JP2023040501A - 打ち込み工具 - Google Patents

打ち込み工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2023040501A
JP2023040501A JP2021147520A JP2021147520A JP2023040501A JP 2023040501 A JP2023040501 A JP 2023040501A JP 2021147520 A JP2021147520 A JP 2021147520A JP 2021147520 A JP2021147520 A JP 2021147520A JP 2023040501 A JP2023040501 A JP 2023040501A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trigger
contact
driving tool
driving
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021147520A
Other languages
English (en)
Inventor
直治 石川
Naoharu Ishikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makita Corp filed Critical Makita Corp
Priority to JP2021147520A priority Critical patent/JP2023040501A/ja
Priority to US17/868,253 priority patent/US11819990B2/en
Priority to CN202210870069.4A priority patent/CN115781596A/zh
Priority to DE102022121534.2A priority patent/DE102022121534A1/de
Publication of JP2023040501A publication Critical patent/JP2023040501A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25CHAND-HELD NAILING OR STAPLING TOOLS; MANUALLY OPERATED PORTABLE STAPLING TOOLS
    • B25C1/00Hand-held nailing tools; Nail feeding devices
    • B25C1/008Safety devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25CHAND-HELD NAILING OR STAPLING TOOLS; MANUALLY OPERATED PORTABLE STAPLING TOOLS
    • B25C1/00Hand-held nailing tools; Nail feeding devices
    • B25C1/04Hand-held nailing tools; Nail feeding devices operated by fluid pressure, e.g. by air pressure
    • B25C1/041Hand-held nailing tools; Nail feeding devices operated by fluid pressure, e.g. by air pressure with fixed main cylinder
    • B25C1/043Trigger valve and trigger mechanism
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25CHAND-HELD NAILING OR STAPLING TOOLS; MANUALLY OPERATED PORTABLE STAPLING TOOLS
    • B25C1/00Hand-held nailing tools; Nail feeding devices
    • B25C1/04Hand-held nailing tools; Nail feeding devices operated by fluid pressure, e.g. by air pressure
    • B25C1/047Mechanical details

Abstract

【課題】トリガのオン操作後、コンタクトアームのオン操作がロックされるまでの一定時間の設定について、シリコン油等を封入したロータリダンパを用いると周囲の熱影響を受ける。本発明では、熱影響を受けず、安定した時間が確保されるようにする。【解決手段】ロータリダンパでなく規制ホイール41の間欠回転動作により、コンタクト規制部材23がアンロック位置からロック位置に至るまでの一定時間を設定する。規制ホイール41の間欠回転動作は、抵抗付与部材42の揺動動作により発生する。時計の脱進機におけるガンギ車とアンクルが利用される。ガンギ車としての規制ホイール41の間欠回転動作は、ギヤ列30で増速されて高速化される。規制ホイール41の間欠回転動作がコンタクト規制部材23に動作抵抗として作用して一定時間が設定される。【選択図】図7

Description

本開示は、釘打ち機等の打ち込み工具に関する。
例えば圧縮エアを動力源とする釘打ち機では、打ち込みノーズ部の先端に設けたコンタクトアームを被打ち込み材に押し付けて射出口に対して相対的に上動させる操作(コンタクトアームのオン操作)と、トリガを指先で引く操作(トリガのオン操作)の双方がなされることを条件に工具本体部で打ち込み動作がなされるようになっており、一方のオン操作のみでは打ち込み動作がなされず、これにより不用意な打ち込み動作が回避されるようになっている。
また、この種の打ち込み工具では、コンタクトアームを先に被打ち込み材に押し付けてオン操作した後にトリガを引き操作して行う狙い打ち、トリガを引き操作したまま当該打ち込み工具を上下に振ってコンタクトアームをオンオフさせる振り打ち等の様々な打ち込み動作を行うことができる。前者の狙い打ちでは、打ち込み動作後に一旦トリガをオフさせないと次の打ち込み動作がなされない(単発打ち)。これに対して後者の振り打ちでは、トリガを引き操作したままコンタクトアームのオンオフを繰り返すことにより連続して打ち込み動作を行うことができる(連発打ち)。
特許文献1には、打ち込み駆動部への圧縮エアの供給、遮断を切り替えるヘッドバルブの動作を、電子制御されるソレノイドバルブを用いて行う技術が開示されている。特許文献2、3には、電子制御されるソレノイドバルブを用いて連発打ち、単発打ちの切り替えを行う構成とした打ち込み工具が開示されている。電子制御式のソレノイドバルブ(起動バルブ)を用いることにより、単発打ちや連発打ち等の打ち込み動作が適切に制御されるようになっている。ところが、特許文献1~3に開示された技術では、起動バルブのステムを移動させる一部動力源として圧縮エアを用いる構成であるので、当該起動バルブのオンオフ動作に時間が掛かって打ち込み動作の速射性能が低下する問題があった。
特許文献4には、コンタクトアームのオン操作とトリガのオン操作をそれぞれ個別にマイクロスイッチで検知し、コンタクトアームのオン操作後の経過時間をタイマー計測する構成を備えたモード切り替え技術が開示されている。特許文献4に開示されたモード切り替え技術によれば、単発打ちモードでは、コンタクトアームのオン操作後一定時間経過前にトリガがオン操作されることにより打ち込み動作がなされる。1回の打ち込み動作がなされた後における、連続した打ち込み動作の禁止状態がトリガのオフ操作によりリセットされる。連発打ちモードでは、トリガのオン操作後一定時間経過前にコンタクトアームのオン操作がなされることを条件にタイマーのリセットと打ち込み動作を繰り返すことができる。タイマー計測による一定時間内にコンタクトアームのオン操作がなされない時点でその後のオン操作が無効となって打ち込み動作禁止状態となる。又はコンタクトアームにロックピンを係合させてオフ位置にロックすることにより同じく打ち込み動作禁止状態となる。係るモード切り替え技術によれば、例えば連発打ちモードでグリップ部を把持してトリガをオン操作したまま持ち運ぶ際等にコンタクトアームを誤って他部位に接触させてしまった場合でも不用意な打ち込み動作が回避される。
特許文献4に開示された技術によれば、手動操作式の起動バルブを用いるため速射性能の低下といった問題は生じないものの、電池の残容量が低下してマイクロスイッチやこれらの入力信号を受けて作動するコントローラ等に対する電源供給がなくなった場合あるいは遮断された時点で、打ち込み動作が全くなされなくなるため作業を中止せざるを得なくなる問題があった。この点は、特許文献1~3に開示された技術についても同様で、電力供給が停止されるとそもそも起動用のバルブが作動しないため打ち込み動作を一切することができなくなる。
この点、特許文献5に開示された打ち込み工具によれば、機械的構成のタイマー機構によりコンタクトアームの不用意なオン操作が防止される構成であることから、電力供給のない環境下においても打ち込み作業を行うことができる。
米国特許第5732870号明細書 米国特許公開第2014/0110450号公報 米国特許公開第2014/0110452号公報 特許第3287172号公報 特開2018-144122号公報
しかしながら、特許文献5に開示されたタイマー機構では、シリコン油が封入されたロータリダンパを用いる構成であったため熱影響により動作スピードが安定しない問題があった。本開示では、タイマー機構が熱影響を受けることなく安定した動作速度で動作されるようにする。
本開示の1つの局面によれば、打ち込み工具は、例えばトリガのトリガオン位置への移動とコンタクトアームのアームオン位置への移動の双方がなされたことを条件に打ち込み動作がなされる工具本体部を有する。打ち込み工具は、例えばコンタクトアームがアームオン位置へ移動することを許容するアンロック位置と規制するロック位置との間を移動可能なコンタクト規制部材を有する。打ち込み工具は、例えばコンタクトアームがアームオフ位置のままでトリガがトリガオン位置に移動されると作動開始し、一定時間後にコンタクト規制部材をロック位置に移動させるタイマー機構を備える。タイマー機構は、例えばトリガのトリガオン位置への移動により、コンタクト規制部材のロック位置に向かう移動動作と連動して回転して一定時間を規制する規制ホイールと、規制ホイールに間欠的に回転抵抗を与える抵抗付与部材とを有する。
従って、トリガのトリガオフ位置ではコンタクト規制部材がアンロック位置に位置する。コンタクト規制部材がアンロック位置に位置する状態ではコンタクトアームのコンタクトオン位置への移動が許容される。トリガがトリガオン位置へ移動操作されると、タイマー機構のコンタクト規制部材が一定時間を掛けてアンロック位置からロック位置に移動される。コンタクト規制部材がロック位置に位置する状態では、コンタクトアームのアームオン位置への移動が規制される。これにより工具本体部における不用意な打ち込み動作が回避される。
コンタクト規制部材のアンロック位置からロック位置へ移動するための一定時間は、規制ホイールの間欠的な回転により規定される。規制ホイールの間欠的な回転は、抵抗付与部材により規制ホイールに間欠的に回転抵抗が与えられることでなされる。これにより、シリコン油を封入したロータリダンパを用いて一定時間を設定する従来構成による場合の熱影響を排除して、タイマー機構の安定した動作速度を確保できる。本開示における規制ホイールと抵抗付与部材は、時計の脱進機におけるガンギ車とアンクルに相当する。時計の脱進機の場合、ガンギ車にアンクルの2つの爪が交互に当たることでガンギ車の間欠的な回転動作がなされる。
打ち込み工具の左側面図である。 打ち込み工具の右側面図である。 工具本体部の縦断面図である。 タイマー機構の斜視図である。 図4中V矢視図であって、タイマー機構の前面図である。 図5中VI-VI線断面矢視図である。 タイマー機構の分解斜視図である。 タイマー機構の前面図である。 図8中IX-IX線断面矢視図である。 タイマー機構の斜視図である。本図では、コンタクト規制部材がアンロック位置に位置する初期状態が示されている。 間欠回転機構の斜視図である。 間欠回転機構の動作状態を示す図である。 図4中XIII矢視図であって、タイマー機構を右斜め下方から見た斜視図である。本図では、コンタクト規制部材がアンロック位置に位置して窓部から目視できない状態を示している。 タイマー機構を右斜め下方から見た斜視図である。本図では、コンタクト規制部材がロック位置に移動して、窓部から目視できる状態を示している。 タイマー機構を左斜め上方から見た斜視図である。本図は、起動装置の初期状態であって、トリガのオフ状態で、コンタクトアームのオフ状態を示している。 タイマー機構を右斜め下方から見た斜視図である。本図は、起動装置の初期状態であって、トリガのオフ状態で、コンタクトアームのオフ状態を示している。 タイマー機構を右斜め下方から見た斜視図である。本図は、トリガのオフ状態で、コンタクトアームのオン操作状態を示している。 タイマー機構を右斜め下方から見た斜視図である。本図は、トリガのオン操作状態で、コンタクトアームのオン操作状態を示している。 タイマー機構を左斜め上方から見た斜視図である。本図は、トリガのオン操作状態で、コンタクトアームのオン操作が規制されたロック状態を示している。 タイマー機構を右斜め下方から見た斜視図である。本図は、トリガのオン操作状態で、コンタクトアームのオン操作が規制されたロック状態を示している。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば抵抗付与部材は、工具本体部に揺動可能に連結され、且つ規制ホイールに間欠的に当たる当接部を有する。従って、工具本体に対して抵抗付与部材が揺動することで当接部が規制ホイールに間欠的に当たる。これにより規制ホイールに間欠的に回転抵抗が与えられて規制ホイールが間欠的に回転する。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば規制ホイールは、一方向に回転して抵抗付与部材の当接部に当たることで、抵抗付与部材を揺動させる。これにより規制ホイールが抵抗付与部材から間欠的に回転抵抗を受けて間欠的に回転する。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば抵抗付与部材は、当接部として2つの爪を有する。2つの爪は、規制ホイールに交互に当たる。抵抗付与部材の2つの爪が規制ホイールに交互に当たることで規制ホイールに対して回転抵抗が間接的に与えられる。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば、抵抗付与部材は、揺動中心を通る線を中心に線対称形状である。これにより線対称に配置された当接部が抵抗付与部材の揺動により規制ホイールに対して交互に当たる。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばタイマー機構は、トリガのトリガオン位置への移動により力を受けてなされる回転動作を増速して規制ホイールに伝達する複数段のギヤ列を有する。従って、ギヤ列により高速化されることから規制ホイール及び抵抗付与部材のコンパクト化を図りつつ必要且つ十分に長い一定時間を設定できる。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば規制ホイールがギヤ列の少なくとも1つと共通の支軸を介して回転可能に支持されている。これによりタイマー機構の構成の簡略化及びコンパクト化が図られる。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば抵抗付与部材がギヤ列の少なくとも1つと共通の支軸を介して揺動可能に支持されている。これによりタイマー機構の構成の簡略化及びコンパクト化が図られる。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばギヤ列の動力伝達経路中にワンウエイクラッチを有する。これにより、ギヤ列の動力伝達経路が遮断されることで、規制ホイールの間欠回転動作の影響を受けることなくトリガが迅速にオフ位置に戻される。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば規制ホイールと抵抗付与部材が共通の機構ケースに密閉状態で収容されている。これにより規制ホイールと抵抗付与部材の防塵化(異物の混入防止)が図られて一定時間の安定化が図られる。
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば機構ケースは、コンタクト規制部材を側方から遮蔽する遮蔽壁部を有する。遮蔽壁部に、コンタクト規制部材を側方から目視するための窓部が設けられる。これによりタイマー機構の動作状態を迅速に確認できる。窓部を経てコンタクト規制部材の動作状態を目視することで、機構ケース内の防塵状態(異物の混入等による動作不良が発生していないこと)を間接的に確認することができる。
次に、本発明の実施形態を図1~図20に基づいて説明する。図1~3に示すように本実施形態では、打ち込み工具1の一例として圧縮エア駆動式の釘打ち機を例示する。この打ち込み工具1は、圧縮エアを動力源としてシリンダ15内を上下に往復動するピストン13を内装した工具本体部2を有する。工具本体部2の側部に側方へ突き出すグリップ部3が設けられている。
工具本体部2の下部に打ち込みノーズ部4が設けられている。打ち込みノーズ部4は下方(打ち込み具Tの打ち込み方向)に延びている。打ち込みノーズ部4とグリップ部3との間に跨ってマガジン5が装備されている。マガジン5に、多数本の打ち込み具Tが並列に仮止めされた連結帯が巻き状態で装填される。打ち込み動作に連動して連結帯が打ち込みノーズ部4側へ引き出される。これにより、打ち込み具Tが打ち込みノーズ部4に供給される。
以下の説明では、打ち込み具Tが打ち込まれる方向を下方とし、反打ち込み方向を上方とする。打ち込み工具1の使用者は、打ち込み工具1の後方(図1において右方)に位置してグリップ部3を把持する。使用者から見て手前側を後方とし、反対側を前方とする。左右方向についても使用者を基準とする。
打ち込みノーズ部4の先端にコンタクトアーム6が上下に相対変位可能に支持されている。コンタクトアーム6を打ち込み材Wに押し付けて相対的に上動させることが打ち込み動作を行うための一つの条件となっている。コンタクトアーム6は、打ち込みノーズ部4の先端付近からトリガ12付近に至る範囲に延在されている。コンタクトアーム6の下部には、打ち込みノーズ部4の先端であって射出口周辺に位置する円環形状の当接部6aが設けられている。図2に示すように当接部6aには帯板形状の延長部6bが結合されている。延長部6bは上方に延びている。図3に示すように延長部6bの上部に作動部6cが設けられている。作動部6cがトリガ12の下方付近に至っている。当接部6aと延長部6bと作動部6cを一体に有するコンタクトアーム6が打ち込みノーズ部4に沿って上下に一定の範囲で変位可能に支持されている。
グリップ部3の基部付近であって工具本体部2の側部に、本実施例に係る起動装置10が配置されている。起動装置10の起動操作により起動バルブ11がオンする。起動バルブ11がオンすると、工具本体部2のピストン上室16に圧縮エアが供給される。ピストン上室16に圧縮エアが供給されると、ピストン13がシリンダ15内を下動して打ち込み動作がなされる。ピストン13の下面には長尺棒状の打撃ドライバ14が取り付けられている。この打撃ドライバ14がピストン13の下動に伴って打ち込みノーズ部4内(打ち込み通路)を下動することにより、1本の打ち込み具Tが打ち込みノーズ部4の先端(射出口)から打ち出される。打ち込みノーズ部4内には、打ち込み動作に連動してマガジン5から打ち込み具Tが1本ずつ供給される。
図1に示すように起動装置10の側部には、トリガロックレバー7が設けられている。このトリガロックレバー7を図1に示すように下側に回動操作した状態では、トリガ12を上方へ引き操作可能となる。トリガロックレバー7を図1において反時計回り方向(上方)に約90°回動操作した状態では、トリガ12の上方への引き操作ができないトリガロック状態となる。トリガロックレバー7を上側のロック位置に切り替えておくことにより、トリガ12の意図しない引き操作が回避されて当該打ち込み工具1の不用意な打ち込み動作が未然に防止される。
本実施例は、起動装置10について従来にない特徴を備えている。打ち込み工具1の基本的構成については本実施例において特に変更を要しないので詳細な説明は省略する。起動装置10は、トリガ12のオン操作とコンタクトアーム6のオン操作の双方がなされたことを条件に起動バルブ11をオンさせる機能を有している。本実施例の起動装置10は、上記した起動バルブ11と、トリガ12と、タイマー機構20を備えている。図3に示すように起動バルブ11はグリップ部3の基部側下面に収容されている。バルブステム11aの下部がトリガ12に向けて突き出されている。起動バルブ11のバルブステム11aは上下(オン位置とオフ位置)に移動可能に支持されている。バルブステム11aは、圧縮ばね11bにより下方のオフ位置側へ移動する方向に付勢されている。図3はバルブステム11aがオフ位置に位置する状態を示している。バルブステム11aがこのオフ位置から圧縮ばね11bの付勢力に抗して上動することにより起動バルブ11がオンする。
起動バルブ11がオンすると、ヘッドバルブ2aが下向きに作用するエア圧により下方へ変位して開かれる。ヘッドバルブ2aが開かれるとグリップ部3内の蓄圧室3aに蓄圧された圧縮エアがピストン上室16に供給される。バルブステム11aがばね付勢力で下方へ戻されると、起動バルブ11がオフする。起動バルブ11がオフすると、ヘッドバルブ2aが上向きに作用するエア圧及び圧縮ばね2bの付勢力により上方へ変位し、これによりピストン上室16が蓄圧室3aに対して閉じられる。ピストン上室16は閉じられると同時に大気開放される。また、下動したピストン13の下面側には、リターンエア室15aに流入した圧縮エアが通気孔15bを経て作用する。下面側に作用する圧縮エアによって下動したピストン13が上死点(初期位置)に戻される。
以上の一連の打ち込み動作を開始するための条件(起動バルブ11のバルブステム11aをオン位置に移動操作するための条件)としてトリガ12のトリガオン位置へのオン操作とコンタクトアーム6のアームオン位置へのオン操作が要求される。先にコンタクトアーム6のオン操作がなされ、その後にトリガ12をオン操作することでいわゆる単発打ち(狙い打ち)がなされる。これに対してコンタクトアーム6はアームオフ位置のままで、先にトリガ12がオン操作され、一定時間内にコンタクトアーム6がオン操作されることでも打ち込み動作がなされる。この場合、トリガ12をオン操作した状態のまま、コンタクトアーム6の一定時間内のオン操作を繰り返すことでいわゆる連発打ち(振り打ち)を行うことができる。後者の先にトリガ12をオン操作した場合における、トリガ12のオン操作後からコンタクトアーム6のオン操作が許容される一定時間tが以下説明するタイマー機構20により設定されている。一定時間tが経過した後では、コンタクトアーム6のオン操作が規制(ロック)される。トリガ12のオン操作が解除されることでタイマー機構20がリセットされる。
起動装置10の詳細が図4~図7に示されている。起動装置10は、工具本体部2の後面側に設けた台座部8に支持されている。起動装置10は、トリガ12とタイマー機構20を備えている。トリガ12とタイマー機構20は機構ケース17に支持されている。機構ケース17が台座部8に結合されている。図7、図13、図14に示すように機構ケース17の左側部には、コンタクト規制部材23を他部材に対して遮蔽する遮蔽壁部17aが設けられている。遮蔽壁部17aによりコンタクト規制部材23に対する他部材の干渉が防止される。これによりタイマー機構20の動作不良が未然に回避される。また、遮蔽壁部17aによってコンタクト規制部材23の防塵がなされる。これによっても、コンタクト規制部材23の動作不良が未然に回避される。機構ケース17には、遮蔽壁部17aに沿って案内溝部17cが設けられている。案内溝部17cにより、コンタクトアーム6の主として作動部6cが上下に案内される。作動部6cが案内溝部17c内を上動してコンタクトアーム6がオン操作される。
トリガ12は、機構ケース17の上部に支持されている。トリガ12は、支軸18を介して上下に回動操作可能に支持されている。トリガ12は、グリップ部3を把持した手の指先で上方へ引き操作される。上方へ引き操作された位置であって、起動バルブ11をオンさせ得る位置がトリガ12のオン位置(トリガオン位置)に相当する。トリガ12は、捩りばね12aにより下方のオフ位置側へ回動する方向に付勢されている。
トリガ12の背面側(上面側)には、アイドラ19が支軸19aを介して上下に回動可能に支持されている。アイドラ19は、支軸19a回りに介装した捩りばね(図では見えていない)により回動先端側(前側)を上方へ変位させる方向に付勢されている。捩りばねの付勢力により、アイドラ19は常時起動バルブ11のバルブステム11aの先端に押し付けられた状態となっている。
トリガ12が上方(トリガオン位置)へ引き操作され、コンタクトアーム6が上方(アームオン位置)へオン操作されると、コンタクトアーム6の作動部6cによりアイドラ19の回動先端側が上方へ押されて下方への変位が規制される。これにより、バルブステム11aが上方へ押されて起動バルブ11がオン操作される。起動バルブ11をオンさせ得る上方の位置がコンタクトアーム6のアームオン位置に相当する。コンタクトアーム6をアームオン位置にオン操作した後、トリガ12が引き操作されない状態では、アイドラ19の支軸19a側が上方へ変位しないため起動バルブ11はオンしない。その後、トリガ12の引き操作により起動バルブ11がオンして単発打ちがなされる。トリガ12の引き操作後、コンタクトアーム6がオン操作されない状態ではアイドラ19の回動先端側が上方へ押されないため、起動バルブ11がオン操作されない。その後、一定時間内にコンタクトアーム6がオン操作されることで起動バルブ11がオン操作して打ち込み動作がなされる。
図16に示すようにコンタクトアーム6の作動部6cには、以下説明するコンタクト規制部材23が係合されるロック部6dが設けられている。ロック部6dは、作動部6cの長手方向の中程に段付き形に形成されている。後述するようにロック部6dの上方にコンタクト規制部材23が位置する状態ではコンタクトアーム6のオン操作が規制されて打ち込み動作が禁止された状態となる。ロック部6dに対してコンタクト規制部材23が前方へ退避することで作動部6cの上方への変位(コンタクトアーム6のオ操作)が許容される。
トリガ12の下側に、上記一定時間tを規定するためのタイマー機構20が設けられている。タイマー機構20は、コンタクト規制部材23と、複数段のギヤ列30と、間欠回転機構40を備えている。ギヤ列30と間欠回転機構40は、機構ケース17に内装されている。機構ケース17は前方開放の矩形箱形を有している。機構ケース17の前方開口は蓋部24で塞がれている。蓋部24は、1つの固定ねじ24aで機構ケース17に結合されている。機構ケース17が蓋部24で密閉されることで、ギヤ列30と間欠回転機構40の防塵性が確保されている。コンタクト規制部材23は、蓋部24で密閉されない機構ケース17の外側に配置されている。
図7、図8に示すようにコンタクト規制部材23とギヤ列30と間欠回転機構40は一つのギヤ列ベース25にアッセンブリ化されている。ギヤ列30と間欠回転機構40は一つのギヤ列ベース25にアッセンブリ化された状態で機構ケース17に内装されている。ギヤ列ベース25には、鋼板を穴明けや曲げ加工等の板金加工したものが用いられている。ギヤ列ベース25の右側方に、コンタクト規制部材23が、支軸26を介して前後に回動可能に支持されている。支軸26の左端部は、ギヤ列ベース25の左側壁部25aに保持されている。支軸26の右端部は、機構ケース17の遮蔽壁部17aに設けた保持凹部17bに保持されている。保持凹部17bは、前方に開放されている。支軸26の右端部を前方から保持凹部17b内に進入させることで、アッセンブリ化されたコンタクト規制部材23とギヤ列30と間欠回転機構40が機構ケース17に組み付けられる。これにより組み付けの作業性が確保されている。また、一つのギヤ列ベース25にコンタクト規制部材23とギヤ列30と間欠回転機構40がアッセンブリ化されて機構ケース17に組み付けられることから、本例のタイマー機構20を適用するために工具本体部2について特別な変更を加える必要がない。
コンタクト規制部材23は、円筒形の支持部23aと支持部23aの右端部から径方向へ突き出す規制部23bを備えている。支持部23aが機構ケース17の右壁部を貫通して外部に突き出されている。突き出し端部側に規制部23bが一体に設けられている。支持部23aと機構ケース17の右側壁部17eとの間にシール部材27が介装されている。これによりコンタクト規制部材23の機構ケース17に対する支持部について密閉性(防塵性)が確保されている。
支軸26の左側に第1ギヤ28が支持されている。第1ギヤ28に円筒形の支持部28aが一体に形成されている。支持部28aを介して第1ギヤ28が前後に回動可能に支持されている。支持部28aの周囲に1つの捩りばね29が介装されている。図8、図16~18に示すように捩りばね29の一端側29aは第1ギヤ28の右側部に設けたばね係合部28bに係合されている。捩りばね29の他端側29b(図10に示されている)はギヤ列ベース25に引き掛けられている。ギヤ列ベース25に対する捩りばね29の他端側29bの引き掛け部位は図では示されていない。第1ギヤ28は捩りばね29の付勢力により後方(左側面視で反時計回り方向)へ回動する方向に付勢されている。
第1ギヤ28の支持部28aと、コンタクト規制部材23の支持部23aは回転について相互に一体化されている。このため、第1ギヤ28とコンタクト規制部材23は、共に捩りばね29の付勢力により後方(コンタクトロック側)へ回動する方向に付勢されている。コンタクト規制部材23は、捩りばね29によりコンタクトアーム6の作動部6cに対してオン位置への移動を規制するロック位置側に付勢されている。
図16、図17に示すようにトリガ12の前部(回動支持側)には、規制解除部12bが一体に設けられている。トリガ12が捩りばね12aの付勢力により下方のオフ位置に位置する状態では、規制解除部12bがコンタクト規制部材23の解除受け部23cに係合される。これにより、コンタクト規制部材23が捩りばね29に抗して前方のアンロック位置に保持される(図16、図17において上方へ押し上げられる)。コンタクト規制部材23がアンロック位置に位置する状態では、コンタクトアーム6のアームオン位置への移動(オン操作)が許容される。
これに対して図19に示すようにトリガ12が図中白抜き矢印で示すように上方のトリガオン位置へ引き操作(オン操作)されると、規制解除部12bが上方へ退避されるため、コンタクト規制部材23が図20中白抜き矢印で示すように捩りばね29の付勢力により後方(ロック側)へ回動する。コンタクト規制部材23がロック位置に至ると、規制部23bにロック部6dが当接してコンタクトアーム6のアームオン位置への移動操作が規制される。トリガ12がオン操作された後、コンタクト規制部材23がロック位置に至るまでの一定時間tが以下説明するタイマー機構20により規定される。
図8、図10、図15に示すようにコンタクト規制部材23が第1ギヤ28を介して複数段のギヤ列30に接続されている。ギヤ列30により第1ギヤ28の回転が増速されて間欠回転機構40に伝達される。これにより、間欠回転機構40の規制ホイール41の回転動作が高速化される。
ギヤ列ベース25の左側壁部25aと右側壁部25bに跨って、第1列軸31と第2列軸32が相互に平行に配置されている。第2列軸32は、第1列軸31に対して下側に配置されている。第1列軸31の中央付近に第2ギヤ33が回転可能に支持されている。第2ギヤ33に第1ギヤ28が噛み合わされている。第2ギヤ33には、第1ギヤ28よりも小径の平歯車が用いられている。
第2ギヤ33の右方に第3ギヤ34が同軸に配置されている。第2ギヤ33と第3ギヤ34は相互に独立して回転可能に支持されている。第2ギヤ33と第3ギヤ34との間に、噛み合い式のクラッチ機構35が設けられている。クラッチ機構35にはワンウエイクラッチが用いられている。クラッチ機構35が噛み合わされた状態では第2ギヤ33と第3ギヤ34が一体で回転する。クラッチ機構35は、圧縮ばね36によって噛み合い側に付勢されている。圧縮ばね36に抗してクラッチ機構35の噛み合いが外れると、第2ギヤ33と第3ギヤ34との間の動力伝達経路が切り離される。このため、コンタクト規制部材23のアンロック側への回転動作はギヤ列30及び規制ホイール41の間欠回転動作から切り離されて素早くなされる。これによりトリガ12のオフ位置への戻し動作が迅速になされる。
第3ギヤ34には、第2ギヤ33よりも大径の平歯車が用いられている。第3ギヤ34は、第4ギヤ37に噛み合わされている。第4ギヤ37には第3ギヤ34よりも小径の平歯車が用いられている。第4ギヤ37は、第2列軸32上に回転可能に支持されている。第4ギヤ37の左方に、間欠回転機構40の規制ホイール41が回転可能に支持されている。第4ギヤ37と規制ホイール41は回転について相互に一体化されている。第4ギヤ37と規制ホイール41は一体で回転する。
図11に示すように規制ホイール41には抵抗付与部材42が係合されている。規制ホイール41と抵抗付与部材42が間欠回転機構40を構成している。コンタクト規制部材23のアンロック位置からロック位置へ移動するための一定時間tは、規制ホイール41の間欠的な回転により規定される。規制ホイール41の間欠的な回転は、抵抗付与部材42により規制ホイール41に間欠的に回転抵抗が与えられることでなされる。本実施例における規制ホイール41と抵抗付与部材42は、例えば時計の脱進機(escapement)におけるガンギ車(escape wheel)とアンクル(ancle,pallet)に相当する。時計の脱進機の場合、ガンギ車にアンクルの2つの爪(当接部)が交互に当たることでガンギ車の間欠的な回転動作がなされる。
規制ホイール41の周面には山形の係合部41aがギヤ歯のように連続して設けられている。規制ホイール41は、常時一定方向に回転する。本実施例では、規制ホイール41は捩りばね29の付勢力により常時図11において反時計回り方向に回転する。コンタクト規制部材23がアンロック側に戻される際には、クラッチ機構35が外れるため規制ホイール41は回転しない。
規制ホイール41の上方に抵抗付与部材42が配置されている。本実施例では抵抗付与部材42は概ね矩形の平板形を有している。抵抗付与部材42は、第1列軸31を介して前後に揺動可能に支持されている。抵抗付与部材42は第1列軸31に対して軸回りに独立して揺動可能に支持されている。抵抗付与部材42は、規制ホイール41から回転動力を受けて前後に揺動する。
抵抗付与部材42の下部には、規制ホイール41の係合部41aに対する当接部として2つの爪(第1爪42aと第2爪42b)が設けられている。抵抗付与部材42の下部前側の角部に第1爪42aが設けられている。抵抗付与部材42の下部後側の角部に第2爪42bが設けられている。第1爪42aと第2爪42bは第1列軸31(揺動軸)を中心にして線対称となる部位且つ形状に設けられている。
図11,12において白抜き矢印(R)で示すように規制ホイール41の一方向への回転により抵抗付与部材42が図11,12において白抜き矢印(A)(B)で示すように前後に揺動する。抵抗付与部材42が前後に揺動すること、第1爪42aと第2爪42bが相互に一定間隔をおいた係合部41aに交互に当たる。図12中上段に示すように規制ホイール41が矢印(R)方向に回転することで、図示下側の第2爪42bに係合部41aが当たる。下側の第2爪42bが当たった状態では、上側の第1爪42aが係合部41aから離間した状態となる。下側の第2爪42bに係合部41aが当たることで抵抗付与部材42が矢印(A)方向に揺動する。
下側の第2爪42bに係合部41aを当たると、規制ホイール41の矢印(R)方向の回転トルクが第2爪42bに対して第2爪42bを後方(図12において右斜め下方)へ押し下げる方向の外力(揺動力Y)として作用する。揺動力Yは、第1列軸31を中心とする円弧の接線方向に作用する。揺動力Yにより抵抗付与部材42が矢印(B)方向に揺動する。本実施例では、抵抗付与部材42を矢印(B)方向に揺動するための揺動力Yが発生するように第2爪42bの係合部41aに対する当たり面の形状(例えば傾斜角度、R面加工等)が適切に設定されている。
抵抗付与部材42が矢印(B)方向に揺動することで第2爪42bが係合部41aから外れる。係合部41aが外れるまでの間であって、抵抗付与部材42を矢印(B)方向に揺動させるために規制ホイール41の回転動作は実質的且つ瞬間的に停止される。規制ホイール41の瞬間的な停止時間は、規制ホイール41の回転トルクと抵抗付与部材42を揺動させるための慣性トルクに依存する。本実施例では、必要な慣性トルクを得るため抵抗付与部材42の第1列軸31に対して上側(領域(C))の重量が適切に設定されている。
第2爪42bが係合部41aから外れると規制ホイール41の矢印(R)方向への回転動作が再開される。その後図12中下段に示すように上側の第1爪42aに係合部41aが当たる。これにより規制ホイール41の回転トルクが、第1爪42aに対して抵抗付与部材42を矢印(A)方向に揺動させるための外力として作用する。従って、抵抗付与部材42が矢印(A)方向に揺動する。抵抗付与部材42が矢印(A)方向に揺動する間、規制ホイール41の回転動作は実質的且つ瞬間的に停止される。
このように抵抗付与部材42の第1爪42aと第2爪42bが交互に係合部41aに当たることで、抵抗付与部材42が矢印(A)方向と矢印(B)方向に揺動する。抵抗付与部材42が揺動する間、規制ホイール41の回転動作が実施的且つ瞬間的に停止される。抵抗付与部材42の第1爪42aと第2爪42bの双方が係合部41aから離間した状態では規制ホイール41が回転抵抗を受けることなくギヤ列30による本来の速度で回転する。規制ホイール41は、実質的且つ瞬間的に停止を繰り返しながら矢印(R)方向に間欠回転する。
規制ホイール41が間欠回転することで、規制ホイール41はギヤ列30により規定される本来の回転速度よりも遅い速度で回転する。これにより、コンタクト規制部材23のアンロック位置からロック位置に向かう移動速度が低速化されて、一定時間tが適切に設定されている。本実施形態では、コンタクト規制部材23がアンロック位置からロック位置に至るまでに要する一定時間tが約3~5秒に設定されている。一定時間tは、ギヤ列30の増速比を変更する等して規制ホイール41の間欠回転速度を変化させることで任意に増減させることができる。規制ホイール41の間欠回転速度は、例えば抵抗付与部材42による実質的且つ瞬間的な停止時間を変化させることで変化させることができる。規制ホイール41の実質的且つ瞬間的な停止時間は、例えば抵抗付与部材42の重量を変換させる等して抵抗付与部材42を揺動させるための慣性トルクを変化させることで適切に設定できる。
このようにギヤ列30による増速と規制ホイール41の間欠回転により、コンタクト規制部材23のアンロック位置からロック位置に至るまでの回動動作について一定時間tが設定される。このように構成されたタイマー機構20がトリガ12とコンタクトアーム6の作動部6cとの間に介在されることにより、トリガ12のオン操作状態における不用意な打ち込み動作が防止される。
前記したようにトリガ12及びコンタクトアーム6がそれぞれオン操作されると、アイドラ19によりバルブステム11aが上方へ押されて起動バルブ11がオンする。起動バルブ11がオンすることによりピストン上室16に圧縮エアが供給されて打ち込み動作がなされる。先にトリガ12をオン操作し、その後コンタクトアーム6をオン操作して行う打ち込み作業形態(連発打ち)では、トリガ12のオン操作後、上記タイマー機構20により設定された一定時間tの経過後におけるコンタクトアーム6のオン操作が禁止される。コンタクトアーム6のオン操作禁止状態は、トリガ12のオン操作を解除することによりリセットされる。また、先にコンタクトアーム6をオン操作し、その後トリガ12をオン操作して行う打ち込み作業形態(単発打ち)では、上記タイマー機構20による時間的制約は発生しない。以下、各作業形態についてタイマー機構20の動作状態を説明する。
図15、図16は、トリガ12のオフ状態かつコンタクトアーム6のオフ状態(初期状態)を示している。図16に示すようにこの初期状態では、トリガ12の規制解除部12bによって解除受け部23cが前方へ押される。このため、コンタクト規制部材23が前方のアンロック位置に押し上げられた状態となっている。この初期状態から図17に示すように先にコンタクトアーム6を上動操作すると、作動部6cがコンタクト規制部材23の規制部23bの後方を通過してオン位置に至る。これによりコンタクトアーム6のオン操作が許容される。コンタクトアーム6がオン操作されると、作動部6cによりアイドラ19の回動先端側が上方へ押される。このためその後、トリガ12をオン操作すると起動バルブ11がオンする。これにより単発打ちがなされる。
次に、連発打ちを行うために図15、図16に示す初期状態から、図18~図20に示すように先にトリガ12を上方へオン操作すると、タイマー機構20が作動開始する。トリガ12を上方へオン操作すると規制解除部12bが上方へ変位する。このため、解除受け部23cが上方へ変位可能となる。これにより、コンタクト規制部材23が捩りばね29によりロック側(図18~図20において後方)に回動し始める。コンタクト規制部材23がロック側に回転すると、規制部23bが後方(ロック側)に変位する。これにより、規制部23bは、機構ケース17の案内溝部17c内に進入する。
図18に示すようにトリガ12のオン操作後、一定時間tの経過前にコンタクトアーム6がオン操作されると、コンタクト規制部材23の規制部23bがロック位置に至っていないため、作動部6cが案内溝部17c内を上方へ通過する。これによりコンタクトアーム6がオン操作される。トリガ12がオン操作されて、その後コンタクトアーム6がオン操作されることで、起動バルブ11がオン操作されて打ち込み動作がなされる。
トリガ12のオン操作後、一定時間tの経過前にコンタクトアーム6がオン操作されないと、図19、図20に示すようにコンタクト規制部材23の規制部23bが案内溝部17c内に進入したロック状態となる。このロック状態では、作動部6cのロック部6dが規制部23bに当接して、作動部6cのそれ以上の上方への変位が規制される。このロック状態では、コンタクトアーム6のオン操作が規制されるため、起動バルブ11がオン操作されない。このため、工具本体部2において打ち込み動作はなされない。コンタクトアーム6のロック状態は、トリガ12のオン操作を解除することでリセットされる。
1回の単発打ち後に、トリガ12をオン操作したままコンタクトアーム6をオフ操作すると、コンタクト規制部材23がロック側へ回動可能な状態となる。また、トリガ12がオン操作されたままであることから、規制解除部12bが解除受け部23cから上方へ離間した状態となっている。このため、単発打ちにおいて1回の打ち込み動作後、コンタクトアーム6をオフ位置に戻すと、タイマー機構20が作動し始める。このため、その後一定時間tを経過する前に再びコンタクトアーム6をオン操作することにより連発打ち(いわゆる振り打ち)を行うことができる。一定時間tが経過した後には、コンタクトアーム6のオン操作が禁止されることにより不用意な打ち込み動作が禁止される。タイマー機構20は、トリガ12がオン操作され、且つコンタクトアームがオフ状態であるときに作動する。
図13、図14に示すように機構ケース17の遮蔽壁部17aには、円形の窓部17dが設けられている。図14に示すように一定時間tの経過によりコンタクト規制部材23の規制部23bがロック位置に至ると、窓部17dが規制部23bで塞がれる。このため、使用者は窓部17dを経て規制部23bの存在を目視することができる。これにより使用者は、コンタクトアーム6のロック状態であることを確認できる。また、コンタクト規制部材23が正常に動作していることを目視により確認できる。図13に示すようにコンタクト規制部材23がアンロック位置に位置する状態では、窓部17dは規制部23bによって塞がれない。これにより使用者は、コンタクトアーム6のアンロック状態であることを確認できる。
以上例示した実施例によれば、先にトリガ12をオン操作して行う連発打ちにおいて、トリガ12のオン操作後、一定時間tの経過後におけるコンタクトアーム6のオン操作が禁止される。これにより、トリガ12を誤って引き操作したまま当該打ち込み工具1を持ち運ぶ際における不用意な打ち込み動作が確実に防止される。
例示した実施例によれば、規制ホイール41の間欠回転動作を利用して一定時間tの設定がなされる。このため、例えば圧縮エアを動力源とする動作部を介在させない構成であるので、当該タイマー機構20をスムーズに動作させることができる。また、シリコン油等を封入したロータリダンパを利用して一定時間tに相当する時間を設定した場合における周囲の熱影響を受けることがないことから、常時安定した一定時間tで打ち込み動作の制御がなされる。
例示した実施例によれば、タイマー機構20は、トリガ12のオン位置(トリガオン位置)への移動により捩りばね29の付勢力を受けて回転する複数段のギヤ列30を有する。ギヤ列30による増速により規制ホイール41が高速化される。高速化されることで規制ホイール41の小径化を図って、間欠回転機構40のコンパクト化を図ることができる。
例示した実施例によれば、ギヤ列30と間欠回転機構40を密閉して収容する機構ケース17を有する。機構ケース17から延出するコンタクト規制部材23の支持部23aと機構ケース17との間がシール部材27によって密閉されている。これにより、ギヤ列30と間欠回転機構40(タイマー機構20)に対する防塵化(異物の混入防止)が図られる。これにより一定時間tの安定化が図られる。
例示した実施例によれば、ギヤ列30は動力伝達経路中にクラッチ機構35を有する。クラッチ機構35によりギヤ列30の動力伝達経路が遮断されることで、ギヤ列30による動作抵抗及び規制ホイール41の間欠回転による動作抵抗を受けることなくトリガ12を迅速にオフ位置に戻すことができる。クラッチ機構35にはワンウエイクラッチが用いられている。簡易な構成のクラッチ機構35により、適切な一定時間tを確保しつつ、トリガ12のオフ位置への戻しが迅速になされる。
例示した実施例によれば、ギヤ列30及び間欠回転機構40は単一のギヤ列ベース25に支持されている。このため、ギヤ列30及び間欠回転機構40が安定した精度でギヤ列ベース25に組み付けられる。これにより規制ホイール41の間欠回転動作が安定化して、高精度且つ安定した一定時間tが確保される。
例示した実施例によれば、規制ホイール41がギヤ列30と共通の第2列軸32を介して回転可能に支持されている。また、抵抗付与部材42がギヤ列30と共通の第1列軸31を介して揺動可能に支持されている。これにより間欠回転機構40ひいてはタイマー機構20の構成の簡略化及びコンパクト化が図られる。
例示した実施例によれば、コンタクト規制部材23を側方から遮蔽する遮蔽壁部17aには、コンタクト規制部材23を側方(起動装置10の外部)から目視するための窓部17dが設けられている。窓部17dを経てコンタクト規制部材23の存在を確認することで、タイマー機構20の動作状態を迅速に確認できる。また、窓部17dを経てコンタクト規制部材23の動作状態を目視することで、密閉した機構ケース17内の防塵状態(異物の混入等による動作不良が発生していないこと)を間接的に確認することができる。
以上説明した実施例には種々変更を加えることができる。例えば、タイマー機構20において2段階(第1ギヤ28と第2ギヤ33の噛み合い、第3ギヤ34と第4ギヤ37の噛み合い)で増速するギヤ列30を例示したが1段階あるいは3段階以上で増速するギヤ列に変更することができる。
規制ホイール41の係合部41aの数(歯数)やサイズ(径)は適宜変更できる。
抵抗付与部材42について、当接部としての第1爪42aと第2爪42bを揺動軸(第1列軸31)に対して線対称に有する構成を例示したが、揺動軸に対して非対称に当接部を有する構成に変更することができる。
抵抗付与部材42の揺動のための慣性トルクを調整可能とするために(C)領域にウエイトを取り付ける構成としてもよい。ウエイトを変更することで規制ホイール41の間欠回転速度を変化させることができる。これにより一定時間tを変更することができる。
打ち込み工具1として圧縮エア駆動式の釘打ち機を例示したが、誤作動防止用のコンタクトアームを備える電動式タッカ等その他形態の打ち込み工具についても同様に適用することができる。
実施例の打ち込み工具1が本開示における打ち込み工具の一例である。実施例の工具本体部2が本開示における工具本体部の一例である。実施例のトリガ12が本開示におけるトリガの一例である。実施例のコンタクトアーム6が本開示におけるコンタクトアームの一例である。実施例のコンタクト規制部材23が本開示におけるコンタクト規制部材の一例である。
実施例のタイマー機構20が本開示におけるタイマー機構の一例である。実施例の規制ホイール41が本開示における規制ホイールの一例である。実施例の抵抗付与部材42が本開示における抵抗付与部材の一例である。
W…打ち込み材
T…打ち込み具
1…打ち込み工具
2…工具本体部
2a…ヘッドバルブ、2b…圧縮ばね
3…グリップ部
3a…蓄圧室
4…打ち込みノーズ部
5…マガジン
6…コンタクトアーム
6a…当接部、6b…延長部、6c…作動部、6d…ロック部
7…トリガロックレバー
8…台座部
10…起動装置
11…起動バルブ
11a…バルブステム、11b…圧縮ばね
12…トリガ
12a…捩りばね、12b…規制解除部
13…ピストン
14…打撃ドライバ
15…シリンダ
15a…リターンエア室、15b…通気孔
16…ピストン上室
17…機構ケース
17a…遮蔽壁部、17b…保持凹部、17c…案内溝部、17d…窓部、17e…右側壁部
18…支軸
19…アイドラ
19a…支軸
20…タイマー機構
t…一定時間
23…コンタクト規制部材
23a…支持部、23b…規制部、23c…解除受け部
24…蓋部
24a…固定ねじ
25…ギヤ列ベース
25a…左側壁部、25b…右側壁部
26…支軸
27…シール部材
28…第1ギヤ
28a…支持部、28b…ばね係合部
29…捩りばね
29a…一端側、29b…他端側
30…ギヤ列
31…第1列軸
32…第2列軸
33…第2ギヤ
34…第3ギヤ
35…クラッチ機構(ワンウエイクラッチ)
36…圧縮ばね
37…第4ギヤ
40…間欠回転機構
41…規制ホイール
41a…係合部
42…抵抗付与部材
42a…第1爪、42b…第2爪

Claims (11)

  1. 打ち込み工具であって、
    トリガのトリガオン位置への移動とコンタクトアームのアームオン位置への移動の双方がなされたことを条件に打ち込み動作をする工具本体部と、
    前記コンタクトアームが前記アームオン位置へ移動することを許容するアンロック位置と規制するロック位置との間を移動可能なコンタクト規制部材と、
    前記コンタクトアームがアームオフ位置のままで前記トリガが前記トリガオン位置へ移動されると作動開始し、一定時間後に前記コンタクト規制部材を前記ロック位置に移動させるタイマー機構とを備えており、
    前記タイマー機構は、
    前記トリガの前記トリガオン位置への移動により、前記コンタクト規制部材の前記ロック位置に向かう移動動作と連動して回転して前記一定時間を規定する規制ホイールと、
    前記規制ホイールに間欠的に回転抵抗を与える抵抗付与部材と、を有する打ち込み工具。
  2. 請求項1記載の打ち込み工具であって、
    前記抵抗付与部材は、前記工具本体部に揺動可能に連結され、且つ前記規制ホイールに間欠的に当たる当接部を有する打ち込み工具。
  3. 請求項2記載の打ち込み工具であって、
    前記規制ホイールは、一方向に回転して前記抵抗付与部材の前記当接部に当たることで、前記抵抗付与部材を揺動させる打ち込み工具。
  4. 請求項2又は3記載の打ち込み工具であって、
    前記抵抗付与部材は、前記当接部として2つの爪を有し、前記2つの爪は、前記規制ホイールに交互に当たる打ち込み工具。
  5. 請求項4記載の打ち込み工具であって、
    前記抵抗付与部材は、揺動中心を通る線を中心に線対称形状である打ち込み工具。
  6. 請求項1~5の何れか1つに記載の打ち込み工具であって、
    前記タイマー機構は、前記トリガの前記トリガオン位置への移動により力を受けてなされる回転動作を増速して前記規制ホイールに伝達する複数段のギヤ列を有する打ち込み工具。
  7. 請求項6記載の打ち込み工具であって、
    前記規制ホイールが前記ギヤ列の少なくとも1つと共通の支軸を介して回転可能に支持された打ち込み工具。
  8. 請求項6又は7記載の打ち込み工具であって、
    前記抵抗付与部材が前記ギヤ列の少なくとも1つと共通の支軸を介して揺動可能に支持された打ち込み工具。
  9. 請求項6~8の何れか1つに記載の打ち込み工具であって、
    前記ギヤ列の動力伝達経路中にワンウエイクラッチを有する打ち込み工具。
  10. 請求項1~9の何れか1つに記載の打ち込み工具であって、
    前記規制ホイールと前記抵抗付与部材が共通の機構ケースに密閉状態で収容されている打ち込み工具。
  11. 請求項10記載の打ち込み工具であって、
    前記機構ケースは、前記コンタクト規制部材を側方から遮蔽する遮蔽壁部を有し、
    前記遮蔽壁部に、前記コンタクト規制部材を前記側方から目視するための窓部が設けられた打ち込み工具。
JP2021147520A 2021-09-10 2021-09-10 打ち込み工具 Pending JP2023040501A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021147520A JP2023040501A (ja) 2021-09-10 2021-09-10 打ち込み工具
US17/868,253 US11819990B2 (en) 2021-09-10 2022-07-19 Driving tool
CN202210870069.4A CN115781596A (zh) 2021-09-10 2022-07-22 打入工具
DE102022121534.2A DE102022121534A1 (de) 2021-09-10 2022-08-25 Eintreibwerkzeug

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021147520A JP2023040501A (ja) 2021-09-10 2021-09-10 打ち込み工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023040501A true JP2023040501A (ja) 2023-03-23

Family

ID=85284765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021147520A Pending JP2023040501A (ja) 2021-09-10 2021-09-10 打ち込み工具

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11819990B2 (ja)
JP (1) JP2023040501A (ja)
CN (1) CN115781596A (ja)
DE (1) DE102022121534A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2179524A1 (en) 1994-10-21 1996-05-02 Charles J. Moorman Pneumatic fastener driving tool and an electronic control system therefor
JP3287172B2 (ja) 1995-04-05 2002-05-27 マックス株式会社 釘打ち機のトリガ装置
US9381633B2 (en) 2012-10-22 2016-07-05 Illinois Tool Works Inc. Fastener-driving tool including a reversion trigger
US9550288B2 (en) 2012-10-22 2017-01-24 Illinois Tool Works Inc. Fastener-driving tool including a reversion trigger
JP6824781B2 (ja) 2017-03-01 2021-02-03 株式会社マキタ 打ち込み工具
US11420312B2 (en) * 2018-12-03 2022-08-23 Black & Decker Inc. Fastener driving tool trigger assembly

Also Published As

Publication number Publication date
US20230078054A1 (en) 2023-03-16
CN115781596A (zh) 2023-03-14
DE102022121534A1 (de) 2023-03-16
US11819990B2 (en) 2023-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2003204262B2 (en) Framing tool with automatic fastener-size adjustment
US6708860B1 (en) Setting tool for fastening elements
JP3137227B2 (ja) 釘打機の安全機構
US8336748B2 (en) Fastener driver with driver assembly blocking member
JP6824781B2 (ja) 打ち込み工具
TWI659811B (zh) 釘入機
NO323453B1 (no) Festemiddeldrivanordning, og apningslokaliseringsmekanisme for bruk med festemiddeldrivanordning.
EP3552767B1 (en) Pneumatic fastener driver
JP7388830B2 (ja) 打込み工具
EP3456478A1 (en) Nail gun
JPH09174458A (ja) 爆発力駆動打ち込み装置
JP2000218569A (ja) 爆発力駆動鋲打ち装置
JP2006102914A (ja) 動力駆動釘打機の打込み深さ調整装置
JP4761257B2 (ja) 留め具打込機
JP2023040501A (ja) 打ち込み工具
EP3539722B1 (en) Nail gun
JPH0929663A (ja) 釘打機の空打ち防止装置
US7748586B2 (en) Driving tool
TWI769320B (zh) 打入工具
JP7155873B2 (ja) 打ち込み工具
JP2007030047A (ja) 打込み工具のコンタクトにおけるオフセット構造
JP4877470B2 (ja) ガス燃焼式打込み工具のコンタクト打ち防止機構
JP4877462B2 (ja) 打込み工具のトリガのガイド機構
WO2007034850A1 (ja) 打込み工具
JP7463883B2 (ja) 空気圧工具