JP2023039119A - 磁気ディスク装置及びハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法 - Google Patents

磁気ディスク装置及びハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性を向上可能な磁気ディスク装置及びハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法を提供する。【解決手段】磁気ディスク装置1は、ディスク10と、ディスクに対してデータをライトし、ディスクからデータをリードするヘッド15と、回転駆動し、ディスク上の搭載されたヘッドの移動制御をするアクチュエータと、ハーモニクスを有する外乱に対応するヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、基本周波数を決定し、基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、遅延サンプル数に応じた基本周波数の高調波である逓倍周波数を抑制するシステムコントローラ130とを備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、磁気ディスク装置及びハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法に関する。
磁気ディスク装置は、ヘッドを磁気ディスク(以下、単に、ディスクと称する)の円周方向に延長するトラック上に配置されるように、アクチュエータによりディスクの半径方向に位置決め制御する。磁気ディスク装置は、ヘッドを搭載するアクチュエータ及びディスクを有する基台に外部から振動及び衝撃などの外乱が印加された場合に、ディスクでのヘッドの位置とディスクの目標とするトラックとの誤差を位置誤差信号(又は位置決め誤差信号)として検出する。磁気ディスク装置は、位置誤差信号をゼロにするフィードバックループにより位置決め制御する。
近年、数十台~数百台などの磁気ディスク装置を搭載する大規模ストレージシステムが構成されている。大規模ストレージシステムには、システム制御用のCPUや周辺回路に加え、多台数の磁気ディスク装置を冷却するためのシステムFANが搭載されている。システムFANは、システムラック内の空気を効率的に入れ替えるのに必要な空気の流量を得るために、高速回転化が進んでいる。システムFANは、軸受けの振動音や風切り音を発生させるため、その音圧によって磁気ディスク装置の基台を加振させ、ヘッドの位置誤差信号に相当するPES(Position Error Signal)を悪化させ得る。システムFANは、システム側が内部の温度を監視して自律的に空気の流量、すなわち、FAN回転数を制御する場合が多いため、FANの回転数の制御(又は変化)に応じて悪化したPESの周波数が変化する。また、システムFANの回転によって悪化したPESは、その基本周波数の高調波(ハーモニクス)を多く含み得る。このようなシステムFANの回転によって悪化したPESの基本周波数の高調波を抑圧するためには、多段数のループ整形フィルタを構成する必要がある。ループ整形フィルタの段数が多くなると、これらループ整形フィルタをファームウェアで実現するためにメモリ容量を圧迫し、且つ多くのフィルタ演算時間を要するなどの問題が生じ得る。
米国特許第7120101号明細書 米国特許第10839842号明細書 米国特許第7835236号明細書 特開平1-138661号公報 特開2001-126421号公報 特開2009-289373号公報 米国特許第10497385号明細書
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、信頼性を向上可能な磁気ディスク装置及びハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法を提供することである。
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、回転駆動し、前記ディスク上の搭載された前記ヘッドの移動制御をするアクチュエータと、ハーモニクスを有する外乱に対応する前記ヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、前記基本周波数を決定し、前記基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、前記遅延サンプル数に応じた前記基本周波数の高調波である逓倍周波数を抑制するコントローラと、を備える。
図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係るディスクの一例を示す模式図である。 図3は、第1実施形態に係るアクセス処理時のヘッドの位置決め制御系の一例を示すブロック図である。 図4は、図3に示した繰り返し制御系RCの可変遅延メモリユニットの一例を示すブロック図である。 図5は、第1実施形態に係るアクセス処理時のヘッドの位置決め制御系の一例を示すブロック図である。 図6は、第1実施形態に係るアクセス処理時のヘッドの位置決め制御系の一例を示すブロック図である。 図7は、第1実施形態に係るアクセス処理時のヘッドの位置決め制御系の一例を示すブロック図である。 図8は、図7に示した繰り返し制御系の可変遅延メモリユニットの一例を示すブロック図である。 図9は、図6に対応する繰り返し制御系の入出力特性の一例を示す図である。 図10は、ハーモニクス外乱の基本周波数の推定値の高調波のフィルタと位置決め制御系の感度特性の変化との一例を示す図である。 図11は、ハーモニクス外乱を有する環境におけるPESのスペクトラムとこのPESのスペクトラムの累積二乗和との一例を示す図である。 図12は、ローパスフィルタを適用していない場合の図8に示す高調波フィルタと位置決め制御系の感度特性の変化との一例を示す図である。 図13は、ローパスフィルタを適用していない高調波の外乱を有する環境におけるPESのスペクトラムとこのPESのスペクトラムの累積二乗和との一例を示す図である。 図14は、第1実施形態に係るハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法の一例を示すフローチャートである。 図15は、第1実施形態に係る外乱に対応する高調波の補償方法の一例を示すフローチャートである。 図16は、第2実施形態に係る可変遅延メモリユニットの一例を示すブロック図である。 図17は、第2実施形態に係る可変遅延メモリユニットの一例を示すブロック図である。 図18は、第2実施形態に係る位置決め制御系の感度特性の変化の一例を示す図である。 図19は、図18の目標抑制基本周波数の近傍の周波数の波形を拡大した拡大図である。 図20は、図18の目標抑制基本周波数の15次のハーモニクスである周波数の近傍の周波数の波形を拡大した拡大図である。 図21は、図18、図19、及び図20に示した2つの周波数に対する感度特性の変化において抑制した高調波の周波数と目標抑制周波数との抑制周波数誤差を示す図である。 図22は、第2実施形態に係るハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法の一例を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、後述するヘッドディスクアセンブリ(HDA)と、ドライバIC20と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC、又はプリアンプ)30と、揮発性メモリ70と、不揮発性メモリ80と、バッファメモリ(バッファ)90と、1チップの集積回路であるシステムコントローラ130とを備える。また、磁気ディスク装置1は、ホストシステム(以下、単に、ホストと称する)100と接続される。
HDAは、磁気ディスク(以下、ディスクと称する)10と、スピンドルモータ(以下、SPMと称する)12と、ヘッド15を搭載しているアーム13と、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)14とを有する。ディスク10は、SPM12に取り付けられ、SPM12の駆動により回転する。アーム13及びVCM14は、アクチュエータを構成している。アクチュエータは、VCM14の駆動により、アーム13に搭載されているヘッド15をディスク10の所定の位置まで移動制御する。ディスク10及びヘッド15は、2つ以上の数が設けられてもよい。
ディスク10は、そのデータをライト可能な領域に、ユーザから利用可能なユーザデータ領域10aと、システム管理に必要な情報をライトするシステムエリア10bとが割り当てられている。以下、ディスク10の内周から外周へ向かう方向、又はディスク10の外周から内周へ向かう方向を半径方向と称する。半径方向において、内周から外周へ向かう方向を外方向(又は外側)と称し、内周から外周へ向かう方向を内方向(又は内側)と称する。円周方向は、ディスク10の円周に沿った方向に相当する。半径方向及び円周方向は、互いに直交している。また、ディスク10の半径方向の所定の位置を半径位置と称し、ディスク10の円周方向の所定の位置を円周位置と称する場合もある。半径位置及び円周位置をまとめて単に位置と称する場合もある。ディスク10のユーザデータ領域10aは、複数の領域に区分され得る。例えば、ユーザデータ領域10aは、半径方向において、所定の数のトラックを含む領域(以下、ゾーンと称する場合もある)毎に区分され得る。ゾーンは、半径方向において、トラック毎に区分され得る。
なお、“トラック”は、ディスク10を半径方向に区分した複数の記録領域の内の1つの記録領域、ディスク10の所定の半径位置の1周分の記録領域、ディスク10の所定の半径位置の所定の記録領域、ディスク10の円周方向に延長する記録領域、ディスク10の所定の半径位置に位置決めしたヘッド15の経路に相当する記録領域、ディスク10の所定の半径位置に位置決めしたヘッド15の経路、ディスク10を半径方向に区分した複数の記録領域の内の1つの記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定の半径位置の1周分の記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定の半径位置の所定の記録領域にライトされたデータ、ディスク10の円周方向に延長する記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定の半径位置に位置決めしたヘッド15の経路に相当する記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定の半径位置に位置決めしたヘッド15の経路に沿ってライトしたデータ、ディスク10において円周方向に延長するデータ、ディスク10の所定のトラックにライトされたデータ、ディスク10の所定のトラックにライトされた1周分のデータ、ディスク10の所定のトラックにライトされたデータの一部や、その他の種々の意味で用いる。“セクタ”は、ディスク10の所定のトラックを円周方向に区分した複数の記録領域の内の1つの記録領域、ディスク10の所定の半径位置で円周方向に延長する記録領域を区分した複数の記録領域の内の1つの記録領域、ディスク10の所定のトラックの所定の記録領域、ディスク10の所定のトラックの所定の円周位置、ディスク10の所定の半径位置における所定の円周位置(所定の位置)、ディスク10の所定のトラックを円周方向に区分した複数の記録領域の内の1つの記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定の半径位置で円周方向に延長する記録領域を区分した複数の記録領域の1つの記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定のトラックの所定の記録領域にライトされたデータ、ディスク10の所定のトラックの所定の円周位置にライトされたデータ、ディスク10の所定の半径位置における所定の円周位置(所定の位置)にライトされたデータ、所定のセクタにライトされたデータや、その他の種々の意味で用いる。“トラックの半径方向の幅”を“トラック幅”と称する場合もある。“所定のトラックにおけるトラック幅の中心位置を通る経路”を“トラックセンタ”と称する場合もある。ユーザデータ領域10aにライトされるユーザにより利用可能なデータをユーザデータと称する場合もある。
ヘッド15は、スライダを本体として、当該スライダに実装されているライトヘッド15Wとリードヘッド15Rとを備える。ライトヘッド15Wは、ディスク10にデータをライトする。リードヘッド15Rは、ディスク10に記録されているデータをリードする。なお、“ライトヘッド15W”を単に“ヘッド15”と称する場合もあるし、“リードヘッド15R”を単に“ヘッド15”と称する場合もあるし、“ライトヘッド15W及びリードヘッド15R”をまとめて単に“ヘッド15”と称する場合もある。“ヘッド15の中心部”を“ヘッド15”と称し、“ライトヘッド15Wの中心部”を“ライトヘッド15W”と称し、“リードヘッド15Rの中心部”を“リードヘッド15R”と称する場合もある。“ライトヘッド15Wの中心部”を単に“ヘッド15”と称する場合もあるし、“リードヘッド15Rの中心部”を単に“ヘッド15”と称する場合もある。“ヘッド15の中心部を所定のトラックのトラックセンタに位置決めする”ことを“ヘッド15を所定のトラックに位置決めする”、“ヘッド15を所定のトラックに配置する”、又は“ヘッド15を所定のトラックに位置する”等で表現する場合もある。
図2は、本実施形態に係るディスク10の一例を示す模式図である。図2に示すように、円周方向において、ディスク10の回転する方向を回転方向と称する。なお、図2に示した例では、回転方向は、反時計回りで示しているが、逆向き(時計回り)であってもよい。図2において、ディスク10は、内方向に位置する内周領域IRと、外方向に位置する外周領域ORと、内周領域IR及び外周領域ORの間に位置する中周領域MRとに区分されている。
図2に示した例では、ディスク10は、ユーザデータ領域10a、及びシステムエリア10bを含む。図2では、ユーザデータ領域10a及びシステムエリア10bは、半径方向において隣接している。ここで、“隣接”とは、データ、物体、領域、及び空間等が接して並んでいることはもちろん、所定の間隔を置いて並んでいることも含む。図2では、システムエリア10bは、ユーザデータ領域10aの外方向に隣接している。なお、システムエリア10bは、ユーザデータ領域10aの内方向に隣接していてもよい。また、システムエリア10bは、半径方向においてユーザデータ領域10aの間に配置されていてもよい。
図2に示した例では、ユーザデータ領域10aは、内周領域IRから外周領域ORに亘って配置されている。システムエリア10bは、外周領域ORに配置されている。なお、システムエリア10bは、内周領域IR又は中周領域MRに配置されていてもよい。システムエリア10bは、外周領域OR、中周領域MR,又は内周領域IRに分散して配置されていてもよい。
図2に示すように、ヘッド15は、ディスク10に対してVCM14の駆動により回転軸周りで回転して内方向から外方向に向かって移動して所定の位置に配置される、又は外方向から内方向に向かって移動して所定の位置に配置される。
ドライバIC20は、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU60)の制御に従って、SPM12及びVCM14の駆動を制御する。
ヘッドアンプIC(プリアンプ)30は、リードアンプ及びライトドライバを備えている。リードアンプは、ディスク10からリードされたリード信号を増幅して、システムコントローラ130(詳細には、後述するリード/ライト(R/W)チャネル40)に出力する。ライトドライバは、R/Wチャネル40から出力されるライトデータに応じたライト電流をヘッド15に出力する。
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
不揮発性メモリ80は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ80は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。
バッファメモリ90は、磁気ディスク装置1とホスト100との間で送受信されるデータ等を一時的に記録する半導体メモリである。なお、バッファメモリ90は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。バッファメモリ90は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。
システムコントローラ(コントローラ)130は、例えば、複数の素子が単一チップに集積されたSystem-on-a-Chip(SoC)と称される大規模集積回路(LSI)を用いて実現される。システムコントローラ130は、リード/ライト(R/W)チャネル40、ハードディスクコントローラ(HDC)50、及びマイクロプロセッサ(MPU)60等を含む。R/Wチャネル40、HDC50、及びMPU60は、それぞれ、互いに電気的に接続されている。システムコントローラ130は、例えば、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、及びホスト100等に電気的に接続されている。
R/Wチャネル40は、後述するMPU60からの指示に応じて、ディスク10からホスト100に転送されるデータ、例えば、リードデータとホスト100から転送されるデータ、例えば、ライトデータとの信号処理を実行する。R/Wチャネル40は、リードデータの信号品質を測定する回路、又は機能を有している。R/Wチャネル40は、例えば、ヘッドアンプIC30、HDC50、及びMPU60等に電気的に接続されている。
HDC50は、データの転送を制御する。例えば、HDC50は、後述するMPU60からの指示に応じて、ホスト100とR/Wチャネル40との間のデータの転送を制御する。HDC50は、例えば、R/Wチャネル40、MPU60、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、及びバッファメモリ90等に電気的に接続されている。
MPU60は、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラである。MPU60は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15の位置決めを行なうサーボ制御を実行する。MPU60は、ドライバIC20を介してSPM12を制御し、ディスク10を回転させる。MPU60は、ディスク10へのデータのライト動作を制御すると共に、ホスト100から転送されるデータ、例えば、ライトデータの保存先を選択する。MPU60は、ディスク10からのデータのリード動作を制御すると共に、ディスク10からホスト100に転送されるデータ、例えば、リードデータの処理を制御する。また、MPU60は、データを記録する領域を管理する。MPU60は、磁気ディスク装置1の各部に接続されている。MPU60は、例えば、ドライバIC20、R/Wチャネル40、及びHDC50等に電気的に接続されている。
MPU60は、ホスト100からのコマンド等に従って、ディスク10からデータをリードするリード処理とディスク10にデータをライトするライト処理とを制御する。MPU60は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15をディスク10の所定の位置に位置決めし、リード処理又はライト処理を実行する。以下、所定の領域にデータを記録若しくはライトすること(又はライト処理)、所定の領域からデータを読み出す若しくはリードすること(又はリード処理)や、所定の領域にヘッド15等を移動させることを含む意味で“アクセス”という用語を用いる場合もある。
MPU60は、ヘッド15をディスク10の目標とするトラック(以下、目標トラックと称する場合もある)を追従するように、アクチュエータによってヘッド15の半径位置の位置決め制御する。以下、この位置決め制御を実行する系を位置決め制御系と称する場合もある。
MPU60は、位置決め制御系を有している。例えば、MPU60は、アクチュエータ及びディスク10を搭載した磁気ディスク装置1の基台に、磁気ディスク装置1の外部から振動及び衝撃などの外乱を印加された場合、目標トラックに対するヘッド15の位置の誤差に相当する位置誤差信号を検出し、検出した位置誤差信号をゼロにするようにフィードバックループを形成する位置決め制御系を有している。
MPU60は、外乱を印加されることにより発生する位置誤差信号であるPES(position error signal)の周波数を抑制するフィルタを有している。例えば、MPU60は、大規模ストレージシステムに搭載された多くの、例えば、数十台~数百台などの磁気ディスク装置を冷却するシステムFANから発生する軸受の振動音や風切り音の音圧による振動及び衝撃などの外乱が基台などに印加されることにより発生するハーモニクスを有する外乱(以下、ハーモニクス外乱と称する場合もある)に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)とこの基本周波数(の推定値)の高調波(以下、ハーモニクスと称する場合もある)とを抑制(抑圧又は補償)し、且つシステムFANの回転に起因して生じるハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)及びサーボサンプル(サンプリング)周波数に応じて繰り返し制御系の遅延サンプル数を変更できる(可変可能な)、フィルタを有している。繰り返し制御系は、周期的に繰り返される信号の内部モデルを順次出力する。内部モデルは、例えば、一周期前(又は現在)の出力と最新の入力値の和で更新される。内部モデルは、例えば、ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数の基本成分と基本周波数の逓倍成分とを含む。
以下、“ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)と基本周波数(の推定値)の高調波とを抑制する”ことを“ハーモニクス外乱を補償する”と称する場合もある。“ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)の高調波を抑制する”ことを“ハーモニクス外乱を補償する”と称する場合もある。
“ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)”を“ハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)”と称する場合もある。“ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)の高調波(の推定値)”を“ハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)の高調波(の推定値)”と称する場合もある。
また、“ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)と基本周波数(の推定値)の高調波とを抑制する”ことを“ハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)を抑制する”と称する場合もある。“ハーモニクス外乱に対応する位置決め制御で生じるPESの基本周波数(の推定値)と基本周波数(の推定値)の高調波とを抑制する”ことを“ハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)の高調波を抑制する”と称する場合もある。
MPU60は、ハーモニクス外乱の補償を実行していない場合、ハーモニクス外乱(に対応する基本周波数)を推定し、ハーモニクス外乱を検出する。ハーモニクス外乱が検出されていると判定した場合、検出したハーモニクス外乱に対応する基本周波数を決定し、ハーモニクス外乱に対応する基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定する。MPU60は、繰り返し制御器の記録領域に保存(又は記録)されているサンプル値をクリア、例えば、0(ゼロ)にし、繰り返し制御器から遅延サンプル数に対応するサンプル値(以下、遅延サンプル値と称する場合もある)の出力を開始する。MPU60は、繰り返し制御器の記録領域に保存(又は記録)されているサンプル値を更新する。
MPU60は、既に遅延サンプル数が決定されておりハーモニクス外乱の補償を実行している場合、繰り返し制御器から遅延サンプル値を出力し、繰り返し制御器の記録領域に保存(又は記録)されているサンプル値を更新する。
また、MPU60は、既に遅延サンプル数が決定されておりハーモニクス外乱の補償を実行している場合、補償を実行しているハーモニクス外乱が変化しているか変化していないかを判定する。補償を実行しているハーモニクス外乱が変化していると判定した場合、MPU60は、変化したハーモニクス外乱(に対応する基本周波数)を推定し、推定したハーモニクス外乱に対応する基本周波数と現在補償中のハーモニクス外乱に対応する基本周波数とを比較して変化したハーモニクス外乱に対応する基本周波数が変化しているか変化していないかを判定する。基本周波数が変化していると判定した場合、MPU60は、ハーモニクス外乱(に対応する基本周波数)を再度推定し、変化したハーモニクス外乱に対応する基本周波数を再度決定し、再度決定したハーモニクス外乱に対応する基本周波数に基づいて遅延サンプル数を再度決定する。
図3は、本実施形態に係るアクセス処理時のヘッド15の位置決め制御系SYの一例を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、アクセス処理時のヘッド15の位置決め制御系SYを有している。位置決め制御系SYは、変換器A0と、制御器A1と、アクチュエータA2と、繰り返し制御系RCと、演算器CL0及びCL1とを有している。繰り返し制御系RCは、可変遅延メモリユニットA3と、演算器CL2とを有している。変換器A0、制御器A1、アクチュエータA2、繰り返し制御系RC、演算器CL0、及び演算器CL1は、例えば、システムコントローラ130、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、及びバッファメモリ90に含まれている。アクチュエータA2は、例えば、アーム13及びVCM14等で構成されている。位置決め制御系SYは、フィードバックシステムを構成している。アクチュエータA2は2以上の自由度を有する複数のアクチュエータを用いても良いし、それぞれのアクチュエータに対応した複数の制御器を用いても良い。
図3において、ディスク10の所定のトラック(シリンダ)においてヘッド15が配置された対象とするセクタ(以下、対象セクタと称する場合もある)(C,H,S)と、ヘッド15の目標とする半径位置(以下、目標半径位置と称する場合もある)rとヘッド15の実際の位置(以下、実位置と称する場合もある)Yとの差に相当する位置誤差信号(又は、PES)e0と、推定したハーモニクス外乱の基本周波数f1(の推定値)に対するサーボサンプル周波数fsの比に相当する遅延サンプル数Lだけ遅延した内部状態z^(-L)×e2に相当する繰り返し制御信号(以下、遅延メモリ出力信号と称する場合もある)e1と、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とを加算した繰り返し制御信号(以下、遅延メモリ入力信号又は内部状態信号と称する場合もある)e2と、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とを加算した位置誤差信号eと、対象セクタにおけるアクチュエータA2の駆動量Uと、ヘッド15の実位置Yとは、それぞれ、位置決め制御系SYで信号(又は、情報)として処理される。遅延サンプル数Lは、基本周波数f1(の推定値)に対するサーボサンプル周波数fsの比に対応する整数値である。遅延サンプル数Lは、基本周波数f1(の推定値)に対するサーボサンプル周波数fsの比を四捨五入してround値として算出される。遅延サンプル数Lは、基本周波数f1(の推定値)に対するサーボサンプル周波数fsの比を切り捨てして切り捨て値として算出してもよいし、切り上げて切り上げ値として算出してもよい。
変換器A0は、上位装置、例えば、ホスト100から指定されたディスク10の論理的な位置(以下、論理位置と称する)に対応する物理的な位置(以下、物理位置と称する)をディスク10の半径位置(目標半径位置)に変換する。論理位置は、例えば、論理ブロックアドレス(LBA)であってもよい。物理位置は、例えば、ディスク10の物理位置を示すサーボ情報配列であってもよい。例えば、変換器A0は、ホスト100等から対象セクタ(C,H,S)へのアクセスコマンドを受けた場合、対象セクタ(C,H,S)をヘッド15の目標半径位置rに変換する。変換器A0は、演算器CL0に接続されている。演算器CL0は、繰り返し制御系RC、例えば、演算器CL2と、演算器CL1とに接続されている。
制御器A1は、アクチュエータA2を制御する。制御器A1は、例えば、位置誤差信号eに基づいて、アクチュエータA2のヘッド15の駆動量Uを生成する。制御器A1は、演算器CL1とアクチュエータA2とに接続されている。
アクチュエータA2は、制御器A1の出力に応じて駆動する。アクチュエータA2は、例えば、駆動量Uに基づいて駆動し、ヘッド15を実位置Yに移動する。アクチュエータA2は、制御器A1と演算器CL0とに接続されている。
繰り返し制御系RCは、周期的に繰り返される信号の内部モデルを順次出力する。繰り返し制御系RCは、位置誤差信号e0に遅延メモリ出力信号e1を加算した遅延メモリ入力信号e2を保存する。繰り返し制御系RCは、推定したハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1(の推定値)とサーボサンプル周波数fsとの比を四捨五入して算出した遅延サンプル数Lと遅延メモリ入力信号e2とに基づいて、遅延メモリ出力信号e1を取得する。繰り返し制御系RCは、取得した遅延メモリ出力信号e1を出力する。演算器CL2は、演算器CL0と可変遅延メモリユニットA3とに接続されている。可変遅延メモリユニットA3は、演算器CL2と演算器CL1とに接続されている。演算器CL1は、可変遅延メモリユニットA3と演算器CL0と制御器A1とに接続されている。
アクセスするディスク10の論理位置、例えば、LBAが上位装置、例えば、ホスト100により指定された場合、位置決め制御系SYは、LBAを物理位置(C,H,S)に予め変換し、ヘッド15の半径位置(C,H,S)を変換器A0に出力する。変換器A0は、ヘッド15の物理位置(C,H,S)が入力される。変換器A0は、ヘッド15の物理位置(C,H,S)をヘッド15の目標半径位置rに変換する。変換器A0は、ヘッド15の目標半径位置rを演算器CL0に出力する。演算器CL0は、ヘッド15の目標半径位置rとヘッド15の実位置Yとが入力される。演算器CL0は、ヘッド15の目標半径位置rとヘッド15の実位置Yとの差に相当する位置誤差信号e0を算出する。演算器CL0は、位置誤差信号e0を繰り返し制御系RCと演算器CL1とに出力する。言い換えると、演算器CL0は、位置誤差信号e0を演算器CL2と演算器CL1とに出力する。
演算器CL2は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とが入力される。演算器CL2は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とを加算した遅延メモリ入力信号e2を算出する。演算器CL2は、遅延メモリ入力信号e2を可変遅延メモリユニットA3に出力する。
可変遅延メモリユニットA3は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ入力信号e2とが入力される。可変遅延メモリユニットA3は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ入力信号e2とに基づいて、遅延メモリ出力信号e1を取得する。可変遅延メモリユニットA3は、遅延メモリ出力信号e1を演算器CL1と演算器CL2とに出力する。
演算器CL1は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とが入力される。演算器CL1は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とを加算した位置誤差信号eを算出する。演算器CL1は、位置誤差信号eを制御器A1に出力する。
制御器A1は、位置誤差信号eが入力される。制御器A1は、位置誤差信号eに基づいて、駆動量Uを生成する。制御器A1は、駆動量UをアクチュエータA2に出力する。
アクチュエータA2は、駆動量Uが入力される。アクチュエータA2は、駆動量Uに応じて駆動し、駆動量Uに対応する実位置Yにヘッド15を移動する。アクチュエータA2は、実位置Yを演算器CL0に出力する。
図4は、図3に示した繰り返し制御系RCの可変遅延メモリユニットA3の一例を示すブロック図である。図4に示した可変遅延メモリユニットA3は、図3に示した可変遅延メモリユニットA3に対応している。
可変遅延メモリユニットA3は、複数の遅延メモリDM(k―1)、DM(k―2)、DM(k―3)、…、DM(k―L)、…、DM(k―N)と、遅延セレクタSWと、を有している。以下、複数の遅延メモリDM(k―1)乃至DM(k―N)をメモリユニットと称する場合もある。kは、例えば、現在までのサンプルの総数に相当する。Lは、遅延サンプル数に相当する。Nは、メモリユニットに保存(又は記録)できるサンプル数の上限値に相当する。Nは、例えば、Lよりも大きい(N>L)。
メモリユニットDM(k―1)乃至DM(k-N)は、遅延メモリ入力信号に相当するサンプル値を保存(又は記録)する。例えば、複数の遅延メモリDM(k―1)乃至DM(k-N)は、それぞれ、入力された信号の1サンプル前のサンプル値を保存(又は記録)する。複数の遅延メモリDM(k―1)乃至DM(k―N)は、それぞれ、1つ前の遅延メモリと接続されている。例えば、遅延メモリDM(k―1)及びDM(k―2)は、接続され、遅延メモリDM(k―2)及びDM(k―3)は、接続され、…、遅延メモリDM(k―L)及びDM(k―(L+1))は、接続され、遅延メモリDM(k―(N―1))及びDM(k―N)は、接続されている。メモリユニットDM(k―1)乃至DM(k―N)は、遅延セレクタSWに接続されている。複数の遅延メモリDM(k―1)乃至DM(k―N)は、それぞれ、遅延セレクタSWの複数の入力端子I1乃至INに接続されている。例えば、メモリユニットDM(k―1)乃至DM(k-N)は、保存(又は記録)できるサンプル数の上限値Nを設定している。例えば、メモリユニットDM(k―1)乃至DM(k-N)は、kサンプル目の遅延メモリ入力信号e2[k]の前(又は過去)のサンプル値(以下、過去サンプル値又は過去メモリ値と称する場合もある)e2[k-1]、e2[k-2]、…、e2[k-N]を順次格納している。例えば、遅延メモリDM(k―1)は、kサンプル目の遅延メモリ入力信号e2[k]が入力され、遅延メモリ入力信号e2[k]をkサンプル目の1つ前の過去サンプル値として保存(又は記録)する。このとき、遅延メモリDM(k―2)は、遅延メモリDM(k―1)からk―1サンプル目の遅延メモリ入力信号e2[k―1]が入力され、k―1サンプル目の過去サンプル値e2[k―1]をk―2サンプル目の過去サンプル値e2[k―2]として保存(又は記録)する。遅延メモリDM(k―1)及びDM(k-2)と同様にして、複数の遅延メモリDM(k―3)乃至DM(k―N)は、それぞれ、1つ前の遅延メモリから1サンプル前の過去サンプル値が入力され、入力された過去サンプル値を新たな過去サンプル値として順次更新して保存(又は記録)する。
遅延セレクタSWは、メモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)にそれぞれ記録された過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―N]から所定の過去サンプル値を選択する。遅延セレクタSWは、選択した所定の過去サンプル値を出力する。例えば、遅延セレクタSWは、端子Vに入力される遅延サンプル数Lに応じて、メモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)にそれぞれ記録された過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―N]から遅延サンプル数Lに対応する過去サンプル値に相当する遅延サンプル値e2[k―L]を選択する。例えば、遅延セレクタSWは、出力端子Oを介して遅延サンプル値(遅延メモリ出力信号)e1=e2[k-L]を出力する。
図5は、本実施形態に係るアクセス処理時のヘッド15の位置決め制御系SYの一例を示すブロック図である。図5に示す位置決め制御系SYは、図3に示した位置決め制御系SYとほぼ同等であるが、ローパスフィルタA4を有する点が図3に示した位置決め制御系と相違する。図5において、図3に示した位置決め制御系SYと同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
繰り返し制御系RCは、可変遅延メモリユニットA3と、ローパスフィルタA4と、演算器CL2とを有している。
図5において、ローパスフィルタA4で遅延サンプル数Lに応じたカットオフ周波数fcの信号(又は波形)を遅延メモリ入力信号e2からカットした遅延メモリ入力信号(以下、カットオフ遅延メモリ入力信号と称する場合もある)e3と、遅延サンプル数Lだけ遅延した内部状態z^(-L)×e3に相当する遅延メモリ出力信号e1と、は、位置決め制御系SYで信号(又は、情報)として処理される。
繰り返し制御系RCは、ローパスフィルタA4で遅延サンプル数Lに応じたカットオフ周波数fcの信号(又は波形)を遅延メモリ入力信号e2からカットしたカットオフ遅延メモリ入力信号e3を保存(又は記録)し、カットオフ遅延メモリ入力信号e3に基づいて遅延メモリ出力信号e1を取得する。繰り返し制御系RCは、取得した遅延メモリ出力信号e1を出力する。演算器CL2は、演算器CL0とローパスフィルタA4とに接続されている。可変遅延メモリユニットA3は、ローパスフィルタA4と演算器CL1とに接続されている。ローパスフィルタA4は、演算器CL2と可変遅延メモリユニットA3とに接続されている。
位置決め制御系SYでは、演算器CL2は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とが入力される。演算器CL2は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とを加算した遅延メモリ入力信号e2を算出する。演算器CL2は、遅延メモリ入力信号e2をローパスフィルタA4に出力する。
ローパスフィルタA4は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ入力信号e2とが入力される。ローパスフィルタA4は、遅延サンプル数Lに応じてカットオフ周波数fcを設定し、遅延メモリ入力信号e2のカットオフ周波数fcの信号(又は波形)をカットしたカットオフ遅延メモリ入力信号e3を生成する。なお、ローパスフィルタA4は、基本周波数f1(の推定値)に応じてカットオフ周波数fcを設定し、遅延メモリ入力信号e2のカットオフ周波数fcの信号(又は波形)をカットしたカットオフ遅延メモリ入力信号e3を生成してもよい。また、ローパスフィルタA4のカットオフ周波数fcは、入力される遅延サンプル数Lに依らない固定値を設定してもよい。ローパスフィルタA4は、カットオフ遅延メモリ入力信号e3を可変遅延メモリユニットA3に出力する。これにより、繰り返し制御系RCが高調波で不安定化することを防止することができる。
可変遅延メモリユニットA3は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ入力信号e2とが入力される。可変遅延メモリユニットA3は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ入力信号e2とに基づいて、遅延メモリ出力信号e1を取得する。可変遅延メモリユニットA3は、遅延メモリ出力信号e1を演算器CL1と演算器CL2とに出力する。
図6は、本実施形態に係るアクセス処理時のヘッド15の位置決め制御系SYの一例を示すブロック図である。図6に示す位置決め制御系SYは、図5に示した位置決め制御系SYとほぼ同等であるが、位相補償器A5を有する点が図5に示した位置決め制御系SYと相違する。図6において、図5に示した位置決め制御系SYと同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
位置決め制御系SYは、変換器A0と、制御器A1と、アクチュエータA2と、繰り返し制御系RCと、位相補償器A5と、演算器CL0及びCL1とを有している。繰り返し制御系RCは、可変遅延メモリユニットA3と、ローパスフィルタA4と、演算器CL2とを有している。変換器A0、制御器A1、アクチュエータA2、繰り返し制御系RC、位相補償器A5、演算器CL0、及び演算器CL1は、例えば、システムコントローラ130、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、及びバッファメモリ90に含まれている。
図6において、ローパスフィルタA4でカットオフ周波数fcの信号(又は波形)を遅延メモリ入力信号e2からカットしたカットオフ遅延メモリ入力信号e4と、遅延サンプル数Lだけ遅延した内部状態z^(-L)×e4に相当する遅延メモリ出力信号e1と、遅延メモリ出力信号e1の位相補償を実行した出力信号e5(以下、位相補償出力信号と称する場合もある)は、位置決め制御系SYで信号(又は、情報)として処理される。
繰り返し制御系RCは、ローパスフィルタA4でカットオフ周波数fcの信号(又は波形)を遅延メモリ入力信号e2からカットしたカットオフ遅延メモリ入力信号e4を保存し、カットオフ遅延メモリ入力信号e4に基づいて遅延メモリ出力信号e1を取得する。繰り返し制御系RCは、取得した遅延メモリ出力信号e1を出力する。演算器CL2は、演算器CL0とローパスフィルタA4とに接続されている。可変遅延メモリユニットA3は、ローパスフィルタA4と位相補償器A5とに接続されている。演算器CL1は、位相補償器A5と演算器CL0と制御器A1とに接続されている。
位相補償器A5は、位相補償を実行する。例えば、位相補償器A5は、位置決め制御系SYの閉ループ特性が有する位相遅れ分を補償することができる。位相補償器A5は、可変遅延メモリユニットA3に記録されている過去サンプル値、例えば、遅延メモリ出力信号e1に対して遅延サンプル数Lに応じたdサンプル数だけ後(未来)のサンプル値に相当する位相補償出力信号e5を出力することにより、位相補償を実行する。なお、位相補償器A5の位相特性は、ローパスフィルタA4の位相特性に応じて変化させてもよい。位相補償器A5は、可変遅延メモリユニットA3と演算器CL1とに接続されている。
位置決め制御系SYでは、演算器CL2は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とが入力される。演算器CL2は、位置誤差信号e0と遅延メモリ出力信号e1とを加算した遅延メモリ入力信号e2を算出する。演算器CL2は、遅延メモリ入力信号e2をローパスフィルタA4に出力する。
ローパスフィルタA4は、遅延メモリ入力信号e2が入力される。ローパスフィルタA4は、カットオフ周波数fcを設定し、遅延メモリ入力信号e2のカットオフ周波数fcの信号(又は波形)をカットしたカットオフ遅延メモリ入力信号e4を生成する。ローパスフィルタA4は、カットオフ遅延メモリ入力信号e4を可変遅延メモリユニットA3に出力する。
可変遅延メモリユニットA3は、遅延サンプル数Lとカットオフ遅延メモリ入力信号e4とが入力される。可変遅延メモリユニットA3は、遅延サンプル数Lとカットオフ遅延メモリ入力信号e4とに基づいて、遅延メモリ出力信号e1を取得する。可変遅延メモリユニットA3は、遅延メモリ出力信号e1を演算器CL2と位相補償器A5とに出力する。
位相補償器A5は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ出力信号e1とが入力される。位相補償器A5は、遅延サンプル数Lと遅延メモリ出力信号e1とに基づいて、位相補償出力信号e5を取得する。位相補償器A5は、位相補償出力信号e5を演算器CL1に出力する。
演算器CL1は、位置誤差信号e0と位相補償出力信号e5とが入力される。演算器CL1は、位置誤差信号e0と位相補償出力信号e5とを加算した位置誤差信号eを算出する。演算器CL1は、位置誤差信号eを制御器A1に出力する。
図7は、本実施形態に係るアクセス処理時のヘッド15の位置決め制御系SYの一例を示すブロック図である。図7に示す位置決め制御系SYは、図6に示した位置決め制御系SYに対応している。図7において、図6に示した位置決め制御系SYと同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
位置決め制御系SYは、変換器A0と、制御器A1と、アクチュエータA2と、繰り返し制御系RCと、演算器CL0及びCL1とを有している。繰り返し制御系RCは、可変遅延メモリユニットA6と、ローパスフィルタA4と、演算器CL2とを有している。変換器A0、制御器A1、アクチュエータA2、繰り返し制御系RC、演算器CL0、及び演算器CL1は、例えば、システムコントローラ130、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、及びバッファメモリ90に含まれている。
演算器CL2は、演算器CL0とローパスフィルタA4と可変メモリユニットA6とに接続されている。ローパスフィルタA4は、演算器CL2と可変遅延メモリユニットA6とに接続されている。
可変遅延メモリユニットA6は、可変遅延メモリユニットA3と位相補償器A5の機能を統合したメモリユニットに相当する。ローパスフィルタA4は、演算器CL2と可変遅延メモリユニットA6とに接続されている。可変遅延メモリユニットA6は、ローパスフィルタA4と演算器CL1と演算器CL2とに接続されている。
ローパスフィルタA4は、カットオフ遅延メモリ入力信号e4を可変遅延メモリユニットA6に出力する。
可変遅延メモリユニットA6は、遅延サンプル数Lとカットオフ遅延メモリ入力信号e4とが入力される。可変遅延メモリユニットA6は、遅延サンプル数Lとカットオフ遅延メモリ入力信号e4とに基づいて、遅延メモリ出力信号e1と位相補償出力信号e5とを取得する。可変遅延メモリユニットA6は、遅延メモリ出力信号e1を演算器CL2に出力し、位相補償出力信号e5を演算器CL1に出力する。
図8は、図7に示した繰り返し制御系RCの可変遅延メモリユニットA6の一例を示すブロック図である。図8に示した可変遅延メモリユニットA6は、図7に示した可変遅延メモリユニットA6に対応している。
可変遅延メモリユニットA6は、メモリユニットDM(k―1)、DM(k―2)、DM(k―3)、…、DM(k―L+d)、…、DM(k―L)、…、DM(k―N)と、遅延セレクタSWと、を有している。
例えば、メモリユニットDM(k―1)乃至DM(k-N)は、kサンプル目のカットオフ遅延メモリ入力信号e4[k]の前(又は過去)の過去サンプル値(以下、カットオフ過去サンプル値又はカットオフ過去メモリ値と称する場合もある)e4[k-1]、e4[k-2]、…、e4[k-L+d]、…、e4[k-L]、…、e2[k-N]を順次格納している。例えば、遅延メモリDM(k―1)は、kサンプル目のカットオフ遅延メモリ入力信号e4[k]が入力され、カットオフ遅延メモリ入力信号e4[k]をkサンプル目の1つ前のカットオフ過去サンプル値として保存(又は記録)する。このとき、遅延メモリDM(k―2)は、遅延メモリDM(k―1)からk―1サンプル目のカットオフ遅延メモリ入力信号e4[k―1]が入力され、k―1サンプル目のカットオフ過去サンプル値e2[k―1]をk―2サンプル目のカットオフ過去サンプル値e2[k―2]として保存(又は記録)する。遅延メモリDM(k―1)及びDM(k-2)と同様にして、複数の遅延メモリDM(k―3)乃至DM(k―N)は、それぞれ、1つ前の遅延メモリから1サンプル前のカットオフ過去サンプル値が入力され、入力されたカットオフ過去サンプル値を新たなカットオフ過去サンプル値として順次更新して保存(又は記録)する。
遅延セレクタSWは、メモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)にそれぞれ記録されたカットオフ過去サンプル値e4[k―1]乃至e2[k―N]から所定のカットオフ過去サンプル値を選択する。遅延セレクタSWは、選択した所定のカットオフ過去サンプル値を出力する。例えば、遅延セレクタSWは、端子Vに入力される遅延サンプル数Lに応じて、メモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)にそれぞれ記録されたカットオフ過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―N]から遅延サンプル数Lに対応するカットオフ過去サンプル値に相当する遅延メモリ出力信号e1=e4[k―L]を選択する。例えば、遅延セレクタSWは、選択した遅延メモリ出力信号e1に対して遅延サンプル数Lに応じたdサンプル数だけ後(未来)のサンプル値に相当する位相補償出力信号e5=e4[k―L+d]を取得する。例えば、遅延セレクタSWは、出力端子Oを介してカットオフ遅延サンプル値(遅延メモリ出力信号)e1=e4[k-L]を出力すると同時に、出力端子Qを介してカットオフ遅延サンプル値(位相補償出力信号)e5=e4[k-L+d]を出力する。
図9は、図6に対応する繰り返し制御系RCの入出力特性e5/e0の一例を示す図である。図9において、サーボサンプル周波数fs=62.4kHzである。図9の上の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ゲイン(dB)と示している。図9の上の図には、FANの回転に起因して生じたハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)f1=367Hz(遅延サンプル数L=170)である場合の繰り返し制御系RCの入出力特性e5/e0の周波数に対するゲインの変化IOGL1と、FANの回転に起因して生じたハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)f1=472Hz(遅延サンプル数L=132)である場合の繰り返し制御系RCの入出力特性e5/e0の周波数に対するゲインの変化IOGL2とを示している。図9の上の図において、ゲインの変化IOGL1は、実線で示し、ゲインの変化IOGL2は、破線で示している。図9の下の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は位相を示している。図9の下の図には、FANの回転に起因して生じたハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)f1=367Hz(遅延サンプル数L=170)である場合の繰り返し制御系RCの入出力特性e5/e0の周波数に対する位相の変化IOPL1と、FANの回転に起因して生じたハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)f1=472Hz(遅延サンプル数L=132)である場合の繰り返し制御系RCの入出力特性e5/e0の周波数に対する位相の変化IOPL2とを示している。図9の下の図において、位相の変化IOPL1は、実線で示し、位相の変化IOPL2は、破線で示している。
図9に示した例では、サーボサンプル周波数fs=62.4kHz、且つ基本周波数の推定値f1=367Hzである場合、遅延サンプル数L=62400/367=170になるため、繰り返し制御系RCは、遅延サンプル数170で動作する。図9に実線(f1=367Hz)のIOGL1及びIOPL1で示すように、繰り返し制御系RCは、基本周波数の推定値f1=367Hzの高調波である逓倍周波数も同時に抽出する。
図9に示した例では、サーボサンプル周波数fs=62.4kHz、且つ基本周波数の推定値f1=472Hzである場合、遅延サンプル数L=62400/472=132になるため、繰り返し制御系RCは、遅延サンプル数132で動作する。図9に破線(f1=472Hz)のIOGL2及びIOPL2で示すように、繰り返し制御系RCは、基本周波数の推定値f1=472Hzの高調波である逓倍周波数も同時に抽出する。
以上により、繰り返し制御系RCの入出力特性は、基本周波数の推定値f1の高調波フィルタに相当することが分かる。
図10は、ハーモニクス外乱の基本周波数の推定値f1の高調波のフィルタHFL1と位置決め制御系SYの感度特性の変化との一例を示す図である。図10の上の図は、図9の上の図に対応している。図10の上の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ゲイン(dB)を示している。図10の上の図には、ハーモニクス外乱に対応する基本周波数(の推定値)f1=472Hzの高調波のフィルタに相当する繰り返し制御系RCの入出力特性e5/e0の周波数に対するゲインの変化(以下、高調波フィルタと称する場合もある)HFL1を示している。高調波フィルタHFL1は、例えば、ゲインの変化IOGL2に対応している。図10の下の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、位置決め制御系SYの感度特性(以下、単に感度特性と称する場合もある)を示している。図10の下の図には、本実施形態の繰り返し制御系RC、例えば、図6に示した繰り返し制御系RCを適用していない場合の周波数に対する感度特性の変化SCL1と、FANの回転に起因して生じたハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1=472Hzで本実施形態の繰り返し制御系RC、例えば、図6に示した繰り返し制御系RCを適用した場合の周波数に対する感度特性の変化SCL2とを示している。図10の下の図において、感度特性の変化SCL1は、1点鎖線で示し、感度特性の変化SCL2は、2点鎖線で示している。
図10に示した例では、位置決め制御系SYは、基本周波数(の推定値)f1=472Hzの逓倍の周波数で抑圧感度が向上している。
図11は、ハーモニクス外乱を有する環境におけるPESのスペクトラムとこのPESのスペクトラムの累積二乗和との一例を示す図である。図11は、例えば、図10に対応している。図11の上の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分(NRPE:Non-Repeatable Positioning Error)のPES(dBum(4.0Hz))を示している。図11の上の図には、本実施形態の繰り返し制御系RC、例えば、図6に示した繰り返し制御系RCを適用していない場合のハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分のPESの変化NSL1と、FANの回転に起因して生じたハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1=472Hzで本実施形態の繰り返し制御系RC、例えば、図6に示した繰り返し制御系RCを適用した場合のハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分のPESの変化NSL2と、を示している。図11の上の図において、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分のPESの変化NSL1は、実線で示し、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分のPESの変化NSL2は、破線で示している。図11の下の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分の累積3σ(標準偏差の3倍)値(nm)を示している。図11の下の図には、本実施形態の繰り返し制御系RC、例えば、図6に示した繰り返し制御系RCを適用していない場合のハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL1と、FANの回転に起因して生じるハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1=472で本実施形態の繰り返し制御系RC、例えば、図6に示した繰り返し制御系RCを適用した場合のハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL2と、を示している。図11の下の図において、ハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL1は、実線で示し、ハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL2は、破線で示している。
図11の回転非同期成分のPESの変化NSL1に示すように、ハーモニクス外乱を有する環境において、本実施形態の繰り返し制御系RCを適用しない場合、ハーモニクス外乱が基台等に印加されることでハーモニクス外乱に対応する基本周波数の推定値f1=472Hzの逓倍周波数でPESが悪化する。そのため、図11の回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL1に示すように、ハーモニクス外乱を有する環境において、本実施形態の繰り返し制御系RCを適用した場合、累積3σ値が6.63nmとなる。
図11の回転非同期成分のPESの変化NSL2に示すように、ハーモニクス外乱を有する環境において、本実施形態の繰り返し制御系RCを適用した場合、外乱の基本周波数の推定値f1=472Hzの1、2、3、4、及び5次の逓倍周波数でPESが抑圧(抑制又は補償)されている。そのため、図11の回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL2に示すように、ハーモニクス外乱を有する環境において、本実施形態の繰り返し制御系RCを適用した場合、3σ値が6.02nmとなる。つまり、ハーモニクス外乱を有する環境において、本実施形態の繰り返し制御系RCを適用しない場合の累積3σ値と比較して本実施形態の繰り返し制御系RCを適用した場合の累積3σ値は大きく改善されている。
図12は、ローパスフィルタA4を適用していない場合の図10に示す高調波フィルタHFL1と位置決め制御系SYの感度特性の変化との一例を示す図である。図12は、図10に対応している。図12の上の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ゲイン(dB)を示している。図12の上の図には、ローパスフィルタA4を適用していない図10に示した高調波フィルタHFL1を示している。図12の下の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、位置決め制御系SYの感度特性を示している。図12の下の図には、ローパスフィルタA4と図6に示した繰り返し制御系RCとを適用していない図10に示した周波数に対する感度特性の変化SCL1と、ローパスフィルタA4を適用せず、且つ図6に示した繰り返し制御系RCを適用した図10に示した周波数に対する感度特性の変化SCL2とを示している。図12の下の図において、感度特性の変化SCL1は、1点鎖線で示し、感度特性の変化SCL2は、2点鎖線で示している。
図12に示した感度特性の変化SCL2は、図10に示した感度特性の変化SCL2と比較して大きく変動している。図12に示した感度特性の変化SCL2は、図10に示した感度特性の変化SCL2と比較して、特に2k~5kHzの周波数帯においては外乱を大きく増幅する特性を示している。
図13は、ローパスフィルタA4を適用していない高調波の外乱を有する環境におけるPESのスペクトラムとこのPESのスペクトラムの累積二乗和との一例を示す図である。図13は、例えば、図12に対応している。図13の上の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分のPES(dBum(4.0Hz))を示している。図13の上の図には、図6に示した繰り返し制御系RCを適用していない図11に示した周波数に対する回転非同期成分のPESの変化NSL1と、ローパスフィルタA4を適用せず、且つ図6に示した繰り返し制御系RCを適用した図11に示した周波数に対する回転非同期成分のPESの変化NSL2と、を示している。図13の上の図において、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分のPESの変化NSL1は、実線で示し、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分のPESの変化NSL2は、破線で示している。図13の下の図において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ハーモニクス外乱を有する環境における回転非同期成分の累積3σ値(nm)を示している。図13の下の図には、図6に示した繰り返し制御系RCを適用していない場合の図11に示した周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL1と、ローパスフィルタA4を適用せず、且つ図6に示した繰り返し制御系RCを適用した場合の図11に示した周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL2と、を示している。図13の下の図において、ハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL1は、実線で示し、ハーモニクス外乱を有する環境における周波数に対する回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL2は、破線で示している。
図13の周波数に対する回転非同期成分のPESの変化NSL2に示すように、ハーモニクス外乱を有する環境において、ローパスフィルタA4、及び本実施形態の繰り返し制御系RCを適用しない場合、外乱の基本周波数の推定値f1=472Hzの1、2、3、及び4次の逓倍周波数でPESが抑圧(抑制又は補償)されている。しかし、外乱の基本周波数の推定値472Hzの5次の逓倍周波数以降の周波数では、逓倍周波数におけるPES抑圧(抑制又は補償)よりも、逓倍周波数間におけるPES悪化が上回っている。そのため、図11の回転非同期成分の累積3σ値の変化N3σL2に示すように、ハーモニクス外乱を有する環境において、ローパスフィルタA4を適用せず、且つ本実施形態の繰り返し制御系RCを適用した場合、3σ値が6.71nmとなる。つまり、ハーモニクス外乱を有する環境において、ローパスフィルタA4と本実施形態の繰り返し制御系RCとを適用しない場合の累積3σ値と比較してローパスフィルタA4を適用せず、且つ本実施形態の繰り返し制御系RCを適用した場合の累積3σ値はほぼ同じ、又は僅かに悪化する。
図14は、本実施形態に係るハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、ハーモニクス外乱の補償中であるか補償中でないかを判定する(B1401)。ハーモニクス外乱の補償中でないと判定した場合(B1401のNO)、MPU60は、ハーモニクス外乱(に対応する基本周波数)を推定し(B1402)、ハーモニクス外乱を検出したかハーモニクス外乱を検出していないかを判定する(B1403)。ハーモニクス外乱を検出していないと判定した場合(B1403のNO)、MPU60は、処理を終了する。
ハーモニクス外乱を検出したと判定した場合(B1403のYES)、MPU60は、ハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1を決定し(B1404)、決定した基本周波数f1に基づいて遅延サンプル数Lを決定する(B1405)。MPU60は、遅延メモリDM(k―1)乃至DM(k―N)にそれぞれに保存された過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k-L]をクリア、例えば、ゼロにし、B1407の処理に進む。
既に遅延サンプル数Lを決定してハーモニクス外乱の補償中であると判定した場合(B1401のYES)、MPU60は、繰り返し制御器RCから遅延サンプル値e2[k-L]を出力する(B1407)。MPU60は、過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k-L]を順次更新し、新たな位置誤差信号e0[k]と現在の遅延メモリ出力信号e2[k―L]とに基づいて遅延メモリ入力信号e2[k]を更新し(B1408)、処理を終了する。
図15は、本実施形態に係る外乱に対応する高調波の補償方法の一例を示すフローチャートである。
既に遅延サンプル数Lを決定してハーモニクス外乱を補償中であると判定した場合(B1401のYES)、MPU60は、補償中のハーモニクス外乱が変化しているか変化していないかを判定する(B1501)。補償中のハーモニクス外乱が変化していないと判定した場合(B1501のNO)、MPU60は、B1407の処理に進む。
補償中のハーモニクス外乱が変化していると判定した場合(B1501のYES)、MPU60は、ハーモニクス外乱(に対応する基本周波数)を再度推定し(B1502)、再度推定したハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1が変化しているか変化していないかを判定する(B1503)。例えば、MPU60は、ハーモニクス外乱に対応するPESの3σ値の増加を確認した場合は補償すべきハーモニクス外乱(の周波数)が変化していると判定する。補償中のハーモニクス外乱が変化していると判定した場合、MPU60は、変化したハーモニクス外乱に対応する基本周波数を再度推定し、再度推定したハーモニクス外乱に対応する基本周波数と現在補償中のハーモニクス外乱に対応する基本周波数とを比較して基本周波数f1が変化しているか変化していないかを判定する。
基本周波数f1が変化していないと判定した場合(B1503のNO)、MPU60は、B1407の処理に進む。基本周波数f1が変化していると判定した場合(B1503のYES)、MPU60は、B1404の処理に進む。
本実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、既に遅延サンプル数Lを決定してハーモニクス外乱の補償中であると判定した場合、繰り返し制御器RCから遅延サンプル値e2[k-L]を出力し、過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―L]を順次更新し、新たな位置誤差信号e0[k]と現在の遅延メモリ出力信号e2[k―L]とに基づいて遅延メモリ入力信号e2[k]を更新する。また、磁気ディスク装置1は、ハーモニクス外乱の補償中でないと判定した場合、ハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1を推定し、ハーモニクス外乱を検出する。ハーモニクス外乱を検出した場合、磁気ディスク装置1は、ハーモニクス外乱の基本周波数f1を決定し、基本周波数f1に基づいて遅延サンプル数Lを決定し、遅延メモリDM(k―1)乃至DM(k―N)にそれぞれ保存されている過去サンプル値e2[k-1]乃至e2[k-L]をクリア、例えば、0にする。
さらに、磁気ディスク装置1は、既に遅延サンプル数Lが決定されておりハーモニクス外乱の補償中であると判定した場合、補償中のハーモニクス外乱が変化しているか変化していないかを判定する。例えば、磁気ディスク装置1は、補償中のハーモニクス外乱に対応するPESの3σ値の増加を確認した場合、補償すべきハーモニクス外乱の周波数が変化していると判定する。ハーモニクス外乱が変化していると判定した場合、磁気ディスク装置1は、変化したハーモニクス外乱に対応する基本周波数を再度推定する。再度推定した基本周波数が現在補償中のハーモニクス外乱に対応する基本周波数に対して変化していると判定した場合、磁気ディスク装置1は、新たな基本周波数f1を再度決定し、再度決定した新たな基本周波数f1に基づいて新たな遅延サンプルを再度決定する。
そのため、磁気ディスク装置1は、FANの回転数が変化することで変化し得るハーモニクス外乱によるPESの悪化を防止できる。したがって、磁気ディスク装置1は、信頼性を向上することができる。
次に、第1実施形態に係る他の実施形態に係る磁気ディスク装置について説明する。他の実施形態において、前述の第1実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る磁気ディスク装置1は、可変遅延メモリユニットA3の構成が前述した第1実施形態に係る磁気ディスク装置1と相違する。
図16は、第2実施形態に係る可変遅延メモリユニットA3の一例を示すブロック図である。
可変遅延メモリユニットA3は、メモリユニットDM(k―1)、DM(k―2)、DM(k―3)、…、DM(k―L)、…、DM(k―N)と、遅延セレクタSWと、補間器ITPと、を有している。図16に示した可変遅延メモリユニットA3は、図3、図5、及び図6に示した可変遅延メモリユニットA3に対応している。
例えば、遅延メモリDM(k―1)は、kサンプル目の遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)が入力され、kサンプル目の遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)を1サンプル前の過去サンプル値e2[k―1]として保存(又は記録)する。ここで、Tsは、サンプリング周期である。遅延メモリDM(k―1)と同様にして、複数の遅延メモリDM(k―2)乃至DM(k―N)は、それぞれ、1つ前の遅延メモリから1サンプル前の過去サンプル値が入力され、入力された過去サンプル値を新たな過去サンプル値として順次更新して保存(又は記録)する。
遅延セレクタSWは、メモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)にそれぞれ記録された過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―N]から所定の過去サンプル値を選択する。遅延セレクタSWは、選択した所定の過去サンプル値を出力する。例えば、遅延セレクタSWは、端子Vに入力される現在補償するハーモニクス外乱に対応する基本周波数f1の逆数に相当する遅延時間T1に応じて、遅延時間T1をサンプリング周期Tsで除算して小数点以下を切り捨てて算出された遅延サンプル数L及びL+1にそれぞれ対応する遅延サンプル値e2[k-L]及びe2[k-(L+1)]をメモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)にそれぞれ記録された遅延サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―N]から選択する。例えば、L≦T1/Ts<L+1である。例えば、遅延セレクタSWは、選択した遅延サンプル値(遅延メモリ出力信号)e2[k-L]及びe2[k-(L+1)]を補間器ITPに出力する。
補間器ITPは、補間演算を実行する。補間器ITPは、遅延セレクタSWの出力端子O1に接続された入力端子II1を介して遅延メモリ出力信号e2[k-L]が入力され、遅延セレクタSWの出力端子O2に接続された入力端子II2を介して遅延メモリ出力信号e2[k-(L+1)]が入力される。補間器ITPは、実数値である遅延サンプル数T1/Tsにおける出力信号(以下、補間遅延メモリ出力信号と称する場合もある)e2(kTs-T1)を遅延メモリ出力信号e2[k―L](=e2((k-L)Ts))と遅延メモリ出力信号e2[k-(L+1)](=e2((k-(L+1))Ts)とを使用して以下の式(1)で補間演算、例えば、内挿演算して推定する。
e2(kTs-T1)=e2[k-L]+(e2[k-(L+1)]-e2[k-L])×(T1/Ts-L) (式1)
補間器ITPは、出力端子OIを介して補間遅延メモリ出力信号e1=e2(kTs-T1)を出力する。
図17は、第2実施形態に係る可変遅延メモリユニットA3の一例を示すブロック図である。
可変遅延メモリユニットA3は、遅延メモリDM((k―1)Ts)と、メモリユニットDM(k―1)、DM(k―2)、DM(k―3)、…、DM(k―L)、…、DM(k―N)と、遅延セレクタSWと、補間器ITPと、を有している。図17に示した可変遅延メモリユニットA3は、図3、図5、及び図6に示した可変遅延メモリユニットA3に対応している。
遅延メモリDM((k―1)Ts)は、サンプリング周期Tsに対応している。遅延メモリDM((k―1)Ts)は、kサンプル目の遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)が入力され、遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)を1サンプル前のサンプル値(以下、遅延メモリ入力信号と称する場合もある)e2((k―1)Ts)として保存(又は記録)する。遅延メモリDM((k―1)Ts)は、補間器ITPの入力端子II2に接続されている。
補間器ITPは、入力端子II1を介して遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)が入力され、遅延メモリDM((k―1)Ts)に接続された入力端子II2を介してサンプル値e2((k―1)Ts)が入力される。補間器ITPは、遅延時間T1に応じて遅延サンプル数Lが決定されるため、遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)の端数分T1/Ts―L分の過去の入力信号(以下、補間遅延メモリ入力信号と称する場合もある)e2[k]=e2((k-(T1/Ts-L))Ts)を遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)と遅延メモリ入力信号e2((k―1)Ts)とを使用して以下の式(2)で補間演算、例えば、内挿演算して推定する。言い換えると、補間器ITPは、遅延時間T1に応じて遅延サンプル数Lが決定されるため、遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)と遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)から遅延時間をサンプリング周期で除算した値の小数点以下(T1/Ts―L)分だけ遅延した補間遅延メモリ入力信号を遅延メモリ入力信号e2[k]=e2(kTs)と遅延メモリ入力信号e2((k―1)Ts)とを使用して以下の式(2)で補間演算、例えば、内挿演算して推定する。
e2(k-(T1/Ts-L)Ts)=e2(kTs)+((e2(k-1)Ts)-e2(kTs))×(T1/Ts-L) (式2)
ここで、L≦T1/Ts<L+1である。
補間器ITPは、遅延メモリDM(k―1)に接続された出力端子OIを介して補間遅延メモリ入力信号e2[k]=e2((k-(T1/Ts-L))Ts)を遅延メモリDM(k―1)(又はメモリユニット)に出力する。
例えば、遅延メモリDM(k―1)は、kサンプル目の補間遅延メモリ入力信号e2[k]=e2((k-(T1/Ts-L))Ts)が入力され、kサンプル目の補間遅延メモリ入力信号e2[k]=e2((k-(T1/Ts-L))Ts)を1サンプル前の過去サンプル値e2[k―1]として保存(又は記録)する。遅延メモリDM(k―1)と同様にして、複数の遅延メモリDM(k―2)乃至DM(k―N)は、それぞれ、1つ前の遅延メモリから1サンプル前の過去サンプル値が入力され、入力された過去サンプル値を新たな過去サンプル値として順次更新して保存(又は記録)する。
例えば、遅延セレクタSWは、端子Vに入力される遅延時間T1に応じて、遅延サンプル数Lに対応する遅延サンプル値e2[k-L]をメモリユニットDM(k-1)乃至DM(k―N)に記録された過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k―N]から選択する。例えば、遅延セレクタSWは、選択した遅延サンプル値(遅延メモリ出力信号)e2[k-L]=e2(kTs―T1)を出力する。つまり、遅延セレクタSWは、遅延メモリ入力信号e2(kTs)に対して遅延時間T1だけ遅延した遅延メモリ出力信号e2(kTs-T1)を出力する。
図18は、第2実施形態に係る位置決め制御系SYの感度特性の変化の一例を示す図である。図18は、図16又は図17に対応している。図18において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ゲイン(dB)を示している。図18には、ハーモニクス外乱に対応する抑制の目標とする基本周波数(の推定値)(以下、目標抑制基本周波数と称する場合もある)f1=470Hzの高調波に対して補間器ITPを有している可変遅延メモリユニットA3を含む繰り返し制御系RCを適用した場合の周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL3と、ハーモニクス外乱に対応する目標抑制基本周波数(の推定値)f1=470Hzの高調波に対して補間器ITPを有していない可変遅延メモリユニットA3を含む繰り返し制御系RCを適用した場合の周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL4と、を示している。図18に示した例では、周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL3は、実線で示されている。周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL4は、破線で示されている。周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL3は、第2実施形態の繰り返し制御系RCが適用されている。周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL4は、第1実施形態の繰り返し制御系RCが適用されている。
図18に示した例では、周波数に対する感動特性の変化SCL3と周波数に対する感度特性の変化SCL4との両方の場合において、ハーモニクス外乱に対応する目標抑制基本周波数(=推定値)f1=470Hzの近傍の周波数の高調波が抑制(又は補償)されている。
図19は、図18の目標抑制基本周波数f1=470Hzの近傍の周波数の波形を拡大した拡大図である。図19は、図18に対応している。図19において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ゲイン(dB)を示している。図19では、サーボサンプル周波数fs=62.4kHzである。
図19に示した例では、周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL4において、遅延サンプル数は、fs/f1=132.76であり、整数値として四捨五入したL=133である。遅延サンプル数L=133である場合、繰り返し制御系は、周波数f1’=fs/L=469.2Hzを抑制(又は補償)する。言い換えると、周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL4に示した例では、繰り返し制御系は、周波数f1’=fs/L=469.2Hzを抑制(又は補償)する。周波数f1’=469.2Hzと目標抑制基本周波数f1=470Hzとは、誤差が生じている。一方、周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL3に示した例では、繰り返し制御系RCは、目標抑制基本周波数f1=470Hzとほぼ一致した周波数を抑制(又は補償)することができる。
図20は、図18の目標抑制基本周波数f1の15次のハーモニクスである周波数7050Hzの近傍の周波数の波形を拡大した拡大図である。図20は、図18に対応している。図20において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、ゲイン(dB)を示している。
図20に示した例では、周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL4では、繰り返し制御系は、15次のハーモニクスに対応する周波数15×f1’=7038Hzを抑制(又は補償)する。15次のハーモニクスに対応する周波数15×f1’=7038Hzと15次のハーモニクスに対応する目標とする抑制する高調波の周波数(以下、目標抑制周波数と称する場合もある)15×f1=7050Hzとは、誤差が生じている。一方、周波数に対する感度特性(又はゲイン)の変化SCL3に示した例では、繰り返し制御系RCは、15次のハーモニクスに対応する目標抑制周波数15×f1=7050Hzとほぼ一致した周波数を抑制(又は補償)することができる。目標抑制周波数は、目標抑制基本周波数を含む。
図21は、図18、図19、及び図20に示した2つの周波数に対する感度特性の変化において抑制した高調波の周波数と目標抑制周波数との抑制周波数誤差を示す図である。図21は、図18、図19、及び図20に対応している。図21において、横軸は、周波数(Hz)を示し、縦軸は、目標抑制周波数に対する実際に抑制した周波数の誤差(以下、抑制周波数誤差と称する場合もある)を示している。図21には、図18乃至図20に示した周波数に対する感度特性の変化SCL3において抑制された各周波数と各目標周波数との各周波数における各抑制周波数誤差SCE3と、図18乃至図20に示した周波数に対する感度特性の変化SCL4において抑制された各周波数と各目標周波数との各周波数における各抑制周波数誤差SCE4と、を示している。図21では、各周波数における各抑制周波数誤差SCE3は、丸で示され、各周波数における各抑制周波数誤差SCE4は、三角で示されている。
図21に示すように、各周波数における各抑制周波数誤差SCE4は、低次のハーモニクスに対応する低い周波数では目標抑制周波数に近似しているが、高次のハーモニクスに対応する高い周波数では目標抑制周波数から大きく離れている。各周波数における各抑制周波数誤差SCE3は、低次のハーモニクスに対応する低い周波数でも目標抑制周波数に近似し、高次のハーモニクスに対応する高い周波数でも目標抑制周波数に近似している。そのため、特に、高次のハーモニクスに対応する高い周波数で、第2実施形態の繰り返し制御系RCを適用する効果が表れていることがわかる。
図22は、第2実施形態に係るハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法の一例を示すフローチャートである。図22は、図16に対応している。
既に遅延サンプル数Lを決定してハーモニクス外乱の補償中であると判定した場合(B1401のYES)、MPU60は、繰り返し制御器RC内のセレクタSWから遅延サンプル値e2[k-L]及びe2[k-(L+1)]を出力する(B2201)。MPU60は、遅延サンプル値e2[k-L]及びe2[k-(L+1)]に基づいて補間演算、例えば、内挿演算して推定した補間遅延メモリ出力信号e2(kTs-T1)を出力する(B2202)。MPU60は、過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k-L]を順次更新し、新たな位置誤差信号e0[k]と現在の遅延メモリ出力信号e2[k―L]とに基づいて遅延メモリ入力信号e2[k]を更新し(B1408)、処理を終了する。
第2実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、既に遅延サンプル数Lを決定してハーモニクス外乱の補償中であると判定した場合、繰り返し制御器RC内のセレクタSWから遅延サンプル値e2[k-L]及びe2[k-(L+1)]を出力し、遅延サンプル値e2[k-L]及びe2[k-(L+1)]に基づいて補間演算、例えば、内挿して推定した補間遅延メモリ出力信号e2(kTs-T1)を出力する。磁気ディスク装置1は、過去サンプル値e2[k―1]乃至e2[k-L]を順次更新し、新たな位置誤差信号e0[k]と現在の遅延メモリ出力信号e2[k―L]とに基づいて遅延メモリ入力信号e2[k]を更新する。そのため、磁気ディスク装置1は、信頼性を向上することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本明細書にて開示した構成から得られる磁気ディスク装置の一例を以下に付記する。
(1)
ディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
回転駆動し、前記ディスク上の搭載された前記ヘッドの移動制御をするアクチュエータと、
ハーモニクスを有する外乱に対応する前記ヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、前記基本周波数を決定し、前記基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、前記遅延サンプル数に応じた前記基本周波数の高調波である逓倍周波数を抑制するコントローラと、を備える、磁気ディスク装置。
(2)
前記コントローラは、前記基本周波数に対するサーボサンプル周波数の比として前記遅延サンプル数を算出する、(1)に記載の磁気ディスク装置。
(3)
前記コントローラは、前記基本周波数に対するサーボサンプル周波数の比の切り上げ値又は切り捨て値として前記遅延サンプル数を算出する、(1)又は(2)に記載の磁気ディスク装置。
(4)
前記コントローラは、前記外乱が変化した場合に前記基本周波数を再度推定し、前記基本周波数を再度決定し、再決定した前記基本周波数に基づいて前記遅延サンプル数を再度決定する、(1)乃至(3)のいずれか1に記載の磁気ディスク装置。
(5)
前記コントローラは、前記位置誤差信号の悪化を検出した場合、前記外乱が変化したと判定し、前記基本周波数を再度推定する、(4)に記載の磁気ディスク装置。
(6)
前記コントローラは、前記位置誤差信号に前記遅延サンプル数に応じた出力信号を加算した内部状態信号を出力する演算器と、入力される前記内部状態信号を順次記録し、前記遅延サンプル数が入力され、前記遅延サンプル数に応じた前記出力信号を出力するメモリユニットとを有する繰り返し制御系を有する、(1)乃至(5)のいずれか1に記載の磁気ディスク装置。
(7)
前記コントローラは、前記演算器と前記メモリユニットとに接続されたローパスフィルタを有し、
前記演算器は、前記ローパスフィルタに前記内部状態信号を出力し、
前記ローパスフィルタは、第1周波数以上の周波数をカットあるいは減衰させた前記内部状態信号を前記メモリユニットに出力する、(6)に記載の磁気ディスク装置。
(8)
前記コントローラは、前記メモリユニットに接続された位相補償器を有し、
前記メモリユニットは、前記位相補償器に前記出力信号を出力し、
前記位相補償器は、位相補償を実行した前記出力信号を前記演算器に出力する、(7)に記載の磁気ディスク装置。
(9)
前記コントローラは、前記基本周波数に応じた出力信号に基づいて補間演算した補間出力信号を出力し、前記補間出力信号に基づいて位置決め制御を実行する、(1)に記載の磁気ディスク装置。
(10)
前記コントローラは、前記基本周波数の逆数である遅延時間をサンプリング周期で除算した値の小数点以下を切り捨てた整数値として前記遅延サンプル数を算出する、(9)に記載の磁気ディスク装置。
(11)
前記コントローラは、前記遅延サンプル数の内の第1遅延サンプル数に応じた前記出力信号の内の第1出力信号と前記遅延サンプル数の内の前記第1遅延サンプル数の1サンプル周期後の第2遅延サンプル数に応じた前記出力信号の内の第2出力信号とを線形内挿演算して前記補間出力信号を算出する、(9)又は(10)に記載の磁気ディスク装置。
(12)
ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、回転駆動し、前記ディスク上の搭載された前記ヘッドの移動制御をするアクチュエータと、を備えている磁気ディスク装置に適用されるハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法であって、
ハーモニクスを有する外乱に対応する前記ヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、
前記基本周波数を決定し、
前記基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、
前記遅延サンプル数に応じた前記基本周波数の高調波である逓倍周波数を抑制する、ハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法。
(13)
ディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
回転駆動し、前記ディスク上の搭載された前記ヘッドの移動制御をするアクチュエータと、
ハーモニクスを有する外乱に対応する前記ヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、前記基本周波数を決定し、前記基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、前記基本周波数に応じた出力信号に基づいて補間演算した補間出力信号を出力し、前記補間出力信号に基づいて位置決め制御を実行する、コントローラと、を備える、磁気ディスク装置。
(14)
前記コントローラは、前記基本周波数の逆数である遅延時間をサンプリング周期で除算した値の小数点以下を切り捨てた整数値として前記遅延サンプル数を算出する、(13)に記載の磁気ディスク装置。
(15)
前記コントローラは、前記遅延サンプル数の内の第1遅延サンプル数に応じた前記出力信号の内の第1出力信号と前記遅延サンプル数の内の前記第1遅延サンプル数の1サンプル周期後の第2遅延サンプル数に応じた前記出力信号の内の第2出力信号とを線形内挿演算して前記補間出力信号を算出する、(14)に記載の磁気ディスク装置。
(16)
前記コントローラは、前記位置誤差信号から前記遅延時間を前記サンプリング周期で除算した値の小数点以下分だけ遅延した第1内部状態信号に応じて、前記出力信号を算出する、(14)に記載の磁気ディスク装置。
(17)
前記コントローラは、前記位置誤差信号に前記遅延サンプル数に応じた出力信号を加算した第2内部状態信号を出力する演算器と、前記第2内部状態信号と前記第2内部状態信号の1サンプル周期後の第3内部状態信号とに基づいて補間演算した前記第1内部状態信号を出力する補間器と、入力される前記第1内部状態信号を順次記録し、前記遅延サンプル数が入力され、前記遅延サンプル数に応じた前記出力信号を出力するメモリユニットとを有する繰り返し制御系を有する、(16)に記載の磁気ディスク装置。
1…磁気ディスク装置、10…磁気ディスク、10a…ユーザデータ領域、10b…システムエリア、12…スピンドルモータ(SPM)、13…アーム、14…ボイスコイルモータ(VCM)、15…ヘッド、15W…ライトヘッド、15R…リードヘッド、20…ドライバIC、30…ヘッドアンプIC、40…リード/ライト(R/W)チャネル、50…ハードディスクコントローラ(HDC)、60…マイクロプロセッサ(MPU)、70…揮発性メモリ、80…不揮発性メモリ、90…バッファメモリ、100…ホストシステム(ホスト)、130…システムコントローラ。

Claims (12)

  1. ディスクと、
    前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
    回転駆動し、前記ディスク上の搭載された前記ヘッドの移動制御をするアクチュエータと、
    ハーモニクスを有する外乱に対応する前記ヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、前記基本周波数を決定し、前記基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、前記遅延サンプル数に応じた前記基本周波数の高調波である逓倍周波数を抑制するコントローラと、を備える、磁気ディスク装置。
  2. 前記コントローラは、前記基本周波数に対するサーボサンプル周波数の比として前記遅延サンプル数を算出する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記コントローラは、前記基本周波数に対するサーボサンプル周波数の比の切り上げ値又は切り捨て値として前記遅延サンプル数を算出する、請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記コントローラは、前記外乱が変化した場合に前記基本周波数を再度推定し、前記基本周波数を再度決定し、再決定した前記基本周波数に基づいて前記遅延サンプル数を再度決定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記コントローラは、前記位置誤差信号の悪化を検出した場合、前記外乱が変化したと判定し、前記基本周波数を再度推定する、請求項4に記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記コントローラは、前記位置誤差信号に前記遅延サンプル数に応じた出力信号を加算した内部状態信号を出力する演算器と、入力される前記内部状態信号を順次記録し、前記遅延サンプル数が入力され、前記遅延サンプル数に応じた前記出力信号を出力するメモリユニットとを有する繰り返し制御系を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  7. 前記コントローラは、前記演算器と前記メモリユニットとに接続されたローパスフィルタを有し、
    前記演算器は、前記ローパスフィルタに前記内部状態信号を出力し、
    前記ローパスフィルタは、第1周波数以上の周波数をカットまたは減衰した前記内部状態信号を前記メモリユニットに出力する、請求項6に記載の磁気ディスク装置。
  8. 前記コントローラは、前記メモリユニットに接続された位相補償器を有し、
    前記メモリユニットは、前記位相補償器に前記出力信号を出力し、
    前記位相補償器は、位相補償を実行した前記出力信号を前記演算器に出力する、請求項7に記載の磁気ディスク装置。
  9. 前記コントローラは、前記基本周波数に応じた出力信号に基づいて補間演算した補間出力信号を出力し、前記補間出力信号に基づいて位置決め制御を実行する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  10. 前記コントローラは、前記基本周波数の逆数である遅延時間をサンプリング周期で除算した値の小数点以下を切り捨てた整数値として前記遅延サンプル数を算出する、請求項9に記載の磁気ディスク装置。
  11. 前記コントローラは、前記遅延サンプル数の内の第1遅延サンプル数に応じた前記出力信号の内の第1出力信号と前記遅延サンプル数の内の前記第1遅延サンプル数の1サンプル周期後の第2遅延サンプル数に応じた前記出力信号の内の第2出力信号とを線形内挿演算して前記補間出力信号を算出する、請求項9又は10に記載の磁気ディスク装置。
  12. ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、回転駆動し、前記ディスク上の搭載された前記ヘッドの移動制御をするアクチュエータと、を備えている磁気ディスク装置に適用されるハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法であって、
    ハーモニクスを有する外乱に対応する前記ヘッドの位置決め制御で生じる位置誤差信号の基本周波数を推定し、
    前記基本周波数を決定し、
    前記基本周波数に基づいて遅延サンプル数を決定し、
    前記遅延サンプル数に応じた前記基本周波数の高調波である逓倍周波数を抑制する、ハーモニクス外乱に対応する高調波の補償方法。
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