簡便となって便利である。
また、この<認証>の操作モードは居住者を特定した個別通知を確認する場合にも利用することができる。居住者に各部屋番号毎にメッセージを表示するのみであれば、上記の宅配BOXへの着荷を知らせるメッセージと同様に<解錠>モードにおける解錠用暗証番号の確定を利用して集合玄関機1や非接触入力装置2のそれぞれの表示部13、21に各部屋へ向けた通知表示をすることも可能である。しかし、上記の宅配の受取りの動作と同じく、確定した解錠用暗証番号に応じて<解錠>モードから<認証>モードへ自動的に移行するように構成することで、同じ部屋に住む居住者の各人を特定した個人に向けたメッセージを表示することも可能となる。すなわち、確定した解錠用暗証番号に対応する部屋番号の居住者のいずれかの個人に通知がある場合には、<認証>モードへ自動的に移行させて個人を特定する暗証番号を入力させることでその人物に向けた通知を行うことも可能となる。この場合の操作における制御等についてはこれまで説明してきた動作と同様に構成することができる。
ここまで、本願発明の集合住宅インターホンシステムを操作する場合の各動作について説明してきたが、以上の構成において、次に説明する構成を加えることで、非接触入力装置の付け替えを防止してセキュリティの向上を図ることができる。すなわち、集合玄関機1に接続される非接触入力装置2のそれぞれに装置個体を識別するための固有のIDを予め設定し、集合玄関機1と非接触入力装置2の送受信において、入力データを送信した非接触入力装置2が接続を許可された装置であることを認証することが好ましい。以下、これに関する実施形態の一例について詳しく説明する。本願発明のインターホンシステムを設定するにあたって、集合玄関機1との接続が許可される非接触入力装置2にはそれぞれ固有のIDを付与する。そして、集合玄関機1の記憶部17には、この接続を許可された非接触入力装置2のIDが予め記憶される。上記説明の各操作モードにおいて、非接触入力装置2の判断部24は、集合玄関機に送信するコマンドデータを作成する際に、非接触入力装置2のIDを含めたコマンドデータを作成する。一例を挙げるならば、例えば上記説明の<呼出し>モードの場合、呼び出しを行う部屋番号101に<呼出し>モードのパラメータ「Y」を加えてコマンドデータ「101Y」としていたが、更にこれに非接触入力装置2のID、例えば「-ID-ABCD」を加えた「101Y-ID-ABCD」をコマンドデータとすることができる。コマンドデータを受信した集合玄関機1の受信制御部18は、コマンドデータにIDデータが含まれている場合に、集合玄関機CPU16を介して集合玄関機1の記憶部17に記憶されたIDデータとの照合を行う。照合した結果、送信されたコマンドデータが接続を許可されている非接触入力装置2から送信されたコマンドデータであると受信制御部18が判断した場合は、受信制御部18によって、通常と同じく、集合玄関機1の操作部11で<呼出し>部屋番号「101」が指定された場合と同じ信号を集合玄関機CPU16に対して送信することで、制御機4を介して101号室の居室親機3の呼び出しが行われる。
集合玄関機1の受信制御部18が、コマンドデータに含まれるIDデータを照合した結果、IDが一致せず、受信したコマンドデータは接続が許可されている入力装置から送信したものでないと判断した場合には、受信制御部18は以降の処理を停止する。これにより集合玄関機CPU16へ制御信号の送信は行われず、呼出しが行われないこととなる。このとき、受信制御部18が処理を停止した際に、非接触入力装置2へエラー信号を返すことで、非接触入力装置2の判断部24を介して表示部21にエラーメッセージを表示するようにしてもよい。以上の構成により、インターホンシステムに接続することが許可されていない他の入力装置から<呼出し>や<解錠>というセキュリティにおいて重要な操作が行われてしまうことを防止することができる。
尚、この例では、非接触入力装置2のIDは、コマンドデータに含めて送信されることで、集合玄関機1におけるコマンドデータ処理時にID認証を行う構成としたが、ID認証を行うタイミングはこれに限定されないことは言うまでもない。例えば、処理の煩雑さを回避するために、ID認証は<解錠>等の極めて高いセキュリティが求められる処理のみに限定し、集合玄関機1の受信制御部18がコマンドデータに<解錠>のパラメータが含まれていると判断した場合にのみ、受信制御部18が非接触入力装置2の判断部24にIDの送信を命令することでID認証を行うようにしてもよい。
1 集合玄関機
11 操作部
12 通話部
13 表示部
14 カメラ
15 人感センサ
16 集合玄関機CPU
17 記憶部
18 受信制御部
19 集合玄関機I/F
2 非接触入力装置、
21 表示部
22 検知部
23 記憶部
24 判断部
25 入力装置I/F
3 居室親機
4 制御機
5 自動ドア
11 操作部
12 通話部
13 表示部
14 カメラ
15 人感センサ
16 集合玄関機CPU
17 記憶部
18 受信制御部
19 集合玄関機I/F
2 非接触入力装置、
21 表示部
22 検知部
23 記憶部
24 判断部
25 入力装置I/F
3 居室親機
4 制御機
5 自動ドア
Claims (3)
- 居室に設置された居室親機の呼出し・通話機能及びドアの解錠機能を有する集合玄関機と、
該集合玄関機と相互にデータの送受信が可能な状態で接続される、入力ボタンに直接触れることなくデータの入力が可能な非接触入力装置と
を有する集合住宅インターホンシステムであって、
前記集合玄関機は、
非接触入力装置から受信したデータに基づいて所定の制御処理を実行するための受信制御部を有し、
前記非接触入力装置は、
複数の操作モードのそれぞれに対応する入力画面を表示する表示部と、
表示部の入力画面における検知対象物による操作位置を検知する検知部と、
検知部により検知された操作位置に対応する操作内容を決定する判断部とを有し、
前記判断部は、
決定された操作内容のデータに、当該操作が行われたときの操作モードを示すパラメータを加えたコマンドデータを生成して集合玄関機へ送信し、
前記受信制御部は、
非接触入力装置から受信した前記コマンドデータに基づいて所定の制御処理を実行する
ことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。 - 前記非接触入力装置は固有のIDを有し、
集合玄関機と非接触入力装置との間で送受されるコマンドデータは当該非接触入力装置のIDを含み、
集合玄関機は、接続を許可された通信相手のIDを記憶するための記憶部を有し、
集合玄関機の受信制御部は、受信したコマンドデータに含まれたIDが記憶部に記憶された通信相手のIDであるか否かを識別する
ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅インターホンシステム。 - 前記非接触入力装置は、
前記表示部の入力画面の内容を空間投影像として空間に結像させる空間投影装置を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の集合住宅インターホンシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021150267A JP2023042871A (ja) | 2021-09-15 | 2021-09-15 | 非接触入力装置を備えた集合住宅インターホンシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021150267A JP2023042871A (ja) | 2021-09-15 | 2021-09-15 | 非接触入力装置を備えた集合住宅インターホンシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023042871A true JP2023042871A (ja) | 2023-03-28 |
Family
ID=85724140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021150267A Pending JP2023042871A (ja) | 2021-09-15 | 2021-09-15 | 非接触入力装置を備えた集合住宅インターホンシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023042871A (ja) |
-
2021
- 2021-09-15 JP JP2021150267A patent/JP2023042871A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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