JP2023040841A - 酸化防止剤製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】L-アスコルビン酸等の高濃度化と分散性の両立を図ることができる酸化防止剤製剤を提供する。【解決手段】L―アスコルビン酸脂肪酸エステルと、油性物質と、ショ糖混合脂肪酸エステルと、を含む酸化防止剤製剤であって、L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が前記酸化防止剤製剤の全質量基準で13質量%以上である酸化防止剤製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化防止剤製剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、L-アスコルビン酸脂肪酸エステルを高含有量で含む酸化防止剤製剤に関する。
L―アスコルビン酸(別名ビタミンC)は、強い還元作用を持ち、水溶性の酸化防止剤として、多くの食品に添加され、安全でかつ栄養強化剤としても使用されている。またL―アスコルビン酸脂肪酸エステルのようなL―アスコルビン酸の誘導体もまた、L―アスコルビン酸と同様に強い還元作用を持つことから酸化防止剤として使用されている。
これらL―アスコルビン酸及びその誘導体(以下、「L―アスコルビン酸等」ともいう)の使用用途によっては、酸化防止機能の強化が求められていた。例えば、揚げ物のような食品については、サクサクした揚げたて感や、色合いを保つため、酸化防止剤の性能強化が求められていた。
国際公開第2018/190203号
しかし、酸化防止剤としてのL―アスコルビン酸等の添加量を増やそうとすると、油相中でL―アスコルビン酸等が沈降し分離するため、油相中に上手く分散してくれなかった。乳化剤を添加し、さらに高圧ホモジナイザーでせん断することにより、L―アスコルビン酸等が分散し上記課題は解決された。しかし、高圧ホモジナイザーでせん断することで、油相の粘度が上昇してしまうという課題が生じた。粘度の上昇は配管詰まり引き起こすため、改善が求まられていた。
以上より、酸化防止剤製剤の酸化防止機能の強化とL―アスコルビン酸等の分散性の両立を図ることが求められていた。
本発明は、L-アスコルビン酸等の高濃度化と分散性の両立を図ることができる酸化防止剤製剤を提供することを課題とする。
〈1〉L―アスコルビン酸脂肪酸エステルと、油性物質と、ショ糖混合脂肪酸エステルと、を含む酸化防止剤製剤であって、L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が前記酸化防止剤製剤の全質量基準で13質量%以上である酸化防止剤製剤。
〈2〉ショ糖混合脂肪酸エステルの混合脂肪酸部分が、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる〈1〉に記載の酸化防止剤製剤。
〈3〉L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が酸化防止剤製剤の全質量基準で16質量%以上である〈1〉又は〈2〉に記載の酸化防止剤製剤。
〈4〉L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が酸化防止剤製剤の全質量基準で20質量%以上である〈1〉又は〈2〉に記載の酸化防止剤製剤。
〈5〉L―アスコルビン酸脂肪酸エステルが、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルである〈1〉~〈4〉のいずれかに記載の酸化防止剤製剤。
〈6〉ELSZの測定で、酸化防止剤製剤の粒子径が1200nm以下である〈1〉~〈5〉のいずれかに記載の酸化防止剤製剤。
〈7〉酸化防止剤製剤の基準油脂分析法による粘度が1000mPa・s以下である〈1〉~〈6〉のいずれかに記載の酸化防止剤製剤。
〈8〉ショ糖混合脂肪酸エステルの含有量が、酸化防止剤製剤の全質量基準で、4質量%以上である〈7〉に記載の酸化防止剤製剤。
〈9〉ショ糖混合脂肪酸エステルの含有量が、酸化防止剤製剤の全質量基準で、8質量%以上である〈7〉に記載の酸化防止剤製剤。
〈10〉油性物質が、ナタネ油、大豆油、コーン油、コメ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマワリ油、落花生油、アーモンド油、綿実油、魚油、鯨油、サメ油、魚肝油、ミンク油、アボガド油、ホホバ油、ラード、スクアレン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ビタミンA、D及びE及びそれらの誘導体から成る群より選ばれる1種以上である〈1〉~〈9〉のいずれかに記載の酸化防止剤製剤。
〈11〉さらに界面活性剤を含む〈1〉~〈10〉のいずれかに記載の酸化防止剤製剤。
〈12〉界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン及びステロールから成る群より選ばれる1種以上である〈11〉に記載の酸化防止剤製剤。
本発明によれば、L-アスコルビン酸等の高濃度化と分散性の両立を図ることができる酸化防止剤製剤が提供される。
図1は、実施例1の酸化防止剤製剤の常温におけるトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を示す図である。 図2A、図2B、図2Cは、それぞれ実施例1、2、3の酸化防止剤製剤の常温におけるトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を示す図である。 図3は、比較例1の酸化防止剤製剤の常温におけるトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を示す図である。 図4A、図4Bは、それぞれ比較例1、2の酸化防止剤製剤の常温におけるトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を示す図である。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明は、L―アスコルビン酸脂肪酸エステルと、油性物質と、ショ糖混合脂肪酸エステルと、を含む酸化防止剤製剤であって、L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が酸化防止剤製剤の全質量基準で13質量%以上である酸化防止剤製剤に関する。
L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が酸化防止剤製剤の全質量基準で16質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。
ELSZ(ゼータ電位・粒径・分子量測定システム、大塚電子株式会社製、商品名「ELSZ-2000ZS」)を用いた測定で、酸化防止剤製剤の粒子径が1200nm以下であることが好ましい。
また酸化防止剤製剤の基準油脂分析法による粘度が1000mPa・s以下であることが好ましい。
本発明によれば、乳化剤としてショ糖混合脂肪酸エステルを用いたことにより、L-アスコルビン酸等の高濃度化と分散性の両立を図ることができる。以下、酸化防止剤製剤について詳細に説明する。
L-アスコルビン酸脂肪酸エステルは、L-アスコルビン酸と脂肪酸からなるモノエステル、ジエステル、トリエステル等である。そのエステルの酸部分としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等が挙げられる。それらの中で、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル及びL-アスコルビン酸ステアリン酸エステルが特に好ましく、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルが最も好ましい。Lアスコルビン酸パルミチン酸エステルは、分子量が小さい分、L-アスコルビン酸ステアリン酸に比べて同量を添加した場合の効果が若干高くなる。
L-アスコルビン酸脂肪酸エステルは前記群からなる1種を選んでも使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。L-アスコルビン酸脂肪酸エステルの配合量は、酸化防止剤製剤全質量に対して0.1~70質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましく5~25質量%がより好ましい。有効な酸化防止効果を示すには、0.1質量%以上必要であり、且つ、流動性のある液体として製造されるには、70質量%以下が好ましい。
油性物質は、常温下で液状の油性物質であって、動植物油、炭化水素、ビタミン類、中鎖脂肪酸トリグリセライド等である。具体的には、動植物油脂としては、ナタネ油、大豆油、コーン油、コメ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマワリ油、落花生油、アーモンド油、綿実油、魚油、鯨油、サメ油、魚肝油、ミンク油、アボガド油、ホホバ油、ラード等が挙げられる。炭化水素としては、スクアレンが挙げられる。中鎖脂肪酸トリグリセライドは、炭素数が6~24の任意の範囲にある脂肪酸基を持つトリグリセライドの単一物又は混合物である。ビタミン類としては、ビタミンA、D及びE及びそれらの誘導体が挙げられる。これらの中で、特に好ましいのは、ナタネ油及び中鎖脂肪酸トリグリセライドである。
油性物質の代わりに、グリセリン及びプロピレングリコール等の溶剤を使用することもできる。
油性物質は前記群からなる1種を選んでも使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。油性物質の使用量は、酸化防止剤製剤全質量に対して、30~99.9質量%が好ましく、60~98質量%がより好ましい。L-アスコルビン酸脂肪酸エステルを均一に分散させるには、油性物質の使用量は、前記範囲にあることが好ましい。
ショ糖混合脂肪酸エステルは、ショ糖と混合脂肪酸からなる、ジエステル、トリエステル等である。エステルの酸部分としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等が挙げられる。
ショ糖混合脂肪酸エステルは、トリエステルであることが好ましく、それらの中で、その混合脂肪酸部分が、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなることがより好ましい。
ショ糖混合脂肪酸エステルの含有量が、酸化防止剤製剤の全質量基準で、4質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましい。
酸化防止剤製剤には、乳化剤(界面活性剤)を添加することができる。乳化剤の添加によって、分散液の分散状態を安定化させることができる。好ましい乳化剤は、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤である。具体的には、非イオン界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン、ステロール等が挙げられる。これらの中で、特に、好ましいのは、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルである。尚、レシチン、酵素処理レシチン及び酵素分解レシチン等のレシチン類は、ごく微量を配合するのであれば、褐変の影響はないが、配合しないことが好ましい。
乳化剤は、前記群からなる1種を選んで使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。界面活性剤の使用量は、酸化防止剤製剤全質量に対して、20質量%以下が好ましく、1~10質量%がより好ましい。20質量%より多く使用しても増量による分散剤としての効果の上昇は見られない。
乳化剤として、単体の脂肪酸を用いることができる。単体の脂肪酸としては、上述のショ糖混合脂肪酸エステルの項で、エステルの酸部分として列記した脂肪酸を用いてもよい。その際、1種を選んで使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良い。なかでも、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる群から選択されることが好ましい。
なお、混合脂肪酸の用語の意味には、(1)ショ糖混合脂肪酸エステルの酸部分を構成する脂肪酸の群、(2)ショ糖混合脂肪酸エステルと併用される乳化剤としての単体の脂肪酸の群、(3)上述の(1)と(2)を併せた脂肪酸の群が含まれる。各脂肪酸の群の組合せについては互いに独立である。
次に、酸化防止剤製剤の製造方法について説明するが、以下の例には限定されない。
油性物質に乳化剤を加え、それらを55~65℃まで加熱し、撹拌しながらその温度を維持し続けることにより、油性物質に乳化剤を溶解させる。得られた溶液を冷却しながら、そこにL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルを添加した後、ホモミキサーを用いて約15分間攪拌し続ける。攪拌後、溶液の温度が20℃になるまで溶液を冷却する。このようにして酸化防止剤製剤が得られる。
その他にも、次の方法でも製造することができる。
70~80℃に加熱させた油性物質に、乳化剤及びL-アスコルビン酸脂肪酸エステルとを溶解させ、ホモミキサーで良く攪拌しながら冷却し、本発明の酸化防止剤製剤とする。
上述の製造方法により得られた本発明の酸化防止剤製剤は、混入されるL-アスコルビン酸脂肪酸エステルの濃度により多少変化するが、粘度が約100~3000cpの範囲にある、流動性の白濁液体である。
酸化防止剤製剤は、油脂類及び油脂含有食品に混合攪拌することによって容易に配合することができる。また、酸化防止剤製剤は、食品の製造過程において、食品素材に練り込むことによって配合することもできる。好ましい配合量は、例えば、食用油に対して、0.1~0.5質量%である。
酸化防止剤製剤が、単独で油脂類及び油脂含有食品ないし食品素材等に配合される場合、最終的に添加される配合量が同一ならば、粉末のL-アスコルビン酸の脂肪酸エステルを使用したときと同等の効果がある。さらに、他の酸化防止剤製剤と併用すると、その効果は相乗的に増大する。
酸化防止剤製剤は、0℃程度の低温下に置かれても、固化は起こらず、流動性が消失することがない。また、暗所、室温にて保存されるとき、少なくとも6カ月間は、L-アスコルビン酸脂肪酸エステルの消失は見られない。
酸化防止剤製剤は、食品の他に、化粧品、医薬、飼料等に、添加することも可能である。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は酸化防止剤製剤の他にも、酸化防止剤製剤を用いた食品、例えば揚げ物にも関する。本発明によれば、酸化防止機能が強化されるため、所定時間おいた後でも、サクサクした揚げたて感や、色合いが保持された揚げ物が得られる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
以下、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(酸化防止剤製剤)
下記の処方で酸化防止剤製剤を調製した。
L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル 20質量%
ショ糖混合脂肪酸エステル 4質量%
トリグリセリド 76質量%
トリグリセリドに、ショ糖と混合脂肪酸(オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸)からなるショ糖混合脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製、商品名「リョウトーシュガーエステルPOS-135」)を加え、それらを60℃まで加熱し、攪拌し続けることにより、トリグリセリドにショ糖混合脂肪酸エステルを溶解させた。
得られた溶液を水道水で冷却しながら、そこにL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルを添加した後、ホモミキサーを用いて3000rpmで15分間攪拌を続けた。攪拌後、溶液の温度が20℃になるまで溶液を水道水で冷却し続けた。このようにして実施例1の酸化防止剤製剤を得た。
(分散状態)
得られた実施例1の酸化防止剤製剤について、常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図1に示す。
図1に示すように、目視では、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの粒が見えないほど、トリグリセリド全体に細かく均一に分散しているのが観察され、トリグリセリドは、不透明であった。
(粘度)
得られた実施例1の酸化防止剤製剤を高圧ホモジェナイザ―で均質化処理をした後、基準油脂分析法に従って、酸化防止剤製剤の粘度を測定した。
その結果、酸化防止剤製剤の粘度は、1235mPa・sであった。
常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図2Aに示す。
(分散性)
ELSZ(ゼータ電位・粒径・分子量測定システム、大塚電子株式会社製、商品名「ELSZ-2000ZS」)を用いて、酸化防止剤製剤の粒子径を測定した。
その結果、酸化防止剤製剤の粒子径は、1041.0nmであった。
実施例1により、L-アスコルビン酸脂肪酸エステルを高含有量で含み、L-アスコルビン酸脂肪酸エステルが均一に分散された酸化防止剤製剤が得られた。
<実施例2>
(酸化防止剤製剤)
ショ糖混合脂肪酸エステルの添加量を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして酸化防止剤製剤を調製した。
L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル 20質量%
ショ糖混合脂肪酸エステル 8質量%
トリグリセリド 72質量%
得られた酸化防止剤製剤について実施例1と同様にしてトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散状態の観察と、酸化防止剤製剤の粘度測定を行った。
(分散状態)
その結果、目視では、実施例1と同様にL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの粒が見えないほど、トリグリセリド全体に細かく均一に分散しているのが観察され、トリグリセリドは、不透明であった。
(粘度)
酸化防止剤製剤の粘度は、532mPa・sであった。
常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図2Bに示す。
(分散性)
上述のELSZを用いて、酸化防止剤製剤の粒子径を測定した。
その結果、酸化防止剤製剤の粒子径は、902.2nmであった。
<実施例3>
(酸化防止剤製剤)
ショ糖混合脂肪酸エステルの添加量を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして酸化防止剤製剤を調製した。
L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル 20質量%
ショ糖混合脂肪酸エステル 12質量%
トリグリセリド 72質量%
得られた酸化防止剤製剤について実施例1と同様にしてトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散状態の観察と、酸化防止剤製剤の粘度測定を行った。
(分散状態)
その結果、目視では、実施例1と同様にL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの粒が見えないほど、トリグリセリド全体に細かく均一に分散しているのが観察され、トリグリセリドは、不透明であった。
(粘度)
酸化防止剤製剤の粘度は、425mPa・sであった。
常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図2Cに示す。
(分散性)
上述のELSZを用いて、酸化防止剤製剤の粒子径を測定した。
その結果、酸化防止剤製剤の粒子径は、854.4nmであった。
<比較例1>
(酸化防止剤製剤)
ショ糖混合脂肪酸エステルをショ糖ステアリン酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製、商品名「リョウトーシュガーエステルS―170」とし、質量比を変更した以外は、実施例1と同様にして酸化防止剤製剤を調製した。
L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル 20.25質量%
ショ糖ステアリン酸エステル 4質量%
トリグリセリド 75.75質量%
(分散状態)
得られた酸化防止剤製剤について、常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図3に示す。
常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られて結果を図3に示す。
図3に示すように、目視では、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの粒が、トリグリセリド全体に分散しているのが観察され、トリグリセリドは、不透明であった。
(粘度)
得られた比較例1の酸化防止剤製剤を高圧ホモジェナイザ―で均質化処理した後、基準油脂分析法に従って、酸化防止剤製剤の粘度を測定した。
酸化防止剤製剤の粘度は、1235mPa・sであった。
常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図4Aに示す。
(分散性)
上述のELSZを用いて、酸化防止剤製剤の粒子径を測定した。
その結果、酸化防止剤製剤の粒子径は、1453.2nmであった。
<比較例2>
(酸化防止剤製剤)
ショ糖混合脂肪酸エステルをショ糖ステアリン酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製、商品名「リョウトーシュガーエステルS―170」とし、質量比を変更した以外は、実施例1と同様にして酸化防止剤製剤を調製した。
L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル 20.25質量%
ショ糖ステアリン酸エステル 8質量%
トリグリセリド 71.75質量%
得られた酸化防止剤製剤について実施例1や比較例1と同様にしてトリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散状態の観察と、酸化防止剤製剤の粘度測定を行った。
(分散状態)
その結果、目視では、比較例1と同様に、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの粒が、トリグリセリド全体に分散しているのが観察され、トリグリセリドは、不透明であった。
(粘度)
酸化防止剤製剤の粘度は、1186mPa・sであった。
常温にて、トリグリセリド中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散の状態を目視観察した。得られた結果を図4Bに示す。
(分散性)
上述のELSZを用いて、酸化防止剤製剤の粒子径を測定した。
その結果、酸化防止剤製剤の粒子径は、1393.1nmであった。
実施例1~3、比較例1、2の結果より、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの含有量が20質量%と高含有量であっても、乳化剤としてショ糖混合脂肪酸エステルを用いることにより、トリグリセリド中におけるL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの分散性が向上することが示された。ショ糖混合脂肪酸エステルを用いることにより、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの高濃度化と分散性の両立が図れることが示された。
実施例1~3の結果より、乳化剤としてショ糖混合脂肪酸エステルを用いる場合、その含有量が8質量%以上のときに、酸化防止剤製剤の粘度が低下し、流動性が改善されることが示された。
酸化防止剤製剤はL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの含有量が高いにも関わらず、分散性が良好である。そのため、酸化防止剤製剤を揚げ物油に添加することで、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルが分散性よく高濃度で存在することになるため、揚げ物の酸化を効果的に抑制することができる。また酸化防止剤製剤中のL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルの含有量が従来よりも高いため、酸化防止剤製剤を揚げ物油に添加する回数を減らすことができる。
また酸化防止剤製剤は分散性の他に粘度が低いため、噴霧剤の形態で使用することができる。そのため、酸化防止剤製剤を、色止め剤として揚げ物に噴霧することで、揚げ物の色止めを効果的に防止できる。

Claims (12)

  1. L―アスコルビン酸脂肪酸エステルと、
    油性物質と、
    ショ糖混合脂肪酸エステルと、を含む酸化防止剤製剤であって、
    前記L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が前記酸化防止剤製剤の全質量基準で13質量%以上である酸化防止剤製剤。
  2. 前記ショ糖混合脂肪酸エステルの混合脂肪酸部分が、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からなる請求項1に記載の酸化防止剤製剤。
  3. 前記L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が酸化防止剤製剤の全質量基準で16質量%以上である請求項1又は2に記載の酸化防止剤製剤。
  4. 前記L―アスコルビン酸脂肪酸エステルの含有量が酸化防止剤製剤の全質量基準で20質量%以上である請求項1又は2に記載の酸化防止剤製剤。
  5. 前記L―アスコルビン酸脂肪酸エステルが、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルである請求項1~4のいずれか1項に記載の酸化防止剤製剤。
  6. ELSZの測定で、酸化防止剤製剤の粒子径が1200nm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の酸化防止剤製剤。
  7. 前記酸化防止剤製剤の基準油脂分析法による粘度が1000mPa・s以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の酸化防止剤製剤。
  8. 前記ショ糖混合脂肪酸エステルの含有量が、酸化防止剤製剤の全質量基準で、4質量%以上である請求項7に記載の酸化防止剤製剤。
  9. 前記ショ糖混合脂肪酸エステルの含有量が、酸化防止剤製剤の全質量基準で、8質量%以上である請求項7に記載の酸化防止剤製剤。
  10. 前記油性物質が、ナタネ油、大豆油、コーン油、コメ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマワリ油、落花生油、アーモンド油、綿実油、魚油、鯨油、サメ油、魚肝油、ミンク油、アボガド油、ホホバ油、ラード、スクアレン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ビタミンA、D及びE及びそれらの誘導体から成る群より選ばれる1種以上である請求項1~9のいずれか1項に記載の酸化防止剤製剤。
  11. さらに界面活性剤を含む請求項1~10のいずれか1項に記載の酸化防止剤製剤。
  12. 前記界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン及びステロールから成る群より選ばれる1種以上である請求項11に記載の酸化防止剤製剤。
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